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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】精米設備
(51)【国際特許分類】
   B02B 7/00 20060101AFI20220802BHJP
   B02B 7/02 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
B02B7/00 P
B02B7/00 101Z
B02B7/02 108
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018235064
(22)【出願日】2018-12-17
(65)【公開番号】P2020096995
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(74)【代理人】
【識別番号】110000899
【氏名又は名称】特許業務法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】越智 輝久
【審査官】櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-274196(JP,A)
【文献】特開2010-274197(JP,A)
【文献】特開2000-198695(JP,A)
【文献】特開2017-196554(JP,A)
【文献】特開2014-004501(JP,A)
【文献】特開2003-144945(JP,A)
【文献】特開2004-142707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 1/00 - 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建屋を利用者が出入りする客室と精米機を設けた機械室を備え、投入ホッパに投入した玄米を投入した料金に応じて設定時間運転する精米機で精米処理する精米設備において、
前記投入ホッパに対向する客室側位置に昇降装置を設け、前記昇降装置は載置台と、前記載置台を昇降する昇降具を備え、前記昇降具は、精米運転開始前に前記載置台を上昇し、精米運転中に待機袋の有無判定モードによる待機袋有り判定に基づいて前記載置台を下降するよう構成し、
載置台上昇時に初期設定高さ位置で一旦上昇を停止し、その後引き続き上昇する構成としたことを特徴とする精米設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が持参した玄米を精米する精米設備に関する。
【背景技術】
【0002】
投入ホッパの投入口を上下方向に昇降して開閉する開閉扉と、開閉扉と共に上下昇降する穀物袋用の載置台を設け、前記開閉扉が前記投入ホッパの投入口閉状態の時には、前記載置台が床面に接近する待機姿勢とし、前記開閉扉が前記投入ホッパの投入口開状態の時には、前記載置台が前記投入ホッパの前記投入口と略同じ高さの玄米投入姿勢とする構成が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-196554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、利用者が持参した穀物袋を持ち上げる負担を小さくすることができる効果があるが、精米運転開始前に載置台を持ち上げると精米運転終了まで上げの状態となっている。
【0005】
ところで、一挙に多量の精米処理を希望しても投入ホッパの収容量に限界があり、また重量を小分けして軽量状態とする目的で、利用者は複数の袋を持参する場合があり、本発明は、載置台をこれら複数の袋に対応させようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、建屋を利用者が出入りする客室と精米機を設けた機械室を備え、投入ホッパに投入した玄米を投入した料金に応じて設定時間運転する精米機で精米処理する精米設備において、
前記投入ホッパに対向する客室側位置に昇降装置を設け、前記昇降装置は載置台と、前記載置台を昇降する昇降具を備え、前記昇降具は、精米運転開始前に前記載置台を上昇し、精米運転中に待機袋の有無判定モードによる待機袋有り判定に基づいて前記載置台を下降するよう構成し、
載置台上昇時に初期設定高さ位置で一旦上昇を停止し、その後引き続き上昇する構成としたことを特徴とする精米設備である。
本発明に関連する第1の発明は、建屋を利用者が出入りする客室Kと精米機5を設けた機械室Mを備え、投入ホッパ2に投入した玄米を投入した料金に応じて設定時間運転する精米機5で精米処理する精米設備において、投入ホッパ2に対向する客室側位置に昇降装置9を設け、昇降装置9は載置台14と、載置台14を昇降する昇降具16を備え、昇降具16は、精米運転開始前に載置台14を上昇し、精米運転中に待機袋の有無判定モードによる待機袋有り判定に基づいて載置台14を下降するよう構成したことを特徴とする。
