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特許7116103光モジュールの故障を予測するための方法、装置、およびデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】光モジュールの故障を予測するための方法、装置、およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/07 20130101AFI20220802BHJP
   H04B 10/40 20130101ALN20220802BHJP
【FI】
H04B10/07
H04B10/40
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020012452
(22)【出願日】2020-01-29
(65)【公開番号】P2020123951
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2020-03-11
(31)【優先権主張番号】201910093487.5
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ファンファン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】フェン・ドン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】チンピン・ヤン
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-163106(JP,A)
【文献】特開2015-26955(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0243155(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0088406(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/07
H04B 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光モジュールの故障を予測するための方法であって、
事前設定された期間において、前記光モジュールの、検出されるシーケンスを取得するステップであって、前記検出されるシーケンスは、前記光モジュールの動作パラメータの複数の測定値を含む、ステップと、
前記動作パラメータに対応する分類閾値を取得するステップであって、前記分類閾値は、前記動作パラメータに対応する分類サンプルセットに基づいて生成される、ステップと、
前記動作パラメータに対応する前記分類閾値と、前記検出されるシーケンス内の前記複数の測定値との比較結果に基づいて、前記光モジュールの第1の予測結果を決定するステップであって、前記第1の予測結果は、前記光モジュールが故障モードに入るかどうかを示す、ステップと
を含み、
前記動作パラメータに対応する分類閾値を取得する前記ステップの前に、前記方法は、
前記動作パラメータに対応する前記分類サンプルセットを取得するステップであって、前記分類サンプルセットは、複数の分類サンプルを含み、各分類サンプルは、前記動作パラメータの1つの測定値と、1つの第1の分類識別子とを含む、ステップと、
前記分類サンプルセットに基づいて、前記動作パラメータに対応する前記分類閾値を決定するステップと
をさらに含み、
前記第1の分類識別子は、分類サンプルがポジティブサンプルであるかネガティブサンプルであるかを示すために使用され、前記第1の分類識別子が、分類サンプルがポジティブサンプルであることを示すとき、前記分類サンプル内の測定値が、正常な光モジュールからのものであることを示し、また、前記第1の分類識別子が、分類サンプルがネガティブサンプルであることを示すとき、前記分類サンプル内の測定値が、故障のある光モジュールからのものであることを示す、方法。
【請求項2】
前記光モジュールが前記故障モードに入ることを前記第1の予測結果が示すとき、前記方法は、
前記検出されるシーケンスに基づいて特徴セットを生成するステップと、
第2の予測結果を得るために前記特徴セットを故障予測モデルに入力するステップであって、前記第2の予測結果は、前記光モジュールで故障が発生すると予測される緊急度レベルを示す、ステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記動作パラメータに対応するサンプルシーケンスを取得するステップと、
前記分類閾値および前記サンプルシーケンスに基づいて前記サンプルシーケンスのタグを決定するステップであって、前記タグは、前記サンプルシーケンスに対応する光モジュールが正常な光モジュールであるかどうかを示すか、または、前記タグは、前記サンプルシーケンスに対応する前記光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを示す、ステップと、
前記サンプルシーケンスに対応する故障予測サンプルを生成するステップであって、前記故障予測サンプルは、前記サンプルシーケンスの特徴セットと、前記サンプルシーケンスの前記タグとを含む、ステップと、
前記故障予測サンプルに基づいて前記故障予測モデルを生成するステップと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記検出されるシーケンスに対応する前記特徴セット、および前記第2の予測結果に基づいて、前記故障予測モデルを更新するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記分類サンプルセットに基づいて、前記動作パラメータに対応する前記分類閾値を決定する前記ステップは、
前記分類サンプルセットおよび複数の基準分類閾値に基づいて複数の損失値を決定するステップであって、各損失値は1つの基準分類閾値に対応し、前記複数の基準分類閾値は事前設定されるか、または、前記複数の基準分類閾値は、前記分類サンプルセット内の各分類サンプルの前記測定値に基づいて決定される、ステップと、
前記複数の損失値のうちの最小の損失値に対応する基準分類閾値を、前記分類サンプルセットに対応する分類閾値として決定するステップと、
前記分類サンプルセットに対応する前記分類閾値に基づいて、前記動作パラメータに対応する前記分類閾値を決定するステップと
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記分類サンプルセットおよび複数の基準分類閾値に基づいて複数の損失値を決定する前記ステップは、
それぞれの分類サンプルの測定値を前記複数の基準分類閾値のそれぞれと比較することにより、前記分類サンプルセット内の前記分類サンプルを再分類し、その分類結果に基づいて前記分類サンプルセット内の各分類サンプルの第2の分類識別子を決定するステップと、
以下の損失関数、ならびに各分類サンプルの前記第2の分類識別子および前記第1の分類識別子に基づいて、前記基準分類閾値に対応する損失値を決定するステップであって、すなわち
【数1】
で、lossは、前記分類サンプルセット内のすべての前記第1の分類識別子と、前記対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、Nは前記分類サンプルセット内の分類サンプル数であり、Nは2以上であり、Oqは前記N個の分類サンプル内でインデックス値がqの分類サンプルの第1の分類識別子であり、Pqはインデックス値がqの前記分類サンプルの第2の分類識別子である、ステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記分類サンプルセットは、R個のポジティブサンプルとS個のネガティブサンプルとを含み、前記分類サンプルセットおよび複数の基準分類閾値に基づいて複数の損失値を決定する前記ステップは、
前記複数の基準分類閾値のそれぞれに基づいて前記分類サンプルセット内の前記分類サンプルを再分類し、分類結果に基づいて前記分類サンプルセット内の各分類サンプルの第2の分類識別子を決定するステップと、
以下の損失関数、ならびに各分類サンプルの前記第2の分類識別子および前記第1の分類識別子に基づいて、前記基準分類閾値に対応する損失値を決定するステップであって、すなわち、
loss=c×lossf+lossn
であり、ここで、
【数2】
および
【数3】
であり、lossは、前記分類サンプルセット内のすべての前記第1の分類識別子と、前記対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、lossfは、すべての前記ポジティブサンプル内の第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、lossnは、すべての前記ネガティブサンプル内の第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、Rは2以上であり、Oaはインデックス値がaのポジティブサンプルの第1の分類識別子であり、Paはインデックス値がaの前記ポジティブサンプルの第2の分類識別子であり、Sは2以上であり、Obはインデックス値がbのネガティブサンプルの第1の分類識別子であり、Pbはインデックス値がbの前記ネガティブサンプルの第2の分類識別子であり、cは重み係数であり、cは1以上である、ステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記動作パラメータは、M個の分類サンプルセットに対応し、前記分類サンプルセットに対応する前記分類閾値に基づいて、前記動作パラメータに対応する前記分類閾値を決定する前記ステップは、
前記M個の分類サンプルセットに対応するM個の分類閾値を決定するステップと、
以下の関数に基づいて、前記動作パラメータに対応する前記分類閾値を決定するステップであって、すなわち
【数4】
で、threshfinalは、前記動作パラメータに対応する前記分類閾値であり、threshiは、i番目の分類サンプルセットに対応する分類閾値であり、Mは1より大きい、ステップとを含む、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記動作パラメータはバイアス電流であり、前記分類閾値はバイアス電流分類閾値であり、前記サンプルシーケンスは前記バイアス電流のサンプルシーケンスであり、前記分類閾値および前記サンプルシーケンスに基づいて前記サンプルシーケンスのタグを決定する前記ステップは、
前記サンプルシーケンスが、前記バイアス電流分類閾値以上の少なくとも1つの測定値を含む場合、前記サンプルシーケンスの収集終了時点と、前記サンプルシーケンスに対応する前記光モジュールで故障が発生する時点との間の時間間隔に基づいて、前記サンプルシーケンスの前記タグを決定するステップであって、前記タグは、前記サンプルシーケンスに対応する前記光モジュールで故障が発生する前記緊急度レベルを示す、ステップ、または
前記サンプルシーケンス内のすべての測定値が前記バイアス電流分類閾値よりも小さい場合、前記サンプルシーケンスの前記タグを決定するステップであって、前記タグは、前記サンプルシーケンスに対応する前記光モジュールが正常な光モジュールであることを示す、ステップ
を含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項10】
前記動作パラメータは受信電力であり、前記分類閾値は受信電力分類閾値であり、前記サンプルシーケンスは前記受信電力のサンプルシーケンスであり、前記分類閾値および前記サンプルシーケンスに基づいて前記サンプルシーケンスのタグを決定する前記ステップは、
前記サンプルシーケンスが、前記受信電力分類閾値以下の少なくとも1つの測定値を含む場合、前記サンプルシーケンスの収集終了時点と、前記サンプルシーケンスに対応する前記光モジュールで故障が発生する時点との間の時間間隔に基づいて、前記サンプルシーケンスの前記タグを決定するステップであって、前記タグは、前記サンプルシーケンスに対応する前記光モジュールで故障が発生する前記緊急度レベルを示す、ステップ、または
前記サンプルシーケンス内のすべての測定値が前記受信電力分類閾値よりも大きい場合、前記サンプルシーケンスの前記タグを決定するステップであって、前記タグは、前記サンプルシーケンスに対応する前記光モジュールが正常な光モジュールであることを示す、ステップ
を含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項11】
