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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20220802BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G01L3/10 305
B62D5/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018141438
(22)【出願日】2018-07-27
(65)【公開番号】P2020016608
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】外山 祐一
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-031600(JP,A)
【文献】特開2017-140795(JP,A)
【文献】特開2018-017595(JP,A)
【文献】特開2004-170133(JP,A)
【文献】特開2016-118488(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02743662(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/10
B62D 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸に取り付けられるとともに、周方向に着磁された永久磁石と、
連結軸を介して前記第1軸と連結された第2軸に固定されるとともに、前記永久磁石が形成する磁界内に配置された磁気ヨークと、
前記磁気ヨークを取り囲むように配置されるとともに、前記磁気ヨークの磁束を集める第1集磁リングと、
前記第1集磁リングを保持する第1ホルダと、
前記第1集磁リングと前記第2軸の軸方向に並んで配置されて、前記磁気ヨークを取り囲むように配置されるとともに、前記磁気ヨークの磁束を集める第2集磁リングと、
前記第1ホルダと前記軸方向に並んで配置されるとともに、前記第2集磁リングを保持する第2ホルダと、
前記永久磁石、前記磁気ヨーク、前記第1集磁リング、および前記第2集磁リングにより形成される磁気回路の磁束を検出する磁気センサと、を備え、
前記磁気センサは、前記第2ホルダに対して予め一体的に組み付けられた状態で、前記第1集磁リングと前記第2集磁リングとの間に配置されており、
前記第1ホルダにおける前記磁気センサを収容する部分の外壁面には、前記第2ホルダへ向けて前記軸方向に延びる嵌合凸部が設けられ、
前記第2ホルダにおける前記磁気センサを収容する部分の外壁面には、前記嵌合凸部と嵌合し、かつ、前記第1ホルダへ向けて前記軸方向に延びる嵌合凹部が設けられ、
前記第1ホルダにおける前記磁気センサを収容する部分の前記嵌合凸部とは異なる部位には、前記軸方向に延びる凸条が設けられ、
前記第2ホルダにおける前記磁気センサを収容する部分の前記嵌合凹部とは異なる部位には、前記凸条と嵌合し、かつ、前記軸方向に延びる凹条が設けられているセンサ装置。
【請求項2】
前記磁気センサは、回路部に実装されており、
前記回路部には、板厚方向に貫通する貫通孔が設けられ、
前記第2ホルダには、前記第1ホルダへ向けて延びる位置決め突起が設けられ、
前記第2ホルダに設けられた位置決め突起は、前記回路部の前記貫通孔に挿通している請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記位置決め突起は、前記第1ホルダへ向けて延びる軸部と、前記軸部の先端部に設けられているとともに前記軸部より拡径している頭部とを有し、
前記頭部は、前記回路部の前記第1ホルダ側の面と当接している請求項2に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、回転軸に加わるトルクを検出するトルクセンサが知られている。回転軸は、入力軸と出力軸とを有している。入力軸と出力軸とは、トーションバーにより接続されている。
【0003】
トルクセンサは、入力軸に固定されている永久磁石と、出力軸に固定されているとともに永久磁石が形成する磁界内に配置された磁気ヨークと、磁気ヨークからの磁束を誘導する一対の集磁リングと、集磁リングに誘導された磁束に基づいて検出信号を生成する磁気センサとを有している。集磁リングは、それぞれホルダに保持されている。磁気センサは、一対のホルダの間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-31600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のトルクセンサの場合、磁気センサは一対のホルダの間に配置されているだけで、磁気センサがホルダに対して位置決めされるようにして固定されてはいない。このことから、トルクセンサを組み立てる際には、ホルダと磁気センサとの間に組み付け公差が生じるおそれがある。