(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】極低温冷凍機
(51)【国際特許分類】
F25B 9/00 20060101AFI20220802BHJP
F25B 9/14 20060101ALI20220802BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
F25B9/00 Z
F25B9/00 311
F25B9/14 520
F25D11/00 101Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017214614
(22)【出願日】2017-11-07
【審査請求日】2020-05-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日:2017年5月9日~2017年5月12日 ;公開場所:カナダ国M5J 1A6、オンタリオ、トロント、ハーバースクエア 1、ウェスティン ハーバー キャッスル ホテルで開催された2017年ISBER(国際生物環境学会)年次大会
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521157638
【氏名又は名称】エム・ブイ・イー・バイオロジカル・ソリューションズ・ユー・エス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】MVE BIOLOGICAL SOLUTIONS US, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100124648
【氏名又は名称】赤岡 和夫
(74)【代理人】
【識別番号】100060368
【氏名又は名称】赤岡 迪夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154450
【氏名又は名称】吉岡 亜紀子
(72)【発明者】
【氏名】ジョン コーレイ
(72)【発明者】
【氏名】ケイス グスタフソン
(72)【発明者】
【氏名】バズ ビーズ
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0010881(US,A1)
【文献】特開2014-157011(JP,A)
【文献】特開2006-200771(JP,A)
【文献】特開平06-294683(JP,A)
【文献】特開平06-069030(JP,A)
【文献】特開平07-012454(JP,A)
【文献】米国特許第08065883(US,B2)
【文献】特表2008-518183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 9/00
F25B 9/14
F25D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵空間を規定するデュワと、
前記貯蔵空間内に、または、前記貯蔵空間に隣接して位置して、前記貯蔵空間に対して封止されるように構成される貯留部内部空間内において極低温液体の上
方にヘッドスペースを有するように極低温液体を含むように構成される貯留部と、
前記貯留部の前記ヘッドスペースと熱交換関係にある冷凍モジュールと、
前記貯留部内の温度または圧力を決定するように構成されるセンサと、
前記センサと前記冷凍モジュールに接続されて、前記ヘッドスペース内の圧力または温度が上昇した場合に定常状態の動作レベルからの前記貯留部の前記ヘッドスペースへの冷却の量を制御するように構成されているシステム制御部
を備え、
前記冷凍モジュールは前記貯留部の前記ヘッドスペースと熱交換関係にある低温先端部を含み、
前記貯留部は前記貯留部の前記ヘッドスペースと流体連通にある貯留部ネックによって前記デュワの内部に固定され、前記低温先端部は前記貯留部ネック内に位置し、
前記システム制御部は、前記ヘッドスペース内の圧力または温度が設定点よりも上昇したときに冷却を増強するように構成されている、極低温冷凍機。
【請求項2】
前記冷凍モジュールは、前記デュワに取り外し可能に設置されている、請求項1に記載の極低温冷凍機。
【請求項3】
前記デュワは真空断熱空間を含み、前記真空断熱空間を通り前記貯留部の前記ヘッドスペースと流体連通にある蒸気分岐管をさらに備え、前記低温先端部は前記蒸気分岐管の上部の内部に位置する、請求項
1に記載の極低温冷凍機。
【請求項4】
前記冷凍モジュールはアコースティック・スターリング冷凍サイクルを使用する、請求項
1に記載の極低温冷凍機。
【請求項5】
前記冷凍モジュールはハウジングを含む、請求項
