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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】車両位置検出方法及び車両位置検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/28 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
G01C21/28
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017169462
(22)【出願日】2017-09-04
(65)【公開番号】P2019045341
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】志野 達弥
(72)【発明者】
【氏名】野尻 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】出川 勝彦
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-139503(JP,A)
【文献】特開2012-242206(JP,A)
【文献】特開2006-292928(JP,A)
【文献】特開2002-148064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS電波受信部と、地図データベースと、センサと、車両位置検出回路とを備える車両位置検出装置の車両位置検出方法であって、
前記車両位置検出回路は、
前記GPS電波受信部が取得した車両の位置と、前記地図データベースに蓄積された地図情報とに基づいて、前記車両がラウンドアバウト内に存在するか否かを判断し、
前記車両がラウンドアバウト内に存在すると判断した場合、前記センサが取得したラウンドアバウト内における前記車両の向きを示す絶対角度に基づいて、前記ラウンドアバウトの中心を軸として、前記ラウンドアバウトにおける基準位置と前記車両の位置との間の回転角を求め、
前記センサが取得した前記車両の周囲の物体に関する周囲物体情報に基づいて、前記車両の周囲の特徴点と前記車両との相対位置を求め、
特徴点の候補から前記回転角に基づいて特徴点を選択し、
選択した前記特徴点の位置と前記相対位置とに基づいて前記車両の位置を求める
ことを特徴とする車両位置検出方法。
【請求項2】
前記車両位置検出回路は、
記周囲物体情報として、前記車両に搭載されたレーダ装置又はカメラを用いて前記車両の周囲の画像を取得し、
前記画像から前記車両の周囲の特徴点を抽出し、抽出した前記特徴点と前記車両との前記相対位置を求め、
特徴点に関する情報を蓄積する地図データベースを検索することにより、前記相対位置を求めた前記特徴点と同様な特徴を有する1点以上の前記特徴点の候補を求める
ことを特徴とする請求項記載の車両位置検出方法。
【請求項3】
車両の位置を取得するGPS電波受信部と、
地図情報を蓄積する地図データベースと、
前記車両の向きを示す絶対角度、及び前記車両の周囲の物体に関する周囲物体情報を取得するセンサと、
車両位置検出回路と、を備え
前記車両位置検出回路は、
前記車両の位置と、前記地図情報とに基づいて、前記車両がラウンドアバウト内に存在するか否かを判断し、
前記車両がラウンドアバウト内に存在すると判断した場合、ラウンドアバウト内における前記車両の前記絶対角度に基づいて、前記ラウンドアバウトの中心を軸として、前記ラウンドアバウトにおける基準位置と前記車両の位置との間の回転角を求め、
記周囲物体情報に基づいて、前記車両の周囲の特徴点と前記車両との相対位置を求め、
特徴点の候補から前記回転角に基づいて特徴点を選択し、選択した前記特徴点の位置と前記相対位置とに基づいて前記車両の位置を求め