前記特徴セットは、バイアス電流に対応する特徴セットと受信電力に対応する特徴セットとを含み、第2の予測結果を得るために前記特徴セットを故障予測モデルに入力する前記ステップは、
前記バイアス電流に対応する第3の予測結果および前記受信電力に対応する第4の予測結果を得るために、前記バイアス電流に対応する前記特徴セットおよび前記受信電力に対応する前記特徴セットを前記故障予測モデルに入力するステップと、
前記第3の予測結果および前記第4の予測結果に基づいて、前記第2の予測結果を決定するステップと
を含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成された、光モジュールの故障を予測するための装置。
【請求項13】
コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されたとき、前記コンピュータは、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
光モジュールの故障を予測するためのシステムであって、前記光モジュールと、コレクタと、請求項12に記載の光モジュールの故障を予測するための装置と、を含み、
前記コレクタは、事前設定された期間において、前記光モジュールの、検出されるシーケンスを収集し、前記検出されるシーケンスは、前記光モジュールの動作パラメータの複数の測定値を含み、前記検出されるシーケンスを、光モジュールの故障を予測するための前記装置に送信する、ように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、光通信の分野に関し、より詳細には、光モジュールの故障を予測するための方法、装置、およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信技術の発展に伴い、光モジュールは、光ネットワーク通信、光記憶、シングルファイバの毎秒1000百万ビット(million bits per second、Mbps)ベースバンド伝送システム(1000Base-SX)、などの分野に、より広く適用されている。
【0003】
光モジュールは、光電デバイス、機能回路、光インタフェースなどを含み、光電デバイスは送信ポートと受信ポートとを含む。光モジュールの送信ポートは、電気信号を光信号に変換し、光ファイバを通して光信号を出力する。ピアの光モジュールの受信ポートは、光信号を再び電気信号に変換する。
【0004】
光モジュールの故障は通常、光モジュールの寿命の到来として定義される。実際のアプリケーションシナリオでは、特に大規模なデータセンタ内には、大量の光モジュールが存在し、光モジュールの故障は主要なサービスに大きく影響する。したがって、エンジニアは通常、故障を迅速に位置特定して問題を時間内に解決するために、光モジュールの故障が発生するかどうかに、より注意を払う。
【0005】
したがって、光モジュールの故障を予測するための方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、光モジュールで故障が発生することになるかどうかを、故障が発生する前に予測するために、光モジュールの故障を予測するための方法を提供し、それによって、故障が発生する可能性のある光モジュールに保守エンジニアが着目するのに役立ち、光モジュールの故障によってサービスに対してもたらされる影響を軽減する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、光モジュールの故障を予測するための方法が提供される。方法は、事前設定された期間において、光モジュールの、検出されるシーケンスを取得するステップであって、検出されるシーケンスは、光モジュールの動作パラメータの複数の測定値を含む、ステップと、動作パラメータに対応する分類閾値を取得するステップであって、分類閾値は、動作パラメータに対応する分類サンプルセットに基づいて生成される、ステップと、動作パラメータに対応する分類閾値と、検出されるシーケンス内の複数の測定値との比較結果に基づいて、光モジュールの第1の予測結果を決定するステップであって、第1の予測結果は、光モジュールが故障モードに入るかどうかを示す、ステップと、を含む。前述の技術ソリューションに基づき、光モジュールの動作パラメータに対応する分類サンプルセットに基づいて動作パラメータの分類閾値が決定され、故障が発生する可能性のある光モジュールに保守エンジニアが着目するのに役立ち、光モジュールの故障によってサービスに対してもたらされる影響を軽減するために、分類閾値と検出されるシーケンス内の複数の測定値との比較結果に基づいて、検出されるシーケンスに対応する光モジュールで将来故障が発生するかどうかが予測される。
【0008】
前述の動作パラメータは、光モジュールのバイアス電流または光モジュールの受信電力であり得、分類閾値は、バイアス電流分類閾値または受信電力分類閾値であり得る。本出願では、バイアス電流分類閾値とバイアス電流の複数の測定値との比較結果に基づいて、光モジュールで将来故障が発生するかどうかが予測され得、および/または受信電力分類閾値と受信電力の複数の測定値との比較結果に基づいて、光モジュールで将来故障が発生するかどうかが予測され得る。
【0009】
光モジュールが故障モードに入るかどうかを予測するために、動作パラメータに対応する分類閾値が使用されるとき、光モジュールが故障モードに入るかどうかだけが判定されることができる、ということが分かる。光モジュールが故障モードに入ると判定されたとき、光モジュールが故障モードに入った後に故障が発生する緊急度レベルは判定されることができない。この問題のために、本出願の一実施形態では、検出されるシーケンスに基づいて生成された特徴セットが、故障予測モデルにさらに入力され得、光モジュールが故障モードに入った後に故障が発生する緊急度レベルが、故障予測モデルを使用してさらに判定される。
【0010】
可能な一実施態様では、光モジュールが故障モードに入ることを第1の予測結果が示すとき、方法は、検出されるシーケンスに基づいて特徴セットを生成するステップと、第2の予測結果を得るために特徴セットを故障予測モデルに入力するステップであって、第2の予測結果は、光モジュールで故障が発生すると予測される緊急度レベルを示す、ステップとをさらに含む。
【0011】
前述の技術ソリューションに基づき、検出されるシーケンスの特徴セットが生成され、特徴セットが故障予測モデルに入力される。故障予測モデルは、保守エンジニアが、光モジュールで故障が発生する緊急度レベルに基づいてできるだけ早く、比較的短時間のうちに、故障が発生する光モジュールを処理するのに役立ち、光モジュールの故障によってサービスに対してもたらされる影響を軽減するために、現在の時点から光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを予測し得る。
【0012】
可能な一実施態様では、方法は、動作パラメータに対応するサンプルシーケンスを取得するステップと、分類閾値およびサンプルシーケンスに基づいてサンプルシーケンスのタグを決定するステップであって、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが正常な光モジュールであるかどうかを示すか、または、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを示す、ステップと、サンプルシーケンスに対応する故障予測サンプルを生成するステップであって、故障予測サンプルは、サンプルシーケンスの特徴セットと、サンプルシーケンスのタグとを含む、ステップと、故障予測サンプルに基づいて故障予測モデルを生成するステップとをさらに含む。
【0013】
可能な一実施態様では方法は、検出されるシーケンスの特徴セット、および第2の予測結果に基づいて、故障予測モデルを更新するステップをさらに含む。
【0014】
前述の技術ソリューションに基づき、第2の予測結果を得るために、検出されるシーケンスに対応する特徴セットを故障予測モデルに入力したとき、故障予測モデルの更新を完了するために、故障予測モデルが入力と出力とを学習して、故障予測モデルの予測結果がより正確になるように、アナライザは、第2の予測結果、および検出されるシーケンスに対応する特徴セットを、故障予測モデルの入力として使用し得る。
【0015】
可能な一実施態様では、動作パラメータに対応する分類閾値を取得するステップの前に、方法は、動作パラメータに対応する分類サンプルセットを取得するステップであって、分類サンプルセットは、複数の分類サンプルを含み、各分類サンプルは、動作パラメータの1つの測定値と、1つの第1の分類識別子とを含む、ステップと、分類サンプルセットに基づいて、動作パラメータに対応する分類閾値を決定するステップとをさらに含む。
【0016】
可能な一実施態様では、分類サンプルセットに基づいて、動作パラメータに対応する分類閾値を決定するステップは、分類サンプルセットおよび複数の基準分類閾値に基づいて複数の損失値を決定するステップであって、各損失値は1つの基準分類閾値に対応し、複数の基準分類閾値は事前設定されるか、または、複数の基準分類閾値は、分類サンプルセット内の各分類サンプルの測定値に基づいて決定される、ステップと、複数の損失値のうちの最小の損失値に対応する基準分類閾値を、分類サンプルセットに対応する分類閾値として決定するステップと、分類サンプルセットに対応する分類閾値に基づいて、動作パラメータに対応する分類閾値を決定するステップと、を含む。
【0017】
可能な一実施態様では、分類サンプルセットおよび複数の基準分類閾値に基づいて複数の損失値を決定するステップは、
複数の基準分類閾値のそれぞれに基づいて分類サンプルセット内の分類サンプルを再分類し、分類結果に基づいて分類サンプルセット内の各分類サンプルの第2の分類識別子を決定するステップと、
以下の損失関数、ならびに各分類サンプルの第2の分類識別子および第1の分類識別子に基づいて、基準分類閾値に対応する損失値を決定するステップであって、
【数1】
であり、lossは、分類サンプルセット内のすべての第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、Nは分類サンプルセット内の分類サンプル数であり、Nは2以上であり、OqはN個の分類サンプル内でインデックス値がqの分類サンプルの第1の分類識別子であり、Pqはインデックス値がqの分類サンプルの第2の分類識別子である、ステップとを含む。
【0018】
分類閾値を決定するための前述の方法は、分類サンプルセット内の分類サンプルがポジティブサンプルだけを含む、またはネガティブサンプルだけを含む、またはポジティブサンプルおよびネガティブサンプルの両方を含むシナリオに適用可能であり得、これは本出願では限定されない。
【0019】
可能な一実施態様では、分類サンプルセットは、R個のポジティブサンプルとS個のネガティブサンプルとを含み、分類サンプルセットおよび複数の基準分類閾値に基づいて複数の損失値を決定するステップは、
複数の基準分類閾値のそれぞれに基づいて分類サンプルセット内の分類サンプルを再分類し、分類結果に基づいて分類サンプルセット内の各分類サンプルの第2の分類識別子を決定するステップと、
以下の損失関数、ならびに各分類サンプルの第2の分類識別子および第1の分類識別子に基づいて、基準分類閾値に対応する損失値を決定するステップであって、
loss=c×lossf+lossn
であり、ここで、
【数2】
および
【数3】
であり、lossは、分類サンプルセット内のすべての第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、lossfは、すべてのポジティブサンプル内の第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、lossnは、すべてのネガティブサンプル内の第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、Rは2以上であり、Oaはインデックス値がaのポジティブサンプルの第1の分類識別子であり、Paはインデックス値がaのポジティブサンプルの第2の分類識別子であり、Sは2以上であり、Obはインデックス値がbのネガティブサンプルの第1の分類識別子であり、Pbはインデックス値がbのネガティブサンプルの第2の分類識別子であり、cは重み係数であり、cは1以上である、ステップとを含む。
【0020】