4に記載の極低温冷凍機。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記ハウジングの内部を、前記システム制御部を含む前方室と前記冷凍モジュールのモータを含む後方室とに分離するための隔壁を含む、請求項
5に記載の極低温冷凍機。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記前方室の内部に位置する吸気孔と、前記後方室内に位置する排気孔を含み、前記隔壁内に位置するファンをさらに備え、前記吸気孔を通して冷気をハウジング内に引き、前記排気孔を通して前記ハウジングの外に空気を放出するように構成されている、請求項
6に記載の極低温冷凍機。
【請求項8】
前記ハウジングの前記後方室の内部に位置して前記排気孔に対向するバッフル壁をさらに備える、請求項
7に記載の極低温冷凍機。
【請求項9】
前記冷凍モジュールは前記吸気孔に隣接するヒートシンクを含む、請求項
7に記載の極低温冷凍機。
【請求項10】
前記ヒートシンクに取り付けられ、前記吸気孔を通して前記ヒートシンクを超えて空気を引くように構成されるファンをさらに備える、請求項
9に記載の極低温冷凍機。
【請求項11】
前記排気孔は、前記ハウジングの背面パネル内に位置する冷却スロットを含む、請求項
7に記載の極低温冷凍機。
【請求項12】
前記デュワに設置されて前記ハウジングの大部分を覆うシュラウドをさらに備える、請求項
5に記載の極低温冷凍機。
【請求項13】
前記低温先端部は、前記冷凍モジュールのハウジングが前記デュワから取り外されるときに前記貯留部ネックから取り外される、請求項
1に記載の極低温冷凍機。
【請求項14】
前記デュワは外壁によって囲まれる内壁を含み、真空断熱空間がその間にある、請求項1に記載の極低温冷凍機。
【請求項15】
前記デュワは、アクセス開口部を取り外し可能に覆う蓋をもってアクセス開口部を規定するアクセスネックを含み、前記蓋は天板と、プラグと、ガスケットリングとを含み、前記ガスケットリングは、前記蓋を閉鎖するために前記プラグが前記アクセス開口部に受容されているとき、前記アクセス開口部を封止するために前記アクセスネックに係合する、請求項1に記載の極低温冷凍機。
【請求項16】
前記アクセスネックは、前記蓋が閉鎖された形態にあるときに前記ガスケットリングによって係合されるガスケットスリーブを含む、請求項
15に記載の極低温冷凍機。
【請求項17】
前記ガスケットスリーブは前記アクセスネックの内側表面に沿って延び、着氷が前記デュワから取り除かれることを許容するように取り外し可能である、請求項
16に記載の極低温冷凍機。
【請求項18】
デュワの貯蔵空間が貯留部によって冷却されるように貯蔵空間の内部に位置する貯留部の内部空間内に極低温液体を移送し、前記貯留部の前記内部空間は前記デュワの前記貯蔵空間に対して封止されており、
前記極低温液体の上方の前記貯留部のヘッドスペースを
冷凍モジュールの低温先端部によって冷却し、
前記低温先端部は前記ヘッドスペースと熱交換関係にあり、前記貯留部は前記貯留部の前記ヘッドスペースと流体連通にある貯留部ネックによって前記デュワの内部に固定され、前記低温先端部は前記貯留部ネック内に位置し、そして、
システム制御部によって前記貯留部の温度または圧力が増加した場合に前記貯留部の前記ヘッドスペースの冷却を定常状態の動作レベルから増強する
ことを含
み、
前記貯留部の温度または圧力が増加した場合に前記貯留部の前記ヘッドスペースの冷却を定常状態の動作レベルから増強することは、前記貯留部内の温度または圧力が設定点よりも上に上昇したときに前記ヘッドスペースの冷却を増強することを含む、デュワの貯蔵空間を冷却する方法。
【請求項19】
前記極低温液体の上方の前記貯留部の前記ヘッドスペースの冷却は、アコースティック・スターリング冷凍サイクルを使用して達成される、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
前記貯留部内の圧力または温度が予め定められたレベルを超えた場合に前記貯留部を排気することをさらに含む、請求項
18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、低温で物質を貯蔵するための冷凍機またはデュワに関し、特定的には、冷却するために極低温流体貯留部と組み合わせた機械式冷凍システムを使用する極低温冷凍機に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学的材料を極低温冷凍機内で保存する場合、試料を単一の、制御された温度に維持する要求がある。温度が単一であることに加えて、所望の温度自体は貯蔵される材料のタイプと使用の目的によって変化する。例えば、生物細胞の長期間の保存では、温度を-160℃未満に保つことが望ましい。血漿または移植組織の短期間の貯蔵では、要求されるのは-50℃である。貯蔵の様々な要求に応えるために、極低温冷凍機は2つの別個の経路で展開されてきた。液体窒素(または「LN2」)による冷却と、機械式冷却である。