【0007】
本発明に関連する第2の発明は、本発明に関連する第1の発明において、待機袋の有無判定モードは、精米運転中に追加料金の投入を検出することによって待機袋有り判定を行う構成とした。
【0008】
本発明に関連する第3の発明は、本発明に関連する第1の発明において、待機袋の有無判定モードは、予め設定した標準運転時間が経過し投入金額残金が有りを検出することによって待機袋有り判定を行う構成とした。
【0009】
本発明に関連する第4の発明は、本発明に関連する第1から3のいずれかの発明において、載置台14上昇時に初期設定高さ位置で一旦上昇を停止し、その後引き続き上昇する構成とした。
【0010】
本発明に関連する第5の発明は、本発明に関連する第1から4のいずれかの発明において、昇降具16による載置台14の昇降速度を可変速に構成し、上昇の際の最下位置からの初動速度と最上げ位置手前から上昇終了までの終了速度を遅くし、下降の際の速度は一定速に設定した。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遅滞なく待機袋hwを載置台14に乗せることができる。さらに、利用者に載置台が上昇することを認識させることができる。
本発明に関連する第1から3の発明によれば、待機袋の有無判定モードによる待機袋有り判定に基づいて載置台14を自動的に下降することができ、遅滞なく待機袋hwを載置台14に乗せることができる。
【0012】
本発明に関連する第4の発明によれば、本発明に関連する第1から3の発明の効果に加え、載置台14上昇時に初期設定高さ位置で一旦上昇を停止し、その後引き続き上昇するので、利用者に載置台が上昇することを認識させることができる。
【0013】
本発明に関連する第5の発明によれば、本発明に関連する第1から4の発明の効果に加え、上昇時載置台14上の袋hの転倒を防止できる。なお、下降過程では、時間ロスを少なくする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】精米設備の客室の正面図
図2】平面から見た精米設備の内部を示す図
図3】精米設備の作業工程図
図4】精米設備のブロック図
図5】昇降装置の下降位置を示す図
図6】昇降装置の上昇位置を示す図
図7】(A)載置台上昇時の昇降具を示す断面図、(B)載置台下降時の昇降具を示す断面図
図8】(A)保護カバーの一部の側面図、(B)保護カバーの一部の正断面図
図9】精米運転のフローチャート
図10】精米運転のフローチャート
図11】待機袋の有無判定モードのフローチャート
図12】精米運転のタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態の料金式の精米設備について説明する。
【0016】
精米設備の基本構成について、図1から図4に基づいて説明する。
【0017】
建屋T内を利用者が出入りするための客室Kと、各装置を設ける機械室Mとに仕切壁1で仕切る。本実施の形態では、客室K側を前、機械室M側を後と呼ぶ。
【0018】
機械室M内には、利用者が投入ホッパ2に投入した玄米を揚穀する揚穀機3と、玄米に混じる石を除去する石抜機4と、石抜機4から玄米を揚穀する第二揚穀機3aと、玄米を精米処理する精米機5を備える。
【0019】
揚穀機3の排出側には切換弁21を設け、石抜機4側と投入ホッパ2上の玄米戻し口22側のいずれかに玄米を供給する。玄米戻し口22へは玄米戻し筒23を経て玄米を投入ホッパ2の投入面の上方に玄米を戻すことが可能である。
【0020】
客室K側には、利用者が持参した玄米を投入する投入ホッパ2と、投入ホッパ2の投入口を閉鎖・開放する開閉扉6と、精米機5で精米処理された精白米を収容する精白米タンク7と、利用者が操作する操作盤8と、後述する昇降装置9を設ける。また、人検知センサ10を設けて客室K内の人(利用者)の有無を検出可能としている。
【0021】
操作盤8には、精米する精白度を選択する精白度選択スイッチ11と、料金を投入する料金投入口19と昇降装置9を昇降動作可能な昇降スイッチ12を備える。昇降スイッチ12は上昇スイッチ12aと下降スイッチ12bとを備える。また、玄米戻し口22の近傍には玄米戻しスイッチ24を設け、玄米戻しスイッチ24を操作すると、投入ホッパ2内の玄米が揚穀機3及び玄米戻し筒23を経て玄米戻し口22から排出可能に構成している。
【0022】
図1は開閉扉6が開いて袋h内の玄米を投入ホッパ2に投入可能な状態を示している。
【0023】
投入ホッパ2の下部には、投入ホッパ2内に玄米があるか否かを検出する玄米有無検出センサ13を設ける。
【0024】
精米設備の操作盤8内には制御部Aを備え、そのブロック図で図4に示すように制御部Aは精米設備各部を制御している。
