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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】血圧管理装置及び血圧管理方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
A61B5/022 500A
A61B5/022 ZDM
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018099810
(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公開番号】P2019201992
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博則
(72)【発明者】
【氏名】葉 思鋭
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/136626(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/174336(WO,A1)
【文献】特開2007-044419(JP,A)
【文献】特開2017-136175(JP,A)
【文献】特開2013-102999(JP,A)
【文献】特表2008-543389(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101779952(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血圧の測定によって得られる測定値を取得する取得部と、
血圧の変動特性に基づいて、複数の機会を含む単位測定期間を設定する設定部と、
前記測定値に基づいて、前記単位測定期間についての前記血圧の代表値を算出する算出部と、を備え、
前記算出部は、前記単位測定期間内において、2回目の測定が1回目の測定とは異なる機会に行われ、かつ、前記単位測定期間内において3回目の測定が前記2回目の測定と異なる機会に行われた場合に、前記1回目の測定により得られた第1測定値と前記2回目の測定により得られた第2測定値のみを用いて前記単位測定期間についての前記代表値を算出する、
血圧管理装置。
【請求項2】
血圧の測定によって得られる測定値を取得する取得部と、
血圧の変動特性に基づいて、複数の機会を含む単位測定期間を設定する設定部と、
前記測定値に基づいて、前記単位測定期間についての前記血圧の代表値を算出する算出部であって、
前記単位測定期間内において、2回目の測定が1回目の測定とは異なる機会に行われ、かつ、前記単位測定期間内において3回目の測定が前記2回目の測定と同一の機会に行われた場合に、前記1回目の測定により得られた第1測定値前記2回目の測定により得られた第2測定値及び前記3回目の測定により得られた第3測定値を用いて、前記単位測定期間についての前記代表値を算出する、算出部と、
を備え、
前記算出部による前記代表値の前記算出では、前記第1測定値の取得時から前記第2測定値の取得を待機する状態を終了するまでの最大の時間は、前記第2測定値の取得時から前記第3測定値の取得を待機する状態を終了するまでの最大の時間よりも長い、
血圧管理装置。
【請求項3】
血圧の測定によって得られる測定値を取得することと、
血圧の変動特性に基づいて、複数の機会を含む単位測定期間を設定することと、
前記測定値に基づいて、前記単位測定期間についての前記血圧の代表値を算出することであって、
前記単位測定期間内において、2回目の測定が1回目の測定とは異なる機会に行われ、かつ、前記単位測定期間内において3回目の測定が前記2回目の測定と異なる機会に行われた場合に、前記1回目の測定により得られた第1測定値と前記2回目の測定により得られた第2測定値のみを用いて、前記単位測定期間についての前記代表値を算出することと、
を備える、血圧管理方法。
【請求項4】
血圧の測定によって得られる測定値を取得することと、
血圧の変動特性に基づいて、複数の機会を含む単位測定期間を設定することと、
前記測定値に基づいて、前記単位測定期間についての前記血圧の代表値を算出することであって、
前記単位測定期間内において、2回目の測定が1回目の測定とは異なる機会に行われ、かつ、前記単位測定期間内において3回目の測定が前記2回目の測定と同一の機会に行われた場合に、前記1回目の測定により得られた第1測定値前記2回目の測定により得られた第2測定値及び前記3回目の測定により得られた第3測定値を用いて、前記単位測定期間についての前記代表値を算出することと、
前記第1測定値の取得時から前記第2測定値の取得を待機する状態を終了するまでの最大の時間は、前記第2測定値の取得時から前記第3測定値の取得を待機する状態を終了するまでの最大の時間よりも長いことと、
を備える、血圧管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の血圧値から血圧の代表値を算出する血圧管理装置及び血圧管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、連続した血圧測定により複数の測定値を取得し、その測定値の代表値を算出する血圧測定装置が開示されている。この血圧測定装置では、取得した測定値のうち、同一機会(例えば10分)内に測定された測定値を抽出する。そして、抽出した測定値の平均値を、血圧の代表値として表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-165812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
血圧は、測定時刻、測定環境、測定状況等によって変動する。例えば、起床後の測定によって得られる測定値は、測定者の体調等を的確に判断するために有用である。このため、起床後の測定値のような有用な測定値が、血圧の代表値に適切に反映されることが求められている。
【0005】
例えば、特許文献1の血圧測定装置では、特定の期間における代表値の算出において、2回目の測定が1回目の測定と異なる機会に行われた場合には、2回目の測定結果が血圧の代表値に反映されない。
【0006】
本発明は、上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、有用な測定結果が適切に反映された血圧の代表値を算出可能な、血圧管理装置及び血圧管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0008】
すなわち、本開示の一例に係る血圧管理装置は、血圧の測定によって得られる測定値を取得する取得部と、血圧の変動特性に基づいて、複数の機会を含む単位測定期間を設定する設定部と、前記測定値に基づいて、前記単位測定期間についての前記血圧の代表値を算出する算出部であって、前記単位測定期間内において、2回目の測定が1回目の測定とは異なる機会に行われた場合に、前記1回目の測定により得られた第1測定値と前記2回目の測定により得られた第2測定値の両方を用いて、前記単位測定期間についての前記代表値を算出する、算出部と、を備える。
【0009】
1機会には、1回以上の測定を含む一連の測定行動が行われる。1機会において、例えば、血圧の測定のための準備を開始してから、連続した複数回の血圧の測定を終えるまでの一連の行動が行われる。同一の機会に行われた測定は、例えば、10分以内に行われた測定である。また、血圧の代表値は、複数の測定値を用いて算出され、例えば、複数の測定値の平均値、中間値等である。
【0010】
上記構成によれば、例えば、特定の単位測定期間において2回目の測定が行われた場合には、2回目の測定が1回目の測定とは異なる機会に行われた場合であっても、1回目の測定結果及び2回目の測定結果を用いて、血圧の代表値を算出する。このため、2回目の測定が1回目の測定とは異なる機会に行われた場合であっても、規定数を満たし、かつ、有用な測定結果が適切に反映された、血圧の代表値を得ることができる。
【0011】
上記一例に係る血圧管理装置において、前記算出部は、1機会の測定行動に要する代表的な時間に基づいて、前記1回目の測定と前記2回目の測定が同一の機会に行われたか否かを判断する。
【0012】
上記一例に係る血圧管理装置において、前記算出部は、前記単位測定期間内において前記1回目の測定と前記2回目の測定が10分以内に行われた場合に、前記1回目の測定と前記2回目の測定が同一の機会に行われたと判断する。
【0013】
上記一例に係る血圧管理装置において、前記算出部は、前記単位測定期間内において前記2回目の測定が前記1回目の測定と同一の機会に行われ、かつ、前記単位測定期間内において3回目の測定が前記1回目の測定とは異なる機会に行われた場合に、前記第1測定値と、前記第2測定値のみを用いて、前記単位測定期間についての前記代表値を算出する。
【0014】
上記一例に係る血圧管理装置において、前記算出部は、前記単位測定期間内において前記2回目の測定が前記1回目の測定とは異なる機会に行われ、かつ、前記単位測定期間内において3回目の測定が前記2回目の測定と異なる機会に行われた場合に、前記第1測定値と前記第2測定値のみを用いて、前記代表値を算出する。
【0015】
上記一例に係る血圧管理装置において、前記算出部は、前記単位測定期間内において前記2回目の測定が前記1回目の測定とは異なる機会に行われ、かつ、前記単位測定期間内において3回目の測定が前記2回目の測定と同一の機会に行われた場合に、前記第1測定値、前記第2測定値、及び、前記3回目の測定により得られた第3測定値を用いて、前記代表値を算出する。
【0016】
上記一例に係る血圧管理装置において、前記算出部は、前記単位測定期間内における4回目以降の測定によって得られた測定値を、前記代表値の算出に用いない。
【0017】
上記構成によれば、特定の単位測定期間において血圧測定が4回以上行われた場合には、4回目以降の測定結果は、代表値に反映されない。これにより、血圧の代表値の算出を効率的に行うことができる。
【0018】
上記一例に係る血圧管理装置において、前記設定部は、前記単位測定期間を複数設定することにより、1日を複数の前記単位測定期間に分割する。
