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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】骨切除用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
A61B17/70
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018043357
(22)【出願日】2018-03-09
(65)【公開番号】P2018149288
(43)【公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-01-08
(31)【優先権主張番号】15/453,982
(32)【優先日】2017-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507280675
【氏名又は名称】アルファテック スパイン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム オベイド
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン スコット ガレイス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ ピィンキィ
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0095634(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0119862(US,A1)
【文献】特表2014-523273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0228155(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の脚部と、前記第1の脚部に枢着される第2の脚部とを備え、前記第1の脚部及び前記第2の脚部の夫々は、近位部と、遠位端を有する遠位部と、前記遠位端に配置されたポケットとを含む骨切除用器具であって、
前記第1の脚部及び前記第2の脚部の夫々の前記遠位部は、患者の脊椎に装着されたベアリング部材と回転可能に係合するように構成されており、
前記ポケットは、前記ベアリング部材と係合し、かつ前記ベアリング部材とボール含ソケット接合を形成するように構成された内面を有する略半球形状であることを特徴とする骨切除用器具。
【請求項2】
前記第2の脚部は、単一の軸を中心として前記第1の脚部に枢着されていることを特徴とする請求項1に記載の骨切除用器具。
【請求項3】
第1の骨ネジアッセンブリによって受容されるように構成された第1のベアリング部材と、第2の骨ネジアッセンブリによって受容されるように構成された第2のベアリング部材とを更に備え、
前記第1の脚部の前記遠位部は前記第1のベアリング部材に回転可能に係合され、前記第2の脚部の前記遠位部は前記第2のベアリング部材に回転可能に係合されることを特徴とする請求項1に記載の骨切除用器具。
【請求項4】
前記第1の脚部の前記近位部と前記第2の脚部の前記近位部との間に伸長するロック機構を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の骨切除用器具。
【請求項5】
第1の脚部と、前記第1の脚部に枢着される第2の脚部とを備え、前記第1の脚部は、近位部と、遠位端を有する遠位部と、前記遠位端内で前記近位部に向かって伸長する第1のポケットとを含む骨切除用器具と、
第1の骨ネジアッセンブリによって受容されるように構成される第1のベアリング部材とを備える骨切除用器具キットであって、
前記第1の脚部の前記遠位端は前記第1のベアリング部材と回転可能に係合し、
前記骨切除用器具は、第1軸及び第2軸を中心にして前記第1のベアリング部材の周りを回転するように構成され、前記第1軸は前記第2軸に直交し、前記第1軸及び前記第2軸の両方は前記第1のベアリング部材と交差することを特徴とする骨切除用器具キット。
【請求項6】
前記第1のポケットは、前記第1のベアリング部材と係合し、かつ前記第1のベアリング部材とボール含ソケット接合を形成するように構成された内面を有する略半球形状であることを特徴とする請求項に記載の骨切除用器具キット。
【請求項7】
前記第2の脚部は、単一の軸を中心として前記第1の脚部に枢着されることを特徴とする請求項に記載の骨切除用器具キット。
【請求項8】
近位部、遠位端を有する遠位部と、前記遠位端内で前記近位部に向かって伸長する第2のポケットとを含む前記第2の脚部と、
第2の椎骨にインプラントされた第2の骨ネジアッセンブリによって受容されるように構成された第2のベアリング部材とを更に備え、
前記第2の脚部の前記遠位部は第1軸及び第2軸を中心にして前記第2のベアリング部材と回転可能に係合し、前記第1軸は前記第2軸に直交し、前記第1軸及び前記第2軸の両方は前記第2のベアリング部材と交差することを特徴とする請求項に記載の骨切除用器具キット。
