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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】活性剤含有繊維構造体物品
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/00 20060101AFI20220802BHJP
   D06M 13/144 20060101ALI20220802BHJP
   D06M 13/188 20060101ALI20220802BHJP
   D06M 13/463 20060101ALI20220802BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
D06M13/00
D06M13/144
D06M13/188
D06M13/463
A61Q5/12
【請求項の数】 45
(21)【出願番号】P 2019561762
(86)(22)【出願日】2018-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-09
(86)【国際出願番号】 US2018032536
(87)【国際公開番号】W WO2018213174
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2019-11-08
(31)【優先権主張番号】62/506,781
(32)【優先日】2017-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーク ウィリアム ハマースキー
(72)【発明者】
【氏名】マーク ロバート シヴィック
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ コロナ
(72)【発明者】
【氏名】トラヴィス カイル ホジドン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー チャールズ ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ポール トーマス ワイズマン
【審査官】南 宏樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-503684(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0171421(US,A1)
【文献】特表2015-509147(JP,A)
【文献】特表2013-505375(JP,A)
【文献】特表2013-536270(JP,A)
【文献】特開昭52-124998(JP,A)
【文献】特表2008-519910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M 13/00-15/715
B32B 1/00-43/00
D04H 1/00-18/04
A61Q 5/00-5/12
C11D 1/00-17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費可能な単回使用の非水溶性物品であって、複数の非水溶性繊維要素を含む繊維構造体を含み、前記非水溶性繊維要素のうちの少なくとも1つが、前記非水溶性繊維要素の少なくとも1つ内に存在する1つ以上の活性剤と、1つ以上の補助成分と、を含み、前記活性剤のうちの少なくとも1つが前記非水溶性繊維要素から放出可能であり、前記消費可能な単回使用の非水溶性物品が、密度試験法に従って測定されるとき、0.80g/cm3未満の物品密度、及び自由メルトフロー試験法に従って測定されるとき、20%超の自由メルトフローを呈する、物品。
【請求項2】
前記非水溶性繊維要素が、前記繊維構造体において互いに絡み合っている、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記物品が、90重量%超の前記1つ以上の活性剤を含む、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項4】
前記物品が、95重量%超の前記1つ以上の活性剤を含む、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項5】
前記物品が、96重量%超の前記1つ以上の活性剤を含む、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項6】
前記物品が、97重量%超の前記1つ以上の活性剤を含む、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項7】
前記物品が、98重量%超の前記1つ以上の活性剤を含む、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項8】
前記物品が、99重量%超の前記1つ以上の活性剤を含む、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項9】
前記物品が、100重量%の前記1つ以上の活性剤を含む、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項10】
前記1つ以上の活性剤のうちの少なくとも1つが、布地コンディショニング活性剤を含み、前記布地コンディショニング活性剤が、脂肪酸、脂肪酸誘導体、スルホン酸誘導体、第四級アンモニウム化合物、第三級アミン及びその塩、非イオン性界面活性剤、脂肪族アルコール、並びにこれらの混合物から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記布地コンディショニング活性剤が、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、セテアリン酸、ドデカン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される脂肪酸を含む、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記布地コンディショニング活性剤が、ジ(タローイルオキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジメチルビス(ステアロイルオキシエチル)アンモニウムクロリド、ジメチルビス(タローイルオキシエチル)アンモニウムクロリド、ジメチルビス(タローイルオキシイソプロピル)アンモニウムメチルスルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択される第四級アンモニウム化合物を含む、請求項10に記載の物品。
【請求項13】
前記布地コンディショニング活性剤が、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチンアルコール、イソステアリルアルコール、アラキジルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される脂肪族アルコールを含む、請求項10に記載の物品。
【請求項14】
前記布地コンディショニング活性剤が、脂肪族アルコールと第四級アンモニウム化合物とを含む、請求項10に記載の物品。
【請求項15】
前記物品は、前記脂肪族アルコールと、前記第四級アンモニウム化合物とを、1:1超の重量比で含む、請求項14に記載の物品。
【請求項16】
前記物品は、前記脂肪族アルコールと、前記第四級アンモニウム化合物とを、1.5:1超の重量比で含む、請求項14に記載の物品。
【請求項17】
前記物品は、前記脂肪族アルコールと、前記第四級アンモニウム化合物とを、1.75:1超の重量比で含む、請求項14に記載の物品。
【請求項18】
前記物品は、前記脂肪族アルコールと、前記第四級アンモニウム化合物とを、1.9:1超の重量比で含む、請求項14に記載の物品。
【請求項19】
前記布地コンディショニング活性剤が、脂肪酸と第四級アンモニウム化合物とを含む、請求項10に記載の物品。
【請求項20】
前記物品は、前記脂肪酸と、前記第四級アンモニウム化合物とを、1:1超の重量比で含む、請求項19に記載の物品。
【請求項21】
前記物品は、前記脂肪酸と、前記第四級アンモニウム化合物とを、1.5:1超の重量比で含む、請求項19に記載の物品。
【請求項22】
前記物品は、前記脂肪酸と、前記第四級アンモニウム化合物とを、1.75:1超の重量比で含む、請求項19に記載の物品。
【請求項23】
前記物品は、前記脂肪酸と、前記第四級アンモニウム化合物とを、1.9:1超の重量比で含む、請求項19に記載の物品。
【請求項24】
前記1つ以上の活性剤のうちの少なくとも1つが、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、カーペットケア活性剤、表面ケア活性剤、ヘアケア活性剤、空気ケア活性剤、口腔ケア活性剤、乾燥機添加活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~23のいずれか一項に記載の物品。
【請求項25】
前記1つ以上の活性剤のうち少なくとも1つが、香料、ビルダー、キレート剤、酸化防止剤、増白剤、日光色褪せ防止剤、UV吸収剤、防虫剤、香水、漂白剤、酵素、抗菌剤、抗菌剤、抗真菌剤、香水送達系、香料マイクロカプセル、移染防止剤、色相染料、汚れ放出剤、着色剤、防腐剤、乳白剤、安定剤、抗収縮剤、しわ防止剤、汚れ放出剤、布地縮れ処理剤、還元剤、スポッティング剤、殺菌剤、殺真菌剤、防食剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~24のいずれか一項に記載の物品。
【請求項26】
前記1つ以上の補助成分のうちの少なくとも1つが、構造化剤を含み、前記構造化剤が、ポリマー構造化剤、無機構造化剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~25のいずれか一項に記載の物品。
【請求項27】
前記構造化剤が、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンのコポリマー、ポリジメチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミドのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー構造化剤を含み、かつ/又は前記構造化剤が、粘土、シリカ、及びこれらの混合物からなる群から選択される無機構造化剤を含む、請求項26に記載の物品。
【請求項28】
前記1つ以上の補助成分のうちの少なくとも1つが、前記1つ以上の活性剤全体にわたって分散されている、請求項1~27のいずれか一項に記載の物品。
【請求項29】
前記少なくとも1つの補助成分が、前記1つ以上の活性剤全体にわたって均質に分散されている、請求項28に記載の物品。
【請求項30】
前記物品が、使用中、自動衣類乾燥機内の布地に、その質量の少なくとも一部分を移動させる、請求項1~29のいずれか一項に記載の物品。
【請求項31】
前記消費可能な単回使用の非水溶性物品が、以下の特徴:
a.1cm~15cmの幅、
b.1cm~23cmの長さ、
c.0.01mm~50mmの高さ、
d.0.10g~10gの質量、
e.0.25cm3~60.00cm3の体積、及び
f.0.05g/cm3~0.80g/cm3の密度、のうちの1つ以上を呈する、請求項1~30のいずれか一項に記載の物品。
【請求項32】
前記物品が、層状構造試験法に従って測定されるとき、層状構造応答を呈する、請求項1~31のいずれか一項に記載の物品。
【請求項33】
前記物品が、層状構造試験法に従って測定されるとき、湿潤状態で層状構造応答を呈するが、乾燥状態で層状構造応答を呈さない、請求項32に記載の物品。
【請求項34】
前記物品が、1つ以上の開口を含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の物品。
【請求項35】
前記物品が、2つ以上の不織布を含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の物品。
【請求項36】
前記物品が、自由メルトフロー試験法に従って測定されるとき、30%超~100%の自由メルトフローを呈する、請求項1~35のいずれか一項に記載の物品。
【請求項37】
前記物品が、自由メルトフロー試験法に従って測定されるとき、40%超~100%の自由メルトフローを呈する、請求項1~35のいずれか一項に記載の物品。
【請求項38】
前記物品が、自由メルトフロー試験法に従って測定されるとき、50%超~100%の自由メルトフローを呈する、請求項1~35のいずれか一項に記載の物品。
【請求項39】
前記物品が、坪量試験法に従って測定されるとき、10g/m2超~5000g/m2の秤量を呈する、請求項1~38のいずれか一項に記載の物品。
【請求項40】
前記物品が、含水率試験法に従って測定されるとき、0%~20%の含水量を呈する、請求項1~39のいずれか一項に記載の物品。
【請求項41】
請求項1~40のいずれか一項に記載の物品を複数含む、ロール製品。
【請求項42】
請求項1~40のいずれか一項に記載の物品を複数含む、複数物品シート製品。
【請求項43】
消費可能な単回使用の指触乾燥性の乾燥機添加物品であって、前記消費可能な単回使用の指触乾燥性の乾燥機添加物品が、請求項1~42のいずれか一項に記載の物品、ロール製品、及び/又は複数物品シート製品を含む、物品。
【請求項44】
消費可能な単回使用の非水溶性ヘアケア物品であって、前記消費可能な単回使用の非水溶性ヘアケア物品が、請求項1~42のいずれか一項に記載の物品、ロール製品、及び/又は複数物品シート製品を含む、物品。
【請求項45】
前記物品が、指触乾燥性物品である、請求項44に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性剤含有繊維構造体物品(繊維構造体を含む物品)、例えば、乾燥機添加物品、及び/又は洗濯機添加物品、及び/又はヘアケア繊維構造体物品に関し、より具体的には、1つ以上の活性剤及び任意に1つ以上の補助成分を含有する消費可能な単回使用の非水溶性繊維構造体物品、その作製方法、並びにその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過去の乾燥機添加物品は、熱可塑性不織布シートなどのキャリアシート、例えば、布地コンディショニング活性剤でコーティング及び/若しくは含浸されたポリエステル不織布シート、並びに/又は乾燥機のドラムに固定され、再充填可能な固体布地コンディショニング活性剤を含有する、多くの場合乾燥機用バーと呼ばれるホルダから構成されている。使用中、布地コンディショニング活性剤は、乾燥機内で処理されるとき、シート及び/又は乾燥機ドラムから布地に少なくとも部分的に移動(堆積)する。布地コンディショニング活性剤を含有するキャリアシートの場合、キャリアシートの残留物及び/又は使用後の他の残留物は、上に配置されなければならない。多用途物品である乾燥機用バーの場合、ホルダは、乾燥機のドラムに固定されたままであり、多くの場合、それが多用途物品であるため、布地コンディショニング活性剤の少なくとも一部分はホルダに取り付けられたままである。
【0003】
既存の乾燥機添加物品の1つの問題は、既存の乾燥機添加物品及び/又はホルダの少なくとも一部分が使用後に乾燥機内に残ることである。換言すれば、既存の乾燥機添加物品及び/又はホルダの少なくとも一部分は、乾燥機内で1回使用した後に消費可能ではなくなる。既存の乾燥機添加物品は、その過剰な未消費材料により、廃棄されなければならない廃棄物を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、消費可能な単回使用の活性剤含有物品、例えば、消費可能な単回使用の活性剤含有乾燥機添加物品であることによって上記の欠点を克服する活性剤含有物品、例えば、活性剤含有乾燥器添加物品、その作製方法、及び布地などの表面をそのような活性剤含有物品で処理するための方法の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、消費可能な単回使用の活性剤含有繊維構造体物品、例えば、消費可能な単回使用の活性剤含有乾燥機添加繊維構造体物品、その作製方法、及びその使用方法を提供することによって、上記の必要性を満たす。
【0006】
上記で特定された問題に対する1つの解決策は、消費可能な単回使用の活性剤含有繊維構造体物品、例えば、自動衣類乾燥機及び/若しくは洗濯機内で布地を処理するための使用中に消費される消費可能な単回使用の活性剤含有乾燥機添加繊維構造体物品であって、非水溶性物品が、本明細書に記載の層状構造試験法によって測定されるとき、層状構造を呈し得る、消費可能な単回使用の活性剤含有乾燥機添加繊維構造体物品、並びに/又は毛髪を処理するための単回使用の活性剤含有物品を提供することである。
【0007】
本発明の一実施例では、消費可能な単回使用の繊維構造体物品、例えば、複数の繊維要素を含む繊維構造体を含む消費可能な単回使用の非水溶性繊維構造体物品であって、繊維要素のうちの少なくとも1つが、1つ以上の活性剤と、
任意に、1つ以上の補助成分と、を含み、活性剤のうちの少なくとも1つが、意図される使用条件に曝されたときに、繊維要素から放出可能であり、繊維構造体物品が、密度試験法に従って測定されるとき、0.80g/cm未満の物品密度を呈し、繊維構造体物品が、自由メルトフロー試験法に従って測定されるとき、約20%超の自由メルトフローを呈する、消費可能な単回使用の繊維構造体物品が提供される。
【0008】
本発明の別の実施例では、消費可能な単回使用の繊維構造体物品、例えば、消費可能な単回使用の非水溶性繊維構造体物品を作製するための方法であって、方法が、
a.1つ以上の活性剤と、
任意に、1つ以上の補助成分と、を含むフィラメント形成組成物を提供する工程と、
b.フィラメント形成組成物から、消費可能な単回使用の繊維構造体物品、例えば、消費可能な単回使用の非水溶性繊維構造体物品を製造する工程と、
を含み、消費可能な単回使用の繊維構造体物品が、密度試験法に従って測定されるとき、約0.80g/cm未満の物品密度を呈し、
消費可能な単回使用の繊維構造体物品が、自由メルトフロー試験法に従って測定されるとき、約20%超の自由メルトフローを呈する、方法が提供される。
【0009】
本発明の更に別の実施例では、1つ以上の本発明による消費可能な単回使用の繊維構造体物品を含むパッケージが提供される。
【0010】
本発明のなお更に別の実施例では、処理を必要とする表面、例えば布地、及び/又は処理を必要とする毛髪を処理するための方法であって、1つ以上の布地及び/又は毛髪を、1つ以上の本発明による消費可能な単回使用の繊維構造体物品と接触させ、これにより布地及び/又は毛髪が処理されることを含む、方法が提供される。
【0011】
一実施例では、自動衣類乾燥機内で処理されている布地上に1つ以上の活性剤を堆積させるための方法であって、乾燥機の動作中に、布地を、前の段落のうちのいずれかによる物品からの1つ以上の活性剤と接触させる工程を含む、方法が提供される。
【0012】
別の実施例では、洗濯機内で処理されている布地上に1つ以上の活性剤を堆積させるための方法であって、洗濯機の動作中に、布地を、前の段落のうちのいずれかによる物品からの1つ以上の活性剤と接触させる工程を含む、方法が提供される。
【0013】
別の実施例では、ヘアコンディショニング動作中に処理されている毛髪上に1つ以上の活性剤を堆積させるための方法であって、ヘアコンディショニング動作中に、毛髪を、前の段落のうちのいずれかによる物品からの1つ以上の活性剤と接触させる工程を含む、方法が提供される。
【0014】
本発明は、消費可能な単回使用の物品、その作製方法、それを含むパッケージ、並びに表面、例えば、布地表面及び/又は毛髪表面をそのような消費可能な単回使用の物品で処理するための方法を提供する。
【0015】
したがって、本発明は、活性剤含有物品、例えば、布地及び/又は毛髪を処理するために有用な消費可能な単回使用の活性剤含有物品、その作製方法、並びに布地及び/又は毛髪などの表面をそのような物品で処理するための方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示による、繊維要素(この場合はフィラメント)のある実施例の概略図である。
図2】本開示による、複数のフィラメントを含む繊維構造体のある実施例の概略図である。
図3図2の物品の別の概略図であり、物品寸法を示す。
図4】本開示による、繊維構造体のある実施例の断面図の走査型電子顕微鏡写真である。
図5】本開示による、繊維構造体の別の実施例の断面図の概略図である。
図6】本開示による、繊維構造体の別の実施例の断面図の概略図である。
図7】本開示による、繊維構造体の別の実施例の断面図の走査型電子顕微鏡写真である。
図8】本開示による、繊維構造体の別の実施例の断面図の概略図である。
図9】本開示による、繊維構造体の別の実施例の断面図の概略図である。
図10】本開示による、繊維構造体の別の実施例の断面図の概略図である。
図11】本開示による、繊維構造体の別の実施例の断面図の概略図である。
図12】本開示による、繊維構造体のある実施例の製造プロセスのある実施例の概略図である。
図13図12のプロセスにおいて使用される、拡大図を含む、ダイのある実施例の概略図である。
図14】本開示による、繊維構造体のある実施例の別の製造プロセスのある実施例の概略図である。
図15】本開示による、繊維構造体の別の実施例の製造プロセスの別の実施例の概略図である。
図16】本開示による、繊維構造体の別の実施例を作製するためのプロセスの別の実施例の概略図である。
図17】本開示による、繊維構造体を作製するためのプロセスにおいて有用なパターン付きベルトの一実施例の代表画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で使用するとき、「繊維構造体物品」は、消費者用ユニット、消費者用単位用量ユニット、消費者用販売可能ユニット、単回用量ユニット、又は一体型繊維構造体を含む、及び/若しくは本発明の1つ以上の繊維構造体を含む他の使用形態を指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、「繊維構造体」は、複数の繊維要素と、任意に1つ以上の粒子とを含む構造体を意味する。一実施例では、本発明による繊維構造体は、機能を実行することが可能な、繊維要素と、任意に、一体型構造体などの構造体を共に形成する粒子の結合体を意味する。粒子は、例えば共形成プロセスを介して共形成状態で、繊維要素とブレンドされてもよく、本発明の繊維構造体及び/又は本発明の物品内で繊維要素の層若しくはプライ、及び/又はこれらの2つの組み合わせの間で層状であってもよい。
【0019】
本発明の繊維構造体は、均質であってもよく、又は層状であってもよい。層状である場合、繊維構造体は、少なくとも2つ、及び/又は少なくとも3つ、及び/又は少なくとも4つ、及び/又は少なくとも5つの層、例えば、1つ以上の繊維要素層、1つ以上の粒子層、及び/又は1つ以上の繊維要素/粒子混合層、及び/又は1つ以上の繊維要素層、及び1つ以上のフィルム層を含み得る。層は、繊維構造体内に、又は繊維構造体内の繊維要素及び/若しくはフィルム層の間に粒子層を含んでもよい。繊維要素を含む層は、プライと呼ばれる場合がある。プライは、本明細書に記載のように、均質又は層状であり得る繊維構造体であってもよい。
【0020】
一実施例では、本発明による単プライ繊維構造体、又は本発明による1つ以上の繊維構造体プライを含む多プライ繊維構造体は、本明細書に記載の坪量試験法に従って測定されるとき、5000g/m未満の坪量を呈し得る。一実施例では、本発明による単プライ又は多プライ繊維構造体は、坪量試験法に従って測定されるとき、10g/m超~約5000g/m、及び/又は10g/m超~約3000g/m又は、及び/又は10g/m超~約2000g/m、及び/又は10g/m超~約1000g/m、及び/又は20g/m超~約800g/m、及び/又は30g/m超~約600g/m、及び/又は50g/m超~約500g/m、及び/又は300g/m超~約3000g/m、及び/又は500g/m超~約2000g/mの坪量を呈し得る。
【0021】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、「一体型繊維構造体」である。
【0022】
本明細書で使用するとき、「一体型繊維構造体」は、互いに絡み合って又は別の方法で互いに結合して繊維構造体及び/又は繊維構造体プライを形成する、2つ以上及び/又は3つ以上の複数の繊維要素を含む配置である。本発明の一体型繊維構造体は、多プライ繊維構造体内の1つ以上のプライであり得る。一実施例では、本発明の一体型繊維構造体は、3つ以上の異なる繊維要素を含み得る。別の実施例では、本発明の一体型繊維構造体は、2つ以上の異なる繊維要素を含み得る。
【0023】
本明細書で使用するとき、「繊維要素」は、その平均直径を大きく上回る長さを有し、すなわち、長さ対平均直径の比率が少なくとも約10である、細長い粒子を意味する。繊維要素は、フィラメント又は繊維であり得る。一実施例では、繊維要素は、複数の繊維要素を含む糸ではなく、単一の繊維要素である。
【0024】
本発明の繊維要素は、好適な紡糸プロセス(例えばメルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング及び/又は回転紡績など)によって、繊維要素形成組成物とも称されるフィラメント形成組成物から紡糸されてもよい。
【0025】
本発明の繊維要素は、1成分(コア/シース2成分のような2つの異なる部分ではなく単一の一体型固体片)及び/又は多成分であり得る。例えば、繊維要素は、2成分繊維及び/又はフィラメントを含んでもよい。2成分繊維及び/又はフィラメントは、サイドバイサイド(side-by-side)型、芯鞘型、海島型などの任意の形態であり得る。
