(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】靴、とりわけ運動靴のソールを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
B29D 35/12 20100101AFI20220801BHJP
A43B 13/20 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
B29D35/12
A43B13/20 A
(21)【出願番号】P 2020562609
(86)(22)【出願日】2018-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2018061935
(87)【国際公開番号】W WO2019214815
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ボニン、マウロ
(72)【発明者】
【氏名】ハルトマン、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ズースマン、ラインホルド
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-526126(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106939097(CN,A)
【文献】特許第5465814(JP,B1)
【文献】特開2010-158511(JP,A)
【文献】特開2016-202903(JP,A)
【文献】国際公開第2003/53664(WO,A1)
【文献】特開2000-41702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 35/12
A43B 13/00-13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴のソール(1)を製造するための方法であって、前記ソール(1)は第1のソール部分(2)および第2のソール部分(7)を含み、2つの前記ソール部分(2、7)は、前記靴の長手方向(L)および鉛直方向(V)に延在する表面上で隣り合い、前記2つのソール部分(2、7)はこれらの上側に、互いに隣接して配置されかつ共に大部分が平坦な表面を形成する区分(12、13)を有し、前記方法は、
a)ソール材料を、第1の
金型部分(3)の
第1の型穴(4)に、
射出することによって前記第1の
金型部分(3)において第1のソール部分(2)を製造するステップであって、多数の
第1の体積要素(5)は、前記
第1の型穴(4)に突出し、かつ前記第1のソール部分(2)において空洞(6)を生じさせる、第1のソール部分(2)を製造するステップと、
b)前記ソール材料を、第2の
金型部分(8)の
第2の型穴(9)に、
射出することによって前記第2の
金型部分(8)において第2のソール部分(7)を製造するステップであって、多数の
第2の体積要素(10)は、前記
第2の型穴(9)に突出し、かつ前記第2のソール部分(7)において空洞(6)を生じさせる、第2のソール部分(7)を製造するステップと、
c)前記第1のソール部分(2)および前記第2のソール部分(7)が固体化した後、
前記第1の金型部分(3)から前記第1のソール部分(2)を、および前記第2の金型部分(8)から前記第2のソール部分(7)を、それぞれ取り外し、かつ前記第1のソール部分(2)および前記第2のソール部分(7)を第3の金型(11)に入れるステップであって、前記2つのソール部分(2、7)は、前記空洞(6)が少なくとも部分的に整合しかつ製造される前記ソールの全幅にわたって延在するように整合する、ステップと、
d)前記第1のソール部分(2)および前記第2のソール部分(7)の少なくとも1つの区分(12、13)上で接合材(14)を
過剰に射出するステップであって、前記材料が
過剰に射出される前記第1のソール部分(2)および前記第2のソール部分(7)の前記区分(12、13)は隣り合うことで、前記第1のソール部分(2)および前記第2のソール部分(7)を互いに接合する、接合材(14)を
過剰に射出するステップと、を含
み、
前記ソール部分(2、7)が前記第3の金型(11)に挿入される前に、アウトソールであるさらなるソール要素(17)は前記第3の金型(11)に入れられ、前記接合材(14)および前記アウトソール(17)は、製造される前記ソールの両側に配置される、方法。
【請求項2】
e)前記ソール材料を、さらなる
金型部分の
第3の型穴に、
射出することによって前記さらなる
金型部分において少なくとも1つのさらなるソール部分を製造するステップであって、多数の
第3の体積要素は、前記
第3の型穴に突出し、かつ前記さらなるソール部分(2)において空洞を生じさせる、少なくとも1つのさらなるソール部分を製造するステップ
を有し、
前記c)のステップにおいて、さらに、
f)前記さらなるソール部分が固体化した後、前記さらなる
金型部分から前記さらなるソール部分を取り外し、かつ前記第1のソール部分(2)および前記第2のソール部分(7)と合わせて前記さらなるソール部分を前記第3の金型(11)に挿入するステップと、
前記d)のステップにおいて、さらに、
g)前記第1のソール部分(2)、前記第2のソール部分(7)、および前記さらなるソール部分の少なくとも1つの区分上で接合材(14)を
