(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス用クランプおよび固定用部品
(51)【国際特許分類】
H02G 3/30 20060101AFI20220802BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H02G3/30
B60R16/02 623D
(21)【出願番号】P 2018024200
(22)【出願日】2018-02-14
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】大塚 孝太郎
(72)【発明者】
【氏名】中塚 慧
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 創
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 祥
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-205358(JP,A)
【文献】特開2005-268173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/30
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネスクランプ部を具備した
平板状の本体板部と、
前記本体板部から突出している
平板状の複数の突出板部と、
前記複数の突出板部のうちの前記本体板部に隣接している1つの突出板部と前記本体板部とをつないでおり、また、前記複数の突出板部のうちのお互いが隣接している2つの突出板部同士をつないでいる複数のヒンジ部と、
前記複数の突出板部のうちの所定の突出板部に設けられた被係止部と、
を有し、
前記本体板部と前記突出板部とには、固定部、被固定部の少なくともいずれかが設けられており、
前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に固定されることで、前記ヒンジ部での曲げがされ、前記本体板部、前記突出板部が互い重なっている状態が固定されるように構成されており、
前記本体板部や前記突出板部の前記固定部は、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向で前記本体板部や前記突出板部を貫通している貫通孔、もしくは、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向に前記本体板部や前記突出板部の平面状の表面から凹んでいる凹部で構成されており、
前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部は、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向に前記本体板部や前記突出板部の平面状の表面から突出している突起で構成されており、
前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に固定された状態では、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部内に入り込むように構成されており、
前記本体板部や前記突出板部に設置されることで、前記ヒンジ部での曲げがされていない状態を固定するための平板状の固定用部品を有し、
前記固定用部品には、前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に固定される被固定部、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が固定される固定部の少なくともいずれかが設けられており、
前記固定用部品の前記固定部は、前記本体板部や前記突出板部の前記固定部と同様に形成されており、前記固定用部品の厚さ方向で前記固定用部品を貫通している貫通孔、もしくは、前記固定用部品の厚さ方向に前記固定用部品の平面状の表面から凹んでいる凹部で構成されており、
前記固定用部品の前記被固定部は、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部と同様に形成されており、前記固定用部品の厚さ方向に前記固定用部品の平面状の表面から突出している突起で構成されており、
前記固定用部品の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に入り込むこと、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記固定用部品の固定部に入り込むことの少なくともいずれかの状態になっていることで、前記固定用部品が前記本体板部や前記突出板部に設置されて前記ヒンジ部での曲げがされていない状態の固定がされるように構成されていることを特徴とするワイヤハーネス用クランプ。
【請求項2】
前記固定用部品には、前記ヒンジ部に入り込む凸部が設けられており、
前記固定用部品が前記本体板部や前記突出板部に設置されている状態では、前記ヒンジ部の長手方向の全長にわたって前記固定用部品の凸部が入り込んでいる請求項1に記載のワイヤハーネス用クランプ。
【請求項3】
ワイヤハーネスクランプ部を具備した
平板状の本体板部と、前記本体板部から突出している
平板状の複数の突出板部と、前記複数の突出板部のうちの前記本体板部に隣接している1つの突出板部と前記本体板部とをつないでおり、また、前記複数の突出板部のうちのお互いが隣接している2つの突出板部同士をつないでいる複数のヒンジ部とを有する
ワイヤハーネス用クランプに使用される固定用部品であって、
前記本体板部と前記突出板部とには、固定部、被固定部の少なくともいずれかが設けられており、
前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に固定されることで、前記ヒンジ部での曲げがされ、前記本体板部、前記突出板部が互い重なっている状態が固定されるように構成されており、
前記本体板部や前記突出板部の前記固定部は、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向で前記本体板部や前記突出板部を貫通している貫通孔、もしくは、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向に前記本体板部や前記突出板部の平面状の表面から凹んでいる凹部で構成されており、
前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部は、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向に前記本体板部や前記突出板部の平面状の表面から突出している突起で構成されており、
前記固定用部品には、前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に固定される被固定部、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が固定される固定部の少なくともいずれかが設けられており、
前記固定用部品の前記固定部は、前記本体板部や前記突出板部の前記固定部と同様に形成されており、前記固定用部品の厚さ方向で前記固定用部品を貫通している貫通孔、もしくは、前記固定用部品の厚さ方向に前記固定用部品の平面状の表面から凹んでいる凹部で構成されており、
前記固定用部品の前記被固定部は、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部と同様に形成されており、前記固定用部品の厚さ方向に前記固定用部品の平面状の表面から突出している突起で構成されており、
