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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】ガス分離装置およびガス分離方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/04 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
B01D53/04
B01D53/04 220
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019139415
(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公開番号】P2021020178
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2020-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100182718
【弁理士】
【氏名又は名称】木崎 誠司
(72)【発明者】
【氏名】小宅 教文
(72)【発明者】
【氏名】廣田 靖樹
(72)【発明者】
【氏名】山内 崇史
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-147865(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0045438(US,A1)
【文献】特開平05-155603(JP,A)
【文献】特開2007-260605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02-53/12
C01B 15/00-23/00
C01B 13/00-13/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス分離装置であって、
混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着可能な吸着剤を有する複数の吸着塔と、
前記吸着塔への前記混合ガスの供給と、前記複数の吸着塔間の接続と、を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の吸着塔のうちの第1の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔とは異なる第2の吸着塔に供給されるように、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第1の吸着塔へと前記混合ガスを供給する第1吸着制御を行い、
前記混合ガスが前記第1の吸着塔に供給されてから予め設定された切替時間が経過した場合に、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔との接続を切り離した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給する第2吸着制御を行い、
前記第2吸着制御において、前記第2の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔および前記第2の吸着塔とは異なる第3の吸着塔に供給されるように、前記第2の吸着塔と前記第3の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給し、
前記ガス分離装置は、さらに、
前記第1の吸着塔の上流側と、前記第2の吸着塔の上流側と、前記第3の吸着塔の上流側とをそれぞれ接続する上流側流路と、
前記第1の吸着塔の下流側と、前記第2の吸着塔の下流側と、前記第3の吸着塔の下流側とをそれぞれ接続する下流側流路と、
前記上流側流路と、前記第1の吸着塔との接続を開閉する第1上流バルブと、
前記上流側流路と、前記第2の吸着塔との接続を開閉する第2上流バルブと、
前記上流側流路と、前記第3の吸着塔との接続を開閉する第3上流バルブと、
前記下流側流路と、前記第1の吸着塔との接続を開閉する第1下流バルブと、
前記下流側流路と、前記第2の吸着塔との接続を開閉する第2下流バルブと、
前記下流側流路と、前記第3の吸着塔との接続を開閉する第3下流バルブと、
前記第1の吸着塔の下流側と、前記第2の吸着塔の上流側とを接続する第1流路と、
前記第1流路の接続を開閉する第1直列バルブと、
前記第2の吸着塔の下流側と、前記第3の吸着塔の上流側とを接続する第2流路と、
前記第2流路の接続を開閉する第2直列バルブと、
を備え、
前記制御部は、
前記第1吸着制御において、前記第1上流バルブ、前記第2下流バルブ、および前記第1直列バルブを開き、前記第2上流バルブ、前記第3上流バルブ、前記第1下流バルブ、前記第3下流バルブ、および前記第2直列バルブを閉じた状態で、前記混合ガスを前記上流側流路に供給し、
前記第2吸着制御において、前記第2上流バルブ、前記第3下流バルブ、および前記第2直列バルブを開き、前記第1上流バルブ、前記第3上流バルブ、前記第1下流バルブ、前記第2下流バルブ、および前記第1直列バルブを閉じた状態で、前記混合ガスを前記上流側流路に供給し、
前記第1流路の少なくとも一部と、前記第2流路の少なくとも一部とは、同一の配管部材を用いて形成されている、ガス分離装置。
【請求項2】
請求項1に記載のガス分離装置であって、
前記第2の吸着塔は、ガスが入出可能な2つの第1ガス入出口と第2ガス入出口とを有し、
前記制御部は、
前記第1吸着制御において、前記第1ガス入出口から前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給し、
前記第2吸着制御において、前記第2ガス入出口から前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給する、ガス分離装置。
【請求項3】
ガス分離装置であって、
混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着可能な吸着剤を有する複数の吸着塔と、
前記吸着塔への前記混合ガスの供給と、前記複数の吸着塔間の接続と、を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の吸着塔のうちの第1の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔とは異なる第2の吸着塔に供給されるように、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第1の吸着塔へと前記混合ガスを供給する第1吸着制御を行い、
前記混合ガスが前記第1の吸着塔に供給されてから予め設定された切替時間が経過した場合に、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔との接続を切り離した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給する第2吸着制御を行い、
前記第2吸着制御において、前記第2の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔および前記第2の吸着塔とは異なる第3の吸着塔に供給されるように、前記第2の吸着塔と前記第3の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給し、
前記第2の吸着塔は、ガスが入出可能な2つの第1ガス入出口と第2ガス入出口とを有し、
前記制御部は、
前記第1吸着制御において、前記第1ガス入出口から前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給し、
前記第2吸着制御において、前記第2ガス入出口から前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給する、ガス分離装置。
【請求項4】
請求項3に記載のガス分離装置であって、さらに、
前記第1の吸着塔の上流側と、前記第2の吸着塔の上流側と、前記第3の吸着塔の上流側とをそれぞれ接続する上流側流路と、
前記第1の吸着塔の下流側と、前記第2の吸着塔の下流側と、前記第3の吸着塔の下流側とをそれぞれ接続する下流側流路と、
