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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】搬送車システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
B65G1/04 537
B65G1/04 505
B65G1/04 539
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018170614
(22)【出願日】2018-09-12
(65)【公開番号】P2020040803
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】酒向 孝明
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-052919(JP,A)
【文献】特開2013-023313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路を走行する走行部と、前記走行部に設けられ位置を検出する位置検出器と、異常を検出する異常検出器と、を有する搬送車と、
前記異常検出器によって異常が検出されれば、異常検出情報と異常発生時の位置情報とを紐付けて記憶する記憶手段と、
検出した異常検出情報を位置情報ごとに出力する出力手段と、を備える、
搬送車システム。
【請求項2】
前記搬送車は、昇降する昇降台と、前記昇降台の高さ位置を検出するための昇降台高さ検出器と、をさらに有し、
前記位置情報は、搬送車走行方向位置情報と昇降台高さ位置から得られる昇降台位置情報を含んでいる、請求項1に記載の搬送車システム。
【請求項3】
前記出力手段は、位置情報の順に並び替えられた異常検出情報を出力する、請求項1又は2に記載の搬送車システム。
【請求項4】
前記異常検出情報は異常種類を含んでおり、
前記出力手段は、位置情報ごとに異常種類別の出力を行う、請求項1~3のいずれかに記載の搬送車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動倉庫は、例えば、一対のラックと、スタッカクレーンと、入庫ステーションと、出庫ステーションとを備えている。一対のラックは、前後方向に所定間隔をあけるようにして設けられている。スタッカクレーンは、前後のラック間において左右方向に移動自在に設けられている。入庫ステーションは、一方のラックの側方に配置されている。出庫ステーションは、他方のラックの側方に配置されている。ラックは、上下・左右に多数の荷物収納棚を有する。スタッカクレーンは、走行台車と、それに設けられたマストに昇降自在に装着された昇降台と、それに設けられた荷物移載装置(例えば、前後方向に摺動自在に設けられたスライドフォーク)とを有している。
【0003】
特許文献1には、物流機器の制御装置が開示されている。その制御装置では、制御端末画面に物流機器の状態が表示される。そして、状態表示がクリックされると、過去の異常履歴が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-88910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば自動倉庫のスタッカクレーンにおいては特定の位置(例えば、走行台車の走行位置、昇降台の昇降位置)に原因があって、それによって異常が発生している可能性がある。しかし、過去異常履歴が例えば時系列で並べられるだけでは、解析に手間が掛かり、さらには作業者がそれを見た場合に、どの位置で異常が発生したかを直感的に把握できない。
【0006】
本発明の目的は、搬送車システムにおいて、異常発生傾向を把握しやすくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0008】
本発明の一見地に係る搬送車システムは、搬送車と、記憶手段と、出力手段とを備えている。
搬送車は、経路を走行する走行部と、走行部に設けられ位置を検出する位置検出器と、異常を検出する異常検出器と、を有する。
記憶手段は、異常検出器によって異常が検出されれば、異常検出情報と異常発生時の位置情報とを紐付けて記憶する。
出力手段は、検出した異常検出情報を位置情報ごとに出力する。
このシステムでは、検出した異常検出情報を位置ごとに(つまり、紐付けた状態で)出力することで、異常検出情報を受け取った装置において、検出した異常検出情報を位置ごとに表示できる。その結果、位置が原因の異常の発生傾向を把握しやすくなる。
「出力する」とは、データを他の装置(記憶部を含む)に供給することをいう。
ここでの「位置」とは、例えば、所定範囲ごとに区分された領域を意味している。例えば、「位置」は、搬送車の走行方向において区分された位置であったり、自動倉庫においては棚番号であったりする。なお、「位置」とは、装置の特定位置の座標であってもよい。
【0009】
