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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】妨害磁界発生装置およびカードリーダ
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/02 20060101AFI20220802BHJP
   G06K 13/06 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G11B5/02 Z
G06K13/06 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018064173
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2019175528
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】坂牧 弘孝
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-018380(JP,A)
【文献】特開2012-118689(JP,A)
【文献】特開2016-110574(JP,A)
【文献】特開2007-164533(JP,A)
【文献】国際公開第2014/195991(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0062410(US,A1)
【文献】国際公開第2012/060690(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/02
G06K 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードリーダで使用され、カードに記録された磁気データの不正な読取りを妨害するための磁界を発生させる妨害磁界発生装置において、
磁性材料で形成されるコアと、前記コアに巻回される妨害磁界発生用のコイルとを備え、
前記コアは、別体で形成される複数のコア分割体を備え、
複数の前記コア分割体は、接着剤で固定されて一体化されていることを特徴とする妨害磁界発生装置。
【請求項2】
カードリーダで使用され、カードに記録された磁気データの不正な読取りを妨害するための磁界を発生させる妨害磁界発生装置において、
磁性材料で形成されるコアと、前記コアに巻回される妨害磁界発生用のコイルとを備え、
前記コアは、別体で形成される複数のコア分割体を備え、
複数の前記コア分割体は、一体化され、
前記コアは、前記コア分割体として、直線の棒状に形成される第1コア分割体と、直線の棒状に形成され前記第1コア分割体と平行に配置される第2コア分割体と、直線の棒状に形成され前記第1コア分割体と平行に配置される第3コア分割体と、直線の棒状に形成され前記第1コア分割体と平行に配置される第4コア分割体と、直線の棒状に形成され前記第1コア分割体の一端部、前記第2コア分割体の一端部、前記第3コア分割体の一端部および前記第4コア分割体の一端部が固定される連結コア分割体とを備え、
前記第1コア分割体、前記第2コア分割体、前記第3コア分割体および前記第4コア分割体のそれぞれに前記コイルが巻回されていることを特徴とする妨害磁界発生装置。
【請求項3】
前記コアおよび前記コイルが収容されるケース体と、前記ケース体の内部に充填され前記コアおよび前記コイルを覆う樹脂封止部材とを備えることを特徴とする請求項1または2記載の妨害磁界発生装置。
【請求項4】
前記コアおよび前記コイルは、前記ケース体の内側面に接触しないように前記ケース体の内側面から離れており、
前記コアおよび前記コイルと、前記ケース体の内側面との間には、前記樹脂封止部材の一部が配置されていることを特徴とする請求項記載の妨害磁界発生装置。
【請求項5】
前記ケース体に収容されるとともに前記コイルが電気的に接続される回路基板を備え、
前記コイルは、前記回路基板に固定されていることを特徴とする請求項または記載の妨害磁界発生装置。
【請求項6】
前記ケース体には、前記回路基板を支持する基板支持部が形成され、
前記コアおよび前記コイルは、前記ケース体の内側面に接触しないように前記ケース体の内側面から離れていることを特徴とする請求項記載の妨害磁界発生装置。
【請求項7】
請求項1からのいずれかに記載の妨害磁界発生装置を備えることを特徴とするカードリーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードリーダで使用される妨害磁界発生装置に関する。また、本発明は、この妨害磁界発生装置を備えるカードリーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードに記録された磁気データを不正に読み取るスキミングを阻止するために、カードリーダで使用される妨害磁界発生装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の妨害磁界発生装置は、カードに記録された磁気データの不正な読取りを妨害するための磁界を発生させる。この妨害磁界発生装置は、カード挿入口が形成されるカード挿入部の内部に配置されている。また、この妨害磁界発生装置は、コアと、ボビンを介してコアに巻回される妨害磁界発生用のコイルとを備えている。コイルには、交流が供給されている。
