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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】電話システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 3/58 20060101AFI20220802BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H04Q3/58 101
H04M3/42 R
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022049842
(22)【出願日】2022-03-25
【審査請求日】2022-03-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522120554
【氏名又は名称】HY技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山宮 耕二
(72)【発明者】
【氏名】小泉 武彦
【審査官】白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-182710(JP,A)
【文献】特開2015-029190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q3/58-3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通話機能をもつ内線固定端末、または、音声通話機能および通知送受信機能をもつ電子端末から構成された内線端末を呼制御する電話システムであって、
代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合、当該代表電話番号が割り当てられたグループに所属する前記電子端末である所属電子端末の外線電話番号を検索する番号検索部と、
前記所属電子端末の外線電話番号を含む代表着信情報を送信する第1情報送信部と、
前記代表着信情報を受信した場合、プッシュ通知サーバに、前記代表着信があった旨の通知を示すプッシュ通知を前記所属電子端末に配信するように要求する第1通知要求部と、
前記内線端末が前記代表着信に応答した場合、当該代表着信に応答した端末である着信応答端末に関する着信応答情報を送信する第2情報送信部と、
前記着信応答情報を受信した場合、前記プッシュ通知サーバに、前記着信応答端末が代表着信に応答した旨の通知を示すプッシュ通知を、前記所属電子端末のうち前記着信応答端末以外の他の所属電子端末に配信するように要求する第2通知要求部と、
前記第1情報送信部による前記代表着信情報の送信を許容しつつ、前記代表着信があった場合、当該代表着信の着信先のグループに所属する前記内線固定端末のみを呼び出す第1呼制御部と、
前記第1情報送信部による前記代表着信情報の送信を禁止しつつ、前記代表着信があった場合、当該代表着信の着信先のグループに所属する全ての前記内線端末を呼び出す第2呼制御部と、
前記代表着信があった場合に前記第1呼制御部による呼制御を実行するか、または前記第2呼制御部による呼制御を実行するかを、前記所属電子端末の数または現在時刻に応じて切り替える呼制御切替部と、
を備える、電話システム。
【請求項2】
前記番号検索部は、発信元の電話番号、現在時刻、または前記所属電子端末ごとの固有情報に応じて検索対象を変更する、請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
前記代表着信の履歴を連絡するための処理を行う着信履歴連絡部をさらに備える、請求項1又は2に記載の電話システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、構内交換機能を有する電話システムに携帯電話網を介して携帯端末を接続し、当該携帯端末に内線番号を付与することにより、電話システムを含む内線電話ネットワークに携帯端末を内線端末として収容する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された電話システムによれば、内線端末の所属グループを代表する電話番号を指定した着信(以下、代表着信)がある場合、グループに所属する全ての固定端末および携帯端末を同時に呼び出すことができる。
また、特許文献2に開示された電話システムでは、代表着信があった場合、グループに所属する携帯端末の所在情報に基づいて当該携帯端末に対する着信通知の要否を判定する。特許文献2における上記着信通知は「呼び出し」に相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-101437号公報
【文献】特開2013-207320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1にかかる技術では、代表着信があった場合、グループに所属する全ての携帯端末を対象とした同時多数の呼び出しを行う。また、特許文献2にかかる技術では、代表着信があった場合、グループに所属する携帯端末のうち、所在情報が所定の条件を満たす全ての携帯端末を対象とした同時多数の呼び出しを行う。
【0006】
