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特許7115489重合性基を有する色素化合物及びそれをモノマー単位として含有する重合体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】重合性基を有する色素化合物及びそれをモノマー単位として含有する重合体
(51)【国際特許分類】
   C09B 23/10 20060101AFI20220802BHJP
   C09B 69/10 20060101ALI20220802BHJP
   C09B 57/00 20060101ALI20220802BHJP
   C08F 20/26 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
C09B23/10
C09B69/10 B
C09B57/00 J
C08F20/26
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019542281
(86)(22)【出願日】2018-09-13
(86)【国際出願番号】 JP2018033941
(87)【国際公開番号】W WO2019054436
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2021-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2017177293
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大福 幸司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 康之
(72)【発明者】
【氏名】小野 悦史
【審査官】岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-147825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B23
C09B69
C09B57
C08F20
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される構造を有する重合性基を有する色素化合物。
【化1】
〔式中、
、R及びRは、それぞれ独立に、-R-NR´-CO-L-(OCO-RC=CR、-L-NR´CO-RC=CR及び-NR´CO-RC=CRの中から選ばれる重合性基、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。R´は、アルキル基を表す。Lは、アルキレン基又はアリーレン基を表す。Rは、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表す。R、R及びRは、水素原子、アルキル基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表す。
は、酸素原子又は窒素原子を表し、 が窒素原子である場合、とXで環を形成する。
は、-O-、-S-、-Se-、-NR-又は-CR10-を表す。
、R及びR10は、-R-NR´-CO-L-(OCO-RC=CR、-L-NR´CO-RC=CR及び-NR´CO-RC=CRの中から選ばれる重合性基、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。
Zは、環を形成するのに必要な原子群であって、-CR11=CR12-又は-CR1314-CR1516-を表す。
11~R16は、水素原子又は前記R 、R 及びR と同義の置換基を表し、R11とR12は互いに結合して環を形成しても良い。
、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15 又はR 16 少なくとも一つは、-R-NR´-CO-L-(OCO-RC=CR、-L-NR´CO-RC=CR及び-NR´CO-RC=CRの中から選ばれる重合性基を有す。
nは、1~3の整数を表す。〕
【請求項2】
前記一般式(1)において、前記R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15 若しくはR 16 少なくとも二つに前記重合性基を有するか、又は前記R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15 若しくはR 16 少なくとも一つに複数の前記重合性基を有することを特徴とする請求項1に記載の重合性基を有する色素化合物。
【請求項3】
前記Zが、-CR 11 =CR 12 -を表し、R 11 とR 12 は互いに結合して環を形成している
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の重合性基を有する色素化合物。
【請求項4】
前記一般式(1)で表される色素化合物が下記一般式(9)で表される構造を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の重合性基を有する色素化合物。
【化2】
〔式中、
、R 、R 及びR 17 は、それぞれ独立に、-R -NR´-CO-L -(OCO-R C=CR 、-L -NR´CO-R C=CR 及び-NR´CO-R C=CR の中から選ばれる重合性基、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。R´は、アルキル基を表す。L は、アルキレン基又はアリーレン基を表す。R は、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表す。R 、R 及びR は、水素原子、アルキル基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表す。
は、酸素原子又は窒素原子を表し、X が窒素原子である場合、R とX で環を形成する。
、R 、R 若しくはR 17 の少なくとも二つに重合性基を有するか、又はR 、R 、R 、若しくはR 17 の少なくとも一つに複数の前記重合性基を有する。
nは、1~3の整数を表す。n1は、0~4の整数を表す。〕
【請求項5】
前記一般式(1)で表される色素化合物が下記一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする請求項4に記載の重合性基を有する色素化合物。
【化3】
〔式中、
、R、R及びR17は、それぞれ独立に、-R-NR´-CO-L-(OCO-RC=CR、-L-NR´CO-RC=CR及び-NR´CO-RC=CRの中から選ばれる重合性基、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。R´は、アルキル基を表す。Lは、アルキレン基又はアリーレン基を表す。Rは、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表す。R、R及びRは、水素原子、アルキル基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表す。R、R、R若しくはR17の少なくとも二つに重合性基を有するか、又はR、R、R、若しくはR17の少なくとも一つに複数の前記重合性基を有する。
nは、1~3の整数を表す。n1は、0~4の整数を表す。〕
【請求項6】
前記一般式(2)で表される重合性基を有する色素化合物が下記一般式(3)で表される構造を有することを特徴とする請求項に記載の重合性基を有する色素化合物。
【化4】
〔式中、
18は、アルキル基又はアリール基を表す。 19 、-CO-L-(OCO-RC=CR、-CO-RC=CR又は-CO-CR202122を表す。
、R、Rは、水素原子、アルキル基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表す。R20、R21、R22は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、水素原子、-OCOR23を表す。R23は、アルキル基又はアリール基を表す。
及びR17は、それぞれ独立に、-R-NR´-CO-L-(OCO-RC=CR、-L-NR´CO-RC=CR及び-NR´CO-RC=CRの中から選ばれる重合性基、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。
は、-L-NR´CO-RC=CRで表される重合性基、アルキル基、アリール基又は水素原子を表す。
