(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】LEDランプ
(51)【国際特許分類】
F21S 41/663 20180101AFI20220802BHJP
F21S 41/148 20180101ALI20220802BHJP
F21W 102/135 20180101ALN20220802BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220802BHJP
F21Y 107/90 20160101ALN20220802BHJP
【FI】
F21S41/663
F21S41/148
F21W102:135
F21Y115:10
F21Y107:90
(21)【出願番号】P 2019548719
(86)(22)【出願日】2018-03-02
(86)【国際出願番号】 EP2018055154
(87)【国際公開番号】W WO2018162341
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-02-26
(32)【優先日】2017-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シェーンフェルダー,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】タイミンゲル,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ラバス,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】エルジンガ,マルク
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0290585(US,A1)
【文献】特開2016-081687(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104879698(CN,A)
【文献】特表2017-501543(JP,A)
【文献】特開2002-304905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/663
F21S 41/148
F21W 102/135
F21Y 115/10
F21Y 107/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用
フロント照明アセンブリに設置するLEDランプであって、
前記LEDランプは、
自動車用フロント照明装置の反射器の中へ挿入するように具現化されたランプベースと、
前記ランプベースから外側に延びているパネルであり、
第1側面および前記第1側面とは反対側の第2側面を含む、パネルと、
ロービームを生成するように構成された一次光源
であり、前記パネルの前記第1側面に配置された一次LEDダイの第1セットと、前記パネルの前記第2側面に配置された一次LEDダイの第2セットとを含む、一次光源と、
2部シールドであり、
前記一次LED
ダイの
前記第1セットをシールドするように配置されている第1
パート、および、
前記一次LEDダイ
の前記第2セットをシールドするように配置されている第2
パートを有する、2部シールド
であり、前記第1パートは、前記パネルに関して前記第2パートと対象に配置されている、2部シールドと、
ハイビームを生成するように構成された二次光源であり、前記パネルの
前記第1側面に配置された二次LEDダイの第1セットと、前記パネルの前記第2側面に配置された二次LEDダイの第2セットとを含む、各垂直側面上に配置されたLEDダイのセット(SA、SB)を含む、二次光源、
を含む、LEDランプ。
【請求項2】
前記一次光源の
一次LEDダイの
前記第1セット
および前記第2セットは、3個の
一次LEDから成る1つのアレイを含む、
請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項3】
前記二次光源の
二次LEDダイの
前記第1セット
および前記第2セットは、少なくとも2個の
二次LEDから成る1つのアレイを含む、
請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項4】
前記
LEDランプは、さらに、
アンチグレアキャップを含み、
前記アンチグレアキャップと前記ランプベースとの間に前記パネルがあるように配置されている、
請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項5】
前記LEDランプは、前記ランプベースの中に組み込まれたドライバを含む、
