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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】鎌錠
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/08 20060101AFI20220802BHJP
   E05C 3/04 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
E05B65/08 G
E05C3/04 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020110550
(22)【出願日】2020-06-26
(62)【分割の表示】P 2017126084の分割
【原出願日】2017-06-28
(65)【公開番号】P2020153231
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2020-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】598001397
【氏名又は名称】株式会社フロンテア
(74)【代理人】
【識別番号】100092864
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100098154
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 克彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 典男
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-154531(JP,A)
【文献】特開2001-193326(JP,A)
【文献】特許第3491784(JP,B2)
【文献】特公平2-42997(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 65/08
E05C 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引戸などの端面に彫り込まれた取付溝に埋設される鎌錠本体と、柱や縦枠に彫り込まれた取付溝に埋設される受座とからなり、前記鎌錠本体は基端に配置される基部と首部を介して先端に位置される鎌状の掛止部からなる鎌部材が前記基部においてケース体内の側板に形成した回転軸において前記掛止部が前記ケース体の前板に形成した開口から出没可能に且つ反転バネ体により反転保持可能に軸着されているとともに、施錠時に前記掛止部を前記ケース体の前板に形成した開口から突出させて前記引戸などに対向する柱や縦枠に設置した前記受座の被掛止部に掛止して施錠状態を形成する鎌錠であって、
トリガーとして回転式のトリガーを備えており、
前記トリガーは、全体として扇型であって円の中心にあたる位置において前記ケース体内に軸着された回転板と、前記回転板を前記ケース体の前板に形成した開口から突出させる方向に付勢するバネ体とからなるとともに、前記回転板の円弧状部分の先端には前記受座に当接するための当接部が、前記回転板の円弧状部分の後端には前記鎌部材に係止するための凸状の係止部が設けられており、
前記引戸が開いているときには前記バネ体により前記回転板に形成した前記当接部が前記ケース体の開口から突出した状態にあって、前記回転板に形成した前記凸状の係止部が前記鎌部材に形成した係止凹部に係止して前記鎌部材の前記掛止部を前記ケース体内に没入させた解錠状態に保持させ、前記引戸を閉じたときに前記ケース体から突出している前記当接部が前記受座に当接して前記バネ体に抗して前記回転板を回転させてケース体内に没入させるとともに前記凸状の係止部は前記回転板の回転により前記ケース体の前板から離れる方向に回転移動し前記鎌部材の前記係止凹部との係合を解除して前記鎌部材が前記ケース体の前板に形成した開口から突出して前記受座の前記被掛止部に掛止して施錠状態を形成することを特徴とする鎌錠
【請求項2】
前記掛止部を前記被掛止部に掛止して施錠状態を形成する際に前記前板に形成した開口の開口端縁に当接する前記鎌部材の首部に、緩衝部材が備えられていることを特徴とする請求項1記載の鎌錠