R´は、アルキル基を表す。Lはアルキレン基又はアリーレン基を表す。Rは、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表す。
、R、R17若しくはR19の少なくとも二つに重合性基を有するか、又はR、R、R17、若しくはR19の少なくとも一つに複数の重合性基を有する。
nは、1~3の整数を表す。n2は、0~4の整数を表す。n3は0~5の整数を表す。〕
【請求項7】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の重合性基を有する色素化合物をモノマー単位として含有する重合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は重合性基を有する色素化合物及びそれをモノマー単位として含有する重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
ピラゾロン系色素及びピラゾロアゾール系色素はこれまでに数多く合成されており、その有用性が確認され、広く用いられている。近年、写真感光材料、感熱転写記録材料、カラートナー、光記録媒体、インクジェットなど、様々な用途に広く適用することが多くなってきた。
【0003】
また、上記用途に必要とされる性能としては、例えば、色再現上好ましい分光特性を有すること、所望の有機溶媒に可溶であること、分子吸光係数が大きいこと、光や熱に堅牢であること、種々の化学薬品に堅牢であること、合成が容易であること、安全であることなどがある。
【0004】
一方、これらを改良する目的で、多くのピラゾロン系色素及びピラゾロアゾール系色素が提案されており、例えば、光、熱堅牢性の改善が提案されたが(特許文献1~6)、溶解性が不十分であったため、更なる改良が望まれていた。
【0005】
また、特許文献7では溶媒溶解性の改善について提案されているが、上記用途では溶液、又は分散液の形態で塗布するが、所望の有機溶剤に可溶させるために他の有機溶剤にも可溶となってしまうことが多々あり、その結果、塗布後の耐溶剤性が脆弱となってしまっている。
【0006】
一方、他の色素でも耐溶剤性の問題があり、その対策として例えば特許文献8ではトリフェニルメタン系色素を高分子化することによって、耐熱性、耐溶剤性を改善しているが、色素本来の耐光性は改善されず不十分であった。また、高分子色素では溶解性が低いため種々の用途に用いるには問題がある。
【0007】
また、特許文献9では重合性基を持たせることにより耐溶剤性の改善について提案されているが不十分であり、さらなる改良が望まれており、検討が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2006-15668号公報
【文献】特開2006-63171号公報
【文献】特開平9-226259号公報
【文献】特開平10-62978号公報
【文献】特開平10-264541号公報
【文献】特開2006-307161号公報
【文献】特開2006-16564号公報
【文献】特開2000-162429号公報
【文献】特開2015-147825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、有機溶剤に対する溶解性に優れ、かつ耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れる重合体を可能とする、新規な重合性基を有する色素化合物を提供することである。有機溶剤に優れた溶解性を有することにより、容易に種々の用途形態にし、かつ重合性基を持たせることにより、熱又は光処理を行うことによって耐溶剤性に優れた色素となる。また、新規な重合性基を有する色素化合物をモノマー単位として含有する重合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下の構成によって上記課題が達成されることを見出した。
【0011】
1.下記一般式(1)で表される構造を有する重合性基を有する色素化合物。
【0012】
【化5】
〔式中、
、R及びRは、それぞれ独立に、-R-NR´-CO-L-(OCO-RC=CR、-L-NR´CO-RC=CR及び-NR´CO-RC=CRの中から選ばれる重合性基、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。R´は、アルキル基を表す。Lは、アルキレン基又はアリーレン基を表す。Rは、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表す。R、R及びRは、水素原子、アルキル基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表す。
【0013】
は、酸素原子又は窒素原子を表し、 が窒素原子である場合、とXで環を形成する。
【0014】
は、-O-、-S-、-Se-、-NR-又は-CR10-を表す。
、R及びR10は、-R-NR´-CO-L-(OCO-RC=CR、-L-NR´CO-RC=CR及び-NR´CO-RC=CRの中から選ばれる重合性基、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。
【0015】
Zは、環を形成するのに必要な原子群であって、-CR11=CR12-又は-CR1314-CR1516-を表す。
11~R16は、水素原子又は前記R 、R 及びR と同義の置換基を表し、R11とR12は互いに結合して環を形成しても良い。
【0016】
、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15 又はR 16 少なくとも一つは、-R-NR´-CO-L-(OCO-RC=CR、-L-NR´CO-RC=CR及び-NR´CO-RC=CRの中から選ばれる重合性基を有す。
【0017】
nは、1~3の整数を表す。〕
2.前記一般式(1)において、前記R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15 若しくはR 16 少なくとも二つに前記重合性基を有するか、又は前記R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15 若しくはR 16 少なくとも一つに複数の前記重合性基を有することを特徴とする第1項に記載の重合性基を有する色素化合物。
【0018】
3.前記Zが、-CR 11 =CR 12 -を表し、R 11 とR 12 は互いに結合して環を形成している
ことを特徴とする第1項又は第2項に記載の重合性基を有する色素化合物。
4.前記一般式(1)で表される色素化合物が下記一般式(9)で表される構造を有する
ことを特徴とする第3項に記載の重合性基を有する色素化合物。
【化6】
〔式中、
、R 、R 及びR 17 は、それぞれ独立に、-R -NR´-CO-L -(OCO-R C=CR 、-L -NR´CO-R C=CR 及び-NR´CO-R C=CR の中から選ばれる重合性基、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。R´は、アルキル基を表す。L は、アルキレン基又はアリーレン基を表す。R は、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表す。R 、R 及びR は、水素原子、アルキル基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表す。
は、酸素原子又は窒素原子を表し、X が窒素原子である場合、R とX で環を形成する。
、R 、R 若しくはR 17 の少なくとも二つに重合性基を有するか、又はR 、R 、R 、若しくはR 17 の少なくとも一つに複数の前記重合性基を有する。
nは、1~3の整数を表す。n1は、0~4の整数を表す。〕
.前記一般式(1)で表される色素化合物が下記一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする第4項に記載の重合性基を有する色素化合物。
【0019】
【化7】
〔式中、
、R、R及びR17は、それぞれ独立に、-R-NR´-CO-L-(OCO-RC=CR、-L-NR´CO-RC=CR及び-NR´CO-RC=CRの中から選ばれる重合性基、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。R´は、アルキル基を表す。Lは、アルキレン基又はアリーレン基を表す。Rは、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表す。R、R及びRは、水素原子、アルキル基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表す。R、R、R若しくはR17の少なくとも二つに重合性基を有するか、又はR、R、R、若しくはR17の少なくとも一つに複数の前記重合性基を有する。