ところが、上記同時多数の呼び出しを行おうとすると、電話システムと携帯端末との間の通信ネットワークを管理する外部のシステムがサイバー攻撃と判断し、呼び出しが実現されない可能性がある。仮に同時多数の呼び出しが実現したとしても、携帯端末側から見て、呼び出しが代表着信なのか個別着信なのかを判別することが難しいという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、携帯端末を含む電子端末が代表着信に応答可能となる電話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明にかかる電話システムは、音声通話機能をもつ内線固定端末、または、音声通話機能および通知送受信機能をもつ電子端末から構成された内線端末を呼制御する。電話システムは、番号検索部と、第1情報送信部と、第1通知要求部と、第2情報送信部と、第2通知要求部とを備える。
番号検索部は、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合、当該代表電話番号が割り当てられたグループに所属する電子端末である所属電子端末の外線電話番号を検索する。
【0009】
第1情報送信部は、所属電子端末の外線電話番号を含む代表着信情報を送信する。
第1通知要求部は、代表着信情報を受信した場合、プッシュ通知サーバに、代表着信があった旨の通知を示すプッシュ通知を所属電子端末に配信するように要求する。
第2情報送信部は、内線端末が代表着信に応答した場合、当該代表着信に応答した端末である着信応答端末に関する着信応答情報を送信する。
第2通知要求部は、着信応答情報を受信した場合、プッシュ通知サーバに、着信応答端末が代表着信に応答した旨の通知を示すプッシュ通知を、所属電子端末のうち着信応答端末以外の他の所属電子端末に配信するように要求する。
【0010】
本発明にかかる通信システムは、音声通話機能をもつ内線固定端末、または、音声通話機能および通知送受信機能をもつ電子端末から構成された内線端末を呼制御する。通信システムは、番号検索部と、第1情報送信部と、第1通知要求部と、第1プッシュ通知部と、第2情報送信部と、第2通知要求部と、第2プッシュ通知部とを備える。
番号検索部は、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合、当該代表電話番号が割り当てられたグループに所属する電子端末である所属電子端末の外線電話番号を検索する。
【0011】
第1情報送信部は、所属電子端末の外線電話番号を含む代表着信情報を送信する。
第1通知要求部は、代表着信情報を受信した場合、代表着信があった旨の通知を示すプッシュ通知を所属電子端末に配信するように要求する。
第1プッシュ通知部は、第1通知要求部からプッシュ通知の配信要求があった場合、代表着信があった旨の通知を示すプッシュ通知を所属電子端末に配信する。
第2情報送信部は、内線端末が代表着信に応答した場合、当該代表着信に応答した端末である着信応答端末に関する着信応答情報を送信する。
第2通知要求部は、着信応答情報を受信した場合、着信応答端末が代表着信に応答した旨の通知を示すプッシュ通知を、所属電子端末のうち着信応答端末以外の他の所属電子端末に配信するように要求する。
第2プッシュ通知部は、第2通知要求部からプッシュ通知の配信要求があった場合、着信応答端末が代表着信に応答した旨の通知を示すプッシュ通知を前記他の所属電子端末に配信する。
【0012】
また、本発明にかかる第1のプログラムは、5つのステップを電話システムに実行させる。
第1のステップは、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合、当該代表電話番号が割り当てられたグループに所属する電子端末である所属電子端末の外線電話番号を検索するステップである。
第2のステップは、所属電子端末の外線電話番号を含む代表着信情報を送信するステップである。
第3のステップは、代表着信情報を受信した場合、プッシュ通知サーバに、代表着信があった旨の通知を示すプッシュ通知を所属電子端末に配信するように要求するステップである。
【0013】
第4のステップは、内線端末が代表着信に応答した場合、当該代表着信に応答した端末である着信応答端末に関する着信応答情報を送信するステップである。
第5のステップは、着信応答情報を受信した場合、プッシュ通知サーバに、着信応答端末が代表着信に応答した旨の通知を示すプッシュ通知を、所属電子端末のうち着信応答端末以外の他の所属電子端末に配信するように要求するステップである。
【0014】
また、本発明にかかる第2のプログラムは、7つのステップを通信システムに実行させる。
第1のステップは、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合、当該代表電話番号が割り当てられたグループに所属する電子端末である所属電子端末の外線電話番号を検索するステップである。
第2のステップは、所属電子端末の外線電話番号を含む代表着信情報を送信するステップである。
第3のステップは、代表着信情報を受信した場合、代表着信があった旨の通知を示すプッシュ通知を所属電子端末に配信するように要求するステップである。
【0015】
第4のステップは、第3のステップによる通知の配信要求があった場合、代表着信があった旨の通知を示すプッシュ通知を所属電子端末に配信するステップである。
第5のステップは、内線端末が代表着信に応答した場合、当該代表着信に応答した端末である着信応答端末に関する着信応答情報を送信するステップである。
第6のステップは、着信応答情報を受信した場合、着信応答端末が代表着信に応答した旨の通知を示すプッシュ通知を、所属電子端末のうち着信応答端末以外の他の所属電子端末に配信するように要求するステップである。
第7のステップは、第6ステップによる通知の配信要求があった場合、着信応答端末が代表着信に応答した旨の通知を示すプッシュ通知を前記他の所属電子端末に配信するステップである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、代表着信があった場合、電子端末には携帯電話網を介した呼び出しではなく、代表着信があった旨の通知を示すプッシュ通知が配信される。これにより、外部のシステムにサイバー攻撃と判断されることを回避しつつ、プッシュ通知の配信後に電子端末と電話システムとの間で代表着信に応答するか否かのやり取りが可能となる。そのため、電子端末が代表着信に応答可能となる。
