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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20220802BHJP
   B23P 19/06 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
B65G47/14 102B
B23P19/06 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018036718
(22)【出願日】2018-03-01
(65)【公開番号】P2019151445
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝口 明仁
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-048056(JP,A)
【文献】特開平08-048426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/14
B23P 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給する部品を収容する有底の容器と、
該底を貫通して、該容器を該底が下となる傾斜姿勢で軸周りに回転可能に支持し、上向きに開口し該容器の内から外に部品を通す溝が形成されている軸体と、
該溝の底部と開口部との間を往復する可動部材と、
該可動部材に対して該開口部に向けて弾性力を付与する弾性部材と、
該弾性力に抗して該可動部材を該底部に保持させる第一部材と、
該第一部材による該弾性力に抗する状態を解除する第二部材と、
該容器を該軸周りに回転する回転機と、
を有する供給装置。
【請求項2】
前記第一部材と前記第二部材は1つの板部材からなり、
前記板部材は、前記容器に固定されている請求項に記載の供給装置。
【請求項3】
前記可動部材は、長手方向の一端部側を支点として、長手方向の他端部側が回転する構成とされている請求項に記載の供給装置。
【請求項4】
前記可動部材の長手方向の他端部は、前記容器の内部における前記部品の出口の直前に設けられている請求項に記載の供給装置。
【請求項5】
前記可動部材の長手方向の中央部に前記弾性部材が配置されており、
前記可動部材の長手方向の他端部の側が前記溝の前記底部と前記開口部の間を往復する構成とされている請求項又は請求項に記載の供給装置。
【請求項6】
前記容器の内部に、前記部品をすくい上げて前記軸体に落下させるすくい上げ部材を備え、
前記第二部材は、前記容器の回転方向における前記すくい上げ部材の下流側の定められた範囲内に配置されている請求項に記載の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、回転する容器の底のねじを掻き上げる掻き上げ板と、容器内で軸体の溝が形成された部分に接触しながら軸周りに回転する接触部と、を備えた供給装置が開示されている。この供給装置では、溝に引っ掛かっているねじを接触部により落下させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-048056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、溝の外側から接触する部材で部品を落下させる供給装置と比較して、部品が溝に詰まることを抑制する供給装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
態様の供給装置は、供給する部品を収容する有底の容器と、該底を貫通して、該容器を該底が下となる傾斜姿勢で軸周りに回転可能に支持し、上向きに開口し該容器の内から外に部品を通す溝が形成されている軸体と、該溝の底部と開口部との間を往復する可動部材と、該容器を該軸周りに回転する回転機と、を有する。
【0006】
態様では、態様の供給装置において、前記可動部材に対して前記溝の前記開口部に向けて弾性力を付与する弾性部材と、前記弾性力に抗して前記可動部材を前記溝の前記底部に保持させる第一部材と、前記第一部材による前記弾性力に抗する状態を解除する第二部材と、を有する。
【0007】
態様では、態様の供給装置において、前記第一部材と前記第二部材は1つの板部材からなり、前記板部材は、前記容器に固定されている。
【0008】
態様では、態様の供給装置において、前記可動部材は、長手方向の一端部側を支点として、長手方向の他端部側が回転する構成とされている。
【0009】
態様では、態様の供給装置において、前記可動部材の長手方向の他端部は、前記容器の内部における前記部品の出口の直前に設けられている。
【0010】
態様では、態様又は態様の供給装置において、前記可動部材の長手方向の中央部に前記弾性部材が配置されており、前記可動部材の長手方向の他端部の側が前記溝の前記底部と前記開口部の間を往復する構成とされている。
【0011】
態様では、態様の供給装置において、前記容器の内部に、前記部品をすくい上げて前記軸体に落下させるすくい上げ部材を備え、前記第二部材は、前記容器の回転方向における前記すくい上げ部材の下流側の定められた範囲内に配置されている。