請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項6】
自動車用フロント照明装置であって、
請求項1に記載のLEDランプと、
前記LEDランプを受け容れる反射器と、
前記自動車用フロント照明装置のコントローラに接続するための電気インターフェイスと、
を
含み、
前記LEDランプのドライバは、前記コントローラからの信号に応じて、前記一次光源の前記一次LEDダイを動作化させてロービームを生成し、かつ、前記二次光源の前記二次LEDダイを動作化させてハイビームを生成する、ように構成されており、
前記ドライバは、前記二次光源の前記二次LEDダイに加えて、前記一次光源の前記一次LEDダイを動作化させて前記ハイビームを生成する、ように具現化されており、かつ、
前記ハイビームを生成するために、前記二次光源の前記二次LEDダイに加えて、前記ドライバによって動作化される前記一次光源の前記一次LEDダイは、前記二次光源に対して最も近い前記一次光源の一次LEDダイである、
自動車用フロント照明装置。
【請求項7】
前記自動車用フロント照明装置は、
前記LEDランプのランプベース
に接続
され、パネルへの熱的接続を達成する放熱部、を含む、
請求項
6に記載の自動車用フロント照明装置。
【請求項8】
前記放熱部は、複数のフィンを有する、
請求項
7に記載の自動車用フロント照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDランプ、および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、比較的に電力消費が少なく、そして、長い寿命を有する、非常に効率的な光源である。LEDは、非常に正確に調整された色温度が可能であるように、広範囲の波長にわたり発光するようにデザインまたは構成することができる。これらの理由のため、LEDは、多くのレトロフィット(retrofit)アプリケーションにおいて使用されている。例えば、白熱灯、ハロゲンランプ、蛍光ランプ、等を置き換えるためである。多くの場合には、新しいLEDランプが既存のランプを置き換えることができるように、1つまたはそれ以上のLED光源、並びに任意の必要な電気コンポーネント、を有するキャリアを、既存のタイプのランプ本体に組み込むことは比較的簡単である。例として、フィラメントの代わりに1つまたはそれ以上のLEDを有するE27電球、LEDのアレイがチューブランプ内の蛍光ガスを模倣するチューブLED(TLED)、等がある。しかしながら、いくつかのランプは、非常に特定的なビーム形状を生成するように全体システムにおける使用のために開発されており、例えば、特定的なフィラメントランプと反射器(reflector)の組み合わせは非常に特定的なビーム形状を生成する。H4、HS1、H13、H17、H19ランプは、そうした自動車ランプの例であり、そして、それらの物理的構造および光出力特性は、適切な基準によって非常に厳密に規定されている。例えば、ハロゲン光源は、ECE R37において説明され、かつ、規定されており、一方で、ECE R112は、ヘッドランプおよびそれらのビームパターンを規定している。
【0003】
H4ハロゲンランプといったいくつかのランプは、ロービーム(low beam)とハイビーム(high beam)の機能を1つのランプの中で組み合わせている。そうしたランプは、ハロゲンガスを含んでいるガラス容器を含み、そして、2個のフィラメント、および、自動車用ヘッドランプの一部である反射器の中にランプが取り付けられたときに正しく動作するように非常に特定的な位置に配置されたシールドを有する。反射器のデザインは、フィラメントおよびランプ容器内側のシールドの幾何学的特性および位置を使用する光学系の原理に基づいている。例えば、1つのフィラメントが反射器の焦点に配置されることを要し、一方で、他のフィラメントは焦点のいくらか前方で、かつ、軸のわずか上方に配置されることを要し得る。ロービームフィラメントのすぐ下に配置されたカップ形状のシールドは、例えば165°の角度にわたりロービームフィラメントをシールドすることができる。シールドの目的は、ロービームフィラメントから来る光を部分的に遮断することであり、そして、シールドのエッジは、ロービームパターンの明/暗のカットオフラインを生成するために使用される。
【0004】
ハロゲンランプまたはフィラメントランプといったランプの欠点は、それらの比較的に短い寿命であり、別の欠点は、それらの比較的に高い電力消費である。このことは、化石燃料消費を削減するため、または、電気自動車の広がりを増加させるための努力がなされるにつれて、より重要になってきている。さらに、ハロゲンランプといったランプによって放射される光の色温度は、非常に低く、そして、黄色がかって(yellowish)または「暖かく(”warm”)」見え得るものであるが、一方で、自動車用フロント照明アプリケーションにおいては「より冷たい(”cooler”)」白色光が、しばしば、望まれている。
