(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】流体収集デバイス及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61F 5/451 20060101AFI20220801BHJP
A61F 5/453 20060101ALI20220801BHJP
A61F 5/455 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
A61F5/451 V
A61F5/453
A61F5/455
(21)【出願番号】P 2020561066
(86)(22)【出願日】2019-04-29
(86)【国際出願番号】 US2019029610
(87)【国際公開番号】W WO2019212951
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2020-12-23
(32)【優先日】2018-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PureWick Corporation
【住所又は居所原語表記】2030 Gillespie Way, Suite 109, El Cajon, CA 92020, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アウスターマン ニック
(72)【発明者】
【氏名】グリセロ ジェイソン イアン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス アシュリー マリー
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0266031(US,A1)
【文献】特開2004-130056(JP,A)
【文献】国際公開第02/094160(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/022414(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/44-458
A61F 13/15-84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体収集デバイスであって、
流体収集部材と、
前記流体収集部材から外向きに延在する少なくとも1つのフランジであって、接着剤部材をその上に含む少なくとも1つのフランジと
を含み、
前記流体収集部材は、
チャンバーを少なくとも部分的に画定する流体不浸透性のバリアであって、前記流体不浸透性のバリアは、また、当該バリアを通って延在する開口部を画定しており、前記開口部は、女性の尿道に隣接して位置決めされるか、または、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている、流体不浸透性のバリアと、
前記チャンバーの中に少なくとも部分的に配設されている毛管材料と、
前記チャンバーの中に配設されている導管であって、前記流体収集デバイスの中に位置決めされている入口部、および、ポータブル真空供給源に流体的に連結されるように構成されている出口部を含む、導管と
を含
み、
前記少なくとも1つのフランジは、被験者の皮膚側に面するように向けられ、前記流体不浸透性のバリア内の前記開口部が前記被験者の前記尿道上にまたは前記尿道を覆うように配置された状態で、前記少なくとも1つのフランジが前記被験者の内腿の皮膚に一時的に接着可能な位置に設けられる、
ことを特徴とする、流体収集デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の流体収集デバイスであって、
前記流体収集部材は断面円形であって、前記少なくとも1つのフランジは、前記流体収集部材から実質的に接線方向に延在していることを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の流体収集デバイスであって、
前記流体収集部材は断面円形であって、前記少なくとも1つのフランジは、前記流体収集部材から実質的に
半径方向に延在していることを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の流体収集デバイスであって、前記流体収集部材は、実質的に円筒状になっていることを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の流体収集デバイスであって、前記毛管材料は、流体浸透性の膜または流体浸透性のサポートのうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載の流体収集デバイスであって、前記流体浸透性の膜は、前記開口部を横切って延在しており、前記流体浸透性のサポートは、前記流体浸透性の膜の下に配設されていることを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項7】
請求項5または6に記載の流体収集デバイスであって、前記流体不浸透性のバリアと前記流体浸透性の膜または前記流体浸透性のサポートのうちの1つまたは複数との間に画定されているリザーバーをさらに含み、前記入口部は、前記リザーバーの中にまたは前記リザーバーに隣接して位置決めされていることを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載の流体収集デバイスであって、前記流体不浸透性のバリアは、カップ部分を形成するように形状決めされており、前記カップ部分は、ユーザーに対して位置決めされるように構成されている受容部と接続しており、前記少なくとも1つのフランジは、前記受容部から延在していることを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項9】
流体収集システムであって、
流体を保持するように構成されている流体貯蔵コンテナと、
前記流体貯蔵コンテナと流体連通している流体収集デバイスと、
前記流体貯蔵コンテナまたは前記流体収集デバイスのうちの1つまたは複数と流体連通している真空供給源であって、前記流体収集デバイスから流体を引き出すように構成されている、真空供給源と
を含み、
前記流体収集デバイスは、
流体収集部材であって、
チャンバーを少なくとも部分的に画定する流体不浸透性のバリアであって、前記流体不浸透性のバリアは、また、当該バリアを通って延在する開口部を画定しており、前記開口部は、女性の尿道に隣接して位置決めされるか、または、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている、流体不浸透性のバリア;
前記チャンバーの中に少なくとも部分的に配設されている毛管材料;ならびに、
毛管材料の中に配設されている導管であって、前記流体収集デバイスの中に位置決めされている入口部、および、
前記真空供給源と流体連通しているように構成されている出口部を含む、導管
を含む、流体収集部材と、
前記流体収集部材から外向きに延在
し、接着剤部材をその上に含む
少なくとも1つのフランジであって、被験者の皮膚側に面するように向けられ、前記流体不浸透性のバリア内の前記開口部が前記被験者の前記尿道上にまたは前記尿道を覆うように配置された状態で、前記少なくとも1つのフランジが前記被験者の内腿の皮膚に一時的に接着可能な位置に設けられる少なくとも1つのフランジと
を含むことを特徴とする、流体収集システム。
【請求項10】
請求項9に記載の流体収集システムであって、前記流体収集部材は、概して円筒状の形状を含むことを特徴とする流体収集システム。
【請求項11】
請求項9または10に記載の流体収集システムであって、
前記流体収集部材は断面円形であって、前記少なくとも1つのフランジは、前記流体不浸透性のバリアから実質的に
前記流体収集部材の半径方向に延在していることを特徴とする流体収集システム。
【請求項12】
請求項9または10に記載の流体収集システムであって、
前記流体収集部材は断面円形であって、前記少なくとも1つのフランジは、前記流体不浸透性のバリアから実質的に
前記流体収集部材の接線方向に延在していることを特徴とする流体収集システム。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか1項に記載の流体収集システムであって、前記真空供給源は、前記流体収集デバイスの中に配設されているポータブル真空供給源を含むことを特徴とする流体収集システム。
【請求項14】
請求項9から12のいずれか1項に記載の流体収集システムであって、
前記流体収集デバイスは、前記流体貯蔵コンテナから間隔を置いて配置されており、前記流体貯蔵コンテナから上流に位置決めされており、
前記真空供給源は、前記流体収集デバイスから
、前記真空供給源の吸引方向に沿った下流におよび前記流体収集デバイスの外側に位置決めされていることを特徴とする流体収集システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月1日に出願された米国仮出願第62/665,321号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
人は、典型的な排尿プロセスが困難であるかまたは不可能であるように、運動制限または運動障害を有する場合がある。たとえば、人は、可動性を損なう外科手術または身体障害を有する場合がある。別の例では、人は、たとえば、パイロット、ドライバー、および、危険エリアでの作業者によって経験されるものなどの、制限された移動条件を有する場合がある。追加的に、人からの流体収集が、モニタリング目的または臨床試験のために必要とされ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2017/0189225号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/0266031号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0374848号明細書
【文献】米国特許第4,747,166号明細書
【文献】米国特許第6,117,163号明細書
【文献】米国特許第6,123,398号明細書
【文献】米国特許第8,211,063号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベッドパンおよび尿道カテーテル(たとえば、Foleyカテーテルなど)が、これらの状況のうちのいくつかに対処するために使用され得る。しかし、ベッドパンおよび尿道カテーテルは、それに関連付けられるいくつかの問題を有している。たとえば、ベッドパンは、不快感、こぼれ、および他の衛生上の問題を起こしやすい可能性がある。尿道カテーテルは、不快であり、痛みを伴う可能性があり、尿路感染症を引き起こす可能性がある。
【0005】
したがって、流体収集デバイスのユーザーおよび製造業者は、尿を収集するための新しい改善されたデバイス、システム、および方法を探し続けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示されている実施形態は、流体収集デバイスを使用するデバイス、システム、および方法に関する。ある実施形態では、流体収集デバイスが開示されている。流体収集デバイスは、流体収集部材を含む。流体収集部材は、チャンバーを少なくとも部分的に画定する流体不浸透性のバリアを含み、流体不浸透性のバリアは、また、当該バリアを通って延在する開口部を画定しており、開口部は、女性の尿道に隣接して位置決めされるか、または、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている。流体収集部材は、チャンバーの中に少なくとも部分的に配設されている毛管材料を含む。流体収集部材は、チャンバーの中に配設されている導管を含み、導管は、流体収集デバイスの中に位置決めされている入口部、および、ポータブル真空供給源と流体連通しているように構成されている出口部を含む。流体収集デバイスは、流体収集部材から外向きに延在する少なくとも1つのフランジを含み、少なくとも1つのフランジは、接着剤部材をその上に含む。
【0007】
ある実施形態では、流体収集システムが開示されている。流体収集システムは、流体を保持するように構成されている流体貯蔵コンテナを含む。流体収集システムは、流体貯蔵コンテナと流体連通している流体収集デバイスを含む。流体収集デバイスは、流体収集部材を含む。流体収集部材は、チャンバーを少なくとも部分的に画定する流体不浸透性のバリアを含み、流体不浸透性のバリアは、また、当該バリアを通って延在する開口部を画定しており、開口部は、女性の尿道に隣接して位置決めされるか、または、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている。流体収集部材は、チャンバーの中に少なくとも部分的に配設されている毛管材料を含む。流体収集部材は、チャンバーの中に配設されている導管を含み、導管は、流体収集デバイスの中に位置決めされている入口部、および、ポータブル真空供給源と流体連通しているように構成されている出口部を含む。流体収集デバイスは、流体収集部材から外向きに延在する少なくとも1つのフランジを含み、少なくとも1つのフランジは、接着剤部材をその上に含む。流体収集システムは、流体貯蔵コンテナまたは流体収集デバイスのうちの1つまたは複数と流体連通している真空供給源を含み、真空供給源は、流体収集デバイスから流体を引き出すように構成されている。
【0008】
ある実施形態では、流体を収集する方法が開示されている。この方法は、ユーザーの女性の尿道に隣接してまたは男性の尿道の周りに流体収集デバイスの開口部を位置決めするステップであって、開口部は、流体収集デバイスの流体不浸透性のバリアによって画定されている、ステップを含む。またこの方法は、流体収集デバイスをユーザーに固定するステップを含む。この方法は、女性の尿道または男性の尿道から流体収集デバイスのチャンバーの中へ流体を受け入れるステップであって、流体収集デバイスのチャンバーは、流体不浸透性のバリアによって少なくとも部分的に画定されている、ステップを含む。
【0009】