【0012】
態様では、態様の供給装置において、前記すくい上げ部材の数と、前記第二部材の数が同じである。
【0013】
態様では、態様の供給装置において、前記容器の1回転に対して、前記すくい上げ部材による部品のすくい上げ回数と、前記第二部材による解除回数が1回とされている。
【発明の効果】
【0014】
態様によれば、溝の外側から接触する部材で部品を落下させる供給装置と比較して、部品が溝に詰まることが抑制される。
【0015】
態様によれば、可動部材を底部から開口部にゆっくりと移動させる構成と比較して、溝に詰まった部品が排除され易い。
【0016】
態様によれば、容器の回転とは独立した動作機構を用いることなく、回転機により可動部材を動作することができる。
【0017】
態様によれば、可動部材全体が底部から開口部まで移動する構成と比較して、可動部材を往復させる構成が容易となる。
【0018】
態様によれば、可動部材の長手方向の他端部が容器の内部の部品の出口から離れた位置に配置されている構成と比較して、容器における部品の出口付近での部品の溝への詰まりが抑制される。
【0019】
態様によれば、可動部材の他端部側に弾性部材が配置される構成と比較して、可動部材を移動させる弾性部材をコンパクト化することができる。
【0020】
態様によれば、第二部材が容器の回転方向におけるすくい上げ部材の上流側に配置されている構成と比較して、すくい上げ部材により部品が軸体に落下した後、溝に詰まった部品が排除され易い。
【0021】
態様によれば、すくい上げ部材の数と第二部材の数が異なる場合と比較して、すくい上げ部材により部品が軸体に落下した後、溝に詰まった部品が排除され易い。
【0022】
態様によれば、容器の1回転に対して、すくい上げ部材による部品のすくい上げ回数と、前記第二部材による解除回数が複数回とされている場合と比較して、容器の1回転により、すくい上げ部材により部品が軸体に落下した後、溝に詰まった部品が排除され易い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態の供給装置を示す概略斜視図である。
図2】第1実施形態の供給装置の一部を示す図であって、容器を示す正面側から見た概略断面図である。
図3】第1実施形態の供給装置の一部を示す図であって、供給装置を構成するシャフトの軸方向から容器の底の側を見た図(図3中に示す3-3線に沿った断面図)である。
図4】(A)は、第1実施形態の供給装置に用いられる可動部材及びシャフトの溝を示す分解斜視図であり、(B)は、第1実施形態の供給装置に用いられる可動部材をシャフトに組み付けた状態を示す斜視図である。
図5】第1実施形態の供給装置に用いられる板部材のカム部によって可動部材がシャフトの溝の底部に保持された状態を示す概略断面図である。
図6】第1実施形態の供給装置に用いられる板部材のカム部によって可動部材がシャフトの溝の開口部に移動された状態を示す概略断面図である。
図7】第1実施形態の供給装置の一部を示す図であって、板部材の大径部とすくい上げ部材との位置関係を示す、シャフトの軸方向から見た概略構成図である。
図8】第1実施形態の供給装置の一部を示す図であって、シャフトからねじを取り出す取り出し部を示す拡大斜視図である。
図9】第1実施形態の供給装置の一部を示す図であって、シャフトからねじを取り出す取り出し部を示す拡大断面図である。
図10】第2実施形態の供給装置の一部を示す図であって、板部材の大径部とすくい上げ部材との位置関係を示す、シャフトの軸方向から見た概略構成図である。
図11】第3実施形態の供給装置の一部を示す図であって、板部材の大径部とすくい上げ部材との位置関係を示す、シャフトの軸方向から見た概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づいて説明する。なお、各図に示す矢印Hは鉛直方向であって装置上下方向を示し、矢印Wは、水平方向であって装置幅方向を示す。
【0025】
〔第1実施形態〕
図1図9を用いて、第1実施形態の供給装置10について説明する。
【0026】
<供給装置の構成>
図1及び図2に示されるように、第1実施形態の供給装置10は、ねじSを輸送装置12(図8参照)に定められた姿勢で供給する機能を有する。本実施形態における定められた姿勢とは、ねじSの頭S1が上方である姿勢とされている。供給装置10は、容器20と、駆動系24と、すくい上げ部材28と、シャフト30と、取り出し部38と、支持体50と、可動部材60と、板部材66と、を含んで構成されている。
【0027】
供給装置10では、取り出し部38でねじSが輸送装置12に把持され、輸送装置12によって締結装置(図示省略)に輸送される(図8参照)。そして、締結装置(図示省略)により、ねじSがワークの締結位置で締結されてねじ締結物が製造されるようになっている。
【0028】