とを特徴とする車両位置検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両位置検出方法及び車両位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、環状交差点(ラウンドアバウト)における車両の位置を示すものとして、車両がラウンドアバウトに進入する前に走行した道路の位置とラウンドアバウトにおける車両の位置との間の回転角度(回転角)を計算するという技術がある。回転角は、ジャイロ等で検出した回転角速度を積分することにより得られる(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-248479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、回転角速度を積分することで回転角を得た場合、回転角速度の誤差が蓄積され、回転角の精度を向上できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、ラウンドアバウトにおける車両の位置を示す回転角を精度よく検出できる車両位置検出方法及び車両位置検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係わる車両位置検出方法は、GPS電波受信部と、地図データベースと、センサと、車両位置検出回路とを備える車両位置検出装置の車両位置検出方法である。車両位置検出回路は、GPS電波受信部が取得した車両の位置と、地図データベースに蓄積された地図情報とに基づいて、車両がラウンドアバウト内に存在するか否かを判断する。車両位置検出回路は、車両がラウンドアバウト内に存在すると判断した場合、センサが取得したラウンドアバウト内における車両の向きを示す絶対角度に基づいて、ラウンドアバウトの中心を軸として、ラウンドアバウトにおける基準位置と車両の位置の間の回転角を求める。車両位置検出回路は、センサが取得した車両の周囲の物体に関する周囲物体情報に基づいて、車両の周囲の特徴点と車両との相対位置を求め、特徴点の候補から回転角に基づいて特徴点を選択し、選択した特徴点の位置と相対位置とに基づいて車両の位置を求める。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ラウンドアバウトにおける車両の位置を示す回転角を精度よく検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、本発明の実施形態に係る車両位置検出装置を搭載した車両の一部を示す機能ブロック図である。
図1B図1Bは、自動運転コントローラの構成例を示す機能ブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る車両位置検出方法を説明するためのフローチャートである。
図3図3は、回転角の算出について説明するための図である。
図4図4は、自車両の位置の補正について説明するための図である。
図5図5は、相対位置の算出について説明するための図である。
図6図6は、特徴点の位置の取得について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
図1Aに示すように、車両は、自動運転コントローラ1、入力デバイス2、外部センサ部3、内部センサ部4、GPS(Global Positioning System)電波受信部5、地図データベース6、HMI(human machine interface)コントローラ7、アクチュエータ部8及び表示デバイス9を備える。この車両を他車両と混同しないように「自車両」という。
【0011】
自動運転コントローラ1は、車両位置検出回路に相当するもので、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備えるマイクロコンピュータを用いて実現可能である。マイクロコンピュータを自動運転コントローラ1として機能させるためのコンピュータプログラムを、マイクロコンピュータにインストールして実行する。これにより、マイクロコンピュータは、自動運転コントローラ1として機能する。なお、ここでは、ソフトウェアによって自動運転コントローラ1を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、自動運転コントローラ1を構成することも可能である。
【0012】
入力デバイス2は、車両の乗員が各種の情報を入力するデバイスであり、自車両に搭載されるナビゲーションシステムのスイッチと共用するものや、ステアリングホイールに設けられたスイッチ等を入力デバイス2として使用できる。
【0013】
外部センサ部3は、レーザレーダやミリ波レーダなどのレーダ装置、又は単眼或いは複眼のステレオカメラなどのカメラ(共に図示せず)を備え、レーダ装置又はカメラから得た自車両周囲の物体(例えば、区画線や道路端)に関する画像(周囲物体情報という)を自動運転コントローラ1に出力する。
【0014】