【0003】
従来のLN2極低温デュワは、
図1の10によって概略的に示されており、内側タンク14を収容する外側シェル12が特徴である。外側シェルと内側タンクは真空断熱空間16によって分離されており、取り外し可能な断熱蓋またはフラグ18が内側タンクの内部にアクセスを許す。いくつかのステンレス鋼の貯蔵ラック(そのうちの1つは22で図示されている)は、生物学的試料を収容する箱を保持し、デュワの内部に配置される。ラックは、円形の回転トレイ・プラットフォーム26に載せられる。貯蔵ラック22にアクセスするためには、使用者は、ハンドル28を使用してトレイ26を回転させる。デュワの底には液体窒素(-196℃)の溜まり32があり、デュワ内の生物学的試料を低温に保つ。
【0004】
図1のデュワ10では、ラックは液体窒素に直接接触しておらず、液体の上方の蒸気空間内にある。したがってラックの温度は液体窒素からの距離によって変化する。より具体的には、窒素の溜まりに最も近い、ラックの底部付近では最も低い温度であり、一方、溜まりから最も離れたラックの頂部では最も高い温度である。このような貯蔵デュワの初期のものでは、デュワの頂部から底部までの温度差が100℃になることも珍しくない。
【0005】
もっと最近のデュワは、ラックに熱伝導材料の使用し、デュワの構造の中で、この温度の層化を最小にし、頂部から底部まで液体窒素溜まりの温度に近づける。このようなデュワの例は一般的にブルックスらに所有される米国特許第6,393,847号に表されている。ブルックスらの’847号特許は、底部の液体の寒剤の溜まりと、円筒状のスリーブを特徴とするターンテーブルまたは回転可能なトレイを有するデュワを開示する。円筒状のスリーブは、トレイ上に貯蔵される生物学的試料から熱を輸送するために液体冷凍剤の溜まりの中に広がるスカートを特徴とする。このような対層化方法は作用するが、デュワの温度は液体窒素温度に近くなる傾向があり、そのようなデュワを長期間の貯蔵の用途に最も適するようにしている。
【0006】
機械式冷凍機は、家庭用の冷凍機と同じような方法で作用する。電気的に駆動される冷凍システムによって断熱容器が冷却される。極低温液体を冷媒として使用する冷凍システムもある。しかしながら、機械式冷凍機は、冷凍機の断熱と冷凍システムの効率によって達成される温度に限定される。それらは-40℃から-100℃の温度範囲で動作する傾向がある。
【0007】
機械式冷凍機によって示される最大の短所は、動作が電気に依存することである。電力が失われたり、冷凍システムが故障すると、冷凍機は短期間(2日間)で温まる。液体窒素式の冷凍機では、電力が落ちるか、または、液面制御部が故障すると、デュワの底部の窒素の溜まりが典型的には1か月の冷凍を提供する。この理由のために、冷凍機の市場は、低温での貯蔵または高価な材料が冷却される状況では、液体窒素の冷凍機の使用を好む傾向がある。機械式冷凍機は、極端な低温を要求しない、または、容易に代替可能な内容物を冷却する状況で使用される。
【0008】
従来の液体窒素冷凍機は、単一の、さらに、選択的な温度を維持するための2つの固有の問題を有する。第1に、上述のように、液体窒素冷媒は冷凍機の底部に貯蔵される。低温の気体は温かい気体よりも密度が高いので、底部に窒素溜まりを有る冷凍機は、当然、温度の層化をする傾向がある。冷凍機の内部に入る全ての熱は蒸気を温め、蒸気の密度は小さくなり、頂部に上昇する。大部分の液体窒素冷凍機は頂部開口を有しているので、冷凍機に入った熱の大部分はまず頂部に到達し、底部の液体によって効率よく吸収されない。これが層化の問題に加わる。
【0009】
第2に、液体窒素は大気圧で貯蔵されるので、その温度は常におよそ-196℃である。その結果、もしデュワ内の層化が除かれると、中の温度はおよそ-196℃になるだろう。
【0010】
さらに、液体窒素冷凍機は液体窒素が消費された場合に再充填するシステムを要求する。これは導入の費用を増加させ(すなわち、配管とタンクの資本の費用)、消費される液体窒素の費用も非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【0012】
【
図2】本開示の極低温冷凍機の1つの実施形態の斜視図である。
【0013】
【
図3】シュラウドを取り除いた
図2の冷凍機の上部の前方上面斜視図である。
【0014】
【0015】
【0016】
【
図6】
図5の冷凍モジュールの拡大側断面図である。
【0017】
【
図7】
図2~6の冷凍機の低温冷凍機とハウジングの底部または床パネルの一部の斜視図である。
【0018】
【
図8】
図2~6の冷凍機のシステム制御部によって実行される手順のフローチャートである。