前記固定用部品の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に入り込むこと、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記固定用部品の固定部に入り込むことの少なくともいずれかの状態になっていることで、前記ヒンジ部での曲げがされていない状態の固定がされるように構成されている固定用部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネス用クランプおよび固定用部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、
図22で示すようなワイヤハーネス用クランプ301が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
従来のワイヤハーネス用クランプ301は、車両内に設置されて使用されるものであり、突起(被係止部)303が、車両の図示しない車体パネル等の係止体(被取付部材)の貫通孔に挿入されることで、上記係止体に設置されるようになっている。
【0004】
また、従来のワイヤハーネス用クランプ301には、ワイヤハーネスが固定されるワイヤハーネスクランプ部(取付部)305が設けられている。
【0005】
さらに、従来のワイヤハーネス用クランプ301の本体部309には、1つもしくは2つのヒンジ部307が設けられている。なお、ヒンジ部307は、突起303とワイヤハーネスクランプ部305との間に設けられている。
【0006】
そして、ヒンジ部307を適宜折り曲げることで、突起303とワイヤハーネスクランプ部305との間の寸法(オフセット量)を適宜変えることができるようになっている。
【0007】
上記オフセット量を変えることで、車体パネルの形態がある程度変化したときでも、ワイヤハーネスを車体パネルに取り付けることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来のワイヤハーネス用クランプ301では、ヒンジ部307が1つもしくは2つしか設けられていないので、上記オフセット量を最大でも4(22=4)通りしか設定することができず、車体パネルの形態がさらに別の形態に変化したときには、使用することができなくなる。
【0010】
すなわち、従来のワイヤハーネス用クランプ301では、より広範囲の形態の車体パネル等の係止体への使用制限が発生してしまい、使用が限定的になってしまうという問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ワイヤハーネスを係止体に設置するときに使用されるワイヤハーネス用クランプにおいて、5通り以上のオフセット量を有することで、係止体の形態がより広範囲に変化しても使用することができるワイヤハーネス用クランプおよびワイヤハーネス用クランプ用の固定部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、ワイヤハーネスクランプ部を具備した平板状の本体板部と、前記本体板部から突出している平板状の複数の突出板部と、前記複数の突出板部のうちの前記本体板部に隣接している1つの突出板部と前記本体板部とをつないでおり、また、前記複数の突出板部のうちのお互いが隣接している2つの突出板部同士をつないでいる複数のヒンジ部と、前記複数の突出板部のうちの所定の突出板部に設けられた被係止部とを有し、前記本体板部と前記突出板部とには、固定部、被固定部の少なくともいずれかが設けられており、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に固定されることで、前記ヒンジ部での曲げがされ、前記本体板部、前記突出板部が互い重なっている状態が固定されるように構成されており、前記本体板部や前記突出板部の前記固定部は、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向で前記本体板部や前記突出板部を貫通している貫通孔、もしくは、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向に前記本体板部や前記突出板部の平面状の表面から凹んでいる凹部で構成されており、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部は、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向に前記本体板部や前記突出板部の平面状の表面から突出している突起で構成されており、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に固定された状態では、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部内に入り込むように構成されており、前記本体板部や前記突出板部に設置されることで、前記ヒンジ部での曲げがされていない状態を固定するための平板状の固定用部品を有し、前記固定用部品には、前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に固定される被固定部、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が固定される固定部の少なくともいずれかが設けられており、前記固定用部品の前記固定部は、前記本体板部や前記突出板部の前記固定部と同様に形成されており、前記固定用部品の厚さ方向で前記固定用部品を貫通している貫通孔、もしくは、前記固定用部品の厚さ方向に前記固定用部品の平面状の表面から凹んでいる凹部で構成されており、前記固定用部品の前記被固定部は、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部と同様に形成されており、前記固定用部品の厚さ方向に前記固定用部品の平面状の表面から突出している突起で構成されており、前記固定用部品の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に入り込むこと、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記固定用部品の固定部に入り込むことの少なくともいずれかの状態になっていることで、前記固定用部品が前記本体板部や前記突出板部に設置されて前記ヒンジ部での曲げがされていない状態の固定がされるように構成されているワイヤハーネス用クランプである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記固定用部品には、前記ヒンジ部に入り込む凸部が設けられており、前記固定用部品が前記本体板部や前記突出板部に設置されている状態では、前記ヒンジ部の長手方向の全長にわたって前記固定用部品の凸部が入り込んでいる請求項1に記載のワイヤハーネス用クランプである。
【0014】
