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特許7116072連続する同種の送信信号の周波数変調を監視するレーダシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】連続する同種の送信信号の周波数変調を監視するレーダシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/40 20060101AFI20220802BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20220802BHJP
   G01S 13/34 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G01S7/40 108
G01S13/931
G01S13/34
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019545950
(86)(22)【出願日】2018-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 DE2018200036
(87)【国際公開番号】W WO2018202256
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】102017207604.6
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503355292
【氏名又は名称】コンティ テミック マイクロエレクトロニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Conti Temic microelectronic GmbH
【住所又は居所原語表記】Sieboldstrasse 19, D-90411 Nuernberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンターマンテル・マルクス
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/139306(WO,A1)
【文献】特開2008-298736(JP,A)
【文献】国際公開第2017/056287(WO,A1)
【文献】特開2014-062824(JP,A)
【文献】特開平10-213651(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0033538(US,A1)
【文献】国際公開第2015/188987(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/185058(WO,A1)
【文献】特表2012-522972(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102009016480(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42
G01S13/00-13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周辺を認識し、運転支援用および/または自律走行操作用の機能を実現するレーダシステム用の方法において、
‐制御可能または調整可能な発振器を用いて周波数変調を行うステップと、
‐連続するK(K>1)個の送信周波数が変調された送信信号を生成するステップであって、前記送信信号はそれぞれ、必要に応じて周波数位置の変動、つまり特に開始周波数したがって同等の中心周波数の変動を除いた、同一の所望の周波数プロファイルを有するステップと、
‐送信手段を用いて送信信号を放射するステップと、
‐受信手段を用いてオブジェクトにおいて反射した送信信号を受信するステップと、
‐前記送信信号の周波数変調を解析するステップと、
‐信号処理手段を用いて前記受信信号を特にオブジェクトを検出するために評価するステップと、を備え、
‐送信信号内の送信周波数の実際のプロファイル、または前記所望のプロファイルとの実際のプロファイルの偏差が絶対的または相対的算出されるのであって、
‐その場合、特に同種のプロファイルまたは偏差を正確に決定するために、前記K個の送信信号にわたって平均化が実施され、
‐平均化のために、送信信号ごとに、それぞれ前記送信信号の周波数プロファイルの情報を含み、好ましくはそれぞれアナログ信号の標本化またはフリーランカウンタの読み出しにより所定の時点で生成されている、離散時間信号が用いられ、
‐前記K個の送信信号の前記離散時間信号がその位相および/またはその初期値の位置に関して正規化されていなく
‐前記離散時間信号の評価中、明示的に正規化が実施されるか、または暗黙的にその位相および/またはその初期値の前記位置の影響が除去され、
‐このようにして算出された実際のプロファイルおよび/またはこのようにして算出された、周波数位置の前記所望のプロファイルとの実際のプロファイルの偏差および/またはそれに基づいて導出された、周波数変調の品質基準の偏差に応じて、前記発振器の制御の補正ならびに/または前記受信信号の評価の補正ならびに/または運転支援用および/または自律走行操作用の前記機能の調整が実施され、又は当該補正及び/又は当該調整の停止が実施され
前記個別送信信号の周波数変調のパラメータ、特に周波数位置および/または前記発振器の周波数プロファイルのパラメータが前記送信信号間で変更され、前記個別送信信号にわたって変化するような前記発振器の位相位置を前記送信信号の開始時に保証し、前記平均化時の同種のエラー影響を防止することを特徴とする、レーダシステム用の方法。
【請求項2】
送信周波数の実際のプロファイルの厳密な決定または前記所望のプロファイルとのその偏差に関する前記K個の送信信号の平均化が、
‐解析のために、前記送信信号に対してファクタがT>1の分周および/または周波数の混合により低減される信号が用いられ、
‐前記送信信号に関して生成された前記低周波信号が必要に応じてフィルタ処理後に標本化され、
‐前記送信信号に関して生成された前記被標本化信号が必要に応じてさらなるフィルタ処理後に少なくとも略位相正規化、つまり少なくとも略同一位相位置に位相偏移され、
‐前記位相被正規化信号が次いで合算され、
‐前記累積され必要に応じて予めさらにフィルタ処理された信号の位相プロファイルに基づいて実際の周波数プロファイルが決定される、請求項記載のレーダシステム用の方法。
【請求項3】
前記低周波被標本化信号が実数値である場合の位相正規化は、
‐前記低周波被標本化信号はそれぞれ少なくとも略その解析信号に、つまり正または負の周波数成分のみを有する複素数値信号に変換されるのであって、さらに、好ましくは、前記周波数被変調信号の中心周波数の略負または正の零点を有する1次のヒルベルトフィルタが用いられ、
‐前記解析信号に基づいてそれぞれ同様に値、例えば第1信号値または前記所望の周波数プロファイルが平均周波数をとる時点における信号値の共役複素数が決定され、
‐前記解析信号が前記値それぞれを用いて乗算される、
ことにより実現される、請求項に記載のレーダシステム用の方法。
【請求項4】
前記送信信号にわたり前記累積される信号またはそれに基づいて導出された信号がヒルベルトフィルタ処理により高精度でその解析信号に変換される、請求項に記載のレーダシステム用の方法。
【請求項5】
‐前記被放射送信信号の周波数が線形変調され、
‐オブジェクトにおける前記送信信号の反射による前記受信信号が、その周波数が現在の送信周波数に対応するかまたはそれと一定のファクタだけ異なる信号との混合により低周波領域に伝送され、
‐前記低周波受信信号が等距離ラスタにおいてN回標本化され、
‐前記N個の標本値に関して第1スペクトル解析が特に離散フーリエ変換の形態で構成され、これにより特にオブジェクトの距離測定と、複数のオブジェクトの同時認識の分離を実現することができる、請求項に記載のレーダシステム用の方法。
【請求項6】
‐前記送信信号内の非遅延そして時間Δt遅延する測定された実際の周波数プロファイルの差が構成され、
‐その周波数プロファイルが前記差に対応する信号が算出され、
‐前記信号に関して、スペクトルを生成する第2のスペクトル解析が特に離散フーリエ変換の形態で実施され、
‐その結果得られるスペクトルまたはその値が直接周波数変調の品質基準を導出するために用いられ、そして/または、
‐伝搬時間Δtに対応する距離rのオブジェクトの、前記所望の周波数位置における予想スペクトルとのスペクトルの偏差に基づいて品質基準が導出されるのであって、前記第1のスペクトル解析及び前記第2のスペクトル解析に対して同じ窓関数が用いられ、その結果得られるスペクトルが比較のために同一のレベルに関連付けられる、請求項に記載のレーダシステム用の方法。
【請求項7】
実際の周波数プロファイルと所望の周波数プロファイルとの差に関して、第3のスペクトル解析が特に離散フーリエ変換の形態で実施され、その結果得られるスペクトルまたはその値が直接またはファクタを用いて乗算した後に周波数変調の品質基準として用いられるのであって、前記ファクタが、推定オブジェクト距離に比例してよく、または、その偏角がオブジェクト距離に比例し、前記第3のスペクトル解析の前記周波数格子点それぞれに比例する正弦関数を含んでよい、請求項に記載のレーダシステム用の方法。
【請求項8】
算出された品質基準に基づいて、前記所望の周波数プロファイルとの実際の周波数プロファイルの偏差による検出が他の被検出オブジェクトに基づいて発生したかまたは発生した可能性があるかどうかが導出され、その場合前記検出が必要に応じてすべて除去されるか、または潜在的な仮検出として特徴づけられる、請求項またはに記載のレーダシステム用の方法。
【請求項9】
実際の周波数プロファイルの平均周波数勾配、または所望の周波数勾配とのその偏差が決定され、オブジェクトの距離を算出するために用いられる、請求項に記載のレーダシステム用の方法。
【請求項10】
