(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】扉開閉検出装置及びエレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 13/22 20060101AFI20220802BHJP
B66B 13/18 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
B66B13/22 A
B66B13/18 C
(21)【出願番号】P 2020109399
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2020-06-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 元樹
(72)【発明者】
【氏名】張 燕莉
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-103375(JP,U)
【文献】特開2019-196240(JP,A)
【文献】国際公開第2017/179197(WO,A1)
【文献】特開2010-208740(JP,A)
【文献】特許第6057197(JP,B2)
【文献】特開2019-127382(JP,A)
【文献】米国特許第05918704(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場扉の開閉状態を検出する扉開閉検出装置であって、
第1接点部と、
前記第1接点部に接続される弾性変形可能な弾性部と、
前記乗場扉が開状態のときに前記第1接点部から離れ、前記乗場扉が閉状態のときに前記弾性部が弾性変形するように前記第1接点部に加圧接触する第2接点部と、
前記第1接点部と前記第2接点部とが接触する状態で移動することを規制する規制部と、を備え、
前記規制部は、前記弾性部の弾性変形量が大きくなるように前記第1接点部と前記第2接点部とが接触する状態で移動することを規制し、
前記第1接点部は、前記弾性部の端部に固定され、
前記第2接点部と前記規制部とは、前記規制部
が前記第1接点
部を支持する
ように、前記第1接点部を挟む、扉開閉検出装置。
【請求項2】
乗場に配置されて開閉する乗場扉と、
前記乗場扉の開閉状態を検出する請求項
1に記載の扉開閉検出装置と、を備える、エレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、扉開閉検出装置及びエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、扉開閉検出装置は、乗場扉の開閉状態を検出する(例えば、特許文献1)。そして、扉開閉検出装置は、第1接点部と、第1接点部に接続される弾性変形可能な弾性部と、乗場扉が開状態のときに第1接点部から離れ、乗場扉が閉状態のときに弾性部が弾性変形するように第1接点部に加圧接触する第2接点部とを備えている。
【0003】
ところで、例えば、乗場扉等に振動が加えられることによって、第1接点部及び第2接点部にも振動が伝えられる。そして、第1接点部と第2接点部とが接触する状態で移動して、弾性部の弾性変形量が変化することによって、第1接点部と第2接点部とが、一時的に離れる場合がある。これにより、例えば、乗場扉が閉まっているにも関わらず、扉開閉検出装置は、乗場扉が開いたと誤検出する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、第1接点部と第2接点部とが接触する状態において、弾性部の弾性変形量が変化することを抑制することができる扉開閉検出装置及びエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
扉開閉検出装置は、乗場扉の開閉状態を検出する扉開閉検出装置であって、第1接点部と、前記第1接点部に接続される弾性変形可能な弾性部と、前記乗場扉が開状態のときに前記第1接点部から離れ、前記乗場扉が閉状態のときに前記弾性部が弾性変形するように前記第1接点部に加圧接触する第2接点部と、前記第1接点部と前記第2接点部とが接触する状態で移動することを規制する規制部と、を備える。
【0007】
また、扉開閉検出装置においては、前記規制部は、前記弾性部の弾性変形量が大きくなるように前記第1接点部と前記第2接点部とが接触する状態で移動することを規制する、という構成でもよい。
【0008】