前記上流側流路と、前記第1の吸着塔との接続を開閉する第1上流バルブと、
前記上流側流路と、前記第2の吸着塔との接続を開閉する第2上流バルブと、
前記上流側流路と、前記第3の吸着塔との接続を開閉する第3上流バルブと、
前記下流側流路と、前記第1の吸着塔との接続を開閉する第1下流バルブと、
前記下流側流路と、前記第2の吸着塔との接続を開閉する第2下流バルブと、
前記下流側流路と、前記第3の吸着塔との接続を開閉する第3下流バルブと、
前記第1の吸着塔の下流側と、前記第2の吸着塔の上流側とを接続する第1流路と、
前記第1流路の接続を開閉する第1直列バルブと、
前記第2の吸着塔の下流側と、前記第3の吸着塔の上流側とを接続する第2流路と、
前記第2流路の接続を開閉する第2直列バルブと、
を備え、
前記制御部は、
前記第1吸着制御において、前記第1上流バルブ、前記第2下流バルブ、および前記第1直列バルブを開き、前記第2上流バルブ、前記第3上流バルブ、前記第1下流バルブ、前記第3下流バルブ、および前記第2直列バルブを閉じた状態で、前記混合ガスを前記上流側流路に供給し、
前記第2吸着制御において、前記第2上流バルブ、前記第3下流バルブ、および前記第2直列バルブを開き、前記第1上流バルブ、前記第3上流バルブ、前記第1下流バルブ、前記第2下流バルブ、および前記第1直列バルブを閉じた状態で、前記混合ガスを前記上流側流路に供給する、ガス分離装置。
【請求項5】
請求項4に記載のガス分離装置であって、
前記第1流路の少なくとも一部と、前記第2流路の少なくとも一部とは、同一の配管部材を用いて形成されている、ガス分離装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のガス分離装置であって、さらに、
前記第2の吸着塔から排出される前記混合ガス中の前記特定のガスを検出するガスセンサを備え、
前記制御部は、前記ガスセンサにより検出された前記特定のガスが所定の流量を超えた場合に、前記切替時間が経過したと判定する、ガス分離装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のガス分離装置であって、さらに、
前記第2の吸着塔の温度を検出する温度センサを備え、
前記制御部は、前記温度センサにより検出された前記第2の吸着塔の温度が所定の温度を超えた場合に、前記切替時間が経過したと判定する、ガス分離装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のガス分離装置であって、
前記複数の吸着塔は、温度スイング法を用いて供給される前記特定のガスを吸着する、ガス分離装置。
【請求項9】
ガス分離方法であって、
混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着可能な吸着剤を有する複数の吸着塔のうちの第1の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔と異なる第2の吸着塔に供給されるように、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第1の吸着塔へと前記混合ガスを供給する第1供給工程と、
前記混合ガスが前記第1の吸着塔に供給されてから予め設定された切替時間が経過した場合に、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔との接続を切り離した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給する第2供給工程と、を備え、
前記第2供給工程は、前記第2の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔および前記第2の吸着塔とは異なる第3の吸着塔に供給されるように、前記第2の吸着塔と前記第3の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給し、
前記第1供給工程は、
前記第1の吸着塔の上流側と、前記第2の吸着塔の上流側と、前記第3の吸着塔の上流側と、をそれぞれ接続する上流側流路と前記第1の吸着塔との接続を開閉する第1上流バルブを開き、
前記第1の吸着塔の下流側と、前記第2の吸着塔の下流側と、前記第3の吸着塔の下流側とをそれぞれ接続する下流側流路と前記第2の吸着塔との接続を開閉する第2下流バルブを開き、
前記第1の吸着塔の下流側と、前記第2の吸着塔の上流側とを接続する第1流路の接続を開閉する第1直列バルブを開き、かつ、
前記上流側流路と、前記第2の吸着塔との接続を開閉する第2上流バルブを閉じ、
前記上流側流路と、前記第3の吸着塔との接続を開閉する第3上流バルブを閉じ、
前記下流側流路と、前記第1の吸着塔との接続を開閉する第1下流バルブを閉じ、
前記下流側流路と、前記第3の吸着塔との接続を開閉する第3下流バルブを閉じ、
前記第2の吸着塔の下流側と、前記第3の吸着塔の上流側とを接続する第2流路の接続を開閉する第2直列バルブを閉じた状態で、前記混合ガスを前記上流側流路に供給し、
前記第2供給工程では、
前記第2上流バルブ、前記第3下流バルブ、および前記第2直列バルブを開き、かつ、
前記第1上流バルブ、前記第3上流バルブ、前記第1下流バルブ、前記第2下流バルブ、および前記第1直列バルブを閉じた状態で、前記混合ガスを前記上流側流路に供給し、
前記第1流路の少なくとも一部と、前記第2流路の少なくとも一部とは、同一の配管部材を用いて形成されている、ガス分離方法。
【請求項10】
ガス分離方法であって、
混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着可能な吸着剤を有する複数の吸着塔のうちの第1の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔と異なる第2の吸着塔に供給されるように、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第1の吸着塔へと前記混合ガスを供給する第1供給工程と、
前記混合ガスが前記第1の吸着塔に供給されてから予め設定された切替時間が経過した場合に、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔との接続を切り離した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給する第2供給工程と、を備え、
前記第2供給工程は、前記第2の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔および前記第2の吸着塔とは異なる第3の吸着塔に供給されるように、前記第2の吸着塔と前記第3の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給し、
前記第2の吸着塔は、ガスが入出可能な2つの第1ガス入出口と第2ガス入出口とを有し、
前記第1供給工程は、前記第1ガス入出口から前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給し、
前記第2供給工程は、前記第2ガス入出口から前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給する、ガス分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス分離装置およびガス分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のガスを吸着する吸着剤を用いて、複数の成分を含む混合ガスから特定のガスを分離するガス分離装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたガス分離装置では、吸着剤が充填されている吸着塔内が複数の仕切りによって複雑な形状に分けられている。複雑な形状の吸着塔内に混合ガスを通過させることにより、吸着剤の利用率を向上させている。特許文献2に記載されたスイング吸着方法では、2つの吸着塔を接続することにより、上流側の吸着塔から流出した混合ガスが下流側の吸着塔へと供給される。特許文献3に記載されたガス分離装置は、吸着塔内の吸着材を流動させることによって、吸着剤の利用率を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭61-209025号公報
【文献】特表2014-512259号公報