【0019】
上記構成によれば、1日(特定の時刻から次の日の同時刻までの24時間)のうち、いずれの単位測定期間にも該当しない時間は存在しない。すなわち、1日のうち全ての時刻が、いずれかの単位測定期間に含まれる。このため、いつ測定が行われても、測定結果が代表値の該当の単位測定期間における代表値に反映される。したがって、様々な生活習慣の測定者に対しても、有用な測定結果が適切に反映された血圧の代表値を算出することができる。
【0020】
上記一例に係る血圧管理装置において、前記設定部は、前記1回目の測定の測定時刻に基づいて、前記単位測定期間の終了時刻を設定する。
【0021】
上記構成によれば、測定情報に基づいて単位測定期間を設定することにより、測定者の生活習慣が一定でない場合においても、起床時の測定値のような有用な測定結果が適切に反映された、血圧の代表値を算出することができる。
【0022】
上記一例に係る血圧管理装置において、前記設定部は、前記単位測定期間として15時間以下の期間を設定する。
【0023】
上記一例に係る血圧管理装置において、前記取得部は、起床時刻をさらに取得し、前記設定部は、前記起床時刻を単位測定期間の開始時刻として設定し、前記起床時刻に基づいて、前記単位測定期間の終了時刻を設定する。
【0024】
上記構成によれば、起床時刻に基づいて、単位測定期間を設定することにより、測定者の生活習慣が一定でない場合においても、起床後の測定値のような有用な測定結果を容易に特定することができる。これにより、起床後の測定値のような有用な測定結果が適切に反映された、血圧の代表値を算出することができる。
【0025】
上記一例に係る血圧管理装置において、前記算出部による前記代表値の前記算出では、前記第1測定値の取得時から前記第2測定値の取得を待機する状態を終了するまでの最大の時間は、前記第2測定値の取得時から前記単位測定期間内において3回目の測定により得られた第3測定値の取得を待機する状態を終了するまでの最大の時間よりも長い。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、有用な測定結果が適切に反映された血圧の代表値を算出可能な、血圧管理装置及び血圧管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、適用例に係る血圧管理装置の機能構成を例示するブロック図である。
図2図2は、第1実施形態に係る血圧管理装置を含む血圧処理システムの構成を例示する模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係る血圧測定装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図5図5は、第1実施形態に係る医師端末のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図6図6は、第1実施形態に係るサーバのハードウェア構成を例示するブロック図である。
図7図7は、第1実施形態に係る血圧処理回路の機能構成を例示するブロック図である。
図8図8は、第1実施形態に係る血圧管理装置における代表値算出処理の手順を例示する状態遷移図である。
図9図9は、第1実施形態に係る血圧管理装置における代表値算出処理において代表値の算出に反映される測定値を例示する図である。
図10図10は、第1実施形態の第1変形例に係る血圧管理装置における代表値算出処理の手順を例示する状態遷移図である。
図11図11は、第1実施形態の第2変形例に係る血圧管理装置における代表値算出処理の手順を例示する状態遷移図である。
図12図12は、第1実施形態の第3変形例に係る血圧管理装置における代表値算出処理の手順を例示する状態遷移図である。
図13図13は、第2実施形態に係る血圧管理装置における代表値算出処理の手順を例示する状態遷移図である。
図14図14は、第3実施形態に係る血圧処理回路における、代表値算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。また、共通する参照符号を有する複数の構成要素を区別する場合、当該共通する参照符号に後続する追加符号を更に付して区別する。なお、複数の構成要素について特に区別を要さない場合、当該複数の構成要素には、共通する参照符号のみが付され、追加符号は付さない。
【0029】
1.適用例
まず、図1を用いて、本発明が適用される血圧管理装置の一例について説明する。
【0030】
図1に示すように、血圧管理装置1は、取得部2と、設定部3と、算出部4と、出力部5と、を備える。血圧管理装置1は、血圧処理プログラムに基づいて、代表値算出処理を実行する。血圧処理プログラムは、血圧管理プログラムの一例である。
【0031】
取得部2は、特定の測定者についての血圧の測定情報を取得する。測定情報は、センサを用いた血圧の測定によって得られた測定値を含む。血圧の測定値は、測定日時(測定日及び測定時刻)と関連付けられる。よって、測定情報は、血圧の測定値と測定日時とを含むことができる。
【0032】
設定部3は、血圧の変動特性に基づいて、単位測定期間を設定する。単位測定期間は、1回以上の測定が行われる機会を複数含む。単位測定期間は、例えば、時間帯に関する設定時刻、時間帯の切り替え時刻等である。時間帯に関する設定時刻は、例えば、時間帯の開始時刻及び終了時刻等を含む。
【0033】
算出部4は、取得部2から血圧の測定情報を取得し、設定部3から単位測定期間を取得する。算出部4は、血圧の測定値と、単位測定期間に基づいて、血圧の代表値を単位測定期間ごとに算出する。特定の単位測定期間における血圧の代表値は、例えば、特定の単位測定期間におけるつ以上の測定値を用いて算出される。単位測定期間における血圧の代表値は、例えば、特定の単位測定期間内に測定されたつ以上の測定値の平均値、中央値等である。出力部5は、算出された代表値を外部へ出力する。
【0034】
特定の単位測定期間において、1回目の測定を含む2回又は3回の測定が10分以内に行われた場合、算出部4は、10分以内に行われた測定による測定結果を用いて、血圧の代表値を算出する。算出部4は、特定の単位測定期間において、血圧の代表値が算出された後にさらに測定が行われても、血圧の代表値が算出された後の測定による測定結果に関しては、血圧の代表値に反映させない。
【0035】
ここで、「10分」は、「1機会の測定行動に要する代表的な時間」の一例である。1機会は、1回以上の測定を含む一連の測定行動を示す。1機会において、例えば、血圧の測定のための準備を開始してから、連続した複数回の血圧の測定を終えるまでの一連の行動が行われる。
【0036】
また、「2回又は3回」の血圧の測定は、「血圧の代表値の算出における規定の測定回数」の一例である。規定の測定回数は、代表値の算出に用いることが推奨されている血圧の測定の回数である。規定の測定回数は、血圧の測定についてのガイドライン等において、血圧の変動特性等に基づいて定められている。規定の測定回数は、例えば、「1回」、「2回」、「2回又は3回」等である。規定の測定回数が「2回又は3回」である場合、「2」が最小規定数となり、「3」が最大規定数となる。また、代表値の算出では、1機会の時間内に行われた測定による測定結果が用いられることが好ましい。
【0037】
このため、上述のような構成であれば、規定数を満たす数の測定値が反映された、血圧の代表値を算出することができる。
【0038】
また、特定の単位測定期間において、1回目の測定から10分以上経過後に2回目の測定が行われた場合でも、算出部4は、1回目の測定による測定結果と、2回目の測定による測定結果とを用いて、血圧の代表値を算出する。
【0039】
ここで、「1回目の測定から10分以上経過後に2回目の測定が行われた場合」は、「1回目の測定と2回目の測定が1機会の時間内に行われていない場合」の一例である。1回目の測定と2回目の測定が1機会の時間内に行われていない場合であっても、1回目の測定結果及び2回目の測定結果は、代表値の測定に用いる値として有用であることが知られている。
【0040】
このため、上述のような構成であれば、1回目の測定と2回目の測定が1機会の時間内に行われていない場合でも、有用な測定結果を用いて、代表値の算出が確実に行われる。これにより、規定数を満たす数の測定値が反映され、かつ、有用な血圧値が適切に反映された血圧の代表値を算出することができる。
【0041】
2.第1実施形態
上述の適用例に係る血圧管理装置の第1実施形態について、以下に説明する。以下では、血圧管理装置の一例としての血圧処理回路を有する血圧測定装置を含む、血圧処理システムについて説明する。
【0042】
2.1 全体構成例
図2は、本実施形態に係る血圧処理システムの適用場面の一例を模式的に例示する図である。本実施形態に係る血圧処理システムは、測定者から測定された血圧値を用いて、血圧の代表値を単位測定期間ごとに算出し、算出された代表値を保存又は提示するシステムである。
【0043】
血圧は、時間や測定環境、測定状況など、様々な要因で変動する。血圧の正しい測定方法は、血圧の変動特性に基づいて、各国のガイドライン等によって定められている。
【0044】
本実施形態に係る血圧処理システムは、2回又は3回の測定結果を用いて、特定の単位測定期間における代表値の算出を行うことが推奨された地域において使用されることを想定している。本実施形態に係る血圧処理システムは、例えば、米国等において使用されることを想定している。例えば、米国高血圧管理ガイドラインでは、血圧の変動特性等に基づいて、1日につき2機会以上で、かつ、各機会において2回以上の血圧の測定を行うことを推奨している。例えば、起きてから1時間以内、及び、就寝前に、血圧の測定を行うことが好ましい。
【0045】
図2に示すように、血圧処理システムは、血圧測定装置10と携帯端末30とを備える。血圧測定装置10と携帯端末30とは、近距離無線通信、又は有線通信により、接続される。血圧処理システムは、更に、医師端末50と、サーバ70と、を備えてもよい。この場合、携帯端末30は、ネットワークNWを経由して、医師端末50及びサーバ70のそれぞれと接続される。これにより、血圧測定装置10は、携帯端末30を介して、医師端末50及びサーバ70のそれぞれと接続され得る。即ち、血圧測定装置10は、携帯端末30を介して、医師端末50及びサーバ70のそれぞれと通信可能である。本実施形態では、携帯端末30、医師端末50及びサーバ70の間の通信は、例えば、ネットワークNWを介する通信が適用可能であるが、これに限定されず、近距離無線通信、又は有線通信が適用されてもよい。
