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  • 特許-導電粒子、導電材料および接続構造体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】導電粒子、導電材料および接続構造体
(51)【国際特許分類】
   H01B 5/00 20060101AFI20220802BHJP
   H01B 5/16 20060101ALI20220802BHJP
   H01B 1/00 20060101ALI20220802BHJP
   H01B 1/22 20060101ALI20220802BHJP
   H01R 11/01 20060101ALI20220802BHJP
   C23C 18/34 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H01B5/00 C
H01B5/00 G
H01B5/00 M
H01B5/16
H01B1/00 C
H01B1/00 G
H01B1/00 M
H01B1/22 A
H01B1/22 D
H01B1/22 B
H01B1/00 E
H01B5/00 E
H01R11/01 501A
C23C18/34
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020014120
(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2021027027
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2021-04-05
(31)【優先権主張番号】10-2019-0092974
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520037876
【氏名又は名称】ドゥクサン ハイ メタル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】キム、キュン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、スン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ペ、チャン ワン
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ グン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン テ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュン ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】リン、ヨン ジン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、 ユン ソ
(72)【発明者】
【氏名】チュ、ヨン チョル
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-110834(JP,A)
【文献】特開2015-118932(JP,A)
【文献】特開2016-027558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 5/00
H01B 5/16
H01B 1/00
H01B 1/22
H01R 11/01
C23C 18/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極同士の間に含まれて前記電極同士を電気的に接続する導電性粒子であって、
前記電極のうちの少なくとも一つは、表面に酸化皮膜が備えられ、
前記導電性粒子は、絶縁コアと、前記絶縁コアの表面上に備えられる、突起が一体形成された突起付き伝導層とを含む導電粒子であり、
前記突起と前記伝導層は、
(a)ベースをなす第1元素と、
(b)P及びBからなる群から選択される少なくとも1つ以上の元素と、
(c)Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、およびPtよりなる群から選択される少なくとも1種の第2元素と、を含み
前記少なくとも1種の第2元素は、前記突起付き伝導層の厚さ方向に沿ってのArea方式による前記突起付き伝導層の濃度測定において、前記絶縁コアと接する部分、中間部分、及び突起領域の順に濃度が増加し、前記突起付き伝導層の厚さ方向に沿ってのラインプロファイルによる前記突起付き伝導層の濃度測定において、伝導層側から突起側に向かう際に少なくとも1回部分的に濃度の増加及び減少が起こる分布を有し、
前記突起付き伝導層における突起を有する領域は、伝導層の肉厚部である、
導電粒子。
【請求項2】
前記少なくとも1種の第2元素の、前記絶縁コアと接する部分における濃度である第1の濃度は、0.01wt%~0.16wt%の範囲内である、請求項1に記載の導電粒子。
【請求項3】
前記絶縁コアは、樹脂微粒子またはハイブリッド粒子であり、
前記樹脂微粒子が、ウレタン系、スチレン系、アクリレート系、ベンゼン系、エポキシ系、アミン系、およびイミド系から選択された単量体またはこれらの変形単量体または前記単量体の混合単量体の共重合体である、請求項1に記載の導電粒子。
【請求項4】
前記ハイブリッド粒子は、有機コアと該有機コアを取り囲む無機シェルとを備えた構造の粒子であるか、或いは無機コアと該無機コアを取り囲む有機シェルとを備えた構造の粒子であり、
前記有機コアまたは有機シェルが、ウレタン系、スチレン系、アクリレート系、ベンゼン系、エポキシ系、アミン系およびイミド系から選択された単量体またはこれらの変形単量体または前記単量体の混合単量体から提供されるものである、請求項に記載の導電粒子。
【請求項5】
前記伝導層さらに絶縁層または絶縁粒子が設けられている、請求項1に記載の導電粒子。
【請求項6】
前記導電粒子の伝導層が防錆処理されたものである、請求項1に記載の導電粒子。
【請求項7】
第1元素であるニッケルベース合金メッキ液に絶縁コアを投入して分散させる分散処理ステップと、
分散処理されたメッキ液に合金元素を分割投入して前記絶縁コア上に突起付き伝導層を形成する突起付き伝導層形成ステップとを含み、
前記分散処理ステップにおいては、前記ニッケルベース合金メッキ液に、PおよびBよりなる群から選択される少なくとも1種の元素の前駆体を含む溶液を投入し、
前記突起付き伝導層形成ステップにおいては、前記分散処理されたメッキ液に、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、およびPtよりなる群から選択される少なくとも1種の第2元素の前駆体を含む溶液を分割投入し、
ここで、前記少なくとも1種の第2元素は、前記突起付き伝導層の厚さ方向に沿ってのArea方式による前記突起付き伝導層の濃度測定において、前記絶縁コアと接する部分、中間部分、及び突起領域の順に濃度が増加し、前記突起付き伝導層の厚さ方向に沿ってのラインプロファイルによる前記突起付き伝導層の濃度測定において、伝導層側から突起側に向かう際に少なくとも1回部分的に濃度の増加及び減少が起こるように、前記突起付き伝導層に含まれ
前記突起付き伝導層は、突起が一体形成された伝導層であり
前記突起付き伝導層における突起を有する領域は、伝導層の肉厚部である、
導電粒子の製造方法。
【請求項8】