請求項3に記載の発明は、ワイヤハーネスクランプ部を具備した平板状の本体板部と、前記本体板部から突出している平板状の複数の突出板部と、前記複数の突出板部のうちの前記本体板部に隣接している1つの突出板部と前記本体板部とをつないでおり、また、前記複数の突出板部のうちのお互いが隣接している2つの突出板部同士をつないでいる複数のヒンジ部とを有するワイヤハーネス用クランプに使用される固定用部品であって、前記本体板部と前記突出板部とには、固定部、被固定部の少なくともいずれかが設けられており、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に固定されることで、前記ヒンジ部での曲げがされ、前記本体板部、前記突出板部が互い重なっている状態が固定されるように構成されており、前記本体板部や前記突出板部の前記固定部は、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向で前記本体板部や前記突出板部を貫通している貫通孔、もしくは、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向に前記本体板部や前記突出板部の平面状の表面から凹んでいる凹部で構成されており、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部は、前記本体板部や前記突出板部の厚さ方向に前記本体板部や前記突出板部の平面状の表面から突出している突起で構成されており、前記固定用部品には、前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に固定される被固定部、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が固定される固定部の少なくともいずれかが設けられており、前記固定用部品の前記固定部は、前記本体板部や前記突出板部の前記固定部と同様に形成されており、前記固定用部品の厚さ方向で前記固定用部品を貫通している貫通孔、もしくは、前記固定用部品の厚さ方向に前記固定用部品の平面状の表面から凹んでいる凹部で構成されており、前記固定用部品の前記被固定部は、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部と同様に形成されており、前記固定用部品の厚さ方向に前記固定用部品の平面状の表面から突出している突起で構成されており、前記固定用部品の前記被固定部が前記本体板部や前記突出板部の前記固定部に入り込むこと、前記本体板部や前記突出板部の前記被固定部が前記固定用部品の固定部に入り込むことの少なくともいずれかの状態になっていることで、前記ヒンジ部での曲げがされていない状態の固定がされるように構成されている固定用部品である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ワイヤハーネスを係止体に設置するときに使用されるワイヤハーネス用クランプにおいて、5通り以上のオフセット量を有することで、係止体の形態がより広範囲に変化しても使用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(a)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ(ワイヤハーネス用クランプ本体)を表側(上側)から見た斜視図であり、(b)は、ワイヤハーネス用クランプ本体を裏側(下側)から見た斜視図であり、(c)は、ワイヤハーネス用クランプの固定用部品を示す斜視図である。
【
図2】(a)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ本体の平面図であり、(b)は、ワイヤハーネス用クランプ本体の正面図であり、(c)は、ワイヤハーネス用クランプ本体の側面図である。
【
図3】(a)は、
図2(c)と同様な本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ本体(総てのヒンジ部での折り曲げがされていないワイヤハーネス用クランプ本体)の正面図であり、(b)は、総てのヒンジ部での折り曲げがされておらず、固定用部品が設置されたワイヤハーネス用クランプ本体の斜視図であり、(c)は、(b)で示すものの側面図である。
【
図4】(a)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ本体(第1のヒンジ部での折り曲げがされたワイヤハーネス用クランプ本体)の斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図5】(a)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ本体(第2のヒンジ部での折り曲げがされたワイヤハーネス用クランプ本体)の斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図6】(a)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ本体(第4のヒンジ部での折り曲げがされたワイヤハーネス用クランプ本体)の斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図7】(a)は、
図6(a)で示すものに固定用部品を設置したものの斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図8】(a)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ本体(第1のヒンジ部と第2のヒンジ部での折り曲げがされたワイヤハーネス用クランプ本体)の斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図9】(a)は、
図8(a)で示すものに固定用部品を設置したものの斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図10】(a)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ本体(第1のヒンジ部と第4のヒンジ部での折り曲げがされたワイヤハーネス用クランプ本体)の斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図11】(a)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ本体(第3のヒンジ部と第4のヒンジ部での折り曲げがされたワイヤハーネス用クランプ本体)の斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図12】(a)は、
図11(a)で示すものに固定用部品を設置したものの斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図13】(a)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ本体(第2のヒンジ部と第3のヒンジ部と第4のヒンジ部での折り曲げがされたワイヤハーネス用クランプ本体)の斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図14】(a)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ本体(第1のヒンジ部と第2のヒンジ部と第4のヒンジ部での折り曲げがされたワイヤハーネス用クランプ本体)の斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図15】(a)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ本体(第1のヒンジ部と第2のヒンジ部と第3のヒンジ部と第4のヒンジ部での折り曲げがされたワイヤハーネス用クランプ本体)の斜視図であり、(b)は、(a)で示すものの正面図である。
【
図16】本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプの使用の態様を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプの使用の態様を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプの使用の態様を示す図である。
【
図19】本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプのヒンジ部とこのヒンジ部に固定用部品が設置された状態を示す拡大図である。
【
図20】変形例に係るワイヤハーネス用クランプのヒンジ部とこのヒンジ部に固定用部品が設置された状態を示す拡大図である。
【
図21】変形例に係るワイヤハーネス用クランプの固定部と被固定部を示す拡大図である。