開示されている実施形態のいずれかからの特徴は、限定することなく互いに組み合わせて使用され得る。加えて、本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を考慮することを通して、当業者に明らかになることとなる。
【0010】
図面は、本開示のいくつかの実施形態を図示しており、同一の参照番号は、異なる図の中のまたは図面に示されている実施形態の中の同一または同様のエレメントまたは特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態による、流体収集のためのシステムのブロック図である。
【
図2A】実施形態による流体収集デバイスの等角図である。
【
図2B】実施形態による、
図2Aの流体収集デバイスが使用のために位置決めされている状態のユーザーの正面図である。
【
図3】実施形態による、
図2Aの平面A-Aに沿って見た流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図4】実施形態による、
図2Aの平面A-Aに沿って見た流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図5】実施形態による、
図2Aの平面A-Aに沿って見た流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図6】実施形態による、
図2Aの平面B-Bに沿って見た流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図7】実施形態による、
図2Aの平面B-Bに沿って見た流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図8】実施形態による、
図2Aの平面B-Bに沿って見た流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図9A】実施形態による流体収集デバイスの等角図である。
【
図9B】実施形態による、
図9Aの平面C-Cに沿って見た流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図10】実施形態による、流体を収集する方法のフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で開示されている実施形態は、デバイス、システム、ならびに、流体収集デバイスおよびシステムを使用する方法に関する。デバイス、システム、ならびに、流体収集デバイスおよびシステムを使用する方法は、流体収集デバイスから延在する少なくとも1つのフランジを含み、少なくとも1つのフランジは、ユーザーの皮膚に取り付けられるように、および、流体収集デバイスをユーザーの1つまたは複数の解剖学的構造体(たとえば、尿道)と整合させるように位置決めされている。デバイス、システム、ならびに、流体収集デバイスおよびシステムを使用する方法は、流体収集デバイスから尿を除去するためのポータブル真空供給源を含む。ポータブル真空供給源は、たとえば、非病院環境などにおいて、本明細書におけるシステムおよび方法のポータブルな使用法を可能にすることができる。
【0013】
ある実施形態では、流体収集デバイスは、チャンバーを少なくとも部分的に画定する流体不浸透性のバリアを含む。また、流体不浸透性のバリアは、当該バリアを通って延在する開口部を画定しており、開口部は、女性の尿道に隣接して位置決めされるか、または、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている。また、流体収集デバイスは、チューブを含み、チューブは、その入口部と出口部との間に延在するチャネルを有している。入口部は、吸引供給源に連結されるように構成されており、出口部は、流体貯蔵(容器またはコンテナ)と流体的に連結されている(たとえば、流体連通している)ように構成されている。出口部は、入口部から下流に位置決めされている。また、チャネルは、少なくとも1つのアパーチャーをその中に画定しており、少なくとも1つのアパーチャーは、チャネルの内部をチャンバーの残りの部分に流体的に連結している。
【0014】
本明細書で開示されている流体収集デバイスは、人から流体を収集するように構成されている。流体収集デバイスによって収集される流体は、尿を含むことが可能である。流体収集デバイスによって収集される流体は、また、膣分泌液、陰茎分泌液、生殖液、血液、汗、または他の体液のうちの少なくとも1つを含むことが可能である。
【0015】
本明細書で開示されている流体収集デバイスは、流体収集システムの中で使用されるように構成されている。本明細書で開示されている流体収集システムは、ガス供給源を含む。ガス供給源を含むシステムは、いくつかの実施形態では、真空供給源を含むシステムに関連付けられるいくつかの問題を解決することが可能である。たとえば、真空供給源を含むシステムは、真空供給源に向けて流体を引き出し、流体が真空供給源に到達することができる前に、流体貯蔵コンテナの中に流体のほとんどを堆積させる。しかし、少量の流体(たとえば、流体からの蒸気)が依然として真空供給源に到達する可能性があり、それは、真空供給源を汚染および/または損傷させる(たとえば、錆びさせる)可能性がある。追加的に、流体貯蔵コンテナが実質的に満杯のときには、大量の流体が真空供給源に到達する可能性がある。しかし、ガス供給源を含むシステムは、ガス供給源から離れるように流体を移動させ、それによって、汚染および/または損傷を防止する。たとえば、ガス供給源は、導管の中に真空を生成させるために導管に対して垂直の角度または斜めの角度で、導管の接続された端部を通過してガスを流すことによって、真空を生成させるために使用され得る。流体は、導管に引き寄せられ、ガス供給源から離れているガスフローの方向にガスフローの中へ引き入れられる。別の実施形態では、真空供給源を含むシステムは、利用可能な真空供給源を含まない環境で使用されることができない(たとえばその環境は、真空供給源を含まないか、または、真空供給源が既に使用されている)。そうであるので、ガス供給源を含むシステムは、利用可能な真空供給源を含まない環境で使用され得る。液体供給源は、ガス供給源と同じ方式で、真空を生成および実装するために使用され得る。真空供給源またはガス供給源は、本明細書で開示されているデバイスまたはシステムのいずれかによって利用され、そこから流体を除去することが可能である。
【0016】
図1は、実施形態による、流体収集のためのシステム10のブロック図である。システム10は、流体収集デバイス12、流体貯蔵コンテナ14、および真空供給源16を含む。流体収集デバイス12、流体貯蔵コンテナ14、および真空供給源16は、1つまたは複数の導管17を介して、互いに流体連通していることが可能である(たとえば、互いに流体的に連結されている)。たとえば、流体収集デバイス12は、流体貯蔵コンテナ14または真空供給源のうちの1つまたは複数と導管17を介して流体連通していることが可能である。流体収集デバイス12の中に収集されている流体(たとえば、尿または他の体液)は、流体収集デバイス12から導管17を介して除去され得り、導管17は、流体収集デバイス12の内部領域の中へ突出している。たとえば、導管17の第1の開口端部は、流体収集デバイス12の中へ、その中のリザーバーへ延在することが可能である。導管17の第2の開口端部は、流体貯蔵コンテナ14または真空供給源16の中へ延在することが可能である。吸引力は、導管17の第2の端部に印加される吸引(たとえば、真空)力に応答して、導管17の第1の開口端部を介して、流体収集デバイス12の内部領域の中へ導入され得る。吸引力は、直接的または間接的のいずれかで真空供給源16によって、導管17の第2の開口端部に印加され得る。
【0017】
吸引力は、流体貯蔵コンテナ14を介して間接的に印加され得る。たとえば、導管17の第2の開口端部は、流体貯蔵コンテナ14の中に配設され得り、追加的な導管17は、流体貯蔵コンテナ14から真空供給源16へ延在することが可能である。したがって、真空供給源16は、流体貯蔵コンテナ14を介して流体収集デバイス12に吸引を印加することが可能である。吸引力は、流体貯蔵コンテナ14を介して直接的に印加され得る。たとえば、導管17の第2の開口端部は、真空供給源16の中に配設され得る。追加的な導管17は、真空供給源16から、流体収集デバイス12の外側のポイントへ、たとえば、流体貯蔵コンテナ14などへ延在することが可能である。そのような例では、真空供給源16は、流体収集デバイス12と流体貯蔵コンテナ14との間に配設され得る。
【0018】
流体収集デバイス12は、女性の尿道に隣接して位置決めされるように形状決めおよびサイズ決めされ得る。たとえば、および、より詳細に下記に説明されているように、流体収集デバイス12は、流体収集部材および少なくとも1つのフランジを含むことが可能であり、少なくとも1つのフランジは、ユーザーの皮膚に取り付けられるように、および、ユーザーの生体構造の選択された部分の中に(たとえば、尿道または膣に隣接してまたはその上に)流体収集部材を整合させるように、位置決めおよび装備されている。たとえば、少なくとも1つのフランジは、ユーザーの皮膚に可逆的に取り付けるための接着剤を含むことが可能であり、また、流体収集部材の開口部を女性のユーザーの膣と(たとえば、尿道の上もしくは上方に、または、陰唇間に)整合させるために、流体収集部材の上に位置決めされ得る。
【0019】
流体収集デバイス12の流体収集部材は、流体収集デバイス12のチャンバー(たとえば、流体収集デバイス部材の内部領域)を少なくとも部分的に画定する流体不浸透性のバリアを含むことが可能である。また、流体不浸透性のバリアは、外部環境から当該バリアを通って延在する開口部を画定している。開口部は、女性の尿道に隣接して整合されるように流体収集部材の上に位置決めされ得る。流体収集デバイス12の流体収集部材は、流体不浸透性のバリアの中に配設されている流体浸透性の膜を含むことが可能である。流体収集デバイス12の流体収集部材は、流体浸透性の膜の中に配設されている流体浸透性のサポートを含むことが可能である。導管17は、第1の端部領域において流体収集デバイス12の中へ延在し、流体不浸透性のバリア、流体浸透性の膜、または流体浸透性のサポートのうちの1つまたは複数を通って、流体収集デバイス12の流体収集部材の第2の端部領域へ延在することが可能である。本明細書におけるシステムおよび方法とともに使用するための例示的な流体収集デバイスが、より詳細に下記に説明されている。
【0020】
例では、流体貯蔵コンテナ14は、バッグ(たとえば、ドレナージバッグ)、ボトルまたはカップ(たとえば、収集ジャー)、または、尿などのような体液を貯蔵するための任意の他の囲まれたコンテナを含むことが可能である。例では、導管17は、流体収集デバイス12から延在し、流体貯蔵コンテナ14にその中の第1のポイントにおいて取り付けられ得る。追加的な導管17は、流体貯蔵コンテナ14にその上の第2のポイントにおいて取り付けられ得り、真空供給源16に延在して取り付けられ得る。たとえば、流体貯蔵コンテナ14は、第1の導管セクションと流体連通しているコンテナを含むことが可能であり、第1の導管セクションは、流体収集デバイス12の流体収集部材とも流体連通している。コンテナは、導管17の第2のセクションと流体連通していることが可能であり、第2のセクションは、真空供給源とも流体連通している。そのような例では、真空供給源16は、コンテナを通して流体収集部材に真空/吸引を提供し、流体収集部材のチャンバーの中に吸引を提供することが可能である。したがって、真空(たとえば、吸引)が、流体貯蔵コンテナ14を介して流体収集デバイス12を通して引かれ得る。流体がチャンバーから排水されるときに、流体は、導管の第1のセクションを通って流体貯蔵コンテナへ進むことが可能であり、流体貯蔵コンテナにおいて、流体は保たれ得る。尿などのような流体は、真空供給源16を使用して流体収集デバイス12から排水され得る。
【0021】
いくつかの例では、真空供給源16は、ポータブル真空供給源を含むことが可能である。例では、ポータブル真空供給源は、流体収集デバイス12の中または上に配設され得る。そのような例では、導管17は、流体収集デバイスから延在し、(ポータブル)真空供給源16にその中の第1のポイントにおいて取り付けられ得る。追加的な導管17は、真空供給源16にその上の第2のポイントにおいて取り付けられ得り、流体収集デバイス12から外へ延在することが可能であり、流体貯蔵コンテナ14に取り付けられ得る。したがって、真空(たとえば、吸引)は、流体貯蔵コンテナ14を介して流体収集デバイス12を通して引かれ得る。
【0022】
真空供給源16は、患者ケア施設の中へ配管されている真空ライン、手動真空ポンプ、および、電気真空ポンプ、ダイヤフラムポンプ、遠心ポンプ、変位ポンプ、磁気駆動式ポンプ、蠕動ポンプ、または、真空を作り出すように構成されている任意のポンプのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。真空供給源16は、真空または吸引を提供し、流体収集デバイス12の流体収集部材から流体を除去することが可能である。例では、真空供給源16は、電源コード(たとえば、電源ソケットに接続されている)、1つもしくは複数のバッテリー、または、さらには、手動電源(たとえば、手動式真空ポンプ)のうちの1つもしくは複数によって給電され得る。例では、真空供給源16(たとえば、ポータブル真空供給源)は、流体収集デバイス12の外側に、上に、または中にフィットするようにサイズ決めおよび形状決めされ得る。たとえば、真空供給源16(たとえば、ポータブル真空供給源)は、1つもしくは複数の小型ポンプまたは1つもしくは複数のマイクロポンプを含むことが可能である。本明細書で開示されている真空供給源16は、スイッチ、ボタン、プラグ、リモコン、または、真空供給源16を駆動させるのに適切な任意の他のデバイスのうちの1つもしくは複数を含むことが可能である。本明細書で開示されている真空供給源16は、吸引または真空を提供するポータブル手段を提供することが可能であり、吸引または真空は、病院またはケア施設環境の外側での、本明細書におけるデバイスおよびシステムの使用を可能にし、病院またはケア施設環境では、真空ラインが患者の部屋の中へ配管されているか、または、より大きい(たとえば、患者が容易に運搬できるよりも大きいかまたは重い)真空供給源が位置付けされているということが理解されるべきである。たとえば、ポータブル真空供給源は、ユーザーの輸送の間に、ユーザー(たとえば、患者)または補助者(たとえば、看護師)によって運搬されるのに十分に小さくて軽くなっていることが可能である。