【文献】国際公開第2007/069605号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたガス分離装置では、吸着塔内の複雑な形状であるため、製造時のコスト上昇および混合ガス供給時の圧力損失の上昇が発生するおそれがある。また、吸着塔内に吸着剤が充填されていない空間があるため、内包する吸着剤の量に対して吸着塔が大きくなるおそれがある。特許文献2には、スイング吸着方法の一例が開示されるに留まり、当該方法を実施するための具体的な構成が開示されていない。特許文献3に記載されたガス分離装置では、吸着塔内の吸着剤を流動させるためのエネルギーが別途必要になる。また、吸着塔内で吸着剤を流動させるため、流動する吸着剤が吸着塔に機械的なダメージを及ぼすおそれがある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、吸着塔の巨大化を抑制した上で、吸着性能の向上、および、混合ガス供給時の圧力損失の低減を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。ガス分離装置であって、混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着可能な吸着剤を有する複数の吸着塔と、前記吸着塔への前記混合ガスの供給と、前記複数の吸着塔間の接続と、を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数の吸着塔のうちの第1の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔とは異なる第2の吸着塔に供給されるように、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第1の吸着塔へと前記混合ガスを供給する第1吸着制御を行い、前記混合ガスが前記第1の吸着塔に供給されてから予め設定された切替時間が経過した場合に、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔との接続を切り離した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給する第2吸着制御を行い、前記第2吸着制御において、前記第2の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔および前記第2の吸着塔とは異なる第3の吸着塔に供給されるように、前記第2の吸着塔と前記第3の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給し、前記ガス分離装置は、さらに、前記第1の吸着塔の上流側と、前記第2の吸着塔の上流側と、前記第3の吸着塔の上流側とをそれぞれ接続する上流側流路と、前記第1の吸着塔の下流側と、前記第2の吸着塔の下流側と、前記第3の吸着塔の下流側とをそれぞれ接続する下流側流路と、前記上流側流路と、前記第1の吸着塔との接続を開閉する第1上流バルブと、前記上流側流路と、前記第2の吸着塔との接続を開閉する第2上流バルブと、前記上流側流路と、前記第3の吸着塔との接続を開閉する第3上流バルブと、前記下流側流路と、前記第1の吸着塔との接続を開閉する第1下流バルブと、前記下流側流路と、前記第2の吸着塔との接続を開閉する第2下流バルブと、前記下流側流路と、前記第3の吸着塔との接続を開閉する第3下流バルブと、前記第1の吸着塔の下流側と、前記第2の吸着塔の上流側とを接続する第1流路と、前記第1流路の接続を開閉する第1直列バルブと、前記第2の吸着塔の下流側と、前記第3の吸着塔の上流側とを接続する第2流路と、前記第2流路の接続を開閉する第2直列バルブと、を備え、前記制御部は、前記第1吸着制御において、前記第1上流バルブ、前記第2下流バルブ、および前記第1直列バルブを開き、前記第2上流バルブ、前記第3上流バルブ、前記第1下流バルブ、前記第3下流バルブ、および前記第2直列バルブを閉じた状態で、前記混合ガスを前記上流側流路に供給し、前記第2吸着制御において、前記第2上流バルブ、前記第3下流バルブ、および前記第2直列バルブを開き、前記第1上流バルブ、前記第3上流バルブ、前記第1下流バルブ、前記第2下流バルブ、および前記第1直列バルブを閉じた状態で、前記混合ガスを前記上流側流路に供給し、前記第1流路の少なくとも一部と、前記第2流路の少なくとも一部とは、同一の配管部材を用いて形成されている、ガス分離装置。ガス分離装置であって、混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着可能な吸着剤を有する複数の吸着塔と、前記吸着塔への前記混合ガスの供給と、前記複数の吸着塔間の接続と、を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数の吸着塔のうちの第1の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔とは異なる第2の吸着塔に供給されるように、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第1の吸着塔へと前記混合ガスを供給する第1吸着制御を行い、前記混合ガスが前記第1の吸着塔に供給されてから予め設定された切替時間が経過した場合に、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔との接続を切り離した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給する第2吸着制御を行い、前記第2吸着制御において、前記第2の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔および前記第2の吸着塔とは異なる第3の吸着塔に供給されるように、前記第2の吸着塔と前記第3の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給し、前記第2の吸着塔は、ガスが入出可能な2つの第1ガス入出口と第2ガス入出口とを有し、前記制御部は、前記第1吸着制御において、前記第1ガス入出口から前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給し、前記第2吸着制御において、前記第2ガス入出口から前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給する、ガス分離装置。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、ガス分離装置が提供される。このガス分離装置は、混合ガスに含まれる1以上の特定のガスを吸着可能な吸着剤を有する複数の吸着塔と、前記吸着塔への前記混合ガスの供給と、前記複数の吸着塔間の接続と、を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数の吸着塔のうちの第1の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔とは異なる第2の吸着塔に供給されるように、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第1の吸着塔へと前記混合ガスを供給する第1吸着制御を行い、前記混合ガスが前記第1の吸着塔に供給されてから予め設定された切替時間が経過した場合に、前記第1の吸着塔と前記第2の吸着塔との接続を切り離した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給する第2吸着制御を行う。
【0008】
この構成によれば、第1吸着制御において、第1の吸着塔と第2の吸着塔とが直列に接続されているため、第2の吸着塔の出口から特定のガスが漏れにくい。すなわち、この形態のガス分離装置は、システムサイズの巨大化を抑制した上で、特定のガスに対して高い吸着性能を有する。ここで、吸着された特定のガスを各吸着塔から脱離させる場合に、吸着塔内に脱離のためのガスが通過する方向に沿う吸着長さは短いほど好ましい。この形態のガス分離装置は、特定のガスの吸着時に第1の吸着塔と第2の吸着塔とを接続させることにより、吸着長さを長くしている。一方で、脱離時には、第1の吸着塔と第2の吸着塔との接続を切り離すことにより、1つの吸着塔の吸着長さを短くできる。このため、ガス分離装置における脱離時の性能を低下させずに吸着時の性能を向上させることができる。また、この形態のガス分離装置は、第2吸着制御において、切替時間が経過すると、特定のガスを多く吸着している第1の吸着塔を切り離す。このため、第1の吸着塔と比較して特定のガスの吸着量の少ない第2の吸着塔に対して、直接、混合ガスを供給できる。この結果、ガス分離装置は、第2吸着制御時に、混合ガスが各吸着塔内を流れる際の圧力損失を低減できる。