前述の技術ソリューションに基づき、受信電力に対応する分類サンプルセット内の分類サンプルが、ポジティブサンプルおよびネガティブサンプルの両方を含むとき、光モジュールが有効化された直後に光モジュールで故障が発生する可能性があるため、受信電力のネガティブサンプル内の得られた測定値は、受信電力のものであって、光モジュールが正常な状態にあるときに生成された、測定値を含み得、受信電力のネガティブサンプルの不純な状態をもたらす。
【0021】
受信電力のネガティブサンプルは不純であり得るが、ネガティブサンプルと比較して、ポジティブサンプルは比較的高い信頼性を有し、したがって、分類閾値は、主にポジティブサンプルに基づき、そしてネガティブサンプルを重要な補足として使用して、決定され得、つまり、ポジティブサンプルを強めることによって分類閾値の精度が改善され得る。
【0022】
可能な一実施態様では、動作パラメータは、M個の分類サンプルセットに対応し、分類サンプルセットに対応する分類閾値に基づいて、動作パラメータに対応する分類閾値を決定するステップは、
M個の分類サンプルセット内のM個の分類閾値を決定するステップと、
以下の関数に基づいて、動作パラメータに対応する分類閾値を決定するステップであって、すなわち
【数4】
で、threshfinalは、動作パラメータに対応する分類閾値であり、threshiは、i番目の分類サンプルセットに対応する分類閾値であり、Mは1より大きい、ステップとを含む。
【0023】
前述の技術ソリューションに基づき、ポジティブサンプルおよびネガティブサンプルを使用して分類閾値が決定されるとき、光モジュールが比較的低い故障率を有する場合、ネガティブサンプル数が少なくなり得、ポジティブサンプルとネガティブサンプルとの間に不均衡をもたらし得る。ポジティブサンプルとネガティブサンプルとの間の不均衡の問題を解決するために、複数の連続したランダムサンプリングを通じてM個のポジティブサンプルグループが取得され、各ポジティブサンプルグループおよび同じネガティブサンプルグループに基づいて1つの分類閾値が決定され、つまり、各ポジティブサンプルグループおよびネガティブサンプルグループが分類サンプルセットとして使用され得、分類サンプルセットに対応する分類閾値が得られる。M個の分類サンプルセットが、M個のポジティブサンプルグループ、およびネガティブサンプルグループに基づいて得られる。それに対応して、M個の分類サンプルセットに対応するM個の分類閾値が得られ得る。ポジティブサンプルとネガティブサンプルとの間の不均衡の問題を解決するために、M個の分類閾値の平均が、動作パラメータに対応する分類閾値として決定され得る。
【0024】
可能な一実施態様では、動作パラメータはバイアス電流であり、分類閾値はバイアス電流分類閾値であり、サンプルシーケンスはバイアス電流のサンプルシーケンスであり、分類閾値およびサンプルシーケンスに基づいてサンプルシーケンスのタグを決定するステップは、
サンプルシーケンスが、バイアス電流分類閾値以上の少なくとも1つの測定値を含む場合、サンプルシーケンスの収集終了時点と、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する時点との間の時間間隔に基づいて、サンプルシーケンスのタグを決定するステップであって、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを示す、ステップ、または、サンプルシーケンス内のすべての測定値がバイアス電流分類閾値よりも小さい場合、サンプルシーケンスのタグを決定するステップであって、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが正常な光モジュールであることを示す、ステップを含む。
【0025】
可能な一実施態様では、動作パラメータは受信電力であり、分類閾値は受信電力分類閾値であり、サンプルシーケンスは受信電力のサンプルシーケンスであり、分類閾値およびサンプルシーケンスに基づいてサンプルシーケンスのタグを決定するステップは、
サンプルシーケンスが、受信電力分類閾値以下の少なくとも1つの測定値を含む場合、サンプルシーケンスの収集終了時点と、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する時点との間の時間間隔に基づいて、サンプルシーケンスのタグを決定するステップであって、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを示す、ステップ、または、サンプルシーケンス内のすべての測定値が受信電力分類閾値よりも大きい場合、サンプルシーケンスのタグを決定するステップであって、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが正常な光モジュールであることを示す、ステップを含む。
【0026】
可能な一実施態様では、特徴セットは、バイアス電流に対応する特徴セットと受信電力に対応する特徴セットとを含み、第2の予測結果を得るために特徴セットを故障予測モデルに入力するステップは、バイアス電流に対応する第3の予測結果および受信電力に対応する第4の予測結果を得るために、バイアス電流に対応する特徴セットおよび受信電力に対応する特徴セットを故障予測モデルに入力するステップと、第3の予測結果および第4の予測結果に基づいて、第2の予測結果を決定するステップとを含む。
【0027】
前述の技術ソリューションに基づき、故障予測モデルの入力が、光モジュールの受信電力データシーケンスに対応する特徴セット、および光モジュールのバイアス電流データシーケンスに対応する特徴セット、である場合、故障予測モデルは2つの予測結果を得る。光モジュールの予測結果を決定するとき、故障が発生する可能性のある光モジュールを保守エンジニアができるだけ早く処理することができ、光モジュールの故障によってサービスに対してもたらされる影響が軽減されることができるように、故障予測モデルは、2つの予測結果のうちのより高い緊急度レベルを有する予測結果を光モジュールについての予測結果として使用する。
【0028】
第2の態様によれば、光モジュールの故障を予測するための装置が提供される。装置は、第1の態様または第1の態様の実施態様のいずれか1つに係る方法を実行するように構成されたモジュールを含む。
【0029】
第3の態様によれば、光モジュールの故障を予測するための装置が提供される。装置が、第1の態様または第1の態様の実施態様のいずれか1つに係る方法を実行するように、装置は、プログラムを記憶するように構成されたメモリと、メモリに記憶されたプログラムを実行するように構成されプロセッサとを含む。
【0030】
第4の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供される。コンピュータ可読媒体は、デバイスによって実行されるプログラムコードを記憶し、プログラムコードは、第1の態様または第1の態様の実施態様のいずれか1つに係る方法を実行するために使用される。
【0031】
第5の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されたとき、コンピュータは、第1の態様または第1の態様の実施態様のいずれか1つに係る方法を実行することを可能にされる。
【0032】
第6の態様によれば、チップが提供される。チップは、プロセッサとデータインタフェースとを含み、プロセッサは、第1の態様または第1の態様の実施態様のいずれか1つに係る方法を実行するために、データインタフェースを介して、メモリに記憶された命令を読み出す。
【0033】
任意選択的に、一実施態様では、チップはメモリをさらに含み得、メモリは命令を記憶する。プロセッサは、メモリに記憶された命令を実行するように構成され、命令が実行されたとき、プロセッサは第1の態様に係る方法を実行するように構成される。
【0034】
第7の態様によれば、光モジュールの故障を予測するためのシステムが提供される。システムは、光モジュールと、コレクタと、第2の態様に係る、光モジュールの故障を予測するための装置とを含む。コレクタは、事前設定された期間において、光モジュールの、検出されるシーケンスを収集し、検出されるシーケンスは、光モジュールの動作パラメータの複数の測定値を含み、および検出されるシーケンスを、光モジュールの故障を予測するための装置に送信する、ように構成される。
【0035】
本出願の第2から第7の態様の有益な効果については、第1の態様および第1の態様の実施態様の有益な効果を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】光モジュールの故障検出の際に本出願の一実施形態に適用可能なハードウェア接続関係の概略図である。
図2】元々正常である光モジュールが徐々に故障したときの受信電力およびバイアス電流のもので、本出願の一実施形態に適用可能な、変化傾向の概略図である。
図3】本出願の一実施形態に係る、動作パラメータに対応する分類閾値を決定するための方法の概略フローチャートである。
図4】本出願の一実施形態に係る、光モジュールが故障モードに入るかどうかを予測するための方法の概略フローチャートである。
図5】本出願の一実施形態に係る、故障予測モデルを生成するための方法の概略フローチャートである。
図6】本出願の一実施形態に係る、光モジュールで故障が発生する恐れがある緊急度レベルを決定するための方法の概略フローチャートである。
図7】本出願の一実施形態に係る、光モジュールの故障を予測するための装置の概略ブロック図である。
図8】本出願の一実施形態に係る、光モジュールの故障を予測するための装置の別の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下は、添付図面を参照しつつ、本出願における実施形態の技術ソリューションを説明する。
【0038】
図1は、光モジュールの故障検出の際の、光モジュールと他のデバイスとの間のハードウェア接続関係を示している。図1に示されるように、一方では、光モジュールは、外部デバイスと、光モジュールが配置されているデバイス(ホストデバイスと称され得、図には示されていない)との間で光電気変換を実施するために、つまり、外部デバイスから受信された光信号を、ホストデバイスが処理できる電気信号に変換するため、またはホストデバイスから受信された電気信号を、外部デバイスが処理できる光信号に変換するために、光ファイバを介して外部デバイス(図には示されていない)に接続されている。他方では、光モジュールはコレクタに接続されている。コレクタは、光モジュールが動作するときに動作パラメータに対応する測定値を収集し、収集された測定値をアナライザに送信し、アナライザは、コレクタによって収集された測定値に基づいて、光モジュールで故障が発生することになるかどうかを分析する。光モジュールの動作パラメータは、受信電力およびバイアス電流を主に含んでいる。
【0039】
実際のアプリケーションでは、アナライザは、計算機能と記憶機能とを有するコンポーネントまたはデバイスであり得る。たとえば、アナライザはサーバであり得る。
【0040】
分析によって、光モジュールが徐々に故障するとき、一般に、受信電力およびバイアス電流が傾向(受信電力は下降傾向を示し、バイアス電流は上昇傾向を示す)を示すことが分かる。図2は、元々正常である光モジュールが徐々に故障したときの受信電力およびバイアス電流の変化傾向を示している。
【0041】
前述の知見に基づき、本出願は、光モジュールの故障を予測するための方法を提供する。光モジュールの動作パラメータに対応する分類サンプルセットに基づいて動作パラメータの分類閾値が決定され、故障が発生する可能性のある光モジュールに保守エンジニアが着目するのに役立ち、光モジュールの故障によってサービスに対してもたらされる影響を軽減するために、分類閾値と、検出されるシーケンス内の複数の測定値との比較結果に基づいて、検出されるシーケンスに対応する光モジュールで将来故障が発生するかどうかが予測される。
【0042】
本出願の実施形態では、動作パラメータは、光モジュールのバイアス電流または光モジュールの受信電力であり得、分類閾値は、バイアス電流分類閾値または受信電力分類閾値であり得る。本出願の実施形態では、バイアス電流分類閾値と、バイアス電流の複数の測定値との比較結果に基づいて、光モジュールで将来故障が発生するかどうかが予測され得、および/または、受信電力分類閾値と、受信電力の複数の測定値との比較結果に基づいて、光モジュールで将来故障が発生するかどうかが予測され得る。本出願の実施形態で提供される、光モジュールの故障を予測するための方法が、図3から図6を参照しつつ以下で詳細に説明される。
【0043】