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引戸などの端面に彫り込まれた取付け孔に埋設される鎌錠本体と、柱や縦枠に彫り込まれた取付け孔に埋設される筺状の受座とからなり、鎌錠本体の鎌部材をレバーハンドルなどで回動させて前記受座の前板に設けた開口に係入させ、鎌部材の先端に形成した鎌状の掛止部を前記受座の前板などに形成される被掛止部に施錠される鎌錠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、室内を区切る壁の出入口などについて設置される引戸などの施錠用に鎌錠が用いられている。この鎌錠は、引戸などの端面に彫り込まれた取付け孔に埋設される鎌錠本体と、柱や縦枠に彫り込まれた取付け孔に埋設される筺状の受座とからなり、鎌錠本体に軸着するとともに反転バネ体などを用いて反転保持可能に配置した鎌部材をレバーハンドル
などで回動させて鎌部材の先端に位置する鎌状の掛止部を前記受座の前板に設けた開口に沿って配置される被掛止部に掛止させて施錠される鎌錠が知られている。
【0003】
ところで、この種の鎌錠は、特に、施解錠時に反転する鎌部材やレバーハンドルハブを反転させる操作がケース体の開口、錠内部のストッパーや部品に当り衝突音を発生するなどの問題があり、特に、施解錠をする際にレバーハンドルハブなどによる反転操作を反転バネ部材により鎌部材を反転保持させることから衝撃音や振動を生じていた。
【0004】
この種の衝撃音は鎌錠における施開錠時の鎌部材の確実な固定と、施開錠の区別がはっきりと分かるように敢えて反転バネ体を強くして、結果大きな衝撃音が生じるようにしている錠前もあるが、近頃では病院や介護室などにも鎌錠が設置されるようになり、特に深夜や静かな室内では金属衝撃音が不快音となっているものであった。
【0005】
そこで、従来、例えば実開平2-39073号公報に施錠時に生じる衝撃音を緩和することにより静音を図る鎌錠が提示されさている。
【0006】
この施錠時における衝撃音を緩和する静音手段を施した鎌錠は図10に示したように、引戸1aなどの端面1bに彫り込まれた取付溝1cに埋設される鎌錠本体2aのケース体3a内に、施錠位置で鍵形の鎌部材4aに当接して衝撃音を緩和する例えばスポンジなどの緩衝材5aを固設したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実開平2-39073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、鎌錠は引戸における鎌状を安全に施解錠を行うために、従来から鎌錠の作動を制御するトリガーが備えられているが、前記従来のトリガーは、引戸の閉成時に、前板から突出させた直線的に往復動可能で且つ突出方向に付勢された棒状の本体を引戸の枠体に備えた前板に当接させるものであり、きわめて大きな衝撃音を生じることになり、鎌状本体の静音化とともに消音することが課題とされている。
【0009】
本発明は、施解錠時に生じる衝撃音、殊にトリガーについての衝撃音を緩和して静音させるとともに長期間の使用においても静音効果が持続可能な鎌錠を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するためになされた本発明である鎌錠は、引戸などの端面に彫り込まれた取付溝に埋設される鎌錠本体と、柱や縦枠に彫り込まれた取付溝に埋設される受座とからなり、前記鎌錠本体は基端に配置される基部と首部を介して先端に位置される鎌状の掛止部からなる鎌部材が前記基部においてケース体内の側板に形成した回転軸において前記掛止部が前記ケース体の前板に形成した開口から出没可能に且つ反転バネ体により反転保持可能に軸着されているとともに、施錠時に前記掛止部を前記ケース体の前板に形成した開口から突出させて前記引戸などに対向する柱や縦枠に設置した前記受座の被掛止部に掛止して施錠状態を形成する鎌錠であって、トリガーとして回転式のトリガーを備えており、前記トリガーは、全体として扇型であって円の中心にあたる位置において前記ケース体内に軸着された回転板と、前記回転板を前記ケース体の前板に形成した開口から突出させる方向に付勢するバネ体とからなるとともに、前記回転板の円弧状部分の先端には前記受座に当接するための当接部が、前記回転板の円弧状部分の後端には前記鎌部材に係止するための凸状の係止部が設けられており、前記引戸が開いているときには前記バネ体により前記回転板に形成した前記当接部が前記ケース体の開口から突出した状態にあって、前記回転板に形成した前記凸状の係止部が前記鎌部材に形成した係止凹部に係止して前記鎌部材の前記掛止部を前記ケース体内に没入させた解錠状態に保持させ、前記引戸を閉じたときに前記ケース体から突出している前記当接部が前記受座に当接して前記バネ体に抗して前記回転板を回転させてケース体内に没入させるとともに前記凸状の係止部は前記回転板の回転により前記ケース体の前板から離れる方向に回転移動して前記鎌部材の前記係止凹部との係合を解除して前記鎌部材が前記ケース体の前板に形成した開口から突出して前記受座の前記被掛止部に掛止して施錠状態を形成することを特徴とする。
【0011】
殊に、本発明において、前記回転板に形成した凸状の係止部が前記鎌部材に形成した溝状の係止凹部に係止して前記鎌部材の前記掛止部を前記ケース体内に没入させた解錠状態に保持させ、前記引戸を閉じたときに前記ケース体から突出している前記トリガーの当接部が前記柱や縦枠に衝撃音を生じさせないで当接して前記バネ体に抗して前記回転板を回転させて前記ケース体内に没入させるとともに前記凸状の係止部は前記回転板の回転により前記ケース体の前板から離れる方向に回転移動して前記鎌部材の前記係止凹部との係合を解除して前記鎌部材が前記ケース体の前板に形成した開口から突出して前記受座の前記被掛止部に掛止して施錠状態を形成するため、簡単な構成で確実に消音効果を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、施解錠時、特に施錠時において生じる衝撃音を緩和して静音化を図ることが可能であることは言うまでもなく、長期間にわたって使用しても前記静音効果が持続する鎌錠を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明である鎌錠における好ましい実施の形態を示す引戸を開放した状態における断面図。
図2図1に示した実施の形態における引戸を閉じた解錠時における断面図。
図3図1に示した実施の形態における引戸を閉じた施錠時における断面図。
図4図1に示した実施の形態の鎌部材を示す斜視部分図。
図5図1に示した実施の形態の鎌部材および緩衝部材を示す断面図。
図6】鎌部材に取り付けた緩衝部材の第1の異なる実施の形態を示す断面図。
図7】鎌部材に取り付けた緩衝部材の第2の異なる実施の形態を示す断面図。
図8】鎌部材に取り付けた緩衝部材の第3の異なる実施の形態を示す断面図。
図9】鎌部材に取り付けた緩衝部材の第4の異なる実施の形態を示す断面図。
図10】従来例を示す説明図であり、(a)は解錠時を示す断面図、(b)は施錠時を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1乃至図5は本発明の好ましい実施の形態を示すものであり、鎌錠自体は基本的には従来のものとほぼ同様の構造を有するものであり、引戸1などの木口端面11に彫り込まれた取付溝12に埋設される鎌錠本体2と、柱や縦枠等の枠体3の端面31に彫り込まれた取付溝32に埋設される受座4とから形成される。
【0016】
また、基部221の先端に鎌状の掛止部222が首部223を介して一体に連結されており、前記基部221においてケース体5の側板51の内面に形成した回転軸21に反転回動可能に軸着されており、施解錠時の反転に際して前記先端に形成した掛止部222をケース体5の前板52に形成した開口53から出没可能とされており、前記基端221の後端側がケース体5の側板51の内面に軸着された例えばレバーハンドルなど(図示せず)により反転する入力カム24との間にクランク機構25を介して連結されており、且つ入力カム24に施錠回転位置並びに解錠回転位置において入力カム24を回動位置に保持するバネ体26が備えられている。
【0017】
そして、図2に示した引戸1を閉じた状態(引戸1の木口端面11を枠体3の端面31を当接させた状態)で、図3に示したように前記レバーハンドル(図示せず)を用いて入力カム24をバネ体26の保持力に抗して施錠方向に回転させたときにクランク機構25を介して鎌部材22の掛止部222がケース体5の前板52に形成した開口53から突出して前記対向する枠体3に設置した受座4の被掛止部41に前板42に形成した開口43を通して掛止することで施錠状態を形成するものである。
【0018】