【0023】
図2Aは、実施形態による流体収集デバイス100の等角図である。流体収集デバイス100は、流体収集部材101と、流体収集部材101から延在する少なくとも1つのフランジ140とを含む。いくつかの例では、流体収集部材101は、女性の被験者の膣領域を補完するかまたは輪郭をかたどるのに適切な実質的に円筒状の形状、楕円体、角柱状の形状、または任意の他の形状であることが可能である。流体収集部材101は、流体不浸透性のバリア102、毛管材料115、および導管108を含むことが可能である。毛管材料115は、流体不浸透性のバリア102の中に少なくとも部分的に配設され得る。導管108は、毛管材料115の中に少なくとも部分的に配設され得る。
【0024】
流体不浸透性のバリア102は、流体収集部材101の外側表面の少なくとも一部分を少なくとも部分的に画定している。流体不浸透性のバリア102は、その中のチャンバー104(たとえば、流体収集部材101の内部領域)および開口部106を少なくとも部分的に画定している。開口部106は、流体不浸透性のバリア102の中に形成されており、流体不浸透性のバリア102を通って延在しており、それによって、流体が流体収集デバイス100の流体収集部材101の外側からチャンバー104に進入することを可能にする。開口部106は、女性の尿道に隣接して、たとえば、女性のユーザーの大陰唇間などに位置決めされるように構成され得る。
【0025】
また、流体不浸透性のバリア102は、チャンバー104の中に流体を一時的に保つかまたは貯蔵することが可能である。たとえば、流体不浸透性のバリア102は、たとえば、流体不浸透性のポリマー(たとえば、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ラテックス、シリコーンなど)、金属フィルム、別の適切な材料、または、それらの組み合わせなどのような、任意の適切な流体不浸透性の材料から形成され得る。そうであるので、流体不浸透性のバリア102は、流体のうちの少なくともいくらかが、開口部106から間隔を置いて配置されているチャンバー104の部分を退出することを防止することが可能である。
【0026】
ある実施形態では、流体不浸透性のバリア102は、空気浸透性になっており、また、流体不浸透性になっていることが可能である。そのような実施形態では、流体不浸透性のバリア102は、複数の細孔を画定する疎水性の材料から形成され得る。ある例では、流体不浸透性のバリア102の少なくとも外側表面の1つまたは複数の部分は、軟質のおよび/または滑らかな材料から形成され得り、それによって、ユーザーの皮膚の擦傷を低減させる。流体不浸透性のバリア102は、着用者の上にデバイス100を整合させる際にユーザーを支援するための1つまたは複数のマーキングなどのような、マーキングをその上に含むことが可能である。たとえば、流体不浸透性のバリア102(たとえば、開口部106の反対側)の上のラインは、医療従事者が着用者の尿道の上に開口部106を整合させることを可能にすることができる。例では、マーキングは、ストライプまたはハッシュなどのような、アライメントガイドまたは配向インジケーターのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。そのようなマーキングは、恥骨などのような1つまたは複数の解剖学的特徴にデバイス100を整合させるように位置決めされ得る。
【0027】
毛管(wicking)材料115は、流体不浸透性のバリア102の中に少なくとも部分的に配設され得る。毛管材料115は、浸透性の材料を含むことが可能であり、浸透性の材料は、流体を吸い上げるように、または、流体がそれを通過することを可能にするように設計されている。本明細書で言及される浸透性の特性は、毛管作用、毛細管作用、拡散、または、他の同様の特性もしくはプロセスであることが可能であり、本明細書で「浸透性の」および/または「毛管作用の」と称され得る。そのような「毛管作用」は、毛管材料の中への吸収を含まない場合がある。毛管材料115は、開口部106を通って進む流体を収集することが可能である。毛管材料115は、2つ以上の材料、たとえば、複数の材料などを含むことが可能である。複数の材料は、互いの中に同心円状に配設されている複数の層を含むことが可能である。毛管材料の同心円状に配設されている層は、たとえば、最も内側の毛管材料が複数の材料の最大のまたは最小の毛管能力を含む場合などに、毛管作用の勾配を示すことが可能である。
【0028】
例では、毛管材料115は、流体浸透性のサポート(
図3~
図8)または流体浸透性の膜118のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。たとえば、流体収集デバイス100の流体収集部材101は、チャンバー104の中に配設されている流体浸透性の膜118を含むことが可能である。流体浸透性の膜118は、開口部106の少なくとも一部分(たとえば、すべて)をカバーすることが可能である。流体浸透性の膜118は、開口部106から離れるように任意の流体を吸い上げるように構成され得り、それによって、流体がチャンバー104から逃げることを防止する。また、流体浸透性の膜118は、より詳細に下記に議論されているように、全体的にチャンバー104の内部に向けて流体を吸い上げることが可能である。流体浸透性の膜118は、流体を吸い上げることができる任意の材料を含むことが可能である。たとえば、流体浸透性の膜118は、ファブリック、たとえば、ガーゼ(たとえば、シルク、リネン、ポリエステル、またはコットンガーゼ)、別の軟質のファブリック(たとえば、ジャージーニットファブリックなど)、または、別の滑らかなファブリック(たとえば、レーヨンまたはサテンなど)などを含むことが可能である。いくつかの例では、流体浸透性の膜118は、オープンセルフォームを含むことが可能である。ガーゼ、軟質のファブリック、および/または滑らかなファブリックから流体浸透性の膜118を形成することは、流体収集デバイス100によって引き起こされる擦傷を低減させることが可能である。
【0029】
流体収集デバイス100は、チャンバー104の中に配設されている流体浸透性のサポート120(
図3~
図8)を含むことが可能である。流体浸透性のサポート120は、流体浸透性の膜118を支持することが可能である。その理由は、流体浸透性の膜118が、折り畳み可能な、薄い、または他の方法で容易に変形可能な材料から形成され得るからである。たとえば、流体浸透性のサポート120は、流体浸透性の膜118が流体浸透性のサポートと流体不浸透性のバリア102との間に配設されるように位置決めされ得る。そうであるので、流体浸透性のサポート120は流体浸透性の膜118の位置を支持および維持することが可能である。流体浸透性のサポート120は、流体浸透性の膜118よりも変形しにくい任意の流体浸透性の材料から形成され得る。たとえば、流体浸透性のサポート120は、多孔性のナイロン構造体またはオープンセルフォームを含むことが可能である。実施形態では、流体浸透性のサポートは、流体収集デバイス100から省略され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、毛管材料115(たとえば、流体浸透性の膜118または流体浸透性のサポートのうちの1つまたは複数)は、導管108によって占有されていないチャンバー104の部分を少なくとも実質的に完全に充填することが可能である。たとえば、毛管材料115は、導管108によって占有されていないチャンバー104の部分を充填することが可能である。いくつかの例では、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポートは、導管108によって占有されていないチャンバー104の部分を実質的に完全に充填していなくてもよい。そのような例では、流体収集デバイス100は、チャンバー104の中に配設されているリザーバー(たとえば、空隙)を含むことが可能である。リザーバーは、チャンバー104の中の毛管材料と流体不浸透性のバリア102の内部表面との間の空隙を含むことが可能である。毛管材料115によって吸収される流体のうちの少なくともいくらかは、毛管材料115から外へ排水し、リザーバーの中に収集することが可能である。
【0031】
また、流体収集デバイス100の流体収集部材101は、チャンバー104の中に少なくとも部分的に配設されている導管108を含むことが可能である。導管108は、プラスチックチュービング(たとえば、医療用チュービング)などのような、可撓性の材料を含むことが可能である。そのようなプラスチックチュービングは、熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレンなどのチュービングを含むことが可能である。例では、導管108は、シリコンまたはラテックスを含むことが可能である。導管108(たとえば、チューブ)は、第1の端部領域において入口部を含み、入口部から下流に位置決めされている第2の端部領域において出口部を含む。導管108は、チャンバー104の内部領域を、流体貯蔵コンテナ(
図1)または真空供給源(
図1)のうちの1つまたは複数と流体連通している状態に置く。流体は、導管108を介してチャンバー104から除去され得る。吸引力または真空力が、真空供給源(
図1)によって導管108の中に印加または形成されるとき、チャンバー104の中の流体は、入口部の中へおよび流体収集部材101から外へ、導管108を介して引き出され得る。
【0032】
例では、導管108は、チャンバー104の中の最も内側のまたは重量測定法的に低いスポットの中に配設され得る。たとえば、導管108は、チャンバー104(たとえば、流体収集部材101の内部の中の流体リザーバー)の重量測定法的に低いスポットの中に入口部を位置決めするのに十分に遠くへ、チャンバー104の中へ延在することが可能である。
【0033】
流体収集部材101およびそのコンポーネントは、それに印加される圧力に応答して変形可能(たとえば、屈曲可能)になっていることが可能である。たとえば、流体収集部材101およびそのコンポーネントは、たとえば、衣類とユーザーとの間に配設されているときなどに、ユーザーの表面に一致するように屈曲することが可能である。例では、流体収集部材101は、肌着が流体収集部材101の上に引っ張られるときに、尿道に近接して(たとえば、陰唇間に)配設するときに屈曲することが可能である。
【0034】
少なくとも1つのフランジ140は、流体収集部材101から延在することが可能である。少なくとも1つのフランジは、フランジ本体部142と、フランジ本体部142の上に配設されている接着剤部材144とを含むことが可能である。いくつかの例では、少なくとも1つのフランジ140は、2つ以上のフランジ(たとえば、4つのフランジ)を含むことが可能である。少なくとも1つのフランジ140は、流体収集部材101から離れるように第1の方向に延在する第1のフランジ本体部と、流体収集部材101から離れるように第2の方向に延在する第2のフランジ本体部とを含むことが可能であり、第1および第2の方向は、互いに実質的に反対側になっている(たとえば、少なくとも120°離れている)。少なくとも1つのフランジ140は、流体収集部材101の長手方向の長さの少なくとも一部分に沿って延在することが可能である。たとえば、少なくとも1つのフランジ140は、平面B-Bに対して平行に見たときに、流体収集部材101の長手方向の長さの少なくとも5%(たとえば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、または60%未満)の幅を有することが可能である。例では、フランジ140の幅は、少なくとも1cm、たとえば、2cm、5cm、10cm、15cm、20cm、30cmなどであるか、または、先述のものの任意の組み合わせの間の範囲の中にあることが可能である。フランジ140(たとえば、フランジ本体部142)は、流体収集部材101から離れるように、少なくとも1cm、たとえば、1cm、3cm、5cm、10cm、15cm、20cm、25cm、30cmなど延在するか、または、流体収集部材101から離れるように、先述のものの任意の組み合わせの間の範囲の中で延在することが可能である。
【0035】
例では、少なくとも1つのフランジ140のフランジ本体部142は、流体不浸透性のバリア102と同じ材料から形成され得る。例では、少なくとも1つのフランジ140のフランジ本体部142は、布、紙、プラスチック、または、それに印加される圧力に応答して変形するのに適切であり、崩壊することなく湿度に耐えることができる、任意の他の材料のうちの1つまたは複数から形成され得る。たとえば、フランジ本体部142は、熱可塑性エラストマー、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ラテックス、シリコン、ファブリック、織布などから形成され得る。例では、導管108は、シリコンまたはラテックスを含むことが可能である。少なくとも1つのフランジ140のフランジ本体部142は、可撓性になっていることが可能であり、ユーザーによる操作または移動に一致することが可能である。フランジ本体部142は、フランジ140に関して上記に開示されている寸法のいずれかを示すことが可能である。
【0036】
フランジ本体部142は、たとえば、その遠位部分(たとえば、流体収集部材101から遠位)などにおいて、その上に配設されている接着剤部材144を有することが可能である。接着剤部材144は、ステープル、クリップ、面ファスナーなどのような機械的な手段によって、フランジ本体部142に貼り付けられ得るか、接着剤によって貼り付けられ得るか、または、フランジ本体部142の中に一体的に形成され得る。接着剤部材144は、接着剤がユーザーの皮膚の衣類に塗布されることを可能にするのに効果的な位置に、フランジ本体部142の上に位置決めされ、ユーザーの1つまたは複数の解剖学的特徴に対する(たとえば、女性の尿道に近接した、または、陰唇間の)流体収集部材101の位置を維持することが可能である。たとえば、接着剤部材144は、フランジ本体部142の上に位置決めされ得り、少なくとも1つのフランジ140がユーザーの内腿に接着することを可能にし、ユーザー190の陰唇間における関連の流体収集部材101の位置を維持することが可能である。例では、接着剤部材144は、可撓性になっていることが可能であり、または、ユーザーの解剖学的特徴に一致するように、および、ユーザーの移動を収容するようにその他の方法で構成され得る。