一実施形態では、アナライザは、コレクタを使用して光モジュールの動作パラメータの測定値を取得し(たとえば、アナライザは、コレクタを使用して、光モジュールのバイアス電流の測定値、または光モジュールの受信電力の測定値を取得する)、後続の処理のために、取得された動作パラメータの測定値を記憶する。
【0044】
先ず、本出願で提供される、分類閾値を決定するための方法が、図3を参照しつつ説明され、方法はS301とS302とを含む。
【0045】
S301.動作パラメータに対応する分類サンプルセットを取得し、分類サンプルセットは複数の分類サンプルを含み、各分類サンプルは、動作パラメータの1つの測定値と、1つの第1の分類識別子とを含む。
【0046】
一実施態様では、アナライザは動作パラメータに対応する分類サンプルセットを取得し、分類サンプルセットは複数の分類サンプルを含み、各分類サンプルは、動作パラメータの1つの測定値と、1つの第1の分類識別子とを含む。分類サンプルセットは、動作パラメータに対応する分類閾値を決定するために使用される。
【0047】
たとえば、動作パラメータが受信電力であるとき、アナライザは受信電力の分類サンプルセットを取得し、受信電力の分類サンプルセットは受信電力の複数の分類サンプルを含み、受信電力の各分類サンプルは、受信電力の1つの測定値と、測定値に対応する1つの第1の分類識別子とを含む。
【0048】
第1の分類識別子は、分類サンプルがポジティブサンプルであるかネガティブサンプルであるかを示すために使用され得る。実際のアプリケーションでは、第1の分類識別子はいくつかのビット(bit)を使用して示され得る。たとえば、第1の分類サンプルは1bitを使用して示される。第1の分類識別子の値が0であるとき、それは、分類サンプルがポジティブサンプルであることを示し、または、第1の分類識別子の値が1であるとき、それは、分類サンプルがネガティブサンプルであることを示す。
【0049】
第1の分類識別子が、分類サンプルがポジティブサンプルであることを示すとき、それは、分類サンプル内の測定値が、正常な光モジュールからのものであることを示し、また、第1の分類識別子が、分類サンプルがネガティブサンプルであることを示すとき、それは、分類サンプル内の測定値が、故障のある光モジュールからのものであることを示す。
【0050】
S302.分類サンプルセットに基づいて、動作パラメータに対応する分類閾値を決定する。
【0051】
一実施態様では、アナライザは、分類サンプルセットおよび複数の基準分類閾値に基づいて複数の損失値を決定し、各損失値は1つの基準分類閾値に対応し、アナライザは、複数の損失値のうちの最小の損失値に対応する基準分類閾値を、分類閾値として決定する。複数の基準分類閾値は事前設定されるか、または複数の基準分類閾値は分類サンプルセット内の各分類サンプルの測定値に基づいて決定される。一実施態様では、アナライザは、複数の基準分類閾値のそれぞれに基づいて分類サンプルセット内のサンプルを再分類し、再分類を通じて得られた分類結果に基づいて、分類サンプルセット内の各サンプルの第2の分類識別子を決定する。次いで、アナライザは、式(1)、ならびに各サンプルの第2の分類識別子および第1の分類識別子に基づいて、各基準分類閾値に対応する損失値を決定し、すなわち
【0052】
【数5】
【0053】
で、式(1)は損失関数であり、lossは、分類サンプルセット内のすべての第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、Nは分類サンプルセット内の分類サンプル数であり、Nは2以上であり、OqはN個の分類サンプル内でインデックス値がqの分類サンプルの第1の分類識別子であり、Pqはインデックス値がqの分類サンプルの第2の分類識別子である。
【0054】
以下は、分類閾値を決定するための方法を説明するために、アナライザが光モジュールの受信電力の分類サンプルセットを使用する一例を使用する。
【0055】
一実施態様では、受信電力の分類サンプルセットは、受信電力の複数の分類サンプルを含む。受信電力の複数の分類サンプル内の第1の分類識別子が、受信電力の複数の分類サンプルがすべてポジティブサンプルであることを示すと仮定すると、アナライザは、複数の損失値を決定するとき、複数の基準分類閾値を使用して受信電力の複数の分類サンプルを再分類する。分類では、アナライザは、受信電力の各分類サンプルの第2の分類識別子を得るために、1つの基準分類閾値を使用して受信電力の複数の分類サンプルを再分類し、受信電力の各分類サンプルの第2の分類識別子および第1の分類識別子に基づいて損失値を得る。
【0056】
一実施態様では、アナライザは、1つの基準分類閾値を使用して受信電力の複数のサンプルを再分類する。たとえば、アナライザは、受信電力の各分類サンプル内の測定値を基準分類閾値と比較する。受信電力の分類サンプル内の測定値が基準分類閾値以下である場合、光モジュールが徐々に故障するときに受信電力は下降傾向を示すので、アナライザは、この比較結果に基づいて受信電力の分類サンプルの第2の分類識別子を決定する。
【0057】
受信電力の分類サンプル内の測定値が基準分類閾値以下であるため、アナライザは、第2の分類識別子を使用して、受信電力の分類サンプルをネガティブサンプルとして識別し得る。
【0058】
同様に、第2の分類識別子も、いくつかのbitを使用して示され得る。たとえば、第2の分類識別子は、1ビットを使用して示され得る。第2の分類識別子の値が0であるとき、それは、分類サンプルがポジティブサンプルであることを示し、または、第2の分類識別子の値が1であるとき、それは、分類サンプルがネガティブサンプルであることを示す。
【0059】
受信電力の分類サンプルセット内の受信電力のすべての分類サンプルが基準分類閾値を使用して再分類された後、受信電力の各分類サンプルは1つの第1の分類識別子および1つの第2の分類識別子に対応し、アナライザは、第1の分類識別子、第2の分類識別子、および式(1)の損失関数に基づいて、基準分類閾値に対応する損失値を決定し得る。
【0060】
前述の方法に基づき、各基準分類閾値について、式(1)の損失関数に基づいて損失値が得られ得る。複数の基準分類閾値について、式(1)の損失関数に基づいて複数の損失値が得られ得る。
【0061】
複数の基準分類閾値は事前設定されるか、または複数の基準分類閾値は受信電力の分類サンプルセット内の受信電力の各分類サンプルの測定値に基づいて決定され得る。
【0062】
たとえば、一実施態様では、受信電力の最小の測定値から受信電力の最大の測定値までの間隔内で、その間隔がステップでトラバースされ、トラバースされた値が基準分類閾値として使用され、その基準分類閾値が、受信電力の分類サンプルセット内の受信電力の分類サンプルを再分類するために使用される。たとえば、受信電力の最小の測定値が1.2であり、受信電力の最大の測定値が3であり、ステップが0.3である場合、複数の基準分類閾値は、1.2、1.5、1.8、2.1、2.4、2.7、および3となり得る。
【0063】
別の例として、受信電力の分類サンプルセットが受信電力のX個の分類サンプルを含むと仮定すると、アナライザは、受信電力のX個の分類サンプルからX個の測定値を取得し、シーケンスを得るためにX個の測定値を(昇順または降順に)ソートし、そして、アナライザは、複数の測定値を取得するためにステップYでシーケンスをサンプリングし、複数の測定値を基準分類閾値として使用し、基準分類閾値を使用して受信電力の分類サンプルセット内の受信電力の分類サンプルを再分類する。たとえば、Xが30であり、Yが10であるとき、アナライザは、3つの基準分類閾値を得るために、30個の測定値内の10、20、および30番目の測定値を得る。
【0064】
結論として、本出願では、アナライザは、複数の基準分類閾値に基づき、および損失値を決定するための前述の方法を使用して、複数の損失値を得ることができ、各損失値は1つの基準分類閾値に対応する。アナライザは、複数の損失値の中の最小の損失値に対応する基準分類閾値を受信電力分類閾値として決定する。
【0065】
上述は、受信電力に対応する分類サンプルセット内の分類サンプルがポジティブサンプルである例だけを説明のために使用しているが、本出願を限定することは意図されていない。実際のアプリケーションでは、分類閾値を決定するための前述の方法は、分類サンプルセット内の分類サンプルがポジティブサンプルだけを含む、またはネガティブサンプルだけを含む、またはポジティブサンプルおよびネガティブサンプルの両方を含むシナリオにも適用可能である。これは、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0066】
受信電力に対応する分類サンプルセット内の分類サンプルが、ポジティブサンプルおよびネガティブサンプルの両方を含むとき、光モジュールが有効化された直後に光モジュールで故障が発生する可能性があるため、受信電力のネガティブサンプル内の得られた測定値は、受信電力のものであって、光モジュールが正常状態にあるときに生成された、測定値を含み得、受信電力のネガティブサンプルの不純な状態をもたらす。
【0067】
受信電力のネガティブサンプルは不純であり得るが、ネガティブサンプルと比較して、ポジティブサンプルは比較的高い信頼性を有し、したがって、分類閾値は、主にポジティブサンプルに基づき、そしてネガティブサンプルを重要な補足として使用して、決定され得、つまり、ポジティブサンプルを強めることによって分類閾値の精度が改善され得る。以下は、その方法を説明している。
【0068】
任意選択的に、分類サンプルセットはR個のポジティブサンプルとS個のネガティブサンプルとを含み、アナライザは、分類サンプルセットおよび複数の基準分類閾値に基づいて複数の損失値を決定し得る。
【0069】
一実施態様では、アナライザは、複数の基準分類閾値のそれぞれに基づいて分類サンプルセット内の分類サンプルを分類し、分類結果に基づいて分類サンプルセット内の各分類サンプルの第2の分類識別子を決定し、次いで、アナライザは、式(2)、式(3)、式(4)、ならびに各分類サンプルの第2の分類識別子および第1の分類識別子に基づいて、基準分類閾値に対応する損失値を決定し、すなわち、
loss=c×lossf+lossn(2)
【0070】
【数6】
【0071】
および
【数7】
【0072】
で、lossは、分類サンプルセット内のすべての第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、lossfは、すべてのポジティブサンプル内の第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、lossnは、すべてのネガティブサンプル内の第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、Rは2以上であり、Oaはインデックス値がaのポジティブサンプルの第1の分類識別子であり、Paはインデックス値がaのポジティブサンプルの第2の分類識別子であり、Sは2以上であり、Obはインデックス値がbのネガティブサンプルの第1の分類識別子であり、Pbはインデックス値がbのネガティブサンプルの第2の分類識別子であり、cは重み係数であり、cは1より大きい。
【0073】
この実施態様では、受信電力の分類サンプルセットについて、基準分類閾値に基づいて損失値が計算されるとき、受信電力のポジティブサンプルおよび受信電力のネガティブサンプルに基づいて別々に損失値が計算される。
【0074】
たとえば、受信電力のポジティブサンプルに対応する損失値は式(3)に基づいて計算され、受信電力のネガティブサンプルに対応する損失値は式(4)に基づいて計算される。受信電力のポジティブサンプルに対応する損失値および受信電力のネガティブサンプルに対応する損失値が得られた後、受信電力のポジティブサンプルに対応する損失値と受信電力のネガティブサンプルに対応する損失値との合計が、式(2)に基づいて計算され得る。
【0075】
結論として、本出願では、アナライザは、複数の基準分類閾値に基づき、および損失値を決定するための前述の方法を使用して、複数の損失値を得ることができ、各損失値は1つの基準分類閾値に対応する。アナライザは、複数の損失値の中の最小の損失値に対応する基準分類閾値を分類閾値として決定する。複数の損失値が、受信電力に対応する分類サンプルセットに基づいて決定される場合、分類閾値は受信電力に対応し、または、複数の損失値が、バイアス電流に対応する分類サンプルセットに基づいて決定される場合、分類閾値はバイアス電流に対応する。
【0076】
ポジティブサンプルおよびネガティブサンプルを使用して分類閾値が決定されるとき、光モジュールの比較的低い故障率は、小さなネガティブサンプル数をもたらし、ポジティブサンプルとネガティブサンプルとの間の不均衡をさらにもたらす。