【0003】
特許文献1に記載の妨害磁界発生装置では、コアは、たとえば、棒状の第1コア部分と、第1コア部分と平行に配置される棒状の第2コア部分と、第1コア部分と平行に配置される棒状の第3コア部分と、第1コア部分と平行に配置される棒状の第4コア部分と、第1~第4コア部分の一端が繋がる棒状の連結コア部分とから構成されている。第1コア部分~第4コア部分には、コイルが巻回されている。
【0004】
また、特許文献1に記載の妨害磁界発生装置では、第1コア部分と第2コア部分と第3コア部分と第4コア部分と連結コア部分とは一体になっている。すなわち、コアは、一体で形成されている。そのため、特許文献1に記載の妨害磁界発生装置では、コイルが発生させる磁束の、コアからの漏れを抑制して、より強い妨害磁界を発生させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2015/133567号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、特許文献1に記載の妨害磁界発生装置は、カード挿入部の内部に配置されている。カード挿入口が形成されるカード挿入部の内部において、妨害磁界発生装置が設置されるスペースとして使用できるスペースは限られているため、カード挿入部の内部に配置される妨害磁界発生装置を小型化する必要があり、妨害磁界発生用のコイルも小型化する必要がある。
【0007】
一方で、コイルが小型化した妨害磁界発生装置から比較的強い妨害磁界を発生させようとして、比較的大きな交流をコイルに供給すると、コアが振動して妨害磁界発生装置から比較的大きな騒音が発生することが本願発明者の検討によって明らかになった。カードリーダのユーザは、カード挿入口にカードを挿入するとともにカード挿入口から排出されたカードを抜き取るため、カード挿入口が形成されるカード挿入部の内部の妨害磁界発生装置から比較的大きな騒音が発生すると、カードリーダのユーザに不快感を与えてしまう。
【0008】
そこで、本発明の課題は、カードに記録された磁気データの不正な読取りを妨害するための磁界を発生させる妨害磁界発生装置において、妨害磁界発生用のコイルを小型化しても、妨害磁界発生装置から発生する騒音を抑制することが可能な妨害磁界発生装置を提供することにある。また、本発明の課題は、かかる妨害磁界発生装置を備えるカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本願発明者は種々の検討を行った。特に本願発明者は、コアの固有振動数に着目して種々の検討を行った。その結果、本願発明者は、別体で形成される複数のコア分割体にコアを分割することで、個々のコア分割体の固有振動数を高くして、個々のコア分割体の固有振動数を人間の可聴周波数帯域からずらすことが可能になることを知見するに至った。また、本願発明者は、人間の可聴周波数帯域から固有振動数をずらすことが可能な複数のコア分割体を一体化してコアを形成することで、コイルを小型化しても、妨害磁界発生装置から発生する騒音を抑制することが可能になることを知見するに至った。
【0010】
本発明の妨害磁界発生装置は、かかる新たな知見に基づくものであり、カードリーダで使用され、カードに記録された磁気データの不正な読取りを妨害するための磁界を発生させる妨害磁界発生装置において、磁性材料で形成されるコアと、コアに巻回される妨害磁界発生用のコイルとを備え、コアは、別体で形成される複数のコア分割体を備え、複数のコア分割体は、接着剤で固定されて一体化されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の妨害磁界発生装置では、コアは、別体で形成される複数のコア分割体を備えており、複数のコア分割体は、一体化されている。すなわち、本発明では、人間の可聴周波数帯域から固有振動数をずらすことが可能になる複数のコア分割体が一体化されてコアが形成されている。そのため、本発明では、妨害磁界発生用のコイルを小型化しても、妨害磁界発生装置から発生する騒音を抑制することが可能になる。
【0013】
