(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】炭素質投入材料を圧密するためのデバイスおよび方法、ならびにそれらの使用
(51)【国際特許分類】
C10L 5/06 20060101AFI20220802BHJP
C10B 45/02 20060101ALI20220802BHJP
C10B 53/08 20060101ALI20220802BHJP
B30B 9/28 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
C10L5/06
C10B45/02
C10B53/08
B30B9/28 G
(21)【出願番号】P 2019555599
(86)(22)【出願日】2018-04-05
(86)【国際出願番号】 EP2018058676
(87)【国際公開番号】W WO2018189014
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2019-11-25
(31)【優先権主張番号】102017206457.9
(32)【優先日】2017-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514088943
【氏名又は名称】ティッセンクルップ インダストリアル ソリューションズ アクツィエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ThyssenKrupp Industrial Solutions AG
(73)【特許権者】
【識別番号】501186597
【氏名又は名称】ティッセンクルップ アクチェンゲゼルシャフト
【住所又は居所原語表記】ThyssenKrupp Allee 1 45143 Essen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】キム,ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】チキルナー,ウーベ
(72)【発明者】
【氏名】シェラー,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】スペットル,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】グロウ,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】キューン-ガ-ジェジク,ヨハンナ
(72)【発明者】
【氏名】シュレーダー,ハンス-ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ヘアデゲン,フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】フェーゼ,フランツ
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04106996(US,A)
【文献】特開昭50-091601(JP,A)
【文献】実開昭61-155364(JP,U)
【文献】国際公開第2015/098935(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 5/00
C10B 45/00
C10B 53/00
B30B 9/00
C01J 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体、特に炭素質の原料をブリケットに圧密するための金型装置(70)であって、前記原料を圧縮するための設備を備え、
前記金型装置は、有孔プレートロールミル(79)を有する第1の凝集段階(70.1)を備え、前記圧縮するための設備は、少なくとも1つの加圧ラム(75)および対応する加圧チャネル(73.1)を有する成形チャネルラムプレス(73)を備え、第2の凝集段階(70.2)として前記有孔プレートロールミルの下流に配置され、前記有孔プレートロールミル(79)は、それぞれ
1~6mm
の直径を有する多数の加圧通路(79.2)を有するダイ(79.1)を備え、
前記成形チャネルラムプレス(73)の前記加圧チャネル(73.1)は、
連続的に狭くなる円錐状入口セクション(76)および
連続的に拡大する円錐状出口セクション(77)を備え、前記加圧チャネル(73.1)は、対向する円錐形を有する断面形状を備える、
ことを特徴とする、金型装置(70)。
【請求項2】
前記加圧通路が、それぞれの加圧通路の少なくとも第1のセクションにおいて、少なくとも部分的に円筒形加圧通路として設計され;および/または、前記加圧通路が、一定の直径を有する第1のセクションを含み、また円錐形、特に拡がる円錐形、特に直径が1.5~2倍に広がる円錐形を有する第2のセクションをさらに含む少なくとも2つのセクションに細分され;および/または、前記加圧通路が、一定の直径を有する第1のセクションを含む少なくとも2つのセクションに細分され、前記第1のセクションは、それぞれの加圧通路の絶対長の20%以下にわたって延在する、請求項1に記載の金型装置。
【請求項3】
前進方向における前記加圧チャネル(73.1)の入口セクション(76)が、出口セクション(77)よりも短い、請求項1または2に記載の金型装置。
【請求項4】
前記加圧チャネル(73.1)が、
前記円錐状入口セクション(76)の前に、および/または
前記円錐状入口セクション(77)の後に、および/または前記入口セクションと前記出口セクションとの間に、
前進方向に円筒形断面形状を少なくとも部分的に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の金型装置。
【請求項5】
前記加圧チャネルが、
前記入口セクションと出口セクション(76、77)との間に、異なる断面形状を有する中間セクション(76a)、
均一な、好ましくは円筒形の断面形状を有するセクションを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の金型装置。
【請求項6】
前記加圧チャネル(73.1)が完全に、または前記加圧チャネルの
前記入口セクション(76)および/または
前記出口セクション(77)が、それぞれ単一の成形部分で形成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の金型装置。
【請求項7】
前記第1の凝集段階の上流に、前記原料を磨砕するための少なくとも1つの設備、特にジョークラッシャーと、前記原料を特に水分が20質量%以下になるまで乾燥させるための少なくとも1つの設備とを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の金型装置。
【請求項8】
固体原料、又は、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの炭素質の原料を圧密してブリケットにする方法であって、前記原料を圧縮するステップを含み、請求項1~7のいずれか一項の金型装置を使用し;
前記原料は、まず、前記有孔プレートロールミル(79)によって前記第1の凝集段階でペレットにペレット化され、その後、円錐状に狭くなった入口セクション(76)および円錐状に広がった出口セクション(77)に沿った加圧チャネル(73.1)に少なくとも1つの加圧ラムを有する前記成形チャネルラムプレス(73)によって前記第2の凝集段階でブリケットに圧縮され、前記第1の凝集段階後の前記原料は、0.1~4mmの間、または0.1~3mmの間のサイズで提供されることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記圧縮が60~95℃の範囲内の温度で行われる、請求項8に記載の圧密方法。
【請求項10】
前記圧縮が50~90℃の範囲内の温度で行われる、請求項8に記載の圧密方法。
【請求項11】
前記圧縮が40~80℃の範囲内の温度で行われる、請求項8に記載の圧密方法。
【請求項12】
前記圧縮が55~65℃の範囲内の温度で行われる、請求項8に記載の圧密方法。
【請求項13】
前記第1の凝集段階後の前記原料が、2mm未満のサイズで提供される、請求項8~12のいずれか一項に記載の圧密方法。
【請求項14】
前記第1および/または第2の凝集段階のための前記原料が、15~60質量%、特に40~60質量%の含水量で提供され;前記圧縮中の前記原料は、特に40~70℃、特に50~70℃の範囲内、特に60℃の温度で、5~20質量%、特に10~12質量%、特に11質量%の含水量になる、請求項8~13のいずれか一項に記載の圧密方法。
【請求項15】
前記圧縮が、バッチ式で行われ、それぞれ15秒未満、特に10秒未満、特に3から9秒の範囲内の時間で1つのブリケットを形成する、請求項8~14のいずれか一項に記載の圧密方法。
【請求項16】
前記圧縮が、120~150MPa、特に140MPaの圧力で行われる、請求項8~15のいずれか一項に記載の圧密方法。
【請求項17】
前記圧縮前または圧縮中の前記原料に、結合剤、特に糖蜜、亜硫酸液、硫酸液、プロパン瀝青、セルロース繊維、HSC残渣、および混合HSC/ROSE残渣からなる群からの結合剤が供給される、請求項8~16のいずれか一項に記載の圧密方法。
【請求項18】
コークス化の前および/または後にコークスブリケットに変換された前記ブリケットが、20MPa以上の圧縮強度を有するように、前記圧縮が行われる、請求項8~17のいずれか一項に記載の圧密方法。
【請求項19】
コークス化の前および/または後にコークスブリケットに変換された前記ブリケットが、30MPa以上の圧縮強度を有するように、前記圧縮が行われる、請求項8~18のいずれか一項に記載の圧密方法。
【請求項20】
前記ブリケットの前記圧縮前に、まず前記原料を水分が20質量%になるまで加熱および乾燥させ、その後、圧縮された/圧縮のための前記原料を加熱および乾燥させてブリケットを形成し、前記ブリケットが炉装置(10)に供給される前に水分を11質量%にする、請求項8~19のいずれか一項に記載の圧密方法。
【請求項21】
亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料を圧密するための二段階凝集操作での成形チャネルラムプレス(73)と組み合わせた有孔プレートロールミル(79)の、ブリケットを提供するための使用であって、前記有孔プレートロールミル(79)は、それぞれ最大6mm、特に2mm未満の直径を有する多数の加圧通路(79.2)を有するダイ(79.1)を備え、前記成形チャネルラムプレスは、有孔プレートロールミルのペレットから特に円筒形のブリケットを提供するための、二重に反対に先細りする圧縮チャネル(73.1)を有する
