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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/16 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
A01K85/16
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022086712
(22)【出願日】2022-05-27
【審査請求日】2022-05-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519323551
【氏名又は名称】マドタチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】利川 哲也
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特許第6618065(JP,B1)
【文献】特開2012-231698(JP,A)
【文献】特開2000-228933(JP,A)
【文献】米国特許第06058643(US,A)
【文献】特開2002-281867(JP,A)
【文献】特開2004-275157(JP,A)
【文献】特開2016-2006(JP,A)
【文献】米国特許第4777758(US,A)
【文献】米国特許第4163337(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00-85/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面付近又は水中を遊泳させるルアーであって、
本体部と、
前記本体部の周面に設けられ、遊泳時に水流による抵抗を付与する抵抗部と、
前記本体部の周面に形成され、前記抵抗部を前記本体部の周面に対して交差する軸線周りに回動可能に支持する支持部と、
を備え、
前記抵抗部は、
遊泳時の水流を受け止め可能な抵抗板と、
前記抵抗板の支持側に設けられた軸部と、
を備え、
前記支持部は、
挿入された前記軸部を回動可能に支持する軸挿入部と、
前記軸挿入部の周部に形成され、前記抵抗板の少なくとも一部と係合することにより、前記抵抗板を所定角度に位置決めする位置決め部と、
を有し、前記軸部を前記本体部の下面、上面、前面、及び後面のいずれかに対して交差する軸線周りに回動可能に支持すると共に、前記軸部を支点に前記抵抗板を回動させつつ、回動させた位置で前記抵抗板を位置決め可能であり、
前記軸部は、径方向に向けての付勢により、前記軸挿入部への挿入が許容される係合部を有し、
前記軸挿入部は、前記係合部と係合可能な被係合部を有し、
前記係合部は、径方向に向けての付勢により、前記軸挿入部に沿った前記係合部の進退が許容されるものであり、径方向に向けての付勢が解除された状態において、前記被係合部と係合すると共に、前記抵抗板が前記位置決め部と係合して位置決めされること、を特徴とするルアー。
【請求項2】
水面付近又は水中を遊泳させるルアーであって、
本体部と、
前記本体部の周面に設けられ、遊泳時に水流による抵抗を付与する抵抗部と、
前記本体部の周面に形成され、前記抵抗部を前記本体部の周面に対して交差する軸線周りに回動可能に支持する支持部と、
を備え、
前記抵抗部は、
遊泳時の水流を受け止め可能な抵抗板と、
前記抵抗板の支持側に設けられた軸部と、
を備え、
前記支持部は、
挿入された前記軸部を回動可能に支持する軸挿入部と、
前記軸挿入部の周部に形成され、前記抵抗板の少なくとも一部と係合することにより、前記抵抗板を所定角度に位置決めする位置決め部と、
を有し、前記軸部を前記本体部の下面、上面、前面、及び後面のいずれかに対して交差する軸線周りに回動可能に支持すると共に、前記軸部を支点に前記抵抗板を回動させつつ、回動させた位置で前記抵抗板を位置決め可能であり、
前記軸部は、径方向内側に向けての付勢により非縮径状態から縮径状態に弾性変形可能な係合部を有し、
前記軸挿入部は、非縮径状態の前記係合部と係合可能な被係合部を有し、
前記係合部は、縮径状態において、前記軸挿入部に沿った前記係合部の進退が許容されるものであり、非縮径状態において、前記被係合部と係合すると共に、前記抵抗板が前記位置決め部と係合して位置決めされること、を特徴とするルアー。
【請求項3】
前記支持部は、
挿入された前記軸部を回動可能に支持する軸挿入部と、
前記軸挿入部の周部に形成され、前記抵抗板の少なくとも一部と係合することにより、前記抵抗板を所定角度に位置決めする位置決め部と、
を有しており、
前記軸挿入部は、内部にバネを有し、
前記軸部は、前記軸挿入部の軸線方向に沿って進退が可能であると共に、前記バネによって、前記軸挿入部の内部方向に向けて付勢されており、
前記抵抗部は、前記バネに抗して、前記軸部を前記軸挿入部から退出する方向に引き出すことにより、回動が許容されるものであり、前記抵抗部を所定の角度に回動させた状態で、前記軸部の引き出しを解除することにより、前記バネの付勢によって前記位置決め部と前記抵抗板とが係合して位置決めされること、を特徴とする請求項1に記載のルアー。
【請求項4】
前記支持部は、挿入された前記軸部を回動可能に支持する軸挿入部を有しており、
前記軸部は、
径方向内側に向けての付勢により非縮径状態から縮径状態に弾性変形可能な係合部と、
前記係合部の径方向外側に向けて突出する突起部と、
を有し、
前記軸挿入部は、非縮径状態の前記係合部と係合可能な被係合部を有し、
前記被係合部は、前記抵抗部を所定角度に位置付ける複数のギア溝を有し、
前記突起部は、前記軸部の非縮径状態において前記ギア溝との係合が可能であると共に、前記軸部の縮径状態において、前記ギア溝との係合が解除されるものであり、
前記係合部は、前記軸部の回動方向への付勢により縮径状態に変位すると共に、前記突起部と前記ギア溝との係合が解除されて、回動が許容されるものであり、非縮径状態において、前記突起部が前記ギア溝と係合して位置決めされること、を特徴とする請求項1に記載のルアー。
【請求項5】
前記抵抗板は、少なくとも遊泳方向と交差する方向、又は遊泳方向に沿う方向に位置付けられるものであること、を特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のルアー。
【請求項6】
前記抵抗板は、中間部において、屈曲形成されていること、を特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のルアー。
【請求項7】
前記抵抗部は、前記係合部が径方向に向けて付勢されている状態において、前記軸挿入部に対する着脱が許容されるものであること、を特徴とする請求項又はに記載のルアー。
【請求項8】
前記位置決め部は、前記本体部の周面に、前記軸部の軸線と交差する複数の方向に向けて形成された複数の固定溝を有し、
複数の前記固定溝のいずれかに前記抵抗板の少なくとも一部を係合させることで、前記抵抗部が位置決めされること、を特徴とする請求項又はに記載のルアー。
【請求項9】
ワイヤで形成されたフックガードを有しており、
前記フックガードは、
中間部に形成された第一曲部と、
前記第一曲部と所定の間隔を空けた位置に形成された第二曲部と、
前記第二曲部を基点として下方に延びるように形成された線材部と、
を有し、
前記軸部は、外周に前記第一曲部との係合が可能な取付溝を有していること、を特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のルアー。
【請求項10】
前記本体部は、前記支持部と異なる位置に前記抵抗部の少なくとも一部を収容可能な収容部を有し、