また、本発明の妨害磁界発生装置は、上述の新たな知見に基づくものであり、カードリーダで使用され、カードに記録された磁気データの不正な読取りを妨害するための磁界を発生させる妨害磁界発生装置において、磁性材料で形成されるコアと、コアに巻回される妨害磁界発生用のコイルとを備え、コアは、別体で形成される複数のコア分割体を備え、複数のコア分割体は、一体化され、コアは、コア分割体として、直線の棒状に形成される第1コア分割体と、直線の棒状に形成され第1コア分割体と平行に配置される第2コア分割体と、直線の棒状に形成され第1コア分割体と平行に配置される第3コア分割体と、直線の棒状に形成され第1コア分割体と平行に配置される第4コア分割体と、直線の棒状に形成され第1コア分割体の一端部、第2コア分割体の一端部、第3コア分割体の一端部および第4コア分割体の一端部が固定される連結コア分割体とを備え、第1コア分割体、第2コア分割体、第3コア分割体および第4コア分割体のそれぞれにコイルが巻回されていることを特徴とする。
本発明の妨害磁界発生装置では、コアは、別体で形成される複数のコア分割体を備えており、複数のコア分割体は、一体化されている。すなわち、本発明では、人間の可聴周波数帯域から固有振動数をずらすことが可能になる複数のコア分割体が一体化されてコアが形成されている。そのため、本発明では、妨害磁界発生用のコイルを小型化しても、妨害磁界発生装置から発生する騒音を抑制することが可能になる。
また、本発明では、妨害磁界発生装置は、コア分割体として、直線の棒状に形成される第1コア分割体と、直線の棒状に形成され第1コア分割体と平行に配置される第2コア分割体と、直線の棒状に形成され第1コア分割体と平行に配置される第3コア分割体と、直線の棒状に形成され第1コア分割体と平行に配置される第4コア分割体と、直線の棒状に形成され第1コア分割体の一端部、第2コア分割体の一端部、第3コア分割体の一端部および第4コア分割体の一端部が固定される連結コア分割体とを備え、第1コア分割体、第2コア分割体、第3コア分割体および第4コア分割体のそれぞれにコイルが巻回されている。本発明では、第1コア分割体、第2コア分割体、第3コア分割体、第4コア分割体および連結コア分割体が直線の棒状に形成されているため、コア分割体を容易に形成することが可能になる。
【0014】
本発明において、妨害磁界発生装置は、コアおよびコイルが収容されるケース体と、ケース体の内部に充填されコアおよびコイルを覆う樹脂封止部材とを備えることが好ましい。このように構成すると、コアおよびコイルがケース体に収容されていない場合と比較して、カードリーダに取り付けられる前の妨害磁界発生装置の取り扱いが容易になる。また、このように構成すると、ケース体の内部に充填される樹脂封止部材によって、コアおよびコイルの防水性を確保することが可能になるとともに、コイルの放熱性を確保することが可能になる。
【0015】
本発明において、コアおよびコイルは、ケース体の内側面に接触しないようにケース体の内側面から離れており、コアおよびコイルと、ケース体の内側面との間には、樹脂封止部材の一部が配置されていることが好ましい。このように構成すると、コアおよびコイルが、ケース体の内側面に接触しないようにケース体の内側面から離れているため、コアの振動がケース体に伝達されるのを抑制することが可能になる。したがって、妨害磁界発生装置から発生する騒音を効果的に抑制することが可能になる。また、このように構成すると、コアおよびコイルと、ケース体の内側面との間に配置される樹脂封止部材の一部によって、コアおよびコイルが、ケース体の内側面に接触していない状態を確実に維持することが可能になる。
【0016】
本発明において、妨害磁界発生装置は、ケース体に収容されるとともにコイルが電気的に接続される回路基板を備え、コイルは、回路基板に固定されていることが好ましい。
このように構成すると、コア、コイルおよび回路基板をケース体に収容する際に、一体になっているコアとコイルと回路基板とをケース体に収容することが可能になる。したがって、コア、コイルおよび回路基板をケース体に収容する際の、コア、コイルおよび回路基板の取り扱いが容易になる。
【0017】
本発明において、ケース体には、回路基板を支持する基板支持部が形成され、コアおよびコイルは、ケース体の内側面に接触しないようにケース体の内側面から離れていることが好ましい。すなわち、本発明において、ケース体に形成される基板支持部を利用して、コアおよびコイルがケース体の内側面に接触しないように、ケース体の内部にコアおよびコイルが配置されていることが好ましい。このように構成すると、コアの振動がケース体に伝達されるのを抑制することが可能になる。したがって、妨害磁界発生装置から発生する騒音を効果的に抑制することが可能になる。
【0018】
本発明の妨害磁界発生装置は、カードリーダに用いることができる。このカードリーダでは、人間の可聴周波数帯域から固有振動数をずらすことが可能になる複数のコア分割体が一体化されてコアが形成されているため、妨害磁界発生用のコイルを小型化しても、妨害磁界発生装置から発生する騒音を抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明では、カードに記録された磁気データの不正な読取りを妨害するための磁界を発生させる妨害磁界発生装置において、妨害磁界発生用のコイルを小型化しても、妨害磁界発生装置から発生する騒音を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態にかかるカードリーダの前端側部分の構成を説明するための概略側面図である。