また本発明によれば、内線端末が代表着信に応答した場合、応答した端末以外の他の電子端末には、特定の端末が代表着信に応答した旨の通知を示すプッシュ通知が配信される。そのため、応答した端末以外の他の電子端末のユーザが、特定の端末が代表着信に応答したことを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態にかかる通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態にかかる電話制御装置に記憶された、着信先の端末の電話番号に関する管理情報を例示する図である。
図3】第1実施形態にかかる電話制御装置に記憶された、代表着信に関する管理情報を例示する図である。
図4】第1実施形態にかかる通信システムにおいて、代表着信があった旨の通知を示すプッシュ通知が配信されたときの電子端末の画面表示を例示する図である。
図5】第1実施形態にかかる電話システムへの代表着信中に、当該代表着信に応答するか否かの選択肢が表示された電子端末の選択画面を例示する図である。
図6】第1実施形態にかかる電話システムへの代表着信中に、当該代表着信に応答するための操作ボタンが表示された電子端末の番号入力画面を例示する図である。
図7】第1実施形態にかかる通信システムにおいて、代表着信に特定の端末が応答した旨の通知を示すプッシュ通知が配信されたときの電子端末の画面表示を例示する図である。
図8】第1実施形態にかかる通信システムにおいて、着信不応答となった旨の通知を示すプッシュ通知が配信されたときの電子端末の画面表示を例示する図である。
図9】第1実施形態にかかる電話制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図10】第1実施形態にかかる通知制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図11】第1実施形態にかかる通信システムの通信動作を例示するシーケンス図であって、特定の電子端末が代表着信に応答する場合の図である。
図12】第1実施形態にかかる通信システムの通信動作を例示するシーケンス図であって、何れの端末も代表着信に応答しない場合の図である。
図13】第2実施形態にかかる通信システムの構成を示すブロック図である。
図14】第3実施形態にかかる通信システムの構成を示すブロック図である。
図15】第4実施形態にかかる通信システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。複数の実施形態において同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0019】
[第1実施形態]
第1実施形態にかかる通信システム1の全体構成について図1を参照して説明する。図1では、有線接続および無線接続を問わず、各部の接続を実線で示す。
通信システム1は、電話システム10と、プッシュ通知を配信するプッシュ通知サーバ80とを備える。電話システム10は、電話制御装置20および通知制御装置30を備える。電話制御装置20は、電話網41および通信網42に接続されている。通知制御装置30は、通信網42に接続されている。
【0020】
電話網41は、例えば公衆電話網およびIP電話網等である。電話網41には電話端末50が接続されている。通信網42は、例えばインターネット等である。電話網41および通信網42は、携帯電話網43と共に通信ネットワークを構成している。携帯電話網43には電子端末60が接続されている。電話制御装置20には、内線回線44を介して内線固定端末70が接続されている。
【0021】
電話端末50および内線固定端末70は、例えば固定電話機等から構成され、他の端末との音声通話機能を有する。電子端末60は、例えばスマートフォンまたはタブレットなどの携帯端末を含み、音声通話機能および電子的な通知の送受信機能を有する。
【0022】
電話制御装置20は、外線電話および内線電話の発着信の処理(すなわち、発信元と着信先との間の通信路の確保および切断等の処理)である呼制御を行う。外線電話は、外線網である電話網41等を通じて行われる、内線固定端末70と電話端末50または電子端末60との間の音声通話である。内線電話は、内線回線44を通じて行われる内線固定端末70同士の音声通話などである。
【0023】
電話制御装置20は、FMC網45を介して携帯電話網43に接続されている。FMC(Fixed-Mobile Convergence)は、携帯端末等の端末を固定電話機の代わりに内線電話機のように使用するための仕組みである。電話制御装置20は、FMC網45を用いて電話の発着信を制御することで、電子端末60を内線電話機のように使用することを可能とする。内線固定端末70と同様に、電子端末60には内線電話番号が予め割り当てられている。
【0024】
以下において、電話制御装置20を含む内線電話ネットワークに電子端末60を内線電話機として収容することを「内線化」と記載する。また、内線化された電子端末60と内線固定端末70とを区別しない場合、「内線端末」と記載する。内線電話には、内線化された電子端末60と内線固定端末70との間の音声通話、および、内線化された電子端末60同士の音声通話も含まれる。
【0025】
通知制御装置30は、プッシュ通知ネットワークにおけるアプリケーションサーバとしての機能を有する。プッシュ通知は、プッシュ技術と呼ばれる通信方法を用いて送信される通知のことであり、通知リクエストが送信側により開始されるものを指す。電話制御装置20は、所定の情報に基づきプッシュ通知先の電話番号を決定して通知制御装置30に送信する。