【0077】
一実施態様では、ポジティブサンプルとネガティブサンプルとの間の不均衡の問題を解決するために、複数の連続したランダムサンプリングを通じてM個のポジティブサンプルグループが取得され、各ポジティブサンプルグループおよび同じネガティブグループに基づいて1つの分類閾値が決定され、つまり、各ポジティブサンプルグループおよびネガティブサンプルグループが分類サンプルセットとして使用され得、分類サンプルセットに対応する分類閾値が得られる。したがって、M個の分類サンプルセットが、M個のポジティブサンプルグループ、およびネガティブサンプルグループに基づいて得られる。それに対応して、アナライザは、M個の分類サンプルセットに対応するM個の分類閾値を得る。アナライザは、以下の式、およびM個の分類サンプルセットに対応するM個の分類閾値に基づいて、動作パラメータに対応する分類閾値を決定し得、すなわち
【0078】
【数8】
【0079】
で、threshfinalは動作パラメータの分類閾値であり、threshiはi番目のサンプリングで得られたポジティブサンプルに基づいて決定された分類閾値(i番目の分類サンプルセットに対応する分類閾値)である。
【0080】
上述は、動作パラメータが受信電力である例だけを、分類閾値を決定するための方法を説明するために使用しており、方法は、動作パラメータがバイアス電流であるときにバイアス電流分類閾値を決定するためにも適用可能である。したがって、バイアス電流分類閾値を決定するための方法については、前述の関連する説明を参照されたい。
【0081】
前述の実施形態では、動作パラメータに対応する分類閾値を生成するための方法がアナライザによって実行されている。別の実施形態では、本出願における、動作パラメータに対応する分類閾値を生成するための方法は、コントローラによって代替的に実行され得る。方法がコントローラによって実行されたとき、コントローラは、決定された分類閾値をアナライザに、能動的に送信し得るか、またはアナライザからの要求に応答して送信し得る。コントローラは、複数のアナライザを管理するように構成され得る。コントローラはまた、動作パラメータに対応する故障予測モデルまたは分類閾値を生成するように、1または複数のコレクタと通信し得、1または複数のコレクタによって収集される動作パラメータの測定値を取得し得る。
【0082】
以下は、図4を参照しつつ、本出願で提供される、光モジュールが故障モードに入るかどうかを予測するための方法を説明している。方法はアナライザによって実行され、S401からS403を含む。
【0083】
S401.事前設定された期間において、光モジュールの、検出されるシーケンスを取得し、検出されるシーケンスは、光モジュールの動作パラメータの複数の測定値を含む。
【0084】
一実施態様では、アナライザは、事前設定された期間において、光モジュールの、検出されるシーケンスを取得し、検出されるシーケンスは、事前設定された期間において生成される、光モジュールの動作パラメータに対応する複数の測定値を含む。光モジュールは、検出される光モジュールであり、複数の測定値は、検出される光モジュールをモニタリングすることによってコレクタによって収集され得、アナライザに送信され得る。コレクタは、収集された動作パラメータの測定値をリアルタイムでアナライザに送信し得るか、または、収集された動作パラメータの測定値を、指示に従ってもしくは指定された期間に基づいて、アナライザに送信し得る。
【0085】
たとえば、アナライザは、事前設定された期間(たとえば、30日)において、光モジュールの動作パラメータの複数の測定値を取得し、その期間において取得される、動作パラメータの複数の測定値が、検出されるシーケンスと称され得る。
【0086】
光モジュールが1日に1回測定されると仮定すると、動作パラメータが受信電力であるとき、光モジュールの受信電力の1つの測定値が毎日取得される。したがって、アナライザは30日後には、受信電力の30個の測定値を記憶している。動作パラメータがバイアス電流であるとき、光モジュールのバイアス電流の1つの測定値が毎日取得される。したがって、アナライザは30日後には、バイアス電流の30個の測定値を記憶している。
【0087】
S402.動作パラメータに対応する分類閾値を取得し、分類閾値は、動作パラメータに対応する分類サンプルセットに基づいて決定される。
【0088】
一実施態様では、アナライザは、動作パラメータに対応する分類閾値を取得し、分類閾値は、動作パラメータに対応する分類サンプルセットに基づいて決定される。動作パラメータが受信電力であるとき、アナライザは受信電力分類閾値を取得し、受信電力分類閾値は受信電力の分類サンプルセットに基づいて決定され、または、動作パラメータがバイアス電流であるとき、アナライザはバイアス電流分類閾値を取得し、バイアス電流分類閾値はバイアス電流の分類サンプルセットに基づいて決定される。
【0089】
アナライザは、動作パラメータに対応する分類閾値を取得し得る。動作パラメータに対応する分類閾値は、アナライザによって生成され得るか、またはアナライザによってコントローラから取得され得る。具体的な取得方法は、本出願では限定されない。
【0090】
S403.動作パラメータに対応する分類閾値と、検出されるシーケンス内の複数の測定値との比較結果に基づいて、光モジュールの第1の予測結果を決定し、第1の予測結果は、光モジュールが故障モードに入るかどうかを示す。
【0091】
アナライザは、分類閾値を、検出されるシーケンス内の複数の測定値と比較し得、分類閾値と、検出されるシーケンス内の複数の測定値との比較結果に基づいて、光モジュールの第1の予測結果を決定し得、第1の予測結果は、光モジュールが故障モードに入るかどうかを示す。
【0092】
一実施態様では、アナライザは、受信電力の30個の測定値を受信電力分類閾値と比較する。受信電力の30個の測定値のうちの少なくとも1つが受信電力分類閾値以下である場合、アナライザによって決定された第1の予測結果は、光モジュールが故障モードに入ることを示し、または、受信電力の30個の測定値すべてが受信電力分類閾値よりも大きい場合、アナライザによって決定された第1の予測結果は、光モジュールが故障モードに入らないことを示す。
【0093】
別の実施態様では、アナライザは、バイアス電流の30個の測定値をバイアス電流分類閾値と比較する。バイアス電流の30個の測定値のうちの少なくとも1つがバイアス電流分類閾値以上である場合、アナライザによって決定された第1の予測結果は、光モジュールが故障モードに入ることを示し、または、バイアス電流の30個の測定値すべてがバイアス電流分類閾値よりも小さい場合、アナライザによって決定された第1の予測結果は、光モジュールが故障モードに入らないことを示す。
【0094】
光モジュールが故障モードに入るかどうかを予測するために、動作パラメータに対応する分類閾値が使用されるとき、光モジュールが故障モードに入るかどうかだけが判定されることができる、ということが分かる。光モジュールが故障モードに入ると判定されたとき、光モジュールが故障モードに入った後に故障が発生する緊急度レベルは判定されることができない。この問題のために、本出願のこの実施形態では、検出されるシーケンスに基づいて生成された特徴セットが、故障予測モデルにさらに入力され得、光モジュールが故障モードに入った後に故障が発生する緊急度レベルが、故障予測モデルを使用してさらに判定される。本出願で使用される故障予測モデルは、アナライザまたはコントローラによって生成され得る。
【0095】
以下は、図5を参照しつつ、本出願で提供される、故障予測モデルを生成するための方法を説明し、方法はS501からS504を含む。
【0096】
S501.動作パラメータに対応するサンプルシーケンスを取得する。
【0097】
本出願では、検出されるシーケンスおよびサンプルシーケンスの両方が、動作パラメータに対応する測定値を含むが、異なるシナリオで使用され、すなわち、検出されるシーケンスは、検出される光モジュールに対応し、リアルタイム品質を有している。たとえば、光モジュールで将来故障が発生するどうかを予測する予測結果の適時性と正確性を確保するために、コレクタが光モジュールの、検出されるシーケンスを収集する限り、コレクタは、検出されるシーケンスをアナライザに送信する。動作パラメータに対応するサンプルシーケンスは、故障予測モデルを生成するために使用される。したがって、大量のサンプルシーケンスが必要とされ、コレクタは大量のサンプルシーケンスを先ず収集し得、次いで、すべてのサンプルシーケンスをアナライザに送信し得るか、またはサンプルシーケンスを収集した後に各サンプルシーケンスをアナライザに別々に送信し得る。各サンプルシーケンスは、同じ光モジュールに対応する測定値を含むが、異なるサンプルシーケンスは異なる光モジュールに対応し得る。
【0098】
別の実施態様では、コレクタはサンプルシーケンスを区別せず、各光モジュールの動作パラメータに対応する収集されたすべての測定値をアナライザに送信し、アナライザは、受信されたすべての測定値に基づいて、動作パラメータに対応するサンプルシーケンスを決定する。
【0099】
動作パラメータが受信電力であるとき、アナライザは光モジュールの受信電力のサンプルシーケンスを取得し、動作パラメータがバイアス電流であるとき、アナライザは光モジュールのバイアス電流のサンプルシーケンスを取得する。
【0100】
たとえば、アナライザによって取得され、動作パラメータに対応する、サンプルシーケンスは、以下のように示され、すなわち
I=[dataj-t+1,dataj-t+2,...,dataj](6)
で、Iは動作パラメータに対応するサンプルシーケンスを表し、jはサンプルシーケンスの収集終了時点であり、tは収集時間の長さである。たとえば、サンプルシーケンスの収集終了時点は、コレクタが動作パラメータの測定値を収集し始めた時点(収集開始時点)から60日目、言い換えればj=60であり、サンプルシーケンスは、31日目から60日目まで、言い換えればt=30、の受信電力の測定値を含み、現在の時点から収集開始時点までの時間の長さは60日以上である。光モジュールで故障が発生したとき、光モジュールの最後のサンプルシーケンスの収集終了時点は、光モジュールで故障が発生した時点である。
【0101】
S502.分類閾値およびサンプルシーケンスに基づいて、サンプルシーケンスのタグを決定し、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが正常な光モジュールであるかどうかを示すか、または、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを示す。
【0102】
一実施態様では、アナライザは、動作パラメータに対応する、分類閾値およびサンプルシーケンスに基づいて、サンプルシーケンスのタグを決定し得、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが正常な光モジュールであるかどうかを示し得るか、または、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを示し得る。
【0103】
動作パラメータが受信電力であるとき、アナライザは、受信電力のサンプルシーケンス内の測定値を受信電力分類閾値と比較し得、受信電力の少なくとも1つの測定値が受信電力分類閾値以下である場合には、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが故障モードに入ると判定し得る。
【0104】
さらに、アナライザは、サンプルシーケンスの収集終了時点と、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する時点との間の時間間隔に基づいて、サンプルシーケンスのタグを決定し得、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを示す。
【0105】
たとえば、サンプルシーケンスの収集終了時点は60日目、この場合j=60であり、サンプルシーケンスは、31日目から60日目まで、言い換えればt=30、の受信電力の測定値を含み、現在の時点は収集開始時点から120日目である。アナライザが、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで80日目に故障が発生することをすでに知っていると仮定すると、サンプルシーケンスの収集終了時点と、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する時点との間の時間間隔は20である。アナライザは、時間間隔に基づいて、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで60日目から20日後に故障が発生すると判定し得る。