【0020】
nは、1~3の整数を表す。n1は、0~4の整数を表す。〕
.前記一般式(2)で表される重合性基を有する色素化合物が下記一般式(3)で表される構造を有することを特徴とする第項に記載の重合性基を有する色素化合物。
【0021】
【化8】
〔式中、
18は、アルキル基又はアリール基を表す。 19 、-CO-L-(OCO-RC=CR)n、-CO-RC=CR又は-CO-CR202122を表す。
、R、Rは、水素原子、アルキル基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表す。R20、R21、R22は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、水素原子、-OCOR23を表す。R23は、アルキル基又はアリール基を表す。
【0022】
及びR17は、それぞれ独立に、-R-NR´-CO-L-(OCO-RC=CR、-L-NR´CO-RC=CR及び-NR´CO-RC=CRの中から選ばれる重合性基、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。
は、-L-NR´CO-RC=CRで表される重合性基、アルキル基、アリール基又は水素原子を表す。
【0023】
R´は、アルキル基を表す。Lはアルキレン基又はアリーレン基を表す。Rは、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表す。
【0024】
2、3、17若しくはR19の少なくとも二つに重合性基を有するか、又はR、R、R17、若しくはR19の少なくとも一つに複数の重合性基を有する。
【0025】
nは、1~3の整数を表す。n2は、0~4の整数を表す。n3は0~5の整数を表す。〕
.第1項から第項までのいずれか一項に記載の重合性基を有する色素化合物をモノマー単位として含有する重合体。
【発明の効果】
【0026】
本発明の上記手段により、溶解性に優れ、かつ耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れる重合体を可能とする、新規な重合性基を有する色素化合物を提供することができる。また、新規な重合性基を有する色素化合物をモノマー単位として含有する重合体を提供することができる。
【0027】
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。本発明の重合性基を有する色素化合物は、結合部分にアミド基を有することで耐熱性の向上が確認されている。さらに溶解性についてはアミド基の窒素上の水素原子をアルキル基などで置換することで改善しているものと考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
【0029】
本発明の重合性基を有する色素化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする。また、好ましい態様として、下記一般式(1)で表される構造を有する色素化合物は、下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される構造を有することが好ましい。本発明の重合性基を有する色素化合物重合性基を二つ以上持たせることにより、より優れた耐溶剤性を持つ色素化合物とすることができる。
【0030】
【化4】
【0031】
一般式(1)、(2)及び(3)で表されるR、R、R及びR17は、それぞれ独立に、-R-NR´-CO-L-(OCO-RC=CR、-L-NR´CO-RC=CR及び-NR´CO-RC=CRの中から選ばれる重合性基、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。R´は、アルキル基を表す。Lは、アルキレン基又はアリーレン基を表す。Rは、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表す。R、R及びRは、水素原子、アルキル基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表す。nは1~3の整数を表す。
【0032】
一般式(1)、(2)又は(3)で表されるLは、連結基を表し、アルキレン基、アリーレン基を表す。これらは、置換基を有していても、置換基を有していなくても良い。
【0033】
一般式(1)、(2)又は(3)においてLで表されるこれらの連結基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基が挙げられる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
一般式(1)、(2)又は(3)で表されるR´は、アルキル基を表す。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。これらは、置換基を有していても、置換基を有していなくても良い。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
一般式(1)、(2)又は(3)においてR´で表されるこれらの基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基が挙げられる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
一般式(1)、(2)又は(3)で表されるR、R及びRは、それぞれ水素原子、アルキル基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基等が挙げられ、アルキルオキシカルボニル基のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ好ましくは水素原子、カルボキシ基及びメチル基である。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
一般式(1)、(2)又は(3)においてR、R、R、及びR17で表されるアルキル基、アリール基又は複素環基としては、アルキル基では、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。複素環基としては、例えば、ピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、キノリン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環等が挙げられる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの基は、置換基を有しても良い。
【0038】
一般式(3)中のR18で表されるアルキル基、アリール基としては、アルキル基では、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。複素環としては、例えば、ピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、キノリン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環等が挙げられる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
一般式(3)で表されるR19は、-CO-CR202122を表し、R20、R21、R22はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基、水素原子又は-OCOR23を表し、R23は、アルキル基、アリール基を表す。
【0040】
一般式(1)で表されるXは、酸素原子又は窒素原子を表し、 が窒素原子のときRとXで環を形成する。形成する環として、下記一般式(4)、(5)、(6)及び(7)で表される構造が挙げられる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
【化5】
【0042】
〔一般式(4)~一般式(7)中、R′は、アルキル基、アリール基、複素環基及び重合性基を表し、R24、R25、R26及びR27は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基及び重合性基を表し、更に置換基を有していても良い。*は、連結部位を表す。〕
一般式(4)、(5)、(6)及び(7)においてR´で表される、アルキル基、アリール基、複素環基及び重合性基としては前記一般式(1)、(2)及び(3)で表されるR、R及びRと同様の基を挙げることができる。
