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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】内袋収納装置及び内袋収納方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 7/00 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
B65B7/00 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018078754
(22)【出願日】2018-04-16
(65)【公開番号】P2019182530
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】511087372
【氏名又は名称】アルトリスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 道貴
(72)【発明者】
【氏名】河村 高志
(72)【発明者】
【氏名】水谷 洋平
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-069306(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0091943(US,A1)
【文献】実開平07-033802(JP,U)
【文献】特開2004-224350(JP,A)
【文献】米国特許第04565050(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/00- 3/36
B65B 7/00- 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対又は2対の相対するフラップを開放上部に有する容器に内装される内袋の開放上部が前記1対又は2対の相対するフラップの上端に折り返して掛けられた状態から前記容器内に前記内袋の開放上部を収納するための内袋収納装置であって、
前記内袋が掛けられた状態の前記1対又は2対の相対するフラップのうちの1対のフラップを掴み、そのまま前記容器の上方へ移動することのできる1対のハンドを備え、
前記1対のハンドはそれぞれ、前記フラップを掴んだ際に前記内袋の容器外側で折り返された部分と接する部分に滑り止め部が設けられていることを特徴とする内袋収納装置。
【請求項2】
前記ハンドにより前記容器内に前記内袋の開放上部を掴んで収納する際に収納を補助するためのエアーを前記容器の上方より前記内袋の開放上部に向けて吹き付ける少なくとも1つのノズルを備えることを特徴とする請求項1に記載の内袋収納装置。
【請求項3】
前記2対の相対するフラップのうち前記1対のハンドに掴まれない方の1対のフラップに掛けられた前記内袋を外すためのエアーを前記容器の下方から前記内袋の開放上部に向けて吹き上げる少なくとも1つのノズルを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の内袋収納装置。
【請求項4】
前記1対のハンドにより前記フラップを掴む際に前記フラップの位置を固定させるための吸引装置を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の内袋収納装置。
【請求項5】
前記1対のハンドにより前記容器内に前記内袋の開放上部を収納した後に前記内袋の開放上部を下方向に押しつけるための押さえ込み装置を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の内袋収納装置。
【請求項6】
前記1対のハンドは、運搬コンベア上の前記容器が進行する方向とフラップ面が平行な前記1対のフラップを掴むものであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の内袋収納装置。
【請求項7】
1対又は2対の相対するフラップを開放上部に有する容器に内装される内袋の開放上部が前記1対又は2対の相対するフラップの上端に折り返して掛けられた状態から前記容器内に前記内袋の開放上部を収納するための内袋収納方法であって、
前記内袋が掛けられた状態の前記1対又は2対の相対するフラップのうちの1対のフラップを1対のハンドにより掴んだ後、そのまま前記1対のハンドを前記容器の上方へ移動させる工程を備え、
前記1対のハンドはそれぞれ、前記フラップを掴んだ際に前記内袋の容器外側で折り返された部分と接する部分に滑り止め部が設けられているために、前記1対のハンドを前記容器の上方へ移動させた際に前記内袋の折り返された部分のみが前記1対のハンドの動きに追随して前記容器の上方へ移動して折り返し部分が前記フラップから外されることを特徴とする内袋収納方法。
【請求項8】