【0106】
アナライザは、値20を、事前設定された時間間隔閾値とさらに比較し得、たとえば、時間間隔閾値は30であり、時間間隔と時間間隔閾値との比較結果に基づいて、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを決定し得る。
【0107】
たとえば、アナライザは、時間間隔20が時間間隔閾値30未満であると判定し、サンプルシーケンスの収集終了時点(60日目)から光モジュールで故障が発生する緊急度レベルが緊急であることをサンプルシーケンスのタグが示していると判定し得る。
【0108】
受信電力の測定値がすべて受信電力分類閾値以上である場合、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが正常な光モジュールである、ということをサンプルシーケンスのタグが示していると判定され得る。
【0109】
動作パラメータがバイアス電流であるとき、アナライザは、バイアス電流のサンプルシーケンス内の測定値をバイアス電流分類閾値と比較し、バイアス電流の少なくとも1つの測定値がバイアス電流分類閾値以上である場合には、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが故障モードに入ると判定し得る。
【0110】
さらに、アナライザは、サンプルシーケンスの収集終了時点と、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する時点との間の時間間隔に基づいて、サンプルシーケンスのタグを決定し得、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを示す。
【0111】
たとえば、サンプルシーケンスの収集終了時点は90日目、この場合j=90であり、サンプルシーケンスは、61日目から90日目まで、言い換えればt=30、のバイアス電流の測定値を含み、現在の時点は収集開始時点から180日目である。アナライザが、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで150日目に故障が発生することをすでに知っていると仮定すると、サンプルシーケンスの収集終了時点と、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する時点との間の時間間隔は60である。アナライザは、時間間隔に基づいて、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで90日目から60日後に故障が発生すると判定し得る。
【0112】
アナライザは、値60を、事前設定された時間間隔閾値とさらに比較し得、たとえば、時間間隔閾値は30であり、時間間隔と時間間隔閾値との比較結果に基づいて、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを決定し得る。
【0113】
たとえば、アナライザは、時間間隔60が時間間隔閾値30よりも大きいと判定し、サンプルシーケンスの収集終了時点(90日目)から光モジュールで故障が発生する緊急度レベルは緊急性が低いことをサンプルシーケンスのタグが示していると判定し得る。
【0114】
バイアス電流の測定値がすべてバイアス電流分類閾値未満である場合、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが正常な光モジュールである、ということをサンプルシーケンスのタグが示していると判定され得る。
【0115】
たとえば、タグの値は0、1、または2であり得、0は、光モジュールが正常な光モジュールであることを示し、1は、収集終了時点から故障が発生する時点までの光モジュールの時間間隔が、事前設定された時間間隔閾値以下である(つまり、故障が発生する緊急度レベルが緊急である)ことを示し、2は、収集終了時点から故障が発生する時点までの光モジュールの時間間隔が、事前設定された時間間隔閾値よりも大きい(つまり、故障が発生する緊急度レベルは緊急性が低い)ことを示す。
【0116】
S503.サンプルシーケンスに対応する故障予測サンプルを生成し、故障予測サンプルは、サンプルシーケンスの特徴セットとサンプルシーケンスのタグとを含む。
【0117】
一実施態様では、アナライザは、動作パラメータに対応するサンプルシーケンスのタグを決定し、サンプルシーケンスおよび決定されたタグに基づいて、サンプルシーケンスに対応する故障予測サンプルを生成し得、故障予測サンプルは、サンプルシーケンスの特徴セットとサンプルシーケンスのタグとを含む。
【0118】
たとえば、サンプルシーケンスに基づいて決定される特徴セットは、F=[mean,var,max,min,diff_mean,diff_var]であり得、meanはサンプルシーケンスの平均を表し、varはサンプルシーケンスの分散を表し、maxはサンプルシーケンスの最大値を表し、minはサンプルシーケンスの最小値を表し、diff_meanはサンプルシーケンスの1次元の差分平均を表し、diff_varはサンプルシーケンスの1次元の差分分散を表す。
【0119】
たとえば、サンプルシーケンスは、収集時間長30日のバイアス電流値を含み、すなわち
I=[49.96,50.02,50.08,50.14,50.21,50.27,50.33,50.4,50.46,50.52,50.58,50.64,50.71,50.77,50.83,50.9,50.96,51.02,51.16,51.3,51.44,51.59,51.73,51.87,52.01,52.15,52.29,52.43,52.58,52.72]、および対応する特徴セットは、F=[51.07,0.66,49.96,52.72,0.44,0.026]である。
【0120】
S504.故障予測サンプルに基づいて故障予測モデルを生成する。
【0121】
一実施態様では、故障予測モデルがトレーニングされるとき、故障予測モデルをトレーニングするために故障予測モデルが入力と出力とを学習するように、サンプルシーケンスの特徴セットおよびサンプルシーケンスのタグが、出力および入力として別々に使用され得る。
【0122】
上にリストされた時間間隔閾値およびタグの値は、両方とも一例として使用されており、本出願に対する制限を構成するものではない。フォームおよびタグの値は設定され得る。
【0123】
故障予測モデルがトレーニングされるとき、1つのサンプルシーケンスは同じ光モジュールからのものである。本出願のこの実施形態では、故障予測モデルをトレーニングするための方法を説明するために、1つのサンプルシーケンスに基づいて決定された特徴セットが故障予測モデルに入力される例が使用される。故障予測モデルの実際のトレーニングプロセスでは、故障予測モデルをトレーニングするために、大量のサンプルシーケンスに基づいて決定された特徴セットが故障予測モデルに入力される。
【0124】
前述の実施態様すべてにおいて、故障予測モデルを生成するプロセスを説明するための例としてアナライザが使用されている。実際のアプリケーションでは、図5に示される方法に基づいて、コントローラが故障予測モデルを代替的に生成し得る。別の実装態様では、アナライザは、ステップS501からS503の1または複数のステップを実行し得、コントローラは、アナライザによって実行されるステップ以外の図5のステップを実行する。ステップS504がコントローラによって実行される場合、コントローラは、生成された故障予測モデルをアナライザに、能動的に送信する必要があるか、またはアナライザからの要求に応答して送信する必要がある。
【0125】
本出願で提供される、光モジュールで故障が発生する恐れのある緊急度レベルを決定するための方法は、図6を参照しつつ以下に説明され、方法はS601からS602を含む。
【0126】
S601.光モジュールの、検出されるシーケンスに基づいて特徴セットを生成する。
【0127】
S602.第2の予測結果を得るために特徴セットを故障予測モデルに入力し、第2の予測結果は、光モジュールで故障が発生すると予測される緊急度レベルを示す。
【0128】
具体的には、S601で、アナライザは、検出されるシーケンスの特徴セットを生成し、S602で、アナライザは、第2の予測結果を得るために、特徴セットを故障予測モデルに入力し、第2の予測結果は、光モジュールで故障が発生すると予測される緊急度レベルを示す。
【0129】
検出されるシーケンスに基づいて、検出されるシーケンスの特徴セットを生成するための方法については、サンプルシーケンスに基づいてサンプルシーケンスの特徴セットを生成する前述の関連する説明を参照されたく、詳細は本明細書では再度説明されない 。
【0130】
たとえば、アナライザは、検出されるシーケンスの特徴セットを故障予測モデルに入力し、故障予測モデルは、第2の予測結果を出力し、第2の予測結果は、光モジュールで故障が発生すると予測される緊急度レベルを示す。光モジュールで故障が発生すると予測される緊急度レベルは、事前設定された時間間隔閾値と、現在の時点から故障が発生する時点までの時間間隔との間の値関係を使用して示され得る。たとえば、第2の予測結果の値が1であるとき、それは、現在の時点から故障が発生する時点までの光モジュールの時間間隔が、事前設定された時間間隔閾値以下であることを示し、第2の予測結果の値が2であるとき、それは、現在の時点から故障が発生する時点までの光モジュールの時間間隔が、事前設定された時間間隔閾値よりも大きいことを示す。
【0131】
保守エンジニアが、光モジュールで故障が発生する緊急度レベルに基づいて、比較的短時間のうちにできるだけ早く光モジュールを処理するのに役立ち、光モジュールの故障によってもたらされるサービスへの影響を軽減するために、故障予測モデルが、現在の時点から光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを予測できるように、検出されるシーケンスの特徴セットが生成され、特徴セットが故障予測モデルに入力される。
【0132】
バイアス電流に対応する特徴セットが故障予測モデルに入力されたとき、得られる第2の予測結果は、バイアス電流に対応する特徴セットに基づいて決定され、受信電力に対応する特徴セットが故障予測モデルに入力されたとき、得られる第2の予測結果は、受信電力に対応する特徴セットに基づいて決定される。
【0133】
同じ光モジュールのものである、受信電力に対応する特徴セットおよびバイアス電流に対応する特徴セットが、故障予測モデルに入力された場合、故障予測モデルは、バイアス電流に対応する予測結果(たとえば、第3の予測結果)および受信電力に対応する予測結果(たとえば、第4の予測結果)を得る。この場合、故障予測モデルは、第3の予測結果および第4の予測結果の両方を参照しつつ第2の予測結果を決定し得る。
【0134】
たとえば、故障予測モデルが受信電力に対応する特徴セットを処理した後に得られる第3の予測結果の値は1であり、故障予測モデルがバイアス電流に対応する特徴セットを処理した後に得られる第4の予測結果の値は2である。値が1である第3の予測結果は、現在の時点から故障が発生する時点までの光モジュールの時間間隔が、事前設定された時間間隔閾値以下であることを示し、値が2である第4の予測結果は、現在の時点から故障が発生する時点までの光モジュールの時間間隔が、事前設定された時間間隔閾値よりも大きいことを示す。対照してみると、値が1である第3の予測結果は、より高い緊急度レベルに対応する。したがって、故障予測モデルは、値が1である第3の予測結果を光モジュールの第2の予測結果として決定し得、第2の予測結果を最終的に出力し得る。
【0135】
つまり、故障予測モデルが2つの予測結果を出力したとき、2つの予測結果は同じかまたは異なり得る。この場合、第2の予測結果は、表1に基づいて決定され得る(説明のために、予測結果の値が0、1、および2を含む例を使用)。
【0136】
【表1】
【0137】
2つの予測結果が異なるとき、2つの予測結果のうちより高い緊急度レベルの予測結果が、第2の予測結果として使用され得ることが、図1において学習されることができる。
【0138】