ここで、ねじSは、部品の一例である。本実施形態のねじSは、一例として、フランジ付きの雄ねじとされている。より詳細には、ねじSは、一例として、頭S1と、頭S1から延びた軸S2と、頭S1と軸S2との縁部に設けられたフランジS3と、を備えている(図2及び図9参照)。ねじSの頭S1には、一例として十字溝が形成されている(図1参照)。図示を省略するが、ねじSが締結されたねじ締結物は、一例として、ねじSで複数の部材(例えば、2枚の板)を締結して製造されたものである。
【0029】
なお、本明細書における「供給」とは、供給装置10の取り出し部38から輸送装置12にねじSを受け渡すことをいう。
【0030】
以下、供給装置10の構成を各構成要素に分けて、図面を参照しつつ説明する。
【0031】
[容器及び駆動系]
容器20は、輸送装置12に供給するねじSを収容する機能を有する。容器20は、図1及び図2に示されるように、一例として、一端側が開口する有底の筒とされている。容器20は、軸心Oを中心とする円筒21と、円筒21の他端側に配置された円板22とを有している。円板22には、軸心Oを中心とする径D1の貫通孔22Aが形成されている(図3参照)。ここで、円板22は、底の一例である。なお、図1では、容器20の構成を分かりやすくするため、容器20内のねじSは図示を省略している。
【0032】
駆動系24は、容器20を軸周りに(軸心Oを中心として)回転する機能を有する。ここで、駆動系24は、回転機の一例である。駆動系24は、ベアリングギア25と、ベアリングギア25と噛み合うギア26と、ギア26の回転軸に接続されてギア26を回転させる電動モータ27と、を備えている(図1参照)。ベアリングギア25は、歯車25Aと、軸受25Bと、を備えている(図2参照)。
【0033】
歯車25Aは、径D2の貫通孔が形成され(図3参照)、円板22の外側の面に、軸心Oを中心として固定されている。軸受25Bは、外径D2、内径D3(<径D1)の玉軸受とされており、外周側で歯車25Aの貫通孔に、内周側でシャフト30の外周に嵌め込まれている(図3参照)。そして、電動モータ27によりギア26を介してベアリングギア25に駆動力が伝達されると、容器20は軸周り(軸心Oを中心として)に回転するようになっている。図1図3における矢印Rは、容器20の回転方向を示している。
【0034】
なお、容器20は、図2に示されるように、円板22が下方となるように、水平方向(高さ方向に対して直交する方向)に対して傾斜した状態で配置されている。そのため、容器20は、ねじSを円板22が配置されている側に寄せた状態で収容している(図2参照)。
【0035】
[すくい上げ部材]
すくい上げ部材28は、容器20とともに軸心Oの周りを回転することにより、容器20内のねじSをすくい上げて軸心O(シャフト30)よりも上方まで運ぶ機能を有する。すくい上げ部材28は、図2及び図3に示されるように、容器20内に配置されている。すくい上げ部材28は、軸心Oと直交する方向から見ると長方形とされ、円筒21と円板22とに接触している(図2参照)。また、すくい上げ部材28は、シャフト30に沿う方向(軸方向)から見ると、回転方向下流側に向かってL字状に屈曲した形状とされている(図3参照)。
【0036】
図3に示されるように、すくい上げ部材28は、円筒21に接触する円弧状の取付部28Aと、取付部28Aから半径方向内側に向かって屈曲された突出部28Bと、を備えている。取付部28Aは、円筒21に接着されて固定されている。突出部28Bは、容器20の回転方向(すなわちすくい上げ部材28の回転方向)における取付部28Aの上流側の位置に設けられている。本実施形態では、取付部28Aの接線に対する突出部28Bの角度(突出部28Bが取付部28Aから屈曲された部分の角度)は、鋭角とされている。そして、すくい上げ部材28は、容器20の回転に伴い、ねじSを突出部28Bに載せて、軸心O(シャフト30)よりも上方まで運ぶようになっている。すくい上げ部材28により、軸心O(シャフト30)よりも上方まで運ばれたねじSは、重力によりシャフト30側に落下するようになっている。なお、すくい上げ部材28と板部材66との位置関係については、後に説明する。
【0037】
[シャフト]
シャフト30は、円板22が下方となるように容器20を傾斜させた状態で容器20を軸周りに(軸心Oを中心として)回転可能に支持する機能を有する。言い換えると、シャフト30は、容器20を円板22が下となる傾斜姿勢で軸周りに(軸心Oを中心として)回転可能に支持する機能を有する。ここで、シャフト30は、軸体の一例である。シャフト30は、図1及び図2に示されるように、高さ方向(又は水平方向)に対して傾斜した状態で配置されており、後述する支持体50の保持部52に固定されている。そして、シャフト30は、ベアリングギア25を介して、容器20を回転可能に支持している。また、シャフト30は、貫通孔22Aを通って一部(一端側)が容器20内に配置されている。すなわち、シャフト30は、円板22を貫通している。
【0038】