搬送車は、昇降する昇降台と、昇降台の高さ位置を検出するための昇降台高さ検出器と、をさらに有していてもよい。
位置情報は、搬送車走行方向位置情報と昇降台高さ位置から得られる昇降台位置情報を含んでいてもよい。
このシステムでは、昇降台高さが関係する異常原因を特定することが可能となる。
【0010】
出力手段は、位置情報の順に並び替えられた異常検出情報を出力してもよい。
このシステムでは、異常検出情報が位置の順に並び替えられて出力されるので、異常検出情報を受け取った側において、特別な処理をしなくても位置の順に異常検出情報を表示しやすくなる。
【0011】
異常検出情報は異常種類を含んでいてもよい。出力手段は、位置情報ごとに異常種類別を出力する。つまり、選択した異常内容だけが、位置情報並びで出力される。
このシステムでは、選択した異常内容だけが位置情報並びで出力されることができるので、異常検出情報を受け取った側において、選択した異常種類だけを容易に表示できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る搬送車システムでは、異常発生傾向を把握しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】自動倉庫の構成を示す平面図。
図2図1のII-II間の矢示図。
図3図1のIII-III間の矢示図。
図4】スタッカクレーンの制御構成を示すブロック図。
図5】異常検出動作のフローチャート。
図6】保存された異常検出情報のリスト。
図7】異常検出情報出力動作のフローチャート。
図8】サーバの表示画面における異常検出情報を示す図。
図9】サーバの表示画面における異常検出情報を示す図。
図10】サーバの表示画面における異常検出情報を示す図。
図11】サーバの表示画面における異常検出情報を示す図。
図12】サーバの表示画面における異常検出情報を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.第1実施形態
(1)自動倉庫全体
図1図3を用いて、本発明に係る一実施形態としての自動倉庫1を説明する。図1は、自動倉庫の構成を示す平面図である。図2は、図1のII-II間の矢示図である。図3は、図1のIII-III間の矢示図である。なお、この実施形態において、図1の上下方向が自動倉庫1の前後方向(矢印X)であり、図1の左右方向が自動倉庫1の左右方向(矢印Y)である。
【0015】
自動倉庫1は、主に、一対のラック2a、2bと、スタッカクレーン3(搬送車システムの一例)とから構成されている。
【0016】
(2)ラック
一対のラック2a、2bは、図1の左右方向に延びるスタッカクレーン通路5を挟むように配置されている。ラック2a、2bは、所定間隔で左右に並ぶ多数の前側支柱7と、前側支柱7の後方にそれとの間に所定間隔をあけて並ぶ後側支柱8と、前側支柱7および後側支柱8に設けられた多数の荷物支承部材11とを有している。左右一対の荷物支承部材11によって、荷物収納棚13(以下、「棚13」という)が構成されている。各棚13には、図から明らかなように、荷物Wが載置可能である。なお、各荷物Wは、パレットP(図2を参照)上に載置され、パレットPと共に移動させられる。なお、左右一対の荷物支承部材11間は、後述のスライドフォーク29の上下方向の移動を許容するフォーク通過間隙15となっている。
以上の構成により、棚13は走行方向に並んだ複数の「連」と、上下方向に並んだ複数の「段」とを有している。
【0017】
(3)スタッカクレーン
スタッカクレーン3をさらに説明する。
スタッカクレーン通路5に沿って、上下一対のガイドレール21a、21bが設けられており、これらガイドレール21a、21bにスタッカクレーン3が左右に移動可能に案内されている。スタッカクレーン3は、車輪を有する走行台車23(搬送車の一例)と、走行台車23の本体に設けられた左右一対のマスト25a、25bに昇降自在に装着された昇降台27と、昇降台27に進退機構(図示せず)によって前後方向に摺動自在に設けられたスライドフォーク29とを有している。なお、図2において、昇降台27のスライドフォーク29の上には、パレットPと荷物Wが載っている。
【0018】
(4)制御構成
次に、図4を用いて、コントローラ51を説明する。図4は、スタッカクレーンの制御構成を示すブロック図である。
コントローラ51は、自動倉庫1全体を制御する上位コントローラ(図示せず)と通信可能である。コントローラ51は、CPUやメモリ等のコンピュータ・ハードウェアで実現されているが、図4においてはコンピュータ・ハードウェアとソフトウェアの協働によって実現される機能構成で表現している。
【0019】
コントローラ51は、走行台車23の走行・停止を制御するために、走行モータ43と、それに設けられたロータリエンコーダ(図示せず)に接続されている。コントローラ51は、昇降台27をマスト25に沿って上下動させるために、昇降モータ45と、それに設けられたロータリエンコーダ(図示せず)に接続されている。コントローラ51は、スライドフォーク29を前後方向に移動させるために、移載モータ67と、それに設けられたロータリエンコーダ(図示せず)に接続されている。