【
図22】従来のワイヤハーネス用クランプを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態に係るワイヤハーネス用クランプ1は、
図16~
図18で示すように、ワイヤハーネス3を自動車のダッシュボード等の係止体5に設置するときに使用されるものであり、
図1、
図2等で示すように、本体板部7(基板部17)と複数の(少なくとも3つの)突出板部(小板部)9と複数の(少なくとも3つの)ヒンジ部(折り曲げ部)11と被係止部13とを備えて構成されている。
【0019】
なお、
図1等で示すワイヤハーネス用クランプ1には、4つの突出板部9と4つのヒンジ部11とが設けられている。
【0020】
本体板部7は、板状(たとえば平板状)に形成されており、ワイヤハーネスクランプ部15と基板部17とを具備している。ワイヤハーネスクランプ部15には、ワイヤハーネス3が、テープ43等を用いることで一体的に設置(保持)されるようになっている(
図16を参照)。
【0021】
各突出板部9も板状(たとえば平板状)に形成されている。また、4枚の突出板部9は、本体板部7から直列的につながって突出(延出)している(4枚の突出板部9が、本体板部7に連接されている)。
【0022】
ここで、説明の便宜のために、各突出板部9の突出方向を前後方向とし、本体板部7の厚さ方向および突出板部9の厚さ方向を上下方向とし、前後方向と上下方向とに対して直交する方向を幅方向とする。
【0023】
なお、各ヒンジ部11での折り曲げがされていない状態では、各突出板部9は本体板部7から後側に突出している。また、ヒンジ部11での折り曲げがされている状態を示す
図4~
図15における前後方向の前側と下側、上下方向の上側と下側は、本体板部7を基準にしている。
【0024】
ヒンジ部11のうちの1つのヒンジ部11Aは、複数の突出板部9のうちの本体板部7に隣接している1つの突出板部(本体板部隣接突出板部;基板部隣接突出板部)9Aと本体板部7との間に設けられており、突出板部9Aと本体板部7とをつないでいる。
【0025】
また、ヒンジ部11のうちの他のヒンジ部11B,11C,11Dは、各突出板部9のうちのお互いが隣接している2つの突出板部の間に設けられており、各突出板部9のうちのお互いが隣接している2つの突出板部9同士をつないでいる。
【0026】
すなわち、突出板部9Aと突出板部9Bとの間には、ヒンジ部11Bが設けられており、突出板部9Bと突出板部9Cとの間には、ヒンジ部11Cが設けられており、突出板部9Cと突出板部9Dとの間には、ヒンジ部11Dが設けられている。そして、本体板部7(基板部17)と複数の突出板部9とは、複数のヒンジ部の11を介して直列的に接続されている。
【0027】
被係止部13は、各突出板部9のうちの所定の(たとえば1つの)突出板部(たとえば、少なくとも3つのヒンジ部11を間にして本体板部7とつながっている突出板部)9に設けられている。
図1等で示すワイヤハーネス用クランプ1では、4つのヒンジ部11を間にして本体板部7とつながっている突出板部(本体板部7からもっとも離れている突出板部)9Dに設けられている。
【0028】
被係止部13は、係止体(自動車のダッシュボード等)5の係止部19(
図17、
図18参照)に係止されるようになっている。さらに、ワイヤハーネスクランプ部15にワイヤハーネス3が設置されていることで、ワイヤハーネス3がワイヤハーネス用クランプ1によって係止体5に支持され設置されるようになっている。
【0029】
また、ワイヤハーネス用クランプ1では、複数のヒンジ部11の総てを曲げたときに、本体板部7(基板部17)に、各突出板部9のうちの少なくとも3枚の突出板部が重なるように構成されている(基板部17を加えれば、4枚が重なるように構成されている。)。
【0030】
なお、
図1等で示すワイヤハーネス用クランプ1では、総てヒンジ部11(11A、11B、11C、11D)を曲げると、
図15で示すように、1枚の本体板部7と4枚の突出板部9(9A、9B、9C、9D)とが順に重なるようになっている。
【0031】
本体板部7(基板部17)と複数の突出板部9のそれぞれとの厚さは、お互いが等しくなっている。また、総てのヒンジ部11での曲げがされていない状態では、
図2や
図3で示すように、本体板部7(基板部17)と各突出板部9とは、平板状に形成されている。すなわち、総てのヒンジ部11での曲げがされていない状態では、上下方向で、本体板部7(基板部17)の一方の面(上面)と各突出板部9の一方の面(上面)のそれぞれとの位置がお互いに一致しており、本体板部7(基板部17)の他方の面(下面)と各突出板部9の他方の面(下面)のそれぞれとの位置がお互いに一致している。
【0032】
ここで、本体板部7(基板部17)から直列的につながって突出している各突出板部9において、本体板部7から数えてn番目に位置している突出板部9を第nの突出板部9とし、本体板部7(基板部17)から数えてn番目に位置しているヒンジ部11を第nのヒンジ部とする。ただし「n」は自然数である。
【0033】
ワイヤハーネス用クランプ1において、本体板部7(基板部17)と第1の突出板部9Aとの間に位置している第1のヒンジ部11Aのみでの曲げがされた状態では、
図4で示すように、本体板部7(基板部17)に対して、第1のヒンジ部11Aのところで第1の突出板部9Aが180°曲がり、第1の突出板部9A等の上下が逆転し、本体板部7の下面に第1の突出板部9Aの上面が接している。
【0034】
さらには、本体板部7の下面に第2の突出板部9Bの上面と第3の突出板部9Cの上面とが接している。
【0035】
また、第1の突出板部9Aと第2の突出板部9Bとの間に位置している第2のヒンジ部11Bのみでの曲げがされた状態では、
図5で示すように、第1の突出板部9Aに対して、第2のヒンジ部11Bのところで第2の突出板部9Bが180°曲がり、第2の突出板部9B等の上下が逆転し、第1の突出板部9Aの上面に第2の突出板部9Bの下面が接している。
【0036】
さらには、本体板部7の上面に第2の突出板部9Bの下面と第3の突出板部9Cの下面と第4の突出板部9Dの下面とが接している。
【0037】
ところで、ワイヤハーネス用クランプ1では、第2のヒンジ部11Bでの第1の突出板部9Aに対する第2の突出板部9Bの曲げ方向は、第1のヒンジ部11Aでの本体板部7に対する第1の突出板部9Aの曲げ方向とは逆になっている。
【0038】
また、第3のヒンジ部11Cにおける第2の突出板部9Bに対する第3の突出板部9Cの曲げ方向は、第2のヒンジ部11Bにおける第1の突出板部9Aに対する第2の突出板部9Bの曲げ方向とは逆になっている。第4のヒンジ部11Dにおける第3の突出板部9Cに対する第4の突出板部9Dの曲げ方向は、第3のヒンジ部11Cにおける第2の突出板部9Bに対する第3の突出板部9Cの曲げ方向とは逆になっている。
【0039】
すなわち、各ヒンジ部11での曲げ方向は、「n」の数の1つずつの増加に応じて交互に異なっている(逆になっている)。
【0040】
さらに、ワイヤハーネス用クランプ1では、各ヒンジ部11の曲げの態様(各ヒンジ部11のうちのいずれのヒンジ部を曲げるか)で、前後方向での寸法が異なるか、もしくは、厚さ方向の寸法が異なるように構成されている。
【0041】
さらに説明すると、
図3(a)で示す寸法L1、
図4(b)で示す寸法L2、
図5(b)で示す寸法L3、
図6(b)で示す寸法L4、
図8(b)で示す寸法L5、
図10(b)で示す寸法L6、
図11(b)で示す寸法L7、
図13(b)で示す寸法L8、
図14(b)で示す寸法L9、
図15(b)で示す寸法L10は、それぞれが異なっている。
【0042】
また、
図3(a)で示す寸法H1、
図4(b)で示す寸法H2、
図5(b)で示す寸法H3、
図6(b)で示す寸法H4、
図8(b)で示す寸法H5、
図10(b)で示す寸法H6、
図11(b)で示す寸法H7、