前記突起付き伝導層に疎水性防錆物質を用いて前記伝導層の最外殻面を防錆処理するステップをさらに含む、請求項に記載の導電粒子の製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の導電粒子を含む異方性導電材料。
【請求項10】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の導電粒子を含む接続構造体。
【請求項11】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の導電粒子を含む電気および電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電粒子、導電材料および接続構造体に係り、より詳細には、絶縁体コアの表面部に突起を有し、合金元素の濃度が外殻側、さらに突起側に行くほど増加する組成の伝導層を含むことにより、導電材料の導電体としての使用時に電極の酸化皮膜を容易に突き破り、導電粒子の伝導層の変形を最小限に抑えるうえ、高温/高湿信頼性にも優れた導電粒子、導電材料および接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
導電粒子は、硬化剤、接着剤、樹脂バインダーと混合されて分散した形態で使用される異方性導電材料、例えば、異方性導電フィルム(Anisotropic conductive film)、異方性導電接着剤(Anisotropic conductive adhesive)、異方性導電ペースト(Anisotropic conductive paste)、異方性導電インク(Anisotropic conductive ink)、異方性導電シート(Anisotropic conductive sheet)などに使われている。
【0003】
前記異方性導電材料は、FOG(Film on glass;フレキシブル基板-ガラス基板)、COF(Chip on film;半導体チップ-フレキシブル基板)、COG(Chip on glass;半導体チップ-ガラス基板)、FOB(Film on board;フレキシブル基板-ガラスエポキシ基板)などに使われている。
【0004】
前記異方性導電材料は、例えば、半導体チップとフレキシブル基板とを接合すると仮定すれば、フレキシブル基板上に異方性導電材料を配置し、半導体チップを積層して加圧/加熱状態で異方性導電材料を硬化させることにより、導電粒子が基板の電極と半導体チップの電極とを電気的に接続する接続構造体を実現することができる。
【0005】
導電粒子は、前記異方性導電材料に使用される場合、硬化剤、接着剤、樹脂バインダーなどと一緒に混合されて使用され、加圧/加熱後に接続構造体となる場合、異方性導電材料の硬化/接着によって上/下電極間の電気接続を維持する。
【0006】
電極間の電気接続を維持するにあたり、電子機器のエネルギー効率は、抵抗が低いほど有利な面がある。また、最近、電子機器の高性能化により、同じ電極を活用してより多くの電流を印加する傾向がある。したがって、導電粒子を用いた電極間の接合では、初期接続抵抗が低いこと、および高温/高湿評価、例えば85℃/85%信頼性評価以後の抵抗の増加が低いことが有利である。すなわち、初期抵抗および信頼性評価以後の抵抗が低いことが、異方性導電材料に使用する導電粒子の性能に最も重要なポイントである。
【0007】
電子機器に使用される電極は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)などの透明電極を除いて、電気伝導性に優れた金属を使用する。すべての金属は、空気中に曝露した場合、曝露時間と曝露環境に影響を受けて酸化速度は異なるものの、酸化被膜が形成される。電子機器の性能と製造上の利点を得るために、Ti、Alなどの金属を使用したりもする。
【0008】
したがって、導電粒子が、電極間の接続抵抗を下げるために、金属の酸化皮膜を破壊して接続抵抗を下げようとする研究が進められてきた。
【0009】
そのため、電極の表面に酸化皮膜が強くない金属電極には、導電粒子伝導層の外殻に突起を形成して導電粒子と電極間の接触面積をより大きくし、弱い酸化層を突き破ることができる方法を提示した(日本特許第4674096B9号、同第4593302B9号、同第4860163B9、同第3083535B9号参照)
【0010】
また、より強い酸化膜が形成された電極の場合、P、B、Pd、Ti、Wなどの合金を添加して伝導層の強度を高めて電極の酸化層を突き破ることができる方法を提示した(日本特許第5297569B9号、日本特許第6276351B9号、日本特開2015-118932A号、日本特開2015-110834A号、日本特許第5636118B9、日本特許第6004983B9号、日本特許第6009933B9号参照)。
【0011】
しかし、これらの方法は、導電粒子が酸化皮膜を突いて入り込むことだけに焦点が合わせられているので、実質的な接続抵抗の減少には限界がある。すなわち、上限電極の接合時に導電粒子の伝導層の変形に伴う導電粒子伝導層の抵抗の増加を考慮していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の実施形態が解決しようとする技術的課題は、従来技術の問題点を解決して、電極の酸化皮膜を容易に突き破り、電極間の接合時に導電粒子の伝導層の変形を最小限に抑え、導電粒子の自体抵抗の増加を低く維持して初期接続抵抗値が低く、高温/高湿の下でも抵抗の増加度も下げることができるため信頼性に優れた導電粒子、異方性導電材料および接続構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある観点による導電粒子は、
電極同士の間に含まれて前記電極同士を電気的に接続する導電性粒子であって、前記電極のうちの少なくとも一つは、表面に酸化皮膜が備えられ、
前記導電性粒子は、絶縁コアと、前記コアの表面上に備えられる突起付き伝導層とを含む導電粒子であり、
前記突起と前記伝導層は、ベースをなす第1元素と、P、B、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、およびPtよりなる群から選択される少なくとも1種の第2元素とからなる合金であり、
前記少なくとも1種の第2元素は、前記伝導層の内側で第1濃度を有し、メッキ側の外側で第2濃度を有し、前記第2濃度は、前記第1濃度よりも大きいことを特徴とする。
【0014】
このとき、前記第1濃度は0wt%乃至0.2wt%の範囲内であり、前記第2濃度は0.2wt%超過100wt%以下の範囲内であることが好ましい。
【0015】
前記第1濃度と前記第2濃度との間で、前記少なくとも1種の第2元素の濃度は、ラインプロファイルによる測定時に少なくとも1回部分的に増加と減少がなされる。
【0016】
また、前記絶縁コアは、樹脂微粒子またはハイブリッド粒子であり得る。
【0017】
前記樹脂微粒子は、ウレタン系、スチレン系、アクリレート系、ベンゼン系、エポキシ系、アミン系およびイミド系から選択された単量体またはこれらの変形単量体または前記単量体の混合単量体の共重合体であり得る。
【0018】
また、前記ハイブリッド粒子は、有機コアと該有機コアを取り囲む無機シェルとを備えた構造の粒子であるか、或いは無機コアと該無機コアを取り囲む有機シェルとを備えた構造の粒子であり得る。
【0019】
前記有機コアまたは有機シェルは、ウレタン系、スチレン系、アクリレート系、ベンゼン系、エポキシ系、アミン系およびイミド系から選択された単量体またはこれらの変形単量体または前記単量体の混合単量体から提供されるものであり得る。