実際の周波数プロファイルの中心周波数、または所望の中心周波数とのその偏差が決定され、オブジェクトの相対速度および/または角位置を算出するために用いられる、請求項に記載のレーダシステム用の方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実施するように構成されているレーダシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転支援システムに用いられるレーダシステムに関する。本レーダシステムは、本発明による、連続する同種の送信信号のその周波数変調を解析して監視する手段および方法を備える。周波数変調がその所望のプロファイルからあまりにも大幅に外れる場合、補正措置がとられるか、運転支援システムを部分的または完全に停止するかのどちらかである。
【背景技術】
【0002】
センサシステムを用いて周辺を認識し、認識された交通状況から乗物の自動反応を導出し、および/または運転者に指示し、特に警告する、運転支援システムを装備する車両が増えている。この場合、快適機能と安全機能は区別される。
【0003】
快適機能として、現在の開発ではFSRA(Full Speed Range Adaptive Cruise Control:全車速域アダプティブクルーズコントロール)が重要な役割を果たす。乗物は、交通状況が許す限り、自車速度を運転者により予め定められた所望の速度に基づいて制御し、もしそうでなければ、自車速度は自動的に交通状況に適合される。
【0004】
一方、安全機能には様々な形態がある。ここで、1つのグループは、緊急事態において制動距離または停止距離を低減する機能を構成する。対応する運転支援機能の範囲は、制動レイテンシを低減するための制動プレフィル(Prefill)から、改善された制動支援(BAS+)にわたり、自律緊急制動にまで至る。さらなるグループは、車線変更機能である。それらは、運転者が危険な車線変更を実施しようとする場合、つまり隣接車線の乗物が、死角に位置するか(BSD―「Blind Spot Detection:ブラインドスポット検出」)、後方から高速接近してくるか(LCA―「Lane Change Assist:車線変更支援」と呼ばれる)のどちらかの場合、運転者に警告するか、操舵に介入する。
【0005】
しかし近い将来、運転者がただ支援されるだけではなく、運転者のタスクはますます自律的に乗物自体により処理され、言い換えると、運転者はますます代理されることになる。自律走行のことである。
【0006】
上記のようなシステムには、レーダセンサがしばしば他の技術のセンサ、例えばカメラセンサと融合しても用いられる。レーダセンサは、不良な気象条件下でも確実に動作し、オブジェクトとの距離に加えて、直接的にドップラー効果に関するその動径相対速度も測定できるという有利な点を有する。ここで、送信周波数として24GHz、77GHzおよび79GHzが用いられる。
【0007】
そのようなシステムの機能的範囲および介入が大きくなってきていることから、確実性に関してセンサに対する要求が持続的に高まっている。レーダ画像は現実に対応する必要があり、言い換えると、オブジェクトの大きさ、特に距離、相対速度および角度が正確である必要があり、オブジェクトの見落としがなく、実際には全く存在しない、いわゆるゴーストオブジェクトを報知してはならない。
【0008】
レーダセンサの中心的要素は、距離と相対速度を測定可能にするための、送信周波数の変調である。ここで、最も一般的な変調方式は周波数変調、特に周波数の線形的変化であり、しばしば連続する同種の線形被変調送信信号が用いられる。誤った周波数変調(例えば個別の回路素子の故障もしくは機能不全により)、上記のエラー、つまりオブジェクトの大きさの誤測定、不検出オブジェクトそしてゴーストオブジェクトが発生する。これにより、レーダシステムを用いて実行された運転支援機能は機能エラーを有する可能性があり、緊急制動支援では例えばゴーストオブジェクトにより不当な緊急制動が作動される場合があり、その結果、後続する乗物による追突事故による深刻な結果、そして死亡事故にまで至る可能性がある。
【0009】
ドイツ特許出願公開第102016214808号公報には、各送信信号開始時に初期化され(つまりフリーランではない)、多数の個別の同種の送信信号に関する値が累積され、そのためにカウンタが各送信信号について新規初期化され、つまりフリーランではない周期カウンタに基づいて周波数変調を解析する構成および方法が記載されている。周波数変調がその所望のプロファイルからあまりにも大幅に外れる場合、補正措置がとられるか、運転支援システムを部分的または完全に停止するかのどちらかである。そこで提案される方法では、高周波のカウンタは実現するのが難しいか高コストであり(特に時間に正確な読み取り)、高電力消費である(その場合比較的カウンタ桁数が大きいことにも起因する)ことを考慮する必要がある。カウンタの周波数を低減するのに、周波数分周か周波数混合かのどちらかを上流で行うことができる。しかし上流で行われる分周には、分周比が上昇すると周波数解析の正確性が低下するという不利な点があり、上流で行われる混合は、高周波領域のさらなる信号を生成する必要があり、したがって大きなコストを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】ドイツ特許出願公開第102016214808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、ドイツ特許出願公開第102016214808号公報に記載の方法とは異なり、技術的な境界条件と実装技術の態様に基づいてより有利でありえるかまたは有利である、レーダシステム用の、連続する同種の送信信号の周波数変調を解析する構成および方法を提案することである。特に、大きな分周比を用いて動作できるか、カウンタの新規初期化を含まないかのどちらかである方法が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本課題は、請求項1~12に記載の方法またはレーダシステムを用いることで根本的に解決される。
【0013】
本発明の有利な点は、レーダシステムの周波数変調の監視が可能になることで、周波数変調がその所望のプロファイルからあまりにも大幅に外れる場合、補正措置をとるか、運転支援システムを部分的または完全に停止するかのどちらかが可能であることにより、運転支援システムの機能不全を回避できるという事実から見出される。
【0014】
本発明によると、車両の周辺を認識し、運転支援用および/または自律走行操作用の機能を実現するレーダシステム用の方法は、制御可能または調整可能な発振器を用いて周波数変調を行うステップと、連続するK(K>1)個の送信周波数が変調された送信信号を生成するステップであって、送信信号はそれぞれ、必要に応じて周波数位置の変動、つまり特に開始周波数したがって同等の中心周波数の変動を除いた、同一の所望の周波数プロファイルを有するステップと、送信手段を用いて送信信号を放射するステップと、受信手段を用いてオブジェクトにおいて反射した送信信号を受信するステップと、送信信号の周波数変調を解析するステップと、信号処理手段を用いて受信信号を特にオブジェクトを検出するために評価するステップと、を備え、送信信号内の送信周波数の実際のプロファイル、または所望のプロファイルとの実際のプロファイルの偏差が絶対的または相対的算出されるのであって、その場合、特に同種のプロファイルまたは偏差を正確に決定するために、K個の送信信号にわたって平均化が実施され、平均化のために、送信信号ごとに、それぞれ送信信号の周波数プロファイルの情報を含み、好ましくはそれぞれアナログ信号の標本化またはフリーランカウンタの読み出しにより所定の時点で生成されている、離散時間信号が用いられ、K個の送信信号の離散時間信号がその位相および/またはその初期値の位置に関して正規化されていなく、離散時間信号の評価中、明示的に正規化が実施されるか、または暗黙的にその位相および/またはその初期値の位置の影響が除去され、このようにして算出された実際のプロファイルおよび/またはこのようにして算出された、周波数位置の所望のプロファイルとの実際のプロファイルの偏差および/またはそれに基づいて導出された、周波数変調の品質基準の偏差に応じて、発振器の制御の補正ならびに/または受信信号の評価の補正ならびに/または運転支援用および/または自律走行操作用の機能の調整が実施され、又は当該補正及び/又は当該調整の停止が実施されることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、レーダシステム用の方法において、さらに、個別送信信号の周波数変調のパラメータ、特に周波数位置および/または発振器の周波数プロファイルのパラメータが送信信号間で変更されてよく、個別送信信号にわたって変化するような発振器の位相位置を送信信号の開始時に保証し、当該平均化時の同種のエラー影響を防止する。
【0016】
さらに好ましくは、レーダシステム用の方法において、送信周波数の実際のプロファイルの厳密な決定または所望のプロファイルとのその偏差に関するK個の送信信号の平均化が、解析のために、送信信号に対してファクタがT>1の分周および/または周波数の混合により低減される信号が用いられ、送信信号に関して生成された低周波信号が必要に応じてフィルタ処理後に標本化され、送信信号に関して生成された被標本化信号が必要に応じてさらなるフィルタ処理後に少なくとも略位相正規化、つまり少なくとも略同一位相位置に位相偏移され、位相被正規化信号が次いで合算され、累積され必要に応じて予めさらにフィルタ処理された信号の位相プロファイルに基づいて実際の周波数プロファイルが決定される。
【0017】
本発明の有利な形態においては、レーダシステム用の方法において、低周波被標本化信号が実数値である場合の位相正規化は、低周波被標本化信号はそれぞれ少なくとも略その解析信号に、つまり正または負の周波数成分のみを有する複素数値信号に変換されるのであって、さらに、好ましくは、周波数被変調信号の中心周波数の略負または正の零点を有する1次のヒルベルトフィルタが用いられ、解析信号に基づいてそれぞれ同様に値、例えば第1信号値または所望の周波数プロファイルが平均周波数をとる時点における信号値の共役複素数が決定され、解析信号が値それぞれを用いて乗算されることにより実現されてよい。
【0018】
