(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20220802BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20220802BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20220802BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20220802BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
C23C16/455
C23C16/50
H01L21/302 104H
H05H1/46 L
(21)【出願番号】P 2021045905
(22)【出願日】2021-03-19
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0038521
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519362963
【氏名又は名称】ピーエスケー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シム,クァン-ボ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジ-フン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ドン-フィー
(72)【発明者】
【氏名】オウ,ヒュン-ウー
(72)【発明者】
【氏名】カン,カ-ラム
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-532313(JP,A)
【文献】特開2008-091805(JP,A)
【文献】特開平07-240404(JP,A)
【文献】特開2019-220589(JP,A)
【文献】特開2016-039356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
C23C 16/455
C23C 16/50
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基
板処理装置
であって、
基板に対する処理が遂行される処理空間を提供する工程処理部と、
プラズマを発生させるプラズマ発生部と、を含み、
前記プラズマ発生部は、
プラズマ発生空間を有するプラズマチャンバーと、
前記プラズマ発生空間に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、
前記プラズマ発生空間で、前記工程ガスを励起してプラズマを発生させる電力印加ユニットと、
前記プラズマチャンバーの下に配置され、前記プラズマ発生空間で発生された前記プラズマ及び/又は前記のプラズマ発生空間に供給された工程ガスを前記処理空間に均一に伝達されるように拡散させる拡散空間を有する拡散チャンバーと、を含み、
拡散空間には、
少なくとも一つ以上の穴あけが形成された拡散プレートが配置され
、
前記拡散チャンバーは、
前記プラズマチャンバーの底部に連結される連結部と、
前記連結部から延長され、下に行くほど、その直径が大きくなる拡散部と、を含み、
前記拡散プレートは、
前記連結部と前記拡散部との中で、拡散部に配置される基板処理装置。
【請求項2】
前記拡散プレートは、
上部から見る時、その中央領域にはブロッキングプレート(Blocking Plate)で提供され、縁部領域には前記穴あけが形成される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記穴あけは、
上部から見る時、前記穴あけに流れる前記工程ガス及び/又は前記のプラズマが前記中央領域から前記縁部領域に向かう方向に流れることができるように下方に傾くように拡散プレートに形成される請求項
2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記連結部は、
前記拡散部よりも小さい直径を有し、前記プラズマチャンバーと同一の直径を有する請求項
1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記拡散プレートは、
クォーツ、セラミックス、又はアルミニウムの中で少なくともいずれか一つを含む材質で提供される請求項1乃至請求項
4のいずれかの一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記穴あけは、
上部から見る時、円又はスリット形状を有する請求項1乃至請求項
4のいずれかの一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記工程処理部は、
前記処理空間を有するハウジングと、
前記拡散空間と前記処理空間との間に配置されるバッフルと、を含む請求項1乃至請求項
4のいずれかの一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記バッフルは、
その断面から見る時、中央領域の厚さが縁部領域の厚さよりも厚い形状を有する請求項
