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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】光学プローブ及びそのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/10 20060101AFI20220802BHJP
   G02B 17/08 20060101ALI20220802BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20220802BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20220802BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220802BHJP
   G02B 6/32 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G02B13/10
G02B17/08 Z
G02B13/18
G02B23/24 A
A61B1/00 526
G02B6/32
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020045989
(22)【出願日】2020-03-17
(62)【分割の表示】P 2018044455の分割
【原出願日】2018-03-12
(65)【公開番号】P2020115214
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2020-03-17
(31)【優先権主張番号】62/470,693
(32)【優先日】2017-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/872,625
(32)【優先日】2018-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514190165
【氏名又は名称】ゴーフォトン・ホールディングス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(72)【発明者】
【氏名】武内 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昭光
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-268159(JP,A)
【文献】特開2004-223269(JP,A)
【文献】国際公開第2011/062087(WO,A1)
【文献】特開2009-178229(JP,A)
【文献】国際公開第2011/132664(WO,A1)
【文献】特開2017-046882(JP,A)
【文献】特開2013-141499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
G02B 23/24
G02B 6/32
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学プローブであって、
光ファイバを備える光ファイバアセンブリと、
第1の端面を有する第1の光学構成要素と、前記第1の光学構成要素の前記第1の端面に対向する第2の端面を有する第2の光学構成要素と、を備える光学構成要素アセンブリであって、前記第2の光学構成要素の前記第2の端面は、前記第2の光学構成要素の前記第2の端面を周囲から包囲する第1の接着剤によって、前記第1の光学構成要素の前記第1の端面に固着されている、光学構成要素アセンブリと、
前記光ファイバアセンブリに固着され、前記光ファイバアセンブリを周方向に包囲する第1のカバーであって、前記第1の接着剤または該第1の接着剤とは異なる第2の接着剤が前記第1の光学構成要素を前記第1のカバーに固着している、第1のカバーと、
を備えている、光学プローブ。
【請求項2】
前記第1の接着剤または該第1の接着剤とは異なる前記第2の接着剤が前記第1のカバーに接合され、前記第1のカバーに接合された前記第1の接着剤または前記第2の接着剤が前記第1の光学構成要素を前記第1のカバーに固着している、請求項1に記載の光学プローブ。
【請求項3】
前記第1の光学構成要素及び前記第2の光学構成要素は、前記第1の端面において前記第1の光学構成要素から出射する光ビームが前記第2の端面において前記第2の光学構成要素に入射するように構成されており、前記第2の光学構成要素は、
略平面状の傾斜表面であって、前記第2の端面は、前記第2の端面において前記第2の光学構成要素に入射する光ビームが前記傾斜表面において反射するように、前記傾斜表面に対して所定の角度で配置されている、略平面状の傾斜表面と、
出射表面であって、前記傾斜表面によって反射した光が前記出射表面に向かって導かれるように配置されている、出射表面と、
をさらに備えている、請求項1に記載の光学プローブ。
【請求項4】
前記第2の光学構成要素の前記出射表面は、前記第2の光学構成要素の内部に向かって内方に湾曲する凹面である、請求項3に記載の光学プローブ。
【請求項5】
前記第1の光学構成要素は、GRINレンズであり、前記光学プローブは、前記GRINレンズと前記光ファイバとの間において前記第1のカバー内に配置されたガラス製のスペーサロッドをさらに備えている、請求項3に記載の光学プローブ。
【請求項6】
シースをさらに備え、前記光ファイバは、長軸を画定しており、前記第1のカバーは、前記長軸から半径方向にずれて前記第2の光学構成要素の前記出射表面に相対する開口を画定しており、前記シースは、前記開口を覆っている、請求項3に記載の光学プローブ。
【請求項7】
前記開口を覆う前記シースの少なくとも一部は、平坦である、請求項6に記載の光学プローブ。
【請求項8】
前記第1のカバーを少なくとも部分的に覆うか、または、前記第1のカバーによって少なくとも部分的に覆われる第2のカバーをさらに備えている、請求項1に記載の光学プローブ。
【請求項9】
前記第2のカバーは、前記第2の光学構成要素が前記光ファイバによって画定された長軸を中心として回転するように前記光学プローブにトルクを加えるように構成されたトルクコイルである、請求項8に記載の光学プローブ。
【請求項10】
前記光ファイバは、長軸を画定しており、前記第2のカバーは、前記光学プローブの終端における前記第2の光学構成要素の露出を防ぐために、前記終端を覆うように構成されており、前記光ファイバの前記長軸は、前記第2のカバーを貫通している、請求項8に記載の光学プローブ。
【請求項11】
前記第1のカバーは、内側スリーブと、前記内側スリーブに固着され、前記内側スリーブを周方向に包囲する外側スリーブとを備えている、請求項1に記載の光学プローブ。
【請求項12】
前記第1のカバーは、前記外側スリーブに取り付けられたトルクコイルをさらに備えており、前記トルクコイルは、前記光学プローブにトルクを加えるように構成されている、請求項11に記載の光学プローブ。
【請求項13】
前記光ファイバは、前記第1のカバーが前記光ファイバの露出面から離間し、それの間に間隙を形成するように、前記第1の光学構成要素に取り付けられており、前記間隙は、少なくとも前記光ファイバの前記露出面、前記第1のカバー、及び前記第1の光学構成要素によって画定されている、請求項1に記載の光学プローブ。
【請求項14】
前記第1のカバーは、内側スリーブと、第3の接着剤によって前記内側スリーブに固着されて前記内側スリーブを周方向に包囲する外側スリーブと、を備えており、前記内側スリーブは、前記第3の接着剤によって前記第1の光学構成要素に固着されており、前記間隙は、前記第3の接着剤によって充填されている、請求項13に記載の光学プローブ。
【請求項15】
前記第1の接着剤及び前記第3の接着剤は、同一の接着剤であり、前記第2の接着剤は、前記第3の接着剤と異なっている、請求項14に記載の光学プローブ。
【請求項16】
光学プローブであって、
光ファイバを備える光ファイバアセンブリと、
第1の端面を有する第1の光学構成要素と、前記第1の光学構成要素の前記第1の端面に対向する第2の端面を有する第2の光学構成要素と、を備える光学構成要素アセンブリであって、前記第2の光学構成要素の前記第2の端面は、前記第2の光学構成要素の前記第2の端面を周囲から包囲する第1の接着剤によって、前記第1の光学構成要素の前記第1の端面に固着されている、光学構成要素アセンブリと、
前記光ファイバアセンブリに固着され、前記光ファイバアセンブリを周方向に包囲する第1のカバーであって、前記第1の接着剤または該第1の接着剤とは異なる第2の接着剤が前記第1のカバーに接合され、前記第1のカバーに接合された前記第1の接着剤または前記第2の接着剤が前記第1の光学構成要素を前記第1のカバーに固着している、第1のカバーと、
前記第1のカバーを少なくとも部分的に覆うか、または、前記第1のカバーによって少なくとも部分的に覆われる第2のカバーと、