過剰に射出するステップであって、前記材料が
過剰に射出される前記第1のソール部分(2)、前記第2のソール部分(7)、および前記さらなるソール部分の前記区分(12、13)は隣り合うことで、前記第1のソール部分(2)、前記第2のソール部分(7)、および前記さらなるソール部分を互いに接合する、接合材(14)を
過剰に射出するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1によるステップd
)の間、前記ソール部分(2、7)における前記空洞(6)を充填する体積要素は、前記第3の金型(11)に配置されることを特徴とする、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
請求項2によるステップg)の間、前記ソール部分(2、7)における前記空洞(6)を充填する体積要素は、前記第3の金型(11)に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のソール部分(2)および前記第2のソール部分(7)の製造中、前記第1の
金型部分(3)および前記第2の
金型部分(8)の前記型穴(4、9)は、閉鎖部分(15、16)によって閉鎖されることを特徴とする、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記さらなるソール要素(17)と前記ソール部分(2、7)との間に、結着剤が差し込まれることを特徴とする、請求項
1から
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記結着剤は、
接着剤であることを特徴とする、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
ポリウレタン材、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、またはこれらの物質を含む材料は、前記ソール部分(2、7)用の材料としておよび/または接合材(14)として使用されることを特徴とする、請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ソール部分(2、7)用の前記材料および/または前記接合材(14)は発泡させることを特徴とする、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記ソール部分(2、7)の前記材料は、0.20~0.50g/cm
3の密度を有することを特徴とする、請求項1から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ソール部分(2、7)の前記材料は、30~50のアスカーCの硬度を有することを特徴とする、請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ソール部分(2、7)はミッドソールを形成することを特徴とする、請求項1から
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
完成品の前記ソールを離型する目的で前記第3の金型(11)を開放することは、前記第3の金型(11)の2つの部分(11’、11’’)を互いに離すことによって行われることを特徴とする、請求項1から
12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴、とりわけ運動靴のソールを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、運動靴について、長手方向に垂直なおよび鉛直方向に垂直な横方向に延在し、かつ少なくとも部分的にソールを貫通する多数の凹部を有するソールが必要とされるまたは所望される時がある。これは、ソールの幾何学的設計によりある特定の所望されるばね挙動をソールに与えるようとする試みである。これは、ソールが、靴の着用者の体重を受ける時の鉛直方向の所望の変形挙動、とりわけ、加えられた力と鉛直方向の歪みとの間の特定の特性曲線を示すことを意味する。このようなソールは、例えば、特許文献1から既知である。ここでは、ソール上に水平方向に、ひいては横方向に見られる複数の凹部が円形に形成されているソールの本体が横方向に設けられる。このような凹部を使用して、ソールのばねおよび減衰挙動に影響を与えることが可能である。
【0003】
特許文献2は、個々の平坦なソール区分が重なって配置され、かつ互いに連結されているいくつかの部分で構成される靴底を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第2983056号
【文献】米国特許出願公開第2014/208610号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、寸法精度および加工安定性を有し、特に複合凹部を有するこのようなソールが生産可能である、上述したタイプの方法を提供する目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるこの目的の解決策は、ソールが第1のソール部分および第2のソール部分を含み、2つのソール部分が、靴の長手方向および鉛直方向に延在する表面上で隣り合い、2つのソール部分がこれらの上側に、互いに隣接して配置されかつ共に大部分が平坦な表面を形成する区分を有し、方法が以下のステップ:
