(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】アップリンクデータ伝送の制御
(51)【国際特許分類】
H04W 72/12 20090101AFI20220802BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20220802BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20220802BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H04W72/12 150
H04W52/02
H04W88/02 131
H04M1/00 R
(21)【出願番号】P 2019540520
(86)(22)【出願日】2018-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2018052305
(87)【国際公開番号】W WO2018138382
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-15
(32)【優先日】2017-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500043574
【氏名又は名称】ブラックベリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BlackBerry Limited
【住所又は居所原語表記】2200 University Avenue East, Waterloo ON N2K 0A7, Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アルゼリエ, クロード ジャン-フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】バレット, スティーブン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】フォーリー, ルネ
(72)【発明者】
【氏名】バックマン, カレン リン
【審査官】篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0026942(US,A1)
【文献】国際公開第2016/172174(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/070423(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1-4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
アプリケーションによって、モデムから、無線カバレッジ条件を示す情報を受信することであって、ユーザ機器(UE)は、前記アプリケーションおよび前記モデムを含む、ことと、
前記受信された情報に基づいて、前記UEが強化カバレッジ状態であると決定することと、
前記決定に応答して、前記モデムによるアップリンクデータ伝送を制御し、前記UEの電力消費量を削減することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記受信された情報は、カバレッジ強化レベル、カバレッジ強化モード、カバレッジクラス、データ反復インジケータ、信号強度、または信号品質のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アップリンクデータ伝送を制御することは、
前記UEが、所定のカバレッジ強化レベル、カバレッジクラス、またはカバレッジ強化モードのセットのうちの1つにある、
データ反復インジケータが、所定の反復閾値を上回る、前記UEにおける信号強度が、所定の信号強度閾値を下回る、または前記UEにおける信号品質が、所定の信号品質閾値を下回るとき、
前記アップリンクデータが、所定のデータタイプを有するとき、
前記アップリンクデータが、所定のサービス品質(QoS)インジケータ、所定の優先レベル、または所定のビットレート情報のうちの少なくとも1つと関連付けられるとき、
前記伝送制御と関連付けられる所定のタイマが、満了していないとき、
前記伝送制御と関連付けられるカウンタが、所定のカウンタ閾値に到達したとき、
前記UEが、移動しているとき、
前記UEのバッテリレベルが、第1の閾値よりも高いとき、
前記UEのバッテリレベルが、第2の閾値よりも低いとき、または
前記UEが、電源コンセントに差し込まれていないとき
のうちの少なくとも1つが起こるときに、アップリンクデータを送信することを控えることを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記UEの場所センサまたは加速度計から速度情報を受信することと、
前記速度情報に基づいて、前記UEが移動しているかどうかを決定することと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
速度情報を受信することは、前記アプリケーションによって前記場所センサまたは前記加速度計に送信されるクエリに応答する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記UEのオペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサから、バッテリ情報を受信することと、
前記バッテリ情報に基づいて、前記UEのバッテリレベルが前記第1の閾値よりも高いか、または前記第2の閾値よりも低いかどうか、または前記UEが電源コンセントに差し込まれているかどうかを決定することと
をさらに含む、請求項3、4、または5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
バッテリ情報を受信することは、前記アプリケーションによって前記オペレーティングシステム、前記デバイスインターフェース、または前記バッテリセンサに送信されるクエリに応答する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記UEにおいて、ネットワークノードから、前記UEがアップリンクデータ伝送および前記アップリンクデータ伝送を制御することと関連付けられるパラメータを制御するように構成されるというインジケーションを含む構成情報を受信すること
をさらに含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
無線カバレッジ条件を示す情報を受信することは、前記アプリケーションによって前記モデムに送信されるクエリに応答する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
無線カバレッジ条件を示す情報に関する前記クエリは、第1のアテンション(AT)コマンドで伝達される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
無線カバレッジ条件を示す前記情報は、第2のATコマンドで伝達される、
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記無線カバレッジ条件が変化するときに、前記モデムから前記無線カバレッジ条件を示す情報を受信することをさらに含む、
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ユーザ機器(UE)であって、
メモリと、
前記メモリと通信可能に結合された少なくとも1つのハードウェアプロセッサであって、前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサは、
アプリケーションによって、モデムから無線カバレッジ条件を示す情報を受信することであって、前記UEは、前記アプリケーションおよび前記モデムを含む、ことと、
前記受信された情報に基づいて、前記UEが強化カバレッジ状態であると決定することと、
前記決定に応答して、前記モデムによるアップリンクデータ伝送を制御し、前記UEの電力消費量を削減することと
を行うように構成される、少なくとも1つのハードウェアプロセッサと
を備える、UE。
【請求項14】
前記受信された情報は、カバレッジ強化レベル、カバレッジ強化モード、カバレッジクラス、データ反復インジケータ、信号強度、または信号品質のうちの少なくとも1つを備える、請求項13に記載のUE。
【請求項15】
アップリンクデータ伝送を制御することは、
前記UEが、所定のカバレッジ強化レベル、カバレッジクラス、またはカバレッジ強化モードのセットのうちの1つにある、
データ反復インジケータが、所定の反復閾値を上回る、前記UEにおける信号強度が、所定の信号強度閾値を下回る、または前記UEにおける信号品質が、所定の信号品質閾値を下回るとき、
前記アップリンクデータが、所定のデータタイプを有するとき、
前記アップリンクデータが、所定のサービス品質(QoS)インジケータ、所定の優先レベル、または所定のビットレート情報のうちの少なくとも1つと関連付けられるとき、
前記伝送制御と関連付けられる所定のタイマが、満了していないとき、
前記伝送制御と関連付けられるカウンタが、所定のカウンタ閾値に到達したとき、
前記UEが、移動しているとき、
前記UEのバッテリレベルが、第1の閾値よりも高いとき、
前記UEのバッテリレベルが、第2の閾値よりも低いとき、または
前記UEが、電源コンセントに差し込まれていないとき
のうちの少なくとも1つが起こるときに、アップリンクデータを送信することを控えることを含む、請求項13または請求項14に記載のUE。
【請求項16】
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサはさらに、
前記UEの場所センサまたは加速度計から速度情報を受信することと、
前記速度情報に基づいて、前記UEが移動しているかどうかを決定することと
を行うように構成される、請求項13
~15のいずれかに記載のUE。
【請求項17】
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサはさらに、
前記UEのオペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサから、バッテリ情報を受信することと、
前記バッテリ情報に基づいて、前記UEのバッテリレベルが前記第1の閾値よりも高いか、または前記第2の閾値よりも低いかどうか、または前記UEが電源コンセントに差し込まれているかどうかを決定することと
を行うように構成される、請求項13
~16のいずれかに記載のUE。
【請求項18】
コンピュータ可読
記憶媒体であって、前記コンピュータ可読
記憶媒体は、命令を含有し、前記命令は、実行されると、ユーザ機器(UE)に、
アプリケーションによって、モデムから無線カバレッジ条件を示す情報を受信することであって、前記ユーザ機器(UE)は、前記アプリケーションおよび前記モデムを含む、ことと、
前記受信された情報に基づいて、前記UEが強化カバレッジ状態であると決定することと、
前記決定に応答して、前記モデムによるアップリンクデータ伝送を制御し、前記UEの電力消費量を削減することと
を含む動作を実施させる、コンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項19】
前記受信された情報は、カバレッジ強化レベル、カバレッジ強化モード、カバレッジクラス、データ反復インジケータ、信号強度、または信号品質のうちの少なくとも1つを備える、請求項18に記載のコンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項20】
アップリンクデータ伝送を制御することは、
前記UEが、所定のカバレッジ強化レベル、カバレッジクラス、またはカバレッジ強化モードのセットのうちの1つにある、
データ反復インジケータが、所定の反復閾値を上回る、前記UEにおける信号強度が、所定の信号強度閾値を下回る、または前記UEにおける信号品質が、所定の信号品質閾値を下回るとき、
前記アップリンクデータが、所定のデータタイプを有するとき、
前記アップリンクデータが、所定のサービス品質(QoS)インジケータ、所定の優先レベル、または所定のビットレート情報のうちの少なくとも1つと関連付けられるとき、
前記伝送制御と関連付けられる所定のタイマが、満了していないとき、
前記伝送制御と関連付けられるカウンタが、所定のカウンタ閾値に到達したとき、
前記UEが、移動しているとき、
前記UEのバッテリレベルが、第1の閾値よりも高いとき、
前記UEのバッテリレベルが、第2の閾値よりも低いとき、または
前記UEが、電源コンセントに差し込まれていないとき
のうちの少なくとも1つが起こるときに、アップリンクデータを送信することを控えることを含む、請求項18または請求項19に記載のコンピュータ可読
記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本願は、2017年1月30日に出願された米国特許出願15/419,321号に対する優先権を主張するものであり、この全開示は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本開示は、無線通信システムにおけるデータ伝送に関し、より具体的には、アップリンクデータ伝送に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムは、基地局のセルカバレッジエリアを拡張するための強化カバレッジ機能性を含むことができる。セルカバレッジエリアは、繰り返しのデータ伝送によって拡張されることができる。例えば、拡張カバレッジエリア内のデバイスは、基地局がデータを検出するために十分な無線エネルギーを受信するように、データを繰り返し伝送することができる。ロングタームエボリューション(LTE)無線システムでは、強化カバレッジ機能性を伴って構成されるデバイスは、最大反復数、例えば、デバイスがカバレッジ強化モードAである場合に8~32、またはデバイスがカバレッジ強化モードBである場合に192~2,048を有することができる。しかしながら、繰り返しのデータ伝送は、デバイスにおける高電力消費量につながり得る。
【0004】
そのバッテリが容易または頻繁に再充電され得るデバイスに関して、さらなるカバレッジを獲得するための強化カバレッジ機能性を使用する利益が、余剰バッテリ消費量の影響を相殺し得る。しかしながら、頻繁に再充電されることができない、または全く再充電されることができないデバイス、例えば、数年にわたって保守を伴わずに動作可能なままであり得るアセットトラッカデバイスに関して、バッテリ消費量は、敏感であり、余剰バッテリ消費量が、カバレッジの増加を上回り得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、デバイスが強化カバレッジ状態であるときのデータ伝送の制御を対象とする。開示される実装の種々の修正が、当業者に容易に明白となり、説明される原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実装および用途に適用され得る。
【0006】