さらに好ましくは、レーダシステム用の方法において、送信信号にわたり累積される信号またはそれに基づいて導出された信号がヒルベルトフィルタ処理により高精度でその解析信号に変換されてよい。
【0019】
さらに好ましくは、レーダシステム用の方法において、被放射送信信号の周波数が線形変調されてよく、オブジェクトにおける送信信号の反射による受信信号が、その周波数が現在の送信周波数に対応するかまたはそれと一定のファクタだけ異なる信号との混合により低周波領域に伝送され、低周波受信信号が等距離ラスタにおいてN回標本化され、N個の標本値に関して第1スペクトル解析が特に離散フーリエ変換の形態で構成され、これにより特にオブジェクトの距離測定と、複数のオブジェクトの同時認識の分離を実現することができる。
【0020】
本発明の有利な形態においては、レーダシステム用の方法において、送信信号内の非遅延そして時間Δt遅延する測定された実際の周波数プロファイルの差が構成されてよく、その周波数プロファイルが差に対応する信号が算出され、信号に関して、スペクトルを生成する第2のスペクトル解析が特に離散フーリエ変換の形態で実施され、その結果得られるスペクトルまたはその値が直接周波数変調の品質基準を導出するために用いられ、そして/または、伝搬時間Δtに対応する距離rのオブジェクトの、所望の周波数位置における予想スペクトルとのスペクトルの偏差に基づいて品質基準が導出されるのであって、当該第1のスペクトル解析及び当該第2のスペクトル解析に対して同じ窓関数が用いられ、その結果得られるスペクトルが比較のために同一のレベルに関連付けられる。
【0021】
さらに好ましくは、レーダシステム用の方法において、実際の周波数プロファイルと所望の周波数プロファイルとの差に関して、第3のスペクトル解析が特に離散フーリエ変換の形態で実施されてよく、その結果得られるスペクトルまたはその値が直接またはファクタを用いて乗算した後に周波数変調の品質基準として用いられてよいのであって、ファクタが、推定オブジェクト距離に比例してよく、または、その偏角がオブジェクト距離に比例し、当該第3のスペクトル解析の周波数格子点それぞれに比例する正弦関数を含んでよい。
【0022】
好ましくは、レーダシステム用の方法において、算出された品質基準に基づいて、所望の周波数プロファイルとの実際の周波数プロファイルの偏差による検出が他の被検出オブジェクトに基づいて発生したかまたは発生した可能性があるかどうかが導出されてよく、その場合検出が必要に応じてすべて除去されるか、または潜在的な仮検出として特徴づけられる。
【0023】
本発明の有利な形態においては、レーダシステム用の方法において、実際の周波数プロファイルの平均周波数勾配、または所望の周波数勾配とのその偏差が決定され、オブジェクトの距離を算出するために用いられてよい。
【0024】
さらに好ましくは、レーダシステム用の方法において、実際の周波数プロファイルの中心周波数、または所望の中心周波数とのその偏差が決定され、オブジェクトの相対速度および/または角位置を算出するために用いられてよい。
【0025】
本発明によると、レーダシステムは上記の好ましい形態による方法を実施するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、レーダシステムの例示の実施形態を示す図である。
図2図2は、いわゆる周波数ランプからなる送信信号および受信信号の周波数、ならびに送信アンテナおよび受信アンテナからなる、それぞれ使用されるアンテナ組み合わせを示す図である。
図3図3は、1次DFT前(左)および1次DFT後(右)の2つのオブジェクトが存在する場合の被標本化信号を示す図である。
図4図4は、オブジェクトがちょうど存在する距離ゲート4の、周波数ランプにわたって回転する複素スペクトル値を示す図である。
図5図5は、アンテナ組み合わせmに関して、2次DFT後の2次元複素スペクトルe(j、l、m)を概略的に示す図である。
図6図6は、個別アンテナと、大きく離間しセンサに対して静止しているオブジェクトとの間の方位角αAZ<0における異なる経路長を示す図である。
図7a図7aは、図1に記載の2つの送信アンテナと4つの受信アンテナを有する検討されるアンテナ構成と同等である、1つの送信アンテナと8つの受信アンテナを有するアンテナ構成を示す図である。
図7b図7bは、この同等のアンテナ構成に関して、個別アンテナと、大きく離間しセンサに対して静止しているオブジェクトとの間の異なる経路長を示す図である。
図8a図8aは、上記のアンテナ構成に関して、(センサに対して静止している)オブジェクトがちょうど存在する距離相対速度ゲート(9、0)の、アンテナ組み合わせにわたって回転する複素スペクトル値を示す図である。
図8b図8bは、3次DFT後の関連するスペクトルの値を示す図である。
図9図9は、3次元DFT前(左)のデータ構成と、その後(右)の3次元複素スペクトルw(j、l、n)を概略的に示す図である。
図10図10は、T=2048で分周された発振器信号の部分図(実線プロファイル)、フィルタ処理後にそれに基づいて得られる正弦状信号(破線プロファイル)およびその標本化後に生じる値(点で図示)を示す図である。
図11図11は、所望の周波数プロファイルに対してわずかに湾曲し、さらに周期的な外乱を含む実際のプロファイルに関する周波数位置エラーΔf(n)において、中心周波数と平均周波数勾配がその所望値に対応する、周波数位置エラーを示す図である。
図12a図12aは、対数グラフ(つまりdBあたり)において、実際の周波数プロファイルに関する距離スペクトルe(j)の値(実線)と、所望の周波数プロファイルにおいて、目標点に関して同距離r=45mかつ同振幅1で生じる距離スペクトルの値(破線)を示す図である。
図12b図12bは、これらの両距離スペクトルの相対的な差の値を示す図である。
図13図13は、25nsごとに読み出され、ランプ開始において正規化された、送信信号の周波数カウンタの値(図示の点)を示す図であり、破線で示されるのは予想される所望のプロファイルである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に概略的に示されるレーダシステムの例示の実施形態が記載される。レーダシステムは、送信信号を放射する2つの送信アンテナTX0およびTX1と、オブジェクトにおいて反射した送信信号を受信する4つの受信アンテナRX0~RX3を有する。アンテナは、平らな基板1.1上にプレーナ技術でパッチアンテナとして構成され、この基板は水平方向および垂直方向に関して乗物において図示のように方向付けられている。すべてのアンテナ(送信アンテナおよび受信アンテナ)はそれぞれ仰角および方位角が同じ放射特性を有する。4つの受信アンテナ(したがってその位相中心、つまり放射中心)はそれぞれ同じ横方向つまり水平方向の相互間隔d=λ/2=6.2mmを有し、λ=c/24,15GHz=12.4mmは放射される信号の平均波長である。両送信アンテナの水平方向の相互間隔は4倍の大きさ、つまり4d=2λである。
【0028】
マルチプレクサ1.3および1.4を介して、それぞれ両送信アンテナの1つおよび4つの受信アンテナの1つをそれぞれ選択できる。
【0029】
それぞれ選択される送信アンテナで放射される送信信号は、制御電圧V制御を介してその周波数が変化可能な24GHz帯の高周波発振器1.2から得られる。制御電圧は制御手段1.9において生成され、発振器の周波数プロファイルが所望の周波数変調に少なくとも略対応するように制御されるこの制御手段は、例えば位相同期回路またはデジタルアナログ変換回路を含む。発振器周波数プロファイルを解析するため、これが回路ブロック1.11で低減され(分周および/または混合による)、その結果得られる信号が回路ブロック1.12でデジタル化され、さらに下流においてデジタル化用の2つの異なる構成、つまり一方ではアナログデジタル変換回路および他方ではカウンタが図示され、発振器周波数に関するこのデジタル情報の評価は、デジタル信号処理ユニット1.10で行われる。
【0030】
それぞれ選択される受信アンテナにより受信される信号は、実数ミキサ1.5において、同様に発振器1.2の信号とともに低周波帯へと混合される。その後、受信信号は、図示の伝達関数を有するバンドパスフィルタ1.6、増幅器1.7およびアナログ/デジタル変換回路1.8を通り、続いてデジタル信号処理ユニット1.10でさらに処理される。
【0031】
オブジェクトの距離を測定可能とするため、図2に示すように、高周波発振器したがって送信信号の周波数は、非常に速やかに線形に変化され(8μsで187.5MHz)、この場合は周波数ランプに関する。周波数ランプは周期的に反復され(10μsごと)、合計ですべて同一の所望の周波数プロファイルを有する2048個の周波数ランプがある。周波数ランプにわたって、2つの送信アンテナと4つの受信アンテナから成る8つの組み合わせが、TX0/RX0、TX0/RX1、TX0/RX2、TX0/RX3、TX1/RX0、TX1/RX1、TX1/RX2およびTX1/RX3の順序で周期的に反復され、各周波数ランプの前でそれぞれ次の組み合わせが選択される。図2において、kは各アンテナ組み合わせに対して2048/8=256個の周波数ランプについての制御変数であり、m=4・mTX+mRXは8つのアンテナ組み合わせTXmTX/RXmRXについての制御変数である。
【0032】
個別の点状のオブジェクトの受信信号は、混合後、したがって各周波数ランプおよび8つのアンテナ組み合わせそれぞれのためのA/D変換回路においても、正弦振動である。これは図2を用いて以下のように説明できる。オブジェクトがレーダシステムに対して動径相対速度0を有する場合、被送信信号と被受信信号の周波数差Δfは一定であり、この場合、信号伝搬時間Δtに比例し、したがって動径距離r=c・Δt/2に比例し、ここでcは光速度であり、ファクタ1/2は伝搬時間Δtが波の往復に関係することを考慮しており、周波数差Δfは、上記構成ではΔf=2r/c・187.5MHz/8μs=r・156.250kHz/mとなる。被受信信号は発振器周波数、したがって送信周波数と実数値で混合されるので、ミキサの後、周波数Δfを有する正弦振動が生じる。この周波数はMHz帯にあり、動径相対速度が消失しない場合さらにドップラー周波数だけ偏移されるが、ドップラー周波数はkHz帯にのみ位置するため、周波数成分に対してオブジェクト距離により略無視可能である。複数のオブジェクトがあると、受信信号は異なる周波数の複数の正弦振動の重ね合わせである。