前記抵抗部は、前記係合部が径方向に向けて付勢されている状態において、前記軸挿入部に対する着脱が許容されると共に、軸部が先端側から基端側に向けて分岐形成された係止部を有し、
前記収容部は、前記軸挿入部から取り外した前記抵抗部を収容すると共に、前記抵抗部における係止部を係止することにより、前記抵抗部を保持可能であること、を特徴とする請求項又はに記載のルアー。
【請求項11】
前記本体部は、後端側において遊泳方向に沿って形成されると共に、前記軸挿入部とは異なる他の軸挿入部を有しており、
前記抵抗部は、前記係合部が径方向に向けて付勢されている状態において、前記軸挿入部に対する着脱が許容されるものであり、
前記他の軸挿入部は、前記軸挿入部から取り外した前記抵抗部を前記他の軸挿入部に装着することで、前記抵抗部を前記遊泳方向に沿った軸線周りに回動可能に保持可能であること、を特徴とする請求項又はに記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣りに用いられるルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、漁業やレジャー等の魚釣りにおいては、生餌に代えてルアー(疑似餌とも称する)が用いられることがある。前記ルアーは、対象魚に応じて、各種の形態のものが用いられる。例えば、ブラックバスやスズキ等の対象魚は、小魚を補食しており、当該対象魚を釣り上げるために小魚の形状をしたルアーが用いられることがある。前記ルアーは、集魚効果を上げるためにルアーの形や色彩等に工夫がなされている。また、上述したように小魚の形状をしたルアーでは、例えば、ルアーにおけるリップ(抵抗部材)を上下方向に揺動可能にしたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-275157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載のルアーは、リップが受けた水流による抵抗(以下、単に抵抗と称する)により、ルアーを潜水させたり、浮き上がらせたりするものとされている。また、上記特許文献1に記載のルアーは、リップを上下に揺動させることにより、リップで受ける抵抗を変化させてルアーの挙動を変化させている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のルアーは、リップを上下方向にのみ揺動させるものであるため、ルアーの潜水状態を変化させるには有効であるものの、ルアーに様々な挙動変化を付与するためには不十分であった。そのため、上記特許文献1に記載のルアーは、例えば、ルアーに慣れた魚(いわゆるスレた魚)に対しては、集魚効果や釣魚効果を得にくい問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、釣り場環境に応じて容易に挙動を変更できるルアーを提供することを目的とする。また、本発明は、集魚効果や釣魚効果の向上が可能なルアーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明のルアーは、水面付近又は水中を遊泳させるルアーであって、本体部と、前記本体部の周面に設けられ、遊泳時に水流による抵抗を付与する抵抗部と、前記本体部の周面に形成され、前記抵抗部を前記本体部の周面に対して交差する軸線周りに回動可能に支持する支持部と、を備え、前記抵抗部は、遊泳時の水流を受け止め可能な抵抗板と、前記抵抗板の支持側に設けられた軸部と、を備え、前記支持部は、前記軸部を前記本体部の周面に対して交差する軸線周りに回動可能に支持すると共に、前記軸部を支点に前記抵抗板を回動させつつ、回動させた位置で前記抵抗板を位置決め可能であること、を特徴とするものである。
【0008】
上述したルアーは、抵抗部における抵抗板を本体部の周面に対して交差する軸線周りに回動させつつ、回動させた位置で抵抗板を位置決め可能なものとされている。従って、上述したルアーは、抵抗部における抵抗板を、例えば、本体部の下面、上面、及び側面に配することにより、遊泳時における水流の抵抗を、本体部の前後方向に沿って変化させることができる。例えば、上述したルアーは、抵抗板が遊泳方向と交差する方向に位置付けられた場合において、細かいピッチで水をかき回す演出を行うことができ、抵抗板が遊泳方向に沿う方向に位置付けられた場合において、遊泳方向に沿って緩やかにS字を描く演出を行うことができる。従って、上述したルアーによれば、集魚効果及び釣魚効果の向上が期待できる。また、上述したルアーは、抵抗部を本体部から脱着することなく、容易に抵抗板の回動範囲を変更することができる。そのため、上述したルアーは、釣り場環境に応じて、容易に遊泳状態を変更することができる。従って、上述したルアーを使用することにより集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。なお、抵抗部は、本体部の周面(例えば、下面、上面、側面、前面、後面等)の各所に設けることができる。
【0009】
(2)上述した本発明のルアーにおいて、前記支持部は、挿入された前記軸部を回動可能に支持する軸挿入部と、前記軸挿入部の周部に形成され、前記抵抗板の少なくとも一部と係合することにより、前記抵抗板を所定角度に位置決めする位置決め部と、を有しており、前記軸部は、径方向内側に向けての付勢により非縮径状態から縮径状態に弾性変形可能な係合部を有し、前記軸挿入部は、非縮径状態の前記係合部と係合可能な被係合部を有し、前記係合部は、縮径状態において、前記軸挿入部に沿った前記係合部の進退が許容されるものであり、非縮径状態において、前記被係合部と係合すると共に、前記抵抗板が前記位置決め部と係合して位置決めされるとよい。
【0010】
上述したルアーは、かかる構成とすることにより、抵抗部を本体部から脱着することなく、容易に抵抗板の回動範囲を変更することができる。そのため、上述したルアーは、釣り場環境に応じて、容易に遊泳状態を変更することができる。従って、上述したルアーを使用することにより集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。
【0011】
(3)上述した本発明のルアーにおいて、前記支持部は、挿入された前記軸部を回動可能に支持する軸挿入部と、前記軸挿入部の周部に形成され、前記抵抗板の少なくとも一部と係合することにより、前記抵抗板を所定角度に位置決めする位置決め部と、を有しており、前記軸挿入部は、内部にバネを有し、前記軸部は、前記軸挿入部の軸線方向に沿って進退が可能であると共に、前記バネによって、前記軸挿入部の内部方向に向けて付勢されており、前記抵抗部は、前記バネに抗して、前記軸部を前記軸挿入部から退出する方向に引き出すことにより、回動が許容されるものであり、前記抵抗部を所定の角度に回動させた状態で、前記軸部の引き出しを解除することにより、前記バネの付勢によって前記位置決め部と前記抵抗板とが係合して位置決めされるとよい。
【0012】
上述したルアーは、バネに抗して軸部(抵抗板)を軸挿入部から退出する方向(外側方向)に引き出すことにより、容易に抵抗板を回動させることができる。これにより、上述したルアーは、容易に遊泳状態を変更できる。また、上述したルアーは、抵抗板を回動させて所定の方向に向けた後、バネの付勢によって、位置決め部と抵抗板とが係合するので、抵抗板を所定の角度で保持することができる。これにより、上述したルアーは、遊泳中に抵抗板の方向が不意に変わることを抑制できるので、予定していた挙動で遊泳させることができる。また、上述したルアーを使用することにより集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。
【0013】