ことを特徴とする、有孔プレートロールミル(79)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素質の原料を圧密するための装置および方法に関し、またこれに関連して製造される特定のプラント構成要素または圧密体の使用に関する。より詳細には、本発明は、原料から圧密体を製造するための装置および方法に関し、これらは今日までコークス化のために標準的に使用することが可能でなかったか、または今日まで満足な最終製品を提供していなかった。特に、本発明は、特に垂直室炉内でのコークス化のために、従来にない原料を提供するための装置および方法に関する。特に、本発明は、それぞれの独立請求項のプリアンブルに従う装置および方法に関する。本発明はさらに、特にこれらの代替原料で構成される圧密体(またはブリケット)の提供に関連した個々の構成要素または装置の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、および将来もまた、地球上の大部分の国民経済にとって、コークスおよび炭素質または炭素含有原料は重要な基本材料であるか、またはすでにそれ自体既存の形態で価値のある材料となっている。これまで、コークス化は、主に高粘結能力の瀝青炭(脂肪炭として知られている)で実施されてきた。しかしながら、世界市場ではある特定の種類のコークスが短期間で不足する可能性がある。特に、コークス化に非常に適したコークス用石炭の利用可能性が減少することを予期しなければならず、その結果、将来的には、特に高炉用コークスのために、低粘結性または高膨潤性の石炭または他の炭素源を使用することもおそらく必要になるであろう。特にヨーロッパを含む地域では、特にエネルギー源としての原材料の燃焼が何十年もの間重要であり続けるため、特に従来の瀝青炭の代替品がとりわけ政治的圧力の理由で将来必要になるであろう。ヨーロッパでは、従来のコークス用石炭は2014年以来危機的な原材料とみなされているが、それでもなお、引き続き他の危機的原材料と比較して最も経済的に重要であるとされている。ここで、包括的に見れば、一方では矛盾があり、他方では従来のコークス化プロセスから始まるさらなる最適化手段を有益に実施する機会または動機があることが明らかである。
【0003】
エネルギーの移行は現在、高度に工業化された豊かな国でのみ進行中であるが、開発途上国は、長年/数十年前の最新技術に基づいて、従来の原材料の燃焼に長年依存し続けることになる。しかしながら、例えばオーストラリア等の高度に発展した国でさえ、特にクイーンズランド州では、現在、より近代的な炉技術への変換、および引き続き将来的に国内で原材料を高度にアップグレードすることができる可能性に高水準の投資活動が行われている。結果として、定義された特性を有するコークス、またはある特定の種類のコークスを生産または利用するための新しい機会の提供を可能にする装置および方法、またはコークス製造に使用され得る原料の範囲を拡大することに大きな関心および高い技術的要求がある。当然ながら、これらの手段によって、ある特定の原材料を世界中長距離にわたって輸送する必要性を回避することも可能である。
【0004】
特に技術的な課題は、特に亜炭を含む弱粘結性および非粘結性の原料コークス化材料からの高品位コークスの製造である。そのような原料は、特に、例えば瀝青炭の場合よりも許容可能なコストシナリオで採掘できるため、ヨーロッパではより広い範囲でのそのような原料の利用も興味深いかもしれない。本発明は、特に、近年ますます顕著になっているこの課題、すなわち、非従来型の原料を同様に利用できるようにすることに関する。これに関連して特に興味深いのは、例えば、高硫黄分を有する原料の使用であり、これは特に、まさにこの生成硫黄を副産物として利用できる多様な用途が明らかとなり得るためである。
【0005】
多くの場合、原材料または原料が特定の方法で事前に圧縮および加工された場合にのみ、石炭の高品位コークスへの変換が成功することがすでに判明している(すなわち、原料のブリケット化/圧密による石炭ブリケットの生成)。ブリケットは、特に炉室内の床の高い圧力に耐えるために必要であり、これらの床は、特に大型の垂直室炉の場合、高さ数メートルであり、可能な限りブリケットは小さな粒子に分解されない。したがって、特に垂直室炉での使用に関して、達成可能な原料の強度が、有利なプロセス設計の重要な基準となり得る。したがって、新しい代替原料および新しいプロセスの探索において興味深い問題の1つは、代替原料が理想的に提供されるべき加工形態、および関連する処理がどのように行われ得るかという問題である。
【0006】
前述のように、コークス製造用のコークス炉は、いわゆる垂直室炉の形態をとり得る。垂直室炉には、原材料ブリケットまたは石炭ブリケットが上から充填される。垂直室炉は、例えば30~40mの範囲内のかなりの高さまで稼働し得る。例えば、クレーンを使用してブリケットが炉の上に置かれ、特に重力により、特に12時間または15時間等の複数時間(原料のコークスへの変換に必要な時間に対応する)にわたってコークス化シャフト(炉室)を通してスライドされる。このプロセスでは、ブリケットの温度が、特に300℃未満の初期温度から900~1100℃の間の最終温度に変化する。コークス炉は典型的には、2~10個の炉室のアセンブリを備え、いわゆる炉団と呼ばれるものを形成する。それぞれの炉室のシャフトは、特に3.5~10mの高さ、および特に150~600mmの幅を有し得る。このことから、ブリケットはコークス化中に高い摩擦力および圧力を受けることが明らかである。したがって、ブリケットの強度は可能な限り非常に高くなるべきである。さらに、ブリケット内で体積変化および「効果的な」物質輸送が可能となることが意図される。したがって、ある特定の空隙率もまた利点である。
【0007】
ブリケットを提供するために、原材料は、特にハンマーミルで、より具体的には0~1mmの粒子サイズに事前に粉砕されてもよい。次に、典型的には、ブリケットは粒子の圧縮によりプレスで圧密され、これまで多くの場合、丸くされていてもよい角または丸い縁を有する細長いブロックのようなブリケットの形状が有利であることが証明されている。楕円形の形態のブリケットもよく知られており、特にロールプレスにより製造される。
【0008】
粘結能力(圧縮中および圧縮後の粒子の結合性)を高めるため、および/または粉砕された原材料の凝集特性を改善するために、水または蒸気が加えられてもよい。しかしながら、含水量が高いと、ブリケットがコークス化されるとすぐにブリケットの強度が低下する可能性があり、その結果、特に最大の力または負荷がブリケットに作用する垂直室炉内の下部領域でブリケットが崩壊し、コークス化プロセスを損なう可能性がある。
【0009】
実際に、特にブリケットの強度が十分に高くない場合、異なる操作ステップでプロセス全体に困難が生じ、その結果、コークス化シャフトの床で石炭/コークスブリケットが崩壊することが明らかになっている。したがって、多くの場合、特に大型/高炉室の場合、ブリケットの圧縮強度の下限として30MPaを超える数値が観察されるべきである。したがって、十分な圧縮強度は、原料のコークス化の実行可能性を推定する際の最も重要な基準の1つとみなすことができる。圧縮強度は圧密または圧縮の影響を受ける可能性があるため、このプロセスは非常に重要である。
【0010】
特に原材料またはブリケットの特定の含水量を十分に正確に観察することができない場合、さらなる困難が生じ、その結果、熱の供給中にブリケットは高い応力に供され、特に破裂またはその他の形態の崩壊を生じる。上記の観察は、炉の効率的な操作には、特に圧縮強度および含水量に関して、可能な限り狭い許容範囲内での原材料またはブリケットの供給が必要であることを示している。
【0011】
これらの考慮事項から、新しいプロセスおよび装置の探索において、特に次の点が懸念事項であることが明らかである:炉室内での原料固有の加熱曲線の定義;原料固有のプロセスパラメータ、特にコークス化中および原料のブリケットへの処理中の両方の温度、持続時間、圧力の定義、特にコークス化の過程で放出されるガスに関して、材料のストリームの種類および量のバランス;利用および廃棄オプション。
【0012】
これまでのコークス製造は、垂直室を有するガス炉、または水平室を有するコークス炉で行われてきた。後者は、狭い炉室およびその中に直立した間接加熱充填物を有する(統合)水平室炉、ならびに丸天井の炉室およびその中に平らに置かれた充填物を有するいわゆる熱(非)回復炉の2種類に分類され得る。それらは、少なくとも上から直接加熱することもできる。現在の予測では、これら2種類のコークス炉は、原材料の利用における将来のタスクに対して十分に効果的に最適化できなくなる可能性が高いとされている。特に、幅広い様々な原料を利用したいという要望に直面して、新世代のコークス炉のために新しいコンセプトが開発されるべきであると思われる。したがって、以下では、コークス化操作用の原料を提供するための新しい概念が示され、これは特に、これまで一般的に使用されてきた(石炭)原料の使用にも適応され得る。
【0013】
米国特許出願公開第2012/0317878号明細書は、ペレット化装置およびブリケット化装置を使用する、ブリケットを提供するための方法を記載している。好ましくは、それらの間に乾燥ユニットが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】米国特許出願公開第2012/0317878号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明に関して以下で定義される目的に関連して、特に垂直室炉において、非従来型の原料、特に亜炭および/または弱粘結瀝青炭および/またはバイオマスおよび/または石油石炭のコークス化を可能にする装置および方法を提供することが有利である。ここで、コークス化後に得られた生成物が可能な限り従来の原料、例えば従来の瀝青炭ブリケットで使用されているのと同じまたは同様の方法で使用され得るように、非従来型の原料を加工、提供、および/または管理することが有利となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これに関連して特に提供されるのは、特に亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料からコークスを製造するための、少なくとも1つの垂直炉室を有する炉装置、特にコークス炉であり、前記装置は、原料から製造されたブリケットを熱的に調整するように構成された少なくとも1つのブリケット乾燥機を備え、また特にブリケット乾燥機の下のブリケット乾燥機に連結され、加熱壁を有する少なくとも1つの炉室を備え、ブリケット乾燥機は、加熱設備およびそれを用いて加熱可能なブリケット貯蔵部を備え、ブリケット乾燥機は、ブリケットの搬送方向に連続的または段階的に、特に60~200℃の範囲内の少なくとも2つまたは3つの温度で上昇するブリケット貯蔵部内の温度を確立するように構成される。本明細書に記載のブリケットは、この種の炉装置で有利に使用され得ることが分かった。