7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記拡散チャンバーは、
クォーツを含む材質で提供される請求項1乃至請求項
4のいずれかの一項に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置に係り、より詳細にはプラズマを利用して基板を処理する基板処理装置に係る。
【背景技術】
【0002】
プラズマはイオンやラジカル、及び電子等から成されたイオン化されたガス状態を言い、非常に高い温度や、強い電界、或いは高周波電磁界(RF Electromagnetic Fields)によって生成される。半導体素子製造工程はプラズマを利用して基板の上の膜質を除去するアッシング又は蝕刻工程を含む。アッシング又は蝕刻工程はプラズマに含有されたイオン及びラジカル粒子が基板上の膜質と衝突又は反応することによって遂行される。
【0003】
図1は一般的なプラズマ処理装置を示す図面である。
図1を参照すれば、プラズマ処理装置2000は、処理部2100、そしてプラズマ発生部2300を有する。
【0004】
処理部2100はプラズマ発生部2300で発生されるプラズマを利用して、基板Wを処理する。処理部2100には、ハウジング2110、支持ユニット2120、バッフル2130が提供される。ハウジング2110は内部空間2112を有し、支持ユニット2120は内部空間2112で基板Wを支持する。バッフル2130には多数のホールが形成されており、これは支持ユニット2120の上部に提供される。
【0005】
プラズマ発生部2300ではプラズマを発生させる。プラズマ発生部2300にはプラズマ発生チャンバー2310、ガス供給2320、電力印加部2330、そして拡散チャンバー2340が提供される。ガス供給2320から供給される工程ガスGは電力印加部2330から印加される高周波電力によってプラズマ状態に励起される。そして、発生されたプラズマは拡散チャンバー2340を経て、内部空間2112に供給される。内部空間2112に供給されたプラズマPと工程ガスGは基板Wに伝達され、基板Wを処理する。その後、プラズマP及び/又は工程ガスGはハウジング2110に形成されたホール2114を通じて外部に排出される。
【0006】
しかし、一般的なプラズマ処理装置2000で基板Wの処理工程が続くと、バッフル2130の中央領域Aの温度が上昇する。具体的には、プラズマP及び/又は工程ガスGはプラズマ発生チャンバー2310、拡散チャンバー2340を経て、バッフル2130に伝達されるが、このようなプラズマP及び/又は工程ガスGが拡散チャンバー2340に流入されて、多少拡散されるとしても、プラズマP及び/又は工程ガスGが流れりながら、有する慣性によって相対的にバッフル2130の中央領域に集中されるためである。この場合、バッフル2130の中央領域Aは過度に温度が上昇されて、その形状が変形されることができる。
【0007】
また、プラズマP及び/又は工程ガスGが支持ユニット2120に支持された基板Wの中央領域に集中されて基板Wの処理の均一性を低下させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国特許公開第1020110022952号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は基板を効率的に処理することができる基板処理装置を提供することにある。
また、本発明の目的は基板のプラズマ処理を均一に行うことができる基板処理装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的はバッフルの中央領域の温度が過度に上昇することを最小化することができる基板処理装置を提供することにある。
【0011】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に限定されることはなく、言及されなかった課題は本明細書及び添付された図面から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は基板を処理する装置を提供する。基板を処理する装置は、基板に対する処理が遂行される処理空間を提供する工程処理部と、プラズマを発生させるプラズマ発生部と、を含み、前記プラズマ発生部は、プラズマ発生空間を有するプラズマチャンバーと、前記プラズマ発生空間に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、前記プラズマ発生空間で、前記工程ガスを、励起てプラズマを発生させる電力印加ユニットと、前記プラズマチャンバーの下に配置され、前記プラズマ発生空間で発生された前記プラズマ及び/又は前記のプラズマ発生空間に供給された工程ガスを前記処理空間に均一に伝達されるように拡散させる拡散空間を有する拡散チャンバーと、を含み、拡散空間には、少なくとも一つ以上の穴あけが形成された拡散プレートが配置されることができる。
【0013】
一実施形態によれば、前記拡散プレートは上部から見る時、その中央領域はブロッキングプレート(Blocking Plate)で提供され、縁部領域に前記穴あけが形成されることができる。
【0014】