【0020】
コントローラ51には、さらに、走行台車位置検出器33(搬送車位置検出器の一例)、昇降台高さ検出器35(昇降台高さ検出器の一例)、異常検出器37(異常検出器の一例)が接続されている。
走行台車位置検出器33は、走行台車23の走行位置を検出するセンサである。具体的には、走行台車位置検出器33は、走行台車23がスタッカクレーン通路5のいずれの位置にあるか(例えば、複数の棚13のうちいずれの連に対応した位置にあるか)を検出する。走行台車位置検出器33は、走行モータ43に設けられたロータリエンコーダでもよい。
昇降台高さ検出器35は、昇降台27の高さ位置を検出する装置である。具体的には、昇降台高さ検出器35は、昇降台27が自動倉庫1の高さ方向のいずれの位置にあるか(例えば、複数の棚13のうちいずれの段に対応した位置にあるか)を検出する。昇降台高さ検出器35は、昇降モータ45に設けられたロータリエンコーダでもよい。
【0021】
異常検出器37は、スタッカクレーン3の走行動作、昇降動作又は移載動作における異常を検出する装置であり、かつ、その異常の原因を示す情報を出力することのできる装置である。異常検出器37には、複数のセンサ(図示せず)が接続されている。センサは、例えば、エンコーダ、荷物検出センサ、フォーク位置センサ、走行台車位置を検出するセンサを含む。なお、センサの個数、種類、取付位置は特に限定されない。
異常検出器37は、センサからの検出信号を取得すること、記憶すること、スタッカクレーン3の異常を示す異常信号を特定すること、を行う。その後、異常検出器37は、異常検出情報をスタッカクレーン3のコントローラ51に出力する。異常の種類としては、例えば、スタッカクレーン3の停止位置の目標位置からのずれ(走行停止ミス)、エンコーダ異常、走行速度の目標速度からのずれ、昇降台又は棚における荷物情報の異常、スライドフォーク29の異常動作(例えば、スライドフォーク29が正常な位置まで伸びない)がある。
【0022】
コントローラ51は、記憶装置53(記憶手段の一例)を有している。記憶装置53は、異常検出器37によって異常が検出されれば、異常発生時に、走行台車位置検出器33及び昇降台高さ検出器35が検出した検出位置が示す昇降台27の位置と異常検出情報とを紐付けて記憶する。
コントローラ51は、出力部55(出力手段の一例)を有している。出力部55は、昇降台27の位置ごとに異常検出情報を(つまり、両者を紐付けた状態で)出力する。
【0023】
コントローラ51には、サーバ71が接続されている。サーバ71は、オペレータがアクセス可能なコンピュータである。サーバ71は、出力指示部73と、表示部75とを有している。
出力指示部73は、例えばオペレータからの指示によって、スタッカクレーン3に対して異常検出情報の出力を要求する。この場合、出力指示部73は、期間等の条件を設定できる。
【0024】
表示部75は、出力部55から出力された異常検出情報を表示できる。表示方法は後述される。
この自動倉庫1では、上記のように異常検出情報を昇降台27の位置ごとに出力することで、異常検出情報を受け取ったサーバ71において、異常発生傾向を把握しやすくなる。
【0025】
(5)異常検出動作、異常検出情報出力動作、及びサーバにおける異常検出情報の表示の詳細説明
(5-1)異常検出動作
図5及び図6を用いて、異常検出動作を詳細に説明する。図5は、異常検出動作のフローチャートである。図6は、保存された異常検出情報のリストである。
コントローラ51は、走行台車位置検出器33及び昇降台高さ検出器35から位置情報を常に受信している。
図5において、ステップS1では、コントローラ51は、異常検出器37から異常検出情報を受信したか否かを判断する。異常検出情報が受信されると、プロセスはステップS2に移行する。なお、異常検出は、昇降台27が停止して棚13との間で荷物Wの移載動作を行っているとき、昇降台27の移動中(走行台車23が走行しているとき、昇降台27が昇降しているとき、両方が動作しているとき)のいずれでも実行される。
【0026】
ステップS2では、コントローラ51は、異常発生時刻における昇降台27の位置(異常発生場所、例えば何連何段)、と異常検出情報を紐付けて記憶装置53に保存する。昇降台27の位置は、停止時及び移動時のいずれも、対応する棚番号として記憶される。図6に示すように、異常検出情報は、日付、異常名称、発生状態を項目として有する。なお、異常検出情報の項目は、異常以外のスタッカクレーン3の動作情報(例えば、スタッカクレーン3の走行状態、昇降台27の高さ情報、荷物Wの有無、荷物Wの重量)を含んでいてもよい。
図6では、例えば、2連2段において3件の異常検出情報が得られていることが容易に分かる。このように、クレーン異常履歴が、異常発生した場所(棚ごとに)記録される。なお、異常検出情報は、異常発生場所ごとに並べられていてもよいし、時系列に並べられてもよいし、並び替えをされなくてもよい。