a)(射出成型可能な、流し込み可能な、またはスプレー可能な条件の)ソール材料を、第1の金型または金型部分の型穴に、射出する、スプレーする、または流入することによって第1の金型または金型部分において第1のソール部分を製造するステップであって、多数の体積要素は、型穴に突出し、かつ第1のソール部分において空洞を生じさせる、第1のソール部分を製造するステップと、
b)(射出成型可能な、流し込み可能な、またはスプレー可能な条件の)ソール材料を、第2の金型または金型部分の型穴に、射出する、スプレーする、または流入することによって第2の金型または金型部分において第2のソール部分を製造するステップであって、多数の体積要素は、型穴に突出し、かつ第2のソール部分において空洞を生じさせる、第2のソール部分を製造するステップと、
c)第1のソール部分および第2のソール部分が固体化した後、第1の金型または金型部分および第2の金型または金型部分から第1のソール部分および第2のソール部分を取り外し、かつ第1のソール部分および第2のソール部分を第3の金型に入れるステップであって、2つのソール部分は、空洞が少なくとも部分的に整合しかつ製造されるソールの全幅にわたって延在するように整合する、ステップと、
d)第1のソール部分および第2のソール部分の少なくとも1つの区分上で接合材を過剰流入する、オーバースプレーする、および/または過剰射出するステップであって、材料が過剰流入される、オーバースプレーされる、および/または過剰射出される第1のソール部分および第2のソール部分の区分は隣り合うことで、第1のソール部分および第2のソール部分を互いに接合する、接合材を過剰流入する、オーバースプレーする、および/または過剰射出するステップと、を含むという事実を特徴とする。
【0007】
それ故に、ソールの少なくとも2つの部分、好ましくは、2つの半部は、ソールにおいて空洞を生じさせ、該空洞が、靴のその後の使用中に、とりわけ、靴の長手方向に、および(靴が意図されるように使用される時の)鉛直方向に対して横方向に延在するように、上記の第1の金型または第2の金型においてあらかじめ作られる。ソールのこれら2つのあらかじめ作られた部分はその後、第3の金型に入れられ、かつ結合材を加えることによって共に接合される。
【0008】
一般に、2つより多い部分が使用可能である。この場合、それに応じて、方法が以下のステップ:
e)(射出成型可能な、流し込み可能な、またはスプレー可能な条件の)ソール材料を、さらなる金型または金型部分の型穴に、射出する、スプレーする、または流入することによってさらなる金型または金型部分において少なくとも1つのさらなるソール部分を製造するステップであって、多数の体積要素は、型穴に突出し、かつさらなるソール部分において空洞を生じさせる、少なくとも1つのさらなるソール部分を製造するステップと、
f)さらなるソール部分が固体化した後、さらなる金型または金型部分からさらなるソール部分を取り外し、かつ第1のソール部分および第2のソール部分と合わせてさらなるソール部分を第3の金型に挿入するステップと、
g)第1のソール部分、第2のソール部分、およびさらなるソール部分の少なくとも1つの区分上で接合材を過剰流入する、オーバースプレーする、および/または過剰射出するステップであって、材料が過剰流入される、オーバースプレーされる、および/または過剰射出される第1のソール部分、第2のソール部分、およびさらなるソール部分の区分は隣り合うことで、第1のソール部分、第2のソール部分、およびさらなるソール部分を互いに接合する、接合材を過剰流入する、オーバースプレーする、および/または過剰射出するステップと、をさらに含むようにする。
【0009】
さらにまた第3の金型において、上記のステップd)またはg)の間、ソール部分における空洞を充填し、ひいては空洞がないようにしておく体積要素が配置可能である。
【0010】
第1のソール部分および第2のソール部分の製造中、第1の金型または金型部分および第2の金型または金型部分の型穴は、閉鎖部分によって閉鎖可能である。これによって、製造されるソールの一部分に規定の幾何学的形状がもたらされる。
【0011】
ソール部分が第3の金型に挿入される前に、さらなるソール要素は好ましくは、第3の金型に入れられる。このさらなるソール要素は好ましくはアウトソールである。それによって、接合材およびさらなるソール要素が、製造されるソールの両側に配置されるようにすることが好ましい。さらなるソール要素とソール部分との間に、結着剤が差し込み可能であり、これはとりわけ、液体ポリウレタンが好適な選択である接着剤である。
【0012】
ポリウレタン材、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、またはこれらの物質を含む材料は好ましくは、ソール部分用の材料としておよび/または接合材として使用される。それによって、ソール部分用の材料および/または接合材は発泡させるのが好ましい。
【0013】
ソール部分の材料は好ましくは、0.20~0.50g/cm3の密度を有し、好ましくは、30~50のアスカーCの硬度を有する。
【0014】
述べたソール部分は好ましくはミッドソールを形成する。
【0015】
完成品のソールを離型する目的で第3の金型を開放することは、好ましくは、第3の金型の2つの部分を互いに離すことによって行われる。