【0025】
投入ホッパ2の前方には、昇降装置9を設ける。昇降装置9は利用者が持参した玄米を収容する袋hを載置する載置台14と、載置台14に載置された袋hの重量を検出する重量計15と、載置台14を昇降させる昇降具16と、昇降具16の下部を支持する支持体17と、昇降具16の周囲を覆う樹脂製の保護カバー18を備えている。
【0026】
昇降具16は、倒X状リンクを複数連続に組み合わせたX型リンク部16aと、電動モータ16mの回転を直線運動に変換する電動シリンダ16bを持って構成される。X型リンク部16aはその上端を前記載置台14に、下端を前記支持体17に適宜に枢支連結し、かつ図示のように端部同志と中間部同士を枢支連結することで載置台14をその載置面を水平状態のままで昇降可能に構成する。そして電動シリンダ16bのシリンダ基部を支持体17に設けた支持台17aに連結し、電動シリンダ部16bのピストン部先端部を載置台14の底部に構成する補強枠14aを利用して連結するもので、この電動シリンダ16bを電動モータ16mの正転で伸長し逆転で短縮作動することにより載置台14を昇降連動する構成である。なお、前記上昇スイッチ12aを押してONする間電動モータ16mを正転させて載置台14を任意高さに上昇し、前記下降スイッチ12bを押す間電動モータ16mを逆転して載置台14を任意高さに下降するものである。
【0027】
前記保護カバー18について詳細に説明する。図例では4段のカバー部材を順次に上側カバー部材を下側カバー部材に重合するよう構成される。カバー部材のうち、最上段のカバー部材18uは開口を下向けたボックス状で前記載置台14を搭載できると共に、補強枠14aで補強される構成であり、最下段のカバー部材18dは前記支持台17に固定されてこの支持台17と一体化して開口が上向くボックス状に形成されていて、前記支持台17aを内装している。最下段のカバー部材18dと最上段のカバー部材18uの間に複数の中間カバー部材、図例では2枚で第1中間カバー部材18m1と第2中間カバー部材18m2、を設ける。
【0028】
ここで、保護カバー部材18の連動連けい構成について、最下段カバー部材18dの縦長孔28dに第1中間カバー部材18m1に設けるピン部材29m1を嵌合して連結し、同様に第1中間カバー部材18m1の縦長孔28m1に第2中間カバー部材18m2に設けるピン部材29m2を嵌合して連結し、さらに同様に第2中間カバー部材18m2の縦長孔28m2に最上段カバー部材18uに設けるピン部材29uを嵌合して連結するものである。
【0029】
上記のように連けい構成とするため、X型リンク部16aの下降に伴って、固定の最下段カバー部材18dに対して第1中間カバー部材18m1が外側に重合し、次いで第1中間カバー部材18m1に対して第2中間カバー部材18m2が外側に重合し、次いで第2中間カバー部材18m2に対して最上段カバー部材18uが最外側に重合する構成である。逆にX型リンク部16aの上昇に伴って、最上段カバー部材18uが上昇し、次いで第2中間カバー部材18m2、第1中間カバー部材18m1の順に上昇する構成である。なお、上昇作用中、下段側のカバー部材18は、縦長孔28の上端にピン部材29が達した場合には、カバー部材18全体を引き上げる方向に作用するようになっている。
【0030】
上記の第1中間カバー部材18m1及び第2中間カバー部材18m2は、客室Kに立つ利用者の安全を目的としているため、建屋側壁や機械室との仕切部材側には不要のため、図例では利用者に対向しあう正面側Fと一横側Sとしており、平面視L状に形成されている。また、縦長孔28とピン部材29の連携構成は、上記保護カバー28の複数個所に設けておくことで作動時の安定性を確保できる。例えば正面側Fに3か所、一横側Sに2か所設ける。
【0031】
そして、前記ピン部材29は、例えばボルトとナットからなる着脱自在の構成となっている。したがって、第1中間カバー部材18m1及び第2中間カバー部材18m2を、載置台14が上昇位置にあっても、それぞれに取り外しすることができ、側面からの点検や修理が可能である。なお、点検作業等内部を視認するときには、最下段カバー部材18dの縦長孔28dに嵌合するピン部材29m1を取り外すことによって、第1中間カバー部材18m1及び第2中間カバー部材18m2を下方側から支えて縦長孔28に沿って上に持ち上げることで行えて便利である。
【0032】
次に、カバー部材同士の重合や離反を伴う摺動を円滑化させる円滑作動手段について説明する。前記ピン部材29をカバー部材18に装着するが、相手縦長孔28との間隔を適正に確保するため、ピン部材29側に樹脂製スペーサ26を設けている。このように構成すると、縦長孔28に沿うピン部材29の作動を円滑に行わせる。図中符号はピン部材29の符号に一致させている。樹脂製とするからカバー部材との接触面の摩擦を軽減し摺動を円滑に行うことができる。樹脂製スペーサ26の外形形状は任意であるが、環状のカラー形態とすると一層円滑化が図れる。