一実施形態によれば、前記穴あけは、上部から見る時、前記穴あけに流れる前記工程ガス及び/又は前記のプラズマが前記中央領域から前記縁部領域に向かう方向に流れることができるように下方に傾くように拡散プレートに形成されることができる。
【0015】
一実施形態によれば、前記拡散チャンバーは、前記プラズマチャンバーの底部に連結される連結部と、前記連結部から延長され、下に行くほど、その直径が大きくなる拡散部と、を含み、前記拡散プレートは、前記連結部と前記拡散部との中で、拡散部に配置されることができる。
【0016】
一実施形態によれば、前記連結部は、前記拡散部よりも小さい直径を有し、前記プラズマチャンバーと同一の直径を有することができる。
【0017】
一実施形態によれば、前記拡散プレートは、クォーツ、セラミックス、又はアルミニウムの中で少なくともいずれか一つを含む材質で提供されることができる。
【0018】
一実施形態によれば、前記穴あけは、上部から見る時、円又はスリット形状を有することができる。
【0019】
一実施形態によれば、前記工程処理部は、前記処理空間を有するハウジングと、前記拡散空間と前記処理空間との間に配置されるバッフルと、を含むことができる。
【0020】
一実施形態によれば、前記バッフルは、その断面から見る時、中央領域の厚さが縁部領域の厚さよりも厚い形状を有することができる。
【0021】
一実施形態によれば、前記拡散チャンバーは、クォーツを含む材質で提供されることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一実施形態によれば、本発明は基板を効率的に処理することができる基板処理装置を提供することができる。
【0023】
また、本発明の一実施形態によれば、チャンバーの内壁がプラズマと反応して不純物が発生されることを最小化することができる。
【0024】
また、本発明の一実施形態によれば、プラズマチャンバーの使用寿命を増加させることができる。
【0025】
また、本発明の一実施形態によれば、プラズマチャンバーの内壁を覆うコーティング膜が損傷されるか、或いはプラズマチャンバーの内壁から離脱されることを最小化することができる。
【0026】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることはなく、言及されなかった効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】本発明の基板処理設備を概略的に示す図面である。
【
図3】本発明の実施形態による基板処理装置を示す図面である。
【
図4】
図3の拡散プレートを上部から見た図面である。
【
図5】
図3の基板処理装置が基板を処理する様子を示して図面である。
【
図6】拡散プレートが拡散チャンバーに提供されている場合のバッフル中央領域の温度変化と、拡散プレートが拡散チャンバーに提供されていない場合のバッフル中央領域の温度変化を概略的に示す図面である。
【
図7】本発明のその他の実施形態による基板処理装置を示す図面である。
【
図8】本発明のその他の実施形態による拡散プレートを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では添付した図面を参考として本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明することにおいて、関連された公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができていると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面の全体に亘って同一な符号を使用する。
【0029】
ある構成要素を‘含む’ということは、特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。具体的に、“含む”又は“有する”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることがであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0030】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0031】
以下、
図2乃至
図8を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0032】
図2は本発明の基板処理設備を概略的に示す図面である。
図2を参照すれば、基板処理設備1は設備前方端部モジュール(equipment front endmodule、EFEM)20及び処理モジュール30を有する。設備前方端部モジュール20と処理モジュール30は一方向に配置される。
【0033】
設備前方端部モジュール20はロードポート(load port)10及び移送フレーム21を有する。ロードポート10は第1の方向11に設備前方端部モジュール20の前方に配置される。ロードポート10は複数の支持部6を有する。各々の支持部6は第2方向12に一列に配置され、工程に提供される基板W及び工程処理が完了された基板Wが収納されたキャリヤー4(例えば、カセット、FOUP等)が安着される。キャリヤー4には工程に提供される基板W及び工程処理が完了された基板Wが収納される。移送フレーム21はロードポート10と処理モジュール30との間に配置される。移送フレーム21はその内部に配置され、ロードポート10と処理モジュール30との間に基板Wを移送する第1移送ロボット25を含む。第1移送ロボット25は第2方向12に具備された移送レール27に沿って移動してキャリヤー4と処理モジュール30との間に基板Wを移送する。