前記1対のハンドにより前記容器内に前記内袋の開放上部を掴んで収納する際に収納を補助するためのエアーを前記容器の上方より前記内袋の開放上部に向けて少なくとも1つのノズルにより吹き付ける工程を備えることを特徴とする請求項7に記載の内袋収納方法。
【請求項9】
前記2対の相対するフラップのうち前記1対のハンドに掴まれない方の1対のフラップに掛けられた前記内袋を外すためのエアーを前記容器の下方から前記内袋の開放上部に向けて少なくとも1つのノズルにより吹き上げる工程を備えることを特徴とする請求項7又は8に記載の内袋収納方法。
【請求項10】
前記1対のハンドにより前記フラップを掴む際に前記フラップの位置を吸引により固定する工程を備えることを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の内袋収納方法。
【請求項11】
前記1対のハンドにより前記容器内に前記内袋の開放上部を収納した後に前記内袋の開放上部を押さえ込み装置により下方向に押しつける工程を備えることを特徴とする請求項7~10のいずれか1項に記載の内袋収納方法。
【請求項12】
前記1対のフラップを前記1対のハンドにより掴む工程において、前記1対のハンドは、運搬コンベア上の前記容器が進行する方向とフラップ面が平行な前記1対のフラップを掴むことを特徴とする請求項7~11のいずれか1項に記載の内袋収納方法。
【請求項13】
1対又は2対の相対するフラップを開放上部に有する容器に内装される内袋の開放上部が前記1対又は2対の相対するフラップの上端に折り返して掛けられた状態から前記容器内に前記内袋の開放上部を収納するための内袋折込装置であって、
前記内袋が掛けられた状態の前記1対又は2対の相対するフラップのうちの1対のフラップを掴み、そのまま前記容器の上方へ移動することのできる1対のハンドを備え、
前記1対のハンドはそれぞれ、前記フラップを掴んだ際に前記内袋の容器外側で折り返された部分と接する部分に滑り止め部が設けられていることを特徴とする内袋折込装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内袋収納装置及び内袋収納方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食料品などを段ボール箱等の容器に入れる際、防塵、防湿、液漏れ防止等を目的として、食料品などの収納物は容器内に設けたポリ袋等の内袋に包まれ、その後、内袋の開放上部が容器内に収納され、さらに、容器の開放上部が閉じられて梱包される。なお、収納物をポリ袋等の内袋に収納し易くするために、収納時に、内袋の開放上部が容器の上部のフラップの上端に折り返して掛けられた状態で行われている。
【0003】
従来、内袋の開放上部を容器内に収納する作業は、人手により折り畳まれて行われていた。
【0004】
一方、当該折り畳み作業を人手により行なうと、ライン全体として無人化することができないため、内袋を自動的に折り畳むことにより、ライン全体の無人化を図ることの出来る折り畳み装置が発明されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特公平5-63363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の装置では、フラップを開放上部に有する容器に内装される内袋の開放上部がフラップの上端に折り返して掛けられた状態から容器内に内袋の開放上部を収納することが出来なかった。
【0007】
従って、本発明の目的は、フラップを開放上部に有する容器に内装される内袋の開放上部がフラップの上端に折り返して掛けられた状態から容器内に内袋の開放上部を収納することができる内袋収納装置及び内袋収納方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、下記の内袋収納装置及び内袋収納方法を提供する。
【0009】
[1]1対又は2対の相対するフラップを開放上部に有する容器に内装される内袋の開放上部が前記1対又は2対の相対するフラップの上端に折り返して掛けられた状態から前記容器内に前記内袋の開放上部を収納するための内袋収納装置であって、前記内袋が掛けられた状態の前記1対又は2対の相対するフラップのうちの1対のフラップを掴み、そのまま前記容器の上方へ移動することのできる1対のハンドを備え、前記1対のハンドはそれぞれ、前記フラップを掴んだ際に前記内袋の容器外側で折り返された部分と接する部分に滑り止め部が設けられていることを特徴とする内袋収納装置。
[2]前記ハンドにより前記容器内に前記内袋の開放上部を掴んで収納する際に収納を補助するためのエアーを前記容器の上方より前記内袋の開放上部に向けて吹き付ける少なくとも1つのノズルを備えることを特徴とする上記[1]に記載の内袋収納装置。
[3]前記2対の相対するフラップのうち前記1対のハンドに掴まれない方の1対のフラップに掛けられた前記内袋を外すためのエアーを前記容器の下方から前記内袋の開放上部に向けて吹き上げる少なくとも1つのノズルを備えることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の内袋収納装置。