無線通信システムでは、デバイスは、デバイスが強化カバレッジ機能性を使用し、基地局にアクセスする場合に、強化カバレッジ状態であり得る。例えば、下記で議論されるであろうように、デバイスは、デバイスが、あるカバレッジ強化モード、カバレッジ強化レベル、またはカバレッジクラスである、デバイスにおいて受信される無線信号の強度または品質が閾値を下回る、またはデータ伝送のための反復の数が閾値よりも高い場合に、強化カバレッジ状態であり得る。デバイスが強化カバレッジ状態であるとき、デバイスは、アップリンクデータ伝送を制御し、電力消費量を削減することができる。デバイスは、データタイプ(例えば、緊急または非緊急データ)、データと関連付けられるサービス品質(QoS)、デバイスが移動しているかどうか、伝送制御と関連付けられるタイマまたはカウンタが満了しているかどうか、バッテリレベル、またはデバイスが電力供給源に差し込まれているかどうか等の情報に基づいて、アップリンクデータを送信することを控えることができる。例えば、デバイスが強化カバレッジ状態であるとき、デバイスは、データが非緊急場所情報を搬送する、またはデバイスが電力供給源に差し込まれていない場合に、アップリンクデータを送信することを控えることができる。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
方法であって、
アプリケーションによって、モデムから、無線カバレッジ条件を示す情報を受信することであって、ユーザ機器(UE)は、前記アプリケーションおよび前記モデムを含む、ことと、
前記受信された情報に基づいて、前記UEが強化カバレッジ状態であると決定することと、
前記決定に応答して、前記モデムによるアップリンクデータ伝送を制御し、前記UEの電力消費量を削減することと
を含む、方法。
(項目2)
前記受信された情報は、カバレッジ強化レベル、カバレッジ強化モード、カバレッジクラス、データ反復インジケータ、信号強度、または信号品質のうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載の方法。
(項目3)
アップリンクデータ伝送を制御することは、
前記UEが、所定のカバレッジ強化レベル、カバレッジクラス、またはカバレッジ強化モードのセットのうちの1つにある、前記データ反復インジケータが、所定の反復閾値を上回る、前記UEにおける信号強度が、所定の信号強度閾値を下回る、または前記UEにおける信号品質が、所定の信号品質閾値を下回るとき、
前記アップリンクデータが、所定のデータタイプを有するとき、
前記アップリンクデータが、所定のサービス品質(QoS)インジケータ、所定の優先レベル、または所定のビットレート情報のうちの少なくとも1つと関連付けられるとき、
前記伝送制御と関連付けられる所定のタイマが、満了していないとき、
前記伝送制御と関連付けられるカウンタが、所定のカウンタ閾値に到達したとき、
前記UEが、移動しているとき、
前記UEのバッテリレベルが、第1の閾値よりも高いとき、
前記UEのバッテリレベルが、第2の閾値よりも低いとき、または
前記UEが、電源コンセントに差し込まれていないとき
のうちの少なくとも1つが起こるときに、アップリンクデータを送信することを控えることを含む、項目1または項目2に記載の方法。
(項目4)
前記UEの場所センサまたは加速度計から速度情報を受信することと、
前記速度情報に基づいて、前記UEが移動しているかどうかを決定することと
をさらに含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
速度情報を受信することは、前記アプリケーションによって前記場所センサまたは前記加速度計に送信されるクエリに応答する、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記UEのオペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサから、バッテリ情報を受信することと、
前記バッテリ情報に基づいて、前記UEのバッテリレベルが前記第1の閾値よりも高いか、または前記第2の閾値よりも低いかどうか、または前記UEが電源コンセントに差し込まれているかどうかを決定することと
をさらに含む、項目3、4、または5のいずれかに記載の方法。
(項目7)
バッテリ情報を受信することは、前記アプリケーションによって前記オペレーティングシステム、前記デバイスインターフェース、または前記バッテリセンサに送信されるクエリに応答する、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記UEにおいて、ネットワークノードから、前記UEがアップリンクデータ伝送および前記アップリンクデータ伝送を制御することと関連付けられるパラメータを制御するように構成されるというインジケーションを含む構成情報を受信すること
をさらに含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
無線カバレッジ条件を示す情報を受信することは、前記アプリケーションによって前記モデムに送信されるクエリに応答する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
無線カバレッジ条件を示す情報に関する前記クエリは、第1のアテンション(AT)コマンドで伝達される、項目9に記載の方法。
(項目11)
無線カバレッジ条件を示す前記情報は、第2のATコマンドで伝達される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12)
前記無線カバレッジ条件が変化するときに、前記モデムから前記無線カバレッジ条件を示す情報を受信することをさらに含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
ユーザ機器(UE)であって、
メモリと、
前記メモリと通信可能に結合された少なくとも1つのハードウェアプロセッサであって、前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサは、
アプリケーションによって、モデムから無線カバレッジ条件を示す情報を受信することであって、前記UEは、前記アプリケーションおよび前記モデムを含む、ことと、
前記受信された情報に基づいて、前記UEが強化カバレッジ状態であると決定することと、
前記決定に応答して、前記モデムによるアップリンクデータ伝送を制御し、前記UEの電力消費量を削減することと
を行うように構成される、少なくとも1つのハードウェアプロセッサと
を備える、UE。
(項目14)
前記受信された情報は、カバレッジ強化レベル、カバレッジ強化モード、カバレッジクラス、データ反復インジケータ、信号強度、または信号品質のうちの少なくとも1つを備える、項目13に記載のUE。
(項目15)
アップリンクデータ伝送を制御することは、
前記UEが、所定のカバレッジ強化レベル、カバレッジクラス、またはカバレッジ強化モードのセットのうちの1つにある、前記データ反復インジケータが、所定の反復閾値を上回る、前記UEにおける信号強度が、所定の信号強度閾値を下回る、または前記UEにおける信号品質が、所定の信号品質閾値を下回るとき、
前記アップリンクデータが、所定のデータタイプを有するとき、
前記アップリンクデータが、所定のサービス品質(QoS)インジケータ、所定の優先レベル、または所定のビットレート情報のうちの少なくとも1つと関連付けられるとき、
前記伝送制御と関連付けられる所定のタイマが、満了していないとき、
前記伝送制御と関連付けられるカウンタが、所定のカウンタ閾値に到達したとき、
前記UEが、移動しているとき、
前記UEのバッテリレベルが、第1の閾値よりも高いとき、
前記UEのバッテリレベルが、第2の閾値よりも低いとき、または
前記UEが、電源コンセントに差し込まれていないとき
のうちの少なくとも1つが起こるときに、アップリンクデータを送信することを控えることを含む、項目13または項目14に記載のUE。
(項目16)
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサはさらに、
前記UEの場所センサまたは加速度計から速度情報を受信することと、
前記速度情報に基づいて、前記UEが移動しているかどうかを決定することと
を行うように構成される、項目13~15のいずれかに記載のUE。
(項目17)
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサはさらに、
前記UEのオペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサから、バッテリ情報を受信することと、
前記バッテリ情報に基づいて、前記UEのバッテリレベルが前記第1の閾値よりも高いか、または前記第2の閾値よりも低いかどうか、または前記UEが電源コンセントに差し込まれているかどうかを決定することと
を行うように構成される、項目13~16のいずれかに記載のUE。
(項目18)
コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体は、命令を含有し、前記命令は、実行されると、ユーザ機器(UE)に、
アプリケーションによって、モデムから無線カバレッジ条件を示す情報を受信することであって、前記ユーザ機器(UE)は、前記アプリケーションおよび前記モデムを含む、ことと、
前記受信された情報に基づいて、前記UEが強化カバレッジ状態であると決定することと、
前記決定に応答して、前記モデムによるアップリンクデータ伝送を制御し、前記UEの電力消費量を削減することと
を含む動作を実施させる、コンピュータ可読媒体。
(項目19)
前記受信された情報は、カバレッジ強化レベル、カバレッジ強化モード、カバレッジクラス、データ反復インジケータ、信号強度、または信号品質のうちの少なくとも1つを備える、項目18に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目20)
アップリンクデータ伝送を制御することは、
前記UEが、所定のカバレッジ強化レベル、カバレッジクラス、またはカバレッジ強化モードのセットのうちの1つにある、前記データ反復インジケータが、所定の反復閾値を上回る、前記UEにおける信号強度が、所定の信号強度閾値を下回る、または前記UEにおける信号品質が、所定の信号品質閾値を下回るとき、
前記アップリンクデータが、所定のデータタイプを有するとき、
前記アップリンクデータが、所定のサービス品質(QoS)インジケータ、所定の優先レベル、または所定のビットレート情報のうちの少なくとも1つと関連付けられるとき、
前記伝送制御と関連付けられる所定のタイマが、満了していないとき、
前記伝送制御と関連付けられるカウンタが、所定のカウンタ閾値に到達したとき、
前記UEが、移動しているとき、
前記UEのバッテリレベルが、第1の閾値よりも高いとき、
前記UEのバッテリレベルが、第2の閾値よりも低いとき、または
前記UEが、電源コンセントに差し込まれていないとき
のうちの少なくとも1つが起こるときに、アップリンクデータを送信することを控えることを含む、項目18または項目19に記載のコンピュータ可読媒体。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送の制御を含む、例示的無線通信システムである。
【0008】
【
図2】
図2は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するためのソリューション1を図示する、第1のフロー図である。
【0009】
【
図3】
図3は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション1のための第1の例示的方法を図示する、フローチャートである。
【0010】
【
図4】
図4は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するためのソリューション2を図示する、フロー図である。
【0011】
【
図5】
図5は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション2のための第1の例示的方法を図示する、フローチャートである。
【0012】
【
図6】
図6は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション2のための第2の例示的方法を図示する、フローチャートである。
【0013】
【
図7】
図7は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション1のための第2の例示的方法を図示する、フローチャートである。
【0014】
【
図8】
図8は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション2のための第3の例示的方法を図示する、フローチャートである。
【0015】
【
図9】
図9は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するためのソリューション1を図示する、第2のフロー図である。
【0016】
【
図10】
図10は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するためのソリューション1を図示する、第3のフロー図である。
【0017】
【
図11】
図11は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション1のための第3の例示的方法を図示する、フローチャートである。
【0018】
【
図12】
図12は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション2のための第4の例示的方法を図示する、フローチャートである。
【0019】
【
図13】
図13は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション2のための第5の例示的方法を図示する、フローチャートである。
【0020】
【
図14A】
図14A-14Cは、いくつかの実装による、ソリューション1を有効にするためのアテンション(AT)コマンドの例示的記述を示す。
【
図14B】
図14A-14Cは、いくつかの実装による、ソリューション1を有効にするためのアテンション(AT)コマンドの例示的記述を示す。
【
図14C】
図14A-14Cは、いくつかの実装による、ソリューション1を有効にするためのアテンション(AT)コマンドの例示的記述を示す。
【0021】
【
図15A】
図15A-15Bは、いくつかの実装による、ソリューション2を有効にするためのATコマンドの第1の例示的記述を示す。
【
図15B】
図15A-15Bは、いくつかの実装による、ソリューション2を有効にするためのATコマンドの第1の例示的記述を示す。
【0022】
【
図16】
図16は、いくつかの実装による、ソリューション2を有効にするためのATコマンドの第2の例示的記述を示す。
【0023】
【
図17】
図17は、いくつかの実装による、伝送制限のための構成情報を含む、例示的情報要素(IE)またはフィールドを示す。
【0024】
【
図18A】
図18A-18Dは、いくつかの実装による、アタッチ容認メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む第1の例示的記述を示す。
【
図18B】
図18A-18Dは、いくつかの実装による、アタッチ容認メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む第1の例示的記述を示す。
【
図18C】