【0019】
【
図9】
図2~6の冷凍機のデュワの内部へのラックの挿入に対する、貯蔵温度、貯留部の圧力と低温冷凍機の電流のグラフである。
【0020】
【
図10】
図2~6の冷凍機について、低温冷凍機の電源をオフにした状態の時間に対する貯蔵部の温度のグラフである。
【0021】
【
図11】本開示の極低温冷凍機の第2の実施形態の側断面図である。
【0022】
【
図12】
図11の冷凍機のデュワの上部の拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2の40によって本開示の極低温冷凍機の1つの実施形態が全体的に示されている。冷凍機は貯蔵デュワ42を含む。円筒形状のデュワが図示されているが、デュワは別の形状を備えていてもよい。この技術分野で知られているように、デュワは、外壁/外側スリーブと内壁/内側ジャケットを備え、この2つの間に、真空断熱を与えるために空気が抜かれた空間を有する。アクセスネック44はデュワの頂部に位置し、デュワの内部貯蔵空間にアクセスされ得るアクセス開口部を規定する。蓋46はアクセス開口部を覆う。シュラウド48もまたデュワの頂部に配置され、タッチスクリーンとディスプレイを備える制御パネル52がアクセスされ視認され得る開口を備える。単なる例示として、シュラウド48はプラスチックから成型され得る。階段54は、使用者がアクセスネック44と制御パネル52にアクセスすることを可能にする。
【0024】
シュラウドが取り除かれた
図3,4に図示されているように、全体的に60で示される冷凍モジュールは、全体的に56で示されるハウジングを含む。
図2,3からわかるように、制御パネル52はハウジングの前面壁58に設置されている。ハウジングはまた、好ましくは(他の取り付け具も使用され得るが)ねじ64によって取り付けられる、取り外し可能な側面パネルまたはカバープレート62を備える。
図4に図示されるように、ハウジングの背面パネル66は、以下に機能性が説明される冷却スロット68を備える。ハウジングは好ましくは金属によって構成されるが、他の材料も使用され得る。
【0025】
図5は(
図2のシュラウドが取り除かれた)冷凍機40の断面図を与える。内部貯蔵空間72はデュワ42によって規定され、隔壁74を有する回転ラックまたはターンテーブルを備える。それぞれの隔壁は、ラックの区画内に貯蔵された生物学的試料または他の材料にアクセスできるように、回転ラックまたはターンテーブルハが回転させられ得るようにハンドル76を備える。
【0026】
円筒形の貯留部78は貯蔵空間72の中央に位置し、極低温液体の上方のヘッドスペースを有して極低温液体82を保持する貯蔵内部空間80を規定する。貯留内部空間80はデュワの貯蔵空間72に対して封止される(すなわち、この2つの間に流体連通はない)が、貯蔵空間は、好ましくは金属材料によって構成される貯留部の壁を通した熱輸送によって冷却される。単に例示として、極低温液体は液体窒素(LN2)であり得る。回転ラックまたはターンテーブルの隔壁74は、ラックがハンドル76を介して回転させられる時にこれらが貯留部周りに回転するように、切り抜き84を備える。
【0027】
円筒形状の貯留部ネック86は、貯留部78から上に延び、ヘッドスペースと(貯留部内部空間80の残りと)流体連通にある下端を備える。貯留部ネック86の上端は、冷凍モジュール60の全体的に90で示される低温ヘッドの低温フィンガーと低温先端部88を受容する。
【0028】
図6には冷凍モジュールの拡大図が与えられる。冷凍モジュール60は、低温先端部88を冷却するための冷媒として極低温流体を使用する機械式冷凍装置を使用し、以下、「低温冷凍機」と称される。
図6,7において、低温冷凍機は全体的に92で示され、
図6に図示されるように、ハウジング56内に位置する。単に例示として、低温冷凍機は、アコースティック・スターリング(「パルス管」)冷凍サイクルを使用し得、ジョージア州ボールグラウンドのチャート インダストリーズ、インコーポレイテッドから入手可能なQDRIVE低温冷凍機であり得る。
【0029】
図6,7に図示されているように、低温冷凍機92は、輸送ライン98を介して熱遮断コア96に接続される圧力波生成器94を含み得る。全体的に90で示される低温ヘッドは、熱遮断コア96から下方に延び、低温先端部88内で終わる低温フィンガー100を含む。1組のヒートシンク102a,102bは、熱遮断コア96の反対側に位置し、電動ファン104a,104bを備える。コンプライアンスタンク106は、これも低温ヘッド90に接続されるコイル状のイナータンス管を含む。操作において、電動往復式リニアモータを含むパルス幅生成器94は、ヘリウムガスの圧力波またはパルスを熱遮断コア96に与える。熱遮断コア内の気体の(熱がヒートシンク102a,102bを通して引かれる)冷却と、(コンプライアンスタンク106内の)イナータンス管内の仮想的なピストン効果を介した低温ヘッド90内の気体の膨張を通して、冷却が低温先端部88に与えられる。