【0043】
一般式(4)、(5)、(6)及び(7)においてR´で表されるこれらの基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基が挙げられる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
一般式(1)で表されるXは、-O-、-S-、-Se-、-NR-又は-CR10-を表し、好ましくは-O-又は-S-であり、最も好ましくは-O-である。
【0045】
一般式(1)で表されるRは水素原子、アルキル基、重合性基を表し、前記R、R及びRと同様の基を挙げることができるが、Rと同一の置換基が合成上好ましく、更に置換基を有していても良い。
【0046】
一般式(1)においてRで表されるこれらの基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基が挙げられる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
一般式(1)で表されるR及びR10は水素原子、アルキル基又は重合性基を表し、重合性基は前記R、R及びRと同様の基を挙げられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基等が挙げられるが、好ましくは水素原子、炭素数1~3のアルキル基であり、更に置換基を有していても良い。
【0048】
一般式(1)においてR及びR10で表されるこれらの基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基が挙げられる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】
一般式(1)で表されるZは5員環を形成するのに必要な原子群であって、-CR11=CR12-、-CR1314-CR1516-を表し、R11とR12は互いに結合して環を形成しても良く、R11~R16は水素原子又は置換基を表す。
【0050】
一般式(1)において上記Zの置換基としては特に限定されないが、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、シアノ基又はハロゲン原子が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。アルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、iso-プロポキシ基、ブトキシ基、tert-ブトキシ基、iso-ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられるが、好ましくはアルキル基、アルコキシ基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基である。また、R11とCR12互いに結合して環を形成しても良く、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ピリジン環、ナフタレン環などが挙げられるが、好ましくは、ベンゼン環であり、更に置換基を有していても良い。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
前記一般式(1)、(2)又は(3)で表される重合性基を有する色素化合物は他のモノマーとの共重合体でも良く、モノマーとしては特に制限ないが、アクリル系、スチレン系、ビニル系などが挙げられる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
本発明の前記一般式(1)、(2)又は(3)で表される重合性基を有する色素化合物をモノマー単位として含有する重合体が有する構成単位は、特に定めるものではないが、例えば一般式(8)で表される。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。また、一般式(8)で表される構成単位を有する重合体は共有結合で連結されているため、耐熱性が良好となり、また他のポリマーとの相溶性が向上し混合することができる。
【0053】
【化6】
【0054】
〔一般式(8)中、Dyeは、本発明に係る色素化合物の色素構造単位を表し、Mは他のモノマー構造単位を表し、n1は本発明に係る色素化合物の組成を表し、n2は他のモノマーの組成を表す。*は、連結部位を表す。〕
上記重合性モノマーを重合させるための重合開始剤としては特に限定されないが、例えばtert-ブチルペルオキシ-iso-ブタレ-ト、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルジオキシ)ヘキサン、1,4-ビス[α-(tert-ブチルジオキシ)-iso-プロポキシ]ベンゼン、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルジオキシ)ヘキセンヒドロペルオキシド、α-(iso-プロピルフェニル)-iso-プロピルヒドロペルオキシド、2,5-ビス(ヒドロペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、tert-ブチルヒドロペルオキシド、1,1-ビス(tert-ブチルジオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルジオキシ)バレレート、シクロヘキサノンペルオキシド、2,2′,5,5′-テトラ(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′-テトラ(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′-テトラ(tert-アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′-テトラ(tert-ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′-ビス(tert-ブチルペルオキシカルボニル)-4,4′-ジカルボキシベンゾフェノン、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、ジ-tert-ブチルジペルオキシイソフタレート等の有機過酸化物や、9,10-アンスラキノン、1-クロロアンスラキノン、2-クロロアンスラキノン、オクタメチルアンスラキノン、1,2-ベンズアンスラキノン等のキノン類や、ベンゾインメチル、ベンゾインエチルエーテル、α-メチルベンゾイン、α-フェニルベンゾイン等のベンゾイン誘導体や、トリフェニルホスホニウム クロリド、トリフェニルホスホニウム ブロミド、トリ(4-メトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ(p-メトキシフェニル)ホスホニウム ヘキサフルオロホスホネート、トリ(4-エトキシフェニル)ホスホニウム テトラフルオロボレート等のトリアリールホスホニウム塩化合物やジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムメシレート、ジフェニルヨードニウムメシレート、ジフェニルヨードニウムトシレート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムメシレート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトシレート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムクロリド、ビス(p-クロロフェニル)ヨードニウムクロライド、ビス(p-クロロフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート等のジアリールヨードニウム塩化合物や鉄アレーン錯体等を使用することができる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
一般式(8)において、n1:n2のモル比率は、100:0~5:95の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、90:10~10:90の範囲内である。
【0056】
以下に、前記一般式(1)、(2)又は(3)で表される本発明の重合性基を有する色素化合物の代表的な具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の化合物において、*は連結部位を表す。
【0057】
【化7】
【0058】
【化8】