【0046】
血圧測定装置10は、任意の測定箇所(例えば、手首)に装着可能な装置である。血圧測定装置10は、測定箇所における測定者の血圧値を測定する。血圧測定装置10は、血圧処理回路20を備える。血圧処理回路20は、血圧値の測定結果に基づいて、時間帯ごとの血圧の代表値を算出する。血圧測定装置10は、血圧値の測定結果及び代表値の算出結果等を含む血圧情報を、携帯端末30に送信することができる。血圧処理回路20は、血圧管理装置の一例である。「時間帯」は、「単位測定期間」の一例である。
【0047】
携帯端末30は、例えば、測定者が携帯可能な端末である。携帯端末30は、血圧測定装置10から血圧情報を受信する。携帯端末30は、受信した血圧情報を、医師端末50及びサーバ70に転送する。また、携帯端末30は、医師端末50から受信した診断情報等を表示する。
【0048】
医師端末50は、例えば、医師等が操作可能な端末である。医師端末50は、携帯端末30から血圧情報を受信する。医師端末50は、受信した血圧情報、及び、測定者に関する生体情報に基づいて、測定者に関する診断情報を生成する。医師端末50は、生成した診断情報を携帯端末30及びサーバ70に送信する。
【0049】
サーバ70は、携帯端末30及び医師端末50等から送信された情報を蓄積するサーバコンピュータである。
【0050】
2.2 ハードウェア構成例
本実施形態に係る血圧処理システムにおける各装置のハードウェア構成の一例について説明する。
【0051】
2.2.1 血圧測定装置のハードウェア構成例
まず、本実施形態に係る血圧測定装置10のハードウェア構成例について説明する。図3は、本実施形態に係る血圧測定装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係る血圧測定装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、操作部14、表示部15、血圧センサ16、及び、血圧処理回路20を備える。血圧測定装置10は、更に、加速度センサ17及び温湿度センサ18の少なくとも1つを備えてもよい。
【0052】
血圧処理回路20は、血圧管理装置の一例である。本実施形態では、血圧管理装置は血圧測定装置10に設けられているが、携帯端末30、医師端末50及びサーバ70のいずれかに設けられてもよい。
【0053】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う。また、制御部11は、図示しないクロックを含み、現在の日時を取得する機能を有する。制御部11は、取得した日時を表示部15に表示する機能を有してもよい。
【0054】
制御部11は、血圧センサ16、加速度センサ17、温湿度センサ18による測定結果、及び、血圧処理回路20による算出結果に基づき、血圧情報、活動情報、及び、環境情報を生成する。血圧情報は、例えば、血圧センサ16による測定者の血圧値の測定結果、血圧処理回路20による血圧の代表値の算出結果等を含む。活動情報は、加速度センサ17による測定に基づく、測定者の活動量、歩数、及び睡眠状態を含む。環境情報は、温湿度センサ18による測定に基づく、測定者の周辺の温度、及び湿度を含む。血圧情報、活動情報、及び環境情報の各々は、クロックにより取得した現在日時に基づく測定日時と関連付けられる。また、血圧情報、活動情報、及び環境情報の各々は、血圧測定装置10を一意に識別する機器IDと更に関連付けられてもよい。
【0055】
記憶部12は、例えば、ソリッドステイトドライブ等の補助記憶装置である。血圧測定装置10が、時計型のような小型機器では無く或る程度大きな機器として構成される場合には、記憶部12は、ハードディスクドライブであってもよい。記憶部12は、制御部11で実行されるプログラム、血圧情報、活動情報、及び環境情報等を記憶する。
【0056】
通信部13は、携帯端末30との通信を司る通信インタフェースである。通信部13は、例えば、血圧情報、活動情報、及び環境情報等を携帯端末30へ送信する。本実施形態では、通信部13による携帯端末30との通信は、例えば、ブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信が適用可能であるが、これに限定されない。通信部13による通信は、例えば、LAN(Local Area Network)のようなネットワークNWを介する通信、又は通信ケーブルを用いた有線の通信が適用されてもよい。
【0057】
操作部14は、例えば、タッチパネル及び操作ボタン等のユーザインタフェースを含む。操作部14は、当該ユーザインタフェースを介して測定者による操作を検出し、当該操作の内容を示す信号を制御部11に出力する。
【0058】
表示部15は、例えば、表示画面(例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又はEL(Electroluminescence)ディスプレイ等)及びインジケータ等を含む。表示部15は、制御部11からの信号にしたがって情報を表示し、測定者へ通知する。例えば、表示部15は、記憶部12に記憶された血圧情報、活動情報、及び環境情報等を表示することができる。
【0059】
血圧センサ16は、測定者の血圧値を測定する。血圧値は、例えば、最高血圧及び最低血圧等の代表的な指数を含む。以下の説明では一例として、血圧値が最高血圧であるものとして説明するが、最低血圧及びその他の指数が最高血圧に代えて用いられてもよく、これらの複数の指数が組み合わせて用いられてもよい。
【0060】
血圧センサ16は、例えば、測定者の血圧を、心拍の一拍ごと(連続的)に測定可能な連続測定型でもよく、所定の時期についてスポット(非連続的)で測定可能な非連続測定型でもよい。連続測定型の血圧センサ16には、例えば、脈波伝播時間(PTT;Pulse Transmit Time)に基づいて測定者の血圧を連続的に測定する手法、及び圧脈波に基づいて血圧を連続的に測定する手法(トノメトリ法)等が適用可能である。なお、連続的に血圧を測定する手法は、上述の例に限らず、発光素子を用いて脈波を検出する手法等が適宜適用可能である。非連続測定型の血圧センサ16には、例えば、カフを圧力センサとして用いて血管を圧迫することで脈波を検出する手法(オシロメトリック法)が適用可能である。
【0061】
加速度センサ17は、血圧測定装置10の装着箇所において生じる測定者の加速度を、3軸成分の組として検出する。また、加速度センサ17は、ジャイロセンサを更に含んでもよく、加速度に加えて、角速度を3軸成分の組として更に検出してもよい。
【0062】
温湿度センサ18は、測定者の周辺の温度及び湿度を測定する。
【0063】
血圧処理回路20は、制御部11が血圧センサ16での測定結果から生成した血圧情報を用いて、血圧の代表値を時間帯ごとに算出する。血圧処理回路20は、血圧測定装置10、携帯端末30、医師端末50及びサーバ70のいずれかに設けられてもよい。
【0064】
血圧処理回路20は、例えばプロセッサ20aとメモリ20bとを備える。血圧処理回路20は、プロセッサ20aがメモリ20bに記憶されたプログラムを実行することにより、各種の動作制御およびデータ処理などを実現する。また、血圧処理回路20は、図示しないクロックを有し、現在の日時を計時することができる。
【0065】
プロセッサ20aは、例えば演算回路を含むCPUやMPU(Micro Processing Unit)などである。プロセッサ20aは、メモリ20bまたは記憶部12が記憶するプログラムを実行することにより各部の制御およびデータ処理が実行可能である。
【0066】
メモリ20bは、例えば、プロセッサ20aが実行するプログラムを記憶する不揮発性のメモリ、及び、ワーキングメモリとして使用するRAMなどの揮発性メモリを含む。
【0067】
血圧処理回路20は、血圧処理プログラムに基づいて、代表値算出処理を実行する。血圧処理プログラムは、血圧管理プログラムの一例である。血圧処理回路20による代表値算出処理については、後述する。血圧処理プログラムは、代表値算出処理を、血圧処理回路20に実行させるためのプログラムである。血圧処理プログラムは、メモリ20bに記憶されていてもよく、記憶部12に記憶されていてもよい。
【0068】
なお、制御部11が血圧処理回路20として機能してもよい。即ち、制御部11が血圧処理回路20を兼用してもよい。この場合、制御部11のCPUが血圧処理回路20のプロセッサ20aとなり、制御部11のROMが血圧処理回路20のメモリ20bの不揮発性メモリとなり、制御部11のRAMが血圧処理回路20のメモリ20bの揮発性メモリとなる。
【0069】
2.2.2 携帯端末のハードウェア構成例
次に、携帯端末30のハードウェア構成例について説明する。図4は、本実施形態に係る携帯端末30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係る携帯端末30は、制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、表示部35、及びGPS(Global Positioning System)受信機36を備える。
【0070】
制御部31及び記憶部32はそれぞれ、血圧測定装置10の制御部11及び記憶部12と同様である。携帯端末30の記憶部32は、血圧測定装置10から受信した情報及びGPS受信機36によって生成される位置情報を記憶する。血圧測定装置10から受信した情報は、血圧情報、活動情報、環境情報等を含む。
【0071】
通信部33は、血圧測定装置10、医師端末50及びサーバ70との通信を司る通信インタフェースである。通信部33は、例えば、血圧情報、活動情報、及び環境情報等を、血圧測定装置10から受信する。また、通信部33は、血圧情報、活動情報、環境情報、位置情報等を医師端末50及びサーバ70に送信する。
【0072】