シャフト30は、径D3の棒状の部材とされている(図3参照)。シャフト30は、図2に示されるように、シャフト30の外周面に対して、容器20の内側(内)から外側(外)に亘る上方側の部分がねじSの頭S1及びフランジS3の厚みよりも大きく凹んでいる。シャフト30における当該凹んでいる部分には、軸方向に沿う長尺な平面32が形成されている(図3参照)。また、シャフト30の平面32が形成されている部分であって、容器20の内側の端から円板22を越えて外側の端に至るまでの部分には、長手方向(軸方向)に亘って上向きに開口する長尺な溝34が形成されている(図4(A)参照)。図3に示されるように、溝34のシャフト30の軸方向から見た断面形状は、矩形状とされている。溝34は、深さ方向下側の底部34Aと、上向きに開口する開口部34Bと、を備えている。また、溝34の幅方向両側と平面32との縁部には、角部が面取りされた傾斜面35が形成されている。溝34の幅方向両側と平面32との縁部に傾斜面35を設けることで、溝と平面との縁部に角がある場合と比べて、ねじSが溝34に引っ掛かりにくくなる。
【0039】
ここで、溝34におけるシャフト30の軸方向から見た幅は、図3に示されるように、ねじSの頭S1及びフランジS3の径よりも狭く、かつ、軸S2の径よりも広い。また、溝34の深さは、図2及び図3に示されるように、軸S2の長さよりも深い。以上の関係により、シャフト30は、溝34に軸S2を挿入させ、かつ、平面32で頭S1及びフランジS3を支持した状態(以下、「定められた保持状態」という場合がある。)で、ねじSを保持可能に構成されている。さらに、前述のとおり、平面32はシャフト30の軸方向に沿って傾斜していることから、シャフト30は、保持したねじSを自重により上方から下方に通すようになっている。以上のとおり、シャフト30は、容器20の内から外に亘って上向きに開口し、ねじSを通す溝34が形成されている。容器20の円板22の貫通孔22Aは、容器20の内部から外部側に向かってねじSが通過する出口とされている。すなわち、貫通孔22Aは、出口の一例である。ここで、「出口」とは、容器20の一部に形成されると共に容器20の内部のねじSが容器20の外部に出る開口のことをいう。
【0040】
なお、シャフト30には、一例として、平面32と隣り合う位置に、平面32よりも上方に突出する共に軸方向に沿う長尺な平面33が設けられている(図4(A)参照)。平面33における平面32側の端部には、後述する押しばね64が収容される凹部33Aが形成されている。
【0041】
また、容器20の内部には、シャフト30の上端部に配置された板状体80が設けられている。板状体80は、シャフト30の上端部に接着等により接合されている。板状体80の外周面と円筒21の内周面との間には、隙間が設けられており、容器20が回転したときに板状体80は回転しない。板状体80には、円形状の開口部82が設けられており(図1参照)、開口部82から複数のねじSが容器20内の下方側に導入されるようになっている。
【0042】
[取り出し部]
取り出し部38は、図8及び図9に示されるように、シャフト30の軸方向の下端部(容器20の外側の端部)30A側に設けられている。シャフト30の下端部20Aと隣り合う位置には、シャフト30の軸方向と直交する方向であって、略上下方向に移動するエアシリンダ40が設けられている。エアシリンダ40の上部には、1本のねじSの軸S2が収容される溝42と、溝42の周囲の一部に形成されると共にねじSの頭S1が支持される平面44とが設けられている。エアシリンダ40は、平面44がシャフト30の平面32と連続する下側位置P1(図9参照)と、平面44がシャフト30の平面32に対して上方に突出する上側位置P2(図8参照)とに移動可能とされている。
【0043】
図9に示されるように、エアシリンダ40が下側位置P1にあるときは、シャフト30の溝34とエアシリンダ40の溝42とが連続して繋がっている。このとき、溝34のシャフト30の軸方向と直交する方向の幅と、溝42のシャフト30の軸方向と直交する方向の幅とは、同等の長さとされている。また、取り出し部38には、後述する保持部52におけるエアシリンダ40の溝42の奥側かつ斜め下方側に、磁性体であるねじSを引き付けるマグネット46が設けられている。これにより、エアシリンダ40が下側位置P1にあるときに、シャフト30の下端部30Aの溝34に到達したねじSは、溝34からエアシリンダ40の溝42に供給される。これにより、ねじSは、軸S2がエアシリンダ40の溝42に挿入され、かつ頭S1がエアシリンダ40の平面44に支持された状態となる。このとき、マグネット46にねじSが引き付けられることで、ねじSの軸S2がエアシリンダ40の溝42に挿入されやすくなる。
【0044】
さらに、図8に示されるように、エアシリンダ40がシャフト30に対して上側位置P2に移動することで、1本のねじSが取り出される。そして、ねじSが輸送装置12の把持部12Aで把持されることでねじSが輸送装置12に供給され、ねじSが輸送装置12によって定められた締結位置に輸送されるようになっている。
【0045】
[支持体]
支持体50は、図1に示されるように、シャフト30を傾斜した状態で支持する機能を有する。支持体50は、シャフト30の溝34の開口部34B及び平面32を上向きにした状態でシャフト30が収容される凹状の収容部52Aを備えた保持部52と、保持部52を支持する基台54と、を備えている。保持部52は、シャフト30における容器20の外側の部分を固定している。保持部52には、シャフト30の溝34の開口部34B及び平面32を覆うように透明な板56が配置されている。供給装置10の容器20内には、複数のねじSが収容されるようになっているが、ねじSの量に関わらず、支持体50は、シャフト30(及び容器20)を傾斜した状態で支持するように設定されている。
