(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】均一な誘電特性を有するプレプレグ及びラミネート
(51)【国際特許分類】
C08J 5/24 20060101AFI20220802BHJP
B32B 15/04 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
C08J5/24 CER
C08J5/24 CEZ
B32B15/04 A
(21)【出願番号】P 2017537886
(86)(22)【出願日】2014-10-02
(86)【国際出願番号】 US2014058824
(87)【国際公開番号】W WO2016053341
(87)【国際公開日】2016-04-07
【審査請求日】2017-09-20
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-23
(73)【特許権者】
【識別番号】507172576
【氏名又は名称】イソラ・ユーエスエイ・コーポレーシヨン
【氏名又は名称原語表記】Isola USA Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アムラ,タラン
(72)【発明者】
【氏名】シユーマツハー,ヨハン・アール
(72)【発明者】
【氏名】クロイアー,サシヤ
(72)【発明者】
【氏名】コン,ペギー
(72)【発明者】
【氏名】ウイルソン,スタンリー・イー
【合議体】
【審判長】加藤 友也
【審判官】植前 充司
【審判官】奥田 雄介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-232952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J5/24
B32B15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に硬化した樹脂含浸強化材料部分;ならびに
遊離の樹脂部分
を含んでなるプレプレグであって、ここで樹脂は少なくとも1種の高誘電率粒子状材料を含み、遊離の樹脂部分は誘電率DKwを有し、樹脂含浸強化材料部分は誘電率DK
WRを有し、ここで高誘電率材料は、DK
WRとDK
Wが(±)15%より大きく異ならないようにDK
WRをDK
Wと一致させるのに十分な量で樹脂中に導入され、強化材料の誘電率(DK
WR)がDK
Wと同じではなく、全ての誘電率はスプリットポスト法により決定され
、遊離の樹脂がいずれかの強化表面から少なくとも1ミクロンにある樹脂である、上記プレプレグ。
【請求項2】
1種もしくはそれより多い高Dk材料がそれぞれ少なくとも500のDkを有する請求項1のプレプレグ。
【請求項3】
1種もしくはそれより多い高Dk材料の粒度が1nm~40ミクロンの範囲である請求項1のプレプレグ。
【請求項4】
1種もしくはそれより多い高Dk材料が強誘電性材料である請求項1のプレプレグ。
【請求項5】
強誘電性材料がチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛ランタン及びそれらの組み合わせを含む群から選ばれる請求項4のプレプレグ。
【請求項6】
ベース樹脂が熱硬化性もしくは熱可塑性樹脂である請求項1のプレプレグ。
【請求項7】
1種もしくはそれより多い高Dk材料が2~70重量%の範囲の量で組成物中に存在する請求項1のプレプレグ。
【請求項8】
強化材料がガラス繊維織布、紙、フェルト、ガラス繊維及びプラスチックシートから選ばれる請求項1のプレプレグ。
【請求項9】
強化材料が低Dkガラス繊維編織布シートである請求項8のプレプレグ。
【請求項10】
低Dkガラス繊維編織布シートが3.5~7.0の範囲のDkを有する請求項9のプレプレグ。
【請求項11】
樹脂組成物が少なくとも1種のベース樹脂ならびにチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛ランタン及びそれらの組み合わせより成る群から選ばれる5~60重量%のあるいはより高Dk材料の粒子を含む請求項1のプレプレグ。
【請求項12】
DK
WRとDK
Wが(±)5%より大きく異ならない請求項1のプレプレグ。
【請求項13】
Dk
Rと高誘電率材料なしの樹脂の誘電率が30%より大きく異なる請求項1のプレプレグ。
【請求項14】
完全に硬化した請求項1のプレプレグを含むラミネート。
【請求項15】
少なくとも1つの銅層を含む請求項
14のラミネート。
【請求項16】
少なくとも1つの層として完全に硬化した請求項1のプレプレグを含むプリント基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
