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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】ガスクロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/54 20060101AFI20220802BHJP
   G01N 30/60 20060101ALI20220802BHJP
   G01N 30/26 20060101ALI20220802BHJP
   G01N 30/46 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G01N30/54 C
G01N30/60 Q
G01N30/26 N
G01N30/46 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019080095
(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公開番号】P2020176944
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶 博貴
(72)【発明者】
【氏名】吉元 修二
【審査官】大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】実開昭47-022980(JP,U)
【文献】実開昭58-004068(JP,U)
【文献】特開2000-321260(JP,A)
【文献】実開昭62-003060(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第00552529(EP,A1)
【文献】特開2017-219360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/26 - 30/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラムオーブンと、
前記カラムオーブンに収容される枠体と、
前記枠体に着脱可能に設けられ、試料ガスが導入されるカラムと、
前記枠体に着脱可能に設けられ、試料ガスの流路を切り替える切替バルブと、
試料ガスが前記カラムを通過する過程で分離された試料成分を検出する検出器とを備え、
前記枠体は、前記カラムおよび前記切替バルブの各々が装着された状態のまま前記カラムオーブンに出し入れ可能に構成されている、ガスクロマトグラフ。
【請求項2】
前記カラムは、前記枠体に前記切替バルブが装着された状態のまま着脱可能に構成されており、
前記切替バルブは、前記枠体に前記カラムが装着された状態のまま着脱可能に構成されている、請求項1に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項3】
前記枠体に、複数の前記カラムが装着されている、請求項1または請求項2に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項4】
前記枠体に、複数の前記切替バルブが装着されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガスクロマトグラフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスクロマトグラフに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料ガスの各含有成分の濃度を測定するガスクロマトグラフが記載された先行文献として、特開2000-321260号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載されたガスクロマトグラフは、複数のカラムと、流路切替用の切替バルブと、燃料ガス中の各成分を検出する検出器とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-321260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガスクロマトグラフにおいては、カラムおよび切替バルブの各々のメンテナンスが必要であり、これらを容易にメンテナンスできることが求められている。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、カラムおよび切替バルブの各々を容易にメンテナンスすることができる、ガスクロマトグラフを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るガスクロマトグラフは、カラムオーブンと、枠体と、カラムと、切替バルブと、検出器とを備える。枠体は、カラムオーブンに収容される。カラムは、枠体に着脱可能に設けられ、試料ガスが導入される。切替バルブは、枠体に着脱可能に設けられ、試料ガスの流路を切り替える。検出器は、試料ガスがカラムを通過する過程で分離された試料成分を検出する。枠体は、カラムおよび切替バルブの各々が装着された状態のままカラムオーブンに出し入れ可能に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カラムおよび切替バルブの各々を容易にメンテナンスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフの外観を示す正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフにおいて、カラムオーブンから枠体を引き出した状態を示す斜視図である。
図3図2に示す枠体から下部カバーを取り外した状態を示す斜視図である。
図4図2に示す枠体を背面側から見た斜視図である。
図5図3に示す枠体からカラムを取り外した状態を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフについて図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフの外観を示す正面図である。以後、ガスクロマトグラフの構成の形状を示す図には、図1に示す状態の、上下方向、左右方向、および、前後方向を示している。