以上に述べた異常ログをデータベース化することで、様々な検索キーによってデータの抽出が可能となる。例えば、異常発生した位置、駆動状態での異常分布、棚番号での分布解析など、さまざまな分析を可能にして、異常の回復や未然防止が可能になる。
【0027】
(5-2)異常検出情報出力動作
図7を用いて、異常検出情報の出力動作を説明する。図7は、異常検出情報出力動作のフローチャートである。
以下の動作は、例えば、スタッカクレーン3の定期点検等で、棚13ごとに記録された異常履歴の内容を収集する際に行われる。
図7において、ステップS3では、コントローラ51は、サーバ71の出力指示部73からの出力指示を受信したか否かを判断する。出力指示を受信すれば、プロセスはステップS4に移行する。
【0028】
ステップS4では、出力部55は、指定された範囲のクレーン異常履歴をサーバ71に出力する。このとき、検出した異常検出情報を位置ごとに(つまり、両者を紐付けた状態で)出力することで、異常検出情報を受け取った装置において、データの解析が容易になり、そのため異常発生傾向を把握しやすくなる。さらには、位置に起因する異常を把握しやすくなる。
【0029】
(5-3)サーバにおける異常検出情報の表示
図8を用いて、サーバ71における異常検出情報の表示を説明する。図8は、サーバの表示画面における異常検出情報を示す図である。
図8に示すように、表示部75は、自動倉庫1の棚13を側面から見た状態を模式的に示している。そして、棚13の各々の箇所ごとに例えば異なる色を表示することで、異常検出情報が表示されている。作業者が画面の棚13をクリックすれば、図8下部に示すように、詳細表示が行われる。なお、棚13のそれぞれの箇所における簡易異常情報は、色、文字、記号その他であってもよい。この実施形態では、2連2段において3件の異常検出情報が得られたこと、2連1段において1件の異常検出情報が得られたこと、3連2段において1件の異常検出情報が得られたことが分かる。
これにより、オペレータは、サーバ71の表示部75を見ながら、異常が発生した位置に対応する棚13の番号、異常の数、各異常の種類、各異常発生日を、一目で知ることができる。
【0030】
本実施形態では、2月5日以降に2連付近で異常発生率が上がっており、2連走行関係に関する部品の故障を疑うことができ、設備予防保全につながる。
この結果、スタッカクレーン3で発生する異常が「機体起因によるものか」又は「場所によるものか」を特定できる。つまり、スタッカクレーン3の機体ではなく、場所依存による原因特定を明確にすることが可能となり、設備保全としての活用が有効になる。
例えば、走行停止ミスが特定の棚に集中していれば、レールの継ぎ目に異常が発生しており、それが走行に影響を与えている可能性がある。例えば、荷物検出異常が特定の棚13に集中していれば、その棚13にビニールの破片が付着して荷物検出が正常にできないようになっている可能性がある。
なお、スタッカクレーン3の機体に起因する異常であれば、全ての位置において異常が発生する可能性がある。その場合は、機体に起因する異常を特定して削除する、又は位置に起因する異常のみを表示する機能があることが好ましい。
【0031】
2.第2実施形態
図9に示すように、表示部75において各棚13のそれぞれの箇所には、色等の他の情報と共に、又は色等の他の情報無しで、異常情報の種類を表示してもよい。図9は、サーバの表示画面における異常検出情報を示す図である。
これにより、オペレータは、どの種類の異常がどの棚に表示されたかを一目で把握できる。なお、この実施形態では、各棚13において最も多い種類の異常情報を1つだけ表示しているが、複数種類の異常情報を表示してもよい。
【0032】
3.第3実施形態
図10に示すように、表示部75において各棚13のそれぞれの箇所には、色等の他の情報と共に、又は色等の他の情報無しで、異常情報の数を表示してもよい。図10は、サーバの表示画面における異常検出情報を示す図である。
これにより、オペレータは、どの棚にどれだけの異常が発生したかを一目で把握できる。
【0033】
4.第4実施形態
図11に示すように、表示部75において各棚13のそれぞれの箇所には、色等の他の情報と共に、又は色等の他の情報無しで、異常情報のエラーレベル(重要度又は緊急度)を表示してもよい。図11は、サーバの表示画面における異常検出情報を示す図である。これにより、オペレータは、重要度又は緊急度が高い異常が発生しことを一目で把握できる。
【0034】
5.第5実施形態
前記実施形態では「位置」は棚番号であったが、異常発生時の実際の位置(例えば、昇降台27の中心が存在した位置)を位置としてもよい。その場合は、位置情報は、走行方向位置座標と高さ方向位置座標とを含む。
この実施形態では、出力部55は、異常検出情報を昇降台27の位置の順に並び替えて出力する。具体的には、複数の異常検出情報が、位置の順番に並んだ状態で、サーバ71に送信される。このため、異常検出情報を受け取ったサーバ71において、特別な処理をすることなく異常発生傾向を把握しやすくなる。
