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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】スイング訓練方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
A63B69/36 532B
A63B69/36 541S
A63B69/36 541W
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019032785
(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公開番号】P2020130957
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 将大
(72)【発明者】
【氏名】藤原 武史
(72)【発明者】
【氏名】島田 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】奥村 宗一郎
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-8068(JP,A)
【文献】特開平3-12179(JP,A)
【文献】特表2007-530151(JP,A)
【文献】特開2017-124099(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0054327(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0115047(US,A1)
【文献】特開2004-166790(JP,A)
【文献】特開平8-178789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
A63B 71/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフのスイング訓練方法であって、
スイング中の足裏にかかる部位毎の圧力を検出して表示する圧力検出手段と、
クラブのフェース面における打点を検出する打点検出手段と、
前記打点検出手段により検出された前記打点に基づいて、スイング中の体重配分の調整方法を設定して訓練対象者に指示する指示手段とを用い、
前記指示手段により設定された前記調整方法に従って、スイング中の体重配分を調整することを特徴とするスイング訓練方法。
【請求項2】
前記圧力検出手段は、検出した前記圧力を画像として表示する圧力表示部を備え、
前記指示手段は、前記調整方法に従った体重配分によるスイングを行った場合に足裏にかかる部位毎の圧力を画像として例示する指示表示部を備える請求項1に記載のスイング訓練方法。
【請求項3】
前記打点検出手段は、検出した前記打点を画像として表示する打点表示部を備える請求項1又は請求項2に記載のスイング訓練方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフのスイング訓練方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、靴底に敷いた半導体圧力センサで使用者のスイング時の体重移動の状態を検出し、基本となるスイング時の体重移動の検出結果と比較することでスイングの良否判定を行うとともに、その判定結果を音や振動、画像等で使用者に報知するというゴルフスイング矯正装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、ゴルフクラブのシャフト部にセンサを配置し、スイング時のシャフト部に発生する角速度の変化及び加速度の変化に基づいて、クラブのフェース面における打点を解析する解析装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-106388号公報
【文献】特開2018-117670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2に開示される従来の構成の場合、使用者は、スイング時の体重移動の良否及び打点の良否を把握できるのみで、どのようにすればスイングを改善できるかという点が具体的に分からず、スイングの修正を適切に支援することができなかった。
【0006】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゴルフのスイングを修正するための調整方法を容易に理解できるスイング訓練方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するスイング訓練方法は、ゴルフのスイング訓練方法であって、スイング中の足裏にかかる部位毎の圧力を検出して表示する圧力検出手段と、クラブのフェース面における打点を検出する打点検出手段と、前記打点検出手段により検出された前記打点に基づいて、スイング中の体重配分の調整方法を設定して訓練対象者に指示する指示手段とを用い、前記指示手段により設定された前記調整方法に従って、スイング中の体重配分を調整する。