操作部34及び表示部35はそれぞれ、血圧測定装置10の操作部14及び表示部15と同様である。
【0073】
GPS受信機36は、携帯端末30の位置を測位し、位置情報を生成する。位置情報は、例えば、測位日時、並びに測位日時における携帯端末30の緯度、及び経度を含む。GPS受信機36による測位は、例えば、血圧測定装置10の血圧センサ16の測定と同期して行うことが可能である。
【0074】
2.2.3 医師端末のハードウェア構成例
次に、医師端末50のハードウェア構成例について説明する。図5は、本実施形態に係る医師端末50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、本実施形態に係る医師端末50は、制御部51、記憶部52、通信部53、操作部54、及び、表示部55を備える。
【0075】
制御部51及び記憶部52はそれぞれ、血圧測定装置10の制御部11及び記憶部12と同様である。医師端末50の制御部51は、測定者に関する生体情報、測定者に関する診断情報等を生成する。
【0076】
医師端末50の記憶部52は、携帯端末30から転送された情報、測定者に関する生体情報、測定者に関する診断情報等を一時的に記憶する。
【0077】
通信部53は、携帯端末30及びサーバ70との通信を司る通信インタフェースである。通信部53は、例えば、血圧情報、活動情報、及び環境情報等を、携帯端末30から受信する。また、通信部53は、測定者に関する生体情報及び測定者に関する診断情報等を携帯端末30及びサーバ70に送信する。
【0078】
操作部54及び表示部55はそれぞれ、血圧測定装置10の操作部14及び表示部15と同様である。
【0079】
2.2.4 サーバのハードウェア構成例
次に、サーバ70のハードウェア構成例について説明する。図6は、本実施形態に係るサーバ70のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、本実施形態に係るサーバ70は、制御部71、記憶部72、及び、通信部73を備える。
【0080】
制御部71及び記憶部72はそれぞれ、血圧測定装置10の制御部11及び記憶部12と同様である。サーバ70の記憶部72は、携帯端末30及び医師端末50から送信された情報等を記憶する。
【0081】
通信部73は、携帯端末30及び医師端末50との通信を司る通信インタフェースである。通信部73は、例えば、血圧情報、活動情報、及び環境情報等を、携帯端末30から受信する。通信部73は、例えば、血圧情報、活動情報、及び環境情報等を、医師端末50から受信する。また、通信部73は、測定者に関する生体情報、測定者に関する診断情報等を、医師端末50から受信する。通信部73は、記憶部72に記憶した情報を、携帯端末30及び医師端末50に送信する。
【0082】
2.3 機能構成例
次に、本実施形態に係る血圧処理システムの機能構成の一例について説明する。
【0083】
2.3.1 血圧処理回路の機能構成例
図7は、本実施形態に係る血圧処理システムの血圧処理回路20の機能構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【0084】
血圧処理回路20のプロセッサ20aは、メモリ20bの不揮発性メモリに記憶された血圧処理プログラムをメモリ20bの揮発性メモリに展開する。そして、プロセッサ20aは、揮発性メモリに展開された血圧処理プログラムを解釈及び実行することで、取得部21、設定部22、算出部23、及び出力部24として機能する。
【0085】
メモリ20bの揮発性メモリには、設定情報27、血圧情報26、血圧の代表値等が一時的に記憶される。血圧情報26は、制御部11からの測定情報である血圧の測定値と測定日時、及び、算出部23で算出された血圧の代表値等を含む。設定情報27は、設定部22で設定された単位測定期間に関する情報等を含む。
【0086】
取得部21は、測定情報を取得し、この取得した測定情報を、血圧情報26としてメモリ20bに記憶するとともに、算出部23に伝達する。
【0087】
設定部22は、血圧の変動特性に基づいて、単位測定期間を設定する。単位測定期間は、メモリ20b又は記憶部12に予め記憶されていてもよく、操作部14において入力されてもよい。単位測定期間は、複数の機会を含む。単位測定期間は、例えば、各時間帯の設定時刻を含む。各時間帯の設定時刻は、例えば、朝の時間帯の設定時刻と、夜の時間帯の設定時刻とを含む。設定部22は、単位測定期間の切り替え時刻を設定することで、各単位測定期間を設定することができる。設定部22は、設定した切り替え時刻を、設定情報27としてメモリ20bに記憶するとともに、算出部23に伝達する。
【0088】
算出部23は、血圧情報26と設定情報27とに基づいて、血圧の代表値を時間帯ごとに算出する。設定部22及び算出部23による代表値算出処理については、後述する。
【0089】
特定の単位測定期間における血圧の代表値は、例えば、特定の単位測定期間内に測定された複数の測定値を用いて算出される。特定の単位測定期間における血圧の代表値は、例えば、単位測定期間内に測定された複数の測定値の平均値、中央値、等である。
【0090】
出力部24は、算出部23で算出された血圧の代表値を取得する。出力部24は、取得した血圧の代表値を、記憶部12等に出力する。
【0091】
2.4 動作例
次に、本実施形態に係る血圧処理システムの動作例について説明する。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0092】
2.4.1 血圧処理回路の動作例
図8は、本実施形態に係る血圧処理回路20における、設定部22及び算出部23による代表値算出処理の手順の一例を模式的に示す図である。
【0093】
本実施形態では、設定部22は、単位測定期間の設定において、0時から12時までの時刻を朝の時間帯として設定し、12時から24時(0時)までの時刻を夜の時間帯として設定している。この場合、設定部22は、0時及び12時を、時間帯の切り替え時刻として設定している。設定部22は、単位測定期間を複数設定することにより、1日(例えば、特定の時刻から次の日の同時刻までの24時間)を複数の単位測定期間に分割している。朝の時間帯は、例えば、第1単位測定期間の一例であり、夜の時間帯は、例えば、第2単位測定期間の一例である。
【0094】
特定の単位測定期間における代表値算出処理では、算出部23は、まず、単位測定期間の開始時刻に、第1状態M1となる。第1状態M1では、算出部23は、取得部21において測定情報が取得されるまで、第1状態M1で待機する。
【0095】
第1状態M1において、取得部21が制御部11から測定情報を取得すると、プロセッサ20aは、第1状態M1から第2状態M2に遷移する。このとき、算出部23は、特定の時間帯における第1測定情報として、取得した測定情報をメモリ20bに記憶する。第1測定情報は、特定の時間帯における1回目の測定によって得られた測定結果である。第1測定情報は、第1測定値と、第1測定時刻とを含む。第1測定値は、特定の時間帯における1回目の測定による測定値である。第1測定時刻は、特定の時間帯における1回目の測定の測定時刻である。
【0096】
第2状態M2において、第1測定時刻から10分以内に、取得部21が制御部11から測定情報を取得すると、プロセッサ20aは、第2状態M2から第3状態M3に遷移する。このとき、算出部23は、特定の時間帯における第2測定情報として、取得した測定情報をメモリ20bに記憶する。第2測定情報は、特定の時間帯における2回目の測定によって得られた測定結果である。第2測定情報は、第2測定値と、第2測定時刻とを含む。第2測定値は、特定の時間帯における2回目の測定による測定値である。第2測定時刻は、特定の時間帯における2回目の測定の測定時刻である。第1測定時刻と第2測定時刻との差は、10分以内である。「10分」は、「1機会の測定行動に要する代表的な時間」の一例である。
【0097】
第2状態M2において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、第1測定時刻から10分が経過すると、算出部23は、第4状態M4に遷移する。
【0098】
第2状態M2において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第1測定時刻から10分以内に、0時または12時になると、算出部23は、第2状態M2から第1状態M1に遷移する。このとき、算出部23は、時間帯が切り替わったと判断する。「0時」及び「12時」は、「時間帯の切替え時刻」の一例である。
【0099】
例えば、第2状態M2において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第1測定時刻から10分以内に、0時になった場合、算出部23は、夜の時間帯が終了し、朝の時間帯が開始したと判断する。また、第2状態M2において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第1測定時刻から10分以内に、12時になった場合、算出部23は、朝の時間帯が終了し、夜の時間帯が開始したと判断する。
【0100】
第3状態M3において、第1測定時刻から10分以内に、取得部21が制御部11から測定情報を取得すると、プロセッサ20aは、第3状態M3から第6状態M6に遷移する。このとき、算出部23は、特定の時間帯における第3測定情報として、取得した測定情報をメモリ20bに記憶する。第3測定情報は、特定の時間帯における3回目の測定によって得られた測定結果である。第3測定情報は、第3測定値と、第3測定時刻と、を含む。第3測定値は、特定の時間帯における3回目の測定による測定値である。第3測定時刻は、特定の時間帯における3回目の測定の測定時刻である。第1測定時刻と第3測定時刻との差は、10分以内である。算出部23は、特定の時間帯における第1測定情報、第2測定情報及び第3測定情報がメモリ20bに記憶された状態で、第6状態M6に遷移する。
【0101】
第3状態M3において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、第1測定時刻から10分が経過すると、算出部23は、第3状態M3から第6状態M6に遷移する。このとき、算出部23は、第1測定情報及び第2測定情報がメモリ20bに記憶された状態で、第6状態M6に遷移する。