また、扉開閉検出装置においては、前記第1接点部は、前記弾性部の端部に固定され、前記第2接点部と前記規制部とは、前記第1接点部を挟む、という構成でもよい。
【0009】
また、エレベータは、乗場に配置されて開閉する乗場扉と、前記乗場扉の開閉状態を検出する前記の扉開閉検出装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るエレベータの全体概要図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係るエレベータの要部概要図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る移動体の斜視図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る移動体の正面図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る検出体の斜視図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係る検出体の正面図である。
【
図7】
図7は、同実施形態に係る扉開閉検出装置の正面図であって、乗場扉の開状態を示す図である。
【
図8】
図8は、同実施形態に係る扉開閉検出装置の正面図であって、乗場扉の閉状態を示す図である。
【
図9】
図9は、他の実施形態に係る扉開閉検出装置の正面図であって、乗場扉の開状態を示す図である。
【
図10】
図10は、同実施形態に係る扉開閉検出装置の正面図であって、乗場扉の閉状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、エレベータ及び扉開閉検出装置における一実施形態について、
図1~
図8を参照しながら説明する。なお、各図(
図9及び
図10も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係るエレベータ1は、ユーザが乗るためのかご1aと、一端部がかご1aに接続されるロープ1bと、ロープ1bの他端部に接続される釣合錘1cとを備えている。エレベータ1は、ロープ1bを駆動してかご1aを昇降させる巻上機1dと、各構成を制御する制御部1eとを備えている。
【0013】
エレベータ1は、乗場X1に配置される乗場扉1fを備えており、かご1aは、かご扉1gと、かご扉1gを開閉させる扉駆動部1hとを備えている。そして、かご扉1gが扉駆動部1hによって開閉されることにより、かご1aが停止している乗場X1の乗場扉1fも、連動して開閉される。
【0014】
なお、本実施形態に係るエレベータ1は、巻上機1d及び制御部1eを機械室X2の内部に配置する、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、機械室X2が備えられておらず、エレベータ1は、巻上機1d及び制御部1eを昇降路X3の内部に配置する、という構成でもよい。
【0015】
また、本実施形態においては、ロープ1bの一端部がかご1aに固定され、ロープ1bの他端部が釣合錘1cに固定されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、ロープ1bの両端部がそれぞれ昇降路X3の上部に固定され、ロープ1bがかご1aのシーブ及び釣合錘1cのシーブにそれぞれ巻き掛けられることによって、ロープ1bがかご1a及び釣合錘1cにそれぞれ接続されている、という構成でもよい。
【0016】
また、本実施形態に係るエレベータ1は、ロープ式の駆動方式である、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、エレベータ1は、油圧式の駆動方式である、という構成でもよく、また、リニアモータ式の駆動方式である、という構成でもよい。
【0017】
図2に示すように、エレベータ1は、乗場扉1fをスライド可能に支持する支持機構1iを備えている。支持機構1iは、昇降路X3に固定されるフレーム1jと、フレーム1jに固定されるレール1kと、レール1kに案内されるローラ1mと、ローラ1mと乗場扉1fとにそれぞれ接続される接続部1nとを備えている。これにより、一対の乗場扉1fは、開くときに、互いに離れるようにスライドし、閉じるときに、互いに近づくようにスライドする。
【0018】