[4]前記1対のハンドにより前記フラップを掴む際に前記フラップの位置を固定させるための吸引装置を備えることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の内袋収納装置。
[5]前記1対のハンドにより前記容器内に前記内袋の開放上部を収納した後に前記内袋の開放上部を下方向に押しつけるための押さえ込み装置を備えることを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の内袋収納装置。
[6]前記1対のハンドは、運搬コンベア上の前記容器が進行する方向とフラップ面が平行な前記1対のフラップを掴むものであることを特徴とする上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の内袋収納装置。
[7]1対又は2対の相対するフラップを開放上部に有する容器に内装される内袋の開放上部が前記1対又は2対の相対するフラップの上端に折り返して掛けられた状態から前記容器内に前記内袋の開放上部を収納するための内袋収納方法であって、前記内袋が掛けられた状態の前記1対又は2対の相対するフラップのうちの1対のフラップを1対のハンドにより掴んだ後、そのまま前記ハンドを前記容器の上方へ移動させる工程を備え、前記1対のハンドはそれぞれ、前記フラップを掴んだ際に前記内袋の容器外側で折り返された部分と接する部分に滑り止め部が設けられているために、前記1対のハンドを前記容器の上方へ移動させた際に前記内袋の折り返された部分のみが前記1対のハンドの動きに追随して前記容器の上方へ移動して折り返し部分が前記フラップから外されることを特徴とする内袋収納方法。
[8]前記ハンドにより前記容器内に前記内袋の開放上部を掴んで収納する際に収納を補助するためのエアーを前記容器の上方より前記内袋の開放上部に向けて少なくとも1つのノズルにより吹き付ける工程を備えることを特徴とする上記[7]に記載の内袋収納方法。
[9]前記2対の相対するフラップのうち前記1対のハンドに掴まれない方の1対のフラップに掛けられた前記内袋を外すためのエアーを前記容器の下方から前記内袋の開放上部に向けて少なくとも1つのノズルにより吹き上げる工程を備えることを特徴とする上記[7]又は[8]に記載の内袋収納方法。
[10]前記1対のハンドにより前記フラップを掴む際に前記フラップの位置を吸引により固定する工程を備えることを特徴とする上記[7]~[9]のいずれか1つに記載の内袋収納方法。
[11]前記1対のハンドにより前記容器内に前記内袋の開放上部を収納した後に前記内袋の開放上部を押さえ込み装置により下方向に押しつける工程を備えることを特徴とする上記[7]~[10]のいずれか1つに記載の内袋収納方法。
[12]前記1対のフラップを前記1対のハンドにより掴む工程において、前記1対のハンドは、運搬コンベア上の前記容器が進行する方向とフラップ面が平行な前記1対のフラップを掴むことを特徴とする上記[7]~[11]のいずれか1つに記載の内袋収納方法。
[13]1対又は2対の相対するフラップを開放上部に有する容器に内装される内袋の開放上部が前記1対又は2対の相対するフラップの上端に折り返して掛けられた状態から前記容器内に前記内袋の開放上部を収納するための内袋折込装置であって、前記内袋が掛けられた状態の前記1対又は2対の相対するフラップのうちの1対のフラップを掴み、そのまま前記容器の上方へ移動することのできる1対のハンドを備え、前記1対のハンドはそれぞれ、前記フラップを掴んだ際に前記内袋の容器外側で折り返された部分と接する部分に滑り止め部が設けられていることを特徴とする内袋折込装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、フラップを開放上部に有する容器に内装される内袋の開放上部がフラップの上端に折り返して掛けられた状態から容器内に内袋の開放上部を収納することができる内袋収納装置及び内袋収納方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る内袋収納装置を示す概略図(斜視図)である。
図2】本発明の実施の形態に係る内袋収納装置を示す概略図(正面図)である。
図3図1の内袋収納装置のハンド周辺部を示す概略図である。
図4】本発明の実施の形態に係る内袋収納方法の工程を示す概略図である。
図5】本発明の実施の形態に係る内袋収納方法の工程を示す概略図である。
図6】本発明の実施の形態に係る内袋収納方法の工程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔内袋収納装置〕
図1は、本発明の実施の形態に係る内袋収納装置を示す概略図(斜視図)であり、図2は、本発明の実施の形態に係る内袋収納装置を示す概略図(正面図)である。また、図3は、図1の内袋収納装置のハンド周辺部を示す概略図である。以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。