を備えている、光学プローブ。
【請求項17】
前記第1の光学構成要素及び前記第2の光学構成要素は、前記第1の端面において前記第1の光学構成要素から出射する光ビームが前記第2の端面において前記第2の光学構成要素に入射するように構成されており、前記第2の光学構成要素は、
略平面状の傾斜表面であって、前記第2の端面は、前記第2の端面において前記第2の光学構成要素に入射する光ビームが前記傾斜表面において反射するように、前記傾斜表面に対して所定の角度で配置されている、略平面状の傾斜表面と、
出射表面であって、前記傾斜表面によって反射した光が前記出射表面に向かって導かれるように配置されている、出射表面と、
をさらに備えている、請求項16に記載の光学プローブ。
【請求項18】
前記第2の光学構成要素の前記出射表面は、前記第2の光学構成要素の内部に向かって内方に湾曲する凹面である、請求項17に記載の光学プローブ。
【請求項19】
前記第2のカバーは、前記第2の光学構成要素が前記光ファイバによって画定された長軸を中心として回転するように前記光学プローブにトルクを加えるように構成されたトルクコイルである、請求項16に記載の光学プローブ。
【請求項20】
前記光ファイバは、長軸を画定しており、前記第2のカバーは、前記光学プローブの終端における前記第2の光学構成要素の露出を防ぐために、前記終端を覆うように構成されており、前記光ファイバの前記長軸は、前記第2のカバーを貫通している、請求項16に記載の光学プローブ。
【請求項21】
前記光ファイバは、前記第1のカバーが前記光ファイバの露出面から離間し、それの間に間隙を形成するように、前記第1の光学構成要素に取り付けられており、前記間隙は、少なくとも前記光ファイバの前記露出面、前記第1のカバー、及び前記第1の光学構成要素によって画定されている、請求項16に記載の光学プローブ。
【請求項22】
前記第1のカバーは、内側スリーブと、第3の接着剤によって前記内側スリーブに固着されて前記内側スリーブを周方向に包囲する外側スリーブと、を備えており、前記内側スリーブは、前記第3の接着剤によって前記第1の光学構成要素に固着されており、前記間隙は、前記第3の接着剤によって充填されている、請求項21に記載の光学プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2017年3月13日に出願され、2013年3月13日に出願された米国特
許第9,069,122号に関連する、米国仮出願第62/470,693号、及び20
12年10月12日に出願された米国仮出願第61/849、819号の利得を主張する
ものであり、これらの開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0002】
[発明の分野]
本開示は、一般的に、光学装置及び光学システム、並びにそれらの製造方法に関する。
詳細には、本開示は、光学装置及び光学システムの光学構成要素によって生じる非点収差
の補償、並びに内部組織内の機能の光学的検知及び内部組織内の照明をもたらすためのア
センブリに関する。
【背景技術】
【0003】
光学装置及び光学システムは、多くの場合、光学信号をそれらの装置及びシステムを通
して送達し、該光学信号を目標に向けて放射するために用いられる。例えば、光学装置は
、光ファイバから供給された光を、該装置のいくつかの光学構成要素、例えば、レンズ及
び他の透明要素、例えば、透明なガラスチューブ又はプラスチックチューブを通して送達
し、次いで、該光を装置外の所定の位置に集束させるように放射するために用いられるこ
とがある。
【0004】
光学装置では、光を透過させるか又は光を反射又は屈折させる光学構成要素の光学特性
は、該光学装置から放射される光の伝達特性を決定する。周知のように、光は、タンジェ
ンシャル面(tangential面)及びサジタル(sagittal面)として知られる互いに直交する
2つの平面内において伝搬する光線束からなっている。光が光学装置の光学構成要素を通
って伝搬する時、該光学構成要素の外面の光学特性及び幾何学的形状によって、該光学構
成要素から放射された光線の上記の2つの平面は、非点収差として知られる互いに異なる
焦線又は焦点をもたらすことがある。
【0005】
光学装置は、多くの場合、該装置の他の光学構成要素によって生じることが予期される
非点収差を補償するための光学構成要素を備え、これによって、該装置から放射される光
を構成する光線の2つの平面を同一の焦線又は焦点に集束させるようになっている。例え
ば、外部の目標位置に焦線又はビームウエストをもたらす光を放射するように作用する光
学プローブは、光が該プローブから放射される時に通過する透明チューブを備えることが
ある。プローブのこのチューブは、該チューブを通過する光に非点収差を生じさせる光学
レンズとして作用する。従って、光学プローブは、光が該チューブを通る前に通過する光
学プリズムのような他の光学構成要素を備え、該光学構成要素がチューブによって生じる
ことが予期される非点収差を補償する非点収差を光に生じさせるようになっている。すな
わち、他の光学構成要素によって生じる非点収差が、光学プローブから放射される光の非
点収差を最小限に抑えるか又は排除する所望の状態をもたらすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光学装置の他の光学構成要素によって生じる非点収差を補償する光学構成要素であって
、比較的容易にかつ安価に製造することができる、光学構成要素が、依然として必要とさ
れている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
光学構成要素を製造する方法は、透明材料から形成されたプレートを準備するステップ
であって、プレートが平面状表面及び深さを有している、ステップと、第1及び第2の直
線状方向に沿ってプレートの平面状表面を深さ方向に切り込み、第1及び第2の平面状表
面を画定するステップと、湾曲方向に沿ってプレートの平面状表面を深さ方向に切り込み
、これによって、第1及び第2の平面状表面と、第1の平面状表面の縁と第2の平面状表
面の縁との間に延在する曲面と、を備える光学構成要素が得られる、ステップと、を含ん
でいるとよい。一実施形態では、曲面は、第1の平面状表面の縁から第2の平面状表面の
縁に延在するようになっていてもよい。
【0008】
一実施形態では、光学構成要素は、略平面状の第1及び第2の表面と曲面とを備えてい
るとよい。光ビームが第2の表面において光学構成要素に入射する時、該光ビームが光学
構成要素内を通って第1の表面において反射するように、第1の表面は、第2の表面に対
して所定の角度で配置されているとよい。所定の角度は、鋭角、例えば、45°であると
よい。第2の表面は、光学構成要素内を通って第2の表面に入射する光の反射を容易にす
るために鏡面反射するようになっているとよい。
【0009】
凹面は、第2の表面と直交して延在する軸に沿って離間した略互いに向き合った縁を備
えているとよく、第1の表面によって反射した光が凹面に向かって導かれるように配置さ
れているとよい。略互いに向き合った縁は、凹面が延在する長手方向と平行の方向に延在
していてもよく、互いに向き合った縁が延在する方向は、第2の表面が延在する軸と直交
していてもよい。凹面は、第1の表面から反射した光ビームが曲面から放射されるように
構成されていてもよく、これによって、第1の平面内にある放射ビームの第1の部分は、
凹面の略互いに向き合った縁を通る仮想面から第1の距離に集束し、第2の面内にある放
射ビームの第2の部分は、仮想面から第2の距離に集束し、第1の距離は、第2の距離よ
りも大きい。
【0010】
光学システムは、光ビームが伝達されるレンズシステムと、レンズシステムと動作可能
に連結された第1の光学構成要素と、を備えているとよい。第1の光学構成要素は、略平
面状の第1及び第2の表面と曲面とを備えているとよい。略平面状の第1及び第2の表面
は、第2の表面において該光学構成要素を通る光ビームを反射するように配置されている
とよい。第2の表面は、第1の表面に対して所定の角度で配置されているとよい。曲面は
、第2の表面を通る直交軸に沿って離間した略互いに向き合った縁を備えているとよい。
【0011】
光学システムは、第2の光学構成要素を備えていてもよく、該光学構成要素は、曲面に
おいて放射される光ビームが第2の光学構成要素を通過するように配置されていてもよい
。第1及び第2の光学構成要素は、光ビームが第1及び第2の光学構成要素を通過し、第
2の光学構成要素から放射される時、第1の非点収差が第1の光学構成要素によって光ビ
ームに生じ、第2の非点収差が第2の光学構成要素によって光ビームに生じ、第1及び第
2の非点収差の組合せによって、第2の光学構成要素から放射される光ビームに非点収差
が実質的に又は全く生じないように、構成されていてもよい。
【0012】
本技術の一態様によれば、レンズ組合せは、第1のレンズと第2のレンズとを備えてい