【0005】
国際公開第2015091462号および米国特許出願公開第20160290585号の両方は、ロービーム並びにハイビームを提供する二重機能(dual function)のLEDランプを開示している。ロービームおよびハイビームのLED光源に係る様々な位置および構造が示されており、ロービームを形成するためのシールドによって部分的に支持されている。
【0006】
上述のタイプのフィラメントランプを置き換えることができ、従って関連する問題を克服するLEDランプを提供することが、本発明の目的である。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、独創的なLEDランプによって、および、独創的な自動車用フロント照明装置によって達成される。
【0008】
本発明に従って、当該LEDランプは、自動車用フロント照明装置の反射器の中へ挿入するように具現化されたランプベースと、ランプベースから外側に延びているパネルであり、自動車用ヘッドランプの中の取り付け位置において反射器の一方の半体へ対向するように配置された第1垂直側面および反射器の他方の半体へ対向するように配置された第2垂直側面を有するパネルと、パネルの各垂直側面上にLEDダイのセットを有する一次光源と、2部シールドであり、パネルの第1垂直側面上のLEDのセットをシールドするように配置されている第1シールド半体およびパネルの第2垂直側面上のLEDダイをシールドするように配置されている第2シールド半体を有する2部シールドを含む。ここで、2部シールドは、ロービームを提供するための機能的に等価なフィラメントランプのシールド形態を有する。ここにおいて、「垂直(”vertical”)」は、反射器の中のランプが自動車用ヘッドランプに取り付けられている場合を参照する。
【0009】
本発明のLEDランプの利点は、特定的な機能を満たすようにデザインされている既存のタイプのランプの性能を確実に模倣できることである。例えば、いくつかの種類のフィラメントランプは、非常に特定的なビーム形態を生成するために、照明ユニットの反射器と共に使用されるように構成されている。そうしたビーム形状は、フィラメントランプ及びそれが取り付けられている反射器が組み合わされた特性の結果である。そうしたフィラメントランプを置き換えるために、本発明のLEDランプを使用することができることは、非常に有利である。反射器および照明ユニットの任意の他の光学系も交換する必要がないからである。さらに、LEDは、白熱電球またはハロゲン電球よりもはるかに少ない電力を消費する。LEDの別の著しい利点は、非常に高い色温度において発光するようにデザインできることである。このことは、例えば、より暖色(warmer color)の光を発するハロゲンランプでは不可能である。LEDランプの別の特徴は、寿命が非常に長いことである。本発明のLEDランプは、従って、自動車用フロントビームアプリケーションについて、既存のタイプのハロゲンランプまたはフィラメントランプに対する非常に魅力的な代替品である。
【0010】
本発明の照明装置は、そうしたLEDランプ、および、一次光源と二次光源とのLEDを正しく駆動するために適したドライバ電子回路を有するドライバを含む。ドライバは、レトロフィットLEDランプにおいて、例えば、ランプのベースに組み込むことができる。本発明の照明装置は、好ましくは、自動車または車両に組み込まれたコントローラと共に使用されるように具現化されている。そうしたコントローラは、一般的に、ユーザの動作に応じて、ロービームとハイビームを動作化/非動作化するように具現化されている。そうしたコントローラは、本発明のLEDランプによって置き換えられているフィラメントランプのコントローラと機能的に同じであり得る。
【0011】
本発明のLEDランプは、既存のフィラメントランプ、すなわち「レガシー(”legacy”)」フィラメントランプを置き換えるために使用することができる。「レガシー」フィラメントランプは、そのフィラメントランプを置き換えるLEDランプには機能的に関連しないとしても、固執されることを要する所定のデザイン上の制約を伴うランプとして理解されるべきである。本発明のLEDランプによって置き換えられるフィラメントランプは、以下において、単純に「レガシーランプ」として参照され得る。
【0012】