図18A-18Dは、いくつかの実装による、アタッチ容認メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む第1の例示的記述を示す。
【
図18D】
図18A-18Dは、いくつかの実装による、アタッチ容認メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む第1の例示的記述を示す。
【0025】
【
図19】
図19は、いくつかの実装による、アタッチ容認メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む第2の例示的記述を示す。
【0026】
【
図20A】
図20A-20Hは、いくつかの実装による、デフォルト進化型パケットシステム(EPS)ベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む例示的記述を示す。
【
図20B】
図20A-20Hは、いくつかの実装による、デフォルト進化型パケットシステム(EPS)ベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む例示的記述を示す。
【
図20C】
図20A-20Hは、いくつかの実装による、デフォルト進化型パケットシステム(EPS)ベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む例示的記述を示す。
【
図20D】
図20A-20Hは、いくつかの実装による、デフォルト進化型パケットシステム(EPS)ベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む例示的記述を示す。
【
図20E】
図20A-20Hは、いくつかの実装による、デフォルト進化型パケットシステム(EPS)ベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む例示的記述を示す。
【
図20F】
図20A-20Hは、いくつかの実装による、デフォルト進化型パケットシステム(EPS)ベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む例示的記述を示す。
【
図20G】
図20A-20Hは、いくつかの実装による、デフォルト進化型パケットシステム(EPS)ベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む例示的記述を示す。
【
図20H】
図20A-20Hは、いくつかの実装による、デフォルト進化型パケットシステム(EPS)ベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む例示的記述を示す。
【0027】
【
図21】
図21は、いくつかの実装による、伝送制限の構成情報を含む、例示的無線リソース制御(RRC)IEを示す。
【0028】
【
図22】
図22は、いくつかの実装による、例示的ネットワークノードを図示する概略図である。
【0029】
【
図23】
図23は、いくつかの実装による、例示的ユーザ機器(UE)デバイスを図示する概略図である。
【0030】
【
図24A】
図24A-24Bは、いくつかの実装による、請求型ATコマンドの実施例を示す。
【
図24B】
図24A-24Bは、いくつかの実装による、請求型ATコマンドの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
種々の図面内の同様の参照番号および指定は、同様の要素を示す。
【0032】
図1は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送の制御を含む、例示的無線通信システム100である。例示的通信システム100は、ユーザ機器(UE)またはデバイス102と、基地局104を含む無線ネットワークとを含み、デバイス102は、基地局104のセルカバレッジ内にある。基地局104のカバレッジエリアは、通常カバレッジ境界106内の通常カバレッジエリアと、通常カバレッジ境界106と強化カバレッジ境界108との間の強化カバレッジエリアとを含む。デバイス102は、強化カバレッジ機能性を使用して、基地局104と通信することができる。例えば、データ110を基地局104に伝送するとき、デバイス102は、通常カバレッジエリア内よりも強化カバレッジエリア内で多数の反復を使用することができる。
【0033】
ロングタームエボリューション(LTE)無線システムでは、強化カバレッジ機能性(3GPP TS 36.300参照)は、以下を含む。
・無線リソース制御(RRC)アイドルモード(RRC_IDLE)では、4つのカバレッジ強化(CE)レベル0、1、2、および3が、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソース選択のために定義される。
・RRC接続モード(RRC_CONNECTED)では、2つの強化CEモードである、モードA(低/中カバレッジ)およびモードB(極度カバレッジ)が、データを基地局に伝送するためにサポートされる。
それぞれ所与のCEレベルと関連付けられる、PRACHリソースのセット(例えば、時間、周波数、プリアンブル)が、システム情報ブロック(SIB)の中で提供される。CEレベルあたりのPRACH反復の数および最大プリアンブル伝送試行の数もまた、SIBの中で提供される。初期CEレベルは、SIBの中で提供されてもよく、そのセルの中でUEによるランダムアクセス時に使用される初期PRACH CEレベルを示す。提供されない場合、UEは、SIBの中で提供されるRSRP閾値と比較して、測定された参照信号受信電力(RSRP)レベルに基づいてPRACH CEレベルを選択する(3GPP TS 36.321参照)。強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードは、典型的には、RRCConnectionReconfigurationまたはRRCConnectionResumeメッセージの中で、UEが接続モードになっているときに提供される。所与の信号に、または所与のチャネル上で使用される反復の数についての情報は、(CEモードにより)SIBの中で、ダウンリンク制御情報(DCI)の一部として、またはUEが接続モードになっているときに専用メッセージの中でのいずれかで、提供される。例えば、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)のためにネットワークによって構成され得る、最大反復数は、CEモードAに関して8~32であり、CEモードBに関して192~2,048である。換言すると、モードBは、モードAよりもさらなる強化カバレッジを提供し、より多くの反復数、したがって、より高いバッテリ消費量を要求する。
【0034】
強化カバレッジ機能性もまた、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)UEのために定義されることができ、ネットワークによって構成され得る異なるCEレベルおよび異なる反復レベルによって特徴付けられる。例えば、最大3つの狭帯域PRACH(NPRACH)リソースが、最大で2つのRSRP閾値によって定義されるセルの中で構成されることができる。異なるNPRACHリソースは、対応するCEレベルにマッピングされる。ネットワークは、UEによって使用される初期数のPRACH反復を示してもよい、または開始CEレベルは、上層によって提供されることができ、その場合、UEは、測定されたRSRPにもかかわらず、それ自体を対応するCEレベルと見なす。所与のチャネルのための最大反復数が、ネットワークによって構成される。
【0035】
強化カバレッジ機能性はまた、最大5つのカバレッジクラス(CC)、CC1、CC2、CC3、CC4、および適用可能である場合、CC5を含む、モノのインターネットのための拡張カバレッジGSM(登録商標)(EC-GSM-IoT)の固有の一部であり(3GPP TS 43.064参照)、CC1は、典型的汎用パケット無線サービス(GPRS)/強化GPRS(EGPRS)カバレッジ範囲に対応する。アイドルモードでは、EC-GSM-IoT移動局(MS)が、使用されるCCを選択し、選択されたCCをネットワークに示す一方で、パケット転送モードでは、ネットワークは、CC選択を実施し、CCをMSに通信する。所定数の論理チャネル特有のブラインド物理層伝送が、あるレベルの拡張カバレッジをサポートするために使用される。
【0036】
ある場合には、デバイスがアイドルモードであるとき、UEは、無線測定基準に基づいて(UEが強化カバレッジ機能性をサポートする場合)無線カバレッジレベルを自律的に決定する。デバイスが接続モードになるとき、ネットワークは、デバイスによって送信される無線測定および/または他の考慮事項に基づいて、UEが使用するものである強化カバレッジモードまたは反復レベルを構成する。強化カバレッジ機能性をサポートするUEに関して、ネットワークは、サブスクリプション情報に基づいて(例えば、強化カバレッジを使用する可能性が、プレミアムサブスクリプションユーザのみに許可され得る)、または他の理由により、UEが強化カバレッジ特徴を使用するものではないことを決定することが可能である。
【0037】
説明されるアプローチでは、アプリケーションは、モデムから無線カバレッジ条件を示す情報を受信することができ、ユーザ機器(UE)は、アプリケーションおよびモデムを含む。受信された情報に基づいて、アプリケーションは、UEが強化カバレッジ状態であると決定することができる。決定に応答して、アプリケーションは、モデムによるアップリンクデータ伝送を制御し、UEの電力消費量を削減することができる。受信された情報は、カバレッジ強化レベル、カバレッジ強化モード、カバレッジクラス、データ反復インジケータ、信号強度、または信号品質のうちの少なくとも1つを含むことができる。アップリンクデータ伝送を制御するステップは、以下のうちの少なくとも1つが起こる、すなわち、UEが、所定のカバレッジ強化レベル、カバレッジクラス、またはカバレッジ強化モードのセットのうちの1つにある、データ反復インジケータが、所定の反復閾値を上回る、UEにおける信号強度が、所定の信号強度閾値を下回る、またはUEにおける信号品質が、所定の信号品質閾値を下回るとき、アップリンクデータが、所定のデータタイプを有するとき、アップリンクデータが、所定のサービス品質(QoS)インジケータ、所定の優先レベル、または所定のビットレート情報のうちの少なくとも1つと関連付けられるとき、伝送制御と関連付けられる所定のタイマが、満了していないとき、伝送制御と関連付けられるカウンタが、所定のカウンタ閾値に到達したとき、UEが、移動しているとき、UEのバッテリレベルが、第1の閾値よりも高いとき、UEのバッテリレベルが、第2の閾値よりも低いとき、またはUEが、電源コンセントに差し込まれていないときに、アップリンクデータを送信することを控えるステップを含むことができる。
【0038】
いくつかの実装では、アプリケーションは、UEの場所センサまたは加速度計から速度情報を受信することができる。速度情報に基づいて、アプリケーションは、UEが移動しているかどうかを決定することができる。速度情報は、アプリケーションによって場所センサまたは加速度計に送信されるクエリに応答して受信されることができる。いくつかの実装では、アプリケーションは、UEのオペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサから、バッテリ情報を受信することができる。バッテリ情報に基づいて、アプリケーションは、UEのバッテリレベルが第1の閾値よりも高いか、または第2の閾値よりも低いかどうか、またはUEが電源コンセントに差し込まれているかどうかを決定することができる。バッテリ情報は、アプリケーションによってオペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサに送信されるクエリに応答して受信されることができる。UEは、ネットワークノードから、UEがアップリンクデータ伝送およびアップリンクデータ伝送を制御することと関連付けられるパラメータを制御するように構成されるというインジケーションを含む、構成情報を受信することができる。いくつかの実装では、アプリケーションは、アプリケーションによってモデムに送信されるクエリに応答して、無線カバレッジ条件を示す情報を受信することができる。無線カバレッジ条件を示す情報に関するアプリケーションからモデムへのクエリは、第1のアテンション(AT)コマンドで伝達されることができる。モデムからアプリケーションへの無線カバレッジ条件を示す情報は、第2のATコマンドで伝達されることができる。ある場合には、アプリケーションは、無線カバレッジ条件が変化するときに、モデムから無線カバレッジ条件を示す情報を受信することができる。
【0039】
本明細書に説明される方法およびシステムによる、強化カバレッジ状態時のデータ伝送制御は、デバイスが強化カバレッジ状態であるときにデバイスの電力消費量を削減することができる。
図2-24Bおよび関連付けられる説明は、これらの実装に関して付加的詳細を提供する。
【0040】
要素の一般的説明に目を向けると、UE(またはデバイス)102は、限定ではないが、IoTデバイス、マシンツーマシン(M2M)デバイス、マシンタイプ通信(MTC)デバイス、モバイル電子デバイス、ユーザデバイス、移動局、サブスクライバ局、携帯用電子デバイス、モバイル通信デバイス、無線モデム、プッシュツートーク(PTT)ディスパッチコンソール、または無線端末として参照され得る。UEの実施例は、限定ではないが、セルラー電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、PTTディスパッチコンソール、ラップトップ、タブレットパーソナルコンピュータ(PC)、ポケットベル、携帯用コンピュータ、携帯用ゲームデバイス、ウェアラブル電子デバイス、試験機器、ギャンブル機、自動車/車両、掲示板、家庭用電化製品、M2M/IoT電子モジュール、または無線通信ネットワークを介して音声またはデータを通信するためのコンポーネントを有する他のモバイル通信デバイスを含んでもよい。無線通信ネットワークは、許可スペクトルおよび無許可スペクトルのうちの少なくとも1つを経由した無線リンクを含んでもよい。
【0041】
UEの他の実施例は、モバイルおよび固定電子デバイスを含む。UEは、モバイル機器(ME)デバイスと、サブスクライバ識別モジュール(SIM)、汎用SIM(USIM)、またはリムーバブルユーザ識別モジュール(R-UIM)を含む汎用集積回路カード(UICC)等のリムーバブルメモリモジュールとを含んでもよい。用語「UE」はまた、ユーザのための通信セッションを終了し得る、任意のハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントを指すこともできる。加えて、用語「ユーザ機器」、「UE」、「ユーザ機器デバイス」、「ユーザエージェント」、「UA」、「ユーザデバイス」、「移動局」、「MS」、「モバイルデバイス」、および「モジュール」は、本明細書では同義的に使用されることができる。
【0042】