図13(b)で示す寸法H8、
図14(b)で示す寸法H9、
図15(b)で示す寸法H10は、お互いが異なる場合がある。
【0043】
また、ワイヤハーネス用クランプ1の本体板部7(基板部17)と突出板部9とには、固定部21、被固定部23の少なくともいずれかが設けられている。そして、被固定部23が固定部21に固定されることで、ヒンジ部11での曲げがされている状態が固定(維持)されるように構成されている。
【0044】
固定部21は、板状の本体板部7(基板部17)や板状の突出板部9の厚さ方向で本体板部7(基板部17)や突出板部9を貫通している貫通孔(ボス孔)で構成されている。なお、固定部21が、板状の本体板部7(基板部17)や板状の突出板部9の厚さ方向に本体板部7(基板部17)や突出板部9の平面状の表面から凹んでいる凹部で構成されていてもよい。
【0045】
被固定部23は、突起(圧入ピン)構成されており、板状の本体板部7(基板部17)や板状の突出板部9の厚さ方向の両面(平面状の下面、上面)から突出している。
【0046】
被固定部23が固定部21に固定された状態では、被固定部23の全体が固定部21内に入り込むように構成されている。
【0047】
なお、本体板部7と突出板部9とヒンジ部11と被固定部23と固定部21とは、一体化しており、これらの一体化しているものをワイヤハーネス用クランプ本体25という場合がある。
【0048】
また、ワイヤハーネス用クランプ1は、固定用部品27を備えている。固定用部品27が、本体板部7(基板部17)や突出板部9をまたいで設置されることで、ヒンジ部11での機械的強度不足が補われ、ヒンジ部11での曲げがされていない状態が固定されるようになっている。なお、固定用部品27は、ワイヤハーネス用クランプ本体25とは別体で構成されている。
【0049】
また、固定用部品27には、本体板部7(基板部17)や突出板部9に設けられている固定部21や被固定部23と同様な固定部21、被固定部23の少なくともいずれかが設けられている。
【0050】
そして、曲げがされていないヒンジ部11のところに固定用部品27を設置すると、
図3(c)等で示すように、本体板部7(基板部17)や突出板部9に固定用部品27が重なり、本体板部7(基板部17)に設けられている固定部21に固定用部品27の被固定部23が入り込んで固定され、突出板部9に設けられている被固定部23が固定用部品27の固定部21に入り込んで固定されるようになっている。
【0051】
また、曲げがされていないヒンジ部11のところに固定用部品27を設置すると、
図3(c)等で示すように、突出板部9に固定用部品27が重なり、突出板部9の被固定部23が固定用部品27の固定部21に入り込んで固定され、固定用部品27の被固定部23が突出板部9の固定部21に入り込んで固定されるようになっている。
【0052】
ここで、ワイヤハーネス用クランプ1(ワイヤハーネス用クランプ本体25)についてさらに詳しく説明する。
【0053】
本体板部7は、矩形状な平板状の基板部17と、この基板部17の前側で基板部17の幅方向の端(たとえば両端)から突出している矩形な平板状のワイヤハーネスクランプ部(一対のワイヤハーネスクランプ部)15とを具備しており、上下方向で見て「T」字状で平板状に形成されている。
【0054】
第1のヒンジ部11Aは、基板部17の後端に設けられており、第1の突出板部9Aは、矩形な平板状に形成されており、第1のヒンジ部11Aを間にして基板部17の後端から後側に突出している。
【0055】
第2のヒンジ部11Bは、第1の突出板部9Aの後端に設けられており、第2の突出板部9Bは、矩形な平板状に形成されており、第2のヒンジ部11Bを間にして第1の突出板部9Aの後端から後側に突出している。
【0056】
第3のヒンジ部11Cは、第2の突出板部9Bの後端に設けられており、第3の突出板部9Cは、矩形な平板状に形成されており、第3のヒンジ部11Cを間にして第2の突出板部9Bの後端から後側に突出している。
【0057】
第4のヒンジ部11Dは、第3の突出板部9Cの後端に設けられており、第4の突出板部9Dは、矩形な平板状に形成されており、第4のヒンジ部11Dを間にして第3の突出板部9Cの後端から後側に突出している。
【0058】
総てのヒンジ部11での曲げされていない状態では、
図2(a)等で示すように、ワイヤハーネス用クランプ1も、上下方向で見て、「T」字状で平板状に形成されている。
【0059】
被係止部13は、上述したように、第4の突出板部9Dの厚さ方向の一方の面にこの一方の面から突出し設けられている。
【0060】
そして、各ヒンジ部11の総てでの折り曲げがされたときには、
図15で示ように、基板部17と第1の突出板部9Aと第2の突出板部9Bと第3の突出板部9Cと第4の突出板部9Dとがこれらの厚さ方向でお互いが順に接触し重なるように構成されている。
【0061】
基板部17、各突出板部9のそれぞれには、固定部21、被固定部23の少なくともいずれかが設けられている。そして、各ヒンジ11での適宜の折り曲げがされたときに、適宜の被固定部23が適宜の固定部21に固定され、ヒンジ11での折り曲げ状態が保持されるようになっている。
【0062】
なお、固定部21は、たとえば、円柱状の貫通孔で形成されており、被固定部23は円柱状の突起で形成されている。固定部21の貫通孔の内径は、被固定部23の突起の外径よりも僅かに小さくなっており、ヒンジ部11での曲げがされたときに、被固定部23が固定部21に嵌り込み、ヒンジ部11での曲げがされた状態が固定されるようになっている。
【0063】
各ヒンジ部11での折り曲げがされた状態での基板部17と各突出板部9との幅寸法と、各ヒンジ部11での折り曲げがされていない状態での基板部17と各突出板部9との幅寸法とはお互いが一致している。
【0064】
また、各ヒンジ部11のうちで折り曲げをするヒンジ部を選択してこの選択したヒンジ部での折り曲げをすることで、上述したように、前後方向での基板部17(たとえば、前後方向における基板部17の中心)と被係止部13(たとえば、前後方向における被係止部13の中心)との間の寸法(
図3(a)の寸法L1、
図4(b)の寸法L2等)が変化するように構成されている。
【0065】
ここで、ワイヤハーネス用クランプ1についてより具体的に説明する。
図1(a)(b)等で示すように、基板部17には、6つの固定部21と2つの被固定部23が設けられている。6つの固定部21と2つの被固定部23とは幅方向で所定の間隔をあけて2列になって、前後方向で所定の間隔をあけてならんでいる。
【0066】
さらに、基板部17のもっとも前側には、幅方向で所定の間隔があいている一対の固定部(貫通孔)21が設けられており、このもっとも前側の一対の固定部21の後側には、幅方向で所定の間隔があいている一対の被固定部(突起)23が設けられており、この一対の被固定部23の後側には、幅方向で所定の間隔があいている一対の固定部(貫通孔)21が設けられており、この一対の固定部21の後側には、幅方向で所定の間隔があいている一対の固定部(最も後側の固定部;貫通孔)21が設けられている。
【0067】
第1の突出板部9Aの前後方向の寸法の値は、たとえば、基板部17の前後方向の寸法の値の1/4程度になっている。第1の突出板部9Aには、2つの被固定部(突起)23が設けられている。2つの被固定部23は幅方向で所定の間隔をあけて配置されている。
【0068】
第2の突出板部9Bの前後方向の寸法の値は、たとえば、第1の突出板部9Aの前後方向の寸法の値の2倍程度になっている。第2の突出板部9Bには、4つの固定部(貫通孔)21が設けられている。4つの固定部21は幅方向で所定の間隔をあけて2列になって、前後方向で所定の間隔をあけてならんでいる。
【0069】
第3の突出板部9Cの前後方向の寸法の値は、たとえば、第1の突出板部9Aの前後方向の寸法の値と等しくなっている。第3の突出板部9Cには、2つの被固定部(突起)23が設けられている。2つの被固定部23は幅方向で所定の間隔をあけて配置されている。