LEDダイ、または、略して、LEDの数、及び/又は、各LEDの光出力が、一次LED光源の全体的な光出力を決定する。したがって、本発明の好ましい実施形態において、一次光源は、パネルの各垂直側面上に少なくとも2個のLEDから成るアレイを有する。好ましくは、一次光源は、パネルの各側面上において直線状に配置された3個のLEDを有している。一次光源のLEDダイは、好ましくは、機能的に等価なフィラメントランプの対応するフィラメントの位置に対応するように、パネル上に配置されている。例えば、本発明のランプが所定のフィラメントランプを置き換える場合に、一次光源のLEDダイは、機能的に等価なフィラメントランプのフィラメントの位置に対応するようにパネル上に配置されており、そして、一次光源のLEDの数は、機能的に等価なフィラメントランプのフィラメントの光出力を達成するように選択されている。そうした具現化において、LEDレトロフィットランプは、ハロゲンフィラメントランプのために本来デザインされたヘッドランプにおいて使用することができる。
【0013】
本発明に従って、二次光源は、また、パネルの各垂直側面上に配置されたLEDダイのセットも有している。ここでも、また、二次光源のLEDダイは、好ましくは、機能的に等価なフィラメントランプの対応するフィラメントの位置に対応するように、パネル上に配置されている。例えば、本発明のランプが2本フィラメントのランプを置き換える場合に、二次光源のLEDダイは、機能的に等価なH4フィラメントランプのハイビームフィラメントの位置に対応するようにパネル上に配置されている。この場合にも、また、二次光源のLEDの数は、機能的に等価なフィラメントランプの対応するフィラメントの光出力を達成するように選択することができる。そうした具現化において、LEDレトロフィットランプは、本来2本フィラメントのハロゲンランプのためにデザインされたヘッドランプにおいて使用することができる。さらに、本発明のLEDランプは、また、ハロゲンランプの2本フィラメントによって本来満たされていたロービームおよびハイビームの機能、並びに、ロービームについて満足のできる明/暗のカットオフラインを確実にするためのシールド機能も満たしている。
【0014】
本発明の照明装置において、コントローラは、LEDランプのLEDを制御するように具現化されている。本コントローラは、各光源のLEDを独立して制御するように具現化され得る。別の言葉で言えば、コントローラは、二次光源から独立して一次光源を制御することができる。レトロフィットの具現化において、例えば、コントローラは、一次光源のLEDを動作化してロービームを生成することができ、かつ/あるいは、二次光源のLEDを動作化してハイビームを生成することができる。本発明の好ましい実施形態において、コントローラは、単一の光源のLEDを相互に独立して制御するように具現化することができる。例えば、レトロフィットH4 LEDランプのコントローラは、ハイビームを生成するために、1つまたはそれ以上の一次光源のLEDと一緒に、二次光源の全てのLEDを動作化することができる。このようにして、LEDランプは、二次光源のためにより少ないLEDを使用して、かつ/あるいは、二次光源のためにより小さいLEDを使用して具現化することができる。一次光源の1つまたはそれ以上のLEDによって二次光源が増強されるからである。一つの例示的な実施形態において、一次光源は、垂直パネルの各側面上の3個のLEDの直線構成として具現化することができ、そして、二次光源は、垂直パネルの各側面上の2個のLEDの直線構成として具現化することができる。一次光源と二次光源は、コントローラがハイビームを開始するときに、コントローラの二次光源のLEDが一次光源のLEDの列において「最後の(”last”)」のLED、すなわち、二次光源に対して最も近い一次光源のLED、と一緒に動作化させることができるように、互いに近接している。
【0015】
LEDは、動作の最中に著しい量の熱を生成する。LEDを熱損傷から保護するために、本発明のランプは、好ましくは適切な放熱構成を有している。本発明の好ましい実施形態において、パネルは、LED光源から熱を放散するように具現化されている。この実施形態においては、パネル自身が、熱放散部品または熱拡散器として動作する。熱は、好ましくは、ランプから可能な限り直接的に取り除かれる。LEDの大部分または全てが動作可能である場合に、LEDによって生成される熱は、パネルが熱を十分迅速に放散することができないといったものであり得る。可能なソリューションは、十分な熱放散容量を達成するためにパネルの寸法を増やすことであり得る。しかしながら、既存のランプのデザインに係るフィラメントの位置を模倣するランプについては、長さ、幅、厚さ、等といったパネル寸法に対する制約が存在し得る。従って、所望の熱伝達容量を達成するために、LEDランプの好ましい実施形態は、ランプベースに取り付けられた放熱部またはヒートシンク(heat sink)を有している。ヒートシンクは、好ましくは、直接的にパネルに対して熱的に接続されている。