(4)上述した本発明のルアーは、前記支持部が、挿入された前記軸部を回動可能に支持する軸挿入部を有しており、前記軸部は、径方向内側に向けての付勢により非縮径状態から縮径状態に弾性変形可能な係合部と、前記係合部の径方向外側に向けて突出する突起部と、を有し、前記軸挿入部は、非縮径状態の前記係合部と係合可能な被係合部を有し、前記被係合部は、前記抵抗部を所定角度に位置付ける複数のギア溝を有し、前記突起部は、前記軸部の非縮径状態において前記ギア溝との係合が可能であると共に、前記軸部の縮径状態において、前記ギア溝との係合が解除されるものであり、前記係合部は、前記軸部の回動方向への付勢により縮径状態に変位すると共に、前記突起部と前記ギア溝との係合が解除されて、回動が許容されるものであり、非縮径状態において、前記突起部が前記ギア溝と係合して位置決めされるとよい。
【0014】
上述したルアーは、軸部を回動方向に付勢することにより、軸部が縮径状態に変位して突起部とギア溝との係合が解除される。これにより、上述したルアーは、抵抗部の回動が許容され、抵抗部を所定方向に回動させることができる。また、上述したルアーは、抵抗部の回動に伴って、軸部が非縮径状態となった際に突起部がギア溝と係合して位置決めされ、抵抗部が所定方向に位置決めされる。これにより、上述したルアーは、遊泳中に抵抗部の方向が、不意に変わることを抑制できる。ここで、ギア溝は、軸部の回動方向に沿って複数形成するとよい。かかる構成を採用することで、上述したルアーは、釣り場環境に応じて、抵抗部の回動範囲を多段階で設定することができる。そのため、上述したルアーの汎用性が向上する。
【0015】
(5)上述した本発明のルアーは、前記抵抗板が、少なくとも遊泳方向と交差する方向、又は遊泳方向に沿う方向に位置付けられるものであるとよい。
【0016】
上述したルアーは、かかる構成とすることにより、少なくとも2つの異なる挙動を演出できる。例えば、上述したルアーは、抵抗板が遊泳方向と交差する方向に位置付けられた場合において、細かいピッチで水をかき回す演出を行うことができ、抵抗板が遊泳方向に沿う方向に位置付けられた場合において、遊泳方向に沿って緩やかにS字を描く演出を行うことができる。従って、上述したルアーによれば、集魚効果及び釣魚効果の向上が期待できる。
【0017】
(6)上述した本発明のルアーは、前記抵抗板が、中間部において、屈曲形成されているとよい。
【0018】
上述したルアーは、抵抗板の屈曲部分で、遊泳時の水流による抵抗を変化させることができる。すなわち、上述したルアーは、抵抗板を遊泳方向に沿う方向に位置付けた際に、屈曲部分により、水流を遊泳方向に対して屈曲方向に曲げることができる。これにより、上述したルアーは、弱った魚等のような動きを演出できる。そのため、上述したルアーによれば、集魚効果及び釣魚効果の向上が期待できる。
【0019】
(7)上述した本発明のルアーにおける前記抵抗部は、前記係合部の縮径状態において、前記軸挿入部に対する着脱が許容されるものであるとよい。
【0020】
上述したルアーは、かかる構成とすることにより、釣り場環境に応じて、抵抗部を取替えできる。ここで、抵抗部は、抵抗板の形状や大きさ等を変更した複数種のものを用意しておくとよい。これにより、上述したルアーは、釣り場環境に容易に適応することができる。また、上述したルアーは、抵抗部の交換が容易であるので、保守性向上が期待できる。また、上述したルアーは、例えば、抵抗部を取り外すことにより、左右への首振り等の演出をさせることが可能である。
【0021】
(8)上述した本発明のルアーにおいて、前記位置決め部は、前記本体部の周面に、前記軸部の軸線と交差する複数の方向に向けて形成された複数の固定溝を有し、複数の前記固定溝のいずれかに前記抵抗板の少なくとも一部を係合させることで、前記抵抗部が位置決めされるとよい。
【0022】
上述したルアーは、かかる構成とすることにより、固定溝に沿って所定の位置に抵抗部を固定することができる。これにより、上述したルアーは、遊泳中に抵抗部の方向が不意に変わることを抑制できるので、予定していた挙動で遊泳させることができる。ここで、固定溝を形成する方向は、抵抗部の形状や大きさ、あるいは、ルアーで演出させる挙動に応じて、各種の方向に設定することができる。
【0023】
(9)上述した本発明のルアーは、ワイヤで形成されたフックガードを有しており、前記フックガードは、中間部に形成された第一曲部と、前記第一曲部と所定の間隔を空けた位置に形成された第二曲部と、前記第二曲部を基点として下方に延びるように形成された線材部と、を有し、前記軸部は、外周に前記第一曲部との係合が可能な取付溝を有しているとよい。
【0024】
上述したルアーは、フックガードが設けられているので、フックの根掛りを抑制できる。また、上述したルアーは、抵抗部における軸部の取付溝にフックガードの第一曲部が係合されている。そのため、上述したルアーは、抵抗部における軸部を利用してフックガードを本体部に取り付けることができる。これにより、上述したルアーは、一箇所に集約して抵抗部とフックガードを設けることができるので、ルアー設計における自由度を高めることができる。
【0025】
(10)上述した本発明のルアーは、前記本体部が、前記支持部と異なる位置に前記抵抗部の少なくとも一部を収容可能な収容部を有しており、前記抵抗部は、前記係合部の縮径状態において、前記軸挿入部に対する着脱が許容されると共に、軸部が先端側から基端側に向けて分岐形成された係止部を有し、前記収容部は、前記軸挿入部から取り外した前記抵抗部を収容すると共に、前記抵抗部における係止部を係止することにより、前記抵抗部を保持可能であるとよい。
【0026】
上述したルアーは、かかる構成とすることにより、軸挿入部から取り外した抵抗部を収容部に収容することができる。また、収容部に収容した抵抗部は、抵抗部における係止部が、収容部に係止されることにより、保持される。従って、上述したルアーは、軸挿入部から取り外した抵抗部を、タックルボックス(収納ケース)等に収納する手間を省くことができる。ここで、収容部は、抵抗部における抵抗板の一部が、本体部からはみ出すように収容するものとしてもよい。かかる構成を採用することにより、上述したルアーは、取り外した抵抗部を水流抵抗の変更に利用することができる。また、収容部は、例えば、尾ビレの前方側において当該尾ビレと隣接する位置に設けられているとよい。これにより、上述したルアーは、尾ビレに導く水流を変化させることができるので、ルアーに様々な挙動を演じさせる効果が期待できる。
【0027】
(11)上述した本発明のルアーにおいて、前記本体部は、後端側において遊泳方向に沿って形成されると共に、前記軸挿入部とは異なる他の軸挿入部を有しており、前記抵抗部は、前記係合部の縮径状態において、前記軸挿入部に対する着脱が許容されるものであり、前記他の軸挿入部は、前記軸挿入部から取り外した前記抵抗部を前記他の軸挿入部に装着することで、前記抵抗部を前記遊泳方向に沿った軸線周りに回動可能に保持可能であるとよい。
【0028】
上述したルアーは、かかる構成とすることにより、リップとして抵抗部を利用しない場合に、抵抗部を尾ビレとして利用できる。すなわち、抵抗部(尾ビレに相当)は、遊泳方向に沿った軸線周りに回動可能であるので、抵抗部を回動させることで、水流抵抗を変化させることができる。従って、上述したルアーによれば、ルアーの挙動のバリエーションを増やす効果が期待できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、釣り場環境に応じて容易に挙動を変更できるルアーを提供することができる。また、本発明は、集魚効果や釣魚効果の向上が可能なルアーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態に係るルアーを下方側から見た全体斜視図である。
図2図1のルアーの一部省略縦方向断面図である。
