(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】スイッチ故障検出システム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20220802BHJP
H02H 7/00 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G01R31/00
H02H7/00 L
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018183047
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-06-14
(32)【優先日】2017-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(73)【特許権者】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】グラツィオリ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】バラゴナ,ロバート ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】リーブッシュ,フランク
(72)【発明者】
【氏名】コーラー,レイモンド ハワード
(72)【発明者】
【氏名】バット,ガネシュ シバラム
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-333623(JP,A)
【文献】特開昭59-3270(JP,A)
【文献】特開2013-206643(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0212745(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00
H02H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気システム(100)の少なくとも1つの直列スイッチ(240)内で障害を判定する方法であって、前記電気システム(100)は、少なくとも1つのAC電源(115)と、少なくとも1つのセンサ(290)と、少なくとも2つの直列スイッチと、プロセッサおよびメモリを含む障害分析モジュール(190)とを含み、前記方法は、
前記少なくとも1つのAC電源(115)によって、少なくとも1つの時変信号を前記電気システム(100)に印加することと、
前記障害分析モジュール(190)によって、前記少なくとも1つのセンサ(290)から、前記電気システム(100)の少なくとも1つのノード(230)における前記少なくとも1つの時変信号の少なくとも1つの測定値を受け取ることと、
前記障害分析モジュール(190)によって、少なくとも1つの所定の信号パラメータを受け取ることと、
前記障害分析モジュール(190)によって、前記少なくとも1つの測定値および前記少なくとも1つの所定の信号パラメータに基づいて、障害の存在を判定することとを含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの時変信号は、少なくとも2つの時変信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの測定値は、少なくとも2つの測定値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも2つの測定値は、前記電気システムの少なくとも2つのノードにおいて判定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの測定値は、電圧測定値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の信号パラメータは、少なくとも1つの電圧を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの時変信号は、1キロヘルツ未満の周波数を有する第1の時変信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの時変信号は、1キロヘルツより大きい周波数を有する第2の時変信号をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの時変信号は、前記第1の時変信号および前記第2の時変信号とは異なる周波数を有する第3の時変信号をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
障害の存在をユーザに通知することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記時変信号は、正弦波形、方形波形、または鋸歯状波形を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも2つの直列スイッチと、プロセッサと、命令を含むメモリとを含む直列スイッチ(240)障害検出システムであって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記直列スイッチ障害検出システムに、
少なくとも1つのAC電源(115)によって、少なくとも1つの時変信号を前記直列スイッチ障害検出システムに印加させ、
障害分析モジュール(190)によって、少なくとも1つのセンサ(290)から、電気システム(100)の少なくとも1つのノード(230)における前記少なくとも1つの時変信号の少なくとも1つの測定値を受け取らせ、