ホルダに対する磁気センサの組み付け公差が生じると、集磁リング間を通る磁束を検出する磁気センサの検出精度に影響を与えるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するセンサ装置は、第1軸に取り付けられるとともに、周方向に着磁された永久磁石と、連結軸を介して前記第1軸と連結された第2軸に固定されるとともに、前記永久磁石が形成する磁界内に配置された磁気ヨークと、前記磁気ヨークを取り囲むように配置されるとともに、前記磁気ヨークの磁束を集める第1集磁リングと、前記第1集磁リングを保持する第1ホルダと、前記第1集磁リングと前記第2軸の軸方向に並んで配置されて、前記磁気ヨークを取り囲むように配置されるとともに、前記磁気ヨークの磁束を集める第2集磁リングと、前記第1ホルダと前記軸方向に並んで配置されるとともに、前記第2集磁リングを保持する第2ホルダと、前記永久磁石、前記磁気ヨーク、前記第1集磁リング、および前記第2集磁リングにより形成される磁気回路の磁束を検出する磁気センサと、を備え、前記磁気センサは、前記第2ホルダに対して予め一体的に組み付けられた状態で、前記第1集磁リングと前記第2集磁リングとの間に配置されている。
【0007】
上記構成によれば、磁気センサが第2ホルダに対して予め一体的に組み付けられた状態であることで磁気センサが第2ホルダに対して位置ずれすることが抑制されている。この場合、センサ装置を組み立てる際には、第2ホルダに対する磁気センサの組み付け公差が生じることが抑えられている。このため、第2ホルダに対する磁気センサの組み付け公差が生じることが抑えられる分だけ、各ホルダに対する磁気センサの組み付け公差に起因して、磁気センサの検出精度に影響を与えることが抑えられている。
【0008】
上記のセンサ装置において、前記磁気センサは、回路部に実装されており、前記回路部には、板厚方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記第2ホルダには、前記第1ホルダへ向けて延びる位置決め突起が設けられ、前記第2ホルダに設けられた位置決め突起は、前記回路部の前記貫通孔に挿通していることが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、回路部に設けられた貫通孔に第2ホルダに設けられた位置決め突起が挿通されることによって、第2ホルダに対する回路部の位置決めがなされている。すなわち、貫通孔に位置決め突起が挿通されることによって、回路部が第2ホルダに対して回路部の板厚方向に直交する方向に位置ずれすることが規制されている。このことから、回路部の第2ホルダに対する回路部の板厚方向と直交する方向の組み付け公差を抑えることができるため、回路部に実装されている磁気センサの第2ホルダに対する組み付け公差を抑えることができるようになる。
【0010】
上記のセンサ装置において、前記位置決め突起は、前記第1ホルダへ向けて延びる軸部と、前記軸部の先端部に設けられているとともに前記軸部より拡径している頭部とを有し、前記頭部は、前記回路部の前記第1ホルダ側の面と当接していることが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、磁気センサを実装した回路部の第1ホルダ側の面が頭部と当接していることによって、第2ホルダに対して回路部が板厚方向に位置ずれすることが規制されている。このことから、回路部の第2ホルダに対する回路部の板厚方向の組み付け公差を抑えることができるため、回路部に実装されている磁気センサの第2ホルダに対する組み付け公差を抑えることができるようになる。
【0012】
上記のセンサ装置は、前記第1ホルダにおける前記磁気センサを収容する部分の外壁面には、前記第2ホルダへ向けて延びる嵌合凸部が設けられ、前記第2ホルダにおける前記磁気センサを収容する部分の外壁面には、前記嵌合凸部と嵌合する嵌合凹部が設けられていることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、第1ホルダにおける磁気センサを収容する部分と第2ホルダにおける磁気センサを収容する部分とを組み付けるための嵌合凸部を、磁気センサが一体的に組み付けられている第2ホルダに設けずに、第1ホルダに設けている。嵌合凹部に嵌合させる際には、主に嵌合凸部が変形することによって、嵌合凸部は嵌合凹部に嵌合することになる。このことから、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌合させる際において、磁気センサが一体的に組み付けられている第2ホルダには、嵌合凸部が設けられている第1ホルダよりも、嵌合に伴って生じる変形力が作用することが抑えられている。この変形力が作用することを抑制することによって、磁気センサの第2ホルダに対する組み付け公差が生じることを抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のセンサ装置によれば、ホルダに対する磁気センサの組み付け公差を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】トルクセンサの構成を示す分解斜視図。
図2】(a)は、第1ホルダの斜視図、(b)は、第2ホルダ及び磁気センサが実装された回路基板の斜視図。
図3】第2ホルダ及び磁気センサが実装された回路基板をX方向から見たときの図。
図4】(a),(b)は、位置決め突起を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
トルクセンサの一実施形態について説明する。