図2図1に示す妨害磁界発生装置の斜視図である。
図3図2に示す妨害磁界発生装置の断面図である。
図4図2に示す妨害磁界発生装置の分解斜視図である。
図5図4に示すコアの分解斜視図である。
図6】本発明の他の実施の形態にかかるコアの構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
(カードリーダの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカードリーダ1の前端側部分の構成を説明するための概略側面図である。
【0023】
本形態のカードリーダ1は、カード2に記録された磁気データの読取りやカード2への磁気データの記録を行うための装置であり、たとえば、ATM(Automated Teller Machine)等の所定の上位装置に搭載されて使用される。カードリーダ1は、カード2が挿入されるカード挿入口3が形成されるカード挿入部4と、本体部5とを備えている。カードリーダ1の内部には、カード挿入口3から挿入されたカード2が移動するカード移動路6が形成されている。
【0024】
また、カードリーダ1は、カード2に記録された磁気データの読取りおよびカード2への磁気データの記録の少なくともいずれか一方を行う磁気ヘッド7と、カード2を搬送するための駆動ローラ8およびパッドローラ9とを備えている。さらに、カードリーダ1は、カード2に記録された磁気データの不正な読取りを妨害するための磁界を発生させる妨害磁界発生装置10を備えている。すなわち、妨害磁界発生装置10は、カードリーダ1で使用される。
【0025】
本形態では、カード移動路6において、カード2は、図1に示すX方向へ移動する。また、カード挿入口3から挿入されたカード2は、X1方向側に移動してカードリーダ1の内部に取り込まれ、カード挿入口3から排出されるカード2は、X2方向側に移動する。また、X方向に直交する図1等のZ方向は、カードリーダ1に取り込まれたカード2の厚さ方向であり、X方向とZ方向とに直交する図1等のY方向は、カードリーダ1に取り込まれたカード2の幅方向である。
【0026】
以下の説明では、X方向を「前後方向」とし、Y方向を「左右方向」とし、Z方向を「上下方向」とする。また、前後方向の一方側(図1等のX1方向側)を「後ろ」側とし、その反対側である図1等のX2方向側を「前」側とし、上下方向の一方側(図1等のZ1方向側)を「上」側とし、その反対側である図1等のZ2方向側を「下」側とする。
【0027】
カード2は、たとえば、厚さが0.7~0.8mm程度の略長方形状の塩化ビニール製のカードである。カード2の裏面には、磁気データが記録される磁気ストライプが形成されている。磁気ストライプは、略長方形状に形成されるカード2の長手方向に沿って形成されている。カード2は、カード2の裏面が下側を向いた状態で、かつ、カード2の長手方向が前後方向と略一致した状態で、カードリーダ1に挿入されて、カード移動路6で搬送される。なお、カード2には、ICチップが内蔵されても良い。また、カード2は、厚さが0.18~0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0028】
カード挿入部4は、本体部5の前端面に取り付けられている。また、カード挿入部4は、中空状に形成されている。妨害磁界発生装置10は、中空状に形成されるカード挿入部4の内部に配置されている。本形態の妨害磁界発生装置10は、カード移動路6の上側に配置されている。ただし、本形態の妨害磁界発生装置10は、カード移動路6の下側に配置されていても良い。妨害磁界発生装置10の具体的な構成については後述する。
【0029】
磁気ヘッド7、駆動ローラ8およびパッドローラ9は、本体部5の内部に配置されている。磁気ヘッド7は、カード移動路6に下側から臨むように配置されている。また、磁気ヘッド7は、左右方向において、カード2の磁気ストライプが通過する位置に配置されている。駆動ローラ8には、ベルトやプーリ等の動力伝達機構を介してモータが連結されている。駆動ローラ8とパッドローラ9とは、上下方向で対向している。パッドローラ9は、駆動ローラ8に向かって付勢されている。カード2は、駆動ローラ8とパッドローラ9との間に挟まれた状態で搬送される。
【0030】
(妨害磁界発生装置の構成)
図2は、図1に示す妨害磁界発生装置10の斜視図である。図3は、図2に示す妨害磁界発生装置10の断面図である。図4は、図2に示す妨害磁界発生装置10の分解斜視図である。図5は、図4に示すコア11の分解斜視図である。
【0031】
