IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

特許7114877同期処理装置、ファイル同期システムおよびプログラム
<>
  • 特許-同期処理装置、ファイル同期システムおよびプログラム 図1
  • 特許-同期処理装置、ファイル同期システムおよびプログラム 図2
  • 特許-同期処理装置、ファイル同期システムおよびプログラム 図3
  • 特許-同期処理装置、ファイル同期システムおよびプログラム 図4
  • 特許-同期処理装置、ファイル同期システムおよびプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】同期処理装置、ファイル同期システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/178 20190101AFI20220802BHJP
【FI】
G06F16/178
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017205790
(22)【出願日】2017-10-25
(65)【公開番号】P2019079281
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-08-31
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島村 信嗣
【審査官】北村 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-151477(JP,A)
【文献】特開2010-198239(JP,A)
【文献】特開2014-154044(JP,A)
【文献】特開2007-094477(JP,A)
【文献】特開2014-063217(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G06F 16/00 - 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のファイルを含むコンテンツに対する操作の履歴情報から、同期対象の期間内における同期対象の操作を抽出する抽出手段と、
前記抽出された操作が成された1つ以上のファイルを特定して同期対象ファイルとする特定手段と、
前記同期対象ファイルとして特定された同期元ファイルと当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとを同期させる同期手段と、
を有し、
同期対象の期間内に登録操作が成された同期元ファイルが前記同期対象ファイルとして特定され、
前記同期手段は、同期元装置に登録された同期元ファイルを同期先装置に転送して当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとし、
同期対象の期間内に同一のファイルに対して登録操作後に削除操作が成された場合に、当該ファイルを前記同期対象ファイルから除外する、
同期処理装置。
【請求項2】
請求項に記載の同期処理装置において、
コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、
操作の履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、
をさらに有し、
前記抽出手段は、前記履歴情報記憶手段に記憶された操作の履歴情報から、同期対象の期間内における同期対象の操作を抽出し、
前記特定手段は、前記コンテンツ記憶手段に記憶されたコンテンツに含まれる複数のファイルの中から前記同期対象ファイルとなる1つ以上のファイルを特定する、
同期処理装置。
【請求項3】
請求項に記載の同期処理装置において、
前記履歴情報記憶手段に記憶された操作の履歴情報には、前記コンテンツ記憶手段に記憶されるファイルの格納先に関する格納先情報が含まれており、
前記特定手段は、当該格納先情報を用いて、前記同期対象ファイルとなる1つ以上のファイルを特定する、
同期処理装置。
【請求項4】
同期元装置と同期先装置とを含むファイル同期システムであって、
前記同期元装置は、
複数のファイルを含む同期元コンテンツを記憶する記憶手段と、
前記同期元コンテンツに対する操作の履歴情報を管理する管理手段と、
前記履歴情報から同期対象の期間内における同期対象の操作を抽出する抽出手段と、
前記抽出された操作が成された1つ以上のファイルを特定して同期対象ファイルとする特定手段と、
前記同期対象ファイルとして特定された同期元ファイルと当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとを同期させる同期手段と、
を有し、
前記同期先装置は、
前記同期元ファイルに対応した前記同期先ファイルを含む同期先コンテンツを記憶する記憶手段を有し、