【0033】
前記支持体17は客室Kの床面に設置するレール部材27に沿って移動自在に設けられる。レール部材27は、投入ホッパ2の前方位置(図1中実線)と精白米タンク7の前方位置(同仮想線)の間に敷設され、従って昇降装置9は、投入ホッパ2の前方位置と精白米タンク7の前方位置との間で移動自在である。なお、レール部材27は等間隔に配置する2本のL型の長尺材からなり、前記支持体17の下部に設ける遊転ローラ17fをL型レール部材27の水平部上を転動させる構成とし、レール部材27とローラ17fによって手押し型走行手段を構成するものである。なお、利用者は昇降装置9や玄米充填袋hを直接押し引き操作してレール部材27に沿って往復移動させる任意の位置で停止することができる。停止を確実とするために適宜の制動機構を構成するとよい。
【0034】
次に、精米運転について図9に基づいて説明する。まず、最も多い場面である約30kgの玄米を持参して300円を投入して精米処理する場合について説明する。
【0035】
利用者は、持参した玄米を収容した袋h(例えば30kg)を準備して客室Kに入る。料金投入口19に料金(例えば300円)を投入したことを料金検出センサ20が検出すると(S101)、開閉扉6が開動作し(S102)、投入ホッパ2の投入口に玄米を投入可能となる。料金投入後に、利用者が初期位置、すなわち下降位置、の載置台14に袋hを載置し(S103)、昇降装置9の載置台14を上昇するため上昇スイッチ12aをオンすると(S104)、重量計15で重量を検出し、操作盤8の表示画面25に表示される。このとき、重量計15が設定範囲内の重量(例えば10kg以上~40kg未満)を検出した場合(S105)には、電動モータ16mが正転駆動し、載置台14が投入ホッパ2の投入面と略同じ高さまで上昇する(S106,S107)。あるいは、料金投入後に上昇スイッチ12aによらず、自動で電動モータ16mを正転駆動させて載置台14を上昇させる構成としてもよい。利用者は袋h内の玄米を投入ホッパ2内に投入する(S108)。
【0036】
S105でNOの判定の場合、即ち重量計15が設定範囲外の重量、又は重量検出無しの場合には、昇降装置9の上昇を規制し、表示画面25にその旨表示し警報する(S109,S110)。重量検出無しの場合とは、昇降装置9の外側から利用者自身で袋hを持ち上げて投入ホッパ2に投入する場合であり、このような場合には、昇降装置9を駆動させることが不要で、かつ、昇降装置9を上昇させることは安全面から好ましくないためである。また、設定範囲以上(40kg以上)の場合には、載置台14に利用者が乗っていると判断される場合があり、このような場合に昇降装置9を上昇させることは、安全面から好ましくないためである。なお、重量計15による重量検出値は、表示画面25に表示をしないで、安全上の判断基準とするように構成しても良い。
【0037】
利用者が精白度選択スイッチ11を選択すると(S111)、運転各部が駆動され精米運転(通常運転モード)が開始される(S113,S114)。投入した料金に対応する時間の精米運転が継続し(S118)、精米運転中に玄米有無検出センサ13が玄米無しを検出すると(S119)、精米機5内の残米を精米処理(残米処理運転モード)して精米運転を終了する(S120~S122)。
【0038】
ところで、上記S111で精白度設定スイッチ11の操作が無いときは、設定を促す報知をする(S112)。また、上記通常運転モードの精米運転(S114)の間に、昇降装置9の電動モータ16mは逆転出力され載置台14を下降させる(S115,S116)。なお、この逆転出力は精米運転開始後所定のタイミングで自動的に出力されるようになっている。載置台14が下降された後レール部材27に沿って手動で移動させ、精白米タンク7の前方位置としておく(S117)。
【0039】
前記のように、残米処理運転モードの実行を終えると運転各部は停止出力され、精米運転は終了する(S121,S122)。利用者は精米機5で精米処理されて精白米タンク7に収容された精白米を持参した袋hに収容して持ち帰る。ところで、袋hは昇降装置9の載置台14上に置いた状態で精白米タンク7のシャッタを開き精白米を袋h内に収容する(S123,S124)。収容し終えると袋hが載置台14上昇に邪魔になる場合は、精白米タンク7前方から外れた位置まで昇降装置9及び精白米収容の袋hを適宜に移動し(S125)、その位置で載置台14を上昇する。すなわち上昇スイッチ12aをオンし、電動モータ16mを正転駆動することで載置台14は上昇する(S126~S128)。利用者は上昇した精白米収容袋hを両手で抱えて精米設備から外に取り出すことができる(S129)。そして、下降スイッチ12bをオンすると載置台14は下降する(S130~S132)。
【0040】