無線通信ネットワークは、1つまたは複数の無線アクセスネットワーク(RAN)、固定イーサネット(登録商標)またはIEEE 802.11 WLAN等の他のアクセスネットワーク、コアネットワーク(CN)、および外部ネットワークを含んでもよい。RANは、1つ以上の無線アクセス技術を含んでもよい。いくつかの実装では、無線アクセス技術は、限定ではないが、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM(登録商標))、EC-GSM-IoT、暫定規格95(IS-95)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、CDMA2000(符号分割多重アクセス)、進化型UMTS、LTE、LTE-Advanced、新無線(NR)、またはNB-IoTであってもよい。ある事例では、コアネットワークは、進化型パケットコア(EPC)または次世代コア(NGコア)であってもよい。
【0043】
RANは、GSM(登録商標)、UMTS、CDMA2000、3GPP LTE、3GPP LTE-Advanced(LTE-A)、NB-IoT、およびEC-GSM-IoT等の無線アクセス技術を実装する、無線電気通信システムの一部である。多くの用途では、RANは、少なくとも1つの基地局を含む。基地局(例えば、基地局104)は、システムの固定部品の中の全てまたは少なくともいくつかの無線関連機能を制御し得る、無線基地局であってもよい。基地局は、そのカバレッジエリアまたはUEが通信するためのセル内で、無線インターフェースを提供してもよい。1つの基地局または複数の基地局は、セルラーネットワークを構成し、広い面積のカバレッジを提供してもよい。基地局は、1つまたは複数のUE、他の基地局、および1つ以上のコアネットワークノードと直接または間接的に通信する。
【0044】
図1の要素は、種々の特徴および機能性を実装する種々のコンポーネント部品、部分、またはモジュールを含むものとして示されるが、それにもかかわらず、これらの要素は、代わりに、適宜、いくつかのサブモジュール、サードパーティサービス、コンポーネント、ライブラリ等を含んでもよい。さらに、種々のコンポーネントの特徴および機能性は、適宜、より少ないコンポーネントに組み合わせられることができる。説明されるアプローチは、本開示の範囲と一貫する他の方法または要素を使用して、実装されてもよい。本開示内の説明の一部では、LTEおよびGSM(登録商標)が実施例として使用されるが、当業者によって理解されるであろうように、説明されるアプローチはまた、3GPP UMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)、IEEE(例えば、11.x、WiFi、WiMax)、CDMA2000、および第5世代(5G)等の他の無線通信システムおよび無線アクセス技術(RAT)のために使用されることもできる。本開示では、「アップリンクメッセージ」、「アップリンクデータ」、および「アップリンクデータ伝送」が、1つ以上のメッセージ、構造化または非構造化データストリーム、または任意の他の同等の専門用語を包含するであろう、任意のユーザプレーンタイプの情報のための一般的用語として使用される。さらに、カバレッジ強化レベルは、強化カバレッジレベルと同義であり、カバレッジ強化モードは、強化カバレッジモードと同義である。加えて、いくつかの実装では、
図2-13中のフロー図およびフローチャートの種々のステップは、並行して、組み合わせて、ループで、または任意の順序で実行されてもよい。
【0045】
ソリューション1:デバイスが強化カバレッジ状態である場合に、モバイル発信のデータ伝送を控える:アプリケーションが、情報を取得し、データ伝送を控えるかどうかを決定する。
【0046】
図2は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するためのソリューション1を図示する、第1のフロー
図200である。フロー
図200は、デバイスにおけるアプリケーション202およびモデム204を含む。アプリケーション202は、デバイスが強化カバレッジ状態である場合に、デバイスがアップリンクデータをネットワークに伝送することを控え得ることを決定する(または下記で議論されるであろうように、そのように構成される)。伝送を控えられるデータは、撤回または破棄される(例えば、ある持続時間後に古くなるであろう場所情報)か、または留保され、後に送信される(例えば、アップリンクデータ伝送への制限が取り消されるとき)かのいずれかであり得る。モデム204は、デバイスのための無線カバレッジ条件(例えば、現在適用可能なCEモード/レベルまたはカバレッジクラス、受信信号強度インジケータ(RSSI)、受信信号コード電力(RSCP)、またはRSRP等の無線信号強度または品質、データ伝送のための反復の数、または他の無線リンク情報)の知識を有する。アプリケーション202は、無線カバレッジ条件の情報またはステータスに関してクエリ206をモデム204に送信することができる。モデム204からのステータスレポート208に基づいて、アプリケーション202は、アップリンクデータを送信するかどうかを決定する。アプリケーションは、伝送制限のための任意の条件を適用することができる。例えば、アプリケーション202は、デバイスCEレベル/モードまたはカバレッジクラスが、所定のCEレベル/モードまたはカバレッジクラスのセットのうちの1つにある場合、データ反復の数が、所定の反復閾値を上回る、デバイスにおける信号強度が、所定の信号強度閾値を下回る、またはデバイスにおける信号品質が、所定の信号品質閾値を下回る場合に、データを送信しないことを決定してもよい。例えば、アプリケーション202は、デバイス/モデムが強化カバレッジレベル1、2、または3である場合に、アップリンクデータを伝送しないことを決定することができる。
【0047】
いくつかの実装では、クエリ206およびステータスレポート208は、それぞれ、アテンション(AT)コマンドおよび応答(3GPP TS 27.007参照)であり得る。ATコマンドおよび応答は、端末アダプタ(TA)を通してアプリケーション(すなわち、端末機器(TE))とモデム(すなわち、モバイル端末(MT))との間で情報または命令を送信することを可能にする。応答は、ATコマンドに続いてトリガされる(各受信されたATコマンドへの1つの応答)、または非請求型であり得る(例えば、ATコマンドによってアクティブ化および/または構成される。複数の応答が、そのATコマンドに対応して送信されることができ、応答は、モデムにおける情報が変化する、またはATコマンドによって構成されている場合がある他の条件がモデムにおいて満たされる度に送信される)。ある場合には、AT応答はまた、ATコマンドとも呼ばれる。クエリ206およびステータスレポート208はまた、ATコマンド/応答の代わりに、他のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を使用することもできる。
【0048】
表1は、アプリケーション202からモデム204へのクエリ206の実施例、およびモデム204からアプリケーション202への関連付けられる報告されたステータス208の実施例を列挙する。
【表1】
表1の中の最後の2つの実施例に関して、強化カバレッジレベルが変化する度にモデム204がステータスレポートを送信するため、1つのクエリが1つを上回るステータスレポートをトリガし得ることに留意されたい。いくつかの実装では、クエリ206は、これら2つの実施例に関して随意である。例えば、下記で議論されるであろうように、アプリケーション202は、ATコマンドを使用し、強化カバレッジレベル変化の通知を受信するためにモデム204にサブスクライブまたは登録することができ、モデム204は、強化カバレッジレベルが変化する度に非請求型テータスレポートをアプリケーション202に送信するであろう。代替として、モデム204によってアプリケーション202に非請求型通知を送信することは、モデムにおいて事前構成されることができる。
【0049】
いくつかの実装では、強化カバレッジ状態時のデバイスは、例えば(限定ではないが)、以下の基準のうちの1つ以上のものに準拠するデバイスである。
・デバイスが、LTE UEに関して強化カバレッジモードAまたはモードBであり、現在選択されているCEレベルが、可能性として考えられるCEレベルの識別されたセットの一部である、または現在選択されているカバレッジクラスが、可能性として考えられるカバレッジクラスの識別されたセットの一部である。LTE UEに関して、強化カバレッジモードBが、モードAよりも劣化したカバレッジ内であるが、より高い電力消費量という代償を払って伝送を可能にするため、デバイスは、デバイスがモードBである場合に1つ以上のアップリンクメッセージを伝送しないが、デバイスがモードAである場合に可能であるときにメッセージを伝送することを決定し得る。
・リンク予算または無線リンク電力/品質(例えば、RSSI、RSCP、またはRSRPに基づく)が、識別された閾値を下回る。本基準は、デバイスカテゴリ(例えば、NB-IoTおよび非NB-IoT UE)にかかわらず、一貫した挙動を規定することを可能にする。
・場合によっては所与のチャネルタイプ(例えば、ネットワークによって構成されるPRACHまたはMTC PRACH(MPRACH)反復数)に関連付けられる、反復の数が、所定の閾値を上回る。
【0050】
いくつかの実装では、モデム204は、イベントトリガ型ATコマンドを生成し、強化カバレッジステータスの変化が検出された(任意の変化、または1つ以上の具体的変化)ことをアプリケーション202に通知する。アプリケーション202は、ATコマンドを使用し、モデム204からそのような通知を受信することにサブスクライブまたは登録することが可能である。モデム204が、一連の動作中に、強化カバレッジのそのような変化を検出した場合、アプリケーション202が知らされることが有用であろう。アプリケーション202は、UEの最新の強化カバレッジステータスを記憶することができる。これは、以降の段階で、アプリケーション202がカバレッジ情報に関してモデム204に問い合わせることを防止し得る。強化カバレッジステータスを取得するためにモデムに電力費が存在することに留意されたい。アプリケーションが、不良なカバレッジのため、データ(例えば、低定優先度パケット)を送信しないことを決定する場合において、強化カバレッジステータスを取得するための電力は、浪費される。
【0051】
図3は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション1のための第1の例示的方法300を図示する、フローチャートである。方法300は、アプリケーションが、例えば、ATコマンドを使用して、強化カバレッジレベルまたは無線カバレッジ条件の情報に関して、モデムに問い合わせる、ブロック302から開始される。上記で議論されるように、ブロック302は、アプリケーションが、カバレッジレベル変化または無線カバレッジ条件変化の非請求型応答を受信するためにモデム204にサブスクライブまたは登録する場合に随意である。ブロック304では、アプリケーションは、強化カバレッジレベルまたは無線カバレッジ条件の情報を受信する。ブロック306では、受信された情報に基づいて、アプリケーションは、アップリンクデータを送信することに制限を適用する。例えば、アプリケーションは、モデム/デバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3である場合に、アップリンクデータを送信しないことを決定することができる。
【0052】
図14A-14Cは、いくつかの実装による、ソリューション1を有効にするためのATコマンドの例示的記述を示す。コードポイントが、無線カバレッジ条件が変化する度に無線カバレッジ条件をアプリケーションに通知するために(すなわち、非請求型情報)、モデムからアプリケーションへの1つのATコマンドの中に導入されることができる。
図14A-14Cは、ATコマンドネットワーク登録+CREGの中に無線カバレッジ情報を導入するための3GPP TS 27.007への例示的変更(変更は下線付きである)を示す。他のATコマンド、例えば、PLMN選択+COPS、GPRSネットワーク登録ステータス+CGREG、および/またはEPSネットワーク登録ステータス+CEREGが、代わりに、または加えて、使用され得る。新しいATコマンドもまた、本目的のために作成され得る。新しいフィールド<cov>および<cov-gsm>が、表2に示されるように、ATコマンドネットワーク登録+CREGの中に導入されることができる。代替として、<cov>および<cov-gsm>は、単一のフィールドにマージされることができる。
【表2】
フィールド<cov>および<cov-gsm>は、任意の無線カバレッジ情報を含むことができる。例えば、3GP PTS 27.007は、CEレベルおよびカバレッジクラスの情報のためのフィールド<cov>および<cov-gsm>に関して、以下の記述を含むことができる。
<cov>:整数型;カバレッジ強化レベル。<Act>=E-UTRANまたはNB-IoTである場合のみ適用可能である。
0 カバレッジ強化(CE)レベル0
1 カバレッジ強化(CE)レベル1
2 カバレッジ強化(CE)レベル2
3 カバレッジ強化(CE)レベル3(<Act>=NB-IoTである場合、適用可能ではない)
注記7:3GPP TS 36.331が、カバレッジ強化レベルを規定する。
<cov-gsm>:整数型;カバレッジクラス。<Act>=EC-GSM-IoTである場合のみ適用可能である。
0 カバレッジクラスCC1
1 カバレッジクラスCC2
2 カバレッジクラスCC3
3 カバレッジクラスCC4
4 カバレッジクラスCC5
注記8:3GPP TS 43.064が、カバレッジクラスを規定する。
【0053】
図24A-24Bは、いくつかの実装による、請求型ATコマンドの実施例を示す。例えば、新しいATコマンドが、アプリケーションがモデムにクエリを行い、モデムが無線カバレッジ条件の情報で返答することを可能にするように、導入されることができる。
図24A-24Bは、新しいATコマンド+CIOTQCELを含むための3GPPTS 27.007への例示的変更(変更は下線付きである)を示す。
【0054】
ソリューション2:デバイスが強化カバレッジ状態である場合に、モバイル発信のデータ伝送を控える:アプリケーションが、条件付きでデータを伝送するようにモデムに命令する。
【0055】
図4は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するためのソリューション2を図示する、フロー
図400である。フロー
図400は、デバイスにおけるアプリケーション202およびモデム204を含む。モデム204は、デバイスのための無線カバレッジ条件(例えば、現在適用可能なCEモード/レベルまたはカバレッジクラス、RSSI、RSCP、またはRSRP等の無線信号強度または品質、データ伝送のための反復の数、または他の無線リンク情報)の知識を有する。アプリケーション202は、命令406をモデム204に送信し、ある条件下でデータを伝送するようにモデム204に命令することができる。命令406は、伝送制限のための任意の条件と、伝送制限のための条件と関連付けられるパラメータとを含むことができる。例えば、アプリケーション202は、デバイス/モデムCEレベル/モードまたはカバレッジクラスが、所定のCEレベル/モードまたはカバレッジクラスのセットのうちの1つである場合、データ反復の数が、所定の反復閾値を上回る、デバイスにおける信号強度が、所定の信号強度閾値を下回る、またはデバイスにおける信号品質が、所定の信号品質閾値を下回る場合に、データを送信しないようにモデム204に命令してもよい。例えば、アプリケーション202は、モデム/デバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3である場合に、データを送信しないようにモデム204に命令することができる。いくつかの実装では、アプリケーション202はまた、モデム204がデータ408に伝送制限を適用するであろうように、データ408をモデム204に送信することもできる。命令406およびデータ408は、ATコマンドまたは他のAPIを使用することができる。