図3】(a)は、本発明の一実施形態に係るルアーの全体斜視図であり、(b)は、(a)のルアーを前方側から見た正面図である。
図4】(c)は、図4のルアーを構成する抵抗部を回動させた状態を表す全体斜視図であり、(d)は、(c)のルアーを前方側から見た正面図である。
図5】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るルアーの動作説明図である。
図6】(c)及び(d)は、本発明の一実施形態に係るルアーの動作説明図である。
図7】(a)及び(b)は、本発明の第一変形例に係るルアーの動作説明図である。
図8】(c)及び(d)は、本発明の第一変形例に係るルアーの動作説明図である。
図9】本発明の第二変形例に係るルアーの抵抗部を取り外した状態を下方側から見た斜視図である。
図10】(a)及び(b)は、本発明の第二変形例に係るルアーの抵抗部を回動させた状態を表す正面図である。
図11】(a)は、本発明の第三変形例に係るルアーの一部省略斜視図であり、(b)は、(a)のルアーを構成する抵抗部を回動させた状態を表す斜視図である。
図12】(a)は、本発明の第三変形例に係るルアーを構成する抵抗部の取り付け状態を表す一部省略斜視図であり、(b)は、(a)の抵抗部を取り外した状態を表す一部省略斜視図である。
図13】本発明の第四変形例に係るルアーの一部省略縦方向断面図である。
図14】本発明の第五変形例に係るルアーの一部省略斜視図である。
図15】(a)は、本発明の第六変形例に係るルアーにおける収容部周辺の一部省略斜視図であり、(b)は、(a)の収容部に抵抗部を収容した状態を表す一部省略斜視図である。
図16】本発明の第七変形例に係るルアーの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態に係るルアー1について、図1図6を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、フック(釣針)を省略して描いていることに留意されたい。また、以下の説明において、ルアー1の頭部側を前方側、尻部側を後方側として説明する。また、ルアー1の前方側から後方側に向かう方向を遊泳方向として説明する。
【0032】
図1に示すようにルアー1は、小魚等の魚体を模したルアー本体10(本体部10とも称する)を備えている。本体部10は、3つの本体構成体10A,10B,10Cから構成されている。具体的に説明すると本体部10は、頭部を構成する本体構成体10A、胴体部を構成する本体構成体10B、及び尻部を構成する本体構成体10Cの3つに分割形成されている。
【0033】
本体部10は、隣接する本体構成体10A及び本体構成体10B、並びに隣接する本体構成体10B及び本体構成体10Cを互いに回動可能に連結することによって形成されている。
【0034】
本体構成体10Aは、前端側(図示左側)に魚を模した頭部が形成されており、頭部の両端側に目や胸ビレなどが形成されている。また、本体構成体10Aは、左右方向の中間部において分割可能に形成されている。分割形成されたそれぞれの分割体を結合させることにより、本体構成体10Aが形成される。また、本体構成体10Cには、先端側に釣糸(ライン)を接続するためのラインアイ3が取り付けられている。ラインアイ3にラインを接続し、牽引することにより、ルアー1は、水面付近又は水中を遊泳するものとされている。また、本体構成体10Aは、下端側にフック(図示せず)を取り付けるためのフックアイ4(図1参照)が設けられている。フックには、例えば、針先が3つに分岐したものなどが利用される。
【0035】
また、本体構成体10Aは、下顎(リップ)を構成する抵抗部20と、抵抗部20を回動可能に支持する支持部30とを備えている。抵抗部20及び支持部30の詳細は、後述する。
【0036】
本体構成体10Aの後端側(図示右側)には、一対の連結部材11,11(図2参照)が設けられている。連結部材11,11は、円環状に形成されており、本体構成体10Bの上下方向に配された軸(図示せず)が挿し通されている。従って、本体構成体10Aは、連結部材11,11と共に前記軸周りに回動することができる。すなわち、本体構成体10Aは、本体構成体10Bに対して水平方向に相対的に回動することができる。
【0037】
本体構成体10Bは、魚を模した胴体として形成されており、下端側に上述したフック(図示せず)を取り付けるためのフックアイ4が設けられている。本体構成体10Bは、左右方向の中央において分割可能に形成されている。分割形成されたそれぞれの分割体を結合させることにより、本体構成体10Bが形成される。本体構成体10Bは、後端側に上述した連結部材11,11と同様の連結部材(図示せず)が設けられており、当該連結部材を介して本体構成体10Cが回動可能に連結されている。
【0038】
本体構成体10Cは、本体部10における尻部を形成しており、後端側に尾ビレ5(図1参照)が形成されている。本体構成体10Cは、本体構成体10Bに対して水平方向に相対的に回動することが可能である。
【0039】
図1及び図3に示すように、抵抗部20は、本体部10(本実施形態では、本体構成体10A)の下面に設けられている。また、抵抗部20は、ルアー1の遊泳時に水流による抵抗を付与するものとされている。本実施形態では、抵抗部20が、リップ(下顎)として形成されている。抵抗部20は、本体部10の下面に形成された支持部30(図1参照)に回動可能に支持されている。また、図2に示すように、抵抗部20は、抵抗板21と、抵抗板21の支持側に設けられた軸部25と、を備えている。
【0040】
抵抗板21は、遊泳時の水流を受け止め可能なようにリップ状の板状部材で形成されている。抵抗板21は、例えば、透明、あるいは、適宜の色彩や模様を付した樹脂板等で形成されている。
【0041】
軸部25は、抵抗板21の上端側に設けられており、後述する支持部30に回動可能に支持されるものとされている。軸部25は、二股に分岐されており(図6参照)、先端側に係合部26を備えている。
【0042】
係合部26は、径方向内側に向けての付勢により非縮径状態から縮径状態に弾性変形可能なものとされている。本実施形態において、係合部26は、軸部25を外側から挟持することにより、径方向内側に向けて弾性変形するものとされている。係合部26は、本実施形態では、基端側(下方側)が先端側よりも拡径され、傘状をなしている。また、係合部26は、弾性変形させた縮径状態において、軸挿入部31の軸線方向に沿った進退が許容される。係合部26は、軸挿入部31に軸部25を挿入するに伴って、後述する被係合部32において弾性変形して被係合部32を通過できるものとされている。
【0043】
支持部30は、本体構成体10Aの下面側に形成されている。支持部30は、軸部25を挿入可能な軸挿入部31と、抵抗板21の位置決め部35と、を有している。
【0044】
軸挿入部31は、穴として形成されており、軸部25を挿入可能である。また、軸挿入部31は、挿入された軸部25を回動可能に支持するものとされている。すなわち、抵抗板21は、軸挿入部31内で、軸部25と一体的に回動することができる。具体的には、軸挿入部31は、軸部25を本体部10の下面に対して交差する軸線周りに回動可能に支持すると共に、軸部25を支点に抵抗板21を回動させることができる。これにより、抵抗板21は、遊泳時における水流による抵抗を変化させることができる。また、軸挿入部31は、非縮径状態の係合部26と係合可能な被係合部32を有している。
【0045】
被係合部32は、軸挿入部31の内周壁に沿って径方向に突出するように形成されている。本実施形態では、被係合部32が、軸挿入部31の開口端側に形成された第一被係合部32Aと、軸挿入部31の奥側に形成された第二被係合部32Bとから形成されている。第一被係合部32A及び第二被係合部32Bは、それぞれ非縮径状態の係合部26よりも縮径されている。従って、第一被係合部32A及び第二被係合部32Bは、それぞれ非縮径状態にある係合部26と係合可能である。