内部センサ部4は、自車両の車体のヨー角、ロール角、ピッチ角を検出し、自動運転コントローラに出力する。また、内部センサ部4は、自車両のアクセルペダル、ブレーキペダルの操作量及びステアリングホイールの操舵角を検出し、自動運転コントローラ1に出力する。車体のヨー角、ロール角、ピッチ角は、ジャイロセンナを用いて検出したヨー角、ロール角、ピッチ角の角速度をそれぞれ積分することにより算出できる。また、内部センサ部4は、車速を検出し、自動運転コントローラ1に出力する。また、内部センサ部4は、自車両の向きを示す絶対角度を検出し、自動運転コントローラ1に出力する。
【0015】
絶対角度は、例えば、北を基準とした時計回り方向の角度である。例えば、自車両が東を向いている場合、絶対角度は90度である。内部センサ部4は、例えば電子コンパス等のセンサを備え、絶対角度を電子コンパス等を用いて算出する。なお、絶対角度の基準は北以外でもよい。また、絶対角度は反時計回り方向の角度でもよい。
【0016】
GPS電波受信部5は、3個以上のGPS衛星から電波を受信することにより自車両の位置を得て、位置を自動運転コントローラ1に出力する。
【0017】
地図データベース6は、自車両が走行する地域の詳細地図情報を蓄積し、自動運転コントローラ1は、詳細地図情報を参照する。詳細地図情報は、道路及び交差点の位置などの情報を含む。交差点には、十字交差点、T字交差点の他に、ラウンドアバウトと称する環状交差点が含まれる。
【0018】
ラウンドアバウトとは、3本以上の道路が環状の道路(環道という)に接続する交差点であり、ここでは、ラウンドアバウトは環道をいうものとする。
【0019】
また、詳細地図情報は、道路周囲の物体に関する情報を含む。この情報は、例えば、区画線や道路端の位置情報、及びラウンドアバウトの周囲の画像から抽出された特徴点(b11、b12、b13、b14、図4参照)に関する情報(特徴点の位置や特徴量)を含む。
【0020】
表示デバイス9は、例えば、自車両に搭載されるナビゲーションシステムであり、HMIコントローラ7は、経路案内の音声や映像を表示デバイス9に出力する。表示デバイス9は、経路案内の音声を再生し、映像を表示する。
【0021】
自動運転コントローラ1は、自車両の位置を検出し、自車両の位置を起点とする目標経路を求め、アクチュエータ部8に対し、自車両を目標経路に沿って走行させるべく、自車両の車速、操舵を制御するための制御情報を出力する。また、自動運転コントローラ1は、車内環境や車外環境を制御する制御情報、入力デバイス2を制御して、運転支援や自律運転を行うための制御情報を出力する。
【0022】
自動運転コントローラ1は、コンピュータプログラムの実行により実現される機能的な構成要素として、第1車両位置算出部11(第1車両位置算出回路)、第2車両位置算出部12(第2車両位置算出回路)、第3車両位置算出部13(第3車両位置算出回路)、車両位置補正部14(車両位置補正回路)、目標経路算出部15(目標経路算出回路)及び車両走行制御部16(車両走行制御回路)を備える。
【0023】
第1車両位置算出部11は、自車両の車速とヨー角に基づいて自車両の位置を算出する。第2車両位置算出部12は、自車両の方向を示す絶対角度に基づいてラウンドアバウトにおける自車両の位置を算出する。第3車両位置算出部13は、自車両周囲の物体の特徴点と自車両の相対位置を算出し、相対位置と特徴点の位置に基づき自車両の位置を算出する。
【0024】
車両位置補正部14は、第1車両位置算出部11が算出した自車両の位置と第2車両位置算出部12が算出した自車両の位置をラウンドアバウトの形状等に基づき補正する。
【0025】
目標経路算出部15は、自車両の位置を起点として自車両が走行すべき目標経路を算出する。車両走行制御部16は、目標経路に沿って自車両が走行するように、アクチュエータ部8に対し、車速、操舵の制御情報を出力する。
【0026】
アクチュエータ部8は、車速、操舵の制御情報に基づき、自車両のアクセルペダルの操作量(駆動力)、ブレーキペダルの操作量(制動力)及びステアリングホイールの操舵角(操舵量)を制御し、自車両を目標経路に沿って自動的に走行させる。
【0027】
また、アクチュエータ部8は、車内環境や車外環境の制御情報に基づき、自車両の車内環境や車外環境を制御する。また、アクチュエータ部8は、運転支援や自律運転のための制御情報に基づき、入力デバイス2を制御する。
【0028】
次に、図2を参照し、図1の自車両における車両位置検出方法の一例を説明する。自車両では、図2の処理を繰り返し行う。
【0029】
ステップS1:自動運転コントローラ1は、GPS電波受信部5から自車両の位置を取得する。