【0026】
プッシュ通知ネットワークでは、電子端末60が識別IDにより識別される。識別IDは、通知制御装置30により管理される。通知制御装置30は、電子端末60の電話番号と識別IDとを互いに関連付けて記憶している。通知制御装置30は、プッシュ通知先の電話番号に対応する識別IDと、プッシュ通知により送信するメッセージ(以下、プッシュメッセージ)とを指定して、プッシュ通知サーバ80にプッシュ通知の配信を要求する。
【0027】
プッシュ通知サーバ80は、指定された識別IDおよびプッシュメッセージに基づき電子端末60にプッシュ通知を配信する。プッシュ通知を受信した電子端末60は、プッシュメッセージの画面表示、音または振動等の出力を行う。これにより、電子端末60のユーザは、プッシュメッセージを確認し、必要に応じてプッシュメッセージに応答する操作を行うことができる。
【0028】
プッシュ通知の配信に先立ち、次のようにして識別IDが発行される。まず、電子端末60がプッシュ通知サーバ80に当該電子端末60の登録を依頼する。続いて、プッシュ通知サーバ80が依頼元の電子端末60を登録し、識別IDを発行する。続いて、電子端末60が識別IDを通知制御装置30に送信する。続いて、通知制御装置30が電子端末60の電話番号と識別IDとを互いに関連付けて記憶する。
【0029】
(第1実施形態の機能)
次に、電話制御装置20、通知制御装置30およびプッシュ通知サーバ80が有する機能について図1を参照して説明する。電話制御装置20、通知制御装置30およびプッシュ通知サーバ80は、図示しないCPU、RAM、ROMおよび入出力インタフェース等を備えたコンピュータを含むように構成されている。
【0030】
電話制御装置20は、主な機能部として、記憶部21、呼制御部22、番号検索部23および情報送信部24を有する。通知制御装置30は、主な機能部として、記憶部31および通知要求部32を有する。
【0031】
記憶部21、31は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、電話制御装置20、通知制御装置30における各種処理を実現するためのプログラム、および各種処理に必要な情報を記憶している。上記プログラムおよび情報は、図示しない外部装置または記録媒体から記憶部21、31に予め読み込まれて保存される。記憶部21、31は、物理的に分かれた複数の記憶装置から構成されてもよい。
【0032】
図2は、記憶部21に記憶された「着信先の端末の電話番号に関する管理情報」を示す。外線電話番号は、電話網41の管理会社との契約時に予め電話制御装置20に割り当てられた電話番号であり、電話網41で管理される。外線電話番号は、例えば電話端末50等の発信元の端末から着信先の端末の電話番号として指定される。
【0033】
内線電話番号は、電話制御装置20で管理される電話番号であり、発信元の内線固定端末70または内線化された電子端末60から着信先の端末の電話番号として指定される。内線電話番号には、個別内線電話番号と代表内線電話番号とがある。個別内線電話番号は、端末ごとに個別に割り当てられた内線電話番号である。代表内線電話番号は、1つまたは複数の内線端末が所属するグループごとに割り当てられた内線電話番号である。つまり、代表内線電話番号は、内線端末が所属するグループを代表する内線電話番号である。
【0034】
図2の管理情報は、外線電話番号と、内線電話番号と、着信先の内線端末またはグループとを互いに関連付けて記憶したものである。このような管理情報により、例えば外線電話番号「03-XXXX-XX01」に関連付けられた着信先は、「グループA」に所属する内線端末であることがわかる。また、例えば内線電話番号「1101」に関連付けられた着信先は内線固定端末70aであることがわかる。
【0035】
以下において、内線端末の所属グループを代表する電話番号としての代表内線電話番号と代表外線電話番号とを区別しない場合、「代表電話番号」と記載する。また、代表電話番号を指定した着信のことを「代表着信」と記載する。
【0036】
図3は、記憶部21に記憶された「代表着信に関する管理情報」を示す。図3の管理情報は、着信先のグループと、グループに所属する内線端末、内線番号および携帯電話番号とを互いに関連付けて記憶したものである。このような管理情報により、例えば「グループA」に所属する内線端末は、内線番号「1101」が割り当てられた内線固定端末70aと、内線番号「1102」が割り当てられ且つ携帯電話番号「050-XXXX-XX01」をもつ電子端末60aaであることがわかる。
【0037】
図1に戻って、記憶部31は、プッシュ通知サーバ80にプッシュ通知の配信を要求するために必要な情報として、電子端末60を識別するための識別IDと、電子端末60の携帯電話番号とを互いに関連付けて記憶している。
【0038】
呼制御部22は、外線電話または内線電話の着信先がグループである場合、代表着信があったと判定する。呼制御部22は、着信先の端末の電話番号に関する管理情報(図2参照)に基づき着信先を特定する。呼制御部22は、着信先のグループに内線固定端末70が所属している場合、当該所属している内線固定端末70を呼び出すための処理を行う。呼制御部22は、呼び出し中の内線固定端末70が代表着信に応答する場合、当該内線固定端末70を発信元に接続して音声通話可能とするための処理を行う。
【0039】
