(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】掃除ロボットの掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20220802BHJP
A47L 9/04 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
A47L9/28 E
A47L9/04 A
(21)【出願番号】P 2018168841
(22)【出願日】2018-09-10
【審査請求日】2020-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】中島 丘史
(72)【発明者】
【氏名】野村 敏彦
【審査官】関口 知寿
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-245086(JP,A)
【文献】特開平07-000320(JP,A)
【文献】実開昭60-151591(JP,U)
【文献】特開平08-182638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00- 9/32
A47L 11/00-11/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行しながら床面の掃除を行う掃除ロボットの掃除機において、
支持部材と、
前記支持部材の左右両側に前記掃除ロボットの上下方向に揺動可能となるように固定された2つの平行リンク機構と、
前記2つの平行リンク機構のジョイント部同士を連結する第1連結ピンと、
前記第1連結ピンの上方に配置され、前記2つの平行リンク機構の他のジョイント部同士を連結する第2連結ピンと、
前記第1連結ピンに取り付けられ、前記床面に接地されるブラシを有するブラシユニットと、
前記平行リンク機構を前記上下方向に揺動させることにより、前記ブラシユニットを昇降させる昇降ユニットとを備え
、
前記ブラシユニットは、前記第1連結ピンに回動可能に支持されたブロックと、前記ブロックに前記掃除ロボットの前後方向に延びる支持ピンを介して回動可能に支持され、前記ブラシを保持するブラシホルダとを有する掃除ロボットの掃除機。
【請求項2】
前記昇降ユニットは、前記第2連結ピンを昇降させることで、前記平行リンク機構を前記上下方向に揺動させる請求項
1記載の掃除ロボットの掃除機。
【請求項3】
前記昇降ユニットは、モータと、前記モータの出力軸に固定され、前記第2連結ピンを押し上げるカムとを有し、
前記カムは、前記ブラシが前記床面に接地した状態において、前記第2連結ピンから下方に離間して配置されている請求項
2記載の掃除ロボットの掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除ロボットの掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における掃除ロボットの掃除機としては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載の掃除ロボットは、前部の下面に吸込口が設けられた本体筐体と、本体筐体に設けられた1対の駆動輪と、本体筐体の前端部に設けられた前輪と、本体筐体の後端部に設けられた後輪と、吸込口内に配置された回転ブラシと、吸込口の側方に配置された1対のサイドブラシとを備えている。このような掃除ロボットの前進時に、回転ブラシにより床面上の塵埃が掻き上げられると共に、サイドブラシにより吸込口の側方の塵埃が吸込口に導かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、回転ブラシは本体筐体に固定されているため、床面に段差やうねりがあると、回転ブラシが床面に接地しないことがある。この場合には、床面の掃除を安定して行うことができない。また、回転ブラシが本体筐体に固定されているため、掃除ロボットが掃除を行わないで移動するだけのときにも、掃除ロボットは回転ブラシを引きずって走行することになる。この場合には、回転ブラシの摩耗が発生する。従って、掃除ロボットが掃除を行うことなく移動する際には、必要以上に速度を下げて走行するといった制約が必要となる。
【0005】