(1)発明の分野
本発明は、ベース樹脂と一緒に1種もしくはそれより多い高Dk材料を含む樹脂組成物に関し、ここで高Dk材料は硬化したベース樹脂の誘電率より高い誘電率を有する。本発明は、本発明の樹脂組成物を用いて作られる、プレプレグ又はラミネート断面を横切って均一な誘電率を有するプレプレグ及びラミネートにも関する。
【背景技術】
【0002】
(2)技術の記載
プレプレグ及び銅張りラミネートは、プリント基板の製造において日常的に用いられる平面状材料である。プレプレグ及びラミネートは、典型的にはガラス繊維織物、不織ガラス(non-woven glass)、紙又は他の繊維もしくは非繊維材料のような強化材料及びマトリックス材料-強化材料に含浸させるために適用されるか又は用いられる材料-として用いられるポリマー樹脂を含む複合構造である。
【0003】
電子デバイスの動作周波数は常に高くなっており、PCBsの製造に用いられるプレプレグ及びラミネートの誘電特性は、注意深く制御することがより重要になってきている。現在のプレプレグ及びラミネートに関する1つの問題は、強化材料とマトリックス材料の誘電特性が非常に異なることである。そのような金属張りラミネートを用いて組み立てられるプリント基板のような構造を介して非常に高速のシグナルが送信される場合、シグナルは、シグナルが異方性領域に及んで伝播する時の速度におけるひずみ及び差を経験する。異なるシグナルが流れている(is run)時に問題はさらに複合され、最も悪い場合の筋書きでは、長距離に及ぶ伝播の速度における差が大きなシグナル一体性の問題、そしていくつかの場合には全体的なシグナルの消失に導く。この問題は、特に4つのチャンネルを経て100ギガバイト/秒を送信するために14GHzまで及びそれを超えて動くオンボード周波数を用いる電子デバイス設計者にとって大きな懸念となり、そこにおいてひずみは大きな設計上の挑戦であると思われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、マトリックスの誘電率と強化材料の誘電率の間のギャップを取り除くことにより、ひずみの問題を解決するプレプレグ及びラミネートを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かくして本発明の1つの側面は、1種もしくはそれより多いベース樹脂及び1種もしくはそれより多い高Dk材料を含んでなる樹脂組成物であり、ここで1種もしくはそれより多い高Dk材料は、樹脂組成物が適用される強化材料のDkにプラスもしくはマイナス(±)15%以内まで一致する硬化Dkを樹脂組成物に与えるのに十分な量で樹脂組成物中に存在する。
【0006】
本発明の別の側面は、少なくとも1種のベース樹脂ならびに約5~約60重量%のチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛ランタン及びそれらの組み合わせより成る群から選ばれる1種もしくはそれより多い高Dk材料の粒子を含んでなる樹脂組成物であり、ここで樹脂組成物のDkは樹脂組成物が適用されるガラス繊維編織布強化材料のDkにプラスもしくはマイナス(±)15%以内まで一致する。
【0007】
本発明のさらに別の側面は、DkRを有する強化材料及びDkWを有する1種もしくはそれより多いベース樹脂を含む樹脂組成物を含んでなるプレプレグであり、ここでDkRはDkWより15%より大きく(more than 15% grater than)、樹脂組成物はさらに、樹脂組成物が適用される強化材料のDkRにプラスもしくはマイナス(±)15%以内まで一致する硬化DkWを樹脂組成物に与えるのに十分な量で樹脂組成物中に存在する1種もしくはそれより多い高Dk材料を含む。
【0008】
本発明のさらにもっと別の態様は:少なくとも部分的に硬化した樹脂を含浸させた強化材料部分;ならびに遊離の樹脂部分を含んでなるプレプレグであり、ここで樹脂は少なくとも1種の高誘電率材料を含み、遊離の樹脂部分は誘電率DKwを有し、樹脂含浸強化材料部分は誘電率DKWRを有し、ここで高誘電率材料は、DKWRをDKWと一致させて、DKWRとDKWが(±)15%より大きく異ならないようにするのに十分な量で樹脂中に導入される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、その断面を横切って均一な誘電率を含む本発明のプレプレグ又はラミネート態様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本態様の記述