【0056】
アプリケーション202は、デバイス/モデムCEレベル/モードまたはカバレッジクラスが、強化カバレッジモード/レベルまたはカバレッジクラスの所定のセットのうちの要素ではないとき、データ反復の数が、所定の反復閾値を下回る、デバイスにおける信号強度が、所定の信号強度閾値を上回る、またはデバイスにおける信号品質が、所定の信号品質閾値を上回る場合に、具体的アップリンクデータを送信するようにモデム204に命令することができる。対称的に、アプリケーション202は、デバイス/モデムCEレベル/モードまたはカバレッジクラスが、強化カバレッジモード/レベルまたはカバレッジクラスの所定のセットのうちの要素であるとき、データ反復の数が、所定の反復閾値を上回る、デバイスにおける信号強度が、所定の信号強度閾値を下回る、またはデバイスにおける信号品質が、所定の信号品質閾値を下回る場合に、具体的アップリンクデータを送信しないようにモデム204に命令することができる。具体的アップリンクデータは、命令406とともに(例えば、データが命令406の中に含まれる)、または別個に(例えば、別個の命令406およびデータ408)、送信され得る。データが命令とは別個に送信される場合、データは、例えば、ベアラ識別、パケットデータプロトコル(PDP)コンテキスト、アプリケーション識別子、ソケット番号(アプリケーションを判別し得る)、または宛先アドレスに基づいて、判別されることができる。データ408は、命令406と同時に、または以降の時間に送信されることができる。ある場合には、アプリケーションは、いくつかの試行がモデムによってカバレッジ条件を知らされた後に、無条件にデータを送信することを決定することができる。
【0057】
代替として、または組み合わせて、アプリケーション202は、デバイス/モデムが具体的強化カバレッジモード/レベルまたは具体的無線カバレッジ条件ではないときに、任意のアップリンクデータを送信するようにモデム204に命令することができる。対称的に、アプリケーション202は、モデムが1つ以上の具体的強化カバレッジモード/レベルまたは具体的無線カバレッジ条件であるときに、いかなるアップリンクデータも送信しないようにモデム204に命令することができる。ソリューション1と同様に、送信されないデータは、撤回または破棄のいずれかをされることができる。
【0058】
表3は、アプリケーション202からモデム204への命令406の実施例を列挙する。表3の第2の列は、関連アップリンクデータが命令406とともに含まれるかどうかを示す。
【表3】
他の条件もまた、使用されることができ、例えば、強化カバレッジレベル3等のより厳密な強化カバレッジモード/レベルまたはカバレッジクラスのための伝送制限を適用する。
【0059】
図5は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション2のための第1の例示的方法500を図示する、フローチャートである。方法500は、アプリケーションが具体的データをモデムに送信し、命令の中で規定される条件に従って、本データを送信することに制限を適用するようにモデムに命令する、ブロック502から開始される。ブロック504では、モデムは、命令に従ってデータに伝送制限を適用する。例えば、アプリケーションは、モデム/デバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3である場合に、データに伝送制限を適用するようにモデムに命令することができる。故に、モデムは、モデム/デバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3である場合に、具体的データを送信しない。
【0060】
図6は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション2のための第2の例示的方法600を図示する、フローチャートである。方法600は、アプリケーションが、ポート0から着信する任意の将来のデータを送信することに制限を適用するようにモデムに命令する、ブロック602から開始される。ブロック604では、モデムは、命令に従ってポート0からのデータに伝送制限を適用する。例えば、アプリケーションは、モデム/デバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3である場合に、ポート0からのデータに伝送制限を適用するようにモデムに命令することができる。故に、モデムは、モデム/デバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3である場合に、ポート0からデータを送信しない。
【0061】
図15A-15Bは、いくつかの実装による、ソリューション2を有効にするためのATコマンドの第1の例示的記述を示す。
図15A-15Bは、ATコマンドの中で命令および関連データを送信するための3GPP TS 27.007への例示的変更(変更は下線付きである)を示す。新しいフィールド<cond>が、表4に示されるように、ATコマンド+CSODCPの中に導入されることができる。アプリケーションは、フィールド<cond>の中に命令およびフィールド<cpdata>の中に具体的データを含むことができる。
【表4】
フィールド<cond>は、任意の命令を含むことができる。例えば、3GPP TS 27.007は、命令がCEレベル/カバレッジクラスに関する場合に、フィールド<cond>のための以下の記述を含むことができる。
<cond>:整数型。ユーザデータを伝送するための条件を示す。
0 データを伝送する
1 デバイスがカバレッジ強化(CE)レベル1、2、および3(E-UTRANまたはNB-IoT)ではない場合のみ、データを伝送する
デバイスがカバレッジクラス2、3、および4(EC-GSM-IoT)ではない場合のみ、データを伝送する
注記7:3GPP TS 36.331が、カバレッジ強化レベルを規定する。3GPP TS 43.064が、カバレッジクラスを規定する。
【0062】
代替として、フィールド<cond>は、ユーザデータが伝送されるものとする、最大CEレベルまたは最高カバレッジクラスに関連する命令を含むことができる。例えば、3GPP TS 27.007は、フィールド<cond>のための以下の記述を含むことができる。
<cond>:整数型。ユーザデータが伝送されるものとする、最大カバレッジ強化(CE)レベル0~3(E-UTRAN)、0~2(NB-IoT)、または最高カバレッジクラス1~5(EC-GSM-IoT、それぞれ、CC1~CC5)を規定する。CEレベルまたはカバレッジクラスが、適用可能である場合、示される値を上回る場合に、ユーザデータは、伝送されないものとする。
【0063】
別の代替物として、3GPP TS 27.007は、命令がCEレベル/カバレッジクラスおよび伝送制限のための所定のタイマに関連する場合、フィールド<cond>のための以下の記述を含むことができる。
<cond>:整数型。ユーザデータを伝送するための条件を示す。
0 データを伝送する
1 以下である場合のみ、データを伝送する
E-UTRANまたはNB-IoT:
-デバイスがカバレッジ強化(CE)レベル0である、または
-デバイスがカバレッジ強化(CE)レベル1、2、または(E-UTRANのみに適用可能である)3であり、データが最後の1時間にわたって伝送されなかった
EC-GSM-IoT:
-デバイスがカバレッジクラスCC1である、または
-デバイスがカバレッジクラスCC2、CC3、CC4、または(適用可能である場合)CC5であり、データが最後の1時間にわたって伝送されなかった
【0064】
ソリューション1および2は、デバイスがアイドルモードまたは接続モードであるときに使用されることができ、異なる時間に併せて使用されることができる。
【0065】
データタイプに基づく、モバイル発信データ伝送を控えるための付加的または代替的条件
【0066】
代替として、または組み合わせて、データタイプが、ソリューション1および/または2で伝送制限のための条件として使用されることができる。例えば、いくつかのタイプのデータは、システムの観点から他のものほど重要ではない。そのようなタイプのデータの実施例は、(デバイス上の1つを上回るアプリケーションが、異なる目的のために同一のタイプのデータを使用することができるため)所与の用途またはタイプの使用に特有のデータであってもよい。代替として、一部のデータは、時間的制約があり得、(強化カバレッジ機能性が、多数の繰り返しの伝送を使用することによって、さらなる遅延を導入するため)伝送が遅延される必要性がある場合に、それらを送信する価値はない。したがって、アプリケーションは、データタイプに基づく付加的条件を用いて、デバイスが強化カバレッジ状態である場合に、アップリンクデータ(例えば、1つ以上のアップリンクメッセージ)を送信することを控え得る。
【0067】
例えば、デバイス場所に関連するデータが、アップリンクデータを送信することを控えるための条件であってもよい一方で、パンクしたタイヤ問題に関連するデータは、アップリンクデータを送信することを控えるための条件ではないであろう。緊急事態に関連するデータ(例えば、緊急通話情報、緊急自動車事故情報、または緊急場所情報)が、アップリンクデータを送信することを控えるための情報ではないであろう一方で、他のアップリンクデータは、そうであろう。別の実施例では、伝送制御プロトコル(TCP)/インターネットプロトコル(IP)に関連するデータパケットが、送信することを控えられ得る一方で、制約付きアプリケーションプロトコル(COAP)/ユーザデータプロトコル(UDP)/IPに関連するデータパケットは、送信され得る。理由は、TCP/IPが、付加的遅延に起因して強化カバレッジと上手く機能しない場合があるためである。ある場合には、付加的条件は、IPアドレスおよび/またはポート番号(ソケット)、アクセスポイント名(APN)、またはプロトコル関連情報(例えば、ユーザプレーンセッションを判別する、2G/3G用のLTEまたはPDPコンテキストのための進化型パケットシステム(EPS)ベアラ)に関連し得る。
【0068】
伝送制限をトリガし得る、異なるデータタイプまたはサブタイプの他の実施例は(限定ではないが)、フリート管理および物流、自動車テレマティックス、自動化および監視、販売時点管理(PoS)、セキュリティおよび監視、健康監視(例えば、マシンツーマシン医療ゲートウェイ、ウェアラブル医療監視デバイス、または(ウェアラブル)ウェルネス/フィットネスサービスデバイス)、セキュア遠隔患者介護および監視、ウェアラブル(例えば、ビデオストリーミング、ファイル共有、またはゲーム)、スマートビルディング(例えば、分析、照明、火災および生命安全、またはセキュリティおよびアクセス)、エネルギー(例えば、高度伝送および配電自動化のための広域エネルギー関連測定/制御システム、開始および停止収集、条件付き収集、作成/修正収集スキーム等のマシンツーマシンのための分析ユースケース、スマートリーダ読取、水力発電および/または油およびガスパイプラインセルラー/衛星を決定するための遠隔場所の環境監視)、企業(例えば、ビルの自動化および制御または分析または照明等のスマートビルディング、火災および生命安全/セキュリティおよびアクセス、暖房、換気、空調、電力およびエネルギー、および/または工業システム)、公共サービス(例えば、街灯の自動化、デバイス、仮想デバイス、およびモノについてのユースケース、および/または自動車/自転車共有サービス)、住居(例えば、家庭用エネルギー管理、家庭用エネルギー管理システム、プラグイン充電車両および家庭シナリオでの電力給送、リアルタイムオーディオ/ビデオ通信、イベントトリガ型タスク実行ユースケース、および/またはセマンティックホームコントロール)、セマンティックデバイスプラグアンドプレイ、農業(例えば、遠隔機器監視、遠隔作物監視、気候監視および予報、作物および家畜の予測分析、家畜追跡およびジオフェンシング、家畜の給餌および農作物についての統計、スマート物流および倉庫保管、および/またはドローン監視および制御)、テレマティックス(車両診断および保守レポートおよびサービス、交通事故情報収集、盗難車両回収、ロードサイド支援、車内娯楽およびインターネットアクセス、車両ナビゲーション、使用ベースの自動車保険、リース、レンタル、および/またはHPおよびシェアカー管理)、輸送(例えば、デジタルタコグラフを使用するフリート管理サービス)、その他(例えば、衛星を使用してマシンツーマシンアクセスおよび/またはネットワークを拡張すること、下層ネットワークオペレータによるM2Mデータトラフィック管理、モバイルネットワークと相互作用する最適化されたM2M、コネクティビティ管理パラメータを最適化すること、モビリティ管理パラメータを最適化すること、活気のないノードのユースケース、M2Mシステムデータの収集についてのユースケース、下層ネットワークのブロードキャスト/マルチキャスト能力を活用すること、および/または内蔵マシンツーマシンデバイスを伴う機器のためのサービスプロビジョニングを活用すること)を含むことができる。デバイス102は、これらの例示的データタイプおよびユースケースを使用するデバイスであり得ることに留意されたい。
【0069】
代替として、または組み合わせて、サービス品質(QoS)が、ソリューション1および2で伝送制限のための条件として使用されることができる。例えば、デバイスが強化カバレッジ状態である場合、アップリンクデータは、デバイスが、強化カバレッジ機能性の繰り返しの伝送によって引き起こされる遅延に対処し得る1つ以上のベアラ、または以下と関連付けられるQoSを有する1つ以上のベアラを伴って構成される場合に、送信され得る。
・保証ビットレート(GBR)、
・非GBR(非GBRは繰り返しの伝送に起因する遅延に耐え得る)、および/または
・あるQoSクラス識別子(QCI)、例えば、双方向性であるベアラを反映するQCI
上記の実施例は、LTE QoS専門用語を使用する。他の専門用語も、他のRATの実施例で可能である。例えば、2G/3Gシステムに関して、条件は、アクティブPDPコンテキストのためのQoSトラフィッククラスが対話型またはストリーミングであることであり得る。他の可能性として考えられる基準は、以下等の優先レベルに関連し得る。
・優先順クラスにおける「高優先度」および/または「通常優先度」対「低優先度」
・データベアラの無線優先度における「優先度1」(最高)および/または「優先度2」対「優先度3」
【0070】
図7は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション1のための第2の例示的方法700を図示する、フローチャートである。方法700は、アプリケーションが、例えば、ATコマンドを使用して、無線カバレッジ条件についてモデムに問い合わせる、ブロック702から開始される。ブロック702は、アプリケーションが、無線カバレッジ条件変化の非請求型応答を受信するためにモデムにサブスクライブまたは登録する場合に随意である。ブロック704では、アプリケーションは、無線カバレッジ条件の情報を受信する。ブロック706では、受信された情報に基づいて、アプリケーションは、アップリンクデータを送信することに制限を適用することができる。例えば、アプリケーションは、モデムまたはデバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3であり、データが非緊急デバイス場所情報に関連する場合に、アップリンクデータを送信しないことを決定することができる。