番号検索部23は、着信先のグループに電子端末60が所属している場合、代表着信に関する管理情報(図3参照)に基づき、「着信先のグループに所属する電子端末60」である所属電子端末60の携帯電話番号(すなわち所属電子端末60の外線電話番号)を検索する。固定電話機である内線固定端末70は、上記検索される対象の端末には含まれない。第1情報送信部としての情報送信部24は、発信元の電話番号および所属電子端末60の携帯電話番号を含む代表着信情報を通知制御装置30に送信する。
【0040】
第1通知要求部としての通知要求部32は、代表着信情報を受信した場合、「代表着信があった旨の通知」である代表着信通知を所属電子端末60に配信することを、プッシュ通知サーバ80に要求する。具体的には通知要求部32は、代表着信情報に基づき、所属電子端末60の携帯電話番号に対応する識別IDと、特定の電話番号から代表着信があった旨のプッシュメッセージとを指定して、プッシュ通知サーバ80にプッシュ通知の配信を要求する。
【0041】
第1プッシュ通知部としてのプッシュ通知サーバ80は、通知要求部32から通知の配信要求があった場合、代表着信通知を示すプッシュ通知を所属電子端末60に配信する。例えば、所属電子端末60は、上記プッシュ通知があった場合、図4に示すように特定の電話番号から代表着信があった旨のプッシュメッセージとして、「XX-XXXX-XXXXから着信があります」と画面に表示する。所属電子端末60は、プッシュメッセージの画面がタップされると、図5に示すように代表着信に応答するか否かの選択肢を画面に表示する。所属電子端末60は、代表着信に応答する選択がなされた場合、図6に示すように代理応答するための特番入力用の操作ボタンを画面に表示する。
【0042】
図1に戻って、呼制御部22は、所属電子端末60から代表着信に応答するための返信があった場合、すなわち代理応答するための特番を所属電子端末60から受信した場合、当該所属電子端末60を発信元に接続して音声通話可能とする処理を行う。
【0043】
第2情報送信部としての情報送信部24は、内線固定端末70または所属電子端末60が代表着信に応答した場合、代表着信に応答した端末である着信応答端末に関する着信応答情報を通知制御装置30に送信する。
【0044】
第2通知要求部としての通知要求部32は、着信応答情報を受信した場合、「特定の端末が代表着信に応答した旨の通知」である着信応答通知を、所属電子端末60のうち着信応答端末以外の「他の所属電子端末60」に配信することを、プッシュ通知サーバ80に要求する。具体的には通知要求部32は、着信応答情報に基づき、他の所属電子端末60の携帯電話番号に対応する識別IDと、特定の端末が代表着信に応答した旨のプッシュメッセージとを指定して、プッシュ通知サーバ80にプッシュ通知の配信を要求する。
【0045】
第2プッシュ通知部としてのプッシュ通知サーバ80は、通知要求部32から通知の配信要求があった場合、着信応答通知を示すプッシュ通知を他の所属電子端末60に配信する。例えば、他の所属電子端末60は、上記プッシュ通知があった場合、図7に示すように特定の端末が代表着信に応答した旨のプッシュメッセージとして、「XX-XXXX-XXXXからの着信にXXさんが応答しました」と画面に表示する。
【0046】
図1に戻って、情報送信部24は、いずれの端末も代表着信に応答しないまま当該代表着信が途絶えた場合、そのことに関する着信不応答情報を通知制御装置30に送信する。
【0047】
通知要求部32は、着信不応答情報を受信した場合、「着信不応答となった旨の通知」である着信不応答通知を所属電子端末60に配信することを、プッシュ通知サーバ80に要求する。具体的には通知要求部32は、着信不応答情報に基づき、全ての所属電子端末60に対応する識別IDと、着信不応答となった旨のプッシュメッセージとを指定して、プッシュ通知サーバ80にプッシュ通知の配信を要求する。
【0048】
プッシュ通知サーバ80は、着信不応答通知を示すプッシュ通知を全ての所属電子端末60に配信する。例えば、所属電子端末60は、上記プッシュ通知があった場合、図8に示すように着信不応答となった旨のプッシュメッセージとして、「XX-XXXX-XXXXから着信に何れの端末も応答しませんでした」と画面に表示する。
【0049】
以上の機能部のうち、呼制御部22、番号検索部23、情報送信部24、通知要求部32、およびプッシュ通知サーバ80のプッシュ通知部は、CPUがRAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムを実行することによるソフトウェア処理により実現される。通信システム1で用いられる上記プログラムは、記憶部21、31またはプッシュ通知サーバ80に記憶されており、上記各種機能部が実行する処理に対応するステップを備えている。
【0050】
(第1実施形態の処理)
次に、図9および図10を参照して、電話システム10の各種機能部が実行する処理について説明する。
電話制御装置20は、呼制御部22が代表着信ありと判定した場合に図9に示す処理を開始する。まず、呼制御部22は、着信先の端末の電話番号に関する管理情報(図2参照)に基づき着信先を特定する(ステップS100)。
【0051】
次に、呼制御部22は、着信先のグループに内線固定端末70が所属しているか否かを判定する(ステップS101)。着信先のグループに内線固定端末70が所属している場合(ステップ101:YES)、呼制御部22は当該所属している内線固定端末70を呼び出すための処理を行う(ステップS102)。一方、着信先のグループに内線固定端末70が所属していない場合(ステップ101:NO)、処理は次のステップS103に進む。
【0052】