【0017】
原料は、特に、軟質、艶消し、および光沢のある亜炭の全範囲、ならびに火炎炭の全範囲を含み得る。特に、ライン、ルサチアン、およびインドネシア起源の亜炭では、すでに良好な結果が得られている。また、本明細書に記載の装置および方法は、ロシアの褐炭および火炎炭、ならびに石油石炭の利用にも適していることがすでに分かっている。原料はまた、特に、DIN、ASTM、およびUN-ECEに従う分類に基づいて、ここで模式的に再現される次の石炭の種類および泥炭も含む。本発明に関連して、ドイツのDINに関して、特に利用に適していると判明した石炭は、前記DINにおいて分類される軟質褐炭、艶消し褐炭、光沢のある褐炭、および火炎炭が含まれる。
【0018】
【0019】
上記の表の数値は質量パーセントであり、揮発性成分の数値に関しては、測定は「waf」条件下で、換言すれば、水を含まないと同時に灰を含まない状態で行われた。
【0020】
ブリケット乾燥機に供給され得る原料またはブリケットは、特に、45質量%以上の揮発性石炭成分、40質量%超もしくは45質量%超の含水量を有する亜炭、および/または28~45質量%または12~22質量%の範囲の揮発性成分を有する弱粘結瀝青炭を含む、またはそれらからなる。特に高品質の強化ブリケットは、そのような原料を使用して達成され得る。
【0021】
炉室内のブリケットのかさ密度は、それぞれのブリケットの1.350kg/m3の密度に基づいて、650~850kg/m3の範囲内であってもよい。
【0022】
また、特にこれに関して、特に亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料からコークスを製造する方法が提供され、前記原料は、ブリケットの形態で提供され、特にコークス炉の垂直炉室、特に上記の炉装置に供給され、ブリケットはまずブリケット乾燥機に供給され、そこで所定の温度曲線に従い、ブリケットの前進速度に従って連続的に乾燥され、特に60~200℃の範囲内の少なくとも2つまたは3つの温度レベルまで乾燥され、その後炉室に供給される。これにより、ブリケットに対し、非常に正確に規定された方法で、予備乾燥、予備加工、および穏やかな処理を同時に行うことができる。本明細書に記載のブリケットは、そのような方法で有利に使用され得ることが分かった。
【0023】
原材料ブリケットは、例えば4~15時間、特に6~9時間の時間でそれぞれの炉室を通過する。この手順において、原材料ブリケットは、特に複数段階で、100~200℃の間、特に150℃の初期温度から、900~1100℃の間の最終温度まで加熱される。この場合、必要な熱は、それぞれの室の横に配置された2つのチャネルで生成され、これらのチャネルは複数の外部バーナによって加熱することができ、熱は、石の隔壁を介して間接的にそれぞれの炉室に伝達され得る。
【0024】
ブリケットを構成する石炭のタイプは、特に、45質量%以上の揮発性石炭成分(vc)および45質量%超の含水量を有する(硬質および軟質)亜炭を含む。ブリケットに加工された原材料には、28質量%以上45質量%以下の揮発性成分を有する弱粘結性瀝青炭(特にガス、ガス火炎、および火炎炭)、またはその他に22質量%以下の揮発性成分を有する弱粘結性瀝青炭(特に火造用炭および貧石炭)が含まれていてもよい。弱粘結性瀝青炭自体の粘結特性は低い。その前の混合操作では、弱粘結性瀝青炭を結合剤と混合することができ、したがって、ブリケット化手順の間に石炭粒子の接着効果または粘結性が向上する。
【0025】
るつぼコークスの性質のため、特に脂肪炭は粘結性の良い石炭(従来の「コークス用石炭」)を代表するものである。さらに、いわゆる火造用炭およびガス用炭も、粘結性の良い石炭に含まれる。本明細書において、他のすべての種類の石炭は、弱粘結炭と呼ばれる。
【0026】
ブリケットは、無煙炭(vc<12%)、貧石炭(12%<vc<19%)、ガス用炭(28%<vc<35%)、ガス用火炎炭(35%<vc<45%)、またはこれらの石炭品種の混合物等の瀝青炭でも構成されてもよく、高品位脂肪(コークス)炭(19%<vc<28%)が使用されていてもよい。これらのパーセンテージにより、また石炭の種類の基準に基づいて、さらに具体的な割り当てが可能である。
【0027】
原材料は、特に、有孔プレートロールミルにおいて、特に0~2mmの粒子サイズを有するペレットに粉砕されてもよい。有孔プレートロールミルによって製造されたペレット/粒子は特に結合しやすく(容易に粘結する)、したがって下流のブリケット化手順(圧縮)を簡素化することが分かった。有孔プレートロールミルの本発明の使用および設計については、後で詳細に説明する。
【0028】
粉砕後、原材料は圧縮される。この圧縮操作(凝集)は、好ましくは成形チャネルラムプレスで行われる。特に耐圧ブリケットは、断面が収縮し、断面が拡大するベンチュリ管のように、チャネルダイの形状によって実現され得ることが分かった。他の種類のプレスは、同等の品質の結果を提供することができていない。
【0029】
さらに、原料が型で成形された後、狭い断面を通って加圧される場合、特に高いブリケット強度が達成され得ることが分かった。原料がその後に広がるランアウトセクションに沿って通過する際、さらに高いブリケット強度が達成され得る。収縮部の移動セクションは、有利には、ランアウトセクションよりも短いか、または断面が広がるセクションよりも短い。
【0030】
平坦な円筒形態(ディスク状、パック状)のブリケットは、コークス化の前後にかかわらず、特に良好な強度値をもたらすことが分かった。特に、ブリケットの直径対ブリケットの高さの比が1対5、特に2対3であると、加熱およびコークス化操作に関しても良好な結果が得られる。ブリケットは、好ましくは20~100mmの直径を有する。ブリケットは、特に0~2mmの石炭粒子サイズ(ペレット)から生成される。
【0031】
必要な強度が異なるダイまたは異なる種類のプレスによっても達成できることが明らかになった場合、ブリケットには、異なる形状、例えば立方体、ブロック、小板、イガイ、クッション、ボール、または卵形の形状が有されていてもよい。しかしながら、これまでの実験では、パックの形状で最高の経験が達成された。
【0032】
方法のパラメータは、加圧圧力、加圧時間、および加圧温度である。圧縮は、特に120~150MPa、特に140MPaの圧力で行われる。圧縮は、特に60~100℃の温度で行われる。圧縮は、特に最長15秒間行われる。
【0033】
本明細書に記載の石炭の種類は、コークス化助剤と混合することができ、それによってコークス化をより効率的にし、コークス生成物に、例えば、より高い強度またはより高い反応性等のより高い品質を与えることができることが分かった。
【0034】
一実施形態によれば、特に下流のコークス化手順の効率を改善するために、(圧縮中に)少なくとも1種のコークス化助剤がブリケット化手順に供給される。特に従来の原料に関連して現在まで有用であることがすでに証明されているコークス化助剤の群から、コークス化助剤を個別にまたは組み合わせて選択することができる。
【0035】
本明細書に記載の方法により、亜炭を原料として使用する場合、生成されるコークスの炭素含有量C(fix)を55%超の値まで上げることができるため、このコークスを後に鋼を製造するための直接溶融還元プロセス(PRIMETALSのCOREX/FINEXプロセス)に使用することもできる。
【0036】
加圧およびコークス化手順の前に、単段または多段混合操作において、原材料は、特に生成されるコークスの品質を改善するために、または弱粘結炭品種からのブリケット加圧手順を容易化するために、好ましくは粘結(接着)およびコークス化助剤と混合される。そのような助剤は、好ましくは、ブリケット化の前に30~120℃の範囲内の温度で混合される。
【0037】
助剤は、特に以下のグループから選択され組み合わされていてもよい:糖蜜、亜硫酸廃液、硫酸廃液、プロパン瀝青、セルロース繊維、麦芽残渣(使用済み穀物)、HSC(高変換ソーカー分解)残渣、石油産業からの混合HSC/ROSE(残留油超臨界抽出)残渣。
【0038】
一般に、コークス化助剤および粘結(接着)助剤は区別されるが、ある特定の原料に対して両方の機能を果たすことができる助剤もある。
【0039】
本明細書に記載の石炭品種の場合、水の追加は好ましくない傾向があることが分かった。例えば、亜炭は通常、45%超の含水量を有する。ブリケット化手順において高い効率を確保できるようにするために、定義された(高過ぎない)含水量を順守することが理にかなっていることが分かった。特に、約20%の含水量が有利であることが分かった。したがって、予備乾燥があってもよい。
【0040】
その後のブリケット化手順は、特に40~90℃、特に55~65℃の温度範囲内で行われる。この凝集の方法は、製造された石炭ブリケットの一部に高い圧縮強度および摩耗強度、特に30MPa以上の強度をもたらす。
【0041】
本明細書に記載の方法(特定の凝集技術、特に穏やかな乾燥およびコークス化の方法との組み合わせ)により、原料に対して比較的高品質のコークスまたは石炭を提供することができる。所望のブリケット形状、特に円筒パック形状の維持は、コークス化中であっても保証され得る。コークス化手順の過程で、石炭は質量と体積の両方で40~60%、特に50%収縮し、このため、30MPaを超える望ましい高い圧縮強度および摩耗強度(特に反応後のコークス強度(CSR))ならびに55%未満のCRI(コークス反応性指数)値での低い反応性が得られる。石炭ブリケットはさもなくば空気の存在下で自然に発火する可能性があるため、反応性のこの上限が必要である。これらの制限値によって定義される品質レベルは、これまでのところ、記載されている低品位の石炭品質では達成できていない。特に、これまでの方法および装置は、ブリケットの割れ、またはブリケット形状の完全な破壊さえももたらした。質量および体積の変化は、特に同じ割合で発生し得る。
【0042】
本発明の方法により、ブリケット形状(パック形状)を維持することが可能であり、その結果、圧力損失、熱輸送、流動プロファイル、および他の方法パラメータが事前に定義可能である。
【0043】
本発明の目的は、従来の原料、特に亜炭および/または弱コークス化瀝青炭またはバイオマスのコークス化を可能にし、特に垂直室炉でのブリケットのコークス化用およびコークス化後に、高い強度を達成および維持できるような原料の加工を可能にする上記特徴を有する装置および方法を提供することである。目的はまた、得られる生成物で可能な手順が、これまでの従来の原料、例えば従来の瀝青炭ブリケットでの手順と可能な限り同じまたは同様となるように、非従来の原料を加工、提供および/または管理することとみなすことができる。