前記S118でNOの判定は、投入料金に対する運転時間が経過してもなお玄米が残っているものであるから、所謂料金切れを来しており、運転各部を停止し、表示画面に「料金不足」表示する(S133,S134)。そして追加料金が投入されると(S135)、S113に戻って精米運転を再開する。一方S135で追加料金の投入を認識できないときは、前記切換弁21を切換え、玄米戻しスイッチ24の操作によって玄米を戻し口22から回収する(S136,S137)。
【0041】
精米運転の終了後に人が居なくなったことを人検知センサ10が検出すると開閉扉6を閉じる(S138,S139)
前記のように昇降装置9が精白米タンク7の精白米を収容する袋hを載置できる構成であり、かつ、昇降装置9がレール部材27に沿う任意の位置まで移動して持ち出しのため担ぎ上げるときに、上昇位置の載置台14の袋hを持ち上げればよく、床面の袋hを持ち上げるような負担を軽減でき、楽に精白米収容の袋hを取扱うことができる。
【0042】
上記のように、利用者が持ち込み玄米を精米処理して精白米を持ち帰るまでの間、昇降装置9を構成することによって玄米や精白米が充填した袋を持ち上げる労力を軽減できる。また、昇降装置9の保護カバー18によって利用者が客室Kで作業を行っている場合に昇降装置9の昇降具16の駆動によって手指巻き込みや衣類の巻き込み等による事故を防いで安全である。
【0043】
次に、昇降装置の改良された昇降動作につき、待機袋の有無の判定に基づく昇降動作について、図10に基づき説明する。
【0044】
利用者の料金投入を検知すると装置電源がONし、装置各部のセンサ・スイッチ類の検知信号を入力する(S201~203)。最初にクリーニングモードが開始され(S204)、略同時に電動モータ16mを正転駆動させて載置台14を上昇させ(S205,S206)、この載置台14の上昇の際、「載置台が上昇します」と音声で報知する(S207)。数秒間経つとクリーニングモードが終了し(S208)、開閉扉6が開出力される(S209)。なお、クリーニングモードとは、精米運転前に各部を駆動し主に搬送経路途中の残米を石抜機4の異物取出部から機外に排出させる構成であり、数秒をかけて実行される。
【0045】
S205で開始された電動モータ16m正転は、一旦出力停止され(S210)、載置台14は床面から短距離で低高さの初期設定高さ位置にて上昇を停止する(S211)。ここで、初期設定高さはS205の電動モータ16m正転開始から予め設定した時間管理によって行われるもので、例えば床面から10cm~20cmの高さで設定されるものであって、利用者には載置台14の上昇を予感させるものである。
【0046】
そして、S210,S211の載置台14の暫時停止の後、引き続き電動モータ16mは正転し(S212)、載置台14は最上げ位置に達する(S213)。利用者は玄米投入し、精白度選択スイッチ11を押して精白度を選択する(S214,S215)。この精白度選択によって運転各部がONして起動状態となる。
【0047】
精米運転が開始されると(S216),時間T経過毎に、換言すれば周期T毎に(S217,S218)、待機袋の有無判定モードが実行される(S219)。ここで待機袋とは、同じ利用者が複数の玄米袋hを持ち込んで、現在処理中の袋h以外に待機させてある袋hwを指し、待機袋の有無判定モードは、利用者の料金投入行動をもって、待機袋hwが有ると推定しようとするものである(S220)。
【0048】
S220で待機袋hwが無いと判定されると、通常の運転終了行程に入る。即ち、投入ホッパ2内に玄米無しと判定されると(S221)、残米処理運転モードを実行し(S222)、精米運転停止が出力される(S223)。その後、開閉扉6は閉じられ(S224)、電動モータ16mは逆転出力され載置台14は最下げ位置に復帰する(S225,S226)。なお、前記S221で玄米有りと判定された場合には、さらに投入料金分の運転時間が経過したか否か判定され(S227)、運転時間経過の場合(Yes)には、精米運転停止となり(S223)、運転時間が未経過の場合はS216に戻る。
【0049】
さて、前記S220の待機袋hwの有無判定において、待機袋hw有りと判定されると、以下の手順で待機袋hwの上昇を行う。つまり、まず電動モータ16mに逆転指令出力されて最上げ位置の載置台14を下降するもので、その間、下降の旨を音声報知する(S228~S230)。ここで利用者は待機袋hwを載置台14に乗せ、上昇スイッチ12aをONする(S231)。すると、電動モータ16mの正転出力によって載置台14は最上げ位置に上昇できる(S232,S233)。
【0050】