ステップS3:次に、自動運転コントローラ1は、詳細地図情報を参照し、ラウンドアバウトの位置と自車両の位置とに基づき、自車両がラウンドアバウト内に存在するか否かを判定する。
【0030】
自車両がラウンドアバウト内に存在する場合は(S3:YES)、車速とヨー角に基づく自車両の位置検出と、絶対角度に基づく自車両の位置検出とを行う。
【0031】
(車速とヨー角に基づく自車両の位置検出)
ステップS5:車速とヨー角に基づく自車両の位置検出において、自動運転コントローラ1の第1車両位置算出部11は、まず、内部センサ部4から車速とヨー角を取得する。
ステップS7:次に、第1車両位置算出部11は、は、地図における過去の自車両の位置を基準とした現在の位置の相対位置を車速とヨー角に基づいて求め、過去の自車両の位置と相対位置に基づいて、地図における現在の自車両の位置を算出する。求めた自車両の位置は、次回のステップS7での「過去の自車両の位置」として使用する。以下、ステップS7で求めた位置を第1車両位置という。
【0032】
(絶対角度に基づく自車両の位置検出)
ステップS9:絶対角度に基づく自車両の位置検出において、自動運転コントローラ1の第2車両位置算出部12は、まず、内部センサ部4から絶対角度を取得する。
ステップS11:次に、第2車両位置算出部12は、絶対角度に基づいて、ラウンドアバウトの中心を軸として、ラウンドアバウトにおける基準位置と自車両の位置の間の回転角を算出する。
【0033】
ここで、図3を参照し、ステップS11における回転角の算出について説明する。
ラウンドアバウトRAには、複数の道路Rが接続される。図3では上方が北とする。ラウンドアバウトRAにおいて、ラウンドアバウトRAの中心Cから北の方向の位置をラウンドアバウトRAの基準位置Pとする。
【0034】
一方、自車両の絶対角度は、北を基準とした時計回り方向の角度とする。自車両の位置100での絶対角度θは、位置100を通る円の接線101と北の方角Nの間の角度である。接線101は、位置100での自車両の進行方向を示す。
【0035】
中心Cを軸とし、基準位置Pと車両の位置100の間の時計回りの回転角αは、次式により求めることができる。
[数1]
α=(3π/2)+θ
【0036】
すなわち、ステップS13で第2車両位置算出部12は、絶対角度θを例えば、この式に代入し、回転角αを求める。基準位置Pが変われば、πにかかる係数(3/2)を変えればよい。
なお、絶対角度の基準は北以外でもよい。また、絶対角度は反時計回り方向の角度でもよい。
【0037】
図2に戻り、説明を続ける。
ステップS13:第2車両位置算出部12は、ステップS11で求めた回転角に基づき、地図における現在の自車両の位置を算出する。例えば、地図における基準位置とラウンドアバウトの大きさ(例えば直径)と回転角に基づき、地図における自車両の位置を求める。以下、ステップS13で求めた位置を第2車両位置という。
【0038】
ステップS15:ステップS7、ステップS11の処理を行った後、自動運転コントローラ1の車両位置補正部14は、第1車両位置、第2車両位置が互いに異なる場合は、自車両の位置を補正し、ステップS17に進む。なお、第1車両位置、第2車両位置が同じ場合は、それをステップ17以降における補正後の自車両の位置として扱う。
【0039】
図4を参照し、ステップS15における自車両の位置の補正について説明する。
図4のラウンドアバウトRAは、真円ではなく、直線または曲率半径が大きい区間a1、a2(便宜的に直線区間と総称する)を有する。絶対角度が、基準位置Pを基準とした時計回り方向の角度とすると、区間a1では、どこでも絶対角度はおよそ90度となる。区間a2では、どこでも絶対角度はおよそ270度となる。よって、ステップS11で求めた回転角が、90度±誤差の範囲に属する場合、または、270度±誤差の範囲に属する場合は、すなわち、ラウンドアバウトにおける曲率半径が大の区間では、第2車両位置よりも第1車両位置に近い位置を補正後の自車両の位置として求める。つまり、第2車両位置の重み付けを低くし、第1車両位置の重み付けを高くする。
【0040】
一方、例えば、ラウンドアバウトが真円の場合、又は、直線区間以外では、すなわち、ラウンドアバウトにおける曲率半径が小の区間では、第1車両位置よりも第2車両位置に近い位置を補正後の自車両の位置として求める。つまり、第2車両位置の重み付けを高くし、第1車両位置の重み付けを低くする。なお、直線区間の位置は、詳細地図情報に格納し、補正の際に参照する。
【0041】
図2に戻り、説明を続ける。
