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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】ディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20220801BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20220801BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220801BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20220801BHJP
   C09K 11/66 20060101ALI20220801BHJP
   C09K 11/02 20060101ALI20220801BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALN20220801BHJP
【FI】
G09F9/30 349A
G09F9/30 365
G09F9/30 309
G09F9/33
G09F9/00 336E
G02B5/20
C09K11/66
C09K11/02 Z
G02F1/13357
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021121271
(22)【出願日】2021-07-26
(62)【分割の表示】P 2018533168の分割
【原出願日】2016-12-21
(65)【公開番号】P2021192098
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】15003667.1
(32)【優先日】2015-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514211884
【氏名又は名称】アファンタマ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(72)【発明者】
【氏名】ノルマン リューヒンガー
(72)【発明者】
【氏名】イネス ベーバー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ローアー
(72)【発明者】
【氏名】マレク オズツァイカ
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン ハルトマイアー
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/145418(WO,A1)
【文献】特表2013-513016(JP,A)
【文献】国際公開第2005/034582(WO,A1)
【文献】特開2005-077553(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0301408(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G02B 5/20
C09K 11/66
C09K 11/02
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイデバイスであって、
発光体部分(31,32,33)のセット(3)を含み、前記セットの少なくとも1つの発光体部分(31)が、励起波長を有する光を放出するように構成されている、発光体と、
変換層部分(21,22)のセット(2)を含む色変換層と
を含み、
前記セット(2)の少なくとも1つの変換層部分(21)が、固体ポリマー組成物を含むフィルムを含み、前記固体ポリマー組成物がルミネセント結晶(11)を含み、
前記ルミネセント結晶(11)は、
-ペロブスカイト構造を有し、
-式(I):
CsPbX (I)
〔式中、Csは、任意に、最大で30mol%の、配位数12の1種又は2種以上の他の金属でドープされる、
Pbは、任意に、最大で30mol%の、配位数6の1種又は2種以上の金属でドープされる、
Xは、独立して、Cl、Br、I、シアニド、及びチオシアネートから成る群から選択されたアニオンを表す。〕
の化合物から選択され、
-3nmと3000nmの間のサイズを有し、
-前記セット(3)の少なくとも1つの対応発光体部分(31)によって放出される光による励起に応答して、或る波長の光を放出し、ここで、当該波長よりも前記励起波長が短く、かつ
前記ポリマーは架橋されている
ディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記変換層部分は、特定色の発光のために、式(I)に従う1種のルミネセント結晶だけを含む、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記ルミネセント結晶(11)が5nmと100nmの間のサイズを有し、かつ/または、
前記ルミネセント結晶(11)の量が2.0g/m2未満、好ましくは1.5g/m2未満である、
請求項1又は2に記載のディスプレイデバイス。
【請求項4】
変換層部分(21)ごとの前記ルミネセント結晶(11)が、
いずれも赤色光を放出するための、
-CsPbBrx3-x(式中、0≦x<2)、
-CsPbClyBr3-y-zz(中、0<y<1、2≦z≦3-y)、
又は、いずれも緑色光を放出するための、
-CsPbBrx3-x(式中、2≦x≦3)、
-CsPbClyBrz3-y-z(式中、0<y<1、1<z≦3-y)
から成る群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記固体ポリマー組成物が、アクリレートポリマー、カーボネートポリマー、スルホンポリマー、エポキシポリマー、ビニルポリマー、ウレタンポリマー、エステルポリマー、スチレンポリマー、シリコーンポリマー、及び環状オレフィンコポリマー、好ましくは、ポリアクリレートポリマーから成る群から選択されるポリマーを含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記フィルムの厚さが5μmと500μmの間であり、前記固体ポリマー組成物(21)中の前記結晶の濃度が0.01wt%と0.50wt%の間である、請求項1からまでのいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項7】
前記色変換層が10%と99%の間の光学ヘイズを有している、請求項1からまでのいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項8】
前記セット(2)の第1変換層部分(21)が、第1ルミネセント結晶(11)を含む第1フィルムを含み、ここで、前記第1ルミネセント結晶(11)は、前記セット(3)の対応第1発光体部分(31)によって放出される光による励起に応答して赤色光を放出し、そして、
第2変換層部分(22)が、第2ルミネセント結晶(12)を含む第2フィルムを含み、ここで、前記第2ルミネセント結晶(12)は、前記セット(3)の対応第2発光体部分(32)によって放出される光による励起に応答して緑色光を放出する、
請求項1からまでのいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項9】