本発明は一般的に、樹脂又はマトリックス成分及び強化成分を含むエレクトロニクス産業で用いられる強化されたプレプレグ及びラミネートを目的とする。本発明のプレプレグ及びラミネート中で用いられる出発成分は、15%より大きく異なる誘電率を有する。特に、樹脂成分はDKWを有し、強化成分はDKRを有し、DKWとDKRは15%より大きく異なる。事実、DKR及び高Dk材料なしの樹脂材料のDK(本明細書でDK0と言及される)は容易に30%より大きく異なるのが普通である。
【0011】
「出発成分の誘電率」という用語は、出発材料を合わせて樹脂含浸強化材料を形成する前ならびに/あるいはそれらが強化されたプレプレグ及び/又はラミネート中に導入される前のそれぞれの出発材料の誘電率を指す。
【0012】
本発明の1つの態様において、高誘電率材料を用いて樹脂成分を改質し、マトリックス成分の誘電率と強化材料の誘電率が「均一」である又は「一致する」プレプレグ又はラミネートを形成する。「均一」又は「一致する」という用語は、互いにプラスもしくはマイナス(±)15%より大きく異ならない、そしてより好ましくはプラスもしくはマイナス(±)5%より大きく異ならない2つの誘電率を指すために、本明細書で類似して用いられる。
【0013】
本発明の別の態様は、それらの断面を横切って一致する又は均一な誘電率を有するプレプレグ及びラミネートである。プレプレグ又はラミネートの場合、これはプレプレグ又はラミネートの樹脂含浸強化材料部分の誘電率(DKWR)がプレプレグ又はラミネートの遊離の樹脂部分の誘電率(DKW)に一致することを意味する。この態様において、樹脂の誘電率を樹脂含浸強化材料の誘電率と一致させて、その断面を横切って一致した誘電率を有するラミネートを形成する。
【0014】
上記の態様において、強化材料の誘電率(DkR)は一般に固定されている。さらに、高誘電率材料なしの樹脂又はマトリックス材料の誘電率(Dk0)は一般に強化材料の誘電率(DkR)と有意に異なる、すなわち±15%より大きく異なる。従って本発明は、マトリックス材料を強化材料と合わせる前に1種もしくはそれより多い高誘電率(Dk)
材料を樹脂(マトリックス材料とも言及される)中に導入することにより、誘電率を一致させる。
【0015】
ここで
図1を参照すると、断面「Y」を有する本発明のプレプレグ(10)が示されている。プレプレグは遊離の樹脂部分(12)及び樹脂含浸強化材料部分(14)を含む。遊離の樹脂部分はDk
Wを有する。樹脂含浸強化材料部分はDk
WRを有する。プレプレグ又はラミネートの遊離の樹脂部分は、Dk
WRと無関係に決定され得るDk
Wを有するいずれかの樹脂を含む。「遊離の樹脂」という用語は、プレプレグ又はラミネートの一部であるが、樹脂含浸強化材料部分中に樹脂が導入された後、いずれかの強化表面(reinforcement surface)-上面(16)下面(18)又は側面(20)及び(22)-から少なくとも1ミクロンにある樹脂を指す。遊離の樹脂は一般にb-ステージ化又はc-ステージ化樹脂であろう。これは、例えば樹脂がコーティングされた銅シートが芯の樹脂含浸強化材料に下向きに適用されて、銅がコーティングされたプレプレグ又はラミネートが形成された後に残る遊離の樹脂を含む。
【0016】
本明細書で議論される「誘電率」及び本明細書で言及される誘電率範囲又は数値はすべてBereskin試験法により決定されるか、あるいは代わりにスプリットポスト法(split post method)により決定される。誘電率の比較が議論される場合、比較される誘電率は同じ試験法により決定される。樹脂の誘電率は完全に硬化した樹脂試料を用いて決定される。樹脂含浸強化材料部分の誘電率DkWRは、完全に硬化した樹脂を含浸させた強化材料の試料を用いて決定される。
【0017】
強化材料は、プリント基板の製造に用いられるプレプレグ又はラミネートの二次加工のための基質シートの製造において有用であることが既知のいずれのシート又は微粉砕された材料であることもできる。記載した通り、微粉砕されたガラス繊維材料のような微粉砕された材料(ground material(s))を用いることができるが、強化材料はシート材料であるのが好ましい。例えば強化シート材料は、種々のガラス布(例えばロービングクロス、クロス(cloth)、チョップマット(chopped mat)及びサーフェーシングマット(surfacing mat))、金属繊維布など;液晶繊維から作られる織布又は不織布(例えば全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維及びポリベンズアゾール繊維);合成繊維から作られる織布又は不織布(例えばポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維及びアクリル繊維);天然繊維布(例えば綿布、麻布及びフェルト);炭素繊維布;ならびに天然セルロース性布(例えばクラフト紙、綿紙及び紙-ガラス組み合わせ繊維紙(paper-glass combined fiber paper))を含む無機繊維布であることができる。