本発明の目的は、段差等がある床面にもブラシを接地させることができると共に、掃除ロボットがブラシを引きずることなく走行することができる掃除ロボットの掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、走行しながら床面の掃除を行う掃除ロボットの掃除機において、支持部材と、支持部材の左右両側に掃除ロボットの上下方向に揺動可能となるように固定された2つの平行リンク機構と、2つの平行リンク機構のジョイント部同士を連結する第1連結ピンと、第1連結ピンの上方に配置され、2つの平行リンク機構の他のジョイント部同士を連結する第2連結ピンと、第1連結ピンに取り付けられ、床面に接地されるブラシを有するブラシユニットと、平行リンク機構を上下方向に揺動させることにより、ブラシユニットを昇降させる昇降ユニットとを備える。
【0007】
このような掃除ロボットの掃除機においては、2つの平行リンク機構が支持部材の左右両側に掃除ロボットの上下方向に揺動可能となるように固定されており、2つの平行リンク機構のジョイント部同士を連結する第1連結ピンに、床面に接地されるブラシを有するブラシユニットが取り付けられている。このため、掃除ロボットの走行時に床面に段差等があっても、床面の段差等に追従してブラシが掃除ロボットの上下方向に移動するようになる。これにより、段差等がある床面にもブラシを接地させることができる。また、掃除ロボットが掃除を行わずに移動するときは、昇降ユニットによって平行リンク機構を上昇させて、ブラシユニットを床面から上昇した状態に保つことにより、掃除ロボットがブラシを引きずることなく走行することができる。
【0008】
ブラシユニットは、第1連結ピンに回動可能に支持されたブロックと、ブロックに掃除ロボットの前後方向に延びる支持ピンを介して回動可能に支持され、回転ブラシを保持するブラシホルダとを有してもよい。このような構成では、第1連結ピンを中心としてブラシが掃除ロボットの前後方向に揺動可能となると共に、支持ピンを中心としてブラシが掃除ロボットの左右方向に揺動可能となる。従って、床面に段差等があっても、床面の段差等に追従してブラシが掃除ロボットの前後方向及び左右方向に揺動する。これにより、段差等がある床面にブラシを確実に且つスムーズに接地させることができる。
【0009】
昇降ユニットは、第2連結ピンを昇降させることで、平行リンク機構を上下方向に揺動させてもよい。このような構成では、スペース効率良く、平行リンク機構を上下方向に揺動させることができる。
【0010】
昇降ユニットは、モータと、モータの出力軸に固定され、第2連結ピンを押し上げるカムとを有し、カムは、回転ブラシが床面に接地した状態において、第2連結ピンから下方に離間して配置されていてもよい。このような構成では、簡単な構造で、第2連結ピンを昇降させることができる。また、ブラシが床面に接地した状態では、カムは第2連結ピンから下方に離間して配置されているので、掃除ロボットの車輪が段差等に乗り上げると、第2連結ピンが下降することで、ブラシが下降する。これにより、掃除ロボットの車輪が段差等に乗り上げたときでも、ブラシを床面に接地させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、段差等がある床面にもブラシを接地させることができると共に、掃除ロボットがブラシを引きずることなく走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る掃除機を備えた掃除ロボットを示す側面図である。
【
図6】掃除機が前後方向に揺動する様子を示す側面図である。
【
図7】掃除機が左右方向に揺動する様子を示す正面図である。
【
図9】昇降ユニットにより回転ブラシが床面から上昇した状態を示す側面図である。
【
図10】昇降ユニットにより回転ブラシが床面から上昇した状態を示す正面図である。
【
図11】走行台車の車輪が床面の段差部に乗り上げた場合に、平行リンク機構が下がることで、回転ブラシが床面に接地した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る掃除機を備えた掃除ロボットを示す側面図である。