前記セット(3)の発光体部分(31,32,33)の数が、前記セット(2)の変換層部分(21,22)の数よりも多い、請求項1からまでのいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項10】
画素を含み、前記画素が、
-前記対応第1発光体部分(31)を備えた前記第1変換層部分(21)と、
-前記対応第2発光体部分(32)を備えた前記第2変換層部分(22)と、
-第3発光体部分(33)と
を含む、請求項8又は9に記載のディスプレイデバイス。
【請求項11】
バリア層を含み、前記バリア層は、好ましくは、前記色変換層(2)を全体として取り囲むか、又は前記変換層部分(21,22)を個別に取り囲み、かつ0.2g・mm・m-2・day-1未満の水蒸気透過率を有し、
好ましくは、各バリア層の材料が、任意に有機/無機の多層の形で、ポリ塩化ビニリデン、環状オレフィンコポリマー、高密度ポリエチレン、金属酸化物、SiOx、Sixyから成る群から選択される、
請求項1から10までのいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項12】
前記色変換層が、特にはTiO2又はZrO2から形成された、散乱粒子を含み、
前記散乱粒子の屈折率(RI)がRI>2であり、
前記散乱粒子のサイズが100nmと1000nmの間であり、且つ/又は
前記色変換層における前記散乱粒子の濃度が1wt%と40wt%の間、好ましくは3wt%と20wt%の間である、
請求項1から11までのいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項13】
前記発光体部分(31,32,33)のそれぞれが有機発光ダイオード(OLED)を含み、そして
特には、前記ディスプレイデバイスがOLEDディスプレイである、
請求項1から12までのいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項14】
前記発光体部分(31,32,33)のそれぞれが無機発光ダイオード(LED)を含む、請求項1から12までのいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項15】
前記発光体が液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトであり、そして
特には、前記ディスプレイデバイスがLCDディスプレイである、
請求項1から12までのいずれか1項に記載のディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルミネセント結晶(LC)の分野に関する。本発明はディスプレイデバイスを提供する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイは今日の世界において欠くことのできない部品であり、種々異なるサイズで広範囲にわたる電子デバイスに組み込まれている。特に、カラーディスプレイは非常に人気があり、その色域、すなわち表示し得る色の広域スペクトルを最大化するための様々な技術を生み出している。
【0003】
広範囲の色を表示するために、一般的なディスプレイ技術のほとんど、例えば液晶ディスプレイ(LCD)技術は、それぞれの光源の赤色、緑色及び青色の光をフィルタリングするカラーフィルタの統合に依存している。従って、所望の色相は、赤色、緑色及び青色の光の強度を制御することにより達成される。
【0004】
このようなディスプレイの色域は、それぞれの光源によって発せられる色スペクトルに制限され、その光源は、典型的には、原色である赤、青、及び緑の波長の中心にあるわけではなく、したがって、高飽和色の表示を不可能にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの側面によれば、ディスプレイデバイスが提供される。ディスプレイデバイスは、発光部分のセットを含む発光体と、変換層部分のセットを含む色変換層とを含む。セットの変換層部分のうちの少なくとも1つは、セットの少なくとも1つの対応発光体部分によって放出された光による励起に応答して、或る波長の光を放出するように構成されている。セットの少なくとも1つの発光体部分は、励起波長を有する光を放出するように構成されている。放出された光は、少なくとも1つの色変換層のルミネセント結晶を励起する。ルミネセント結晶は、励起に応答して、好ましくは400nmと490nmの間の範囲の波長の青色光である、より短い励起波長とは異なる波長の光を放出する。
【0006】
対象となる発光特性を提供するために、対象となる色変換部分は、励起に応答して規定波長の光を放出するためのルミネセント結晶を含む。ルミネセント結晶は固体ポリマー組成物内に埋め込まれていてよい。固体ポリマー組成物は、ルミネセント結晶と隣接してポリマーを含んでいる。固体ポリマー組成物は、フィルム形態の色変換部分に寄与する。
【0007】
好適なルミネセント結晶は、ペロブスカイト構造を有している。このようなペロブスカイト構造はそれ自体知られており、一般式M123の立方晶、擬立方晶、正方晶、又は斜方晶の結晶として記述され、上記式中、M1は配位数12(立方八面体(cuboctaeder))のカチオンであり、M2は配位数6(八面体(octaeder))のカチオンであり、そしてXは格子の立方晶、擬立方晶、正方晶、又は斜方晶の位置にあるアニオンである。これらの構造において、選択されたカチオン又はアニオンは、他のイオンによって置き換えて(確率論的又は規則的に)、なおもその結晶構造を維持することができる。このようなルミネセント結晶の製造は、例えばProtesescu et al. (Nano Lett., 2015, 15, 3692-3696)から知られている。
【0008】
有利には、ルミネセント結晶は、式(I):
1 a2 bc (I)
〔式中、M1はCsを表し、
2はPbを表し、
Xは、独立して、Cl、Br、I、シアニド、及びチオシアネートから成る群から選択されたアニオンを表し、
aは1を表し、
bは1を表し、
cは3を表す。〕
の化合物から選択される。
【0009】
「独立して」は、Xが上記アニオンのうちの1つから選択されてよく、或いは上記アニオンのうちの2つ以上の組み合わせであってもよいことを意味する。チオシアネートという用語は、両共鳴構造、すなわちチオシアネート及びイソチオシアネートを含む。
【0010】
本発明の実施態様では、M1は、ペロブスカイト構造内で、配位数12の1種又は2種以上の他の金属で最大で30mol%ドープされてよい。M1は、このような金属の1種又は2種以上で最大で10mol%ドープされると有利である。好適な金属M1は、Rb、K、Na、及びLiから成る群から選択される。
【0011】
本発明の実施態様では、M2は、ペロブスカイト構造内で、配位数6の1種又は2種以上の他の金属で最大で30mol%ドープされてよい。M2は、このような金属のうちの1種又は2種以上で最大で10mol%ドープされると有利である。好適な金属M2は、Ge、Sn、Sb、及びBiから成る群から選択される。
【0012】