【0020】
また、前記伝導層に絶縁層または絶縁粒子をさらに含むことができる。
【0021】
また、前記導電粒子の伝導層が防錆処理されたものであり得る。
【0022】
本発明の他の観点による導電粒子の製造方法は、
ニッケルベース合金メッキ液に絶縁コアを投入して分散させる分散処理ステップと、分散処理されたメッキ液に濃度勾配を増加させようとする合金元素を分割投入して突起付き伝導層を形成するとともに、前記絶縁コアの粒子側から前記突起側方向に行くほど当該合金元素の濃度勾配が増加する突起付き伝導層形成ステップとを含む。
【0023】
このとき、前記突起付き伝導層形成ステップで、前記分散処理されたメッキ液に、P、B、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、およびPtよりなる群から選択される少なくとも1種の元素の前駆体を含む溶液を分割投入して、濃度勾配をもって突起付き伝導層を形成し得る。
【0024】
また、前記分散処理ステップで、前記ニッケルベース合金メッキ液に、PおよびBよりなる群から選択される少なくとも1種の元素の前駆体を含む溶液を投入し、
前記突起付き伝導層形成ステップで、前記分散処理されたメッキ液に、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、およびPtよりなる群から選択される少なくとも1種の元素の前駆体を含む溶液を分割投入して、濃度勾配をもって突起付き伝導層を形成し得る。
【0025】
このとき、突起付き伝導層に疎水性防錆物質を用いて前記伝導層の最外殻面を防錆処理するステップをさらに含むことができる。
【0026】
本発明の他の観点による異方性導電材料は、前述した導電粒子を含む異方性導電材料である。
【0027】
本発明の他の観点による異方性導電材料は、前述した導電粒子を含む接続構造体である。
【0028】
本発明の他の観点による異方性導電材料は、前述した導電粒子を含む電気および電子部品である。
【発明の効果】
【0029】
本発明の実施形態による導電粒子は、初期電気抵抗が低いだけでなく、高温/高湿信頼性試験以後も抵抗上昇が低い異方性導電材料および接続構造体を製造することができる。
【0030】
すなわち、本発明の実施形態による導電粒子は、電極の酸化皮膜を容易に突き抜くだけでなく、電極間の接合時に導電粒子の伝導層の変形を最小限に抑え、壊れないほど導電粒子自体の抵抗の増加を低く維持して初期接続抵抗値が低く、接続信頼性を高めるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態による突起付き伝導層が絶縁樹脂コア粒子を包み込む構造を示し、図面におけるP1、P2、P3は、突起付き伝導層を構成する合金元素の含有量をArea方式で測定した地点を示すものである。
図2】本発明の実施例と比較例による導電粒子において絶縁樹脂のコア粒子側(図1のP1地点に該当)、伝導層(図1のP2地点に該当)、伝導層の外殻の突起側(図1のP3地点に該当)に分けてラインプロファイル方式で測定したことを示すものである。
図3図2のラインプロファイル(Line Profile)測定結果であって、本発明の実施例1による突起付き伝導層を構成する合金元素のうち、タングステン(W)の含有量(wt%)の変化を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を詳細に説明するに先立ち、本明細書で使用された用語は、特定の実施形態を記述するためのものに過ぎず、添付する特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定しようとするものではないことを理解すべきである。本明細書に使用されるすべての技術用語および科学用語は、他の記載がない限り、技術的に通常の技術を有する者に一般的に理解されるのと同じ意味を持つ。
【0033】
本明細書および請求の範囲の全般にわたり、他の記載がない限り、含む「(comprise、comprises、comprising)」という用語は、記載された物、ステップまたは一群の物、およびステップを含むことを意味し、任意のいずれかの他の物、ステップまたは一群の物または一群のステップを排除する意味で使用されたものではない。
【0034】
一方、本発明の様々な実施形態は、明確な反対の指摘がない限り、その他のいずれかの他の実施形態と組み合わせられ得る。特に好ましいか有利であると指示するある特徴も、好ましいか有利であると指示したその他のいずれかの特徴および複数の特徴と組み合わせられ得る。
【0035】
異方性導電材料のうち、異方性導電フィルムは、樹脂フィルム中に導電粒子が分散した形態で構成され、接合しようとする電極と電極との間に異方性導電フィルムを位置させ、加熱/加圧条件で異方性導電材料を硬化して上下の電極を導電粒子で接続する方法を使用する。または、加圧条件で紫外線などの光線を利用して光硬化方法などで上下の電極を導電粒子で接続する方法を使用する。
【0036】
前記電極は、透明電極、例えばITO、IZO、ZNO(Zinc Oxide)など以外は、電気抵抗を考慮して一般に金属を使用している。金属の場合は、放置される場所および環境、時間などに影響されるが、一般的に錆、すなわち酸化現象を起こして本来の物性を継続的に維持しない現象が起こる。そのため、金属を電極として使用する場合、自然に金属電極の表面に酸化層が形成され、前記酸化層は抵抗を高める役割を果たす。よって、接続抵抗を低くするためには、前記酸化層を突き破ることができる導電粒子が必要である。
【0037】
前記酸化層を突き破ることができる従来の方法は、導電粒子の表面に突起を形成する方法を使用した。このような方法は、金属酸化層が比較的弱い金属電極に使用した。しかし、最近の電子機器の高性能化、電極の微細パッチ化、および、一部の電子機器ではAl、Tiなどの酸化皮膜が非常に強い電極を使用することにより、従来の突起粒子では、接続抵抗が高くなって突起導電粒子の伝導層と突起に合金化を行って伝導層の強度を増加させ、酸化層を突き抜けて酸化層の下の純粋金属と接触して接続抵抗を下げようとする努力を多くした。
【0038】
しかし、伝導層が合金化されて強度が増加すると、突起が酸化層を突き破るには良いが、突起内側の伝導層は、接合時に導電粒子の変形が多くなるとき、容易に壊れてしまう現象が現れ、結果的に信号が伝達される経路が狭くなって抵抗が上昇する現象が現れる。
【0039】
かかる問題点を解決するために、本発明の実施形態による導電粒子は、図1に示した構造と組成で提供するものであって、以下で具体的に説明する。
【0040】
<導電粒子>
【0041】
本発明の実施形態に係る導電粒子は、絶縁コア粒子に伝導層を形成し、伝導層の外殻には突起を有する。図1は本発明の一実施形態に係る導電粒子の模式図を示す。
【0042】
図1を参照すると、突起付き伝導層において前記酸化皮膜と接する部分は、合金を構成する一部または全部の合金元素が増加した濃度勾配を有し、絶縁コアと接する部分は、一部または全部の合金元素が低減した濃度勾配を有する。このように伝導層の突起領域、すなわち酸化皮膜と接する部分は、合金の含有量を増加させて強度を高めるとともに、絶縁コア側は合金の含有量を下げて信号伝達部分における接合時の割れ易さを解消することができる。
【0043】