次に、呼制御部22は、着信先のグループに電子端末60が所属しているか否かを判定する(ステップS103)。着信先のグループに電子端末60が所属している場合(ステップ103:YES)、番号検索部23は、代表着信に関する管理情報(図3参照)に基づき、所属電子端末60の携帯電話番号を検索する(ステップS104)。続いて、情報送信部24は、発信元の電話番号および所属電子端末60の携帯電話番号を含む代表着信情報を通知制御装置30に送信する(ステップS105)。一方、着信先のグループに電子端末60が所属していない場合(ステップ103:NO)、処理はステップS106に進む。
【0053】
次に、呼制御部22は、呼び出し中の内線固定端末70が代表着信に応答するか否かを判定する(ステップS106)。呼び出し中の内線固定端末70が代表着信に応答する場合(ステップS106:YES)、呼制御部22は、当該内線固定端末70を発信元に接続して音声通話可能とするための処理を行う(ステップS107)。続いて、情報送信部24は、代表着信に応答した内線固定端末70に関する着信応答情報を通知制御装置30に送信し(ステップS108)、一連の処理を終了する。
【0054】
一方、呼び出し中の内線固定端末70が代表着信に応答しない場合(呼び出し中の内線固定端末70が無い場合も含む)(ステップS106:NO)、呼制御部22は、代理応答するための特番を所属電子端末60から受信したか否かを判定する(ステップS109)。代理応答するための特番を所属電子端末60から受信した場合(ステップS109:YES)、呼制御部22は、当該所属電子端末60を発信元に接続して音声通話可能とするための処理を行う(ステップS110)。続いて、情報送信部24は、代表着信に応答した電子端末60に関する着信応答情報を通知制御装置30に送信し(ステップS111)、一連の処理を終了する。
【0055】
一方、代理応答するための特番を所属電子端末60から受信していない場合(ステップS109:NO)、呼制御部22は、代表着信が継続中であるか否かを判定する(ステップS112)。代表着信が継続中である場合(ステップS112:YES)、処理はステップS106に戻る。一方、代表着信が継続中ではない場合、すなわち代表着信が途絶えた場合(ステップS112:NO)、情報送信部24は、着信不応答となったことに関する着信不応答情報を通知制御装置30に送信し(ステップS113)、一連の処理を終了する。
【0056】
通知制御装置30は、呼制御部22が代表着信ありと判定した場合に図10に示す処理を開始する。まず、通知要求部32は、代表着信情報を受信したか否かを判定する(ステップS200)。代表着信情報を受信した場合(ステップS200:YES)、通知要求部32は、代表着信情報に基づき、所属電子端末60の携帯電話番号に対応する識別IDと、特定の電話番号から代表着信があった旨のプッシュメッセージとを指定して、プッシュ通知サーバ80にプッシュ通知の配信を要求する(S201)。一方、代表着信情報を受信していない場合(ステップS200:NO)、処理はステップS202に進む。
【0057】
次に、通知要求部32は、着信応答情報を受信したか否かを判定する(ステップS202)。着信応答情報を受信した場合(ステップS202:YES)、通知要求部32は、着信応答情報に基づき、所属電子端末60のうち代表着信に応答した端末以外の「他の所属電子端末60」の携帯電話番号に対応する識別IDと、特定の端末が代表着信に応答した旨のプッシュメッセージとを指定して、プッシュ通知サーバ80にプッシュ通知の配信を要求し(ステップS203)、一連の処理を終了する。
【0058】
一方、着信応答情報を受信していない場合(ステップS202:NO)、通知要求部32は、着信不応答情報を受信したか否かを判定する(ステップS204)。着信不応答情報を受信した場合(ステップS204:YES)、通知要求部32は、着信不応答情報に基づき、全ての所属電子端末60に対応する識別IDと、着信不応答となった旨のプッシュメッセージとを指定して、プッシュ通知サーバ80にプッシュ通知の配信を要求し(ステップS205)、一連の処理を終了する。一方、着信不応答情報を受信していない場合(ステップS204:NO)、処理はステップS202に戻る。
【0059】
(第1実施形態の動作)
次に、図11および図12を参照して、通信システム1を含む通信ネットワークの通信動作について説明する。図11および図12における「S」は、図9および図10における「ステップS」に対応する。
【0060】
図11は、代表着信に対して何れかの電子端末60が応答する場合の通信動作を示す。電話端末50aは、グループAの代表電話番号を指定して発信する(ステップS90)。電話制御装置20は、内線固定端末70aを呼び出すための処理を行う(ステップS102)。続いて、電話制御装置20は、代表着信情報を通知制御装置30に送信する(ステップS105)。
【0061】
通知制御装置30は、グループAに所属する電子端末60aa、60abに対応する識別IDと、電話端末50aから代表着信があった旨のプッシュメッセージとを指定して、プッシュ通知サーバ80にプッシュ通知の配信を要求する(ステップS201)。プッシュ通知サーバ80は、代表着信通知を示すプッシュ通知を電子端末60aa、60abに配信する(ステップS300)。
【0062】
電子端末60abは、代表着信に代理応答するための特番を電話制御装置20に送信する(ステップS400)。電話制御装置20は、電話端末50aに対して発信への応答を送信し、電子端末60abと電話端末50aとの接続処理を行う(ステップS110)。これにより、電子端末60abと電話端末50aとの通話が開始する(ステップS500)。
【0063】
電話制御装置20は、着信応答情報を通知制御装置30に送信する(ステップS111)。通知制御装置30は、着信応答端末(電子端末60ab)以外の他の端末である電子端末60aaに対応する識別IDと、電子端末60abが代表着信に応答した旨のプッシュメッセージとを指定して、プッシュ通知サーバ80にプッシュ通知の配信を要求する(ステップS203)。プッシュ通知サーバ80は、着信応答通知を示すプッシュ通知を電子端末60aaに配信する(ステップS301)。