【0011】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100は、略直方体状の外形を有するカラムオーブン110を備えている。カラムオーブン110の前面に開閉扉111が設けられている。開閉扉111の前面の一部に、操作パネル112が設けられている。開閉扉111の下方に、後述する切替バルブが装着される切替バルブ支持部121に取り付けられる下部カバー129が配置されている。
【0012】
ガスクロマトグラフ100は、後述する検出器をさらに備えており、検出器から得られる検出信号に基づいてクロマトグラムを作成するとともにそのクロマトグラムを解析して各成分の濃度を算出する図示しないデータ処理装置と電気的に接続されている。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフにおいて、カラムオーブンから枠体を引き出した状態を示す斜視図である。図3は、図2に示す枠体から下部カバーを取り外した状態を示す斜視図である。図4は、図2に示す枠体を背面側から見た斜視図である。図5は、図3に示す枠体からカラムを取り外した状態を示す部分拡大図である。
【0014】
図2図5に示すように、本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100は、枠体120をさらに備えている。枠体120は、カラムオーブン110に収容される。図2に示すように、カラムオーブン110は、互いに対向する第1側面113および第2側面114を有する。
【0015】
図2図4に示すように、本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100は、試料ガスが導入されるカラム130をさらに備えている。カラム130は、枠体120に着脱可能に設けられている。本実施形態においては、枠体120に複数のカラム130が装着されている。複数のカラム130は、枠体120がカラムオーブン110に収容された状態において、カラムオーブン110内に配置される。なお、カラム130の装着数は、複数に限られず、1個以上であればよい。
【0016】
複数のカラム130の各々は、試料ガスが流入する流入口160および試料ガスが流出する流出口161を有している。複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161は、上下方向に並んでいる。
【0017】
図3および図4に示すように、本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100は、試料ガスの流路を切り替える切替バルブをさらに備えている。切替バルブは、枠体120に着脱可能に設けられている。本実施形態においては、枠体120に複数の切替バルブが装着されている。具体的には、枠体120に、第1切替バルブV1、第2切替バルブV2および第3切替バルブV3の各々が装着されている。なお、切替バルブの装着数は、3個に限られず、1個以上であればよい。
【0018】
以下、枠体120の構成について詳細に説明する。
図2図5に示すように、枠体120は、切替バルブ支持部121、ベース部122、車輪部123、第1板状部124、第2板状部125、第3板状部126、第1ジョイント127、第2ジョイント128、および、係合部120jを含んでいる。
【0019】
図3および図4に示すように、切替バルブ支持部121には、切替バルブが着脱可能に装着される。本実施形態においては、第1切替バルブV1、第2切替バルブV2および第3切替バルブV3が、左右方向にこの順で並んだ状態で切替バルブ支持部121に装着されている。
【0020】
図2および図4に示すように、切替バルブ支持部121の正面側に、下部カバー129が取り付けられている。第1切替バルブV1、第2切替バルブV2および第3切替バルブV3の各々において切替バルブ支持部121の正面側に位置する部分は、下部カバー129によって覆われている。
【0021】
図4に示すように、切替バルブ支持部121の背面側に、第1切替バルブV1、第2切替バルブV2および第3切替バルブV3の各々のポートが配置されている。切替バルブ支持部121の背面に、ベース部122が接続されている。
【0022】
図2図4に示すように、ベース部122の下端に、1対の車輪部123が設けられている。ベース部122上に、第1板状部124および第2板状部125が左右方向において互いに間隔をあけて対向するように固定されている。
【0023】
図3図5に示すように、第1板状部124には、カラム130の流入口160および流出口161の各々と接続される複数の第1ジョイント127が上下方向に1列に並ぶように取り付けられたカラム接続領域が設けられている。
【0024】
図3および図4に示すように、本実施形態においては、第1板状部124の前方側に、上下方向に延在する第1カラム接続領域L1が設けられており、第1板状部124の後方側に、上下方向に延在する第3カラム接続領域L3が設けられている。第1カラム接続領域L1と第3カラム接続領域L3とは、前後方向において互いに間隔をあけて位置している。なお、第1板状部124に設けられるカラム接続領域の数は、2つに限られず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0025】
図3図5に示すように、第2板状部125にも、カラム130の流入口160および流出口161の各々と接続される複数の第1ジョイント127が上下方向に1列に並ぶように取り付けられたカラム接続領域が設けられている。
【0026】
図2図5に示すように、本実施形態においては、第2板状部125に、上下方向に延在する第2カラム接続領域L2が設けられている。第2カラム接続領域L2は、前後方向において、第1カラム接続領域L1と第3カラム接続領域L3との中間の位置に配置されている。第2板状部125に設けられるカラム接続領域は、左右方向において第1板状部124に設けられるカラム接続領域と重ならない位置に配置されている。なお、第2板状部125に設けられるカラム接続領域の数は、1つに限られず、複数であってもよい。