【0034】
処理モジュール30はロードロックチャンバー40、トランスファーチャンバー50、及びプロセスチャンバー60を含む。
【0035】
ロードロックチャンバー40は移送フレーム21に隣接するように配置される。一例として、ロードロックチャンバー40はトランスファーチャンバー50と設備前方端部モジュール20との間に配置されることができる。ロードロックチャンバー40は工程に提供される基板Wがプロセスチャンバー60に移送される前、又は工程処理が完了された基板Wが設備前方端部モジュール20に移送される前に待機する空間を提供する。
【0036】
トランスファーチャンバー50はロードロックチャンバー40に隣接するように配置される。トランスファーチャンバー50は上部から見る時、多角形の本体を有する。
図3を参照すれば、トランスファーチャンバー50は上部から見る時、五角形の本体を有する。本体の外側には、ロードロックチャンバー40と複数のプロセスチャンバー60が本体の周辺に沿って配置される。本体の各側壁には、基板Wが出入りする通路(未図示)が形成され、通路はトランスファーチャンバー50とロードロックチャンバー40又はプロセスチャンバー60を連結する。各通路には、通路を開閉して内部を密閉させるドア(未図示)が提供される。トランスファーチャンバー50の内部空間にはロードロックチャンバー40とプロセスチャンバー60との間に基板Wを移送する第2移送ロボット53が配置される。第2移送ロボット53はロードロックチャンバー40で待機する未処理された基板Wをプロセスチャンバー60に移送するか、或いは工程処理が完了された基板Wをロードロックチャンバー40に移送する。そして、複数のプロセスチャンバー60に基板Wを順次的に提供するためにプロセスチャンバー60の間に基板Wを移送する。
図3のように、トランスファーチャンバー50が五角形の本体を有する時、設備前方端部モジュール20と隣接する側壁にはロードロックチャンバー40が各々配置され、残りの側壁にはプロセスチャンバー60が連続して配置される。トランスファーチャンバー50は前記形状のみならず、要求される工程モジュールに応じて多様な形態に提供されることができる。
【0037】
プロセスチャンバー60はトランスファーチャンバー50の周辺に沿って配置される。プロセスチャンバー60は複数に提供されることができる。各々のプロセスチャンバー60内では基板Wに対する工程処理が進行される。プロセスチャンバー60は第2移送ロボット53から基板Wが移送されて工程処理をし、工程処理が完了された基板Wを第2移送ロボット53に提供する。各々のプロセスチャンバー60で進行される工程処理は互いに異なることができる。以下、プロセスチャンバー60の中でプラズマ処理工程を遂行する基板処理装置1000に対して詳細に説明する。
【0038】
図3は本発明の一実施形態による基板処理装置を示す図面である。例えば、
図3は
図2のプロセスチャンバーの中でプラズマ処理工程を示す図面である。
図3を参照すれば、基板処理装置1000はプラズマを利用して基板W上に所定の工程を遂行する。一例として、基板処理装置1000は基板W上の薄膜を蝕刻又はアッシングすることができる。薄膜はポリシリコン膜、シリコン酸化膜、及びシリコン窒化膜等の多様な種類の膜である。また、薄膜は自然酸化膜や化学的に生成された酸化膜である。
【0039】
基板処理装置1000は工程処理部200、プラズマ発生部400、そして排気部600を有する。
【0040】
工程処理部200は基板Wが置かれ、基板に対する処理が遂行される処理空間212を提供する。プラズマ発生部400は工程ガスを放電させてプラズマ(Plasma)を生成させ、これを工程処理部200の処理空間212に供給する。排気部600は工程処理部200の内部に留まる工程ガス及び/又は基板処理過程で発生した反応副産物等を外部に排出し、工程処理部200内の圧力を設定圧力に維持する。
【0041】
工程処理部200はハウジング210、支持ユニット230、そしてバッフル250を含むことができる。
【0042】
ハウジング210の内部には基板処理工程を遂行する処理空間212を有することができる。ハウジング210は上部が開放され、側壁には、開口(未図示)が形成されることができる。基板Wは開口を通じてハウジング210の内部に出入する。開口はドア(未図示)のような開閉部材によって開閉されることができる。また、ハウジング210の底面には排気ホール214が形成される。排気ホール214を通じて処理空間212内の工程ガス及び/又は副産物を処理空間212の外部に排気することができる。排気ホール214は後述する排気部600を含む構成と連結されることができる。
【0043】
支持ユニット230は処理空間212で基板Wを支持する。支持ユニット230は支持プレート232、そして支持軸234を含むことができる。支持プレート232は処理空間212で基板Wを支持することができる。支持プレート232は支持軸234によって支持されることができる。支持プレート232は外部電源と連結され、印加された電力によって静電気を発生させることができる。発生された静電気が有する静電気力は基板Wを支持ユニット230に固定させることができる。