【0009】
(2)上記態様のガス分離装置において、さらに、前記第2の吸着塔から排出される前記混合ガス中の前記特定のガスを検出するガスセンサを備え、前記制御部は、前記ガスセンサにより検出された前記特定のガスが所定の流量を超えた場合に、前記切替時間が経過したと判定してもよい。
この構成によれば、所定の流量を超える特定のガスがガス分離装置から排出されることを抑制でき、各吸着塔は、混合ガスに含まれる特定のガスを効率的に吸着できる。
【0010】
(3)上記形態のガス分離装置において、さらに、前記第2の吸着塔の温度を検出する温度センサを備え、前記制御部は、前記温度センサにより検出された前記第2の吸着塔の温度が所定の温度を超えた場合に、前記切替時間が経過したと判定してもよい。
第2の吸着塔の温度は、特定のガスを吸着剤が吸着した際の吸着熱によって変化する。そのため、第2の吸着塔の温度変化に基づいて、第2の吸着塔内の吸着剤が吸着している特定のガスの量を推定でき、結果として、第2の吸着塔の温度から特定のガスが漏れ出すまでの時間を推定できる。この構成によれば、制御部は、第2の吸着塔から特定のガスが漏れ出すまでの時間よりも短い時間を切替時間として設定することにより、各吸着塔内の吸着剤は、混合ガスに含まれる特定のガスを効率的に吸着できる。
【0011】
(4)上記態様のガス分離装置において、前記制御部は、前記第2吸着制御において、前記第2の吸着塔から排出された前記混合ガスが、前記複数の吸着塔のうちの前記第1の吸着塔および前記第2の吸着塔とは異なる第3の吸着塔に供給されるように、前記第2の吸着塔と前記第3の吸着塔とを直列に接続した状態で、前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給してもよい。
この構成によれば、特定のガスの吸着量が多い第1の吸着塔を切り離すことによって第1の吸着塔に混合ガスを流入させた際の圧力損失の増加を抑制する。さらに、第2の吸着塔の下流側に再生済みの第3の吸着塔を直列接続することにより、ガス分離装置は、各吸着塔における連続的な特定のガスの吸着を実行できる。
【0012】
(5)上記態様のガス分離装置において、さらに、前記第1の吸着塔の上流側と、前記第2の吸着塔の上流側と、前記第3の吸着塔の上流側とをそれぞれ接続する上流側流路と、前記第1の吸着塔の下流側と、前記第2の吸着塔の下流側と、前記第3の吸着塔の下流側とをそれぞれ接続する下流側流路と、前記上流側流路と、前記第1の吸着塔との接続を開閉する第1上流バルブと、前記上流側流路と、前記第2の吸着塔との接続を開閉する第2上流バルブと、前記上流側流路と、前記第3の吸着塔との接続を開閉する第3上流バルブと、前記下流側流路と、前記第1の吸着塔との接続を開閉する第1下流バルブと、前記下流側流路と、前記第2の吸着塔との接続を開閉する第2下流バルブと、前記下流側流路と、前記第3の吸着塔との接続を開閉する第3下流バルブと、前記第1の吸着塔の下流側と、前記第2の吸着塔の上流側とを接続する第1流路と、前記第1流路の接続を開閉する第1直列バルブと、前記第2の吸着塔の下流側と、前記第3の吸着塔の上流側とを接続する第2流路と、前記第2流路の接続を開閉する第2直列バルブと、を備え、前記制御部は、前記第1吸着制御において、前記第1上流バルブ、前記第2下流バルブ、および前記第1直列バルブを開き、前記第2上流バルブ、前記第3上流バルブ、前記第1下流バルブ、前記第3下流バルブ、および前記第2直列バルブを閉じた状態で、前記混合ガスを前記上流側流路に供給し、前記第2吸着制御において、前記第2上流バルブ、前記第3下流バルブ、および前記第2直列バルブを開き、前記第1上流バルブ、前記第3上流バルブ、前記第1下流バルブ、前記第2下流バルブ、および前記第1直列バルブを閉じた状態で、前記混合ガスを前記上流側流路に供給してもよい。
この構成によれば、制御部が第1~第3上流バルブ、第1~第3下流バルブ、第1,第2直列バルブの開閉を制御することにより、各吸着塔で行われる吸着や脱離などの各工程を簡単に切り替えることができる。
【0013】
(6)上記態様のガス分離装置において、前記第1流路の少なくとも一部と、前記第2流路の少なくとも一部とは、同一の配管部材を用いて形成されていてもよい。
この構成によれば、別工程の制御が行われている場合でも同一の配管部材を利用することにより、混合ガスが通る配管の数を減らせる。これにより、ガス分離装置のシステムサイズが大きくなることを抑制できる。
【0014】
(7)上記形態のガス分離装置において、前記第2の吸着塔は、ガスが入出可能な2つの第1ガス入出口と第2ガス入出口とを有し、前記制御部は、前記第1吸着制御において、前記第1ガス入出口から前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給し、前記第2吸着制御において、前記第2ガス入出口から前記第2の吸着塔に前記混合ガスを供給してもよい。
この構成によれば、各吸着塔において、第1吸着制御に混合ガスが流れる方向と、第2吸着制御に混合ガスが流れる方向とを反対の向きにした場合に、第1の吸着塔における第2ガス入出口から排出される混合ガスを第2の吸着塔の第1ガス入出口に戻す配管が不要になる。この結果、ガス分離装置の吸着性能を向上させた上で、ガス分離装置のシステムサイズを小さくできる。
【0015】
(8)上記形態のガス分離装置において、前記複数の吸着塔は、温度スイング法を用いて供給される前記特定のガスを吸着してもよい。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、ガス分離装置、ガス吸着装置、およびこれらを備える装置およびシステム、およびガス分離方法、ガス吸着方法、およびこれらシステムや方法を実行するためのコンピュータプログラム、このコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態としてのガス分離装置の概略ブロック図である。
図2】各吸着塔で行われる工程の変化を説明するための表である。
図3】1つの吸着塔で行われるガス分離方法のフローチャートである。
図4】3つの吸着塔の排ガス中の二酸化炭素濃度の時間推移を表すグラフである。
図5】各吸着塔が吸着している二酸化炭素の量を表す説明図である。
図6】各吸着塔が吸着している二酸化炭素の量を表す説明図である。
図7】各吸着塔が吸着している二酸化炭素の量を表す説明図である。
図8】吸着剤利用率の説明するためのグラフである。
図9】比較例のガス分離装置の概略ブロック図である。
図10】比較例1の各吸着塔で行われる工程の変化を説明するための表である。
図11】第1実施形態と比較例とにおける吸着剤利用率についてのグラフである。
図12】比較例2のガス分離装置の概略ブロック図である。
図13】第1実施形態のガス分離装置の概略ブロック図である。
図14】第2実施形態のガス分離装置の概略ブロック図である。
図15】第3実施形態のガス分離装置の概略斜視図である。
図16】第4実施形態のガス分離装置の概略斜視図である。
図17】変形例の吸着塔で行われるガス分離方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態としてのガス分離装置100の概略ブロック図である。ガス分離装置100は、窒素(N2)および二酸化炭素(CO2)を含む混合ガスGSが供給され、5つの吸着塔10~20を用いて窒素と二酸化炭素をと分離する装置である。
【0019】
図1に示されるように、ガス分離装置100は、混合ガスGSに含まれる二酸化炭素を吸着可能な吸着剤を有する複数の吸着塔10~50と、各吸着塔10~50を接続する各流路FPU,FPD,FP1~FP5と、流路FP1~FP5のそれぞれを流れる混合ガスGS中の二酸化炭素の流量を検出する各センサS1~S5と、各流路FPU,FPD,FP1~FP5の接続を開閉する各バルブVU1~VU5,VD1~VD5,VV1~VV5と、各バルブVU1~VU5,VD1~VD5,VV1~VV5の開閉を制御する制御部70と、を備えている。各吸着塔10~50の形状は、同じであり、内部に空間を形成している略円柱状である。各吸着塔10~50の内部空間には、複数の球状の吸着剤が充填されている。吸着剤としては、例えば、ゼオライト、多孔体にアミンを担持させた個体吸収材を採用できる。