【0033】
各周波数ランプ中、受信信号はA/D変換回路で256回それぞれ25nsの間隔(したがって40MHz)で標本化され(図2参照)、標本化はつねにランプ開始に対して同じ時点で開始する。図2から明らかなように、信号標本化は、オブジェクトの受信信号が意義のある距離範囲に達する時間領域においてのみ有意義であり、よってランプ開始後少なくとも最大に意義のある距離に対応する伝搬時間を待たねばならない(最大に意義のある99mの距離では、これは0.66μsに対応する)。ここで、そして以下において、距離とは動径距離として理解されることに注意されたい。
【0034】
そして、各周波数ランプの256個の標本値にわたって、離散形フーリエ変換(DFT)が高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)の形態で構成される。そこにより異なる周波数を生じる異なる距離にあるオブジェクトを分離することができ(図3参照、左は2つのオブジェクトが存在する場合のDFT前の信号s(i,k,m)、右はDFTの結果の値|e(j,k,m)|)、ここで、kはアンテナ組み合わせあたりの周波数ランプについての制御変数であり、mは8つのアンテナ組み合わせTXmTX/RXmRXについての制御変数である。DFTの離散周波数格子点jのそれぞれは距離rに対応し、したがってパルスレーダと同様に距離ゲートとも称することができる。上記構成では、距離ゲートはちょうど1つの間隔、したがって1メートルの幅Δrを有する(Δr・156.250kHz/m=1/(6,4μs)から得られる)。オブジェクトが存在する距離ゲートにおいて、DFTに出力ピークが生じる。被標本化受信信号は実数値であり(このときDFTの上半分には対称性ゆえさらなる情報はない)、図1のアナログバンドパスフィルタ1.6の上部遷移域は8.75MHzの周波数帯域幅を有するため(56個の周波数格子点の領域に対応する)、256個の離散周波数格子点のうち100個のみがさらに処理可能である(フィルタの任意に狭い遷移域は実現可能ではないことに注意されたい。)フィルタ1.6は低周波数、したがって近いオブジェクトの受信信号を減衰して、増幅器1.7およびA/D変換回路1.8の過制御を回避する(アンテナで受信される信号は、オブジェクト間隔が小さくなると強くなる)。
【0035】
256個の周波数ランプ(k=0,1,・・・,255)にわたって、各距離ゲートj(つまり100個の上記周波数格子点のそれぞれ)について8つのアンテナ組み合わせ(m=0,1,・・・7)のそれぞれに複素スペクトル値e(j,k,m)が生じる。1つの距離ゲートに対応する距離にちょうど1つのオブジェクトがある場合、この距離ゲートjで複素スペクトル値が、8つのアンテナ組み合わせm=0,1,・・・7それぞれの256個の周波数ランプにわたってドップラー周波数とともに回転するのは、周波数ランプから周波数ランプへと距離(mm領域又はそれ以下)したがって対応する振動の位相位置が均一に変化するからである(図4参照。図示の周波数ランプごとの45°の位相変化はオブジェクトのλ/(8・2)=0.78mmのオブジェクトの距離減少に対応し、波長はλ=c/24.15GHz=12.4mmであり、ここで分母のファクタ2は波の往復を考慮しており、これに基づいて動径相対速度v相対=0.78mm/80μs=35km/hが得られ、動径相対速度の正符号は離隔と定義される)。同じ距離ゲートで異なる動径相対速度を有する複数のオブジェクトは、256個の周波数ランプに生じる複素スペクトル値に関する各アンテナ組み合わせと各距離ゲートについて、2次DFTが算出されることにより、分離される。この2次DFTの各離散周波数格子点Iは、1組のドップラー周波数に対応し(ドップラー周波数の標本化のため、それはその標本化周波数の未知の整数倍までに限り決定可能である)、それによりオブジェクトの1組の動径相対速度vrelに対応するので、2次DFTの離散周波数格子点を相対速度ゲートと称することができ、動径相対速度について、以下用語簡略化のため、「動径」の付記が省略される。相対速度の一義性範囲は2・v相対,EB・80μs=12.4mmからv相対,EB=280km/hとなる。よって、相対速度ゲートlに相対速度v相対=(l/256+p)・280km/hが割り当てられ、ここでpは整数である。
【0036】
2次DFTは相対速度を算出するのに役立つだけでなく、その積分により検出感度も、256個の周波数ランプでは約10・log10(256)=24dBだけ向上させる。
【0037】
相対速度についての2次DFT後、各アンテナ組み合わせmについて2次元複素スペクトルv(j,l,m)が生じ、ここで個々のセルは距離相対速度ゲートと称することができ、オブジェクトにより、出力ピークがそれぞれ対応する距離相対速度ゲートに生じる(図5参照)。
【0038】
最後に、さらに8つのアンテナ組み合わせに基づく情報が融合される。両送信アンテナに由来し個々の点状オブジェクトにおいて反射した波が、異なる位相位置を有する方位角αAzに応じて4つの受信アンテナに到達するのは、オブジェクトと送信アンテナおよび受信アンテナとの間の距離がわずかに異なるためである。これらは以下詳細に説明されるが、ここで上記オブジェクトはまずセンサに対して静止しており、つまり相対速度0を有する。図6では、直立投影図において、アンテナの位相中心、および大きく離間しセンサに対して静止しているオブジェクトとの間の方位角αAZ<0(正のαAzは基板面に対
する垂直面の右を意味する)および仰角αEl=0(基板面に対する垂直面に平行である)における放射経路が示され、オブジェクトは、放射経路が平行であると仮定できるほど大きく離間しており、つまりオブジェクトはアンテナ構成の遠隔領域にある。送信アンテナTXmTXからオブジェクトまで、そして受信アンテナRXmRXまで戻る、アンテナ組み合わせm=4・mTX+mRXの経路長r(m)は次式である:
r(m)=2・rRP + sin(-αAz)・(a+mTX・4d+a+d/2+mRX・d)=2・rRP + sin(-αAz)・(2a+d/2+m・d)
ここで、rRPはアンテナ基板上の基準点RPからオブジェクトまでの経路長、aは基準点と送信アンテナTX0との水平方向の間隔である。この関係式から、間隔がアンテナ組み合わせの数mとともに線形に変化することがわかる。(2a+d/2+m・d)の値はアンテナ組み合わせmのいわゆる相対位相中心の、基準点RPとの水平方向の間隔を示し、対応する送信アンテナおよび受信アンテナの、基準点との水平方向の間隔からなる和である(送信アンテナと受信アンテナの組み合わせの相対位相中心は、ここでは、基準点から送信アンテナおよび受信アンテナの位相中心への両方のベクトルの和と定義される)。
【0039】
アンテナ組み合わせm=0,1,・・・,7の受信波とアンテナ組み合わせm=0の受信波との位相差φ(m)-φ(0)は、異なる経路長r(m)に基づいて次式
φ(m)-φ(0)=-2π/λ・[r(m)- r(0)]
= -2π/λ・[2・rRP + sin(-αAz)・(2a+d/2+m・d)-2・rRP -sin(-αAz)・(2a+d/2+0・d)]
=-2π/λ・sin(-αAz)・d・m=2π/λ・sin(αAz)・d・m
により得られ、したがって同様にアンテナ組み合わせの数mとともに線形に変化する。異なるアンテナ組み合わせで受信される信号の振幅が一定なのは、すべてのアンテナは同一の放射特性を有し、アンテナの、大きく離間したオブジェクトとの間隔は、レベルを考慮するには無視できるほどわずかにしか異ならないからである。
【0040】
直ちに明らかなように、図7bの直立投影図を有する図7aに記載のアンテナ構成について、図1の上記構成とまさに同じ関係が、経路長r(m)および位相差φ(m)-φ(0)について得られ、図7aの構成は1つのみの送信アンテナTX0と8つの等距離受信アンテナRX0~RX7を有し、ここでのアンテナ組み合わせm=mRXは送信アンテナと受信アンテナRXmRXで構成される。アンテナ組み合わせの同一の個別アンテナおよび同一の位相関係から、両アンテナ構成は角度測定性能に関して同等である。しかし、上記図1の構成は、図7aの従来の構成と比較して略半分の水平方向の大きさしか有さないことにより、センサの大きさを著しく減少することができるという利点を有する。
【0041】
8つのアンテナ組み合わせmについて線形に増加又は減少し方位角に依存する位相差φ(m)-φ(0)は、場合によって一定、したがって補償可能な位相偏移(例えば異なる配線長さに起因する)を除いて、2次DFTの後まで維持され、距離相対速度ゲート(j,l)に1つのオブジェクトしか存在しない場合、8つのアンテナ組み合わせm=0,1,・・・,7のそこでの複素スペクトル値v(j,l,m)は、一定の、方位角に依存する回転速度(例として図8a参照)で回転する。よって、各距離相対速度ゲートにおいて、方位角方向についてデジタルビームフォーミングを実施できる。さらに、線形に変化する位相を有する1組の複素ファクタを用いてそれぞれ乗算される、8つのアンテナ組み合わせに関する複素数値の和を形成し、各ファクタ組の線形位相変化に応じて、異なる放射方向を有する放射ローブが結果として得られる。これらの放射ローブの放射幅は、個別アンテナの放射幅よりも著しく小さい。上記加算は16点DFTにより実現され、ここでは8つのアンテナ組み合わせの8つの値は8つの0により補足される。このDFTの離散周波数値n=0.1,・・・,15は、隣接するアンテナ組み合わせ間の異なる位相差Δφ=φ(m)-φ(m-1)=2π・mod(n,16)/16に対応し(mod(n,16)はここでは対称性剰余演算、つまり領域-8…+8の写像)、したがって異なる位相角αAz=arcsin(Δφ・λ/(2πd))=arcsin(n・λ/(16d))に対応し、よって角度ゲートと称することができる。図8bには、方位角αAz=14.5°での点状オブジェクトに関する(π/4に相当する45°の隣接するアンテナ組み合わせ間の図示の位相差にn=2が対応し、d=λ/2においてαAz=arcsin(π/4)=14.5°)、図8aの関係についての3次DFTのスペクトルのプロファイルw(j,l,n)が数値で示される。3次DFTは方位角を算出するのに役立つだけでなく、その積分により検出感度も、8つのアンテナ組み合わせでは約10・log10(8)=9dBだけ向上させる。