故障予測モデルの入力が、光モジュールの受信電力データシーケンスに対応する特徴セット、および光モジュールのバイアス電流データシーケンスに対応する特徴セットである場合、故障予測モデルは2つの予測結果を得る。光モジュールの予測結果を決定するとき、故障が発生する可能性のある光モジュールを保守エンジニアができるだけ早く処理することができ、光モジュールの故障によってサービスに対してもたらされる影響が軽減されることができるように、故障予測モデルは、2つの予測結果のうちのより高い緊急度レベルを有する予測結果を光モジュールについての予測結果として使用する。
【0139】
さらに、第2の予測結果を得るために、検出されるシーケンスに対応する特徴セットが故障予測モデルに入力されたとき、故障予測モデルは、検出されるシーケンスの特徴セット、および第2の予測結果、に基づいてさらに更新され得る。この場合、本出願で提供される、故障予測モデルを生成するための方法は、S505をさらに含み得る。
【0140】
S505.検出されるシーケンスの特徴セット、および第2の予測結果に基づいて故障予測モデルを更新する。
【0141】
第2の予測結果を得るために、検出されるシーケンスに対応する特徴セットを故障予測モデルに入力した後、故障予測モデルの更新を完了するために、故障予測モデルが入力と出力とを学習して、故障予測モデルの予測結果がより正確になるように、アナライザは、第2の予測結果、および検出されるシーケンスに対応する特徴セットを故障予測モデルの入力として使用し得る。
【0142】
図3から図6の前述の方法におけるシーケンス番号は、実行シーケンスを意味するものではない。プロセスの実行シーケンスは、プロセスの機能および内部ロジックに基づいて決定されるべきであり、本出願の実施形態の実施プロセスに対するいかなる制限としても解釈されるべきではない。前述の方法は、より多くの実施態様を提供するためにさらに組み合わせられ得る。前述の方法の任意の組合せによって得られる他の実施態様は、すべて本出願の保護範囲内にあると見なされるべきである。
【0143】
本出願の実施形態で提供される、光モジュールの故障を予測するための方法が、図1および図6を参照しつつ上記で詳細に説明されている。本出願の実施形態で提供される、光モジュールの故障を予測するための装置は、図7および図8を参照しつつ以下で詳細に説明される。
【0144】
図7は、本出願に係る、光モジュールの故障を予測するための装置700の概略ブロック図である。装置700は、
事前設定された期間において、光モジュールの、検出されるシーケンスを取得し、検出されるシーケンスは、光モジュールの動作パラメータの複数の測定値を含む、ように構成された第1の取得モジュール701と、
動作パラメータに対応する分類閾値を取得し、分類閾値は、動作パラメータに対応する分類サンプルセットに基づいて生成される、ように構成された第2の取得モジュール702と、
動作パラメータに対応する分類閾値と、検出されるシーケンス内の複数の測定値との比較結果に基づいて、光モジュールの第1の予測結果を決定し、第1の予測結果は、光モジュールが故障モードに入るかどうかを示す、ように構成された故障予測モジュール703とを含む。
【0145】
任意選択的に、装置は、前処理モジュール704と故障予測モデル705とをさらに含む。
【0146】
前処理モジュール704は、第1の予測結果が、光モジュールが故障モードに入ることを示すとき、検出されるシーケンスに基づいて特徴セットを生成し、特徴セットを故障予測モデルに入力する、ように構成される。
【0147】
故障予測モデル705は、特徴セットに基づいて第2の予測結果を得し、第2の予測結果は、光モジュールで故障が発生すると予測される緊急度レベルを示す、ように構成される。
【0148】
任意選択的に、装置は、
動作パラメータに対応するサンプルシーケンスを取得するように構成された第3の取得モジュール706と、
分類閾値およびサンプルシーケンスに基づいてサンプルシーケンスのタグを決定し、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが正常な光モジュールであるかどうかを示すか、または、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを示し、
サンプルシーケンスに対応する故障予測サンプルを生成し、故障予測サンプルは、サンプルシーケンスの特徴セットと、サンプルシーケンスのタグとを含み、
故障予測サンプルに基づいて故障予測モデルを生成する、
ように構成されたトレーニングモジュール707とをさらに含む。
【0149】
任意選択的に、トレーニングモジュール707は、検出されるシーケンスの特徴セット、および第2の予測結果に基づいて故障予測モデルを更新するようにさらに構成される。
【0150】
任意選択的に、装置は、第4の取得モジュール708と計算モジュール709とをさらに含む。
【0151】
第4の取得モジュール708は、動作パラメータに対応する分類サンプルセットを取得し、分類サンプルセットは複数の分類サンプルを含み、各分類サンプルは、動作パラメータの1つの測定値と、1つの第1の分類識別子とを含む、ように構成される。
【0152】
計算モジュール709は、分類サンプルセットに基づいて、動作パラメータに対応する分類閾値を決定するように構成される。
【0153】
任意選択的に、計算モジュール709は、
分類サンプルセットおよび複数の基準分類閾値に基づいて複数の損失値を決定し、各損失値は1つの基準分類閾値に対応し、複数の基準分類閾値は事前設定されるか、または、複数の基準分類閾値は、分類サンプルセット内の各分類サンプルの測定値に基づいて決定され、
複数の損失値のうちの最小の損失値に対応する基準分類閾値を、分類サンプルセットに対応する分類閾値として決定し、
分類サンプルセットに対応する分類閾値に基づいて、動作パラメータに対応する分類閾値を決定する、ようにさらに構成される。
【0154】
任意選択的に、計算モジュール709は、
複数の基準分類閾値のそれぞれに基づいて分類サンプルセット内の分類サンプルを再分類し、分類結果に基づいて分類サンプルセット内の各分類サンプルの第2の分類識別子を決定し、
以下の損失関数、ならびに各分類サンプルの第2の分類識別子および第1の分類識別子に基づいて、基準分類閾値に対応する損失値を決定し、すなわち
【0155】
【数9】
【0156】
ここで、lossは、分類サンプルセット内のすべての第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、Nは分類サンプルセット内の分類サンプル数であり、Nは2以上であり、OqはN個の分類サンプル内でインデックス値がqの分類サンプルの第1の分類識別子であり、Pqはインデックス値がqの分類サンプルの第2の分類識別子である、ようにさらに構成される。
【0157】
任意選択的に、分類サンプルセットは、R個のポジティブサンプルとS個のネガティブサンプルとを含み、計算モジュール709は、
複数の基準分類閾値のそれぞれに基づいて分類サンプルセット内の分類サンプルを再分類し、分類結果に基づいて分類サンプルセット内の各分類サンプルの第2の分類識別子を決定し、
以下の損失関数、ならびに各分類サンプルの第2の分類識別子および第1の分類識別子に基づいて、基準分類閾値に対応する損失値を決定し、すなわち、
loss=c×lossf+lossn
であり、ここで、
【0158】
【数10】
【0159】
および
【数11】
【0160】
であり、lossは、分類サンプルセット内のすべての第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、lossfは、すべてのポジティブサンプル内の第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、lossnは、すべてのネガティブサンプル内の第1の分類識別子と、対応する第2の分類識別子との平均二乗誤差を表し、Rは2以上であり、Oaはインデックス値がaのポジティブサンプルの第1の分類識別子であり、Paはインデックス値がaのポジティブサンプルの第2の分類識別子であり、Sは2以上であり、Obはインデックス値がbのネガティブサンプルの第1の分類識別子であり、Pbはインデックス値がbのネガティブサンプルの第2の分類識別子であり、cは重み係数であり、cは1以上である、ようにさらに構成される。
【0161】
任意選択的に、動作パラメータは、M個の分類サンプルセットに対応し、計算モジュール709は、
M個の分類サンプルセットに対応するM個の分類閾値を決定し、
以下の関数に基づいて、動作パラメータに対応する分類閾値を決定し、すなわち
【0162】
【数12】
【0163】
であり、threshfinalは、動作パラメータに対応する分類閾値であり、threshiは、i番目の分類サンプルセットに対応する分類閾値であり、Mは1より大きい、ようにさらに構成される。
【0164】
任意選択的に、動作パラメータはバイアス電流であり、分類閾値はバイアス電流分類閾値であり、サンプルシーケンスはバイアス電流のサンプルシーケンスであり、トレーニングモジュール707は、
サンプルシーケンスが、バイアス電流分類閾値以上の少なくとも1つの測定値を含む場合、サンプルシーケンスの収集終了時点と、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する時点との間の時間間隔に基づいて、サンプルシーケンスのタグを決定し、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを示すか、または、
サンプルシーケンス内のすべての測定値がバイアス電流分類閾値よりも小さい場合、サンプルシーケンスのタグを決定し、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが正常な光モジュールであることを示す、ようにさらに構成される。
【0165】
任意選択的に、動作パラメータは受信電力であり、分類閾値は受信電力分類閾値であり、サンプルシーケンスは受信電力のサンプルシーケンスであり、トレーニングモジュール707は、
サンプルシーケンスが、受信電力分類閾値以下の少なくとも1つの測定値を含む場合、サンプルシーケンスの収集終了時点と、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する時点との間の時間間隔に基づいて、サンプルシーケンスのタグを決定し、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールで故障が発生する緊急度レベルを示すか、または、
サンプルシーケンス内のすべての測定値が受信電力分類閾値よりも大きい場合、サンプルシーケンスのタグを決定し、タグは、サンプルシーケンスに対応する光モジュールが正常な光モジュールであることを示す、ようにさらに構成される。
【0166】
任意選択的に、特徴セットは、バイアス電流に対応する特徴セットと受信電力に対応する特徴セットとを含む。
【0167】
前処理モジュール704は、バイアス電流に対応する特徴セットおよび受信電力に対応する特徴セットを故障予測モデルに入力するようにさらに構成される。
【0168】
故障予測モデル705は、バイアス電流に対応する第3の予測結果および受信電力に対応する第4の予測結果を取得し、第3の予測結果および第4の予測結果に基づいて第2の予測結果を取得する、ようにさらに構成される。
【0169】
図7に示されるように、第1の取得モジュール701は、コレクタを使用して、検出されるシーケンスを取得し、第2の取得モジュール702は、計算モジュール709から、動作パラメータに対応し、計算モジュール709よって決定される、分類閾値を取得し、第3の取得モジュール706は、コレクタを使用して動作パラメータに対応するサンプルシーケンスを取得し、第4の取得モジュール708は、コレクタを使用して動作パラメータに対応する分類サンプルセットを取得する。
【0170】
実際のアプリケーションでは、第1の取得モジュール701、第3の取得モジュール706、および第4の取得モジュール708は、同じ取得モジュールであり得るか、または第1の取得モジュール701、第2の取得モジュール702、第3の取得モジュール706、および第4の取得モジュール708は、同じ取得モジュールであり得ることが理解されるべきである。これは、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0171】