同期対象の期間内に登録操作が成された同期元ファイルが前記同期対象ファイルとして特定され、
前記同期手段は、前記同期元装置に登録された同期元ファイルを前記同期先装置に転送して当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとし、
同期対象の期間内に同一のファイルに対して登録操作後に削除操作が成された場合に、当該ファイルを前記同期対象ファイルから除外する、
ファイル同期システム。
【請求項5】
コンピュータに、
複数のファイルを含むコンテンツに対する操作の履歴情報から、同期対象の期間内における同期対象の操作を抽出する抽出手段と、
前記抽出された操作が成された1つ以上のファイルを特定して同期対象ファイルとする特定手段と、
前記同期対象ファイルとして特定された同期元ファイルと当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとを同期させる同期手段と、
を実現させ、
同期対象の期間内に登録操作が成された同期元ファイルが前記同期対象ファイルとして特定され、
前記同期手段は、同期元装置に登録された同期元ファイルを同期先装置に転送して当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとし、
同期対象の期間内に同一のファイルに対して登録操作後に削除操作が成された場合に、当該ファイルを前記同期対象ファイルから除外する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期処理装置、ファイル同期システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の装置で文書データなどのファイルを管理するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、データベースとファイルサーバを併用する文書管理システムにおけるバックアップ技術が記載されている。また、例えば、複数の装置で同一のファイルを管理するシステムでは、装置同士でファイルを同期させる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-108966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装置同士でファイルを同期させる場合に、例えば、装置同士のファイルリストを比較すれば同期対象となるファイルを特定することができる。しかし、ファイル数が膨大であると、ファイルリストを比較して同期対象となるファイルを特定することは容易ではない。
【0005】
本発明の目的は、複数のファイルを含むコンテンツに対する操作の履歴から同期対象ファイルを特定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、複数のファイルを含むコンテンツに対する操作の履歴情報から、同期対象の期間内における同期対象の操作を抽出する抽出手段と、前記抽出された操作が成された1つ以上のファイルを特定して同期対象ファイルとする特定手段と、前記同期対象ファイルとして特定された同期元ファイルと当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとを同期させる同期手段と、を有し、同期対象の期間内に登録操作が成された同期元ファイルが前記同期対象ファイルとして特定され、前記同期手段は、同期元装置に登録された同期元ファイルを同期先装置に転送して当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとし、同期対象の期間内に同一のファイルに対して登録操作後に削除操作が成された場合に、当該ファイルを前記同期対象ファイルから除外する、同期処理装置である
【0007】
請求項に係る発明は、請求項1に記載の同期処理装置において、コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、操作の履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、をさらに有し、前記抽出手段は、前記履歴情報記憶手段に記憶された操作の履歴情報から、同期対象の期間内における同期対象の操作を抽出し、前記特定手段は、前記コンテンツ記憶手段に記憶されたコンテンツに含まれる複数のファイルの中から前記同期対象ファイルとなる1つ以上のファイルを特定する、同期処理装置である。
【0008】
請求項に係る発明は、請求項に記載の同期処理装置において、前記履歴情報記憶手段に記憶された操作の履歴情報には、前記コンテンツ記憶手段に記憶されるファイルの格納先に関する格納先情報が含まれており、前記特定手段は、当該格納先情報を用いて、前記同期対象ファイルとなる1つ以上のファイルを特定する、同期処理装置である。