例えば、パネルの本体は、反射器の他方の側に配置されたヒートシンク(ランプ自体は反射器の「内側(”inside”)」にある)に対する物理的な接続のためにランプベースの中へ延在し得る。このようにして、LEDからのいかなる熱も、パネルを通してヒートシンクの中へ拡散し、そして、ランプから離れることができる。ヒートシンクの本体は、好ましくは、できるだけ大きく、そして、反射器の背後で利用可能な空間によってだけ制約され得る。ヒートシンクは、アルミニウム又はあらゆる他の良好な熱伝導体といった金属の固体ブロックから形成することができる。好ましくは、ヒートシンクは、その表面積を増加させるために、複数のフィンまたは類似の要素を有している。適切な質量、および、形状と材料の適切な選択を用いて、ヒートシンクは、できる限り効率的に熱を放散するように成し得る。
【0016】
置き換えるように意図されているフィラメントランプのタイプに応じて、本発明のランプは、パネルの外側端部に、すなわち、ランプの前方に向かって、配置されたアンチグレア(anti-glare)フードを有し得る。レガシーランプは、ランプを電源に接続するためのコネクタと同様に、ランプの正しい取り付け、および、位置決めを補助するために、標準化されたホルダを必要とし得る。従って、本発明のランプは、また、好ましくは、関連する規定に従った、多数のコネクタタブ(電気的、及び/又は、機械的なもの)も含んでおり、ヘッドランプの反射器の中でランプを正しく取り付けることを確保する。
【0017】
本発明の他の目的及び特徴は、添付の図面と共に考慮される以下の詳細な説明から明らかになるだろう。しかしながら、図面は、説明の目的のためだけにデザインされたものであり、そして、本発明の限界の定義としてデザインされてはいないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明のLEDランプの一つの実施形態に係る斜視的な側面図を示している。
【
図3】
図3は、本発明のランプの一つの実施形態を通じた断面図を示している。
【
図4】
図4は、本発明のLEDランプの一つの実施形態についてロービームの生成を例示している。
【
図5】
図5は、
図4のLEDランプについてハイビームの生成を例示している。
【
図6】
図6は、本発明のLEDランプのさらなる実施形態についてロービームの生成を例示している。
【
図7】
図7は、
図6のLEDランプについてハイビームの生成を例示している。
【
図8】
図8は、従来技術のH4ハロゲンランプを示している。
【
図9】
図9は、反射器に中に配置された本発明のランプの一つの実施形態を示している
【0019】
図面において、同様の数字は、全体を通して同様のオブジェクトを指している。図におけるオブジェクトは、必ずしも縮尺通りに描かれてはいない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、従来の又はレガシー(legacy)なハロゲンの2本フィラメントランプ(以下の
図8に記載されるようなもの)を置き換えるためのレトロフィットランプとして具現化された本発明のLEDランプ1の一つの実施形態を示している。図は、
図8のレガシーランプ8に対する形状における類似性を説明している。ランプ本体は、従来のランプ8のガラス容器と形状およびプロポーション(proportion)が類似しており、そして、ランプベース12から外向きに延びているパネル10を含み、かつ、第1垂直側面(vertical side)10Aが反射器(図示なし)の一方の半体(one half)へと向いており、かつ、第2垂直側面10Bが反射器の他方の半体(the other half)へと向くように配置されている。ランプベース12は、自動車用フロント照明アセンブリの反射器20の中へ挿入するように具現化されており、かつ、反射器の中でランプ1の正しい位置決めを手助けする多数のタブ14を含んでいる。この例示的な実施形態において、ランプベース12は、ヒートシンク13から延びている対応するコネクタ131の中へ挿入されるコネクタで終わっている。LED100、101のためのドライバは、ランプベース12の中へ、または、代替的に、コネクタ131に組み込むことができる。反射器の中へ挿入されると、パネル10は、ヒートシンク13と熱的に接触し、これは、動作の最中にLEDによって生成される熱を効率的に放散することができる。アンチグレア(anti-glare)キャップ15が、従来のランプ(legacy lamp)について適用される規定に合わせて、ランプ1の前端(front end)に向けて配置されており、かつ、キャップ15とランプベース12との間に延びているキャップマウント150によって所定の位置に保持されている。
図2は、同じランプ1の平面図を示しており、そして、明確化のためにキャップマウント150の一部を省略している。