【0020】
各吸着塔10~50を接続する流路として、図1に示されるように、各吸着塔10~50の上流側を接続する上流側流路FPUと、各吸着塔10~50の下流側を接続する下流側流路FPDと、吸着塔10の上流側と吸着塔20の下流側とを接続する第1流路FP1と、吸着塔20の下流側と吸着塔30の上流側とを接続する第2流路FP2と、吸着塔30の下流側と吸着塔40の上流側とを接続する第3流路FP3と、吸着塔40の下流側と吸着塔50の上流側とを接続する第4流路FP4と、吸着塔50の下流側と吸着塔10の上流側とを接続する第5流路FP5と、が存在している。
【0021】
図1に示されるように、センサS1は、第1流路FP1を流れる混合ガスGS中の二酸化炭素の流量を検出する。センサS2~S5のそれぞれも、センサS1と同じように、各流路FP2~FP5を流れる混合ガスGS中の二酸化炭素の流量を検出する。各流路FPU,FPD,FP1~FP5の接続を開閉するバルブとして、上流側流路FPUと各吸着塔10~50との接続を開閉する上流側バルブVU1~VU5と、下流側流路FPDと各吸着塔10~50との接続を開閉する下流側バルブVD1~VD5と、各流路FP1~FP5の接続を開閉する直列バルブVV1~VV5と、が存在している。
【0022】
制御部70は、図示されていない、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を備えている。CPUがROMに格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、制御部70は、各種機能を実行する。制御部70は、各バルブVU1~VU5,VD1~VD5,VV1~VV5の開閉を制御することにより、各吸着塔10~50で上流側吸着工程、下流側吸着工程、冷却工程、脱離工程、および余熱工程のいずれかの工程が実行されるように制御する。
【0023】
制御部70は、予め設定された切替時間Tcが経過すると、各吸着塔10~50で実行する工程を変化させる。本実施形態の切替時間Tcは、過去データから、上流側吸着工程が行われている各吸着塔10~50から二酸化炭素が漏れ出さない時間に設定されている。なお、制御部70は、切替時間Tcが経過する前に、下流側吸着工程が行われている吸着塔20の下流側に配置されたセンサS2により検出された二酸化炭素の流量が所定の流量を超えた場合には、切替時間Tcが経過したと判定し、吸着塔10~50を次の工程へと変化させる。
【0024】
図2は、各吸着塔10~50で行われる工程の変化を説明するための表である。図2に示されるように、各吸着塔10~50では、上流側吸着、余熱、脱離、冷却、下流側吸着の順で各工程が行われる。本実施形態では、吸着塔10~50は、温度スイング法(Thermal Swing Adsorption:TSA)を用いて供給される混合ガスGSから、各工程の温度変化によって二酸化炭素を分離する。図1に示される状態では、制御部70がバルブVU1,VV1,VD2を開き、かつ、その他のバルブVU2~VU5,VV2~VV5,VD2~VD5を閉じる。この場合に、吸着塔10に混合ガスGSが供給され、制御部70は、吸着塔10で上流側吸着工程を行う。これと同時に、制御部70は、吸着塔20で下流側吸着工程を行い、吸着塔30で冷却工程を行い、吸着塔40で脱離工程を行い、吸着塔50で余熱工程を行う。
【0025】
制御部70は、図1に示される状態の上流側吸着工程および下流側吸着工程において、吸着塔10と吸着塔20とを直列に接続した状態で、図1の太線で示されるように、吸着塔10に混合ガスを供給し、吸着塔10の排ガスを吸着塔20へと供給する。この場合に、吸着塔10は第1の吸着塔として機能し、吸着塔20は第2の吸着塔として機能し、制御部70は第1吸着制御を行っている。
【0026】
制御部70は、第1吸着工程後の余熱工程において、吸着塔50への混合ガスGSの供給を停止した状態で放置する。同時に、制御部70は、余熱工程後の脱離工程において、吸着塔40への混合ガスGSの供給を停止した状態で、吸着塔40を加熱する。吸着塔40が加熱されると、吸着塔40内の吸着材が吸着していた二酸化炭素が脱離する。脱離した二酸化炭素は、図1の破線で示されるようにガス分離装置100に接続されたタンクなどに回収される。制御部70は、脱離工程後の冷却工程において、吸着塔30を冷却する。なお、以降では、上流側吸着工程および下流側吸着工程を、合わせて「吸着工程」とも呼ぶ。また、余熱工程、脱離工程、および冷却工程を、合わせて「再生工程」とも呼ぶ。
【0027】
図2に示されるように、制御部70は、吸着塔10の処理を上流側吸着工程から余熱工程へと変化させた場合に、吸着塔20の処理を下流側吸着工程から上流側吸着工程へと変化させ、かつ、吸着塔30の処理を冷却工程から下流側吸着工程へと変化させる。換言すると、制御部70は、吸着塔10が上流側吸着工程に変化して切り替え時間が経過すると、吸着塔10と吸着塔20との直列接続を切り離す。このときに、制御部70は、吸着塔20の排ガスが吸着塔30に供給されるように、吸着塔20と吸着塔30とを直列に接続した状態で、吸着塔20に混合ガスGSを供給する。この場合に、吸着塔30は第3の吸着塔として機能し、制御部70は第2吸着制御を開始する。第1吸着制御および第2吸着制御において、上流側バルブVU1~VU3は、第1上流バルブ、第2上流バルブ、第3上流バルブのそれぞれとして機能する。また、下流側バルブVD1~VD3は、第1下流バルブ、第2下流バルブ、第3下流バルブのそれぞれとして機能する。また、直列バルブVV1は、第1直列バルブとして機能し、直列バルブVV2は、第2直列バルブとして機能する。
【0028】
図3は、1つの吸着塔20で行われるガス分離方法のフローチャートである。図3に示されるように、ガス分離方法のフローチャート(以降では、単に「ガス分離フロー」とも言う)では、制御部70は、バルブVU1,VV1,VD2を開き、かつ、その他のバルブVU2~VU5,VV2~VV5,VD2~VD5を閉じた状態で混合ガスGSを吸着塔10に供給することにより、吸着塔20で下流側吸着工程が行われる(ステップS1)。切替時間Tcが経過すると、制御部70は、開いていたバルブVU1,VV1,VD2を閉じ、かつ、閉じていたバルブVU2,VV2,VD3を開いた状態で吸着塔20に混合ガスGSを供給することにより、吸着塔20で上流側吸着工程が行われる(ステップS2)。切替時間Tcが経過すると、制御部70は、開いていたバルブVU2,VV2,VD3を閉じ、かつ、閉じていたバルブVU3,VV3,VD4を開き、吸着塔20で余熱工程が行われる(ステップS3)。吸着塔20での余熱工程の実行時に、制御部70は、図2の表に示されるように、吸着塔30と吸着塔40とを直列に接続した状態で、吸着塔30に混合ガスGSを供給する。
【0029】
ステップS3の処理開始から切替時間Tcが経過すると、制御部70は、開いていたバルブVU3,VV3,VD4を閉じ、かつ、閉じていたバルブVU4,VV4,VD5を開き、吸着塔20で脱離工程が行われる(ステップS4)。吸着塔20での脱離工程の実行時に、制御部70は、吸着塔40と吸着塔50とを直列に接続した状態で、吸着塔40に混合ガスGSを供給する。切替時間Tcが経過すると、制御部70は、開いていたバルブVU4,VV4,VD5を閉じ、かつ、閉じていたバルブVU5,VV5,VD1を開き、吸着塔20で冷却工程が行われる(ステップS5)。吸着塔20での冷却工程の実行時に、制御部70は、吸着塔50と吸着塔10と直列に接続した状態で、吸着塔50に混合ガスGSを供給する。
【0030】
ステップS5の処理後に、制御部70は、ガス分離フローを終了するか否かを判定する(ステップS6)。判定方法としては、例えば、キーボード等の操作部を用いた作業者による終了の入力受付などである。制御部70は、ガス分離フローを終了しないと判断した場合には(ステップS6:NO)、ステップS1以降の処理を繰り返す。制御部70は、ガス分離フローを終了すると判定した場合には(ステップS6:YES)、ガス分離方法を終了する。
【0031】