【0071】
図8は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション2のための第3の例示的方法800を図示する、フローチャートである。方法800は、アプリケーションが、命令の中で規定される条件に従って、将来のアップリンクデータを送信することに制限を適用するようにモデムに命令する、ブロック802から開始される。ブロック804では、モデムは、命令に従ってアップリンクデータ伝送に制限を適用する。例えば、アプリケーションは、モデム/デバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3であり、データが非緊急デバイス場所情報に関連する場合に、アップリンクデータに伝送制限を適用するようにモデムに命令する。故に、モデムは、モデム/デバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3であり、データが非緊急デバイス場所情報に関連する場合に、アップリンクデータを送信しない。
【0072】
ある場合には、異なるアプリケーションは、異なるアップリンクデータを制御し、異なるアプリケーションが相反する命令を送信するというシナリオは、起こる可能性が低い。しかしながら、これが起こる場合、いくつかの規則が、全体的決定のために定義されることができる。例えば、
・時間内に受信される最新の命令が、モデムに適用されることができる、または
・ある優先順制御が、命令内に導入されることができる。例えば、数字が、アプリケーションからモデムへの各命令に割り当てられることができる。対立の場合、最高数字を伴う命令が、適用される。いくつかのデフォルト値が、使用されることができる。
・いくつかの所定の規則が、モデムに適用されることができる。例えば、条件のセットを用いた伝送制限を使用しないアプリケーションによって送信されるデータは、同一の条件のセットを用いた伝送制限を使用するアプリケーションによって送信されることを防止されることができない。
【0073】
図16は、いくつかの実装による、ソリューション2を有効にするためのATコマンドの第2の例示的記述を示す。新しいATコマンドが、データが命令とともに送信されない命令を搬送するように、アプリケーションからモデムに導入されることができる。
図16は、新しいATコマンド+CEUDRを含むための3GPP TS 27.007への例示的変更(変更は下線付きである)を示す。表5は、新しいATコマンド+CEUDRを示す。
【表5】
新しいATコマンド+CEUDRは、任意の命令を含むことができる。例えば、3GPP TS 27.007は、命令がCEレベル/カバレッジクラスおよび伝送制限のための所定のタイマに関連する場合に、新しいATコマンド+CEUDRのための以下の記述を含むことができる。
記述
設定コマンドが、アップリンクデータ制限に従って動作するようにMTを設定するために使用される。
読取コマンドが、TEによって設定される使用設定を返す。
試験コマンドが、サポートされたMT設定についての情報を要求するために使用される。
定義された値
<setting>:整数型;MTのためのアップリンクデータ制限を示す。デフォルト値は、製造業者特有である。
0 送信されることを可能にされたソケットポート0のためのアップリンクデータ
1 以下である場合に送信されることを可能にされたソケットポート0のためのアップリンクデータ:
E-UTRANまたはNB-IoT:
-デバイスがカバレッジ強化(CE)レベル0である、または
-デバイスがカバレッジ強化(CE)レベル1、2、または(E-UTRANのみに適用可能である)3であり、データが最後の1時間にわたって伝送されなかった
注記1:3GPP TS 36.331が、カバレッジ強化レベルを規定する。
EC-GSM-IoT:
-デバイスがカバレッジクラスCC1である、または
-デバイスがカバレッジクラスCC2、CC3、CC4、または(適用可能である場合)CC5であり、データが最後の1時間にわたって伝送されなかった
注記2:3GPP TS 43.064が、カバレッジクラスを規定する。
実装
随意である。
【0074】
待機時間の持続時間および/または試行の数に基づく、モバイル発信データ伝送を控えるための付加的または代替的条件
【0075】
代替として、または組み合わせて、ソリューション1および2における伝送制限は、閾値を超える持続時間および/または試行の数に基づくことができる。閾値は、下記で議論されるように、所定または構成可能であり得る。換言すると、1つ以上の具体的メッセージまたはデータを送信することを控えることは、所定の持続時間および/または具体的な数のメッセージに適用されるであろう。例えば、アプリケーションが、デバイスが強化カバレッジ状態であることに起因して、アップリンクメッセージを送信することを控えた後、メッセージが、例えば、所定の閾値を超える持続時間にわたって、送信されることを防止された場合に、これは、控えることを取り消し得る(すなわち、メッセージを再び送信する)。別の実施例として、アプリケーションは、デバイスが強化カバレッジ状態である場合に、データを送信することを控えるようにモデムに命令することができる。ある待機時間が満了した後、アプリケーションは、データが無線カバレッジ条件に関して無条件に送信されるであろうことを示す、別の命令を送信することができる。
【0076】
ある場合には、アップリンクメッセージが繰り返し送信される(例えば、場所情報を周期的に送信する)場合、デバイスは、デバイスが強化カバレッジ状態である(例えば、デバイスが1つ以上の具体的強化カバレッジレベル/モードである)場合に具体的な数のメッセージのためのアップリンクメッセージを送信すること、または送信機会を控えることができる。具体的な数のアップリンクメッセージが送信されることを控えられた、または具体的な数の送信機会が使用されることを控えられた後、デバイスが依然として強化カバレッジ状態であり、アップリンク伝送のために余剰バッテリ電力を使用する場合であっても、デバイスは、1つのアップリンクメッセージを送信することができる。アップリンクメッセージをトリガするアプリケーションに応じて、送信されていないデータコンテンツは、伝送制限が取り消されるときに、後で送信されることができる、またはデータコンテンツは、撤回されることができる(例えば、ある持続時間後に古くなる場所情報)。
【0077】
デバイス場所/速度に基づく、モバイル発信データ伝送を控えるための付加的または代替的条件
【0078】
ソリューション1および2のための付加的または代替的条件として、アプリケーションは、デバイスが移動している場合に1つ以上の具体的メッセージまたはデータを送信することを控えることができる。例えば、アプリケーション(ソリューション1)またはモデム(ソリューション2)が、デバイスが強化カバレッジ状態であることに起因して、アップリンクデータの伝送を保留した後、伝送制限は、デバイスが移動を止める、または少なくともある持続時間の間に移動を止める場合に、取り消されることができる。例えば、場所情報を送信する場合において、ネットワークが、デバイスが静止した状態になったことおよびその場所を把握することが、有用であり得る。したがって、「アップリンクデータを送信しないこと」の例外が、デバイスが静止した状態になるときに認められることができ、アップリンクデータ(例えば、1つのメッセージ)が、これが強化カバレッジ状態で余剰バッテリを使用するであろう場合であっても送信されることができる。ある場合には、「アップリンクデータを送信しないこと」の例外が、デバイスがある持続時間を上回って静止したままであるときに、認められることができる。換言すると、伝送制限は、例えば、一時停止標識において、トラックが停止し、次いで、即時に再始動する場合に、取り消されなくてもよい。
【0079】
別の実施例に関して、デバイスが強化カバレッジ状態であるとき、(例えば、GPS等の場所センサからの場所情報、またはデバイスのセル識別、ルーティングエリア、または追跡エリア識別、またはネットワークによって把握される任意の他の識別された地理的ゾーンに基づいて)大型トラックが、例えば、町の中の危険なエリアと関連付けられる所定のエリアに進入している場合に、アップリンクデータ(例えば、場所または緊急情報)の送信を可能にすることが、有益であり得る。換言すると、デバイスは、デバイスが強化カバレッジ状態であり、デバイスが危険なエリアにない場合に、アップリンクメッセージを送信することを控える。ある場合には、アプリケーションが場所情報を使用するとき、アプリケーションサーバが、デバイスが静止した状態になったことおよびその場所を把握することが、有益であり得る。伝送制限は、デバイスが静止した状態になるときに取り消されることができ、限定量のアップリンクデータ(例えば、1つのアップリンクメッセージ)が、これが強化カバレッジ状態で余剰バッテリを使用するであろう場合であっても送信されることができる。例えば、1つのアップリンクメッセージが送信された後、アップリンクメッセージの送信は、たとえデバイスが依然として静止していても、再び防止されることができる。
【0080】
ある場合には、アプリケーションが、(例えば、アプリケーションがモデムにクエリを行った最後の時間に基づいて)デバイスが事前に強化カバレッジ状態であったことを把握する場合、かつアプリケーションが、(例えば、加速度計の読取を介して)デバイスが移動していないことを把握する場合、アプリケーションが、デバイスが依然として強化カバレッジ状態であることを把握するため、アプリケーションは、非重要イベントが起こる場合に、強化カバレッジモード/レベルを査定する、または問い合わせるためにモデムをウェイクアップしなくてもよい。換言すると、アプリケーションは、モデムにクエリを行うことを控えることができる。モデムが強化カバレッジレベルを査定することを回避することは、これがデバイス/モデム内のいくつかの電子コンポーネントのスイッチを入れることを回避するため、さらなるバッテリを節約することができる。
【0081】
図9は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するためのソリューション1を図示する、第2のフロー
図900である。フロー
図900は、デバイスにおけるアプリケーション202、モデム204、および場所センサまたは加速度計902を含む。モデム204は、デバイスのための無線カバレッジ条件の知識を有する。アプリケーション202は、無線カバレッジ条件の情報またはステータスに関してクエリ206をモデム204に送信し、モデム204からステータスレポート208を受信することができる。アプリケーション202はまた、クエリ908を場所センサまたは加速度計902に送信し、場所および/または速度情報を含む、応答910を受信することができる。ステータスレポート208および応答910に基づいて、アプリケーション202は、アップリンクデータを送信するかどうかを決定する。例えば、アプリケーション202は、強化カバレッジレベルが1、2、または3であり、デバイスが移動している場合に、アップリンクデータを伝送しないことを決定することができる。アプリケーション202とモデム204との間、およびアプリケーション202と場所センサまたは加速度計902との間のクエリ/ステータス相互作用は、任意の順序で(すなわち、最初に、場所センサまたは加速度計902に、次いで、モデム204に、または反対に、クエリを行う)、または同時に起こり得ることに留意されたい。
【0082】
ソリューション2に関して、モデム自体が、デバイス場所/速度情報を取得してもよく、場所センサまたは加速度計にクエリを行う必要がない。例えば、モデムは、モデムにおいて受信されたGPS信号を分析すること、基地局からの受信された無線信号を分析すること、またはセル識別等の無線セルラー方法を使用することによって、場所/速度情報を取得することができる。いくつかの実装では、
図4に示されるように、アプリケーションは、命令および関連データをモデムに送信することができ、命令は、「(1)モデムが強化カバレッジ状態ではない場合、または(2)モデムが強化カバレッジ状態であり、デバイスが移動していない場合に、本データを送信する」であり得る。データおよび命令を受信した後、場所/速度情報に基づいて、モデムは、それに応じて、伝送制限を適用することができる。
【0083】
バッテリレベルに基づいて、モバイル発信データ伝送を控えるための付加的または代替的条件
【0084】
ソリューション1および2のための付加的または代替的条件は、バッテリレベルに基づくことができる。例えば、ソリューション1に関して、アプリケーションは、バッテリレベルが第1の閾値を下回る、および/または第2の閾値を上回る場合に、強化カバレッジ状態で具体的アップリンクデータを送信することを控えるであろう。閾値は、百分率であり得、例えば、100%は、バッテリが完全に満杯であることを意味し、0%は、バッテリが使用可能ではないことを意味する。
【0085】
バッテリレベルが第1の閾値を上回る場合に、強化カバレッジ状態でデータ(またはあるタイプ/関連性のデータ)を送信するための理由は、対応するデータを伝送することがシステムの観点から有益であり、バッテリ寿命を危険にさらさないであろう(例えば、バッテリレベルが、再充電/交換され得るまで持続するために十分と見なされる)ためである。一方で、バッテリレベルが第1の閾値を下回る場合、対応するデータを送信せず、最も関連するまたは最重要データを送信するためのバッテリ電力を保つことが、好ましくあり得る。
【0086】
バッテリレベルが第2の閾値を下回る場合、強化カバレッジ状態でデータを送信するための理由は、関連/重要アップリンクデータを送信する最終的機会を使用することが、好ましくあり得るためである。例えば、デバイスバッテリが短い時間枠で充電が切れようとしているとき、デバイスが、例えば、「私はここに位置し、私のバッテリは切れかかっています」を示す、場所メッセージをネットワークに送信することが好ましくあり得る一方で、場所メッセージは、バッテリが第2の閾値を上回る場合に送信されないであろう。
【0087】
図10は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するためのソリューション1を図示する、第3のフロー
図1000である。フロー
図1000は、デバイスにおけるアプリケーション202、モデム204、およびオペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサ1002を含む。例えば、デバイスインターフェースは、マンマシンインターフェース(MMI)であり得る。モデム204は、デバイスのための無線カバレッジ条件の知識を有する。アプリケーション202は、無線カバレッジ条件の情報またはステータスに関してクエリ206をモデム204に送信し、モデム204からステータスレポート208を受信することができる。アプリケーション202はまた、クエリ1008をオペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサ1002に送信し、バッテリレベルまたはバッテリステータスについての情報を含む、応答1010を受信することができる。ステータスレポート208および応答1010に基づいて、アプリケーション202は、アップリンクデータを送信するかどうかを決定する。例えば、アプリケーション202は、強化カバレッジレベルが1、2、または3であり、バッテリレベルが第1の閾値を下回り、かつ第2の閾値を上回る場合に、アップリンクデータを伝送しないことを決定することができる。アプリケーション202とモデム204との間、およびアプリケーション202とオペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサ1002との間のクエリ/ステータス相互作用は、任意の順序で(すなわち、最初に、オペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサ1002に、次いで、モデム204に、または反対に、クエリを行う)、または同時に起こり得ることに留意されたい。