【0013】
請求項に係る発明は、同期元装置と同期先装置とを含むファイル同期システムであって、前記同期元装置は、複数のファイルを含む同期元コンテンツを記憶する記憶手段と、前記同期元コンテンツに対する操作の履歴情報を管理する管理手段と、前記履歴情報から同期対象の期間内における同期対象の操作を抽出する抽出手段と、前記抽出された操作が成された1つ以上のファイルを特定して同期対象ファイルとする特定手段と、前記同期対象ファイルとして特定された同期元ファイルと当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとを同期させる同期手段と、を有し、前記同期先装置は、前記同期元ファイルに対応した前記同期先ファイルを含む同期先コンテンツを記憶する記憶手段を有し、同期対象の期間内に登録操作が成された同期元ファイルが前記同期対象ファイルとして特定され、前記同期手段は、前記同期元装置に登録された同期元ファイルを前記同期先装置に転送して当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとし、同期対象の期間内に同一のファイルに対して登録操作後に削除操作が成された場合に、当該ファイルを前記同期対象ファイルから除外する、ファイル同期システムである。
【0014】
請求項に係る発明は、コンピュータに、複数のファイルを含むコンテンツに対する操作の履歴情報から、同期対象の期間内における同期対象の操作を抽出する抽出手段と、前記抽出された操作が成された1つ以上のファイルを特定して同期対象ファイルとする特定手段と、前記同期対象ファイルとして特定された同期元ファイルと当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとを同期させる同期手段と、を実現させ、同期対象の期間内に登録操作が成された同期元ファイルが前記同期対象ファイルとして特定され、前記同期手段は、同期元装置に登録された同期元ファイルを同期先装置に転送して当該同期元ファイルに対応した同期先ファイルとし、同期対象の期間内に同一のファイルに対して登録操作後に削除操作が成された場合に、当該ファイルを前記同期対象ファイルから除外する、プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明により、複数のファイルを含むコンテンツに対する操作の履歴から同期対象ファイルが特定される。
【0016】
請求項に係る発明により、記憶された操作の履歴情報を利用して、記憶されたコンテンツの中から同期対象ファイルが特定される。
【0017】
請求項に係る発明により、操作の履歴情報とファイルとが別個に管理されていても、同期対象ファイルが特定される。
【0018】
請求項1に係る発明により、同期対象ファイルを対象とした同期が実現される。
【0019】
請求項に係る発明により、登録操作を同期対象の操作とする同期が実現される。
【0021】
請求項に係る発明により、同期対象の期間内における転送容量が抑制されて同期対象ファイルを特定する時間の短縮を図ることができる。
【0022】
請求項に係る発明により、複数のファイルを含むコンテンツに対する操作の履歴から同期対象ファイルを特定して同期させるファイル同期システムが実現される。
【0023】
請求項に係る発明により、複数のファイルを含むコンテンツに対する操作の履歴から同期対象ファイルを特定する機能がコンピュータにより実現される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施において好適なファイル同期システムを示す図である。
図2】操作履歴情報の具体例を示す図である。
図3】登録操作に対応した同期処理の具体例を示す図である。
図4】削除操作に対応した同期処理の具体例を示す図である。
図5】ファイル同期システムの応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の実施において好適なファイル同期システムの具体例を示す図である。図1には、同期処理装置100と同期対象装置200を有するファイル同期システムが図示されている。同期処理装置100と同期対象装置200は、例えばインターネット等の通信回線を介して互いに通信接続されてデータを遣り取りする。図1に示す具体例では、同期処理装置100と同期対象装置200により、ファイル(データ)の同期が実現される。なお、同期処理装置100が同期元となり、同期対象装置200が同期先となる。
【0026】