本発明の実施形態に係る導電粒子は、電極同士の間に含まれて前記電極同士を電気的に接続する導電性粒子であって、前記電極のうちの少なくとも一つは、表面に酸化皮膜が備えられ、前記導電性粒子は、絶縁コアと、前記コアの表面上に備えられる突起付き伝導層とを含む導電粒子であって、前記突起と前記伝導層は、ベースをなす第1元素と、P、B、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、およびPtよりなる群から選択される少なくとも1種の第2元素とからなる合金であり、前記少なくとも1種の第2元素は、前記伝導層の内側で第1濃度を有し、メッキ側の外側で第2濃度を有し、前記第2濃度は、前記第1濃度よりも大きいことを特徴とする。
【0044】
本発明の実施形態によれば、伝導層の前記第1濃度は0wt%乃至0.2wt%の範囲内であり、前記第2濃度は0.2wt%超過100wt%以下の範囲内であり得る。
【0045】
また、伝導層の前記第1濃度は0wt%乃至0.1wt%の範囲内であり、前記第2濃度は0.1wt%超過95wt%以下の範囲内であり得る。
【0046】
また、伝導層の前記第1濃度は0wt%乃至0.1wt%の範囲内であり、前記第2濃度は0.1wt%超過85wt%以下の範囲内であり得る。
【0047】
また、伝導層の前記第1濃度は0wt%乃至0.1wt%の範囲内であり、前記第2濃度は0.1wt%超過70wt%以下の範囲内であり得る。
【0048】
また、伝導層の前記第1濃度は0wt%であり、前記第2濃度は0wt%超過100wt%以下の範囲内であり得る。
【0049】
本発明の実施形態によれば、前記第1濃度と前記第2濃度との間で前記少なくとも1種の濃度は、ラインプロファイルによる測定時に少なくとも1回部分的に増加と減少がなされるパターンを有することができる(図2および図3参照)。
【0050】
本発明の実施形態によれば、前記第1濃度を測定した方向から前記第2濃度を測定した方向に、すなわち、絶縁コアの粒子側方向から突出側方向に行くほどArea方式による測定時の濃度が増加するパターンを有することができる(図1参照)。
【0051】
前述したラインプロファイルによる測定とArea方式による測定は、EDSを用いた元素定量分析法の測定方式に該当する。
【0052】
このようなEDSを用いた元素の定量分析を行う方法は、Area、pointおよびline profileの3つの方式で分析を行うことができる。
【0053】
ここで、Area方式は、別に特定しない限り、広い面積の元素を平均的に測定するための方式を指すもので、合金元素の平均濃度の測定に使用される方式である。
【0054】
point方式は、別に特定しない限り、微小地域の元素を分析するための方式を指すもので、主に不純物の偏析分析に使用される方式である。
【0055】
また、ラインプロファイル(line profile)方式は、別に特定しない限り、元素の濃度の変化がどのように進行するかを調べるための方式であって、内部から外部または厚さ方向に元素の濃度の変化がどのように進行するかを分析する方式を指す。このようなEDS測定条件は、別に特定しない限り、200kV、200secの条件を基準とする。
【0056】
前記導電粒子の絶縁コア粒子は、特に限定されない。例えば、樹脂粒子または有無機ハイブリッド粒子を使用してもよい。
【0057】
前記樹脂粒子は、ウレタン系、スチレン系、アクリレート系、ベンゼン系、エポキシ系、アミン系、イミド系等の単量体またはこれらの変形単量体または前記単量体の混合単量体を用いて、シード重合、分散重合、懸濁重合、乳化重合などの方法で重合して得られる共重合体である。
【0058】
前記有無機ハイブリッド粒子は、コアシェル構造を有する場合、コアが有機であるときにシェルは無機であり、コアが無機であるときにシェルは有機である。ここで、使用される有機は、前記単量体または変形単量体または混合単量体を用い、使用される無機は、SiO、TiO、Al、ZrOを始めとする酸化物、AlN、Si、TiN、BaNを始めとする窒化物、WC、TiC、SiCを始めとする炭化物などを用いることができる。
【0059】
シェルを形成する方法としては、化学的コーティング法、ゾルゲル法、スプレーコーティング法、CVD(化学的蒸着法)、PVD(物理的蒸着法)、メッキ法などが挙げられる。
【0060】
また、有機マトリックス内に無機粒子が分散した形態も可能であり、無機マトリックスに有機粒子が分散した形態、および有機/無機が50:50で互いに分散した形態も可能である。
【0061】
前記導電粒子の伝導層は、NiベースにP、B、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、Ptなどの元素が1種またはそれ以上で構成できる。例えば、Ni-P、Ni-B、Ni-W、Ni-Mo、Ni-Coのように1種の合金成分で構成できる。
【0062】
また、前記導電粒子の伝導層は、NiベースにP、B、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、Ptなどの元素が1種またはそれ以上で構成され、前記伝導層に設けられる突起は、W、Mo、Pd、Co、Ptなどの元素が1種またはそれ以上で構成されるものであり得る。例えば、Ni-P-Pd、Ni-B-Pd、Ni-P-Co、Ni-B-Co、Ni-PW、Ni-BWなどの2種の合金成分で構成できる。または、Ni-P-Co-Mo、Ni-B-Co-Mo、Ni-P-Pd-W、Ni-B-Pd-Wなどの3種の合金成分で構成できる。その他、4種以上の合金成分で構成できる。また、合金元素を用いて複数層の合金層を構成することができる。このような合金および層の構成は、内部から外部に行くほど強度が増加するようにする役割を果たす。
【0063】
前記導電粒子の伝導層の厚さは、30~300nm程度が適切である。伝導層の厚さが薄ければ、抵抗値が増加し、伝導層の厚さがあまりに厚ければ、異方性導電材料の加熱/加圧の接合条件で導電粒子が少なく変形しても、伝導層と絶縁コアの剥離が起こって製品の信頼性が低下する。好ましい厚さは80~200nmである。
【0064】
前記導電粒子の伝導層の表層に金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を含む場合もある。これは、導電粒子の伝導度を高め、酸化防止効果も得ることができるためである。前記表層の形成方法は、特に限定されず、従来の公知の技術、例えば一般なスパッタリング、メッキ、蒸着などを使用することができる。
【0065】
前記導電粒子の突起の形状は、特に限定されず、球状、楕円形、多数の粒子が集まって群集をなす形状であってもよい。最も好ましい突起の形状は、山形が良い。
【0066】
突起は、大きさが特に限定されず、50~500nmの凸型であることが好ましい(図1参照)。突起の大きさがあまり小さいか大きければ、金属酸化層とバインダー樹脂を壊すことができる効果が弱くなるため、さらに好ましい突起の大きさは100~300nmである。
【0067】
本発明の実施形態に係る導電粒子の製造方法は、特に限定されない。例えば、絶縁コア樹脂微粒子の表面に触媒物質を付与し、無電解メッキを介して導電層と突起を形成することができる。小さい金属または無機粒子を絶縁微粒子に結び付け、無電解メッキを施して伝導層と突起を形成することもできる。但し、増加した含有量勾配を提供しようとする合金の構成成分は、多段階で投入することが好ましく、以下、別途の項目によって具体的に説明する。
【0068】
本発明の実施形態に係る導電粒子の最外殻には絶縁層があることが好ましい。電子製品の小型化と集積度が高くなるほど電極のピッチが小さくなり、最外殻に絶縁粒子が存在しない場合に隣接電極と電気的に通電する現象が発生する。