【0070】
第4の突出板部9Dの前後方向の寸法の値は、たとえば、第2の突出板部9Bの前後方向の寸法の値と等しくなっている。第4の突出板部9Dには、2つの固定部(貫通孔)21が設けられている。2つの固定部21は、第4の突出板部9Dの前側で幅方向で所定の間隔をあけて配置されている。
【0071】
ヒンジ部11は、「V」字状の溝で形成されている。すなわち、ヒンジ部11を幅方向で見ると、
図3(a)等で示すように、第1のヒンジ部11Aは「V」字状になっており、第2のヒンジ部11Bは上下が逆転した逆「V」字状になっており、第3のヒンジ部11Cは「V」字状になっており、第4のヒンジ部11Dは上下が逆転した逆「V」字状になっている。
【0072】
ヒンジ部11を幅方向で拡大して見た状態を、本体板部7と第1の突出板部9Aとの間の第1のヒンジ部11Aを例に掲げて説明する。第1のヒンジ部11Aは、幅方向で見ると、
図19で示すように、本体板部7や第1の突出板部9Aの上面から下方に凹んでいる等脚台形状の凹部と、この凹部の底に形成されている薄肉部(前後方向に僅かに延びている薄肉部)29で形成されている。
【0073】
本体板部7を固定しておいてのヒンジ部11Aでの曲げは、薄肉部29が弾性変形し、ヒンジ部11Aのところを中心にして、第1の突出板部9Aが下側に180°回動する(
図19の矢印参照)ことでなされる。
【0074】
なお、薄肉部29が設けられていることで、ヒンジ部11Aのところで第1の突出板部9Aを曲げるとき、本体板部7に対して、第1の突出板部9Aが、上下方向や前後方向に僅かに移動することができるようになっている。これにより、固定部(貫通孔)21への被固定部(突起)23の挿入がし易くなっている。
【0075】
被係止部13は、
図1(b)等で示すように、第4の突出板部9Dの後側で幅方向の中央部に設けられており、第4の突出板部9Dの下面から下側に突出している突起部で構成されている。
【0076】
また、係止体5の係止部19は、
図17、
図18で示すように、板状の係止体5に設けられた貫通孔で構成されており、被係止部13には、
図1(b)等で示すように、係合部31とガタ防止部33とが設けられている。
【0077】
そして、被係止部13を係止部19に設置している途中の状態では、係合部31が係止部19の貫通孔に押されて弾性変形し、被係止部13を係止部19に設置し終えた状態では、係合部31が係止部19の貫通孔を通り抜けて復元し、また、ガタ防止部33が係止体5に接することで、ワイヤハーネス用クランプ1が係止体5に一体的に設置されるようになっている。
【0078】
ワイヤハーネスクランプ部15は、前述したように、基板部17の幅方向の両側に突出している。また、ワイヤハーネスクランプ部15は、
図1(a)(b)等で示しように、矩形な板状のワイヤハーネスクランプ本体部35とテープ横滑り防止リブ(テープ横滑り防止凸部)37とを備えて構成されている。
【0079】
テープ横滑り防止リブ37は、一対のワイヤハーネスクランプ本体部35それぞれの先端部で、この先端部の前端および後端から僅かに突出している。これにより、テープ横滑り防止リブ37は4つ設けられていることになる。
【0080】
また、前後方向で、本体板部7の前端部は、ワイヤハーネスクランプ部15よりも、僅かに前側に突出している。この突出している本体板部7の前端部が、テープ横滑り防止部(テープ横滑り防止凸部)39を形成している。なお、前後方向で、前側のテープ横滑り防止リブ37の前端と、テープ横滑り防止部39の前端とは同じところに位置している。
【0081】
さらに、ワイヤハーネス用クランプ1は、幅方向に対して直交しワイヤハーネス用クランプ1の中心を含む平面に対して対称に形成されている。
【0082】
固定用部品27は、矩形な平板状に形成されており、固定用部品27の厚さは、本体板部7や突出板部9の厚さと等しくなっており、固定用部品27の幅は、本体板部7の基板部17や突出板部9の幅と等しくなっており、固定用部品27の前後方向の寸法の値は、第2の突出板部9Bの寸法の値と等しくなっている。
【0083】
また、固定用部品27には、ヒンジ部11に入り込む凸部(幅方向で見てヒンジ部11と同様な「V」字状の突起)41と、固定部21と被固定部23とが設けられている。凸部41は、前後方向の中央で固定用部品27の厚さ方向の一方の側に突出しており、たとえば、固定用部品27の全幅にわたって設けられている。
【0084】
そして、曲げがされていないヒンジ部11のところ(たとえば、基板部17と第1の突出板部9Aとの間の第1のヒンジ部11A)に固定用部品27が設置されると、
図3(c)や
図19で示すように、固定用部品27の下面(凸部41の前側および後側の平面)が、基板部17の上面と第1の突出板部9Aの上面とに接触するようになっている。
【0085】
また、曲げがされていないヒンジ部11のところに固定用部品27が設置されると、ヒンジ部11の溝(凹部)を充填するようにして、ヒンジ部11の溝に凸部41が入り込み、固定用部品27の被固定部23が基板部17の固定部21に固定され、第1の突出板部9Aの被固定部23が固定用部品27の固定部21に固定されるようになっている。
【0086】
さらに、曲げがされていないヒンジ部11のところに固定用部品27が設置されると、幅方向で基板部17や突出板部9の位置と固定用部品27の位置とがお互いに一致している。そして、ヒンジ部11での曲がりが防止されるようになっている。
【0087】
ここで、4つのヒンジ部11を曲げ態様について
図3~
図15を参照しつつさらに詳しく説明する。なお、4つのヒンジ部11の曲げの態様は、単純計算では16(=2
4)通りあるが、実際には、被係止部13と突出板部9との干渉を避け、突出板部9同士の干渉を避ける必要があるので、例示であるワイヤハーネス用クランプ1では10通りになる。
【0088】
図3で示す態様では、4つの総てのヒンジ部11での曲げがされておらず、4つの固定用部品27のそれぞれが、4つのヒンジ部11それぞれのところに設置されている。そして、前後方向における本体板部7の中心と被係止部13の中心との間の距離(前後方向オフセット量)の値が「L1」になっており、上下方向における本体板部7の中心と被係止部13のガタ防止部33の端面との間の距離(上下方向オフセット量)の値が「H1」になっている。
【0089】
図4で示す態様では、第1のヒンジ部11Aのところでワイヤハーネス用クランプ1が曲げられている。そして、前後方向における本体板部7の中心と被係止部13の中心との間の距離の値が「L2」になっており、上下方向における本体板部7の中心と被係止部13のガタ防止部33の端面との間の距離の値が「H2」になっている。
【0090】
また、
図4で示す態様では、本体板部7に第1の突出板部9Aと第2の突出板部9Bと第3の突出板部9Cとが重なっている。さらに、第4の突出板部9Dの一部が本体板部7に重なっていてもよい。また、本体板部7の固定部21に第3の突出板部9Cの被固定部23が固定されており、本体板部7の被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されており、第1の突出板部9Aの被固定部23が本体板部7の固定部21に固定されている。なお、
図4で示す態様では、固定用部品27は使用されていない。
【0091】
図5で示す態様では、第2のヒンジ部11Bのところでワイヤハーネス用クランプ1が曲げられている。そして、前後方向における本体板部7の中心と被係止部13の中心との間の距離の値が「L3」になっており、上下方向における本体板部7の中心と被係止部13のガタ防止部33の端面との間の距離の値が「H3」になっている。
【0092】
また、