同期元となる同期処理装置100は、例えば文書データや画像データなどを代表例とする様々なデータで構成される複数のファイルを処理対象とする。同期処理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等のクライアント端末から送信されたファイルを記憶して管理する。同期処理装置100は、クライアント端末から送信されたファイルに対して、必要に応じて暗号化処理を実行し、暗号化処理されたファイルを記憶して管理してもよい。なお、暗号化したファイルをクライアント端末に送信する場合には、同期処理装置100がそのファイルに対して復号化処理を実行し、復号化処理されたファイルがクライアント端末に送信される。
【0027】
同期処理装置100は、対象操作抽出部110と対象ファイル特定部120と同期処理部130とデータベースサーバ140とファイルサーバ150を備えている。
【0028】
対象操作抽出部110は、複数のファイルを含むコンテンツに対する操作の履歴情報から、同期対象の期間内における同期対象の操作を抽出する。複数のファイルを含むコンテンツはファイルサーバ150に記憶され、操作の履歴情報(操作履歴情報)はデータベースサーバ140に記憶されて管理される。
【0029】
対象ファイル特定部120は、対象操作抽出部110によって抽出された操作が成された1つ以上のファイルを特定して同期対象ファイルとする。また、同期処理部130は、同期対象ファイルとして特定された同期元ファイルと、その同期元ファイルに対応した同期先ファイルとを同期させる。なお、同期先ファイルは、同期先となる同期対象装置200に記憶されて管理されるファイルである。
【0030】
同期処理装置100は、例えば、1台以上のコンピュータを利用して実現することができる。そのコンピュータは、CPU等の演算デバイス、メモリやハードディスク等の記憶デバイス、インターネット等の通信回線を利用する通信デバイス、光ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体からデータを読み取りデータを書き込むデバイス、ディスプレイ等の表示デバイス、ユーザから操作を受け付ける操作デバイス等のハードウェア資源を備えている。
【0031】
そして、例えば、図1に示す同期処理装置100が備える符号を付した複数部分のうちの少なくとも一部の機能に対応したプログラム(ソフトウェア)がコンピュータに読み込まれ、そのコンピュータが備えるハードウェア資源と読み込まれたソフトウェアとの協働により、同期処理装置100が備える少なくとも一部の機能がコンピュータにより実現される。そのプログラムは、例えば、インターネット等の通信回線を介してコンピュータ(同期処理装置100)に提供されてもよいし、光ディスク等の記憶媒体に記憶されてコンピュータ(同期処理装置100)に提供されてもよい。
【0032】
同期先となる同期対象装置200は、ファイルサーバ210を備えている。ファイルサーバ210には、同期先ファイルを含むコンテンツ(同期先コンテンツ)が記憶される。なお、同期対象装置200は、例えば、1台以上のコンピュータを利用して実現することができる。
【0033】
図1に示すファイル同期システムの具体例の全体構成は以上のとおりである。次に、図1のファイル同期システムにより実現される機能等について詳述する。なお、図1に示した構成(部分)については以下の説明において図1の符号を利用する。
【0034】
図2は、操作履歴情報の具体例を示す図である。図2には、図1のデータベースサーバ140に記憶されて管理される操作履歴情報の具体例が図示されている。図2の操作履歴情報は、図1のファイルサーバ150に記憶されるコンテンツに含まれる複数のファイルに対する操作に関する情報で構成される。図2に示す具体例では、操作履歴情報として、各操作ごとに「操作日時」「操作者」「操作内容」「操作対象の種類」「操作対象の名前」「操作対象のID」が管理される。
【0035】
「操作日時」は操作が成された日時であり、「操作者」は操作を行ったユーザの登録名であり、「操作内容」は操作の内容である。また、「操作対象の種類」は操作対象となるファイル(又はフォルダ)の種類であり、「操作対象の名前」は操作対象となるファイル(又はフォルダ)の名称である。そして「操作対象のID」は操作対象となるファイル(又はフォルダ)の識別子である。
【0036】
図1に示すファイル同期システムにおいて、対象操作抽出部110は、データベースサーバ140によって管理される例えば図2の操作履歴情報から、同期対象の期間内における同期対象の操作を抽出する。
【0037】
図2には、2017/7/28の10:00から2017/7/28の12:00までを同期対象の期間(対象期間)とし、登録と削除の操作を同期対象の操作とする抽出例が図示されている。図2に示す具体例では、2017/7/28の10:05に成された登録の操作と、2017/7/28の11:53に成された削除の操作が抽出される。
【0038】