【0037】
図2Bは、実施形態による、流体収集デバイス100が使用のために位置決めされた状態のユーザー190の正面図である。ユーザー190は、女性であることが可能であり、流体収集デバイス100は、使用のために位置決めされ得る(たとえば、膣から尿または他の体液を収集する)。たとえば、フランジ140は、少なくとも1つのフランジ140がユーザー190の内腿194に接着されているときに陰唇192間に流体収集部材101を位置付けするための位置に、流体収集部材101の上に配設され得る。例では、少なくとも1つのフランジ140は、ユーザー190の恥骨領域(たとえば、下腹部領域)に接着され、ユーザー190の尿道の上に流体収集部材を整合させることが可能である。いくつかの例では、少なくとも1つのフランジ140は、ユーザー190によって着用される衣類(たとえば、肌着)のファブリックに接着され得る。導管108は、流体貯蔵コンテナまたは真空ポンプ(図示せず)と流体連通しており、任意の収集された流体を流体収集デバイス100から除去することが可能である。
【0038】
図2Aに戻ると、少なくとも1つのフランジ本体部142は、その上に配設されている接着剤部材144を含むことが可能である。たとえば、接着剤部材144は、フランジ本体部142の上で上向きに(たとえば、流体収集部材101の全体的な方向に)面していることが可能である。いくつかの例では、フランジ140は、追加的にまたは代替的に、フランジ本体部142の上に下向きに面している接着剤部材144を含むことが可能である。例では、接着剤部材144は、フランジ本体部142の遠位部分の上に(たとえば、流体収集部材101から遠位に)位置付けされ得る。例では、接着剤部材144は、フランジ本体部142の表面積の少なくとも5%をカバーすることが可能であり、たとえば、フランジ本体部142の表面積の5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%などをカバーするか、または、先述のものの任意の組み合わせの間の範囲でカバーするかことが可能である。
【0039】
例では、接着剤部材144は、グルー、接触接着剤、エポキシ、ヒドロゲル接着剤、テープ、または、皮膚もしくはファブリックにフランジを取り付けるのに適切な他の接着剤を含むことが可能である。たとえば、接着剤は、アクリレート(たとえば、メタクリレートまたはエポキシジアクリレート)、または、包帯の上での使用に適切な任意の他の接着剤を含むことが可能である。
【0040】
本明細書で開示されている流体収集デバイスの断面プロファイルは変化することが可能である。たとえば、長手方向の断面は、平面A-Aに沿ってとられ、軸線方向の断面は、
図2Aの中の平面B-Bに沿って見られ得る。
【0041】
図3は、実施形態による、
図2Aの平面A-Aに沿って見られた流体収集デバイス100の概略断面図である。流体収集デバイス100は、女性用流体収集デバイス100の例であり、女性用流体収集デバイス100は、女性のユーザーから流体を受け入れるようにサイズ決めされ、形状決めされ、およびその他の方法で構成されている。流体収集デバイス100は、流体収集部材101および少なくとも1つのフランジ140を含む。流体収集部材101は、流体不浸透性のバリア102を含む。流体不浸透性のバリア102は、チャンバー104(たとえば、内部領域)および開口部106を少なくとも部分的に画定している。開口部106は、流体不浸透性のバリア102の中に形成され、流体不浸透性のバリア102を通って延在しており、それによって、流体が流体収集デバイス100の外側からチャンバー104に進入することを可能にする。開口部106は、女性の尿道に隣接して位置決めされるように構成され得る。開口部106は、流体収集部材101の上向きに面する部分の上に位置決めされ得る(たとえば、フランジ140の実質的に反対側の領域)。また、流体収集デバイス100は、導管108を含み、導管108は、チャンバー104の中に少なくとも部分的に配設されている。導管108(たとえば、チューブ)は、第1の端部領域において入口部110を含み、入口部110から下流に位置決めされている第2の端部領域において出口部112を含む。導管108は、チャンバー104を、流体貯蔵コンテナ(図示せず)または真空供給源(図示せず)と流体連通している状態に置く。
【0042】
図示されている実施形態では、導管108は、チャンバー104の中に少なくとも部分的に配設されている。たとえば、導管108は、第1の端部領域(たとえば、出口部112に近接している)から流体不浸透性のバリア102の中へ延在することが可能であり、第2の端部領域(たとえば、第1の端部領域の反対側)へ、リザーバー122に近接しているポイントへ延在することが可能であり、入口部110がリザーバー122に流体連通した状態になるようになっている。流体収集部材101の中に収集される流体は、チャンバー104の内部領域から導管108を介して除去され得る。導管108は、本明細書で開示されているようなプラスチックチュービング(たとえば、医療用チュービング)などのような可撓性の材料を含むことが可能である。いくつかの例では、導管108は、たとえば、導管が可撓性になることを可能にする直径または壁部厚さの1つまたは複数を有することなどによって、弾性になっている1つまたは複数の部分を含むことが可能である。
【0043】
流体収集部材101は、女性の尿道に近接して(たとえば、陰唇の上にまたは陰唇間に)位置決めされ得り、尿は、開口部106を介して流体収集部材101のチャンバー104に進入することが可能である。流体収集部材101は、開口部106を介してチャンバー104の中へ流体を受け入れる。たとえば、開口部106は、細長い形状を示すことが可能であり、細長い形状は、尿道開口部の下方の第1の場所(たとえば、肛門もしくは膣口またはその近く)から尿道開口部の上方の第2の場所(たとえば、陰核もしくは恥丘またはその近く)へ延在するようにサイズ決めおよび位置決めされている。開口部106は、女性の脚が閉じられているときに女性の脚同士の間のスペースが比較的に小さいので、細長い形状を示すことが可能であり、それによって、開口部106の細長い形状に対応する経路に沿った流体の流れのみを可能にする。流体収集デバイスの長手方向軸線または寸法は、たとえば、
図2Aに示されているように円筒状のデバイスに沿って軸線方向になっているものなど、デバイスの最大寸法に対して平行になっている軸線または寸法を指す。流体不浸透性のバリア102の中の開口部106は、長手方向に対して横断方向に測定される幅を示すことが可能であり、流体収集部材101の周囲部の少なくとも約10%であることが可能であり、たとえば、流体収集部材101の周囲部の約25%、30%、40%、50%、60%、75%、85%、100%などであることが可能であり、または、先述のものの任意の組み合わせの間の範囲にある。開口部106は、流体収集部材101の周囲部の50%よりも大きい幅を示すことが可能である。その理由は、導管108を通る真空(たとえば、吸引)が、導管108の中へ流体を引き入れるからである。いくつかの実施形態では、開口部106は、垂直方向に配向され得る(たとえば、デバイス100の長手方向軸線に対して平行の主軸線を有している)。いくつかの実施形態では(図示せず)、開口部106は、水平方向に配向され得る(たとえば、デバイス100の長手方向軸線に対して垂直の主軸線を有している)。ある例では、流体不浸透性のバリア102の1つまたは複数の部分は、たとえば、人に接着剤によって(たとえば、ヒドロゲル接着剤によって)取り付けられるなど、人に取り付けられるように構成され得る。実施形態によれば、不浸透性のバリア(または、フランジ)に関して適切な接着剤は、米国特許出願公開第2017/0189225号に開示されているものなどのような、ヒドロゲル層であり、その文献の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0044】
流体収集部材101は、チャンバー104の中に配設されている毛管材料115を含む。毛管材料115は、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120のうちの1つまたは複数を含むことが可能であり、それぞれが、チャンバー104の中に配設されている。流体浸透性の膜118は、開口部106の少なくとも一部分(たとえば、すべて)をカバーすることが可能である。流体浸透性の膜118は、開口部106から離れるように任意の流体を吸い上げるように構成され得り、それによって、流体がチャンバー104から逃げることを防止する。また、流体浸透性の膜118は、より詳細に下記に議論されているように、一般的にチャンバー104の内部に向けて流体を吸い上げることが可能である。流体浸透性の膜118は、流体を吸い上げることができる任意の材料を含むことが可能である。たとえば、流体浸透性の膜118は、ファブリック、たとえば、ガーゼ(たとえば、シルク、リネン、ポリマーベースの材料、たとえば、ポリエステルもしくはコットンガーゼなど)、別の軟質のファブリック、または別の滑らかなファブリックなどを含むことが可能である。ガーゼ、軟質のファブリック、および/または滑らかなファブリックから流体浸透性の膜118を形成することは、流体収集部材101によって引き起こされる擦傷を低減させることが可能である。
【0045】
流体浸透性のサポート120は、たとえば、流体浸透性の膜118の中に同心円状などに、チャンバー104の中に配設され得る。流体浸透性のサポート120は、たとえば、流体浸透性の膜に関して本明細書で開示されている材料のいずれかなど、流体浸透性の膜118よりも剛性のある(たとえば、流体浸透性の膜118よりも変形しにくい)材料から形成され得る。たとえば、流体浸透性のサポート120は、多孔性のナイロン構造体を含むことが可能である。流体浸透性のサポート120は、流体浸透性の膜118を支持するように構成されている。その理由は、流体浸透性の膜118が、折り畳み可能な、薄い、または他の方法で容易に変形可能な材料から形成され得るからである。たとえば、流体浸透性のサポート120は、流体浸透性の膜118が流体浸透性のサポート120と流体不浸透性のバリア102との間に配設されるように位置決めされ得る。そうであるので、流体浸透性のサポート120は、流体浸透性の膜118の位置を支持および維持することが可能である。ある実施形態では、流体浸透性のサポート120は、流体収集部材101から省略され得る。
【0046】
ある実施形態では、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120は、導管108によって占有されていないチャンバー104の部分を少なくとも実質的に完全に充填することが可能である。別の例では、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120は、導管108によって占有されていないチャンバー104の部分を実質的に完全に充填していなくてもよい。そのような例では、流体収集デバイス100は、チャンバー104の中に配設されているリザーバー122を含むことが可能である。リザーバー122は、チャンバー104の実質的に占有されていない部分である。チャンバー104の中にある流体は、流体浸透性の膜118および/または流体浸透性のサポート120を通ってリザーバー122へ流れることが可能である。リザーバー122は、流体の少なくともいくらかをその中に貯蔵することが可能である。
【0047】
流体不浸透性のバリア102は、リザーバー122の中に流体を貯蔵することが可能である。リザーバー122は、チャンバー104の内部領域の任意の部分の中に配設され得る。たとえば、流体リザーバー122は、チャンバー104の第2の端部領域の中に位置決めされ得る。
【0048】
ある例では、リザーバー122は、入口部110(たとえば、第2の端部領域)に最も近いチャンバー104の部分に位置付けされ得る。しかし、リザーバー122は、チャンバー104の中の異なる場所に位置付けされ得る。たとえば、リザーバー122は、出口部112に最も近いチャンバー104の端部に位置付けされ得る。別の例では、流体収集デバイス100は、複数のリザーバー、たとえば、入口部110(たとえば、第2の端部領域)に最も近いチャンバー104の部分に位置付けされている第1のリザーバー、および、出口部112(たとえば、第1の端部領域)に最も近いチャンバー104の部分に位置付けされている第2のリザーバーなどを含むことが可能である。別の例では、流体浸透性のサポート120は、導管108の少なくとも一部分から間隔を置いて配置されており、リザーバー122は、流体浸透性のサポート120と導管108との間のスペースであることが可能である。
【0049】
流体不浸透性のバリア、流体浸透性の膜、流体浸透性のサポート、チャンバーの他の例、ならびに、それらの形状および構成は、2017年6月1日に出願された米国特許出願第15/611,587号、および、2016年9月8日に出願された米国特許出願第15/260,103号(2016年12月29日に米国特許出願公開第2016-0374848号として公開された)に開示されており、それらの文献のそれぞれの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0050】
流体不浸透性のバリア102、流体浸透性の膜118、および流体浸透性のサポート120は、チャンバー104の中に少なくとも部分的に配設されている導管108を有するように構成され得る。たとえば、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120のうちの少なくとも1つは、導管108を収容するスペースを形成するように構成され得る。別の例では、流体不浸透性のバリア102は、導管108(たとえば、少なくとも1つのチューブ)を受け入れるようにサイズ決めされたアパーチャー124を画定することが可能である。少なくとも1つの導管108は、デバイス100の第1の端部領域の中のアパーチャー124を介して、チャンバー104の中に配設され得る。アパーチャー124は、導管108または少なくとも1つのチューブに対して少なくとも実質的に流体密封のシールを形成するように構成され得り、それによって、流体がチャンバー104から逃げることを実質的に防止する。いくつかの実施形態では、アパーチャー124は、リザーバー122により近くに第2の端部領域に配設され得る。そのような実施形態では、導管108は、入口部110が第2の端部領域(たとえば、リザーバー122)の中に配設されている状態で、第2の端部領域の中のみに配設され得る。