前記障害分析モジュール(190)によって、少なくとも1つの所定の信号パラメータを受け取らせ、
前記障害分析モジュール(190)によって、前記少なくとも1つの測定値および前記少なくとも1つの所定の信号パラメータに基づいて、障害の存在を判定させる、システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの時変信号は、少なくとも2つの時変信号を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの時変信号は、1キロヘルツ未満の周波数を有する第1の時変信号を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの時変信号は、1キロヘルツより大きい周波数を有する第2の時変信号をさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの時変信号は、前記第1の時変信号および前記第2の時変信号とは異なる周波数を有する第3の時変信号をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの測定値は、少なくとも2つの測定値を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも2つの測定値は、前記電気システムの少なくとも2つのノードにおいて判定される、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気システム内の故障したスイッチの検出および識別を対象とする。より詳細には、本発明は、直列スイッチの故障の検出および識別を対象とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
電気システムは、典型的には、動作中に様々なシステム構成要素を起動および/または停止させるために、複数のスイッチおよびリレーを用いる。1つのスイッチに故障があると、その故障したスイッチを識別して交換するまで、システム全体が非稼動状態になる可能性がある。故障したスイッチを識別するための従来のプロセスは、典型的には、技師が各スイッチの動作を個々に試験することを必要とする。個々の試験は、極めて時間がかかり、電気システムが長時間にわたって非稼動状態になる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
解決策は、電気システムの2つ以上の直列スイッチ内で障害を判定する方法によって提供される。電気システムは、少なくとも1つのAC電源と、少なくとも1つのセンサと、少なくとも2つの直列スイッチと、プロセッサおよびメモリを含む障害分析モジュールとを含む。方法は、少なくとも1つのAC電源によって、少なくとも1つの時変信号を電気システムに印加することを含む。方法は、障害分析モジュールによって、少なくとも1つのセンサから、電気システムの少なくとも1つのノードにおける少なくとも1つの時変信号の少なくとも1つの測定値を受け取ることをさらに含む。方法は、障害分析モジュールによって、少なくとも1つの所定の信号パラメータを受け取ることと、障害分析モジュールによって、少なくとも1つの測定値および少なくとも1つの所定の信号パラメータに基づいて、障害の存在を判定することとをさらに含む。
【0004】
本発明の他の機構および利点は、添付の図面と併せて、以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】一実施形態による直列スイッチ故障検出システムを含む電気システムのブロック図である。
【
図2】一実施形態による例示的な回路の概略図である。
【
図3】一実施形態による
図2の回路の測定された特徴のデータ表である。
【
図4】一実施形態による例示的な回路の概略図である。
【
図5】一実施形態による
図4の回路の測定された特徴の多重チャネルオシロスコープディスプレイの画像である。
【
図6】一実施形態による
図5のオシロスコープディスプレイのチャネル2の拡大図である。
【
図7】一実施形態による
図4の回路の測定された特徴の多重チャネルオシロスコープディスプレイの画像である。
【
図8】一実施形態による障害検出方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
可能な限り、図面全体にわたって、同じ参照番号を使用して同じ部分を表す。
【0007】
電気システム内で故障したスイッチを識別することが可能なスイッチ故障検出システムが提供される。本開示の実施形態は、たとえば、本明細書に開示する機構の1つまたは複数を含まない概念と比較して、電気システムのインピーダンスを分析して故障したスイッチを分離することが可能なスイッチ故障検出システムを提供する。
【0008】
図1に、電気システム100のブロック図が示されている。
図1の実施形態では、少なくとも2つの直列スイッチを含むスイッチング回路120を介して、負荷110に電源115(たとえば、50~60HzのAC)が選択的に通信可能に接続されている。スイッチング回路120は、負荷110に回路を選択的に接続するように構成された少なくとも1つのワンタイムスイッチ122を含むことができ、少なくとも1つの1次スイッチ124および/または少なくとも1つの2次スイッチ126を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの直列スイッチは、少なくとも1つの1次スイッチ124および/または少なくとも1つの2次スイッチ126を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの直列スイッチは、少なくとも1つの1次スイッチ124を含む。