また、図1に示すファイル同期システムにおいて、対象ファイル特定部120は、対象操作抽出部110によって抽出された操作が成された1つ以上のファイルを特定して同期対象ファイルとする。図2に示す具体例では、2017/7/28の10:05に登録されたID4のファイル(文書)と、2017/7/28の11:53に削除されたID2のファイル(文書)が同期対象ファイルとなる。
【0039】
なお、図1に示すファイル同期システムにおいて、同期処理装置100は、同期対象の期間内に同一のファイルに対して登録操作後に削除操作が成された場合に、そのファイルを同期対象ファイルから除外する。例えば、図2に示す具体例では、2017/7/28の11:56にID6のファイル(文書)が登録され、2017/7/28の11:57にそのID6のファイル(文書)が削除されている。つまり、図2に示す具体例では、同期対象の期間(対象期間)内にID6のファイル(文書)に対して登録操作後に削除操作が成されているため、ID6のファイル(文書)が同期対象ファイルから除外される。
【0040】
こうして、図1に示すファイル同期システムにおいて、同期対象ファイルが特定されると、同期処理部130は、同期対象ファイルとして特定された同期元ファイルと、その同期元ファイルに対応した同期先ファイルとを同期させる。なお、同期先ファイルは、同期先となる同期対象装置200に記憶されるファイルである。
【0041】
同期処理部130は、同期対象の期間内に登録操作が成された同期元ファイルが同期対象ファイルとして特定された場合に、その同期元ファイルを同期先となる同期対象装置200に転送して、その同期元ファイルに対応した同期先ファイルとする。
【0042】
図3は、登録操作に対応した同期処理の具体例を示す図である。図3には、図1のファイル同期システムによる図2の操作履歴情報に基づいた同期処理の具体例が図示されている。
【0043】
図3に示す具体例において、同期処理装置100のファイルサーバ150内には、フォルダ1~4が設けられている。そして、フォルダ1内にID1のファイルが記憶され、フォルダ3内にID3のファイルが記憶され、フォルダ4内にID4のファイルが記憶されている。フォルダ2内にはファイルが記憶されていない。フォルダ4内に記憶されたID4のファイルは、図2に示す具体例において、2017/7/28の10:05に登録された同期対象ファイルである。
【0044】
そこで、同期処理部130は、同期対象の期間内に登録操作が成された同期元ファイルであり同期対象ファイルであるID4のファイルを、同期先となる同期対象装置200に転送する。そして、転送されたファイルがID4のファイルに対応した同期先ファイルとする。なお、転送に先だって、同期処理部130は、ファイルの識別子である「ID4」から、そのファイルのパス(格納先情報)を特定し、そのパス(図3の具体例ではファイルサーバ150のフォルダ4内)に、ID4のファイルが存在することを確認する。
また、図2の操作履歴情報として、各操作ごとに操作対象となるファイル(ファイルサーバ150に記憶されるファイル)のパス(格納先情報)が含まれていてもよい。この場合には、例えば、操作履歴情報から同期対象ファイルであるID4のファイルのパスが特定され、そのパスに(図3の具体例ではファイルサーバ150のフォルダ4内)にID4のファイルが存在することが確認される。
【0045】
こうして、図3に示す具体例では、同期処理装置100のファイルサーバ150内に記憶されたID4のファイルと同一の(同じデータ内容の)ファイルが、同期先ファイルとして同期対象装置200のファイルサーバ210内に記憶される。
【0046】
また、同期処理部130は、同期対象の期間内に削除操作が成された同期元ファイルが同期対象ファイルとして特定された場合に、その同期元ファイルに対応した同期先ファイルを同期対象装置200から削除する。
【0047】
図4は、削除操作に対応した同期処理の具体例を示す図である。図4には、図1のファイル同期システムによる図2の操作履歴情報に基づいた同期処理の具体例が図示されている。
【0048】
図4に示す具体例において、同期処理装置100のファイルサーバ150内には、フォルダ1~4が設けられている。そして、フォルダ1内にID1のファイルが記憶され、フォルダ3内にID3のファイルが記憶され、フォルダ4内にID4のファイルが記憶されている。フォルダ2内にはファイルが記憶されていない。フォルダ2内に記憶されていたID2のファイルは、図2に示す具体例において2017/7/28の11:53に成された操作により削除された同期対象ファイルである。
【0049】
そこで、同期処理部130は、同期対象の期間内に削除操作が成された同期元ファイルであり同期対象ファイルであるID2のファイルを、同期先となる同期対象装置200から削除する。同期処理部130は、例えば、ファイルの識別子である「ID2」から、そのファイルのパス(格納先情報)を特定し、そのパス(図4の具体例ではファイルサーバ210のフォルダ2内)に、ID2のファイルが存在することを確認する。そして、同期先となる同期対象装置200に記憶されたID2のファイルが削除される。