るとよい。第1のレンズは、楕円縁を画定する略平面状の第1のレンズ端面を有している
とよい。第2のレンズは、第1のレンズ端面に動作可能に連結された略平面状の第2のレ
ンズ端面を有しているとよい。第2のレンズは、4つの主縁と主縁の対を接続する少なく
とも2つの副縁とを有しているとよい。主縁の各々は、第1のレンズの楕円縁において、
2つの互いに離間した点間に実質的に直線状に延在しているとよい。
【0013】
いくつかの構成では、第2のレンズ端面の全体が、第1のレンズ端面の方を向いて配置
されていてもよい。
【0014】
いくつかの構成では、第2のレンズ端の副縁の少なくとも1つは、湾曲していてもよい
【0015】
いくつかの構成では、第1のレンズ及び第2のレンズは、第1のレンズ端面において第
1のレンズから出射する光ビームが第2のレンズ端面において第2のレンズに入射するよ
うに、構成されていてもよい。いくつかのこのような構成では、第2のレンズは、略平面
状の第2のレンズ傾斜表面と第2のレンズ出射表面とをさらに備えていてもよい。第2の
レンズ端面は、第2のレンズ端面において第2のレンズに入射する光ビームが第2のレン
ズ傾斜表面において反射するように、第2のレンズ傾斜表面に対して所定の角度で配置さ
れていてもよい。第2のレンズ出射表面は、第2のレンズ傾斜表面によって反射した光が
第2のレンズ出射表面に向かって導かれるように、配置されていてもよい。
【0016】
いくつかの構成では、第2のレンズ出射表面は、第2のレンズの内部に向かって内方に
湾曲する凹面であってもよい。
【0017】
いくつかの構成では、第2のレンズの凹面は、略互いに向き合った第1及び第2の縁を
備えていてもよい。いくつかのこのような構成では、略互いに向き合った第1及び第2の
縁は、それぞれ、第1及び第2の軸に沿って延在していてもよく、第1の軸は、第2のレ
ンズ端面に接しているか又は同一面内にあってもよい。
【0018】
いくつかの構成では、第1のレンズ端面の楕円縁は、円状であってもよく、第2のレン
ズの主縁は、それぞれの主縁軸に沿って延在していてもよく、主縁軸は、正方形を画定す
るように互いに交差していてもよい。
【0019】
本技術の他の態様によれば、光学プローブは、レンズ組合せと、光ファイバを備える光
ファイバアセンブリと、光ファイバアセンブリを周方向に包囲するカバーと、を備えてい
るとよい。レンズ組合せは、第1のレンズと第2のレンズとを備えているとよい。第1の
レンズは、楕円縁を画定する略平面状の第1のレンズ端面を有しているとよい。第2のレ
ンズは、第1のレンズ端面に動作可能に連結された略平面状の第2のレンズ端面を有して
いるとよい。第2のレンズは、4つの主縁と主縁の対を接続する少なくとも2つの副縁と
を有しているとよい。主縁の各々は、第1のレンズの楕円縁において、2つの互いに離間
した点間に実質的に直線状に延在しているとよい。光ファイバアセンブリ及びレンズ組合
せは、光ファイバから出射する光ビームが第1のレンズの入射面においてレンズ組合せに
入射し、第1のレンズを通過し、第1のレンズ端面において第1のレンズから出射するよ
うに、構成されているとよい。
【0020】
本技術の他の態様によれば、光学プローブは、レンズ組合せと、光ファイバを備える光
ファイバアセンブリと、光ファイバアセンブリを周方向に包囲する第1のカバーと、を備
えているとよい。レンズ組合せは、第1のレンズと第2のレンズとを備えているとよい。
第1のレンズは、楕円縁を画定する略平面状の第1のレンズ端面を有しているとよい。第
2のレンズは、第1のレンズ端面に動作可能に連結された略平面状の第2のレンズ端面を
有しているとよい。第2のレンズは、4つの主縁と主縁の対を接続する少なくとも2つの
副縁とを有しているとよい。主縁の各々は、第1のレンズの楕円縁において、2つの互い
に離間した点間に実質的に直線状に延在しているとよい。光ファイバアセンブリ及びレン
ズ組合せは、光ファイバから出射する光ビームが第1のレンズの入射面においてレンズ組
合せに入射し、第1のレンズを通過し、第1のレンズ端面において第1のレンズから出射
するように、構成されているとよい。第1のレンズ及び第2のレンズは、第1のレンズ端
面において第1のレンズから出射する光ビームが第2のレンズ端面において第2のレンズ
に入射するように、構成されているとよい。いくつかのこのような構成では、第2のレン
ズは、略平面状の第2のレンズ傾斜平面と第2のレンズ出射平面とをさらに備えていると
よい。第2のレンズ端面は、第2のレンズ端面において第2のレンズに入射する光ビーム
が第2のレンズ傾斜表面において反射するように、第2のレンズ傾斜表面に対して所定の
角度で配置されているとよい。第2のレンズ出射表面は、第2のレンズ傾斜表面によって
反射した光が第2のレンズ出射表面に向かって導かれるように、配置されているとよい。
【0021】
いくつかの構成では、第1のカバーは、レンズ組合せを実質的に包囲していてもよい。
【0022】
いくつかの構成では、光学プローブは、第1のカバーを覆う第2のカバーをさらに備え
ていてもよい。
【0023】
いくつかの構成では、第2のカバーは、第2のレンズが光ファイバによって画定された
長軸を中心として回転するように光学プローブにトルクを加えるように構成されたトルク
コイルであってもよい。
【0024】
本技術の他の態様によれば、光学プローブは、光ファイバを備える光ファイバアセンブ
リと、光学構成要素アセンブリと、光ファイバアセンブリを周方向に包囲する第1のカバ
ーとを備えているとよい。光学構成要素アセンブリは、第1の端面を有する第1の光学構
成要素と、第1の光学構成要素に動作可能に連結された第2の光学構成要素とを備えてい
るとよい。第2の光学構成要素は、第1の光学構成要素の第1の端面に対向する第2の端
面を有しているとよい。第2の光学構成要素の第2の端面は、第2の光学構成要素の第2
の端面を少なくとも部分的に周方向に包囲する接着剤によって、第1の光学構成要素の第
1の端面に固着されているとよい。第1のカバーは、光ファイバアセンブリを周方向に包
囲しているとよい。接着剤が、第2の光学構成要素を第1のカバーに固着しているとよい
【0025】
いくつかの構成では、接着剤は、第1のカバーに接合されていてもよい。
【0026】
いくつかの構成では、第1の光学構成要素及び第2の光学構成要素は、第1の端面にお
いて第1の光学構成要素から出射する光ビームが第2の端面において第2の光学構成要素
に入射するように、構成されていてもよい。第2の光学構成要素は、略平面状の傾斜表面
と出射表面とをさらに備えていてもよい。第2の端面は、第2の端面において第2の光学
構成要素に入射する光ビームが傾斜表面において反射するように、傾斜表面に対して所定
の角度で配置されていてもよい。出射表面は、傾斜表面によって反射した光が出射表面に
向かって導かれるように、配置されていてもよい。
【0027】
いくつかの構成では、第2の光学構成要素の出射表面は、第2の光学構成要素の内部に
向かって内方に湾曲する凹面であってもよい。
【0028】
いくつかの構成では、第1の光学構成要素は、屈折率分布型(GRIN)レンズであっ
てもよい。いくつかのこのような構成では、光学プローブは、GRINレンズと光ファイ
バとの間において第1のカバー内に配置されたガラス製のスペーサロッドをさらに備えて
いてもよい。
【0029】
いくつかの構成では、光学プローブは、第1のカバーを覆う第2のカバーを備えていて
もよい。
【0030】
いくつかの構成では、第2のカバーは、第2の光学構成要素が光ファイバによって画定
された長軸を中心として回転するように光学プローブにトルクを加えるように構成された
トルクコイルであってもよい。
【0031】
本技術の他の態様によれば、光学プローブは、光ファイバアセンブリと、光学構成要素
アセンブリと、第1のカバーと、第1の接着剤と、第2の接着剤とを備えているとよい。
光ファイバアセンブリは、光ファイバを備えているとよい。光学構成要素アセンブリは、
第1の光学構成要素と第2の光学構成要素とを備えているとよい。第1の光学構成要素は
、第1の端面を有しているとよい。第2の光学構成要素は、第1の光学構成要素の第1の
端面に対向する第2の端面を有しているとよい。第2の光学構成要素の第2の端面は、第
2の光学構成要素の第2の端面を少なくとも部分的に周方向に包囲する第1の接着剤によ
って、第1の光学構成要素の第1の端面に固着されているとよい。第1のカバーは、光フ
ァイバアセンブリに固着され、光ファイバアセンブリを周方向に包囲しているとよい。第
2の接着剤が、第2の光学構成要素を第1のカバーに固着しているとよい。
【0032】
いくつかの構成では、第1の接着剤は、第2の接着剤と同じであってもよい。いくつか
の構成では、第1の接着剤は、第2の接着剤と異なっていてもよい。
【0033】
いくつかの構成では、第1の接着剤は、第1のカバーに接合されていてもよい。
【0034】
いくつかの構成では、第1の光学構成要素及び第2の光学構成要素は、第1の端面にお