いくつかの実施形態では、2次スイッチ126は、1次スイッチ124とは別個の経路を介して電源115を負荷110に選択的に接続するように構成することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのワンタイムスイッチ122は、1次スイッチ124を含まない負荷110に、回路を選択的に接続する。一実施形態では、少なくとも1つのワンタイムスイッチ122は、2次スイッチ126を含むが1次スイッチ124を含まない負荷110に、回路を選択的に接続する。一実施形態では、少なくとも1つのワンタイムスイッチ122は、1次スイッチ124が故障した後、2次スイッチ126を含むが1次スイッチ124を含まない負荷110に、回路を選択的に接続する。一実施形態では、負荷110への回路は、2次スイッチ126を含むことができ、1次スイッチ124が修理および/または交換されるまで、電気システム100の動作を可能にするように構成することができる。
いくつかの実施形態では、1次スイッチ124と並列に、1次スイッチキャパシタ128を含むことができる。いくつかの実施形態では、2次スイッチ126と並列に、2次スイッチキャパシタ130を含むことができる。
【0009】
図1の実施形態では、少なくとも2つの直列スイッチと並列に、スイッチング回路120に障害センサ150を接続することができる。障害センサ150は、電源152を含み、電源152は、エネルギー蓄積ユニット154(たとえば、電池、燃料電池、および/またはキャパシタ)と、スイッチング電源156(SMPS)と、スプリットレール絶縁トランス158とをさらに含む。2重閾値動作/解放リレーエミュレータ160が、障害センサ150をトリガして、スイッチング回路120が適切に動作しているかどうかを判定するための試験シーケンスを開始させる。いくつかの実施形態では、障害センサ150が、外部コイル入力信号162を受け取ることができ、外部コイル入力信号162は、2重閾値動作/解放リレーエミュレータ160に試験シーケンスを開始させることができる。
【0010】
障害センサ150は、絶縁領域164をさらに含み、絶縁領域164は、試験シーケンス中に障害センサ150によって実行される測定の精度に影響しうるスプリアス信号から、絶縁領域164内の構成要素を遮蔽するように構成される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの1次スイッチ124の起動により、試験シーケンスを開始することができる。
【0011】
遅延タイマ168もまた、試験シーケンス中に起動される。遅延タイマ168は、少なくとも1つの1次スイッチ124が閉じることを可能にする所定の長さの時間にわたって、試験シーケンスのさらなる実行を遅延させる。この遅延期間に続いて、試験信号生成モジュール170によって、1次スイッチ124を含む回路を介して、負荷110に試験信号172が印加される。信号生成モジュール170は、信号生成器174を含むことができる。増幅器/ドライバ176が、試験信号172の電力を増強し、信号生成器結合回路178を介して、試験信号172を負荷110およびスイッチング回路120に印加する。いくつかの実施形態では、増幅器/ドライバ176は、プッシュプル増幅器を含むことができる。
いくつかの実施形態では、信号生成器結合回路178は、電圧フォロアを含むことができる。いくつかの実施形態では、試験信号は、少なくとも約1キロヘルツ(1kHz)、少なくとも約10キロヘルツ(10kHz)、少なくとも約100キロヘルツ(100kHz)、少なくとも約300キロヘルツ(300kHz)、少なくとも約500キロヘルツ(500kHz)、約100メガヘルツ(100MHz)未満、約10メガヘルツ(10MHz)未満、約1メガヘルツ(1MHz)未満、およびこれらの組合せの周波数を呈する。
【0012】
試験信号172は、障害センサ150の信号受信器モジュール180によって検出することができる。信号受信器モジュール180は、信号受信器結合回路182と、スプリアス信号(たとえば、ラインノイズ)を除去するように構成することができるフィルタモジュール184と、信号増幅器186と、検出回路188(たとえば、振幅検出、位相角検出、およびこれらの組合せ)とを含むことができる。いくつかの実施形態では、信号受信器結合回路182は、電圧フォロアを含むことができる。いくつかの実施形態では、信号増幅器186は、プッシュプル増幅器を含むことができる。
【0013】
障害分析モジュール190が、検出回路188によって測定された試験信号172の振幅および/または位相角を受け取って分析する。障害分析モジュール190は、プロセッサと、命令を含むメモリとを含むことができ、命令は、プロセッサによって実行されると、障害分析モジュール190に試験信号172を分析させ、障害が検出された場合はユーザに通知させる。比較モジュール192が、少なくとも1つの1次スイッチ124の位置に対応する所定の信号パラメータと試験信号172を比較する。障害リレー識別モジュール194が、所定の信号パラメータに対して試験信号172を分析し、少なくとも1つの1次スイッチ124が故障しているかどうかを判定する。少なくとも1つの1次スイッチ124が複数存在する場合、障害リレー識別モジュール194は、少なくとも1つの1次スイッチ124のうちのどれが故障しているかをさらに判定することができる。
【0014】