【0088】
ソリューション2に関して、アプリケーションは、命令および関連データをモデムに送信することができる。例えば、命令は、「(1)モデムが強化カバレッジ状態ではない場合、または(2)モデムが強化カバレッジ状態であり、バッテリレベルが80%を上回る、または5%を下回る場合に、本データを送信する」であり得る。モデムは、バッテリレベル情報に関して、クエリを、オペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサに送信することができる。オペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサからのバッテリレベル情報、およびアプリケーションからの命令に基づいて、モデムは、それに応じて、伝送制限を適用するであろう。
【0089】
オペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサへのクエリは、1つ以上のバッテリ閾値を含むことができる。例えば、クエリは、「バッテリレベルが5%を下回る」または「バッテリレベルを提供する」であり得る。オペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサからの応答は、1つ以上のバッテリ閾値に関するステータス、例えば、バッテリレベルが第1の閾値を下回るかどうか、またはバッテリレベルが第2の閾値を上回るかどうかを含むことができる。応答はまた、絶対バッテリレベル、例えば、電圧、電流、または電荷(クーロン単位)レベルを含むこともできる。
【0090】
デバイスが電力供給源に差し込まれているかどうかに基づいて、モバイル発信データ伝送を控えるための付加的または代替的条件
【0091】
ソリューション1および2のための付加的または代替的条件は、デバイスが電力供給源に差し込まれているかどうかに基づくことができる。例えば、ソリューション1に関して、アプリケーションは、デバイスが電源コンセントに差し込まれていない場合に、強化カバレッジ状態でアップリンクデータを送信することを控えるであろう。換言すると、強化カバレッジ状態時のデバイスは、デバイスが、電力消費量があまり問題にならなくなる、電源コンセントに差し込まれている場合に、アップリンクデータを送信するであろう。バッテリレベルにクエリを行うことと同様に、アプリケーションまたはモデムは、デバイスが電力供給源に差し込まれているかどうか、オペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサにクエリを行うことができる。
【0092】
ある場合には、強化カバレッジ状態時の伝送制限は、無線カバレッジ条件、データタイプ、QoS、所定の時間周期、所定の試行数、デバイス場所/速度、バッテリレベル、および/またはデバイスが電力供給源に差し込まれているかどうかの組み合わせに基づいて、適用されることができる。
【0093】
図11は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション1のための第3の例示的方法1100を図示する、フローチャートである。方法1100は、無線カバレッジ情報、デバイス速度情報、バッテリレベル、デバイスが電力供給源に差し込まれているかどうか、および所定の時間周期に基づいて、伝送制限を適用する。方法1100は、アプリケーションが、例えば、ATコマンドを使用して、無線カバレッジ条件についてモデムに問い合わせ、デバイスの速度について場所センサまたは加速度計に問い合わせ、バッテリレベルおよびデバイスが電力供給源に差し込まれているかどうかに関して、オペレーティングシステム、デバイスインターフェース、またはバッテリセンサに問い合わせる、ブロック1102から開始される。ブロック1102は、アプリケーションがすでに情報を有している場合は随意である。ブロック1104では、アプリケーションは、無線カバレッジ条件、バッテリレベル、場所/速度情報、およびデバイスが電力供給源に差し込まれているかどうかの情報を受信する。ブロック1106では、受信された情報に基づいて、アプリケーションは、アップリンクデータを送信することに制限を適用する。例えば、アプリケーションは、データが非緊急場所情報に関連する、モデムまたはデバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3である、デバイスが移動している(またはデバイスが移動しておらず、1つのメッセージが現在の場所においてすでに送信されている)、デバイスが電力供給源に差し込まれていない、およびバッテリレベルが1つの閾値を上回り、かつ別の閾値を下回る場合に、1時間にわたってアップリンクデータを送信しないことを決定することができる。
【0094】
図12は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション2のための第4の例示的方法1200を図示する、フローチャートである。方法1200は、無線カバレッジ条件、デバイス速度、および所定の時間周期に基づいて、伝送制限を適用する。方法1200は、アプリケーションが具体的データをモデムに送信し、命令の中で規定される条件に従って、本データを送信することに制限を適用するようにモデムに命令する、ブロック1202から開始される。ブロック1204では、モデムは、命令に従ってデータに伝送制限を適用する。例えば、アプリケーションは、デバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3であり、デバイスが移動している場合に、1時間にわたってデータに伝送制限を適用するようにモデムに命令することができ、モデムは、それに応じて、伝送制限を適用するであろう。
【0095】
図13は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送を制御するソリューション2のための第5の例示的方法1300を図示する、フローチャートである。方法1200は、無線カバレッジ条件、デバイス速度、および所定の時間周期に基づいて、伝送制限を適用する。方法1300は、アプリケーションが、ポート0から着信する任意の将来のデータを送信することに制限を適用するようにモデムに命令する、ブロック1302から開始される。ブロック1304では、モデムは、命令に従ってポート0からのデータに伝送制限を適用する。例えば、アプリケーションは、デバイスが強化カバレッジレベル1、2、または3であり、デバイスが移動している場合に、1時間にわたってポート0からのデータに伝送制限を適用するようにモデムに命令することができ、モデムは、それに応じて、伝送制限を適用するであろう。
【0096】
いくつかの実装では、デバイス、デバイス上層、またはデバイス内のアプリケーションは、強化カバレッジ状態時の伝送制限が可能にされるかどうかに関して、構成されることができる。伝送制限が可能にされる場合、デバイスまたはアプリケーションはさらに、伝送制限の条件と関連付けられるパラメータを伴って構成されることができる。例えば、デバイスまたはアプリケーションは、伝送制限が可能にされるかどうか、伝送制限のための時間周期、伝送制限による影響を受けるデータタイプ、伝送制限と関連付けられるバッテリレベル等のパラメータを伴って構成されることができる。いくつかの実装では、ネットワークは、デバイスに強制的に伝送制限を適用させることができる。
【0097】
いくつかの方法が、ソリューション1および2において伝送制限を構成するために使用されることができる。第1の方法は、デバイスにおいて構成パラメータを事前定義することである。例えば、構成パラメータは、デバイス製造業者によって事前設定される、またはユーザインターフェースを通してデバイスのユーザによって設定されることができる。ある場合には、デバイスはまた、ネットワークから、いくつかのシグナリングパラメータに基づく伝送制限のための条件を導出してもよい。実施例として、デバイスは、トラフィックのQoSクラスまたはトラフィックが属する論理チャネルまたは無線ベアラ等に基づいて、条件を決定することができる。
【0098】
第2の方法は、デバイス動作が業界規格に準拠するであろうように、業界規格において構成パラメータを規定することである。例えば、3GPP規格は、「デバイスがカバレッジ強化(CE)レベル1、2、および3ではない場合のみ、アップリンクデータを伝送する」等の文を含むことによって、伝送制限のための条件を規定することができる。
【0099】
第3の方法は、ネットワークが構成パラメータをデバイスに送信することである。カバレッジが改良されるまでデータを伝送することを控えることは、トラフィックQoSに影響を及ぼし得、したがって、ネットワークは、所与のQoSを確実にすることに関与する。したがって、ネットワークが、条件の所与のセットが具体的トラフィック(またはQoS)クラスに属するデータを伝送するために使用され得るときを制御することを所望することが、可能性として考えられる。例えば、伝送制限は、いくつかのQoSクラスに適用されることができるが、他のQoSクラスには適用されない。ある場合には、伝送制限は、いくつかのアプリケーションに適用されることができるが、他のアプリケーションには適用されない。ネットワークは、デバイスにおける伝送制限機能性が制御され、ネットワークによって構成可能であるように、ダウンリンク制御メッセージの中で(またはシステム情報メッセージの中で)伝送制限に関連する構成パラメータを(例えば、ポイントツーポイントシグナリング、またはポイントツーマルチポイントブロードキャストシグナリング、または非アクセス層メッセージを介してアクセス層レベルにおいて)デバイスに送信してもよい。ネットワークはまた、USIMアプリケーションツールキット(USAT)アプリケーションまたはオープンモバイルアライアンス(OMA)デバイス管理(DM)を介して、構成パラメータを送信してもよい。例えば、ネットワークは、デバイスのための以下のパラメータを構成することができる。
・アップリンクデータ送信制限に関してバッテリレベルを考慮する(はい/いいえ)(すなわち、ネットワークは、デバイスがアップリンクデータ伝送制限に関してバッテリレベルを考慮するかどうか、デバイスを構成することができる)
・バッテリが90%未満に充電されている場合、アップリンクデータ送信制限を可能にする(はい/いいえ)
・バッテリが10%を上回って充電されている場合、アップリンクデータ送信制限を可能にする(はい/いいえ)
・アップリンクデータ送信制限に関して、デバイスが主要電源上に接続されているかどうかを考慮する(はい/いいえ)
・アップリンクデータ送信制限に関して、所定の場所エリアを使用する(はい/いいえ)
・アップリンクデータ送信制限に関して、定義された場所エリアのリストを使用する(はい/いいえ)
・アップリンクデータ送信制限が可能にされる(はい/いいえ)
・デバイスが強化カバレッジレベル3である場合に、アップリンクデータ送信制限が可能にされる(はい/いいえ)
・デバイスが強化カバレッジレベル2または3である場合に、アップリンクデータ送信制限が可能にされる(はい/いいえ)
・アップリンクデータ送信制限が、最大1時間にわたって可能にされる(はい/いいえ)
・アップリンクデータ送信制限が、3時間にわたる具体的アップリンクデータの最大保留を伴って可能にされる(はい/いいえ)
・アップリンクデータ送信制限が、最大5つのメッセージのための周期的場所情報報告に関して可能にされる(はい/いいえ)
・アップリンクデータ送信制限が、ある(示された)トラフィッククラス(またはQoSクラスまたは無線ベアラ/論理チャネル/論理チャネルグループ)にマッピングされたトラフィックに関して可能にされる
・アップリンクデータ送信制限が、ある(示された)トラフィッククラス(またはQoSクラスまたは無線ベアラ/論理チャネル/論理チャネルグループ)に関して可能にされない(すなわち、そのようなデータは、他の条件にかかわらず即時に送信されるべきである)
・所与のトラフィッククラスに関する最大遅延制限
【0100】
上記で議論されるように、ネットワークは、ダウンリンク制御メッセージの中で伝送制限に関連する構成パラメータを送信することができる。ダウンリンクメッセージは、例えば、LTE NB-IoT UEのためのLTE NAS層3プロトコル(3GPP TS 24.301参照)におけるメッセージを使用して、非アクセス層(NAS)レベルにあり得る。ある場合には、構成パラメータは、ネットワークからデバイスへの追跡エリア容認メッセージまたはアタッチ容認メッセージの中に追加されることができる。代替として、または加えて、構成パラメータは、ネットワーク内のパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイまたはサービス能力エクスポージャ機能(SCEF)からUEに向かって着信するダウンリンクメッセージを伴う、EPSベアラコンテキストアクティブ化プロシージャを使用して、プロトコル構成オプション(PCO)情報要素(IE)の中に追加されることができる。PCO IEを搬送し、PCO IEのコンテンツを強化した後に構成パラメータを含むために使用され得る、ダウンリンクメッセージを伴う他のプロシージャは、EPSベアラコンテキスト非アクティブ化プロシージャ、EPSベアラコンテキスト修正プロシージャ、PDNコネクティビティ拒否プロシージャ、ベアラリソース配分拒否プロシージャ、およびベアラリソース修正拒否プロシージャである。デフォルトEPSベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージ、専用EPSベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージ、ESM情報要求メッセージ、およびEPSベアラコンテキストを修正する要求メッセージ等のダウンリンクメッセージが、伝送制限のための構成パラメータを含むために使用されることができる。GSM(登録商標)に関して、3GPP TS 24.008内のメッセージが、代わりに、使用されることができる(例えば、ルーティングエリア容認メッセージまたはアタッチ容認メッセージ)。PCO IEは、ダウンリンクGSM(登録商標)メッセージ、例えば、PDPコンテキストをアクティブ化する容認メッセージ、二次PDPコンテキストをアクティブ化する拒否メッセージ、PDPコンテキストアクティブ化を要求するメッセージ、PDPコンテキストを修正する要求メッセージ、PDPコンテキストを修正する容認メッセージ、およびPDPコンテキストを修正する拒否メッセージの中で送信される際にも再び使用されることができる。
【0101】
図17は、いくつかの実装による、伝送制限のための構成情報を含む、例示的IEまたはフィールドを示す。IEまたはフィールド1700は、伝送制限構成パラメータをデバイスに送信するためのダウンリンクメッセージの中に含まれることができる。例えば、IEまたはフィールド1700は、以下の記述を含むことができる。