【0018】
本発明の1つの側面において、強化材料はガラス繊維編織布材料(woven glass fabric material)である。そのようなガラス繊維編織布材料は、約3.5~7.0かもしくはそれより高いDkRを有するであろう。そのようなガラス繊維編織布材料の例には、例えば約3.5~約4.5のDkRを有する低Dkガラス、E-ガラス;R-ガラス、ECR-ガラス、S-ガラス、C-ガラス、Q-ガラス及びガラス繊維編織布強化プレプレグ及びラミネートの製造において有用であることが既知の種類の他のガラス繊維編織布が含まれる。
【0019】
本発明の樹脂組成物は、プレプレグ及びラミネート材料の製造において有用であることが当該技術分野において既知である1種もしくはそれより多いベース樹脂を含むであろう。ベース樹脂は、典型的には熱硬化性又は熱可塑性樹脂であろう。有用なベース樹脂の例にはエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテルに基づく樹脂、シアヌレート樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、ケトンホルムアルデヒド樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキ
ド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、トリアジン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂及びそれらの組み合わせ又は混合物が含まれる。
【0020】
本発明の1つの側面において、ベース樹脂はエポキシ樹脂であるか又はエポキシ樹脂を含む。有用なエポキシ樹脂のいくつかの例にはフェノール型、例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルに基づくもの、フェノール-ホルムアルデヒドノボラックもしくはクレゾール-ホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジルエーテルに基づくもの、トリス(p-ヒドロキシフェノール)メタンのトリグリシジルエーテルに基づくものあるいはテトラフェニルエタンのテトラグリシジルエーテルに基づくもの;アミン型、例えばテトラグリシジル-メチレンジアニリンに基づくもの又はp-アミノグリコールのトリグリシジルエーテルに基づくもの;環状脂肪族型、例えば3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートに基づくものが含まれる。「エポキシ樹脂」という用語は、過剰のエポキシ(例えば前記の型の)を含有する化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物の反応生成物も指す。これらの化合物はハロゲン-置換されていることができる。ビスフェノールAの誘導体であるエポキシ-樹脂、特にFR-4が好ましい。FR-4は、過剰のビスフェノールAジグリシジルエーテルとテトラブロモビスフェノールAの進行反応(advancing reaction)により作られる。エポキシ樹脂とビスマレイミド樹脂、シアナート樹脂及び/又はビスマレイミドトリアジン樹脂の混合物を適用することもできる。
【0021】
樹脂組成物は、ベース樹脂の他に典型的には開始剤又は触媒、1種もしくはそれより多い場合による難燃剤及び溶媒を含むであろう。難燃剤は、プリント基板の製造に用いられるプレプレグ及びラミネートの製造に用いられる樹脂組成物中で有用であることが既知のいずれの難燃性材料であることもできる。難燃剤はハロゲンを含有することができるか、あるいはそれらはハロゲンを含有しないことができる。あるいはまた、もしくはさらに、硬化した樹脂に難燃性を与えるために、樹脂は臭素のようなハロゲンを含むことができる。
【0022】
樹脂組成物は重合開始剤又は触媒も含むことができる。いくつかの有用な開始剤又は触媒の例には過酸化物又はアゾ-型重合開始剤(触媒)が含まれるが、これらに限られない。一般に選ばれる開始剤/触媒は、それがこれらの機能の1つを果たしても果たさなくても、樹脂の合成又は硬化において有用であることが既知のいずれの化合物であることもできる。
【0023】