【0046】
[可動部材及び板部材]
可動部材60は、溝34の底部34Aと開口部34Bとの間を往復する構成とされている。すなわち、可動部材60は、溝34に引っ掛かったねじSを弾き出す機能を有する。図2及び図4(A)、(B)に示されるように、可動部材60は、長尺板状の部材で構成されており、シャフト30の軸方向と直交する方向から見て略クランク状に形成されている。より具体的には、可動部材60は、長手方向の一端部側に設けられた上側板状部60Aと、上側板状部60Aから斜め下方側に屈曲された傾斜部60Bと、傾斜部60Bの下端部から上側板状部60Aと反対方向に屈曲された下側板状部60Cと、を備えている。下側板状部60Cは、可動部材60の長手方向の他端部側に設けられている。
【0047】
上側板状部60Aは、シャフト30の平面33に接触して配置され、傾斜部60B及び下側板状部60Cは、シャフト30の溝34内に挿入されている(図4(B)参照)。上側板状部60Aの端部61Aは、ボルト62で締結されることでシャフト30に取り付けられている。これにより、可動部材60は、上側板状部60Aの端部61Aのボルト62による締結部を支点として、下側板状部60Cの端部61B側が略上下方向に回転する構成とされている。言い換えると、可動部材60は、下側板状部60Cの端部61B側が溝34の底部34Aと開口部34Bの間を往復する構成とされている。ここで、上側板状部60Aの端部61Aは、可動部材60の長手方向の一端部の一例であり、下側板状部60Cの端部61Bは、可動部材60の長手方向の他端部の一例である。
【0048】
下側板状部60Cの端部61Bは、容器20内のねじSの出口としての貫通孔22Aの直前に設けられている。すなわち、下側板状部60Cの端部61Bは、溝34に軸S2が挿入されたねじSが容器20の内部から排出される貫通孔22Aの直前に設けられている。言い換えると、下側板状部60Cの端部61Bは、容器20の内部の貫通孔22Aと対向する位置に配置されている。ここで、「直前」とは、ねじS1個の軸S2の直径よりも小さい隙間で配置される位置をいう。
【0049】
上側板状部60Aにおける傾斜部60B側の端部には、可動部材60に対して溝34の開口部34Bに向けて弾性力を付与する押しばね64が設けられている。押しばね64は、シャフト30の凹部33Aに挿入されている。ここで、押しばね64は、弾性部材の一例である。押しばね64は、可動部材60の長手方向の中央部に配置されている。本実施形態では、可動部材60は、押しばね64の弾性力により下側板状部60Cの端部61Bが開口部34Bに移動したとき、下側板状部60Cの端部61Bが開口部34Bから溝34の外に突出しない構成とされている(図2参照)。
【0050】
[板部材]
板部材66は、可動部材60を溝34の底部34Aと開口部34Bとの間で往復させる機能を有する。図2図5及び図6に示されるように、板部材66は、容器20の円筒21の内周面に接触し、接着等により固定されている。板部材66は、容器20と一体で回転する。板部材66には、シャフト30が貫通されている。板部材66は、容器20の内部の板状体80と円板22との間に設けられている。板部材66は、円筒21の内周面と接触する2箇所の円弧部66Aと、円弧部66Aの両端部を繋ぐように配置された2箇所の平坦部66Bと、を備えている(図5参照)。シャフト30の軸方向から見て2箇所の円弧部66Aは、シャフト30を挟んで反対側の位置に設けられている。また、シャフト30の軸方向から見て2箇所の平坦部66Bは、シャフト30を挟んで反対側の位置に設けられている。平坦部66Bと容器20の円筒21の内筒面との間には、開口が形成されており、開口からねじSが円板22側に供給されるようになっている。
【0051】
板部材66は、シャフト30の軸方向と直交する方向から見て、押しばね64の近くに設けられていることが好ましい。本実施形態では、板部材66は、シャフト30の軸方向と直交する方向から見て、押しばね64と重なる位置に設けられている(図2参照)。図5及び図6に示されるように、板部材66は、シャフト30が貫通されると共にシャフト30の周方向に沿って形成されたカム部68を備えている。カム部68は、シャフト30の中心からの内径が小さく、かつ押しばね64の弾性力に抗して可動部材60の下側板状部60Cを溝34の底部34Aに保持させる小径部68Aを備えている(図2中の破線参照)。また、カム部68は、シャフト30の中心からの内径が小径部68Aより大きく、かつ小径部68Aによる押しばね64の弾性力に抗する状態を解除する大径部68Bを備えている。ここで、小径部68Aは、第一部材の一例であり、大径部68Bは、第二部材の一例である。すなわち、板部材66は、小径部68Aと大径部68Bとが形成された1つの部材とされている。
【0052】