このとき、本実施の形態の鎌部材22は、図3に示したように入力カム24の一端に形成した作用片241に連結された前記バネ体26および鎌部材22の基部221,221間に架設された固定ピン226により軸支して配置されて一端を鎌部材22の係止段部23に係止されるとともに他端を前記連結部27に係止した反転バネ体28による所定の保持力により前記施錠状態または解錠状態に保持される。
【0019】
ところで、鎌錠は従来から鎌部材に取り付けたばねが反転することで施錠が確実であるとともに施解錠を感触や音により確認可能とすること、また大きな強度を必要とする場合もあり、鎌部材並びに受座の多くが金属製で比較的重厚に形成されているばかりか前記反転を保持するバネ体や反転バネ体などの付勢部材も強度のあるものを採用している傾向にある。
【0020】
そのため、確実な施解錠は可能であるが、従来の鎌錠では前記施錠状態にしたときに鎌部材22の首部223がバネ体26や反転バネ体28の保持力を保った状態で前板52に形成した開口53の開口端縁531に当接するので衝撃音を生じることになる。
【0021】
この点について、本実施の形態では前記鎌部材22自体は前記従来の鎌錠と同じく金属製で重厚でありバネ体26や反転バネ体28の保持力も十分で鎌錠としての施錠機能については変わりないが、施錠したときに前記前板52に形成した開口53の開口端縁531に当接する前記鎌部材22の首部223に緩衝部材7Aが備えられている。
【0022】
更に詳細に説明すると、本実施の形態では図4および図5に示すように、緩衝部材7Aは、前板52に形成した開口53の開口端縁531に当接する前記鎌部材22の首部凹所224における内側端面225に形成された凹部6内に配置されている。
【0023】
特に、本実施の形態では、前記凹部6は鎌部材22の表面に露出する小形凹溝61と、該小形凹溝61と連通して下方に位置する大形凹溝62とからなり、前記緩衝部材7Aは異なる大きさの長方形を互い違いに組み合わせたような形状で、前記凹部6の小形凹溝61に嵌挿される頭部71と、前記凹部6の大形凹溝62に嵌挿される脚部72とが一体に形成される例えばゴムやエラストマーなどの弾力性を有する材質により構成されている。
【0024】
緩衝部材7Aの脚部72はアーチ状の切り欠き73が形成されており、前記切り欠き73の凸方向から加わる付勢力を分散して緩衝する効果を高めることが期待できるものである。
【0025】
本実施の形態では前記鎌部材22を施錠させたときに開口端面225に設置した緩衝部材7Aが前板52に形成した開口53の開口端縁531に衝撃を吸収しながら当接するので従来の鎌錠において生じる衝撃音を減じて施錠操作をすることができるので夜間や昼間でも静音を保持する環境においても採用することを可能としている。
【0026】
また、本実施の形態では、前記鎌錠本体2におけるケース体5内に設置されて少なくとも前記鎌部材22を解錠位置としたときに一端の連結片291が前記鎌部材22に設けられた係合段部23を介して連結するとともに他端の連結片292がケース体5内に固着した緩衝具8に連結された変換カム29が配置されており、図2に示した状態において前記鎌部材22が解錠位置に反転したときに前記緩衝具8が鎌部材22の戻りによるバネ体26や反転バネ体28の保持力に抗して反転させた際に生じる衝突音を緩和することができるように形成されている。
【0027】
本実施の形態における緩衝具8は、頂面に開口する円筒状のシリンダ82を内部に形成した本体81と、前記シリンダ82内に収容されたコイルバネ83と、前記コイルバネ83と連結され前記シリンダ内82を摺動可能に配置されたピストン84とからなり、鎌部材22から変換カム29を介して伝達された下方への付勢力をコイルバネ83の弾性によって吸収させて衝撃を緩和して静音化を図るものであるが、例えばエアダンパーなど他の周知の緩衝機構を用いても良い。
【0028】
尚、図面中の符号293は変換カム29の連結片292を緩衝具8のピストン84に当接するように付勢するバネ体である。
【0029】
更に、本実施の形態では、ケース体5の前板52に形成した開口53から先端の当接部91が出没可能に軸92により軸着されていて、引戸1が閉じているときに前記先端の当接部91がケース体5の開口53に没入して後端の係止部93が鎌部材22との係合を解除した状態にあるとともに前記引戸1が開いているときには前記先端である当接部91が前記ケース体5の開口53から突出して後端の係止部93が前記鎌部材22に係合した状態にある回転式のトリガー9が配置されている。