図1図3に示すように、センサ装置としてのトルクセンサ1は、例えば、電動パワーステアリング装置のステアリングシャフト等の回転軸10に付与されたトルクを検出するものであり、トーションバー13と、円筒状の永久磁石20と、円筒状の磁気ヨーク30と、磁気ヨーク30を取り囲むように配置されている円筒状の集磁リング40と、集磁リング40を保持するホルダ50と、ホルダ50の外周を覆う磁気シールド100と、磁気センサ110とを備えている。
【0017】
回転軸10は、入力軸11、出力軸12、及びトーションバー13により構成されている。連結軸としてのトーションバー13は、第1軸としての入力軸11と、第2軸としての出力軸12との間に配置されている。入力軸11及び出力軸12は、トーションバー13を介して同一軸線上に連結されている。
【0018】
永久磁石20は、入力軸11に連結されている。永久磁石20は、円筒状の保持部21と、多極磁石22とを有している。保持部21は、入力軸11における出力軸12側の端部に外嵌されている。保持部21は、入力軸11と一体回転可能に取り付けられている。保持部21の外周面には、多極磁石22が取り付けられている。多極磁石22は、保持部21の周方向にN極及びS極の各磁極を交互に配置した構造からなる。
【0019】
磁気ヨーク30は、出力軸12に連結されている。磁気ヨーク30は、円環状の第1磁気ヨーク31と、円環状の第2磁気ヨーク32とを有している。第1磁気ヨーク31及び第2磁気ヨーク32は出力軸12と同軸に配置された状態で、出力軸12と一体回転可能に固定されている。第1磁気ヨーク31及び第2磁気ヨーク32は、多極磁石22を取り囲むように多極磁石22の外周に所定の隙間を空けて配置されている。第1磁気ヨーク31及び第2磁気ヨーク32は、多極磁石22が形成する磁界内に配置されている。第1磁気ヨーク31と第2磁気ヨーク32とは、軸方向Xに所定の隙間を空けて互いに対向配置されている。軸方向Xは、出力軸12の軸方向であって、入力軸11及び出力軸12の軸線と平行な方向である。第1磁気ヨーク31は、円環状の第1環状部31aと、第1環状部31aの内周面から第2磁気ヨーク32に向かって延びる複数の第1爪部31bとを有している。第1爪部31bは、第1環状部31aの内周面において、周方向に等間隔を空けて配置されている。第2磁気ヨーク32は、円環状の第2環状部32aと、第2環状部32aの内周面から第1磁気ヨーク31に向かって延びる複数の第2爪部32bとを有している。第2爪部32bは、第2環状部32aの内周面において、周方向に等間隔を空けて配置されている。第1爪部31bと第2爪部32bとが互いに周方向に一定の間隔でずれた状態で、第1磁気ヨーク31と第2磁気ヨーク32とは合成樹脂体33によりモールドされている。第1磁気ヨーク31及び第2磁気ヨーク32の内周面は、合成樹脂体33から露出している。また、第1環状部31a及び第2環状部32aの外周面は、合成樹脂体33から露出している。第1磁気ヨーク31及び第2磁気ヨーク32は、磁性材料により構成されている。
【0020】
入力軸11と出力軸12との間のトーションバー13が捩られていない中立状態において、第1磁気ヨーク31の第1爪部31bの先端と第2磁気ヨーク32の第2爪部32bの先端とは、永久磁石20の多極磁石22のN極とS極との間の境界を指している。
【0021】
集磁リング40は、第1磁気ヨーク31の磁束を誘導して集める円環状の第1集磁リング41と、第2磁気ヨーク32の磁束を誘導して集める円環状の第2集磁リング42とを有している。第1集磁リング41と第2集磁リング42とは、軸方向Xに所定の隙間を空けて並んで配置されている。第1集磁リング41及び第2集磁リング42は、磁性材料により構成されている。
【0022】
第1集磁リング41は、第1磁気ヨーク31を取り囲むように第1磁気ヨーク31の外周に所定の隙間を空けて配置されている第1リング部41aと、第1リング部41aから径方向外側に向かって延びている第1集磁部41bとを有している(図3参照)。本実施形態では、第1集磁リング41の第1集磁部41bは一対設けられている。
【0023】
第2集磁リング42は、第2磁気ヨーク32を取り囲むように第2磁気ヨーク32の外周に所定の隙間を空けて配置されている第2リング部42aと、第2リング部42aから径方向外側に向かって延びている第2集磁部42bとを有している(図3参照)。本実施形態では、第2集磁リング42の第2集磁部42bは一対設けられている。
【0024】
第1集磁リング41が第1磁気ヨーク31の外周に配置され、第2集磁リング42が第2磁気ヨーク32の外周に配置された状態において、第1集磁部41bと第2集磁部42bとは、軸方向Xに所定の隙間を空けて互いに対向配置されている。
【0025】
ホルダ50は、第1集磁リング41を保持する第1ホルダ51と、第2集磁リング42を保持する第2ホルダ52とを有している。第1ホルダ51と第2ホルダ52とは、軸方向Xに並んで配置されている。これら第1ホルダ51と第2ホルダ52とが組み付けられることにより、ホルダ50が構成されている。
【0026】
第1ホルダ51は、第1リング部41aを取り囲んで保持する第1リング部ホルダ60と、第1集磁部41bを取り囲んで保持する第1集磁部ホルダ70とを有している。第1集磁部ホルダ70は、第1リング部ホルダ60から径方向外側に向かって延びている。第1リング部ホルダ60及び第1集磁部ホルダ70は、一体的に成型されている。第1リング部ホルダ60及び第1集磁部ホルダ70は、合成樹脂により構成されている。