【0030】
上述の低温冷凍機92の実施形態のさらなる詳細は、いずれもここに全体が参照として組み込まれるSpoorらの米国特許第7,628,022号と、Coreyらの米国特許出願公開第2015/0033767号に見いだされ得る。
【0031】
本技術において知られる別の冷凍サイクルを使用する別の型の機械式冷凍装置は、
図5~7の低温冷凍機92の代わりに使用され得る。
【0032】
図5に図示されるように、下部管108は極低温貯留部78の底部に接続され、これもまたLN2充填ポート/接続部に接続される
図4の充填弁112に向かう。
図5において114で図示される上部管は、貯留部のヘッドスペース、貯留部排気弁(
図4の116)、安全噴出またはバースト弁(
図4の118)、周辺圧力リード(
図4の120)に接続する。極低温貯留部78の再充填の間、LN2源は充填ポート/接続部に接続され、充填弁(
図4の112)と貯留部排気弁(
図4の116)が開かれる。その結果、貯留部は下部管108を介して底部からLN2で充填される。貯留部78がLN2の適切な液位まで充填されると、弁が閉じられ、LN2源の接続が外される。
【0033】
図6を参照して、電子機器122もまた冷凍モジュール60のハウジング56内に配置され、絶対圧力センサ、差圧センサ、システム制御部を含む。システム制御部は、マイクロプロセッサまたは電子プログラム可能な装置であり、2つの圧力センサから信号を受信するために、絶対圧力センサと差圧センサに接続される。絶対圧力センサは上部管114(
図5)に接続され、貯留部78内の絶対圧力、すなわち、貯留部78のヘッドスペース内の圧力から
図4の周辺圧力リード120からの周囲の圧力を差し引いた圧力を決定する。
【0034】
電子機器122の差圧センサは下部管108と上部管114に接続し、受信された貯留部ヘッドスペースと(液体の)底部の圧力を用いて、貯留部内の液位を計算する。このような差圧液位センサは本技術において知られている。差圧センサを介して、貯留部78内の極低温液体の液位が予め定められた液位よりも下に落ちたことをシステム制御部が検知した場合、貯留部の再充填が必要であることを使用者に示す警報が鳴らされる。
【0035】
さらに、温度センサはデュワの貯蔵空間内に配置され、貯蔵空間内の温度が制御パネルに表示されるように、(
図2,3の制御パネル52にも通じる)システム制御部に接続され得る。さらなる温度センサは貯蔵空間内に配置され得、外部機材またはシステムのための接続を提供し得る。
【0036】
システム制御部の残りの機能性はここで説明される。
【0037】
制御手法
【0038】
システム制御部(
図6の電子機器の一部)によって実行される動作制御の目的は、
図5を参照して、デュワ42の貯蔵空間72の変化する熱負荷に対して、それらの間の液体貯留部78を介した低温冷凍機92による対応する熱抽出または冷却/冷凍のレベルの応答によって応え、それによって、最小の貯蔵空間内の温度変化で、貯留部の内容物の減少を少量から無しにして、貯蔵空間内の低温を維持することである。
【0039】
上記を達成するために、システム制御部は
図8に図示される処理を実行する。
図8のブロック132によって示されるように、システム制御部はまず貯留部(
図5の78)内の流体の状態を測定する。貯留部は、主に液体を含むが、その上方のヘッドスペースに蒸気も含む。貯留部は密閉され、密閉容器内で実質的に飽和平衡にあるので、一方の測定が他方を適切に示すように、物理法則が温度と圧力を関係付ける。断熱を通した通常の漏れ、アクセスネックの開口部、または、貯蔵空間よりも温かい材料の挿入によって、貯蔵空間に熱が加えられると、熱は貯留部内の極低温液体によって吸収される。このことは、貯留部内のLN2と関連付けられた蒸気の温度と圧力をわずかに上昇させる。同様に(通常ではないが)、もし貯蔵空間の残りよりも初期温度が低い物体が挿入されると、冷却効果が貯留部を冷却し、その温度と圧力をわずかに減少させる。安価な圧力センサの正確性と信頼性は安価な温度センサに比べてずっと大きいので、一般的には貯留部内の状態の変化を圧力の変化として測定することが好ましい。
【0040】
絶対圧力センサの読みは、それを、貯蔵空間に所望される予め選択された設定点温度(
図8のブロック134)と比較するシステム制御部に与えられる。外部周辺から貯留部への貯蔵空間を介した定常状態での熱の漏洩を考慮するために、小さな統計的な差異が定義され得る。意図される差異を考慮した貯留部の読みと設定点との差は、(本技術においてよく知られている)従来の比例積分制御アルゴリズムに入力され、