【0021】
レガシーランプのフィラメントは、LEDのセットによって模倣されている。この目的のために、一次光源(primary light source)P、ロービームを生成するために使用されるもの、は、パネル10の各垂直側面10A、10B上のLEDダイ100のセットPA、PBを含んでいる。
図1においては、パネル10の一方の側面10A上に配置された、一方のセットPAだけが見えている。他方のセットPBは、パネル10の他方の側面10B上に配置されており、そして、
図2において見ることができる。一次光源LEDセットPA、PBの位置は、
図8に記載されているランプ8におけるロービームフィラメント81の位置を模倣するようなものである。2部シールド(two-part shield)11は、パネル10の第1垂直側面10A上でLEDセットPAをシールドするように配置された第1シールド半体(first shield half)11A、および他方のLEDセットPBをシールドするように配置された第2シールド半体11B(second shield half)を含む。2部シールド11は、
図8に記載されているレガシーランプ8のシールド83と同じサイズおよび形状を有している。
【0022】
LEDランプ1は、また、パネル10の各垂直側面10A、10B上のLEDダイ101のセットSA、SBを用いて、ハイビームを生成するための二次光源(secondary light source)Sも有している。再び、
図1では一方のセットSAだけが見ることができ、そして、パネル10の他方の側面10B上に配置された他方のセットSBは、
図2において見ることができる。二次LEDセットSA、SBの位置は、
図8に記載されているランプ8におけるハイビームフィラメント82の位置を模倣するようなものである。各セットPA、PB、SA、SBにおけるLEDダイの数は、所望のルーメン出力(lumen output)を達成するように選択されている。レガシーランプのルーメン出力に対応すべきものである。
【0023】
フィラメントの長い又は長方形の形状を正確に模倣するために、各LEDダイのセットPA、PB、SA、SBは、一列に(in a raw)配置された数個のLEDダイ100、101から構成されている。この実施形態において、各フィラメントは、3個のLED100、101の直線構成(linear arrangement)によって模倣される。LEDダイの列(raw)は、レガシーランプの容器の中のフィラメントの位置に対応するように配置されている。
図1は、ロービームLEDダイ100の列PAが、ハイビームLEDダイ101の行SAよりもわずかに高いことを示している。
【0024】
図3は、本発明のランプ1の一つの実施形態を通じた断面図を示しており、ランプベースの方向を見ている。断面は、一次光源PのLED100のうち1つを通じて垂直にとられたものである。図は、パネル10を示しており、パネル10のいずれかの側面10A、10B上に取り付けられたLED100に対して電気的に接続するようにトラックが形成されたプリント回路基板(PCB)といった適切なキャリア10であってよい。シールド半体11Aは、パネル10の一方の側面10A上に取り付けられており、そして、相補的なシールド半体11Bは、パネル10の他方の側面10B上に取り付けられている。シールド半体11A、11Bは、
図8に示されるように、レガシーランプに相当するシールドとして集合的に作用するように示されている。シールドは、180°未満の円弧に広がり、そうして、一方の側面が、反射器(図示なし)の焦線(focal line)を含む水平面Hから下がる角度βだけ、より低くなる。H4ランプについて、例えば、この角度βは、シールド11が165°の円弧に広がるように、15°を有する。一次光源PA、PBのLED100は、レガシーランプの対応するフィラメントによって占められるであろう位置にあるように、パネル10上に配置さていれる。
【0025】
図4-
図7は、本発明のLEDランプの異なる実施形態についてロービームまたはハイビームがどのように生成され得るかを示している。図においては、パネル10の一方の側面上だけのLEDセットPA、SAが示されており、そして、パネル10の他方の側面上のLEDセットPB、SBが同じように動作化/非動作化されることが仮定されてよい。シールド半体11Aの簡素化されたアウトラインが、破線で示されている。
図4においては、網掛けパターン(hatching fill pattern)によって示されるように、一次光源PのLED100を使用してロービームが生成されている。二次光源のLED101は、(ロービームだけを点灯(turn on)させるユーザの動作に応じて)点灯されていない。