【0027】
第1リング部ホルダ60は、第1リング部41aを取り囲むように略円筒状をなしている。第1リング部ホルダ60の内周面には、全周にわたって第1リング部41aが嵌る第1リング部凹部が凹み形成されている。第1リング部凹部は、第1リング部ホルダ60の内周面において、軸方向Xにおける中間部分に設けられている。第1リング部ホルダ60の内周面には、3つの第1嵌合凹部62が設けられている。第1嵌合凹部62は、それぞれ第1リング部ホルダ60の軸方向全域において凹み形成されている。第1嵌合凹部62の凹み量は、第1リング部凹部の凹み量よりも大きく設定されている。第1嵌合凹部62は、中央凹部62a、一方側凹部62b、及び他方側凹部62cからなる。中央凹部62aは、第1リング部ホルダ60の周方向において、第1集磁部ホルダ70と反対側の位置に設けられている。一方側凹部62bは、第1リング部ホルダ60の内周面において、中央凹部62aから周方向一方側(図2(a)中の右側)へ向けて所定の間隔を空けた位置に設けられている。他方側凹部62cは、第1リング部ホルダ60の内周面において、中央凹部62aから周方向他方側(図2(a)中の左側)へ向けて所定の間隔を空けた位置に設けられている。一方側凹部62b及び他方側凹部62cは、中央凹部62aに対して周方向に同じ間隔を空けて設けられている。第1集磁部ホルダ70が延びる方向と直交する方向に延びるとともに第1リング部ホルダ60の内周域の中心を通る第1仮想水平直線L1よりも第1集磁部ホルダ70と反対側の部分において、第1リング部ホルダ60は、その外側面が円周面状をなす第1円周面部63を有している。第1円周面部63には、その外側面において径方向外側に突出した第1フランジ部64が設けられている。第1フランジ部64は、第1円周面部63の外側面のうち、第2ホルダ52と反対側の部分に設けられている。第1リング部ホルダ60は、外側面が3つの平面からなり、その径方向の幅が第1円周面部63よりも幅広に形成されている第1平面部65を有している。第1平面部65は、第1リング部ホルダ60における第1仮想水平直線L1よりも第1集磁部ホルダ70側の部分に設けられている。第1平面部65の外側面は、第1集磁部ホルダ70の延びる方向に沿う2つの平面65a,65bと、第1仮想水平直線L1と平行に延びる直線に沿う平面65cとからなる。平面65a,65bには、第1凹み66が設けられている。第1平面部65には、軸方向Xにおいて四角形状をなして貫通する第2嵌合凹部67が一対設けられている。
【0028】
第1集磁部ホルダ70は、矩形板状をなしている。第1集磁部ホルダ70は、第1リング部ホルダ60の外周面における第2ホルダ52側の部分に接続されている。第1集磁部ホルダ70は、第1基板収容部71及び壁部72を有している。第1基板収容部71における第2ホルダ52側の面は、磁気センサ110が当接する当接面として機能する。第1集磁部ホルダ70における第2ホルダ52側の面は、第1リング部ホルダ60における第2ホルダ52側の面と同一平面上に位置している。第1集磁部ホルダ70の第1基板収容部71の軸方向Xの厚さは、第1リング部ホルダ60の軸方向Xの厚さよりも薄く設定されている。第1基板収容部71には、壁部72が接続されているとともに第1リング部ホルダ60の第1平面部65に接続されている。壁部72は、矩形板状をなしている。壁部72の軸方向Xの長さは、第1リング部ホルダ60の軸方向Xの長さよりも長く設定されている。壁部72の第1仮想水平直線L1と平行な方向に位置する両端面に凸条73が設けられている。凸条73は、軸方向Xに延びている。凸条73は、設けられる端面のうち、第1集磁部ホルダ70の延びる方向における中間位置に設けられている。第1基板収容部71は、第3嵌合凸部74を有している。第3嵌合凸部74は、第1基板収容部71(第1集磁部ホルダ70)の先端側において、第1基板収容部71の第2ホルダ52側の面から第2ホルダ52に向けて延びている。第3嵌合凸部74は、スナップフィットのための係合爪をなしている。
【0029】
第2ホルダ52は、第2リング部42aを取り囲んで保持する第2リング部ホルダ80と、第2集磁部42bを取り囲んで保持する第2集磁部ホルダ90とを有している。第2集磁部ホルダ90は、第2リング部ホルダ80から径方向外側に向かって延びている。第2リング部ホルダ80及び第2集磁部ホルダ90は、一体的に成型されている。第2リング部ホルダ80及び第2集磁部ホルダ90は、合成樹脂により構成されている。
【0030】
第2リング部ホルダ80は、第2集磁リング42を取り囲むように略円筒状をなしている。第2リング部ホルダ80の内周面には、全周にわたって第2リング部42aが嵌る第2リング部凹部が凹み形成されている。第2リング部凹部は、第2リング部ホルダ80の内周面において、軸方向Xにおける中間部分に設けられている。第2リング部ホルダ80には、3つの第1嵌合凸部82が設けられている。第1嵌合凸部82は、それぞれ第2リング部ホルダ80における第1ホルダ51側の面から第1ホルダ51へ向けて突出している。第1嵌合凸部82は、中央凸部82a、一方側凸部82b、及び他方側凸部82cからなる。中央凸部82aは、第2リング部ホルダ80の周方向において、第2集磁部ホルダ90と反対側の位置に設けられている。一方側凸部82bは、第2リング部ホルダ80の周方向において、中央凸部82aから周方向一方側(図2(b)中の右側)へ向けて所定の間隔を空けた位置に設けられている。