【0044】
支持軸234は対象物を移動させることができる。例えば、支持軸234は基板Wを上下方向に移動させることができる。一例として、支持軸234は支持プレート232と結合され、支持プレート232を乗下降して基板Wを移動させることができる。
【0045】
バッフル250は支持ユニット230と対向するように支持ユニット230の上部に位置する。バッフル250は支持ユニット230とプラズマ発生部400との間に配置されることができる。プラズマ発生部400で発生されるプラズマはバッフル250に形成された複数のホール252を通過することができる。
【0046】
バッフル250は、処理空間212に流入されるプラズマP及び/又は工程ガスGが基板Wに均一に供給されるようにすることができる。バッフル250は支持ユニット230と対向するように支持ユニット230の上部に位置する。バッフル250は支持ユニット230とプラズマ発生部400との間に配置されることができる。つまり、バッフル250は処理空間212と、後述する拡散チャンバー440が有する拡散空間442との間に配置されることができる。また、バッフル250は拡散チャンバー440に結合することができる。また、バッフル250は拡散チャンバー440に着脱可能に結合することができる。プラズマ発生部400で発生されるプラズマはバッフル250に形成された複数のホール252を通過することができる。バッフル250に形成されたホール252はバッフル250の上面から下面まで提供される貫通ホールとして提供され、バッフル250の各領域に均一に形成されることができる。
【0047】
また、バッフル250は、正断面から見る時、その中央領域の厚さが縁部領域の厚さよりも厚い形状を有することができる。また、バッフル250の上面は屈曲した形状を有することができる。例えば、バッフル250の上面は、上に凸にラウンド(Round)になった形状を有することができる。また、バッフル250の下面は平らな形状を有することができる。バッフル250の上面が屈曲した形状を有することによって、後述する拡散チャンバー440に流入されたプラズマP及び/又は工程ガスGが処理空間212に均一に流入されるようにする。
【0048】
プラズマ発生部400はハウジング210の上部に位置されることができる。プラズマ発生部400は工程ガスを放電させてプラズマを生成し、生成されたプラズマを処理空間212に供給することができる。プラズマ発生部400はプラズマチャンバー410、ガス供給ユニット420、電力印加ユニット430、そして拡散チャンバー440を含むことができる。
【0049】
プラズマチャンバー410には上面及び下面が開放された形状を有することができる。プラズマチャンバー410は上面及び下面が開放された筒形状を有することができる。プラズマチャンバー410は上面及び下面が開放された円筒形状を有することができる。プラズマチャンバー410はプラズマ発生空間412を有することができる。また、プラズマチャンバー410は酸化アルミニウム(Al2O3)を含む材質で提供されることができる。プラズマチャンバー410の上面はガス供給ポート414によって密閉されることができる。ガス供給ポート414はガス供給ユニット420と連結されることができる。工程ガスはガス供給ポート414を通じてプラズマ発生空間412に供給されることができる。プラズマ発生空間412に供給されたガスはバッフル250を経て処理空間212に流入されることができる。
【0050】
ガス供給ユニット420は工程ガスを供給することができる。ガス供給ユニット420はガス供給ポート414と連結されることができる。ガス供給ユニット420が供給する工程ガスGはフルオリン(Fluorine)及び/又はハイドロゲン(Hydrogen)を含むことができる。
【0051】
電力印加ユニット430はプラズマ発生空間412に高周波電力を印加する。電力印加ユニット430はプラズマ発生空間412で工程ガスを励起してプラズマを発生させるプラズマソースである。電力印加ユニット430はアンテナ432、電源434を含むことができる。
【0052】
アンテナ432は誘導結合型プラズマ(ICP)アンテナである。アンテナ432はコイル形状に提供されることができる。アンテナ432はプラズマチャンバー410の外部でプラズマチャンバー410に複数回巻かれる。アンテナ432はプラズマチャンバー410の外部で螺旋形にプラズマチャンバー410に複数回巻かれる。アンテナ432はプラズマ発生空間412に対応する領域でプラズマチャンバー410に巻かれる。アンテナ432の一端はプラズマチャンバー410の正断面から見る時、プラズマチャンバー410の上部領域と対応される高さに提供されることができる。アンテナ432の他端はプラズマチャンバー410の正断面から見る時、プラズマチャンバー410の下部領域と対応される高さに提供されることができる。
【0053】