【請求項9】
前記第2のポケットは略半球形状であることを特徴とする請求項に記載の骨切除用器具キット。
【請求項10】
前記第2のポケットは、前記第2のベアリング部材と係合しかつ前記第2のベアリング部材とボール含ソケット接合を形成するように構成された内面を有する略半球形状であることを特徴とする請求項に記載の骨切除用器具キット。
【請求項11】
レール及び前記レールから延びる複数の歯を有するロック機構を更に備え、前記複数の歯は、前記第1の脚部の前記近位部または前記第2の脚部の前記近位部と係合し、かつ前記第2の脚部の位置に対して固定された空間的相互関係において前記第1の脚部の位置をロックするように構成されることを特徴とする請求項に記載の骨切除用器具キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具に関し、特に脊椎の骨切除術中に使用される骨切除用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
脊柱側弯症の矯正、神経根減圧、椎体間融合、腫瘍の除去、円背の修復、及び他の脊椎の欠陥または外傷の治療などの多くの脊椎の外科的処置において、欠陥がある部位の椎骨に圧迫及び/または牽引による力を印加することが望ましいかまたは必要である。症例によっては、欠陥がある部位は前彎性の湾曲を含む。欠陥がある部位には更に多数の椎骨を含み得る。症例によっては、圧迫及び/または牽引の処置において、脊椎の椎骨の1つを飛び超す必要がある。
【0003】
一般に、骨ネジ、例えば医療用ネジは、欠陥がある部位の椎骨に挿入され、脊椎ロッドは椎骨同士を互いに相対的に固く固定するために使用される。特に、骨ネジはシャフトと、チャネルを形成するために上方に延びかつ互いに離間した一対の側壁を有するネジ頭とを有する。脊椎ロッドの軸方向の長さが少なくとも2つの隣接した椎体間に伸長するように、チャネルは脊椎ロッドを受容するように構成される。シャフトは、椎体に引っかかりを得るために通常ねじ切りを施されており、そこでネジ頭は露出され、チャネルは脊椎ロッドを受容するように位置決めされている。図1に示すように、一般に用いられている圧迫器具は通常、骨の側壁に装着される一対の脚部1を含む。矢印3で示されるように圧迫力が脚部1に印加され、その結果脊椎が圧迫される。つまり、一対の椎骨間の間隔が減少するように、一対の骨ネジアッセンブリ300が互いに近づく方向に移動する。骨ネジアッセンブリ300は本明細書では大まかに300と称するが、特定して300a、300b、300c及び300dとも称する。このような圧迫器具はネジ頭アッセンブリ、特には側壁及び骨ネジアッセンブリ300を望ましくない外力にさらし、つまり圧迫力が骨ネジアッセンブリ300に直接的に、特に骨ネジアッセンブリ300の頭部に印加される。
【0004】
また、脚部1が骨ネジアッセンブリ300のネジ頭アッセンブリに固定的に装着されているので、脚部1を寄せ合わせる際、側壁を圧迫することによってネジ頭に係合する。そのような構成では、圧迫力が所望の脊椎の湾曲に沿って脊椎の椎骨を圧迫し得るように、脚部1と骨ネジアッセンブリ300のネジ頭アッセンブリとの間の旋回または回転を可能にせずまたは付与しない。
【0005】
椎骨間で所望の空間的相互関係を得ることは2つの器具を使用して実現される。各器具は一対の骨ネジに連結される。一対の骨ネジは椎体の両側に配置される。椎骨の所望の空間的相互関係が各々の器具によって一旦得られると、一方の器具が解除され、開放した骨ネジのチャネルにロッドが挿入され、止めネジのような固定装置を使って骨ネジがロッドに固定される。止めネジはねじ切りを施された側壁に螺合し、脊椎ロッドを締め付けるように構成される。一旦骨ネジの固定に向かい合って一方側の椎体が脊椎ロッドに固着されると、他方の器具が解除され、椎体の他方側も同様の方法で互いに所定の位置に固着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6175129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に用いられている器具はネジ頭に嵌合されているので、手術部位の真上に配置され、手術するスペースをふさぐ。従って、ロッドを骨ネジに固定しながら、所望の空間的相互関係を保持するために、骨ネジから解除されることなく手術スペースに当たらないように操作し得る道具を有することは更に望ましいままである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
脊椎の圧迫及び/または牽引処置用の骨切除用器具は、第1の脚部と、第1の脚部に枢着される第2の脚部とを備える。第1の脚部及び第2の脚部の各々は、近位部と遠位端を有する遠位部と、遠位端内で近位部に向かって伸長するポケットとを含む。各脚部のポケットは、ネジ頭内に配置されたロッドに装着されたベアリング部材と回転可能に係合するように構成されており、ネジのシャフトは患者の脊椎内で引っかかりを得ている。各脚部内のポケットは、ベアリング部材とボール含ソケット接合で係合するように構成された内面を有する略半球形状である。第2の脚部は、第1の脚部に単一の軸を中心として枢着される。