本発明の実施態様では、XはCl、Br及びIのうちの1つから選択され、或いはXは独立してCl、Br及びIのうちの2つを表し、或いはXはCl、Br及びIを表す。Cl、Br、I、シアニド、及びチオシアネートの量は、この分野において知られている定型の試験、例えばMS又はXRFによって測定してよい。小さいClアニオンは発光を可視スペクトルにおいて青色部分に向かってシフトさせ、大きいIアニオンは発光を可視スペクトルの赤色部分に向かってシフトさせ、そして中程度の大きさのBrアニオンは発光を可視スペクトルの緑色部分に向かってシフトさせる。
【0013】
ルミネセント結晶は、3nmと3000nmの間、特には5nmと100nmの間のサイズを有する。
【0014】
従って、ペロブスカイト構造を有する、ハロゲン化セシウム鉛ナノ結晶、及び/又はドープ型ハロゲン化セシウム鉛ナノ結晶が、ルミネセント結晶として使用されることが好ましい。特定の波長を有する光の放出は、上記制約内でルミネセント結晶の材料を選択することに依存し、またルミネセント結晶のサイズに依存する場合もある。
【0015】
色変換層は、少なくとも1つの、そして好ましくは複数の色変換層部分のセットを含む。各変換層部分は、割り当てられた発光体部分(assigned light emitter)からの青色光を、専用の色(dedicated color)に、個別に変換する部分として理解される。従って、各変換層部分のフィルムは、その専用の色の光を放出するために、式(I)に基づいて選択される1つのタイプのルミネセント結晶だけを含む。
【0016】
発光体は、少なくとも1つの、そして好ましくは複数の発光体部分のセットを含む。各発光体部分は、光を放出するために個別にアドレス可能且つ/又は制御可能である部分として理解される。従って、複数の発光体部分は、個別に制御することができるので、例えばこれらの発光体部分の個々の部分を、光を放出するように制御すると同時に、残りの部分を、光を放出しないように、又は異なる強度の光を放出するように制御することができる。特には、各発光体部分は、制御信号を受信するための個別の接点を備えている。
【0017】
好ましい実施態様では、複数の発光体部分が対応セットに設けられており、そして複数の変換層部分が対応セットに設けられている。ここで、専用の発光体部分(dedicated light emitter)は、1つの変換層部分(one of color conversion layer portions)に割り当てて、その変換層部分に含まれるルミネセント結晶を励起する。発光体部分の数が変換層部分の数に等しい場合には、発光体部分と変換層部分との間に1対1の関係が生じるので、各変換層部分には固有に割り当てられた発光体部分がある。しかしながら、発光体部分の数が変換層部分の数を上回ることにより、各変換層部分には割り当てられた発光体部分があるが、ある数の発光体部分には割り当てられた変換層部分がないことが非常に好ましい。これらの残りの発光体部分は、色変換部分のどれかによって変換されるのではなく、放出される光のスペクトル全体に励起波長を追加するために、例えば後で紹介する画素の部分として(その画素は可変の色/波長の光を放出するように調節可能であり、画素はディスプレイに関与する)、使用する光を放出することができる。
【0018】
異なる実施態様では、複数の変換層部分と組み合わせて対応するセットに単一の発光体部分が設けられる。この実施態様では、変換層部分毎の励起を制御するために、励起光が各変換層部分へ向かう光路に、液晶などの他の制御部材を設けることが好ましい。
【0019】
少なくとも1つ、好ましくは各変換層部分が、フィルムを含む。各フィルムは固体ポリマー組成物を含み、固体ポリマー組成物は割り当てられたルミネセント結晶を含む。好ましくは、フィルムは、長さ及び幅のうちの少なくとも一方、好ましくは両方が、フィルムの高さ/厚さを上回るものと定義される。この文脈におけるフィルムは部材と呼ばれることもある。フィルムの寸法は、フィルムの長さ及び幅のそれぞれに対して、小さい、等しい、又は大きいフィルム厚を含んでよい。
【0020】
好ましい実施態様では、色変換層は、第1フィルムを含む第1変換層部分を含む。第1フィルムは、好ましくは発光体から生じる青色光による励起に応答して、赤色光を放出するように構成されている。第1フィルムは第1固体ポリマー組成物を含み、そして第1固体ポリマー組成物は第1ルミネセント結晶を含む。第1ルミネセント結晶の赤色光放出特性は、材料組成物を規定されたサイズで適切に選択した結果である。赤色光は、590nm~700nmの範囲内にピーク波長を有する光と考えられる。
【0021】
色変換層は、第1変換層部分に加えて、第2フィルムを含む第2変換層部分を含むことが好ましい。第2フィルムは、好ましくは発光体から生じる青色光による励起に応答して、緑色光を放出するように構成されている。第2フィルムは第2固体ポリマー組成物を含み、そして第2固体ポリマー組成物は第2ルミネセント結晶を含む。第2ルミネセント結晶の緑色光放出特性は、材料組成物を規定されたサイズで適切に選択した結果である。緑色ルミネセント結晶は好ましくは、赤色ルミネセント結晶とは異なる化学組成及び/又は異なるサイズを有している。緑色光は、490nmと570nmの間の範囲内にピーク波長を有する光と考えられる。好ましい実施態様では、第1及び第2フィルムのうちの1つ又は2つ以上が散乱粒子、例えばTiO2又はZrO2を含んでよい。
【0022】
好ましくは、第1ルミネセント結晶は上記式(I)及び相応のサイズを有し、そして第2ルミネセント結晶は上記式(I)及び相応のサイズを有する。
【0023】
好ましい実施態様では、第1ルミネセント結晶は式(I-1)
CsPbIx3-x(I-1)
(式中、1<x≦3であり、
Cs、Pbは、任意には上記のように最大で30mol%でドープされており、
Zは、Cl,Brのうちの1つ又は2つ以上を表す。)
で表される。
【0024】
第1ルミネセント結晶は、式CsPbBrx3-x(式中、0≦x<2)で表され、且つ/又は式CsPbClyBr3-y-zz(式中、0<y<1、2≦z≦3-y)で表されることが特に有利である。
【0025】
第2ルミネセント結晶は、式(I-2)
CsPbBrx3-x(I-2)
(式中、2≦x≦3であり、
Cs、Pbは、任意には上記のように最大で30mol%でドープされており、
Zは、Cl,Iのうちの1つ又は2つ以上を表す。)
で表されると有利である。
【0026】
第2ルミネセント結晶は、式CsPbClyBrz3-y-z(式中、0<y<1、1<z≦3-y)で表され、且つ/又は式CsPbBrx3-x(式中、2≦x≦3)で表されると、特に有利である。
【0027】
非常に好ましい実施態様では、赤色光を放出するように設計された第1ルミネセント結晶は、式CsPbBrx3-x(式中、0≦x<2)の化合物であり、又は式CsPbClyBr3-y-zz(式中、0<y<1、2≦z≦3-y)の化合物であり、そして590nmと700nmの間の範囲内にピーク波長を示し、好ましくは15nmと50nmの間のFWHMを有する。
【0028】
非常に好ましい実施態様では、緑色光を放出するように構成された第2ルミネセント結晶は、式CsPbClyBrz3-y-z(式中、0<y<1、1<z≦3-y)の化合物であり、又は式CsPbBrx3-x(式中、2≦x≦3)の化合物であり、そして490nmと570nmの間の範囲内にピーク波長を示し、好ましくは15nmと50の間のFWHMを有する。
【0029】
前記両実施態様に関して、第1及び第2のルミネセント結晶のそれぞれのサイズは5nmと100nmの間である。
【0030】