図5においては、網掛けパターンによって示されるように、二次光源のLED101を使用してハイビームが生成されている。一次光源のLED100は、点灯されていない。
図4および
図5は、本発明のLEDランプの同じ実施形態に関する。
図6および
図7は、本発明のLEDランプの代替的な実施形態に関する。
図6においては、網掛けパターンによって示されるように、一次光源のLED100を使用してロービームが生成されている。二次光源のLED101は点灯されていない。この実施形態において、二次光源は、パネル10の各側面上に2個のLED101だけのアレイを有しており、一次光源Pの各セットのLED100を「借りている(”borrows”)」。
図7においては、網掛けパターンによって示されるように、二次光源SのLED101に加えて、一次光源PのLED 100のうち1個を使用してハイビームが生成されている。一次光源の他の2個のLED100は、点灯されていない。
図4と
図5に示される実施形態、および、
図6と
図7に示される実施形態においては、もちろん、ロービームとハイビームの両方を同時に点灯することが可能である。
【0026】
図8は、ロービームとハイビームの機能を組み合わせたハロゲンランプ8を示している。そうしたフィラメントランプの例は、H4、HS1、H13、H17、H19、等である。ランプ8は、ハロゲンガスが充填されたガラス容器80を有している。2本フィラメント81、82およびシールド83が、容器80の内側に配置されている。容器80の前部にあるアンチグレアキャップ84は、対向する交通(oncoming traffic)をグレアからシールドする。フィラメント81、82、並びにシールド83は、自動車用ヘッドランプの一部である反射器の中で正しく動作できるように、標準化された位置に幾何学的に配置されている。シールド83のカップ状の形態およびエッジは、ロービームフィラメント81を正しくシールドすることにおいて著しい役割を果たし、反射器の専用のハイビーム領域に光が進入するのを防いでいる。ランプ8は、ランプ8がヘッドランプの反射器の中へ取り付けられたときに正しい位置決めを確保するために、3個のタブを用いる標準化された形態を有している。
【0027】
図9は、自動車用フロント照明ユニットの反射器20の中に配置されたH4型LEDランプ1を示している。図は、反射器20が、レガシーなH4の2本フィラメントハロゲンランプ(
図8に示されるようなもの)を用いた使用のためにデザインされているが、その代わりに、本発明のLEDランプ1の適切な実施形態が反射器20の中へ挿入されていることを示すために役立つものである。同じコントローラ3が、ユーザの動作に応じて、ロービームとハイビームを動作化/非動作化するために使用される。
【0028】
ここで、一次光源Pの位置は、レガシーハロゲンランプのロービームフィラメント81の位置に対応しており、二次光源Sの位置は、レガシーランプのハイビームフィラメント82の位置に対応しており、そして、シールド11は、レガシーランプのシールド83の形状および位置に対応している。一次光源と二次光源P、SのLEDは、コントローラ3を用いて、上記に説明したように、集合的に又は個別に制御することができる。コントローラ3は、ヒートシンク13を通じてランプベース12における標準コネクタ端子に到達するように延びているリード(leads)30、31によって、ランプ1のベースに配置されたドライバに対して電気的に接続されている。ランプコネクタおよびベース12は、
図8に示されるように、標準化された形態を有し得る。
【0029】
本発明が、好ましい実施形態およびその変形の形態において開示されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、それに対して多くの追加的な変更および変形が成される得ることが理解されるだろう。
【0030】
明確化の目的のため、この出願の全体を通して「一つの(”a”または”an”)」の使用は複数を排除するものではなく、そして、「含む(”comprising”)」は他のステップまたは要素を排除するものではないことが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0031】
LEDランプ 1
パネル 10
垂直側面 10A、10B
2部シールド 11
シールド半体 11A、11B
ランプベース 12
ヒートシンク 13
フィン 130
コネクタ 131
タブ 14
グレアキャップ 15
キャップマウント 150
反射器 20
コントローラ 3
リード 30、31
フィラメントランプ 8
ランプ容器 80
フィラメント 81, 82
シールド 83
グレアキャップ 84
一次/二次光源 P、S
LEDアレイ PA、PB、SA、SB
LED 100、101
水平面 H
角度 β