【0009】
実施形態において、第1の骨ネジアッセンブリによって受容される第1のベアリング部材と第2の骨ネジアッセンブリによって受容される第2のベアリング部材とを備え、第1の脚部の遠位部は第1のベアリング部材と回転可能に係合し、第2の脚部の遠位部は第2のベアリング部材と回転可能に係合する。ロック機構は、第1の脚部の近位部と第2の脚部の近位部との間に伸長する。ロック機構は、レール及びレールから延びる複数の歯を有しており、複数の歯は、第1の脚部の近位部または第2の脚部の近位部と係合し、第2の脚部に対して第1の脚部の位置をロックするように構成されている。
【0010】
実施形態において、仮設ロッドを備える。仮設ロッドはベアリング部材、頸部及びロッド部を有する。ベアリング部材は、頸部によってロッド部に結合される略球状の部材である。ロッド部は、ネジ頭のチャネルに嵌合する大きさである。仮設ロッドの一実施形態において、仮設ロッドは留め輪を有する。留め輪はロッド部の径よりも大きな径を有し、チャネルよりも広い。
【0011】
実施形態において、骨切除用器具キットが提供され、その骨切除用器具キットは、第1の脚部と、第1の脚部に枢着される第2の脚部とを備える骨切除用器具を含む。第1の脚部は、近位部と、遠位端を備える遠位部と、遠位端内を近位部に向かって伸長する第1のポケットとを有する。第1の椎骨にインプラントされている第1の骨ネジアッセンブリによって受容されるように構成される第1のベアリング部材が設けられ、第1の脚部の遠位部は第1のベアリング部材と回転可能に係合するように構成される。
【0012】
骨切除用器具は、第1のベアリング部材と交差する2本の直交する軸に沿って第1のベアリング部材を中心として回転するように構成されている。第2の脚部は、近位部と、遠位端を備える遠位部と、遠位端内を近位部に向かって伸長する第2のポケットとを有する。第2の椎骨にインプラントされている第2の骨ネジアッセンブリによって受容されるように構成される第2のベアリング部材が設けられる。第2の脚部の遠位部は第2のベアリング部材と回転可能に係合するように構成され、その圧迫器具は、第2のベアリング部材と交差する2本の直交する軸に沿って第2のベアリング部材を中心として回転するように構成されている。第1の脚部及び/または第2の脚部の第1のポケット及び第2のポケットの夫々は、第1のベアリング部材及び/または第2のベアリング部材とボール含ソケット接合で係合するように構成された内面を有する略半球形状である。
【0013】
脊椎の外科的処置中、少なくとも2つの椎骨をともに圧迫する方法は、脊椎の第1の椎骨の第1側の棘状突起上の椎弓根に第1の骨ネジアッセンブリを固着させること、脊椎の第2の椎骨の第1側の棘状突起上の椎弓根に第2の骨ネジアッセンブリを固着させること、第1のベアリング部材を第1の骨ネジアッセンブリに固定させること、及び第2のベアリング部材を第2の骨ネジアッセンブリに固定させることを含む。脊椎の第1の椎骨の第2側の棘状突起上の椎弓根に第3の骨ネジアッセンブリを固着させること、脊椎の第2の椎骨の第2側の棘状突起上の椎弓根に第4の骨ネジアッセンブリを固着させること、及び第3のベアリング部材を第3の骨ネジアッセンブリに、第4のベアリング部材を第4の骨ネジアッセンブリに固定させることを含む。
【0014】
第1の脚部及び第1の脚部に枢着される第2の脚部を有する第1の骨切除用器具を設けることを含む。第1の脚部及び第2の脚部の各々は、近位部と、遠位端を備えた遠位部と、ポケットを画定するために遠位端内を近位部に向かって伸長するポケットとを有する。各脚部のポケットは、ネジ頭内に配置されたロッドに装着されたベアリング部材と回転可能に係合するように構成され、ネジのシャフトは患者の脊椎中に引っかかりを得ている。各脚部内のポケットはベアリング部材とボール含ソケット接合で係合するように構成された内面を有する略半球形状である。
【0015】
第1の骨切除用器具の第1の脚部及び第2の脚部を第1のベアリング部材及び第2のベアリング部材の夫々に連結させ、第1の椎骨及び第2の椎骨をともに所定距離圧迫することを含む。圧迫力は骨切除用器具のハンドル部に印加される。その圧迫力が第1の骨ネジアッセンブリ及び第2の骨ネジアッセンブリに伝達され、次いで第1の椎骨を第2の椎骨に近づく方向に移動させる。第1の椎骨及び第2の椎骨の間を所定距離に維持するために、第1の脚部及び第2の脚部をともにロックすることを含む。第1の椎骨及び第2の椎骨の間を所定距離に維持するために、ロッドを第3の骨ネジアッセンブリ及び第4の骨ネジアッセンブリに連結させることにおいて、第1の骨切除用器具は、手術用のスペースに当たらないように棘状突起から離れる方向に回転される。一実施例において、骨切除用器具が直立位置にあるとき、圧迫力は骨切除用器具のハンドル部に印加され、圧迫力がハンドル部に印加された後、骨切除用器具は下方位置に旋回される。下方位置にある骨切除用器具によって、スペースがより広がり脊椎へ大いに接近できる。すなわち、骨切除用器具を直立位置から下方位置へと旋回することにより、外科医には脊椎の外科的処置を行うためのより広いスペースが得られる。