板部材66の小径部68Aは、シャフト30の周面の1/4以上3/4以下の範囲と対向する位置に形成されていることが好ましく、2/5以上3/5以下の範囲と対向する位置に形成されていることがより好ましい。本実施形態では、板部材66の小径部68Aは、シャフト30の周面の1/2の範囲と対向する位置に形成されている。また、板部材66の大径部68Bは、シャフト30の周面の一部と対向する位置に形成されている。カム部68には、板部材66の回転方向における小径部68Aの上流側に小径部68Aから大径部68Bに急激に変化させるようにシャフト30の半径方向に沿って配置された段差部68Cが形成されている。すなわち、段差部68Cは、板部材66の回転方向の上流側を向く面である。また、カム部68には、板部材66の回転方向における大径部68Bの上流側に大径部68Bから小径部68Aに向かって内径が徐々に小さくなる湾曲傾斜部68Dが形成されている。
【0053】
容器20の回転により、板部材66のカム部68は、可動部材60の上側板状部60Aと接触しながら回転する。図5に示されるように、カム部68の小径部68Aが可動部材60の上側板状部60Aと接触した状態では、押しばね64の弾性力に抗して可動部材60の下側板状部60Cが溝34の底部34Aに保持されるようになっている(図2中の破線及び図3参照)。
【0054】
図6に示されるように、容器20の回転により、カム部68の大径部68Bが可動部材60の上側板状部60Aと接触する位置に移動すると、小径部68Aによる押しばね64の弾性力に抗する状態が解除される。これにより、押しばね64の弾性力により(押しばね64が伸びることで)、可動部材60の下側板状部60Cが瞬時に溝34の開口部34Bに移動するようになっている(図2参照)。可動部材60の下側板状部60Cが瞬時に溝34の開口部34Bに移動することで、シャフト30の溝34に引っ掛かったねじSが弾かれて溝34から排除される(除去される)ようになっている。すなわち、シャフト30の溝34に引っ掛かったねじSは、下側板状部60Cにより溝34から弾き出されるようになっている。
【0055】
図7に示されるように、大径部68Bは、容器20の回転方向(矢印R方向)におけるすくい上げ部材28の下流側の定められた範囲内に配置されている。ここで、定められた範囲は、120°以上240°以下の範囲とされている。大径部68Bは、容器20の回転方向(矢印R方向)におけるすくい上げ部材28の下流側の120°以上240°以下の範囲に配置されていることが好ましく、すくい上げ部材28の下流側の150°以上210°以下の範囲に配置されていることがより好ましく、すくい上げ部材28の下流側の180°近くがさらに好ましい。本実施形態では、大径部68Bは、容器20の回転方向(矢印R方向)におけるすくい上げ部材28の下流側の180°の下流側に配置されている。言い換えると、大径部68Bは、シャフト30を挟んですくい上げ部材28と反対側に配置されている。これにより、容器20の回転に伴い、すくい上げ部材28ですくい上げられたねじSがシャフト30側に落下する。その後、容器20の回転に伴い、可動部材60の上側板状部60Aが大径部68Bに接触し、可動部材60の下側板状部60Cが瞬時に溝34の開口部34Bに移動することで、シャフト30の溝34に引っ掛かったねじSが弾かれ、溝34から排除されるようになっている。
【0056】
すくい上げ部材28の数と、大径部68Bの数は同じであり、本実施形態では1個とされている。すなわち、本実施形態では、容器20の1回転に対して、すくい上げ部材28によるねじSのすくい上げ回数と、大径部68Bによる押しばね64の弾性力の解除回数が、1回とされている。
【0057】
<供給装置の動作>
次に、第1実施形態の供給装置10の動作について図面を参照しつつ説明する。
【0058】
まず、作業者は、図2及び図3に示されるように、供給装置10の容器20内に複数のねじSを収容させる。次いで、作業者は、供給装置10の駆動系24を駆動させて容器20を回転させる。容器20内の複数のねじSは、図2及び図3に示されるように、容器20の回転に伴い回転するすくい上げ部材28の突出部28Bに載せられた状態で、すくい上げ部材28によりシャフト30よりも上方に運ばれる。すくい上げ部材28によりシャフト30よりも上方に運ばれた複数のねじSは、自重により落下する。
【0059】
このとき、図5に示されるように、可動部材60の上側板状部60Aは、板部材66の小径部68Aと接触しており、押しばね64の弾性力に抗して可動部材60の下側板状部60Cが溝34の底部34Aに保持されている(図2中の破線及び図3参照)。なお、板部材66の大径部68Bは、容器20の回転方向におけるすくい上げ部材28の下流側に配置されている。このため、複数のねじSが自重により落下したときには、可動部材60の下側板状部60Cは、溝34の底部34Aに保持されている。
【0060】
その結果、複数のねじSの一部は、軸S2がシャフト30の溝34に挿入され、頭S1が平面32に支持される(定めれた保持状態となる)。そして、ねじSがシャフト30に保持されつつ、自重によりシャフト30の平面32上を斜め下方側に移動する。さらに、図9に示されるように、取り出し部38で、ねじSは、シャフト30の下端部30Aからエアシリンダ40の上部に移動する。このとき、取り出し部38には、溝42の斜め下方側にマグネット46が設けられており、ねじSがマグネット46に引き付けられることで、ねじSの軸S2がエアシリンダ40の溝42に挿入されやすくなる。これにより、ねじSは、軸S2がエアシリンダ40の溝42に挿入され、頭S1が平面44に支持される(定められた保持状態となる)。