いて第1の光学構成要素から出射する光ビームが第2の端面において第2の光学構成要素
に入射するように、構成されていてもよい。いくつかのこのような構成では、第2の光学
構成要素は、略平面状の傾斜平面と出射表面とをさらに備えていてもよい。第2の端面は
、第2の端面において第2の光学構成要素に入射する光ビームが傾斜表面において反射す
るように、傾斜表面に対して所定の角度で配置されていてもよい。出射表面は、傾斜表面
によって反射した光が出射表面に向かって導かれるように、配置されていてもよい。
【0035】
いくつかの構成では、第2の光学構成要素の出射表面は、第2の光学構成要素の内部に
向かって内方に湾曲する凹面であってもよい。
【0036】
いくつかの構成では、第1の光学構成要素は、GRINレンズであってもよい。いくつ
かのこのような構成では、光学プローブは、GRINレンズと光ファイバとの間において
第1のカバー内に配置されたガラス製のスペーサロッドをさらに備えていてもよい。
【0037】
いくつかの構成では、光学プローブは、シースをさらに備えていてもよい。いくつかの
このような構成では、光ファイバは、長軸を画定していてもよい。第1のカバーは、長軸
から半径方向にずれて第2の光学構成要素の上方に位置する開口を画定していてもよい。
いくつかのこのような構成では、シースは、開口を覆っていてもよい。いくつかのこのよ
うな構成では、開口を覆うシースの少なくとも一部は、平坦であってもよい。いくつかの
このような構成では、開口を覆うシースの部分又はシースの全体は、5~50μmの範囲
内の厚みを有していてもよい。いくつかの構成では、開口は、第2の光学構成要素の出射
表面の上方に位置していてもよい。いくつかの構成では、シースは、光学プローブの遠位
端を覆っていてもよい。
【0038】
いくつかの構成では、光学プローブは、第1のカバーを覆う第2のカバーをさらに備え
ていてもよい。他の構成では、光学プローブは、第1のカバーを下方から覆う第2のカバ
ーをさらに備えていてもよい。
【0039】
いくつかの構成では、第2のカバーは、トルクコイルであってもよい。このような構成
では、トルクコイルは、第2の光学構成要素が光ファイバによって画定された長軸を中心
として回転するように光学プローブにトルクを加えるように構成されていてもよい。
【0040】
いくつかの構成では、光ファイバは、長軸を画定していてもよい。このような構成では
、第2のカバーは、光学プローブの終端における第2の光学構成要素の露出を防ぐために
、該終端を覆うように構成されていてもよい。このような構成では、光ファイバの長軸は
、第2のカバーを貫通していてもよい。
【0041】
いくつかの構成では、第1のカバーは、内側スリーブと、内側スリーブに固着され、内
側スリーブを周方向に包囲する外側スリーブとを備えていてもよい。いくつかのこのよう
な構成では、第1のカバーは、外側スリーブに取り付けられたトルクコイルをさらに備え
ていてもよい。このような構成では、トルクコイルは、光学プローブにトルクを加えるよ
うに構成されていてもよい。
【0042】
いくつかの構成では、光ファイバは、長軸を画定していてもよい。このような構成では
、光学プローブは、第2の光学構成要素を露出させる開口を画定する終端をさらに備えて
いてもよい。このような構成では、光ファイバの長軸は、第2のカバーを貫通していても
よい。
【0043】
いくつかの構成では、光学ファイバーは、第1のカバーが光ファイバの露出面から離間
し、第1のカバーと光ファイバの露出面との間に間隙を形成するように、第1の光学構成
要素に取り付けられていてもよい。このような構成では、間隙は、少なくとも光ファイバ
の露出面、第1のカバー、及び第1の光学構成要素によって画定されていてもよい。いく
つかの構成では、間隙は、空気によって充填されていてもよい。
【0044】
いくつかの構成では、第1のカバーは、内側スリーブと外側スリーブとを備えていても
よい。内側スリーブは、第3の接着剤によって外側スリーブに固着されていてもよい。外
側スリーブは、内側スリーブを周方向に包囲していてもよい。内側スリーブは、第3の接
着剤によって第1の光学構成要素に固着されていてもよい。このような構成では、少なく
とも光ファイバの露出面、第1のカバー、及び第1の光学構成要素によって画定された間
隙は、第3の接着剤又は他の接着剤によって充填されていてもよい。
【0045】
第1のカバーが内側スリーブと外側スリーブとを備えるいくつかの構成では、第1の接
着剤及び第3の接着剤は、同一の接着剤であってもよい。いくつかのこのような構成では
、第2の接着剤は、第1の接着剤及び第3の接着剤と異なっていてもよい。
【0046】
いくつかの構成では、光学プローブは、第1の光学構成要素に取り付けられたガラス製
のスペーサロッドをさらに備えていてもよい。いくつかのこのような構成では、光ファイ
バは、コア、コアを包囲するクラッド、クラッドの第1の部分のみを包囲するジャケット
をさらに備えていてもよい。このような構成では、スペーサロッドは、コア及びクラッド
の第1の部分と異なる第2の部分に取り付けられていてもよい。
【0047】
以下、単なる例示にすぎないが、添付の図面を参照して、本開示の実施形態について説
明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1A】光学アセンブリの斜視図である。
図1B】他の光学構成要素に対して示される図1Aの光学アセンブリの斜視図である。
図2A】光学構成要素が省略された他の光学アセンブリの斜視図である。
図2B図2Aにおいて省略された光学構成要素を備える図2Aの光学アセンブリの斜視図である。
図3A】本開示の実施形態によるプリズムが切り取られるプレートの斜視図である。
図3B図3Aのプレートから切り取られたプリズムの斜視図である。
図4A】一実施形態による光学プローブの斜視図である。
図4B】線4B-4Bに沿った図4Aの光学プローブの断面図である。
図4C】他の実施形態による光学プローブの断面図である。
図5A】他の実施形態による光学プローブの斜視図である。
図5B】線5B-5Bに沿った図5Aの光学プローブの断面図である。
図6】他の実施形態による光学プローブの断面図である。
図7A】他の実施形態による光学プローブの斜視図である。
図7B】線7B-7Bに沿った図7Aの光学プローブの断面図である。
図8A】他の実施形態による光学プローブの斜視図である。
図8B】線8B-8Bに沿った図8Aの光学プローブの断面図である。
図9】他の実施形態による光学プローブの側断面図である。
図10】他の実施形態による光学プローブの遠位部分の断面図である。
図11A】他の実施形態による光学構成要素アセンブリの斜視図である。
図11B】線8B-8Bに沿った図8Aの光学構成要素アセンブリの断面図である。
図12】患者の血管系に用いられるそれぞれの光学システムの一部の断面図である。
図13】患者の血管系に用いられるそれぞれの光学システムの一部の断面図ある。
【発明を実施するための形態】
【0049】
互いに直交するx軸、y軸、及びz軸を有するx-y-z座標系が、図1A-3Bに用
いられ、本開示の光学構成要素の構成を説明するために以下の記載において参照されるこ
とになる。x軸、y軸、及びz軸は、x-y面、x-z面、及びy-z面を形成する。加
えて、x軸、y軸、及びz軸と平行の方向又はx軸、y軸、及びz軸に沿った方向に延在
する光学構成要素の構造的特徴を説明するために、x軸線、y軸線、及びz軸線がそれぞ
れ参照されることになる。
【0050】
図1Aおよび図1Bを参照して、光学アセンブリ50について説明する。光学アセンブ
リ50は、光ファイバ5と、光学レンズ系10と、光学構成要素又はプリズム20とを備
えている。レンズ系10は、光ファイバ5から光学構成要素20に供給される光を伝達す
る(図示されない)1つ又は複数の光学レンズを備えているとよい。光学構成要素20は
、光インターフェイス15においてレンズ系10に連結されている。光学インターフェイ
ス15は、レンズ系10の平面状表面17によって形成されている。平面状表面17は、
光学構成要素20の平面状表面29と向き合い、該平面表表面29に接触している。光学
構成要素20は、プラスチック又はガラスのような透明材料から作製されており、レンズ
系10から供給された光を所定方向に反射し、かつ出射するように構成された多数の表面
を有するプリズムの形態で構成されている。
【0051】
図1Aおよび図1Bを再び参照すると、光学構成要素20は、平面状表面29、平面状
表面27、及び平面状表面25を備える三角プリズムの形態にある。表面29は、x-y
面と平行の面内に延在している。表面25は、x-z面と平行の面内に延在している。表
面27及び表面29は、それらの間に角度θ、例えば、45°を画定している。
【0052】
以下、光学構成要素20内を通って表面25において光学構成要素20から出射する光
に及ぼす光学構成要素20の影響について説明する。簡単にするために、ファイバ5から