【0069】
絶縁層を形成する方法には、絶縁粒子を導電粒子の最外殻に官能基を用いて化学的に結び付ける方法、絶縁溶液を溶媒に溶かした後、噴射或いは浸漬でコーティングする方法などがある。
【0070】
本発明の導電粒子の伝導層には防錆処理を施すことが好ましい。なぜなら、防錆処理は水との接触角を大きくして高湿環境での信頼性を高め、不純物が水に溶けて接続部材の性能低下を少なくするという効果がある。よって、防錆剤は、リン酸を含むリン酸エステル系またはその塩系、シランを含むアルコキシシラン系、チオールを有するアルキルチオール系、硫化物を有する二硫化ジアルキル系などを含む疎水性防錆剤を使用することが好ましい。防錆剤を溶媒に溶かした後、浸漬、噴射などの方法を使用することができる。
【0071】
前記導電粒子の大きさは、特に限定されないが、好ましくは6μm以下であるが、さらに好ましくは5μm以下である。なぜなら、本発明の導電粒子を用いて製造された異方性導電材料が使用されるところは、電極の間隔が非常に小さいため、6μm以上はほとんど使用しないためである。
【0072】
<導電粒子の製造方法>
【0073】
本発明の実施形態に係る導電粒子の製造方法は、絶縁コア分散ステップ(S1)、突起付き伝導層形成ステップ(S2)および防錆ステップ(S3)を含むことができ、ここで、防錆ステップ(S3)は選択的に含まれ得る。
【0074】
このとき、絶縁コア分散ステップ(S1)は、絶縁コア粒子合成ステップ(S1a)およびメッキ触媒活性化ステップ(S1b)を含む。
【0075】
まず、絶縁コア粒子合成ステップ(S1a)では、ウレタン系、スチレン系、アクリレート系、ベンゼン系、エポキシ系、アミン系、イミド系等などの単量体またはこれらの変形単量体または前記単量体の混合単量体を用いて、シード重合、分散重合、懸濁重合、乳化重合などの方法で重合して共重合体を製造する。
【0076】
前記有無機ハイブリッド粒子は、コアシェル構造を有する場合、コアが有機であるときにシェルは無機であり、コアが無機であるときにシェルは有機である。ここで、使用される有機は、前記単量体または変形単量体または混合単量体を用い、使用される無機は、SiO、TiO、Al、ZrOを始めとする酸化物、AlN、Si、TiN、BaNを始めとする窒化物、WC、TiC、SiCを始めとする炭化物などを用いることができる。
【0077】
シェルを形成する方法としては、化学的コーティング法、ゾルゲル、スプレーコーティング法、CVD(化学的蒸着法)、PVD(物理的蒸着法)、メッキ法などが挙げられる。
【0078】
また、有機マトリックス内に無機粒子が分散した形態も可能であり、無機マトリックスに有機粒子が分散した形態、および有機/無機が50:50で互いに分散した形態も可能である。
【0079】
一例として、前記有機物質としては、エトキシレートトリアクリレート単量体とエトキシレートジアクリレート単量体を用いて溶媒と重合開始剤とを混合した溶液を分散処理する。この時、分散処理としては、超音波を用いたホモジナイザー処理を含むことができる。
【0080】
また、前記分散処理液に、分散安定剤と界面活性剤を含む溶液を投入し、昇温条件の下で重合工程処理してコア樹脂微粒子を形成する。
【0081】
次いで、メッキ触媒活性化ステップ(S1b)では、先立ってS1aステップで製造された絶縁コア粒子を無電解メッキ触媒として活性化する。このとき、メッキ触媒活性化ステップ(S1b)で使用するメッキ触媒は、同じ効果を提供することができるものであれば、小さい金属または無機粒子を絶縁微粒子に結び付けることで代替してもよい。
【0082】
具体的に、メッキ触媒活性化ステップ(S1b)は、絶縁コア粒子を界面活性剤処理した後、無電解メッキ触媒を鋭敏化処理することに公知の様々な方法を用いて前処理し、その後、鋭敏化処理された絶縁コア粒子を、無電解金属メッキ触媒の前駆体を含む溶液に投入し、活性化処理を行う。
【0083】
このように活性化処理された絶縁コア粒子は、強酸を含む溶液に入れ、常温下で攪拌して加速化処理を行うことにより、無電解メッキのための触媒処理絶縁コア粒子を得る。
【0084】
次に、突起付き伝導層形成ステップ(S2)は、絶縁コア分散ステップ(S2a)と、濃度勾配が増加する突起付き伝導層形成ステップ(S2b)とを含む。
【0085】
前記絶縁コア分散ステップ(S2a)は、ニッケルベース合金メッキ液に絶縁コアを投入して分散させる。
【0086】
前記ニッケルベース合金メッキ液は、ニッケル合金元素の前駆体、錯化剤、乳酸、安定剤、界面活性剤を順次溶解して製造する。
【0087】
製造されたメッキ液には、前記(S1b)ステップで得られた触媒処理絶縁コア粒子を投入し、超音波ホモジナイザーを用いて分散処理を行う。
【0088】
分散処理液のpHをアンモニア水などを用いてpH5.5~6.5に調節することが、後述する伝導層形成ステップ(S2b)において、初期Ni還元反応で絶縁粒子と伝導層との密着力および分散性を良くすることができるため好ましい。pHが5.5未満、例えばpH4以下では、密着力と分散性は良いが、反応性があまり低いため、一部の粒子がメッキされない可能性があり、pHが6.5を超えて高い場合には、Niの異常析出により導電層の表面が粗く生成されて密着力と分散性が不良になるおそれがある。
【0089】
次いで、分散処理されたメッキ液に投入された絶縁コアに、濃度勾配が増加する突起付き伝導層を形成する処理(S2b)を行う。
【0090】
一例として、前記分散処理されたメッキ液には、P、B、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、CoおよびPtよりなる群から選択される少なくとも一つの元素の前駆体を含む溶液を分割投入して、濃度勾配をもって突起付きる伝導層を形成する。
【0091】
他の例として、前記絶縁コア分散ステップ(S2a)で、前記ニッケルベース合金メッキ液に、PおよびBの中から選択された1種以上の前駆体を投入し、前記突起付き伝導層形成ステップ(S2b)で、前記分散処理されたメッキ液に、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、CoおよびPtの中から1種以上選択された元素の前駆体を含む合金元素を分割投入して、濃度勾配をもって突起付き伝導層を形成することができる。
【0092】
このとき、分割投入される合金元素は、10~30分間隔で2~5回に分割して投入することができ、15~25分間隔で2~4回に分割して投入することができる。このとき、投入量は、増加した含有量で分割投入するか、或いは必要に応じては連続して投入するが、投入速度に応じた投入量が一定の時間帯別に増加するようにすることが、突起側方向に行くほど濃度を増加させることができるため好ましい。
【0093】
前記分割投入の前後に、メッキ液のpHは、突起付き伝導層を形成するために投入される合金元素の種類に応じて制御された範囲内に維持することが好ましい。一例として、Pの前駆体を投入する場合には、pHを5.5~6.0の範囲内に維持することが好ましく、Bの前駆体を投入する場合には、pHを8.5~9.0の範囲内に維持することが好ましい。このとき、メッキ液のpHが低ければ、反応性が低いため突起形成に問題となり、pHがあまり高ければ、異常析出が過度に起こってメッキ液のバランスが崩れて不良メッキが起こる。
【0094】
また、温度上昇条件を付与することが、突起形成メカニズム中に異常析出を過度に起こさないため、所望の突起を形成することができてより好ましい。