妨害磁界発生装置10は、磁性材料で形成されるコア11と、コア11に巻回される妨害磁界発生用のコイル(励磁用のコイル)12とを備えている。また、妨害磁界発生装置10は、コイル12が電気的に接続される回路基板13と、コア11、コイル12および回路基板13が収容されるケース体14と、ケース体14の内部に充填される樹脂封止部材15とを備えている。ケース体14は、上面が開口する略直方体の箱状に形成されるケース本体16と、ケース本体16の上面の開口を塞ぐカバー17とから構成されている。なお、図2図4では、樹脂封止部材15およびカバー17の図示を省略している。
【0032】
コア11は、薄い磁性板が積層されて形成された積層コアである。コア11は、別体で形成される複数のコア分割体21~25を備えている。本形態のコア11は、別体で形成される5個のコア分割体21~25によって構成されている。5個のコア分割体21~25は、一体化されている。すなわち、コア11は、別体で形成される5個のコア分割体21~25が一体化されることで形成されている。上述のように、コア11は、薄い磁性板が積層されて形成された積層コアであるため、コア分割体21~25も、薄い磁性板が積層されて形成された積層コアである。
【0033】
コア分割体21~25は、直線の棒状に形成されている。具体的には、コア分割体21~25は、細長い略四角柱状に形成されている。コア分割体21~24は、コア分割体21~24の長手方向と前後方向とが一致するように配置されている。また、コア分割体21~24は、左右方向に一定の間隔をあけた状態で配置されている。すなわち、コア分割体22~24は、コア分割体21と平行に配置されている。コア分割体21~24は、左右方向の一方から他方に向かってこの順番で配置されている。
【0034】
コア分割体25は、コア分割体25の長手方向と左右方向とが一致するように配置されている。コア分割体21~24の一端部は、コア分割体25に固定されている。具体的には、コア分割体21~24の後端部21a~24aがコア分割体25に固定されている。本形態のコア分割体21は、第1コア分割体であり、コア分割体22は、第2コア分割体であり、コア分割体23は、第3コア分割体であり、コア分割体24は、第4コア分割体であり、コア分割体25は、連結コア分割体である。
【0035】
コア分割体21とコア分割体24とは、同形状に形成されている。また、コア分割体22とコア分割体23とは、同形状に形成されている。コア分割体21、24の厚さ(上下方向の厚さ)とコア分割体22、23の厚さ(上下方向の厚さ)とは、等しくなっている。また、コア分割体21、24の幅(左右方向の幅)とコア分割体22、23の幅(左右方向の幅)とは、等しくなっている。コア分割体21、24の長さは、コア分割体22、23の長さよりも長くなっている。コア分割体21~24の後端部21a~24aの左右方向の幅は、コア分割体21~24の、後端部21a~24a以外の部分の左右方向の幅よりも狭くなっている。
【0036】
コア分割体25の厚さ(上下方向の厚さ)は、コア分割体21~24の厚さよりも厚くなっている。コア分割体25には、後端部21a~24aが嵌る4個の凹部25aが形成されている。凹部25aは、コア分割体25の上面から下側に向かって窪んでいる。コア分割体21~24は、後端部21a~24aが凹部25aに嵌っている状態でコア分割体25に固定されている。また、コア分割体21~24は、たとえば、凹部25aに塗布される接着剤によってコア分割体25に固定されている。すなわち、5個のコア分割体21~25は、接着剤で固定されて一体化されている。
【0037】
コイル12は、ボビン27を介してコア11に巻回されている。具体的には、コイル12は、コア分割体21~24のそれぞれにボビン27を介して巻回されており、妨害磁界発生装置10は、4個のコイル12を備えている。上述のように、コア分割体21、24の長さがコア分割体22、23の長さよりも長くなっているため、コア分割体21、24に巻回されるコイル12の長さは、コア分割体22、23に巻回されるコイル12の長さよりも長くなっている。また、コア分割体21、24に取り付けられるボビン27の長さは、コア分割体22、23に取り付けられるボビン27の長さよりも長くなっている。
【0038】
本形態では、コア分割体21に巻回されるコイル12とコア分割体23に巻回されるコイル12とが1本の導線によって構成され、コア分割体22に巻回されるコイル12とコア分割体24に巻回されるコイル12とが1本の導線によって構成されている。導線の端部は、回路基板13に電気的に接続されている。コア分割体21に巻回されるコイル12の巻回方向とコア分割体23に巻回されるコイル12の巻回方向とは逆方向になっている。コア分割体22に巻回されるコイル12の巻回方向とコア分割体24に巻回されるコイル12の巻回方向とは逆方向になっている。
【0039】