レンズ系10に供給される光ビームIは、光学構成要素20の表面29に入射する時にz
軸方向に伝搬するように、レンズ系10によって伝達されると仮定されると共に、光学構
成要素20の表面29に入射する光ビームIは、非点収差を有しないと仮定される。表面
29に入射した光ビームIは、z軸方向において光学構成要素20を通って表面27まで
伝搬する。表面27における光ビームIの入射角(表面29に対する角度θ)に基づき、
表面27は、ビームIを(略y軸方向である)方向Rにおいて表面25に向かって反射す
る。反射した光ビームIは、表面25において光学構成要素20から放射される。ここで
、表面25において放射される反射した光ビームIは、非点収差を有しないとさらに仮定
される。
【0053】
表面25において光学構成要素20から放射される光ビームIは、平面形状A,Bによ
ってそれぞれ表される互いに直交するx-y面及びy-z面内において伝搬する光線から
生成される。図1Aに示されるように、表面25が平面状、すなわち、湾曲していないの
で、ビームウエストj,i,すなわち、x-y面(平面形状A)及びy-z面(平面形状
B)のそれぞれにおいてビームのスポットサイズが最小になる個所は、同一の位置にある
【0054】
表面25において光学構成要素20から放射される光の経路における透明な要素40、
例えば、レンズの配置が、放射光に影響を及ぼすことになる。この影響は、要素40の形
状及び光学特性に依存する。図1Bに示されるように、凹面30,32を有する凹レンズ
のような透明要素40が光学構成要素20の表面25の上方に配置されると、表面25に
おいて放射された反射光は、表面30及びレンズ40の表面30,32間の部分31を通
って、表面32において要素40から放射される。図1Bに示されるように、表面25に
おいて放射された光が凹レンズ40を通過すると、y-z面(形状B)におけるビームウ
エストiは、x-y面(形状A)におけるビームウエストjよりも表面25に近くなる。
【0055】
凹レンズ40のような曲面を有するレンズが光学装置の第1の光学構成要素の外に配置
され、第1の光学構成要素から放射された光が該レンズを通る場合、該レンズが第1の光
学構成要素から放射された光に及ぼす影響は、光が光学装置の第1の光学構成要素から外
部レンズに向かって放射される前に、該光を光学装置の曲面を有する他の第2の光学構成
要素、すなわち、他のレンズを通すことによって、補償することができる。前述したよう
に(図1B参照)、レンズ40の表面30,32の湾曲形状によって、光学構成要素20
から放射される光は、非点収差を生じることになる。
【0056】
光が光学装置の第1の光学構成要素から外部レンズに向かって放射される前に該光が通
る曲面を有するレンズの形態にある他の第2の光学構成要素を設けることによって、第1
の光学構成要素から放射される光に非点収差が生じ、該非点収差が外部レンズによって生
じる非点収差を補償し、これによって、光学装置及び外部レンズを備える光学システムか
ら最終的に放射される光は、最小限の非点収差しか生じないか又は非点収差を生じないこ
とになる。
【0057】
図2Aおよび図2Bに示される実施形態では、光学アセンブリ100は、凹状表面15
5を有する光学構成要素150を備えている。光学アセンブリ100は、光学構成要素2
0が光学構成要素150に置き換えられたことを除けば、光学アセンブリ50と実質的に
同様である。光学アセンブリ100は、光学アセンブリ50におけるのと同様の光ファイ
バ5及び光学レンズ系10、及び光学構成要素150を備えている。光学構成要素150
は、光学構成要素150が平面状表面25と対照的に凹状表面155を備えることを除け
ば、光学構成要素20と同様である。光学構成要素150は、光インターフェイス15に
おいてレンズ系10に連結されている。光インターフェイス15は、光学構成要素150
の平面状表面29と接触する平面状表面17によって形成されている。
【0058】
凹状表面155は、軸線x1の方向に延在する第1の縁163と軸線x2の方向に延在
する第2の縁165との間に画定された曲面である。表面155の曲面は、第1及び第2
の縁163,165の各々から負のy軸方向に延び、構成要素150の縁163,165
を通る仮想x-z面Vから離れる方向に内方に膨らむ凹状平面を形成している。凹状表面
155は、x軸の方向に延在する長手方向寸法を有しており、軸線x3は、凹状表面15
5の長手方向長さに沿って最大深さの点を通って延在してる。光学構成要素150のいく
つかの実施形態では、凹状表面155の縁163は、平面状表面29の縁でもある。従っ
て、凹状表面155及び平面状表面29は、直線状に延在する共通縁を共有することにな
る。凹状表面155の縁165は、平面状表面27の縁でもある。従って、凹状表面15
5及び平面状表面27は、直線状に延在する共通縁を共有することになる。光学アセンブ
リ50と同様、光ビームIがアセンブリ100の光学構成要素25の表面27に入射する
と、該光ビームは、構成要素150に入り、該構成要素150を通って、表面27によっ
て、略y軸方向である方向Rにおいて凹状表面155に向かって反射される。
【0059】
図2Aに示されるように、凹状表面155は、該表面155において光学構成要素15
0から放射される光が、以下の特性、すなわち、(平面形状Cによって表される)y-z
面内にある放射光の部分が仮想x-z面Vから第1の距離D1にあるビームウエストkを
もたらし、(平面形状Dによって表される)x-y面内にある放射光の部分が平面Vから
第2の距離D2にあるビームウエストIをもたらし、第1の距離D1が第2の距離D2よ
りも大きいという特性を有するように、構成されている。具体的には、(平面形状Dによ
って表される)x-y平面内にある放射光の部分は、第2の距離D2においてビームウエ
ストIに収束する収束ビーム部分として表面155から離れる方に伝搬し、次いで、第2
の距離D2から(平面Vから第2の距離D2よりも大きい)距離まで発散ビーム部分とし
て伝搬する。換言すれば、(平面形状Dによって表される)x-y面にある放射光の部分
は、表面155からの(ビーム部分が距離D2からさらに離れる方に伝搬する)距離が増
大するにつれて、発散ビーム部分、すなわち、拡散ビーム部分として伝搬する。(平面形
状Cによって表される)y-z面内にある放射光の部分は、面Vから第1の距離D1を伝
搬した後ビームウエストkに収束する収束ビーム部分として、表面155から離れる方に
伝搬する。表面155からの第1の距離D1は、(平面形状Dによって表される)x-y
面内にある放射光の部分がビームウエストIに収束する前に伝搬する距離よりも大きい。
y-z面内にある部分のビームウエストkが位置する面Vからの第1の距離D1は、表面
155の凹面度の関数である。すなわち、負のy軸方向における表面155の凹面度が大
きいほど、第1の距離D1が大きくなる。逆に、負のy軸方向における表面155の凹面
度が小さいほど、第1の距離D1が小さくなる。
【0060】
表面155の凹面度は、外部の光学構成要素の表面の湾曲、例えば、表面155におい
て放射された光が通る構成要素40の表面30,32の湾曲を考慮して選択されるとよく
、これによって、光学構成要素150から放射され、外部構成要素40を通る光は、最小
の非点収差しか生じることなく又は非点収差を生じることなく、構成要素40から放射さ
れることになる。
【0061】
図2Bに示されるように、構成要素150は、湾曲表面155を備えているとよく、こ
れによって、レンズ40から放射される光ビームのy-z面(平面形状C)内及びx-y
面(平面形状D)内のそれぞれにあるビームウエストk,Iは、仮想面Vから同一距離に
位置することになる。
【0062】
使用中、光学構成要素100は、対象物又は組織を照明するために用いられるとよい。
光学アセンブリ100の医学的使用として、最小侵襲性外科処置中の体内組織の照明が挙
げられる。光学アセンブリ100は、該アセンブリ100から放射された光ビームのスポ
ットサイズが照明されるべき組織に対応するように構成されるとよい。一実施形態では、
アセンブリ100から放射される光ビームは、楕円であり、略5μmから100μmのス
ポットサイズを有している。一実施形態では、アセンブリ100は、放射される光ビーム
のスポットサイズが特定細胞、例えば、ガン細胞の照明及び同定を容易にするように構成
されるとよい。
【0063】
図3Aおよび図3Bを参照して、光学構成要素150を製造する方法について説明する
図3Aに示されるように、プレートP、例えば、ガラス又はポリマーが準備される。光
学構成要素150が、プレートPから切り出されるとよい。光学構成要素150の形状は
、プレートPから所望の形状を切り出すことによって形成される。平面状表面27,29
は、x軸の方向に沿ってプレートP内に深さ方向に切り込むレーザー又は他の切断器具の
ような工具を用いることによって、形成されるとよい。さらに、凹状表面155は、同一