【0044】
上記目的の少なくとも1つは、本発明によれば、固体、特に亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの炭素質の原料を圧密してブリケットを形成するための金型装置であって、原料を圧縮するための設備を備える金型装置を用いて達成され、金型装置は、有孔プレートロールミルを有する第1の凝集段階を備え、圧縮するための設備は、少なくとも1つの加圧ラムおよび対応する設計の加圧チャネルを有する成形チャネルラムプレスを備え、第2の凝集段階として有孔プレートロールミルの下流に配置される。特に有孔プレートロールミルおよび下流の成形チャネルラムプレスに基づく二段階凝集は、組み合わさって、圧縮原料側に特に優れた特性を提供する。加工/圧密の多くの時点で、例えば比較的単純および正確な方法で、圧縮原料の最終特性が狭い許容範囲内で事前に定義され得るように原料の温度および湿度等の方法パラメータまたは特性を確立することができる。
【0045】
有孔プレート(ダイ、加圧通路)を介して成形することにより、原料の搬送性、ならびに原料側の高い幾何学的均一性および強度を確保することができる。両方の効果が、第2の凝集段階での所望の加工に有利となり得る。
【0046】
金型装置は、原料の二段階凝集、すなわち、特に円筒形ペレットを得るための第1段階での原料の圧密、および第2段階での圧縮設備での圧縮に適合している。ここでの金型装置は、有孔プレートロールミルから加圧ラムに原料を供給するための設備を備えてもよく、有孔プレートロールミルは供給設備の上流に、かつ上記設備の上に配置されていてもよく、したがって重力駆動プロセス供給も行われ得る。
【0047】
凝集は、粉砕機で原炭を粉砕し、次いで有孔プレートロールミルで限られた強度のグリーン凝集体(ペレット)を粉砕および生成し(これは、特に原料の初期含水率が比較的高い場合に可能である)、ならびに、その後例えばチューブ乾燥機でペレットを所望の目標含水量まで乾燥させることを含み得る。
【0048】
本発明による凝集によって生じ得る利点および克服され得る困難は、特に次の通りである:
高炉で使用するための高強度コークスの提供;
既存の方法から独立した、特に高温ブリケット化亜炭からのコークスの生成から独立した、湿式解砕磨砕からのブリケット化亜炭からのコークスの生成から独立した、および予備造粒乾燥亜炭粉からのブリケットからのコークスの生成から独立したコークス品質の改善;
装置のコストおよび複雑さが、既存の方法と比較して下げることができること(例えば、超微細粉砕、液体の除去、乾燥、およびその後の粉砕による湿式解砕磨砕と比較して);
コークスのこれまでの限られた強度(特に、予備造粒乾燥亜炭粉からのブリケットからのコークスの場合)を増加させることができること。
【0049】
様々な原料に対して、第1の凝集段階(有孔プレートロールミル)および第2の凝集段階(圧縮)との間で、乾燥が有利な効果をもたらす可能性が高いため、同じ平面内で互いに並べた配置が、上下の配置よりも有利となり得る。これに関連して、乾燥および移動の好ましい方法は、原料の種類に応じて優先的に定義され得ることも分かった。
【0050】
圧縮の前に原料をペレット化するための有孔プレートロールミルは、修正されたフラットダイプレスとして説明され得る。有孔プレートロールミルは、圧縮および所望の強度に有利な加工された形態の原料を提供する。有孔プレートロールミルは、得られたペレットが圧縮を簡素化し、ブリケットの最大強度を確保する目的に資するという利点を備えた、従来の粉砕の代替手段を提供し得る。有孔プレートロールミルはまた、特に、低密度の比較的多孔質のペレットを提供し得ることが分かった。また、特に述べることができる別の利点は、比較的湿った原料の高レベルの微粉度である。有孔プレートを通して成形することにより、原料またはペレットの形状の高い搬送性および高い均一性を確保することもできる。両方の側面は、一方で特に成形チャネルラムプレスでの管理に有利な結果をもたらす。
【0051】
乾燥状態(1/0mm)での亜炭の従来の粉砕とは対照的に、有孔プレートロールミルは、粉砕を芯が湿った状態で行うことができる。これには、特にダスティングまたは同様の悪影響に関する利点がある。その後の水の追加も不要となり得る。次いで、凝集の第1のステップは、高強度および/または効果的な粘結を伴う「自然な」状態の原料を用いて行われ得る。その後にのみ、予備乾燥が行われる/その意図が可能である。この方法のシーケンスにより、原料中の水分率の変動を全体的に回避することができる。その代わりに、原料を穏やかな様式で連続的に乾燥させることができ、これにより材料へのストレスを最小限に抑えることができる。
【0052】
有孔プレートロールミルの利用により、結合力の維持、およびその後の圧縮の準備段階としての弱い予備圧密により、亜炭の集中的な粉砕(特に、石炭構造の分解/石炭の破壊)が可能になることが分かった。
【0053】
有孔プレートロールミルを用いることにより、高い内部微粉度、および例えば有利な輸送特性(低ダスト負荷;ペレットサイズ範囲、例えば2/0.1mm、つまり0.1mmより大きく2mmより小さい)を有するペレットまたはいわゆる二次粒子(予備圧密体)を達成することができる。
【0054】
例示的な一実施形態によれば、有孔プレートロールミルは、成形チャネルラムプレスに連結可能/連結されている。これにより、原料から有孔プレートロールミルでの粉砕/ペレット化を介し、ペレットの乾燥、圧縮/ブリケット化、およびブリケットの乾燥を経た後のコークス化/炉室への操作経路上でのブリケットの管理が容易化され得る。
【0055】
例示的な一実施形態によれば、加圧通路は、少なくとも部分的に、それぞれの加圧通路の少なくとも第1のセクションにおいて、円筒形加圧通路として構成される。これにより、圧密のための圧力の調整された印加が可能となる。また、有利な成形が可能となる。
【0056】
例示的な一実施形態によれば、加圧通路は、一定の直径を有する第1のセクションを含む少なくとも2つのセクションに細分され、円錐形、特に拡がる円錐形、より具体的には直径が1.5~2倍に広がる円錐形を有する第2のセクションをさらに含む。これは、有利な加工、特に、適度な圧密の原料が過度に圧縮されることなく寸法安定性を保つような原料の穏やかな処理を提供する。
【0057】
例示的な一実施形態によれば、加圧通路は、一定の直径を有する第1のセクションを含む少なくとも2つのセクションに細分され、前記第1のセクションは、各加圧通路の絶対長の20%以下にわたって延在する。これにより、圧密後のペレットの適度な、比較的ゆっくりした、穏やかな広がりが可能になり、第2の凝集段階に適合した加工に有利な結果がもたらされる。
【0058】
それぞれの加圧通路の直径は、特に原料の拡大特性に応じて、ペレットの目標サイズよりも少なくとも部分的に大きくてもよい。加圧通路の拡大が、例えば加圧通路の第1セクションの直径の2倍である場合、原料またはペレットは必ずしも2倍の拡大を生じる必要はない。最終的には、加圧通路の広がりに応じてペレットが完全に再び広がるか、またはペレットが少ししか膨張しないかは、原料に依存する。
【0059】
上述の加圧通路の実施例は、それぞれの場合において、第2の凝集段階(成形チャネルラムプレス)での原料の圧縮を成功裏に促進する。特に、過度に強固なペレット(過度に圧密されたペレット)の形成を回避することができ、特に過度の圧密の場合、第1の凝集段階でペレットはすでに高過ぎる密度を有し、すでに石炭粒子間にしっかりと形成された結合を有するため、ペレットは、ブリケット化能力を全く有さない。所望の圧密に応じて可変に調整可能な加圧通路の実施形態により、例えば、第2の凝集段階に悪影響を与える可能性のある原材料の影響を最小化することも可能になることが分かった。したがって、本発明による二段階凝集のおかげで、広範な原料のペレットを包含するように適用範囲を広げることもできる。
【0060】
例示的な一実施形態によれば、成形チャネルラムプレスは、円錐状入口セクションおよび円錐状出口セクションを有する加圧チャネルを備え、加圧チャネルは、特にベンチュリノズルのように、対向する円錐形を有する断面形状を備える。圧縮のための設備は、ベンチュリ断面形状を有する加圧チャネルを備えてもよく、前記加圧チャネルは、二重対向円錐形に基づいて、ここではベンチュリ加圧チャネルとして定義/指定される。これは、高い強度を提供し、またプロセス関連の利点を有する。ここで、特に円筒形ブリケットの場合、逆テーパのプロファイルにより、特に包括的な力の効果または緩和が可能になる。特に強度に関して理想的な妥協点を達成することが可能である。
【0061】
ラムは、特に円筒形状を備えている。ラムの場合、ラムは金型または円錐状加圧チャネルに完全に下降する必要がないため、断面のテーパに適合する可変形状の必要性は必ずしも存在しない。
【0062】
加圧チャネル内には、加圧チャネルに連続的に導入され得る2つの摩耗スリーブがあってもよい。
【0063】
換言すれば、加圧チャネルは、対向する円錐形を備えた断面形状を備えていてもよい。対向する円錐形は、前進方向にベンチュリ状の二重の対向するテーパプロファイルとして説明され得る。入口セクションは、前進方向に円錐状に狭くなる断面形状を備えてもよく、出口セクションは、前進方向に円錐状に広がる断面形状を有してもよく、したがって、加圧チャネルは、対向する円錐形を有する二重円錐状輪郭を形成し、特にベンチュリノズルのように、最初に収縮してから拡大する。勾配/円錐形は、それぞれの場合に個別に選択されてもよく、1つまたは複数の(交換可能な)成形部品によって設定されてもよい。したがって、各原料について、加工および/または圧密を簡単な方法で最適化することができる。
【0064】
例示的な一実施形態によれば、前進方向の入口セクションは出口セクションよりも短い。これにより、高いブリケット強度を達成することができる。いかなる場合でも、入口セクションに出口セクションよりも短い寸法を与えることが有利であることが分かった。2つのセクションの機能は異なり、出口セクションは、特に緩やかな再膨張の機能を果たすことも意図されている。
【0065】
特に圧力可塑性生成物の場合、非常に穏やかな再膨張により、凝集操作中の品質を促進する効果が得られる。ブリケットの拡大は、制御された様式で行われ得る。
【0066】
ここでの(加圧中の)圧密の強度は、緩和(圧縮後の膨張)中の方法パラメータとは無関係に確立され得る。特に、入口セクションと出口セクションの長さと勾配により、加圧チャネル全体を通る前進速度が同じであっても、ここで方法パラメータに影響を与えることができる(スリーブまたは成形部品の長さおよび勾配;円錐セクション間の主収縮部の直径および長さ、特に一定の断面積)。
【0067】
特に圧縮の結果として高い圧密度、ひいては高い総密度および強度を確保できるようにするためには、極端に低い空隙率に利点があることが明らかとなっている。