なお、乗場扉1fの枚数は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、乗場扉1fは、2枚備えられていてもよい。また、各乗場扉1fの移動の方向は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、各乗場扉1fは、開閉時に反対方向に移動する、所謂、センターオープンタイプとしてもよく、また、例えば、開閉時に同じ方向に移動する、所謂、片側オープンタイプとしてもよい。
【0019】
また、エレベータ1は、乗場扉1fの開閉状態を検出する扉開閉検出装置2を備えている。扉開閉検出装置2は、昇降路X3に対して固定される検出体4と、乗場扉1fに取り付けられ、検出体4に対して移動する移動体3とを備えている。そして、移動体3は、開閉する乗場扉1fと共に移動する。
【0020】
特に限定されないが、移動体3は、例えば、本実施形態のように、支持機構1i、具体的には、接続部1nに取り付けられていてもよい。また、特に限定されないが、検出体4は、例えば、本実施形態のように、支持機構1i、具体的には、レール1kに取り付けられていてもよい。
【0021】
図3及び
図4に示すように、移動体3は、支持機構1i(
図2参照)に取り付けられるベース部3aと、ベース部3aに回動可能に接続される回動部3bとを備えている。また、移動体3は、回動部3bを回動させるための第1及び第2ローラ3c,3dと、回動部3bに力を加える加力部3eとを備えている。加力部3eは、特に限定されないが、本実施形態のように、弾性部材(例えば、バネ部材)としてもよい。
【0022】
そして、移動体3は、第1ローラ3cを中心に回動することによって、移動位置(
図4における二点鎖線で図示された位置)と待機位置(
図4における実線で図示された位置)とに位置される。具体的には、移動体3は、乗場扉1fを開閉するときに、移動位置に位置され、また、乗場扉1fを閉状態で維持するときに、待機位置に位置される。
【0023】
なお、図示及び詳細な説明はしないが、かご1aは、移動体3を回転させる回転機構を備えている。特に限定されないが、回転機構は、例えば、第1及び第2ローラ3c,3dを挟む一対の挟み部材を備えていてもよい。そして、一対の挟み部材が互いに近づいたり離れたりして、挟み部材がそれぞれ第1及び第2ローラ3c,3dと接したり離れたりすることによって、移動体3が回動する、という構成でもよい。
【0024】
図3~
図6に示すように、移動体3及び検出体4は、それぞれ互いに接触する接点部3f,4aを備えている。そして、検出体4の接点部(以下、「検出接点部」ともいう)4a,4aは、一対備えられている。なお、特に限定されないが、本実施形態のように、回動部3bは、接点部(以下、移動接点部」ともいう)3fを備えていてもよく、また、移動接点部3fは、回動部3bの先端部に配置されていてもよい。
【0025】
図5及び
図6に示すように、検出体4は、支持機構1i(
図2参照)に取り付けられる本体部4bと、検出接点部4aと本体部4bとを接続する弾性変形可能な弾性部4cと、弾性部4cの弾性変形量が変化することを規制する規制部4dとを備えている。なお、特に限定されないが、弾性部4cは、本実施形態のように、板バネ状に形成されていてもよい。
【0026】
検出接点部4aは、弾性部4cの第1端部に固定されている。特に限定されないが、検出接点部4aは、例えば、本実施形態のように、弾性部4cの第1端部に直接的に固定(即ち、連結)されていてもよく、また、例えば、弾性部4cの第1端部に介在部を介在させて間接的に固定されていてもよい。
【0027】
また、弾性部4cの第2端部は、本体部4bに固定されている。特に限定されないが、弾性部4cの第2端部は、例えば、本実施形態のように、本体部4bに直接的に固定(即ち、連結)されていてもよく、また、例えば、本体部4bに介在部材を介在させて間接的に固定されていてもよい。
【0028】
弾性部4cは、平板状に形成される平板部と、屈曲する屈曲部とを備えており、例えば、平板部は、湾曲するように弾性変形可能であり、また、例えば、屈曲部は、曲がり角度を変えるように弾性変形可能である。なお、特に限定されないが、検出接点部4aは、例えば、弾性部4c、端子4e及びケーブル4f等を経由して、制御部1e(
図1参照)と電気的に接続されていてもよい。
【0029】