【0013】
本発明の実施の形態に係る内袋収納装置100は、1対又は2対の相対するフラップを開放上部に有する容器1に内装される内袋2の開放上部が前記1対又は2対の相対するフラップの上端に折り返して掛けられた状態から容器1内に内袋2の開放上部を収納するための装置であって、内袋2が掛けられた状態の前記1対又は2対の相対するフラップのうちの1対のフラップを掴む1対のハンド14A,14Bを備え、1対のハンド14A,14Bはそれぞれ、フラップを掴んだ際に内袋2の容器外側で折り返された部分と接する部分に滑り止め部14a,14bが設けられていることを特徴とする。
【0014】
容器1としては、例えば、段ボール箱等の紙箱、木箱、プラスチック箱等が挙げられる。フラップを開放上部に有するものであれば、材料、形状等は問わないが、直方体形状又は立方体形状の容器であることが好ましい。容器1は、図1等に示すローラーコンベア20やベルトコンベアなどの運搬手段によって運搬されている。
【0015】
内袋2としては、ポリ袋、紙袋、布袋が挙げられる。ポリ袋としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等のポリマーを原料とした袋が挙げられる。内袋2内には、被包装物として食料品など、例えば、袋等に入れられた飲料や食用油等の液体食品が収納されている。
【0016】
内袋収納装置100は、内袋折込装置10と、バキュームチャック21A,21B,21C,21Dと、内袋吹き上げノズル22A,22B,22C,22Dと、内袋押さえ込み装置30とを備える。
【0017】
(内袋折込装置)
内袋折込装置10は、本体部11と、支柱12と、アーム13A,13Bと、ハンド14A,14Bと、内袋折込補助ノズル15A,15B,15C,15Dとを備える。内袋折込装置10は、アーム及びハンドの高さ調整のため、台40上に設置されている。
【0018】
本体部11は、アーム13A,13B及びハンド14A,14Bに所定の動作を行なわせるための動力源を有する駆動部と、当該所定の動作を制御する制御部とを備える。また、内袋折込装置10を移動可能とする車輪(底板の四隅に設置)を備えてもよい。駆動部や制御部は、本体部11に内蔵されていても、外付けされていてもよい。車輪を備える場合には、所定位置にて動かないようにするためのストッパーが設けられている。
【0019】
支柱12は、本体部11とアーム13A,13Bとを連結しており、アーム13A,13B等を支えている。
【0020】
アーム13A,13Bは、同軸上に配置された2本のアームであり、協調動作が可能である。
【0021】
内袋折込装置10の一部(本体部11、支柱12、アーム13A,13B)として適用可能な双腕型ロボットとしては、例えば、市販の双腕型スカラロボット(水平多関節ロボット)(例えば川崎重工業株式会社製の双腕スカラロボット duAro(登録商標))を用いることができる。
【0022】
ハンド14A,14Bは、図1~3に示される本発明の実施の形態に係る内袋収納装置100においては、内袋折込装置10の構成部品としてアーム13A,13Bの端部に設けられている。ハンド14A,14Bは、アーム13A,13B及び支柱12を介して本体部11と電気的に接続されており、本体部11の制御部で設定された通りにハンド14A,14Bを動作させることができる。
【0023】
ハンド14A,14Bはそれぞれ、2枚の平行板からなり、当該2枚の平行板を近付ける方向へ動作させることで、2枚の平行板の間に挿入された容器1のフラップをそこに掛けられた内袋2を介して挟むことができるものである。平行板の形状は長方形や正方形が好ましいが、これらに限られない。
【0024】
ハンド14A,14Bの材質は特に限定されるものではなく、アルミ、鉄、ステンレス、銅、チタン、合金等の金属板であっても、プラスチック板、あるいは木板であってもよい。耐久性の点から金属板であることが好ましい。また、軽量化のために貫通孔を適宜設けてもよい。
【0025】
図に示される本実施の形態において、1対のハンド14A,14Bは、ローラーコンベア20等の運搬コンベア上の容器1が進行する方向とフラップ面が平行な1対のフラップを掴むものであるが、これに限られるものではなく、容器1が進行する方向とフラップ面が垂直な1対のフラップを掴むものであってもよい。
【0026】