障害分析モジュール190が、少なくとも1つの1次スイッチのうちの少なくとも1つが故障していると判定した場合、障害分析モジュール190は、リレー障害信号196を生成することができる。リレー障害信号196は、ユーザに障害を通知する手段(たとえば、ディスプレイ、コンピュータ、無線デバイス(たとえば、携帯電話、タブレット、ラップトップ))に接続することができる。加えて、障害分析モジュール190は、ワンタイムスイッチ起動モジュール198に少なくとも1つのワンタイムスイッチ122を起動させて、代替回路経路を選択することができる。いくつかの実施形態では、代替回路経路は、少なくとも1つの2次スイッチ126を含む。
【0015】
図2は、直列スイッチ障害検出を示す例示的な回路200の概略図である。
図2の例で、回路200は、第1の抵抗器220と直列に、接地されたAC電源210を含む。第1の抵抗器220と直列に、ノード230が電気的に接続される。ノード230と直列に、第1の直列スイッチ240が電気的に接続される。第1の直列スイッチ240は、第1のキャパシタ244と並列に、第1のリレー242を含む。第1の直列スイッチ240と直列に、ノード250がさらに電気的に接続される。ノード250と直列に、第2の直列スイッチ260が電気的に接続される。第2の直列スイッチ260は、第2のキャパシタ264と並列に、第2のリレー262を含む。第2の直列スイッチ260と直列に、ノード270がさらに電気的に接続される。ノード270には、第2の抵抗器280がさらに電気的に接続される。
回路200には、センサ290(たとえば、オシロスコープ)が電気的に接続され、センサ290は、ノード230およびノード270において電圧を測定するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のキャパシタ244のキャパシタンスおよび第2のキャパシタ264のキャパシタンスは異なる。
【0016】
図3は、第1のリレー242および第2のリレー262の位置の組合せのそれぞれに対して、ノード230およびノード270においてセンサ290によって測定される電圧を示すデータ表300である。
図3のデータに見られるように、各スイッチの組合せの結果、センサ290によって電圧の一意の組合せが測定される。リレーの位置に起因するデータの一意性により、ユーザがこのデータに基づいてリレー242、262の位置を判定することが可能になる。リレー242、262の位置の判定はまた、
図1に記載の障害分析モジュール190を用いることなどによって、自動化することができる。
【0017】
たとえば、両リレー242、262が閉じられていることが望ましい場合、センサ290によって収集されるデータを、障害分析モジュール190によって分析し、どの1つまたは複数のリレーが故障しているか(すなわち、開いているか)を判定することができる。次いで、障害分析モジュール190は、リレー障害信号196を生成して、リレーが故障していることをユーザに通知することができる。
【0018】
図4は、直列スイッチ障害検出を示す例示的な回路400の概略図である。
図4の例で、回路400は、接地された第1のAC電源410を含む。いくつかの実施形態では、第1のAC電源410は、高周波AC電源とすることができる。高周波とは、約1キロヘルツ(1kHz)より大きい周波数を意味する。いくつかの実施形態では、試験信号は、少なくとも約1キロヘルツ(1kHz)、少なくとも約10キロヘルツ(10kHz)、少なくとも約100キロヘルツ(100kHz)、少なくとも約300キロヘルツ(300kHz)、少なくとも約500キロヘルツ(500kHz)、約100メガヘルツ(100MHz)未満、約10メガヘルツ(10MHz)未満、約1メガヘルツ(1MHz)未満、およびこれらの組合せの周波数を呈する。
別の実施形態では、第1のAC電源410は、少なくとも1キロヘルツ(1kHz)、少なくとも3キロヘルツ(3kHz)、少なくとも10キロヘルツ(10kHz)、少なくとも40キロヘルツ(40kHz)、少なくとも60キロヘルツ(60kHz)、少なくとも100キロヘルツ(100kHz)、少なくとも500キロヘルツ(500kHz)、少なくとも1ギガヘルツ(1GHz)、およびこれらの組合せの周波数を呈することができる。第1のAC電源410と直列に、第1の抵抗器420が電気的に接続される。第1の抵抗器420と直列に、ノードA430が電気的に接続される。ノードA430と直列に、第1のキャパシタ440が電気的に接続される。第1のキャパシタ440と直列に、ノードB450が接続される。
【0019】
図4の例で、ノードB450に、第1のインダクタ460が電気的に接続される。第1のインダクタ460と直列に、ノードC470が電気的に接続される。ノードC470と直列に、抵抗器480が電気的に接続される。抵抗器480に、接地された第2のAC電源490が電気的に接続される。いくつかの実施形態では、第2のAC電源490は、低周波AC電源とすることができる。低周波とは、約1キロヘルツ(1kHz)未満の周波数を意味する。いくつかの実施形態では、第2のAC電源490は、1キロヘルツ(1kHz)未満、500ヘルツ(500Hz)未満、100ヘルツ(100Hz)未満、65ヘルツ(65Hz)未満、60ヘルツ(60Hz)未満、50ヘルツ(50Hz)未満、40ヘルツ(40Hz)未満、およびこれらの組合せの周波数を呈することができる。
【0020】
図4の例で、ノードB450に、第1の直列スイッチ500が電気的に接続される。第1の直列スイッチ500は、第1の直列スイッチキャパシタ504と並列に、第1のリレー502を含む。第1の直列スイッチ500と直列に、ノードF510がさらに電気的に接続される。ノードF510と直列に、第2の直列スイッチ520が電気的に接続される。第2の直列スイッチ520は、第2の直列スイッチキャパシタ524と並列に、第2のリレー522を含む。第2の直列スイッチ520と直列に、ノードD530がさらに電気的に接続される。ノードD530に、第2のインダクタ540が電気的に接続される。第2のインダクタ540と直列に、ノードG550が電気的に接続される。ノードG550と直列に、接地された抵抗器560が電気的に接続される。