図4は、3つの吸着塔10~30の排ガス中の二酸化炭素濃度の時間推移を表すグラフである。図5から図7までの各図は、各吸着塔10~30が吸着している二酸化炭素の量を表す説明図である。図4には、各吸着塔10~30の再生工程が完了した状態で、吸着塔10から順番に上流側吸着工程が行われた場合において、各吸着塔10~30の排ガス中に含まれる二酸化炭素濃度の時間推移を表す曲線C10~C30が示されている。なお、図4では、吸着塔40,50に混合ガスGSが供給される時刻のグラフを省略している。図5には、図4における時刻T1~T3のそれぞれにおいて、各吸着塔10~30が吸着している二酸化炭素の量がハッチングのドットの濃淡で表されている。濃いハッチングほど、二酸化炭素をより多く吸着していることを表している。
【0032】
図4に示される時刻T1は、混合ガスGSが供給されている吸着塔10から二酸化炭素が漏れ出す時刻である。時刻T1に、図5に示されるように、吸着塔10内の出口付近の吸着剤は、入口付近の吸着剤と異なり、まだ二酸化炭素を吸着する余地がある。吸着塔10から漏れ出した二酸化炭素は、吸着塔10の下流側に直列に接続された吸着塔20により吸着される。吸着塔10内の吸着剤が吸着可能な二酸化炭素の全量に対して、時刻T1において吸着塔10が吸着している二酸化炭素の量の比率である吸着剤利用率Kは、および65パーセント(%)である。
【0033】
図4の曲線C10として示されるように、吸着塔10から漏れ出す二酸化炭素の量は、時刻T1から時刻T2にかけて、時間の経過と共に増加する。なお、時刻T2は、吸着塔10と吸着塔20との直列接続を切り離して、吸着塔20と吸着塔30とを直列接続した状態で、吸着塔20に混合ガスGSを供給し始めた時刻である。図6に示されるように、時刻T2において、吸着塔10の吸着剤利用率Kは98%であり、吸着塔20が二酸化炭素を吸着している状態である。
【0034】
図4の曲線C20として示されるように、吸着塔20から漏れ出す二酸化炭素の量は、曲線C10の変化と同じように、時刻T2から時刻T3にかけて、時間の経過と共に増加する。なお、時刻T3は、吸着塔20と吸着塔30との直列接続を切り離して、吸着塔30と吸着塔40とを直列接続した状態で、吸着塔30に混合ガスGSを供給し始めた時刻である。図7に示されるように、時刻T3における吸着塔20の状態は、時刻T1における吸着塔10の状態と同じである。なお、第1実施形態における各工程の切替時間Tcは、下流側吸着工程が行われている吸着塔から二酸化炭素が漏れ出すまでの時間、すなわち、時刻T1から時刻T2までの時間として設定されている。
【0035】
図8は、吸着剤利用率Kの説明するためのグラフである。図8には、吸着塔10に一定濃度の混合ガスGSが供給され続けた場合に、図4の曲線C10が示されている。図5に示されるように、吸着塔10から二酸化炭素が漏れ出した後でも吸着塔10は二酸化炭素を吸着可能である。そのため、図8に示されるように、吸着塔10について、時刻T1までに吸着される二酸化炭素の量A、時刻T1から時刻T2までに吸着される二酸化炭素の量B、および時刻tまでに吸着される二酸化炭素の量L(t)を定義すると、吸着剤利用率Kは、下記式(1)のように表される。
K=L(t)/(A+B)・・・(1)
図6および図7を比較することにより、吸着塔10から二酸化炭素が漏れ出しても、吸着塔10は、まだ二酸化炭素を吸着可能であることがわかる。そのため、吸着塔10の吸着剤利用率Kを上昇させるためには、吸着塔10から二酸化炭素が漏れ出しても、吸着塔10へと混合ガスGSを供給し続けることが好ましい。
【0036】
図9は、比較例1のガス分離装置100xの概略ブロック図である。図9に示されるように、比較例1のガス分離装置100xは、図1に示される第1実施形態のガス分離装置100と比較して、4つの吸着塔10x~40xを備えること、一の吸着塔の下流側と他の吸着塔の上流側とを接続する流路FP1~FP5を備えないこと、流路FP1~流路FP5の接続を開閉するバルブVV1~VV5を備えないこと、およびセンサS1~S5を備えないことが異なる。そのため、比較例1のガス分離装置100xについて、第1実施形態のガス分離装置100と異なる点について説明し、同じ構成についての説明を省略する。
【0037】
図10は、比較例1の各吸着塔10x~40xで行われる工程の変化を説明するための表である。比較例1の制御部70xは、各バルブVU1~VU4,VD1~VD4の開閉を制御することにより、図10に示されるように、各吸着塔10x~40xに対して吸着工程、余熱工程、脱離工程、および冷却工程を順番に実行させる。図9および図10に示されるように、比較例1では、第1実施形態と異なり、吸着工程時に1つの吸着塔に混合ガスGSが供給される。そのため、比較例1の制御部70xは、図8に示されるように、各吸着塔10x~40x内の吸着剤がまだ二酸化炭素を吸着可能な状態で、吸着工程である各吸着塔10x~40xを次の余熱工程へと切り替えている。なお、比較例1における各工程の切替時間は、吸着過程が行われている吸着塔から二酸化炭素が漏れ出さないように、第1実施形態の切替時間Tcよりも短い時間に設定されている。
【0038】
図11は、第1実施形態と比較例1とにおける吸着剤利用率Kについてのグラフである。図11には、横軸に混合ガスGSの流量を取った場合に、第1実施形態のガス分離装置100の吸着剤利用率Kが折れ線L1で示され、比較例1のガス分離装置100xの吸着剤利用率Kが折れ線L2で示されている。図11に示されるように、第1実施形態の吸着剤利用率Kは、いずれの混合ガスGSの流量でも、比較例1の吸着剤利用率Kよりも高い。すなわち、第1実施形態のガス分離装置100は、比較例1のガス分離装置100xよりも高い吸着性能を有している。なお、第1実施形態および比較例1の吸着剤利用率Kが混合ガスGSの流量が増えるにつれて減少する理由は、流量が増えると吸着剤による二酸化炭素の吸着が十分に行われずに、二酸化炭素が吸着塔10~50から漏れ出すためである。
【0039】
図12は、比較例2のガス分離装置100yの概略ブロック図である。比較例2のガス分離装置100yでは、図9に示される比較例2のガス分離装置100xと比較して、略円柱状の各吸着塔10y~40yにおける長手方向の長さが、各吸着塔10x~40xの長手方向の長さの2倍である点が異なる。換言すると、比較例2の各吸着塔10y~40yは、第1実施形態の各吸着塔10~50の2倍の二酸化炭素を吸着できる。一方で、比較例2の各吸着塔10y~40yでは、加熱および冷却のための時間や消費エネルギーが大きくなる。例えば、二酸化炭素を吸着していない吸着剤に対しても加熱および冷却のエネルギーが必要になる。
【0040】
図13は、第1実施形態のガス分離装置100の概略ブロック図である。図13のブロック図は、図1に対して、直列に接続された吸着塔10と吸着塔20とを1つの吸着塔60としてみなしたブロック図です。そのため、図13では、図1に示されている下流側バルブVD1,センサS1,第1流路FP1,直列バルブVV1,上流側バルブVU2の図示が省略されている。図13に示される吸着塔60は、図12に示される比較例2の吸着塔10yと同じ二酸化炭素の量を吸着できる。一方で、各吸着塔10~50の再生工程は、直列に接続されていない状態で行われるため、再生工程のための時間や消費エネルギーは、比較例2よりも小さくなる。
【0041】
以上説明したように、第1実施形態のガス分離装置100では、吸着塔10と吸着塔20とが直列に接続された状態で、上流側吸着工程が行われている吸着塔10に混合ガスGSが供給される。切替時間Tcが経過すると、吸着塔10が切り離された後に、吸着塔20に混合ガスGSが供給される。すなわち、第1実施形態のガス分離装置100では、比較例1のように1つの吸着塔10xに混合ガスGSが供給されるガス分離装置100xと比較して、2つの吸着塔10,20が直列に接続されている分だけ、吸着塔20の出口から二酸化炭素が漏れにくい。その結果、ガス分離装置100は、比較例1のガス分離装置100xと比較して、高い吸着性能を有する。ここで、脱離工程では、吸着塔10内の入口付近の吸着剤から脱離した二酸化炭素が、吸着塔10内の下流側の吸着剤に再び吸着されるおそれがあるため、吸着塔10の長手方向の長さは短いほど好ましい。第1実施形態のガス分離装置100は、比較例2のように全ての吸着塔10y~40yの長手方向に沿う長さが長くなったわけではないため、各工程を通して必要な時間および消費エネルギーを抑制できる。また、第1実施形態のガス分離装置100は、切替時間Tcが経過すると、上流側吸着工程の吸着塔10と下流側吸着工程の吸着塔20とを切り離す。このため、吸着塔10と比較して二酸化炭素の吸着量の少ない吸着塔20に対して、直接、混合ガスGSを供給できる。この結果、ガス分離装置100は、比較例2のガス分離装置100yと比較して、混合ガスGSが吸着塔10~50内を流れる際の圧力損失を低減できる。