【0059】
【化9】
【0060】
【化10】
【0061】
【化11】
【0062】
【化12】
【0063】
【化13】
【0064】
【化14】
【0065】
【化15】
【0066】
【化16】
【0067】
【化17】
【0068】
【化18】
【0069】
【化19】
【0070】
【化20】
【0071】
【化21】
【0072】
【化22】
【0073】
【化23】
【0074】
【化24】
【0075】
【化25】
【0076】
【化26】
【0077】
【化27】
【0078】
【化28】
【0079】
【化29】
【0080】
【化30】
【0081】
【化31】
【0082】
【化32】
【0083】
【化33】
【0084】
【化34】
【0085】
【化35】
【0086】
【化36】
【0087】
【化37】
【0088】
【化38】
【0089】
【化39】
【0090】
【化40】
【0091】
【化41】
【0092】
【化42】
【0093】
【化43】
【0094】
【化44】
【0095】
【化45】
【0096】
【化46】
【0097】
【化47】
【0098】
【化48】
【0099】
【化49】
【0100】
【化50】
【0101】
本発明の重合性基を有する色素化合物は、以下の溶媒に溶解することが好ましく、重合性基を有する色素化合物を溶解することができ、なおかつ性能維持や加工する際の障害にならないものであれば格別の制限はない。本発明の重合性基を有する色素化合物に対して好ましく用いられる溶媒は、トルエンやキシレン等の芳香族系溶媒、酢酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン等の含窒素系溶媒、ジクロロメタン、1,1,2-トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、トリフルオロエタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。
【0102】
本発明の重合性基を有する色素化合物は、目的及び用途に応じて、各種添加剤を含有しても良い。例えば、水性樹脂、非水性樹脂、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、表面張力調整剤、粘度調整剤、非抵抗調整剤、消泡剤、防黴剤等が挙げられる。
【0103】
本発明の重合性基を有する色素化合物は、上記添加剤を含有した溶剤に溶解又は分散させた状態で加工することができる。溶剤中の添加剤や重合性基を有する色素化合物の量は目的に応じて適宜定められる。加工方式は特に限定されないが、練り込み法、バーコート、ブレードコート、マイクログラビアコート、ナイフコート、ディップコート等の従来公知の方法によって行うことができる。
【0104】
本発明の重合性基を有する色素化合物を含有する塗液を塗布する支持体としては、例えばガラス板やプラスチック等のシート、フィルム、板等が挙げられるが特に制限はない。
【実施例
【0105】
以下に本色素の代表的な合成例を示すが、これらは特開2006-63171号、同2006-16564号、同2015-147825号等、“The Cyanine Dyes and Related Compounds”,F.Hamer,Interscience Publishers,1964に記載された従来公知を参考に合成することができる。
【0106】
(実施例1)例示化合物112の中間体(化合物3A)の合成
【化51】
【0107】
室温にてジクロロメタン100mlに6.74gの化合物1Aと1.52gのトリエチルアミンを加え、内温-10℃以下に冷却後、3.08gの化合物2Aのジクロロメタン溶液を0℃以下にて滴下した。滴下終了後、0℃以下で4時間反応させた。15℃以下で1N-HCl 15mlを投入、分液ロートに移し、水層を除去後、有機層を水洗、中和し、減圧濃縮後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製後、ヘキサンで結析、濾過、乾燥させて、橙赤色の固体を得た。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0108】
(実施例2)例示化合物112の中間体(化合物4A)の合成
【化52】
【0109】
アセトニトリル100mlに7.57gの化合物3Aと100mlの1N-HClと3.32gのヨウ化カリウムを加え、内温100℃まで加熱し1時間反応させた。反応液を0℃以下に冷却後、中和、水洗し、有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、橙赤色の固体を得た。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0110】
(実施例3)例示化合物112の合成
【化53】
【0111】
ジクロロメタン100mlに6.72gの化合物4Aと3.24gのトリエチルアミンを加え、内温0℃以下に冷却後、アクリル酸クロライド2.72gのジクロロメタン溶液を0℃以下にて滴下した。滴下終了後、内温0℃以下4時間反応させた。15℃以下で1N-HCl35mlを投入、分液ロートに移し、水層を除去後、有機層を水洗、中和し、減圧濃縮後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製後、ヘキサンで結析、濾過、乾燥させて、橙赤色の固体を得た。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0112】
(実施例4)例示化合物113の合成
【化54】
【0113】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物5Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物113を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0114】
(実施例5)例示化合物226の合成
【化55】
【0115】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物6Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物226を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0116】
(実施例6)例示化合物109の合成
【化56】
【0117】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物7Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物109を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0118】
(実施例7)例示化合物151の合成
【化57】
【0119】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物8Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物151を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0120】
(実施例8)例示化合物153の合成
【化58】
【0121】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物9Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物153を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0122】
(実施例9)例示化合物117の合成
【化59】
【0123】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物10Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物117を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0124】
(実施例10)例示化合物118の合成
【化60】
【0125】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物11Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物118を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0126】