【0016】
完成品のソールにおける凹部は、好ましくは、横方向に少なくとも部分的にソールを完全に貫通するが、また、凹部のみがソールの一部分にわたって横方向に延在するように設けられ得る。
【0017】
このように達成されるソールの設計によって、簡易なやり方で、ばね特性および緩衝特性、またはソールの硬度の制御に影響を与えることが可能である。凹部の設計によって、ソールに、ソールを備えた靴の着用者の体重がかけられる時に所望のばねたわみを実現することができる。
【0018】
いままで、この概念は、種々のサイズの(ここでは、特に断面が丸いまたは楕円形の凹部として既知の)さまざまな開口部の列がソールにあるまたはソールに挿入されることで、ソールのある特定のばね挙動または緩衝挙動を達成することが意図される、いわゆる「機械的メタマテリアル」の使用に基づく。これによって、ばね特性または減衰特性が所望の特性曲線に従う「工学的な減衰」が可能になる。
【0019】
靴の着用者の体重によって引き起こされる変形力が加えられる時、特殊なばね性または減衰性が実現可能であるような特別なやり方で気泡の潰れが生じる。
【0020】
この点において、言ってみれば、ソール構造の「プログラム可能な折り畳みまたはへこみ」が達成されるが、これは、この構造自体がコヒーレントシステムを形成し、かつ個々の材料の区分が相互依存しているからである。
【0021】
提案された方法によって達成される構造の利点は、「負の固さ」をもたらす可能性があり、すなわち、ソールが鉛直方向にわずかに圧縮される場合、ソールは規定のやり方でへこむ。また、一方では十分な弾性を有し、他方では変形力による変形エネルギーを吸収するようなソールを説明されるやり方で構造化することが可能である。
【0022】
提案された方法によって、ソールの安定した加工の正確な製造が可能になる。
【0023】
上で説明されるように、製造されるソールは、少なくとも2つの、さらにはより多くのソール部分で構成可能である。
【0024】
使用される体積要素は、棒状であり、かつこれらの長手方向伸長部に沿って一定の断面を有する。これは結局のところ、任意の形状を有することができる。下記の実施形態に関連して示されるように、例えば、ここでは「8」の断面の形状が与えられる。体積要素は、付加生産工程(三次元印刷)によって、または別のやり方では、例えば、従来の機械加工(ミリング)によって製造可能である。とりわけ、ステンレス鋼は体積要素には適した材料である。
【0025】
体積要素は、異なるように成形される空洞を有するソールを製造するために第1の金型もしくは金型部分または第2の金型もしくは金型部分(場合によって、またさらなる金型もしくは金型部分)において区別なく配置可能である。
【0026】
図面には、本発明の実施形態が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明による方法に従って製造される、(依然上部に連結材料が加えられていない)運動靴のミッドソールを示す図である。
【
図2】ソールの長手方向に垂直なおよび鉛直方向に垂直な横方向に見られる、
図1による「X」の区分をより詳細に示す図である。
【
図3】それぞれにおいてミッドソールの1半部が製造される、第1の金型部分および第2の金型部分を概略的に示す図である。
【
図4】2つの半部を連結する連結材料がまだない、ミッドソールの2つのあらかじめ作られた半部が挿入される第3の金型を概略的に示す図である。
【
図5】ミッドソールの2つの半部を連結する連結材料がここで挿入されている、
図4に示されるような第3の金型を示す図である。
【
図6】第1のおよび第2の依然空である金型部分の透視図である。
【
図8】空洞を区切る度に閉鎖要素が配置される第1の金型部分および第2の金型部分の透視図である。
【
図9】部分的に示される第3の空の金型の透視図である。
【
図10】空洞の上閉鎖部分がない、第3の空の金型の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、(ソールを有する靴の縦軸に対応する)長手方向Lに、および鉛直方向Vに延在するソール1を示す(鉛直方向Vは、靴またはソールが、目的通りに使用される時に地面に立っている時の方向を指示する)。さらに、ソール1は、長手方向Lおよび鉛直方向V両方に垂直である横方向Qに延在する。
【0029】
ソール1は、ここで、ミッドソールとして設計され、この上側に、(示されない)アッパーが既知のやり方で取り付けられる。(
図1においてまだ示されない)アウトソールはソールの底部側に取り付けられる。
【0030】
空洞6(凹部)はソール1に取り入れられる。好ましくは、これらの凹部は、ソール1の全幅にわたって横方向Qに延在する。空洞6の設計および配置の細部は
図2に示されている。
図2は、
図1による細部「X」、すなわち、空洞6の可能な実施形態の幾何学的設計を示す。
【0031】
図1と組み合わせて
図2に見られるように、空洞6の2つの列はソール1に挿入され、このそれぞれは、ここで示される好ましい実施形態では「8」の形状を有する。この設計によって、靴のソールは特殊なばね挙動または緩衝挙動を示し、それによって、ソールは、特に、靴の着用者の体重を受ける時、凹部により所定のやり方でへこみ、これによって履き心地が良くなる。
【0032】