樹脂組成物は1種もしくはそれより多い溶媒を含み、それらは典型的には適した樹脂組成物成分を可溶化するため、及び/又は樹脂の粘度を制御するため、及び/又は樹脂の成分を懸濁された分散物(suspended dispersion)中に保つために用いられる。熱硬化性樹脂系と関連して有用であることが当該技術分野における熟練者により既知のいずれの溶媒を用いることもできる。特に有用な溶媒にはメチルエチルケトン(MEK)、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)又はそれらの混合物が含まれる。下記の通り、樹脂組成物はプレプレグ及びラミネートの製造に用いられる。製造プロセスの間に、強化材料に樹脂組成物を含浸させるか、あるいは他の方法で合わせ、溶媒のいくらか又はほとんどを樹脂組成物から除去してプレプレグ及びラミネートを製造する。かくして樹脂組成物の重量パーセント量を挙げる場合、他にことわらなければそれらは乾燥-無溶媒基準で報告される。
【0024】
樹脂組成物は、充填剤、強化剤、付着促進剤、脱泡剤、均展剤、染料及び顔料を含む多様な他の場合による成分を含むことができる。例えば蛍光染料を微量で樹脂組成物に加え、それから製造されるラミネートがボードショップの光学検査装置においてUV光に暴露
されると蛍光を発するようにすることができる。プリント基板ラミネートの製造に用いられる樹脂中で有用であることが当該技術分野における熟練者により既知の他の場合による成分も、本発明の樹脂組成物中に含まれることができる。
【0025】
本発明の樹脂組成物は、1種もしくはそれより多い高Dk材料も含むであろう。高Dk材料は、高Dk材料を含む硬化したもしくは部分的に硬化した樹脂組成物のDkが樹脂組成物の樹脂成分のDkと異なる、そして好ましくはそれより高くなるように、液体樹脂中に導入され得るいずれの材料であることもできる。1つの態様において、高Dk材料は約200より高い、そしてより好ましくは約500より高いDkを有するであろう。
【0026】
有用な高Dk材料の1つの種類は、強誘電性材料である。いくつかの有用な強誘電性材料の例にはチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛ランタン及びそれらの組み合わせが含まれる。特に有用な高DK材料はチタン酸ストロンチウム及びチタン酸バリウムである。
【0027】
高DK材料を粒子状材料として樹脂組成物中に導入することができる。粒子状材料(a
particular material)を用いる場合、高DK材料は、典型的には約1nm~40ミクロンの範囲の粒度を有するであろう。
【0028】
高DK材料は、均一なプレプレグ又はラミネートを形成するのに十分な量で樹脂組成物中に含まれるであろう。1つの態様において、均一なプレプレグ又はラミネートは、強化材料のDkRの±15%以内、そして好ましくは±5%以内である樹脂組成物又はマトリックスのDkWを有するであろう。別の態様において、均一なプレプレグ又はラミネートは、樹脂含浸強化材料部分のDkWRの±15%以内、そして好ましくは±5%以内であるDkWを有する遊離の樹脂部分を有するであろう。
【0029】
樹脂組成物中に導入される高DK材料の量は、ベース樹脂のDK0及び強化材料のDKRに依存して変わるであろう。一般に、Dk0とDkRの間の差が大きい程、樹脂組成物中に含まれるであろう高Dk材料の量は多い。一般に、ベース樹脂のDkにおける変化を引き起こすために、乾燥基準で樹脂組成物の約2重量%より多い量の高Dk材料が必要である。樹脂組成物の性質に有意に影響せずに樹脂組成物中に導入することができる高Dk材料の最大量は、乾燥無溶媒基準で約70重量%である。別の態様において、高Dk材料は乾燥基準で約5~約60重量%の範囲の量で樹脂組成物中に存在するであろう。我々は、約4のDk0を有するベース樹脂への約5~約60重量%の粒子状チタン酸バリウムの添加は、樹脂組成物のDkWを、5重量%の添加量における4のすぐ上の値から60重量%の添加量における7.5より高い値に上昇させることを見出した。
【0030】
上記の樹脂組成物は、プリント基板の製造で用いられるプレプレグ及び/又はラミネートの製造のために特に有用である。プリント基板の製造において有用であるために、ラミネートを部分的に硬化させるか又はb-段階化し(b-staged)-当該産業においてプレプレグとして既知のものを形成するために-ことができ、その状態においてそれらを追加の材料のシートと組み合わせ(laid up)てc-段階化された(c-staged)又は完全に硬化したラミネートシートを形成することができる。あるいはまた、樹脂をc-段階化された又は完全に硬化した材料シートに造り上げることができる。
【0031】