コイル12は、コイル12に交流を供給する交流電源回路に接続されている。コイル12に交流が供給されると、磁力線の向きがコア分割体21の前端面21bおよびコア分割体23の前端面23bのいずれか一方から前端面21bおよび前端面23bのいずれか他方に向かう妨害磁界と、磁力線の向きがコア分割体22の前端面22bおよびコア分割体24の前端面24bのいずれか一方から前端面22bおよび前端面24bのいずれか他方に向かう妨害磁界とが発生する。
【0040】
具体的には、コイル12に交流が供給されると、磁力線の向きが前端面21bから前端面23bに向かう方向と前端面23bから前端面21bに向かう方向とに周期的に変動する妨害磁界(交流磁界)と、磁力線の向きが前端面22bから前端面24bに向かう方向と前端面24bから前端面22bに向かう方向とに周期的に変動する妨害磁界(交流磁界)とが発生する。
【0041】
なお、コイル12は、コイル12が接続される直流電源と、この直流電源に対してコイル12と並列に接続されるコンデンサとを備える駆動回路に接続されても良い。この場合には、駆動回路のコンデンサとコイル12とによって共振回路が構成される。また、コイル12は、直流を交流へ変換するインバータ等の回路を介して直流電源に接続されても良い。また、コイル12に交流電源が接続される場合および直流電源が接続される場合のいずれの場合であっても、磁力線の向きを変動させるタイミングは周期的でなくても良い。
【0042】
回路基板13は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板である。回路基板13は、回路基板13の厚さ方向と上下方向とが略一致するように配置されている。回路基板13には、4個のコイル12が固定されている。具体的には、回路基板13の下面に4個のコイル12が接着剤によって固定されている。コア11、コイル12およびボビン27は、回路基板13の下側に配置されている。コア11およびボビン27は、コイル12を介して回路基板13に保持されている。回路基板13の上面には、各種の電子部品が実装されている。
【0043】
なお、カード2に記録された磁気データを不正に読み取るためのスキミング用の磁気ヘッド80(以下、「スキミング用磁気ヘッド80」とする。)は、図1に示すように、カード挿入口3の前方であって、かつ、カード移動路6よりも下側に配置されると想定される。したがって、妨害磁界発生装置10が発生させる妨害磁界の影響をスキミング用磁気ヘッド80に対して効果的に与えるために、コア分割体21~24は、前側に向かうにしたがって、わずかに下側に向かうように傾斜している。また、コア分割体21~24がこのように傾斜しているために、回路基板13の前端は、回路基板13の後端よりもわずかに下側に配置されており、回路基板13は、前後方向に対してわずかに傾いている。
【0044】
ケース本体16には、回路基板13を支持する基板支持部16a、16bが形成されている(図3参照)。基板支持部16a、16bの上端面は、平面となっており、基板支持部16a、16bは、回路基板13の下面に接触して回路基板13を下側から支持する。基板支持部16aは、ケース本体16の内部の後端側に形成され、基板支持部16bは、ケース本体16の内部の前端側に形成されている。すなわち、基板支持部16aは、回路基板13の後端部を下側から支持し、基板支持部16bは、回路基板13の前端部を下側から支持する。
【0045】
また、基板支持部16aは、ケース本体16の内部の左右の両端の2箇所に形成されている(図4参照)。基板支持部16bは、ケース本体16の内部の左右の両端側の2箇所に形成されている。2個の基板支持部16bは、2個の基板支持部16aよりも左右方向の内側に配置されている。回路基板13の後端部は、2個の基板支持部16aによって支持され、回路基板13の前端部は、2個の基板支持部16bによって支持されている。
【0046】
回路基板13の前後の両端面は、ケース本体16の内側面に軽く接触しているか、あるいは、回路基板13の前後の両端面と、ケース本体16の内側面との間にはわずかな隙間が形成されている。同様に、回路基板13の左右の両端面は、ケース本体16の内側面に軽く接触しているか、あるいは、回路基板13の左右の両端面と、ケース本体16の内側面との間にはわずかな隙間が形成されている。
【0047】
カバー17は、長方形の平板状に形成されている。カバー17は、カバー17の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。上述のように、カバー17は、ケース本体16の上面の開口を塞いでいる。
【0048】
上述のように、コア11、コイル12および回路基板13は、ケース体14に収容されている。すなわち、コア11、コイル12、回路基板13およびボビン27は、ケース体14に収容されている。また、上述のように、ケース体14の内部には、樹脂封止部材15が充填されている。すなわち、コア11、コイル12、回路基板13およびボビン27は、樹脂封止部材15に覆われている。樹脂封止部材15は、ポッティング樹脂である。樹脂封止部材15の硬度は、比較的低くなっており、たとえば、42度程度となっている。本形態では、樹脂封止部材15によって、コア11、コイル12および回路基板13の防水性が確保されているとともに、回路基板13に実装される電子部品およびコイル12の放熱性が確保されている。