他方側凸部82cは、第2リング部ホルダ80の周方向において、中央凸部82aから周方向他方側(図2(b)中の左側)へ向けて所定の間隔を空けた位置に設けられている。一方側凸部82b及び他方側凸部82cは、中央凸部82aに対して周方向に同じ間隔を空けて設けられている。第2集磁部ホルダ90が延びる方向と直交する方向に延びるとともに第2リング部ホルダ80の内周域の中心を通る第2仮想水平直線L2よりも第2集磁部ホルダ90と反対側の部分において、第2リング部ホルダ80は、その外側面が円周面状をなす第2円周面部83を有している。第2円周面部83には、その外側面において径方向外側に突出した第2フランジ部84が設けられている。第2フランジ部84は、第2円周面部83の外側面のうち、第1ホルダ51と反対側の部分に位置している。第2リング部ホルダ80は、外側面が3つの平面からなり、その径方向の幅が第2円周面部83よりも幅広に形成されている第2平面部85を有している。第2平面部85は、第2リング部ホルダ80における第2仮想水平直線L2よりも第2集磁部ホルダ90側の部分に設けられている。第2平面部85の外側面は、第2集磁部ホルダ90の延びる方向に沿う2つの平面85a,85bと、第2仮想水平直線L2と平行に延びる直線に沿う平面85cとからなる。平面85a,85bには、第2凹み86が一対設けられている。第2平面部85における第1ホルダ51側の面には、第1ホルダ51側に向けて突出する第2嵌合凸部87が設けられている。第2嵌合凸部87は、スナップフィットのための係合爪をなしている。
【0031】
磁気シールド100は、第1ホルダ51及び第2ホルダ52が組み付けられた状態において、第1リング部ホルダ60及び第2リング部ホルダ80の外周側に配置されている。磁気シールド100は、断面C字形状をなしている。磁気シールド100には、例えば金属等の磁気を遮断できる材料が採用されている。磁気シールド100は、第1リング部ホルダ60の第1フランジ部64及び第2リング部ホルダ80の第2フランジ部84に軸方向Xにおいて当接している。磁気シールド100の周方向における両端部は、第1凹み66及び第2凹み86に挿入して固定されている。
【0032】
第2集磁部ホルダ90は、矩形板状をなしている。第2集磁部ホルダ90は、第2リング部ホルダ80の外周面に接続されている。第2集磁部ホルダ90は、軸方向Xにおいて第1ホルダ51と対向するように配置されている。第2集磁部ホルダ90における第1ホルダ51と反対側の面は、第2リング部ホルダ80における第1ホルダ51と反対側の面と同一平面上に位置している。第2集磁部ホルダ90は、第2基板収容部91及び鍔部92を有している。第2基板収容部91の第2仮想水平直線L2と平行な方向における両端面には、それぞれ鍔部92が設けられている。鍔部92は、第2仮想水平直線L2と平行な方向に延びている。鍔部92は、第2基板収容部91における第1ホルダ51側の面よりも第1ホルダ51側に向けて延びている。鍔部92の軸方向Xの長さは、第2基板収容部91の軸方向Xの長さよりも長く設定されている。鍔部92における第2基板収容部91側の面には、それぞれ軸方向Xに延びている凹条93が設けられている。凹条93は、設けられる面のうち、第2集磁部ホルダ90の延びる方向における中間位置に設けられている。凹条93の凹み量は、凸条73の突出量と同程度に設定されている。第2基板収容部91は、第3嵌合凸部74と嵌合するための第3嵌合凹部94を有している。第3嵌合凹部94は、第2基板収容部91の先端側に位置するとともに軸方向Xに延びている。第2集磁部ホルダ90の第2基板収容部91の軸方向Xの厚さは、第2リング部ホルダ80における第1嵌合凸部82及び第2嵌合凸部87の設けられていない部分の軸方向Xの厚さと同程度に設定されている。
【0033】
第2リング部ホルダ80の第2平面部85における第1ホルダ51側の面及び第2基板収容部91における第1ホルダ51側の面には、回路基板111を配置するための凹みである基板凹部95が設けられている。基板凹部95は、第2平面部85及び第2基板収容部91にまたがって形成されている。基板凹部95は、軸方向Xから見たとき、矩形をなしている。第1基板収容部71、第2基板収容部91、第2リング部ホルダ80の第2平面部85における基板凹部95が設けられている部分、及び第1リング部ホルダ60の第1平面部65における基板凹部95と軸方向Xにおいて対向している部分は、磁気センサ110を収容する部分として機能する。すなわち、第3嵌合凸部74及び第3嵌合凹部94は、磁気センサ110を収容する部分の外壁面に設けられている。基板凹部95には、基板凹部95の第1ホルダ51側の面から第1ホルダ51側へ向けて延びる位置決め突起96が設けられている。位置決め突起96は、基板凹部95において一対設けられている。各位置決め突起96は、第2仮想水平直線L2と平行な方向において並んで配置されている。
【0034】