ステップS17:自動運転コントローラ1の第3車両位置算出部13は、地図データベース6から詳細地図情報を取得し、外部センサ部3から周囲物体情報を取得する。
ステップS19:次に、第3車両位置算出部13は、周囲物体情報に基づき、自車両周囲の物体の特徴点と自車両との相対位置を算出し、ステップS21に進む。
【0042】
図5を参照し、ステップS19における相対位置の算出について説明する。
図5に示すように、自車両の走行中、外部センサ部3は例えば前方の範囲bの画像(周囲物体情報)を逐次取得する。自動運転コントローラ1は、例えば、画像から特徴点b1(例えば、路側同士が接続する点)を抽出し、各画像における特徴点b1の位置変化に基づき、特徴点b1と自車両の位置Gの相対位置を求める。特徴点の抽出及び特徴点の記述の手法としては、例えば、SIFT(Scale Invariant Feature Transform)特徴量やSURF(Speed-Up Robust Features)特徴量などの既知の手法を用いることができる。
【0043】
図2に戻り、説明を続ける。
ステップS21:第3車両位置算出部13は、地図データベース6を検索することにより、相対位置を求めた特徴点と同様の特徴(SIFT特徴量、SURF特徴量)を有する1点以上の特徴点の候補を求める。そして、特徴点の候補から、ステップS11で求めた回転角に基づいて特徴点を選択し、この特徴点の位置を取得し、ステップS23に進む。
【0044】
図6を参照し、ステップS21における特徴点の位置の取得について説明する。
図6のラウンドアバウトRAにおいて、ステップS15で求めた自車両の位置は位置Gであるとする。位置Gは、ステップS11で求めた回転角に基づいてステップS15で求めたものである。一方、ステップS19で相対位置を求めた特徴点は特徴点b11であるが、特徴点b11と同様の特徴を有する特徴点としては他に特徴点b12、b13、b14がある。第3車両位置算出部13は、特徴点b11~b14を特徴点の候補として、位置Gに最も近い特徴点の候補b11(特徴点b11)を選択し、詳細地図情報からこの特徴点b11の位置を取得する。
【0045】
図2に戻り、説明を続ける。
ステップS23:第3車両位置算出部13は、ステップS19で求めた相対位置とステップS21で選択した特徴点(b11)の位置に基づいて、自車両の位置を算出し、ステップS41に進む。ここでは、ステップS21で求めた特徴点の位置を基準としたステップS19で求めた相対位置を自車両の位置とする。
【0046】
さて、ステップS3で、自車両がラウンドアバウト内に存在しないと判定した場合は(S3:NO)、ステップS31に進む。
ステップS31:自動運転コントローラ1の第1車両位置算出部11は、ステップS5と同様に、内部センサ部4から車速とヨー角を取得する。
ステップS33:次に、第1車両位置算出部11は、ステップS7と同様に、現在の自車両の位置を算出する。
【0047】
ステップS35:次に、自動運転コントローラ1の第3車両位置算出部13は、ステップS17と同様に、地図データベース6から詳細地図情報を取得し、外部センサ部3から周囲物体情報を取得する。
【0048】
ステップS37:次に、第3車両位置算出部13は、S19~S23と同様に、特徴点と自車両の相対位置を算出し、特徴点の位置を取得し、相対位置と特徴点の位置に基づいて、自車両の位置を算出し、ステップS41に進む。
【0049】
ステップS41:自動運転コントローラ1の目標経路算出部15は、ステップS23又はステップS37で求めた自車両の位置と、自車両がラウンドアバウトから退出する道路の情報等を基に、自車両の位置を起点として自車両が走行すべき目標経路を算出する。
【0050】
ラウンドアバウトから退出する道路の情報は、例えば、予め自車両のナビゲーションシステムに設定した走行予定路の情報から得ることができる。
【0051】
ステップS43:次に、自動運転コントローラ1の車両走行制御部16は、ステップS41で求めた目標経路に沿って自車両が走行するように、アクチュエータ部8に対し、車速、操舵の制御情報を出力し、処理を終える。
【0052】
アクチュエータ部8は、車速、操舵の制御情報に基づき、自車両のアクセルペダルの操作量(駆動力)、ブレーキペダルの操作量(制動力)及びステアリングホイールの操舵角(操舵量)を制御し、自車両を目標経路に沿って自動的に走行させる。これにより、自車両は例えばラウンドアバウトから自動的に退出することができる。
【0053】