【0061】
その後、図8に示されるように、エアシリンダ40がシャフト30の平面32に対して上方に突出する上側位置P2に移動し、ねじSが輸送装置12で把持される。そして、ねじSが輸送装置12により、定められた締結位置に輸送され、図示しないねじ締結物が製造される。
【0062】
また、供給装置10では、容器20内の複数のねじSは、すくい上げ部材28により上方に運ばれることと、落下することとを繰り返す。また、容器20が1回転する過程で、図6に示されるように、板部材66の大径部68Bが可動部材60の上側板状部60Aに接触する。これにより、押しばね64の弾性力に抗する状態が解除され、押しばね64が伸びることで、可動部材60の下側板状部60Cが瞬時に溝34の開口部34Bに移動する(図2参照)。このため、すくい上げ部材28により上方に運ばれて落下したねじSのうち、シャフト30に対して定められた保持状態で保持されずに溝34に引っ掛かったねじSは、可動部材60の下側板状部60Cが瞬時に溝34の開口部34Bに移動することで、下側板状部60Cによって弾き出されて溝34から排除される(除去される)。溝34から排除されたねじSは、容器20内の下部側に落下する。
【0063】
<効果>
次に、第1実施形態の効果について説明する。
【0064】
供給装置10では、可動部材60が溝34の底部34Aから開口部34Bに移動することにより、溝34に引っ掛かったねじSを落下される。このため、供給装置10では、溝の外側から接触する部材でねじを落下させる供給装置と比較して、ねじSが溝34に詰まることが抑制される。
【0065】
供給装置10では、板部材66の大径部68Bが可動部材60の上側板状部60Aに接触することで、押しばね64の弾性力により、可動部材60の下側板状部60Cが瞬時に溝34の開口部34Bに移動する。このため、供給装置10では、可動部材を底部から開口部にゆっくりと移動させる構成と比較して、溝34に詰まったねじSが排除され易い。
【0066】
供給装置10では、容器20の回転に伴い板部材66の小径部68Aと大径部68Bにより、可動部材60の下側板状部60Cを溝34の底部34Aと開口部34Bとの間で移動させる。このため、供給装置10では、容器の回転とは独立した動作機構を用いることなく、駆動系24により可動部材60を動作することができる。
【0067】
供給装置10では、可動部材60は、上側板状部60Aの端部61A側を支点として、下側板状部60Cの端部61B側が回転する。このため、供給装置10では、可動部材全体が溝の底部から開口部まで移動する構成と比較して、可動部材60を往復させる構成が容易となる。
【0068】
供給装置10では、可動部材60の下側板状部60Cの端部61Bは、容器20の内部のねじSの出口としての貫通孔22Aの直前に設けられている。このため、供給装置10では、可動部材の長手方向の他端部が容器の内部の部品の出口から離れた位置に配置されている構成と比較して、容器20におけるねじSの出口となる貫通孔22A付近でのねじSの溝34への詰まりが抑制される。
【0069】
供給装置10では、可動部材60の長手方向の中央部に押しばね64が配置されており、可動部材60の下側板状部60Cの端部61B側が溝34の底部34Aと開口部34Bとの間を往復する。このため、供給装置10では、可動部材の他端部側に弾性部材が配置される構成と比較して、可動部材60を移動させる押しばね64をコンパクト化することができる。
【0070】
供給装置10では、容器20の内部にすくい上げ部材28が配置されており、板部材66の大径部68Bが容器20の回転方向におけるすくい上げ部材28の下流側の定められた範囲内に配置されている。このため、供給装置10では、第二部材が容器の回転方向におけるすくい上げ部材の上流側に配置されている構成と比較して、すくい上げ部材28によりねじSがシャフト30に落下した後、溝34に詰まったねじSが排除され易い。
【0071】
供給装置10では、すくい上げ部材28の数と大径部68Bの数と同じである。このため、供給装置10では、すくい上げ部材の数と第二部材の数が異なる場合と比較して、すくい上げ部材28によりねじSがシャフト30に落下した後、溝34に詰まったねじSが排除され易い。
【0072】
供給装置10では、容器20の1回転に対して、すくい上げ部材28によるねじSのすくい上げ回数と、大径部68Bによる押しばね64の弾性力の解除回数が1回とされている。このため、供給装置10では、容器の1回転に対して、すくい上げ部材による部品のすくい上げ回数と、第二部材による解除回数が複数回とされている場合と比較して、容器20の1回転により、すくい上げ部材28によりねじSがシャフト30に落下した後、溝34に詰まったねじSが排除され易い。
【0073】
〔第2実施形態〕