【0046】
第一被係合部32Aは、軸部25の挿入方向への移動を許容すると共に、軸部25の退出方向(抜去方向)への移動を制限するものとされている。具体的には、軸部25における係合部26の先端が傘状に形成されているので、係合部26が第一被係合部32Aを通過する際に、弾性変形して縮径状態となることにより、軸部25の挿入方向への移動が許容される。一方、係合部26が第一被係合部32Aを通過すると、係合部26が非縮径状態に復帰すると共に第一被係合部32Aと係合し、軸部25の抜け落ちが抑制される。
【0047】
第二被係合部32Bは、第一被係合部32Aと同様に、軸部25の挿入方向への移動を許容すると共に、軸部25の退出方向への移動を制限するものとされている。第二被係合部32Bは、後述する位置決め部35への抵抗板21の係合に伴って、軸部25の退出方向への移動を規制するものとされている。
【0048】
ここで、被係合部32(第一被係合部32A及び第二被係合部32B)における縮径部分は、軸挿入部31の開口端側に向けて傾斜形成されているので、軸部25が退出方向(下方向)に強く引っ張られることにより、係合部26が径方向内側に向けて付勢される。これにより、係合部26と被係合部32との係合が解除される。また、抵抗部20は、係合部26と第一被係合部32Aとが係合している状態において、係合部26を縮径状態に弾性変形させることにより、軸挿入部31から引き抜いて取り外すことができる。すなわち、抵抗部20は、係合部26の縮径状態において、軸挿入部31に対する着脱が許容されるものとされている。また、係合部26は、軸部25の挿入方向への押し込みに伴って、第一被係合部32Aを通過し、第二被係合部32Bと係合する。このとき、係合部26は、第二被係合部32B方向への進行に伴って、抵抗板21の上端側が、後述する位置決め部35(固定溝37)と係合し、軸部25の周方向への回動が抑制される。
【0049】
従って、上述したルアー1は、釣り場環境に応じて、抵抗部20を取替えできる。ここで、抵抗部20は、抵抗板21の形状や大きさ等を変更した複数種のものを用意しておくとよい。これにより、上述したルアー1は、釣り場環境に容易に適応することができる。また、上述したルアー1は、抵抗部20の交換が容易であるので、保守性向上が期待できる。また、上述したルアー1は、例えば、抵抗部20を取り外すことにより、左右への首振り等の演出をさせることが可能である。なお、係合部26は、抵抗部20が水流を受けた際に、軸挿入部31から脱落したり、位置決めが解除されたりしない程度の弾性力を有するものとすればよい。
【0050】
位置決め部35は、図1及び図2に示すように、軸挿入部31の開口端側(図示下方側)における周部に形成されている。位置決め部35は、図1に示すように、軸挿入部31の径方向に向けて二方向の固定溝37,37を有している。本実施形態では、固定溝37,37が、ルアー1の遊泳方向に沿う方向(前後方向)、及びルアー1の遊泳方向に対して直交する方向(左右方向)に向けて形成されている。
【0051】
位置決め部35(固定溝37)は、抵抗板21の少なくとも一部(本実施形態では、抵抗板21の上端側)と係合することにより、抵抗板21を位置決めできる。すなわち、位置決め部35は、図3(a)及び図3(b)に示すように、抵抗板21を、遊泳方向と交差する方向(本実施形態では、直交する左右方向)に位置決めすることができる。これにより、抵抗板21は、ルアー1の遊泳時における水流抵抗を増大させることができる。また、位置決め部35は、図4(a)及び図4(b)に示すように、抵抗板21を本体部10の前後方向に沿うように回動させた状態で位置決めすることができる。これにより、抵抗板21は、本体部10の前後方向に沿って固定されるので、ルアー1の遊泳時における水流抵抗を減じることができる。また、抵抗部20が位置決め部35によって、確実に位置決めされるので、遊泳中に抵抗板21の方向が不意に変わることを抑制できる。これにより、上述したルアー1は、予定していた挙動で遊泳させることができる。
【0052】
以上が、本発明の一実施形態に係るルアー1の構成であり、次に、本発明のルアー1における抵抗部20の動作についての詳細を説明する。
【0053】
図5(a)は、抵抗板21が、遊泳方向と交差する方向(本実施形態では、直交する左右方向)に位置決めされた状態を示すものである。当該状態においては、係合部26が非縮径状態とされており、上段側の第二被係合部32Bと係合している。また、抵抗板21が、遊泳方向と直交する方向(左右方向)に沿って位置決めされている。従って、ルアー1は、遊泳時に抵抗板21によって強い水流抵抗を受けるものとされる。これにより、ルアー1は、深い潜行や、細かいピッチで水をかき回す演出を行うことができる。
【0054】
図5(b)は、抵抗板21を下方向に引っ張った状態を示すものである。抵抗板21は、下方向に引っ張られることにより、係合部26が被係合部32から抵抗を受けて径方向内側に向けて付勢される。これにより、係合部26が縮径され、軸挿入部31に沿っての進退が許容される。また、抵抗板21が軸挿入部31から引き出されることにより、位置決め部35と抵抗板21との係合が解除され、抵抗板21の回動が許容される。なお、当該状態においては、係合部26が、非縮径状態に復帰し、第一被係合部32Aと係合するので、抵抗部20の軸挿入部31からの脱落が抑制される。
【0055】
図6(c)は、抵抗板21を回動させて、抵抗板21を遊泳方向に沿う方向に位置付けた状態を示すものである。当該状態で、抵抗板21を軸挿入部31の内部(図示上方側)に押し込むことにより、図6(d)に示すように、係合部26が第二被係合部32Bと係合すると共に、抵抗板21の上端側が、位置決め部35と係合して位置決めされる。これにより、ルアー1は、遊泳時に抵抗板21によって受ける水流抵抗が低減される。そのため、ルアー1は、遊泳方向に沿って緩やかにS字を描く演出を行うことができる。
【0056】
このように、上述したルアー1は、抵抗部20における抵抗板21を本体部10の周面(本実施形態では下面)に対して交差する軸線周りに回動させつつ、回動させた位置で抵抗板21を位置決め可能なものとされている。従って、上述したルアー1は、遊泳時における水流の抵抗を、本体部10の前後方向に沿って変化させることができる。また、上述したルアー1は、抵抗部20を本体部10から脱着することなく、容易に抵抗板21の回動範囲を変更することができる。そのため、上述したルアー1は、釣り場環境に応じて、容易に遊泳状態を変更することができる。従って、上述したルアー1を使用することにより集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。
【0057】
以上が、本発明の一実施形態に係るルアー1の構成及び作用効果であり、次に本発明の第一変形例~第七変形例に係るルアー100,200,300,400,500,600,700の詳細について説明する。なお、以下の説明において、上述した実施形態と同様の部分については、説明を省略する。また、同一の部材については、同一の符号を付していることに留意されたい。
【0058】
≪第一変形例≫
図7及び図8に示すように、本発明の第一変形例に係るルアー100は、上述した実施形態と同様に、支持部30が、軸挿入部31と、位置決め部35と、を備えている。ルアー100では、係合部26及び被係合部32に代えて、軸挿入部31の内部にバネ40が配されている。ルアー100は、前記の他、バネ40を収容する収容孔41と、軸挿入部31及び収容孔41を連通させる連通孔42と、軸部25に接続された支柱45等を備えている。