好ましくは、第1フィルムは第1ルミネセント結晶だけを含み、第2ルミネセント結晶を含まないこと、第2フィルムは第2ルミネセント結晶だけを含み、第1ルミネセント結晶を含まないことが好ましい。第1フィルムは第1ルミネセント結晶だけを含み、いかなる他のルミネセント結晶をも含まず、そして第2フィルムは第2ルミネセント結晶だけを含み、いかなる他のルミネセント結晶をも含まない。これらの手段により、第1フィルムは、励起に応答して赤色光だけを放出するが、緑色光又はその他の色の光はいずれも発しないように専用化される一方、第2フィルムは、励起に応答して緑色光だけを放出するが、赤色光又はその他の色の光はいずれも発しないように専用化される。この概念は、複数の第1フィルムの場合いずれの第1フィルムにも当てはまり、そして複数の第2フィルムの場合いずれの第2フィルムにも当てはまる。この複数のフィルムという概念は後で紹介することにする。
【0031】
本色変換層は、第1ルミネセント結晶と第2ルミネセント結晶との空間的な分離を可能にする。この分離は、第1ルミネセント結晶を専用の第1フィルム(dedicated first film)だけに配置することによって、そして第2ルミネセント結晶を専用の第2フィルム(dedicated second film)だけに配置することによって、また場合によってはこれに加えて、第1フィルムと第2フィルムとの間にギャップを設けることによって達成されてよい。こうすることによって、第1ルミネセント結晶と第2ルミネセント結晶との間でカチオン及びアニオンの交換が回避される。各フィルムが別の懸濁液で製作されれば、共通の懸濁液で第1ルミネセント結晶と第2ルミネセント結晶が混合されることが回避される。このような混合が回避されないと、当初の第1ルミネセント結晶と第2ルミネセント結晶が、上記イオン交換に基づいて反応/再結合(recombination)することにより、異なるルミネセント結晶に変化することになる。結果として、このような異なるルミネセント結晶は第1又は第2ルミネセント結晶とは異なる波長の光を放出することになる。理論に縛られるものではないが、このようなイオン交換反応のために、上記の赤色ルミネセント結晶と緑色ルミネセント結晶とから得られる配合物は、赤色粒子と緑色粒子との有効組成に依存して、元来の赤色発光ピークと緑色発光ピークの間の波長を有する光を放出するであろう。そうする代わりに、第1ルミネセント結晶と第2ルミネセント結晶とは製造段階で分離されており、したがって、相異なる懸濁液部分に添加される結果、固化/硬化/乾燥後に、上記の第1及び第2フィルムが得られる。
【0032】
こうすることにより、緑色光を放出するルミネセント結晶(緑色ルミネセント結晶とも呼ばれる)は、赤色光を放出するルミネセント結晶(赤色ルミネセント結晶とも呼ばれる)と相互作用することはない。各懸濁液部分は、割り当てられたルミネセント結晶、溶媒、リガンド、及びポリマーを含むことが好ましい。結果として得られるフィルムは固体フィルムであるので、第1フィルムの第1ルミネセント結晶と、第2フィルムの第2ルミネセント結晶との相互作用は回避される。第1フィルムと第2フィルムが隣接して配置される場合、第1及び第2フィルムの界面に位置するLCのカチオン/アニオンだけが再結合(recombination)し得るので、上記のような相互作用は大部分回避される。
【0033】
本デバイスは、優れたフォトルミネセンス量子収率を提供する。
【0034】
「量子収率(quantum yield)(QY)」はこの分野で知られており、系内で吸収される光子当たり特定の事象が発生する回数に関連する。本発明の文脈において、「量子収率」という用語は、記載の物質の「フォトルミネセンス量子収率」を意味し、両方の用語は同一の意味で使用される。「フォトルミネセンス量子収率」は、系によって吸収される光子当たり、記載の系によってより長い波長(より低いエネルギー)の光子がいくら放出されるかを定義する。
【0035】
例えば、本フィルム内に使用されることが示唆される固体ポリマー組成物の量子収率は、好ましくは青色光によって励起されたときに、合計で>60%であり、好ましくは>80%であり、最も好ましくは>90%である。加えて、材料の選択、結晶のサイズ、緑色及び赤色LCの厳格な分離により、発せられる赤色及び緑色のそれぞれの光においてシャープな波長分布を達成することができるので、結果として発せられる光の質は優れている。好ましくは、可視光発光のための第1フィルム及び第2フィルムのそれぞれの固体ポリマー組成物のFWHM(半値全幅)は、それぞれ赤色光又は緑色光の範囲において、<50nm、好ましくは<40nm、最も好ましくは<30nmである。例えば、500nmにおける発光ピークのFWHMが22nmでありながら、同時にフォトルミネセンス量子収率は高く、例えば76%であることが可能である。
【0036】
本デバイスの実施態様は、欧州連合によるRoHS(「Restriction of Hazardous Substances(有害物質使用制限)」)指令に準拠している。本特許出願時点で、適用される指令2011/65/EUは、概ね次の元素、すなわち、鉛(Pb)<1000重量ppm、水銀(Hg)<1000ppm、カドミウム(Cd)<100ppm、六価クロム(Cr6+)<1000ppm、ポリ臭化ビフェニル(PBB)<100ppm、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)<100ppmの使用を制限している。一方で、これはCdフリー材料を選択することによって達成され、Cdフリー材料は未だに優れた量子収率/性能を提供する。RoHS指令バージョン2(2011/65/EU)に基づくPbの限度は、1000ppmであるが、これは本実施態様において、1フィルムベースで達成されており、かつ各変換層部分及びそのような色変換層の全体で達成されている。好ましくは、本実施態様のいずれかに基づく各変換層部分の全Pb濃度は1000ppm未満、より好ましくは30ppmと1000ppmの間、最も好ましくは100ppmと900ppmの間である。RoHSの準拠は、それぞれ第1フィルム及び第2フィルムの第1ルミネセント結晶及び第2ルミネセント結晶の適切な濃度を選択することにより、そして第1及び第2フィルムの厚さを寸法設定することにより達成することができる。対象となる濃度はMS又はXRF測定によって測定することができる。
【0037】
フィルム当たりの固体ポリマー組成物のポリマーマトリックスに対するそれぞれのルミネセント結晶の濃度は、0.01wt%と0.5wt%の間であることが好ましい。赤色光を放出する第1フィルムの場合、第1ルミネセント結晶の濃度は、好ましくは0.01wt%と0.5wt%、好ましくは0.05wt%と0.38wt%の間、最も好ましくは0.1wt%と0.35wt%の間であり、そして緑色光を放出する第2フィルムの場合は、好ましくは0.01wt%と0.50wt%の間、好ましくは0.05wt%と0.31wt%、最も好ましくは0.1wt%と0.28wt%の間である。一方でこの濃度範囲の上限はRoHS準拠を支援するのに対して、他方でこの濃度範囲の下限は、変換層部分の妥当なフィルム厚で充分な放出(発光)を行うことを可能にする。
【0038】