【0030】
そのため、本実施の形態では図1に示した解錠時(引戸1が開いているとき)には鎌部材22が回転式のトリガー9に係止されて確実にケース体5内に保持される。また、施錠時(引戸1を閉じたとき)にはトリガー9が受座4の前板42に当接するが、トリガー9は従来の直線式のものと異なり大きな衝撃を生じないのでこの点においても静音効果を生じることができるものである。
【0031】
尚、図面中の符号94はトリガー9をケース体5における前板52の開口53から突出させる方向に付勢するバネ体である。
【0032】
図6乃至図9は鎌部材に取り付けた緩衝部材の異なる実施の形態をそれぞれ示すものであり、いずれの実施の形態の緩衝部材も前板52に形成した開口53の開口端縁531に当接する前記鎌部材22の首部凹所224における内側端面225に形成された凹部6内に配置されている点は共通である。
【0033】
図6は鎌部材22に取り付けた緩衝部材の第1の異なる実施の形態を示す断面図であり、前記図1乃至図5に示した実施の形態と同様に、例えばゴムやエラストマーなどの弾力性を有する材質により構成された弾発具である緩衝部材7Bを用いたものであるが、緩衝部材7Bの断面視中央部および左右両端に切り欠き73を形成している点において異なり、この切り欠き73によって更に弾力性を付与して静音効果を高めることができる。
【0034】
図7は鎌部材22に取り付けた緩衝部材の第2の異なる実施の形態を示す断面図であり、この緩衝部材7Cは凹部6の大形凹溝62内を軸方向に移動可能且つ小形凹溝61から抜脱不能に嵌挿される当接部材74と、凹部6の大形凹溝62内において前記当接部材74の下方に配置された例えばウレタン樹脂のフォームやゲルなどにより形成された緩衝材75とからなる構成である。
【0035】
本実施の形態によれば、例えば使用する引戸の重量などに応じた必要十分な緩衝効果に合致するものを選択して採用することができる利点がある。
【0036】
図8は鎌部材22に取り付けた緩衝部材の第3の異なる実施の形態を示す断面図であり、この緩衝部材7Dは凹部6の大形凹溝62内を軸方向に移動可能且つ小形凹溝61から抜脱不能に嵌挿される当接部材74と、凹部6の大形凹溝62内において前記当接部材74の下方に配置された弾発コイルバネ76とからなる構成である。
【0037】
本実施の形態によれば、弾発コイルバネ76を用いることで、簡単な構造で組み立て易く安価に提供することができるという利点を有している。
【0038】
図9は鎌部材22に取り付けた緩衝部材の第4の異なる実施の形態を示す断面図であり、この緩衝部材7Eは凹部6の大形凹溝62内を軸方向に移動可能且つ小形凹溝61から抜脱不能に嵌挿される当接部材74と、凹部6の大形凹溝62内において前記当接部材74の下方に配置されたダンパー77とからなる構成である。
【0039】
本実施の形態によれば、十分に緩衝効果を発揮させることは言うまでもなく使用する鎌錠の大きさなどの規格に合わせて必要十分な緩衝効果に合致するものを選択して採用することができる利点がある。
【0040】
尚、本明細書に示した緩衝部材7A,7B,7C,7D,7Eは本発明の実施の形態の一例であってこれに限られるものでなく、緩衝作用を有するものであれば各種の緩衝部材をきわめて容易に採用することができるものである。
【符号の説明】
【0041】
1 引戸、2 鎌錠本体、3 枠体、4 受座、5 ケース体、6 凹部、7 緩衝部材、8 緩衝具、9 トリガー、11 木口端面、12 取付溝、21 回転軸、22 鎌部材、23 係合段部、24 入力カム、25 クランク機構、26 バネ体、27 連結部、28 反転バネ体、29 変換カム、31 端面、32 取付溝、41 被掛止部、42 前板、43 開口、51 側板、52 前板、53 開口、61 小形凹溝、62 大形凹溝、71 頭部、72 脚部、73 切り欠き、74 当接部材、75 緩衝材、76 弾発コイルバネ、77 ダンパー、81 本体、82 シリンダ、83 コイルバネ、84 ピストン、91 当接部、92 軸、93 係止部、221 基部、222 掛止部、223 首部、224 首部凹所、225 内側端面、226 固定ピン、241 作用片、531 開口端縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10