【0102】
第3状態M3において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第1測定時刻から10分以内に、0時または12時になると、算出部23は、第3状態M3から第7状態M7に遷移する。このとき、算出部23は、特定の時間帯から次の時間帯に切り替わったと判断する。算出部23は、特定の時間帯における第1測定情報及び第2測定情報がメモリ20bに記憶された状態で、第7状態M7に遷移する。
【0103】
第4状態M4において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、0時または12時になると、算出部23は、第4状態M4から第1状態M1に遷移する。このとき、算出部23は、特定の時間帯から次の時間帯に切り替わったと判断する。
【0104】
第4状態M4において、取得部21が制御部11から測定情報を取得すると、プロセッサ20aは、第4状態M4から第5状態M5に遷移する。このとき、算出部23は、特定の時間帯における第2測定情報として、取得した測定情報をメモリ20bに記憶する。第1測定時刻と第2測定時刻との差は、10分よりも大きい。
【0105】
第5状態M5において、第2測定時刻から10分以内に、取得部21が制御部11から測定情報を取得すると、プロセッサ20aは、第5状態M5から第6状態M6に遷移する。このとき、算出部23は、特定の時間帯における第3測定情報として、取得した測定情報をメモリ20bに記憶する。第2測定時刻と第3測定時刻との差は、10分以内である。算出部23は、特定の時間帯における第1測定情報、第2測定情報及び第3測定情報がメモリ20bに記憶された状態で、第6状態M6に遷移する。
【0106】
第5状態M5において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、第2測定時刻から10分が経過すると、算出部23は、第5状態M5から第6状態M6に遷移する。算出部23は、特定の時間帯における第1測定情報及び第2測定情報がメモリ20bに記憶された状態で、第6状態M6に遷移する。
【0107】
第5状態M5において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第2測定時刻から10分以内に、0時または12時になると、算出部23は、第5状態M5から第7状態M7に遷移する。このとき、算出部23は、特定の時間帯から次の時間帯に切り替わったと判断する。算出部23は、特定の時間帯における第1測定情報及び第2測定情報がメモリ20bに記憶された状態で、第7状態M7に遷移する。
【0108】
第6状態M6では、算出部23は、メモリ20bに記憶された測定情報を用いて、特定の時間帯における血圧の代表値の算出を行う。算出部23は、算出された代表値を、メモリ20bに記憶するとともに出力部24に伝達する。
【0109】
第6状態M6において、0時または12時になると、算出部23は、特定の時間帯から次の時間帯に切り替わったと判断し、第6状態M6から第1状態M1に遷移する。つまり、第6状態M6での代表値算出後は、取得部21において測定情報が取得されても、それは代表値の算出には用いられない。
【0110】
第7状態M7では、算出部23は、メモリ20bに記憶された測定情報を用いて、特定の時間帯における血圧の代表値の算出を行う。算出部23は、算出された代表値を、メモリ20bに記憶するとともに出力部24に伝達する。第7状態M7における血圧の代表値の算出は、例えば、第6状態M6における血圧の代表値の算出と同様にして、行われる。第7状態M7では、算出部23は、代表値の算出が終了すると即時に、第1状態M1に遷移する。
【0111】
2.5 作用・効果
本実施形態の効果について、図9を用いて以下に説明する。図9は、本実施形態に係る血圧処理回路20によって、代表値算出処理に採用される測定情報の例を示す。
【0112】
図9の例では、血圧の測定が行われたことを、×印で示す。複数の×印が隣接している場合は、10分以内に複数回の測定が行われたことを示す。「10分以内」は、「1機会の時間内」の一例である。1機会は、例えば、一般的に1つの行動に要する時間である。1機会は、例えば、10分である。
【0113】
例えば、パターン1では、07:00から07:30までの時間において、3回の測定が10分以内に行われたことを示す。また、×印の間が隣接していない場合は、該当する測定時刻の間が10分以上離れていることを示す。なお、図9の例では、07:00よりも前の時間、及び、14:00以降には、測定は行われていないこととする。
【0114】
また、図9の例では、測定結果のうち、血圧の代表値の算出に用いられる測定結果を、太線で囲って示す。例えば、パターン1では、夜の時間帯において、4回の血圧の測定が行われ、1回目から3回目の測定による測定結果が、血圧の代表値の算出に用いられ、血圧の代表値に反映される。
【0115】
例えば、パターン7では、朝の時間帯において1回の血圧の測定が行われている。1回目の測定は、07:00から07:30までの時間に行われている。この場合、算出部23は、第1状態M1、第2状態M2、第1状態M1の順に遷移する。したがって、パターン7の朝の時間帯では、算出部23は、第6状態M6又は第7状態M7に遷移しないため、代表値の算出は行われない。
【0116】
前述のように、本実施形態は、2回以上の測定結果を用いて、特定の単位測定期間における代表値の算出を行うことが推奨された地域において使用されることを想定している。本実施形態によれば、特定の時間帯において血圧測定が1回のみ行われた場合は、血圧の代表値の算出は行われない。したがって、規定数を満たさない測定結果を用いて、血圧の代表値が算出されることが防止される。これにより、血圧値について、測定回数の規定を満たした代表値を得ることができる。
【0117】
また、例えば、パターン1では、夜の時間帯において4回の血圧の測定が行われている。1回目から3回目までの測定は、12:00から12:30までの時間に行われている。1回目から3回目までの測定は、10分間以内に行われている。4回目の測定は、13:00から13:30までの時間に行われている。4回目の測定は、1回目の測定から10分以上経過した後に行われている。
【0118】
パターン1では、夜の時間帯において、算出部23は、第1状態M1、第2状態M2、第3状態M3、第6状態M6の順に遷移する。第6状態M6での代表値の算出では、1回目から3回目までの測定による測定結果が、朝の時間帯についての血圧の代表値に反映される。また、算出部23は、3回目の測定が行われると、血圧の代表値の算出を開始する。このため、第6状態M6において4回目の測定が行われても、測定値は血圧の代表値に反映されない。
【0119】
前述のように、本実施形態は、2回以上の測定結果を用いて、特定の単位測定期間における代表値の算出を行うことが推奨された地域において使用されることを想定している。このため、特定の時間帯についての血圧の代表値の算出では、3回の測定結果が反映されていれば十分である。本実施形態によれば、特定の時間帯において血圧測定が4回以上行われた場合には、4回目以降の測定結果は、代表値に反映されない。これにより、血圧の代表値の算出を効率的に行うことができる。
【0120】
また、例えば、パターン2では、夜の時間帯において3回の血圧の測定が行われている。1回目及び2回目の測定は、12:00から12:30までの時間に行われている。1回目及び2回目の測定は、10分間以内に行われている。3回目の測定は、13:00から13:30までの時間に行われている。3回目の測定は、2回目の測定から10分以上経過した後に行われている。
【0121】
パターン2では、夜の時間帯において、算出部23は、第1状態M1、第2状態M2、第3状態M3、第6状態M6の順に遷移する。第6状態M6での代表値の算出では、1回目及び2回目の測定における測定結果が、夜の時間帯についての血圧の代表値に反映される。また、算出部23は、1回目の測定から10分が経過すると、血圧の代表値の算出を開始する。このため、第6状態M6において3回目の測定が行われても、測定値は血圧の代表値に反映されない。
【0122】
前述のように、本実施形態は、2回以上の測定結果を用いて、特定の単位測定期間における代表値の算出を行うことが推奨された地域において使用されることを想定している。一方、1回目の測定から10分以上経過した後の測定による測定結果は、代表値の算出に適さないことがある。本実施形態によれば、特定の時間帯において2回以上の測定値が得られており、かつ、1回目の測定から10分以上経過した後に測定が行われた場合には、1回目の測定から10分以上経過した後の測定による測定結果は、代表値に反映されない。これにより、血圧値について、測定回数の規定を満たし、かつ、不要な測定結果が反映されない適切な代表値を得ることができる。
【0123】
また、例えば、パターン6では、夜の時間帯において2回の血圧の測定が行われている。1回目の測定は、12:00から12:30までの時間に行われている。2回目の測定は、12:30から13:00までの時間に行われている。2回目の測定は、1回目の測定から10分以上経過した後に行われている。
【0124】
パターン6では、夜の時間帯において、算出部23は、第1状態M1、第2状態M2、第4状態M4、第5状態M5、第6状態M6の順に遷移する。第6状態M6では、1回目及び2回目の測定における測定結果が、夜の時間帯についての血圧の代表値に反映される。
【0125】
また、例えば、パターン6では、朝の時間帯において3回の血圧の測定が行われている。1回目の測定は、07:00から07:30までの時間に行われている。2回目の測定は、07:30から08:00までの時間に行われている。2回目の測定は、1回目の測定から10分以上経過した後に行われている。3回目の測定は、08:00から08:30までの時間に行われている。3回目の測定は、2回目の測定から10分以上経過した後に行われている。
【0126】