【0016】
本方法は、更に第1の骨切除用器具を第1のベアリング部材及び第2のベアリング部材から解除するステップを含む。第1のベアリング部材及び第2のベアリング部材を第1の骨ネジアッセンブリ及び第2の骨ネジアッセンブリから解除すること、及び、脊椎ロッドを第1の骨ネジアッセンブリ及び第2の骨ネジアッセンブリに固着させることを含む。
【0017】
本方法の一実施形態において、第2の骨切除用器具は、第3の骨ネジアッセンブリ及び第4の骨ネジアッセンブリの夫々に固定された第3のベアリング部材及び第4のベアリング部材と係合することによって、椎骨をともに圧迫するために使用され得る。
【0018】
本明細書に記載される本実施形態により提供されるこれらの及びさらなる特徴は図面と組み合わせた以下の詳細な説明からより十分に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面で説明される実施形態は本来例示的かつ典型的なものであり、請求項によって規定される主題を限定することを意図するものではない。例示的な実施形態の以下の詳細な説明は以下の図面と合わせて読まれたときに理解されることができ、ここで同様の構造には同様の参照符号を付す。
【0020】
図1】従前の骨切除用器具を示す図である。
図2】本明細書で開示及び記載される1つ以上の実施形態に従う骨切除用器具の側面図である。
図3】本明細書で開示及び記載される1つ以上の実施形態に従うベアリング部材の斜視図である。
図4】本明細書で開示及び記載される1つ以上の実施形態に従うベアリング部材に回転可能に係合する骨切除用器具の遠位部の側方断面図である。
図5】本明細書で開示及び記載される1つ以上の実施形態に従う脊椎の椎骨に装着された複数の骨ネジアッセンブリ及び複数の骨ネジに装着された複数のベアリング部材を備えた脊椎の斜視図である。
図6】本明細書で開示及び記載される1つ以上の実施形態に従うベアリング部材と回転可能に係合する一対の骨切除用器具の斜視図である。
図7】本明細書で開示及び記載される1つ以上の実施形態に従うベアリング部材と回転可能に係合し、直立位置から下方位置へと回転された図6に示す一対の骨切除用器具の部分断面図である。
図8】本明細書で開示及び記載される1つ以上の実施形態に従う直立位置から下方位置へと回転された図6に示す一対の骨切除用器具の上面図である。
図9】本明細書で開示及び記載される1つ以上の実施形態に従う図6に示す一対の骨切除用器具のうちの一方が取り除かれて、固定ロッドに取り換えられた斜視図である。
図10】本明細書で開示及び記載される1以上の実施形態に従う図9に示す骨切除用器具が取り除かれて、固定ロッドに取り換えられた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で開示及び記載される1つ以上の実施形態に従い、骨切除用器具は、第1の脚部及び第1の脚部に枢着された第2の脚部を備える。第1の脚部及び第2の脚部の夫々は、近位部と遠位端を備える遠位部とを有する。第1の脚部及び第2の脚部の少なくとも1つはポケットを有する。ポケットは遠位端から近位部に向かって伸長する穴によって画定される。実施形態において、第1の脚部及び第2の脚部の両方がポケットを有する。脊椎の外科的処置の間に脊椎の圧迫及び/または牽引によって脊椎の湾曲に沿って圧迫力または牽引力が印加されるように、第1の脚部及び/または第2の脚部のポケットは患者の脊椎に装着された骨ネジアッセンブリに固定されたベアリング部材に回転可能に係合するように構成される。ベアリング部材に回転可能に係合する骨切除用器具によって、圧迫力及び/または牽引力が、椎骨にインプラントされた骨ネジのネジ頭アッセンブリに直接的に印加されることを防止する。更に、ベアリング部材に回転可能に係合する骨切除用器具は直立位置から下方位置へと旋回可能であり、それによって脊椎の外科的処置の間に外科医が脊椎に接近するための更なるスペースを提供する。
【0022】
ここで図2について述べると、実施形態の骨切除用器具10は、第1の脚部100と第1の脚部100に枢着される第2の脚部130とを備える。第1の脚部100は近位部110及び遠位部120を有する。近位部110はハンドル部112を有し、遠位部120は遠位端122を有する。ポケット123は遠位端122に配置される。ポケット123は開口と近位端125を備えた内面124とを有する。ポケット123は内径ID1 及び長さまたは奥行d1 を有する。第2の脚部130は近位部140及び遠位部150を有する。近位部140はハンドル部142を有し、遠位部150は遠位端152を有する。ポケット153は遠位端152に配置される。ポケット153は開口と近位端155を備えた内面154とを有する。ポケット153は内径ID2 及び長さまたは奥行d2 を有する。実施形態において、第1の脚部100は単一の軸160を中心として第2の脚部130に枢着される。単一の軸160は第1の脚部100を第2の脚部130に連結するピンであっても良い。