【0095】
選択的に行う防錆ステップ(S3)は、防錆剤溶液に導電粒子を投入して行うことができるが、これに限定するものではない。
【0096】
前記防錆剤溶液としては、リン酸を含むリン酸エステル系またはその塩系、シランを含むアルコキシシラン系、チオールを有するアルキルチオール系、硫化物を有する二硫化ジアルキル系などを含む疎水性防錆剤を用いることができる。前記疎水性防錆剤としては、MSC社で販売する製品名SG-1を始めとする無電解ニッケル防錆剤を用いることができる。
【0097】
前記導電粒子を投入した後、超音波処理などを行うことができる。
【0098】
前記導電性粒子は、このような方式で電極同士の間に含まれて前記電極同士を電気的に接続する導電性粒子であって、前記電極のうちの少なくとも一つは表面に酸化皮膜が備えられ、絶縁コアと、前記コアの表面上に設けられる突起付き伝導層とを含む導電粒子であり、前記突起と前記伝導層は、ベースをなす第1元素と、P、B、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、CoおよびPtよりなる群から選択される少なくとも1種の第2元素からなる合金であり、
前記少なくとも1種の第2元素は、前記伝導層の内側で第1濃度を有し、メッキ側の外側で第2濃度を有し、前記第2濃度は、前記第1濃度よりも大きい導電粒子を製造することができる。
【0099】
<異方性導電材料>
【0100】
本発明の導電粒子をバインダー樹脂に分散させて異方性導電材料を製造することができる。異方性導電材料は、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電フィルム、異方性導電シートなどを挙げることができる。
【0101】
前記樹脂バインダーは、特に限定されない。例えば、スチレン系、アクリル系、酢酸ビニル系などのビニル系樹脂、ポリオレフィン系、ポリアミド系などの熱可塑性樹脂、ウレタン系、エポキシ系などの硬化性樹脂などを挙げることができる。前記樹脂を1種単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0102】
前記樹脂に、重合または硬化の目的でBPO(Benzoyl peroxide)などのラジカル開始剤、またはTPO(Timethylbenzoyl phenylphosphinate)などの光開始剤、HX3941HPなどのエポキシ潜在性硬化剤などを単独でまたは混合して使用することができる。
【0103】
また、異方性導電材料バインダー樹脂に、本発明の目的の達成に阻害されない範囲で他の物質を添加することができる。例えば着色剤、軟化剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、無機粒子などである。
【0104】
前記異方性導電材料の製造方法は、特に限定されない。例えば、樹脂バインダーに導電粒子を均一に分散させて異方性導電ペーストとして使用することができ、離型紙に薄く伸ばして異方性フィルムとしても使用することができる。
【0105】
<接続構造体>
【0106】
本発明の実施形態に係る接続構造体は、本発明の実施形態に係る導電粒子または本発明の実施形態に係る異方性導電材料を用いて回路基板間を接続するようにしたものである。例えば、スマートフォンのディスプレイ半導体チップと回路を構成するガラス基板、または回路を構成するフレキシブル基板との接続や、μ-LED、mini-LEDと回路基板との接続のための方法としても使用することができる。
【0107】
本発明の接続構造体は、回路の接続不良または抵抗の急激な増加による回路の誤作動を起こさない。
【0108】
以下、具体的且つ多様な実施形態を介して本発明をより詳細に説明する。これは、本発明の理解を助けようとするものであり、本発明の技術的思想を限定するものではない。
【実施例
【0109】
実施例1:導電粒子1の製造
【0110】
1)絶縁コア樹脂微粒子の製造(S1a)
【0111】
3LのガラスビーカーにモノマーTMPETA(Trimethylolpropane ethoxylate triacrylate)800g、HDEDA(1,6-Hexanediol ethoxylate diacrylate)50g、およびDVB(Divinylbenzene)800gを入れ、開始剤BPO5gを投入した後、40kHzの超音波浴(bath)で10分間処理して第1溶液を準備した。
【0112】
5LのPPビーカーに脱イオン水4,000gに分散安定剤PVP(Polyvinylpyrrolidone)-30K500gと界面活性剤Solusol(Dioctyl sulfosuccinate sodium salt)を入れて溶かし、第2溶液を準備した。
【0113】
前記第1溶液と第2溶液を50Lの反応器に入れ、脱イオン水41,000gを投入し、超音波ホモジナイザー(Homogenizer)(20kHz、600W)で90分処理し、120rpmで溶液を回転させながら85℃に昇温した。溶液が85℃に到達した後、16時間を維持して重合工程処理を行った。
【0114】
重合処理された微粒子をろ過、洗浄、分級、乾燥工程を経てコア樹脂微粒子を得た。前記製造されたコア樹脂微粒子の平均粒径は、粒径分析器(Particle Size Analyzer)(BECKMAN MULTISIZER TM3)によって測定されたモード(mode)値を用いた。この時、測定されたコア微粒子の数は75,000個であり、平均直径は3.02μmであった。
【0115】
2)触媒処理工程(S1b)
【0116】
前記製造された絶縁コア樹脂微粒子30gを800gの脱イオン水と1gの界面活性剤Triton X100の溶液に入れ、超音波浴で1時間処理して、絶縁コア樹脂微粒子に存在する余分の未反応モノマーと油成分を除去する洗浄および脱脂工程を行った。前記洗浄および脱脂工程の最後は、40℃の脱イオン水を用いて3回水洗工程を行った。
【0117】
次いで、Pd触媒処理を施した。塩化第一スズ150gと35~37%塩酸300gを脱イオン水600gに溶かした後、前記洗浄および脱脂処理された絶縁コア樹脂微粒子を投入し、30℃の条件で30分間浸漬および攪拌して鋭敏化処理を施した後、水洗を3回行った。
【0118】
鋭敏化処理された絶縁コア樹脂微粒子を1gの塩化パラジウム、200gの35~37%塩酸および600gの脱イオン水に投入し、40℃で1時間活性化処理を施した。活性化処理後、水洗工程を3回行った。
【0119】
活性化処理された絶縁コア樹脂微粒子を100gの35~37%塩酸および600gの脱イオン水の溶液に入れ、常温で10分間攪拌して加速化処理を施した。加速化処理後、水洗を3回行い、無電解メッキのための触媒処理絶縁コア樹脂微粒子を得た。
【0120】
3)絶縁コアの分散(S2a)
【0121】
5Lの反応器に3,500gの脱イオン水、Ni塩としての硫酸ニッケル260g、錯化剤としての酢酸ナトリウム5g、乳酸2g、安定剤としてのPb-酢酸塩0.001g、チオ硫酸ナトリウム0.001g、界面活性剤としての1gのPEG-1200、0.02gのTriton X100を順次溶解させてメッキ液(a-1)を製造した。製造された(a-1)溶液に、前記触媒処理された絶縁コア樹脂微粒子を投入し、超音波ホモジナイザー(Homogenizer)を用いて10分間分散処理を施した。分散処理後、アンモニア水を用いて溶液のpHを5.5に合わせた(溶液(b-1))。
【0122】
4)突起付き伝導層の形成(S2b)
【0123】