(実施例11)例示化合物187の合成
【化61】
【0127】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物12Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物187を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0128】
(実施例12)例示化合物188の合成
【化62】
【0129】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物13Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物188を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0130】
(実施例13)例示化合物233の合成
【化63】
【0131】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物14Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物233を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0132】
(実施例14)例示化合物326の合成
【化64】
【0133】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物15Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物326を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0134】
(実施例15)例示化合物327の合成
【化65】
【0135】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物16Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物327を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0136】
(実施例16)例示化合物336の合成
【化66】
【0137】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物17Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物336を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0138】
(実施例17)例示化合物303の合成
【化67】
【0139】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物18Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物303を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0140】
(実施例18)例示化合物330の合成
【化68】
【0141】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物19Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物330を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0142】
(実施例19)例示化合物271の合成
【化69】
【0143】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物20Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物271を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0144】
(実施例20)例示化合物4の合成
【化70】
【0145】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物21Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物4を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0146】
(実施例21)例示化合物12の合成
【化71】
【0147】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物22Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物12を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0148】
(実施例22)例示化合物13の合成
【化72】
【0149】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物23Aを使用した以外は実施例3と同様の方法により例示化合物13を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0150】
(実施例23)例示化合物32の合成
【化73】
【0151】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物24Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物32を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0152】
(実施例24)例示化合物40の合成
【化74】
【0153】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物25Aを使用した以外は実施例3と同様の方法により例示化合物40を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0154】
(実施例25)例示化合物47の合成
【化75】
【0155】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物26Aを使用した以外は実施例3と同様の方法により例示化合物47を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0156】
(実施例26)例示化合物57の合成
【化76】
【0157】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物27Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物57を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0158】
(実施例27)例示化合物69の合成
【化77】
【0159】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物28Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物69を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0160】
(実施例28)例示化合物73の合成
【化78】
【0161】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物29Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物73を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0162】
(実施例29)例示化合物75の合成
【化79】
【0163】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物30Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物75を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0164】
(実施例30)例示化合物81の合成
【化80】