次に、図10を用いて、第2実施形態の供給装置90について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0074】
図10に示されるように、供給装置90には、シャフト30に溝92が形成されている。溝92は、矩形状に形成されている。溝92は、上下方向下側の底部92Aと、上方に開口する開口部92Bと、を備えている。溝92の内部には、可動部材60の下側板状部60Cが配置されている。溝92の幅方向両側と平面32との縁部には、角部が面取りされた傾斜面が設けられていない。
【0075】
上記の供給装置90でも、第1実施形態の供給装置10と同じ構成により、同じ効果を得ることができる。
【0076】
〔第3実施形態〕
次に、図11を用いて、第3実施形態の供給装置100について説明する。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0077】
図11に示されるように、供給装置100には、容器20内に板部材102が固定されている。板部材102は、シャフト30の軸方向から見て扇状に形成されている。板部材102は、円筒21に接触する円弧部102Aと、円弧部102Aの両端部からシャフト30側に延びた平坦部102Bと、平坦部102Bからシャフト30の周囲の一部を囲む湾曲形状に形成された湾曲角部102Cと、を備えている。円弧部102Aは、円筒21の内周面に接着等により固定されている。本実施形態では、湾曲角部102Cの角度は、一例として、90°とされている。板部材102の湾曲角部102Cの側には、板部材102と円筒21の内周面との間が開口された開口部104が形成されている。この開口部104からねじSが容器20の円板22の側へ供給されるようになっている。
【0078】
板部材102は、シャフト30の周囲にカム部68を備えている。板部材102の大径部68Bは、シャフト30を挟んですくい上げ部材28と反対側に設けられている。
【0079】
上記の供給装置90でも、第1実施形態の供給装置10と同じ構成により、同じ効果を得ることができる。
【0080】
なお、上記第1~第3実施形態において、可動部材60の形状は、変更が可能である。例えば、可動部材60は、平板状の部材であってもよい。
【0081】
また、上記第1~第3実施形態では、可動部材60の下側板状部60Cが溝34の底部34Aと開口部34Bとの間を往復する構成であるが、本発明はこの構成に限定するものではない。例えば、可動部材全体が溝の底部と開口部との間を往復する構成でもよい。
【0082】
また、上記第1~第3実施形態では、可動部材60の下側板状部60Cが溝34の開口部34Bに移動したときに、下側板状部60Cの端部61Bが溝34から突出しない構成であるが、本発明はこの構成に限定するものではない。例えば、可動部材が溝の開口部に移動したときに、可動部材全体又は可動部材の長手方向の少なくとも端部が溝から突出する構成でもよい。
【0083】
また、上記第1~第3実施形態では、可動部材60の下側板状部60Cの端部61Bが容器20内の出口としての貫通孔22Aの直前に設けられていたが、本発明はこの構成に限定するものではない。例えば、可動部材の長手方向の端部が容器内の出口から離れた位置に設けられていてもよい。
【0084】
また、上記第1~第3実施形態では、1つの板部材66、102に可動部材60を移動させるための大径部68Bと小径部68Aが設けられていたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、押しばねの弾性力に抗して可動部材を溝の底部に保持させる第一部材と、第一部材による押しばねの弾性力に抗する状態を解除して可動部材を溝の開口部に移動させる第二部材と、を別に設けてもよい。また、例えば、アクチュエータなどの独立した移動装置で可動部材を移動させる構成でもよい。
【0085】
また、上記第1~第3実施形態では、すくい上げ部材28によるねじSのすくい上げ回数と、大径部68Bによる押しばね64の弾性力の解除回数が、1回とされていたが、本発明はこの構成に限定するものでない。例えば、すくい上げ部材28によるねじSのすくい上げ回数と、大径部68Bによる押しばね64の弾性力の解除回数を2回以上としてもよい。
【0086】
また、上記第1~第3実施形態では、フランジS3を有するねじSが供給される供給装置であるが、フランジのないねじが供給される供給装置でもよい。また、部品が溝を移動する構成であれば、ねじ以外の部品が供給される供給装置でもよい。
【0087】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0088】
10 供給装置
20 容器
28 すくい上げ部材
22 円板(底の一例)
30 シャフト(軸体の一例)
34 溝
34A 底部
34B 開口部
60 可動部材
61A 端部(一端部の一例)
61B 端部(他端部の一例)
66 板部材
68A 小径部(第一部材の一例)
68B 大径部(第二部材の一例)
90 供給装置
92 溝
92A 底部
92B 開口部
100 供給装置
102 板部材
S ねじ(部品の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11