パターン6では、朝の時間帯において、算出部23は、第1状態M1、第2状態M2、第4状態M4、第5状態M5、第6状態M6の順に遷移する。第6状態M6では、1回目及び2回目の測定における測定結果が、朝の時間帯についての血圧の代表値に反映される。また、算出部23は、2回目の測定から10分が経過すると、血圧の代表値の算出を開始する。このため、第6状態M6において3回目の測定が行われても、測定値は血圧の代表値に反映されない。
【0127】
ここで、単位測定期間内において、1回目の測定と2回目の測定の間に別の作業を行うことにより、1回目の測定から10分以上が経過した後に2回目の測定を行うことがある。この場合、1回目の測定結果及び2回目の測定結果は、単位測定期間内に行われているため、代表値の算出に有用である。しかし、2回目の測定が1回目の測定と同一機会に行われていないため、1回目の測定結果及び2回目の測定結果が血圧の代表値の算出に有用であるにも関わらず、1回目の測定結果及び2回目の測定結果が反映された血圧の代表値が、算出されないことがある。
【0128】
本実施形態によれば、特定の時間帯において2回目の測定が行われた場合には、2回目の測定が1回目の測定から10分以上経過した後に行われた場合であっても、1回目の測定結果及び2回目の測定結果を用いて、血圧の代表値を算出する。このため、2回目の測定が1回目の測定から10分以上経過した後に行われた場合であっても、規定数を満たし、かつ、有用な測定結果が適切に反映された、血圧の代表値を得ることができる。
【0129】
また、例えば、パターン5では、朝の時間帯において3回の血圧の測定が行われている。1回目の測定は、07:00から07:30までの時間に行われている。2回目及び3回目の測定は、07:30から08:00までの時間に行われている。2回目の測定は、1回目の測定から10分以上経過した後に行われている。2回目及び3回目の測定は、10分間以内に行われている。
【0130】
パターン5では、朝の時間帯において、算出部23は、第1状態M1、第2状態M2、第4状態M4、第5状態M5、第6状態M6の順に遷移する。第6状態M6では、1回目から3回目までの測定における測定結果が、朝の時間帯についての血圧の代表値に反映される。
【0131】
また、例えば、パターン5では、夜の時間帯において4回の血圧の測定が行われている。1回目の測定は、12:30から13:00までの時間に行われている。2回目及び3回目の測定は、13:00から13:30までの時間に行われている。2回目の測定は、1回目の測定から10分以上経過した後に行われている。2回目及び3回目の測定は、10分間以内に行われている。そして、4回目の測定は、13:30から14:00までの時間に行われている。4回目の測定は、3回目の測定から10分以上経過した後に行われている。
【0132】
パターン5では、夜の時間帯において、算出部23は、第1状態M1、第2状態M2、第4状態M4、第5状態M5、第6状態M6の順に遷移する。第6状態M6では、1回目から3回目までの測定における測定結果が、夜の時間帯についての血圧の代表値に反映される。また、算出部23は、3回目の測定が行われると、血圧の代表値の算出を開始する。このため、第6状態M6において4回目の測定が行われても、測定値は血圧の代表値に反映されない。
【0133】
ここで、血圧の測定において、1回目の測定と2回目の測定の間に別の作業を行うことにより、1回目の測定から10分以上が経過した後に2回目の測定を行い、さらに、2回目の測定から10分以内に3回目の測定を行うことがある。この場合、2回目の測定が1回目の測定と同一機会に行われていないため、1回目から3回目までの測定による測定結果が血圧の代表値の算出に有用であるにも関わらず、1回目から3回目までの測定による測定結果が、血圧の代表値に適切に反映されないことがある。
【0134】
本実施形態によれば、特定の時間帯において、2回目の測定が1回目の測定から10分以上経過した後に行われ、かつ、3回目の測定が2回目の測定から10分以内に行われた場合には、1回目から3回目までの測定による測定結果を用いて、血圧の代表値を算出する。このため、有用な測定結果がより適切に反映された、血圧の代表値を得ることができる。
【0135】
ここで、測定者がパターン1に示すような生活習慣を有する場合、例えば、測定者は、07:00から07:30の間において就寝前の血圧の測定を行い、12:00から12:30の間に起床後の血圧値を測定する。この場合、12:00から12:30の間の測定による測定結果は、起床後の血圧値として、血圧の代表値の算出に有用である。
【0136】
本実施形態では、0時から12時までの時刻が朝の時間帯として設定され、12時から24時までの時刻が夜の時間帯として設定されている。このため、07:00から07:30の間の測定による測定結果が、第1単位測定期間の代表値の算出に反映され、12:00から12:30の間の測定による測定結果が、第2単位測定期間の代表値の算出に反映される。したがって、測定者がパターン1に示すような生活習慣を有する場合であっても、起床後の血圧値のような有用な値が、血圧の代表値に反映される。
【0137】
このように、本実施形態では、朝の時間帯及び夜の時間帯のいずれにも該当しない時刻は設けられない。すなわち、1日のうち、いずれの単位測定期間にも該当しない時間は存在しない。したがって、1日のうち全ての時刻が、いずれかの単位測定期間に含まれる。このため、本実施形態によれば、生活時間帯が変化するシフトワーカーや複数の標準時を跨いて生活する人が測定者であっても、有用な測定結果が適切に反映された血圧の代表値を算出することができる。
【0138】
また、本実施形態では、算出部23は、第2状態M2において第2測定情報が取得されたことに基づいて第3状態M3に遷移する。また、算出部23は、第4状態M4において第2測定情報が取得されたことに基づいて第5状態M5に遷移する。そして、第3状態M3及び第5状態M5では、第3測定情報の取得を待機する。そして、第3状態M3及び第5状態M5では、第3測定情報が取得されたか否かに関わらず、第2測定時刻から10分以内に第6状態M6又は第7状態M7のいずれかに遷移する。このため、第2測定情報の取得時から、第3測定情報の取得を待機する状態は10分以内に終了する。
【0139】
一方、算出部23は、第1状態M1において第1測定情報が取得されたことに基づいて第2状態M2に遷移する。そして、第2状態M2では、第2測定情報の取得を待機する。そして、第2状態M2では、第2測定情報が取得されない場合、時間帯の切り替え時刻になるまで第2測定情報の取得を待機する。このため、第1測定情報の取得時から、第2測定情報の取得を待機する状態は例えば数時間維持され得る。したがって、第1測定情報の取得時から第2測定情報の取得を待機する状態が終了するまでの最大の時間は、第2測定情報の取得時から第3測定情報の取得を待機する状態が終了するまでの最大の時間よりも長い。
【0140】
2.6 第1実施形態の第1変形例
第1実施形態に係る第1変形例について、以下に説明する。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。
【0141】
図10は、本変形例に係る血圧処理回路20における、設定部22及び算出部23による代表値算出処理の手順の一例を模式的に示す図である。
【0142】
本変形例では、設定部22は、単位測定期間の設定において、4時から11時までの時刻を朝の時間帯として設定し、19時から2時までの時刻を夜の時間帯として設定している。設定部22は、4時を朝の時間帯の開始時刻として設定し、11時を朝の時間帯の終了時刻として設定する。また、設定部22は、19時を夜の時間帯の開始時刻として設定し、2時を夜の時間帯の終了時刻として設定する。そして、設定部22は、4時、11時、19時及び2時を、時間帯の切り替え時刻として設定する。朝の時間帯は、例えば、第1単位測定期間の一例であり、夜の時間帯は、例えば、第2単位測定期間の一例である。
【0143】
本変形例における、特定の単位測定期間における代表値算出処理では、第2状態M2において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第1測定時刻から10分以内に、2時または11時になると、算出部23は、第2状態M2から第8状態M8に遷移する。このとき、算出部23は、朝の時間帯又は夜の時間帯が終了したと判断する。
【0144】
第3状態M3において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第1測定時刻から10分以内に、2時または11時になると、算出部23は、第3状態M3から第7状態M7に遷移する。このとき、算出部23は、朝の時間帯又は夜の時間帯が開始したと判断する。算出部23は、特定の時間帯における第1測定情報及び第2測定情報がメモリ20bに記憶された状態で、第7状態M7に遷移する。
【0145】
第4状態M4において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、2時または11時になると、算出部23は、第4状態M4から第8状態M8に遷移する。このとき、算出部23は、朝の時間帯又は夜の時間帯が終了したと判断する。
【0146】
第5状態M5において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第2測定時刻から10分以内に、2時または11時になると、算出部23は、第5状態M5から第7状態M7に遷移する。このとき、算出部23は、朝の時間帯又は夜の時間帯が終了したと判断する。算出部23は、特定の時間帯における第1測定情報及び第2測定情報がメモリ20bに記憶された状態で、第7状態M7に遷移する。
【0147】
第6状態M6又は第7状態M7において、代表値の算出が終了すると即時に、算出部23は、第8状態M8に遷移する。
【0148】
第8状態M8では、算出部23は、4時又は19時になるまで待機する。4時又は19時になると、算出部23は、第8状態M8から第1状態M1に遷移する。このとき、算出部23は、朝の時間帯又は夜の時間帯が開始したと判断する。
【0149】