図1に見られるように、ソール1は、2つの部分、すなわち、第1の部分2および第2の部分7から成り、これらは、それぞれのソール部分2および7の上側に区分12および13をそれぞれ有し、これら区分12および13は、互いに隣接して配置され、かつ(基本的に、着用者の脚に対して後に支持する表面を形成する)大部分が平坦な表面を形成する。2つのソール部分2および7は、それぞれが所望の空洞6を有するように別個に製造され、その後、2つのソール部分2、7を共に保持するように、結合材を区分12および13に加えることによって接合される。
【0033】
これに対して提供されるプロセス工学的方法は、下記の
図3~
図10に示される。
【0034】
図3は最初に、第1の方法ステップを概略的に示し、ここで、第1のソール要素2および第2のソール要素7は、第1の金型部分3および第2の金型部分8を有する金型において製造される。2つの金型部分3および8は、ここで、必須ではないが、共通の工具本体に配置される。
【0035】
2つのソール部分2および7のそれぞれは、製造される靴のミッドソールの半部を表す。この点において、2つの部分が示される
図1を参照する。2つのソール部分2および7を製造するために、第1の金型部分3の第1の型穴4に、および第2の金型部分8の第2の型穴9に、液状プラスチック材料が、射出、流入、またはスプレーされる。体積要素5および10はそれぞれ、型穴4、9に配置され、かつ型穴4、9の壁から延在する。液状プラスチック材料が型穴4、9に射出される場合、体積要素5および10はそれぞれ、製造されるソール部分2および7において空洞6として見出され得る体積を残しておく(
図3における点線を参照)。
【0036】
そのように製造されるソール部分2および7は、固体化した時、2つの金型部分3および8から取り外され、かつ
図4に示されるように第3の金型11に挿入される。2つのソール部分2および7は、空洞6が少なくとも部分的に整合しかつ製造されるソールの全幅にわたって延在するように整合し、このことはさらには、
図4において点線で指示される。
【0037】
2つのソール部分2および7が第3の金型11に入れられる前に、アウトソールの形態のさらなるソール要素17は下部領域に挿入される。適した接着剤は、ソール部分2および7、ならびに他のソール部分17の間の強固な連結を確実にするためにこのソール要素と2つのソール部分2および7との間に置かれ得る。
【0038】
ここで、
図5に示されるように、接合材14は、区分12および13上に、射出、スプレー、または流入させることで、材料の層は2つのソール部分2および7上に形成され、これによって、2つのソール部分2および7は共に保持される。
【0039】
第3の金型11は2つの部分11’および11’’から成り、これらは、接合材14が硬化された後に
図5における2つの矢印の方向に互いに離されることで、ソール、ひいては完成品のソールは、金型11から取り外し可能である。
【0040】
図3~
図5は、非常に概略的な図式化を示す。対照的に、他の
図6~
図10は、使用される金型のより具体的なバージョンを示す。
【0041】
図6は、さらには、第1の金型部分3および第2の金型部分8をそれぞれ有する金型、および型穴4および9を示す。
図6ではさらに、体積要素5および10が各空洞の壁からどのように突き出ているかを見ることができる。これは、拡大図で
図7においてさらにまた見ることができる。とりわけ、ソールにおいて、対応して形成される空洞6(
図2を参照)を作成するために、「8」の形状の体積要素の設計が見られ得る。
【0042】
図8は、2つのソール部分2および7の製造中に、製造されるソール部分2および7に規定の幾何学的形状を与えるために2つの金型部分3および8が各閉鎖部分15および16によってどのように閉じられるかを示す。
【0043】
図9および
図10は第3の金型11またはこの部分を示す。
【0044】
図9は、第3の金型11の1つの部分11’’、および第3の金型11の型穴をこの最上部で閉じる閉鎖部分19を示す。
図6および
図7に示されるものに対応する体積要素18を見ることもできる。これらは、2つのソール部分2および7のあらかじめ作られた空洞6において係合し、かつ第3の金型11における加工中に該空洞がないようにしておくことで、第3の金型11において行われる工程段階によって閉じられないようにする体積要素である。
図5に示されるやり方で第3の金型11の2つの部分11’および11’’が互いに離される場合、完成品のソールを離型させることは容易である。
【0045】
図10は、2つのソール部分2および7がまだ第3の金型11に含まれない、合わせられた第3の金型11の2つの部分11’および11’’を示す。しかしながら、
図10に示されるように合わせられる時に、製造されるソールの全幅にわたって延在するため、ソール部分2、7における空洞6がないようにしておく体積を形成する体積要素18がここでさらにまた見られ得る。
【符号の説明】
【0046】
1 ソール
2 第1のソール部分
3 第1の金型/第1の金型部分
4 第1の型穴
5 体積要素
6 空洞
7 第2のソール部分
8 第2の金型/第2の金型部分
9 第2の型穴
10 体積要素
11 第3の金型
11’ 第3の金型の部分
11’’ 第3の金型の部分
12 第1のソール部分の区分
13 第2のソール部分の区分
14 接合材
15 閉鎖部分
16 閉鎖部分
17 さらなるソール要素(アウトソール)
18 体積要素
19 閉鎖部分
L 長手方向
V 鉛直方向
Q 横方向