図1において、掃除ロボット1は、走行しながら床面Lの掃除を行う自走式のロボットである。掃除ロボット1は、走行台車2と、この走行台車2の前端に連結部材3を介して取り付けられた掃除機4とを備えている。走行台車2は、4つの全方向移動型の車輪2aを有し、前後左右の全方向に移動可能である。
【0015】
図2は、掃除機4の外観を示す斜視図である。
図3は、掃除機4の側面図である。
図4は、掃除機4の正面図である。なお、
図2~
図4では、
図1におけるブラシユニット9(後述)の一部の構成については、便宜上省略されている。
【0016】
図1~
図4において、本実施形態の掃除機4は、掃除ロボット1の前部に配置され、床面Lを掃除する。掃除機4は、支持部材5と、左右2つの平行リンク機構6と、下連結ピン7(第1連結ピン)と、上連結ピン8(第2連結ピン)と、ブラシユニット9と、昇降ユニット10とを備えている。
【0017】
支持部材5は、走行台車2の連結部材3に固定されたベース板11と、このベース板11の左右両端部から前側に突出した2つの突出部12とを有している。突出部12は、掃除ロボット1の上下方向(Z方向)に延びている。
【0018】
平行リンク機構6は、支持部材5の左右両側に上下方向に揺動可能となるように固定されている。平行リンク機構6は、突出部12の内側面の下部に回動可能に支持された下リンク13と、突出部12の内側面の上部に回動可能に支持された上リンク14と、下リンク13と上リンク14とを接続する接続リンク15とを有している。下リンク13及び上リンク14は、掃除ロボット1の前後方向(X方向)に延びている。接続リンク15は、上下方向に延びている。
【0019】
下リンク13と接続リンク15とは、互いに回動可能に接続されている。下リンク13と接続リンク15との接続部は、下ジョイント部16を構成している。上リンク14と接続リンク15とは、互いに回動可能に接続されている。上リンク14と接続リンク15との接続部は、上ジョイント部17を構成している。
【0020】
下連結ピン7は、2つの平行リンク機構6の下ジョイント部16同士を連結している。上連結ピン8は、下連結ピン7の上方に配置され、2つの平行リンク機構6の上ジョイント部17同士を連結している。下連結ピン7及び上連結ピン8は、掃除ロボット1の左右方向(Y方向)に延びている。
【0021】
ブラシユニット9は、下連結ピン7に取り付けられている。ブラシユニット9は、床面Lに接地され、床面L上のゴミを掃き上げる円筒状の回転ブラシ18と、この回転ブラシ18を回転可能に保持する箱状のブラシホルダ19とを有している。回転ブラシ18及びブラシホルダ19は、掃除ロボット1の左右方向に延びている。
【0022】
ブラシホルダ19には、
図5に示されるように、回転ブラシ18が収容されるブラシ収容部19aが設けられている。また、ブラシホルダ19の左右一端側には、後述するベルト25を配置するための開口部19bが設けられている。なお、
図5は、ブラシユニット9の底面図である。ブラシホルダ19の左右両端側には、回転軸20を回転可能に支持する支持ブラケット21がそれぞれ取り付けられている。回転ブラシ18は、回転軸20に固定され、回転軸20と一体で回転する。回転軸20の開口部19b側の端部には、プーリー22が固定されている。
【0023】
図1に示されるように、ブラシホルダ19の上面の左右一方側には、ブラシモータ23が取り付けられている。ブラシモータ23の出力軸23aには、プーリー24が固定されている。プーリー22,24には、ベルト25が掛け渡されている。ブラシモータ23が回転駆動されると、ブラシモータ23の回転がプーリー24、ベルト25、プーリー22及び回転軸20を介して回転ブラシ18に伝達され、回転ブラシ18が回転する。
【0024】
また、ブラシユニット9は、下連結ピン7に回動可能に支持された側面視U字状のブロック26を有している。ブラシホルダ19は、ブロック26に回動可能に支持されている。具体的には、ブロック26には、前後方向に延びる支持ピン27が固定されている。そして、ブラシホルダ19は、支持ピン27に回動可能に支持されている。これにより、ブラシホルダ19は、
図6に示されるように、下連結ピン7(
図6では不図示)を中心にして前後方向に揺動可能である。また、ブラシホルダ19は、
図7に示されるように、支持ピン27を中心にして左右方向に揺動可能である。
【0025】