【0051】
先に議論されているように、導管108は、流体貯蔵コンテナ(図示せず)および真空供給源(図示せず)のうちの1つまたは複数に連結されるように、ならびに、流体貯蔵コンテナ(図示せず)と真空供給源(図示せず)との間に少なくとも部分的に延在するように構成されている。ある例では、導管108は、真空供給源(図示せず)に直接的に接続されるように構成されている。そのような例では、導管108は、少なくとも1フィート(30.48cm)、少なくとも2フィート(60.96cm)、少なくとも3フィート(91.44cm)、または少なくとも6フィート(182.88cm)だけ、流体不浸透性のバリア102から延在することが可能である。別の例では、導管108は、流体貯蔵コンテナ(図示せず)および真空供給源(図示せず)のうちの少なくとも1つに間接的に接続されるように構成されている。いくつかの実施形態では、導管は、カテーテル固定デバイスによって着用者の皮膚に固定され、カテーテル固定デバイスは、それに限定されないが、米国特許第6,117,163号;米国特許第6,123,398号;および米国特許第8,211,063号に開示されているものを含む、たとえば、C.R.Bard、Inc.から入手可能なSTATLOCK(登録商標)カテーテル固定デバイスなどであり、それらの文献の開示は、すべて、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0052】
入口部110および出口部112は、真空供給源(図示せず)を、(たとえば、直接的にまたは間接的に)チャンバー104(たとえば、リザーバー122)と流体連通している状態に置くようにサイズ決めされているか、位置決めされているか、またはその他の方法で構成されている。ある例では、入口部110および/または出口部112は、オス型コネクターを形成することが可能である。別の例では、入口部110および/または出口部112は、メス型コネクターを形成することが可能である。ある例では、入口部110および/または出口部112は、しっかりとした連結を促進させるように構成されているリブを含むことが可能である。ある例では、入口部110および/または出口部112は、テーパー付きの形状を形成することが可能である。ある例では、入口部110および/または出口部112は、リジッドの材料または可撓性の材料を含むことが可能である。
【0053】
チャンバー104の重量測定法的に低いポイントにまたはその近くに入口部110を位置付けすることは、入口部110が他のどこかに位置付けされた場合よりも流体の多くを導管が受け入れることを可能にし、滞留(たとえば、流体の滞留は、微生物増殖および悪臭を引き起こす可能性がある)の可能性を低減させる。たとえば、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120の中の流体は、毛細管力に起因して任意の方向に流れることが可能である。しかし、特に、流体浸透性の膜118および/または流体浸透性のサポート120の少なくとも一部分が流体によって飽和しているときには、流体は、重力の方向に流れる優先傾向を示す可能性がある。
【0054】
真空供給源(
図1)が導管108の中に真空/吸引を印加するとき、チャンバー104の中の(たとえば、第2の端部領域における、たとえば、リザーバー122の中などの)流体が、入口部110の中へ引き込まれ、導管108を介して流体収集デバイス100の流体収集部材101から外へ引き出される。
【0055】
ある例では、導管108は、チャンバー104の中へ少なくとも挿入可能であるように構成されている。そのような例では、導管108は、チャンバー104の中への導管108の挿入を促進させるように構成されている1つまたは複数のマーカー(図示せず)をその外部の上に含むことが可能である。たとえば、導管108は、たとえば、リザーバー122の中にまたはリザーバー122に隣接して配設されるように構成されている入口部110を導管108が画定しているときなどに、導管108の過剰挿入または過少挿入を防止するように構成されている1つまたは複数のマーキングをその上に含むことが可能である。別の例では、導管108は、チャンバー104に対する導管108の正しい回転を促進させるように構成されている1つまたは複数のマーキングをその上に含むことが可能である。ある例では、1つまたは複数のマーキングは、ライン、ドット、ステッカー、または、任意の他の適切なマーキングを含むことが可能である。いくつかの例では、導管は、その中の流体の視認性を曖昧にするために、艶消しになっているかまたは不透明(たとえば、黒色)になっていることが可能である。
【0056】
ある例では、流体収集デバイス100の1つまたは複数のコンポーネントは、流体収集デバイスが着用者にまたは着用者の体液に接触する可能性がある場所に、制菌性材料などのような抗菌性材料を含むことが可能である。抗菌性材料は、ニトロフラゾンコーティングまたは銀コーティングなどのような、抗菌性コーティングを含むことが可能である。抗菌性材料は、流体の滞留または停滞に起因する微生物増殖などのような、微生物増殖を阻止することが可能である。ある例では、流体収集デバイス100の1つまたは複数のコンポーネント(たとえば、不浸透性のバリア102、導管108など)は、シクロデキストリンを含有する材料または熱可塑性エラストマー(TPE)ポリマーなどのような、臭気遮断または吸収材料を含むことが可能である。
【0057】
少なくとも1つのフランジ140は、流体収集部材101の下側部分の上に(たとえば、開口部106の実質的に反対側に)配設され得る。たとえば、少なくとも1つのフランジ140は、流体収集部材101から延在することが可能であり、流体収集部材101は、流体不浸透性のバリア102に貼り付けられているか、または、流体不浸透性のバリア102の中に一体的に形成される、少なくとも1つのフランジ140を有することが可能である。
【0058】
図4は、実施形態による、
図2Aの平面A-Aに沿って見られた流体収集デバイス400の概略断面図である。流体収集デバイス400は、その中に配設されているポータブル真空供給源330を含むことが可能である。本明細書で別段に開示されている場合を除いて、流体収集デバイス400は、1つまたは複数の態様において、
図2Aの流体収集デバイス100と同じかまたは実質的に同様になっていることが可能である。流体収集デバイス400は、流体収集部材401および少なくとも1つのフランジ140を含むことが可能である。流体収集部材401は、たとえば、チャンバー104および開口部106を画定する流体不浸透性のバリア102、毛管材料115、流体浸透性の膜118、流体浸透性のサポート120、およびリザーバー122、または導管108のうちの1つまたは複数を含むなど、1つまたは複数の態様において、流体収集部材101と同様であるかまたは同一であることが可能である。流体収集デバイス400は、その中に配設されているポータブル真空供給源330を含む。ポータブル真空供給源330は、1つまたは複数の態様において、本明細書で開示されているような真空供給源16と同様であるかまたは同一であることが可能である。ポータブル真空供給源330は、流体収集デバイスの上または中にフィットするようにサイズ決めされ得る。ポータブル真空供給源は、人が運搬できるようにサイズ決めおよび形状決めされ得る。示されているように、ポータブル真空供給源330は、流体不浸透性のバリア102の中に少なくとも部分的に配設され得る。ポータブル真空供給源330が
図4の中に示されているが、固定式の真空供給源(たとえば、真空ライン)が、代替的にまたは追加的に、流体収集デバイス400とともに使用され得る。
【0059】
流体収集デバイス400は、チャンバー104の中に少なくとも部分的に配設されている導管108を含む。たとえば、毛管材料115(たとえば、流体浸透性の膜118、流体浸透性のサポート120)は、チャンバー104の一部分を充填し、一部分を空いたままにすることが可能であり、それによって、毛管材料115と流体不浸透性のバリア102との間にリザーバー122を形成する。導管108は、入口部110および出口部112を画定する1つまたは複数の壁部を含むことが可能である。入口部110は、チャンバー104の中に存在している流体のうちの少なくともいくらかが導管108に進入することを可能にする。ある例では、導管108は、チャンバー104の重量測定法的に低いポイントに、その近くに、または、それから間隔を置いて位置付けされている入口部110を有するように構成され得る。ある例では、導管108は、リザーバー122の中にまたはそれに隣接して配設されている少なくとも1つの入口部110を有するように構成され得る。示されているように、導管108は、たとえば、同心円状に中心の領域の中の毛管材料115の少なくとも一部分を通って長手方向などに、チャンバー104の少なくとも一部分を通って延在することが可能である。
【0060】
導管108は、流体不浸透性のバリア102を介して、チャンバー104の内部領域(たとえば、リザーバー122)に流体連通していることが可能である。そうであるので、流体不浸透性のバリア102は、アパーチャー124を画定することが可能である。ある例では、図示されているように、アパーチャー124は、導管108がチャンバー104の中に部分的にのみ配設されているときには、導管108がチャンバー104から外向きに延在することを可能にする。例では、導管108は、複数の別個のセクションを含むことが可能である。たとえば、および、示されているように、導管108は、第1のセクションAおよびセクションBを含むことが可能である。第1のセクションAは、遠位端部(たとえば、第1の端部領域)からポータブル真空供給源330へ延在する入口部110を含むことが可能であり、Bセクションは、ポータブル真空供給源330からアパーチャー124の外へ、たとえば、流体貯蔵コンテナ(図示せず)などへ延在することが可能である。
【0061】
ポータブル真空供給源330は、本明細書で開示されているポータブル真空ポンプのいずれかを含むことが可能である。たとえば、ポータブル真空供給源330は、手動真空ポンプ、ダイヤフラムポンプ、遠心ポンプ、変位ポンプ、磁気駆動式ポンプ、蠕動ポンプ、または、真空を作り出すように構成されている任意のポンプを含むことが可能である。ポータブル真空供給源330は、流体不浸透性のバリア102の内側のチャンバー104の中にフィットするようにサイズ決めされ得る。例では、ポータブル真空供給源330は、流体密封のハウジングまたはコンテナの中にシールされ得る。ポータブル真空供給源330は、チャンバー104から流体を吸引するのに効果的な導管108のAセクションの中に真空(たとえば、吸引)を印加することが可能である。流体は、Aセクションを通ってBセクションへ(たとえば、ポータブル真空供給源330を通って)進み、ポータブル真空供給源330によって印加される真空または吸引によって誘発される流れによって、Bセクションを介して流体収集デバイス300から外へ進むことが可能である。たとえば、ポータブル真空供給源330は、遠心ポンプを含むことが可能であり、その中のインペラーは、チャンバー104から入口部110を介して流体を引き出し、導管108のBセクションを介してチャンバー104から外へ流体を押すことが可能である。導管108のAセクションおよびBセクションのそれぞれが、ポータブル真空供給源330と流体連通していることが可能である(たとえば、シールされる)。いくつかの例では、ポータブル真空供給源330および導管108は、一体的に一緒に形成され得る(たとえば、単一ピース構築体を示す)。
【0062】
図5は、実施形態による、
図2Aの平面A-Aに沿って見た流体収集デバイス500の概略断面図である。流体収集デバイス500は、その上に配設されているポータブル真空供給源330を含むことが可能である。本明細書で別段に開示されている場合を除いて、流体収集デバイス500は、1つまたは複数の態様において、
図2Aの流体収集デバイス100と同じかまたは実質的に同様になっていることが可能である。流体収集デバイス500は、流体収集部材501および少なくとも1つのフランジ140を含むことが可能である。流体収集部材501は、たとえば、チャンバー104および開口部106を画定する流体不浸透性のバリア102、毛管材料115、流体浸透性の膜118、流体浸透性のサポート120、およびリザーバー122、または導管108のうちの1つまたは複数を含むなど、1つまたは複数の態様において、流体収集部材101と同様であるかまたは同一であることが可能である。流体収集デバイス500の流体収集部材501は、その上に配設されているポータブル真空供給源330を含む。ポータブル真空供給源330は、流体不浸透性のバリア102において、または、流体不浸透性のバリア102の上において、流体収集デバイス500に取り付けられ得る。ポータブル真空供給源330が
図5の中に示されているが、固定式の真空供給源(たとえば、真空ライン)が、代替的にまたは追加的に、流体収集デバイス500とともに使用され得る。
【0063】
流体収集デバイス500は、流体収集部材501の中に少なくとも部分的に配設されている導管108を含む。たとえば、毛管材料115(たとえば、流体浸透性の膜118、流体浸透性のサポート120)は、チャンバー104の一部分を充填し、一部分を空いたままにすることが可能であり、それによって、毛管材料115と流体不浸透性のバリア102との間にリザーバー122を形成する。示されているように、導管108は、たとえば、同心円状に中心の領域の中の毛管材料115の少なくとも一部分を通ってリザーバー122へ長手方向などに、チャンバー104の少なくとも一部分を通って延在することが可能である。導管108は、毛管材料115を通ってリザーバー122へ延在することが可能である。導管108は、入口部110および出口部112を画定する1つまたは複数の壁部を含むことが可能である。入口部110は、チャンバー104の中に存在している流体のうちの少なくともいくらかが導管108に進入することを可能にする。ある例では、導管108は、チャンバー104の重量測定法的に低いポイントに、その近くに、または、それから間隔を置いて位置付けされている入口部110を有するように構成され得る。ある例では、導管108は、リザーバー122の中にまたはそれに隣接して配設されている少なくとも1つの入口部110を有するように構成され得る。