本変形例では、夜の時間帯の終了時刻は、2時に設定されている。このため、翌日0時から2時までの間に夜の時間帯における血圧の測定が行われた場合でも、測定情報が夜の時間帯の測定値として、前日から続く夜の時間帯についての血圧の代表値の算出に用いられる。これにより、例えば、0時以降から2時までの間に、夜の時間帯における就寝前の血圧の測定を行う測定者であっても、測定情報が代表値に適切に反映される。本変形例のように単位測定期間を、測定者の生活習慣、文化等に応じて適切に設定することにより、より精度の高い血圧の代表値を得ることができる。
【0150】
2.7 第1実施形態の第2変形例
第1実施形態に係る第2変形例について、以下に説明する。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。
【0151】
図11は、本変形例に係る血圧処理回路20における、設定部22及び算出部23による代表値算出処理の手順の一例を模式的に示す図である。
【0152】
本変形例では、設定部22は、単位測定期間の設定において、測定情報に基づいて、時間帯の切り替え時刻を設定する。設定部22は、特定の時間帯における1回目の測定から6時間後の時刻を、特定の時間帯の終了時刻として設定する。算出部23は、特定の時間帯の終了時刻となったことに基づいて、特定の時間帯が終了し、次の時間帯に切り替わったと判断する。特定の時間帯は、第1の単位測定期間の一例であり、次の時間帯は、第2の単位測定期間の一例である。
【0153】
本変形例における、特定の単位測定期間における代表値算出処理では、第4状態M4において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、第1測定時刻から6時間が経過すると、算出部23は、第4状態M4から第1状態M1に遷移する。このとき、算出部23は、特定の時間帯が終了し、次の時間帯に切り替わったと判断する。
【0154】
第5状態M5において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第2測定時刻から10分以内に、第1測定時刻から6時間が経過すると、算出部23は、第5状態M5から第7状態M7に遷移する。このとき、算出部23は、時間帯が切り替わったと判断する。算出部23は、特定の時間帯における第1測定情報及び第2測定情報がメモリ20bに記憶された状態で、第7状態M7に遷移する。
【0155】
第6状態M6又は第7状態M7において、第1測定時刻から6時間が経過すると、算出部23は、第1状態M1に遷移する。このとき、算出部23は、時間帯が切り替わったと判断する。
【0156】
時間帯の切り替え時刻を一定の時刻に設定した場合には、測定者の生活習慣が日によって変化する場合に、適切な代表値が算出されないことがある。例えば、5時から14時までの時間が朝の時間帯として設定された場合に、測定者が、就寝前の血圧の測定を6時から行い、起床後の血圧の測定を13時から行った場合、6時からの測定結果と13時からの測定結果の両方が、朝の時間帯の測定結果として処理される。この場合、13時の測定結果が、起床後の測定結果として代表値に反映されないことがある。
【0157】
本変形例では、1回目の測定から所定の時間(ここでは6時間)が経過すると、時間帯が切替わったと判断される。このため、例えば、就寝前の血圧の測定が6時から行われ、起床後の血圧の測定が13時から行われた場合には、1回目の測定から6時間後の12時が、時間帯の切り替え時刻として設定され、6時からの測定結果は、特定の時間帯における血圧の代表値に反映される。そして、13時からの測定結果は、次の時間帯における血圧の代表値に反映される。
【0158】
このように、本変形例によれば、測定情報に基づいて単位測定期間を設定することにより、測定者の生活習慣が一定でない場合においても、起床時の測定値のような有用な測定結果が適切に反映された、血圧の代表値を算出することができる。
【0159】
2.8 第1実施形態の第3変形例
第1実施形態に係る第3変形例について、以下に説明する。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。
【0160】
図12は、本変形例に係る血圧処理回路20における、設定部22及び算出部23による代表値算出処理の手順の一例を模式的に示す図である。
【0161】
本変形例では、取得部21は、測定者の測定情報に加えて、測定者の睡眠情報を取得する。例えば、取得部21は、制御部11から睡眠状態を取得し、その睡眠状態に基づいて、睡眠情報を取得することができる。睡眠状態は、例えば、制御部11が、加速度センサ17又は別途追加した他のセンサによる測定結果に基づいて、検出する。また、睡眠情報は、携帯端末30の目覚ましアプリケーション等の起動状態及び終了状態に基づいて、簡易的に生成されてもよい。睡眠情報は、例えば、測定者の睡眠開始時間と起床時間(睡眠終了時間)とを含む。
【0162】
設定部22は、単位測定期間の設定において、睡眠情報に基づいて、時間帯の切り替え時刻を設定する。設定部22は、起床時間から1時間後の時刻を、特定の時間帯の終了時刻として設定する。算出部23は、特定の時間帯の終了時刻となったことに基づいて、特定の時間帯が終了したと判断する。特定の時間帯は、第1の単位測定期間の一例である。
【0163】
本変形例における、特定の単位測定期間における代表値算出処理では、第2状態M2において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第1測定時刻から10分以内に、起床時間から1時間が経過すると、算出部23は、第2状態M2から第8状態M8に遷移する。このとき、算出部23は、朝の時間帯が終了したと判断する。
【0164】
第3状態M3において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第1測定時刻から10分以内に、起床時間から1時間が経過すると、算出部23は、第3状態M3から第7状態M7に遷移する。このとき、算出部23は、朝の時間帯が終了したと判断する。算出部23は、特定の時間帯における第1測定情報及び第2測定情報がメモリ20bに記憶された状態で、第7状態M7に遷移する。
【0165】
第4状態M4において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、起床時間から1時間が経過すると、算出部23は、第4状態M4から第8状態M8に遷移する。このとき、算出部23は、朝の時間帯が終了したと判断する。
【0166】
第5状態M5において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第2測定時刻から10分以内に、起床時間から1時間が経過すると、算出部23は、第5状態M5から第7状態M7に遷移する。このとき、算出部23は、朝の時間帯が終了したと判断する。算出部23は、特定の時間帯における第1測定情報及び第2測定情報がメモリ20bに記憶された状態で、第7状態M7に遷移する。
【0167】
第6状態M6又は第7状態M7において、代表値を算出すると即時に、算出部23は、第8状態M8に遷移する。このとき、算出部23は、朝の時間帯が終了したと判断する。
【0168】
第8状態M8では、算出部23は、取得部21において取得した睡眠情報に基づいて、測定者が起床したか否かを判定する。第8状態M8において、測定者が起床したと判定した場合、算出部23は、第8状態M8から第1状態M1に遷移する。
【0169】
本変形例では、起床時刻が取得され、起床時刻に基づいて、特定の単位測定期間が終了したと判断される。このため、本変形例では、起床時刻に基づいて、単位測定期間を設定することにより、測定者の生活習慣が一定でない場合においても、起床後の測定値のような有用な測定結果を容易に特定することができる。これにより、起床後の測定値のような有用な測定結果が適切に反映された、血圧の代表値を算出することができる。
【0170】
なお、本変形例においても、第1単位測定期間に加えて第2単位測定期間が設けられても良い。この場合、例えば、起床時刻から6時間後の時刻が、第2単位測定期間の開始時刻として設定され、睡眠開始時刻が、第2単位測定期間の終了時刻として設定される。あるいは、起床後の1回目の測定から6時間後の時刻が、第2単位測定期間の開始時刻として設定されてもよい。
【0171】
また、例えば、第3変形例と第1実施形態とを組み合わせて、起床時間から12時間までを第1の単位測定期間、起床時間から12時間経過後から第2の単位測定期間とする等、第1実施形態及び各変形例は、任意に組み合わせても良い。
【0172】
3. 第2の実施形態
上述の適用例に係る血圧管理装置の第2実施形態について、以下に説明する。以下では、血圧管理装置の一例としての血圧測定装置を含む血圧処理システムについて説明する。なお、以下では、第1実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、第1実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。
【0173】
本実施形態に係る血圧処理システムは、測定者から測定された血圧値を用いて、血圧の代表値を単位測定期間ごとに算出し、算出された代表値を保存又は提示するシステムである。本実施形態に係る血圧処理システムは、1回~3回の測定結果を用いて、特定の単位測定期間における代表値の算出を行うことが推奨された地域において使用されることを想定している。本実施形態に係る血圧処理システムは、例えば、日本等において使用されることを想定している。
【0174】
図13は、本実施形態に係る血圧処理回路20における、設定部22及び算出部23による代表値算出処理の手順の一例を模式的に示す図である。
【0175】
本実施形態では、第2状態M2において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、かつ、第1測定時刻から10分以内に、0時または12時になると、算出部23は、第2状態M2から第7状態M7に遷移する。このとき、算出部23は、時間帯が切り替わったと判断する。
【0176】
第4状態M4において、取得部21において測定情報が取得されない状態で、0時または12時になると、算出部23は、第4状態M4から第7状態M7に遷移する。このとき、算出部23は、時間帯が切り替わったと判断する。