【0064】
図12は、何れの端末も代表着信に応答しないまま当該代表着信が途絶えた場合の通信動作を示す。図11に示す通信動作と同じものには同一の符号を付して説明を省略する。電話端末50aが発信を切断すると(ステップS91)、電話制御装置20は、着信不応答情報を通知制御装置30に送信する(ステップS113)。
【0065】
通知制御装置30は、電子端末60aa、60abに対応する識別IDと、着信不応答となった旨のプッシュメッセージとを指定して、プッシュ通知サーバ80にプッシュ通知の配信を要求する(ステップS205)。プッシュ通知サーバ80は、着信不応答通知を示すプッシュ通知を電子端末60aa、60abに配信する(ステップS302)。
【0066】
(第1実施形態の効果)
以上説明したように、第1実施形態では、通信システム1の電話システム10は、番号検索部23と、第1情報送信部としての情報送信部24と、第1通知要求部としての通知要求部32とを備える。
番号検索部23は、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合、当該代表電話番号が割り当てられたグループに所属する電子端末である所属電子端末60の外線電話番号を検索する。
情報送信部24は、所属電子端末60の外線電話番号を含む代表着信情報を通知要求部32に送信する。
通知要求部32は、代表着信情報を受信した場合、プッシュ通知サーバ80に、代表着信があった旨の通知を示すプッシュ通知を所属電子端末60に配信するように要求する。
また、電話システム10に記憶されたプログラムは、番号検索部23、情報送信部24および通知要求部32が実行する上記処理に対応するステップを備えている。
【0067】
これによれば、代表着信があった場合、電子端末60には携帯電話網43を介した呼び出しではなく、代表着信があった旨の通知を示すプッシュ通知が配信される。これにより、外部のシステムにサイバー攻撃と判断されることを回避しつつ、プッシュ通知の配信後に電子端末60と電話システム10との間で代表着信に応答するか否かのやり取りが可能となる。そのため、電子端末60が代表着信に応答可能となる。
【0068】
また、第1実施形態では、電話システム10は、第2情報送信部としての情報送信部24と、第2通知要求部としての通知要求部32とを備える。
情報送信部24は、内線端末が代表着信に応答した場合、当該代表着信に応答した端末である着信応答端末に関する着信応答情報を通知要求部32に送信する。
通知要求部32は、着信応答情報を受信した場合、着信応答端末が代表着信に応答した旨の通知を示すプッシュ通知を、所属電子端末60のうち着信応答端末以外の他の所属電子端末60に配信することをプッシュ通知サーバ80に要求する。
また、電話システム10に記憶されたプログラムは、情報送信部24および通知要求部32が実行する上記処理に対応するステップを備えている。
【0069】
これによれば、内線端末が代表着信に応答した場合、応答した端末以外の他の電子端末60には、特定の端末が代表着信に応答した旨の通知を示すプッシュ通知が配信される。そのため、応答した端末以外の他の電子端末60のユーザが、特定の端末が代表着信に応答したことを把握することができる。
【0070】
[第2実施形態]
第2実施形態にかかる電話システム10について図13を参照して説明する。電話システム10は、第1呼制御部22、第2呼制御部25および呼制御切替部26を備える。
第1呼制御部22は、第1実施形態における呼制御部22と同じように呼制御を行う。具体的には、第1呼制御部22は、情報送信部24による代表着信情報の送信を許容しつつ、代表着信があった場合、当該代表着信の着信先のグループに所属する内線固定端末70のみを呼び出す。着信先のグループに所属する電子端末60は呼び出さない。
【0071】
第2呼制御部25は、情報送信部24による代表着信情報の送信を禁止しつつ、代表着信があった場合、当該代表着信の着信先のグループに所属する全ての内線端末(すなわち全ての内線固定端末70および電子端末60)を呼び出す。
【0072】
呼制御切替部26は、代表着信があった場合に第1呼制御部22による呼制御を実行するか、または第2呼制御部25による呼制御を実行するかを、所属電子端末60の数または現在時刻に応じて切り替える。
【0073】
例えば、呼制御切替部26は、着信先のグループに所属する所属電子端末60の数が所定の閾値以上である場合に第1呼制御部22による呼制御を実行し、また、所属電子端末60の数が前記閾値未満である場合に第2呼制御部25による呼制御を実行する。前記閾値は、同時呼び出しを行った場合に外部システムがサイバー攻撃と判断するおそれのある電子端末60の数の最小値に設定される。これにより、同時呼び出しを行っても外部システムがサイバー攻撃と判断するおそれの無い場合、全ての内線端末を呼び出すことで電子端末60が代表着信にスムーズに応答可能となる。
【0074】
また例えば、呼制御切替部26は、現在時刻が予め設定された第1時間帯である場合に第1呼制御部22による呼制御を実行し、また、現在時刻が予め設定された第2時間帯である場合に第2呼制御部25による呼制御を実行する。これにより、時間帯に合った呼制御を行うことで、代表着信への応答の利便性を向上させることができる。
【0075】
[第3実施形態]
第3実施形態にかかる電話システム10について図14を参照して説明する。番号検索部27は、発信元の電話番号、現在時刻、または所属電子端末60ごとの固有情報に応じて検索対象を変更する。
【0076】