昇降ユニット10は、平行リンク機構6を上下方向に揺動させることにより、ブラシユニット9を昇降させる。具体的には、昇降ユニット10は、上連結ピン8を昇降させることにより、平行リンク機構6を上下方向に揺動させて、ブラシユニット9を昇降させる。昇降ユニット10は、支持部材5のベース板11に取り付けられた昇降モータ28と、この昇降モータ28の出力軸28aに固定され、上連結ピン8を押し上げるL字型のカム29とを有している。
【0026】
カム29は、回転ブラシ18が床面Lに接地した状態において、上連結ピン8から下方に離間して配置されている。カム29の先端には、カム29が上連結ピン8を押し上げたときに上連結ピン8がカム29から外れないようにするためのストッパ29aが設けられている。
【0027】
走行台車2には、
図8に示されるように、モードスイッチ30及びコントローラ31が搭載されている。モードスイッチ30は、掃除モードと移動モードとを切り換えるスイッチである。掃除モードは、掃除ロボット1が走行しながら床面Lの掃除を行うモードである。移動モードは、掃除ロボット1が床面Lの掃除を行わないで移動するだけのモードである。
【0028】
コントローラ31は、モードスイッチ30により選択されたモードに応じてブラシモータ23及び昇降モータ28を制御する。
【0029】
コントローラ31は、モードスイッチ30により掃除モードが選択されているときは、回転ブラシ18が床面Lに接地した状態(
図1、
図3及び
図4参照)に維持されるように昇降モータ28を制御すると共に、回転ブラシ18が回転するようにブラシモータ23を制御する。これにより、掃除機4により床面Lの掃除を行うことが可能となる。
【0030】
コントローラ31は、モードスイッチ30により掃除モードから移動モードに切り換えられたときは、回転ブラシ18の回転が停止するようにブラシモータ23を制御すると共に、昇降モータ28の出力軸28aに固定されたカム29が上連結ピン8を押し上げるように昇降モータ28を制御する。このとき、コントローラ31は、回転ブラシ18が床面Lに接地した状態から昇降モータ28を半回転させる。すると、
図9及び
図10に示されるように、カム29が上連結ピン8を押し上げることで、上連結ピン8が上昇するため、平行リンク機構6が上昇する。従って、下連結ピン7に取り付けられたブラシユニット9が上昇するため、回転ブラシ18が床面Lから上方に離れるようになる。
【0031】
なお、例えば平行リンク機構6の下リンク13における支持部材5との回動部にカムを設けると共に、当該カムの回転を検出するリミットスイッチを設けることにより、昇降モータ28をフィードバック制御してもよい。
【0032】
以上のような掃除ロボット1において、モードスイッチ30により掃除モードが設定されているときは、掃除ロボット1の走行中に、掃除機4により床面Lが掃除される。このとき、回転ブラシ18によって掃き上げられた床面L上のゴミは、ホース(図示せず)に吸い取られる。
【0033】
ここで、回転ブラシ18は、平行リンク機構6により自由に上下動すると共に、前後方向及び左右方向に自由に揺動する。このため、床面Lに段差やうねりがある場合でも、回転ブラシ18が床面Lに確実に接地するようになる。
【0034】
例えば、
図11に示されるように、走行台車2の左右両側の車輪2aが床面Lの段差部Dに乗り上げた場合には、段差部Dに追従して平行リンク機構6が下がるため、回転ブラシ18が下がって床面Lに接地する。また、走行台車2の左右片側の車輪2aが床面Lの段差部Dに乗り上げた場合には、段差部Dに追従して平行リンク機構6が下がることで回転ブラシ18が下がると共に、段差部Dに追従して回転ブラシ18が左右方向に揺動するため、回転ブラシ18が全体的に床面Lに接地する。
【0035】
一方、モードスイッチ30により移動モードが設定されているときは、
図9及び
図10に示されるように、回転ブラシ18が床面Lに接地していない状態で掃除ロボット1が走行する。このため、掃除ロボット1の走行中に、掃除機4により床面Lが掃除されることはない。
【0036】
以上のように本実施形態にあっては、2つの平行リンク機構6が支持部材5の左右両側に上下方向に揺動可能となるように固定されており、2つの平行リンク機構6の下ジョイント部16同士を連結する下連結ピン7に、床面Lに接地される回転ブラシ18を有するブラシユニット9が取り付けられている。このため、掃除ロボット1の走行時に床面Lに段差やうねりがあっても、床面Lの段差やうねりに追従して回転ブラシ18が上下方向に移動する。これにより、段差やうねりがある床面Lにも回転ブラシ18を接地させることができる。その結果、段差やうねりがある床面Lの掃除を安定して行うことが可能となる。