【0008】
上記構成によれば、訓練対象者は、前回のスイングにおいて検出された足裏にかかる部位毎の圧力に基づいて、前回のスイング中の体重配分を把握できる。そして、前回のスイング中の体重配分を把握した訓練対象者に対して、クラブのフェース面における打点に基づく体重配分の調整方法、例えば、インパクト時に左足のつま先側にかける圧力を大きくする等が指示される。したがって、訓練対象者は、スイング中の体重配分をどのように調整すればスイングを修正できるかを容易に理解できる。また、定量的な打点に基づいて、スイング中の体重配分を定量的に調整できるため、訓練対象者は、調整後のスイングを具現化しやすい。
【0009】
上記スイングの訓練方法において、前記圧力検出手段は、検出した前記圧力を画像として表示する圧力表示部を備え、前記指示手段は、前記調整方法に従った体重配分によるスイングを行った場合に足裏にかかる部位毎の圧力を画像として例示する指示表示部を備えることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、前回のスイングにおける体重配分と、調整された体重配分との違いを視覚的に確認することができる。そのため、スイング中の体重配分をどのように調整すればスイングを修正できるかを更に容易に理解できる。
【0011】
上記スイングの訓練方法において、前記打点検出手段は、検出した前記打点を画像として表示する打点表示部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、訓練対象者は、前回のスイング時の打点を視覚的に確認することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ゴルフのスイングを修正するための調整方法を容易に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】訓練装置のブロック図。
図2】訓練装置の配置を示す模式図。
図3】圧力センサ部の配置を示す模式図。
図4】打点と調整方法の関係情報の説明図。
図5】クラブのフェース面の説明図。
図6】調整方法の設定のフローチャート。
図7】表示部の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
先ず、本実施形態の訓練方法に用いる訓練装置について説明する。なお、以下では、訓練対象者が右打ちである場合について説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、訓練装置は、スイング中の足裏にかかる部位毎の圧力を検出して表示する圧力検出手段10と、クラブのフェース面における打点を検出する打点検出手段20と、スイング中の体重配分の調整方法を設定して訓練対象者Aに指示する指示手段30とを備えている。また、訓練装置は、訓練対象者Aのスイングを撮影して記録する撮影手段40と、撮影手段40により撮影された映像を含む各種の表示を行う表示部50とを備えている。図7に示すように、表示部50は、撮影手段40により撮影された映像を表示するスイング表示部51を備えている。
【0016】
圧力検出手段10は、足裏にかかる部位毎の圧力を検出する複数の圧力センサ部11と、スイング中の足裏にかかる部位毎の圧力を示す画像を作成して記録する画像処理部12と、画像処理部12により作成された画像を表示する圧力表示部13とを備えている。
【0017】
図2及び図3に示すように、圧力センサ部11は、ゴルフシューズの中敷き14に対して複数、取り付けられている。圧力センサ部11は、縦横に並設された複数の圧力センサ11aからなり、中敷き14における指の付け根部分及び踵部分にそれぞれ配置されている。
【0018】
圧力センサ部11としては、圧電素子等を用いた公知の感圧センサを用いることができる。特に、足裏に配置されるという使用状況に鑑みると、伸縮性及び耐久性の観点から、誘電エラストマーを利用したエラストマー製の圧電素子を用いることが好ましい。上記誘電エラストマーとしては、例えば、架橋されたポリロタキサン、シリコーンエラストマー、アクリルエラストマー、ウレタンエラストマーが挙げられる。
【0019】
画像処理部12は、検出された足裏にかかる部位毎の圧力の情報を含む画像データを作成し、当該画像データに応じた画像を記録するとともに圧力表示部13に表示させる。
図7に示すように、圧力表示部13は、表示部50の表示面の一範囲として設けられている。圧力表示部13は、圧力センサ部11により検出した足裏にかかる部位毎の圧力について、その強弱を色の濃淡により表示するとともに、スイング中の経時的な変化を動画として表示する。
【0020】
図1及び図2に示すように、打点検出手段20は、スイング中におけるクラブBのシャフト部分に発生する角速度及び加速度を検出する慣性センサ21を備えている。慣性センサ21は、3軸の各軸方向に生じる加速度と3軸の各軸回りに生じる角速度を計測可能である。慣性センサ21は、3つの検出軸(例えば、x軸,y軸,z軸)のうちの1軸をシャフト部分の長軸方向に合わせて、グリップ部分を含めたシャフト部分の一部に取り付けられる。