1つの有用な加工システム(processing system)において、上記の樹脂組成物/強化材料組み合わせは、バッチ法又は連続法におけるプレプレグの製造に有用である。プレプレグは一般に、ガラス繊維織物ウェブ(編織布)のロールのような「コア」材料を用いて製造され、それはほどかれて一系列のドライブロール(drive rolls)にされる。次いでウェブはコーティング領域中に通過し、そこでウェブは本発
明の熱硬化性樹脂系、溶媒及び他の成分を含有するタンクを通過し、そこでガラスウェブは樹脂で飽和した状態になる。飽和ガラスウェブは、次いで一対の計量ロールを通過し、それは飽和ガラスウェブから過剰の樹脂を除去し、その後、樹脂がコーティングされたウェブは、溶媒がウェブから蒸発するまで、選ばれる時間に及んで乾燥塔の区間を移動する。プレプレグの製造が完了するまでこれらの段階を繰り返すことにより、第2の及び続く樹脂のコーティングをウェブに適用することができ、そうしたら、プレプレグをロール上に巻く。ガラス繊維織物ウェブを編織布材料、紙、プラスチックシート、フェルト及び/又は粒子状材料、例えばガラス繊維粒子もしくは粒子状材料と置き換えることができる。
【0032】
プレプレグ又はラミネート材料の製造のための別の方法において、本発明の熱硬化性樹脂を周囲温度及び圧力下に混合容器中で予備混合する。予備混合物の粘度は約600~1000cpsであり、樹脂に溶媒を加えるかもしくはそれから溶媒を除去することにより調整され得る。編織布基質-Eガラスのような-を、予備混合された樹脂を含む浸漬タンクを介し、オーブン塔(oven tower)を介して引張り、オーブン塔で過剰の溶媒を除去し(driven off)、プレプレグを巻くかもしくは適した寸法のシートとし(sheeted to size)、ガラスウィーブの型(glass weave style)、樹脂含有量及び厚さの要件に依存する種々の構造におけるCu箔の間に組み合わせる。
【0033】
スロットダイ又は他の関連するコーティング法を用いて、樹脂組成物を薄層においてCu箔基質(RCC-樹脂がコーティングされたCu)に適用することもできる。
【0034】
上記の樹脂、プレプレグ及び樹脂がコーティングされた銅箔シートを、プリント基板の製造に用いられるもののようなラミネートをバッチ法又は連続法で製造するために用いることができる。本発明のラミネート製造のための代表的な連続法において、銅、樹脂プレプレグ及び薄い編織布シートのそれぞれの形態における連続シートを連続的にほどいて一系列のドライブロールにし、プレプレグシートが銅箔シートと編織布シートの間に置かれるように、銅箔シートに隣接する樹脂プレプレグシートに隣接する編織布のウェブの層を形成する。次いで、樹脂を編織布材料中に移動させ、且つ樹脂を完全に硬化させるのに十分な時間、ウェブを熱及び圧力条件に供する。得られるラミネートにおいて、編織布中への樹脂材料の移動は、樹脂層の厚さ(銅箔材料と編織布シート材料の間の距離)を減少させ、上記で議論した組み合わせ層が3つの層のウェブから1つのラミネートシートに変形する時にゼロに近づける。この方法の代替法において、1つのプレプレグ樹脂シートを編織布材料層の一面に適用し、組み合わせを2つの銅層の間に挟み、その後熱及び/又は圧力を組み合わせに適用し、樹脂材料を流れさせて十分に編織布層に含浸させ、両銅箔層を中心ラミネートに接着させることができる。
【0035】
さらに別の態様において、2種の連続的に動く銅シートに樹脂の薄いコーティングを適用し、シートから過剰の樹脂を除去して樹脂の厚さを制御し、次いで熱及び/又は圧力条件下で樹脂を部分的に硬化させ、b-段階化された(b-staged)樹脂がコーティングされた銅のシートを形成することにより、ラミネートを製造すると同時に樹脂組成物がコーティングされた銅シートを製造することができる。b-段階化された樹脂がコーティングされた銅のシートを、次いでラミネート製造法において直接用いることができる。
【0036】
さらにもっと別の態様において、編織布材料(fabric material)-予備処理あり又はなしの-を樹脂組成物浴中に連続的に供給し、編織布材料に樹脂組成物を含浸させるようにすることができる。場合により、方法のこの段階に樹脂組成物を部分的に硬化させることができる。次に、1つもしくは2つの銅箔層を、樹脂組成物を含浸させた編織布シートの第1及び/又は第2の平らな表面と合わせてウェブを形成し、その後熱及び/又は圧力をウェブに適用して樹脂組成物を完全に硬化させる。
【0037】
本発明を例示的やり方で記述してきた。用いられてきた用語は制限ではなくて説明の用語の性質を帯びていることが意図されていることが理解されるべきである。上記の記述を見ると、本発明の多くの修正及び変形が可能である。従って、添付の請求項の範囲内で、特定的に記載された以外に本発明を実施することができる。