図8のブロック136で示されるように、逸脱を減少させて除くために、電圧がモータの電力を調整し、それによって冷凍機の冷却能力を調整する低温冷凍機(
図5~7の92)のモータに電圧を出力する。すなわち、冷凍機は、液体によって吸収された、加えられた熱が貯留部の圧力を上昇させると、定常状態の動作レベルよりも大きな電圧を受け、先の定常状態が回復されるまで、電圧は通常よりも高いままである。
【0041】
貯留部内の上昇した圧力は、そこの液体がいくらか沸騰して蒸気になっていることを意味するが、貯留部の内容物は通常の状態では失われない。(断熱の故障のような)異常な量の加熱が低温冷凍機を圧倒し得る緊急状態、または、拡張された、処理されていない冷凍機の故障の場合に、蒸気を逃がすために、貯留部には、安全放出装置(
図4の安全噴出またはバースト弁118)が付けられている。しかし、通常の操作状態では、通常の目標圧力は実質的に安全放出圧力よりも低い。例えば、冷凍機の目標操作圧力は、安全放出を40psigとして、約25psigに設定され得る。15psiの差は、酸素(貯留部内の好ましい種類)の飽和温度の90から97K(-183℃から-176℃)への上昇に対応し、氷のガラス転移点である約136K(-137℃)とされる一般的に生物学的材料の安全な長期間の貯蔵温度よりもまだずっと低い。別の例では、冷凍機は22psigの設定点と、50psigの安全圧力放出設定を有し得る。
【0042】
制御アルゴリズムの比例定数は、好ましくは、約5psiの逸脱範囲で、冷凍機に満(最大)容量)をもたらすように設定される。この最大冷却容量は、定常状態の熱漏洩の約2倍である。したがって、通常の操作では、冷凍機は、(新しい物質の導入によって)熱が加えられた後、安全な圧力限界を超えることなく通常の状態を回復するために十分以上の容量を有する。
【0043】
2つの温かいラックの挿入に対する、貯蔵部の温度のグラフ、貯留部の圧力、低温冷凍機の(適用された電圧に応答する)電流が
図9に示され、制御システムの機能と性能が図示されている。
【0044】
この制御システムの留意すべき利点は以下を含む。
【0045】
(1)通常の操作状態では冷媒の消費または置換の必要がない。
【0046】
(2)(低温冷凍機を動作させる)電力の消費は要求に合っており、それによって、スタート・ストップ・サイクルと合計のエネルギーの使用を最小化する。
【0047】
(3)スタート・ストップ冷却よりも調整された冷却が、貯蔵された物質での熱の逸脱を最小化し、冷凍焼け効果を最小化することによってその使用可能な寿命を拡張する。
【0048】
(4)液体がまず安全放出圧力まで上昇し、そしてその後に完全に沸騰して、重大な温度上昇が起きる前に排気されなければならないので、断熱、電力供給、冷凍機の故障の場合の貯蔵された物質にとって安全である。このようなことは、
図10に与えらえたグラフに図示されているように、冷凍機の電源を切った時の貯蔵部の温度を監視することによって示されている。
【0049】
冷凍モジュールの変更のための工程
【0050】
上述のように、冷凍機の実施形態は、極低温流体(典型的には液体窒素または酸素)のための中央の貯留容器を有する真空断熱容器(デュワ)と、
図3~6の60で示される、貯留部の内容物を処理し冷却する冷凍モジュールを含む。貯留部(
図5の78)を有する冷凍モジュール60とそのインタフェイスは、冷凍機の製造、使用、現場での修理において利点を有し、独特で新規である。
【0051】
運転中、本開示の冷凍機は、約135Kより高い温度への短時間の曝露によってさえも悪くなる、または、破壊される、非常に価値のある(そしてしばしば置換できない)生物学的材料を貯蔵するために使用される。先行技術の冷凍機において冷凍に失敗があれば、解放空気中での着氷を最小にし、材料の損傷を避けるために、そのような材料を故障した冷凍機から別のものに(もし十分な空間が利用可能であれば)素早く移動させる必要がある。これは危険を伴う過程であり、材料と労働者の双方にとって面倒でリスクがあり、必ずしも成功しない。
【0052】
図2~6の冷凍機とその独特の冷凍モジュール60によって、貯蔵された材料に接することまたは移動させることさえなく、修理と完全な冷却の回復が可能である。そのような修理の流れは以下の通りである。
【0053】
(1)冷凍が失敗する(機械的または電気的な故障)
【0054】
(2)警報信号が使用者に問題を警告する。使用者は置き換えを求める。
【0055】
(3)貯蔵部の断熱を通した熱漏洩が続くため、貯留部の圧力がゆっくりと上昇し始める。
【0056】
(4)現場に新しい冷凍モジュールが到着する。
【0057】
(5)モジュールから電源の接続が外される。
【0058】
(6)貯留部を大気圧に排気するために貯留部放出弁(
図4の116)が人手で開放される。(冷媒がいくらか失われるが、排気による冷却効果は、損失を、例えば22と50psigの間の当初圧力に応じて7~12%に少量に最小化する。)