【0021】
また、打点検出手段20は、慣性センサ21からの検出信号に基づいて、クラブBのフェース面における打点を算出する打点解析部22と、打点解析部22により算出された打点を示す画像を作成して記録する画像処理部23と、画像処理部23により作成された画像を表示する打点表示部24とを備えている。
【0022】
打点解析部22は、慣性センサ21により検出された、スイング中におけるクラブBのシャフト部分に発生する角速度及び加速度の情報に基づいて、クラブBのフェース面における打点を算出する。打点の算出方法としては、例えば、特許文献2に開示されるような公知の算出方法を適用できる。
【0023】
画像処理部23は、算出された打点の情報を含む画像データを作成し、当該画像データに応じた画像を記録するとともに打点表示部24に表示させる。
図7に示すように、打点表示部24は、表示部50の表示面の一範囲として設けられている。打点表示部24は、クラブBのフェース面を示す画像24aの上に、打点解析部22により算出された打点を示すマーク24bを重ねて表示する。
【0024】
図1に示すように、指示手段30は、圧力センサ部11からの検出信号及び打点解析部22により算出された打点に基づいて、スイング中の体重配分の調整方法を設定する調整方法設定部31を備えている。調整方法設定部31には、クラブBのフェース面における打点とスイング中の体重配分の調整方法との関係情報が予め記憶されており、調整方法設定部31は、上記関係情報に基づいて調整方法を設定する。
【0025】
上記関係情報の一例を図4に示す。ここでは、クラブBのフェース面におけるスイートスポット以外の部分を4つの領域R1~R4に区分けし、領域毎にそれぞれ異なる体重配分の具体的な調整方法A1~A4が対応付けられている。
【0026】
図5に示すように、領域R1は、クラブBのフェース面におけるスイートスポットよりもトゥ側の領域であり領域R2は、スイートスポットよりもヒール側の領域である。領域R3は、クラブBのフェース面におけるスイートスポットよりもソール側の領域であり、打点が領域R3に位置することはトップの状態に該当する。領域R4は、クラブBのフェース面におけるスイートスポットよりもクラウン側の領域であり、打点が領域R4に位置することはダフリの状態に該当する。上記関係情報に基づいて調整方法を設定するフローの一例を図6に示す。
【0027】
図6のフローチャートに示すように、調整方法設定部31は、先ず、打点解析部22から入力された打点が領域R1に位置するか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において、打点が領域R1に位置している場合(YES)、調整方法として調整方法A1を設定する。
【0028】
ステップS1において、打点が領域R1に位置していない場合(NO)、打点解析部22から入力された打点が領域R2に位置するか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2において、打点が領域R2に位置している場合(YES)、調整方法として調整方法A2を設定する。
【0029】
ステップS2において、打点が領域R2に位置していない場合(NO)、打点解析部22から入力された打点が領域R3に位置するか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3において、打点が領域R3に位置している場合(YES)、圧力センサ部11からの検出信号に基づいて右足から左足への体重移動のタイミングTが、インパクト時を基準とする所定のタイミングTaよりも早いか否かを判定する(ステップS4)。
【0030】
ステップS4において、体重移動のタイミングTが、タイミングTaよりも早い場合(YES)、調整方法として調整方法A3aを設定する。ステップS4において、体重移動のタイミングTが、タイミングTaよりも早くない場合(NO)、調整方法として調整方法A3bを設定する。
【0031】
ステップS3において、打点が領域R3に位置していない場合(NO)、打点解析部22から入力された打点が領域R4に位置するか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5において、打点が領域R4に位置している場合(YES)、圧力センサ部11からの検出信号に基づいて右足から左足への体重移動のタイミングTが、インパクト時を基準とする所定のタイミングTbよりも遅いか否かを判定する(ステップS6)。
【0032】
ステップS6において、体重移動のタイミングTが、タイミングTbよりも遅い場合(YES)、調整方法として調整方法A4aを設定する。ステップS6において、体重移動のタイミングTが、タイミングTbよりも遅くない場合(NO)、調整方法として調整方法A4bを設定する。ステップS5において、打点が領域R4に位置していない場合(NO)、調整方法として調整不要を設定する。
【0033】
なお、上記のフローチャートでは、領域R1又は領域R2と領域R3又は領域R4とが重なる部分に打点が位置する場合、領域R1又は領域R2に応じた調整方法が設定されるが、領域R1又は領域R2に応じた調整方法と領域R3又は領域R4に応じた調整方法の両方が設定されるようにしてもよい。