【0165】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物31Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物81を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0166】
(実施例31)例示化合物89の合成
【化81】
【0167】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物32Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物89を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0168】
(実施例32)例示化合物121の合成
【化82】
【0169】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物33Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物121を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0170】
(実施例33)例示化合物135の合成
【化83】
【0171】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物34Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物135を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0172】
(実施例34)例示化合物140の合成
【化84】
【0173】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物35Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物140を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0174】
(実施例35)例示化合物164の合成
【化85】
【0175】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物36Aを使用した以外は実施例3と同様の方法により例示化合物164を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0176】
(実施例36)例示化合物182の合成
【化86】
【0177】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物37Aを使用した以外は実施例3と同様の方法により例示化合物182を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0178】
(実施例37)例示化合物208の合成
【化87】
【0179】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物38Aを使用した以外は実施例3と同様の方法により例示化合物208を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0180】
(実施例38)例示化合物221の合成
【化88】
【0181】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物39Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物221を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0182】
(実施例39)例示化合物249の合成
【化89】
【0183】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物40Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物249を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0184】
(実施例40)例示化合物255の合成
【化90】
【0185】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物41Aを使用した以外は実施例3と同様の方法により例示化合物255を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0186】
(実施例41)例示化合物278の合成
【化91】
【0187】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物42Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物278を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0188】
(実施例42)例示化合物289の合成
【化92】
【0189】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物43Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物289を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0190】
(実施例43)例示化合物307の合成
【化93】
【0191】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物44Aを使用した以外は実施例3と同様の方法により例示化合物307を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0192】
(実施例44)例示化合物311の合成
【化94】
【0193】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物45Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物311を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0194】
(実施例45)例示化合物316の合成
【化95】
【0195】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物46Aを使用した以外は実施例3と同様の方法により例示化合物316を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0196】
(実施例46)例示化合物342の合成
【化96】
【0197】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物47Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物342を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0198】
(実施例47)例示化合物349の合成
【化97】
【0199】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物48Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物349を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0200】
(実施例48)例示化合物353の合成
【化98】
【0201】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物49Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物353を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0202】
(実施例49)例示化合物365の合成
【化99】
【0203】
実施例3で使用した化合物4Aの代わりに、化合物50Aを使用した以外は、実施例3と同様の方法により例示化合物365を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0204】
(実施例50)例示化合物78の合成
【化100】
【0205】