の工具を用いて、x軸方向において所望の曲率半径Gに沿ってプレートPを深さ方向に切
り込むことによって、形成されるとよい。このようにして、光学構成要素150の形状は
、x軸の方向に沿ってプレートPを深さ方向にのみに切り込むことによって完全に形成さ
れることになる。光学構成要素150の製造は、プレートを深さ方向に切り込むことによ
って簡単に行うことができ、このような切断に続いてプレートPから光学構成要素150
を取り外した後、どのような追加的な切断又は形削りを行う必要もない。
【0064】
図4Aおよび図4Bを参照すると、光学プローブ200は、一般的に、光ファイバ20
5と、ポッティング209と、スペーサ210と、第1の光学構成要素220(この例で
は、GRINレンズ)と、第2の光学構成要素250(この例では、制限されるものでは
ないが、プリズムレンズ)と、内側カバー260(この例では、シース又はチューブ)と
、外部カバー265(この例では、シース又はチューブ)と、外側カバー270(この例
では、シース又はチューブ)と、エンドキャップ275とを備えている。
【0065】
光ファイバ205は、制限されるものではないが、通常の光ファイバであるとよい。光
ファイバ205は、コアと、コアを包囲するクラッドと、クラッドを包囲するジャケット
206とによって形成されているとよい。ジャケット206は、被膜であるとよく、該被
膜は、例えば、制限されるものではないが、アクリル、ウレタン、又はエポキシであると
よい。この被膜は、いくつかの構成例では、光ファイバが製造される時に該光ファイバの
クラッドに塗布され、硬化されるとよい。ジャケット206の一部は、クラッドを露出さ
せるために剥ぎ取られるとよい。(光ファイバ205の露出したクラッド部分を含む)ジ
ャケットによって覆われた光ファイバ205の部分は、ポッティング209を貫通して該
ポッティング209によって周方向に包囲され、スペーサ210の表面210Aに当接す
るとよい。スペーサ210の表面210Aは、光ファイバ205によって画定された長軸
と実質的に直交している。ポッティング209は、接着剤から作製されるとよく、該接着
剤は、制限されるものではないが、エポキシであるとよい。これによって、接着剤の硬化
時に、ポッティング209内の光ファイバ205の部分の外面がポッティング209に合
致し、かつポッティング209によって強固に保持される。このようにして、ポッティン
グ209は、スペーサ210に自己接着し、これによって、光ファイバ205の端面がス
ペーサの表面210Aに当接して保持される。加えて、光ファイバ205は、好ましくは
、ポッティング209が光ファイバの周りに施される前に、例えば、光ファイバを加熱す
ることによって、スペーサ210の表面210Aに融着されるとよい。このような構成で
は、ジャケット206の一部が光ファイバ205のクラッドを露出させるために剥ぎ取ら
れ、光ファイバをスペーサ210の表面210Aに融着させた後、被膜207(図8B
照)が光ファイバのクラッドに施されるとよい。被膜207は、制限されるものではない
が、エポキシ、ウレタン、アクリル、又はポリイミド被膜であるとよい。いくつかのこの
ような構成では、多量の被膜207が光ファイバ205とスペーサ210との界面の近く
に施されるとよく、これによって、該領域において、被膜が光ファイバの被覆されたクラ
ッドに沿ったどこよりも厚くなるとよい(例えば、図8B参照)。従って、光ファイバ2
05の遠位端が良好に支持され、これによって、光学プローブの高速度回転中にスペーサ
210からの光ファイバの分離が防がれることになる。
【0066】
図示される例では、スペーサ210は、実質的に円筒ロッドの形態にあるとよく、光フ
ァイバ205から放射された光ビームがスペーサの表面210Aに入射して該スペーサを
通過するように、透明であるとよい。いくつかの構成では、スペーサ210は、制限され
るものではないが、ガラスから作製されているとよい。スペーサ210及び第1の光学構
成要素220は、互いに相補的な端面、すなわち、それらの長軸の各々に対して傾斜した
切面を有しているとよく、このような切面によって、光ファイバ205から放射された光
ビームの光ファイバ205へのビーム反射を低減させることができる。従って、図示され
るように、スペーサ210及び第1の光学構成要素220の互いに相補的な端面は、互い
に当接した状態にあるとよい。第1の光学構成要素220及びスペーサ210は、例えば
、制限されるものではないが、接着剤、例えば、制限されるものではないが、互いに相補
的な端面に沿って施されるエポキシによって、又は互いに相補的な端面を一緒に融着する
ように加熱されることによって、互いに取り付けられるとよい。
【0067】
第2の光学構成要素250は、前述した光学構成要素150と実質的に同じであるとよ
く、それ故、光学構成要素150の特徴部の参照番号と同様の参照番号を有する第2の光
学構成要素250の特徴部は、本質的に同一の形態を有し、本質的に光学構成要素150
の対応する特徴部の目的と同一の目的を果たすことになる。従って、光ファイバ205か
ら放射された光ビームは、スペーサ210及び第1の光学構成要素220を通過し、平面
状の第1の表面229を通って第2の光学構成要素250に入射し、平面状の傾斜表面2
27において反射し、出射表面255から出射する。出射表面225は、第2の光学要素
の図示されている例におけるような凹状表面であるとよく、又は代替的に平面状表面であ
ってもよい。第1の表面229を備えかつ画定する第2の光学構成要素250の第1の端
は、接着剤、例えば、制限されるものではないが、エポキシによって、光インターフェイ
ス面、すなわち、第1の光学構成要素220の(スペーサ210の傾斜した端面と相補的
な表面を有する第1の光学構成要素220の端と反対側の)端における切面215に固着
されるとよい。いくつかの構成では、平面状傾斜表面227は、該傾斜表面に生じ得る汚
染物質の付着を避けるために反射被膜231によって被覆されるとよい。これによって、
傾斜表面と反射被膜とのインターフェイスは、第2の光学構成要素250内から傾斜表面
に衝突する光を完全に又は実質的に完全に内部反射させることができる。生じ得る汚染物
質として、機械的強度を追加するために用いられるとよい反射被膜を覆う接着被膜が挙げ
られる。被膜231は、ポリマー樹脂、例えば、制限されるものではないが、周知の薄膜
堆積プロセスを用いて塗布される誘電体薄膜であってもよいし、又は当業者に周知の蒸着
技術によって塗布されるメタライズ被膜であってもよい。このような誘電体被膜は、制限
されるものではないが、ポリマー又はポリマーの組合せによって作製されてもよいし、さ
らに好ましくは、積層、例えば、蒸着被膜を形成するための蒸着プロセス又はスパッタの
ような物理蒸着(PVD)プロセスによって堆積される二酸化珪素(SiO)及び二酸
化チタン(TiO)又は他の金属酸化物の交互層であってもよい。好ましい構成として
、誘電体被膜は、SiO及びTiOの4つの交互層が挙げられる。メタライズ被膜の
ための適切な反射性金属の例として、制限されるものではないが、アルミニウム、銀、及
び金が挙げられる。いくつかの他の構成では、平面状の傾斜表面227は、該傾斜表面が
空気に直接露出される時には被覆されなくてもよく、このような構成では、空気に対する
傾斜表面のインターフェイスは、第2の光学構成要素250内から傾斜表面に衝突する光
の完全な又は実質的に完全な内部反射をもたらすことができる。従って、被膜231は、
平面状の傾斜表面227における内部反射が、被膜が存在せずにかつ傾斜表面が空気に露
出する時におけるのと同一又は実質的に同一であるように、設けられるとよい。
【0068】
図4Aおよび図4Bにさらに示されるように、内側カバー260は、ポッティング20
9、スペーサ210、第1の光学構成要素220、及び第2の光学構成要素250の一部
の長さに沿って延在し、かつこれらを周方向に包囲している。図示の例におけるように、
内側カバー260は、薄いチューブであるとよく、該チューブは、いくつかの構成では、
ポリマー樹脂、例えば、制限されるものではないが、種々の構成要素に対して熱収縮可能
なポリエチレンテレフタレート(PET)及びエポキシのような接着剤とから形成される
とよい。使用時に、他の構成要素と接触するPETチューブの部分が、接着剤によって被
覆されるとよい。このようにして、内側カバー260は、ポッティング209、スペーサ
210、及び及び第1の光学構成要素220の各々の外面の全て又は少なくとも一部に接
着され、これによって、内側カバーがこれらの構成要素に合体されるとよい。その結果、
ポッティング209、スペーサ210、及び第1の光学構成要素220は、互いに固定さ
れ、共通の長軸に沿って軸方向に真っ直ぐに並んだ状態で保持されることになる。
【0069】
外部カバー265は、内側カバー260に固定されてもよいし、又は例えば、制限され
るものでないが、接着剤によって内側カバー260に接着されてもよい。この接着剤は、