フィルム当たりの厚さは5μmと500μmの間であることが好ましい。セットの対応発光体部分によって放出された青色光を吸収するために、フィルムの厚さは5μmと500μmの間であることが好ましい。好ましくは、赤色光を放出する第1フィルムの厚さは5μmと500μmの間、より好ましくは10μmと500μmの間、最も好ましくは40μmと200μmの間であり、そして緑色光を放出する第2フィルムの厚さは30μmと500μmの間、好ましくは50μmと500μmの間、最も好ましくは70μmと400μmの間である。フィルム内のルミネセント結晶の総量を一定に保つと、一方では厚さ範囲の下限はRoHS準拠を支援し、他方では、厚さ範囲の上限はデバイス内の材料使用量の制限を可能にする。
【0039】
フィルム表面に関するルミネセント結晶の量は非常に少なく、典型的には2.0g/m2未満の範囲内にあり、非常に好ましくは1.5g/m2未満である。慣用のCdSe又はInP材料と比較すると、このようなフィルムの同じ吸収率は、大略1.8倍多い量の材料によってしか達成することができない。例えば、青色光の99.9%を吸収するために、CsPbBr3では僅か1.2g/m2しか必要でないが、CdSeでは2.2g/m2必要であった。
【0040】
本発明の好ましい実施態様では、1.0g/m2と1.5g/m2の間のルミネセント結晶(例えば1.2g/m2のCsPbBr3)を含むフィルムは、厚さが約400μmと500μmの間、特には500μmであり、対応発光体部分の青色光を完全に吸収する(特には青色光の99.9%)。この層はより長い波長の光、特には緑色又は赤色の光を放出する。
【0041】
このような色変換層のフィルムを製作するためには、高い吸収率を有する材料が有利である。特には、吸収率が高いと、より薄いフィルムの製作が可能になる。このことは例えばディスプレイデバイスの製造にとって重要である。加えて、フィルムが薄ければ薄いほど、所要のマトリックス材料が少なくなるので、これらの製作コストが軽減される。
【0042】
高い量子収率、RoHS準拠、少ない材料使用量、放出(発光)されるスペクトルの安定したピーク位置及び狭いFWHM、調節可能な発光スペクトル、及び高い安定性の同時実現は、従来技術を凌ぐ本発明の主要な成果である。従来、CdSe又はInP材料がLCのために示唆された。しかしながら、前者は充分な量子収率をもたらすものの、RoHS準拠が難関であり、しばしば規制の免除に頼っている。他方において後者はRoHSに準拠するが、しかし光学品質が劣っている(量子収率<60%、FWHM>40nm)。対照的に、本発明の変換層部分は、良好な量子収率と低いピークFWHM、及びRoHS適合性の両方をもたらす。このことは、LCのための適切な材料を選択し、適切なLC濃度及びフィルム厚さを適用すると同時に、異なるLCを異なるフィルムに配置し、その結果、LCを互いに分離してイオン交換反応を回避することによって達成される。
【0043】
白色スペクトルから所定の波長を吸収することによってのみ色を調節する、従来使用されているカラーフィルタと比較して、本発明の本実施態様の特性は優れている。慣用のカラーフィルタの場合、入射光エネルギーのほとんどが吸収されて失われるのに対して、本発明の場合には、使用される材料の量子収率に応じて、入射光の90%超を所望の色に変換することができる。このことは、著しく良好なエネルギー効率を有するデバイスをもたらす。
【0044】
光学特性をさらに特定することに関して、第1及び第2フィルムの双方は、10%と99%の間のヘイズを有することが好ましい。RI>2.0及びサイズ100nmと1000nmの間の散乱粒子によって、又はマイクロ構造又はマイクロ結晶ポリマー構造によってヘイズを導入することができる。色変換層内の散乱粒子の濃度は好ましくは1wt%と40wt%の間、そして好ましくは3wt%と20wt%の間である。
【0045】
1つの実施態様では、セットの種々の変換層部分のフィルムは、例えば空気を充填されたギャップによって、又は異なる固体材料(例えばLCDディスプレイの黒色マトリックス構造)によって、互いに分離されている。異なる実施態様では、セットの種々の変換層部分のフィルムは、互いに隣接して配置されている。従って、色変換層はその連続的な部分を必ずしも必要としない。それどころか、別々の部分、好ましくは同一レベルに配置された部分が、色変換層に関与してよい。
【0046】
1つの実施態様では、発光体の部分は、例えば空気を充填されたギャップによって、又は異なる固体材料(例えばLCDディスプレイ内の黒色マトリックス構造)によって互いに分離されている。従って、発光体はその連続的な部分を必ずしも必要としない。それどころか、別々の発光体部分、好ましくは同一レベルに配置された部分が、発光体に関与してよい。好ましくは、発光体は、長さ及び幅のうちの少なくとも一方、好ましくは両方が、発光体の高さ/厚さを上回る扁平な形状を有する。好ましくは、このことは発光体に関与する個々の発光体部分にも当てはまる。
【0047】
好ましい実施態様では、各変換層部分は、割り当てられた発光体部分に取り付けられる。
【0048】
好ましい実施態様では、発光体を支持するために基板が設けられている。従って、発光体部分は、例えばボンディング又は間に介在する取り付け層によって、基板に取り付けられる。基板は制御信号を発光体部分に供給することができる。基板はポリマー基板、例えばポリエチレンテレフタレート基板、又は無機材料、例えばガラスであってよい。基板は好ましくはシート様構造であり、好ましくは長さ及び幅の両方が基板の高さ/厚さを上回り、そしてその両方が厚さを少なくとも10倍上回ることが好ましい。この実施態様では、発光体は色変換層と基板との間に配置されている。
【0049】
別の実施態様では、1つ又は2つ以上のバリア層が設けられていてよく、好ましくは各バリア層は、温度20~50℃/90%相対湿度及び大気圧で、0.2(g*mm)/(m2*day)未満の水蒸気透過率を有する。上記及び下記の実施態様のいずれにおいても、デバイスは、色変換層のさもなければ露出する表面の上にバリア層を含んでよい。このようなバリア層は、特には、低い水蒸気透過率を有することにより、水に暴露されたことに応答してフィルム内のLCが劣化するのを回避する。バリア層は、1つの実施態様では、O2透過性であってよく、或いは異なる実施態様では、酸素不透過性であってよい。バリア層は光透過性であることが好ましく、このようなバリア層は単層の形態で、又は多層の形態で存在してよい。バリア層は有機ポリマー及び/又は無機材料を含むことが好ましい。好適な有機ポリマーは、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、環状オレフィンコポリマー(COC)、高密度ポリエチレン(HDPE)から成る群から選択されてよく、好適な無機材料は、金属酸化物、SiOx、Sixyから成る群から選択されてよい。ポリマーバリア層はPVdC及びCOCから成る群から選択された材料を含むことが最も好ましい。
【0050】
この実施態様では、色変換層は、発光体とバリア層との間に配置されている。
【0051】
バリア層は、色変換層を全体として、又は変換層部分を包囲することが好ましい。包囲は、発光体上に色変換層を堆積させた後、色変換層を被覆することを意味してよい。
【0052】
バリア層は、割り当てられた変換層部分によって被覆されていない発光体部分を直接に被覆してもよい。
【0053】
1つの実施態様では、基板は、あれば、バリア層として作用することもできるので、基板の露出表面は専用のバリア層によって必ずしも被覆されなくてもよい。しかしながら、異なる実施態様の場合、そして特には基板が水透過性である場合には、さもなければ露出する基板表面は、バリアフィルムによって被覆されてもよい。