前記昇降具16を構成する電動モータ16mは、供給する電流によって回転数を変更できる構成としている。このため、載置台14の上昇及び下降速度を異ならせる可変速制御を行うことができる。このため、載置台14の上昇速度と下降速度を異ならせたり、更に、上昇過程においても適宜に可変速できて、最下段から所定高さまでを低速とし、中間部を高速とし、最上段近くでは再度低速とすることもできる。すなわち、上昇の際の最下位置からの初動速度と最上げ位置手前から上昇終了までの終了速度を遅くした。このように構成すると、載置台14上の袋hの転倒を防止できる。なお、下降過程では高速(最高速でもよくそれ以下の任意高速であってもよい)の一定速で下降させ、時間ロスを少なくする。
【0051】
次いで、図11に基づき、待機袋の有無判定モードの実行について説明する。
【0052】
まず、このモードに入ると、通常昇降スイッチ12による載置台14昇降は規制されているが、この昇降スイッチ12による昇降規制が解除される(S301)。前述S232の上昇スイッチ12aのONに基づく作動を解除するためである。S234で再度規制状態に復帰する。
【0053】
そして、各スイッチやセンサ情報が入力され(S302)、追加料金投入の有無が判定される(S303)。ここで追加料金有りと判定されると、「待機袋hw有り」と判定される(S304)。また、標準の袋の玄米(例えば30kg)を処理するに必要な金額、例えば300円、を消費する運転時間(謂わば、標準運転時間)が経過したか否かを判定し、この標準運転時間が経過し更に投入金額に残金有りと判定されると(S305,S306)、S304で「待機袋hw有り」と判定される。つまり、この標準運転時間に必要な金額以上の料金を投入していることは、標準の袋以外の持ち込み袋があることを予測されるからである。さらに、別途待機袋スイッチ35を設けてONするか、下降スイッチ12bをONすることで(S307)、「待機袋hw有り」と判定する。待機袋スイッチ35ONや、下降スイッチ12bON操作は、正に利用者による「待機袋hw有り」を予定した行動に起因するものである。
【0054】
なお、追加料金投入無し、標準運転時間経過後の残金無し、待機袋スイッチ及び下降スイッチ12bON操作無し、を全て満たす場合は、待機袋無しと判定する(S308)。
【0055】
前記のように、待機袋の有無判定モードの実行によって、待機袋有り判定されると、載置台14は自動的に下降して、待機袋hwを載置台14へ乗せる作業を容易化できる。
【0056】
図9の実施例による料金に対応する運転時間が経過して料金切れ(S119)による精米運転の停止の際の昇降装置9の昇降操作について補足説明する。
【0057】
玄米有無検出センサ13が玄米有りを検出しているのに、精米運転が停止した場合には、以下の3通りの場合がある。第1は、追加料金を投入する場合(S135)である。この場合には、図9に示すように精米運転を開始(再開)する。第2は、利用者が投入ホッパ2に残留する玄米量が少量又は残留する玄米に気が付かずにそのまま帰る場合である。この場合には、人検知センサ10が客室K内の人がいなくなったことを検出する(S138)と、開閉扉6が下降して閉動作する。なお、昇降装置9をレール部材27上のローラ17fを手押しの遊動ローラ型から走行モータによる駆動型ローラ17dに代替すると共に、レール部材27の適所には支持体17のフレーム部と接触可能なリミットスイッチ形態の位置検出センサを設け、昇降装置9のレール部材27に沿わせての左右切換走行を可能とし、かつその位置を検出できる構成とすると(自動走行手段)、制御部Aによる走行と位置制御が可能となる。こうした場合には、人検知センサ10の人不在判定に基づいて、昇降装置9(載置台14)が上昇位置にある場合は、投入ホッパ2の前側位置の初期位置まで自動的に移動させるとともに載置台14を自動下降することができる。第3は、玄米戻しスイッチ24を操作する(S136)と、切換弁21が石抜機4側から玄米戻し筒23側に切り換ると共に、揚穀機3が所定時間駆動を開始する。すると、投入ホッパ2内の玄米が揚穀機3及び玄米戻し筒23を経て玄米戻し口22から投入ホッパ2側に玄米が戻される。利用者は持参した袋hで戻された玄米を投入ホッパ2上で受けて収容する。このとき、載置台14が投入ホッパ2の前側の上昇位置にある場合には、その位置を維持し、この位置から離れた位置の場合にはレール部材27に沿って移動して載置台14を上昇することで、玄米を収容した袋hを載置台14に載置して下降させることができる。玄米戻し口22から残り玄米を収容するまで玄米戻しスイッチ24を操作継続し収容し終えた後は、精米処理済の精白米を回収するがその手順は図9のS121以降と同じである。
【0058】