【0059】
収容孔41は、本体部10(本体構成体10A)の上端側から軸挿入部31に向けて開孔されている。収容孔41には、コイル状のバネ40が収容されており、収容孔41の下端部にバネ40が係止されている。また、収容孔41の底部には、軸挿入部31と連通する連通孔42が、バネ40よりも小径に形成されている。
【0060】
軸部25は、上端側に支柱45が接続されている。支柱45は、連通孔42の下端側からバネ40の上端側に至るまでの長さに形成されている。支柱45は、連通孔42に対して進退可能に挿通されると共に、収容孔41におけるバネ40に挿通されている。また、支柱45の上端側は、バネ40の上端側に係止されている。従って、ルアー100では、軸部25が、軸挿入部31の軸線方向に沿って進退が可能であると共に、バネ40によって、軸挿入部31の内部方向(本体部10の内部方向)に向けて付勢されている。そのため、抵抗部20は、バネ40に抗して、軸部25を軸挿入部31から退出する方向に引き出すことにより、位置決めが解除されて回動が許容される。また、抵抗部20が所定の角度に回動された状態で、軸部25の引き出しが解除されることにより、バネ40の付勢によって位置決め部35と抵抗板21とが係合して位置決めされる。
【0061】
次にルアー100における抵抗部20の動作の詳細について図7を参照しつつ説明する。
【0062】
図7(a)は、抵抗板21が、遊泳方向と交差する方向(本実施形態では、直交する方向)に位置決めされた状態を示すものである。当該状態においては、バネ40によって、軸部25が軸挿入部31の内部方向(図示上方側)に向けて付勢されている。また、抵抗板21が、遊泳方向と直交する方向(左右方向)に沿って位置決めされている。従って、ルアー1は、遊泳時に抵抗板21によって強い水流抵抗を受けるものとされる。これにより、ルアー1は、深い潜行や、細かいピッチで水をかき回す演出を行うことができる。
【0063】
図7(b)は、抵抗板21をバネ40に抗して下方向に引っ張った状態を示すものである。抵抗板21が軸挿入部31から引き出されることにより、位置決め部35と抵抗板21との係合が解除され、抵抗板21の回動が許容される。
【0064】
図8(c)は、抵抗板21を回動させて、抵抗板21を遊泳方向に沿う方向に位置付けた状態を示すものである。当該状態で、抵抗板21に加える引っ張り力を解除することにより、軸部25がバネ40によって軸挿入部31の内部方向に(図示上方側)に付勢される。従って、図8(d)に示すように、抵抗板21の上端側が、位置決め部35と係合して位置決めされる。これにより、ルアー1は、遊泳時に抵抗板21によって受ける水流抵抗が低減される。そのため、ルアー1は、遊泳方向に沿って緩やかにS字を描く演出を行うことができる。
【0065】
このように、第一変形例に係るルアー100は、バネ40に抗して軸部25(抵抗板21)を軸挿入部31から退出する方向(外側方向)に引き出すことにより、容易に抵抗板21を回動させることができる。これにより、上述したルアー100は、容易に遊泳状態を変更できる。また、上述したルアー100は、抵抗板21を回動させて所定の方向に向けた後、バネ40の付勢によって、位置決め部35と抵抗板21とが係合するので、抵抗板21を所定の角度で保持することができる。これにより、上述したルアー100は、遊泳中に抵抗板21の方向が不意に変わることを抑制できるので、予定していた挙動で遊泳させることができる。また、上述したルアー100を使用することにより集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。
【0066】
また、上述したルアー1は、抵抗板21が、少なくとも遊泳方向と交差する方向と、遊泳方向に沿う方向とに位置付けられるものとされているので、少なくとも2つの異なる挙動を演出できる。例えば、上述したルアー1は、抵抗板21が遊泳方向と交差する方向に位置付けられた場合において、細かいピッチで水をかき回す演出を行うことができ、抵抗板21が遊泳方向に沿う方向に位置付けられた場合において、遊泳方向に沿って緩やかにS字を描く演出を行うことができる。従って、上述したルアー1によれば、集魚効果及び釣魚効果の向上が期待できる。
【0067】
以上が、本発明の第一変形例に係るルアー100の構成と作用効果であり、次に、本発明の第二変形例に係るルアー200についての詳細を説明する。
【0068】
≪第二変形例≫
図10に示すように、ルアー200における位置決め部35は、本体部10の周面(本実施形態では下面)に、軸部25の軸線と交差する複数の方向(本実施形態では四方向)に向けて形成された複数(本実施形態では4つ)の固定溝37を有するものとされている。具体的には、固定溝37は、ルアー1のように遊泳方向に沿う方向と、遊泳方向と直交する方向と、遊泳方向に対して左側に傾斜する方向と、遊泳方向に対して右側に傾斜する方向と、に向けて形成されている。
【0069】
また、固定溝37は、上述したルアー1と同様に抵抗板21の少なくとも一部が係合可能なものとされている。従って、4つの固定溝37のいずれかに抵抗板21の少なくとも一部を係合させることで、抵抗部20が位置決めされる。これにより、ルアー200は、図10(a)及び図10(b)に示すように、抵抗板21を、遊泳方向に対して、左斜め後方や右斜め後方に向けて傾斜させた状態で位置決めすることができる。従って、ルアー200は、例えば、一方向に傾いて遊泳する弱った魚のような演出を行うことができる。これにより、集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。
【0070】
また、上述したルアー200は、遊泳中に抵抗板21の方向が不意に変わることを抑制できるので、予定していた挙動で遊泳させることができる。なお、固定溝37を形成する方向は、抵抗部20の形状や大きさ、あるいは、ルアー200で演出させる挙動に応じて、各種の方向に設定することができる。
【0071】
以上が、本発明の第二変形例に係るルアー200の構成及び作用効果であり、次に本発明の第三変形例に係るルアー300の詳細について説明する。第三変形例に係るルアー300は、上述した実施形態に係るルアー1や変形例1に係るルアー100とは、抵抗板21の位置決め方法が異なったものとされている。
【0072】
≪第三変形例≫
図11(a)は、ルアー300における本体構成体10Aの上方側から見た一部切り欠き斜視図である。図11(a)に示すように、ルアー300は、軸部25が、径方向内側に向けての付勢により非縮径状態から縮径状態に弾性変形可能な係合部26と、係合部26の径方向外側に向けて突出する突起部27と、を有している。また、軸挿入部31に形成された被係合部32は、抵抗部20を所定角度に位置付ける複数のギア溝38を有している。
【0073】
突起部27は、係合部26に形成されており、ギア溝38と向き合うように形成されている。突起部27は、係合部26の非縮径状態においてギア溝38との係合が可能であると共に、係合部26の縮径状態において、ギア溝38との係合が解除される。また、係合部26は、図11(b)に示すように、軸部25(抵抗板21)の回動方向への付勢により縮径状態に変位すると共に、突起部27とギア溝38との係合が解除されて、回動が許容される。また、軸部25に対する回動方向への付勢を解除することにより、係合部26が非縮径状態に復帰し、突起部27がギア溝38と係合して位置決めされる。
【0074】
このように、上述したルアー300は、抵抗部20の回動に伴って、係合部26が非縮径状態となった際に突起部27がギア溝38と係合して位置決めされ、抵抗部20が所定方向に位置決めされる。これにより、上述したルアー300は、遊泳中に抵抗部20の方向が、不意に変わることを抑制できる。ここで、ギア溝38は、上述のように軸部25の回動方向に沿って複数形成するとよい。かかる構成を採用することで、上述したルアー300は、釣り場環境に応じて、抵抗部20の回動範囲を多段階で設定することができる。そのため、上述したルアー300の汎用性が向上する。