【0026】
図1に示す一実施例では、本発明の繊維要素形成組成物から作製される本発明の繊維要素、例えばフィラメント10は、存在する場合、繊維要素及び/又は粒子中の活性剤と同じであっても異なっていてもよい1つ以上の活性剤を含むコーティング組成物などのように、1つ以上の活性剤12がフィラメント上ではなくフィラメント中に存在し得るようなものである。繊維要素形成組成物中に存在する繊維要素形成材料の総濃度及び活性剤の総濃度は、本発明の繊維要素がそれから製造される限り、任意の好適な量であってもよい。
【0027】
本明細書で使用するとき、「フィラメント」は、5.08cm(2インチ)以上、及び/又は7.62cm(3インチ)以上、及び/又は10.16cm(4インチ)以上、及び/又は15.24cm(6インチ)以上の長さを呈する上記のような細長い粒子を意味する。
【0028】
フィラメントは、典型的には、本質的に連続的であるか又は実質的に連続的であるとみなされる。フィラメントは、繊維よりも相対的に長い。フィラメントの非限定的な例としては、メルトブローンフィラメント及び/又はスパンボンドフィラメントが挙げられる。フィラメントに紡糸することができるポリマーの非限定的な例としては、例えば、デンプン、デンプン誘導体、セルロース(例えば、レーヨン及び/又はリヨセル)、セルロース誘導体、ヘミセルロース、及びヘミセルロース誘導体などの天然ポリマー、並びにポリビニルアルコール、熱可塑性ポリマーフィラメント、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンフィラメント、及びポリエチレンフィラメント)、並びに生分解性熱可塑性繊維、例えば、ポリ乳酸フィラメント、ポリヒドロキシアルカノエートフィラメント、ポリエステルアミドフィラメント、及びポリカプロラクトンフィラメントが挙げられるが、これらに限定されない合成ポリマーが挙げられる。
【0029】
本明細書で使用するとき、「繊維」は、5.08cm(2インチ)未満、及び/又は3.81cm(1.5インチ)未満、及び/又は2.54cm(1インチ)未満の長さを呈する上記のような細長い粒子を意味する。
【0030】
典型的には、繊維は、本質的に不連続とみなされる。繊維の非限定的な例としては、本発明のフィラメント又はフィラメントトウを紡糸し、その後フィラメント又はフィラメントトウを5.08cm(2インチ)未満の断片に切断することにより製造された短繊維が含まれる。
【0031】
一実施例では、フィラメントが、より短い長さ(5.08cm未満の長さなど)に切断される場合などに、本発明のフィラメントから1つ以上の繊維を形成することができる。それゆえ、一実施例では、本発明はまた、1つ以上のフィラメント形成材料と1つ以上の活性剤とを含む繊維などの、本発明のフィラメントから作製された繊維も含む。したがって、本明細書における本発明のフィラメントへの言及は、特に指定しない限り、このようなフィラメントから作製された繊維も含む。繊維は、典型的には、本質的に連続的であるとみなされるフィラメントに対して、本質的に不連続であるとみなされる。
【0032】
本明細書で使用するとき、「フィラメント形成組成物」及び/又は「繊維要素形成組成物」は、メルトブローイング及び/又はスパンボンディングなど、本発明の繊維要素を製造するのに好適な非水性組成物を意味する。フィラメント形成組成物は、繊維要素に紡糸するのに好適な1つ以上の活性剤を含む。1つ以上の活性剤に加えて、フィラメント形成組成物は、1つ以上のフィラメント形成材料、例えば、1つ以上の構造化剤などの1つ以上の補助成分を含んでもよく、それらは、それらを繊維要素への紡糸に好適なものにする特性を呈する。一実施例では、補助成分は、1つ以上のポリマーなどの1つ以上の構造化剤を含む。
【0033】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、溶融活性剤が均質になるまで、1つ以上の活性剤を加熱及び任意に撹拌することによって作製され得る。次いで、この場合にはフィラメント形成組成物である均質な溶融活性剤は、繊維要素に紡糸され得る。あるいは、フィラメント形成材料、例えば、ポリマー構造化剤及び/又は無機構造化剤などの構造化剤などの1つ以上の補助成分は、撹拌及び/又はかき混ぜなしに、均質な溶融活性剤に添加され、溶融活性剤に溶解、例えば、均質に溶解され、かつ/又は溶融活性剤全体にわたって分散、例えば、均質に分散されて、フィラメント形成組成物を形成することができ、それは次いで、繊維要素に紡糸され得る。
【0034】
一実施例では、本発明の繊維要素形成組成物から作製される本発明の繊維要素、例えばフィラメントは、存在する場合、繊維要素及び/又は粒子中の活性剤と同じであっても異なっていてもよい1つ以上の活性剤を含むコーティング組成物などのように、1つ以上の活性剤がフィラメント上ではなくフィラメント中に存在し得るようなものである。繊維要素形成組成物中に存在する繊維要素形成材料の総濃度及び活性剤の総濃度は、本発明の繊維要素がそれから製造される限り、任意の好適な量であってもよい。
【0035】
一実施例では、1つ以上の活性剤は、繊維要素中に存在してもよく、1つ以上の追加の活性剤は、コーティングとして繊維要素の表面上に存在してもよい。別の実施例では、本発明の繊維要素は、元々作製時に繊維要素中に存在し、繊維要素の意図される使用条件に曝される前及び/又は曝されたときに、繊維要素の表面にブルームする1つ以上の活性剤を含み得る。
【0036】
本明細書で使用するとき、「フィラメント形成材料」及び/又は「繊維要素形成材料」は、繊維要素を作製するのに好適な特性を呈する構造化剤、例えば、ポリマーなどの材料、例えば、補助成分を意味する。また、無機構造化剤は、充填剤、粘度調整剤として、かつ/又は固体構造体を構築するように作用することができる。一実施例では、フィラメント形成材料は、構造化剤である。本明細書で使用するとき、「構造化剤」は、脂肪族アルコール、脂肪族第四級アンモニウム化合物、脂肪酸などの溶解した活性剤の繊維要素紡糸を改善する材料、例えばポリマーを意味する。構造化剤は、溶解した活性剤の剪断及び伸長粘度を増加させて、繊維要素の形成を可能にする。一実施例では、構造化剤は、フィラメント形成組成物の約1重量%~約50重量%、及び/又は約1重量%~約30重量%、及び/又は約1重量%~約10重量%、及び/又は約2重量%~約6重量%、及び/又は約3重量%~約5重量%の濃度で含まれ得る。一実施例では、構造化剤は、約10,000~約6,000,000g/molの重量平均分子量を呈する。重量平均分子量は、各ポリマー原材料の平均分子量を加算し、物品中に存在するポリマーの総重量の重さによるそれらのそれぞれの相対的重量パーセントを乗算することによって計算される。しかしながら、より低い分子量種が使用されるとき、それが最適な繊維要素紡糸をもたらすためにより高い濃度を必要とするように、濃度と分子量との間のバランスが取られることが多い。同様に、より高い分子種が使用されるとき、最適な繊維要素紡糸を達成するためにより低い濃度が使用され得る。例えば、約3,000,000g/mol~約5,000,000g/molの分子量を有する構造化剤は、約3重量%~約6重量%の濃度で含まれてもよく、一方で、約50,000g/mol~約100,000g/molの分子量を有する構造化剤は、約30重量%~約50重量%の濃度で含まれてもよい。一実施例では、構造化剤は、繊維要素紡糸のための粘度上昇を可能にするために油性混合物に可溶性である。加えて、構造化剤はまた、除去を促進し、蓄積を防止するために、水に可溶性であってもよい。好適な構造化剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリジメチルアクリルアミド、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。これらのポリマーは、油(脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族第四級アンモニウム化合物)溶性、水溶性、水混和性、かつ高分子量で製造可能である。例えば、使用に好適なポリマーは、約3,500,000g/molの分子量を有するAshland Inc.製のPVP K120であり、これは、油及び水に可溶性であり、繊維要素がベルト上で形成及び収集されることを可能にする。更なる好適なポリマーとしては、Ashland Inc.製のGanex(登録商標)又はPVP/VA(重量平均分子量約50,000g/mol)などのポリビニルピロリドンのコポリマーが挙げられ、これらもまた、好適な構造化剤として機能するが、それらのより低い分子量により、有効であるためにはより高い濃度を必要とする。加えて、ポリジメチルアクリルアミドのコポリマーもまた、好適な構造化剤として機能する。ヒドロキシプロピルセルロースもまた、好適な構造化剤として機能し得る。
【0037】
本発明に好適な構造化剤の非限定的な例としては、ポリマー構造化剤、無機構造化剤、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施例では、構造化剤は、ポリラクタム、例えば、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドンのコポリマー、ポリジメチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミドのコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー構造化剤を含む。一実施例では、構造化剤は、ポリビニルピロリドンを含む。別の実施例では、構造化剤は、ポリジメチルアクリルアミドを含む。更に別の実施例では、構造体は、ポリビニルピロリドン及びポリジメチルアクリルアミドを含む。一実施例では、構造化剤は、粘土、シリカ、及びこれらの混合物からなる群から選択される無機構造化剤を含む。
【0038】
本明細書で使用するとき、「ビニルピロリドンコポリマー」(及びこれを参照して使用する場合の「コポリマー」)は、以下の構造のポリマー構造化剤を指し、
【0039】
【化1】
式中、nは、ポリマー構造化剤が、本明細書に記載される特性を有するような重合度を有するような整数である。明確にするために、用語「コポリマー」の使用は、ビニルピロリドンモノマーが、ビニルアセテート、アルキル化ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、アクリル酸、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、アルキルアミノメタクリレート、及びアルキルアミノメタクリルアミドモノマーなどの他の非限定的なモノマーと共重合され得ることを伝えることを意図する。
【0040】
本明細書で使用するとき、「粒子」は、粉末、顆粒、カプセル、マイクロカプセル、及び/又はプリルなどの固体添加剤を意味する。一実施例では、粒子は、本明細書に記載の中央粒径試験法に従って測定されるとき、2000μm以下の中央粒径を呈する。別の実施例では、粒子は、本明細書に記載の中央粒径試験法に従って測定されるとき、約1μm~約2000μm、及び/又は約1μm~約1600μm、及び/又は約1μm~約800μm、及び/又は約5μm~約500μm、及び/又は約10μm~約300μm、及び/又は約10μm~約100μm、及び/又は約10μm~約50μm、及び/又は約10μm~約30μmの中央粒径を呈する。粒子の形状は、球状、棒状、皿状、管状、四角形、矩形、円盤状、星状、繊維状であってもよく、規則的な又は不規則なランダム形状を有していてもよい。
【0041】
「活性剤含有粒子」とは、本明細書で使用するとき、1つ以上の活性剤を含む固体添加剤を意味する。一実施例では、活性剤含有粒子は、粒子の形態の活性剤である(言い換えれば、粒子は、100%活性剤を含む)。活性剤含有粒子は、本明細書に記載の中央粒径試験法に従って測定されるとき、2000μm以下の中央粒径を呈し得る。別の実施例では、活性剤含有粒子は、本明細書に記載の中央粒径試験法に従って測定されるとき、約1μm~約2000μm、及び/又は約1μm~約800μm、及び/又は約5μm~約500μm、及び/又は約10μm~約300μm、及び/又は約10μm~約100μm、及び/又は約10μm~約50μm、及び/又は約10μm~約30μmの中央粒径を呈する。一実施例では、活性剤のうちの1つ以上は、本明細書に記載の中央粒径試験法に従って測定されるとき、20μm以下の中央粒径を呈する粒子の形態である。
【0042】
本発明の一実施例では、繊維構造体は、複数の粒子、例えば、活性剤含有粒子と、複数の繊維要素とを、1:100以上、及び/又は1:50以上、及び/又は1:10以上、及び/又は1:3以上、及び/又は1:2以上、及び/又は1:1以上、及び/又は2:1以上、及び/又は3:1以上、及び/又は4:1以上、及び/又は5:1以上、及び/又は7:1以上、及び/又は8:1以上、及び/又は10:1以上、及び/又は約10:1~約1:100、及び/又は約8:1~約1:50、及び/又は約7:1~約1:10、及び/又は約7:1~約1:3、及び/又は約6:1~1:2、及び/又は約5:1~約1:1、及び/又は約4:1~約1:1、及び/又は約3:1~約1.5:1の粒子、例えば、活性剤含有粒子対繊維要素の重量比で含む。
【0043】
本発明の別の実施例では、繊維構造体は、複数の粒子、例えば、活性剤含有粒子と、複数の繊維要素とを、約10:1~約1:1、及び/又は約8:1~約1.5:1、及び/又は約7:1~約2:1、及び/又は約6:1~約2.5:1の粒子、例えば、活性剤含有粒子対繊維要素の重量比で含む。
【0044】
本発明の更に別の実施例では、繊維構造体は、複数の粒子、例えば、活性剤含有粒子と、複数の繊維要素とを、約1:1~約1:100、及び/又は約1:15~約1:80、及び/又は約1:2~約1:60、及び/又は約1:3~約1:50、及び/又は約1:3~約1:40の粒子、例えば、活性剤含有粒子対繊維要素の重量比で含む。
【0045】
別の実施例では、本発明の繊維構造体は、複数の粒子、例えば、活性薬剤含有粒子を、本明細書に記載の坪量試験法に従って測定されるとき、1g/m超、並びに/又は10g/m超、並びに/又は20g/m超、並びに/又は30g/m超、並びに/又は40g/m超、並びに/又は約1g/m~約5000g/m及び/若しくは約3500g/m及び/若しくは2000g/m、並びに/又は約1g/m~約2000g/m、並びに/又は10g/m~約1000g/m、並びに/又は10g/m~約500g/m、並びに/又は20g/m~約400g/m、並びに/又は30g/m~約300g/m、並びに/又は40g/m~約200g/mの坪量で含む。
【0046】
別の実施例では、本発明の繊維構造体は、複数の粒子、例えば、活性薬剤含有粒子を、本明細書に記載の坪量試験法に従って測定されるとき、1g/m超、並びに/又は10g/m超、並びに/又は20g/m超、並びに/又は30g/m超、並びに/又は40g/m超、並びに/又は約1g/m~約3000g/m、並びに/又は約10g/m~約5000g/m及び/若しくは約3000g/m及び/若しくは約2000g/m、並びに/又は約20g/m~約2000g/m、並びに/又は30g/m~約1000g/m、並びに/又は30g/m~約500g/m、並びに/又は30g/m~約300g/m、並びに/又は40g/m~約100g/m、並びに/又は40g/m~約80g/mの坪量で含む。一実施例では、繊維構造体は、2つ以上の層を含み、繊維要素は、本明細書に記載の坪量試験法に従って測定されるとき、約1g/m~約500g/mの坪量で層の少なくとも1つに存在する。
【0047】
本明細書で使用するとき、「添加剤」は、フィラメント形成材料でも活性剤でもない、本発明の繊維要素中に存在する任意の材料を意味する。一実施例では、添加剤は、加工助剤を含む。更に別の実施例では、添加剤は、充填剤を含む。
【0048】
他の実施例では、添加剤は繊維要素のための可塑剤を含んでもよい。本発明のための好適な可塑剤の非限定的な例としては、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル、及びジメチコンコポリオールが挙げられる。有用なポリオールの例としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール、ポリエチレングリコール(200~600)、ペンタエリスリトール、糖アルコール、例えばソルビトール、マニトール、ラクチトール、並びに他の一価及び多価低分子量アルコール(例えば、C2~C8アルコール);単糖、二糖、及びオリゴ糖、例えば、フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、ラクトース、高フルクトースコーンシロップ固体、及びデキストリン、並びにアスコルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
一実施例では、可塑剤としては、グリセリン、及び/又はプロピレングリコール、及び/又はプロポキシル化グリセロールなどのグリセロール誘導体が挙げられる。更に別の実施例では、可塑剤は、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリシドール、尿素、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、糖類、エチレンビスホルムアミド、アミノ酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0050】
他の実施例では、添加剤は、剪断力変性剤及び/又は伸長変性剤などのレオロジー変性剤を含み得る。レオロジー変性剤の非限定的な例としては、本発明の繊維要素中で使用され得るポリアクリルアミド、ポリウレタン、及びポリアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。レオロジー変性剤の非限定的な例は、Dow Chemical Company(Midland,MI)から市販されている。
【0051】
更に別の実施例では、添加剤は、繊維要素が目的とされる使用条件に曝された際に、及び/又は活性剤が繊維要素から放出された際に、及び/又は繊維要素の形態が変化した際に、視覚的な信号を提供するために、本発明の繊維要素中に組み込まれる1つ以上の色及び/又は染料を含み得る。
【0052】
更に他の実施例では、添加剤は1つ以上のブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤を含み得る。好適なブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤の非限定的な例としては、デンプン、デンプン誘導体、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク、雲母、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
本明細書で使用するとき、「目的とされる使用条件」は、本発明の物品が、その設計された目的のうちの1つ以上のために使用される際に曝される温度条件、物理的条件、化学的条件、及び/又は機械的条件を意味する。例えば、本発明の物品が洗濯ケア目的で自動衣類乾燥機及び/又は洗濯機内で使用されるように設計されている場合、意図される使用条件は、自動衣類乾燥機の衣類乾燥及び/若しくはコンディショニング操作中、並びに/又は洗濯機内に存在するこれらの温度条件、化学的条件、物理的条件、及び/又は機械的条件を含み、非水溶性物品は、本明細書に記載の層状構造試験法によって測定される層状構造体を形成し得る。別の実施例では、本発明の物品が、ヘアケア目的のためのシャンプー及び/又はコンディショナーとしてヒトによって使用されるように設計されている場合、目的とされる使用条件は、ヒトの毛髪のシャンプー及び/又はコンディショニング中に存在するこれらの温度条件、化学的条件、物理的条件、及び/又は機械的条件を含む。
【0054】
本明細書で使用するとき、「活性剤」は、物品が物品の目的とされる使用条件に曝されたときなどに、本発明の物品の外部環境中に意図された効果を作り出す材料を意味する。一実施例では、活性剤は、軟質表面(すなわち、布地、毛髪、皮膚)などの表面を処理する材料を含む。
【0055】
「処理する」は、表面の処理に関して本明細書で使用するとき、活性剤が、表面又は環境に利益をもたらすことを意味する。処理としては、表面又は環境の外観、清浄度、におい、純度、及び/又は感触の調節及び/又は速やかな改善が挙げられる。一実施例では、ケラチン性組織(例えば、皮膚及び/又は毛髪)表面の処理に関する処理とは、ケラチン性組織の美容上の外観及び/又は感触の調節及び/又は速やかな改善を意味する。例えば、「皮膚、毛髪、又は爪(ケラチン性組織)の条件の調節」としては、皮膚、毛髪、又は爪の萎縮を低減するための、皮膚、毛髪、又は爪の肥厚化(例えば、皮膚の表皮及び/又は真皮及び/又は皮下(例えば、皮下脂肪又は筋肉)層の構築、並びに適用可能である場合、爪及び毛幹の角質層の構築)、真皮-表皮の境界(乳頭間隆起としても既知)の回旋の増加、弾性線維症、たるみ、皮膚又は毛髪の変形からの回復の喪失などの、皮膚又は毛髪の弾性の喪失(機能的皮膚エラスチンの喪失、損傷、及び/又は不活性化)の防止、目の下のくま、しみ(例えば、酒さなどによる不均一な赤味)(以下、「赤斑」と称される)、血色の悪さ(青白い色)、毛細血管拡張症又はクモ状血管によって引き起こされる変色、及び白髪などの、皮膚、毛髪、又は爪の色のメラニン性変化又は非メラニン性変化の防止が挙げられる。処理は、洗濯機における洗浄又は柔軟化中に布地に利益を提供すること、毛髪のシャンプー、コンディショニング、若しくは着色中に毛髪に利益を提供すること、又は洗浄若しくは消毒によって便器のような環境に利益を提供することを含んでもよい。
【0056】
別の実施例では、処理手段は、衣類、タオル、及び亜麻布などの布地物品から染み及び/又は臭気を除去することを意味する。
【0057】
本明細書で使用するとき、「布地ケア活性剤」は、布地に適用したときに、その布地に利益及び/又は改善をもたらす活性剤を意味する。布地に対する利益及び/又は改善の非限定的な例としては、柔軟化、洗浄(例えば、界面活性剤によって)、染み除去、染み低減、しわ除去、色回復、静電気制御、しわ耐性、パーマネントプレス、磨耗低減、磨耗耐性、毛玉取り、毛玉耐性、汚れ除去、汚れ耐性(汚れ放出を含む)、形状保持、縮み低減、柔軟性、芳香、抗菌、抗ウイルス、防臭、及び臭気除去を含むコンディショニングが挙げられる。
【0058】
本明細書で使用するとき、「ケラチン性組織活性剤」は、ケラチン性組織(例えば、毛髪、皮膚、又は爪)条件の処置に有用であり得る活性剤を意味する。ヘアケア活性剤の場合、「処置している(treating)」又は「処置(treatment)」又は「処置する(treat)」とは、ケラチン性組織の美容的外見及び/又は感触を調節する及び/又は即座に改善することを含む。例えば、「皮膚、毛髪、又は爪の条件の調節」としては、皮膚、毛髪、又は爪の萎縮を低減するための、皮膚、毛髪、又は爪の肥厚化(例えば、皮膚の表皮及び/又は真皮及び/又は皮下(例えば、皮下脂肪又は筋肉)層の構築、並びに適用可能である場合、爪及び毛幹の角質層の構築)、真皮-表皮の境界(乳頭間隆起としても既知)の回旋の増加、弾性線維症、たるみ、皮膚又は毛髪の変形からの回復の喪失などの、皮膚又は毛髪の弾性の喪失(機能的皮膚エラスチンの喪失、損傷、及び/又は不活性化)の防止、目の下のくま、しみ(例えば、酒さなどによる不均一な赤味)(以下、「赤斑」と称される)、血色の悪さ(青白い色)、毛細血管拡張症又はクモ状血管によって引き起こされる変色、及び白髪などの、皮膚、毛髪、又は爪の色のメラニン性変化又は非メラニン性変化の防止が挙げられる。ケラチン性組織活性剤の別の実施例は、毛髪のシャンプー、コンディショニング、又は染色に使用される活性剤であり得る。
【0059】
本明細書で使用するとき、「重量比」は、乾燥基準での2つの材料間の比率を意味する。例えば、繊維要素中のフィラメント形成材料対活性剤の重量比とは、繊維要素中の乾燥重量基準のフィラメント形成材料の重量(g又は%)対繊維要素中の乾燥重量基準の添加剤(例えば活性剤)の重量(g又は%(フィラメント形成材料の重量と同じ単位))の比率である。別の実施例では、繊維構造体中の粒子対繊維要素の重量比とは、繊維構造体中の乾燥重量基準の粒子の重量(g又は%)対繊維壁材中の乾燥重量基準の繊維要素の重量(g又は%(粒子の重量と同じ単位))の比率である。
【0060】
本明細書で使用するとき、物品及び/又は材料に関する「非水溶性」は、過剰な水に溶解せず、かつ/又は水に混和しない、本発明の物品及び/又は材料を意味する。換言すれば、過剰な水中でのかき混ぜに供されたときの非水溶性物品は、物品の断片に砕ける可能性があるが、断片は、水中で無傷のままである。別の実施例では、物品及び/又は物品の断片が無傷のままである限り、物品又は物品の断片が過剰な水中で膨潤する場合であっても、物品は、なおも非水溶性である。一実施例では、層状構造試験法に従って決定される層状構造を呈する物品及び/又は繊維要素及び/又は材料は、本明細書において非水溶性であると考えられる。
【0061】
一実施例では、物品は、非水溶性である。本明細書で定義されるように、非水溶性とは、自動乾燥プロセスにおいて洗濯された布地からの水分と接触しているときに、又は洗浄プロセスの水性洗浄/すすぎ浴槽と接触しているときに、物品が完全に溶解又は崩壊しないことを意味する。物品が乾燥機内での使用のために設計されている場合、水の存在下で溶解及び/又は崩壊する水溶性補助成分は、それらが布地に接触しているときに物品の存在下で乾燥されている任意の布地に染みを付けるか、又は別の方法で損傷する可能性があるため、水溶性補助成分の代わりに非水溶性補助成分が使用される。