規制部4dは、本体部4bに固定されている。また、規制部4dは、検出接点部4aの下方に配置されている。なお、検出接点部4aは、移動接点部3fに接触する接点4gと、規制部4dに支持される被支持部4hとを備えている。そして、弾性部4cが復元している(弾性変形していない)ときには、検出接点部4aは、規制部4dから離れており、支持されていない。一方で、弾性部4cが弾性変形しているときに、検出接点部4aは、規制部4dに支持されている。
【0030】
これにより、弾性部4cがさらに弾性変形することを規制することができる。なお、検出接点部4aは、例えば、本実施形態のように、被支持部4hが規制部4dに直接的に接触することによって支持されていてもよく、また、例えば、介在部材を介在させて間接的に接触することによって支持されていてもよい。
【0031】
本実施形態に係るエレベータ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る扉開閉検出装置2の動作について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。
【0032】
乗場扉1f(
図2参照)が開状態であるときには、
図7に示すように、移動体3が移動位置に位置しており、接点部3f,4a同士は、互いに離れている。そして、移動接点部3fと検出接点部4aとが離れていることによって、扉開閉検出装置2は、乗場扉1fが開状態であると検出する。
【0033】
一方、乗場扉1fが閉状態であるときには、
図8に示すように、移動体3が待機位置に位置しており、接点部3f,4a同士は、互いに接触している。そして、移動接点部3fが一対の検出接点部4a,4aに跨って接触することによって、一対の検出接点部4a,4aが、移動接点部3fを介して電気的に接続されるため、扉開閉検出装置2は、乗場扉1fが閉状態であると検出する。
【0034】
このとき、加力部3eの弾性部材が、弾性変形している状態であり、移動体3の加力部3eが、回動部3bに力を加えているため、検出体4の弾性部4cは、弾性変形している。これにより、移動接点部3fには、加力部3eの力により下向きの力が加えられ、検出接点部4aには、弾性部4cの弾性復元力により上向きの力が加えられている。
【0035】
したがって、移動接点部3fと検出接点部4a,4aとが、互いに加圧接触しているため、例えば、扉開閉検出装置2に振動が加わった場合でも、移動接点部3fと検出接点部4a,4aとが離れることを抑制することができる。なお、加力部3eの力が弾性部4cの弾性復元力よりも大きいため、検出接点部4aは、規制部4dに止められて支持されている。
【0036】
しかしながら、移動接点部3fと検出接点部4a,4aとが互いに加圧接触していても、扉開閉検出装置2に大きな振動が加わった場合に、移動接点部3fと検出接点部4a,4aとが一時的に離れる虞がある。なお、移動接点部3f又は検出接点部4a,4aの何れか一方のみが移動することを規制された場合においては、他方が振動した場合に、移動接点部3fと検出接点部4a,4aとが一時的に離れる虞がある。
【0037】
それに対して、移動接点部3fと検出接点部4a,4aとが接触する状態において、規制部4dは、検出接点部4a,4aを止めることによって、移動接点部3f及び検出接点部4a,4aの両方を支持している。これにより、移動接点部3f及び検出接点部4a,4aの両方が移動することを規制することができるため、弾性部4cの弾性変形量が変化することを規制することができる。
【0038】
ところで、特に、弾性部4cの弾性変形量が大きくなるように、弾性部4cがさらに弾性変形した場合に、移動接点部3fと検出接点部4a,4aとが一時的に離れ易くなることを発見することができた。これは、例えば、弾性部4cの弾性復元力が一時的に大きくなることが起因していると考えられる。
【0039】
それに対して、規制部4dは、移動接点部3f及び検出接点部4a,4aの両方を下方から支持している。具体的には、移動接点部3fと規制部4dとは、検出接点部4aを上下方向D3で挟んでいる。これにより、移動接点部3fと検出接点部4aとが下方へ移動することを確実に規制することができる。したがって、弾性部4cの弾性変形量が大きくなることを規制することができる。
【0040】
このように、弾性部4cの弾性変形量が変化することを規制することができるため、乗場扉1fが閉状態であるにも関わらず、移動接点部3fと検出接点部4a,4aとが一時的に離れることを抑制できる。したがって、扉開閉検出装置2が誤検出することを抑制することができる。
【0041】
なお、移動体3の回動部3bは、鉤部3gを備えており、検出体4の本体部4bは、鉤部3gに引っ掛けられる引掛部4iを備えている。そして、