10gの化合物29Aをアセトニトリル150mLに溶解させた後、2.8gの化合物51A、0.68gのN,N-ジメチルアミノピリジン及び0.01gのp-メトキシフェノールを加えた。反応容器をウォーターバスにて50℃に加温し、5時間反応させた。室温まで冷却後、溶媒を減圧溜去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで、例示化合物78を得た。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0206】
(実施例51)例示化合物102の合成
【化101】
【0207】
実施例50で使用した化合物29Aの代わりに、化合物52Aを使用した以外は、実施例50と同様の方法により例示化合物102を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0208】
(実施例52)例示化合物115の合成
【化102】
【0209】
実施例50で使用した化合物29Aの代わりに、化合物53Aを使用した以外は、実施例50と同様の方法により例示化合物115を合成した。構造はMASS、1H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0210】
(実施例53)例示化合物129の合成
【化103】
【0211】
実施例50で使用した化合物29Aの代わりに、化合物54Aを使用した以外は、実施例50と同様の方法により例示化合物129を合成した。構造はMASS、H-NMR及びIRスペクトルにより同定した。
【0212】
(実施例54)共重合体(1)の合成
【化104】
【0213】
ジオキサン30mlに2.6gの例示化合物112と0.29gのメチルアクリレートを加え、窒素気流中撹拌混合した。撹拌混合後、窒素気流中0.03gのtert-ブチルペルオキシ-iso-ブタレ-トを加え、80℃に加熱し、4時間重合させた。その後反応液を冷却し、300mlのヘキサンを用いて再沈精製を行うことにより共重合体(1)を2.5g得た。なお、以下の構造式において*は連結部位を表す。
【0214】
(実施例55)共重合体(2)の合成
【化105】
【0215】
実施例54で使用した例示化合物112の代わりに、2.5gの例示化合物113を使用した以外は実施例54と同様の方法により共重合体(2)を2.4g得た。
【0216】
(比較例1)比較化合物Aの合成
特開2015-147825号公報記載の下記比較化合物Aを合成した。
【0217】
【化106】
【0218】
(比較例2)比較化合物Bの合成
特開2015-147825号公報記載の下記比較化合物Bを合成した。
【0219】
【化107】
【0220】
(比較例3)比較化合物Cの合成
特開2006-16564号公報記載の下記比較化合物Cを合成した。
【0221】
【化108】
【0222】
(比較例4)共重合体(3)の合成
実施例54で使用した例示化合物112の代わりに、2.5gの上記比較化合物Aを使用した以外は実施例54と同様の方法により共重合体(3)を2.4g得た。
【0223】
【化109】
【0224】
(比較例5)共重合体(4)の合成
実施例54で使用した例示化合物112の代わりに、2.5gの上記比較化合物Bを使用した以外は実施例54と同様の方法により共重合体(4)を2.4g得た。
【0225】
【化110】
【0226】
《溶解性の評価》
本発明の重合性基を有する色素化合物、それをモノマー単位として含有する重合体(本発明の共重合体)及び比較(比較化合物及び比較の共重合体)のそれぞれをメタノール、酢酸エチル、トルエン、エチレングリコール及びN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に、3質量%濃度になる様に溶解させ、その溶解性を目視評価で以下の評価基準に基づいて4段階評価した。その結果を表I及びIIに示す。
◎:直ちに完溶
○:室温で一晩振とうすることで完全に溶解している。
△:加温することで完全に溶解している。
×:加温しても溶け残りが存在している。
○以上であることが望ましい。
【0227】
【表1】
【0228】
【表2】
【0229】
《塗布試料の作製》
(実施例56)
本発明の重合性基を有する色素化合物と、光重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとをトルエンとメチルエチルケトン(MEK)の1:1混合溶液に溶解させ、得られた着色溶液を150μmの厚さを有する合成紙(ユポFPG-150:王子油化社製)上に、それぞれウェット膜厚60μmで塗布・乾燥後、高圧水銀灯で露光し(3kW、200mJ/cm)、塗布試料を作製した。それぞれの溶液の色素濃度を調整することにより、最大吸収波長の反射濃度が1となる塗布試料を作製(以下、塗布膜A)し、性能評価を実施した。
【0230】
(実施例57)
本発明の重合性基を有する色素化合物を、トルエンとMEKの1:1混合溶液に溶解させ、得られた着色溶液を150μmの厚さを有する合成紙(ユポFPG-150:王子油化社製)上に、それぞれウェット膜厚60μmで塗布・乾燥し、塗布試料を作製した。それぞれの溶液の色素濃度を調整することにより、最大吸収波長の反射濃度が1となる塗布試料を作製(以下、塗布膜B)し、性能評価を実施した。
【0231】
比較色素A~C(比較化合物)においても、実施例56及び57と同様の方法で、塗布試料(塗布膜A及びB)を作製した。また、共重合体(1)~(4)については実施例57と同様の方法で塗布試料(塗布膜B)を作製した。
【0232】
《耐光性の評価》
塗布膜Aと実施例56と同様な方法で作製した比較色素(比較化合物A~C)及び実施例57と同様な方法で作成した共重合体(1)~(4)を塗布した試料について、キセノンフェードメーターにて120時間曝射した後、未曝射試料の可視領域の極大吸収波長における反射スペクトル濃度からの、残存率を評価した。その結果を表III及びIVに示す。
【0233】
耐光性(%)=(曝射試料の極大吸収波長濃度/未曝射試料の極大吸収波長濃度)×100に従って求め、以下の評価基準に基づいて4段階評価した。
◎:耐光性が95% 以上
○:耐光性が90% 以上、95% 未満
△:耐光性が80% 以上、90% 未満
×:耐光性が80% 未満
○以上であれば実用上問題ない。
【0234】
【表3】
【0235】
【表4】
【0236】
《耐熱性の評価》
塗布膜Aと実施例56と同様な方法で作製した比較色素(比較化合物A~C)及び実施例57と同様な方法で作成した共重合体(1)~(4)を塗布した試料について、77℃、10%RH以下の条件下7日間保存し、保存開始前後の濃度比からの、残存率を評価した。その結果を表V及びVIに示す。
【0237】
耐熱性(%)=(保存後の濃度/保存開始前の濃度)×100に従って求め、以下の標準基準に基づいて4段階評価した。
◎:耐熱性が95% 以上
○:耐熱性が80% 以上、95% 未満
△:耐熱性が60% 以上、80% 未満
×:耐熱性が60% 未満
○以上であれば実用上問題ない。
【0238】
【表5】
【0239】
【表6】
【0240】
《耐溶剤性の評価》
得られた塗布膜A、塗布膜B及びそれぞれの比較(比較化合物及び比較の共重合体)のそれぞれを、メタノール、酢酸エチル、トルエン、エチレングリコール及びNMPに25℃、30分間浸漬させた。この処理前後の試料について、浸漬前の可視領域の極大吸収波長における反射スペクトル濃度からの、残存率を評価し、表VII及び表VIIIに示す。
【0241】
耐溶剤性(%)=(浸漬試料の極大吸収波長濃度/未浸漬試料の極大吸収波長濃度)×100に従って求め、以下の評価基準に基づいて4段階評価した。
◎:耐溶剤性が90%以上
○:耐溶剤性が80%以上、90%未満
△:耐溶剤性が60%以上、80%未満
×:耐溶剤性が60%未満
○以上であれば実用上問題ない。
【0242】
【表7】
【0243】
【表8】
【0244】
表I、表II、表III、表IV、表V、表VI、表VII及び表VIIIから明らかなように、本発明の色素化合物は有機溶剤に対し高い溶解性を有し、かつそれをモノマー単位として含有する重合体は、耐光性及び耐熱性に優れることが確認された。また、重合性基を1つ以上導入することにより耐溶剤性を大幅に改善させることに成功した。
【0245】
以上、本発明により、従来のピラゾロン系色素及びピラゾロアゾール系色素と比較して耐光性、耐熱性及び耐溶剤性に対してより優れた色素が提供できた。
【産業上の利用可能性】
【0246】
本発明の重合性基を有する色素化合物は、溶解性に優れ、かつ耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れる重合体を可能とすることができる。有機溶剤に優れた溶解性を有することにより、容易に種々の用途形態にすることができる。