【0042】
以上では方位角を決定するために、オブジェクトが相対速度0を有すると仮定した。そうでない場合、2つの間でそれぞれ40μsだけ時間的にずれて動作される送信アンテナについての受信信号間の位相は、またさらに、以下において一定と仮定する相対速度に比例して変化するのは、距離がこの時間中にそれぞれわずかに変化するからである。それぞれ3次DFTが1つの距離相対速度ゲート、したがって特定の相対速度に属しているため、8つのアンテナ組み合わせについての相対速度により生成される線形位相変化を、3次DFTの前又は後に補償することができる。DFTの前の補償の際は複素入力値の位相を偏移し、DFTの後の補償の際は出力値に属する離散周波数値nを変化させる必要がある。相対速度の上記多義性のため、この補償は多義性相対速度に用いられる仮定に応じて異なる方位角を生じる。
【0043】
方位角用のこの3次DFT(アンテナ組み合わせについての相対速度により生成される線形位相変化の補償を含む)の後、3次元複素スペクトルw(j,l,n)が得られ、ここで、個々のセルを距離相対速度角度ゲートと称することができ、オブジェクトにより出力ピークがそれぞれ対応する距離相対速度角度ゲートに生じる(図9参照。左は3次元DFT前のデータ構成、右はその後のデータ構成)。
【0044】
したがって、出力ピークを決定することにより、オブジェクトを検出し、その尺度、つまり距離、相対速度(場合によって存在する多義性を除く。上記参照)および方位角(相対速度の各多義性仮定に対応する値。図9参照)を算出できる。出力ピークはDFTの窓掛けにより隣接セルにもさらにレベルを有するため、オブジェクト尺度をこのレベルに応じた補間によりゲート幅よりも大幅に正確に求めることができる。一方では、出力ピークが幅広になりすぎず(十分なオブジェクト分離のため)、他方でも、窓スペクトルのサイドローブが高くなりすぎないように(強く反射するオブジェクトが存在する際に弱く反射するオブジェクトも認識できるように)、3つのDFTの窓関数が選択されることに注意されたい。出力ピークの高さに基づいて、第4のオブジェクト尺度として、オブジェクトがレーダ波をどの強さで反射するかを示す、その反射断面をさらに評価することができる。各システムに存在する雑音により(例えば熱雑音により)、3次元DFT後、オブジェクト反射が受信されなくても若干の出力レベルが生じ、統計的影響により若干の尺度において異なるこの雑音レベルは検出能力の物理的下限を意味する。その上側で出力ピークに基づいてオブジェクトが構成される検出閾値は、平均雑音より約12dB高く設定される。
【0045】
以上では、主に、一定の動径相対速度を有し水平方向に移動しない点状オブジェクト(つまり幅にも長さにも広がりを有さない)が検討された。ここで、出力ピークは3次元フーリエ変換後には「鋭く」、その形状は速度、距離および角度という3つのオブジェクト値の位置に移される、窓関数の3次元離散フーリエ変換に対応し、速度、距離および角度のそれぞれ次元の1つに関して出力ピークの形状は、各オブジェクト値に移される、各窓関数の1次元離散フーリエ変換である。上記条件が該当しないオブジェクトは、3次元フーリエ変換後に「ぼやけた」出力ピークを有する。
【0046】
上述のオブジェクト検出と対応するオブジェクト尺度の決定は、測定サイクルを表し、そして周辺の瞬時画像を提供し、これは約40msごとのサイクルで反復される。周辺状況を判断するために、瞬時画像が連続するサイクルにわたって追跡され、フィルタ処理され、評価される。その理由は特に:
いくつかの値は直接1つのサイクルで決定できるのではなく、連続するサイクルにわたる変化に基づくことのみにより決定でき(例えば縦方向の加速度と横方向の速度)、
オブジェクトの動きは複数のサイクルにわたってプロージビリティチェックされ、その結果一層ロバストで確実な周辺記述が得られ、こうして例えば連続するサイクルにわたって生じる(動径)距離の変化が、測定される(動径)相対速度に合致することになり、それにより周辺記述における冗長性したがってさらなる確実性が得られ、
複数のサイクルにわたる時間のフィルタ処理により測定雑音を減少させるからである。
【0047】
連続するサイクルにわたるオブジェクト検出の追跡およびフィルタ処理は、トラッキングとも称される。ここで、各オブジェクトについて、現在のサイクルのトラッキングされるオブジェクト尺度に基づいて、次のサイクルの値が予想される。この予想は、次のサイクルにおいてスナップショットとして検出されるオブジェクトとそのオブジェクト尺度と比較され、これらを互いに合致するように割り当てる。そして、同じオブジェクトに属する予想されたオブジェクト尺度と測定されたオブジェクト尺度とが融合され、その結果、こうして連続するサイクルにわたってフィルタ処理される値を示す、現在のトラッキングされたオブジェクト尺度が得られる。1つのサイクルにおいて決定されるオブジェクト尺度が一義的決定できない場合、トラッキングにおいて異なる仮定が考慮される。トラッキングされるオブジェクトおよび関連してトラッキングされるオブジェクト尺度に基づいて、各運転支援機能用の周辺状況が解析および解釈され、それに基づいて、対応する動作を導く。
【0048】
以上では、一定の動径相対速度を有し水平方向に移動しない点状オブジェクトについて、3次元フーリエ変換後に「鋭い」出力ピークが得られることが記載され、その形状は速度、距離および角度という3つのオブジェクト値の位置に移される、窓関数の3次元離散フーリエ変換に対応し、速度、距離および角度のそれぞれ次元の1つに関して出力ピークの形状は、この場合、各オブジェクト値に移される、各窓関数の1次元離散フーリエ変換である。しかし、このことは理想回路、特に理想アンテナと理想周波数変調のみにしか該当しない。実際に、例えば熱雑音などの物理的雑音の影響、または熱的または電気的な過渡応答、または、量子化に起因する(例えば、発振器の制御電圧を直接生成する、または位相同期回路つまりPLLの制御設定用デジタルアナログ変換回路の最終的な分解能に起因する)デジタル回路およびデジタルアナログ変換の最終的な正確性を理由に、周波数変調は完全であることは決してない。そのような内在的な誤差に加えて、理想的でない回路により、個別の回路素子の故障もしくは機能不全に起因して、さらに周波数変調の大幅に大きな誤差に至る可能性がある。
【0049】
以下、連続する送信信号(つまり周波数ランプ)に関して同種である、つまり、すべての周波数ランプに関して送信信号内の送信周波数の実際のプロファイルの、所望のプロファイルとの同種の偏差である、周波数変調の誤差のみが検討される。
【0050】
そのような誤差を含む周波数位置により、点状オブジェクトにおいても相対速度次元の出力ピークがぼやけるか、またはばらばらになる結果、誤差を含む測定相対速度、より大きなオブジェクトによるより小さなオブジェクトの遮蔽そしてゴーストオブジェクトの発生に至ることがある。これにより、レーダシステムを用いて実装された運転支援機能は機能エラーを有する可能性があり、緊急制動支援では例えばゴーストオブジェクトにより不当な緊急制動が作動される場合があり、その結果、後続する乗物による追突事故による深刻な結果、そして死亡事故にまで至る可能性がある。
【0051】
よって、周波数変調の品質が持続的に監視され、発生する誤差が補正されるか、運転支援機能を必要に応じて停止するかのどちらかであることが重要である。
【0052】
周波数変調の監視を実現するため、以下においてまず、発振器信号が、図1の回路ブロック1.11でファクタT=2048の分周により周波数において低減され、その後回路ブロック1.12で実数値のアナログデジタル変換回路によりサンプリングレートf=40MHzでデジタル化される場合を検討する。
【0053】
ファクタT=2048の分周後、その周波数が(24.15GHz±187.5/2)/2048=11.8MHz±45.8kHzの領域にある信号が得られ、発振器周波数が一定の線形勾配と一定の周波数位置(つまり一定の開始周波数としたがって中心周波数)を有する図1のその所望のプロファイルに対応する限り、各周波数ランプにおいて分周された信号の周波数が下値から上値へと、つまり91.6kHzだけ線形変化し、周波数ランプの開始時点をそれぞれt=0と定義する場合、8つのアンテナ組み合わせ(m=0,1,…,7)のそれぞれのK=256の周波数ランプ(k=0,1,…,K-1)のそれぞれにおいて、分周された周波数に以下が適用される:
(t,k,m)=fTM+b・(t-4μs)= fTS+b・t 0≦t≦8μsのとき
ここでfTM=11.8MHz、 fTS=11.75MHzおよびb=91.6kHz/8μs
【0054】
一般に、分周器の出力信号は矩形プロファイルを有し、図10に部分図が示される(実線プロファイル)。正弦状プロファイルを達成するために、この信号は、矩形信号の高調波を抑制するローパスを用いてフィルタ処理され(高調波は基本周波数の奇数倍、つまり3・11.8MHz=35.4MHz,5・11.8MHz= 59MHz,…である)、さらに、ここで例えばその基本周波数が標本化周波数の半分、つまり20MHzである一般のアンチエイリアシングローパスを用いてよい。そのときに得られる正弦状信号は同様に図10に示される(破線プロファイル)。この正弦状信号s(t,k,m)の位相プロファイルφ(t,k,m)は、分周された周波数f(t,k,m)の積分により得られ、以下が適用される:
(t,k,m)=A・cos(φ(t,k,m))
ここでφ(t,k,m)=2π・[fTS・t + b/2・t]+φ(k,m),
ここでφ(k,m)は各ランプ開始時(つまりt=0)の位相を表し、一般に周波数ランプから周波数ランプへと変化し、Aは信号の振幅である。
【0055】
正弦状信号s(t,k,m)を25nsの間隔で標本化後(サンプリングレートf=40MHz)、同様に図10に示される値が得られ、標本化された信号には以下が適用される:
TA(n,k,m)=A・cos(2π・[fTS/f・n+b/2/f ・n] +φ(k,m)).