【0062】
本明細書で使用するとき、「周囲条件」とは、23℃±1.0℃、及び50%±2%の相対湿度を意味する。
【0063】
本明細書で使用するとき、「重量平均分子量」は、業界標準法、ゲル浸透クロマトグラフィを使用して決定される、重量平均分子量を意味する。
【0064】
本明細書で使用するとき、「物品寸法」は、物品の長さ、幅、高さ、質量、体積、密度などを指す。
【0065】
繊維要素に関して本明細書で使用するとき、「長さ」は、一方の末端から他方の末端までの繊維要素の最長軸に沿った長さを意味する。繊維要素が内部にねじれ、丸まり、又は曲がりを有する場合、長さは一方の末端からもう一方の末端までの繊維要素の全経路に沿った長さになる。物品の寸法に関して、「長さ」は、異なって定義される場合がある。例えば、不規則形状の物品に関して、長さは、物品の境界に接する2つの平行平面間の最長距離である最大フェレ径又はキャリパ径を指す。例えば、直線形状の物品の場合、長さは、一方の縁部から反対側の縁部までの距離を指す。一実施例では、10個の実質的に類似の複製物品を測定し、10個の個々の物品の長さ測定値の平均を集計し、値を0.01cm単位で報告することによって、平均長さが提供され得、個々の物品の長さ測定値は、較正され、NISTトレーサブルであり、0.01cm単位で測定可能な任意の適切な器具によって測定され得る。物品の長さは、例えば、本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定され得る。
【0066】
繊維要素に関して本明細書で使用するとき、「直径」は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定される。一実施例では、本発明の繊維要素は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定されるとき、100μm未満、及び/又は75μm未満、及び/又は50μm未満、及び/又は25μm未満、及び/又は20μm未満、及び/又は15μm未満、及び/又は10μm未満、及び/又は6μm未満、及び/又は1μm超、及び/又は3μm超の直径を呈する。
【0067】
物品寸法に関して本明細書で使用するとき、「幅」は、その従来の定義に従った測定値を指す場合がある。例えば、直線形状の物品の場合、幅は、一方の縁部から反対側の縁部までの距離を指す。しかしながら、不規則形状の物品に関して、幅は、物品の境界に接する2つの平行平面間の最長距離である最大フェレ径又はキャリパ径を指す。一実施例では、10個の実質的に類似の複製物品を測定し、10個の個々の物品の幅の測定値の平均を集計し、値を0.01cm単位で報告することによって、平均幅が提供され得、個々の物品の幅の測定値は、較正され、NISTトレーサブルであり、0.01cm単位で測定可能な任意の適切な器具によって測定され得る。物品の幅は、例えば、本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定され得る。
【0068】
物品寸法に関して本明細書で使用するとき、「高さ」は、その従来の定義に従った測定値を指す場合がある。物品の高さ(厚さ)は、例えば、本明細書に記載の高さ試験法に従って測定され得る。
【0069】
物品寸法に関して本明細書で使用するとき、「体積」は、その従来の定義に従った測定値を指す場合がある。例えば、物品の体積は、物品の長さ及び幅の平面に直交して見て、物品の投影面積を測定し、物品の高さをこの面積に乗算することによって計算され得る。一実施例では、10個の実質的に類似の複製物品を測定し、10個の個々の物品の体積の測定値の平均を集計し、値を0.01cm単位で報告することによって、平均体積が提供され得る。物品の体積は、例えば、本明細書に記載の体積試験法に従って測定され得る。
【0070】
物品に関して本明細書で使用するとき、「質量」は、その従来の定義に従った測定値を指す場合がある。例えば、物品の質量は、±0.01gの分解能を有する上皿化学天秤を使用して測定され得、天秤は、風防によって、気流及び他の外乱から保護される。物品をコンディショニングした後、物品の質量が、0.01g単位で測定され得る。一実施例では、10個の実質的に類似の複製物品を測定し、10個の個々の物品の質量の測定値の平均を集計し、値を0.01g単位で報告することによって、平均質量が提供され得る。物品の質量は、例えば、本明細書に記載の質量試験法に従って測定され得る。
【0071】
物品に関して本明細書で使用するとき、「物品密度」は、その従来の定義による測定値を指す場合があり、したがって、物品密度は、物品の質量をその体積で除算することによって計算され得る。一実施例では、物品密度は、0.01g/cm単位で報告され得る。物品の密度は、例えば、本明細書に記載の密度試験法によって測定され得る。
【0072】
本明細書で使用するとき、「誘発条件」は、一実施例において、刺激として機能し、かつ物品の物理的構造の喪失若しくは変化などの本発明の物品又は物品の一部分の変化、並びに/又はそこからの活性剤の放出を開始させるか又は引き起こす、作用又は事象としてのあらゆるものを意味する。別の実施例では、誘発条件は、自動衣類乾燥機内の熱などの環境中、本発明の物品が自動衣類乾燥機に加えられるとき、並びに/又は例えば、洗濯機内に布地がある状態で水及び任意に洗剤などの洗浄液に添加されるときに存在してもよく、非水溶性物品は、本明細書に記載の層状構造試験法によって測定される層状構造体を形成し得る。
【0073】
物品
本発明の物品は、複数の繊維要素、例えば、複数の活性剤含有フィラメントなど複数のフィラメント、並びに任意に1つ以上の粒子、例えば、1つ以上の活性剤含有粒子、例えば水溶性活性剤含有粒子及び/又は非水溶性粒子、例えばゼオライト、多孔質ゼオライト、香料充填ゼオライト、活性剤充填ゼオライト、シリカ、香料充填シリカ、活性剤充填ゼオライト、香料マイクロカプセル、粘土、及びこれらの混合物を含んでもよい。ある特定の実施例では、物品は、非フィラメント含有構造体から実質的に形成され得る。
【0074】
理論に束縛されるものではないが、物品の寸法は、物品の性能要因の最も消費者が好む組み合わせを達成することに寄与することができ、そのような要因には、消費者が好む物品の柔軟性、乾燥機内での衣類への移動などの活性剤の放出、製品のコンパクトな貯蔵、並びに/又は分配が含まれ、布地及び/又は毛髪などの処理された表面上にキャリアシート若しくは望ましくない残留物を残すことなくそれに寄与することができると考えられている。物品は、ロールの形態、例えば、圧延形態から個々の物品を分配するためのミシン目によって隣接するシートに接続された複数の物品であってもよく、物品は、コアを中心に、又はコアを有さずにそれ自体の上に回旋状に巻かれて、圧延物品を形成する。あるいは、物品は、別々の個々のシートの形態、又は非圧延形態から個々の物品を分配するためのミシン目によって隣接するシートに接続された複数の物品の非圧延形態であってもよい。更に別の実施例では、本発明の物品は、使用の準備が整った独立型のエンティティであり、これらのエンティティの集合及び/又は多数のこれらのエンティティは、製品輸送アセンブリ、例えば、保護用製品輸送アセンブリにおいて消費者に分配されてもよい。
【0075】
更に、物品寸法は、物品を十分に保護しつつ、梱包サイズの最小化、輸送コストの低減、物品体積対梱包容積の比率の最大化など、望ましい梱包特性を提供し得る製品輸送アセンブリの達成に寄与し得ると考えられる。例えば、望ましい物品寸法を提供することにより、手回り品の低減を容易にすることができ、それによりコスト及び廃棄物を低減し、例えば、郵便物の投入口に適合することができる輸送容器を提供することによって、輸送における効率性を改善し、かつ例えば、物品が輸送容器内で移動することができる空間を最小限に抑えることによって、物品の十分な固定化及び保護を確実にすると考えられる。
【0076】
ある特定の実施例では、物品は、約1cm~約23cm、約2cm~約20cm、約2cm~約18cm、約3cm~約15cm、約3cm~約12cm、約4cm~約8cm、約4cm~約6cm、又は約5cm~約6cmの長さを有することができる。ある特定の実施例では、物品は、本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき、約1cm~約10cm、約2cm~約10cm、又は約7cm~約9cmの長さを有することができる。
【0077】
ある特定の実施例では、物品は、本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき、約1cm~約15cm、約2cm~約11cm、約2cm~約10cm、約3cm~約9cm、約4cm~約8cm、又は約4cm~約6cmの幅を有することができる。他の実施例では、物品は、本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき、約1cm~約6cm、約2cm~約6cm、約3cm~約5cm、又は約3.5cm~約4.5cmの幅を有することができる。他の実施例では、物品は、本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき、約6cm~約8cmの幅を有することができる。
【0078】
ある特定の実施例では、物品の長さ対物品の幅の比率は、本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき、約3:1~約0.5:1、約5:2~約0.5:1、又は約2:1~約1:1であり得る。
【0079】
物品は、本明細書に記載の高さ試験法に従って測定されるとき、約0.01mm以上、約0.05mm以上、約0.1mm以上、約0.5以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、又は約4mm以上の高さ又は厚さを有することができる。ある特定の実施例では、物品は、本明細書に記載の高さ試験法に従って測定されるとき、約50mm以下、約20mm以下、約10mm以下、約8mm以下、約6mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約0.5mm以下、又は約0.3mmの高さ又は厚さを有することができる。したがって、ある特定の実施例では、物品は、本明細書に記載の高さ試験法に従って測定されるとき、約0.01mm~約50mm、約0.01~約44mm、約0.1mm~約50mm、約0.1~約44mm、約1mm~約20mm、又は約1mm~約5mmの高さを有することができる。ある特定の実施例では、物品は、本明細書に記載の高さ試験法に従って測定されるとき、約3mm~約12mm、又は約4mm~約10mmの高さ又は厚さを有することができる。
【0080】
物品は、本明細書に記載の体積試験法に従って測定されるとき、約0.25cm~約60.00cm、約0.50cm~約60.00cm、約0.50cm~約50.00cm、約1.00cm~約40.00cm、約1.00cm~約30.00cm、約2.00cm~約20.00cm、約3.00cm~約20.00cm、約4.00cm~約15.00cm、又は約4.00cm~約10.00cmの体積を有することができる。ある特定の実施例では、物品は、本明細書に記載の体積試験法に従って測定されるとき、約3.00cm~約6.00cmの体積を有することができる。他の実施例では、物品は、本明細書に記載の体積試験法に従って測定されるとき、約20.00cm~約35.00cm、又は約24.00cm~約30.00cmの体積を有することができる。
【0081】
物品は、本明細書に記載の質量試験法に従って測定されるとき、約10g以下、約8g以下、約6g以下、約5g以下、約3g以下、約2g以下、約1g以下、及び/又は約0.10g以上、及び/又は約0.15g以上、及び/又は約0.20g以上、及び/又は約0.40g以上、及び/又は0.50g以上の質量を有することができる。ある特定の実施例では、物品は、本明細書に記載の質量試験法に従って測定されるとき、約0.10g~約10g、約0.10g~約8g、約0.1g~約6g、約0.15g~約5g、約0.20g~約3g、約0.20g~約2g、約0.20g~約1gの質量を有することができる。
【0082】
物品は、本明細書に記載の密度試験法に従って測定されるとき、約0.05g/cm以上、約0.08g/cm以上、約0.10g/cm以上、約0.15g/cm以上、約0.20g/cm以上、約0.25g/cm以上、約0.30g/cm以上、約0.35g/cm以上、又は約0.40g/cm以上、及び/又は約0.80g/cm未満、及び/又は約0.75g/cm未満、及び/又は約0.7g/cm未満、及び/又は約0.60g/cm未満、及び/又は0.50g/cm未満の物品密度を有することができる。ある特定の実施例では、物品は、本明細書に記載の密度試験法に従って測定されるとき、約0.80g/cm以下、約0.60g/cm以下、約0.50g/cm以下、約0.40g/cm以下、約0.35g/cm以下、約0.30g/cm以下、約0.25g/cm以下、約0.20g/cm以下、約0.15g/cm以下、約0.12g/cm以下、約0.10g/cm以下、及び/又は約0.08g/cm超、及び/又は約0.05g/cm超の物品密度を有することができる。したがって、ある特定の実施例では、物品は、本明細書に記載の密度試験法に従って測定されるとき、約0.05g/cm~約0.80g/cm、約0.08g/cm~約0.80g/cm、約0.1g/cm~約0.80g/cm、約0.20g/cm~約0.60g/cm、又は約0.20g/cm~約0.40g/cmの物品密度を有することができる。ある特定の実施例では、物品は、本明細書に記載の密度試験法に従って測定されるとき、約0.05g/cm超~約0.80g/cm未満、及び/又は約0.05g/cm超~約0.60g/cm未満、及び/又は約0.05g/cm超~約0.30g/cm未満、及び/又は約0.10g/cm超~約0.20g/cm未満の物品密度を有することができる。
【0083】
ある特定の実施例では、物品は、以下の寸法:約1cm~約15cmの幅(本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき)、約1cm~約23cmの長さ(本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき)、約0.01mm~約50mmの高さ(本明細書に記載の高さ試験法に従って測定されるとき)、約0.10g~約10gの質量(本明細書に記載の質量試験法に従って測定されるとき)、約0.25cm~約60.00cmの体積(本明細書に記載の体積試験法に従って測定されるとき)、及び約0.05g/cm~約0.80g/cmの物品密度(本明細書に記載の物品密度試験法に従って測定されるとき)、のうちの1つ以上を有する。ある特定の実施例では、物品は、約1cm~約15cmの幅(本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき)、約1cm~約23cmの長さ(本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき)、及び約0.01mm~約50mmの高さ(本明細書に記載の高さ試験法に従って測定されるとき)、のうちの1つ以上を有する。ある特定の実施例では、物品は、約0.10g~約10gの質量(本明細書に記載の質量試験法に従って測定されるとき)、約0.25cm~約60.00cmの体積(本明細書に記載の体積試験法に従って測定されるとき)、及び約0.05g/cm~約0.80g/cmの物品密度(本明細書に記載の密度試験法に従って測定されるとき)、のうちの1つ以上を有する。ある特定の実施例では、物品は、約1cm~約15cmの幅(本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき)、約1cm~約23cmの長さ(本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき)、及び約0.01mm~約50mmの高さ(本明細書に記載の高さ試験法に従って測定されるとき)、のうちの1以上、並びに約0.10g~約10gの質量(本明細書に記載の質量試験法に従って測定されるとき)、約0.25cm~約60.00cmの体積(本明細書に記載の体積試験法に従って測定されるとき)、及び約0.05g/cm~約0.80g/cmの物品密度(本明細書に記載の密度試験法に従って測定されるとき)、のうちの1つ以上を有する。
【0084】
製品輸送アセンブリは、複数の物品を含み得る。ある特定の実施例では、各物品は1つ以上の繊維要素を含み得、繊維要素のうちの少なくとも1つは、1つ以上のフィラメント形成材料と、1つ以上の繊維要素から放出可能な1つ以上の活性剤と、を含む。いくつかの実施例では、物品は、フィラメント含有構造体から実質的に形成され得る。複数の物品のそれぞれは、本明細書に記載の寸法に従った寸法を有し得る。製品輸送アセンブリは、製品を取り外し可能に収容するサイズの内容積を画定する輸送容器を更に含み得る。
【0085】
ある特定の実施例では、製品輸送アセンブリは、支持部材を更に含み得る。ある特定の実施例では、支持部材は製品と接触し得、いくつかの例では、支持部材は、製品に取り付けられ得る。支持部材は、複数の物品のうちの1つ以上を支持し得、かつ/又は輸送容器内でのその固定を容易にし得る。一実施例では、支持部材はトレーであり得、トレーは、複数の物品が、トレー内に実質的に収容されている間に、輸送容器から摺動可能に取り出され得るように、輸送容器内に収まるサイズであり得る。しかしながら、支持部材は、様々な好適な構成のいずれかで提供され得ることが理解されよう。製品輸送アセンブリは、1つ以上の仕切りを更に含んでもよく、1つ以上の仕切りは複数の物品を分離する。ある特定の実施例では、1つ以上の仕切りは、輸送容器内で複数の区画間の境界を提供し得、複数の物品は、1つ以上の仕切りによって分離された複数の区画間で分割され得る。
【0086】
ある特定の実施例では、製品輸送アセンブリは、湿度、液体(例えば、水)、及び香り漏れに対するバリアを含んでもよい。ある特定の実施例では、輸送容器は、輸送容器の内側に塗布された保護コーティングを含み得、保護コーティングはバリアとして機能し得る。一実施例では、保護コーティングは、薄いポリマーフィルムであり得る。しかしながら、保護コーティングは、当該技術分野において既知の様々な好適なコーティングのいずれかであり得、保護コーティングは、当該技術分野において既知の任意の従来のコーティング方法によって塗布され得ることが理解されよう。ある特定の実施例では、保護コーティングは、輸送容器の内容積を画定し得るか、又は輸送容器の内容積に含まれ得る。保護コーティングは、防水性、耐水蒸気性、及び/又はにおい不透過性であり得る。
【0087】
他の実施例では、製品輸送アセンブリは、1つ以上のオーバーラップを含み得、1つ以上のオーバーラップは、バリアとして機能し得る。ある特定の実施例では、1つ以上のオーバーラップは、輸送容器の外側を完全に又は少なくとも部分的に包み得る。ある特定の実施例では、1つ以上のオーバーラップは、複数の物品のうちの1つ以上の物品を完全に又は少なくとも部分的に被覆し得る、又は包囲し得る。ある特定の実施例では、1つ以上のオーバーラップは、輸送容器内の複数の物品の固定を容易にするように更に機能し得る。一実施例では、1つ以上のオーバーラップは、各物品を実質的に包み得、オーバーラップは、その中に物品を封入し得る。1つ以上のオーバーラップは、収縮ラップ、フィルムラップ、紙ラップ、及び/又は様々な他の好適なラップのいずれかであり得る。保護コーティングのように、ある特定の実施例では、1つ以上のオーバーラップは、防水性、耐水蒸気性、及び/又はにおい不透過性であり得る。
【0088】
ある特定の実施例では、製品輸送アセンブリは、通気孔を更に含み得る。通気孔は、例えば、製品輸送アセンブリからの1つ以上の香り、二酸化炭素、酸素、水蒸気、又は他の気体のガス放出を可能にし得る。一実施例では、通気孔は、例えば、輸送容器及び/又は1つ以上のオーバーラップ内の1つ以上の開口部を含んでもよい。
【0089】
しかしながら、ある特定の実施例では、製品輸送アセンブリは、実質的にダンネージを有さず、したがって、製品輸送アセンブリは、気泡シート、発泡スチロールなど最小限の過剰な保護梱包材を含んでもよく、又はそれらを完全に含まなくてもよい。一実施例では、複数の物品の体積対内容積の比率は、約0.8以上であり得る。ある特定の実施例では、複数の物品の体積対内容積の比率は、約0.85以上、約0.9以上、又は約0.95以上であり得る。
【0090】
輸送容器は、上記のように、製品の梱包及び分配に使用される任意のパッケージ、箱、大箱、袋、ラップ、又は他の従来型の容器であり得る。具体的には、輸送容器は、電子商取引で使用するのに好適であり得る。一実施例では、輸送容器は、約6インチ以下の幅、約10インチ以下の長さ、及び約1.75インチ以下の高さを有することができる。かかる実施例では、輸送容器は、従来のメールスロットに収まるサイズ及び形状であってもよい。しかしながら、輸送容器は、任意の様々な好適なサイズ、形状、及び構成のいずれかで提供され得ることが理解されよう。
【0091】
複数の物品は、約2個の物品から約144個の物品、及びそれらの間の任意の量の物品を含み得る。例えば、複数の物品は、約2個以上の物品、約8個以上の物品、約12個以上の物品、約18個以上の物品、約24個以上の物品、約25個以上の物品、約30個以上の物品、約36個以上の物品、約40個以上の物品、約48個以上の物品、約50個以上の物品、約60個以上の物品、又は約64個以上の物品を含むことができる。ある特定の実施例では、複数の物品のうちの少なくとも2個の物品は、異なる香りを有し得る。
【0092】
製品輸送アセンブリは、水捕捉物質を更に含み得る。一実施例では、水捕捉物質は乾燥剤であり得る。しかしながら、水捕捉物質は、当該技術分野において既知の様々な好適な水捕捉物質のいずれかであり得ることが理解されよう。
【0093】
一実施例では、異なる活性剤を含む2つ以上の領域又は層を物品に提供するために、繊維要素及び/又は粒子は、繊維構造体内、及びしたがって、繊維構造体を含む物品内に配置されてもよい。例えば、物品の1つの領域は、帯電防止剤を含んでもよく、物品の別の領域は、布地コンディショニング活性剤を含んでもよい。
【0094】
1つ以上の繊維要素を含む物品に関して、本発明の繊維要素及び/又は繊維構造体は、固体形態である。しかしながら、本発明の繊維要素の作製に使用されるフィラメント形成組成物は、液体の形態であってもよい。
【0095】
一実施例では、繊維構造体は、組成の点から本発明による繊維要素と同一であるか又は実質的に同一である複数の繊維要素を含む。別の実施例では、繊維構造体は、本発明による2つ以上の異なる繊維要素を含み得る。繊維要素の相違点の非限定的な例としては、直径、長さ、テクスチャ、形状、剛性、弾性の違い等の物理的な違い;架橋レベル、溶解度、融点、Tg、活性剤、フィラメント形成材料、色、活性剤の濃度、坪量、フィラメント形成材料の濃度、繊維要素上の任意コーティングの存在、生分解性であるか否か、疎水性であるか否か、接触角などの化学的な違い;意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素がその物理的構造を失うかどうかの違い;意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素の形態が変化するかどうかの違い;及び意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素がその活性剤のうちの1つ以上を放出する速度の違いであり得る。一実施例では、繊維構造体内の2つ以上の繊維要素及び/又は粒子は、異なる活性剤を含んでもよい。これは、異なる活性剤、例えばアニオン性界面活性剤(例えば、シャンプー活性剤)及びカチオン性界面活性剤(例えば、ヘアコンディショナー活性剤)が互いに相溶性ではない場合に該当し得る。
【0096】
別の実施例では、繊維構造体は、異なる領域、例えば、坪量、密度、及び/又は厚さの異なる領域を呈し得る。更に別の実施例では、繊維構造体は、その表面のうちの1つ以上にテクスチャを含み得る。繊維構造体の表面は、非ランダムな反復パターン等のパターンを含んでもよい。繊維構造体は、エンボスパターンでエンボス加工されてもよい。別の実施例では、繊維構造体は、開口を含んでもよい。開口は、非ランダムな反復パターンで配置されてもよい。
【0097】
一実施例では、繊維構造体は、繊維構造体の他の部分とは異なる、繊維要素の分離した領域を含み得る。
【0098】
本発明の繊維構造体は、そのまま使用されてもよく、又は1つ以上の活性剤でコーティングされてもよい。
【0099】
一実施例では、繊維構造体は、本明細書に記載の厚さ試験法に従って測定されるとき、0.01mm超、及び/又は0.05mm超、及び/又は0.1mm超、及び/又は約50mmまで、及び/又は約20mmまで、及び/又は約10mmまで、及び/又は約5mmまで、及び/又は約2mmまで、及び/又は約0.5mmまで、及び/又は約0.3mmまでの厚さを呈し得る。
【0100】
本発明に好適な他の繊維構造体の非限定的な例は、米国特許出願公開第2013/0171421(A1)号及び米国特許第9,139,802号に開示されており、参照することによって組み込まれる。
【0101】
本発明の物品は、以下の特性のうちの1つ以上を呈し得る。
【0102】
一実施例では、本発明の物品及び/又は繊維要素は、
本明細書に記載の層状構造試験法によって決定されるとき、湿潤時に層状構造を呈し得る。
【0103】
一実施例では、本発明の物品及び/又は繊維要素は、
本明細書に記載の層状構造試験法によって決定されるとき、湿潤時に層状構造を呈し得るが、層状構造試験法によって決定されるとき、調整されただけの乾燥状態では層状構造を呈しない。
【0104】