【0068】
例示的な一実施形態によれば、出口セクションの長さは少なくとも15cmである。これにより、圧密の連続的な緩和が可能になる。これは、圧密の強度にプラスの結果をもたらす。
【0069】
出口セクションの長さは、成形チャネルの絶対長の2/3以下であることが好ましい。特に、成形チャネルの長さが400mmの場合、出口セクションの長さはちょうど、または約200mmである。この場合、主収縮部の直径が49.1mmから50mmに拡大すると有利であることが分かった。
【0070】
出口セクションの長さは、特に原材料の特性に対応できるようにするために、可変に調整可能であることが好ましい。
【0071】
例えば、ラムの前進またはストロークの速度は、それぞれの場合において1回のストロークで単一のブリケットが製造されるように確立される。
【0072】
前進速度は、回転プレス速度によって、特に含水率、微粉度、または原料の原材料の性質の他のパラメータの関数として決定され得る。これらのパラメータに応じて、加圧チャネルを通るブリケットの移動速度を設定することができる。
【0073】
例示的な一実施形態によれば、加圧チャネルは、少なくとも円錐状入口セクションの前に、および/または円錐状出口セクションの後に、および/または入口セクションと出口セクションとの間に、特に前進方向に円筒形断面形状を少なくとも部分的に備える。これにより、特に最大強度値の場合、原料をより穏やかに処理し、低応力状態で所望の形状にすることができる。
【0074】
例示的な一実施形態によれば、加圧チャネルが、入口セクションと出口セクションとの間に、異なる断面形状を有する中間セクション、特に均一な、好ましくは円筒形の断面形状を有するセクションを備える。これにより、ある特定の恒常性を有する圧力条件のフェーズを実現して、強度にプラスの結果をもたらすことができる。特に回転対称の円形形式の場合、凝集体における有利な圧力分布がここで可能になり、高い総密度および均質な総密度分布を、ひいては高強度の塊状コークスの生成のための有利な条件を達成することができることが分かった。特に、円筒形状の場合、特に均一な、好ましくは円筒形の断面形状を有する中間セクションにより、ブリケット全体にわたって非常に均一に分散された、軸方向に均一な面加圧、ならびに、定義された前進速度および定義された円錐形に関連して、非常に正確に事前定義可能なラジアル面加圧が実現され得る。これにより、高い(圧縮または摩耗)強度を有するブリケットが得られる。
【0075】
例示的な一実施形態によれば、加圧チャネルが完全に、または入口セクションおよび出口セクションのそれぞれが、単一形状部品から形成される。これにより、比較的硬い石炭/原料でも高品質で圧縮され得る。成形部品は、高い強度と耐圧性を有するように設計され得る。実際、特にドイツの軟亜炭の結合剤を使用しないブリケット化には、複数部分の成形型で十分であることが分かった。例えば、第1のスリーブが入口セクションに(特に主収縮部まで)提供されてもよく、第2のスリーブが出口セクションに(特に収縮部以降に)提供されてもよい。異なる石炭/原料に対して異なるスリーブの組み合わせが可能であるため、複数の個別の成形部品により大きな柔軟性が提供される。特に、製造関連の利点が実現され得る。しかしながら、単一部品、特に円筒形の圧密成形金型(または加圧チャネル)を使用すると、加圧チャネルで特に高い張力または圧力負荷が可能になるため、比較的硬い石炭/原料に対して特に有利である。したがって、原料に応じて最適な妥協案が選択され得る。
【0076】
例示的な一実施形態によれば、成形チャネルラムプレスは、加圧チャネルに沿って、特に少なくとも入口および出口セクションに沿って延在する冷却チャネルを備える。これにより、非常に狭く設定可能な温度範囲でも圧縮を行うことができ、その結果、製造されるブリケットの品質をさらに向上させることができる。
【0077】
圧縮中、静摩擦と滑り摩擦の結果として、加圧チャネルで温度平衡が確立される。この平衡の位置は、冷却チャネルによってより低い温度に、特に65~80℃以下の範囲内の上限までシフトし得る。この上限は、低温ストレスまたは比較的湿った原料も圧縮できる選択肢の点で有利であることが分かった。特に、80~90℃の最大温度上限を超えないことを保証することが可能であり、これは圧密体/ブリケットにおける高い結合力の発達に関して有利であることが証明されている。特に、冷却媒体、特に冷却水の体積流量および温度のパラメータに基づいて、能動的な冷却調整が行われてもよい。特に、40~90℃、特に55~65℃の温度範囲が観察され、それにより原料の脆化を、ひいては品質の低下を防ぐことができる。
【0078】
例示的な一実施形態によれば、成形チャネルラムプレスは、少なくとも1つの湿度センサおよび/または少なくとも1つの圧力センサを備える測定設備を備える。これにより、特にブリケット側で特に高品質を達成するために、圧縮中にさらなるパラメータを監視および調節することができる。湿度測定は、特にセンサ(例えば、特にマイクロ波に基づく非接触センサ)を用いて達成することができ、このセンサは、加圧チャネルの直前で、金型装置に供給される原料のH2O含量を決定する。理想的には、非接触測定法、特に光学法または超音波法が使用される。
【0079】
圧力測定は、成形チャネル内の圧力(力/面積)またはラムへの圧力を測定するセンサ(例えばロードセル)を用いて行うことができる。
【0080】
例示的な一実施形態によれば、金型装置は、第1の凝集段階の上流にあり、原料を粉砕または磨砕することを意図した少なくとも1つの設備と、特に水またはH2Oが20質量%以下となるまで原料を乾燥させるための少なくとも1つの設備とを備える。これにより、後続の方法ステップで原料をさらにより効果的に調製することができる。
【0081】
したがって、金型装置は、成形チャネルラムプレス、原料を磨砕するための少なくとも1つの設備、原料を乾燥させるための少なくとも1つの設備、および磨際された原料をペレット化するための有孔プレートロールミルを少なくとも1つ備える、複数の凝集段階を備えてもよい。ここでの個々の凝集段階は、特定の加工状態で原料を提供するのに役立つ方法またはプラントの全体を包含し、すなわち、ここでは特に、第1の凝集段階としてペレットを製造するための加工、および第2の凝集段階としてブリケットを製造するための圧縮を包含する。したがって、凝集は、コークス化の前に、炉室の上流にブリケットを提供するための方法またはプラントに関する。
【0082】
磨砕のための設備は、原料を約20mm以下に粉砕するように適合させることができる。磨砕のための設備は、特にジョークラッシャーの形態をとってもよい。原料が20mmを超える直径dを有する場合、磨砕/粉砕を行うことが特に有利であることが分かった。
【0083】
上述の目的の少なくとも1つはまた、本発明によれば、固体、特に亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの炭素質の原料を圧密してブリケットにする方法を用いて達成され、この方法は、原料を圧縮するステップを含み;原料は、まず、有孔プレートロールミルによって第1の凝集段階でペレットにペレット化され、その後、円錐状に狭くなった入口セクションおよび円錐状に広がった出口セクションに沿った加圧チャネルに少なくとも1つの加圧ラムを有する成形チャネルラムプレスによって第2の凝集段階でブリケットに圧縮される。これにより、高品質、特に高強度のブリケットが提供され得る。この方法は、特定の原料に対して容易に最適化され得る。
【0084】
一実施形態によれば、圧縮の前に、有孔プレートロールミルによって原料がペレット化されて円筒形ペレットを形成する。これは、成形チャネルラムプレスの上流で、圧縮に有利な加工形態の原料を提供する。
【0085】
有孔プレートロールミルは、多数の加圧通路、特に2~6mm、特に最大6mm、好ましくは3mm未満、より好ましくは0.1~2mmの直径を有する円筒形通路を有するダイを含む。ここで、通路の長さは可変であっても、またはダイごとに個別に設定されてもよい。それぞれのダイは交換可能であってもよく、原料ごとに個別に使用されてもよい。通路は、最大の再膨張のために、出口側に拡大する断面形状またはバックボアを含んでもよい。その場合、極めて弱い圧密/高密度化が実現され得る。したがって、得られるペレットは、極めて低い総密度、ひいては高い空隙率を、より具体的には0.65~0.75g/cm3の範囲内の総密度、および/または42%~46%の範囲内の空隙率を有する。これにより、ベンチュリチャネルを有する成形チャネルラムプレスで圧縮する際に有利な特性を確立できることが分かった。1つの有利な例示的実施形態によれば、ペレットの総密度は約0.7g/cm3またはちょうど0.72g/cm3であり、空隙率は約44%またはちょうど44.6%である。
【0086】
本発明によれば、有孔プレートロールミルは、それぞれ最大6mmまたは1~6mm、特に3mm未満の直径を有する多数の加圧通路を有するダイを含む。これはまた、第2の凝集段階に有利な処理を提供する。有孔プレートロールミルにより、原料の有利な予備加工が単純な様式で達成され得ることが分かった。
【0087】
凝集に関する点では、有孔プレートロールミルでの原料へのストレスが、その後の成形チャネルラムプレスでの圧縮に関連して、原料の最適加工の理論的教示に反することが予測される。実際に、これまでの予測は、その後の乾燥によるペレット化が粒子の結合を飽和させるというものであり、換言すれば、単一状態の凝集が目的にかなうとみなされていた。
【0088】
本発明によれば、特に第1の凝集段階の加圧通路の有利な構成によっても、第2の凝集段階での良好な圧縮性のための好条件を形成することができることが分かった。有孔プレートロールミルでの前処理により、特に好ましい形状の加圧通路による比較的弱い凝集のみで、ひいては成形チャネルラムプレス(第2の凝集段階)による好ましい加工のための原料の前加工により、原料を前加工することができる。
【0089】
ここで、ペレットとは、有孔プレートロールミルによる圧延/成形のステップ後に得られる成形体であると理解される。ここで、予備圧密体/ペレットの形状は、ダイおよび/または通路の形状によって設定され得る。次いで、特に加圧圧力、温度、および加圧時間のより標的化された確立により、その後の圧縮ステップでブリケットまたは圧密体を形成するために、それぞれの場合において複数のペレットを成形することができる。
【0090】
圧密方法は、二段階凝集を含み、圧縮の前に、比較的湿った原料(特に20質量%の領域内)のペレット化が行われ、特に円筒形のペレットが得られてもよい。圧縮前の石炭または原料が、8~15質量%、特に10~12質量%の水画分を含む場合に有利であることが明らかとなった。有孔プレートロールミルは、比較的湿った原料のペレット化を可能にするため、有孔プレートロールミルと成形チャネルラムプレスとの間で、必要に応じて乾燥が行われてもよい。