【0042】
また、第1実施形態の制御部70は、下流側吸着工程が行われている吸着塔の下流側に配置されたセンサにより検出された二酸化炭素の流量が所定の流量を超えた場合に、切替時間Tcが経過したと判定する。そのため、所定量を超える二酸化炭素がガス分離装置100から漏れ出すことを抑制でき、吸着塔10~50は、混合ガスGSに含まれる二酸化炭素を効率的に吸着できる。
【0043】
また、第1実施形態の制御部70は、吸着塔10が上流側吸着工程の状態で切り替え時間が経過すると、吸着塔10と吸着塔20との直列接続を切り離し、吸着塔20と吸着塔30とを直列に接続した状態で吸着塔20に混合ガスGSを供給する。そのため、第1実施形態のガス分離装置100では、二酸化炭素の吸着量が多い吸着塔10を切り離すことによって吸着塔10による圧力損失の増加を抑制する。さらに、吸着塔20の下流側に再生済みの吸着塔30を直列接続することにより、ガス分離装置100は、連続的な二酸化炭素の吸着工程を実行できる。
【0044】
また、第1実施形態のガス分離装置100は、図1に示されるように、下流側流路FPDと上流側流路FPUとを接続する流路FP1~FP5と、各流路FP1~FP5の接続を開閉する直列バルブVV1~VV5とを備えている。制御部70は、吸着塔10で上流側吸着工程が行われている場合に、バルブVU1,VV1,VD2を開き、かつ、その他のバルブVU2~VU5,VV2~VV5,VD2~VD5を閉じる。制御部70は、吸着塔10が余熱工程に移行した場合に、開いていたバルブVU1,VV1,VD2を閉じ、かつ、閉じていたバルブVU2,VV2,VD3を開く。そのため、第1実施形態の制御部70が各バルブVU1~VU5,VD1~VD5,VV1~VV5の開閉を制御することにより、各吸着塔10~50で行われる各工程を簡単に切り替えることができる。
【0045】
<第2実施形態>
図14は、第2実施形態のガス分離装置100aの概略ブロック図である。図14に示されるように、第2実施形態のガス分離装置100aでは、第1実施形態のガス分離装置100と比較して、吸着塔の数が4つに減っている点が異なる。第2実施形態の制御部70aは、図1の状態において、第1実施形態における吸着塔20で行われる下流側吸着工程と、吸着塔30で行われる冷却工程とを合わせて、図14に示される吸着塔20aで実行する。そのため、第2実施形態では、吸着塔の数が減るため、ガス分離装置100aの吸着性能を向上させた上で、ガス分離装置100aのシステムサイズを抑制できる。
【0046】
<第3実施形態>
図15は、第3実施形態のガス分離装置100bの概略斜視図である。図15に示されるように、第3実施形態のガス分離装置100bでは、第2実施形態のガス分離装置100aと比較して、上流側吸着工程が行われている吸着塔の排ガスが通る直列流路PF10と、各流路FPU,FPD,FP10の接続を開閉する各バルブVU1~VU4,VD1~VD4,VV11~VV18とが異なる。そのため、第3実施形態では、第2実施形態と異なる構成について説明し、同じ構成についての説明を省略する。
【0047】
第3実施形態の制御部70bは、各バルブVU1~VU4,VD1~VD4,VV11~VV18の開閉を制御する。これにより、各吸着塔10~40では、上流側吸着工程、下流側吸着工程、余熱工程、および脱離工程のいずれかが行われる。図15に示されるように、上流側バルブVU1~VU4および直列バルブVV11~VV14は、制御部70bの制御により、上流側流路FPUと直列流路PF10との接続を開閉する。同じように、下流側バルブVD1~VD4および直列バルブVV15~VV18は、制御部70bの制御により、下流側流路FPDと直列流路PF10との接続を開閉する。
【0048】
図15の状態では、上流側バルブVU1,直列バルブVV12,VV15,および下流側バルブVD2が開き、その他のバルブが閉じている。この結果、図15の太い実線で示されるように、上流側吸着工程が行われている吸着塔10に混合ガスGSが供給される。その後、吸着塔10の排ガスが直列流路PF10を通って吸着塔20へと供給され、吸着塔20の排ガス(N2)がガス分離装置100bの外部へと排出される。このような各バルブVU1~VU4,VD1~VD4,VV11~VV18の制御が行われることにより、直列流路PF10は、上流側吸着工程が行われる各吸着塔10~40の排ガスが通過する配管部材として機能する。換言すると、吸着塔10の下流側と吸着塔20の上流側とをつなぐ流路と、吸着塔20の下流側と吸着塔30の上流側とをつなぐ流路とは、同一の直列流路PF10である。
【0049】
以上説明したように、第3実施形態の直列流路PF10は、各吸着塔10~40の下流側と上流側とを接続するために共通で用いられる配管部材である。そのため、混合ガスGSが通る配管の数を減らせるため、ガス分離装置100bのシステムサイズが大きくなることを抑制できる。
【0050】
<第4実施形態>
図16は、第4実施形態のガス分離装置100cの概略斜視図である。図16に示されるように、第4実施形態のガス分離装置100cでは、第3実施形態のガス分離装置100bと比較して、各吸着塔10~40の上流側の共有流路PF21と各吸着塔10~40の下流側の下流側流路FPDとが接続していないこと、直列バルブVV15~VV18を備えていないこと、および、各吸着塔10~40において上流側吸着工程と下流側吸着工程とが行われる場合に混合ガスGSが流れる向きが反対になることが異なる。そのため、第4実施形態では、第3実施形態と異なる構成について説明し、同じ構成についての説明を省略する。
【0051】
図16に示される状態において、第4実施形態の制御部70cは、上流側吸着工程が行われている吸着塔10に共有流路PF21側から混合ガスGSを供給し、かつ、下流側吸着工程が行われている吸着塔20に下流側流路FPD側から吸着塔10の排ガスを供給するように、各バルブVU1~VU4,VD1~VD4,VV11~VV14の開閉を制御する。具体的には、制御部70cは、上流側バルブVU1,下流側バルブVD1,VD2,直列バルブVV12を開き、その他のバルブを閉じる。この結果、図16の太い実線で示されるように、上流側吸着工程が行われている吸着塔10のガス入出口10iから混合ガスGSが供給され、吸着塔10のガス入出口10oから排ガスが漏れ出す。そして、下流側吸着工程が行われている吸着塔20のガス入出口20oにガス入出口10oからの排ガスが供給され、吸着塔20のガス入出口20iから排ガス(N2)漏れ出して、排ガスがガス分離装置100cの外部へと排出される。すなわち、各吸着塔10~40で上流側吸着工程が行われている場合には、各吸着塔10~40の上流側流路FPU側に位置するガス入出口(第2ガス入出口)10i~40iから混合ガスGSが供給される。また、各吸着塔10~40で下流側吸着工程が行われている場合には、各吸着塔10~40の下流側流路FPD側に位置するガス入出口(第1ガス入出口)10o~40oから上流側吸着工程を経た排ガスが供給される。
【0052】
以上説明したように、第4実施形態のガス分離装置100cでは、各吸着塔10~40において、上流側吸着工程が実行される場合に混合ガスGSが流れる方向と、下流側吸着工程が実行される場合に排ガスが流れる方向とを反対の向きにしている。この場合に、上流側流路FPUに接続している共有流路PF21と、下流側流路FPDとを接続する流路が不要になる。そのため、ガス分離装置100cの吸着性能が向上させた上で、ガス分離装置100bのシステムサイズを小さくできる。
【0053】
<実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0054】
[変形例1]
上記第1実施形態から第4実施形態で示されたガス分離装置100~100cは、一例であり、ガス分離装置100~100cの構成および形状等については種々変形可能である。ガス分離装置100~100cは、2つ以上の吸着塔を備えていればよく、例えば、3つの吸着塔を備えていてもよいし、6つ以上の吸着塔を備えていてもよい。各吸着塔の形状は、同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。各吸着塔の形状は、略円柱状の形状でなくてもよく、直方体状であってもよいし、長手軸に沿って断面が変化してもよいし、長手軸が直線ではなく曲がっていてもよい。各吸着塔が有する吸着剤は、異なる材質や形状を有していてもよいし、各吸着塔は、複数種類の吸着剤を有していてもよい。各吸着塔が有する吸着剤の量が吸着塔ごとに異なっていてもよい。