例えば、記憶部21は、発信元の電話番号と、当該発信元からの電話に対応することが望まれる所属電子端末60とを関連付けて予め記憶している。番号検索部27は、同じ代表電話番号を指定した着信があったとしても、発信元の電話番号に応じて、検索する所属電子端末60の携帯電話番号を変更する。これにより、例えば重要顧客から電話があった場合には熟練社員の電子端末60に絞って代表着信通知を配信する等、状況に応じた臨機応変な対応を自動的に行うことができる。
【0077】
また例えば、記憶部21は、時間帯と、当該時間帯にかかってきた代表着信に対応可能な所属電子端末60とを関連付けて予め記憶している。番号検索部27は、同じ代表電話番号を指定した着信があったとしても、現在時刻に応じて、検索する所属電子端末60の携帯電話番号を変更する。これにより、電子端末60のユーザごとに異なる勤務状況に応じた臨機応変な対応を自動的に行うことができる。
【0078】
また例えば、記憶部21は、所属電子端末60ごとの固有情報として、所属電子端末60のユーザのスケジュールを記憶している。番号検索部27は、同じ所属電子端末60であっても、当該所属電子端末60のユーザの日々変化するスケジュールに応じて、検索対象に入れたり検索対象から外したりする。これにより、電子端末60のユーザごとに異なる勤務状況に応じた臨機応変な対応を自動的に行うことができる。
【0079】
[第4実施形態]
第4実施形態にかかる電話システム10について図15を参照して説明する。電話システム10は、代表着信の履歴を連絡するための処理を行う着信履歴連絡部28を備える。
例えば、着信履歴連絡部28は、代表着信の履歴(すなわち発信元の電話番号、着信時刻、応答したか否かの記録など)を一定期間ごとに例えばメール等の通知により電子端末60に配信する。これにより、着信不応答となった代表着信に対して適切に対処することができる。
【0080】
また例えば、着信履歴連絡部28は、代表着信の履歴をまとめたWebページを作成する。これにより、複数の電子端末60のユーザが当該Webページを閲覧して履歴を確認することで、代表着信の履歴の一元管理を可能とする。
【0081】
[他の実施形態]
他の実施形態では、代表着信中に電子端末から「着信に応答しない旨の返信」があった場合、着信先のグループに所属する他の電子端末に、「特定の端末から着信に応答しない旨の返信があったこと」をプッシュ通知してもよい。これにより、上記他の電子端末のユーザは、自分が応答すべきかどうかの判断材料を得ることができる。
【0082】
他の実施形態では、電子端末に代表着信情報のプッシュ通知を配信するとき、発信元に関する着信履歴を合わせて配信してもよい。これにより、電子端末のユーザは、発信元に関する着信履歴に基づき自分が応答すべきかどうかの判断材料を得ることができる。
【0083】
他の実施形態では、内線化されていない電子端末に代表着信情報のプッシュ通知を配信し、当該電子端末から着信応答の返信があった場合に当該電子端末に電話を転送してもよい。
【0084】
他の実施形態では、着信先のグループに内線固定端末が所属しておらず、複数の電子端末が所属している場合、それらの電子端末のうち予め設定された筆頭の電子端末を呼び出すための処理を行い、他の電子端末に代表着信情報のプッシュ通知を配信してもよい。
【0085】
他の実施形態では、通知制御装置はクラウド型に限らず、構内設置型でもよい。
他の実施形態では、電話制御装置は構内設置型に限らず、クラウド型でもよい。
他の実施形態では、電子端末は、通信網に接続された例えばパソコン等であって、携帯性をもたない端末であってもよい。要するに音声通話機能および通知送受信機能を有する端末であればよい。
【0086】
他の実施形態では、FMCの方式は、MNO(移動体通信事業者)などが提供するFMC網を用いるキャリア型FMCに限らず、電子端末にインストールした専用アプリケーションを用いるアプリ型FMCであってもよい。
【0087】
他の実施形態では、通信システムが備える各種機能部は、専用の電子回路によるハードウェア処理により実現してもよいし、ソフトウェア処理とハードウェア処理との組み合わせにより実現してもよい。また、フローチャート及びシーケンスにおいて、各処理(ステップ)の順序は、適宜変更可能である。
【0088】
以上既に述べた以外にも、上記実施形態による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0089】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0090】
1 通信システム
10 電話システム
23、27 番号検索部
24 情報送信部(第1情報送信部、第2情報送信部)
32 通知要求部(第1通知要求部、第2通知要求部)
60 電子端末
70 内線固定端末
80 プッシュ通知サーバ(第1プッシュ通知部、第2プッシュ通知部)
【要約】
【課題】携帯端末を含む電子端末が代表着信に応答可能となる通信システムを提供する。
【解決手段】通信システム1の電話システム10は、代表着信があった場合、着信先グループの所属電子端末60の携帯電話番号を検索する番号検索部23と、当該携帯電話番号を含む代表着信情報を通知要求部32に送信する情報送信部24と、代表着信情報を受信した場合、プッシュ通知サーバ80に、代表着信がある旨のプッシュ通知を所属電子端末60に配信するように要求する通知要求部32とを備える。情報送信部24は、内線端末が代表着信に応答した場合、着信応答端末に関する着信応答情報を通知要求部32に送信する。通知要求部32は、着信応答情報を受信した場合、プッシュ通知サーバ80に、着信応答端末が代表着信に応答した旨のプッシュ通知を、所属電子端末60のうち着信応答端末以外の他の所属電子端末60に配信するように要求する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15