【0091】
一実施形態によれば、圧縮は、60~95℃、または50~90℃、または40~80℃、特に55~65℃の範囲の温度で行われる。これにより、特にそれぞれの場合において所望の湿度範囲内で、取り付けまたは粘結が最適化され得る。特に、蒸発がないことを確実にすることができる。特に亜炭は、特に少なくとも約65℃で、特に高い圧縮強度のブリケットに圧縮され得ることが分かった。
【0092】
一実施形態によれば、圧縮は、120~150MPa、特に140MPaの圧力で行われる。これにより、多様な原料に対して有利なブリケット特性が達成され得る。この圧力範囲では、特に高品質が達成され得る。
【0093】
ここで、出口セクションにおいて原料にかかる圧力は、特に最大圧力レベルから始まって連続的に減少する、主収縮部(中間セクション)における入口セクションの圧力よりもはるかに低いことが好ましい。これにより、特に穏やかな処理に基づいて、良好なブリケット特性を確保することができる。
【0094】
一実施形態によれば、圧縮前または圧縮中に結合剤、より具体的には以下の群からの結合剤が原料に供給される:糖蜜、亜硫酸(廃)液、硫酸(廃)液、プロパン瀝青、セルロース繊維、HSC残渣、混合HSC/ROSE残渣。これにより、圧縮ブリケットの特性、または成形チャネルのラムプレスのある特定の圧力条件の効果が影響され得る。結合剤は、特に30~120℃の範囲内の温度で供給される。
【0095】
有孔プレートロールミルへの結合剤の添加は必ずしも必要ではないことが分かった。しかしながら、そこに、および/または別個のミキサー内に、ブリケット化またはコークス化助剤が添加されていてもよい。特に、比較的高度に石炭化された石炭を加工する場合、最適な混合を目的として、ブリケット化および/またはコークス化に使用される結合剤またはコークス化助剤が、有孔プレートロールミル自体または別個のミキサー内に添加されてもよい。コークス化助剤は、早くも有孔プレートロールミルの上流で添加され得る。
【0096】
本発明によれば、第1の凝集段階後の原料には、0.1~4mmの間、または0.1~3mmの間、特に2mm未満のペレットまたは粒子サイズが提供される。これにより、圧縮されたブリケット内の個々の粒子の効果的な結合が、特に炉室内への充填の性質や方向とは無関係に確保され得る。圧縮は、15質量%以下の水分で、特に8~15質量%の範囲内、またはさらに標的化すると10~12質量%の範囲内の温度および/または湿度調整で行われることが好ましい。
【0097】
これまでの従来の粉砕は、微粒子割合が高い1/0mmの粒度を有する粒子(特に、0.25mm以下の直径を有する40%の粒子)を得るために行われていた。本明細書に記載の装置は、湿式粉砕を可能にし、この粉砕では、低ダスト負荷であるがペレットの高い内部微粉度を有する第2の粒度を確保することができる。ペレットが圧縮されると、これにより比較的高品質のブリケットが得られ、特に、高いブリケット/コークス強度が得られる。ここでのペレット化は、20%~60%の範囲内の比較的高い水分率で行うことができる。二段階凝集により、原料はまだ比較的高い水分率の状態で圧密され得る。
【0098】
原料は、有孔プレートロールミルで磨砕およびペレット化することにより粉砕され得る。
【0099】
一実施形態によれば、第1および/または第2の凝集段階のための原料は、15~60質量%、特に40~60質量%の含水量で提供され;圧縮中の原料は、特に40~70℃、特に50~70℃の範囲内、より具体的には60℃の温度で、5~20質量%、特に10~12質量%、より具体的には11質量%の含水量になる。これにより、特に亜炭の場合、良好な粒子強度特性を有する有利な組成が確保され得る。一方、他の原料では、特に原料の初期含水量(例えば亜炭では50~65%)から予備乾燥を受けた原料の含水量までの全範囲内で、含水量がより高くまたは低くなり得る。
【0100】
圧縮する前に、第1の凝集段階で40%から50%以下の範囲内の空隙率、および/または0.6から0.8g/cm3以下の総密度を確保することが好ましい。1つの有利な例示的実施形態によれば、ペレットの場合の総密度は0.75g/cm3以下であり、および/または空隙率は45%以下である。
【0101】
一実施形態によれば、圧縮はバッチで行われ、それぞれの場合において15秒未満、特に10秒未満、より具体的には3~9秒の範囲内の時間内で1つのブリケットが形成される。これにより、特に良好な強度値を含むブリケット側の良好な特性が実現され得る。
【0102】
一実施形態によれば、圧縮前の石炭または原料は、特に結合剤の混合により、少なくとも2つの異なる原料から混合される。これにより、ブリケットの組成を特定の用途に合わせて個別に最適化することができる。
【0103】
一実施形態によれば、圧縮前または圧縮中の原料には、コークス化助剤、より具体的には以下の群からのコークス化助剤が供給される:糖蜜、亜硫酸(廃)液、硫酸(廃)液、プロパン瀝青、セルロース繊維、HSC(高変換ソーカー分解)残渣、混合HSC/ROSE(残渣油超臨界抽出)残渣。これにより、特に炉室内の選択された温度領域に応じて、材料の特性をコークス化に関して特に調節することができる。これは、方法のパラメータに影響を与えるためのさらなる選択肢を提供する。コークス化助剤は、特に30~120℃の範囲内の温度で供給される。
【0104】
一実施形態によれば、圧縮は、コークスブリケットまたは塊状コークスに変換されたブリケットが、コークス化の前および/または後に20MPa以上、特に30MPa以上の圧縮強度を示すように行われる。これにより、特に下部ブリケットに大きな負荷がかかる非常に高い炉室でも、高い動作信頼性が保証される。その結果、ブリケットの適用範囲が特に広くなる。ブリケット化は、コークス化後のブリケットの強度値の決定要因でもあることが分かった。しかしながら、乾燥、コークス化、または冷却が不適切であると、強度が失われる可能性がある。本明細書に記載の温度調整方法を使用すると、特に亜炭の圧縮強度がコークス化の結果低下せず、代わりに一定である、またはさらには上昇することが保証され得る。特に、例えば、25MPaから少なくとも35MPaまで、または30MPaから少なくとも45MPaまで、少なくとも30%から50%の強度の増加が確保され得る。コークス化を最適化するための重要なパラメータには、温度曲線だけでなく、特に、コークス化の時間/期間および炉室内の圧力条件も含まれる。しかし、温度プロファイルが最大の影響を与えることが明らかになった。
【0105】
強度は、密度の一変数関数となり得る。特に結合剤を使用すると、比較的低密度であっても非常に高い強度を有するブリケットを製造することが可能である。
【0106】
一実施形態によれば、ブリケットの圧縮前に、まず原料を水分が20質量%になるまで加熱および乾燥させ、その後、圧縮のための/圧縮された原料を加熱および乾燥させてブリケットを形成し、ブリケットが炉装置に供給される前に水分を11質量%にする。これにより、ブリケットの特に穏やかな処理が保証される。圧縮は、特に温度および/または湿度調整により、11質量%の水分で行うことが好ましい。
【0107】
また、上述の目的の少なくとも1つは、本発明によれば、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料を圧密するための二段階凝集操作での成形チャネルラムプレスと組み合わせた有孔プレートロールミルの、ブリケットを提供するための使用であって、有孔プレートロールミルは、それぞれ最大6mm、特に2mm未満の直径を有する多数の加圧通路を有するダイを備える使用、特に、とりわけ垂直炉室を有する炉装置用の、有孔プレートロールミルのペレットから特に円筒形のブリケットを提供するための、二重に反対に先細りする圧縮チャネルを有する成形チャネルラムプレスの使用により達成される。これにより、上記の利点が得られる。
【0108】
また、上述の目的の少なくとも1つは、本発明によれば、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料をペレット化して、成形チャネルラムプレス内でペレットをブリケットに圧縮するためのペレットを提供するための、有孔プレートロールミルの使用であって、有孔プレートロールミルは、とりわけ垂直炉室を有する炉装置用の、それぞれ最大6mm、特に2mm未満の直径を有する多数の加圧通路を有するダイを備える使用により達成される。これにより、上記の利点が得られる。
【0109】
上述の目的の少なくとも1つは、本発明によれば、コークスを製造するための炉装置内でコークス化するように(またはコークスに変換するように)構成されたブリケット、特に円筒形ブリケットにより達成され;ブリケットは、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの原料からなり、20MPa以上、特に30MPa以上の圧縮強度を有し、ブリケットは、有孔プレートロールミルを有する第1の凝集段階、および成形チャネルラムプレスを有する第2の凝集段階により製造され、第1の凝集段階の後の原料は、0.1~4mmの間または0.1~3mmの間のサイズで提供される。これにより、上記の利点が得られる。ブリケットは、コークス化の前および/または後に、好ましくはコークス化の前後の両方でこの圧縮強度を有する。
【0110】
例示的な一実施形態によれば、ブリケットは円筒形状を有する。この形状は、ブリケットの幅広い用途を捉え、特に有利な製造方法も可能にすることが分かった。例示的な一実施形態によれば、ブリケットはその高さよりも幅広く、より具体的にはディスク形状である。これにより、圧縮に関連してブリケットの特性に特に正確に影響を与えることができる。
【0111】
例示的な一実施形態によれば、ブリケットは、成形チャネルラムプレスの加圧ラムの端面に幾何学的に対応する少なくとも1つの端面を有する、1対5、特に2対3の幅対高さ比を有する円筒形状を有する。これにより、特に良好な強度が実現され得る。加圧ラムにより、ブリケットに狭い許容範囲内の形状を与えることができる。これは、特に強度の点で有利である。ブリケットは、例えば、20~100mmの幅または直径を有し、平面状の端面を有し、角が丸くされていてもよい。円筒形状は、特に、低速燃焼および遅延反応が必要または望ましい従来の高炉ブリケットまたは従来の原料の代替に関連して利点を提供することが分かった。代替は、特に、円筒形ブリケットの場合、本明細書に記載の凝集法(加圧チャネルでの圧縮)によって達成される強度値の理由により、より広範囲に行うことができる。
【0112】