【0023】
骨切除用器具10の実施形態において、第1の脚部100及び第2の脚部130は直線的な形状を有していない。図2は第1の脚部100の近位部110及び遠位部120がピボットサポート105によって軸方向に互いにずれていることを示している。単一の軸160はピボットピン160aと向かい合ってピボットサポート105に配置される。第2の脚部130は第1の脚部100の後方に示されている。
【0024】
ここで図9を参照して、第2の脚部130は、遠位部150及び近位部140の間に配置されたピボットサポート105を更に含む。第2の脚部130の遠位部150及び近位部140もまた軸方向に互いにずれている。ピボットピン160aは、第1の脚部100及び第2の脚部130をともに枢着させるために、ピボットサポート105を貫通する。
【0025】
偏倚部材170は、第1の脚部100の近位部110と第2の脚部130の近位部140との間に位置付けられる。偏倚部材170は近位部110及び近位部140に装着され、遠位部120及び遠位部150を互いに離れて偏らせるかまたあるいは互いの方に向けて偏らせる。一実施形態において、偏倚部材170は、第1の脚部100の近位部110及び第2の脚部130の近位部140を互いに離れるように促すために互いに偏持される一対の板ばねとして図示される。しかしながら、当技術分野で既知であり利用されている、例示として示されるコイルバネを含むいかなる偏倚部材も本明細書での使用に適用可能であると理解されたい。
【0026】
ロック機構180は、第1の脚部100の近位部110と第2の脚部130の近位部140との間に伸長する。実施形態において、ロック機構180は、軸またはピン184を中心として第1の脚部100の近位部110に装着されており、第2の脚部130の近位端144と係合する複数の歯186を備えたレール182含む。複数の歯186は第2の脚部130の近位端144と係合し、第1の脚部100及び第2の脚部130の遠位部120および遠位部150の位置を夫々互いに相対的に「ロック」する、すなわちロック機構180は、第2の脚部130の位置との固定された空間的相互関係において第1の脚部100の位置をロックすると理解されたい。本明細書で示されるロック機構180は例示目的のために与えられており、当技術分野で既知であり利用されているいかなるロック機構も本明細書で使用されるように適用され得ると理解されたい。
【0027】
ここで図3を参照して、骨切除用器具10に用いる仮設ロッド200が設けられている。仮設ロッド200は、骨切除用器具10の遠位部120及び/または遠位部150と回転可能に係合するベアリング部材202を備える。仮設ロッド200は、ベアリング部材202、頸部204及びロッド部206を有する。ベアリング部材202は、頸部204によってロッド部206に結合される通常球状の部材である。ロッド部206はネジ頭のチャネルに嵌合する大きさである。仮設ロッド200の一実施形態において、仮設ロッド200は留め輪208を有する。留め輪208はロッド部206の径よりも大きな径を有し、チャネルよりも幅広である。ロッド部206は、留め輪208の一方側から延びる第1部分210及び留め輪208の他方側から延びる第2部分212を有する。図5図9に示すように、ロッド部206はネジアッセンブリのチャネル内部に固定されるように構成される。
【0028】
ここで図4を参照して、ベアリング部材202と回転可能に係合する遠位端122または遠位端152の側方断面が図示されている。遠位端122、152は、ポケット123、153と内径がID1 、ID2 である内面124、154とを有する。内径ID1 、ID2 によって、外径ODを有するベアリング部材202がポケット123、153内を滑動することが可能となる。図4において両方向の矢印4で示されるように、遠位端122、152はベアリング部材202を中心にして旋回または回転可能である。両方向の矢印4によって、遠位端122、152がベアリング部材202を中心にして図で示されるZ軸方向に旋回または回転することが示されているが、遠位端122、152は、ベアリング部材202を中心にして図で示されるY軸方向及び/またはZ軸方向に旋回または回転され得ると理解されたい。実施形態において、ポケット123、153の奥行d1、d2及び近位端125、155の夫々によって、ベアリング部材202は骨切除用器具10の遠位部120、150とボール含ソケット接合での係合を形成することが可能となる。本明細書で使用されるように、用語「ボール含ソケット接合」は、一方の球体部材、例えばベアリング部材の球状面が他方の部材の通常球状のくぼみに嵌合する接合部を言う。
【0029】
ここで図5を参照して、脊椎Sの椎骨にインプラントされた複数の骨ネジアッセンブリ300が図示される。複数の骨ネジアッセンブリ300の各々は、一対の離間側壁306によって画定されるチャネル304を備えたネジ頭アッセンブリ302を有する。側壁306の内面は、止めネジ310を受容するためにねじ切り308が施される。チャネル304は、ベアリングロッド210及び脊椎ロッドを受容するように構成される。