電源434はアンテナ432に電力を印加することができる。電源434はアンテナ432に高周波交流電流を印加することができる。アンテナ432に印加された高周波交流電流はプラズマ発生空間412に誘導電気場を形成することができる。プラズマ発生空間412内に供給される工程ガスは誘導電気場からイオン化に必要とするエネルギーを得てプラズマ状態に変換されることができる。また、電源434はアンテナ432の一端に連結されることができる。電源434はプラズマチャンバー410の上部領域と対応される高さに提供されるアンテナ432の一端に連結されることができる。また、アンテナ432の他端は接地されることができる。プラズマチャンバー410の下部領域と対応される高さに提供されるアンテナ432の他端は接地されることができる。しかし、これに限定されることではなく、アンテナ432の他端に電源434が連結され、アンテナ432の一端が接地されてもよい。
【0054】
拡散チャンバー440はプラズマチャンバー410で発生されたプラズマを拡散させることができる。拡散チャンバー440はプラズマ発生空間412で発生したプラズマP及び/又はプラズマ発生空間412に流入された工程ガスGを処理空間212に均一に伝達されるように拡散させる拡散空間442を有することができる。プラズマ発生空間412で発生したプラズマPは拡散領域442を経て拡散することができる。拡散空間442に流入されたプラズマPはバッフル250を経て処理空間412に流入されることができる。また、拡散チャンバー440はクォーツを含む材質で提供されることができる。
【0055】
拡散チャンバー440はプラズマチャンバー410の下部に配置されることができる。拡散チャンバー440はハウジング210の上部に配置されることができる。つまり、拡散チャンバー440はプラズマチャンバー410とハウジング210との間に配置されることができる。拡散チャンバー440は上部と下部が開放された形状を有することができる。拡散チャンバー440は逆テーパーの形状を有することができる。拡散チャンバー440は連結部440aと拡散部440bを含むことができる。連結部440aはプラズマチャンバ410の底部と連結することができる。連結部440aは上部から見る時、プラズマチャンバ410と同一であるか、或いは類似な直径を有することができる。連結部440aは上から下に行くほど、その直径が一定の形状を有することができる。拡散部440bは連結部440aから下方向に延長されることができる。拡散部440bは下に行くほど、その直径が大きくなることができる。したがって、連結部440aは上部から見る時、拡散部440bよりも小さい直径を有することができる。
【0056】
排気部600は工程処理部200の内部の工程ガス及び不純物を外部に排気することができる。排気部600は基板Wの処理過程で発生する不純物を基板処理装置1000の外部に排気することができる。排気部600は処理空間212内に供給された工程ガスを外部に排気することができる。排気部600は排気ライン602及び減圧部材604を含むことができる。排気ライン602はハウジング210の底面に形成された排気ホール214と連結されることができる。また、排気ライン602は減圧を提供する減圧部材604と連結されることができる。これによって、減圧部材604は処理空間212に減圧を提供することができる。減圧部材604はポンプである。減圧部材604は処理空間212に残留するプラズマ及び不純物をハウジング210の外部に排出することができる。また、減圧部材604は処理空間212の圧力を既設定された圧力に維持するように減圧を提供することができる。
【0057】
拡散プレート700は拡散領域442に流入されたプラズマP及び/又は工程ガスGがバッフル250の中央領域に集中されて伝達されることを最小化することができる。拡散プレート700は拡散領域442に流入されたプラズマP及び/又は工程ガスGがバッフル250の中央領域に集中衝突することを最小化することができる。拡散プレート700は拡散チャンバー440が有する拡散空間442に提供されることができる。拡散プレート700は拡散チャンバー440の連結部440aと拡散部440bとの中で、拡散部440bに配置されることができる。拡散プレート700は連結部440aが形成される拡散領域442と拡散部440bが形成される拡散領域442との中で、拡散部440bが形成される拡散領域442に配置されることができる。
【0058】
図4は
図3の拡散プレートを上部から見た図面である。
図4を参照すれば、拡散プレート700は円板形状を有することができる。拡散プレート700には少なくとも一つ以上の穴あけ702が形成されることができる。拡散プレート700には複数の穴あけ702が形成されることができる。拡散プレート700に形成される穴あけ702は拡散プレート700の上面から拡散プレート700の下面まで延長されて形成されることができる。つまり、拡散プレート700に形成される穴あけ702は拡散プレート700の上面及び下面を貫通して形成されることができる。拡散プレート700は上部から見る時、その中央領域が穴あけ702が形成されていないブロック(Blocking Plate)で提供されることができる。また、拡散プレート700は上部から見る時、その縁部に穴あけ702が形成されることができる。穴あけ702の形状は、円形状を有することができる。また、拡散プレート700はクォーツ、セラミックス、又はアルミニウムの中で少なくともいずれか一つを含む材質で提供されることができる。例えば、拡散プレート700は、クォーツを含む材質で提供されることができる。また、拡散プレート700はセラミックを含む材質で提供されることができる。また、拡散プレート700はアルミニウムを含む材料で提供されることができる。