【0034】
また、図1に示すように、指示手段30は、調整方法設定部31により設定された調整方法を示す画像を作成して記録する画像処理部32と、画像処理部32により作成された画像を表示する指示表示部33とを備えている。
【0035】
画像処理部32には、調整方法設定部31により設定された調整方法、及び圧力検出手段10の画像処理部12により作成された画像データが入力される。そして、画像処理部32は、これらの入力情報に基づいて、設定された調整方法に従った体重配分によるスイングを行った場合に足裏にかかる部位毎の圧力の情報を含む画像データを作成し、当該画像データに応じた画像を記録するとともに指示表示部33に例示させる。
【0036】
例えば、調整方法として調整方法A1が設定されている場合、画像処理部32は、画像処理部12により作成された画像データを基礎データとして、基礎データに対して、インパクト時における左足のつま先側の圧力を予め設定された所定量、大きくし、踵側の圧力を予め設定された所定量、小さくした画像データを作成する。
【0037】
調整方法として調整方法A3aが設定されている場合、画像処理部32は、上記基礎データに対して、右足から左足への体重移動のタイミングを予め設定された所定時間、遅くした画像データを作成する。調整方法として調整方法A3bが設定されている場合、上記基礎データに対して、ダウンスイング時における左足の踵側の圧力を予め設定された所定量、大きくし、つま先側の圧力を予め設定された所定量、小さくした画像データを作成する。
【0038】
また、調整方法として調整方法A1及び調整方法A3aが設定されている場合、画像処理部32は、画像処理部12により作成された画像データを基礎データとして、基礎データに対して、インパクト時における左足のつま先側の圧力を予め設定された所定量、大きくし、踵側の圧力を予め設定された所定量、小さくし、右足から左足への体重移動のタイミングを予め設定された所定時間、遅くした画像データを作成する。
【0039】
なお、インパクト時やダウンスイング時等のスイング中の各タイミングについては、スイング時のシャフト部に発生する加速度から特定する。スイング時のシャフト部に発生する加速度から各タイミングを特定する方法としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されるような公知の方法を適用できる。
【0040】
図7に示すように、指示表示部33は、表示部50の表示面の一範囲として設けられている。指示表示部33は、圧力表示部13と同様に、足裏にかかる部位毎の圧力について、その強弱を色の濃淡により表示するとともに、スイング中の経時的な変化を動画として表示する。
【0041】
次に、上記の訓練装置を用いた訓練方法について説明する。
本実施形態の訓練方法は、スイング中の体重配分の調整に適した方法であり、特に、スイングの基礎がある程度固まっている中級又は上級の訓練対象者が体重配分に重点をおいて練習する場合に適用することが好ましい。
【0042】
図2に示すように、先ず、訓練対象者Aは、圧力センサ部11を有する中敷き14が挿入されたゴルフシューズを装着する。そして、慣性センサ21が取り付けられたクラブBを用いてスイングを行い、ボールCを打球する。
【0043】
訓練装置は、訓練対象者Aが行ったスイングに基づいて、当該スイングに関する種々の情報を表示部50に表示する。詳述すると、圧力検出手段10は、スイング中の足裏にかかる部位毎の圧力を検出し、スイング中の足裏にかかる部位毎の圧力の経時的な変化を示す動画を表示部50の圧力表示部13に表示する。
【0044】
打点検出手段20は、スイング中におけるクラブBのシャフト部分に発生する角速度及び加速度の情報に基づいて、クラブBのフェース面における打点を算出し、その打点を打点表示部24に表示する。指示手段30は、打点検出手段20により算出された打点に基づいて、スイング中の体重配分の調整方法を設定し、その調整方法を指示表示部33に表示する。また、訓練装置は、撮影手段40により撮影された映像をスイング表示部51に表示する。
【0045】
図7に示すように、スイング後の訓練対象者Aは、表示部50の圧力表示部13に表示される、前回のスイングにおいて検出された足裏にかかる部位毎の圧力の動画を確認し、前回のスイング中の体重配分を把握する。そして、表示部50の指示表示部33に表示される、前回のスイングの打点に基づいて設定された体重配分の例示の動画を確認し、次回のスイングにおける体重配分の参考とする。このとき、訓練対象者Aは、必要に応じて、表示部50の打点表示部24に表示される前回のスイング時の打点、及びスイング表示部51に表示される前回のスイングの映像を確認する。
【0046】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)ゴルフのスイング訓練方法は、スイング中の足裏にかかる部位毎の圧力を検出して表示する圧力検出手段10と、クラブBのフェース面における打点を検出する打点検出手段20と、打点検出手段20により検出された打点に基づいて、スイング中の体重配分の調整方法を設定して訓練対象者Aに指示する指示手段30とを用い、指示手段30により設定された調整方法に従って、スイング中の体重配分を調整する。