図8に示すように、移動体3が待機位置に位置しているときに、鉤部3gは、引掛部4iに引っ掛けられる。これにより、乗場扉1fが開くことを防止できるため、乗場扉1fを閉状態で維持することができる。したがって、扉開閉検出装置2は、扉施錠装置としても機能する。
【0042】
また、
図5に戻り、一対の検出接点部4a,4aが、横方向D2に離れていることに対して、規制部4dは、上部に、それぞれの検出接点部4aを支持するために、横方向D2に離れる一対の支持面4j,4jと、一対の支持面4j,4jの間に配置される凹部4kとを備えている。これにより、規制部4dの上部の面積を小さくすることができる。
【0043】
したがって、例えば、規制部4dの上部に異物が載ることを抑制することができるため、当該異物に起因して移動接点部3fが検出接点部4a,4aと接触不良を起こすことを抑制することができる。なお、支持面4jは、例えば、本実施形態のように、水平面に沿う平面状に形成されていてもよく、また、例えば、異物が載ることを抑制するために、湾曲面状、又は、水平面に傾斜する平面状に形成されていてもよい。
【0044】
以上より、エレベータ1は、乗場X1に配置されて開閉する乗場扉1fと、前記乗場扉1fの開閉状態を検出する扉開閉検出装置2と、を備える。
【0045】
そして、本実施形態に係る扉開閉検出装置2は、乗場扉1fの開閉状態を検出する扉開閉検出装置2であって、第1接点部(本実施形態においては、検出接点部)4aと、前記第1接点部4aに接続される弾性変形可能な弾性部4cと、前記乗場扉1fが開状態のときに前記第1接点部4aから離れ、前記乗場扉1fが閉状態のときに前記弾性部4cが弾性変形するように前記第1接点部4aに加圧接触する第2接点部(本実施形態においては、移動接点部)3fと、前記第1接点部4aと前記第2接点部3fとが接触する状態で移動することを規制する規制部4dと、を備える。
【0046】
斯かる構成によれば、第1接点部4aと第2接点部3fとが接触する状態において、第1接点部4aと第2接点部3fとが移動することを規制される。これにより、第1接点部4aと第2接点部3fとが接触する状態において、弾性部4cの弾性変形量が変化することを抑制することができる。
【0047】
また、本実施形態に係る扉開閉検出装置2においては、前記規制部4dは、前記弾性部4cの弾性変形量が大きくなるように前記第1接点部4aと前記第2接点部3fとが接触する状態で移動することを規制する、という構成である。
【0048】
斯かる構成によれば、第1接点部4aと第2接点部3fとが接触する状態において、弾性部4cの弾性変形量が大きくなった場合に、第1接点部4aと第2接点部3fとが離れ易くなることに対して、弾性部4cの弾性変形量が大きくなることを規制することができる。
【0049】
また、本実施形態に係る扉開閉検出装置2においては、前記第1接点部4aは、前記弾性部4cの端部に固定され、前記第2接点部3fと前記規制部4dとは、前記第1接点部4aを挟む、という構成である。
【0050】
斯かる構成によれば、第1接点部4aは、弾性部4cの端部に固定されており、第2接点部3fと規制部4dとは、第1接点部4aを挟んでいる。これにより、弾性部4cの弾性変形量が大きくなることを確実に規制することができる。
【0051】
なお、エレベータ1及び扉開閉検出装置2は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1及び扉開閉検出装置2は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0052】
(1)上記実施形態に係る扉開閉検出装置2においては、第1接点部(検出接点部)4aと第2接点部(移動接点部)3fとが接触する状態において、規制部4dは、弾性部4cの弾性変形量が大きくなることのみを規制する、という構成である。しかしながら、扉開閉検出装置2は、斯かる構成に限られない。
【0053】
例えば、第1接点部(検出接点部)4aと第2接点部(移動接点部)3fとが接触する状態において、規制部4dは、弾性部4cの弾性変形量が小さくなることのみを規制する、という構成でもよい。また、例えば、第1接点部(検出接点部)4aと第2接点部(移動接点部)3fとが接触する状態において、規制部4dは、弾性部4cの弾性変形量が大きくなることも小さくなることも規制する、という構成でもよい。
【0054】