【0059】
図5は
図3の基板処理装置が基板を処理する様子を示して図である。
図5を参照すれば、プラズマ発生空間412では、ガス供給ユニット420が供給する工程ガスGはプラズマPの状態に励起されることができる。プラズマ発生空間412で発生したプラズマP及び/又はプラズマ発生空間412に供給された工程ガスGはプラズマ発生空間412、拡散空間442、バッフル250を経て処理空間212に流入されることができる。この時、拡散空間442には拡散プレート700が配置され、拡散プレート700の中央領域はブロッキングプレート(Blocking Plate)で提供されるので、バッフル250に伝達されるプラズマP及び/又は工程ガスGがバッフル250の中央領域に集中されていることを最小化することができる。また、拡散プレート700によってプラズマP及び/又は工程ガスGの流動の速度が減少されて、拡散空間442での工程ガスG及び/又はプラズマPの拡散がより効率的に行われるようにする。したがって、処理空間212に流入される工程ガスG及び/又はプラズマPが支持ユニット230に支持される基板Wにより均一に伝達されるようにする。
【0060】
また、本発明の一実施形態によるブロッキングプレート(Blocking Plate)は拡散チャンバー440の連結部440aと拡散部440bとの中で、拡散部440bに提供される。連結部440aが形成される拡散領域442に流入されたプラズマP及び/又は工程ガスGは拡散部440bが形成される拡散領域442に流入される。この時、拡散部440bが形成する拡散領域442の体積が連結部440aが形成する拡散領域442の体積よりも大きい。したがって、拡散部440bが形成する拡散領域442に流入されるプラズマP及び/又は工程ガスGの流速はさらに遅くなる。したがって、プラズマP及び/又は工程ガスGとの衝突による拡散プレート700の温度上昇をより効率的に減少させることができる。拡散プレート700に形成された穴あけ702に流れるプラズマP及び/又は工程ガスGはその流速が遅くなりながら、拡散空間442から効率的に拡散することができる。
【0061】
図6は拡散プレートが拡散チャンバーに提供される場合のバッフル中央領域の温度変化と、拡散プレートが拡散チャンバーに提供されていない場合のバッフル中央領域の温度変化を概略的に示す図面である。
図6を参照すれば、第1温度変化線C1は拡散チャンバー440に拡散プレート700が提供されない場合、バッフルの中央領域の温度変化を示している。第2温度変化線C2は拡散チャンバー440に拡散プレート700が提供される場合、バッフルの中央領域の温度変化を示している。
図6からも確認できるように、拡散チャンバー440に拡散プレート700が提供されない場合には、バッフル250の中央領域の温度は第1温度T1まで上昇するが、拡散チャンバー440に拡散プレート700が提供される場合には、バッフル250の中央領域の温度は第2温度T2まで上昇することができる。第2温度T2は、第1温度T1よりも低い温度であることができる。すなわち、本発明の一実施形態による拡散プレート700が拡散チャンバー440に提供されてバッフル250の中央領域の温度が過度に上昇することを最小化することができる。したがって、バッフル250の熱変形を最小化することができる。また、処理空間212にプラズマP及び/又は工程ガスGがより均一に伝達されるようにすることができる。
【0062】
図7は本発明の他の実施形態による基板処理装置を示す図である。
図7を参照すれば、拡散プレート700aに形成される穴あけ702aは傾くように形成することができる。例えば、穴あけ702aは穴あけ702aに流れる工程ガスG及び/又はプラズマPが上部から見た拡散プレート700aの中央領域から縁部に向かう方向に流れることができるように下方に傾くように拡散プレート700aに形成されることができる。この場合、拡散チャンバー440からのプラズマP及び/又は工程ガスGの拡散はより効率的に行うことができる。
【0063】
上述した例では、拡散プレート700に形成される穴あけ702が円形状を有することを例として挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、
図8に示すように拡散プレート700bに形成される穴あけ702bはスリット形状を有することができる。しかし、これに限定されるものではなく、拡散プレートに形成されている穴あけの形状は多様に変形することができる。
【0064】
上述した実施形態はプラズマを利用して基板を処理する装置で多様に適用することができる。例えば、上述した実施形態はプラズマを利用してエシン工程、蒸着工程、蝕刻工程、又はクリーン工程を遂行する多様ななデバイスに同一又は類似に適用することができる。
【0065】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むこととして解析されなければならない。
【符号の説明】
【0066】
200 工程処理部
210 ハウジング
212 処理空間
250 バッフル
400 プラズマ発生部
410 プラズマチャンバー
420 プラズマ発生空間
440 拡散チャンバー
442 拡散空間
700 拡散プレート
702 穴あけ