【0049】
コア11、コイル12およびボビン27は、ケース本体16の内側面に接触しないようにケース本体16の内側面から離れている。すなわち、コア11、コイル12およびボビン27は、ケース体14の内側面に接触しないようにケース体14の内側面から離れている。コア11、コイル12およびボビン27と、ケース本体16の内側面との間には、樹脂封止部材15の一部が配置されている。すなわち、コア11、コイル12およびボビン27と、ケース体14の内側面との間には、樹脂封止部材15の一部が配置されている。なお、上述のように、コア11、コイル12およびボビン27は、回路基板13の下側に配置されており、カバー17の下面から離れている。すなわち、コア11、コイル12およびボビン27は、カバー17の下面に接触していない。
【0050】
本形態では、コア11、コイル12およびボビン27が取り付けられた回路基板13の下面を基板支持部16a、16bの上端面に接触させた状態で、ケース本体16の内部に樹脂封止部材15を充填して、コア11、コイル12、回路基板13およびボビン27を樹脂封止部材15で覆い、その後、カバー17をケース本体16の上端部に固定する。回路基板13の後端面には、回路基板13の下側へ樹脂封止部材15を充填するためのディスペンサが挿入される半円弧状の複数の切欠き部13aが形成されている。
【0051】
カードリーダ1では、カード挿入口3にカード2が挿入されてカードリーダ1の内部にカード2が取り込まれる際に、たとえば、カード挿入口3に挿入されたカード2の全体がカード挿入部4の内部に取り込まれるまで、妨害磁界発生装置10が妨害磁界を発生させる。また、カードリーダ1では、カード挿入口3からカード2が排出される際に、たとえば、ユーザによるカード2の引抜きが可能となる位置まで搬送されたカード2がユーザによって引き抜かれるまで、妨害磁界発生装置10が妨害磁界を発生させる。すなわち、磁気ヘッド7による磁気データの読取時や記録時には、妨害磁界発生装置10は妨害磁界を発生させていない。
【0052】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、コア11は、別体で形成される5個のコア分割体21~25によって構成されている。そのため、本形態では、個々のコア分割体21~25の固有振動数を高くして、個々のコア分割体21~25の固有振動数を人間の可聴周波数帯域からずらすことが可能になる。また、本形態では、人間の可聴周波数帯域から固有振動数をずらすことが可能になる5個のコア分割体21~25が一体化されてコア11が形成されているため、コイル12を小型化しても、妨害磁界発生装置10から発生する騒音を抑制することが可能になる。
【0053】
また、本形態では、コア11、コイル12およびボビン27は、ケース体14の内側面に接触しないようにケース体14の内側面から離れている。そのため、本形態では、コア11、コイル12およびボビン27の振動がケース体14に伝達されるのを抑制することが可能になる。したがって、本形態では、妨害磁界発生装置10から発生する騒音を効果的に抑制することが可能になる。
【0054】
また、本形態では、コア11、コイル12およびボビン27と、ケース体14の内側面との間に、樹脂封止部材15の一部が配置されているため、樹脂封止部材15の一部によって、コア11、コイル12およびボビン27がケース体14の内側面に接触していない状態を確実に維持することが可能になる。なお、本形態では、樹脂封止部材15の硬度が比較的低くなっているため、コア11、コイル12およびボビン27と、ケース体14の内側面との間に、樹脂封止部材15の一部が配置されていても、コア11、コイル12およびボビン27の振動がケース体14に伝達されるのを抑制することが可能になる。
【0055】
本形態では、コイル12は、回路基板13に固定されている。また、本形態では、コア11およびボビン27は、コイル12を介して回路基板13に保持されており、ケース本体16に収容される前のコア11、コイル12、回路基板13およびボビン27は、一体となっている。そのため、本形態では、コア11、コイル12、回路基板13およびボビン27をケース本体16に収容する際の、コア11、コイル12、回路基板13およびボビン27の取り扱いが容易になる。
【0056】
本形態では、コア11、コイル12およびボビン27が取り付けられた回路基板13を支持する基板支持部16a、16bがケース本体16に形成されている。そのため、本形態では、基板支持部16a、16bを利用して、コア11、コイル12およびボビン27がケース体14の内側面に接触しないように、コア11、コイル12、回路基板13およびボビン27をケース体14に対して位置決めすることが可能になる。したがって、本形態では、コア11、コイル12およびボビン27がケース体14の内側面から離れた状態を容易に維持しつつ、コア11、コイル12およびボビン27とケース体14の内側面との間に樹脂封止部材15の一部を充填することが可能になる。その結果、本形態では、コア11、コイル12およびボビン27とケース体14の内側面との間に樹脂封止部材15の一部を充填する際の作業を容易に行うことが可能になる。