【0054】
基板、発光体、色変換層、及びバリア層は鉛直方向に、すなわちこれらの平面の広がりに対して直交方向に積み重ねられることが好ましい。他方では、変換層部分の種々のフィルムは互いに横方向に配置される。
【0055】
ディスプレイデバイスは、平面状の広がりを有していてよく、例えばハンドヘルド機器のディスプレイとしては対角線が3インチ超、又は好ましくはコンピュータ又はTVのためのディスプレイとしては対角線が15インチ超である。上記のものは、基板(あれば)、第1フィルム及び第2フィルムのそれぞれが方形の平面の広がりを有することを必要とするものの、その範囲は方形構成部分に限定されないことが強調される。ディスプレイデバイスは、異なる基本形状、例えば円形、楕円形などの形状を成していてもよい。
【0056】
異なる変形において、特には光透過性を有する1つ又は2つ以上の中間層が、基板及び発光体、発光体及び色変換層、色変換層及びあればバリア層、の間のうちの1つ又は2つ以上に配置されてよい。なお、変換層部分のフィルムの各個別片のサイズは、最終用途において目が検出し得るサイズ(LCDスクリーンの画素サイズと同等)を下回ることが好ましい。
【0057】
デバイスの上記実施態様のいずれも、単一の第1フィルム及び単一の第2フィルムに制限されるものではない。第1固体ポリマー組成物を含む複数の第1フィルムと、第2固体ポリマー組成物を含む複数の第2フィルムとが、同一高さ(レベル)に配置されており、色変換層に関与することが好ましい。
【0058】
この文脈において、割り当てられた発光体部分と組み合わされた変換層部分の配置は、サブ画素と考えられる。赤色ルミネセント結晶を有する第1フィルムを含む第1サブ画素と、緑色ルミネセント結晶を有する第2フィルムを含む第2サブ画素と、ルミネセント結晶を有するフィルムを含むのではなく、割り当てられた発光体部分が活性化される場合に青色を発光する第3サブ画素とによって、画素が形成されることが好ましい。このために、色変換層は、ルミネセント結晶を含むフィルムを含まない部分、すなわち第3サブ画素部分である部分を含んでよい。このような部分は例えば不透明でないポリマーだけを含んでよい。これらの非発光部分は、光、好ましくは下側の発光体部分によって発光された青色光の透過を可能にする。これらの3つのサブ画素は、ディスプレイデバイスの画素を形成することができる。正確なディスプレイ構造に応じて、3つのサブ画素間の面積比は1:1:1とは異なっていてよい。ディスプレイデバイスは複数の画素を有していてよい。3つの対応発光体部分の発光を個別に画素ごとに制御することにより、対象となる画素によって発せられる光の知覚色を調節することができる。従って、色変換層は、複数の第1フィルム、複数の第2フィルム、複数の非ルミネセント部分を含み、それぞれの1つが1つの画素に関与することが好ましい。
【0059】
1つの実施態様では、各発光体部分は有機発光ダイオード(OLED)によって形成される。OLEDは、集積型の層状部材として具体化することができ、トップガラス層を含んでよく、その上に割り当てられた色変換層が例えばインクジェット印刷によって配置されてよい。このような実施態様では、ディスプレイデバイスはOLEDディスプレイである。上記のような複数の画素がOLEDディスプレイに含まれ、各画素は発光体部分として3つのOLEDを含み、各OLEDは青色光を放出する。
【0060】
異なる実施態様では、各発光体部分は、無機発光ダイオード(LED)によって形成されている。LEDは、場合によってはトップガラス層を含む、一体型の層状部材として具体化することができる。層状部材上には、割り当てられた色変換層が例えばインクジェット印刷によって配置されていてよい。このような実施態様では、ディスプレイデバイスはLEDディスプレイである。上記の複数の画素がLEDディスプレイに含まれており、各画素は発光体部分として3つ又は4つ以上のLEDを含み、各LEDは青色光を放出する。
【0061】
異なる実施態様では、ディスプレイデバイスは液晶ディスプレイ(LCD)であり、発光体は液晶ディスプレイのバックライトである。この場合、色変換層は、入射光をフィルタリングするだけで励起に応じて光を放出しない慣用のディスプレイのカラーフィルタ層に代えることができる。従って、このディスプレイデバイスは、加えて、第1偏光子と、第1基板と、複数の液晶と、第2基板と、第2偏光子とを含んでよい。
【0062】
ディスプレイデバイスは、携帯型又は定置型コンピュータ、遠隔通信機器、又はテレビジョン装置のディスプレイとして使用することができる。
【0063】
ルミネセント結晶(LC)は半導体材料から製造されることが好ましい。ルミネセント結晶は、典型的には3~12nmの量子ドットと、最大で100nmのナノ結晶と、最大で3μmのルミネセント結晶とを含むであろう。ルミネセント結晶はほぼ等軸(isometric)(例えば球形又は立方形)であることが好ましい。直交する3つ全ての次元のアスペクト比(最長方向:最短方向)が1~2である場合、粒子はほぼ等軸と考えられる。LCは、この用語が示唆するように、ルミネセンス、又はより特定的には定義されたフォトルミネセンス(defined photoluminescence)を示す。本発明の文脈において、ルミネセント結晶は、界面活性剤の存在に基づき、他の粒子から空間的に分離された単結晶粒子である。これは、直接バンドギャップ(典型的には1.1~3.8eV、より典型的には1.4~3.5eV、さらにより典型的には1.7~3.2eV)を呈する半導体材料である。バンドギャップ以上の電磁放射による励起/照射により、価電子帯電子は伝導帯へ励起されて、価電子帯に電子ホールを残す。形成された励起子(電子-電子ホール対)は次いでフォトルミネセンスの形で放射再結合し、この場合、最大強度はLCバンドギャップ値周辺を中心として位置し、少なくとも1%のフォトルミネセンス量子収率を呈する。外部電子源と電子ホール源と接触して、LCはエレクトロルミネッセンスを呈することができるであろう。本発明の文脈では、LCは、メカノルミネッセンス(例えばピエゾルミネッセンス)も、ケミルミネッセンスも、エレクトロケミルミネッセンスも、サーモルミネッセンスも呈することはない。
【0064】
量子ドット(QD)は、特には、直径が典型的に3~12nmである半導体ナノ結晶に関する。このような範囲では、QDの物理的直径は、バルク励起ボーア半径よりも小さく、これにより量子閉じ込め効果が優勢となる。結果として、QDの電子状態、ひいてはバンドギャップは、QD組成及び物理的サイズの関数であり、すなわち吸収/放出(発光)の色はQDサイズと連関する。QD試料の光学品質は、これらの均質性と直接に連関する(単分散QDが多ければ多いほど放出(発光)のFWHMは小さくなる)。QDがボーア半径よりも大きいサイズに達すると、励起子再結合のための無放射経路が優勢になるから、量子閉じ込め効果は妨げられ、試料はもはやフォトルミネセンス作用を発揮しなくなることがある。このように、QDは、特にはそのサイズ及びサイズ分布によって定義される、ナノ結晶の特定のサブグループである。QDの特性はこれらのパラメータと直接に連関し、QDをナノ結晶から区別する。
【0065】