ここで、走行手段としてレール部材27と遊動ローラ17fによる手押し型から電動走行モータによる駆動型ローラ17dに代替した電動型走行手段について、図4の制御ブロック図、図12のタイムチャートに基づき詳細に説明する。まず、制御部Aに入力するスイッチ情報として、前記人検知センサ10、精白度設定スイッチ11、昇降スイッチ12のほか、走行モータ31を正転又は逆転に切り換える走行手動スイッチ32情報を入力する。また、各種検出手段情報として、重量センサ(重量計)15、載置台14が上昇位置にあることを検知する上昇検知センサ33uと下降位置にあることを検知する下降検知センサ33dからなる昇降検知センサ33、レール部材27の所定位置に昇降装置9が達していることを検知する3個の走行位置センサ34a,34b,34cを有する。このうち、第1の走行位置センサ34aは、昇降装置9が投入ホッパ2の前方に位置するとき(イ)、第2の走行位置センサ34bは昇降装置9が精白米タンク7の前方に位置するとき(ロ)、第3の走行位置センサ34cは第1の走行位置センサ34aと第2の走行位置センサ34bの中間位置にあるとき(ハ)にそれぞれ検知するよう客室K内固定部材に適宜配設され、昇降装置9と接触することによってON作動するリミットスイッチ形態又はリードスイッチ形態の構成となっている。なお、第3の走行位置センサ34はレール部材27に沿って位置調整自在になっている。
【0059】
人検知センサ10が人を検知すると、装置及び制御部元電源がONされる。利用者は初期位置、つまり投入ホッパ2の前方かつ下降位置にある昇降装置9の載置台14に玄米袋hを載せる。そして昇降スイッチ12のうち上昇スイッチ12aをONすると、載置台14は上昇し、昇降検知センサ33の上昇位置検知センサ33uをONする。利用者は高くなった玄米袋hを持ち投入ホッパ2に玄米投入し、精白度設定スイッチ11を操作して精米運転を行う。
【0060】
この精白度設定スイッチ11の操作後所定時間t1後、制御部Aから載置台下降出力が発せられ、前記昇降具16の電動モータ16mは逆転して載置台14を下降する。前記設定時間t1経過後、載置台14の下降位置への到達に十分な時間であるところの第2の設定時間t2経過を待ち、制御部Aは昇降装置9移動出力する。具体的には、投入ホッパ2前方から精白米ホッパ7前方への移動であり、走行モータ31に正転指令出力する。昇降装置9はレール部材27に沿って移動し精白米タンク7の前方で止まる。なおこの停止出力は第2の走行位置センサ34bの検知による。
【0061】
さて、精米運転が終了すると、精白米収容袋hを精白米タンク7下方にのぞませるが、このとき下降位置で待機する昇降装置9の載置台14に袋hを載せて精白米タンク7のシャッタを開いて排出する。これに伴い重量センサ15は検知し検知結果を表示出力する。精白米の袋h収容が完了すると、昇降装置9を精白米タンク7位置からずらせて取り出すが、このため走行手動スイッチ32を操作して投入ホッパ2側に移動させる。この方向への移動は走行モータ31を逆転させることで実行されるから、走行手動スイッチ32を逆転側に設定する。第3の走行位置センサ34c位置に達すると走行モータ31は停止する。この位置で、精白米収容袋hを取り出すが、取り出す前に昇降スイッチ12の上昇スイッチ12aを操作すると、載置台14は上昇し、取り出し易くなる。
【0062】
利用者は、作業終了のため退出し、人検知センサ10が人無しと判定すると、制御部Aは初期位置復帰出力する。この出力を受けると、まず載置台下降出力が出されて載置台14が下降する。下降が昇降検知センサ33で確認されると、直後に走行モータ31に逆転指令信号が出力され、昇降装置9は投入ホッパ2の前方位置に至る。こうして昇降装置9は載置台14が下降位置で、投入ホッパ2前方に戻ることができ、初期位置で次作業のために待機する。上記初期位置復帰出力が出てから所定時間t3(図12)内に一連の工程を完了し、装置及び制御部電源はOFFする。
【0063】
走行手動スイッチ32による走行モータ31正転又は逆転出力、あるいは制御部Aの走行モータ31駆動出力に基づき、昇降装置9はレール部材27に沿って移動走行するが、昇降装置9の載置台14が下降位置にない場合、つまり下降検知センサ33dがONの条件にないときは、これらの走行モータ31駆動出力は規制される構成としている(図12中NG)。このため、載置台14が高い位置にあって玄米又は精白米充填袋hが乗っているとき移動すると慣性や速度によっては充填袋hが落下する恐れがあるが、載置台14が下降位置にあると例え落下しても散乱等の恐れが少ない。
【0064】
また、重量計15による検出重量が所定以上を超える場合には走行手段への移動出力を規制するよう構成している。つまり、自動走行装置の場合には不測に落下する恐れがあり、落下すると重量物のため他物破損等の恐れがあるが、これらを防止できる。
【0065】
これまでの説明において前記昇降スイッチ12は、図1で示すように操作盤面に配置する構成としたが、別例として、開閉扉6の内側壁部に配置する構成としてもよい。このように構成すると、料金投入しないと開かない開閉扉6の存在によって利用者のほかは無闇に昇降スイッチ操作を行い得ず、悪戯防止となる。
【0066】
また、精米機5等精米設備各部が故障によって精米作業不可能なった場合でも、昇降装置9に故障がない場合には、この昇降装置9の昇降スイッチ12による作動を許可する構成とする。このように構成すると、精米作業途中で投入ホッパ2に残留する玄米を取り出したり、精白米タンク7から袋詰めした精白米を取り出す際に、袋持ち上げの作業に便利である。