例えば、上記実施形態に係る扉開閉検出装置2に対して、規制部4dは、上方から第2接点部(移動接点部)3fを止めて支持することによって、弾性部4cの弾性変形量が小さくなることを規制する、という構成でもよい。斯かる構成においては、例えば、規制部4dは、移動体3が待機位置に位置したときに回動部3bを上方から支持する支持位置と、移動体3が移動位置に位置するときに回動部3bから離れる待機位置との間を、移動可能である、という構成してもよい。
【0055】
(2)また、上記実施形態に係る扉開閉検出装置2においては、規制部4dは、第1接点部(検出接点部)4aを下方から支持する、という構成である。しかしながら、扉開閉検出装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、規制部4dは、第1接点部4aを側方から支持する、という構成でもよい。また、例えば、
図9及び
図10に示すように、規制部2aは、第1接点部4aを上方から支持する、という構成でもよい。
【0056】
図9及び
図10に係る戸開閉検出装置2おいては、
図9に示すように、移動体3が移動位置に位置しているときに、接点部3f,4a同士は、互いに離れている。そして、
図10に示すように、移動体3が待機位置に位置しているときには、接点部3f,4a同士は、接触している。
【0057】
このとき、移動体3の加力部3eが、回動部3bに力を加えているため、検出体4の弾性部4cは、弾性変形している。これにより、移動接点部3fには、加力部3eの力により上向きの力が加えられ、検出接点部4aには、弾性部4cの弾性復元力により下向きの力が加えられている。そして、規制部2aは、第1接点部4aを上方から支持している。
【0058】
(3)また、上記実施形態に係る扉開閉検出装置2においては、弾性部4cに接続される第1接点部4aは、検出体4に備えられており、第2接点部3fは、移動体3に備えられている、という構成である。しかしながら、扉開閉検出装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、弾性部に接続される第1接点部は、移動体3に備えられており、第2接点部は、検出体4に備えられている、という構成でもよい。
【0059】
(4)また、上記実施形態に係る扉開閉検出装置2においては、弾性部4cは、板バネ状に形成されている、という構成である。しかしながら、扉開閉検出装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、弾性部4cは、弦巻バネ形状に形成されている、という構成でもよい。
【0060】
(5)また、上記実施形態に係る扉開閉検出装置2においては、第2接点部(移動接点部)3fと規制部4dとは、第1接点部(検出接点部)4aを挟む、という構成である。しかしながら、扉開閉検出装置2は、斯かる構成に限られない。
【0061】
例えば、規制部4dは、弾性部4cを支持することによって、第1接点部(検出接点部)4aと第2接点部(移動接点部)3fとが接触した状態で移動することを規制している、という構成でもよい。また、例えば、第1接点部(検出接点部)4aと規制部4dとは、第2接点部(移動接点部)3fを挟む、という構成でもよい。
【0062】
(6)また、上記実施形態に係る扉開閉検出装置2においては、第1接点部(検出接点部)4a,4aは、一対備えられ、第2接点部(移動接点部)3fは、一つ備えらえている、という構成である。しかしながら、扉開閉検出装置2は、斯かる構成に限られない。即ち、第1及び第2接点部4a,3fの個数は、特に限定されない。例えば、第1及び第2接点部4a,3fが、それぞれ一つ備えられ、第1接点部4aと第2接点部3fとが接触することによって、扉開閉検出装置2は、乗場扉1fが閉状態であると検出する、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…エレベータ、1a…かご、1b…ロープ、1c…釣合錘、1d…巻上機、1e…制御部、1f…乗場扉、1g…かご扉、1h…扉駆動部、1i…支持機構、1j…フレーム、1k…レール、1m…ローラ、1n…接続部、2…扉開閉検出装置、2a…規制部、3…移動体、3a…ベース部、3b…回動部、3c…第1ローラ、3d…第2ローラ、3e…加力部、3f…移動接点部、3g…鉤部、4…検出体、4a…検出接点部、4b…本体部、4c…弾性部、4d…規制部、4e…端子、4f…ケーブル、4g…接点、4h…被支持部、4i…引掛部、4j…支持面、4k…凹部、X1…乗場、X2…機械室、X3…昇降路