第1及び第2の固体ポリマー組成物のそれぞれは、それぞれのタイプのルミネセント結晶に加えて、第1固体ポリマー組成物及び第2固体ポリマー組成物の双方において、好ましくは同じタイプの固化、硬化、又は乾燥されたポリマーを含み、有機及び/又は無機合成材料を含む。好ましくは、ポリマーは、アクリレートポリマー(コポリマーを含む)、カーボネートポリマー、スルホンポリマー、エポキシポリマー、ビニルポリマー、ウレタンポリマー、エステルポリマー、環状オレフィンコポリマー、スチレンポリマー、及びシリコーンポリマーから成る群から選択される。最も好ましくは、ポリマーは、アクリレートポリマー(コポリマーを含む)、ポリスチレン、シリコーン、及び環状オレフィンコポリマーから成るリストから選択される。さらに、ポリマーは線状又は架橋型であってよい。
【0066】
第1フィルムが第2フィルムと直接に接触している好ましい実施態様では、第1フィルムと第2フィルムとの混合の可能性を回避するために、第1フィルムのポリマーを第2フィルムのポリマーと異なる。
【0067】
固化/硬化/乾燥されたポリマーは、ルミネセント結晶によって放出された光、及びルミネセント結晶を励起するために使用される光源からの生じ得る光が通過するのを許すように光透過性であり、すなわち不透明でない。
【0068】
好ましくは、そして固化/硬化/乾燥されたポリマー及びそれぞれのタイプのルミネセント結晶に加えて、第1及び第2のポリマー組成物のうちの1つ又は2つ以上が、非イオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性イオン性の界面活性剤から成る群から選択され、好ましくはアミン末端又はカルボキシ末端の界面活性剤から選択された界面活性剤を含む。
【0069】
「界面活性剤」、「リガンド」、「ディスパーサント」、「分散剤(dispersing agent)」という用語はこの分野において知られており、本質的に同じ意味を有している。本発明の文脈において、これらの用語は、懸濁液又はコロイドにおいて、粒子の分離を改善するため、及び凝集又は沈殿を防止するために使用される、溶媒以外の有機物質を意味する。理論に縛られるものではないが、界面活性剤は、粒子の溶媒への添加前又は添加後に粒子表面に物理的又は化学的に付着されて、所望の効果をもたらすと考えられる。界面活性剤という用語はポリマー材料、及び小分子を含み、界面活性剤は典型的には極性末端基と非極性末端基とを含有する。本発明の文脈において、溶媒(例えばトルエン)は界面活性剤とは考えられない。
【0070】
製造に関連する側面の上記において使用される「懸濁液」は知られており、固体である内相(i.p.)と液体である外相(e.p.)との異成分系流体(heterogeneous fluid)に関する。外相は、1種又は2種以上のディスパーサント/界面活性剤と、任意には1種又は2種以上の溶媒と、任意には1種又は2種以上のプレポリマー又は溶解ポリマーとを含む。従って各タイプのルミネセント結晶(第1、第2)は、専用の懸濁液部分に添加される。さらなる処理は、懸濁液の1部分又は各部分を基板の所望の領域に適用することを含む。この工程は溶液処理とも呼ばれ、溶液系(=液体)出発材料を使用して、基板に被膜又は薄いフィルム(膜)を適用することをいう。このことは顕著な利点と考えられる。それというのも、これは、広い面積及び連続的な処理に適用可能な簡単な技術によって、全てのフィルム(膜)の製造を可能にするからである。
【0071】
変換層部分のルミネセント結晶は、第1フィルム中の第1LCを相互に、また第2フィルム中の第2LCを相互に、空間的に分離するために、ポリマーマトリックス又は無機マトリックスなどのマトリックスに埋め込むことが好ましい。結果として生じる「LC/QD複合体」は、LC/QDと、界面活性剤と、マトリックスとを含む固体無機/有機複合材料を指称し、それぞれの第1又は第2フィルムに関与する。
【0072】
他の有利な実施態様は、従属クレーム並びに下記説明において記載される。
【0073】
本発明の下記詳細な説明から、本発明の実施態様、実施例、実施態様を代表し又はそれに導く実験、側面、及び利点をよりよく理解することができる。このような説明は添付の図面を参照して行う。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1図1は、本発明の実施態様に基づくディスプレイデバイスを示す分解図である。
図2図2は、本発明の好ましい実施態様に基づく液晶ディスプレイを示す分解図である。
図3図3は、本発明の別の実施態様に基づくディスプレイデバイスを示す分解図である。
図4図4は、Samsung SUHD TV (Model UE48JS8580T)の450nm青色バックライトで励起されたときの、本発明の1実施態様に基づく緑色又は赤色発光LCを含有するポリマーフォイルとして具体化された色変換層を通過する光スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1は、本発明の実施態様に基づくディスプレイデバイスを示す分解図である。ディスプレイデバイスは、それぞれが前側FSと後側BSとを有する3つの発光体部分31,32,33から成るセット3を含む発光体を含む。ディスプレイデバイスは色変換層2を含む。色変換層は、第1及び第2変換層部分21,22から成るセット2を含み、そのセットの各変換層部分21,22はセット3の発光体部分31,32に対応する。この場合、変換層部分のセット2は発光体部分3のセットの前側FSに直接に配置することができ、ここでは、セット2の各変換層部分21,22はセット3の対応発光部分31,32と直接に接触しているか、或いは、変換層部分21,22のセットと発光体部分31,32との間に介在する層、例えば変換層のセット2を保護するための層があってもよい。加えて、変換層部分21、及び対応発光体部分31は、次の対を成す変換層部分22及び対応発光体部分32に隣接して、又はこの対に所定の間隔を置いて配置することができる。
【0076】
第1変換層部分21、第2変換層部分22、及び発光体部分のセット3のそれぞれは、x軸線に沿った長さと、y軸線に沿った幅と、z軸線に沿った厚さとを有している。
【0077】
第1変換層部分21は、第1フィルムの形の第1固体ポリマー組成物を含む。第1固体ポリマー組成物は、第1ポリマーと第1ルミネセント結晶11とを少なくとも含み、第1ルミネセント結晶11は、本明細書中に定義された式(I)の化合物から選択される。
【0078】
第1ルミネセント結晶11のサイズは3nm~3000nmである。対応する第1発光体部分31による励起に応答して、第1ルミネセント結晶11は赤色光RDを放出する。
【0079】
第2変換層部分2は、第2フィルムの形態を成す第2固体ポリマー組成物を含む。第2固体ポリマー組成物は、第2ポリマーと第2ルミネセント結晶12とを少なくとも含み、第2ルミネセント結晶12は、本明細書中に定義された式(I)の化合物から選択される。
【0080】
第2ルミネセント結晶12のサイズは3nm~3000nmである。対応する第2発光体部分32による励起に応答して、第2ルミネセント結晶12は緑色光GRを放出する。
【0081】
第1及び第2ポリマーは、同じものであることが好ましいが、必ずしも必要ではない。
【0082】