ノードD530に、第2のキャパシタ570が電気的に接続される。第2のキャパシタ570と直列に、ノードE580が電気的に接続される。ノードE580と直列に、接地された抵抗器590が電気的に接続される。回路400には、少なくとも1つのセンサ(図示せず)を電気的に接続することができ、少なくとも1つのセンサは、ノード430、450、510、530、550、および/または580の1つまたは複数で特徴(たとえば、電圧)を測定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、第1の直列スイッチキャパシタ504のキャパシタンスおよび第2の直列スイッチキャパシタ524のキャパシタンスは異なる。
【0021】
図4の例で、第1のAC電源410は、約500キロヘルツ(500kHz)の高周波信号を提供し、第2のAC電源490は、約50ヘルツ(50Hz)の低周波信号を提供する。
【0022】
図5は、第1のリレー502および第2のリレー522の両方が閉じている状態で回路400の様々なノードにおいて収集されるデータのセンサ
図600を示す。トレース1 601は、ノードC470の波形である。トレース2 602は、ノードB450の波形である。トレース3 603は、ノードE580の波形である。トレース4 604は、ノードG550の波形である。
【0023】
図6は、ノードB450において測定される波形の拡大センサ
図650である。
図6の波形は、第1のAC電源410からの500kHzの信号652および第2のAC電源490からの50Hzの信号654の重畳を示す。
【0024】
第1のリレー502または第2のリレー522の少なくとも1つが開いている場合、これらの信号の経路は、第1の直列スイッチキャパシタ504および/または第2の直列スイッチキャパシタ524の少なくとも1つを含む。信号経路内に追加のキャパシタンスを含むことで、信号が遭遇するインピーダンスを変えることができる。インピーダンスは、信号の周波数に依存する。たとえば、キャパシタは、ハイパスフィルタとして働くことができる。したがって、高周波信号が実質上減衰されることなく通過することが可能になる。同じキャパシタが、低周波信号を実質上減衰させることができる。
図7は、センサ
図700を示し、両リレー502、522が閉じている状態の波形に対応する左側部分701を含む。
センサ
図700はまた、第1のリレー502が開いており第2のリレー522が閉じている状態の波形に対応する右側部分702を含む。トレース1 705は、ノードB450の波形である。トレース2 706は、ノードD530の波形である。トレース3 707は、ノードG550の波形である。トレース4 708は、ノードE580の波形である。
図7に見られるように、第1のリレー502が開いているときに存在する追加のキャパシタンスの結果、信号が実質的に減衰する。
【0025】
図7に示すように、第1のAC電源410および第2のAC電源490によって生成される波形は、リレー502、522の位置に対応する異なるインピーダンスを受ける。異なるインピーダンスの結果、回路400の様々なノードに異なる波形が現れる。いくつかの実施形態では、サービス技師などのユーザは、これらの波形を見て、どのリレーが開いているか、したがって修理または交換の必要があるかを判定することができる。いくつかの実施形態では、障害分析モジュール190が、これらの波形を分析し、どの1つまたは複数のリレーが開いているか、および場合により修理または交換を必要としているかを判定することができる。加えて、障害分析モジュール190は、1つまたは複数のリレーが修理または交換を必要としている可能性があることを、ユーザに通知することができる。
【0026】
一実施形態では、3つ以上の直列スイッチを有する電気システム内で、障害の判定を実行することができる。障害の判定および識別は、少なくとも3つの直列スイッチ、少なくとも5つの直列スイッチ、少なくとも7つの直列スイッチ、少なくとも10個の直列スイッチ、少なくとも20個の直列スイッチ、またはそれ以上を有するシステム内で実行することができる。いくつかの実施形態では、追加の信号源(たとえば、AC電源)を用いて、分析のための波形に追加の複雑さを提供することもできる。いくつかの実施形態では、少なくとも3つの信号源、少なくとも4つの信号源、少なくとも5つの信号源、またはそれ以上を用いることができる。
いくつかの実施形態では、信号源の周波数は、約1ヘルツ(1Hz)から少なくとも1ギガヘルツ(1GHz)、少なくとも2ギガヘルツ(2GHz)、少なくとも5ギガヘルツ(5GHz)、少なくとも10ギガヘルツ(10GHz)、またはそれ以上の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、波形の形状は、正弦波、方形波、および/または鋸歯状波を含むことができる。
【0027】
図8は、電気システム内で故障したスイッチを判定する方法の流れ
図800である。ブロック810で、少なくとも1つのAC電源は、少なくとも1つの時変信号を電気システムに印加する。ブロック820で、障害分析モジュールは、少なくとも1つのセンサから、電気システムの少なくとも1つのノードにおける少なくとも1つの時変信号の少なくとも1つの測定値を受け取る。ブロック830で、障害分析モジュールは、少なくとも1つの所定の信号パラメータを受け取る。ブロック840で、障害分析モジュールは、少なくとも1つの測定値および少なくとも1つの所定の信号パラメータに基づいて、障害の存在を判定する。