一実施例では、本発明の物品は、本明細書に記載の空気透過性試験法に従って測定されるとき、少なくとも20L/m/秒、及び/又は少なくとも40L/m/秒、及び/又は少なくとも60L/m/秒、及び/又は少なくとも80L/m/秒、及び/又は7000L/m/秒未満、及び/又は6000L/m/秒未満、及び/又は5000L/m/秒未満、及び/又は4000L/m/秒未満、及び/又は3000L/m/秒未満、及び/又は2000L/m/秒未満の空気透過性を呈し得る。
【0105】
一実施例では、本発明の物品は、本明細書に記載の自由メルトフロー試験法に従って測定されるとき、約20%超、及び/又は約30%超、及び/又は約40%超、及び/又は約50%超、及び/又は約60%超、及び/又は約70%超、及び/又は約80%超、及び/又は約85%超、及び/又は約90%超、及び/又は約95%超、及び/又は約97%超、及び/又は約98%超、及び/又は約99%超、及び/又は約100%の自由メルトフローを呈し得る。一実施例では、本発明の物品は、本明細書に記載の自由メルトフロー試験法に従って測定されるとき、約20%~約100%、及び/又は約30%~約100%、及び/又は約40%~約100%、及び/又は約50%~約100%、及び/又は約60%~約99%、及び/又は約70%~約99%、及び/又は約80%~約99%、及び/又は約90%~約99%の自由メルトフローを呈し得る。
【0106】
一実施例では、物品は、1つ以上の繊維要素、例えば複数のフィラメントを含む繊維構造体を含む不織布である。物品は、2つ以上の不織布、多プライ不織布及び/又は多プライ繊維構造体を含んでもよい。
【0107】
一実施例では、物品、例えば繊維構造体は、1つ以上の開口を含んでもよい。
【0108】
一実施例では、物品は、引張試験法に従って測定されるとき、約5%以上の幾何平均ピーク伸長を呈する。
【0109】
一実施例では、物品は、引張試験法に従って測定されるとき、約5000g/cm以下の幾何平均弾性率を呈する。
【0110】
一実施例では、物品は、引張試験法に従って、約100g/インチ以上の幾何平均引張強度を呈する。
【0111】
一実施例では、物品は、含水率試験法に従って測定されるとき、約0%~約20%及び/又は約0%~約5%の含水量を呈する。一実施例では、物品は、含水率試験法に従って測定されるとき、約2%~約15%、及び/又は約2%~約10%、及び/又は約5%~約10%の含水量を呈する。
【0112】
一実施例では、物品は、物品を自動衣類乾燥機の内部ドラム表面に取り付けるために、例えば、物品の1つ以上の表面上に、接着剤又は接着剤として機能する材料を含む。
【0113】
一実施例では、自動衣類乾燥機操作における物品の使用中、物品は、自動衣類乾燥機内で処理されている、例えば、乾燥及び/又はコンディショニングされている布地に、その質量の少なくとも一部分及び/又は実質的に全てを移動させる(堆積させる)。
【0114】
一実施例では、洗濯機操作における物品の使用中、物品は、洗濯機内で処理されている、例えば、洗浄及び/又はコンディショニングされている布地に、その質量の少なくとも一部分及び/又は実質的に全てを移動させる(堆積させる)。
【0115】
一実施例では、繊維要素及び/又は粒子は、繊維構造体内に配置されて、異なる活性剤を含む2つ以上の領域又は層を繊維構造体に提供し得る。例えば、繊維構造体のある領域は、漂白剤及び/又は界面活性剤を含んでもよく、繊維構造体の別の領域は、柔軟剤を含んでもよい。
【0116】
図2に示されるように、本発明の物品20の一実施例、例えば、本発明による多プライ繊維構造体は、(物品20の繊維構造体を形成する本発明の繊維要素、この場合フィラメント10の物品20のz方向に)2つ以上の異なる繊維構造体層又はプライ22、24を含んでもよい。層22内のフィラメント10は、層24内のフィラメント10と同一であってもよく、又はこれと異なっていてもよい。各層又はプライ22、24は、同一の、又は実質的に同一の、又は異なる複数のフィラメントを含んでもよい。例えば、物品20内の他のフィラメントよりも速い速度で活性剤を放出し得るフィラメント、及び/又は物品20の1つ以上の繊維構造体層又はプライ22、24は、物品20の外面として位置付けられ得る。層又はプライ22及び24は、2つの層又はプライの間のそれらの境界面での機械的絡み合いによって、及び/又は熱若しくは接着剤結合によって、及び/又は層又はプライのうちの一方を他方の既存の層又はプライ上に堆積させる、例えば、層又はプライ22の繊維要素を層又はプライ24の表面に紡糸することによって、互いに結合され得る。図3は、プライ22及び24を有する物品20の別の図を示す。上記の物品寸法に関して、物品の長さ(L)、幅(W)、及び高さ(H)は、それぞれ、x方向、y方向、及びz方向の測定値に対応するように図3に示され、本明細書に記載の幅及び長さ試験法並びに高さ試験法に従って測定される。
【0117】
図4に示されるように、物品20の別の実施例、例えば、本発明による繊維構造体は、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む第1の繊維構造体層又はプライ22と、複数の繊維要素、例えば、フィラメント10を含む第2の繊維構造体層24と、第1の繊維構造体層22と第2の繊維構造体層24との間に位置付けられた複数の粒子又は粒子層26と、を含む。類似の繊維構造体は、複数の繊維要素を含む繊維構造体の第1のプライの表面に複数の粒子を堆積させ、次いで、粒子又は粒子層が第1の繊維構造体プライと第2の繊維構造体プライとの間に位置付けられるように、複数の繊維要素を含む繊維構造体の第2のプライを結合させることによって形成され得る。
【0118】
図5に示されるように、物品20の別の実施例、例えば、本発明の繊維構造体は、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む第1の繊維構造体層22を含み、第1の繊維構造体層22は、不規則パターン又は非ランダムな繰り返しパターンであり得る1つ以上のポケット28(凹部、無充填ドーム、又は偏向ゾーンとも呼ばれる)を含む。ポケット28のうちの1つ以上は、1つ以上の粒子26を含んでもよい。本実施例の物品20は、粒子26がポケット28に封入されるように、第1の繊維構造体層22と結合された第2の繊維構造体層24を更に含む。上記のように、類似の物品は、複数の繊維要素を含む繊維構造体の第1のプライのポケット内に複数の粒子を堆積させ、次いで、粒子が第1のプライのポケットに封入されるように、複数の繊維要素を含む繊維構造体の第2のプライを結合させることによって形成され得る。一実施例では、ポケットが繊維構造体から分離されて、別個のポケットを生成してもよい。
【0119】
図6に示されるように、物品20の別の実施例、例えば、本発明の多プライ繊維構造体は、上記の図5による繊維構造体の第1のプライ30と、第1のプライ30に結合された繊維構造体の第2のプライ32と、を含み、第2のプライ32は、複数の繊維要素、例えばフィラメント10と、物品20全体にわたってx軸、y軸、及びz軸に、この場合はランダムに分散された複数の粒子26と、を含む。
【0120】
図7に示されるように、物品20の別の実施例、例えば、本発明の繊維構造体は、複数の繊維要素、例えば、活性剤含有フィラメントなどフィラメント10と、物品20の繊維構造体全体にわたってx軸、y軸、及びz軸に、この場合はランダムに分散された複数の粒子26、例えば、活性剤含有粒子と、を含む。
【0121】
図8に示されるように、物品20の別の実施例、例えば、本発明の繊維構造体は、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む第1の繊維構造体層22と、複数の繊維要素、例えばフィラメント10、例えば活性剤含有フィラメントを含む第2の繊維構造体層24と、第2の繊維構造体層24全体にわたってx軸、y軸、及びz軸に、この場合はランダムに分散された複数の粒子26、例えば、活性剤含有粒子と、を含む。あるいは、別の実施例では、複数の粒子26、例えば活性剤含有粒子は、不規則パターン又は非ランダムな繰り返しパターンで第2の繊維構造体層24内に分散されてもよい。上記のように、2プライの繊維構造体を含む類似の物品は、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む第1の繊維構造体プライ22と、複数の繊維要素、例えばフィラメント10、例えば活性剤含有フィラメントを含む第2の繊維構造体プライ24と、第2の繊維構造体プライ24にわたってx軸、y軸、及びz軸に(この場合はランダムに)分散された複数の粒子26、例えば、活性剤含有粒子と、を含む。あるいは、別の実施例では、複数の粒子26、例えば活性剤含有粒子は、不規則なパターン又は非ランダムな繰り返しパターンで第2の繊維構造体プライ24内に分散されてもよい。
【0122】
図9は、物品20の別の実施例、例えば、本発明の多プライ繊維構造体を示し、この多プライ繊維構造体は、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む第1の繊維構造体層22と、複数の繊維要素、例えばフィラメント10、例えば活性剤含有フィラメントを含む、第2の繊維構造体層24と、第2の繊維構造体プライ24全体にわたってx軸、y軸、及びz軸に、この場合はランダムに分散された複数の粒子26、例えば、活性剤含有粒子と、を含む図8に示されるような繊維構造体の第1のプライ30と、第1のプライ30と結合された繊維構造体の第2のプライ32であって、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む第1の繊維構造体層22と、複数の繊維要素、例えばフィラメント10、例えば活性剤含有フィラメントを含む第2の層24と、第2の繊維構造体層24全体にわたってx軸、y軸、及びz軸に、この場合はランダムに分散された複数の粒子26、例えば活性剤含有粒子と、を含む、第2のプライ32と、第2のプライ32と結合された繊維構造体の第3のプライ34であって、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む第1の繊維構造体層22と、複数の繊維要素、例えばフィラメント10、例えば活性剤含有フィラメントを含む第2の繊維構造体層24と、第2の繊維構造体層24全体にわたってx軸、y軸、及びz軸に、この場合はランダムに分散された複数の粒子26、例えば、活性剤含有粒子と、を含む、第3のプライ34と、を含む。
【0123】
図10に示されるように、物品20の別の実施例、例えば、本発明の多プライ繊維構造体は、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む、繊維構造体の第1のプライ30と、第1のプライ30に結合された繊維構造体の第2のプライ32であって、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む、繊維構造体の第2のプライ32と、第2のプライ32に結合された繊維構造体の第3のプライ34であって、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む、繊維構造体の第3のプライ34と、を含む。図10の一実施例では、各プライのフィラメント10は、活性剤含有フィラメントを含み得る。
【0124】
図11は、本発明の物品20の別の実施例、本開示の多プライ繊維構造体20を示し、この多プライ繊維構造体20は、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む繊維構造体の第1のプライ30と、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む繊維構造体の第2のプライ32と、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む繊維構造体の第3のプライ34と、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む繊維構造体の第4のプライ36と、複数の繊維要素、例えばフィラメント10を含む繊維構造体の第5のプライ38と、を含む。この実施例では、物品20は、少なくとも2つの隣接する繊維構造体プライ、例えばプライ30及び32、又はプライ32及び34、又はプライ34及び36、又はプライ36及び38の間に位置付けられた1つ以上の粒子又は粒子層26を更に含む。プライ30、32、34、36、及び38は、1つ以上の他のプライと結合されて一体構造を形成し、物品20内に粒子26が存在する場合には、物品20からの粒子の解離を最小限に抑える。別の実施例では、少なくとも2つの隣接する繊維構造体プライの間に位置付けられた1つ以上の粒子又は粒子層26は、不規則パターン、非ランダムな繰り返しパターンで、又はプライ間の選択されたゾーンにのみ存在する。
【0125】
上記のように、ある特定の実施例では、物品は、非フィラメント含有構造体から実質的に形成され得る。ある特定の実施例では、物品の全体は、非フィラメント含有構造体から形成され得る。かかる実施例では、物品は、そこから放出可能な1つ以上の活性剤を含み得る。更に、物品は、2つ以上のプライを含む多プライ物品であり得、2つ以上のプライの表面は、物品の長さ又は幅のいずれかに沿って実質的に互いに接触している。ある特定の実施例では、物品は、意図される使用条件に曝されたときに、例えば、自動衣類乾燥機内及び/又は洗濯機内で経験される条件に曝されたときにそこから放出可能な、約90重量%以上、及び/又は約92重量%以上、及び/又は約95重量%以上、及び/又は約97重量%以上、及び/又は約98重量%以上、及び/又は約99重量%以上、及び/又は約100重量%の1つ以上の活性剤を含むことができる。かかる物品は、消費者にとって好ましい特性を呈し、本明細書に記載の物品寸法に従った物品寸法を有し得ることが理解されよう。ある特定の実施例では、非フィラメント物品は、流体を実質的に含まなくてもよい。
【0126】
1つ以上の繊維要素を含む物品に関して、本発明の繊維要素及び/又は繊維構造体は、固体形態である。しかしながら、本発明の繊維要素の作製に使用されるフィラメント形成組成物は、液体の形態であってもよい。
【0127】
一実施例では、繊維構造体は、組成の点から本発明による繊維要素と同一であるか又は実質的に同一である複数の繊維要素を含む。別の実施例では、繊維構造体は、本発明による2つ以上の異なる繊維要素を含み得る。繊維要素の相違点の非限定的な例は、直径、長さ、テクスチャ、形状、剛性、弾性の違い等の物理的な違い;架橋レベル、溶解度、融点、Tg、活性剤、フィラメント形成材料、色、活性剤の濃度、坪量、フィラメント形成材料の濃度、繊維要素上の任意コーティングの存在、生分解性であるか否か、疎水性であるか否か、接触角などの化学的な違い;意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素がその物理的構造を失うかどうかの違い;意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素の形態が変化するかどうかの違い;及び意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素がその活性剤のうちの1つ以上を放出する速度の違いであり得る。一実施例では、繊維構造体内の2つ以上の繊維要素及び/又は粒子は、異なる活性剤を含んでもよい。これは、異なる活性剤、例えばアニオン性界面活性剤(例えば、シャンプー活性剤)及びカチオン性界面活性剤(例えば、ヘアコンディショナー活性剤)が互いに相溶性ではない場合に該当し得る。
【0128】
別の実施例では、繊維構造体は、異なる領域、例えば、坪量、密度、及び/又は厚さの異なる領域を呈し得る。更に別の実施例では、繊維構造体は、1つ以上のその表面にテクスチャを含み得る。繊維構造体の表面は、非ランダムな反復パターン等のパターンを含んでもよい。繊維構造体は、エンボスパターンでエンボス加工されてもよい。別の実施例では、繊維構造体は、開口を含んでもよい。開口は、非ランダムな反復パターンで配置されてもよい。
【0129】
一実施例では、繊維構造体は、繊維構造体の他の部分とは異なる、繊維要素の分離した領域を含み得る。
【0130】
本発明の繊維構造体は、そのまま使用されてもよく、又は1つ以上の活性剤でコーティングされてもよい。
【0131】
粒子
粒子は、水溶性又は非水溶性であってもよい。一実施例では、ある粒子群は水溶性であってもよく、別の粒子群は非水溶性であってもよい。粒子(水溶性又は非水溶性)は、それ自体が消費者に利益をもたらし得る。別の実施例では、粒子(水溶性又は非水溶性)は、1つ以上の活性剤を含み得る(換言すれば、粒子は活性剤含有粒子を含み得る)。更に別の実施例では、粒子は、1つ以上の活性剤から本質的になり、かつ/又は1つ以上の活性剤からなる(換言すれば、粒子(水溶性及び/又は非水溶性)は、乾燥粒子基準で100重量%、又は約100重量%超の1つ以上の活性剤を含み得る)。更に別の実施例では、粒子は水溶性粒子を含んでもよい。更に別の実施例では、粒子は、水溶性の活性剤含有粒子を含んでもよい。他の一実施例では、非水溶性粒子は、ゼオライト、多孔質ゼオライト、香料充填ゼオライト、活性剤充填ゼオライト、シリカ、香料充填シリカ、活性充填シリカ、香料マイクロカプセル、粘土、及びこれらの混合物を含む。
【0132】
繊維要素
本発明の繊維要素は、非水溶性である。一実施例では、繊維要素は、繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維構造体が目的とする使用条件に曝されたときなどに繊維要素から放出可能である1つ以上の活性剤を含む。1つ以上の活性剤に加えて、繊維要素は、1つ以上の活性剤を含んでもよい。
【0133】
一実施例では、繊維要素及び/又は物品中に存在する1つ以上の活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素及び/又は乾燥繊維構造体及び/又は乾燥物品に基づいて、80重量%以上、及び/又は85重量%超、及び/又は90重量%超、及び/又は95重量%超、及び/又は96重量%超、及び/又は97重量%超、及び/又は98重量%超、及び/又は99重量%超、及び/又は約100%重量%である。一実施例では、1つ以上の補助成分、例えば1つ以上の構造化剤などの1つ以上のフィラメント形成材料は、乾燥繊維要素及び/又は乾燥繊維構造体及び/又は乾燥物品に基づいて、20重量%以下、及び/又は15重量%未満、及び/又は10重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は4重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は2重量%未満、及び/又は1重量%未満、及び/又は約0重量%の総濃度で、繊維要素及び/又は物品中に存在し得る。
【0134】
一実施例では、繊維要素は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定されるとき、100μm未満、及び/又は75μm未満、及び/又は50μm未満、及び/又は25μm未満、及び/又は10μm未満、及び/又は5μm未満、及び/又は1μm未満の直径を呈する。別の実施例では、本発明の繊維要素は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定されるとき、1μm超の直径を呈する。本発明の繊維要素の直径は、繊維要素中に存在する1つ以上の活性剤の放出速度、並びに/又は繊維要素の物理的構造の損失及び/若しくは変化の速度を制御するために使用され得る。
【0135】
繊維要素は、2つ以上の異なる活性剤を含んでもよい。一実施例では、繊維要素は、2つ以上の異なる活性剤を含み、その2つ以上の異なる活性剤は、互いに相溶性である。別の実施例では、繊維要素は、2つ以上の異なる活性剤を含み、その2つ以上の異なる活性剤は、互いに非相溶性である。
【0136】
一実施例では、繊維要素は、繊維要素中の活性剤と、繊維要素上をコーティングする活性剤などの、繊維要素の外面上の活性剤と、を含み得る。繊維要素の外面上の活性剤は、繊維要素中に存在する活性剤と同じであってもよく、又はこれと異なっていてもよい。異なる場合は、活性剤は互いに相溶性であってもよく、又は非相溶性であってもよい。
【0137】
別の実施例では、本発明の繊維構造体又は物品は、物品のプライの表面のうちの1つに位置する外部繊維要素又はフィラメント上にコーティングを含んでもよい。このコーティングは、プライの表面に塗布されてもよく、コーティングを有する表面は、物品全体の外側表面であってもよく、又は物品の内部の表面であってもよい。コーティングの配置は、送達されることが望ましい有益剤又は活性剤に依存する。例えば、物品の外側表面プライへのコーティングは、消費者が見ることができる表面上にあるため、消費者にとってより容易に視認可能であろう。物品の内側表面プライへのコーティングは、消費者の直視から隠され得るため、視認性が低くなり得る。物品の内側表面及び/又は外側表面へのコーティングの配置は、物品製造プロセスの一環として達成されるであろう。内側表面プライへのコーティングは、物品の外側表面へのコーティングと異なっていてもよく、又は同一であってもよい。一実施例では、物品は、物品の外側表面及び/又は内側表面にコーティングを有し得る。別の実施例では、物品は、物品を構成するプライの外側表面及び/又は内側表面にコーティングを有し得る。更に別の実施例では、物品は、物品を構成するプライの外側表面及び/又は内側表面にコーティング、又はコーティングを含むアミノシリコーンを含むシリコーン活性剤を有し得る。
【0138】
一実施例では、1つ以上の活性剤は、繊維要素全体に均一に分布していてもよく、又は実質的に均一に分布していてもよい。別の実施例では、1つ以上の活性剤は、繊維要素内に分離した領域として分布していてもよい。更に別の実施例では、少なくとも1つの活性剤は、繊維要素全体に均一に又は実質的に均一に分布し、少なくとも1つの他の活性剤は、繊維要素内に1つ以上の分離した領域として分布する。更に別の実施例では、少なくとも1つの活性剤は、繊維要素内に1つ以上の分離した領域として分布し、少なくとも1つの他の活性剤は、繊維要素内に第1の分離した領域とは異なる1つ以上の分離した領域として分布する。
【0139】
活性剤
本発明の物品に使用するのに好適な活性剤の非限定的な例としては、布地コンディショニング活性剤などの乾燥機添加活性剤、及び/又はヘアケアコンディショニング活性剤が挙げられる。本明細書で使用するとき、「布地コンディショニング活性剤」は、処理された素材(例えば布地)の物理的又は化学的特性を修正するなどの機能を果たすか、又は効果をもたらす、任意の材料を意味する。本記載は主に布地を処理することに関するが、布地コンディショニング活性剤はまた、毛髪に対するコンディショニング効果(例えば、ヘアコンディショニング活性剤)などの利益も提供し得る。好適な布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤の非限定的な例としては、香料、布地コンディショニング剤、静電気防止剤、布地縮れ処理剤、防水/シミ剤、シミ剥離剤、清涼剤、消毒剤、防しわ剤、しわ取り剤、消臭剤、悪臭制御剤、擦れ防止剤及び保護剤、溶媒、防虫/ペット忌避剤、加湿剤、UV保護剤、皮膚/布地コンディショニング剤、皮膚/布地助長剤、皮膚/布地保湿剤、色保護剤、染料固定剤、移染防止剤、シリコーン、防腐剤及び抗菌剤、布地収縮低減剤、光沢剤、色相染料、漂白剤、キレート剤、消泡剤、スカム防止剤、増白剤、触媒、シクロデキストリン、ゼオライト、ペトロラタム、グリセリン、トリグリセリド、ビタミン、他のスキンケア活性剤、例えば、アロエベラ、カモミール、シアバターなど、鉱物油、並びにこれらの混合物が挙げられる。一実施例では、本発明の物品は、柔軟化、静電気防止、色保護などの1つ以上の布地ケア効果を布地に付与するための1つ以上の布地コンディショニング活性剤を含む。別の実施例では、本発明の物品は、香料、ビルダー、キレート剤、酸化防止剤、増白剤、日光色褪せ防止剤、UV吸収剤、防虫剤、香水、漂白剤、酵素、抗菌剤、抗菌剤、抗真菌剤、香料送達系、香料マイクロカプセル、移染防止剤、色相染料、汚れ放出剤、例えば、汚れ放出ポリマー、例えば、テレフタル酸塩及びポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシドのコポリマーブロックを含む汚れ放出ポリマー、並びにカチオン性汚れ放出剤、着色剤、防腐剤、乳白剤、グアーガム及びポリエチレングリコールなどの安定剤、抗収縮剤、しわ防止剤、汚れ放出剤、布地縮れ処理剤、還元剤、スポッティング剤、殺菌剤、殺真菌剤、防食剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の布地コンディショニング活性剤を含んでもよい。一実施例では、本発明の物品は、柔軟化、静電気防止、色保護などの1つ以上のヘアケア効果を毛髪に付与するための1つ以上のヘアコンディショニング活性剤を含む。別の実施例では、本発明の物品は、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、カーペットケア活性剤、表面ケア活性剤、ヘアケア活性剤、空気ケア活性剤、口腔ケア活性剤、乾燥機添加活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の活性剤を含んでもよい。
【0140】
一実施例では、本発明の物品は、脂肪族布地コンディショニング活性剤(例えば、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体及び/又は脂肪族アルコール)、スルホン酸誘導体、第四級アンモニウム化合物、第三級アミン及びその塩、非イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、1つ以上の布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤を含む。