ハンド14A,14Bには、前述の通り、容器1のフラップを掴んだ際にフラップに掛けられた内袋2の折り返された部分と接する部分に滑り止め部14a,14bが設けられている。滑り止め部14a,14bとしては、例えば、ゴム板、シリコーン樹脂板等の部材が好適なものとして挙げられる。また、表面を凹凸にした金属、木、プラスチック等の板を用いることもでき、ハンド14Aあるいは14Bの表面を凹凸にすることもできる。ゴムとしてはウレタンゴム等が好適である。図に示される本実施の形態においては、ハンド14A,14Bのそれぞれの外側板(フラップを掴んだ際に容器1の外側にくる方の板)(図2における14A,14B)の内面の底部(すなわち、容器1のフラップを掴んだ際にフラップに掛けられた内袋2の折り返された部分と接する部分)のみに滑り止め部が接着剤等で接着されている。当該実施形態以外に、凹形状の滑り止め部をハンド14A,14Bのそれぞれの外側板14A,14Bの底部に嵌めるように設けてもよい。一方、ハンド14A,14Bのそれぞれの内側板(フラップを掴んだ際に容器1の内側にくる方の板)(図2における14A,14B)の底部には滑り止め部を設けないことが好ましい。このような実施形態とすることにより、ハンド14A,14Bを引き上げた際に内袋2の折り返された部分だけがハンドに追随して引き上げられ(フラップ内側部分の内袋2はハンドが引き上げられても滑って引き上げられない)、スムーズに内袋2の折り返し部分をフラップから外すことができる。
【0027】
内袋折込補助ノズル15A,15B,15C,15Dは、1対のハンド14A,14Bにより容器1内に内袋2の開放上部を掴んで収納する際に収納を補助するためのエアーを容器1の上方より内袋2の開放上部に向けて吹き付ける2対(15Aと15C、15Bと15D)のノズルである。少なくとも1つの内袋折込補助ノズルを備えることが好ましく、少なくとも1対の内袋折込補助ノズルを備えることがより好ましい。これにより、ハンド14A,14Bによる容器1内への内袋2の折込み操作がよりスムーズに行える。ノズルからのエアーの風量や風速は、内袋2が風圧により動く程度であれば、特に限定されるものではない。例えば、風量:5~200L/min、風速:1~30m/sが好ましい。図に示される本実施の形態においては、内袋折込補助ノズル15A,15B,15C,15Dは、ハンド14A,14Bの上端の隅部に設置されている。なお、ノズルに連結されるホースや送風ポンプ等は図示省略している。
【0028】
(バキュームチャック)
バキュームチャック21A,21B,21C,21Dは、1対のハンド14A,14Bによりフラップを掴む際にフラップの位置を固定させるための吸引装置である。バキュームチャック21A,21B,21C,21Dは、フラップに接触して吸引することで固定化する。これにより、フラップを位置決めできるため、フラップをハンド14A,14Bで掴む際の掴み損ね率を減らすことができる。図に示される本実施の形態においては、バキュームチャック21A,21B,21C,21Dは、ローラーコンベア20に設置されている。なお、バキュームチャックに連結されるホースや吸引ポンプ等は図示省略している。
【0029】
(内袋吹き上げノズル)
内袋吹き上げノズル22A,22B,22C,22Dは、2対の相対するフラップのうち1対のハンド14A,14Bに掴まれない方の1対のフラップに掛けられた内袋2を外すためのエアーを容器1の下方から内袋2の開放上部に向けて吹き上げる2対(22Aと22C、22Bと22D)のノズルである。少なくとも1つの内袋吹き上げノズルを備えることが好ましく、少なくとも1対の内袋吹き上げノズルを備えることがより好ましい。これにより、ハンド14A,14Bによる容器1のフラップから内袋2の折り返し部分を外す操作がよりスムーズに行える。ノズルからのエアーの風量や風速は、内袋2が風圧により動く(吹き上がる)程度であれば、特に限定されるものではない。例えば、風量:5~200L/min、風速:2~30m/sが好ましい。図に示される本実施の形態においては、内袋吹き上げノズル22A,22B,22C,22Dは、ローラーコンベア20に設置されている。なお、ノズルに連結されるホースや送風ポンプ等は図示省略している。
【0030】
(内袋押さえ込み装置)
内袋押さえ込み装置30は、1対のハンド14A,14Bにより容器1内に内袋2の開放上部を収納した後に内袋2の開放上部を下方向に押しつけるための装置であり、上下動が可能な天面押さえステージ31を備える。これにより、容器1内への内袋2の収納をより十分なものとすることができる。天面押さえステージ31としては、例えば、図に示したように、複数本の金属棒を平行に並べたものを使用することができる。
【0031】
〔内袋収納方法〕
図4~6は、本発明の実施の形態に係る内袋収納方法の工程を示す概略図である。以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。
【0032】
本発明の実施の形態に係る内袋収納方法は、1対又は2対の相対するフラップを開放上部に有する容器1に内装される内袋2の開放上部が前記1対又は2対の相対するフラップの上端に折り返して掛けられた状態から容器1内に内袋2の開放上部を収納するための内袋収納方法であって、内袋2が掛けられた状態の前記1対又は2対の相対するフラップのうちの1対のフラップを1対のハンド14A,14Bにより掴んだ後、そのまま1対のハンド14A,14Bを容器1の上方へ移動させる工程を備え、1対のハンド14A,14Bはそれぞれ、前記フラップを掴んだ際に内袋2の容器外側で折り返された部分と接する部分に滑り止め部14a,14bが設けられているために、1対のハンド14A,14Bを容器1の上方へ移動させた際に内袋2の折り返された部分のみが1対のハンド14A,14Bの動きに追随して容器1の上方へ移動して折り返し部分が前記フラップから外されることを特徴とする。