【0050】
図1に示すファイル同期システムによる同期処理は、例えば定期的に実行されることが望ましい。例えば、図2に例示した具体例において、2017/7/28の10:00から2017/7/28の12:00までの2時間を同期対象の期間(対象期間)として同期処理が実行された後に、2017/7/28の12:00から2017/7/28の14:00までの2時間を次の同期対象の期間として同期処理が実行され、その実行後に、さらに次の2時間を同期対象の期間として同期処理が実行される。このように、例えば、定期的に同期処理を次々に実行することにより、操作履歴情報に含まれる複数の操作を網羅的に確認する同期処理が実現される。
【0051】
以上に説明したように、図1に示すファイル同期システムの具体例によれば、複数のファイルを含むコンテンツに対する操作の履歴から同期対象ファイルが特定される。また、特定された同期対象ファイルを対象としたと同期処理が実現される。これにより、例えば装置同士のファイルリストを比較して同期対象ファイルを特定する場合よりも、短時間で同期対象ファイルが特定される。
【0052】
大量にファイルが登録されている場合、例えば、1000万ファイルが登録されている場合に、ファイルリストを比較して同期対象となるファイルを特定しようとすると、1000万ファイルの比較が必要になってしまう。これに対し、図1に示すファイル同期システムのように、操作の履歴から同期対象ファイルを特定すれば、同期対象の期間内における操作履歴数のみのデータから同期対象ファイルを特定することが可能になる。また、ネットワーク経由でファイルシステムにアクセスが必要な場合には、ファイルリストの取得に時間がかかってしまう。これに対し、図1に示すファイル同期システムのように、操作の履歴から同期対象ファイルを特定すれば、ファイルリストを取得せずに同期対象ファイルを特定することが可能になる。
【0053】
図5は、図1のファイル同期システムの応用例を示す図である。図5に例示する応用例1は、移行元装置から移行先装置へファイルを移行するファイル移行システムである。応用例1では、移行元装置が同期処理装置100(図1)の機能を備えており、移行先装置が同期対象装置200(図1)の機能を備えている。
【0054】
応用例1のファイル移行システムでは、移行元装置から移行先装置へファイルが移行される。応用例1の移行元装置から移行先装置へのファイルの移行において、例えば図1から図4を利用して説明した同期処理が実行される。つまり、同期処理装置100の機能を備えた移行元装置が、複数のファイルを含むコンテンツに対する操作の履歴から同期対象ファイルを特定し、特定した同期対象ファイルを対象としたと同期処理を実行する。これにより、例えば、移行元装置に登録されたファイルが同期対象装置200の機能を備えた移行先装置に移行される。なお、移行元装置において削除されたファイルは移行先装置でも削除される。
【0055】
図5に例示する応用例2は、複数の装置間で互いに同期処理を実行する相互同期システムである。応用例2では、第1同期装置が同期処理装置100(図1)と同期対象装置200(図1)の機能を備えており、第2同期装置も同期対象装置200と同期処理装置100の機能を備えている。応用例2の相互同期システムでは、第1同期装置によって管理される操作履歴情報と第2同期装置によって管理される操作履歴情報の両方を利用した同期処理が実現される。
【0056】
応用例2において、第1同期装置によって管理される操作履歴情報を利用する場合、第1同期装置が同期処理装置100として機能し、第2同期装置が同期対象装置200として機能することにより、例えば図1から図4を利用して説明した同期処理が実行される。一方、第2同期装置によって管理される操作履歴情報を利用する場合、第2同期装置が同期処理装置100として機能し、第1同期装置が同期対象装置200として機能することにより、例えば図1から図4を利用して説明した同期処理が実行される。
【0057】
このように、応用例2の相互同期システムでは、第1同期装置におけるファイルに対する操作(登録や削除など)に応じた同期処理と、第2同期装置におけるファイルに対する操作(登録や削除など)に応じた同期処理が実行される。これにより、複数の装置においてファイルに対する操作を受け付けつつ、それら複数の装置が互いにファイルを同期させるシステムが実現される。
【0058】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
【符号の説明】
【0059】
100 同期処理装置、110 対象操作抽出部、120 対象ファイル特定部、130 同期処理部、140 データベースサーバ、150 ファイルサーバ、200 同期対象装置、210 ファイルサーバ。
図1
図2
図3
図4
図5