【0057】
本形態では、コア11を構成する5個のコア分割体21~25が直線の棒状に形成されている。そのため、本形態では、コア分割体21~25を容易に形成することが可能になる。また、本形態では、コア11、コイル12および回路基板13がケース体14に収容されているため、コア11、コイル12および回路基板13がケース体14に収容されていない場合と比較して、カードリーダ1に取り付けられる前の妨害磁界発生装置10の取り扱いが容易になる。
【0058】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0059】
上述した形態において、コア分割体21~24は、後端部21a~24aが凹部25aに圧入されることで、コア分割体25に固定されていても良い。また、上述した形態では、コア11は、コイル12が巻回される4個のコア分割体21~24を備えているが、コア11は、コイル12が巻回される2個または3個のコア分割体を備えていても良いし、コイル12が巻回される5個以上のコア分割体を備えていても良い。
【0060】
上述した形態において、コア11は、4個以下のコア分割体によって構成されていても良いし、6個以上のコア分割体によって構成されていても良い。たとえば、コア11は、図6に示すように、4個のコア分割体31~34によって構成されていても良い。この場合には、たとえば、上述した形態におけるコア分割体25が4分割されるとともに、4分割されたコア分割体25のそれぞれがコア分割体21~24のそれぞれと一体になることで、コア分割体31~34のそれぞれが形成されている。また、4個のコア分割体31~34は、接着剤で固定されて一体化されている。
【0061】
上述した形態において、ケース本体16に基板支持部16a、16bが形成されていなくても良い。この場合には、たとえば、コア11、コイル12およびボビン27とケース体14の内側面とが接触しないように、ケース本体16の底面側に樹脂封止部材15の一部を注入して硬化させてから、コア11、コイル12およびボビン27が取り付けられた回路基板13をケース本体16の内部に配置した後、残りの樹脂封止部材15をケース体14の内部に充填する。
【0062】
また、上述した形態において、コイル12は、回路基板13に固定されていなくても良い。この場合にも、たとえば、コア11、コイル12およびボビン27とケース体14の内側面とが接触しないように、ケース本体16の底面側に樹脂封止部材15の一部を注入して硬化させてから、コア11、コイル12およびボビン27をケース本体16の内部に配置するとともに回路基板13を配置した後、残りの樹脂封止部材15をケース体14の内部に充填する。
【0063】
上述した形態において、ケース体14の内部に樹脂封止部材15が充填されていなくても良い。この場合であっても、回路基板13の下面を支持する基板支持部16a、16bを利用して、コア11、コイル12およびボビン27がケース体14の内側面に接触しないようにケース体14の内部に、コア11、コイル12およびボビン27を配置することが可能になる。したがって、この場合であっても、コア11、コイル12およびボビン27の振動がケース体14に伝達されるのを抑制することが可能になり、その結果、妨害磁界発生装置10から発生する騒音を効果的に抑制することが可能になる。
【0064】
上述した形態において、コア11、コイル12およびボビン27は、ケース体14の内側面に接触していても良い。また、上述した形態において、コア11とコイル12との間の絶縁を確実に行えるのであれば、コア11にコイル12が直接巻回されていても良い。また、上述した形態において、妨害磁界発生装置10は、ケース体14を備えていなくても良い。
【0065】
上述した形態において、カード2のおもて面に磁気ストライプが形成されても良いし、カード2の裏面とおもて面との両面に磁気ストライプが形成されても良い。また、上述した形態において、カードリーダ1は、ユーザが手動でカード2を移動させながら、磁気データの読取りや記録を行う手動式のカードリーダであっても良い。
【符号の説明】
【0066】
1 カードリーダ
2 カード
10 妨害磁界発生装置
11 コア
12 コイル
13 回路基板
14 ケース体
15 樹脂封止部材
16a、16b 基板支持部
21 コア分割体(第1コア分割体)
22 コア分割体(第2コア分割体)
23 コア分割体(第3コア分割体)
24 コア分割体(第4コア分割体)
25 コア分割体(連結コア分割体)
31~34 コア分割体
図1
図2
図3
図4
図5
図6