図1に示されているように、第1変換層21が第1発光体部分31の放射線、特には青色放射線BLに暴露されると、第1ルミネセント結晶11は励起され、赤色光RDを放出する。第2変換層22が第2発光体部分32の放射線、特には青色放射線BLに暴露されると、第2ルミネセント結晶12は励起され、緑色光GRを放出する。第3発光体部分33は青色光BLを放出し、セットの変換層部分のうちの1つには対応しない。セットの発光体部分31,32,33は独立して制御することができ、特には個々の発光体部分31,32,33の強度を個別に制御することができる。
【0083】
放出された三色の光の混合は、ディスプレイデバイスによって発せられる色相を与える。従って、本デバイスは好ましくは、ディスプレイスクリーンのビルディングブロック(
構成要素)として使用することができる。
【0084】
図2は、ディスプレイデバイスがLCDスクリーンのための構成要素として使用することができる、本発明の好ましい実施態様を示している。LCDスクリーンは本質的に第1基板52及び第2基板54、特にはガラス基板を含み、第1基板52と第2基板54との間に液晶層53が介在している。第1基板52は液晶層53に電場を選択的に印加するための配線層を含む。第1基板52の、液晶層53とは離反する側に、第1偏光子51が配置されている。第2基板54は、液晶層53に向いた共通の電極を含む。第2基板54の、液晶層53とは離反する表面に、第2偏光子55が配置されている。
【0085】
第1偏光子51及び第2偏光子55の偏光方向は、好ましくは互いに90°だけ回転される。バックライト50から放出された光は第1偏光子51を通過し、液晶層53に入る前に直線偏光される。第1基板52及び第2基板54に配置された電極を介して印加される電場に依存する、液晶分子の捩れの度合に応じて、液晶層53に入る光の偏光方向の向きは回転され、特には、偏光方向は90°回転される。液晶層53に入る光の偏光方向が、光が第2偏光フィルタ55を通過し得るように偏光される場合にのみ、光はLCDスクリーンによって発せられる。
【0086】
第1の見方では、図1のセット3の第1、第2、及び第3発光体部分31,32,33は、LCDディスプレイの第1、第2、及び第3部分310、320、330にそれぞれ対応し、LCDディスプレイのある部分は、本質的に、バックライト50の部分と、第1偏光子51の部分と、第1基板52の部分と、液晶分子群53と、第2基板54の部分と、第2偏光フィルタ55の部分とを含む。光が第2偏光フィルタ55の部分を出て、セット2の対応する第1及び第2変換層21,22に入ると、光はそれぞれのルミネセント結晶を励起する。対応する第1発光体部分310によって励起されることに応答して、第1ルミネセント結晶11は赤色光RDを放出する。対応する第2発光体部分320によって励起されることに応答して、第2ルミネセント結晶12は緑色光GRを放出する。好ましくは、LCDディスプレイの第3部分330は、セットの変換層部分に割り当てられていないので、LCDディスプレイの第3部分330はバックライトの好ましくは青色光BLを放出する。
【0087】
異なる見方では、バックライト50はそれ自体が発光体であると考えることができる一方、個々の変換層構成部分への青色光の選択的放出は制御部材によって制御され、制御部材はこの場合、アドレス可能な液晶分子53である。
【0088】
図3は、ディスプレイデバイスの別の実施態様を示し、同様の符号は同様の部材を意味する。図1におけるセット3の第1、第2、及び第3の発光体部分31,32,33は、好ましくは青色光を放出する第1、第2、及び第3の有機発光ダイオード(OLED)61,62,63に対応する。セット2の変換層部分21,22は、それぞれ第1OLED61及び第2OLED62の前側FS上に直接に配置することができ、或いは、それぞれのOLEDのパッケージング上に配置することもできる。第3OLED63は、セット2の変換層部分21,22のいずれにも対応しない。
【0089】
本発明の現在好ましい実施態様が示され説明されているが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではなく、下記請求の範囲内で他の形で種々に具体化され実施されてよいことを明確に理解するべきである。
【実施例
【0090】
実施例1:
Protesescu et al. (Nano Lett., 2015, 15, 3692-3696)によって提示された文献に記載の順に従って、緑色発光を伴うルミネセント結晶(LC)を合成した。分散体を450℃まで加熱し、これにより溶媒を蒸発させ、リガンドを焼き払うことによって、LC濃度を0.54%と特定した。分散体は、Quantaurus C11347-11 Total Quantum Yield 装置(積分球を具備)によって光学的に特性評価した。450nmで励起されたLC分散体は、500nmを中心とするフォトルミネセンスピークを有するとともに、FWHMは23nm、フォトルミネセンス量子収率は89%であった。
【0091】
この配合物(formulation)の11.75wt%を、87.25wt%のPMMA(Plexiglas 7N)30wt%トルエン溶液、及び1wt%のTiO2散乱粒子(Kronos 2800)と混合し、そして60℃に予熱されたガラス基板上に直接に注いだ。余剰の混合物をドクターブレードで取り除き、そして4時間にわたる60℃での乾燥の結果、ほぼ400μm厚のフィルムが生じた。450nmの光で励起すると、フィルムは、500nmを中心とするピークを有するフォトルミネセンスを示すとともに、FWHMは22nm、フォトルミネセンス量子収率は76%であった。出発配合物の測定固体荷重に基づくと、フィルムのPb濃度は775ppmであった。
【0092】
このフォイルを青色Samsung SUHD TV バックライト(Model UE48JS8580T)上に置くと、500nmを中心とするピークを有する緑色光だけが放出された(図4)。
【0093】
実施例2:
Protesescu et al. (Nano Lett., 2015, 15, 3692-3696)によって提示された文献の手順に基づいて、赤色発光LCを合成した。分散体を450℃まで加熱し、これにより溶媒を蒸発させ、リガンドを焼き払うことによって、LC濃度を0.06%と特定した。分散体は、(積分球を備えた)Quantaurus C11347-11 Total Quantum Yield 装置によって光学的に特性評価した。450nmで励起されたLC分散体は、638nmを中心とする発光ピークを有するとともに、FWHMは33nm、フォトルミネセンス量子収率は72%であった。
【0094】
この配合物の16.875wt%を、80.125wt%のPMMA(Plexiglas 7N)30wt%トルエン溶液、及び3wt%のTiO2散乱粒子(Kronos 2800)と混合し、そして60℃に予熱されたガラス基板上に注いだ。余剰の混合物をドクターブレードで取り除き、そして4時間にわたる60℃での乾燥の結果、ほぼ400μm厚のフィルムが生じた。450nmの光で励起すると、フィルムは、641nmを中心とするピークを有するフォトルミネセンスを呈するとともに、FWHMは31nm、フォトルミネセンス量子収率は70%であった。出発配合物の測定固体荷重に基づくと、フィルムのPb濃度は90ppmであった。
【0095】
このフォイルを青色Samsung SUHD TV バックライト(Model UE48JS8580T)上に置いた結果、641nmを中心とするピークを有する赤色光だけが放出された(青色光は完全に吸収された)(図4)。
図1
図2
図3
図4