【0047】
上記構成によれば、訓練対象者Aは、前回のスイングにおいて検出された足裏にかかる部位毎の圧力に基づいて、前回のスイング中の体重配分を把握できる。そして、前回のスイング中の体重配分を把握した訓練対象者Aに対して、クラブBのフェース面における打点に基づく体重配分の調整方法が指示される。したがって、訓練対象者Aは、スイング中の体重配分をどのように調整すればスイングを修正できるかを容易に理解できる。また、定量的な打点に基づいて、スイング中の体重配分を定量的に調整できるため、訓練対象者Aは、調整後のスイングを具現化しやすい。
【0048】
(2)圧力検出手段10は、検出した圧力を画像として表示する圧力表示部13を備え、指示手段30は、調整方法に従った体重配分によるスイングを行った場合に足裏にかかる部位毎の圧力を画像として例示する指示表示部33を備える。
【0049】
上記構成によれば、前回のスイングにおける体重配分と、調整された体重配分との違いを視覚的に確認することができる。そのため、スイング中の体重配分をどのように調整すればスイングを修正できるかを更に容易に理解できる。
【0050】
(3)打点検出手段20は、検出した打点を画像として表示する打点表示部24を備える。
上記構成によれば、訓練対象者Aは、前回のスイング時の打点を視覚的に確認することができる。
【0051】
(4)圧力表示部13は、圧力センサ部11により検出した足裏にかかる部位毎の圧力について、スイング中の経時的な変化を動画として表示する。指示表示部33は、足裏にかかる部位毎の圧力について、スイング中の経時的な変化を動画として表示する。
【0052】
上記構成によれば、前回のスイングにおける体重配分がどうであったかを容易に把握できる。また、スイング中の体重配分をどのように調整すればスイングを修正できるかを更に容易に理解できる。
【0053】
(5)指示手段30は、予め設定された打点と調整方法との関係情報に基づいて、打点検出手段20により検出された打点から調整方法を設定する。
上記構成によれば、定量的な打点に基づいて、スイング中の体重配分をより適切に指示できる。
【0054】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・圧力表示部13及び指示表示部33における、スイング時の足裏にかかる部位毎の圧力の表示方法を変更してもよい。例えば、数値やグラフとして表示してもよいし、インパクト時等の特定のタイミングにおける圧力を静止画として表示してもよい。また、圧力に応じた明度で点灯するLED等を用いて機械的に圧力を示すものであってもよい。
【0055】
・足裏における圧力センサ部11の配置を変更してもよい。
・打点検出手段20による打点の検出方法は、慣性センサ21を用いた方法に限定されない。例えば、ハイスピードカメラ等を用いて打点を検出してもよい。
【0056】
・指示手段30によるスイング中の体重配分の調整方法を訓練対象者Aに指示する方法は、指示表示部33に画像等を表示する方法に限定されない。例えば、音声によって指示してもよいし、指示表示部33の表示と音声とを組み合わせて指示してもよい。
【0057】
・上記実施形態では、指示手段30の調整方法設定部31は、圧力センサ部11からの検出信号及び打点解析部22により算出された打点に基づいて、スイング中の体重配分の調整方法を設定していたが、打点解析部22により算出された打点のみに基づいて調整方法を設定してもよい。
【0058】
・指示手段30に関して、打点と調整方法との関係情報は、ウッドやアイアン等のクラブの種類や番手毎にそれぞれ異なっていてもよいし、同じであってもよい。
・指示手段30に関して、入力手段を設ける等して、訓練対象者A等が打点と調整方法との関係情報を任意に設定できるようにしてもよい。
【0059】
・打点表示部24を省略してもよい。また、撮影手段40及びスイング表示部51を省略してもよい。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
【0060】
(イ)前記指示手段は、予め設定された前記打点と前記調整方法との関係情報に基づいて、前記打点検出手段により検出された前記打点から前記調整方法を設定する前記スイングの訓練方法。
【0061】
(ロ)前記圧力表示部は、検出した前記圧力のスイング中の経時的な変化を動画として表示するとともに、前記指示表示部は、前記調整方法に従った体重配分によるスイングを行った場合に足裏にかかる部位毎の圧力の経時的な変化を動画として表示する前記スイングの訓練方法。
【符号の説明】
【0062】
A…訓練対象者、B…クラブ、C…ボール、10…圧力検出手段、11…圧力センサ部、11a…圧力センサ、13…圧力表示部、20…打点検出手段、21…慣性センサ、24…打点表示部、30…指示手段、33…指示表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7