その後、1Lのビーカーに脱イオン水400g、還元剤としての次亜リン酸ナトリウム300g、および安定剤としてのチオ硫酸ナトリウム0.0001gを溶解して溶液(c-1)を準備した。
【0124】
脱イオン水100gに酢酸タングステン11gを溶解して溶液(d-1)を準備した。
【0125】
前記5Lの反応器(溶液(b-1))の温度を55℃に維持する状態で、溶液(c-1)を定量ポンプで分あたり10gの量で投入し、反応器の温度を35分で75℃に達するように加熱して維持した。
【0126】
この時、前記溶液(d-1)を、(c-1)溶液を投入してから10分後20g、40分後40g、60分後51g投入した。前記溶液(c-1)を投入するとき、メッキ液のpHは5.5~6.0を維持した。前記溶液(c-1)の投入が完了して30分間維持し、Ni-P-Wがメッキされた導電粒子を得た。
【0127】
前記製造された導電粒子は、粒直分析器(Particle Size Analyzer)(BECKMAN MULTISIZER TM3)によって測定されたモード(mode)値が3.27μmであった。
【0128】
前記製造された導電粒子の突起の大きさは、FE-SEM写真を利用して、最外側の最高点同心円(D)と最低点同心円(D)を用いて次のとおり求めることができる。
【0129】
突起の大きさ=(D-D)/2
【0130】
前記製造された導電粒子の突起の大きさは135nmであった。
【0131】
製造された導電粒子の形態を透過電子顕微鏡(TEM)を用いて確認し、図1に示した。図1に示すように、絶縁コア粒子を伝導層が包んでおり、伝導層に突起が形成されたことを確認することができた。
【0132】
実施例2:導電粒子2の製造
【0133】
実施例1の工程中の触媒処理工程まで同様に行った後、次のメッキ工程を行った。
【0134】
3-i)絶縁コアの分散(S2a)
【0135】
5Lの反応器に脱イオン水3,500g、Ni塩としての硫酸ニッケル265g、錯化剤としての酢酸ナトリウム5g、乳酸2g、安定剤としてのPb-酢酸塩0.001g、チオ硫酸ナトリウム0.001g、界面活性剤としての1gのPEG-1200、0.02gのTriton X100を順次溶解してメッキ液(a-2)を製造した。製造された(a-2)溶液に、前記触媒処理された絶縁コア樹脂微粒子を投入し、超音波ホモジナイザー(Homogenizer)を用いて10分間分散処理を施した。分散処理後、アンモニア水を用いて溶液のpHを8.5に合わせた(溶液(b-2))。
【0136】
4-i)突起付き伝導層の形成(S2b)
【0137】
1Lのビーカーに脱イオン水400g、還元剤としてのジメチルアミンボラン70g、安定剤としてのチオ硫酸ナトリウム0.0001gを溶解して溶液(c-2)を準備した。
【0138】
脱イオン水100gに酢酸タングステン15gを溶解して溶液(d-2)を準備した。
【0139】
前記5Lの反応器(溶液(b-2))の温度を20℃に維持する状態で、溶液(c-2)を定量ポンプで分あたり5.2gの量で投入し、反応器の温度を60分で45℃に達するよう加熱して維持した。
【0140】
この時、前記溶液(d-2)を、(c-2)溶液を投入してから20分後20g、40分後40g、60分後55g投入した。前記溶液(c-2)を投入するとき、メッキ液のpHは8.5~9.0を維持した。前記溶液(c-2)の投入が完了して30分間維持し、Ni-B-Wがメッキされた導電粒子を得た。前記製造された導電粒子は3.21μmであった。製造された導電粒子の突起の大きさは142nmであった。
【0141】
実施例3:導電粒子1の防錆処理
【0142】
脱イオン水500gにSG-1((株)エムエスシ製)20gを投入し、前記溶液の温度を60℃に維持した。実施例1で製造された導電粒子10gを、60℃に維持された溶液に入れた後、超音波処理を5分間実施した。超音波処理済みの導電粒子に対して洗浄、フィルタリング、乾燥工程を行うことにより、防錆処理された導電粒子を得た。
【0143】
乾燥した防錆処理導電粒子を脱イオン水に入れた場合、脱イオン水の上に浮かんでいる導電粒子の重量比が98%以上であることを確認することにより、防錆処理が施されたことを確認した。
【0144】
実施例4:導電粒子2の防錆処理
【0145】
脱イオン水500gにSG-1((株)エムエスシ製)20gを投入し、前記溶液の温度を60℃に維持した。実施例2で製造された導電粒子10gを、60℃に維持された溶液に入れた後、超音波処理を5分間実施した。超音波処理済みの導電粒子に対して洗浄、フィルタリング、乾燥工程を行うことにより、防錆処理された導電粒子を得た。
【0146】
乾燥した防錆処理導電粒子を脱イオン水に入れた場合、脱イオン水の上に浮かんでいる導電粒子の重量比が98%以上であることを確認することにより、防錆処理されたことを確認した。
【0147】
実施例5:導電粒子3の製造
【0148】
実施例2の工程中の絶縁コア分散工程まで同様に行った後、次のメッキ工程を行った。
【0149】
4-ii)突起付き伝導層の形成(S2b)
【0150】
1Lのビーカーに脱イオン水400g、還元剤としてのジメチルアミンボラン70gおよび安定剤としてのチオ硫酸ナトリウム0.0001gを溶解して溶液(c-2)を準備した。
【0151】
脱イオン水100gに酢酸タングステン20gを溶解して溶液(d-3)を準備した。
【0152】
前記5Lの反応器(溶液(b-2))の温度を20℃に維持する状態で、溶液(c-2)を定量ポンプで分あたり5.2gの量で投入し、反応器の温度が60分で45℃に達するように加熱して維持した。
【0153】
この時、前記溶液(d-3)を、(c-2)溶液を投入してから20分後20g、40分後45g、60分後55g投入した。前記溶液(c-2)を投入するとき、メッキ液のpHは8.5~9.0を維持した。前記溶液(c-2)の投入が完了して30分間維持し、Ni-B-Wがメッキされた導電粒子を得た。前記製造された導電粒子は3.25μmであり、製造された導電粒子の突起の大きさは138nmであった。
【0154】
実施例6:導電粒子4の製造
【0155】
実施例2の工程中の絶縁コア分散工程まで同様に行った後、次のメッキ工程を行った。
【0156】
4-iii)突起付き伝導層の形成(S2b)
【0157】
1Lのビーカーに脱イオン水400g、還元剤としてのジメチルアミンボラン70gおよび安定剤としてのチオ硫酸ナトリウム0.0001gを溶解して溶液(c-2)を準備した。
【0158】
脱イオン水100gに酢酸タングステン25gを溶解して溶液(d-4)を準備した。
【0159】
前記5Lの反応器(溶液(b-2))の温度を20℃に維持する状態で、溶液(c-2)を定量ポンプで分あたり5.2gの量で投入し、反応器の温度が60分で45℃に達するように加熱して維持した。
【0160】
この時、前記溶液(d-4)を、(c-2)溶液を投入してから5分後10g、20分後15g、40分後45g、60分後55g投入した。前記溶液(c-2)を投入するとき、メッキ液のpHは8.5~9.0を維持した。前記溶液(c-2)の投入が完了して30分間維持し、Ni-B-Wがメッキされた導電粒子を得た。前記製造された導電粒子は3.20μmであり、製造された導電粒子の突起の大きさは145nmであった。
【0161】
比較例1:導電粒子5の製造
【0162】
実施例1の工程中の触媒処理工程まで同様に行った後、次のメッキ工程を行った。
【0163】
3-iv)絶縁コアの分散(S2a)
【0164】