【0035】
上記のような位置情報が含まれた異常検出情報がサーバ71に出力されると、図12に示すように、表示部75において、特別な処理をしなくても位置の順に異常検出情報を表示しやすくなる。図12は、サーバの表示画面における異常検出情報を示す図である。
この実施形態では、異常検出値情報は、丸印で実際の位置に対応して表示される。
この場合、出力部55は、位置情報ごとに異常種類別の出力を行っている。つまり、選択した異常種類だけが、位置情報並びで出力される。そのため、表示部75は選択された異常種類だけを容易に表示できる。例えば、図12は、走行停止ミスが、選択された異常種類の場合である。なお、選択された異常種類は、一種類でも複数種類でもよい。複数種類の場合は、表示情報の色や形状を異ならせることで区別可能にしてもよい。
【0036】
6.表示装置における異常情報表示方法の変形例
異常検出情報の種類によって、異常検出情報の表示を切り替え可能でもよい。例えば、全ての異常検出情報の表示と、特定種類の異常検出情報の表示と、を切り替え可能でもよい。
また、スタッカクレーン3の機体に起因する異常検出情報は、表示しないようにしてもよい。
【0037】
表示される異常検出情報は、所定の期間内に発生した異常に関するものである。所定の期間は、例えば、直近の6ヶ月、1ヶ月、1週間、3日といったように設定される。
上記の所定期間内で、時間ごとに又は日にちごとに表示画面が変化するように表示してもよい。これにより、オペレータは、指定した所定時間内での異常検出情報の発生状況を時系列で把握可能になる。
【0038】
7.実施形態の特徴
上記実施形態は下記のように説明できる。
スタッカクレーン3(搬送車システムの一例)は、走行台車23(搬送車の一例)と、記憶装置53(記憶手段の一例)と、出力部55(出力手段)とを備えている。
走行台車23は、スタッカクレーン通路5を走行する走行部本体と、走行部本体に設けられ走行台車位置を検出する走行台車位置検出器33又は昇降台高さ検出器35(位置検出器の一例)と、異常を検出する異常検出器37(異常検出器の一例)と、を有する。
記憶装置53は、異常検出器37によって異常が検出されれば、異常検出情報と異常発生時に走行台車位置検出器33又は昇降台高さ検出器35が検出した昇降台27の位置情報とを紐付けて記憶する。
出力部55は、検出した異常検出情報を位置情報ごとに出力する。
このスタッカクレーン3では、検出した異常検出情報を位置ごとに(つまり、両者を紐付けた状態で)、出力することで、異常検出情報を受け取ったサーバ71において、検出した異常検出情報を位置情報ごとに表示できるようになる。その結果、位置が原因の異常の発生傾向を把握しやすくなる。
【0039】
8.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
第1実施形態では記憶装置及び出力部はスタッカクレーンのコントローラに設けられていたが、他の装置に設けられていてもよい。
第1実施形態では異常検出情報は走行台車の位置及び昇降台の位置の両情報に紐付けられていたが、いずれか一方の位置のみと紐付けられてもよい。
第1実施形態では位置情報の単位は棚であったが、複数の棚の集まり、連、段であってもよい。
【0040】
表示装置において各棚に表示される異常検出情報の表示方法は特に限定されない。色、異常種類、回数、緊急度、時間情報その他を単独で又は組み合わせて表示してもよい。
第1実施形態ではスタッカクレーンが用いられていたが、例えば、天井軌道に沿って走行する天井搬送車にも本発明を適用できる。その場合は、第1実施形態と同様に、異常検出情報に走行台車位置及び昇降台位置の両方又は一方を紐付けて記憶することができる。
さらに、本発明は、軌道に沿って走行する地上走行車にも適用できる。その場合は、異常検出情報に地上走行車位置を紐付けて記憶できる。また、地上走行車の位置は、複数の区間のいずれか又は実際の位置に決定される。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、搬送車システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 :自動倉庫
2 :ラック
3 :スタッカクレーン
5 :スタッカクレーン通路
7 :前側支柱
9 :後側支柱
11 :荷物支承部材
13 :荷物収納棚
15 :フォーク通過間隙
21a :ガイドレール
21b :ガイドレール
23 :走行台車
23a :車輪
25 :マスト
25a :マスト
25b :マスト
27 :昇降台
29 :スライドフォーク
33 :走行台車位置検出器
35 :昇降台高さ検出器
37 :異常検出器
43 :走行モータ
45 :昇降モータ
51 :コントローラ
53 :記憶装置
55 :出力部
67 :移載モータ
71 :サーバ
73 :出力指示部
75 :表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12