【0030】
図5に図示されるように、第1の一対の骨ネジアッセンブリ300は、夫々の棘状突起SPの同じ側で(図に示す棘状突起SPに対して-Z方向)第1の椎骨V1 及び第2の椎骨V2にインプラントされ、第2の一対の骨ネジアッセンブリ300は、夫々の棘状突起SPの他方側(図に示す棘状突起SPに対して-Z方向)の第1の椎骨V1 及び第2の椎骨V2にインプラントされる。仮設ロッド200は圧縮荷重を多数の椎骨間で分配するために、隣接する椎骨をともに結びつける。図5に示すように、仮設ロッド200は2つ以上の椎骨に跨ってもよいし、または外科医の専門的な判断に基づいて単一の椎骨に取り付けられてもよいことを理解されたい。脊椎Sの圧迫を可能にするために椎骨の一部分の抜き取り後に残された空間Eを図5に更に図示する。
【0031】
図6には、図5に示すベアリング部材202と回転可能に係合する遠位部120、150を有する一対の骨切除用器具10を図示する。図6は特に、第1の脚部及び第2の脚部100、130の遠位部120、150の夫々がポケット123、153を有する骨切除用器具10の実施形態を示す。ベアリング部材202が遠位端122、152のポケット123、153内に夫々に位置決めされるように、遠位端122、152はベアリング部材202上を摺動する。更に、ポケット123、153内に位置決めされたベアリング部材202によって、ベアリング部材202と骨切除用器具10の遠位部120、150との間で旋回または回転が可能となる。
【0032】
図6の矢印によって図示されるように、圧迫力5は骨切除用器具10のハンドル部112、142に印加される。圧迫力5は、遠位部120、150と、ポケット123、153内のベアリング部材202とに伝達される。ベアリング部材202に印加された力は、頸部204、ロッド部206及びロッド部206が装着される骨ネジアッセンブリ300を通して伝達される。このようにして、第1の椎骨V1 及び第2の椎骨V2 は圧迫される。圧迫力5は、脊椎Sが圧迫されるように、ベアリング部材202及び骨ネジアッセンブリ300を互いに近づく方向に移動させる。また、ベアリング部材202と骨切除用器具10の遠位部120、150とが回転可能に係合することによって、圧迫力が図6に示す脊椎Sの湾曲に沿ってベアリング部材202に印加されることを可能にする。図6は脊椎Sの圧迫を図示するが、骨切除用器具10は脊椎Sの牽引のためにも使用され得ると理解されたい。
【0033】
図7及び図8を参照して、ベアリング部材202と骨切除用器具10の遠位部120、150とが回転可能に係合することによって、図7に示されるY軸に通常平行な直立位置から図7に示されるY軸に対して角度を有する下方位置へ骨切除用器具10を更に旋回または回転可能にする。実施形態において、骨切除用器具10は、Y軸から5°以上、例えば10°以上、好ましくは15°以上下方(-Y方向)に回転する。ある実施形態において、骨切除用器具10は、20°以上、例えば25°以上下方に回転する。骨切除用器具10を直立位置から下方位置へ回転させることによって、外科医が外科的処置を脊椎Sに施すスペースが拡がると理解されたい。従って、骨切除用器具10の遠位部120、150のポケット123、153は、ベアリング部材202と組み合わせて、図で示されるX軸及びZ軸を中心とした骨切除用器具10の回転を可能にする。すなわち、骨切除用器具10は、ベアリング部材202に交差する2本の直交軸に沿ってベアリング部材202を中心に回転するように構成される。
【0034】
図9を参照して、一方の骨切除用器具10は他方側の棘状突起SP上の一対のベアリング部材202から切り離され、取り除かれており、第1の固定ロッド400が複数の骨ネジアッセンブリ300のネジ頭アッセンブリ302内に受容されている。第1の固定ロッド400は、少なくとも2つのネジ頭アッセンブリ302と係合する止めネジ310を使って、ネジ頭アッセンブリ302内に永久に固定または据え付けられ得る。図9に示す一方の骨切除用器具10は、脊椎Sに対して圧迫力を保持する一方、他方の骨切除用器具10は、他方側の棘状突起SP上の一対のベアリング部材202から切り離され、取り除かれており、第1の固定ロッド400が据え付けられていると理解されたい。
【0035】
ここで図10を参照して、他方の骨切除用器具10は、ベアリング部材202から切り離され、取り除かれており、第2の固定ロッド402は、一方側の棘状突起SP上の複数の骨ネジアッセンブリ300のネジ頭アッセンブリ302内に受容される。第1の固定ロッド400は所望の脊椎Sの湾曲を保持する一方、他方の骨切除用器具10は、ベアリング部材202から切り離され、取り除かれており、第2の固定ロッド402はネジ頭アッセンブリ302内に受容されていると理解されたい。
【0036】