【0075】
また、抵抗部20は、図12(a)及び図12(c)に示すように、係合部26を縮径状態に弾性変形させることにより、軸挿入部31から引き抜いて取り外すことができる。すなわち、抵抗部20は、係合部26の縮径状態において、軸挿入部31に対する着脱が許容されるものとされている。
【0076】
従って、上述したルアー300は、釣り場環境に応じて、抵抗部20を取替えできる。ここで、抵抗部20は、抵抗板21の形状や大きさ等を変更した複数種のものを用意しておくとよい。これにより、上述したルアー300は、釣り場環境に容易に適応することができる。また、上述したルアー300は、抵抗部20の交換が容易であるので、保守性向上が期待できる。また、上述したルアー300は、例えば、抵抗部20を取り外すことにより、左右への首振り等の演出をさせることが可能である。なお、係合部26は、抵抗部20が水流を受けた際に、軸挿入部31から脱落したり、位置決めが解除されたりしない程度の弾性力を有するものとすればよい。
【0077】
以上が、本発明の第三変形例に係るルアー300の構成及び作用効果であり、次に本発明の第四変形例に係るルアー400の詳細について説明する。
【0078】
≪第四変形例≫
図13に示すように、ルアー400は、抵抗板21が、中間部において、屈曲形成されている以外は、上述した実施形態に係るルアー1と同様の構成を有するものである。そのため、例えば、抵抗板21を180度回転させることにより、図示二点鎖線のように抵抗板21の傾斜度合を変化させることができる。これにより、上述したルアー400は、抵抗板21の屈曲部分で、遊泳時の水流による抵抗を変化させることができる。また、上述したルアー400は、抵抗板21を遊泳方向に沿う方向に位置付けた際に、屈曲部分により、水流を遊泳方向に対して屈曲方向に曲げることができる。これにより、上述したルアー400は、弱った魚等のような動きを演出できる。そのため、上述したルアー400によれば、集魚効果及び釣魚効果の向上が期待できる。
【0079】
以上が、本発明の第四変形例に係るルアー400の構成及び作用効果であり、次に本発明の第五変形例に係るルアー500の詳細について説明する。
【0080】
≪第五変形例≫
図14に示すように、ルアー500は、抵抗部20の軸部25にフックガード50を設けた以外の構成は、上述した実施形態に係るルアー1と同様の構成を有するものとされている。
【0081】
フックガード50は、例えば、鋼線等のワイヤで形成されており、一定の形状を保持できるものとされている。フックガード50は、フックの前方側に位置し、フックの根掛りを抑制するものとされている。フックガード50は、中間部に形成された第一曲部51と、第一曲部51と所定の間隔を空けた位置に形成された第二曲部52と、第二曲部52を基点として下方に延びるように形成された一対の線材部53,53と、を有している。フックガード50は、軸部25の基端側(抵抗板21側)における外周に形成された取付溝54に係合可能である。これにより、フックガード50は、軸部25に支持される。
【0082】
また、フックガード50は、抵抗板21を回動させた際に、線材部53,53が、抵抗板21を介して、抵抗板21の両面側に位置するようにするとよい。これにより、例えば、抵抗板21を遊泳方向に沿う方向に回動させた際に、ルアー500の左右のバランスが崩れることを抑制できる。なお、線材部53,53は、フックの形状や配置する位置等に応じて、各種の方向に向けて配置することができる。また、線材部53,53は、左右対称のものには限定されず、各種の形状や大きさのものが利用できる。
【0083】
このように、上述したルアー500は、抵抗部20における軸部25の取付溝54にフックガード50の第一曲部51が係合されている。そのため、上述したルアー500は、抵抗部20における軸部25を利用してフックガード50を本体部10に取り付けることができる。これにより、上述したルアー500は、一箇所に集約して抵抗部20とフックガード50を設けることができるので、ルアー設計における自由度を高めることができる。
【0084】
以上が、本発明の第五変形例に係るルアー500の構成及び作用効果であり、次に本発明の第六変形例に係るルアー600の詳細について説明する。
【0085】
≪第六変形例≫
図15は、ルアー600における本体構成体10C周辺の一部省略斜視図である。なお、図15においては、本体構成体10A及び本体構成体10Bは、省略して描いていることに留意されたい。また、ルアー600は、収容部601を設けた以外の構成は、上述した実施形態に係るルアー1と同様の構成を有するので、同様部分の説明は省略する。
【0086】
収容部601は、本体部2における支持部30と異なる位置に配されている。また、収容部601は、本体構成体10Cにおける上下方向の中間部において、水平方向にスリット状に形成されている。収容部601は、前端側から後端側(尾ビレ5の前端側)に亘る長さに形成されている。また、収容部601は、軸挿入部31から取り外した抵抗部20を水平状態に保って収容することができる。なお、収容部601には、軸挿入部31から取り外した抵抗部20だけではなく、例えば、別途用意された抵抗部20を収容することもできる。また、収容部601は、前端側に被係止部602が形成されている。
【0087】
被係止部602は、板状部材が上下方向に立設されることにより形成されており、抵抗部20における係止部28を係止可能なものとされている。ここで、抵抗部20は、上述した実施形態と同様に形成されており、軸挿入部31に対する着脱が許容されている。また、抵抗部20は、軸部25が先端側から基端側に向けて分岐形成された係止部28を有している。
【0088】
係止部28は、軸部25の先端側(係合部26)が、二股に分岐されることにより形成されている。従って、係止部28は、分岐部分に被係止部602が嵌め込まれる(挿入される)ことにより、被係止部602に係止される。これにより、抵抗部20が、収容部601に収容されると共に、収容部601に保持される。従って、上述したルアー600は、軸挿入部31から取り外した抵抗部20を、タックルボックス(収納ケース)等に収納する手間を省くことができる。
【0089】
また、第六変形例に係るルアー600において、収容部601は、抵抗部20における抵抗板21の一部が、本体構成体10Cからはみ出すように収容されている。従って、ルアー600は、取り外した抵抗部20を水流抵抗の変更に利用することができる。また、収容部601は、尾ビレ5の前方側において当該尾ビレ5と隣接する位置に設けられている。これにより、ルアー600は、尾ビレ5に導く水流を変化させることができるので、ルアー600に様々な挙動を演じさせる効果が期待できる。なお、軸挿入部31に抵抗部20を取り付けた状態で、収容部601に別途の抵抗部20を取り付けることも可能である。かかる場合は、ルアー600における挙動のバリエーションを増やすことができる。
【0090】
以上が、本発明の第六変形例に係るルアー600の構成及び作用効果であり、次に本発明の第七変形例に係るルアー700の詳細について説明する。
【0091】
≪第七変形例≫
図16は、ルアー700の右側面図である。ルアー700は、本体構成体10Cが、軸挿入部31とは異なる他の軸挿入部731(第二軸挿入部731とも称する)を有している。なお、第二軸挿入部731の構成は、軸挿入部31(第一軸挿入部31とも称する)と同じであるので、詳細な説明を省略する。また、ルアー700は、第二軸挿入部731を設けた以外の構成は、上述した実施形態に係るルアー1と同様の構成を有するので、同様部分の説明は省略する。