図5で示す態様では、本体板部7に第2の突出板部9Bの一部と第3の突出板部9Cと第4の突出板部9Dとが重なっており、第1の突出板部9Aに第2の突出板部9Bの他の部位が重なっている。また、本体板部7の被固定部23が第4の突出板部9Dの固定部21に固定されており、第3の突出板部9Cの被固定部23が本体板部7の固定部21に固定されており、第1の突出板部9Aの被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されている。なお、
図5で示す態様では、固定用部品27は使用されていない。
【0093】
図6、
図7で示す態様では、第4のヒンジ部11Dのところでワイヤハーネス用クランプ1が曲げられている。そして、前後方向における本体板部7の中心と被係止部13の中心との間の距離の値が「L4」になっており、上下方向における本体板部7の中心と被係止部13のガタ防止部33の端面との間の距離の値が「H4」になっている。
【0094】
また、
図6、
図7で示す態様では、第4の突出板部9Dに第3の突出板部9Cと第2の突出板部9Bの一部とが重なっている。また、第3の突出板部9Cの被固定部23が第4の突出板部9Dの固定部21に固定されている。
【0095】
さらに、
図6、
図7で示す態様では、第1のヒンジ部11Aのところに、固定用部品27が設置されており、固定用部品27の被固定部23が本体板部7の固定部21に固定されており、第1の突出板部9Aの被固定部23が固定用部品27の固定部21に固定されている。また、第2のヒンジ部11Bのところに、固定用部品27が設置されており、第1の突出板部9Aの被固定部23が固定用部品27の固定部21に固定されており、固定用部品27の被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されている。
【0096】
図8、
図9で示す態様では、第1のヒンジ部11Aと第2のヒンジ部11Bのところでワイヤハーネス用クランプ1が曲げられている。そして、前後方向における本体板部7の中心と被係止部13の中心との間の距離の値が「L5」になっており、上下方向における本体板部7の中心と被係止部13のガタ防止部33の端面との間の距離の値が「H5」になっている。
【0097】
また、
図8、
図9で示す態様では、本体板部7の一部と第1の突出板部9Aと第2の突出板部9Bの一部とが重なっている。また、第1の突出板部9Aの被固定部23が本体板部7の固定部21に固定され、第1の突出板部9Aの被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されている。
【0098】
さらに、
図8、
図9で示す態様では、第3のヒンジ部11Cのところに、固定用部品27が設置されており、固定用部品27の被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されており、第3の突出板部9Cの被固定部23が固定用部品27の固定部21に固定されている。また、第4のヒンジ部11Dのところに、固定用部品27が設置されており、第3の突出板部9Cの被固定部23が固定用部品27の固定部21に固定されており、固定用部品27の被固定部23が第4の突出板部9Dの固定部21に固定されている。
【0099】
図10で示す態様では、第1のヒンジ部11Aのところと第4のヒンジ部11Dのところでワイヤハーネス用クランプ1が曲げられている。そして、前後方向における本体板部7の中心と被係止部13の中心との間の距離の値が「L6」になっており、上下方向における本体板部7の中心と被係止部13のガタ防止部33の端面との間の距離の値が「H6」になっている。
【0100】
また、
図10で示す態様では、本体板部7に第1の突出板部9Aと第2の突出板部9Bと第3の突出板部9Cとが重なっており、第2の突出板部9Bの一部と第3の突出板部9Cとに第4の突出板部9Dが重なっている。
【0101】
さらに、
図10で示す態様では、第1の突出板部9Aの被固定部23が本体板部7の固定部21に固定されており、本体板部7の被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されており、第3の突出板部9Cの被固定部23が本体板部7の固定部21に固定されており、第3の突出板部9Cの被固定部23が第4の突出板部9Dの固定部21に固定されている。なお、
図10で示す態様では、固定用部品27は使用されていない。
【0102】
図11、
図12で示す態様では、第3のヒンジ部11Cと第4のヒンジ部11Dのところでワイヤハーネス用クランプ1が曲げられている。そして、前後方向における本体板部7の中心と被係止部13の中心との間の距離の値が「L7」になっており、上下方向における本体板部7の中心と被係止部13のガタ防止部33の端面との間の距離の値が「H7」になっている。
【0103】
また、
図11、
図12で示す態様では、第2の突出板部9Bの一部と第3の突出板部9Cと第4の突出板部9Dの一部とが重なっている。また、第3の突出板部9Cの被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されており、第3の突出板部9Cの被固定部23が第4の突出板部9Dの固定部21に固定されている。
【0104】
さらに、
図11、
図12で示す態様では、第1のヒンジ部11Aのところに、固定用部品27が設置されており、固定用部品27の被固定部23が本体板部7の固定部21に固定されており、第1の突出板部9Aの被固定部23が固定用部品27の固定部21に固定されている。また、第2のヒンジ部11Bのところに、固定用部品27が設置されており、第1の突出板部9Aの被固定部23が固定用部品27の固定部21に固定されており、固定用部品27の被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されている。
【0105】
図13で示す態様では、第2のヒンジ部11Bのところと第3のヒンジ部11Cのところと第4のヒンジ部11Dのところでワイヤハーネス用クランプ1が曲げられている。そして、前後方向における本体板部7の中心と被係止部13の中心との間の距離の値が「L8」になっており、上下方向における本体板部7の中心と被係止部13のガタ防止部33の端面との間の距離の値が「H8」になっている。
【0106】
また、
図13で示す態様では、第2の突出板部9Bに本体板部7の一部と第1の突出板部9Aとが重なっており、さらに、第2の突出板部9Bに第3の突出板部9Cが重なっており、第3の突出板部9Cに第4の突出板部9Dの一部が重なっている。
【0107】
また、
図13で示す態様では、第1の突出板部9Aの被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されており、第3の突出板部9Cの被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されており、第3の突出板部9Cの被固定部23が第4の突出板部9Dの固定部21に固定されている。なお、
図13で示す態様では、固定用部品27は使用されていない。
【0108】
図14で示す態様では、第1のヒンジ部11Aのところと第2のヒンジ部11Bのところと第4のヒンジ部11Dのところでワイヤハーネス用クランプ1が曲げられている。そして、前後方向における本体板部7の中心と被係止部13の中心との間の距離の値が「L9」になっており、上下方向における本体板部7の中心と被係止部13のガタ防止部33の端面との間の距離の値が「H9」になっている。
【0109】
また、
図14で示す態様では、第1の突出板部9Aに本体板部7の一部と第2の突出板部9Bの一部とが重なっており、第2の突出板部9Bの残りの部位に第4の突出板部9Dの一部が重なっており、第3の突出板部9Cに第4の突出板部9Dの残りの部位が重なっている。
【0110】
さらに、
図14で示す態様では、第1の突出板部9Aの被固定部23が本体板部7の固定部21に固定されており、第1の突出板部9Aの被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されており、第3の突出板部9Cの被固定部23が第4の突出板部9Dの固定部21に固定されている。なお、