【0059】
(7)カバー板(
図3,4の62)が冷凍モジュールのハウジング(
図3,4の56)から取り除かれ、低温冷凍機をデュワに取り付ける固定具が露出される。
【0060】
(8)貯留部の低温フィンガーのフランジ(
図6の142)と冷凍モジュール支持ブラケット(
図6の144)の両方において、ねじが低温冷凍機-デュワの取り付けから取り除かれる。他の実施形態ではもちろんねじ以外の固定具が使用され得る。
【0061】
(9)故障した冷凍モジュールがデュワから外され、現場外での修理のために横に置かれる。
【0062】
(10)貯留部は、低温フィンガーが取り除かれて開放されたネックフランジから蒸気を排出し続ける。この排気は、今や密閉されていない貯留部が開放されている間、空気と水分が貯蔵部に入ることを防ぐ。
【0063】
(11)新しいモジュールが低温フィンガーのフランジ上の新しいガスケットとともに位置に設置される。
【0064】
(12)ブラケットを支持するために低温フィンガーを貯留部とモジュールに対して封止するためのねじが元の位置に戻される。
【0065】
(13)電源が再度取り付けられ、冷凍機の操作が開始され、確認される。
【0066】
(14)モジュールのカバー(
図3,4のパネル62)が元の位置に戻される。
【0067】
【0068】
(15)必要であれば、失われた極低温液体が元に戻される。(場合によっては、これは、例えば中断時間が3~5日よりも少ない場合には、後になされ得る。)
【0069】
(16)冷凍機内の試料の取り扱いや重大な温度の上昇なく、冷凍機が使用者の運転に戻される。
【0070】
(17)故障したモジュールが修理工場への搬送のために包装される。
【0071】
比較すると、先行技術の機械式冷凍機は、機械的または電気的な故障が生じた場合、貯蔵されている材料の除去と再配置と、冷媒の除去と再充填を含む広範囲な分解を必要とする。貯蔵された材料への危険に加えて、このような輸送は、使用者によって注意深く代替の場所を調整し、関係するそれぞれの材料の記録を取り、これらの材料を動かし、後に戻し、そして、工程を通して最高温度の限界が超えられないことを仮定するために費やされる考慮すべき時間を必要とする。特に、このような故障は、従来の機械式冷凍機では、典型的には数年ごとに生じる。
【0072】
ノイズと電磁干渉に対する上部筐体の利点
【0073】
上述のように、本開示の冷凍機の実施形態は、ノイズと電磁干渉(EMI)輻射(このような輻射はすべての電気的機械的装置において典型的である)を処理するために、筐体の2つの層を有する上部筐体を含み得る。
【0074】
より具体的には、まず、上述され、
図5,6に図示されているように、低温冷凍機、システム制御部と関連付けられた熱交換器とファンを含む冷凍機の機材は、好ましくは金属によって構成されるハウジング56内に封入されている。ハウジングはEMI輻射を低減する。
図4に図示し、上に記載したように、ハウジングの背面パネル66は気流を冷却するために冷却スロット68を備える。
図6の148によって示されるバッフル壁は、ハウジング56内に配置され、スロットを通過するノイズとEMI輻射を低減するために、冷却スロットをじゃまをするように冷却スロットに対向する。別の空気排気孔の構成は冷却スロット68のに替えられ得ることに留意されるべきである。
【0075】
筐体の第2の外側の層は、
図2のシュラウド48によって与えられる。シュラウド48は、好ましくは高分子材料によって形成され、低温冷凍機とファンの音響放射を包み、内部に反響させる効果を有する。シュラウドはまた美観の向上を与える。
【0076】
ハウジング56を通って流れる冷却空気は、使用者から離れるようにハウジングの背面から放出され、それによって、使用者によって経験される騒音のレベルをさらに低減する。より具体的には、ハウジングは
図5~7において152で示される床パネルを備える。
図7に示されるように、1組の吸気孔154a,154bは低温冷凍機のヒートシンク102a,102bの下に配置されている。ヒートシンクのファン104a,104bは、動作中、矢印156a,156bで示すように、空気が吸気孔154a,154bを通ってハウジング内部に引かれるように構成される。
【0077】
図6を参照して、隔壁162はハウジング内で床から天井まで、そして、壁から壁まで延びる。
図6において164で示される電動式ファンは隔壁内に設置され、
図6の矢印172によって示されるように、空気を前方室166から後方室168に向かって、最終的にはハウジングの冷却スロット68(