【0056】
この合計K=2048個の信号(周波数ランプあたり1信号)は、デジタル形態でデジタル信号処理ユニット1.10においてさらに処理され、そこから周波数位置の品質を決定するが、このことは以下に記載する。
【0057】
標本化され分周された信号sTA(n,k,m)の上記関係は、理想的な場合、つまり周波数の実際のプロファイルが線形の所望のプロファイルに対応し、信号に雑音が重ね合わされていないことを表している。しかし実際には周波数は、特に、システム的、つまりすべての周波数ランプについて同様の(例えばPLLの過渡効果または周波数生成のための制御設定または調整設定の生成における誤差による)誤差f(t)を有する。標本化され分周された信号において、これにより位相誤差φTE(n)が生じ、以下のように周波数誤差f(n)と関連する:
(n)=T/(2π)・[φTE(n)-φTE(n-1)]・f
さらに、実信号sTA(n,k,m)も、例えば発振器の位相雑音とA/D変換回路での量子化により発生する雑音成分r(n,k,m)を有する。よって、合計で得られる実信号sTA(n,k,m)は:
TA(n,k,m)=A・cos(2π・[fTS/f・n+b/2/f ・n]+φ(k,m)+φTE(n))+r(n,k,m),
ここで0≦n≦8μs・f,つまり0≦n≦320。
【0058】
雑音成分r(n,k,m)は振幅Aを有する有効な成分よりも大幅に小さい振幅を有するが、一般には非常に大きいため、1つの周波数ランプの信号sTA(n,k,m)から位相誤差φTE(n)、したがって周波数誤差f(n)を十分厳密に決定することはできない。したがって、多くの周波数ランプの平均化が必要であり、それにより雑音成分を十分良好に平均化できる。つまり、単純に信号sTA(n,k,m)を直接平均化する(つまり各標本化時点nについて平均値を構成する)場合、一般にランダムに割り当てられた、変化する開始位相φ(k,m)を理由に信号も平均化され、つまり相互に広範囲にわたって消去されるため、周波数誤差評価の改善は達成されない。
【0059】
平均化が肯定的な効果を奏するのは、そのために少なくとも部分的に信号sTA(n,k,m)を正しい位相で累積する場合、言い換えると、信号を予めまず位相について正規化、つまり略同一の位相位置に偏移する場合である。そのために、実数値の信号sTA(n,k,m)はまずその対応する複素数値の信号、つまりその解析信号sTAC(n,k,m)に変換する:
【0060】
【数1】
の解析信号であり、振幅Aを有する信号の有効な成分よりも大幅に小さい振幅を有し、
【0061】
【数2】
は虚数部を示す。解析信号は、すべての負の周波数を抑制し、一定の伝達ファクタ1を有するすべての正の周波数を通過させる、いわゆる理想的なヒルベルトフィルタを用いた複素数値のフィルタ処理により生じる。実数値のフィルタでは、負の周波数の阻止と正の周波数との間の無限に狭い遷移域が達成できない。しかし、このことは現在の信号sTAC(n,k,m)においても必要ではないのは、±fTM=±11.8MHzの狭い領域のみにおいて関係するスペクトル成分を有するからであり、よって周波数-fTM=-11.8MHzにおいて零点を有する1次の複素数値のフィルタを用いる第1ステップのフィルタ処理で十分である。このヒルベルトフィルタ処理の後、上記式の略解析信号sTAC(n,k,m)が得られ、ここで複素数値の雑音r(n,k,m)は負の周波数の成分も含むが、さらなる処理においては外乱とならない。
【0062】
位相正規化のために、各2048個の略解析信号を、それぞれその第1値(n=0における)の共役複素数で乗算すると、その結果:
【0063】
【数3】
ここでconj(・)は共役複素数値を意味する。雑音r(n,k,m)の振幅は信号振幅Aよりも大幅に小さいため、この関係式では最初の成分が優勢である中、さらなる成分は大幅にさらに小さい雑音を示すものであり、以下において雑音信号rCN(n,k,m)にまとめられる:
【0064】
【数4】
【0065】
この信号の有効な成分、つまり第1項は位相正規化により各ランプについて同一である。よって、この信号を2048個のランプすべてについて(k=0,1,…,K-1 およびm=0,1,…,7)加算すると、振幅の有効な成分は振幅がファクタ2048だけ、そして出力が2048だけ増加する一方、周波数ランプに関してランダムなつまり無相関の雑音について、出力はファクタ2048だけ増加し(振幅はファクタ45だけ)、それにより個別の周波数ランプのみを用いる場合よりも10・log10(2048)=33dBだけ良好な信号対雑音比を得る。
【0066】
ランプ数2048を用いた累積と除法により平均化された信号が得られる
【数5】
ここで、その出力が周波数ランプにおけるよりも平均してファクタ2048だけ小さい、平均化された信号rCM(n)は、第2式において振幅雑音a(n)および位相雑音φ(n)により示されている。測定と処理により算出された複素数値sTAM(n)の位相と既知のパラメータfTS、 bおよびfから位相プロファイル
φTEmess(n)=φTE(n)-φTE(0)+φ(n)
を求めることができる。この測定により決定される位相誤差を、位相誤差φTE(n)と周波数誤差f(n)の上記関連で用いる場合、測定により決定される位相誤差fEmess(n)を以下の関係式の値を求めることにより得る
Emess(n)=T/(2π)・[φTEmess(n)-φTEmess(n-1)]・f
測定された周波数誤差ΔfEmess(n)は、実際の周波数Δf(n)とは一般に小さい測定誤差分のみ異なる
EmessE(n)=T/(2π)・[φ(n)-φ(n-1)]・f
【0067】
平均化を複数のサイクルにわたって行うことで、この測定誤差をさらに低減することができる。このために、サイクルごとに得られる測定される周波数誤差を平均化してよいか、位相正規化された信号の平均化を複数のサイクルにわたって行うかのどちらかである。
【0068】
なお、位相は2πの整数倍までのみ厳密に決定でき、よってΔfEmessE(n)の決定は2πに関する剰余演算において実施され、周波数誤差の一義的に決定される領域はT・f「のみ」であり、しかしこれは本例では80GHzより大きく、したがって可能性がある誤差よりも大幅に大きい。
【0069】
以下、上記方法のいくつかの変形例を記載する:
上記関連から明らかなように、位相雑音φ(n)(例えばA/D変換回路の量子化雑音により生成される)は分周比Tだけ強くなる影響を測定誤差に与えるため、より大きい分周比は不利であり、混合による発振器信号の低減においてはこの問題は発生しないが、24GHz領域に第2信号を生成するのは高コストであるため、分周と混合の組み合わせも実装でき、このために、例えば発振器信号がまずファクタ64で約377MHzの領域で分周され、そして367MHzの固定周波数で混合されてよい、
位相正規化について、以上で用いられた第1値(n=0)以外の値、例えば周波数ランプの平均値を用いてよい、
平均化された信号の値sTAM(n)を求める前に、再びヒルベルトフィルタ処理を実施し、より厳密な解析有効信号を生成し、負の周波数の雑音成分を低減させてよく、なお、完全ではない解析信号は位相正規化についてわずかな影響しか有さない(わずかな均化誤差のみ)一方、周波数誤差f(n)の評価についてはより大きな影響を有し、
ヒルベルトフィルタ処理の係数は変化して選択してもよく、つまり各所望の周波数プロファイルに適合させてよく、例えば、零点が各所望周波数の負につねに位置するように、1次ヒルベルトフィルタにおいて係数を周波数ランプ内で変化させてよく、
上記では周波数誤差f(n)が8個のアンテナ組み合わせ(m=0,1,…,7)すべてについて同一であると想定されているが、例えば発振器周波数の負荷感度に起因して誤差はアンテナ組み合わせ間で異なる可能性もあり、その場合アンテナ組み合わせごとに各関連する256個の周波数ランプについて平均化とそれに続いて周波数誤差f(n,m)の決定が実施される。
【0070】
以下、上記のように決定される周波数誤差Δf(n)のさらなる処理について記載され(なお、測定された周波数誤差ΔfEmess(n)と実際の周波数誤差Δf(n)との間はもはや区別されないのは、十分厳密な決定が想定されているからである)、ここでは、周波数誤差がアンテナ組み合わせmに依存しない場合が検討されるが、考察は当然のことながらアンテナ組み合わせに依存する周波数誤差の場合に転用できる。周波数誤差Δf(n)は実際の周波数fist(n)の所望の周波数fsoll(n)とのシステムの偏差、つまりすべての周波数ランプについて同様の偏差、例えばPLLの過渡効果によるものを示す:
ist(n)=fsoll(n)+f(n) 0≦n≦320の場合
ここでfsoll(n)=f+b・(n/f-4μs)=f+b・n/f
ここでf=24.15GHz,f=24.06MHzおよびb=187.5MHz/8μs,