【0141】
一実施例では、布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、単独で、又は1つ以上の脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は脂肪族ヘアコンディショニング活性剤(例えば、1つ以上の脂肪酸及び/又は1つ以上の脂肪族アルコール)と組み合わせて、ジ(タローイルオキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジメチルビス(ステアロイルオキシエチル)アンモニウムクロリド、ジメチルビス(タローイルオキシエチル)アンモニウムクロリド、ジメチルビス(タローイルオキシエチル)アンモニウムクロリド、ジメチルビス(タローイルオキシイソプロピル)アンモニウムメチルスルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択される、1つ以上の第四級アンモニウム化合物を含む。
【0142】
一実施例では、布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、単独で、又は1つ以上の第四級アンモニウム化合物及び/又は1つ以上の脂肪族アルコールと組み合わせて、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、セテアル酸、ドデカン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の脂肪酸を含む。
【0143】
一実施例では、布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、単独で、又は1つ以上の第四級アンモニウム化合物及び/又は1つ以上の脂肪酸と組み合わせて、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチンアルコール、イソステアリルアルコール、アラキジルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の脂肪族アルコールを含む。
【0144】
第四級アンモニウム化合物
一実施例では、布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、1つ以上の脂肪族アルコールと、1つ以上の第四級アンモニウム化合物とを含む。一実施例では、本発明の物品は、1つ以上の脂肪族アルコールと、1つ以上の第四級アンモニウム化合物とを、1:1超、及び/又は1.5:1超、及び/又は1.75:1超、及び/又は1.9:1超の重量比で含む。
【0145】
一実施例では、布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、1つ以上の脂肪酸と、1つ以上の第四級アンモニウム化合物とを含む。一実施例では、本発明の物品は、1つ以上の脂肪酸と、1つ以上の第四級アンモニウム化合物とを、1:1超、及び/又は1.5:1超、及び/又は1.75:1超、及び/又は1.9:1超の重量比で含む。
【0146】
一実施例では、布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、第四級アンモニウム化合物を含む。第四級アンモニウム化合物の非限定的な例としては、アルキル化第四級アンモニウム化合物、環状又は環式第四級アンモニウム化合物、芳香族第四級アンモニウム化合物、ジ第四級アンモニウム化合物、アルコキシル化第四級アンモニウム化合物、アミドアミン第四級アンモニウム化合物、エステル第四級アンモニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。米国特許公開第2005/0192207号の57~66を参照されたい。布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、第四級アンモニウム化合物、第三級アミン及び/若しくはその塩、エトキシル化脂肪物質、脂肪酸、又はこれらの混合物のうちの1つ又は混合物であってもよい。本発明の物品において特に有用である布地コンディショニング活性剤の非限定的な例は、米国特許第4,103,047号(Zakiら、1978年7月25日発行)、同第4,237,155号(Kardouche、1980年12月2日発行)、同第3,686,025号(Morton、1972年8月22日発行)、同第3,849,435号(Dieryら、1974年11月19日発行)、及び米国特許第4,073,996号(Bedenk、1978年2月14日発行)に記載されており、これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。他の布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤が以下に開示される。
【0147】
好適な第四級アンモニウム化合物の非限定的な例としては、カチオン性布地コンディショニング活性剤及び/又はカチオン性ヘアコンディショニング活性剤、並びにジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、メチルスルフェート、及びエチルスルフェートなどのそれらの塩が挙げられ、アルキル基は、同じであっても異なっていてもよく、約12~約22個の炭素原子を含有する。そのようなカチオン性布地コンディショニング活性剤及び/又はカチオン性ヘアコンディショニング活性剤の非限定的な例としては、ジタローアルキルジメチルアンモニウムメチルスルフェート(DTDMAMS)、ジステアリルジメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジパルミチルジメチルアンモニウムメチルスルフェート、及びジベヘニルジメチルアンモニウムメチルスルフェートが挙げられる。
【0148】
好適な布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤の別の例は、式IA、IB、II、III、IV、及びこれらの混合物から選択されるエステル第四級アンモニウム化合物(EQA)である。
【0149】
式IAは、
【0150】
【化2】
を含み、式中、各Yは、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、pは、1~3であり、各vは、1~4の整数、及びこれらの混合物であり、各R置換基は、短鎖C~C及び/又はC~Cアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピルなど、ベンジル、及びこれらの混合物であり、各Rは、長鎖、飽和、及び/又は不飽和(約3~約60ヨウ素価)、C~C30ヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル置換基、及びこれらの混合物であり、対イオンXは、任意の柔軟剤適合性アニオン、例えば、メチルスルフェート、エチルスルフェート、塩化物、臭化物、ギ酸塩、スルフェート、ラクテート、ニトレート、安息香酸塩など、例えば、メチルスルフェートであってもよい。
【0151】
式IAの置換基R及びRは、任意に、アルコキシル又はヒドロキシル基などの様々な基で置換され得ることが理解されるであろう。一実施例では、式IA化合物は、ジエステル第四級アンモニウム塩(DEQA)である。DEQAの少なくとも約25%は、ジエステル形態であり、0%~約40%、及び/又は約30%未満、及び/又は約20%未満が、EQAモノエステル(例えば、1つの-Y-R基のみ)であってもよい。
【0152】
式IBは、
[(R4-p-N-((CHCHR-Y-R]X
を含み、式中、各Yは、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、pは、1~3であり、各vは、1~4の整数、及びこれらの混合物であり、各R置換基は、短鎖C~C及び/又はC~Cアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピルなど、ベンジル、及びこれらの混合物であり、各Rは、長鎖、飽和、及び/又は不飽和(約3~約60ヨウ素価)、C~C30ヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル置換基、及びこれらの混合物であり、各R置換基は、ベンジルを含む短鎖C~C、及び/又はC~Cアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、及び/又はC~C、例えば、メチル、エチル、及びこれらの混合物であり、対イオンXは、任意の柔軟剤適合性アニオン、例えば、メチルスルフェート、エチルスルフェート、塩化物、臭化物、ギ酸塩、スルフェート、ラクテート、ニトレート、安息香酸塩など、例えば、メチルスルフェートであってもよい。
【0153】
式IBの置換基R及びRは、任意に、アルコキシル又はヒドロキシル基などの様々な基で置換され得ることが理解されるであろう。一実施例では、式IB化合物は、ジエステル第四級アンモニウム塩(DEQA)である。DEQAの少なくとも約25%は、ジエステル形態であり、0%~約40%、及び/又は約30%未満、及び/又は約20%未満が、EQAモノエステル(例えば、1つの-Y-R基のみ)であってもよい。
【0154】
本明細書で使用するとき、ジエステルが指定されている場合、それは、通常存在するモノエステルを含む。最適な帯電防止効果のために、モノエステルの割合は、約2.5%未満など、可能な限り低くなければならない。存在するモノエステルの濃度は、EQAの製造において制御され得る。
【0155】
完全飽和アシル基で調製されたEQA化合物は、優れた柔軟剤である。しかしながら、少なくとも部分的に不飽和のアシル基で調製された化合物が、利点(すなわち、静電気防止効果)を有し、特定の条件が満たされると消費者製品にとって非常に許容可能であることが今では発見されている。不飽和アシル基を使用する利益を得るために調節されなければならない変数としては、脂肪酸のヨウ素価、脂肪酸出発原料の臭気、及び/又はEQAが挙げられる。以下のヨウ素価に対する任意の言及は、得られるEQA化合物ではなく、脂肪族アシル基のヨウ素価を指す。
【0156】
タローなどの脂肪酸のいくつかの非常に望ましい、容易に入手可能な供給源は、未加工のタローを完成したEQAに変換する化学的及び機械的処理工程にもかかわらず、化合物EQAに残存した臭気を有する。そのような供給源は、当該技術分野において周知のように、例えば、吸収、蒸留(水蒸気ストリッピングなどのストリッピングを含む)などによって脱臭されなければならない。加えて、酸化防止剤、抗菌剤などを添加することによって、得られる脂肪族アシル基の酸素及び/又は細菌への接触を最小限に抑えるために注意が払われなければならない。
【0157】
一般に、脂肪酸を水素添加して、多価不飽和を低減し、かつ低ヨウ素価を低下させて、良好な色及び臭気安定性を確実にすることは、分子内の高度なトランス配置をもたらす。したがって、低ヨウ素価を有する脂肪族アシル基から誘導されるジエステル化合物は、完全水素添加脂肪酸をわずかに水素添加した脂肪酸と、約3~約60のヨウ素価を提供する比で混合することによって作製され得る。わずかに硬化した脂肪酸の多価不飽和含有量は、約5%未満及び/又は約1%未満であるべきである。わずかな硬化中、シス/トランス異性体の重量比は、特定の触媒を使用して、高いH入手可能性を提供する最適な混合などによって、当該技術分野において既知の方法によって制御される。
【0158】
式IA及び/若しくはIBのEQA、並びに/又はEQA式IA及び/若しくはIBを含有する布地コンディショニング組成物の処理を容易にするために、溶媒が使用され得ることが分かっている。
【0159】
溶融貯蔵中のジエステル第四級化合物の良好な化学的安定性については、原材料中の水濃度は、例えば、約8%未満、及び/又は約5%未満まで最小化されなければならないことも分かっている。貯蔵温度は、可能な限り低く保持され、それでもなお理想的には約45℃~約70℃の範囲で、流体材料を維持するべきである。安定性及び流動性の最適な貯蔵温度は、ジエステル四級化を作製するために使用される脂肪酸の特定のヨウ素価、及び選択された溶媒の濃度/種類に依存する。また、酸素への曝露は、不飽和基を酸化させないように最小化されるべきである。したがって、窒素ブランケットなどの還元酸素雰囲気下で材料を貯蔵することが重要であり得る。製造作業における材料の通常の輸送/貯蔵/取り扱いにおいて著しく劣化しない、商業的に実現可能な原材料を提供するために、良好な溶融貯蔵安定性を提供することが重要である。
【0160】
以下は、EQA式IA又はIB(式中、全ての長鎖アルキル置換基が直鎖である)の非限定的な例である。
【0161】
飽和
【0162】
【化3】
式中、-C(O)Rは、飽和タローから誘導される。
【0163】
不飽和
【0164】
【化4】
式中、-C(O)Rは、本明細書に記載の特性を有する部分水素添加タロー又は変性タローから誘導される。
【0165】
式IA及びIB化合物に加えて、本発明の組成物及び物品は、式IIのEQA化合物を含み、
【0166】
【化5】
式中、任意の分子に関して、各Qは、-O-C(O)-又は-C(O)-O-であり、各Rは、C~Cアルキル又はヒドロキシアルキルであり、R及びvは、式IA及びIBに関して上で定義され、例えば、Rは、メチル基であり、vは、1であり、Qは、-O-C(O)-であり、各Rは、C14~C18であり、Xは、メチルスルフェートである。
【0167】
直鎖又は分枝状アルキル又はアルケニル鎖であるRは、約8~約30個の炭素原子、及び/又は約14~約18個の炭素原子、及び/又は約14~約18個の炭素原子を有する直鎖を有する。
【0168】
タローは、長鎖アルキル及びアルケニル材料の便利かつ安価な供給源である。
【0169】
本明細書における布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤として使用するのに好適な式II EQA化合物の具体例は、1,2-ビス(タローイルオキシ)-3-トリメチルアンモニオプロパンメチルスルフェート(DTTMAPMS)である。
【0170】
本発明の好適な式II EQA化合物の他の例は、例えば、ココイル、ラウリル、オレイル、ステアリル、パルミチルなどで上記化合物中の「タローイル」を置き換えること、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、若しくはこれらのラジカルのヒドロキシ置換類似体で上記化合物中の「メチル」を置き換えること、並びに/又は塩化物、エチルスルフェート、臭化物、ギ酸塩、スルフェート、ラクテート、ニトレートなど、例えば、メチルスルフェートで上記化合物中の「メチルスルフェート」を置き換えることによって得られる。
【0171】
式IA及びIB及び式II化合物に加えて、本発明の物品は、式IIIのEQA化合物を含み得、
【0172】
【化6】
式中、Rは、短鎖C~Cアルコールであり、pは、2であり、R、R、v、Y、及びXは、式IA及びIBに関してすでに定義されたとおりである。
【0173】
本明細書における布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤として使用するのに好適な式III化合物の具体例は、N-メチル-N,N-ジ-(2-(C14~C18-アシルオキシ)エチル)、N-2-ヒ-ドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートである。そのような化合物の一例は、N-メチル、N,N-ジ-(2-オレイルオキシエチル)N-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートである。
【0174】
本発明の布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤はまた、式IV化合物であって、
【0175】
【化7】
式中、R、R、p、v、及びXが、式IA及びIBにおいてすでに定義されている、化合物、並びに
【0176】
【化8】
及びこれらの混合物を含み得、式中、少なくとも1つのY”基が、以下である。
【0177】
【化9】
この化合物の一実施例は、メチルビス(オレイルアミドエチル)2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートである。
【0178】
一実施例では、本発明の布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、第四級アンモニウム化合物である。
【0179】
本明細書の化合物は、容易に入手可能な出発原料を使用して、標準的なエステル化及び四級化反応によって調製され得る。調製のための一般的な方法は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,137,180号に開示されている。
【0180】
第三級アミン及びその塩
本発明の繊維要素及び/又は繊維構造体及び/又は物品において有用な別の布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、以下の式を有する第三級アミン及び/又はエステルアミンのカルボン酸塩であり、
【0181】
【化10】
式中、Rは、約8~約30個の炭素原子を含有する長鎖脂肪族基であり、R及びRは、互いに同一であるか又は異なっており、約1~約30個の炭素原子を含有する脂肪族基、式ROHのヒドロキシアルキル基(式中、Rは、約2~約30個の炭素原子のアルキレン基である)、並びに式RO(C2nO)(式中、Rは、約1~約30個の炭素原子のアルキル及びアルケニルであり、nは、2又は3であり、mは、約1~約30である)からなる群から選択され、R、R、R、R、及びR鎖は、エステル介在基であり得、Rは、約8~約30個の炭素原子の非置換アルキル、アルケニル、アリール、アルカリル、及びアラルキル、並びに約1~約30個の炭素原子の置換アルキル、アルケニル、アリール、アルカリル、及びアラルキルからなる群から選択され、置換基は、ハロゲン、カルボキシル、及びヒドロキシルからなる群から選択され、前述の組成物は、約35℃~約100℃の熱軟化点を有する。
【0182】
第三級アミン及び/又はエステルアミンは、唯一の布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤として第一級アミン又はアンモニウム化合物を利用する同様の物品と比較して、より優れた臭気及び/又は改善された布地コンディショニング性能を提供することができる。R、R5、、R、R、及び/又はR鎖のいずれかは、不飽和を含有することができる。
【0183】
一実施例では、Rは、約12~約30個の炭素原子を含有する脂肪族鎖であり、Rは、約1~約30個の炭素原子の脂肪族鎖であり、Rは、約1~約30個の炭素原子の脂肪族鎖である。一実施例では、静電制御性能のための好適な第三級アミンは、不飽和を含有するもの、例えば、オレイルジメチルアミン及び/又は軟質タロージメチルアミンである。
【0184】
第三級アミン塩を形成するためのアミンとカルボン酸との間の反応の出発原料として好適な第三級アミンの例は、ラウリルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、タロージメチルアミン、ココナッツジメチルアミン、ジラウリルメチルアミン、ジステアリルメチルアミン、ジタローメチルアミン、オレイルジメチルアミン、ジオレイルメチルアミン、ラウリルジ(3-ヒドロキシプロピル)アミン、ステアリルジ(2-ヒドロキシエチル)アミン、トリラウリンアミン、ラウリルエチルメチルアミン、及び以下である。
【0185】
【化11】
【0186】
好適な脂肪酸の非限定的な例は、Rが、約8~約30個の炭素原子及び/又は約11~約17個の炭素原子の長鎖、非置換アルキル又はアルケニル基であるものである。
【0187】
出発原料としての特定のカルボン酸の例は、ギ酸、酢酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、シュウ酸、アジピン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、3-クロロ安息香酸、4-ニトロ安息香酸、4-エチル安息香酸、4-(2-クロロエチル)安息香酸、フェニル酢酸、(4-クロロフェニル)酢酸、(4-ヒドロキシフェニル)酢酸、及びフタル酸である。
【0188】
好適なカルボン酸の非限定的な例は、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びこれらの混合物である。
【0189】
アミン塩は、当該技術分野において周知であり、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,237,155号(Kardouche、1980年12月2日発行)に開示されている単純な付加反応によって形成され得る。過剰な濃度の遊離アミンは、臭気問題をもたらす場合があり、一般に、遊離アミンは、アミン塩よりも乏しい柔軟化性能を提供する。
【0190】
本明細書で使用するためのアミン塩の非限定的な例は、アミン部分がC~C30アルキル若しくはアルケニルジメチルアミン、及び/又はジC~C30アルキル若しくはアルケニルメチルアミンであり、酸部分がC~C30アルキル及び/又はアルケニルモノカルボン酸であるものである。アミン塩を形成するために使用されるアミン及び酸は、多くの場合、単鎖長ではなく混合鎖長であるが、これは、これらの材料が通常、天然脂肪及び油から誘導されるか、又は合成加工され、これが鎖長の混合物を生成するためである。また、柔軟化組成物の物理的特性又は性能特性を修正するために、異なる鎖長の混合物を利用することが望ましい場合が多い。
【0191】
本発明で使用するためのアミン塩の具体例は、オレイルジメチルアミンステアレート、ステアリルジメチルアミンステアレート、ステアリルジメチルアミンミリステート、ステアリルジメチルアミンオレアート、ステアリルジメチルアミンパルミテート、ジステアリルメチルアミンパルミテート、ジステアリルメチルアミンラウレート、及びこれらの混合物である。一実施例では、アミン塩の混合物は、1:10~10:1及び/又は約1:1の比率のオレイルジメチルアミンステアレート及びジステアリルメチルアミンミリステートである。
【0192】
スルホン酸脂肪酸アミン塩
他の脂肪酸アミン酸が本発明で使用され得る。これらの塩は、前述したものと同様であるが、カルボン酸をスルホン酸誘導体で置き換える。アミン塩は、当該技術分野において周知であり、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,861,502号(Caswell、1989年8月29日発行)に開示されている単純な付加反応によって形成され得る。そのようなスルホン酸誘導体としては、メチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0193】
非イオン性布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤
本発明の繊維要素及び/又は物品に使用するのに好適な非イオン性布地コンディショニング活性剤及び/又は非イオン性ヘアコンディショニング活性剤の非限定的な例は、約2~約9、より典型的には約3~約7のHLBを有する。一般に、選択される材料は、比較的結晶性であり、より高い溶融(例えば、25℃超)であるべきである。
【0194】
物品中の任意の非イオン性布地コンディショニング活性剤及び/又は任意の非イオン性ヘアコンディショニング活性剤の濃度は、典型的には約0.1%~約50%及び/又は約5%~約30%である。
【0195】
好適な非イオン性布地コンディショニング活性剤及び/又は非イオン性ヘアコンディショニング活性剤の非限定的な例は、多価アルコールの脂肪酸部分エステル、又はその無水物であり、アルコール又は無水物は、約2~約18個及び/又は約2~約8個の炭素原子を含有し、各脂肪酸部分は、約8~約30個及び/又は約12~約20個の炭素原子を含有する。典型的には、そのような非イオン性布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、1分子当たり約1~約3個及び/又は約2個の脂肪酸基を含有する。
【0196】
エステルの多価アルコール部分は、エチレングリコール、グリセロール、ポリ(例えば、ジ-、トリ-、テトラ、ペンタ-、及び/若しくはヘキサ-)グリセロール、キシリトール、スクロース、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、又はソルビトールであってもよい。
【0197】
エステルの脂肪酸部分は、通常、約8~約30個及び/又は約12~約22個の炭素原子を有する脂肪酸から誘導される。前述の脂肪酸の典型例は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びベヘン酸である。
【0198】
本発明で使用するのに好適な非イオン性布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤の非限定的な例は、C10~C26アシルソルビタンエステル及びポリグリセロールモノステアレートである。ソルビタンエステルは、ソルビトールのエステル化脱水生成物である。ソルビタンエステルは、C10~C26アシルソルビタンモノエステル、及び/又はC10~C26アシルソルビタンジエステル、及び/又は前述のエステルのエトキシレートからなる群から選択されるメンバーを含んでもよく、前述のエステル中の非エステル化ヒドロキシル基のうちの1つ以上は、約1~約6オキシエチレン単位、及びこれらの混合物を含有する。本発明の目的のために、不飽和を含有するソルビタンエステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)が利用され得る。