図4)から外に出るように吹くように構成される。その結果、冷却気体は電子機器122を超えて流れる。さらに、隔壁はハウジングの後方室168から前方室166に戻る空気の再循環を防ぎ、低温冷凍機のパルス波発生モータ94からから冷凍機の前へのノイズの移動が低減される。隔壁162は好ましくはファン164を収容するくぼみと開口を有する発泡体の層を含む。
【0078】
対着氷特性
【0079】
上述の冷凍機の実施形態は、類似の真空断熱デュワの構造(典型的には貯蔵空間の底部の開放された溜まりの液体窒素の損失によって冷却される)を使用する先行技術の冷凍機と異なり、そのような窒素蒸気がなく、貯蔵空間は、湿度が示す水分を含む通常の空気によって満たされる。さらに、冷凍機の操作の間、それぞれのアクセス開口部によって新しい空気とさらなる水分がデュワの貯蔵空間内に導入され得る。貯蔵空間内の低温のために、このような水分は急速に凍結し、時間が経つと、過度の量に積層し得、貯蔵される材料の取扱いを妨害する。冷凍機は任意で着氷を処理するための緩和機能を含み得る。
【0080】
図5を参照して、また、先に記載したように、蓋46はアクセスネック44のアクセス開口部を封止する。蓋46は、プラグ176を取り付けられる円筒状の天板174を含む。単に例示として、蓋の天板174はプラスチックによって構成され得、プラグ176は発泡体またはコルクによって構成され得る。プラグは、アクセスネック44の内表面と係合するように大きさを決められ得る実施形態もある。
【0081】
環状の縁が天板174の下面上に形成され、プラグ176の上端を囲み、
図5において182で示されるガスケットリングは、環状リムの下に配置される。蓋が閉鎖状態にある場合、ガスケットリング182はアクセスネックの側壁の上端に係合する。ネックはまた、全周がアクセスネック44の側壁上端に折り重なる(ゴムまたはシリコーンの筒状の)スリーブの形態のガスケットを与えられ得る。さらに、蓋46とアクセスネック44は、閉塞時にプラグ-ネックの結合を確実にするために、アクセスネックの側壁の上端に対してガスケットリングを下に引くラッチを与えられ得、それによって、デュワが閉塞された時、貯蔵空間への空気と水分の流れを遮る。
【0082】
プラグが取り外される時(流入する空気によって遭遇される最初の低温表面)にアクセスネックの内側に氷が最も形成されそうであるとすると、ネックは、円筒状のスリーブ様の、シリコーンのような柔軟な、氷に非親和性の材料によって形成される(少なくともアクセスネックの内表面の一部を覆う)裏地を着けられ得る。氷はまだそこに形成されるだろうが、周期的に、(上述のようにアクセスネックの側壁の上部においてガスケットを封止する一部であり拡張部として形成される)スリーブは氷とともに持ち上げられ、家庭用の製氷器のように曲げられ、デュワから氷を開放し、氷のない状態でネック内の元の位置に戻され得る。
【0083】
さらに、貯蔵空間内のターンテーブルは、ターンテーブルの隔壁(
図5の74)の上部から吊るされる軽量の裏地を付けられ得、それぞれの区画に貯蔵される材料が配置される空間を含む、取り外し可能な袋のような要素を提供し得る。再び、周期的に、これらの裏地の袋は、取り外され、新しい、乾燥したもの、または、一度乾燥された元のものに置換されることができる。このような裏地の概念の1つの変形例は、ターンテーブルから離れるが、水蒸気を中に引き付け捉える防湿剤が注入された内側表面を有するシリコーンの外側表面を有する裏地を提供することである。
【0084】
図7を参照して、低温フィンガーの最も低温の部分は低温先端部88であり(すなわち、低温フィンガーの下端)、低温フィンガーの最も温かい部分は上端であることによって、低温フィンガー100に温度勾配が存在する。
図5に図示された冷凍機の実施形態では、低温フィンガーは貯留部ネック86内に位置する。その結果、低温フィンガーの最も温かい部分は貯留部ネック86の内側に位置し、貯留部とデュワの貯蔵空間へのさらなる熱の漏洩が与えられる。
図11において全体が200で示される別の冷凍機の実施形態においては、蒸気分岐管202が冷凍機の貯留部ネック203と流体連通にあり、デュワの上部において(
図12にまた示される)真空空間204を通過する。その結果、
図12に図示されるように、低温冷凍機の低温フィンガー206は、低温先端部208だけが蒸気分岐管202内に配置されて真空空間204によって囲まれる。その結果、低温フィンガー206の最も温かい部分から貯留部とデュワの貯蔵空間への熱輸送は仮想的に排除され、このことは、冷凍機の効率を高める。
図11,12の冷凍機のその他の詳細と要素は、
図5の実施形態についての上の記載と同一または類似である。
【0085】
本開示の好ましい実施形態が示され説明されたが、当業者にとって、本開示の精神から逸脱することなく、そこに変更と変形がなされ得ることは明らかであり、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって規定される。