本明細書に開示及び記載された実施形態から、骨切除用器具及び骨切除用器具キットは、骨切除用圧迫器具と脊椎の椎骨に装着されたベアリング部材との回転可能な係合を可能にすると理解されたい。骨切除用圧迫器具とベアリング部材との回転可能な係合によって、通常脊椎の湾曲に沿った脊椎への圧迫力の印加が可能となる。更に、骨切除用圧迫器具とベアリング部材とが回転可能に係合することによって、圧迫力及び/または牽引力が、脊椎の椎骨にインプラントされた骨ネジアッセンブリ300のネジ頭アッセンブリ302に直接印加されることを防止する。骨切除用器具は外科的手術で使用されるために適した如何なる材料からも作られることができ、例示としてチタン、チタン合金、ポリマーなどを含むがこれに限定されるものではない。
【0037】
図5図10を参照して、脊椎の外科的処置中に、少なくとも2つの椎骨をともに圧迫する方法が提供される。図5は準備されている手術部位を図示する。特に、脊椎Sの圧迫を可能にするために椎骨の一部分の抜き取り後に残された「E」が作られる。骨ネジアッセンブリ300a、300b、300c、300dは椎骨V1 及び椎骨V2にネジで取り付けられる。特に、第1の骨ネジアッセンブリ300は、脊椎の第1の椎骨V1 の第1側の棘状突起上の椎弓根に固着され、第2の骨ネジアッセンブリ300は、脊椎の第2の椎骨V2 の第1側の棘状突起上の椎弓根に固着され、第3の骨ネジアッセンブリ300は、脊椎の第1の椎骨V1 の第2側の棘状突起上の椎弓根に固着され、第4の骨ネジアッセンブリ300は、脊椎の第2の椎骨V2 の第2側の棘状突起上の椎弓根に固着される。これらの骨ネジアッセンブリ300は一対の離間側壁306a、306bによって画定されたチャネル304を有する。チャネル304は固定ロッド400を受容するように構成される。
【0038】
図5を参照して、本方法は、ベアリング部材202を骨ネジアッセンブリ300a、300b、300c、300dに固定するステップを含む。一実施形態において、ベアリング部材202は仮設ロッド200に固定して取付けられる。仮設ロッド200は、夫々の骨ネジアッセンブリ300のチャネル304内に受容されるように構成されたロッド部206を有する。ロッド部206は、骨ネジアッセンブリ300のネジ切りを施された側壁に止めネジによる係合によってその中に固定されてもよい(図示せず)。図5は第1及び第2の骨切除用器具10a、10bに使用されることに適した方法の実施形態を示し、そこでは、4つの仮設ロッド200が受容可能な骨ネジアッセンブリ300a、300b、300c、300dの夫々に取り付けられる。
【0039】
ここで図9を参照して、本方法は、第1の骨切除用器具10aを提供するステップを含む。第1の骨切除用器具10aは、第1の脚部100と第1の脚部100に枢着される第2の脚部130とを通常備える。第1の脚部100及び第2の脚部130の夫々は、近位部110、140と遠位端122、152を備える遠位部120、150とを有する。第1の脚部100及び第2の脚部130の少なくとも一方は、ポケット123、153を有する。説明のために、本明細書に記載される方法では、第1の脚部100及び第2の脚部130の両方がポケット123、153を有する第1の骨切除用器具10aが含まれている。ポケットは遠位端から近位部に向かって伸長する穴によって画定される。各脚部内のポケットは、ボール含ソケット接合でベアリングと係合するように構成された内面を備えた通常半球形状である。第1の骨切除用器具10aは更にロック機構180を有する。ロック機構180は、第2の脚部130に対して第1の脚部100を固定位置でロックするように構成されている。一実施形態において、ロック機構180は、第1の脚部100の近位部110と第2の脚部130の近位部140との間に伸長している。
【0040】
本方法は、ポケット123、153を仮設ロッド200のベアリング部材202に回転可能に係合させるステップを含む。これは、ポケット123、153の夫々を第1及び第2の骨ネジアッセンブリ300a、300bのベアリング部材202の夫々に取り付けることによって行われる。本方法は、矢印で示すように椎骨V1 及びV2 をともに圧迫するために第1の骨切除用器具10aを作動させるステップへ進む。第1の骨切除用器具10aの第1の脚部100及び第2の脚部130は、第1及び第2のベアリング部材の夫々に回転可能に連結される。圧迫力は、第1の骨ネジアッセンブリ及び第2の骨ネジアッセンブリに伝達され、次いで第1の椎骨V1 を第2の椎骨V2 に近接する方向に移動させる。ポケット123、153はボール含ソケット接合での係合をベアリング部材202の夫々と形成しており、ベアリング部材202は、圧縮荷重を椎骨V1 、V2 間で分配するためにポケット123、153夫々の内部で回転する。更に、ベアリング部材202がポケット123、153夫々の内部で回転することによって、固定された態様で骨ネジアッセンブリの側壁を押し付ける従来の骨切除用器具とは対照的に、椎骨V1 、V2 の経路が弧に沿って進み得る。
【0041】