ここで期間8μsの周波数ランプの開始から終了までのサンプリングレートf=40MHzの離散時間指数nが存在する。受信信号の標本化は周波数ランプの後方6.4μs間に実施され、前方1.6μsは過渡効果(特に周波数生成におけるフィルタと受信経路による)と最大に意義のある距離に対応する伝搬時間(最大に意義のある99mの距離では0.66μs)のために必要とされる。最初の例えば20個の値(言い換えると最初の0.5μs)が周波数変調を評価するためには用いられないのは、そこでは周波数生成の過渡効果がまだ大きく、この周波数期間は実際には受信信号にまだ影響を与えないからである。
【0071】
発生する周波数誤差f(n)については、これらの周波数誤差を補償することが好ましい方法である。そのための1つの方法は、この周波数変調を生成する制御信号(発振器の制御電圧を直接生成する場合はデジタルアナログ変換回路を介したその制御値、またはPLLの場合は制御設定用信号)を対応して変化させることであり、反復して実施してもよい。別の方法は、周波数誤差f(n)を受信信号の評価において考慮することである。例えば、所望の設定に対してずれる、周波数ランプの(平均)勾配bは、距離ゲートの変化した長さにおいて影響を与え(上記導出を参照)、距離決定において対応して決定されてよく、周波数ランプの実際の勾配の算出は例えば実際の周波数プロファイルfist(n)についての線形回帰により実施できる。周波数ランプの中心周波数のその所望値との偏差は平均波長を変化させ、これにより算出されるオブジェクトの相対速度および角位置に影響を与え(導出については上記参照)、所望の中心周波数の代わりに実際の中心周波数を用いることで、誤差を回避できる。
【0072】
周波数誤差f(n)が補償できない場合、検出品質へのその影響がまだ許容範囲にあるか、つまり許容されない機能的な制限には至らないかどうかを評価し、そうでなければ、運転支援および/または自律走行操作用の関連する機能を制限するか、または停止する必要がある。
【0073】
特に決定的なのは、線形プロファイルとの偏差であり、例えばこれに関して、一定の所望のプロファイルに対して湾曲し、さらに周期的な外乱を有する、周波数位置の実際のプロファイルが検討され、ここでは中心周波数と平均周波数勾配がその所望値に対応しており、図11には対応する周波数誤差Δf(n)が示される。そのような偏差を評価するために、例えば線形回帰に関する最大値または標準偏差を求めてよい。しかし、これらの値は検出品質の劣化についての大まかなヒントを与えるに過ぎない。
【0074】
より厳密に評価するために、さらなる解析を実施する必要がある。第1の方法において、さらに実際の周波数プロファイルにおいて生じる、目標点の距離スペクトルを演算でき(つまり周波数ランプの受信信号の標本値に関する1次DFTの結果)、例えばここではr=45mの距離が用いられ、関連する伝搬時間はΔt=300μsである。受信信号の周波数は非遅延の実際の周波数プロファイルと時間Δt=300nsだけ遅延する実際の周波数プロファイルとの差として得られ、受信信号の位相はこの周波数差の積分を用いて得られ、そうして実数値の受信信号について以下を得る(周波数ランプの後方6.4μsそして同様にサンプリングレートf=40MHzを用いて得られ、振幅1を有する):s(i)=sin(2π・sum(fist(n)-fist(n-12),65,65+i)/f) 0≦i≦255の場合
ここでsum(g(n),u,o)は、連続g(n)をu≦n≦oについて加算したものであることを意味する。この信号のスペクトルe(j)はDFTにより得られ、周辺認識用の通常のデータ評価において窓関数w(i)が用いられる限り、ここでは同じ窓が用いられる(つまりDFTを適用する前に信号s(i)をw(i)で乗算する)。図11の周波数誤差f(n)について、図12aには、得られる距離スペクトルe(j)が数値で示され(実線、対数グラフ、つまりdBあたり)、ここで指数jは距離ゲートを示す。比較のため、図12aは、所望の周波数プロファイルにおいて目標点について同一距離、同一振幅1で、同一の窓関数を用いるときに生じる(破線)、距離スペクトルも示す。実際のプロファイルの湾曲により、小さい偏移に加えて目標点に関する出力ピークがj=45の周りで拡大することにより、例えば、大きい目標点の周辺のより小さい目標点がもはや検出不可能になる(それらが同一の相対速度および略同一の角度を有している場合に限られるのは、そうでなければそれらはこれらの尺度により分離可能だからである)。出力が「ぼやけて」幅広の出力ピークになることで、レベルも低減される結果、検出感度が低下し、これにより、さらに距離のある、より小さいオブジェクトが一般にもはや検出できなくなる。周波数位置の周期的な外乱により、さらなるより小さな出力ピークがj=29およびj=59で発生し、これが特に決定的であるのは、これにより実際のオブジェクトが、同一の相対速度を有する近くに位置するゴーストオブジェクトを生成する可能性があるからであり、それによって、例えば穏やかな制動の代わりに、遅いオブジェクトに関して強い緊急制動がかかる場合がある(なぜなら非常に近くで遅いゴーストオブジェクトが検出されるからである)。
【0075】
周波数変調の品質を評価するために、実際の周波数プロファイルに関して算出された距離スペクトルe(j)を例えば数値により限界曲線で検討でき、または、実際の周波数プロファイルと所望の周波数プロファイルとの距離スペクトルの差の値を限界曲線で検討してもよい。図12bでは、上記例の距離スペクトルの差の値が示され、ここで距離スペクトルが所望の周波数プロファイルの距離スペクトルの最大値を用いて正規化されてdB単位で示され、所望の周波数プロファイルの距離スペクトルの最大値を用いた正規化により、相対的な差の値についても扱うことになる。
【0076】
限界曲線での検討はバイナリの品質基準を示し(つまり良好または不良という2つの結果位置を用いる)、または、例えば、実際の周波数プロファイルと所望の周波数プロファイルとの距離スペクトルの最大相対差の値など、アナログの品質基準が定義されてもよい。
【0077】
以上検討した距離スペクトルは所定の距離r=45mの目標点に対応し、他の距離については、図12bに示される、実際の周波数プロファイルと所望の周波数プロファイルとの距離スペクトルの相対差の値に関して、他のプロファイルが生じるが、変化した距離による偏移された位置も除かれる。一般的な形では、実際の周波数プロファイルと所望の周波数プロファイルとの距離スペクトルの相対差の値はおおよそ誤差関数を用いて
E(j)=20・log10[|2π・sin(π・j/256・f・Δt)/(π・j/256・f)・F(j)/W|]
=20・log10[|2π・Δt・si(π・j/256・f・Δt)・F(j)/W|] 0≦j≦255の場合
と表され、ここでF(j)は65≦n≦320における周波数誤差f(n)のDFTを示し、この長さ256のDFTには再び窓関数wを用い、Wは256個の窓値の総和を表し、ここでは対数グラフ(つまりdBあたり)が示される。この誤差関数は位置に関して相対的、つまり目標点の距離ゲートに関して相対的であり、距離スペクトル間の実際の相対差の値を算出するために、誤差関数はしたがって目標点の距離ゲートに関して周期的に位置を変えられる。また、誤差関数は、他の距離ゲートの出力損失(つまり特に新たに生じるさらなる出力ピーク)により引き起こされる、出力ピークの小さな絶対的な減少も示していない。
【0078】
この誤差関数E(j)を再び限界曲線上で検討でき、またはその最大値を絶対品質基準として決定でき、この場合、オブジェクト距離rのみ、つまり伝搬時間Δt(例えば最大)を検討できるか、またはこの場合運転支援機能に関連する伝搬時間Δtすべてを考慮に入れるかのどちらかである。傾向として、ファクタΔtにより最大伝搬時間が最もクリティカルだが、DFTF(j)の設計に応じて、より短い伝搬時間でもまだ誤差関数E(j)のより大きな値になる。
【0079】
上記評価について、簡単にファクタsi(π・j/256・f・Δt)を省いてよいのは、この値は最大で1だからであり、関連する最大伝搬時間Δtのみを検討してよい。実際に、これは、ここでは周波数変調の品質を評価するために、周波数誤差f(n)のDFTF(j)の値の検討のみに対応する。
【0080】
なお、誤差関数E(j)は中心j=128に関して対称性を有するため、周波数変調の品質を評価するためにその値を求めるために、0≦j≦128の領域にある値のみを検討する必要がある。
【0081】
図11および図12の例では、周期的な周波数誤差によりさらなるより小さい出力ピークが実際のオブジェクトの周りで出現し、これが実際のオブジェクトと同一相対速度を有するゴーストオブジェクトを生じさせる可能性がある。そのような外乱の線がどれだけ高いかまたは高い可能性があるか、実際の周波数プロファイルの解析から知られる場合(例えば上述したような上記評価により)、外乱の線が誤った周波数変調により、同一相対速度の別の検出に基づいて出現したのか、または出現した可能性があるのかどうかを各検出について検査してよく、この検出をここでは必要に応じてすべて除去するか、または潜在的な仮検出として特徴付けてよい。