【0037】
また、掃除ロボット1が掃除を行わずに移動するときは、昇降ユニット10によって平行リンク機構6を上昇させて、ブラシユニット9を床面Lから上昇した状態に保つことにより、掃除ロボット1が回転ブラシ18を引きずることなく走行することができる。その結果、掃除ロボット1が必要以上に速度を下げずに走行することが可能となると共に、回転ブラシ18の摩耗を抑えることが可能となる。
【0038】
また、本実施形態では、下連結ピン7を中心として回転ブラシ18が前後方向に揺動可能になると共に、支持ピン27を中心として回転ブラシ18が左右方向に揺動可能となる。従って、床面Lに段差やうねりがあっても、床面Lの段差やうねりに追従して回転ブラシ18が前後方向及び左右方向に揺動する。これにより、段差やうねりがある床面Lに回転ブラシ18を確実に且つスムーズに接地させることができる。
【0039】
また、本実施形態では、昇降ユニット10は、上連結ピン8を昇降させることで、平行リンク機構6を上下方向に揺動させる。従って、スペース効率良く、平行リンク機構6を上下方向に揺動させることができる。
【0040】
また、本実施形態では、昇降ユニット10は、昇降モータ28と、この昇降モータ28の出力軸28aに固定され、上連結ピン8を押し上げるカム29とを有している。従って、簡単な構造で、上連結ピン8を昇降させることができる。また、回転ブラシ18が床面Lに接地した状態では、カム29は上連結ピン8から下方に離間して配置されているので、掃除ロボット1の走行台車2の車輪2aが段差やうねりに乗り上げると、上連結ピン8が下降することで、回転ブラシ18が下降する。これにより、走行台車2の車輪2aが段差やうねりに乗り上げたときでも、回転ブラシ18を床面Lに接地させることができる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施形態には限定されない。例えば上記実施形態では、L字型のカム29により上連結ピン8を押し上げているが、カム29の形状としては、上連結ピン8を押し上げることができるのであれば、特にL字型には限られない。また、ブラシユニット9を昇降させる機構としては、平行リンク機構6を使用していれば、特に昇降モータ28とカム29との組み合わせには限られない。
【0042】
また、上記実施形態では、昇降ユニット10は、上連結ピン8を昇降させることで、平行リンク機構6を上下方向に揺動させているが、特にその形態には限られず、スペース的に可能であれば、下連結ピン7を昇降させることで、平行リンク機構6を上下方向に揺動させてもよいし、或いは下リンク13または上リンク14を昇降させることで、平行リンク機構6を上下方向に揺動させてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、ブラシユニット9は、円筒状の回転ブラシ18を有しているが、床面L上のゴミを掃き上げるブラシとしては、特に回転ブラシ18には限られず、振動ブラシまたは揺動ブラシ等であってもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、掃除機4は、4つの全方向移動型の車輪2aを有する走行台車2に取り付けられているが、本発明は、例えば一般的な車輪を有する車両に取り付けられた掃除機にも適用可能である。
【0045】
また、上記実施形態では、掃除機4は掃除ロボット1の前部に搭載されているが、本発明は、掃除ロボット1の後部等に搭載された掃除機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…掃除ロボット、4…掃除機、5…支持部材、6…平行リンク機構、7…下連結ピン(第1連結ピン)、8…上連結ピン(第2連結ピン)、9…ブラシユニット、10…昇降ユニット、16…下ジョイント部(ジョイント部)、17…上ジョイント部(他のジョイント部)、18…回転ブラシ(ブラシ)、19…ブラシホルダ、26…ブロック、27…支持ピン、28…昇降モータ(モータ)、28a…出力軸、29…カム、L…床面。