【0033】
なお、前述の1対のフラップを1対のハンド14A,14Bにより掴んだ後、そのまま1対のハンド14A,14Bを容器1の上方へ移動させる工程においては、ハンド14A(又はハンド14B)を容器1の上方へ移動させた後に、ハンド14B(又はハンド14A)を容器1の上方へ移動させることが、ハンド14Aとハンド14Bが干渉しない点で好ましい。すなわち、ハンド14Aとハンド14Bとを同時に容器1の上方へ移動させるのではなく、順番に移動させる(一方のハンドによる折込動作が完了し当該ハンドを元の位置に戻らせた後にもう一方のハンドを容器1の上方へ移動させる)ことが好ましい。
【0034】
本発明の実施の形態において、1対のハンド14A,14Bにより容器1内に内袋2の開放上部を掴んで収納する際に収納を補助するためのエアーを容器1の上方より内袋2の開放上部に向けて少なくとも1対のノズル(図では2対のノズル15A,15B,15C,15D)により吹き付ける工程を備えることが好ましい。
【0035】
また、本発明の実施の形態において、2対の相対するフラップのうち1対のハンド14A,14Bに掴まれない方の1対のフラップに掛けられた内袋2を外すためのエアーを容器2の下方から内袋2の開放上部に向けて少なくとも1対のノズル(図では2対のノズル22A,22B,22C,22D)により吹き上げる工程を備えることが好ましい。
【0036】
また、本発明の実施の形態において、1対のハンド14A,14Bによりフラップを掴む際にフラップの位置を吸引により固定する工程を備えることが好ましい。
【0037】
また、本発明の実施の形態において、1対のハンド14A,14Bにより容器1内に内袋2の開放上部を収納した後に内袋2の開放上部を押さえ込み装置30により下方向に押しつける工程を備えることが好ましい。
【0038】
また、本発明の実施の形態において、1対のフラップを1対のハンド14A,14Bにより掴む上記工程において、1対のハンド14A,14Bは、運搬コンベア上の容器1が進行する方向とフラップ面が平行な1対のフラップを掴むことが好ましい。
【0039】
具体的な内袋収納方法としては、例えば、次の通りである。
(1)ローラーコンベア20で運搬されてきた容器1を内袋折込装置10の横で停止させ、容器1の進行方向とフラップ面が平行な1対のフラップがバキュームチャック21A,21B,21C,21Dにより吸引されることで位置決めされる(図4(a))。
(2)ハンド14A,14Bを下降させ、容器1の進行方向とフラップ面が平行な1対のフラップをハンド14A,14Bにより内袋2を介して掴む(図4(b))。
(3)内袋吹き上げノズル22A,22B,22C,22Dを容器1近くまで移動させ、容器1の進行方向とフラップ面が垂直な1対のフラップに掛けられた内袋2の折り返し部分が浮き上がるように当該部分にノズル22A,22B,22C,22Dからエアーを吹き上げる(図4(c))。
(4)内袋2を掴んだままハンド14A,14Bを上昇させ、フラップから内袋2を外す(図5(d))。
(5)ハンド14Aを容器1内に向かって下降させ、ハンド14Aで掴まれた側の内袋2を容器1内に折り込む。この際、内袋折込補助ノズル15A,15Cからエアーを内袋2に向けて吹き付けて内袋2が容器1内へ折り込まれるのを補助する(図5(e))。その後、ハンド14Aを上昇させる。
(6)ハンド14Bを容器1内に向かって下降させ、ハンド14Bで掴まれた側の内袋2を容器1内に折り込む。この際、内袋折込補助ノズル15B,15Dからエアーを内袋2に向けて吹き付けて内袋2が容器1内へ折り込まれるのを補助する(図5(f))。その後、ハンド14Bを上昇させる。
(7)容器1をローラーコンベア20で内袋押さえ込み装置30の位置まで運搬する(図6(g))。
(8)内袋押さえ込み装置30の天面押さえステージ31を容器1内に向かって下降させ、内袋2を上から押さえつける(図6(h))。その後、天面押さえステージ31を上昇させる。
(9)容器1をローラーコンベア20で下流側へ運搬する(図6(i))。
その後、下流側にてフラップが折り目で折り倒されて容器1が閉じられる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々に変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1:容器、2:内袋
100:内袋収納装置
10:内袋折込装置
11:本体部、12:支柱、13A,13B:アーム
14A,14B:ハンド、14a,14b:滑り止め部
15A,15B,15C,15D:内袋折込補助ノズル
20:ローラーコンベア
21A,21B,21C,21D:バキュームチャック
22A,22B,22C,22D:内袋吹き上げノズル
30:内袋押さえ込み装置、31:天面押さえステージ
40:台
図1
図2
図3
図4
図5
図6