【0199】
典型的にはグルコースの触媒水素添加によって調製されるソルビトールは、周知の方法で脱水されて、1,4-及び1,5-ソルビトール無水物と少量のイソソルビドとの混合物を形成することができる。(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第2,322,821号(Brown、1943年6月29日発行)を参照されたい。)
【0200】
ソルビトールの無水物の上記の種類の錯体混合物は、本明細書において「ソルビタン」と総称される。この「ソルビタン」混合物はまた、いくらかの遊離の非環化ソルビトールも含有することが認識されるであろう。
【0201】
一実施例では、本明細書で用いられる種類のソルビタン布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、例えば、脂肪酸ハロゲン化物、脂肪酸エステル、及び/又は脂肪酸との反応によって、標準的な様式で、「ソルビタン」混合物を脂肪族アシル基でエステル化することによって調製され得る。エステル化反応は、利用可能なヒドロキシル基のうちのいずれかで生じ得、様々なモノ-、ジ-などのエステルが調製され得る。実際に、モノ-、ジ-、トリ-などのエステルの混合物は、ほぼ常にそのような反応から生じ、反応物質の化学量論比は、所望の反応生成物を選ぶように単純に調節され得る。
【0202】
ソルビタンエステル材料の商業的製造のために、エーテル化及びエステル化は、概して、ソルビトールを脂肪酸と直接反応させることによって、同じ処理工程で達成される。ソルビタンエステル調製のそのような方法は、MacDonald,「Emulsifiers:Processing and Quality Control」,Journal of the American Oil Chemists’Society,Vol.45,October 1968により詳細に記載されている。ソルビタンエステルの例の詳細は、式を含め、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,128,484号に見出され得る。
【0203】
本明細書におけるソルビタンエステルのある特定の誘導体、特に、その「低級」エトキシレート(すなわち、非エステル化-OH基のうちの1つ以上が、1~約20個のオキシエチレン部分を含有するモノ-、ジ-、及びトリ-エステル(Tweens(登録商標))も本発明の物品において有用である。したがって、用語「ソルビタンエステル」は、そのような誘導体を含むことが意図される。
【0204】
本発明の目的のために、一実施例では、エステル混合物中に有意な量のジ-及びトリ-ソルビタンエステルが存在する。別の実施例では、エステル混合物は、約20~50%モノ-エステル、約25~50%ジ-エステル、並びに約10~35%のトリ-エステル及びテトラ-エステルを有してもよい。ソルビタンモノ-エステル(例えば、モノステアレート)として市販されている材料は、典型的には、有意な量のジ-及びトリ-エステルを含有する。市販のソルビタンモノステアレートの典型的な分析は、それが約27%のモノ-、約32%のジ-、並びに約30%のトリ-及びテトラ-エステルを含むことを示す。10:1~1:10の間で変動するステアレート/パルミテート重量比を有するソルビタンステアレート及びソルビタンパルミテート、並びに1,5-ソルビタンエステルの混合物もまた有用である。加えて、1,4-及び1,5-ソルビタンエステルの両方が本明細書において有用である。
【0205】
本明細書における布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤として使用するための他の有用なアルキルソルビタンエステルとしては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジミリステート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンジベヘネート、ソルビタンジオレエート、及びこれらの混合物、並びに混合タローアルキルソルビタンモノ-及びジ-エステルが挙げられる。そのような混合物は、単純なエステル化反応において、上記のヒドロキシ置換ソルビタン、特に1,4-及び1,5-ソルビタンを、対応する酸、エステル、又は酸塩化物と反応させることによって容易に調製される。当然ながら、この方法で調製された市販材料は、微量の非環化ソルビトール、脂肪酸、ポリマー、イソソルビド構造などを通常含有する混合物を含むことが認識されるべきである。本発明では、そのような不純物を実用的である限り低い濃度で存在するように維持することが望ましい。
【0206】
本明細書で用いられるソルビタンエステルは、最大約15重量%のC20~C26、及びより高級の脂肪酸のエステル、並びに微量のC、及びより低級の脂肪族エステルを含有し得る。
【0207】
グリセロール及びポリグリセロールエステル、特にグリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、並びにポリグリセロールモノ-及び/又はジ-エステル、一例では、モノ-(例えば、商標名Radiasurf 7248を有するポリグリセロールモノステアレート)。グリセロールエステルは、通常の抽出、精製、及び/若しくはエステル交換プロセスによって、又はソルビタンエステルについて上述した種類のエステル化プロセスによって、天然に生じるトリグリセリドから調製され得る。グリセリンの部分エステルはまた、用語「グリセロールエステル」に含まれる使用可能な誘導体を形成するためにエトキシル化されてもよい。
【0208】
有用なグリセロール及びポリグリセロールエステルとしては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸、及び/又はベヘン酸とのモノ-エステル、並びにステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、及び/又はミリスチン酸のジ-エステルが挙げられる。典型的なモノ-エステルは、いくつかのジ-及びトリ-エステルなどを含有することが理解される。
【0209】
「グリセロールエステル」はまた、ポリグリセロール、例えば、オクタグリセロールエステルを介したジグリセロールも含む。ポリグリセロールポリオールは、グリセリン又はエピクロロヒドリンを一緒に縮合して、グリセロール部分をエーテル結合を介して連結することによって形成される。ポリグリセロールポリオールのモノ-エステル及び/又はジエステルが使用されてもよく、脂肪族アシル基は、典型的には、ソルビタン及びグリセロールエステルについて上述したものである。
【0210】
脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤
本発明の繊維要素及び/又は物品は、1つ以上の脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は脂肪族ヘアコンディショニング活性剤、例えば、1つ以上の高融点脂肪族化合物を更に含む。高融点脂肪族化合物は、繊維要素及び/又は物品の約10重量%~約85重量%、及び/又は20重量%~70重量%、及び/又は約50重量%~約70重量%、及び/又は約10重量%~約20重量%の濃度で組成物中に含まれ得る。一実施例では、脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は脂肪族ヘアコンディショニング活性剤は、脂肪族両親媒性物質、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪族エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0211】
一実施例では、脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は脂肪族ヘアコンディショニング活性剤は、25℃以上、及び/又は40℃以上、及び/又は45℃以上、及び/又は50℃以上、及び/又は約90℃まで、及び/又は約80℃まで、及び/又は約70℃まで、及び/又は約65℃までの融点を有し、高融点脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は高融点脂肪族ヘアコンディショニング活性剤とみなされる。脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は脂肪族ヘアコンディショニング活性剤は、単一の化合物として、あるいは少なくとも2つの脂肪族布地コンディショニング活性剤のブレンド若しくは混合物、及び/又は少なくとも2つの脂肪族ヘアコンディショニング活性剤の混合物として使用され得る。このようなブレンド又は混合物として使用されるとき、上記融点は、ブレンド又は混合物の融点を意味する。
【0212】
本明細書で有用な脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は脂肪族ヘアコンディショニング活性剤は、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。当業者は、本明細書に開示される脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は脂肪族ヘアコンディショニング活性剤が、場合によっては2つ以上の分類に属し得る(例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体は、脂肪酸誘導体としても分類され得る)ということを理解している。しかしながら、所定の分類は、その特定の化合物を限定することを意図するものではなく、分類及び命名法の便宜上そのようになされている。更に、当業者は、二重結合の数及び位置、並びに分枝の長さ及び位置によって、ある特定の所要炭素原子を有するある特定の脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は脂肪族ヘアコンディショニング活性剤の融点が上記よりも低い場合があることを理解している。低融点(25℃未満及び/又は20℃未満の融点)のそのような脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は脂肪族ヘアコンディショニング活性剤は、この節に含まれることを意図していない。高融点脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は高融点脂肪族ヘアコンディショニング活性剤の非限定的な例はInternational Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。
【0213】
脂肪酸
本発明の物品中の布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、1つ以上の脂肪酸を更に含んでもよい。典型的には、脂肪酸は、組成物の加工性を向上させるために存在し、特に高粘度を有する結果として、加工が困難である任意の材料又は複数の材料と混合される。脂肪酸は、物品の柔軟化又は帯電防止性能を損なうことなく、改善された粘度及び/又は加工性を提供する。
【0214】
好適な脂肪酸の非限定的な例は、約8~約30個の炭素原子及び/又は約11~約18個の炭素原子の長鎖、非置換アアルケニル基を含有するものである。特定のカルボン酸の例は、オレイン酸、リノール酸、及びこれらの混合物である。不飽和脂肪酸が望ましいが、不飽和脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸、及び/又はラウリン酸のような飽和脂肪酸と組み合わせても使用され得る。好適なカルボン酸の非限定的な例は、オレイン酸、リノール酸、タロー脂肪酸、及びこれらの混合物である。
【0215】
一実施例では、上記の式II、III、及び/又はIVの生分解性第四級アンモニウム化合物を形成するために使用される四級化反応混合物に添加されて、反応混合物の粘度を約1500cps未満、及び/又は約1000cps未満、及び/又は約800cps未満に低下させる。添加した脂肪酸の溶媒濃度は、約5%~約30%、及び/又は約10%~約25%、及び/又は約10%~約20%であってもよい。不飽和脂肪酸は、四級化のレベルの増加と共に増加する粘度を低下させる必要がある場合に、四級化反応の開始前に添加され得、かつ/又は四級化反応中に添加されてもよい。一実施例では、添加は、少なくとも約60%の生成物が四級化されたときに生じる。これにより、四級化剤が脂肪酸と反応するときに生じ得る副反応を最小限に抑えながら、加工のための低粘度を可能にする。四級化反応は周知であり、例えば、式I化合物に関して、米国特許第3,915,867号(Kangら、1975年10月28日発行)、同第4,830,771号(Rubackら、1989年5月16日発行)、及び同第5,296,622号(Uphuesら、1994年3月22日発行)(これらの特許は全て、参照により本明細書に組み込まれる)に記載のプロセスが挙げられる。得られる四級化生分解性布地コンディショニング活性剤は、不飽和脂肪酸を除去することなく使用され得、実際には、混合物がより流体であり、より容易に取り扱われるため、より有用である。
【0216】
布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤の種類の別の例は、米国特許第4,661,269号(Toan Trinh、Errol H.Wahl、Donald M.Swartley、及びRonald L.Hemingway、1987年4月28日発行)に詳細に記載されており、これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0217】
脂肪族アルコール
脂肪族布地コンディショニング活性剤及び/又は脂肪族ヘアコンディショニング活性剤として有用な好適な脂肪族アルコールの非限定的な例は、約14~約30個の炭素原子及び/又は約16~約22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールである。これらの脂肪族アルコールは飽和しており、直鎖又は分岐鎖アルコールであってもよい。
【0218】
好適な脂肪族アルコールとしては、セチルアルコール(約56℃の融点を有する)、ステアリルアルコール(約58~59℃の融点を有する)、ベヘニルアルコール(約71℃の融点を有する)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。これらの脂肪族アルコールは、上記の融点を有することが既知であるが、これらは多くの場合、供給されるときにより低い融点を有し、それはこのような供給される製品が多くの場合、主アルキル鎖がセチル、ステアリル、又はベヘニル基であるアルキル鎖長分布を有する脂肪族アルコールの混合物であるためである。一般的には、混合物中、セチルアルコールのステアリルアルコールに対する重量比は、好ましくは約1:9~9:1、及び/又は約1:4~約4:1、及び/又は約1:2.3~約1.5:1であってもよい。
【0219】
分散剤
一実施例では、布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、分散剤を含んでもよい。分散剤は、存在する場合、布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤の湿潤、水和、及び分散を大幅に増加させる。分散剤は、組成物の約1重量%~約30重量%、あるいは約5重量%~約15重量%、あるいは約5重量%~約10重量%の濃度で含まれ得る。非イオン性クラスのアルキルグルカミドからの界面活性剤は、固体コンディショナー配合物に添加されたとき、湿潤及び水和を改善することができる。アルキルグルカミド界面活性剤は、約8~18個の炭素の疎水性尾部と、グルカミドの非イオン性頭部基とを含有する。グルカミドに関しては、アミド基及びヒドロキシル基の存在は、コンディショナー油中の界面活性剤の溶解度を可能にするような方法で疎水性炭素尾部を均衡させる十分な極性を提供し、また水への曝露時にコンディショナー成分の迅速な分散を付与する。他の同様の分散剤としては、逆アルキルグルカミド、ココアミオドプロピルベタイン(cocoamiodpropyl betaine)、アルキルグルコシド、トリエタノールアミン、コカミドMEA、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0220】
カチオン性界面活性剤
本発明の布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤は、カチオン性界面活性剤を含んでもよい。存在する場合、カチオン性界面活性剤は、物品の約1重量%~約60重量%、あるいは約10重量%~約50重量%、あるいは約20重量%~約40重量%の濃度で存在してもよい。
【0221】
本明細書で有用なカチオン性界面活性剤は、1つのカチオン性界面活性剤であってもよく、又は2つ以上のカチオン性界面活性剤の混合物であってもよい。カチオン性界面活性剤は、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩とジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ、モノ長鎖アルキルアミン、モノ長鎖アルキルアミンとジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ、及びモノ長鎖アルキルアミンとモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ、第三級アミン、並びにこれらの組み合わせからなるがこれらに限定されない群から選択され得る。
【0222】
モノ長鎖アルキルアミン
本明細書で有用なモノ長鎖アルキルアミンは、12~30個の炭素原子、あるいは16~24個の炭素原子、あるいは18~22個のアルキル基の、1つの長いアルキル鎖を有するものである。本明細書で有用なモノ長鎖アルキルアミンはまた、モノ長鎖アルキルアミドアミンを含む。第一級、第二級、及び第三級脂肪族アミンが有用である。
【0223】
約12~約22個の炭素を有するアルキル基を有する第三級アミドアミンが、本発明の物品で使用するのに好適である。例示的な第三級アミドアミンとしては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、ジエチルアミノエチルステアラミドが挙げられる。本発明で有用なアミンは、米国特許第4,275,055号(Nachtigalら)に開示されている。
【0224】
これらのアミンは、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、マレイン酸、及びこれらの混合物、あるいはL-グルタミン酸、乳酸、クエン酸などの酸と、約1:0.3~約1:2、あるいは約1:0.4~約1:1のアミン対酸のモル比で組み合わせて使用され得る。
【0225】
モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
本明細書で有用なモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、12~30個の炭素原子、あるいは16~24個の炭素原子、あるいはC18~22アルキル基を有する1つの長いアルキル鎖を有するものである。窒素に結合している残りの基は、独立して、1~約4個の炭素原子のアルキル基、又は約4個以下の炭素原子を有する、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択される。
【0226】
本明細書で有用なモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、以下の式(V)を有するものであり、
【0227】
【化12】
式中、R75、R76、R77、及びR78のうちの1つは、12~30個の炭素原子のアルキル基、又は、最大約30個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R75、R76、R77、及びR78の残りは、独立して、1~約4個の炭素原子のアルキル基、又は、最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、Xは、塩形成アニオン、例えば、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)ラジカル、酢酸ラジカル、クエン酸ラジカル、乳酸ラジカル、グリコール酸ラジカル、リン酸ラジカル、硝酸ラジカル、スルホン酸ラジカル、硫酸ラジカル、アルキル硫酸ラジカル、及びアルキルスルホン酸ラジカルから選択されるものである。アルキル基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル及び/又はエステル結合、並びにアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖のアルキル基、例えば、炭素数が約12個以上のものは、飽和又は不飽和であってもよい。R75、R76、R77、及びR78のうちの1つは、12~30個の炭素原子、あるいは16~24個の炭素原子、あるいは18~22個の炭素原子、あるいは22個の炭素原子のアルキル基から選択され得、R75、R76、R77、及びR78の残りは、独立して、CH、C、COH、及びこれらの混合物から選択され得、Xは、Cl、Br、CHOSO、COSO、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0228】
こうしたモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、及び水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウム塩が挙げられる。
【0229】
ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
使用される場合、ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、レオロジー効果及びコンディショニング効果の安定性という観点から、1:1~1:5、あるいは1:1.2~1:5、あるいは1:1.5~1:4の重量比で、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩及び/又はモノ長鎖アルキルアミン塩と組み合わされ得る。
【0230】
本明細書で有用なジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、12~30個の炭素原子、あるいは16~24個の炭素原子、あるいは18~22個の炭素原子の2つの長いアルキル鎖を有するものである。本明細書で有用なそのようなジ長鎖アルキル第四級化アンモニウム塩は、式(VI):
【0231】
【化13】
を有するものであり、式中、R71、R72、R73、及びR74のうちの2つは、12~30個の炭素原子、あるいは16~24個の炭素原子、あるいは18~22個の炭素原子の脂肪族基、又は最大約30個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R71、R72、R73、及びR74の残りは、独立して、1~約8個の炭素原子、あるいは1~3個の炭素原子の脂肪族基、又は最大約8個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、Xは、ハロゲン化物(例えば、塩化物及び臭化物)、C1~C4アルキルスルフェート(例えば、メトスルフェート及びエトスルフェート)、並びにこれらの混合物からなる群から選択される塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、及びアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖の脂肪族基、例えば、炭素数が約16個以上のものは、飽和であっても不飽和であってもよい。R71、R72、R73、及びR74のうちの2つは、12~30個の炭素原子、又は16~24個の炭素原子、又は18~22個の炭素原子のアルキル基から選択されてもよく、R71、R72、R73、及びR74の残りは、独立して、CH、C、COH、CH、及びこれらの混合物から選択される。
【0232】
好適なジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤としては、例えば、ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジヒドロ添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びジセチルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0233】
任意の成分
上記の1つ以上の布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤に加えて、本発明の物品は、1つ以上の任意の成分を更に含んでもよい。存在する場合、1つ以上の任意の成分は、物品の約0.01重量%~約10重量%、及び/又は約0.1重量%~約5重量%、及び/又は約0.1重量%~約2重量%の濃度で、物品の中及び/又は上に存在し得る。そのような任意の成分の非限定的な例としては、汚れ放出ポリマー、例えば、テレフタル酸塩及びポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシドのコポリマーブロックを含む汚れ放出ポリマー、並びにカチオン性汚れ放出剤、抗酸化剤、着色剤、防腐剤、蛍光増白剤、乳白剤、グアーガム及びポリエチレングリコールなどの安定剤、抗収縮剤、しわ防止剤、汚れ放出剤、布地縮れ処理剤、還元剤、スポッティング剤、殺菌剤、殺真菌剤、防食剤、消泡剤、苦味剤などの抑止剤などが挙げられる。