なお、実施の形態では、絶対角度により自車両の位置を求め、自車両の位置を起点とた目標経路に沿って自車両を走行させ、自車両を例えばラウンドアバウトから自動的に退出したが、これに限らず、自車両の運転は運転者が行う手動運転としてもよい。この場合、ラウンドアバウトから退出する道路の手前で自車両の乗員(運転者など)に対し、表示デバイス9が音声、表示(画像や映像の表示)、音などによって、退出する道路の手前であることを報知してもよい。
【0054】
また、実施形態では、位置検出の対象車両に車両位置検出装置を搭載した。しかし、対象車両に通信可能なサーバ装置又は対象車両でない他車両に車両位置検出装置を搭載し、必要な情報と指示はサーバ装置又は他車両と対象車両の間の通信により送受信することで、同様の車両走行判断方法を遠隔的に行ってもよい。サーバ装置と対象車両の間の通信は無線通信又は路車間通信により実行可能である。他車両と対象車両の間の通信は所謂車車間通信により実行可能である。
【0055】
以上のように、実施形態によれば、ラウンドアバウト内の車両の向きを示す絶対角度を検出し(S9)、絶対角度に基づいて、ラウンドアバウトの中心を軸として、ラウンドアバウトにおける基準位置と自車両の位置の間の回転角を求める(S13)。よって、回転角速度を積分することで回転角を得る方法に比べ、回転角速度の誤差の蓄積がないので、ラウンドアバウトにおける車両の位置を示す回転角を精度よく検出できる。
【0056】
また、車両周囲の物体に関する周囲物体情報を取得し(S17)、周囲物体情報に基づいて、自車両周囲の物体の特徴点と自車両との相対位置を求める(S19)。そして、特徴点の候補(図6:b11~b14)から回転角に基づいて特徴点(b11)を選択し、選択した特徴点の位置と相対位置に基づいて自車両の位置を求める(S23)。よって、例えば、複数の特徴点の候補を絞りこむことができ、自車両の位置を精度良く求めることができる。
【0057】
また、自車両の周囲の物体に関する周囲物体情報として、自車両に搭載されたレーダ装置又はカメラを用いて自車両の周囲の画像を取得し(S17)、画像から自車両の周囲の特徴点を抽出し、抽出した特徴点と自車両との相対位置を求める(S19)。そして、特徴点に関する情報を蓄積する地図データベース6を検索することにより、相対位置を求めた特徴点(図5:b1)と同様な特徴を有する1点以上の特徴点の候補(図6:b11~b14)を求める(S21)。よって、特徴点の候補を求めることができ、これを絞りこむことで、自車両の位置を精度良く求めることができる。
【0058】
また、自車両の車速とヨー角に基づいて自車両の位置として第1車両位置を求め(S7)、回転角に基づいて自車両の位置として第2車両位置を求め(S13)る。そして、ラウンドアバウトにおける曲率半径が大の区間(例えば、図4の区間a1、a2)では、第2車両位置よりも第1車両位置に近い位置を自車両の位置として求める(S15)。一方、ラウンドアバウトにおける曲率半径が小の区間(例えば、図4の区間a1、a2以外)では、第1車両位置よりも第2車両位置に近い位置を自車両の位置として求める(S15)。よって、ラウンドアバウトにおける曲率半径によらず自車両の位置を求めることができ、自車両の位置を精度良く求めることができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0060】
上述の各実施形態で示した各機能は、1又は複数の処理回路により実装され得る。処理回路は、電気回路を含む処理装置等のプログラムされた処理装置を含む。処理装置は、また、実施形態に記載された機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路(ASIC)や従来型の回路部品のような装置を含む。
【符号の説明】
【0061】
1 自動運転コントローラ
2 入力デバイス
3 外部センサ部
4 内部センサ部
5 GPS(Global Positioning System)電波受信部
6 地図データベース
7 HMI(human machine interface)コントローラ
8 アクチュエータ部
9 表示デバイス
11 第1車両位置算出部
12 第2車両位置算出部
13 第3車両位置算出部
14 車両位置補正部
15 目標経路算出部
16 車両走行制御部
RA ラウンドアバウト
R 道路
C ラウンドアバウトの中心
θ 絶対角度
P 基準位置
α 回転角
N 北の方角
b1 特徴点
b11、b12、b13、b14 特徴点の候補
G 自車両の位置
a1、a2 区間
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6