5Lの反応器に脱イオン水3,500g、Ni塩としての硫酸ニッケル260g、錯化剤としての酢酸ナトリウム5g、乳酸2g、安定剤としてのPb-酢酸塩0.001g、チオ硫酸ナトリウム0.001g、界面活性剤としての1gのPEG-1200、0.02gのTriton X100を順次溶解してメッキ液(a-1)を製造した。製造された(a-1)溶液に、前記触媒処理された絶縁コア樹脂微粒子を投入し、超音波ホモジナイザー(Homogenizer)を用いて10分間分散処理を施した。分散処理後、アンモニア水を用いて溶液のpHを5.5に合わせた(溶液(b-1))。
【0165】
4-iv)突起付き伝導層の形成(S2b)
【0166】
1Lのビーカーに脱イオン水400g、還元剤としての次亜リン酸ナトリウム300g、安定剤としてのチオ硫酸ナトリウム0.0001g、および酢酸タングステン15gを溶解して溶液(c-3)を準備した。
【0167】
前記5Lの反応器(溶液(b-1))の温度を55℃に維持する状態で、溶液(c-3)を定量ポンプで分あたり10gの量で投入し、反応器の温度が35分で75℃に達するように加熱して維持した。
【0168】
前記溶液(c-3)の投入が完了して30分間維持し、Ni-P-Wがメッキされた導電粒子を得た。
【0169】
前記製造された導電粒子は3.25μmであり、製造された導電粒子の突起の大きさは139nmであった。
【0170】
評価実験例
【0171】
実施例1~6および比較例1で得られた導電粒子についての評価を次のとおり行った。
【0172】
1)導電粒子のサイズ測定
【0173】
導電粒子の平均直径は、粒径分析器(Particle Size Analyzer)(BECKMAN MULTISIZER TM3)によって測定されたモード(mode)値を用いる。この時、測定された導電粒子の数は75,000個である。
【0174】
2)合金濃度の測定
【0175】
-前処理
【0176】
Helios NanoLab 600のFIB(Focused Ion Beam)を用いて、Cuグリッド(Cu grid)上に導電粒子を置いてPtコーティングを施した後、ミリング方法で分析用試験片を製作した。
【0177】
-濃度の分析
【0178】
製作された試験片をTalos F200X透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を用いて225k×倍率で観察し、EDS(Energy Dispersive X-Ray Spectrometer)を用いて200kVの条件で合金の濃度を測定した。濃度は、伝導層の絶縁樹脂微粒子側、中間、突起部分の3つの部分に分けて測定し、結果を図1に示した。
【0179】
また、合金の濃度測定に使用したTEM Line Scanの位置を図2に矢印で示した。前述したラインプロファイルで測定された合金の構成成分の一つであるタングステン(W)の測定濃度(%)の変化を図3に示した。
【0180】
3)接続抵抗の測定
【0181】
(1)異方性導電フィルムの製造
【0182】
ナフタレン系エポキシ樹脂HP4032D(DIC製)2g、フェノキシ樹脂YP-50(東都化成製)20g、アクリルエポキシ樹脂VR-60(昭和電工製)25g、熱硬化剤HXA-3922HP(朝日化学製)22g、およびエポキシシランカップリング剤A-187(モメンティブ社製)5gをよく混ぜた後、溶媒であるトルエンを用いて固形分50%の配合物を作った。前記導電粒子を配合物の重量比で10%となるように添加した後、自転公転式ミキサーを用いて公転400rpm、自転150rpmの条件で5分間混合して異方性導電ペーストを作った。前記異方性導電ペーストを用いて離型フィルム上に厚さ20μmのフィルムを作った後、75℃/5分間熱風乾燥炉を用いて大気中で乾燥させて最終厚さ12μmの異方性導電フィルムを作った。
【0183】
(2)抵抗測定用電極
【0184】
抵抗測定のための電極は、ガラス基板上にITO(Indium Tin Oxide)を蒸着して透明電極が形成されたガラス基板と電極幅20μm、電極間隔50μmのFPCBを製作した。電極のパターン(pattern)は、Cuベース(Cu base)にAlが最終コーティングされた。
【0185】
(3)接合
【0186】
前記異方性伝導フィルムを3mmの幅に切断し、幅1mm、長さ30mmの接合治具を用いて、ITOのあるガラス基板上に0.2MPa、120℃、10秒で仮圧着を行った後、FPCBをのせ、40MPa、200℃、20秒間接合を行って接続構造体を製作した。
【0187】
(4)初期接続抵抗の測定
【0188】
前記接続構造体のFPCBの電極を活用して抵抗を測定した。抵抗は、ADCMT 6871E Digital Multimeter 2probeを用いて測定した。
【0189】
(5)信頼性抵抗の測定
【0190】
信頼性抵抗は85℃/85%湿度の条件で100時間放置した後、抵抗を測定した。抵抗は、ADCMT 6871E Digital Multimeter 2probeを用いて測定した。
【0191】
初期接続抵抗に対する判定基準は、次のとおりである。
【0192】
OOO:1.5Ω以下
OO:1.5Ω超過2.5Ω以下
O:2.5Ω超過4.0Ω以下
X:4.0Ω超過
【0193】
85℃/85%100時間信頼性後の接続抵抗の上昇に対する判定基準は、次のとおりである。
【0194】
OOO:1.0Ω以下上昇
OO:1.0Ω超過2.0Ω以下上昇
O:2.0Ω超過4.0Ω以下上昇
X:4.0Ω超過上昇
【0195】
【表1】
【0196】
参照として、分析位置P1、P2、P3におけるNiの含有量は、実施例5でそれぞれ99.78wt%、98.42wt%、96.60wt%であって、絶縁コア側から突起側方向に行くほど低減し、実施例6でもそれぞれ99.36wt%、99.29wt%、99.13wt%であって、絶縁コア側から突起側方向に行くほど低減することが分かった。
【0197】
前記表1および関連図1において、実施例1~2、実施例5~6および比較例1を対比した結果、各伝導層で絶縁コア側から突起側方向に濃度が順次増加する場合、最初電気的接続抵抗が低いだけでなく、85℃/85%信頼性評価以後も抵抗の増加が低くて電極間の電気接続を維持する上で好ましいことを確認した。
【0198】
このとき、各伝導層で濃度が増加する形態は、実施例1、5および6のように連続的に濃度が増加する含有量勾配を有する場合と、実施例2のように階段式で濃度が増加する含有量勾配を有する場合を含み、実施例1、5および6のように連続的に濃度が増加する含有量勾配を有する場合、実施例2のように階段式で濃度が増加する含有量勾配を有する場合よりも、初期接続抵抗が低くなってより好ましい。
【0199】
一方、各伝導層で絶縁コア側から突起側方向に濃度が順次増加せず、突起側で濃度が低減した比較例1では、85℃/85%信頼性評価以後も抵抗の増加が著しく高くなって電極間の電気接続を維持し難いことを確認した。
【0200】
さらに、前記実施例1~2および実施例5~6と、さらに防錆処理した伝導層を含む実施例3~4とを対比した結果、防錆処理を施した場合、85℃/85%信頼性評価以後も抵抗の増加が低くよってより好ましいことも確認することができた。
【0201】
前述した各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態の属する分野における通常の知識を有する者によって様々な実施形態に対しても組み合わせまたは変更されて実施可能である。よって、これらの組み合わせと変更に関わる内容は本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3