本出願における装置700は、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、またはプログラマブルロジックデバイス(programmable logic device、PLD)を使用して実施され得ることが理解されるべきである。PLDは、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device、CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、汎用アレイロジック(generic array logic、GAL)、またはそれらの任意の組合せであり得る。図3から図6に示される、光モジュールの故障を予測するための方法は、ソフトウェアを使用して代替的に実施され得る。装置700および装置700のモジュールは、図3から図6に示される、光モジュールの故障を予測するための方法がソフトウェアを使用して実施されるとき、ソフトウェアモジュールであり得る。
【0172】
本出願のこの実施形態に係る装置700は、本出願に記載の方法をそれに対応して実行し得、装置700内のすべてのユニットの前述および他の動作および/または機能が、図3から図6に示される、光モジュールの故障を予測するための方法におけるアナライザまたはコントローラによって実行される、対応する手順を実施するために使用される。簡潔さのため、本明細書において詳細は再度説明されない。
【0173】
図7のコレクタは、装置700から独立しており、装置700の外部に配置され、装置700に接続されていることが理解されるべきである。代替的に、コレクタは装置700の内部に配置されてもよく、つまり、コレクタは代替的に装置700の一部であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0174】
図8は、本出願の一実施形態に係る、光モジュールの故障を予測するための装置800のハードウェアの概略構成図である。図8に示される、光モジュールの故障を予測するための装置800(装置800は具体的にはコンピューティングデバイスであり得る)は、メモリ801と、プロセッサ802と、通信インタフェース803と、バス804とを含む。メモリ801、プロセッサ802、および通信インタフェース803は、バス804を介して相互間の通信接続を実施する。
【0175】
メモリ801は、リードオンリーメモリ(read-only memory、ROM)、静的記憶デバイス、動的記憶デバイス、またはランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)であり得る。メモリ801はプログラムを記憶し得、メモリ801に記憶されたプログラムがプロセッサ802によって実行されたとき、プロセッサ802および通信インタフェース803は、本出願の実施形態における、光モジュールの故障を予測するための方法のステップを実行するように構成される。
【0176】
プロセッサ802は、汎用の中央処理装置(central processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ、ASIC、グラフィックプロセッシングユニット(graphics processing unit、GPU)、または1または複数の集積回路であり得、本出願の実施形態において、光モジュールの故障を予測するための装置内のユニットが実行する必要がある機能を実施するように、関連プログラムを実行するように構成されるか、または、本出願の実施形態における、光モジュールの故障を予測するための方法を実行するように構成される。
【0177】
プロセッサ802は、代替的に集積回路チップであり得、信号処理能力を有する。実施プロセスでは、本出願における、光モジュールの故障を予測するための方法のステップは、プロセッサ802内で、ハードウェア形式で集積論理回路を、またはソフトウェア形式で命令を、使用して実施され得る。プロセッサ802は、代替的に、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor、DSP)、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)または別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートのゲートもしくはトランジスタロジックデバイス、またはディスクリートのハードウェアコンポーネントであり得、本出願の実施形態で開示される方法、ステップ、および論理ブロック図を実施または実行し得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサまたは任意の従来のプロセッサであり得る。本出願の実施形態で開示される方法におけるステップは、ハードウェアデコーディングプロセッサによって、またはデコーディングプロセッサにおいてハードウェアとソフトウェアモジュールの組合せによって実施され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ、プログラマブルリードオンリーメモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリ、またはレジスタなど、当技術分野における成熟した記憶媒体に配置され得る。記憶媒体はメモリ801に配置され、プロセッサ802はメモリ801内の情報を読み出し、プロセッサ802内のハードウェアと組み合わせて、本出願の実施形態における、光モジュールの故障を予測するための装置、に含まれるユニットが実行する必要がある機能を完了し得るか、または、本出願の実施形態における、光モジュールの故障を予測するための方法を実行し得る。
【0178】
通信インタフェース803は、装置800と別のデバイスまたは通信ネットワークとの間の通信を実施するために、限定ではないがたとえば、トランシーバタイプのトランシーバ装置を使用する。たとえば、動作パラメータに対応するサンプルシーケンスおよび動作パラメータに対応する分類サンプルセットは、通信インタフェース803を介して取得され得る。
【0179】
バス804は、装置800のコンポーネント(たとえば、メモリ801、プロセッサ802、および通信インタフェース803)間で情報が送信されるチャネルを含み得る。
【0180】
図8に示される装置800は、メモリ、プロセッサ、および通信インタフェースのみを示しているが、具体的な実装プロセスでは、当業者は、装置800が、通常の実行を実施するために必要な他のコンポーネントをさらに含むことを理解するべきであることが留意されるべきである。さらに、具体的な要件に基づいて、当業者は、装置800が、他の追加機能を実施するためのハードウェアコンポーネントをさらに含み得ることを理解するべきである。さらに、当業者は、装置800が、本出願の実施形態を実施するために必要なコンポーネントのみを含み得、図8に示されるすべてのコンポーネントを含む必要はないことを理解するべきである。
【0181】
装置800は、本出願の実施形態におけるアナライザに相当することが理解されるべきである。当業者は、本明細書において開示されている実施形態で説明される例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せによって実施され得ることを認識し得る。機能がハードウェアによって実行されるのか、それともソフトウェアによって実行されるのかは、特定のアプリケーションおよび技術ソリューションの設計制約に依存する。当業者は、説明されている機能を各特定のアプリケーション用に実施するために異なった方法を使用し得るが、それは本出願の範囲を逸脱すると考えられるべきではない。
【0182】
本出願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されたとき、コンピュータは前述の方法の実施形態で提供される方法を実行することを可能にされる。
【0183】
本出願の一実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品をさらに提供し、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されたとき、コンピュータは前述の方法の実施形態で提供される方法を実行することを可能にされる。
【0184】
本出願の一実施形態は、システムをさらに提供する。システムは、コレクタと、光モジュールの故障を予測するための装置と、光モジュールとを含む。コレクタは、光モジュールに関連する動作パラメータの測定値を収集するように構成され、収集された測定値を光モジュールの故障を予測するための装置に送信する。光モジュールに関連する動作パラメータの測定値は、事前設定された期間における、光モジュールの、検出されるシーケンス、動作パラメータに対応するサンプルシーケンスなどを含み得る。光モジュールの故障を予測するための装置は、コレクタによって送信される、光モジュールに関連する動作パラメータの測定値を受信し、測定値に基づいて図3から図6のいずれか1つの方法を実行する、ように構成される。
【0185】
光モジュールの故障を予測するための装置は、図1に示されるアナライザ、図7に示される装置700、または図8に示される装置800であり得る。
【0186】
上述は、システムが1つの光モジュールを含む例を使用している。実際の展開では、システムは複数の光モジュールを含み得、コレクタは各光モジュールに関連する動作パラメータの測定値を収集する必要がある。
【0187】
当業者は、本明細書において開示されている実施形態で説明される例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せによって実施され得ることを認識し得る。機能がハードウェアによって実行されるのか、それともソフトウェアによって実行されるのかは、特定のアプリケーションおよび技術ソリューションの設計制約に依存する。当業者は、説明されている機能を各特定のアプリケーション用に実施するために異なった方法を使用し得るが、それは本出願の範囲を逸脱すると考えられるべきではない。
【0188】
便宜的かつ簡潔な説明のために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照されたく、詳細は本明細書において再度記載されていないことが当業者によって明確に理解され得る。
【0189】
本出願で提供されるいくつかの実施形態では、開示されるシステム、装置、および方法は、他の方法で実施され得ることが理解されるべきである。たとえば、説明された装置の実施形態は、単なる一例に過ぎない。たとえば、ユニット区分は、単に論理的な機能区分に過ぎず、実際の実施では別の区分であってもよい。たとえば、複数のユニットまたはコンポーネントが、別のシステムに組み合わされるかもしくは統合されてもよく、または、いくつかの特徴が無視されるかもしくは実行されなくてもよい。さらに、表示または議論されている相互連結もしくは直接的連結または通信接続は、いくつかのインタフェースを使用して実施されてもよい。装置またはユニット間の間接的連結または通信接続は、電子的、機械的または他の形態で実施されてもよい。
【0190】
別々の部品として記載されているユニットは、物理的に別々であってもなくてもよく、また、ユニットとして表示されている部品は、物理的ユニットであってもなくてもよく、1つの場所に配置されていてもよいか、または複数のネットワークユニット上に分散されていてもよい。ユニットのいくつかまたはすべてが、実施形態のソリューションの目的を達成するための実際の要件に基づいて選択されてもよい。
【0191】
さらに、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、またはユニットのそれぞれが物理的に単独で存在してもよく、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
【0192】
前述の説明は、単に本出願の具体的な実施態様に過ぎず、本出願の保護範囲を限定することは意図されていない。本出願で開示されている技術範囲内で当業者によって容易に考え付かれる一切の変形または置換は、本出願の保護範囲内に収まるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、請求項の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0193】
700 装置
701 第1の取得モジュール
702 第2の取得モジュール
703 故障予測モジュール
704 前処理モジュール
705 故障予測モデル
706 第3の取得モジュール
707 トレーニングモジュール
708 第4の取得モジュール
709 計算モジュール
800 装置
801 メモリ
802 プロセッサ
803 通信インタフェース
804 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8