回路部としての回路基板111は、矩形板状をなしている。回路基板111における第1ホルダ51側の面には、磁気センサ110が実装されている。磁気センサ110は、直方体状をなしている。本実施形態では、磁気センサ110は一対設けられている。磁気センサ110は、回路基板111における第2リング部ホルダ80側の端部に設けられている。各磁気センサ110は、第2仮想水平直線L2と平行な方向において並んで配置されている。回路基板111における第2リング部ホルダ80側の端部には、切り欠き111aが設けられている。切り欠き111aは、軸方向Xに貫通している。各切り欠き111aは、第2仮想水平直線L2と平行な方向において並んで設けられている。磁気センサ110は、軸方向Xから見たとき、切り欠き111aと重なる位置において、切り欠き111aに架け渡されるように配置されている。切り欠き111aには、第2集磁リング42の第2集磁部42bが配置されている。磁気センサ110は、第1ホルダ51及び第2ホルダ52が組み付けられた状態において、それぞれ第1集磁部41bと第2集磁部42bとの間に配置されている。第2集磁部ホルダ90の延びる方向から見たとき、磁気センサ110の間に第1嵌合凸部82の中央凸部82aが位置している。鍔部92の凹条93は、回路基板111に実装されている磁気センサ110よりも、第2集磁部ホルダ90の先端側に位置している。第3嵌合凹部94は、回路基板111の第2集磁部ホルダ90の先端側の端部よりも先端側に位置している。
【0035】
各磁気センサ110は、永久磁石20、第1磁気ヨーク31、第2磁気ヨーク32、第1集磁リング41、及び第2集磁リング42によって構成される磁気回路の磁束を検出する。各磁気センサ110には、例えばホール素子等の磁気検出素子が内蔵されている。各磁気センサ110は、付与された磁気の強さに応じた電圧値を検出信号として生成する。磁気センサ110は、信号配線120と接続されている。磁気センサ110は、信号配線120を通じて検出信号を出力する。
【0036】
回路基板111における第1ホルダ51側の面には、第2リング部ホルダ80側から第2集磁部ホルダ90の先端側へ向かう順に、磁気センサ110、各種の電子部品112、貫通孔113、及び接続部114が配置されている。各種の電子部品112は、磁気センサ110により検出信号を生成するための各種の演算を実行する。接続部114は、外部の装置と接続するための信号配線120と電子部品112とを接続している。接続部114は、例えば半田付けされた部分である。
【0037】
回路基板111における電子部品112と接続部114との間の部分は、何も電子部品は実装されていない部分であり、この部分に貫通孔113が形成されている。貫通孔113は、軸方向Xに延びている。貫通孔113は、回路基板111に一対形成されている。各貫通孔113は、第2仮想水平直線L2と平行な方向において並んで配置されている。貫通孔113には、基板凹部95に設けられた位置決め突起96が挿通されている。貫通孔113は、それぞれ磁気センサ110よりも第2仮想水平直線L2と平行な方向において外側に設けられている。
【0038】
図4(a)に示すように、位置決め突起96は、回路基板111が第2集磁部ホルダ90に組み付けられた状態において、第1集磁部ホルダ70へ向けて延びる軸部96a、及び軸部96aの先端部に設けられている頭部96bを有している。軸部96aは、円柱状をなしている。軸部96aは、貫通孔113に挿通している。頭部96bは、半球状をなしている。頭部96bの外周面は、軸部96aよりも拡径している。頭部96bは、軸方向Xから見たとき、丸状をなしている。頭部96bの外径は、貫通孔113の内径よりも大きく設定されている。位置決め突起96は、熱でかしめられることにより形成されている。頭部96bの底面は、回路基板111の第1集磁部ホルダ70側の面に当接している。
【0039】
図4(b)に示すように、回路基板111が第2集磁部ホルダ90に組み付けられる前の状態、すなわち回路基板111に設けられた貫通孔113に位置決め突起96が挿通しただけの状態である場合、位置決め突起96の頭部96bは形成されていない。回路基板111に設けられた貫通孔113を位置決め突起96に挿通した後、位置決め突起96の先端を熱によってかしめることにより、頭部96bが形成される。これにより、回路基板111は、第2集磁部ホルダ90に対して一体的に組み付けられる。
【0040】
図1図3に示すように、第1ホルダ51と第2ホルダ52とは、磁気センサ110が実装された回路基板111を挟み込んだ状態で組み付けられる。第1ホルダ51及び第2ホルダ52の組み付けの際、第2ホルダ52に対して回路基板111が予め一体的に組み付けられている。具体的には、第1ホルダ51及び第2ホルダ52の成型後から第2ホルダ52に対して第1ホルダ51を組み付けるまでの間に、回路基板111は第2ホルダ52に対して予め一体的に組み付けられる。その後、第1集磁部ホルダ70の凸条73を第2集磁部ホルダ90の凹条93に嵌める。また、第2リング部ホルダ80の第1嵌合凸部82は、第1リング部ホルダ60の第1嵌合凹部62に嵌合する。また、第2リング部ホルダ80の第2嵌合凸部87は、第1リング部ホルダ60の第2嵌合凹部67に嵌合する。また、第1集磁部ホルダ70の第3嵌合凸部74は、第2集磁部ホルダ90の第3嵌合凹部94に嵌合する。これらにより、第2ホルダ52に対する第1ホルダ51の組み付けが完了する。
【0041】
このように構成されたトルクセンサ1では、例えば回転軸10が回転操作されることにより、入力軸11と出力軸12との間に相対的な回転変位が生じると、永久磁石20と第1磁気ヨーク31及び第2磁気ヨーク32との位置関係が変化するため、第1磁気ヨーク31及び第2磁気ヨーク32に集磁される磁気が変化する。これにより、第1集磁部41bと第2集磁部42bとの間を通る磁束が変化するため、磁気センサ110に付与される磁気の強さが変化する。磁気センサ110に付与される磁気の強さは、トーションバー13の捩れ角に応じて変化する。したがって、磁気センサ110により出力される検出信号に基づいてトーションバー13の捩れ角を演算することができるため、トーションバー13の捩れ角に基づいて回転軸10に付与されたトルクを演算することができる。