【0064】
導管108は、流体不浸透性のバリア102を介して、チャンバー104の内部領域に流体連通していることが可能である。そうであるので、流体不浸透性のバリア102は、アパーチャー124を画定することが可能である。ある例では、図示されているように、アパーチャー124は、導管108がチャンバー104の中に部分的にのみ配設されているときには、導管108がチャンバー104から外向きに延在することを可能にする。例では、導管108は、複数の別個のセクションを含むことが可能である。たとえば、および、示されているように、導管108は、第1のセクションAおよび第2のセクションBを含むことが可能である。第1のセクションAは、遠位端部(たとえば、第1の端部領域)から、アパーチャー124の外へ、それに装着されているポータブル真空供給源330へ延在する入口部110を含むことが可能である。ポータブル真空供給源330は、流体収集デバイス400の外側表面に装着され得る。セクションBは、ポータブル真空供給源330に取り付けられ得り、ポータブル真空供給源330から、たとえば、流体貯蔵コンテナ(図示せず)などへ延在することが可能である。
【0065】
ポータブル真空供給源330は、本明細書で開示されているポータブル真空ポンプのいずれか、たとえば、手動真空ポンプ、ダイヤフラムポンプ、遠心ポンプ、変位ポンプ、磁気駆動式ポンプ、蠕動ポンプ、または、真空を作り出すように構成されている任意のポンプなどを含むことが可能である。ポータブル真空供給源330は、流体不浸透性のバリア102の内側のチャンバー104の中にフィットするようにサイズ決めされ得る。例では、ポータブル真空供給源330は、流体密封のハウジングまたはコンテナの中にシールされ得る。ポータブル真空供給源330は、チャンバー104から流体を吸引するのに効果的な導管108のAセクションの中に真空(たとえば、吸引)を印加することが可能である。流体は、Aセクションを通って、流体収集デバイス400から外へ、ポータブル真空供給源330へ進むことが可能である。流体は、ポータブル真空供給源330によって印加される真空または吸引によって誘発されるフローによって、ポータブル真空供給源330からBセクションを介して除去され得る。たとえば、ポータブル真空供給源330は、遠心ポンプを含むことが可能であり、その中のインペラーは、チャンバー104から入口部110を介して流体を引き出し、チャンバー104から外へポータブル真空供給源330を介して導管108のBセクションへ流体を吸引することが可能である。導管108のAセクションおよびBセクションのそれぞれが、ポータブル真空供給源330と流体連通していることが可能である(たとえば、シールされる)。いくつかの例では、ポータブル真空供給源330および導管108(たとえば、AセクションまたはBセクションの一方または両方)は、一体的に一緒に形成され、単一ピース構築体を示すことが可能である。
【0066】
図2~
図5に示されている流体収集デバイスは、女性から流体を収集する(たとえば、女性の尿道から尿を収集する)ように構成されている女性用流体収集デバイスの例である。しかし、本明細書で開示されているデバイス、システム、および方法は、男性から流体を収集するように形状決めされ、サイズ決めされ、その他の方法で構成されている男性用流体収集デバイスを含むことが可能である(たとえば、男性の尿道から尿を収集するためのカップ形状の流体収集部材)。そのような例では、男性用流体収集デバイスのフランジが、男性用流体収集デバイスの上に位置付けされ、男性の尿道(たとえば、陰茎)の上に流体収集デバイスを位置決めおよび維持することが可能である。本明細書で開示されている実施形態のいずれかにおいて、導管108は、その中の流体のフローを測定するための流量計(図示せず)、本明細書で開示されているシステムもしくはデバイスの1つもしくは複数のコンポーネント(たとえば、真空供給源または流体貯蔵コンテナ)に導管108を固定するための1つもしくは複数の固定デバイス(たとえば、STATLOCK(登録商標)固定デバイス(図示せず))もしくはフィッティング、または、本明細書におけるシステムおよびデバイスの中の流体のフローを制御するための1つもしくは複数のバルブを含むことが可能であるか、または、それに操作可能に連結され得る。
【0067】
ある例では、本明細書における流体収集デバイスまたはシステムの導管108の部分のうちの少なくとも1つは、その中に存在している流体を曖昧にすることができる少なくとも部分的に不透明の材料から形成され得る。たとえば、本明細書で開示されている導管108のBセクションは、不透明の材料または半透明の材料から形成され得り、一方、Aセクションは、透明な材料または半透明の材料から形成され得る。例では、Bセクションは、透明な材料または半透明の材料を含むことが可能である。不透明のまたはほぼ不透明の材料とは異なり、半透明の材料は、本明細書におけるデバイスおよびシステムのユーザーが流体を視覚的に識別するかまたは導管108の中の流体のフローを阻止している問題を視覚的に識別することを可能にする。
【0068】
本明細書で開示されている例、システム、またはデバイスのいずれかにおいて、流体収集デバイスのシステムは、湿度センサー(図示せず)を含むことが可能であり、湿度センサーは、流体収集デバイスのチャンバーの内側に配設されている。そのような例では、湿度センサーは、コントローラーに、または、真空供給源に直接的に操作可能に連結され得り、湿度がチャンバーの1つまたは複数の部分の中に検出されるかまたは検出されないかを示す電気信号を提供することが可能である。湿度センサーは、湿分が存在しているという表示を提供することが可能であり、それに応答して、真空供給源のコントローラー(たとえば、プログラマブルコントローラーを備えた真空デバイス)は、チャンバーへの吸引の開始を指示し、チャンバーから流体を除去することが可能である。適切な湿度センサーは、静電容量センサー、体積センサー、電位センサー、抵抗センサー、周波数領域反射率測定センサー、時間領域反射率測定センサー、または、任意の他の適切な湿度センサーを含むことが可能である。実際には、湿度センサーは、チャンバーの中の湿度を検出することが可能であり、真空供給源のコントローラーに信号を提供し、ポータブル吸引デバイスを駆動させることが可能である。
【0069】
上記に述べられているように、少なくとも1つのフランジ140(たとえば、フランジの対)は、複数の位置のいずれかにおいて、流体収集部材の上に位置決めされ得り、任意の角度で流体収集部材から延在することが可能である。本明細書で開示されている流体収集部材の断面形状は、さまざまな形状またはサイズのいずれかを含むことが可能である。たとえば、(
図2Aの平面B-Bに沿った)断面形状は、実質的に丸形(たとえば、円形)、楕円形、長方形、三角形、不規則な形(たとえば、特定の形状を有していない)などになっていることが可能である。
図6~
図8は、異なる実施形態による、
図2の平面B-Bに沿って見た女性用流体収集デバイスの概略断面図である。
【0070】
図6は、実施形態による、
図2Aの平面B-Bに沿って見た流体収集デバイス100の概略断面図である。流体収集デバイス100は、流体収集部材101と、流体収集部材101から延在する少なくとも1つのフランジ140とを含む。示されているように、流体収集部材101は、流体不浸透性のバリア102、毛管部材115(たとえば、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120)、ならびに導管108を含み、すべてが、同心円状に配置されている。示されているように、流体収集部材101、および、その中の1つまたは複数のコンポーネントの断面形状は、概して丸形(たとえば、円形または楕円体)であることが可能である。
【0071】
少なくとも1つのフランジ140は、流体収集部材101(たとえば、流体不浸透性のバリア102)から実質的に接線方向に延在することが可能である。たとえば、少なくとも1つのフランジ140は、少なくとも2つのフランジ140を含むことが可能であり、それぞれが、流体収集部材101から接線方向に互いに実質的に反対側の方向に延在している。「実質的に接線方向に」は、流体不浸透性のバリアの外側表面の上のフランジの取り付けポイントから0°の10%以内の角度で外向きに延在するフランジ140を含むことが可能である。例では、少なくとも1つのフランジ140は、開口部106の実質的に反対側のポイントにおいて、流体収集部材101に取り付けられ得る。流体収集部材101は、フランジ140を通過してユーザーに向けて延在することが可能である。そのような配置は、流体収集部材101が女性の尿道の領域の上に(たとえば、陰唇の上にまたは陰唇間などに)位置決めされることを可能にすることができる。
【0072】
例では、フランジ本体部142は、接着剤部材144を有することが可能であり、接着剤部材144は、一般的に開口部106と同じ方向に面するフランジ本体部142の表面の上でフランジ本体部142に結合されている。いくつかの例では、フランジ140は、代替的にまたは追加的に、一般的に開口部106から離れるように面するフランジ本体部142の表面の上に接着剤部材144を含むことが可能である。接着剤部材144は、フランジ本体部142がユーザーの尿道に隣接する被験者の1つまたは複数の皮膚表面(たとえば、大腿部または恥骨領域など)に取り付けられる(たとえば、一時的に接着される)ことを可能にすることができる。接着剤部材144は、ユーザーから流体を収集するための位置に(たとえば、女性の被験者から尿を収集するために陰唇間などに)流体収集デバイス100を固定および維持することが可能である。
【0073】
図7は、実施形態による、
図2Aの平面B-Bに沿った図から見た流体収集デバイス700の概略断面図である。流体収集デバイス100は、流体収集部材101と、流体収集部材101から延在する少なくとも1つのフランジ140とを含む。示されているように、流体収集部材101は、流体不浸透性のバリア102、毛管部材115(たとえば、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120)、ならびに導管108を含み、すべてが、同心円状に配置されている。示されているように、流体収集部材101、および、その中の1つまたは複数のコンポーネントの断面形状は、概して丸形(たとえば、円形または楕円体)であることが可能である。
【0074】
少なくとも1つのフランジ140は、流体収集部材101(たとえば、流体不浸透性のバリア102)から離れるように実質的に垂直方向に延在することが可能である。たとえば、少なくとも1つのフランジ140は、少なくとも2つのフランジ140を含むことが可能であり、それぞれが、流体不浸透性のバリア102から垂直方向に(たとえば、半径方向に)、および、互いに実質的に反対側の方向に、流体収集部材101から延在している。「実質的に垂直方向に」は、その上のフランジ140の取り付けポイントにおける流体不浸透性のバリアの外側表面に対して90°の10%以内の角度で外向きに延在するフランジ140を含むことが可能である。たとえば、および、示されているように、少なくとも1つのフランジ140は、流体収集部材101に取り付けられ得り、半径方向に反対側の方向に流体収集部材101から半径方向に延在することが可能である。流体収集部材101は、フランジ140を通過してユーザーに向けて延在することが可能である。そのような配置は、流体収集部材101が女性の尿道の領域の上に(たとえば、陰唇の上にまたは陰唇間などに)位置決めされることを可能にすることができる。
【0075】
例では、フランジ本体部142は、接着剤部材144を有することが可能であり、接着剤部材144は、一般的に開口部106と同じ方向に面するフランジ本体部142の表面の上でフランジ本体部142に結合されている。いくつかの例では、フランジ140は、代替的にまたは追加的に、一般的に開口部106から離れるように面するフランジ本体部142の表面の上に接着剤部材144を含むことが可能である。接着剤部材144は、フランジ本体部142がユーザーの尿道に隣接する被験者の1つまたは複数の皮膚表面(たとえば、大腿部または恥骨領域など)に取り付けられる(たとえば、一時的に接着される)ことを可能にすることができる。接着剤部材144は、ユーザーから流体を収集するための位置に(たとえば、女性の被験者から尿を収集するために陰唇間などに)流体収集デバイス100を固定および維持することが可能である。
【0076】
流体収集部材の断面形状、および、その中のコンポーネントの位置は、変化することが可能である。
図8は、実施形態による、
図2Aの平面B-Bに沿った図から見た流体収集デバイス800の概略断面図である。流体収集デバイス800は、1つまたは複数の態様において、流体収集デバイス100と同様であるかまたは同一であることが可能である。流体収集デバイス800は、流体収集部材801と、流体収集部材801から延在する少なくとも1つのフランジ140とを含む。流体収集部材801は、1つまたは複数の態様において、流体収集部材101と同様であるかまたは同一であることが可能である。たとえば、流体収集部材801は、流体不浸透性のバリア102、毛管部材115(たとえば、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120)、ならびに導管108を含む。流体収集部材801の断面形状は、示されているように概して長方形(たとえば、丸みを帯びた角部を備える)になっているか、または、楕円形になっていることが可能である。そのような例では、流体収集部材801は、流体収集部材101(