データ送信インジケーション値
アップリンクデータ制限が可能にされている(UDRA)
ビット
2 1
0 0 利用可能な情報がない
0 1 アップリンクデータ送信制限が可能にされていない
1 0 UEが強化カバレッジ1、2、または3である場合に、最大1時間にわたってアップリンクデータ送信制限が可能にされている
1 1 UEが強化カバレッジ1、2、または3である場合に、最大2時間にわたってアップリンクデータ送信制限が可能にされている
【0102】
図18A-18Dは、いくつかの実装による、アタッチ容認メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む第1の例示的記述を示す。
図18A-18Dは、伝送制限が無線カバレッジ条件および所定の時間周期に基づいて適用される、3GPP TS 24.301への例示的変更(変更は下線付きである)を示す。例えば、3GPP TS 24.301は、以下の記述(
図18Aにも示される)を含むことができる。
ATTACH ACCEPTメッセージがデータ送信インジケーションIEを含む場合、これは、アップリンクデータ送信制限およびその持続時間を適用することを可能にされるかどうかをUEに示す。
3GPP TS 24.301はまた、表6に示されるような(
図18Cにも示される)アタッチ容認メッセージの中でデータ送信インジケーションの新しいIEを含むこともできる。
【表6】
3GPP TS 24.301は、
図18C-18Dに示されるようなデータ送信インジケーションIEのための記述を含むことができる。
【0103】
図19は、いくつかの実装による、アタッチ容認メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む第2の例示的記述を示す。
図19は、伝送制限が、無線カバレッジ条件、所定の時間周期、バッテリレベル、デバイスが移動しているかどうか、およびデバイスが電力供給源に差し込まれているかどうかに基づいて、適用され得る、
図18A-18Dで議論されるIEデータ送信インジケーションのための記述を含む、3GPP TS 24.301への例示的変更(変更は下線付きである)を示す。
【0104】
図20A-20Hは、いくつかの実装による、デフォルトEPSベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージの中に伝送制限のための構成パラメータを含む例示的記述を示す。3GPP TS 24.301からの(
図20Cに示される)デフォルトEPSベアラコンテキストをアクティブ化する要求メッセージの中のIE拡張プロトコル構成オプションが、構成パラメータを含むために使用されることができる。拡張プロトコル構成オプションのコンテンツが、3GPP TS 24.008に規定されるため、
図20D-20Hは、3GPP TS 24.008への例示的変更(変更は下線付きである)を示す。例えば、
図20Gは、構成プロトコルが新しいパラメータリスト「0017H(アップリンクデータ制限インジケーション)」を含み得ることを示す。
図20G-20Hは、伝送制限が、無線カバレッジ条件、所定の時間周期、バッテリレベル、デバイスが移動しているかどうか、およびデバイスが電力供給源に差し込まれているかどうかに基づいて、適用され得る、アップリンクデータ制限インジケーションの新しいパラメータリストのための例示的記述を示す。
【0105】
代替として、または組み合わせて、他のダウンリンクメッセージが、伝送制限の構成パラメータをデバイスに送信するために使用されることができる。例えば、ポイントツーポイントシグナリングまたはポイントツーマルチポイントブロードキャストシグナリングを介したアクセス層レベルにおけるメッセージである。ある場合には、デバイスがRRCアイドルモードであるとき、SIBメッセージが、構成パラメータを含むために使用され得る。代替として、または加えて、デバイスがRRC接続モードであるとき、RRCConnectionSetup、RRCConnectionReconfiguration、またはRRCConnectionResumeメッセージ等のメッセージが、構成パラメータを含むために使用されることができる。
【0106】
図21は、いくつかの実装による、伝送制限の構成情報を含む、例示的RRC IEを示す。
図21は、新しいIEが含まれ得る、3GPP TS 36.331への例示的変更(変更は下線付きである)を示す。
図21は、伝送制限が、バッテリレベルおよび所定の時間周期に基づいて、ある論理チャネルに適用され得る、新しいIE UL-DataRestrictionsのための例示的記述を示す。IE UL-DataRestrictionsは、RRCメッセージの中に含まれ得る以下のRRC IE、すなわち、radioResourceConfigDedicated、radioResourceConfigCommon、またはSystemInformationBlockType2の中に含まれることができる。
【0107】
代替として、または組み合わせて、ホーム公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)のためのUSATアプリケーションのダウンリンクメッセージが、伝送制限の構成パラメータを送信するために使用されることができる。これは、(U)SIMの中に記憶され、3GPP TS 31.102に規定される、ファイルを更新することができる。これは、アプリケーションまたはデバイスを構成するために使用されることができる。
図14A-21および
図24A-24Bに示されるような類似コーディングが、使用されることができる。場合によってはGSM(登録商標)/GPRS/LTE以外のシステムまたは他の3GPPシステムに適用される、他のメッセージが、使用されることができる。ネットワークは、以下の側面でデバイス/アプリケーションに命令することができる。
・アップリンクメッセージの伝送を控えることが可能にされるかどうか
・控えるかどうかとしての妥当性条件(控えることを決定するために使用される持続時間および/またはメッセージの数)。例えば、デバイスは、例えば、具体的チャネルに関して、ネットワークによって構成される反復の数に匹敵するであろう、反復数閾値に基づいて、1つ以上のアップリンクメッセージを伝送しないように構成されてもよい。
・アップリンクメッセージを送信することを可能にする、またはしない、アップリンクメッセージと関連付けられるQoS。
・バッテリレベルの付加的条件が適用されるものとするかどうか。これが適用される場合、使用されるバッテリ閾値。
【0108】
図22は、いくつかの実装による、例示的ネットワークノード2200を図示する概略図である。図示されるネットワークノード2200は、処理モジュール2202と、有線通信サブシステム2204と、無線通信サブシステム2206とを含む。無線通信サブシステム2206は、デバイスからデータトラフィックおよび制御トラフィックを受信することができる。いくつかの実装では、無線通信サブシステム2206は、受信機と、伝送機とを含んでもよい。有線通信サブシステム2204は、バックホール接続を介して他のアクセスノードデバイスの間で制御情報を伝送および受信するように構成されることができる。処理モジュール2202は、本明細書に開示される実装のうちの1つ以上のものに関連して上記に説明されるプロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行することが可能な1つ以上の処理コンポーネント(代替として、「プロセッサ」または「中央処理ユニット」(CPU)と称される)を含むことができる。処理モジュール2202はまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、二次記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、または他の非一過性の記憶媒体)等の他の補助コンポーネントを含むこともできる。処理モジュール2202は、ある命令およびコマンドを実行し、有線通信サブシステム2204または無線通信サブシステム2206を使用して無線または有線通信を提供することができる。種々の他のコンポーネントもまた、ネットワークノード2200の中に含まれることができる。
【0109】
図23は、いくつかの実装による、例示的UEデバイス2300を図示する概略図である。例示的デバイス2300は、処理ユニット2302と、コンピュータ可読記憶媒体2304(例えば、ROMまたはフラッシュメモリ)と、無線通信サブシステム2306と、インターフェース2308と、I/Oインターフェース2310とを含む。処理ユニット2302は、本明細書に開示される実装のうちの1つ以上のものに関連して上記に説明されるプロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される、1つ以上の処理コンポーネント(代替として、「プロセッサ」または「中央処理ユニット」(CPU)と称される)を含むことができる。処理ユニット2302はまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)および読取専用メモリ(ROM)等の他の補助コンポーネントを含むこともできる。コンピュータ可読記憶媒体2304は、デバイス2300のオペレーティングシステム(OS)、および上記に説明されるプロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものを実施するための種々の他のコンピュータ実行可能ソフトウェアプログラムを記憶するように構成される、非一過性の媒体によって具現化されることができる。本明細書では、実行されると、ユーザ機器(UE)に本明細書に開示される方法に従って動作を実施させる命令を含有する、有形の非一過性コンピュータ可読媒体等のコンピュータ可読媒体が開示される。
【0110】
無線通信サブシステム2306は、処理ユニット2302によって提供されるデータ情報または制御情報のための無線通信を提供するように構成されてもよい。無線通信サブシステム2306は、例えば、1つ以上のアンテナ、受信機、伝送機、局所発振器、ミキサ、およびデジタル信号処理(DSP)ユニットを含むことができる。いくつかの実装では、サブシステム2306は、多重入出力(MIMO)伝送をサポートすることができる。いくつかの実装では、無線通信サブシステム2306内の受信機は、先進受信機または基準受信機であり得る。2つの受信機は、同じ、類似する、または異なる受信機処理アルゴリズムを用いて実装されることができる。
【0111】
ユーザインターフェース2308は、例えば、スクリーンまたはタッチスクリーン(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ディスプレイ(LED)、有機発光ディスプレイ(OLED)、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイ)、キーボードまたはキーパッド、トラックボール、スピーカ、およびマイクロホンのうちの1つ以上のものを含むことができる。I/Oインターフェース2310は、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースを含むことができる。当業者は、種々の他のコンポーネントもまた、例示的デバイス2300に含まれ得ることを容易に理解するであろう。
【0112】
類似プロセスがモバイル終端メッセージに適用され得ることが、当業者によって理解されるであろう。この場合、アプリケーションサーバまたはサービス能力サーバ(SCS)は、デバイスの無線カバレッジ条件を示す情報をセルラーネットワークから受信することができる。アプリケーションサーバまたはSCSは、次いで、本情報を使用し、セルラーネットワークに向かってモバイル終端メッセージを転送するかどうかを決定することができ、アップリンクケースに関して列挙されるもの等の類似基準を考慮することができる。基準は、例えば、データタイプ、QoSインジケータ、優先レベル、タイマ満了、カウンタ閾値、バッテリレベル、およびUEモビリティを含み得る。アプリケーションサーバまたはSCSは、種々の手段を通してネットワークから無線カバレッジ条件情報を受信し得、例えば、これは、各モバイル終端メッセージを送信することに先立ってネットワークにクエリを行い得る、またはこれは、無線カバレッジ条件に変更がある度にアプリケーションサーバまたはサービス能力サーバが通知されるように、セルラーネットワーク上にイベントを構成し得、本後者の場合、あるヒステリシスが、報告の中で適用され得る。これらのクエリおよびイベント構成は、アプリケーションサーバまたはサービス能力サーバ(SCS)とサービス能力エクスポージャ機能(SCEF)との間のシグナリングを使用して達成され得る[3GPP TS 23.682]。サービス能力エクスポージャ機能は、ひいては、T6aインターフェースを介してモビリティ管理エンティティ(MME)から、またはT6bインターフェースを介してサービングGPRSサポートノード(SGSN)から、デバイスの無線カバレッジ条件を示す情報を決定し得る。MMEは、ひいては、BTS、ノードB、または進化型ノードB(eNB)から、またはUEからのシグナリングを通して、無線カバレッジ条件を知らされ得る。無線カバレッジ条件についての最新の情報は、UEが接続モードになったときのみネットワーク内で利用可能であり得る。UEがアイドルモードで動作している周期の間に、セルラーネットワークは、場合によってはその情報が獲得されたときに対応するタイムスタンプとともに、最後に把握された無線カバレッジ条件を返すことのみ可能であり得る。
【0113】
動作は、特定の順序で図面に描写されるが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序または順番で実施されること、または全ての図示される動作が実施されることを要求するものとして理解されるべきではない。ある状況では、マルチタスキングおよび並列処理が、採用されてもよい。さらに、上記に説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実装においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、信号ソフトウェア製品にともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0114】
また、離散または別個として種々の実装に説明および図示される技法、システム、サブシステム、および方法は、他のシステム、モジュール、技法、または方法と組み合わせられる、または統合されてもよい。相互と結合される、または直接結合される、または通信するものとして示される、または議論される他のアイテムが、電気的、機械的、または別様にかかわらず、あるインターフェース、デバイス、または中間コンポーネントを通して間接的に結合される、または通信してもよい。変更、代用、および改変の他の実施例も、当業者によって解明可能であり、行われ得る。
【0115】
上記の発明を実施するための形態は、種々の実装に適用されるような本開示の基本的な新規の特徴を示し、説明し、指摘しているが、例証されるシステムの形態および詳細の種々の省略、代用、および変更が、当業者によって行われ得ることを理解されたい。加えて、方法ステップの順序は、それらが請求項に出現する順序によって含意されない。