【0042】
本実施形態の作用及び効果を説明する。
(1)回路基板111に実装された磁気センサ110が第2ホルダ52の第2集磁部ホルダ90に対して予め一体的に組み付けられた状態であることで、磁気センサ110が第2ホルダ52に対して位置ずれすることが抑制されている。この場合、トルクセンサ1を組み立てる際には、第2ホルダ52に対する磁気センサ110の組み付け公差が抑えられている。このため、第2ホルダ52に対する磁気センサ110の組み付け公差が生じることが抑えられる分だけ、第1ホルダ51及び第2ホルダ52に対する磁気センサ110の組み付け公差に起因して、磁気センサ110の検出精度に影響を与えることが抑えられている。
【0043】
(2)回路基板111に設けられた貫通孔113に第2ホルダ52の第2集磁部ホルダ90に設けられた位置決め突起96が挿通されていることによって、第2集磁部ホルダ90に対する回路基板111の位置決めがなされている。すなわち、回路基板111が軸方向Xに直交する方向に移動しようとしたとき、回路基板111の貫通孔113が位置決め突起96に当接する。これにより、貫通孔113に位置決め突起96が挿通されていることによって、回路基板111が第2集磁部ホルダ90に対して回路基板111の板厚方向に直交する方向に位置ずれすることが規制されている。このことから、回路基板111の板厚方向と直交する方向の組み付け公差を抑えることができるため、回路基板111に実装されている磁気センサ110の第2ホルダ52に対する組み付け公差を抑えることができるようになる。
【0044】
(3)磁気センサ110を実装した回路基板111の第1集磁部ホルダ70側の面が位置決め突起96の頭部96bに当接していることによって、第2ホルダ52に対して回路基板111が板厚方向に位置ずれすることが規制されている。このことから、回路基板111の第2ホルダ52に対する回路基板111の板厚方向の組み付け公差を抑えることができるため、回路基板111に実装されている磁気センサ110の第2ホルダ52に対する組み付け公差を抑えることができるようになる。
【0045】
(4)比較例として、第1ホルダ51における磁気センサ110を収容する部分である第1集磁部ホルダ70と第2ホルダ52における磁気センサ110を収容する部分である第2集磁部ホルダ90とを組み付けるための嵌合凸部が第2集磁部ホルダ90に設けられている場合について説明する。嵌合凸部を嵌合凹部に嵌合させる際には、主に嵌合凸部が変形することから、嵌合凸部が設けられている第2集磁部ホルダ90に、嵌合に伴って生じる変形力が作用することになる。このことから、第2集磁部ホルダ90が変形することで、第2集磁部ホルダ90に対して一体的に組み付けられている回路基板111の組み付け公差が生じるおそれがある。本実施形態では、第1集磁部ホルダ70と第2集磁部ホルダ90とを組み付けるための第3嵌合凸部74を、磁気センサ110が一体的に組み付けられている第2集磁部ホルダ90に設けずに、第1集磁部ホルダ70に設けている。第3嵌合凹部94に嵌合させる際には、主に第3嵌合凸部74が変形することによって、第3嵌合凸部74は第3嵌合凹部94に嵌合する。このことから、第3嵌合凸部74を第3嵌合凹部94に嵌合させる際において、磁気センサ110が実装された回路基板111が一体的に組み付けられている第2集磁部ホルダ90には、第3嵌合凸部74が設けられている第1集磁部ホルダ70よりも、嵌合に伴って生じる変形力が作用することが抑えられている。この変形力が作用することを抑制することによって、磁気センサ110の第2ホルダ52に対する組み付け公差が生じることを抑えることができる。
【0046】
(5)第1リング部ホルダ60と第2リング部ホルダ80とを組み付けるための第1嵌合凸部82及び第2嵌合凸部87を第2リング部ホルダ80側に設け、第1集磁部ホルダ70と第2集磁部ホルダ90とを組み付けるための第3嵌合凸部74を第1集磁部ホルダ70側に設けている。第1嵌合凸部82及び第2嵌合凸部87と第3嵌合凸部74とを互いに異なるホルダに配置していることから、嵌合凸部と嵌合凹部との嵌合に伴って生じる変形力を各ホルダに分散させることができる。
【0047】
(6)比較例として、位置決め突起96が第2集磁部ホルダ90に1つのみ設けられている場合、回路基板111は、貫通孔113に挿通する位置決め突起96を中心として回転するおそれがある。この点、本実施形態では、位置決め突起96は、第2集磁部ホルダ90の基板凹部95において、第2仮想水平直線L2と平行な方向において並んで2つ設けられている。このことから、回路基板111が第2集磁部ホルダ90に対して回転することが規制されている。
【0048】
(7)回路基板111の貫通孔113は、貫通孔113に挿通される位置決め突起96が熱によってかしめられることを考慮して、回路基板111において磁気センサ110を貫通孔113から離して配置している。これにより、位置決め突起96が熱によってかしめられた場合においても、この熱が磁気センサ110に伝わり難くしている。
【0049】