制限されるものではないが、高強度接着剤、例えば、熱硬化性エポキシ、ウレタン基接着
剤、又はアクリル接着剤であるとよい。外部カバー265は、制限されるものではないが
、光学プローブ200のアセンブリの全体を受け入れ、該アセンブリの全体にトルクを加
えるためのトルクコイルであるとよい。これによって、外部カバー265、その結果とし
て、光学プローブ200は、取り付けられたモータによって、少なくとも10,000r
pmの高速で回転することができる。この回転速度に耐えるために、外部カバー265は
、多層の巻コイル、好ましくは、交互の方向に巻かれる2層以上のこのような巻コイルを
有しているとよい。外部カバー265は、制限されるものではないが、ステンレス鋼のよ
うな金属から作製されているとよい。
【0070】
図示されるように、外部カバー265は、内側カバー260の一部のみに沿って延在し
ているとよい。これによって、内側カバー260の残りは、図示されるように、エンドキ
ャップ275に固着されるとよい。また、外部カバー265も、接着剤、例えば、制限さ
れるものではないが、エポキシによって、エンドキャップ275に固着されるとよい。エ
ンドキャップ275は、ポリマー樹脂によって成形されるとよい。このポリマー樹脂は、
例えば、高粘性樹脂、例えば、制限されるものではないが、熱硬化性エポキシ、ウレタン
基接着剤、又はアクリル接着剤であるとよい。エンドキャップ275は、内側カバー26
0への取付部から遠位側に第2の光学構成要素250を超え、キャップ開口276を除い
て第2の光学構成要素250を包囲するように、延在しているとよい。キャップ開口27
6は、第2の光学構成要素250の平面状傾斜平面227から反射して出射表面255か
ら出射する光ビームが妨げられることなくエンドキャップ275を通過するのに十分に大
きい直径を有しているとよい。また、キャップ開口276は、万一第2の光学構成要素2
50が第1の光学構成要素220への取付部から離脱した場合、エンドキャップがキャッ
プ開口からの第2の光学構成要素250の脱落を阻止するのに十分小さい直径を有してい
るとよい。
【0071】
図示されるように、接着剤230は、第2の光学構成要素250の第1の平面状表面2
29の周囲の一部の周りに延び、第2の光学構成要素から延在する1つ又は複数の側表面
228、平面状傾斜表面227、及び出射表面225の一部を覆うようになっているとよ
い。図4Bに示されるように、接着剤230は、内側カバー260の内面に拡がり、第2
の光学構成要素250及び内側カバーに接合されるとよい。これによって、内側カバー2
60は、特に光学プローブ200の高速回転中に第2の光学構成要素に与えられるせん断
力に対して、第1の光学構成要素220に対する第2の光学構成要素250の位置を維持
する追加的な支持をもたらすことになる。
【0072】
いくつかの構成では、図示されるように、外側カバー270は、外部カバー265の一
部のみに沿って及びエンドキャップ275の最大直径の部分のみに沿って延在していると
よい。さらに図示されるように、外側カバー270は、キャップ開口276を覆っている
とよい。これによって、外側カバー270は、万一第2の光学構成要素250が第1の光
学構成要素220への取付部から離脱した場合、キャップ開口276からの第2の光学構
成要素250の脱落を防ぐ追加的なバリアをもたらすことになる。外側カバー270は、
第2の光学構成要素250の出射表面255を出射して該カバーを通過する光を不必要に
集束又は拡散させるレンズとして機能しないように、すなわち、当業者に知られているよ
うな「レンズ効果」を殆ど又は全く生じさせないように、十分に薄くなっているとよい。
【0073】
図4Cに示されるように、代替的構成では、光学プローブ200Aは、光学プローブ2
00Aが接着剤230に代わって接着剤230Aを備えることを除けば、光学プローブ2
00と同じか又は実質的に同じである。接着剤230と違って、接着剤230Aは、第2
の光学構成要素250を実質的に覆い、樹脂キャップ275にさらに接合されている。接
着剤230Aが第2の光学構成要素250の傾斜表面227を包囲するこのような構成で
は、第2の光学構成要素は、第2の光学構成要素の傾斜表面において光の内部反射を完全
に又は実質的に完全にもたらすために、傾斜表面を覆う反射被膜231を備えているとよ
い。
【0074】
図5Aおよび図5Bを参照すると、光学プローブ300は、光学プローブ300が外部
カバー265及びエンドキャップ275に代わって、それぞれ、外部カバー365及びエ
ンドキャップ375を備えることを除けば、光学プローブ200と実質的に同じである。
外部カバー365は、外部カバー365が接着剤(例えば、制限されるものではないが、
エポキシ接着剤、ウレタン接着剤、又はアクリル接着剤)を挿入するための複数の孔36
7A,367Bを備えることを除けば、外部カバー265と実質的に同じである。エンド
キャップ375は、内側カバー260に接触しないことを除けば、エンドキャップ275
と実質的に同じである。代わって、エンドキャプ275は、該エンドキャップが光学プロ
ーブ300の平行移動及び高速回転中に位置が保持されるように、外部カバー365内に
加圧成形又は接着されるとよい。
【0075】
図6に示されるように、光学プローブ400は、光学プローブ400が内側カバー26
0、外部カバー265、エンドキャップ275,及び接着剤230に代わって、それぞれ
、内側カバー460、外部カバー465,エンドキャップ475,及び接着剤430を備
えることを除けば、光学プローブ200と実質的に同じである。内側カバー460は、内
側カバー460がポッティング209及びスペーサ210の一部に沿ってのみ延在するこ
とを除けば、内側カバー260と実質的に同じである。外部カバー465は、外部カバー
465がスペーサ210を周方向に包囲する(光ファイバ205の長軸に対して傾斜して
配置された)端面466を有することを除けば、外部カバー265と実質的に同じである
。エンドキャップ475は、エンドキャップ475がスペーサ210を周方向に包囲する
ように近位側に延在し、外部カバー465の端面466と相補的な端面476を有するこ
とを除けば、エンドキャップ275と実施的に同じである。代替的に、外部カバーは、第
1の光学構成要素220まで遠位方向に延在してもよく、それに応じて、エンドキャップ
の長さが短くなっていてもよい。いずれの代替例でも、接着剤430は、図示されるよう
に、該接着剤が近位側に拡がり、内側カバー460と接触し、かつ固着するように、施さ
れるとよい。これによって、接着剤430は、光学プローブ400の平行移動及び高速回
転中に第2の光学構成要素250に対して大きい支持をもたらすことになる。いくつかの
代替的構成では、内側カバーは、第1の光学構成要素220まで延在していてもよく、こ
れに応じて、付加的な支持を第2の光学構成要素250にもたらしながら、内側カバーに
接触し、かつ固着する程度まで、接着剤430の近位側に拡がる距離を短くしてもよい。
【0076】
加えて、図示されるように、接着剤430は、エンドキャップ475と第1の光学構成
要素220との間に画定された空間のかなりの部分を充填し、これによって、第2の光学
構成要素250に対して大きな支持をもたらすとよい。接着剤430が第2の光学構成要
素250の傾斜表面227を包囲するいくつかの実施形態では、第2の光学構成要素の傾
斜表面における光の完全又は実質的に完全な内部反射をもたらすために、第2の光学構成
要素は、傾斜表面を覆う反射被膜231を備えているとよい。さらに、相補的な傾斜端面
466,476によって、外部カバー465は、このような構成における外部カバーの回
転中にトルクをエンドキャップ475に加えることができる。
【0077】
図7Aおよび図7Bに示されるように、光学プローブ500は、光学プローブ500が
外部カバー465及びエンドキャップ475に代わって、それぞれ、外部カバー565及
びエンドキャップ575を備えることを除けば、光学プローブ400と実質的に同じであ
る。外部カバー565は、外部カバー565が端面466に代わって溝567を画定する
端面566を備えることを除けば、外部カバー465と実質的に同じである。エンドキャ
ップ575は、エンドキャップ575が、端面576に代わって端面576を備えること
、及び端面576が外部カバー565の端面466の溝567に受け入れられるキー57
7を備えることを除けば、エンドキャップ475と実質的に同じである。これによって、
外部カバー565は、外部カバーの回転中にエンドキャップ575にトルクを加えること
ができる。
【0078】
図8Aおよび図8Bに示されるように、光学プローブ700は、以下の点、すなわち、
光学プローブ700がポッティング209及びエンドキャップ275を備えていない点、
内側カバー260、エンドキャップ275、及び外側カバー270の組合せに代わって内
側カバー760及び外側カバー770の組合せを備えている点、外部カバー265に代わ