【0092】
第二軸挿入部731は、本体部10における本体構成体10Cに形成されている。第二軸挿入部731は、本体構成体10Cの後端側において、後方側に向けて開口するように遊泳方向に沿って形成されている。従って、第二軸挿入部731は、第一軸挿入部31から取り外した抵抗部20を第二軸挿入部731に装着することで、抵抗部20を遊泳方向に沿った軸線周りに回動可能に保持することができる。すなわち、ルアー700では、尾ビレ5に代えて抵抗部20を尾ビレ5として利用することができる。これにより、ルアー700は、リップとして抵抗部20を利用しない場合に、抵抗部20を尾ビレ5として利用できる。
【0093】
このように、抵抗部20(尾ビレ5に相当)は、遊泳方向に沿った軸線周りに回動可能であるので、抵抗部20を回動させることで、水流抵抗を変化させることができる。従って、上述したルアー700によれば、当該ルアー700の挙動のバリエーションを増やす効果が期待できる。なお、第七変形例では、第二軸挿入部731から取り外した抵抗部20を第二軸挿入部731に取り付けているが、抵抗部20は、第一軸挿入部31から取り外したものだけではなく、別途に用意された抵抗部20を取り付けることも可能である。
【0094】
以上が、本発明のルアーの構成及び作用効果であるが、本発明のルアーは、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形を行うことができる。
【0095】
本実施形態では、本体部10が、3つの本体構成体10A,10B,10Cに分割されている場合を例示したが、本体部10は、分割形成されているものだけではなく、単一のものでもよい。また、本実施形態では、抵抗部20が下顎状(リップ状)に形成されているが、抵抗部20は、釣り場環境や釣魚に応じて、適宜、形状や大きさを変更することができる。また、抵抗部20の回動方向は、本体部10の周面に対して交差する軸線周りの各種方向に位置付けることができる。また、本実施形態では、抵抗部20が本体部10の下面側に設けられているものを例示したが、抵抗部20は、本体部10の周面(例えば、下面、上面、側面、前面、後面等)の各所に設けることができる。また、抵抗部20は、本体構成体10Aに設けられているものだけではなく、本体構成体10Bや本体構成体10Cに設けられていてもよい。また、抵抗部20は、単一のものだけではなく、各所に分けて複数設けられていてもよい。また、支持部30(軸挿入部31)は、抵抗部20を設ける位置に応じて、適宜、設ける位置を変更することができる。
【0096】
本実施形態では、軸部25の先端側(係合部26)が二股に分岐されたものを例示したが、軸部25(係合部26)は、径方向内側に向けての付勢により非縮径状態から縮径状態に弾性変形可能な各種の形状のものを利用できる。また、本実施形態では、被係合部32が、第一被係合部32A及び第二被係合部32Bとして分割形成されているが、被係合部32は、単一のものや2以上の複数のものなど、各種の個数のものが利用できる。
【0097】
本変形例では、バネ40の付勢力を利用して、抵抗部20の位置決めや回動を許容する構成を例示したが、バネ40だけではなく、軸部25を軸挿入部31の内部方向に向けて付勢できる各種の弾性部材の利用が可能である。また、バネ40による付勢力は、抵抗部20が水流に負けて脱落しない範囲で適宜変更すればよい。
【0098】
本変形例では、係合部26に形成された突起部27と、ギア溝38とを係合させることにより、抵抗部20を位置決めするものを例示したが、ギア溝38の段数は、抵抗部20の位置決め方向に応じて、適宜変更することができる。また、突起部27やギア溝38を形成する位置は、適宜変更することができる。
【0099】
また、本変形例では、抵抗板21が、中間部において、屈曲形成されているものを例示したが、抵抗板21の屈曲は、必要に応じて形成すればよい。また、抵抗板21の屈曲方向は、釣り場環境に応じて適宜変更することができる。また、抵抗板21の屈曲は、単一のものだけではなく、複数のものでもよい。また、抵抗板21の屈曲角度は、適宜変更することができる。また、抵抗板21は、屈曲されているものだけではなく、湾曲されているものでもよい。
【0100】
本実施形態では、抵抗部20を軸挿入部31に対して着脱可能に構成したが、抵抗部20は、着脱可能なものだけではなく、軸挿入部31からの取り外しが不可能なものであってもよい。また、位置決め部35は、実施形態や変形例のものに限定されず、各種の方向の固定溝37を採用できる。また、固定溝37は、軸部25の軸線周りに少なくとも二方向に向けて形成されていればよい。また、位置決め部35は、固定溝37に限定されるものではなく、抵抗板21、あるいは、軸部25の回動を制限できる各種の手段を採用できる。
【0101】
また、本変形例では、フックガード50が設けられているが、フックガード50は、必要に応じて設ければよく、フックガード50を有しない構成とすることもできる。また、フックガード50が設けられる場合において、フックガード50の抵抗部20への取り付け方法は、変形例に係るものだけではなく、各種の形態の取り付け方法を利用することが可能である。また、フックガード50や線材部53の形状や大きさ、形成する素材等は各種のものが利用できる。
【0102】
また、本実施形態では、小魚の形状を模したルアー本体10を例示したが、ルアー本体10は、各種の形状・大きさ・色彩・模様のものを利用できる。例えば、ルアー本体10は、ネズミやカエルなどの小動物を模したものでもよい。
【0103】
以上が、本発明に係るルアーの各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明のルアーは、レジャーや漁業などの各種の釣りに利用することができる。また、本発明のルアーは、魚や小動物等を捕食する各種の生物を対象とした釣りに利用することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 :ルアー
10 :本体部
10A:本体構成体(頭部)
10B:本体構成体(胴体部)
10C:本体構成体(尻部)
20 :抵抗部
21 :抵抗板
25 :軸部
26 :係合部
27 :突起部
30 :支持部
31 :軸挿入部(第一軸挿入部)
32 :被係合部
32A:第一被係合部
32B:第二被係合部
35 :位置決め部
37 :固定溝
38 :ギア溝
40 :バネ
50 :フックガード
51 :第一曲部
52 :第二曲部
53 :線材部
54 :取付溝
100:ルアー
200:ルアー
300:ルアー
400:ルアー
500:ルアー
600:ルアー
700:ルアー
731:軸挿入部(第二軸挿入部)
【要約】
【課題】釣り場環境に応じて容易に挙動を変更できるルアーを提供することを目的とする。
【解決手段】ルアー1は、本体部10と、本体部10の周面に設けられ、遊泳時に水流による抵抗を付与する抵抗部20と、本体部10の周面に形成され、抵抗部20を回動可能に支持する支持部30とを備える。抵抗部20は、遊泳時の水流を受け止め可能な抵抗板21と、抵抗板21の支持側に設けられた軸部25とを備える。支持部30は、軸部25を本体部10の周面に対して交差する軸線周りに回動可能に支持すると共に、軸部25を支点に抵抗板25を回動させつつ、抵抗板21を位置決め可能である。軸部25は非縮径状態から縮径状態に弾性変形可能な係合部26を有し、縮径状態において軸挿入部31に沿った係合部26の進退が許容され、非縮径状態において被係合部32と係合すると共に抵抗板21が位置決め部35で位置決めされる。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16