【0234】
好適な抑止剤の非限定的な例は、米国特許出願公開第US 2016/0258083(A1)号に見出される。
【0235】
補助成分
1つ以上の活性剤に加えて、本発明の物品は、1つ以上の補助成分、例えば1つ以上の構造化剤を更に含んでもよい。
【0236】
好適な補助成分、例えば構造化剤の非限定的な例は、ポリマー構造化剤、無機構造化剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一実施例では、補助成分、例えば構造化剤は、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンのコポリマー、ポリジメチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミドのコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー構造化剤を含む。一実施例では、構造化剤は、ポリビニルピロリドンを含む。一実施例では、構造化剤は、ポリジメチルアクリルアミドを含む。一実施例では、構造化剤は、粘土、シリカ、及びこれらの混合物からなる群から選択される無機構造化剤を含む。
【0237】
1つ以上の補助成分、例えば1つ以上の構造化剤は、存在する場合、フィラメント形成組成物、及び/又は繊維要素、及び/又は繊維構造体、及び/又は物品内の1つ以上の活性剤全体にわたって、例えば均質に分散されてもよい。
【0238】
存在する場合、1つ以上の補助成分は、フィラメント形成組成物、及び/又は繊維要素、及び/又は繊維構造体、及び/又は物品中に、乾燥フィラメント形成組成物、及び/又は乾燥繊維要素、及び/又は乾燥繊維構造体、及び/又は乾燥物品に基づき、20重量%以下、及び/又は15重量%未満、及び/又は10重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は4重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は2重量%未満、及び/又は1重量%未満、及び/又は約0重量%の総濃度で存在してもよい。
【0239】
フィラメント形成組成物を作製するための方法
本発明のフィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物が本発明の物品を作製するのに好適である限り、任意の好適なプロセスによって作製されてもよい。
【0240】
一実施例では、1つ以上の活性剤、例えば、1つ以上の布地コンディショニング活性剤及び/又はヘアコンディショニング活性剤を金属ビーカーに添加し(遊離水の非存在下で)、活性剤を溶解するのに十分な温度、例えば80℃に加熱する。活性剤を溶解し、それらが均質な流体を形成するまで任意にかき混ぜる。
【0241】
活性剤を溶解した後、1つ以上の補助成分、例えば1つ以上の構造化剤などの1つ以上のフィラメント形成材料を活性剤の均質な流体に添加してもよい。添加した場合、補助成分を、補助成分が活性剤の均質流体全体にわたって均質に分散されるまで、かつ/又は活性剤の均質流体内に均質に溶解されるまで、活性剤の均質流体中に撹拌する。これは全て、少なくとも最低融点活性剤の融点、例えば80℃の温度で活性剤の均質流体を維持しながら行う。
【0242】
このフィラメント形成組成物は、次いで、本発明の繊維要素、及び/又は繊維構造体及び/又は物品を作製するために使用され得る。
【0243】
繊維要素を作製するための方法
本発明の繊維要素は、任意の好適なプロセスによって作製することができる。繊維要素を作製するための好適なプロセスの非限定的な例は以下に記載される。
【0244】
図12及び13に示されるように、本発明の繊維要素は、以下のように作製され得る。繊維要素は、小規模装置によって形成され得、その略図が図12及び13に示される。バッチ操作に好適な加圧タンク39は、本発明による、好適なフィラメント形成組成物で満たされる。Parker Hannifin Corporation(Sanford,N.C.,USA)のZenithポンプ部門により製造され、1回転当たり5.0立方センチメートル(cm/回転)の容量を有するZenith(登録商標)PEP II型などのポンプ40が、パイプ41を介してのフィラメント形成組成物の紡糸用ダイ42への輸送を容易にするために使用され得る。加圧タンク39から紡糸ダイ42へのフィラメント形成組成物の流量は、ポンプ40の1分当たりの回転数(revolutions per minute、rpm)を調節することによって制御され得る。パイプ41は、加圧タンク39、ポンプ40、及び紡糸ダイ42を接続させるために使用される。
【0245】
図12に示される紡糸ダイ42は、約1.524ミリメートル(約0.060インチ)のピッチPだけ互いに離間された円形押し出しノズル(繊維要素形成穴44)のいくつかの列を有する。ノズルは、約0.305ミリメートル(約0.012インチ)の個々の内径、及び約0.813ミリメートル(約0.032インチ)の個々の外径を有する。各個々のノズルは、細径化空気を各個々の溶解した毛管46に供給するために、環状かつ末広のフレア状オリフィス(同心の細長化流体用穴48)によって囲まれている。ノズルを通して押し出されているフィラメント形成組成物は、オリフィスを通して供給されるほぼ円筒形の湿った空気の流れにより囲まれ細径化される。
【0246】
一実施例では、図12及び図13に示されるように、本発明による繊維要素10を作製するための方法は、
a.1つ以上のフィラメント形成材料と、任意に1つ以上の活性剤と、を含むフィラメント形成組成物を提供する工程と、
b.例えば、紡糸用ダイ42を介して、フィラメント形成組成物を、1つ以上のフィラメント形成材料と、任意に1つ以上の活性剤と、を含む1つ以上の繊維要素、例えば、フィラメント10に紡糸する工程と、を含む。1つ以上の活性剤は、意図する使用条件に曝されたときに、繊維要素から放出可能であり得る。繊維要素中に存在する1つ以上のフィラメント形成材料、例えばフィラメント10の総濃度は、活性剤がその中に存在する場合、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で、80重量%未満、及び/又は70重量%未満、及び/又は65重量%未満、及び/又は50重量%以下であり得、1つ以上の活性剤の総濃度は、繊維要素中に存在する場合、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で、20重量%超、及び/又は35重量%超、及び/又は50重量%以上、65重量%以上、及び/又は80重量%以上であり得る。
【0247】
図13に示されように、紡糸ダイ42は、繊維要素形成穴44を出るときにその中を流体(空気など)が通過して、フィラメント形成組成物の繊維要素、例えば繊維要素10中への細長化を容易にする同心の細長化流体用穴48に囲まれた溶解した毛管46を含む複数の繊維要素形成穴44を含んでもよい。
【0248】
細長化空気は、供給源からの圧縮空気を電気抵抗ヒータ、例えば、Emerson Electricの一部門であるChromalox(Pittsburgh,Pa.,USA)によって製造されたヒータによって加熱することによって提供され得る。電気的に加熱され、サーモスタットで制御された送出パイプ中の条件において、加熱された空気を飽和又はほとんど飽和させるために、適切な量の蒸気を添加した。凝縮水は、電気的に加熱されサーモスタット制御される分離器中で除去される。
【0249】
初期繊維要素は、乾燥空気流によって乾燥されるが、この乾燥空気流は、電気抵抗加熱器(図示せず)により約149℃(約300°F)~約315℃(約600°F)の温度を有し、乾燥ノズルを通して供給され、押し出される初期繊維要素の概略的な向きに対して約90°の角度で放出される。乾燥した初期繊維要素は、収集装置(例えば、小孔のある可動ベルト又はパターン化された収集ベルトなど)上で収集される。形成域の真下に真空源を追加して、繊維の収集を補助するために使用してもよい。
【0250】
一実施例では、フィラメント形成組成物に含まれる任意の揮発性溶媒(水など)は、紡糸工程中に、繊維要素10が形成される際に、乾燥などによって除去される。一実施例では、フィラメント形成組成物の揮発性溶媒(例えば水)のうち、30重量%超、及び/又は40重量%超、及び/又は50重量%超は、紡糸工程中に、例えば製造する繊維要素を乾燥させることによって除去される。
【0251】
フィラメント形成組成物から製造される繊維要素が、繊維要素中に、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で、約5重量%~50重量%以下の総濃度のフィラメント形成材料と、繊維要素中に、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で、50重量%~約95重量%の総濃度の活性剤と、を含む限り、フィラメント形成組成物は、任意の好適な総濃度のフィラメント形成材料と、任意の好適な濃度の活性剤と、を含んでもよい。
【0252】
一実施例では、フィラメント形成組成物から製造される繊維要素は、繊維要素及び/又は粒子中に、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥構造体基準で、約5重量%~50重量%以下の総濃度のフィラメント形成組成物と、繊維要素及び/又は粒子中に、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥構造体基準で、50重量%~約95重量%の総濃度の活性剤と、を含む限り、フィラメント形成組成物は、任意の好適な総濃度のフィラメント形成材料と、任意の好適な濃度の活性剤と、を含んでもよく、活性剤の総濃度に対するフィラメント形成材料の重量比は1以下である。
【0253】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物の約1重量%から、及び/又は約5重量%から、及び/又は約10重量%から、約50重量%まで、及び/又は約40重量%まで、及び/又は約30重量%まで、及び/又は約20重量%までのフィラメント形成材料と、フィラメント形成組成物の約1重量%から、及び/又は約5重量%から、及び/又は約10重量%から約50重量%まで、及び/又は約40重量%まで、及び/又は約30重量%まで、及び/又は約20重量%までの活性剤と、フィラメント形成組成物の約20重量%から、及び/又は約25重量%から、及び/又は約30重量%から、及び/又は約40重量%から、及び/又は約80重量%まで、及び/又は約70重量%まで、及び/又は約60重量%まで、及び/又は約50重量%までの揮発性溶媒(水など)と、を含む。フィラメント形成組成物は、少量の他の活性剤、例えばフィラメント形成組成物の10重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は1重量%未満の可塑剤、pH調整剤、及び他の活性剤を含んでもよい。
【0254】
フィラメント形成組成物は、任意の好適な紡糸プロセス(メルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング及び/又は回転紡績など)によって、1つ以上の繊維要素及び/又は粒子に紡糸される。一実施例では、フィラメント形成組成物はメルトブローによって複数の繊維要素及び/又は粒子に紡糸される。例えば、フィラメント形成組成物はタンクからメルトブロー紡糸口金(spinnerette)にポンプ移送され得る。紡糸口金内のフィラメント形成穴のうちの1つ以上を出ると、フィラメント形成組成物は空気によって細径化され、1つ以上の繊維要素及び/又は粒子を形成する。次いで、繊維要素及び/又は粒子を乾燥させて、紡糸のために使用される任意の残留溶媒(例えば、水)を除去してもよい。
【0255】
本発明の繊維要素及び/又は粒子を、ベルト(例えばパターン化されたベルト)上に収集して、繊維要素及び/又は粒子を含む繊維構造体を形成してもよい。
【0256】
物品を作製するための方法
一実施例では、本発明のフィラメント形成組成物は、以下の工程:
a.活性剤を溶解するのに十分な温度、例えば70℃超、及び/又は約75℃~約100℃、及び/又は約80℃(水の非存在下)に1つ以上の活性剤を供して、フィラメント形成組成物を形成する工程と、
b.フィラメント形成組成物から1つ以上の繊維要素を製造して、本発明による物品を形成する工程と、によって作製され得る。
【0257】
一実施例では、本発明の繊維要素は、任意の好適なプロセスによって作製され得る。繊維要素を作製するための好適なプロセスの非限定的な例は以下に記載される。
【0258】
図14に示されるように、繊維構造体、例えば、本発明の繊維構造体層又はプライ22は、図12及び13に示されるように、紡糸ダイ42からフィラメント形成組成物を紡糸することによって作製されて、フィラメント10など複数の繊維要素を形成し、次いで任意に、粒子源50、例えば、シフター又はエアレイド成形ヘッドによって供給される1つ以上の粒子26を結合させてもよい。粒子26は、繊維要素、例えばフィラメント10内に分散されてもよい。粒子26と繊維要素、例えばフィラメント10との混合物は、三次元テクスチャなどのテクスチャを繊維構造体層又はプライ22の少なくとも1つの表面に付与する、パターン化された収集ベルトなど収集ベルト52上で収集されてもよい。
【0259】
図15は、図5による物品20を作製するための方法の一実施例を示す。本方法は、ポケット28が第1の繊維構造体層22の表面に形成されるように、複数の繊維要素、例えばフィラメント10の第1の繊維構造体層22を形成する工程を含む。1つ以上の粒子26は、粒子源50からポケット28内に堆積される。次いで、複数の繊維要素、例えば紡糸ダイ42から製造されたフィラメント10を含む第2の繊維構造体層24は、粒子26がポケット28に封入されるように、第1の繊維構造体層22の表面上に形成される。
【0260】
図16は、図4による物品20を作製するための方法の更に別の実施例を示す。本方法は、複数の繊維要素、例えばフィラメント10の第1の繊維構造体層22を形成する工程を含む。1つ以上の粒子26は、粒子源50から第1の繊維構造体層22の表面に堆積される。複数の繊維要素、例えば紡糸ダイ42から製造されたフィラメント10を含む第2の繊維構造体層24は、粒子26が第1の繊維構造体層22と第2の繊維構造体層24との間に位置付けられるように、粒子26の上に形成される。
【0261】
乾燥初期繊維要素、例えばフィラメントは、上述するとおり、成型部材上で収集されてもよい。成型部材の構造によって、固有の構造に応じて通気性の領域がもたらされる。成形部材を構成するのに使用されるフィラメントは非通気性であるが、フィラメント間の空隙領域は通気性である。加えて、成形部材にパターンが適用されて、本質的に連続的、不連続、又は半連続的であり得る追加の非通気性領域を提供してもよい。所定の場所で使用される真空は、繊維を本発明のパターンに偏向させるのに使用される。これらの成型部材のうちの1つの一実施例が図17に示される。
【0262】
異なる特性(例えば、平均密度)を有する繊維構造体内での区域の形成において、本明細書に記載の技術に加えて、好適な結果をもたらすために他の技術も適用され得る。その一例としては、かかる区域を形成するエンボス化技術が挙げられる。好適なエンボス化技術は、米国特許出願公開第2010/0297377号、同第2010/0295213号、同第2010/0295206号、同第2010/0028621号、及び同第2006/0278355号に記載されている。
【0263】
一実施例では、多プライ物品において、1つ以上の繊維構造体プライは、既存の繊維構造体のプライの上に直接形成及び/又は堆積されて、多プライ繊維構造体を形成し得る。2つ以上の既存の繊維構造体プライは、例えば、熱結合、接着、エンボス加工、穿孔、ロッジング、回転ナイフによる穿孔、ダイカット、ダイパンチング、ニードルパンチング、ローレット加工、空圧成形、液圧成形、レーザー切断、タフティング、及び/又は他の機械的結合プロセスによって、本発明の多プライ物品を形成するための、1つ以上の他の既存の繊維構造体プライを用いて結合されてもよい。
【0264】
パッケージ
本発明の物品は、パッケージに封入され、個々に包装され、かつ/又はマルチ物品包装されてもよい。一実施例では、パッケージは、約1.0g HO/日/m未満、及び/又は約0.5g HO/日/m未満、及び/又は約0.3g HO/日/m未満、及び/又は約0.1g HO/日/m未満の水蒸気透過率を有する水分バリアを呈する。
【0265】
使用方法
本発明はまた、本発明の物品を使用して布地を処理するための、例えば、乾燥プロセス中、例えば、自動衣類乾燥機の乾燥プロセス及び/若しくは洗濯機操作中に布地コンディショニング効果を布地に提供するための、かつ/又はトリートメントプロセス中に毛髪にヘアコンディショニング効果を提供するための方法も提供する。一実施例では、自動衣類乾燥機の乾燥プロセスにおいて布地を処理する方法は、布地が処理されるように、自動衣類乾燥機の乾燥機タブ内で布地を本発明による物品と接触させる工程を含む。接触させる工程は、例えば、布地に移動される(堆積する)物品の質量が布地上に染みを生じないように、物品の質量の少なくとも一部分を布地に移動(堆積)させる工程を含む。布地コンディショニング活性剤は、一つには自動衣類乾燥機のタンブリング作用及び/又は加熱空気によって、本発明の物品から放出されると考えられる。
【0266】
一実施例では、本発明の物品は、単回使用に好適であり、換言すれば、物品は、自動衣類乾燥機の乾燥プロセスにおいて消失するように設計されているため、消費可能な単回使用の物品である。換言すれば、乾燥している、例えば指触乾燥性である物品は、自動衣類乾燥機の乾燥プロセスにおける使用中、消失し、かつ/又は完全に消費され、かつ/又は完全に布地に移動(堆積)する乾燥機添加物品である。本明細書で使用するとき、「指触乾燥性」は、水又は他の液体に供される前に濡れているか、又は湿っていると感じないように、物品が、液体、例えば水を実質的に含まないことを意味する。換言すれば、本発明の指触乾燥性物品は、水などの液体を含有しない。1つの非限定的な例では、指触乾燥性物品は、本明細書に記載の含水率試験法に従って測定されるとき、約20%未満、及び/又は約15%未満、及び/又は約10%未満、及び/又は約5%未満、及び/又は約3%未満、及び/又は約1%未満、及び/又は約0%の含水量を有する。
【0267】
一実施例では、本発明の物品は、布地コンディショニング活性剤を布地に付与して、柔軟化、静電気防止効果、及び自動衣類乾燥機内の布地への改善された香料堆積などの布地コンディショニング効果を提供するために使用されてもよい。一般に、本発明の物品を使用する方法は、本発明の1つ以上の物品を用いて自動衣類乾燥機内で加熱しながら布地をタンブリングさせることによって、濡れた、かつ/又は乾燥した布地片を混合することを含む。一実施例では、本発明の物品は、物品が自動衣類乾燥機の動作温度で流動可能であるように、38℃で約2000cps未満の粘度、並びに約25℃超及び/又は約35℃~約100℃の融点を呈する。
【0268】
一実施例では、洗濯機プロセスにおいて布地を処理する方法は、布地が処理されるように、洗濯機タブ内で布地を本発明による物品と接触させる工程を含む。接触させる工程は、例えば、布地に移動される(堆積する)物品の質量が布地上に染み又は目に見える残留物を生じないように、物品の質量の少なくとも一部分を布地に移動(堆積)させる工程を含む。布地コンディショニング活性剤は、一つには洗濯機のタンブリング作用及び/又は水及び/又は加熱空気によって、物品から放出されると考えられる。
【0269】
一実施例では、本発明の物品は、単回使用に好適であり、換言すれば、物品は、洗濯プロセス、例えば、洗濯機プロセスにおいて消失するように設計されているため、消費可能な単回使用の物品である。換言すれば、乾燥している、例えば指触乾燥性である物品は、洗濯プロセス、例えば、洗濯機プロセスにおける使用中、消失し、かつ/又は完全に消費され、かつ/又は完全に布地に移動(堆積)する乾燥機添加物品である。本明細書で使用するとき、「指触乾燥性」は、水又は他の液体に供される前に濡れているか、又は湿っていると感じないように、物品が、液体、例えば水を実質的に含まないことを意味する。換言すれば、本発明の指触乾燥性物品は、水などの液体を含有しない。1つの非限定的な例では、指触乾燥性物品は、本明細書に記載の含水率試験法に従って測定されるとき、約20%未満、及び/又は約15%未満、及び/又は約10%未満、及び/又は約5%未満、及び/又は約3%未満、及び/又は約1%未満、及び/又は約0%の含水量を有する。
【0270】
理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、驚くべきことに、本発明の物品が、1)消失及び/又は完全に消費、及び/又は布地若しくは他の処理された表面への完全な移動(堆積)、2)指触乾燥性、並びに3)処理された表面上に目に見える残留物を残さないことの組み合わせをもたらす消費可能な単回使用の物品を消費者に提供することを見出した。本発明者らはまた、本発明の物品が、効率的な電子商取引に適した構成で輸送可能であるように設計されてもよいことを発見した。
【0271】
一実施例では、本発明の物品は、布地コンディショニング活性剤を布地に付与して、柔軟化、静電気防止効果、及び洗濯機内の布地への改善された香料堆積などの布地コンディショニング効果を提供するために使用されてもよい。一般に、本発明の物品の使用方法は、洗浄液、例えば水及び任意に洗剤の存在下での、かつ任意に、本発明の1つ以上の物品を用いた洗濯機内での熱の存在下での、布地のかき混ぜ、及び/又は回転、及び/又はタンブリングによって、濡れた布地及び/又は湿った布地片を混合することを含む。一実施例では、本発明の物品は、物品が洗濯機の動作条件下で流動可能であり、かつ/又は層状構造試験法に従って測定されるとき、層状構造を呈するように、38℃で約2000cps未満の粘度、並びに約25℃超及び/又は約35℃~約100℃の融点を呈する。
【0272】
更に別の実施例では、本発明の物品は、毛髪を処理するためのシャンプー及び/又はコンディショニング操作中に、毛髪にマッサージ及び/又は混練されてもよい。一実施例では、物品が毛髪シャンプー及び/又はコンディショニング操作条件下で流動可能であり、かつ/又は層状構造試験法に従って測定されるとき、層状構造を呈するように、38℃で約2000cps未満の粘度、並びに約25℃超及び/又は約35℃~約100℃の融点を呈する。
【0273】
非限定的な例
以下の表1に示される本発明のフィラメント形成組成物から作製される物品の非限定的な例は、以下のように作製される。
a.1つ以上の活性剤を金属ビーカーに添加すること、
b.活性剤の均質流体が形成されるまで撹拌しながら/かき混ぜながら、金属ビーカーを80℃に加熱すること、
c.金属ビーカーを80℃に維持すること、並びに
d.補助成分が活性剤の均質流体内に均質に分散され、かつ/又は均質に溶解されるまで、補助成分(構造化剤などのフィラメント形成材料)を活性剤の均質流体に添加し、繊維要素に紡糸する準備が整ったフィラメント形成組成物を得て、繊維構造体及び最終的に物品を形成すること、並びに
e.任意に、香料、例えば、香料マイクロカプセル、粘着付与剤、例えば、物品を機内乾燥機ドラムに取り付けるのを容易にするための微結晶ワックス、及び他の任意の成分などの任意の成分を添加すること。
【0274】
一実施例では、自動衣類乾燥機の内面に取り付けるのに好適であり、例えば、物品は、少なくとも1つの表面上に接着剤を含む。
【0275】
【表1】
【0276】
以下の表2及び3は、実施例6及び7の物品の特性を示す。加えて、表3はまた、対照物品、すなわち、2017年に市販されているBounce(登録商標)乾燥機用シートの特性の一部を示す。
【0277】
【表2】
【0278】
【表3】
【0279】
試験法
特に規定がない限り、定義の節で記載されたものを含む本明細書に記載の全ての試験及び次の試験方法は、約23℃±1.0℃の温度、及び50±2%の相対湿度に調節された部屋で、試験に先立つ最低2時間にわたって、調整された試料に対して行われる。試験した試料は、「使用可能ユニット」である。本明細書で使用するとき、「使用可能ユニット」は、シート、ロール材から得た平らな部分、予め変換された平らな部分、シート、及び/又は単プライ製品若しくは多プライ製品を意味する。全ての試験は、同一環境条件下及びこのように調整した室内で実施する。しわ、破れ、穴等の欠陥を有するサンプルは試験しない。本明細書に記載のとおりに調整された試料は、試験目的に関し、乾燥試料(例えば「乾燥フィラメント」)であるとみなされる。全ての計器は、製造業者の仕様書に従って較正する。
【0280】
幅及び長さ試験法
規則的な形状(例えば、正方形、矩形、円形、楕円形など)を有する物品の長さ及び幅は、それらの従来の定義に従って測定される。不規則形状の物品に関して、物品の長さは、物品の境界に接する2つの平行平面間の最長距離である最大フェレ径又はキャリパ径として定義され得る。不規則形状の物品の物品幅は、物品の境界に接する2つの平行平面間の最短距離である最小フェレ径又はキャリパ径として定義され得る。物品の長さ及び幅は、較正され、NISTトレーサブルであり、0.01cm単位で測定可能な任意の適切な器具によって測定され得る。10個の実質的に類似の複製物品の長さ及び幅を測定及び記録する。10個の個々の物品の長さの測定値を合わせて平均し、値を0.01cm単位で報告する。10個の個々の物品の幅測定値を合わせて平均し、値を0.01cm単位で報告する。
【0281】
高さ試験法