【0082】
以上の導出においては、すべての送信信号が同一の所望の周波数プロファイルを有する場合が検討された。しかし、周波数ランプの勾配が一定に設定されている一方、その周波数位置、つまりその開始周波数したがって同等のその中心周波数が意図的に送信信号にわたって変化される構成もある。この送信信号の互いに対する周波数偏移により、分周された信号の位相は線形成分だけ異なり、このことが2048個の送信信号についての信号sTAN(n,k,m)の累積において著しい影響を与える可能性がある(例えば(部分)消去も)。したがって、この変動する線形位相成分を、略解析信号sTAN(n,k,m)の累積前に除去する必要があり、これは回転ユニットポインタ
【0083】
【数6】
を用いて乗算することで実現可能であり、ここでΔf(k,m)は各中心周波数の例えばすべての中心周波数の平均値との偏差であり、これを、全ての信号sTAN(n,k,m)を同一の周波数位置にスペクトルシフトさせると解釈してもよい。
【0084】
以上の検討においては、実際の送信信号中の周波数変調が監視された(つまりその関連する受信信号を周辺認識のために評価される送信信号について)。分周された発振器信号のデジタル化のためのさらなるA/D変換回路を節減するために、このために、受信信号を標本化するために用いられるA/D変換回路を用いてもよい。しかし、この場合、周波数変調の監視は周辺認識と並行してはできず、つまり周波数変調の監視のみのために同一の周波数プロファイルを有するさらなる連続する送信信号を導入することになり、この場合、周波数変調の監視と周辺認識は、2つの互いに連続するブロックで配置されるか、互いにネスティングにより配置されるかのどちらかである、異なる周波数ランプでなされることになる。周波数変調の監視のために用いられるランプにおいて、送信出力をオフにしてもよい(出力を節約するためであり、これが周波数変調の誤差に影響を与えない限りにおいてである)。
【0085】
以上、周波数が低減された発振器信号をデジタル化するために、A/D変換回路が用いられる場合が検討されたが、その代わりに図1の回路ブロック1.12にカウンタを用いてよい。この場合、発振器信号は回路ブロック1.11でなおファクタT=4のみで分周される結果、中心周波数がf=6.04GHzに位置する。カウンタは分周された矩形信号の各ポジティブエッジにおいてその値を1だけインクリメントし、分周された信号の周期数もカウントする。カウンタは各周波数ランプの開始時に新規初期化されるのではなく、周波数ランプ間においてもたんに続けてさらにカウントし、つまりインターバルでの初期化を必要としないフリーランカウンタであってよい。
【0086】
8個のアンテナ組み合わせ(m=0,1,…,7)ごとのそれぞれ8μs持続するK=256個の周波数ランプ(k=0,1,…,K-1)の場合、カウンタは25nsごとに読み出され(つまり受信信号の標本化のように同一サイクルで)、読み出し時点は指数n=0,1,...,320により示され、読み出されるカウンタ値はz(n,k,m)で示される。絶対的に見てカウンタ値は周波数ランプごとに非常に異なるのは、カウンタ値が連続的なインクリメントによりつねにさらに増加するからである。正規化のために、カウンタ値はそれぞれその最初の値z(0,k,m)に関係付けられ、つまりこの値はそれぞれ除算される:
(n,k,m)=z(n,k,m)-z(0,k,m) n=0,1,...,320の場合;
したがって、各周波数ランプにおいて略同一のプロファイルが存在し、なお、他の値においてでも、例えば周波数ランプの平均において正規化できることに注意されたい。図13は周波数ランプkおよびアンテナ組み合わせmについての正規化されたカウンタ値z(n,k,m)のプロファイルを示す。破線で示されるのは、線形周波数変調による放物線の一部を表す、期待される所望のプロファイルであり(正規化されたカウンタ値は、ランプ開始時に開始する積分により線形信号周波数について得られ、したがって直交成分を有する、信号位相に比例する)、なお、図中の所望のプロファイルの湾曲は誇張して示されていることに注意されたい。図13の点は測定され正規化されたカウンタ値z(n,k,m)を示す。
【0087】
図13に誇張して示される、所望のプロファイルとの偏差はとりわけ、カウンタが略整数の周期へと概数にすることによって生じ、カウンタは分周された矩形信号のポジティブエッジのみをカウントする。つまりランプ開始と読み出し時点nとの間に、例えば1210.5個の分周された信号の周期がある場合、正規化されたカウンタ値は1210または1211のどちらかの値を有し、ランプ開始と次のポジティブエッジとの間に2分の1周期よりも大きいか小さい周期が位置するかどうかに依存する。つまり誤差は±2分の1周期あり、それぞれ50%の確率であり、標準偏差もここでは2分の1周期である。カウンタの開始時点と読み出し時点nとの間に1210.25個の周期しかない場合、75%の確率で1210個の周期が測定され、25%の確率で1211個の周期であり、標準偏差はこの場合は0.43周期となる。開始時点と第2読み出し時点との間にちょうど1210個の周期がある場合、つねに正しい値が測定され、標準偏差は0である。測定誤差はつまり最大で±1周期であり、異なる信号周波数に関して分布は三角形状で最大値が誤差0にあるため、標準偏差は1/√6周期である。
【0088】
まず、周波数評価について周波数ランプから出発して記載する(以下ではそのようにして記載されないこともある)。正規化されたカウンタ値z(n,k,m)からランプ開始と検討される各時点(ランプ開始後n・25ns)との間の分周された信号の平均周波数を評価でき、そこでは正規化されたカウンタ値を関連する期間n・25nsで除算し、発振器の周波数としたがって送信周波数はファクタT=4だけ(つまり分周比だけ)大きくなる。最大で±1周期の誤差はここでは分周された信号に関しては±1/(n・25ns)の周波数誤差に対応し、したがって送信信号に関しては±4/(n・25ns)の周波数誤差に対応する。この関係が同様に当てはまるのは、2つの異なる時点(指数nおよびn)間の正規化されたカウンタ値の差により、これらの2つの時点間の平均周波数が決定される場合であり、送信信号に関する最大周波数誤差はこの場合、±4/((n-n)・25ns)である。例えば250nsだけ離間する2つの時点について、最大誤差は16MHz、標準偏差は16MHz/√6=6.5MHzであり、標準偏差は、周波数変調を特徴付けるために、連続する期間を周波数ランプにわたって検討し、異なる期間に異なる周波数としたがって異なる誤差分散が対応することを考慮している。
【0089】
周波数変調の解析、つまり送信信号内の周波数プロファイルとってこの誤差は大きすぎるのは、ずっとより小さい実際のプロファイルの所望のプロファイルとの偏差が周辺認識における受け入れ難い誤差を生じさせる可能性があるからであり、したがって発見されないままであるかもしれないからである。
【0090】
2048個の周波数ランプすべてについて平均化することで、周波数変調のシステムの、つまりすべてのランプについて同種の誤差を大幅により厳密に決定できる。さらに、正規化されたカウンタ値z(n,k,m)を各nについて2048個の周波数ランプすべてについて累積し、このようにして累積され正規化されたカウンタ値z(n,k,m)を得る。指数nおよびnの2つの時点間の平均周波数は、すべての周波数ランプについて平均化され、(Z(n)-Z(n))/((n-n)・25ns)・4/2048となる。ランプ開始時に存在する分周された信号の位相は一般に周波数ランプについて変動するため、整数周期のカウントによる上記カウンタ値z(n,k,m)の誤差も変動する。ランプ開始位相の略ランダムな変動において、誤差は、上記確率でそれぞれの両値を採用し、増加する周波数ランプ数を用いた平均化においては、統計的に見てつねにより小さくなる(カウンタの量子化誤差はほぼつねにさらに平均化される)。これにより、誤差の標準偏差はファクタ√2048=45だけより小さくなり、例えば250nsだけ離間する2つの時点については、この場合、標準偏差は144kHzになる。
【0091】
この測定正確性とともに、すでに非常に良好に周波数変調の線形性を検査できる。複数のレーダサイクルについてこのようにして決定された周波数プロファイルまたは周波数誤差を平均化することで、さらに高い正確性を達成することができる。
【0092】
したがって、多くの周波数ランプを用いる際の測定正確性が向上し、上記のように、分周された信号(としたがって発振器信号)の位相はランプ開始時においてランプごとに変動することになる。それに関する位相雑音効果または他の効果が十分でない場合、これを例えば発振器周波数の1つまたは複数のパラメータの変動、例えば周波数の戻りの時点の変動により(言い換えるとランプ終了が多少変動する)、実際の送信信号間に強制することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13