また、上述の目的の少なくとも1つは、本発明によれば、コークスを製造するための炉装置内でコークス化するように構成されたブリケットを提供するための、成形チャネルラムプレス内で圧縮するように構成されたペレットにより達成され、ペレットは、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料を、有孔プレートロールミル内でペレット化することにより製造され、ペレットは、成形チャネルラムプレス内で、0.1~4mmの間、または0.1~3mmの間のサイズで提供される。これはまた、幅広い用途を提供する。
【0113】
また、上述の目的の少なくとも1つは、特に原料が有孔プレートロールミルで事前にペレット化されている場合、二重対向ベンチュリ様テーパを有する加圧チャネルを有する成形チャネルプレス内で、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークスおよび石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料を圧縮することにより製造されたブリケット、特に上述のブリケットによっても達成される。これにより、多様なプロセス関連の利点とともに、高強度のブリケットを製造することが可能になる。本発明の装置を使用する場合、亜炭および弱粘結瀝青炭およびバイオマス原料を互いに混合することもまた可能であることが分かった。これにより、本明細書に記載の炉装置の応用分野が拡張される。
【0114】
また、上述の目的の少なくとも1つは、本発明によれば、炉装置内でコークス化するように構成されたブリケット、特に上述のブリケットにより達成され、ブリケットは、有孔プレートロールミル内で、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料をペレット化し、その後得られたペレットを成形チャネルラムプレス内で、特に二重対向ベンチュリ様テーパを有する加圧チャネル内でブリケットに、特に円筒形のブリケットに圧縮することにより製造され、第1の凝集段階の後の原料は、0.1~4mmの間または0.1~3mmの間のサイズで提供される。
【0115】
また、上述の目的の少なくとも1つは、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料で構成され、20MPa以上、特に30MPa以上の圧縮強度を有するコークスブリケットにより達成され、コークスブリケットは、ブリケット乾燥機での先行する多段階乾燥の後に、それぞれの炉室で連続的に上昇する温度プロファイルを有する垂直室炉内で、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料からなるブリケット、特に円筒形ブリケットをコークス化することにより生成される。
【0116】
また、上述の目的の少なくとも1つは、0.75g/cm3以下の総密度、および/または45%以下の空隙率という特性を有する石炭ブリケットまたはコークスブリケットとして提供される、亜炭で構成される石炭圧密体によって達成され、石炭圧密体は、特に円筒形のディスク状の形状を有する。
【0117】
また、上述の目的の少なくとも1つは、0.75g/cm3以下の総密度、および/または45%以下の空隙率という特性を有する石炭ブリケットまたはコークスブリケットとして提供される、弱粘結瀝青炭で構成される石炭圧密体によって達成され、石炭圧密体は、特に円筒形のディスク状の形状を有する。
【0118】
また、上述の目的の少なくとも1つは、0.75g/cm3以下の総密度、および/または45%以下の空隙率という特性を有するバイオマスまたは石油石炭で構成される圧密体によって達成され、圧密体は、特に円筒形のディスク状の形状を有する。
【0119】
また、上述の目的の少なくとも1つは、有孔プレートロールミルによってペレット化され、成形チャネルラムプレスによって圧縮され、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料で構成されるブリケット、特に円筒形ブリケット、より具体的には上述のブリケットを垂直室炉内で使用して、異なる傾斜の温度勾配(最初はより小さい勾配、次いでより大きい勾配)での少なくとも2つの温度範囲の熱調整によってコークスブリケットを製造することにより達成される。
【0120】
また、上述の目的の少なくとも1つは、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料で構成されるブリケット、特に上述のブリケットを製造するためのコークス化助剤の使用によって達成され、コークス化助剤は、次の群からの少なくとも1つの成分からなる:亜硫酸(廃)液、硫酸(廃)液、プロパン瀝青、セルロース繊維、HSC残渣、混合HSC/ROSE残渣。
【0121】
また、上述の目的の少なくとも1つは、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料で構成されるブリケット、特に上述のブリケットを製造するための結合剤の使用によって達成され、結合剤は、次の群からの少なくとも1つの成分からなる:亜硫酸(廃)液、硫酸(廃)液、プロパン瀝青、セルロース繊維、HSC残渣、混合HSC/ROSE残渣、麦芽残渣(使用済み穀物)。これにより、特に方法を大幅に変更する必要なく、原料の特定の混合物に標的化して影響を与えることができる。多くの場合、結合剤なしで圧縮を実行することが望ましくなり得る。しかしながら、結合剤は、ペレット/予備圧密体の結合を向上させるだけでなく、コークスの特性(特にCRIおよびCSR値)を向上させることもできる。
【0122】
また、上述の目的の少なくとも1つは、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークス、および石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料で構成されるブリケットを製造するための結合剤および/またはコークス化助剤の使用によって達成され、結合剤またはコークス化助剤は、次の群からの少なくとも1つの物質を含む:亜硫酸(廃)液、硫酸(廃)液、プロパン瀝青、セルロース繊維、HSC残渣、混合HSC/ROSE残渣。これらの物質は、結合剤およびコークス化助剤の両方として使用され得ることが分かった。結合剤は、圧縮する前に原料に添加され、その接着効果により、弱粘結原料から形状安定な圧密体を製造することができる。一方、コークス化助剤は、特に炉室内で比較的高温でのみ溶融し、特に350℃超の温度において、原料の膨張/拡大および再凝固中に、粒子間にいわゆる溶融架橋または固体架橋を形成する。
【0123】
上述の目的の少なくとも1つは、本発明によれば、少なくとも1つの上述の炉装置、および少なくとも1つの上述の金型装置を備える石炭利用構成により達成され、金型装置により圧縮されたブリケットは、好ましくは15質量%未満、特に10~12質量%の範囲内の含水量で圧縮され、炉装置、特に炉室の上流の温度および/または湿度調整されたブリケット乾燥機においてこの含水量で提供される。これにより、加工後にブリケットが再び水を吸い上げるのを回避することができる。材料へのストレスを最小限に抑えることができる。特に動作安定性および最終製品の品質の観点から、10~12質量%、特に11質量%の含水量が、圧縮(第2の凝集段階)とコークス化の直前の下流乾燥手順(すなわち、例えばブリケット乾燥機内)との間で変化しないことが有利であることが分かった。
【0124】
この種の石炭利用構成は、原料またはペレット/予備圧密体の管理または供給に関して利点を提供し、特に石炭の種類に応じて乾燥方法または温度曲線を柔軟に調整することを可能にする。最終的に圧縮されたブリケットは、例えば、圧縮が行われた後、ブリケット乾燥機またはその前に位置するバンカーに、波状エッジベルトコンベアまたは搬送ベルト(ベルトライン)によって搬送されてもよい。
【0125】
代替として、金型装置、特に金型装置の成形チャネルラムプレスは、重力方向に、炉装置のブリケット乾燥機の上に配置される。これにより、ベルトラインを必要とせずに、重力に基づいた供給が可能になる。金型装置の個々の構成要素は、異なる位置に配置されてもよい。例えば、ブリケットは、バケット機構によって、特にブリケット乾燥機の上方に配置されたバンカーに搬送され得るため、少なくとも重力に基づいてバンカーから運び出され得る。しかしながら、多くのプラント設計では、凝集段階全体または圧密用の装置をコークス炉団の外側に配置する方が有利となり得る。
【0126】
一実施形態によれば、石炭利用構成は、原料の搬送方向において、金型装置の成形チャネルラムプレスの上流に配置された有孔プレートロールミルを含む。この場合、次の構成および/または材料の流れが実現され得る:原料は、有孔プレートロールミルに供給され(特に予備乾燥の必要なしに)、その後乾燥され、次いで圧縮されてブリケットを形成する。これとは対照的に、以下の構成がこれまで慣習的であった:予備粉砕された原料が乾燥機に搬送され、そこから二次粉砕施設に搬送され、その後に圧縮されてブリケットを形成する。
【0127】
予備乾燥機は、成形チャネルラムプレスの近くに配置されてもよい。ブリケット乾燥機は、好ましくはそれぞれの炉室の上に配置される。特に、以下が(それぞれの)炉室に連結されてもよい:上に構築されたバンカー、上に構築された乾燥機、下に構築されたコークス乾式冷却用設備。次の別個の成分がユニットを形成してもよい:第1の凝集段階(乾燥、粉砕を含む)、第2の凝集段階(ブリケット化を含む)。複数の炉室に集中型乾燥機が提供されていてもよく、その場合、特に放出物の削減、乾燥機内の腐食の低減、または原料に特定した乾燥によるコークス品質の改善を目的として、さらなる熱供給源の組み込みが可能である。その場合、次のユニットが形成されてもよい:第1および第2の凝集段階、ブリケットバンカーおよびブリケット乾燥機、上に構築されたバンカーを有する炉室、ならびに下に構築されたコークス乾燥冷却用設備。
【0128】
前述のように、亜炭の二段階凝集によっても、特に湿式の、換言すれば水分率が比較的高い場合の粉砕および成形が、特に有孔プレートロールミルまたは有孔プレートローリングミル内で可能となり、これは、粒子の激しい解砕を可能にし、したがって、後の粘結を促進し得、および/または高い圧縮強度を可能にする。乾燥が行われた後、次いで第2の凝集ステップでブリケット化が行われてもよい。
【0129】
これとは対照的に、亜炭の従来の準備処理は、次のスキームに従って行われる:原料炭の微細原料炭への予備粉砕、乾燥炭を提供するための微細原料炭の乾燥、乾燥炭の粉砕、粉砕された乾燥炭のブリケット化。
【0130】