図6)よりも大きい表面積のカバー率(たとえば、流体吸収)を提供することが可能である。例では、流体不浸透性のバリア102は、相対的に幅の広い断面形状を提供するように形状決めされ得る。示されているように、流体不浸透性のバリア102は、たとえば、V字切り込み付きの形状または皿状の形状などで、重量測定法的に低い部分を有するチャンバー104を形成することが可能である。毛管材料115は、チャンバー104の少なくとも一部分を充填することが可能である。たとえば、流体浸透性のサポート120は、チャンバー104の内部部分を充填することが可能であり、流体浸透性の部材118は、流体浸透性のサポート120の少なくとも一部分の周りに延在することが可能である。例では、流体浸透性のサポート120は、導管108を収容するための領域をその中に含むことが可能である。例では、導管108は、チャンバー104の重量測定法的に低いポイントまたは領域の中に配設され得る。示されているように、導管108、流体浸透性の部材118、または流体浸透性のサポート120のうちの1つまたは複数は、流体収集部材801または流体不浸透性のバリア102の中に非同心円状に配設され得る(たとえば、中心を合わせられていない)。
【0077】
流体収集部材に関する追加的なまたは代替的な形状が考えられる。たとえば、流体収集部材は、実質的に三角形の断面形状を有することが可能であり、そこでは、三角形の角部または頂点が、ユーザーに面している。
【0078】
少なくとも1つのフランジ140は、流体収集部材801(たとえば、流体不浸透性のバリア102)から離れるように実質的に垂直方向に延在することが可能である。たとえば、少なくとも1つのフランジ140は、少なくとも2つのフランジ140を含むことが可能であり、それぞれが、流体不浸透性のバリア102から垂直方向に、および、互いに実質的に反対側の方向に、流体収集部材801から延在している。たとえば、および、示されているように、少なくとも1つのフランジ140は、半径方向に反対側の方向に流体収集部材801に取り付けられ得る。流体収集部材801は、フランジ140を通過してユーザーに向けて延在することが可能である。そのような配置は、流体収集部材801が女性の尿道の領域の上に(たとえば、陰唇の上にまたは陰唇間などに)位置決めされることを可能にすることができる。
【0079】
例では、フランジ本体部142は、接着剤部材144を有することが可能であり、接着剤部材144は、一般的に開口部106と同じ方向に面するフランジ本体部142の表面の上でフランジ本体部142に結合されている。いくつかの例では、フランジ140は、代替的にまたは追加的に、一般的に開口部106から離れるように面するフランジ本体部142の表面の上に接着剤部材144を含むことが可能である。接着剤部材144は、フランジ本体部142がユーザーの尿道に隣接する被験者の1つまたは複数の皮膚表面(たとえば、大腿部または恥骨領域など)に取り付けられる(たとえば、一時的に接着される)ことを可能にすることができる。接着剤部材144は、ユーザーから流体を収集するための位置に(たとえば、女性の被験者から尿を収集するために陰唇間などに)流体収集デバイス100を固定および維持することが可能である。
【0080】
いくつかの例では、本明細書における流体収集デバイスは、2つ以上の導管をその中に含むことが可能であり、2つ以上の導管は、その中の複数の領域の中に配設され得る。例では、導管108は、複数の入口部を含むことが可能である。
【0081】
フランジをその上に有する流体収集デバイスは、男性のユーザーによる使用のために構成され得る。本明細書で説明されているデバイスおよび方法は、たとえば、男性の尿道(たとえば、陰茎)をその中に受け入れるように形状決めおよびサイズ決めされた流体収集デバイスを有するなど、男性のユーザーから尿を収集するように構成され得る。
図9Aおよび
図9Bは、実施形態による、男性用流体収集デバイス900の等角図および概略断面図である。
【0082】
図9Aおよび
図9Bを参照すると、流体収集デバイス900は、受容部950およびカップ部分952を含む。受容部950は、男性の尿道を取り囲む皮膚に連結されるように、および、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするようにサイズ決めされ、形状決めされ、および、そのような材料から作製されている。たとえば、受容部950は、環状のベース954を含むことが可能であり、環状のベース954は、受容部950の中に開口部956を画定している。環状のベース954は、男性の尿道の周りに位置決めされる(たとえば、陰茎の周りおよび/または上に位置決めされる)ようにサイズ決めおよび形状決めされており、開口部956は、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成され得る。また、環状のベース954は、1つまたは複数のフランジ940によって、男性の尿道の周りの(たとえば、陰茎の周りの)皮膚に連結される(たとえば、ヒドロゲル接着剤などによって、接着によって取り付けられる)ようにサイズ決めされ、形状決めされ、そのような材料から作製され、または、その他の方法で構成され得る。例では、受容部950は、1つまたは複数のフランジを含むことが可能であり、1つまたは複数のフランジは、外向きに延在し、流体収集デバイス900の着用者に接触する。環状のベース954は、少なくとも1つのフランジ940を含むか、少なくとも1つのフランジ940を画定するか、または、少なくとも1つのフランジ940に貼り付けられ得り、少なくとも1つのフランジ940は、リップ部960に対して実質的に垂直に延在している。
【0083】
フランジ940は、1つまたは複数の態様において、本明細書で開示されているフランジ140と同様または同一であることが可能である。たとえば、フランジ940は、フランジ本体部942および接着剤944(または、フランジ本体部942を被験者にもしくは被験者の布に取り付けるための他の取り付け本体部)を含むことが可能である。フランジ本体部942は、1つまたは複数の態様において、本明細書で開示されているフランジ本体部142と同様または同一であることが可能である。たとえば、フランジ本体部942は、熱可塑性エラストマー、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ラテックス、シリコン、ファブリック、織布などから形成され得る。フランジ本体部942は、リップ部960に対して実質的に垂直方向に延在することが可能である。接着剤944は、1つまたは複数の態様において、本明細書で開示されている接着剤144と同様または同一であることが可能である。いくつかの例では、3つ以上のフランジ940が、環状のベース954から延在することが可能である。いくつかの例では(図示せず)、フランジ940は、単一のフランジ本体部942を含むことが可能であり、単一のフランジ本体部942は、環状のベース954の実質的にすべてからおよびその周りに延在している。そのような例では、接着剤944は、離散的なポイントにおいて、または、着用者に接触することが予期されるフランジ本体部942の表面の実質的にすべての周りに位置付けされ得る。受容部950の1つまたは複数の部分は、流体不浸透性のバリア102と同じ材料、たとえば、流体不浸透性のポリマー(たとえば、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ラテックス、シリコーンなど)、金属フィルム、別の適切な材料、または、それらの組み合わせなどから形成され得る。
【0084】
ある例では、環状のベース954は、環状のベース954が連結されるように選択されている皮膚表面の一般的な形状を示すことが可能であり、および/または、可撓性になっていることが可能であり、それによって、環状のベース954が皮膚表面の任意の形状に一致することを可能にする。また、受容部950は、カップ部分952を受け入れる(たとえば、カップ部分952に対してシールする)ように構成されている中空の領域を画定している。たとえば、受容部950は、環状のベース954から上向きに延在するリップ部960を含むことが可能である。リップ部960は、カップ部分952が受容部950から偶発的に除去されることを防止するのに十分に高くなっていることが可能である(たとえば、少なくとも0.5cmの高さがあるか、1cmの高さがあるか、少なくとも2cmの高さがあるか、または、少なくとも5cmの高さがある)。いくつかの例では、環状のベース954は随意的なものである。たとえば、受容部950は、フランジ954のみを含むことが可能である。いくつかの例では(図示せず)、流体収集デバイスは、ワンピース設計を有することが可能であり、カップ部分952および受容部950が単一ピースになった状態になっている。いくつかの例では、受容部950は随意的なものである。
【0085】
カップ部分952は、受容部950の中空の領域の中へフィットするようにサイズ決めおよび形状決めされている流体不浸透性のバリア902を含む(たとえば、流体不浸透性のバリア902から形成され得る)。カップ部分952は、流体をその中に保つように形状決めされ得る。たとえば、流体不浸透性のバリア902は、カップ部分952を画定することが可能であり、たとえば、
図9Aおよび
図9Bに図示されているように囲まれた端部を有する実質的にチューブ状の(たとえば、円筒状の)本体部などを画定することが可能である。したがって、カップ部分952は、チャンバー904をその中に備えた概してカップ状の形状を有することが可能である。流体不浸透性のバリア902は、1つまたは複数の態様において、流体不浸透性のバリア102と同様または同一になっていることが可能である。流体不浸透性のバリア902は、チャンバー904を部分的に画定している。また、流体不浸透性のバリア902は、流体不浸透性のバリア902を通って延在する開口部956を画定することが可能であり、それは、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている。また、流体不浸透性のバリア902は、少なくとも1つの通路962(たとえば、真空リリーフホール)を含むことが可能であり、少なくとも1つの通路962は、チャンバー904が実質的に大気圧力のままになることを可能にする。少なくとも1つの通路962は、カップ部分952の上の任意のポイントに、たとえば、開口部956の近くにまたはより近くに位置付けされ得る。また、カップ部分952は、導管108の少なくとも一部分をその中に含み、それは、たとえば、チャンバー904の中に少なくとも部分的に配設されている。たとえば、導管108は、カップ部分952から、開口部956に少なくとも近接している領域へ延在することが可能である。開口部956に近接している領域は、男性の尿道の周りの皮膚の近くまたは上に(たとえば、陰茎の上に)配設され得る。したがって、患者が仰向けになっているときに、流体(たとえば、尿)は、被験者の皮膚に対して開口部956の近くに凝集することが可能である。流体は、チャンバー904から導管108を介して除去され得る。いくつかの例では、流体不浸透性のバリア902のカップ部分952は、カップ部分952が真空下に設置されているときにつぶれることを可能にする、たとえば、使用の間に流体収集デバイス900の中の陰茎の周りの空気を除去する材料から構築され得り、および/または、そのような厚さを有することが可能である。そのような例では、導管108は、(たとえば、開口部に隣接するエリアを通してではなく)アパーチャー924のみにおいてチャンバー904の中へ延在することが可能である。そのような例では、尿は、アパーチャー924に最も近い端部において流体収集デバイス900から収集および除去され得る。そのような例では、少なくとも1つの通路が、開口部956の最も近くに位置付けされ得る。
【0086】
流体収集デバイス900は、毛管材料をその中に含むことが可能である。流体収集デバイス900は、流体浸透性の膜118を含むことが可能である。流体浸透性の膜118は、カップ部分952の流体不浸透性のバリア902とチャンバー904の中へ挿入された陰茎との間に配設され得る。流体収集デバイス900は、流体浸透性のサポート120を含むことが可能である。流体浸透性のサポート120は、カップ部分952とチャンバー904の中へ挿入された陰茎との間に位置決めされ得り、たとえば、流体浸透性の膜118と流体不浸透性のバリア902との間などに位置決めされ得る。チャンバー904の側壁部または端部は、流体浸透性の膜118または流体浸透性のサポート120の一方または両方によってカバーされ得る。
【0087】
いくつかの例では、真空供給源(たとえば、
図1の真空供給源16)は、カップ部分952から遠隔に位置付けされ得る。そのような例では、導管108は、カップ部分952から外へ延在し、カップ部分952から離れるように真空供給源(たとえば、ポータブル真空供給源)へ延在することが可能である。導管108の入口部110は、直接的または間接的のいずれかで、真空供給源と流体連通している。出口部(図示せず)は、矢印によって示されている方向に導管108を通して流体貯蔵コンテナ(図示せず)と流体連通していることが可能である。流体不浸透性のバリア902は、少なくとも1つのアパーチャー924を含むことが可能であり、少なくとも1つのアパーチャー924は、たとえばチャンバー904の中などに導管108を受け入れ、導管108に対してシールするようにサイズ決めおよび形状決めされている。したがって、チャンバー904の内部領域は、導管108を介して真空供給源16と流体連通していることが可能である。真空供給源が、
図9Bの中の矢印の方向に真空/吸引を印加するとき、チャンバー904の中の流体が、導管108を通して除去され得る。いくつかの例では、流体は、真空供給源16を介して導管の1つまたは複数のセクションを通して流体貯蔵コンテナ(図示せず)へポンプ送りされ得る。いくつかの例では、真空供給源は、1つまたは複数の態様において、
図4および
図5の中の流体不浸透性のバリア102の中または上に位置付けされている真空供給源330と同様または同一の様式で、カップ部分952の上または中に位置付けされ得る。
【0088】