物品の高さを、15.5g/cmの圧力で、2.00インチの円形プレッシャーフット直径(3.14inの面積)を有するProGage Thickness Tester(Thwing-Albert Instrument Company(West Berlin,NJ))を使用して測定する。10個の試料を、各切断試料がプレッシャーフット面よりも大きいサイズであるように、平面物品の試料を切断し、しわ、折り目、及び明らかな欠陥のないように調製する。物品が、プレッシャーフットの直径よりも小さい長さ又は幅を有する場合、より小さい直径のプレッシャーフットを使用してもよく、一方では、15.5g/cmの圧力が依然として適用されるように適切な調整を行う。個々の試料は、試料をプレッシャーフットの下の中心に置くように、又は物品の最大高さの位置の中心に置くように、アンビル上に配置する。0.03in/秒で15.5g/cmの圧力が加わるまでプレッシャーフットを下降させる。3秒の滞留時間後に読み取りを行い、フットを上昇させる。残りの9つの試料について同様の方法で測定を繰り返す。厚さ又は物品高さは、10個の試料の平均厚さとして計算し、0.01mm単位で報告する。
【0282】
体積試験法
物品の体積を、本明細書に記載の幅及び長さ試験法に従って測定されるとき、物品の長さ及び幅の平面に直交して見たときの物品の投影面積を平方センチメートルで測定し、次いでそれに、本明細書に記載の高さ試験法によって測定したときのセンチメートルでの物品の高さを乗じることによって計算する。10個の実質的に類似の複製物品の体積を測定及び記録する。10個の個々の物品体積測定値を合わせて平均し、値を0.01立方センチメートル(cm)単位で報告する。
【0283】
質量試験法
物品の質量を、±0.01gの分解能を有する上皿化学天秤を使用して測定し、風防を使用して気流及び他の外乱から保護する。質量測定を行う前に、前述のように物品を適切に調整する。調整後、物品の質量を0.01g単位で測定する。10個の実質的に類似の複製物品の質量を測定及び記録する。10個の個々の物品質量測定値を合わせて平均し、値を0.01g単位で報告する。
【0284】
密度試験法
物品の密度(「物品密度」)を、物品質量を物品体積で割ることによって計算する。物品密度を、0.01g/cm単位で報告する。
【0285】
坪量試験法
物品の坪量を、物品の長さ及び幅の平面に直交して見たときの物品の投影面積で物品質量を割ることによって計算する。物品坪量を、0.01g/m単位で報告する。
【0286】
引張試験法:伸長、引張強度、TEA、及び弾性率
伸長、引張強度、TEA、及び接線弾性率は、測定される力がセルの限界の10%~90%以内にあるロードセルを使用して、コンピュータインターフェースを備えた伸張引張試験機(好適な機器は、Thwing-Albert Instrument Co.(Wet Berlin,NJ)からのEJA Vantage)で一定速度で測定する。可動式(上部)空気圧つかみ具及び固定式(下部)空気圧つかみ具の双方に、高さ25.4mm及び試験標本の幅よりも広い平滑ステンレス鋼張りの把持部を装着する。約60psiの空気圧をつかみ具に供給する。
【0287】
繊維構造体又は物品シートの8つの使用可能ユニットを、それぞれ4つの試料の2つの積層体に分ける。それぞれ積み重ねた試料は、機械方向(machine direction、MD)及び横断方向(cross direction、CD)に確実に配向する。スタックの一方はMDの試験用、もう一方はCDの試験用である。1インチの精密カッター(Thwing Albert JDC-1-10又は同類物)を使用して、1つの積層体から4つのMDストリップ、及び他の積層体から4つのCDストリップ(幅1.00インチ±0.01インチ×長さ3.0~4.0インチ)を切断する。1つの使用可能なユニットの厚さのそれぞれのストリップは、試験の単一標本として扱われる。
【0288】
引張試験機をプログラムして、クロスヘッドを2.00インチ/分(5.08cm/分)の速度に上げ、標本が破断するまで、20Hzの獲得率で力及び伸張データを収集しながら伸張試験を実施する。破断感度は80%に設定する。すなわち、測定された力が最大ピーク力の20%まで低下すると試験を終了し、その後、クロスヘッドは最初の位置に戻る。
【0289】
ゲージ長を1.00インチに設定する。クロスヘッド及びロードセルをゼロ点調整する。単一標本の少なくとも1.0インチを上部把持部内に挿入し、それを上部つかみ具及び下部つかみ具内で垂直整列し、上部把持部を閉じる。単一標本を下部把持部内に挿入し、閉じる。単一標本は、いかなるたるみをも除くのに十分であるが、ただしロードセル上の力が5.0g未満となる引張力下になければならない。引張試験機を始動させ、データ収集を開始する。4つのCD及び4つのMD単一標本全てに対して、同様に試験を繰り返す。ソフトウェアをプログラムし、築かれた力(g)と伸張(インチ)曲線との対比から下記を算出する。
【0290】
引張強度は、最大ピーク力(g)を試料幅(in)で除算して求められ、1g/in単位でg/inとして報告する。
【0291】
調整された標点距離は、3.0gの力が元の標点距離(in)に加わった時点で測定される伸張(in)として計算される。
【0292】
伸長は、最大ピーク力における伸張(in)を調整されたゲージ長(in)で除算して100を乗算して計算され、0.1%単位で%として報告する。
【0293】
全エネルギー(TEA)は、ゼロ伸張から最大ピーク力における伸張までを積算した力曲線の下側の面積(gin)を、調整されたゲージ長(in)と試験片の幅(in)の積で除したものとして計算し、1gin/in単位で報告する。
【0294】
力(g)対歪み曲線として、力(g)対伸張曲線(in)を再プロットする。本明細書における歪みとは、伸張(in)を調整されたゲージ長(in)で除算したものとして定義される。
【0295】
構成された力(g)対歪み曲線から以下を計算するようにソフトウェアをプログラムする。
【0296】
接線弾性率は、力(g)対歪み曲線上の2つのデータ点間に引かれた線形直線の傾きとして計算され、その場合、用いるデータ点の一方は28gの力の後に記録された第1のデータ点であり、用いるデータ点のもう一方は48gの力の後に記録された第1のデータ点である。この傾きは、次に標本幅(2.54cm)で除され、1g/cm単位で報告される。
【0297】
引張強度(g/in)、伸長(%)、全エネルギー(gin/in)、及び接線弾性率(g/cm)を、4つのCD単一標本及び4つのMD単一標本に対して計算する。CD及びMD標本において、各パラメータの平均を別々に計算する。
【0298】
計算:
幾何平均引張強度=[MD引張強度(g/in)×CD引張強度(g/in)]の平方根
幾何平均ピーク伸長=[MD伸長(%)×CD伸長(%)]の平方根
幾何平均TEA=[MD TEA(gin/in)×CD TEA(g/in)]の平方根
幾何平均弾性率=[MD弾性率(g/cm)×CD弾性率(g/cm)]の平方根
総乾燥引張強度(TDT)=MD引張強度(g/in)+CD引張強度(g/in)
総TEA=MD TEA(gin/in)+CD TEA(gin/in
総弾性率=MD弾性率(g/cm)+CD弾性率(g/cm)
引張比=MD引張強度(g/in)/CD引張強度(g/in)
【0299】
含水率試験法
粒子中に存在する含水量(水分含量)を、以下の含水率試験法を使用して測定する。物品試料又はその一部分を、試験前に少なくとも24時間、23℃±1.0℃の温度及び50%±2%の相対湿度で調整された部屋に配置する。上述の温度及び湿度の条件下で、少なくとも小数第4位まで測定できる天秤を用いて、試料の重量を、10分の間に前の(測定した)重量からの変化が0.5%未満になるまで、5分ごとに記録する。最終重量を、「平衡重量」として記録する。10分以内に、試料を乾燥のために、70℃±2℃、相対湿度4%±2%で、24時間、強制空気炉中のホイル上又はアルミニウムホイルの内側に配置する。24時間の乾燥後、試料を取り除いて、15秒以内にその重量を測定する。この重量は、試料の「乾燥重量」と呼ばれる。試料の含水量(水分含量)を以下の等式に従って計算する。
【0300】
【数1】
%含水量を3つの複製試料について測定し、平均して、0.1%単位で報告する。
【0301】
中央粒径試験法
平均粒径を求めるためには、この試験法を使用しなければならない。
【0302】
1989年5月26日に承認されたASTM D 502-89、「Standard Test Method for Particle Size of Soaps and Other Detergents」、更に分析に用いられる篩のサイズについての規格を用いて、シード物質の中央粒径を測定するために中央粒径試験を実施する。第7項の「Procedure using machine-sieving method」に従って、米国標準(ASTM E11)篩♯8(2360um)、♯12(1700um)、♯16(1180um)、♯20(850um)、♯30(600um)、♯40(425um)、♯50(300um)、♯70(212um)、♯100(150um)を含む、入れ子状の清浄な乾燥した篩が必要である。規定された機械篩い法には、上記の入れ子状の篩が使用される。シード物質をサンプルとして用いる。好適な篩振盪機は、W.S.Tyler Company(Ohio,U.S.A.)から入手することができる。
【0303】
各篩のミクロンサイズ開口部を対数横軸に対してプロットし、累積質量パーセント(Q)を線形縦軸に対してプロットする片対数プロット上に、データをプロットする。上記データ表現の例は、ISO 9276-1:1998、「Representation of results of particle size analysis-Part 1:Graphical Representation」の図A.4に記載されている。本開示の目的のために、シード物質の中央粒径(D50)を、累積質量パーセントが50パーセントに等しい点における横座標値として定義し、以下の等式を使用する50%値の真上(a50)と真下(b50)のデータ点間の直線補間によって計算する。
50=10^[Log(Da50)-(Log(Da50)-Log(Db50))(Qa50-50%)/(Qa50-Qb50)]
(式中、Qa50及びQb50は、それぞれ、50パーセンタイル値の真上及び真下のデータの累積質量パーセンタイル値であり、Da50及びDb50は、これらデータに対応するマイクロメートル篩サイズ値である)。
【0304】
50パーセンタイル値が最も細かい篩サイズ(150um)よりも小さいか又は最も粗い篩サイズ(2360um)よりも大きい場合、中央値が2つの測定された篩サイズ間に入るまで、1.5以下の等比級数に従って入れ子に追加の篩を加えなければならない。
【0305】
シード物質の分布Spanとは、中央値(中央粒径)に関するシードサイズ分布の全幅の尺度である。これは、以下に従って計算される。
Span=(D84/D50+D50/D16)/2
式中、D50は中央粒径であり、D84及びD16は、それぞれ、累積質量パーセントのプロット上の16パーセンタイル値及び84パーセンタイル値における粒径である。
【0306】
16値が、最も細かい篩サイズ(150um)よりも小さい場合、Spanを以下に従って計算する。
Span=(D84/D50)。
【0307】
84値が、最も粗い篩サイズ(2360um)よりも大きい場合、Spanを以下に従って計算する。
Span=(D50/D16)。
【0308】
16値が最も細かい篩サイズ(150um)よりも小さく、かつD84値が最も粗い篩サイズ(2360um)よりも大きい場合、分布Spanを最大値5.7とする。
【0309】
直径試験法
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)又は光学顕微鏡、及び画像解析ソフトウェアを使用して、離散繊維要素又は繊維構造体内の繊維要素の直径を求める。繊維要素を測定のために適切に拡大するように、200~10,000倍の倍率を選択する。SEMを使用する場合には、電子ビーム中での繊維要素の帯電及び振動を避けるために、試料を金又はパラジウム化合物でスパッタリングする。SEM又は光学顕微鏡を用いて得られた画像(モニタースクリーン上)から繊維要素の直径を測定するにはマニュアルの手順を用いる。マウス及びカーソルツールを使用して、ランダムに選択された繊維要素の縁部を探し、その後、その幅(すなわち、その点における繊維要素の方向に対して垂直な)にわたって繊維要素の他方の縁部まで測定する。目盛り付きの較正された画像解析ツールにより、μm単位で実際の読取値を取得するための目盛りが提供される。繊維構造体内の繊維要素については、SEM又は光学顕微鏡を使用して、繊維構造体の試料全体からいくつかの繊維要素を無作為に選択する。繊維構造体の少なくとも2つの部分を切り取り、この方法で試験する。統計解析のために、このような測定を全部で少なくとも100回実施し、次いで、全てのデータを記録する。記録したデータを用いて、繊維要素の直径の平均値(平均)、繊維要素の直径の標準偏差、及び繊維要素の直径の中央値を計算する。
【0310】
別の有用な統計値として、特定の上限以下である繊維要素の集合の量を算出する。この統計値を決定するために、繊維要素の直径の結果のいくつが上限よりも小さいかをカウントするようにソフトウェアをプログラムし、そのカウント(データの合計数で除算し、100%を乗算する)を、上限よりも小さいパーセント(例えば直径が1マイクロメートル未満のパーセント又はサブミクロン%)として、パーセントで記録する。本発明者らは、個々の円形繊維要素に関し測定された直径(μmで)をdiとして表す。
【0311】
繊維要素が非円形断面を有する場合、繊維要素の直径の測定値は、水力直径として求められ、水力直径と等しいものと設定される。水力直径とは繊維要素の断面積を4倍して、繊維要素の断面の周囲長さ(中空の繊維要素の場合は外周囲長さ)で除したものである。数-平均直径、あるいは平均直径は、以下のとおりに計算する:
【0312】
【数2】
【0313】
空気透過性試験法
空気透過性パラメータを、EDANA 140.1-99に基づく空気透過性試験法を使用して決定する。空気透過性試験法では、3つの別々の物品からの3つの標本を、その同じ標本にわたって予め設定された圧力差を維持するために必要とされる標本を通る空気流を測定する空気透過性装置で精査する。全ての測定を、50±5%の相対湿度及び23±2℃で行い、全ての試料を、試験前に少なくとも12時間、この同じ環境で均衡化する。
【0314】
3つの試料を、3つの代表的な物品のうちの1つから各々調製する。各標本は、物品の長手方向中心線と横方向中心線との交点を中心とした直径5cmの円板である。
【0315】
空気透過性を、Textest FX3300 LabAir III(Textest AG(Schwerzenbach,Switzerland))、又は円形5cm試験ヘッド(直径=2.52cm)を装備した同等の機器を使用して決定する。この構成では、機器は、125Paの圧力差で、4リットル/平方メートル/秒(L/m/秒)~7500L/m/秒の単位面積当たりの空気流速を測定することが可能である。機器を、製造業者の指示に従って較正プレートに電源を入れ、較正する。全ての測定の差圧を125Paに設定する。次いで、空気経路が標本によって完全に覆われるように各標本を試験ヘッド内に(中心に)配置し、結果として生じる定常状態の空気流速を3つの有意な図に記録することによって、各標本を測定する。(3つ未満の有意な図が機器読み出しに表示される場合、空気流速は、表示された有意な図の数に記録される。)各標本の結果として得られる空気流速を試験ヘッドの面積(5cm)で割って、L/m/秒の単位面積当たりの流速度を得る。標本が、125Paの差圧で測定可能な空気流速を可能にするには不十分な透過性を有する場合、単位面積当たりの空気流速は、4L/m/秒と定義される。標本が、125Paの差圧を機器の体積流量範囲の高端においても維持することができないほど高い透過性を有する場合、単位面積当たりの空気流速は、7500L/m/秒と定義される。3つの標本の各々からの単位面積当たりの空気流速の相加平均は、空気透過性パラメータとして定義され、3つの有意な図に報告される。
【0316】
自由メルトフロー試験法
自由メルトフローパラメータを、自由メルトフロー試験法を使用して決定する。この方法では、物品(複数可)から採取された標本を、吸収性媒体に近接して長期間にわたって高温で保持し、物品からの材料が溶解、流動、及び吸収性媒体によって吸収される傾向を定量化する。
【0317】
実験室の周囲条件は、23±2℃及び相対湿度40±10%である。直径150mmの等級4の濾紙(Whatman 1004-150,GE Healthcare Bio-Sciences又は同等物)の7枚のシートを積層し、質量を±0.01g以内に記録する。これは、初期濾紙質量である。次いで、濾紙の積層体を、濾紙の150mmの外径を超えて延在するステンレス鋼格子(下部格子)上に配置する。格子は、直径3.4mmの固体平行ロッドで構成され、平面構成で中心において12.5mm離間している。格子は、ロッドを所定の位置に保持するためのフレーム又は端部レールを備え、フレーム又はレールは、濾紙の外縁を越えている。次いで、濾紙が2つの格子(格子アセンブリ)間に捕捉されるように、同一の格子(上部格子)を濾紙の積層体の上に配置する。上側及び下側格子は、2つの格子の構成ロッドが互いに平行であるように配向され、2つの格子のロッドが垂直方向に互いに直接上方にあるように「位置合わせされる」。
【0318】
分析される標本の質量は、2.0±0.1gであり、±0.01g以内に測定される。50mm×50mmの材料を物品の中心から切断する。この50mm×50mmの正方形の重量が2.0±0.1gである場合、これが、分析に使用される標本である。この50mm×50mmの正方形の重量が2.1gを超える場合、これを質量2.0±0.1gのより小さい正方形と共にその中心で再サンプリングし、この結果として得られるより小さい正方形が、分析に使用される標本である。この50mm×50mmの正方形の重量が1.9g未満である場合、追加の50mm×50mmの正方形を、合計質量が2.0±0.1gになるまで同様の物品の中心から切断し、この積層体が、分析に使用される標本である。(この場合、使用される最終的な50mm×50mmの正方形は、標本の指定された目標質量を達成するために、その中心でサブサンプリングされてもよい。)次いで、標本が濾紙の積層体上に中心がくるように、標本を上部格子上に配置する。次いで、このアセンブリ全体を配置する(80℃に保持された炉内で24.0時間の持続時間にわたるように。ラックを、標本の上方及び下側格子の下方に自由空間が存在するように支持し、150mm直径の濾紙を位置付ける(すなわち、下側格子は、炉床上に静止していない)。
【0319】
24時間の期間の終わりに、格子アセンブリを炉から取り外し、濾紙を下側格子と上側格子との間から取り出し、周囲実験室条件に1時間再均衡化する。次いで、最終濾紙質量として定義される、物品からの任意の吸収された材料と合わせた濾紙の質量を、±0.01g以内に決定する。自由メルトフローパラメータを、以下の等式に従って計算する。
【0320】
【数3】
【0321】
自由メルトフローパラメータを、最も近い整数パーセント値に四捨五入したパーセントとして報告する。
【0322】
層状構造試験法
層状構造試験法は、小角X線散乱(small-angle x-ray scattering、SAXS)を使用して、層状構造体が、調整された乾燥状態の物品、又は調整された乾燥状態にすでにあった後に湿潤した物品のいずれかに存在するかを決定する。繊維材料物品を、試験前に最低12時間、温度23℃±2.0℃及び相対湿度40%±10%で調整する。本明細書に記載のとおり調整された物品は、本発明の目的上、調整された乾燥状態であるとみなされる。全ての機器は、製造業者の仕様書に従って較正する。
【0323】
乾燥試料調製
調整された乾燥状態で直接分析される試料を調製するために、直径約1.0cmのディスクの標本を物品の中心から分離し、4~5mmの孔径を有する従来のSAXS固体試料ホルダに装填する。複数の標本ディスクは、複数の物品から抽出され、必要に応じて積層されて、十分な散乱断面を確保し得る。装填された試料ホルダを、データ収集のために適切な機器内に直ちに配置する。
【0324】
湿潤試料調製
3つの試料を、乾燥した調製された状態から湿潤させて分析する。標本を乾燥した調整された物品から抽出し、水で水和して、それぞれ異なる標本対水質量比を有する3つの別々の調製物を得る。調製される3つの異なる標本対水質量比は、1:5、1:9、及び1:20である。各質量比に関して、直径1cmの1つ以上の標本(必要に応じて)を、乾燥した調整された状態の1つ以上の物品の幾何学的中心から抽出し、意図される標本対水質量比を達成するために、23℃±2.0℃の濾過脱イオン(DI)水で水和する。3つの標本/水混合物の各々(それぞれ異なる質量比に対応する)を、目に見えて均質になるまで、スパチュラを使用して室温において手によって、穏やかに低せん断下で撹拌する。次いで、各標本/水混合物を、直径2.0mm及び壁厚0.01mmの別個の石英毛細管に直ちに装填する。毛細管を、調製物からの水の蒸発を防止するために、エポキシ樹脂などのシーラントで直ちに密封する。シーラントを、試料分析の前に、少なくとも2時間及び23℃±2.0℃の温度で乾燥するまで乾燥させる。各調製された湿潤試料を適切なSAXS機器に導入し、データを収集する。
【0325】
試験及び分析
X線散乱パターンにおける任意の強度帯域の存在及び間隔を観察するために、0.3°~3.0°2θの角度範囲にわたって、2次元(2D)伝送モードで、SAXSを使用して試料を試験する。試験を、SAXS機器(例えば、NanoSTAR,Bruker AXS Inc.(Madison,Wisconsin,U.S.A.)又は同等物など)を使用して実施する。調整された乾燥試料を周囲気圧下で分析する。密封された液体試料を、真空下で機器において分析する。全ての試料を、23℃±2.0℃の温度で分析する。機器のX線管を、存在するあらゆる散乱帯が明確に検出されることを確実にするために十分な電力で操作する。ビーム直径は550±50μmである。1つの好適な動作条件のセットは、以下の選択を含む。NanoSTAR機器;1.54ÅでKα線を使用したマイクロフォーカスCu X線管;45kV及び0.650mAの電力;Vantec2K 2次元領域検出器;1200秒の収集時間;及び112.050cmの試料と検出器との間の距離。未加工の2-D SAXS散乱パターンを、散乱ベクトル(q)の関数としての強度(I)を決定するために方位角的に積分し、これを、この方法全体を通して、逆数オングストローム(Å-1)の単位で表す。qの値を、以下の等式に従ってSAXS機器によって計算する。
【0326】
【数4】
式中、
2θは、散乱角であり、
λは、使用される波長である。
【0327】
分析される各積分SAXSについて、I対qのプロット上の各強度ピークに対応するÅ-1におけるqの値wo、最小から最大まで識別及び記録する。(当業者は、原点付近のqの鋭いピークがビーム停止の散乱に対応し、この方法では無視されることを認識している。)第1の強度ピークに対応するqの値(qの最低値)は、qと称される。
【0328】
乾燥した調整された状態で直接分析される標本(繊維材料物品から得られる)について、強度ピークが2q±0.002Å-1で存在する場合、物品が構成される繊維材料は、層状構造を呈すると判断され、特徴的なd-間隔パラメータは、2π/qとして定義される。強度ピークが2q±0.002Å-1で存在しない場合、物品が構成される繊維材料は、層状構造を呈さないと判断される。
【0329】
乾燥した調整された状態から湿潤して分析された試料について、強度ピークが2q±0.002Å-1で存在する場合、試料は、層状構造を呈すると判断され、特徴的なd-間隙パラメータは、2π/qとして定義される。強度ピークが2q±0.002Å-1で存在しない場合、試料は、層状構造を呈さないと判断される。層状構造体が、調製された3つの標本/水比のうちの少なくともいずれか1つに存在すると判断された場合、物品が構成される材料は、湿潤時に層状構造を呈すると判断される。調製された3つの標本/水比のいずれにおいても、強度ピークが2q±0.002Å-1で存在しない場合、物品が構成される材料は、湿潤時に層状構造を呈すると判断される。
【0330】
繊維要素組成物試験方法
繊維要素組成物測定用に繊維要素を調製するために、繊維要素の外面上に存在する任意の除去可能であるコーティング組成物及び/又は材料を除去することによって、繊維要素を調整する。それを実行する方法の例としては、繊維要素を変化させずに外部のコーティングを除去する好適な溶媒で、繊維要素を3回洗浄することである。その後、繊維要素の水分が10%未満となるまで、繊維要素を、温度23℃±1.0℃で、空気乾燥させる。調整した繊維要素の化学分析を次いで完了させ、フィラメント形成材料、及び繊維要素内に存在する活性剤に関して、繊維要素の組成の構成を決定する。
【0331】
繊維要素形成材料及び活性剤に関する組成の構成はまた、TOF-SIMS又はSEMを使用して、断面解析を完了することによって決定されてもよい。繊維要素の組成の構成を決定するための更に他の方法は、マーカーとして蛍光染料を使用するものである。更に、常として、繊維要素の製造者は自分達の繊維要素の組成を知っていなくてはならない。
【0332】
本明細書において開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0333】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか、又は別途制限されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0334】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲において網羅することを意図したものである。
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