また、上述の目的の少なくとも1つは、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークスおよび石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料のコークス化により、コークスならびに/または気体および液体等の価値のある化学物質を製造する方法により達成され、少なくとも1つの固体原料は、コークス化の前の第1の凝集段階で磨砕およびペレット化され、それぞれの場合において好ましくは調整された乾燥を伴ってさらなる前の第2の凝集段階で圧縮され、その後ブリケット乾燥機内で段階的にさらに5質量%未満の水分率まで乾燥され、その後上から下への重力に基づいてシャフト状のコークス化室を介して搬送され、その間、増加する移動長と共に連続的に加熱され、必要な熱エネルギーは、それぞれ各炉室の片側に横方向に配置された少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの水平加熱チャネルで生成され、また好ましくはその上にある蛇行加熱チャネルによって、これらのチャネルは少なくとも1つの外部バーナによって個別に加熱され、隔壁を介して間接的に炉室に移送され、原料はその後、(それぞれの)炉室室の下に位置する乾式冷却設備において、特に向流の冷却ガスにより冷却され、その結果として加熱された冷却ガスは、熱交換器を通過し、第1の凝集段階において磨砕、粉砕、ペレット化された原料は、第2の凝集段階で、狭くなってから再び拡大する断面を有する円筒形状を有する加圧チャネルにおいて圧縮され、特にブリケット直径対ブリケット高さの比が1対5、特に2対3である、円筒形のパック状ブリケットを特に形成する。
【0131】
また、上述の目的の少なくとも1つは、亜炭、弱粘結瀝青炭、バイオマス、石油コークスおよび石油石炭からなる群からの少なくとも1つの固体原料のコークス化により、コークスならびに/または気体および液体等の価値のある化学物質を製造する方法により達成され、少なくとも1つの原料は、有孔プレートロールミルを含む先行する第1の凝集段階でペレット化され、その後成形チャネルラムプレスを含む第2の凝集段階で圧縮され、好ましくは、それぞれの凝集段階において予備乾燥に供され、その後ブリケット乾燥機内で段階的にさらに5質量%未満の水分率まで乾燥され、その後上から下への重力に基づいてシャフト状のコークス化室を介して搬送され、その間、増加する移動長と共に連続的に加熱され、必要な熱エネルギーは、それぞれ各炉室の片側に横方向に配置された少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの水平加熱チャネルで生成され、また好ましくはその上にある蛇行加熱チャネルによって、これらのチャネルは少なくとも1つの外部バーナによって個別に加熱され、隔壁または加熱壁を介して間接的に炉室に移送され、原料はその後、(それぞれの)炉室室の下に位置する乾式冷却設備において冷却ガスにより冷却され、その結果として加熱された冷却ガスは、熱交換器を通過し、第1の凝集段階において磨砕、粉砕、ペレット化された原料は、第2の凝集段階で、狭くなってから再び拡大する断面を有する円筒形状を有する加圧チャネルにおいて圧縮され、特にブリケット直径対ブリケット高さの比が1対5、特に2対3である、円筒形のパック状ブリケットを特に形成する。
【0132】
また、上述の目的の少なくとも1つは、本発明によれば、固体、特に炭素質の原料からコークスブリケットを製造するための方法であって、上述のようにブリケットを得るための前記原料の圧密と、上述のようなコークスブリケットの製造との両方を含み、圧密および下流の乾燥の両方がブリケット乾燥機内で行われ、ならびに/または前記コークス化が温度および/もしくは湿度調整のあるそれぞれの炉室内で行われる方法により達成される。これにより、特に動作チェーン全体の温度および/または湿度調整に基づいて、非常に高品質のブリケットが可能になる。
【0133】
本発明のさらなる特徴および利点は、図を使用する少なくとも1つの例示的な実施形態の説明から、また図自体からも明らかである。個々の図に関連して明示的に説明されていない参照記号については、他の図が参照される。概略図として各図に示されているのは、次の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【
図1】特に金型装置を含む石炭利用構成に対する相対的構成における、例示的な一実施形態による金型装置の基本構造を示す図である。
【
図2】例示的な一実施形態による金型装置を組み込むための石炭利用構成の側面図である。
【
図3】例示的な実施形態による金型装置の成形チャネルラムプレスの個々の構成要素を示す図である。
【
図4A】例示的な実施形態による金型装置の成形チャネルラムプレスの個々の構成要素を示す図である。
【
図4B】例示的な実施形態による金型装置の成形チャネルラムプレスの個々の構成要素を示す図である。
【
図5】一実施形態に従って、または炉装置もしくは炉装置を含む石炭利用構成において使用するために製造されたブリケットの、例示的な一実施形態による有利な形状を示す図である。
【
図6】例示的な実施形態による金型装置の第1の凝集段階の詳細の概略図である。
【
図7】例示的な実施形態による金型装置の第1の凝集段階の詳細の概略図である。
【
図8】例示的な実施形態による金型装置の第1の凝集段階の詳細の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0135】
図1は、炉装置10を含む石炭利用構成80の一部であってもよい金型装置70を示す。金型装置70は、第1の凝集段階70.1および第2の凝集段階70.2を備える。第1の凝集段階70.1は、多数の加圧通路79.2を有するダイ79.1を有する有孔プレートロールミル79を備え、それを介して原料1が加圧され、第2の凝集段階70.2でペレット1.1の形態で提供され得る。第2の凝集段階70.2は、圧縮73のための設備を備え、これは、成形チャネルラムプレスとして構成されるか、またはそれを備える。圧縮後、得られたブリケット5は、炉装置10、特に垂直室コークス炉に供給され得る。
【0136】
図2は、ブリケット化原料5用の供給ユニット10.1、ブリケット乾燥機15、インポートシステム16、複数の垂直炉室11、コークス乾式冷却設備19、およびエクスポートシステム17を有する炉装置10を備える石炭利用構成80への金型装置70の組み込みを概略的に示す。
【0137】
図3は、ベース本体73.2に構成されたベンチュリ形状を有する成形チャネル73.1を詳細に示し、熱調整チャネル(冷却または加熱チャネル)73.21もまた存在する。加圧ラム75は、特に第1のスリーブに形成された連続的に狭くなる入口セクション76(成形チャネル収縮部L73の長さ)に推移するガイドセクション74でガイドされる。これには、特に円筒形状または円形断面プロファイルを有する中間セクションまたは主収縮部76aが前進方向に続いてもよい。連続的に拡大する出口セクション77は、特に第2のスリーブによって形成されてもよい。これらのセクションは一緒にダイ78を形成し、ダイ78は、一体にされていてもよく、または成形チャネルの個々の成形セクションによって形成されてもよい。
【0138】
加圧ラム75は、最大ストローク長Hにわたって変位させることができ、個々のストロークの長さは、好ましくはそれぞれのブリケットの幅に対応する(ストロークごとに1ブリケット)。入口セクション76へのラムの下降の深度Eは、好ましくは、それぞれのストロークよりも大幅に大きい。成形チャネル収縮部の高さΔz73により、加圧の程度を定義することができる。高さΔz73は、好ましくは、成形チャネル拡大部の高さよりも高く、および/または成形チャネル収縮部の勾配は、成形チャネル拡大部の勾配よりも大きい。
【0139】
図3はさらに制御設備20を示しており、これを用いて、測定設備14によって捕捉された測定値に基づいて動作制御を行うことができる。測定設備14は、特に、少なくとも1つの温度センサ14.1および/または少なくとも1つのH2Oセンサ14.2および/または少なくとも1つの圧力センサ14.3を備え、そのそれぞれの位置はここでは例としてのみ示される。
図3に示される圧密は、ここでは、他の方法ステップから切り離された形態で実行されていてもよい。
【0140】
図4A、4Bはさらなる構成要素を示す。ペレット1.1は予備乾燥機71に供給され、カップリング72を介して成形チャネルラムプレス73に供給されてもよい。ベンチュリ成形チャネルは、ここでは個々の摩耗スリーブ73.3によって提供される。成形チャネルは、円形断面形状Q73を有する。
【0141】
図5は、垂直室コークス炉用のブリケット5の好ましい形状を示す。ブリケット5は円筒形であり、直径D5および高さh5を有する。
【0142】
図6は、ダイの絶対長L79にわたって延在する多数の加圧通路79.2を有するダイ79.1を示す。
【0143】
図7、8は、それぞれ第1のセクション79aおよび第2のセクション79bを備える加圧通路79.2を示す。それぞれの加圧通路は、第1のセクション79aにおいて一定のD79直径を有する。第2のセクション79bでは、円錐形79.3が提供される。
【0144】
図8は、加圧通路の一実施形態を示しており、第1のセクション79aの長さは、それぞれの場合において絶対長L79の20%以下である。この形状により、非常に緩やかな拡大が可能になる。
【符号の説明】
【0145】
1 原料/原材料
1.1 特に有孔プレートロールミルで製造されたペレット
2 コークス化助剤
3 結合剤
4 ブリケットストランド
5 特にディスクまたはパック形態の圧密体または石炭ブリケット
6 特にディスクまたはパック形態の圧密体またはコークスブリケット
10 炉装置、特にコークス炉
10.1 供給ユニット
11 炉室
14 特に温度および/またはH2Oセンサを備えた測定設備
14.1 温度センサ
14.2 H2Oセンサ
14.3 圧力センサ
15 ブリケット乾燥機、特にルーフ乾燥機ユニット付き
16 インポートシステム
17 エクスポートシステム
19 コークス乾式冷却設備または乾式冷却設備
20 制御設備
70 金型設備
70.1 第1の凝集段階
70.2 第2の凝集段階
71 予備乾燥機
72 乾燥機への連結
73 圧縮用設備または成形チャネルラムプレス
73.1 成形チャネルまたはベンチュリ加圧チャネル
73.2 ベース本体
73.21 熱調整チャネル(冷却または加熱チャネル)
73.3 摩耗スリーブ
74 ガイドセクション
75 加圧ラム
76 入口セクション、特に第1のスリーブ
76a 中央セクションまたは主収縮部、特に円筒形
77 出口セクション、特に第2のスリーブ
78 ダイまたは成形チャネルの個々の成形セクション
79 有孔プレートロールミル
79.1 ダイ
79.2 加圧通路
79a それぞれの加圧通路の第1のセクション
79b それぞれの加圧通路の第2のセクション
79.3 円錐形
80 石炭利用構成
D5 幅、特にブリケットの直径
D79 加圧通路の直径
h5 ブリケットの高さ
H ストローク長
E ラム下降深度
L73 成形チャネル収縮部の長さ
L79 加圧通路の長さ
Δz73 成形チャネル収縮部の高さ
Q73 成形チャネルの断面形状