図14で示す態様では、固定用部品27は使用されていない。
【0111】
図15で示す態様では、第1のヒンジ部11Aのところと第2のヒンジ部11Bのところと第3のヒンジ部11Cのところと第4のヒンジ部11Dのところ(総てのヒンジ部11)でワイヤハーネス用クランプ1が曲げられている。そして、前後方向における本体板部7の中心と被係止部13の中心との間の距離の値が「L10」になっており、上下方向における本体板部7の中心と被係止部13のガタ防止部33の端面との間の距離の値が「H10」になっている。
【0112】
また、
図15で示す態様では、第1の突出板部9Aに本体板部7の一部と第2の突出板部9Bの一部とが重なっており、第2の突出板部9Bの残りの部位に第3の突出板部9Cが重なっており、第3の突出板部9Cに第4の突出板部9Dの一部が重なっている。
【0113】
さらに、
図15で示す態様では、第1の突出板部9Aの被固定部23が本体板部7の固定部21に固定されており、第1の突出板部9Aの被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されており、第3の突出板部9Cの被固定部23が第2の突出板部9Bの固定部21に固定されており、第3の突出板部9Cの被固定部23が第4の突出板部9Dの固定部21に固定されている。なお、
図15で示す態様では、固定用部品27は使用されていない。
【0114】
次に、ワイヤハーネス用クランプ1へのワイヤハーネス3の設置と、ワイヤハーネス用クランプ1の係止体5への設置について説明する。
【0115】
まず、係止体5の係止部19とワイヤハーネス3との位置関係に応じて、ワイヤハーネス用クランプ1を、そのままにするか(ヒンジ部11のところで曲げない状態を維持しておくか)、適宜のヒンジ部11のところで曲げる。このとき、必要に応じて、固定用部品27を設置する。
【0116】
続いて、
図16で示すようにテープ43を用いて、ワイヤハーネス3をワイヤハーネス用クランプ1のワイヤハーネスクランプ部15に設置する。
【0117】
続いて、
図17や
図18で示すように、ワイヤハーネス3が設置されたワイヤハーネス用クランプ1の被係止部13を係止体5の係止部19に係止させて、ワイヤハーネス3が設置されたワイヤハーネス用クランプ1を係止体5に設置する。
【0118】
なお、上記順序を適宜入れ替えてもよい。たとえば、ワイヤハーネス用クランプ1を適宜のヒンジ部11のところで曲げ、続いて、ワイヤハーネス用クランプ1を係止体5に設置し、続いて、テープ43を用いてワイヤハーネス3をワイヤハーネス用クランプ1に設置してもよい。
【0119】
また、テープ43を用いてワイヤハーネス3をワイヤハーネス用クランプ1に設置し、続いて、ワイヤハーネス用クランプ1を適宜のヒンジ部11のところで曲げ、続いて、ワイヤハーネス用クランプ1を係止体5に設置してもよい。
【0120】
なお、
図17で示す態様のワイヤハーネス用クランプ1では、総てのヒンジ部11での曲げがされていない。また、
図18で示す態様のワイヤハーネス用クランプ1では、総てのヒンジ部11での曲げがされている。
図17や
図18に参照符号45で示すものは障害物である。
【0121】
ワイヤハーネス用クランプ1によれば、1枚の本体板部7と少なくとも3枚の突出板部9と、少なくとも3つのヒンジ部11とを備えているので、各ヒンジ部11のうちの1または複数のヒンジ部11を適宜折り曲げることで、前後方向における被係止部13(被係止部13の中心)とワイヤハーネスクランプ部15(ワイヤハーネスクランプ部15の中心)との間の寸法(前後方向オフセット量)を最大で8(23=8)通り設定することができる。
【0122】
これにより、係止体5の形態がより広範囲に変化しても使用することができる。また、より広範囲の形態の係止体5に使用することができるので、ワイヤハーネス用クランプ1の仕様を単一化(統一化)することが容易になる。
【0123】
ワイヤハーネス用クランプ1によれば、前後方向オフセット量が変化するとともに、上下方向オフセット量も変化するので、たとえば、
図18で示すように、係止体5に凹凸が形成されていても、ワイヤハーネス用クランプ1の係止体5との干渉を避け、ワイヤハーネス用クランプ1を使用することができる。
【0124】
また、ワイヤハーネス用クランプ1によれば、ヒンジ部11での折り曲げがされて被固定部23が固定部21に固定された状態で、突起で構成されている被固定部23の全体が貫通孔で構成されている固定部21内に入り込むように構成されているので、ヒンジ部11での折り曲げがされたときにおける本体板部7や突出板部9からの被固定部23の突出を無くすことができ、係止体5の形態が従来よりもさらに広範囲に変化しまた障害物45が存在していても使用することができる。
【0125】
また、ワイヤハーネス用クランプ1によれば、固定用部品27を備えているので、ヒンジ部11での曲げがされている状態を強固に維持することができ、また、本体板部7や突出板部9の固定部21に固定用部品27の被固定部23が固定され、また、本体板部7や突出板部9の被固定部23が固定用部品27の固定部21に固定されるように構成されているので、本体板部7や突出板部9の固定部21や被固定部23と、固定用部品27の固定部21や被固定部23とを共通化することができる。
【0126】
また、ワイヤハーネス用クランプ1では、固定用部品27が本体板部7(基板部17)や突出板部9に設置され、固定用部品27の被固定部23が本体板部7や突出板部9の固定部21に固定された状態で、被固定部23の全体が固定部21内に入り込むように構成されており、さらに、固定用部品27が本体板部7(基板部17)や突出板部9に設置され、固定用部品27の固定部21に本体板部7や突出板部9の被固定部23に固定した状態で、被固定部23の全体が固定部21内に入り込むように構成されている。
【0127】
これにより、固定用部品27がワイヤハーネス用クランプ(ワイヤハーネス用クランプ本体)1に設置されたときにおける固定用部品27の突起で構成されている被固定部23の突出を無くすことができ、係止体5の形態が従来よりもさらに広範囲に変化しまた障害物45が存在していても使用することができる。
【0128】
ところで、上記説明では、被係止部13が突出板部9の厚さ方向の一方の側で突出板部9から突出しているが、被係止部13が突出板部9の厚さ方向の両側で突出板部9から突出している構成にしてもよいし、また、被係止部13を突出板部9に対して着脱自在にし、被係止部13が突出板部9の厚さ方向の一方の側もしくは他方の側から突出する態様を選択可能に構成してもよい。
【0129】
また、
図20で示すように、ヒンジ部11を、本体板部7や突出板部9の厚さ方向の両側に形成されている溝で構成し、ヒンジ部11で、たとえば、本体板部7に対して突出板部9が一方の側のみではなく両方の側に曲がるようにしてもよい(
図20の矢印参照)。この場合、薄肉部29の前後方向の寸法は、
図19で示すものより長くなる。
【0130】
また、
図21で示すように、被固定部23を弾性アーム部47と先端被係止部49とを備えたランスで形成し、固定部21を段差部51がついている貫通孔で形成してもよい。
【0131】
そして、被固定部23を固定部21に設置している途中の状態で弾性アーム部47が弾性変形し、被固定部23を固定部21に設置し終えたときに、弾性アーム部47が
図21で示すように復元し、先端被係止部49が段差部51に係止されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1 ワイヤハーネス用クランプ
7 本体板部
9(9A、9B、9C、9D) 突出板部
11(11A、11B、11C、11D) ヒンジ部
13 被係止部
15 ワイヤハーネスクランプ部
17 基板部
21 固定部
23 被固定部
27 固定用部品