本実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・第1嵌合凸部82は、1つのみ設けられてもよいし、2つ以上設けられてもよい。これに対応して、第1嵌合凹部62は、1つのみ設けられてもよいし、2つ以上設けられてもよい。また、第2嵌合凸部87及び第2嵌合凹部67についても、1つのみ設けられてもよいし、2つ以上設けられてもよい。また、第3嵌合凸部74及び第3嵌合凹部94についても、1つのみ設けられてもよいし、2つ以上設けられてもよい。
【0050】
・第1リング部ホルダ60と第2リング部ホルダ80とを組み付けるための第1嵌合凸部82及び第2嵌合凸部87を第1リング部ホルダ60側に設け、第1集磁部ホルダ70と第2集磁部ホルダ90とを組み付けるための第3嵌合凸部74を第2集磁部ホルダ90側に設けるようにしてもよい。
【0051】
・第1リング部ホルダ60と第2リング部ホルダ80とを組み付けるための第1嵌合凸部82及び第2嵌合凸部87を第1リング部ホルダ60側に設けるとともに、第1集磁部ホルダ70と第2集磁部ホルダ90とを組み付けるための第3嵌合凸部74を第1集磁部ホルダ70側に設けるようにしてもよい。また、第1嵌合凸部82及び第2嵌合凸部87を第2リング部ホルダ80側に設けるとともに、第3嵌合凸部74を第2集磁部ホルダ90側に設けるようにしてもよい。
【0052】
・第3嵌合凸部74を第2集磁部ホルダ90側に設けるようにしてもよい。
・位置決め突起96は、第2集磁部ホルダ90の基板凹部95において2つ設けられたが、1つのみであってもよい。また、位置決め突起96は、3つ以上設けられてもよい。
【0053】
・位置決め突起96には、頭部96bが形成されたが、頭部96bはなくてもよい。すなわち、位置決め突起96は、少なくとも軸部96aがあればよい。また、位置決め突起96の先端を熱によってかしめることにより頭部96bを形成する工程を省いてもよい。
【0054】
・軸部96aの軸方向Xから見たときの断面形状は、円形に限らず、多角形状であってもよい。
・位置決め突起96は、第1集磁部ホルダ70に設けてもよい。すなわち、磁気センサ110が実装された回路基板111を第1ホルダ51に対して一体的に組み付けるようにしてもよい。
【0055】
・磁気センサ110が実装された回路基板111を第2ホルダ52に対して一体的に組み付けるために位置決め突起96が設けられたが、設けなくてもよい。例えば、ねじ等の他の締結手段によって磁気センサ110が実装された回路基板111を第2ホルダ52に対して一体的に組み付けるようにしてもよい。すなわち、磁気センサ110が実装された回路基板111を第2ホルダ52に対して一体的に組み付ける方法はどのようなものであってもよい。
【0056】
・磁気センサ110は、回路基板111に1つのみ実装されてもよい。この場合、第1集磁リング41の第1集磁部41bも1つのみ設けられるとともに、第2集磁リング42の第2集磁部42bも1つのみ設けられるようにしてもよい。また、磁気センサ110は、回路基板111に3つ以上実装されてもよい。この場合、第1集磁リング41の第1集磁部41bも3つ以上設けられるとともに、第2集磁リング42の第2集磁部42bも3つ以上設けられるようにすればよい。
【0057】
・磁気センサ110は、基板凹部95に組み付けられ、第1集磁部41bと第2集磁部42bとの間に配置されるようにしてもよい。また、磁気センサ110をターミナル(接続端子)に接続してもよい。この場合、ターミナルの導線部に貫通孔を設けて、この貫通孔に位置決め突起96を挿通した状態で位置決め突起96の先端をかしめるようにしてもよい。
【0058】
・磁気センサ110として、ホール素子が採用されたが、磁気抵抗素子が採用されてもよい。
・センサ装置として、トルクを検出するためのトルクセンサ1に具体化したが、例えば回転軸10の回転角度を検出するための回転角度検出装置に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…トルクセンサ、10…回転軸、11…入力軸、12…出力軸、13…トーションバー、20…永久磁石、21…保持部、22…多極磁石、30…磁気ヨーク、31…第1磁気ヨーク、31a…第1環状部、31b…第1爪部、32…第2磁気ヨーク、32a…第2環状部、32b…第2爪部、40…集磁リング、41…第1集磁リング、41a…第1リング部、41b…第1集磁部、42…第2集磁リング、42a…第2リング部、42b…第2集磁部、50…ホルダ、51…第1ホルダ、52…第2ホルダ、60…第1リング部ホルダ、62…第1嵌合凹部、63…第1円周面部、64…第1フランジ部、65…第1平面部、66…第1凹み、67…第2嵌合凹部、70…第1集磁部ホルダ、71…第1基板収容部、72…壁部、73…凸条、74…第3嵌合凸部、80…第2リング部ホルダ、82…第1嵌合凸部、83…第2円周面部、84…第2フランジ部、85…第2平面部、86…第2凹み、87…第2嵌合凸部、90…第2集磁部ホルダ、91…第2基板収容部、92…鍔部、93…凹条、94…第3嵌合凹部、95…基板凹部、96…位置決め突起、96a…軸部、96b…頭部、100…磁気シールド、110…磁気センサ、111…回路基板、112…電子部品、113…貫通孔、114…接続部、120…信号配線、L1…第1仮想水平直線、L2…第2仮想水平直線、X…軸方向。
図1
図2
図3
図4