【0027】
複数の第1ジョイント127は、流入口160および流出口161と係合可能に構成されている。複数の第1ジョイント127の各々の他端側は、図示しない接続管と1対1で対応して接続されている。接続管は、試料ガスの流路の一部を構成している。図3および図4に示すように、複数の第1ジョイント127の各々の一端側は、枠体120の内側に位置しており、複数の第1ジョイント127の各々の他端側は、枠体120の外側に位置している。
【0028】
図2図4に示すように、本実施形態においては、複数のカラム130が、第1カラム接続領域L1、第2カラム接続領域L2および第3カラム接続領域L3に分かれて取り付けられている。
【0029】
具体的には、第1カラム接続領域L1に位置する複数の第1ジョイント127と、複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161とが、互いに接続されている。その結果、第1カラム接続領域L1に、複数のカラム130が上下方向に互いに間隔をあけて取り付けられている。
【0030】
第2カラム接続領域L2に位置する複数の第1ジョイント127と、複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161とが、互いに接続されている。その結果、第2カラム接続領域L2に、複数のカラム130が上下方向に互いに間隔をあけて取り付けられている。
【0031】
第3カラム接続領域L3に位置する複数の第1ジョイント127と、複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161とが、互いに接続されている。その結果、第3カラム接続領域L3に、複数のカラム130が上下方向に互いに間隔をあけて取り付けられている。
【0032】
第2カラム接続領域L2は、第1カラム接続領域L1および第3カラム接続領域L3の各々と左右方向において重ならない位置に配置されているため、複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161は、前後方向において互いに間隔をあけて位置する複数の列に分かれて配置されている。
【0033】
図2図5に示すように、第3板状部126が第1板状部124および第2板状部125に対して固定されている。第3板状部126には、キャリアガスの複数の供給口170の各々と接続される複数の第2ジョイント128が左右方向に並ぶように取り付けられた供給口接続領域Jが設けられている。
【0034】
複数の第2ジョイント128の各々の一端側は、供給口170と係合可能に構成されている。複数の第2ジョイント128の各々の他端側は、図示しない接続管と接続されている。図3および図5に示すように、複数の第2ジョイント128の各々の一端側は、枠体120の正面側に位置しており、複数の第2ジョイント128の各々の他端側は、枠体120の背面側に位置している。
【0035】
上記の構成により、枠体120は、カラム130および切替バルブの各々が装着された状態のままカラムオーブン110に出し入れ可能に構成されている。具体的には、開閉扉111を開いた状態で、第2ジョイント128と供給口170との接続を外し、ガスクロ本体との係合部120jとの接続を外し、一対の車輪部123を前後方向に転動させることにより枠体120をカラムオーブン110に出し入れすることが可能である。
【0036】
本実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、枠体120をカラムオーブン110から引き出した状態において、カラム130の着脱、および、切替バルブの着脱の各々が可能である。
【0037】
カラム130は、流入口160および流出口161と、対応する第1ジョイント127とが係合することにより、枠体120の第1板状部124および第2板状部125のいずれか一方に装着される。カラム130は、流入口160および流出口161と、対応する第1ジョイント127との係合が解除されることにより、枠体120の第1板状部124および第2板状部125のいずれか一方から脱離される。
【0038】
第1切替バルブV1、第2切替バルブV2および第3切替バルブV3の各々は、枠体120の切替バルブ支持部121に着脱可能に構成される。
【0039】
切替バルブは、カラム130を枠体120から脱離することなく、切替バルブを枠体120に対して着脱することができる。すなわち、切替バルブは、枠体120にカラム130が装着された状態のまま着脱可能に構成されている。
【0040】
また、切替バルブを枠体120から脱離することなく、カラム130を枠体120に対して着脱することができる。すなわち、カラム130は、枠体120に切替バルブが装着された状態のまま着脱可能に構成されている。
【0041】
本実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、枠体120がカラムオーブン110に収容された状態において、複数のカラム130の各々は、流入口160および流出口161が上下方向に並んだ状態でカラムオーブン110の第1側面113および第2側面114のうちのいずれか一方と面するように、配置されている。
【0042】
具体的には、第1カラム接続領域L1に取り付けられた複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161は、第1側面113と面している。すなわち、第1カラム接続領域L1に取り付けられた複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161は、第1側面113に向かって開口している。
【0043】
第2カラム接続領域L2に取り付けられた複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161は、第2側面114と面している。すなわち、第2カラム接続領域L2に取り付けられた複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161は、第2側面114に向かって開口している。
【0044】