【0067】
次いで、図2図3に基づき、精米機5の精白処理によって発生する糠のパック装置について説明する。
【0068】
前記精米機5において所定の精白度に精米されるとき、玄米粒子表面から剥離された糠層が、選別分離されて、精米機5の精米室から除糠される。この除糠は、吸引排塵機や、オーガラセン等によって搬送されて、機械室Mの奥側に配置の糠袋に収容処理される。このような除糠作用中に、利用者が一部の糠パックPを取得する場合は、この糠パックPの取得操作によって、前記精米機5から除糠された一部の糠が、糠パック装置50へ供給されて、この糠パック装置50によって、フィルムシートFによって所定量毎にパックP詰めされる。このパックP詰めされた糠パックPは、傾斜状態の糠パックシュート53の上面に受けられて、客室K側へ滑落される。
【0069】
このとき、機械室Mの前記精米機5と建屋側壁との間において、順次落下される糠パックPは、糠パックシュート53の傾斜面に沿って滑落して、途中の仕切壁1の糠パック排出口51から客室K側の糠パック収容室52内へ流下される。精米利用者はこの糠パック収容室52内に流下された糠パックPを取出して持ち帰ることができる。
【0070】
又、糠パックPを取得するためのフィルムロールFは、前記精米作用を行うにあたって、予めこの糠パック収容室52内部に装填しておくものであるが、このフィルムロールFが使用によって少なくなったり、新しいものと交換、乃至補給しなければならない場合等のときは、新しいフィルムロールFを糠パック収容室52の所定個所に装填して糠パックP形成可能の状態に維持できる。
【0071】
前記精米機5の除糠網から漏下する糠は、吸引排塵機30であるブロアによって吸引搬送されて、サイクロン41へ吹込搬送される。前記機械室Mの糠パック装置50部から、この奥側の糠袋室42部に亘る上部位置には、ラセン43を有した搬送筒44,45を配置して、前記サイクロン41で分離した糠をラセン43の回転によって糠袋室42の糠袋Dへ搬送して、各排出口筒46から袋D詰め供給することができる。前記搬送筒44の一端部に設けるギヤドモータ47は、糠取出スイッチ48の操作によって正、逆回転に切替えることができ、搬送筒44のラセン43を逆回転することにより、サイクロン41から送出される糠を、仕切壁1側の糠パック装置50上にのぞむ排出口筒49へ搬送する。前記糠取出スイッチ48は、客室Kの仕切壁1上部に設けて、利用者が客室Kから容易に操作することができるように構成している。
前記機械室Mの天井部には騒音計37又は振動計を備えている。騒音計37の騒音レベルを電流に変換する電流変換器38を介して制御部Aに接続しており、制御部Aは変換器38からの電流入力が所定以上となり、騒音レベルが所定以上と推定されると、精米機5各部の駆動出力を規制するよう構成する。回転機器各部等の摩耗によって異音発生を検出することができ、回転機器破損を未然防止することができる。なお、騒音計37を天井部とすると塵埃類の付着を少なくして騒音計37自体の故障を防止できる。
【0072】
なお、騒音計37に防塵フィルターで覆うことにより塵埃付着を防止できるため、操作盤の背面側等の低い位置に装着することができ、天井に配置する場合に比較し異音を的確に把握できる。
【0073】
前記変換電流値に2段階の設定を行い異常検出精度を向上している。すなわち、精米機5の白度を最大圧力に設定したときの騒音変換電流値Imと、精米機5等の回転機器破損時推定騒音変換電流値Ixとを記憶部に記憶する。なお、Im,Ixは経験値でもよく推定値としてもよい。そして、実際の騒音変換電流値Iを第1段階の電流値Imを超え、第2段階の電流値(=Im+(Ix-Im)/2)に達すると、装置を停止するよう構成する。第2段階の電流値がImとIxの中間値に設定されているから装置破損の前に察知できる。なお、第2段階の電流値としては、ImとIxの中間にあればよく上記式には限定されない。そして、当該精米運転中に第2段階の電流値を超えて停止した場合の措置として、精米終了時にエラー表示し、次回精米不可とするなど、種々の対応がある。
【0074】
また機械室M内に騒音計37や振動計を設けることで、精米機等各部の駆動状態との対比によって防犯効果がある。すなわち、非駆動状態のとき、騒音計37や振動計が作動することを検出すると防犯ベル39を吹鳴する構成とするものである。機械室Mに侵入した者が大型工具を用いて扉や金庫を破損するなどの行為に起因して発生する振動を察知して防犯ベル39に吹鳴出力することができる。
【符号の説明】
【0075】
2 投入ホッパ
5 精米機
9 昇降装置
14 載置台
16 昇降具
K 客室
M 機械室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12