【0177】
例えば、図9の一例のパターン7では、朝の時間帯において1回の血圧の測定が行われている。1回目の測定は、07:00から07:30までの時間に行われている。この場合、算出部23は、第1状態M1、第2状態M2、第7状態M7の順に遷移する。第7状態M7での代表値の算出では、1回目の測定による測定結果が、朝の時間帯についての血圧の代表値に反映される。
【0178】
前述のように、本実施形態は、1回以上の測定結果を用いて、特定の単位測定期間における代表値の算出を行うことが推奨された地域において使用されることを想定している。本実施形態によれば、特定の単位測定期間において血圧測定が1回のみ行われた場合においても、血圧の代表値の算出が行われる。これにより、血圧値について、測定回数の規定に準じた代表値を得ることができる。
【0179】
本実施形態においても、上記第1実施形態において説明した各変形例と同様の単位測定期間の設定が可能なことは勿論である。
【0180】
4. 第3の実施形態
上述の適用例に係る血圧管理装置の第3実施形態について、以下に説明する。以下では、血圧管理装置の一例としての血圧測定装置を含む血圧処理システムについて説明する。なお、以下では、第1実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、第1実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。
【0181】
本実施形態では、プロセッサ20aは、記憶された過去の測定結果を用いて、特定の単位測定期間について、血圧の代表値を算出する。例えば、プロセッサ20aは、代表値算出処理の開始指示が伝達されたことに基づいて、特定の単位測定期間についての代表値算出処理を開始する。このとき、代表値算出の開始指示は、例えば、操作部14において操作が入力されることに基づいて、制御部11から伝達される。特定の単位測定期間は、例えば、操作部14において入力される。
【0182】
あるいは、プロセッサ20aは、代表値算出処理を定期的に行ってもよい。プロセッサ20aによる代表値算出処理は、例えば、1日に1回の間隔で行われる。この場合、プロセッサ20aは、前回の代表値算出処理から現在までの1日分の測定情報を取得し、この期間内の各単位測定期間について、代表値算出処理を行う。代表値算出処理は、例えば、1週間に1回の間隔で行われてもよい。
【0183】
図14は、本実施形態に係る血圧処理回路20における、代表値算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0184】
図14に示すように、特定の単位測定期間についての代表値算出処理では、プロセッサ20aは、まず、設定情報及び測定情報を取得する(S101)。取得した情報は、例えば、メモリ20bに記憶される。測定情報は、1つ以上の測定結果を含む。測定結果は、測定値及び測定時刻を含む。設定情報は、特定の単位測定期間についての開始時刻及び終了時刻等を含む。
【0185】
次に、プロセッサ20aは、各測定結果の測定時刻、及び、特定の単位測定期間についての設定情報に基づいて、特定の単位測定期間内における測定結果を抽出する(S102)。このとき、プロセッサ20aは、各測定結果について、測定時刻が特定の単位測定期間内に含まれるか否かを判断することにより、各測定結果が特定の単位測定期間における測定結果であるか否かを判断する。
【0186】
次に、プロセッサ20aは、特定の単位測定期間における測定結果の数が3つ以上であるか否かを判断する(S103)。これにより、プロセッサ20aは、単位測定期間における測定の回数が3回以上であるか否かを判断する。
【0187】
特定の単位測定期間における測定結果の数が2つ以下である場合(S103-No)、プロセッサ20aは、単位測定期間における測定の回数が2回以下であると判断する。この場合、プロセッサ20aは、特定の単位測定期間における測定結果の数が2つであるか否かを判断する(S104)。
【0188】
特定の単位測定期間における測定結果の数が2つでない場合(S104-No)、プロセッサ20aは、単位測定期間における測定の回数が1回又は0回であると判断する。この場合、プロセッサ20aは、単位測定期間における測定の回数が規定数を満たさないと判断し、血圧の代表値を算出しない(S105)。
【0189】
特定の単位測定期間における測定結果の数が2つである場合(S104-Yes)、プロセッサ20aは、単位測定期間における測定の回数が2回であると判断する。この場合、プロセッサ20aは、測定時刻に基づいて、特定の単位測定期間における各測定結果が、1回目の測定結果及び2回目の測定結果のいずれであるかを特定する。1回目の測定結果は、第1測定値及び第1測定時刻を含み、2回目の測定結果は、第2測定値及び第2測定時刻を含む。そして、プロセッサ20aは、第1測定値及び第2測定値を用いて、血圧の代表値を算出する(S106)。
【0190】
特定の単位測定期間における測定結果の数が3つ以上である場合(S103-Yes)、プロセッサ20aは、単位測定期間における測定の回数が3回以上であると判断する。この場合、プロセッサ20aは、測定時刻に基づいて、特定の単位測定期間における各測定結果の中から、1回目の測定結果、2回目の測定結果及び3回目の測定結果を特定する。1回目の測定結果は、第1測定値及び第1測定時刻を含み、2回目の測定結果は、第2測定値及び第2測定時刻を含む。また、3回目の測定結果は、第3測定値及び第3測定時刻を含む。
【0191】
次に、プロセッサ20aは、第2測定時刻及び第3測定時刻の差が10分以内であるか否かを判断する(S107)。「10分」は「1機会」の一例である。
【0192】
第2測定時刻及び第3測定時刻の差が10分より大きい場合(S107-No)、プロセッサ20aは、2回目の測定と3回目の測定が同一機会に行われていないと判断する。この場合、プロセッサ20aは、第1測定値及び第2測定値を用いて、血圧の代表値を算出する(S106)。
【0193】
第2測定時刻及び第3測定時刻の差が10分以内である場合(S107-Yes)、プロセッサ20aは、2回目の測定と3回目の測定が同一機会に行われたと判断する。この場合、プロセッサ20aは、第1測定値、第2測定値及び第3測定値を用いて、血圧の代表値を算出する(S108)。
【0194】
プロセッサ20aは、上述の代表値算出処理を、例えば、前回の代表値算出処理から今回の代表値算出処理までの期間に含まれる単位測定期間の全てについて、行う。
【0195】
本実施形態では、血圧処理回路20による代表値算出処理は、過去の測定情報を読み出すことにより行われる。このため、本実施形態によれば、測定者は、任意のタイミングで、任意の単位測定期間における血圧の代表値を知ることができる。
【0196】
5. 実施形態等の共通構成
血圧管理装置(1:20)は、血圧の測定によって得られる測定値を取得する取得部(2:21)と、血圧の変動特性に基づいて、複数の機会を含む単位測定期間を設定する設定部(3:22)と、前記測定値に基づいて、前記単位測定期間についての前記血圧の代表値を算出する算出部(4:23)であって、前記単位測定期間内において、2回目の測定が1回目の測定とは異なる機会に行われた場合に、前記1回目の測定により得られた第1測定値と前記2回目の測定により得られた第2測定値の両方を用いて、前記単位測定期間についての前記代表値を算出する、算出部(4:23)と、を備える。
【0197】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0198】
[付記]
前記実施形態の一部または全部は、特許請求の範囲のほか以下の付記に示すように記載することも可能であるが、これに限られない。
【0199】
(付記1)
ハードウェアプロセッサとメモリとを有する血圧管理装置であって、
前記ハードウェアプロセッサが、
センサによる血圧の測定によって得られる測定値を取得して前記メモリに記憶させ、
血圧の変動特性に基づいて設定された複数の機会を含む単位測定期間の設定を前記メモリに記憶させ、
前記メモリに記憶された前記単位測定期間内において、2回目の測定が1回目の測定とは異なる機会に行われた場合に、前記1回目の測定により得られて前記メモリに記憶された第1測定値と前記2回目の測定により得られ前記メモリに記憶された第2測定値の両方を用いて、前記単位測定期間についての血圧値の代表値を算出する、
血圧管理装置。
【0200】
(付記2)
ハードウェアプロセッサとメモリとを有する装置が実行する血圧管理方法であって、
前記ハードウェアプロセッサが、センサによる血圧の測定によって得られる測定値を取得して前記メモリに記憶させる過程と、
前記ハードウェアプロセッサが、血圧の変動特性に基づいて設定された複数の機会を含む単位測定期間の設定を前記メモリに記憶させる過程と、
前記ハードウェアプロセッサが、前記メモリに記憶された前記単位測定期間内において、2回目の測定が1回目の測定とは異なる機会に行われた場合に、前記1回目の測定により得られて前記メモリに記憶された第1測定値と前記2回目の測定により得られ前記メモリに記憶された第2測定値の両方を用いて、前記単位測定期間についての血圧値の代表値を算出する過程と、
を具備する血圧管理方法。
【符号の説明】
【0201】
1…血圧管理装置、 2…取得部、 3…設定部、 4…算出部、 5…出力部、 10…血圧測定装置、 11…制御部、 12…記憶部、 13…通信部、 14…操作部、 15…表示部、 16…血圧センサ、 17…加速度センサ、 18…温湿度センサ、 20…血圧処理回路、 20a…プロセッサ、 20b…メモリ、 21…取得部、 22…設定部、 23…算出部、 24…出力部、 26…血圧情報、 27…設定情報、 30…携帯端末、 31…制御部、 32…記憶部、 33…通信部、 34…操作部、 35…表示部、 36…GPS受信機、 50…医師端末、 51…制御部、 52…記憶部、 53…通信部、 54…操作部、 55…表示部、 70…サーバ、 71…制御部、 72…記憶部、 73…通信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14