ある例では、チャンバー904の部分は、男性の陰茎の変化するサイズおよび剛性に起因して、実質的に空になっている可能性がある。しかし、いくつかの例では、チャンバー904の最も外側の領域(たとえば、カップ部分952の内部領域の周辺)は、多孔性の材料(たとえば、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120のうちの1つまたは複数)を含むことが可能であり、多孔性の材料は、(たとえば、キャビティーの端部に)位置決めされており、男性の尿道からの尿の流れを鈍らせ、それによって、跳ね返りを制限するように構成されており、および/または、チャンバー904の選択された領域へ流体を方向付けるように構成されている。チャンバー904は実質的に空になっているので(たとえば、チャンバー904の実質的にすべてがリザーバーを形成している)、流体は、チャンバー904の重量測定法的に低いポイントに溜まる傾向がある。チャンバー904の重量測定法的に低いポイントは、人の皮膚および流体収集デバイス900の交差部にあるか、カップ部分952の中に形成された角部にあるか、または、着用者の配向に応じて別の適切な場所にあることが可能である。導管108の入口部110は、チャンバー904の重量測定法的に低いポイントに隣接または近接するように、たとえば、環状のベース954などに隣接するように位置決めされ得る。たとえば、入口部110は、開口部956と同一の延在になっているかまたは開口部956からオフセットされ得る。例では、入口部は、カップ部分952の終端端部に隣接して(たとえば、開口部の実質的に反対側に)位置決めされ得る。
【0089】
動作の間に、流体収集デバイス900を使用する男性は、流体(たとえば、尿)をチャンバー904の中へ排出することが可能である。流体は、チャンバー904の中に溜まるかまたはその他の方法で収集され得る。流体の少なくともいくらかは、入口部110を介して導管108の内部に進入することが可能である。流体は、真空供給源によって提供される真空/吸引を介して、流体収集デバイス900から外へ引き出され得る。いくつかの例では、動作の間に、通路962は、流体がチャンバー904の中へ導入されたとしても、および、その後にチャンバー904から除去されたとしても、チャンバー904の中の圧力を大気圧力に実質的に維持することが可能である。
【0090】
図10は、実施形態による、本明細書で開示されている流体収集デバイス、部材、および/または流体収集システムのいずれかを使用する方法1000のフローダイアグラムである。方法1000は、行為1010を含むことが可能であり、行為1010は、「ユーザーの女性の尿道に隣接してまたは男性の尿道の周りに流体収集デバイスの開口部を位置決めするステップであって、開口部は、流体収集デバイスの流体不浸透性のバリアによって画定されている」と記載している。行為1010の後に、行為1020が続くことが可能であり、行為1020は、「流体収集デバイスをユーザーに固定するステップ」と記載している。行為1020の後に、行為1030が続くことが可能であり、行為1030は、「女性の尿道または男性の尿道から流体収集デバイスのチャンバーの中へ流体を受け入れるステップであって、流体収集デバイスのチャンバーは、流体不浸透性のバリアによって少なくとも部分的に画定されている」と記載している。
【0091】
方法1000の行為1010、1020、1030は、例示目的のためのものである。たとえば、方法1000の行為1010、1020、1030は、異なる順序で実施されるか、複数の行為へと分割されるか、修正されるか、補充されるか、または組み合わせられ得る。ある例では、方法1000の行為1010、1020、1030のうちの1つまたは複数は、方法1000から省略され得る。行為1010、1020、または1030のいずれかは、本明細書で開示されている流体収集デバイスまたはシステムのいずれかを使用するステップを含むことが可能である。
【0092】
行為1010は、「ユーザーの女性の尿道に隣接してまたは男性の尿道の周りに流体収集デバイスの開口部を位置決めするステップであって、開口部は、流体収集デバイスの流体不浸透性のバリアによって画定されている」と記載している。いくつかの例では、行為1010は、女性用流体収集デバイスの開口部を位置決めするステップを含むことが可能であり、女性用流体収集デバイスの流体浸透性の膜が、女性の尿道に近接して当接するかまたは位置決めされるようになっている。たとえば、ユーザーの女性の尿道に隣接して流体収集デバイスの開口部を位置決めするステップは、陰唇の上に、陰唇に隣接して、陰唇間に、流体収集デバイスの流体収集部材の開口部を位置決めするステップを含むことが可能である。例では、女性用流体収集デバイスは、1つまたは複数の態様において、流体収集デバイス100、400、500、700、または800(
図2A~
図8)と同様または同一であることが可能である。
【0093】
いくつかの例では、行為1010は、ユーザーの尿道が流体収集デバイスの中に位置決めされるように、男性のユーザーの尿道の周りに男性用流体収集デバイスの開口部を位置決めするステップを含むことが可能である。たとえば、ユーザーの男性の尿道の周りに流体収集デバイスの開口部を位置決めするステップは、男性用流体収集デバイスのカップ部分の中にユーザーの陰茎を位置決めするステップを含むことが可能である。例では、男性用流体収集デバイスは、1つまたは複数の態様において、流体収集デバイス900(
図9)と同様または同一であることが可能である。そのような例では、方法1000は、男性の尿道が男性用流体収集デバイスの受容部の中の開口部を通してカップ部分の中に位置決めされるように、受容部の中空の領域の中に男性用流体収集デバイスのカップ部分を位置決めするステップを含むことが可能である。受容部の上のフランジは、流体収集デバイスを男性のユーザーに固定するために使用され得る。
【0094】
行為1020は、「流体収集デバイスをユーザーに固定するステップ」と記載している。流体収集デバイスをユーザーに固定するステップは、流体収集デバイスの1つまたは複数のフランジをユーザーにまたはユーザーの衣料品に貼り付けるステップを含むことが可能である。例では、流体収集デバイスをユーザーに固定するステップは、流体収集デバイスの少なくとも1つのフランジの接着部材をユーザーに接着するステップを含むことが可能である。例では、流体収集デバイスをユーザーに固定するステップは、流体収集デバイスの少なくとも1つのフランジ(たとえば、フランジ)の接着部材を、ユーザーの下腹部、内腿、睾丸、恥骨領域、股関節領域、または会陰のうちの1つまたは複数に(または、上述の領域のいずれかの上の衣料品の上に)接着するステップを含むことが可能である。たとえば、流体収集デバイスをユーザーに固定するステップは、流体収集デバイスの少なくとも1つのフランジの接着部材を女性のユーザーの内腿に接着するステップを含むことが可能である。流体収集デバイスをユーザーに固定するステップは、流体収集デバイスの少なくとも1つのフランジの接着部材をユーザーの衣類(たとえば、下着)に接着するステップを含むことが可能である。たとえば、流体収集デバイスの少なくとも1つのフランジの接着部材を衣類に接着するステップは、1つまたは複数のフランジをユーザーの下着の股あて(たとえば、ガセット)の上または周りに接着するステップを含むことが可能である。流体収集デバイスをユーザーに固定するステップは、ユーザーが移動するときでも、ユーザーの尿道に隣接して、ユーザーの尿道の上に、または、ユーザーの尿道の上方に、開口部を維持するために、流体収集デバイスをユーザーに固定するステップを含むことが可能である。
【0095】
行為1030は、「女性の尿道または男性の尿道から流体収集デバイスのチャンバーの中へ流体を受け入れるステップであって、流体収集デバイスのチャンバーは、流体不浸透性のバリアによって少なくとも部分的に画定されている」と記載している。例では、行為1030は、チャンバーの中に(たとえば、その中の重量測定法的に低いポイントの中などに)流体を保つステップを含むことが可能である。いくつかの例では、行為1030は、毛管材料(たとえば、流体浸透性の膜および流体浸透性のサポート)を使用して、開口部から離れるように流体を吸い上げるステップを含むことが可能である。いくつかの例では、行為1030は、流体収集デバイスのチャンバーの中へ流体を受け入れるステップを含むことが可能である。いずれかの例では、行為1030は、真空供給源と流体連通している導管の入口部と流体連通しているチャンバーの一部分に向けて流体を流すステップを含むことが可能である。たとえば、行為1030は、チャンバーの実質的に占有されていない部分(たとえば、リザーバー)へ、チャンバーの重量測定法的に低いポイントなどへ、流体を流すステップを含むことが可能である。流体は、尿、液体血液、汗などのような、1つまたは複数の流体を含むことが可能である。いくつかの例では、女性の尿道から流体収集デバイスのチャンバーの中へ流体を受け入れるステップであって、流体収集デバイスのチャンバーは、流体不浸透性のバリアによって少なくとも部分的に画定されている、ステップは、流体収集デバイスの流体浸透性の膜および流体浸透性のサポートを介して、チャンバーの中へ流体を吸い上げるステップを含むことが可能である。たとえば、流体浸透性の膜および流体浸透性のサポートを介してチャンバーの中へ流体を吸い上げるステップは、流体収集デバイスの中のリザーバーの中へ尿を吸い上げるステップを含むことが可能である。
【0096】
方法1000は、流体のうちの少なくともいくらかを流体収集デバイスから除去するステップを含むことが可能である。たとえば、流体のうちの少なくともいくらかを流体収集デバイスから除去するステップは、流体収集デバイスのチャンバーの中から流体を除去するステップを含むことが可能である。そのような除去は、チャンバーの中に配設されている導管(その導管は、真空供給源と流体連通していることが可能である)を介してチャンバーから流体を吸引するのに効果的な真空供給源によって吸引を印加するステップを含むことが可能である。例では、チャンバーの中に配設されている導管チャンバーから流体を吸引(たとえば、真空)するのに効果的な真空供給源によって吸引を印加することによって、流体収集デバイスから流体を除去するステップは、ポータブル真空供給源などのような、本明細書で開示されている真空供給源のいずれかを使用するステップを含む。ある例では、吸引を印加するステップは、流体収集デバイスの中の導管の入口部と流体連通している真空供給源(たとえば、ポータブル吸引デバイス)を駆動させるステップを含むことが可能である。例では、流体収集デバイスの中の導管の入口部と流体連通している真空供給源を駆動させるステップは、オン/オフスイッチを弾くこと、ボタンを押すこと、バルブを開けること、流体収集デバイスを真空ラインの中へ接続すること、ポータブル真空供給源を電源コンセントの中へ差し込むこと、ポータブル真空供給源の中へバッテリーを入れることなどのうちの1つまたは複数によって、真空供給源に電力を供給するステップを含むことが可能である。例では、真空供給源は、手動式真空ポンプを含むことが可能であり、真空供給源によって吸引を印加するステップは、チャンバーの中に配設されており、(ポータブル)真空供給源と流体連通している導管を介して、チャンバーから流体を吸引するのに効果的な手動式真空ポンプを手動で動作させるステップを含むことが可能である。例では、真空供給源は、配管されている真空ラインを含むことが可能であり、真空供給源によって吸引を印加するステップは、配管されている真空ラインを流体収集デバイス(たとえば、導管)に手動で接続するステップ、または、チャンバーの中に配設されている導管を介してチャンバーから流体を吸引するのに効果的なそれらの間のバルブを開けるステップを含むことが可能である。
【0097】
いくつかの例では、チャンバーの中に配設されており、真空供給源と流体連通している導管を介して、チャンバーから流体を吸引するのに効果的な真空供給源によって吸引を印加するステップは、流体収集デバイスのチャンバー(たとえば、内部領域)から少なくともいくらかの流体(たとえば、尿)を除去するのに効果的であることが可能である。例では、チャンバーの中に配設されており、真空供給源と流体連通している導管を介して、チャンバーから流体を吸引するのに効果的な真空供給源によって吸引を印加するステップは、流体収集デバイスのチャンバーから流体貯蔵コンテナ(たとえば、ボトルまたはバッグ)へ流体の少なくともいくらかを移送するのに効果的であることが可能である。いくつかの例では、チャンバーから流体を吸引するのに効果的な真空供給源によって吸引を印加するステップは、流体収集デバイスのリザーバー、流体浸透性のサポート、または流体浸透性の膜のうちの1つまたは複数から流体を除去するステップを含むことが可能である。
【0098】
例では、真空供給源(たとえば、吸引デバイス)は、流体収集デバイスの上または中に配設され得り、真空供給源によって吸引を印加するステップは、真空供給源を駆動させるステップを含むことが可能である。いくつかの例では、真空供給源は、流体収集デバイスから間隔を置いて配置され得り、真空供給源によって吸引を印加するステップは、ポータブル真空供給源などのような真空供給源を駆動させるステップを含むことが可能である。
【0099】
例では、チャンバーの中に配設されており、真空供給源と流体連通している導管を介して、チャンバーから流体を吸引するのに効果的な真空供給源によって吸引を印加するステップは、(たとえば、1つまたは複数の湿度センサーを介して)チャンバーの中の湿度を検出するステップと、それに応答して、チャンバーの中に吸引を提供するために真空供給源を駆動させるステップとを含むことが可能である。湿度またはそのレベルがチャンバーの中に存在しているということを示す信号に応答する真空供給源の制御は、たとえば、コントローラーなどを介して、自動的であることが可能であり、または、流体収集デバイスのチャンバーからの流体の除去を必要とし得る湿度のレベルが存在しているという表示を提供するのみに留めてもよい。後者のケースでは、ユーザーは、表示を受け入れ、ポンプなどのような真空供給源を手動で駆動させることが可能である。
【0100】
ある例では、方法1000は、流体収集デバイスから、たとえば、流体貯蔵コンテナ(それは、流体収集デバイスから間隔を置いて配置されており、導管に流体連通している)の中などへ除去される、流体を収集するステップを含むことが可能である。流体貯蔵コンテナは、本明細書で開示されている流体貯蔵コンテナのいずれかを含むことが可能である。
【0101】
さまざまな態様および実施形態が本明細書で開示されてきたが、他の態様および実施形態も企図される。本明細書で開示されているさまざまな態様および実施形態は、図示の目的のためのものであり、限定するものであることを意図していない。