第3及び第4の骨ネジアッセンブリ300c、300dは、チャネル304が仮設ロッド200に嵌合されていないという点で開放されている。図9に例示されるように、第1の骨切除用器具10aの作動の結果、第3及び第4の骨ネジアッセンブリ300c、300dは互いに近接され、椎骨V1 及び椎骨V2 の間隔を設定するために、固定ロッド400が第3及び第4の骨ネジアッセンブリ300c、300dのチャネル304の夫々に挿入される。脊椎ロッド2が第3及び第4の骨ネジアッセンブリ300c、300dに固定された後、特に止めネジ310が側壁306へ挿入される。第1の骨切除用器具10aは仮設ロッド200のベアリング部材202との係合から解放されてもよく、ロッド部206は第1及び第2の骨ネジアッセンブリ300a、300bの夫々のチャネル304から解放されてもよい。第1及び第2の骨ネジアッセンブリ300a、300bの夫々のチャネル304は今や開放されており、固定ロッド400が上述の止めネジを使ってその中に固定される。
【0042】
再度図5及び図6を参照して、方法の一実施形態は第2の骨切除用器具10bを提供することを含む。図5は骨ネジアッセンブリ300a、300b、300c、300dの各々が仮設ロッド200に嵌合されるように準備されている手術部位を示す。第2の骨切除用器具10bは通常、第1の脚部100と第1の脚部100に枢着される第2の脚部130とを備える。第1の脚部100及び第2の脚部130の各々は、近位部110、140と遠位端122、152を備えた遠位部120、150とを有する。第1の脚部100及び第2の脚部130の少なくとも一方は、ポケット123、153を有する。第2の骨切除用器具10bは、骨ネジアッセンブリ300c、300dに固定的に取り付けられた仮設ロッド200のベアリング部材202に回転可能に係合される。
【0043】
このような実施形態において、第1及び第2の骨切除用器具10a、10bの両方は、同時にまたは順次作動されながら、第1及び第2の椎骨V1 、V2 をともに所定距離圧迫する。一旦、椎骨V1 、V2 が所望の空間的相互関係に設定されると、第1及び第2の骨切除用器具10a、10bの少なくとも一方は所定位置でロックされる。第1及び第2の骨切除用器具10a、10bの各々はロック機構180を含む。説明のために、第1の骨切除用器具10aのロック機構は、第1の脚部100及び第2の脚部130の間の空間的相互関係を固定するために作動される。第2の骨切除用器具10bは、第3及び第4の骨ネジアッセンブリ300c、300dに固定的に連結されたベアリング部材202から解除される。
【0044】
図7に示すように、本方法は第1の骨切除用器具10aを手術部位から離れる方向に回転させるステップを含む。このようにして、図9で例証的に示されるように、仮設ロッド200が第3及び第4の骨ネジアッセンブリ300c、300dから容易に取り外されるように、固定ロッド400が第3及び第4の骨ネジアッセンブリ300c、300dのチャネル304に容易に挿し込まれるように、手術部位の上部にスペースが与えられる。ポケット123、153と夫々のベアリング部材202とのボール含ソケット接合のために、第1の骨切除用器具10aの回動によって、第1の骨切除用器具10aが第1及び第2の骨ネジアッセンブリ300a、300bから解除されないことを理解されたい。
【0045】
本方法は、固定ロッド400を第3及び第4の骨ネジアッセンブリ300c、300dのチャネル304に固着させるステップへ進む。この時点で、第3及び第4の骨ネジアッセンブリ300c、300dに固着された固定ロッド400と、第1及び第2の骨ネジアッセンブリ300a、300bに固着された第1の骨切除用器具10aとによって、椎骨V1 、V2 の位置は固定される。
【0046】
第1の骨切除用器具10aは、第1及び第2の骨ネジアッセンブリ300a、300bの夫々に固定的に連結されているベアリング部材202から解除される。ロッド部206は止めネジ310を取り除くことによって第1及び第2の骨ネジアッセンブリ300a、300bのチャネル304の夫々から解放されてもよく、固定ロッド400が開放したチャネル304に差し込まれて、止めネジ310によって固着されてもよい。
【0047】
以上特定の実施形態を本明細書で図示し説明してきたが、請求する主題の精神ないし範囲から逸れないで他の様々な変更や改造を施すことができることを理解されたい。更に、請求する主題の種々の態様が本明細書で述べられてきたが、そのような態様は組み合わせて利用される必要はない。よって、添付の特許請求の範囲は請求する主題の範囲内に属するあらゆる変更変形をカバーしようとするものである。
【符号の説明】
【0048】
10 骨切除用器具
100 第1の脚部
110 近位部
120 遠位部
122 遠位端
123 ポケット
130 第2の脚部
140 近位部
150 遠位部
152 遠位端
153 ポケット
200 仮設ロッド
202 ベアリング部材
204 頸部
206 ロッド部
208 留め輪
300 骨ネジアッセンブリ
302 ネジ頭アッセンブリ
304 チャネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10