第3カラム接続領域L3に取り付けられた複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161は、第1側面113と面している。すなわち、第3カラム接続領域L3に取り付けられた複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161は、第1側面113に向かって開口している。
【0045】
上記のように複数のカラム130が配置されていることにより、複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161は、上記複数の列における前後方向に互いに隣り合う列同士の一方において第1側面113と面しつつ他方において第2側面114と面している。
【0046】
具体的には、前後方向に互いに隣り合う第1カラム接続領域L1および第2カラム接続領域L2においては、第1カラム接続領域L1に取り付けられたカラム130の流入口160および流出口161は第1側面113と面しつつ、第2カラム接続領域L2に取り付けられたカラム130の流入口160および流出口161は第2側面114と面している。
【0047】
前後方向に互いに隣り合う第2カラム接続領域L2および第3カラム接続領域L3においては、第2カラム接続領域L2に取り付けられたカラム130の流入口160および流出口161は第2側面114と面しつつ、第3カラム接続領域L3に取り付けられたカラム130の流入口160および流出口161は第1側面113と面している。
【0048】
上記の構成により、第2カラム接続領域L2および第3カラム接続領域L3の各々に取り付けられたカラム130を枠体120から脱離することなく、第1カラム接続領域L1に取り付けられたカラム130を枠体120に対して着脱することができる。
【0049】
第1カラム接続領域L1および第3カラム接続領域L3の各々に取り付けられたカラム130を枠体120から脱離することなく、第2カラム接続領域L2に取り付けられたカラム130を枠体120に対して着脱することができる。
【0050】
第1カラム接続領域L1および第2カラム接続領域L2の各々に取り付けられたカラム130を枠体120から脱離することなく、第3カラム接続領域L3に取り付けられたカラム130を枠体120に対して着脱することができる。
【0051】
本実施形態においては、複数のカラム130は、メンテナンスの必要頻度の高い順に、上記複数の列において前方側から配置されている。なお、複数のカラム130のうちメンテナンスの必要頻度の高いカラム130が、上記複数の列において前後方向の両端の列に配置されていてもよい。
【0052】
なお、本実施形態においては、枠体120は、カラムオーブン110に出し入れ可能に構成されているが、枠体120の構成は上記に限られず、カラムオーブン110内に枠体120が固定されていてもよい。具体的には、車輪部123が設けられておらず、ベース部122とカラムオーブン110とが互いに接続されていてもよい。または、枠体120が、第1板状部124と第1ジョイント127とで構成されており、カラムオーブン110の第1側面113と第1板状部124とが互いに接続されており、切替バルブがカラムオーブン110の第1側面113に設けられている孔部に挿入されて固定されていてもよい。
【0053】
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、複数のカラム130の各々は、流入口160および流出口161が上下方向に並んだ状態で第1側面113および第2側面114のうちのいずれか一方と面するように、配置されている。これにより、複数のカラム130の各々の枠体120との接続箇所が、第1側面113に沿う列、および、第2側面114に沿う列の、いずれか一方に配列されることになるため、複数のカラム130の着脱作業が簡易になり、複数のカラム130の各々を容易にメンテナンスすることができる。
【0054】
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161は、カラムオーブン110の前後方向において互いに間隔をあけて位置する複数の列に分かれて配置されている。これにより、複数のカラム130の各々の枠体120との接続箇所を、第1側面113に沿って上下方向に延びる列、および、第2側面114に沿って上下方向に延びる列の、いずれか一方に配列しつつ、多数のカラム130を枠体120に取り付けることが可能となる。
【0055】
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、複数のカラム130の各々の流入口160および流出口161は、上記複数の列における前後方向に互いに隣り合う列同士の一方において第1側面113と面しつつ他方において第2側面114と面している。これにより、流入口160および流出口161が、前方側から1列目に配置されたカラム130、および、前方側から2列目に配置されたカラム130の、各々の着脱作業を簡易にすることができる。
【0056】
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、複数のカラム130において、上記複数の列の内の同一の列に流入口160および流出口161が配置されているカラム130同士は、互いに接続されて試料ガスが流れる一の流路を構成している。これにより、一の流路を構成するカラムの流入口および流出口が同一の列に配置されているため、メンテナンスの必要になった流路に対応するカラムを容易に着脱することができる。なお、メンテナンスの必要頻度の高い流路を構成するカラム130の流入口160および流出口161を前方側の列に配置することにより、枠体120がカラムオーブン110に収容された状態においても当該カラム130を容易に着脱することができるため、ガスクロマトグラフ100のメンテナンス性をさらに向上することができる。
【0057】
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、カラムオーブン110に収容される枠体120をさらに備える。複数のカラム130は、枠体120に着脱可能に設けられている。枠体120は、複数のカラム130の各々が装着された状態のままカラムオーブン110に出し入れ可能に構成されている。これにより、枠体120をカラムオーブン110から引き出した状態でカラム130を着脱してメンテナンスをすることができる。その結果、カラム130を容易にメンテナンスすることができるため、メンテナンスの作業時間を短縮化することができる。