【0055】
ガス分離装置100~100cは、各吸着塔が二酸化炭素を吸着することにより、混合ガスGSから二酸化炭素を分離したが、ガス分離装置に供給される混合ガスおよびガス分離装置によって分離される特定のガスについては種々変形可能である。例えば、上記実施形態の混合ガスに窒素および二酸化炭素以外のガスが含まれていてもよい。また、他の実施形態のガス分離装置は、窒素および二酸化炭素を含まない混合ガスから、二酸化炭素および窒素とは異なる特定のガスを分離してもよい。混合ガスおよび分離される特定のガスの組み合わせについては、周知の組み合わせを適用できる。周知の組み合わせに応じて、吸着剤、吸着塔、および特定のガスを検出するセンサが適宜選択されればよい。
【0056】
上記実施形態のガス分離装置100~100cは、排ガスに含まれる二酸化炭素の量を検出する各センサを備えていたが、備えていなくてもよい。この場合に、例えば、制御部70~70cが、供給される混合ガスGSの流量などに応じて各工程の切替時間Tcを調整することにより、ガス分離装置100~100cの外部へと二酸化炭素が漏れ出すことを抑制できる。
【0057】
上記実施形態における各センサS1~S5は、二酸化炭素の量を検出するセンサではなく、各吸着塔10~50の温度を検出する温度センサとして機能してもよい。この場合に、制御部70は、温度センサにより検出された各吸着塔の温度が所定の温度を超えると、切替時間Tcが経過したと判定してもよい。各吸着塔10~50内の吸着剤は、二酸化炭素を吸着すると、吸着熱により温度が変化する。そのため、各吸着塔10~50内(例えば出口付近)の温度変化に基づいて、各吸着塔10~50内の吸着剤が吸着している二酸化炭素の量を推定できる。結果として、各吸着塔10~50内の温度から、各吸着塔10~50から二酸化炭素が漏れ出すまでの時間を推定できる。そのため、制御部70は、各吸着塔10~50から二酸化炭素が漏れ出すまでの時間よりも短い時間を切替時間Tcとして設定することにより、吸着塔10~50は、混合ガスGSに含まれる二酸化炭素を効率的に吸着できる。なお、ガス分離装置100は、二酸化炭素の量を検出するセンサと、温度センサとの両方を備えており、制御部70は、2種類のセンサの検出値を用いて、切替時間Tcが経過したか否かを判定してもよい。例えば、制御部70は、2種類のセンサの内の一方の検出値が所定値を超えた場合に、切替時間Tcが経過したと判定してもよい。
【0058】
[変形例2]
上記実施形態では、2つの吸着塔(例えば、図1の吸着塔10,20)が直列に接続された状態で、上流側の吸着塔10に混合ガスGSが供給され、下流側の吸着塔20に吸着塔10の排ガスが供給されたが、直列に接続される吸着塔の数などについては、種々変形可能である。例えば、3つ以上の吸着塔が直列に接続されてもよい。第1実施形態の変形例では、3つの吸着塔10,20,30が、この順番で直列に接続されてもよい。この場合に、切替時間Tcが経過して、吸着塔10が直列接続から切り離されて余熱工程に移行し、新たに直列に接続された吸着塔20,30,40の内の吸着塔20に混合ガスGSが供給されてもよい。この場合に、吸着塔10は第1の吸着塔として機能し、吸着塔20および吸着塔30が第2の吸着塔として機能している。本明細書における直列に接続された状態とは、直接的に直列に接続された状態に加えて、直列に接続された2つの吸着塔間に他の吸着塔が配置された間接的に直列に接続された状態も含んでいる。そのため、変形例における吸着塔30も第2の吸着塔としてみなすことができる。複数の吸着塔が直列に接続されることによって、下流側に位置する吸着塔には、上流側に位置する吸着塔からの排ガスが供給される。これにより、各吸着塔の吸着性能が向上し、混合ガスGSが各吸着塔内を流れる際の圧力損失を低減できる。
【0059】
また、1つ以上の吸着塔で上流側吸着工程が行われ、当該複数の吸着塔の排ガスが1つ以上の吸着塔に供給されてもよい。例えば、第3実施形態(図15)の変形例として、吸着塔10と、吸着塔30とで、同時に上流側吸着工程が行われ、吸着塔10および吸着塔30の排ガスが、直列流路PF10を介して下流側吸着工程が行われる吸着塔20に供給されてもよい。この場合に切替時間Tcが経過すると、吸着塔10,30と吸着塔20との直列接続が解除されて、吸着塔10,30では余熱工程が行われる。この場合に、吸着塔10,30は、第1の吸着塔として機能し、吸着塔20は第2の吸着塔として機能している。
【0060】
上記実施形態の制御部70~70cは、切替時間Tcが経過すると、各吸着塔で行われる工程を切り替えたが、工程切替の制御については種々変形可能である。例えば、制御部は、切替時間Tcが経過すると、上流側吸着工程が行われていた第1の吸着塔を切り離し、下流側吸着工程が行われていた第2の吸着塔の下流側に再生済みの第3の吸着塔を接続せずに、第2の吸着塔単体に混合ガスGSを供給してもよい。また、制御部は、各吸着塔で別々の工程を実行せずに、同じ工程を行われてもよい。例えば、4つの吸着塔の内、2つの吸着塔で上流側吸着工程が実行され、残り2つの吸着塔で下流側吸着工程が行われてもよい。この場合に、余熱工程などの他の工程は、2つの組み合わせの計4つの吸着工程で同じ工程順で行われてもよい。また、上流側吸着工程と下流側吸着工程とが行われる各吸着塔の数は、1対1で対応していなくてもよく、例えば、1つの吸着塔で上流側吸着工程が行われると共に2つの吸着塔で下流側吸着工程が行われてもよい。
【0061】
図17は、変形例の吸着塔10,20で行われるガス分離方法のフローチャートである。上記第1実施形態では、図3に示されるように、1つの吸着塔20で順番に実行される各工程について説明したが、ガス分離装置100が行う最低限の工程を含むガス分離フローについて説明する。図17に示されるように、変形例のガス分離フローでは、初めに、制御部60によって第1供給工程が行われる(ステップS11)。第1供給工程では、第1実施形態と同じように、吸着塔10の排ガスが吸着塔20に供給されるように吸着塔10と吸着塔20とが直列に接続された状態で、吸着塔10に混合ガスGSが供給される。第1供給工程後に、切替時間Tcが経過すると、吸着塔10と吸着塔20との接続を切り離した状態で、吸着塔20に混合ガスGSが供給される第2供給工程が行われ(ステップS12)、変形例のガス分離フローが終了する。すなわち、この変形例のように、直列接続された複数の吸着塔に混合ガスGSが供給された後に、上流側吸着工程の吸着塔が切り離され、吸着塔が直列接続されていない状態で1つの吸着塔に混合ガスGSが供給されてもよい。
【0062】
上記実施形態の各吸着塔では、温度スイング法(TSA)を用いた二酸化炭素の分離が行われたが、温度スイング法以外の方法によって分離が行われてもよい。例えば、圧力スイング法(Pressure Swing Adsorption:PSA)、および、圧力および温度スイング吸着(pressure and temperature adsoreption:PTSA)が用いられてもよい。
【0063】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0064】
10~60…吸着塔(第1の吸着塔,第2の吸着塔,第3の吸着塔)
10x~40x,10y~40y…吸着塔
10i~40i…ガス入出口(第2ガス入出口)
10o~40o…ガス入出口(第1ガス入出口)
70,70a,70b,70c,70x,70y…制御部
100,100a,100b,100c,100x,100y…ガス分離装置
10~C30…曲線
FP1…第1流路
FP2…第2流路
FP3…第3流路
FP4…第4流路
FP5…第5流路
FPD…下流側流路
FPU…上流側流路
GS…混合ガス
K…吸着剤利用率
PF10…直列流路
PF21…共有流路
S1~S5…センサ(ガスセンサ、温度センサ)
T1~T3…時刻
Tc…切替時間
VD1~VD5…下流側バルブ(第1下流バルブ、第2下流バルブ、第3下流バルブ)
VU1~VU5…上流側バルブ(第1上流バルブ、第2上流バルブ、第3上流バルブ)
VV1~VV5,VV11~VV18…直列バルブ(第1直列バルブ、第2直列バルブ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17