【0058】
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、枠体120が、カラム130および切替バルブの各々が装着された状態のままカラムオーブン110に出し入れ可能に構成されていることにより、枠体120をカラムオーブン110から引き出した状態でカラム130および切替バルブの少なくとも一方を着脱してメンテナンスをすることができる。その結果、カラム130および切替バルブの各々を容易にメンテナンスすることができるため、メンテナンスの作業時間を短縮化することができる。
【0059】
なお、カラム130および切替バルブの各々が装着された枠体120全体を新品と交換することも可能となる。この場合、カラム130および切替バルブの各々が装着された枠体120全体を新品と入れ替えるだけでメンテナンスが終了するため、ガスクロマトグラフ100のダウンタイムを短縮することが可能となる。
【0060】
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、カラム130は、枠体120に切替バルブが装着された状態のまま着脱可能に構成されている。また、切替バルブは、枠体120にカラム130が装着された状態のまま着脱可能に構成されている。これにより、カラム130と切替バルブとのメンテナンスを別々に行なうことができるため、メンテナンスが容易になる。
【0061】
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、切替バルブは、枠体120においてカラム130が装着される位置より下方の位置に装着される。これにより、カラム130および切替バルブの少なくとも一方を着脱する際に、カラム130と切替バルブとが互いに干渉することを抑制することができる。また、重量の大きい切替バルブを下方に配置することにより、カラム130および切替バルブの各々が装着された枠体120の重心を低くすることができるため、枠体120の安定性を向上することができる。
【0062】
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、枠体120に、複数のカラム130が装着されている。この場合、枠体120をカラムオーブン110から引き出した状態で、複数のカラム130の中からメンテナンスの必要なカラム130を着脱することができるため、メンテナンス性をより顕著に向上することができる。
【0063】
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100においては、枠体120に、複数の切替バルブが装着されている。この場合、枠体120をカラムオーブン110から引き出した状態で、複数の切替バルブの中からメンテナンスの必要な切替バルブを着脱することができるため、メンテナンス性をより顕著に向上することができる。
【0064】
(態様)
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0065】
(第1項)
一態様に係るガスクロマトグラフは、
カラムオーブン(110)と、
前記カラムオーブン(110)に収容される枠体(120)と、
前記枠体(120)に着脱可能に設けられ、試料ガスが導入されるカラム(130)と、
前記枠体(120)に着脱可能に設けられ、試料ガスの流路を切り替える切替バルブ(V1,V2,V3)と、
試料ガスが前記カラム(130)を通過する過程で分離された試料成分を検出する検出器(150,151)とを備え、
前記枠体(120)は、前記カラム(130)および前記切替バルブ(V1,V2,V3)の各々が装着された状態のまま前記カラムオーブン(110)に出し入れ可能に構成されている。
【0066】
第1項に記載のガスクロマトグラフによれば、カラムおよび切替バルブの各々を容易にメンテナンスすることができる。
【0067】
(第2項)
第1項に記載のガスクロマトグラフにおいて、
前記カラム(130)は、前記枠体(120)に前記切替バルブ(V1,V2,V3)が装着された状態のまま着脱可能に構成されており、
前記切替バルブは、前記枠体(120)に前記カラム(130)が装着された状態のまま着脱可能に構成されている。
【0068】
第2項に記載のガスクロマトグラフによれば、カラムを着脱する際に切替バルブを脱離させる必要がないため、カラムの着脱が容易であるとともに、切替バルブを着脱する際にカラムを脱離させる必要がないため、切替バルブの着脱が容易である。
【0069】
(第3項)
第1項または第2項に記載のガスクロマトグラフにおいて、
前記枠体(120)に、複数の前記カラム(130)が装着されている。
【0070】
第3項に記載のガスクロマトグラフによれば、複数のカラムを容易に着脱することができる。
【0071】
(第4項)
第1項から第3項のいずれか1項に記載のガスクロマトグラフにおいて、
前記枠体(120)に、複数の前記切替バルブ(V1,V2,V3)が装着されている。
【0072】
第4項に記載のガスクロマトグラフによれば、複数の切替バルブを容易に着脱することができる。
【0073】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0074】
100 ガスクロマトグラフ、110 カラムオーブン、111 開閉扉、112 操作パネル、113 第1側面、114 第2側面、120 枠体、120j 係合部、121 切替バルブ支持部、122 ベース部、123 車輪部、124 第1板状部、125 第2板状部、126 第3板状部、127 第1ジョイント、128 第2ジョイント、129 下部カバー、130 カラム、160 流入口、161 流出口、170 供給口、J 供給口接続領域、L1 第1カラム接続領域、L2 第2カラム接続領域、L3 第3カラム接続領域、V1 第1切替バルブ、V2 第2切替バルブ、V3 第3切替バルブ。
図1
図2
図3
図4
図5