って外部カバー765を備えている点、光ファイバ205に代わって光ファイバ705を
備えている点、接着剤230に代わって第1の接着剤730を備える点、及び第2の接着
剤735を追加的に備える点を除けば、光学プローブ200と実質的に同じである。内側
カバー760は、内側カバー760がスペーサ210及び第1の光学構成要素220のみ
の周りに延在するスリーブとして機能することを除けば、内側カバー260と実質的に同
じである。内側カバー260と同様、内側カバー760は、第1の光学構成要素220を
超えて遠位側に延在している。外側カバー770は、以下にさらに述べるように、接着剤
が外側カバーと光ファイバとの間に施され、内側カバー760の全体を直接覆い、かつ第
2の光学構成要素250を直接覆うことを除けば、外部カバー765の遠位部分に沿って
延在し、かつ該遠位部分を直接覆い、かつ(ジャケット706のない)光ファイバ705
の部分を直接覆うようになっている。これによって、外側カバー770は、光学プローブ
700の端の大部分を覆う光学プローブ700の遠位端における最外構成要素となる。図
示されるように、外側カバー770は、その遠位端に開口を画定しており、これによって
、光学プローブ200と対照的に、光学プローブ700は、その周囲環境に露出すること
になる。これによって、内側カバー760、内側カバー、スペーサ210、及び第1の光
学構成要素220の組合せ、又は内側カバー、スペーサ、第1の光学構成要素、及び第2
の光学構成要素250の組合せは、外側カバーの遠位端に画定された開口を通して挿入さ
れることが可能になる。外部カバー765は、外部カバー765が(ジャケット706の
ない)光ファイバ705を実質的に包囲する遠位端面766を有することを除けば、外部
カバー265と実質的に同じである。外部カバー765は、その遠位端に段部767を画
定している。外部カバー770は、この段部の上に延在し、これによって、外部カバー及
び外側カバーは、光学プローブ700の連続的な外面、すなわち、途切れのない外面を形
成することになる。
【0079】
いくつかの構成では、図8Bに示されるように、(制限されるものではないが、エポキ
シ接着剤、ウレタン接着剤、又はアクリル接着剤であるとよい)第1の接着剤730は、
第1の光学構成要素220及び第2の光学構成要素250に隣接する前述の領域と同じ領
域に塗布されるのみならず、遠位側に向かって略傾斜表面227の下方にまでさらに施さ
れ、第2の光学構成要素250の反射被膜231(図4B参照)を被覆するとよく、さら
に、図示されるように、近位側にも施されるとよい。これによって、第1の接着剤730
は、内側カバー760の一部又は(図示されるように)内側カバー760の全てをスペー
サ210及び第1の光学構成要素220に固着させ、外側カバー770を内側カバー76
0に固着させ、外側カバー770を外部カバー765に固着させることになる。図8B
さらに参照すると、(ジャケット706のない)光ファイバ705は、スペーサ210に
直接固着されてもよいし、又はスペーサのない代替的な構成では、第1の光学構成要素2
20に固着されてもよい。また、光ファイバー705は、外側カバー770が光ファイバ
の露出面から離間するような厚みを有し、光ファイバ、外側カバー、スペーサ(又は代替
的に第1の光学構成要素)、及び外部カバー765の間に間隙が形成されるとよい。これ
によって、製造中に最初空隙であるこの間隙は、光ファイバ705及びスペーサ210の
同心性及び光ファイバとスペーサの直径のいずれか又は両方のバラツキを許容することに
なる。
【0080】
図示されるように、この間隙の全体が第2の接着剤735によって充填されるとよい。
第2の接着剤735は、制限されるものではないが、エポキシ接着剤、ウレタン接着剤、
又はアクリル接着剤であるとよく、代替的構成では、弾性充填材料、例えば、弾性ポリマ
ーであるとよい。加えて、第1の接着剤730が、第2の接着剤735と外側カバー77
0との間に施されてもよい。この例におけるように、第2の接着剤735又は弾性充填材
料は、第1の接着剤730よりも軟質であるとよく、すなわち、より圧縮性であるとよい
。間隙内への接着剤の使用によって、光学プローブ700の回転中に光ファイバ705が
支持されることになる。代替的構成では、間隙の全体が第2の接着剤735又は弾性充填
材料によって充填されてもよいし、又は間隙の全体が第1の接着剤730によって充填さ
れてもよい。さらに他の構成では、間隙は、間隙が空隙として維持されるように、全く充
填されなくてもよい。これによって、第2の接着剤735又は弾性充填材を用いて間隙を
充填することによって光ファイバ205及び第1の接着剤730に沿った種々の領域に作
用する不均一な力によって生じる応力を回避することができる。
【0081】
図8Bを参照すると、光学プローブ700の製造において、光ファイバの一部からファ
イバジャケット706を剥ぎ取った後、光ファイバ705の遠位部分がスペーサ210の
近位端に接着剤によって又は融着によって固着されるとよい。例えば、光ファイバ705
の遠位端は、好ましくは、溶接又は他の高温加熱法によって、スペーサ210の近位端に
融着されるとよい。他の例では、接着剤が光ファイバ705の周囲及びスペーサ210に
施されてもよく、この場合、接着剤が光ファイバの遠位端とスペーサとの間に施されても
よく、又は反射防止膜が光ファイバの遠位端及びスペーサのいずれか又は両方に施されて
もよい。次に、第1の光学構成要素220が、接着剤によって又は溶接又は他の高温加熱
法によって、スペーサ210又は第2の光学構成要素250に固着されるとよい。次いで
、外部カバー765が光ファイバ705の剥ぎ取られた部分及び剥ぎ取られていない部分
の周りに沿って摺動されるとよい。次いで、内側カバー760が、取付けられたスペーサ
210及び第1の光学構成要素220の周りに沿って近位側に摺動されるとよい。いくつ
かの構成では、接着剤、例えば、第1の接着剤730が、スペーサ210及び第1の光学
構成要素220のいずれか又は両方に予め塗布されているとよく、これによって、内側カ
バーの近位端がスペーサ210と真っ直ぐに並ぶことになる。この場合、液滴程度の第1
の接着剤730が、内側カバー760の孔760Aを通して、スペーサ210又は第1の
光学構成要素220のいずれか、図示の例では、スペーサ210に施されるとよい。この
後、追加的な第1の接着剤730が、内側カバー760の外面、外部カバー765の段部
767、及び外側カバー770の内面のいずれか又は全てに施されるとよい。次いで、外
側カバー770が内側カバー760及び外部カバー765の段部767の周りに沿って近
位側に摺動されるとよい。しかし、代替的構成では、外側カバー及び内側カバーは、図8
Aおよび図8Bに示される外側カバー770及び内側カバー760の組合せと同じように
一体の単一構成要素として形成されてもよく、これによって、該構成要素は、種々の段領
域を有することになる。外側カバー770は、孔770Aを備えているとよい。外側カバ
ー770は、好ましくは、該孔が軸方向において外部カバー765の遠位端と内側カバー
760の近位端との間に位置するように、配置されるとよい。この場合、外部カバー76
5の段部767は、以下のように、すなわち、外側カバーの(孔770Aの近位側に位置
する)近位部分が外側カバーの段部の周りに延在し、これによって、外部カバー及び外側
カバーが光学プローブ700の連続的な外面、すなわち、途切れの内外面を形成するよう
に、寸法決めされるとよい。
【0082】
追加的な第1の接着剤730又は好ましくは第2の接着剤735が、孔770Aを通っ
て、光ファイバ705の露出面、外側カバー770、第1の光学構成要素220、及び外
部カバー765によって画定された間隙内に施されるとよい。内側カバー760の孔76
0A及び外側カバー770の孔770Aのいずれか又は両方がない光学プローブ700の
代替的構成では、接着剤は、スペーサ210及び第1の光学構成要素220の組合せに、
及び光ファイバ705の露出面、外側カバー770、第1の光学構成要素220、及び外
部カバー765によって画定された間隙にそれぞれ施されるとよい。
【0083】
いくつかの構成では、外側カバー770は、制限されるものではないが、ステンレスの
ような金属及び種々のポリマー、例えば、制限れるものではないが、ポリイミドから作製
されるとよい。ステンレス鋼又はポリイミドから作製される場合、外側カバー770は、
図8Aに最もよく示されるように、所望の形状に機械加工されるとよい。いくつかの構成
では、外側カバー770は、外部カバー765の周りに成形されてもよい。いくつかのこ
のような構成では、外側カバー770及び内側カバー760は、単一の連続成形部分の形
態にある一体構成要素であってもよく、さらに図8Aおよび図8Bに示される外側カバー
770及び内側カバー760の組合せと同じ形態にあってもよい。いくつかの代替的構成
、例えば、比較的低回転速度、好ましくは、略3000rpmよりも低いか又は略同じ回
転速度の構成では、外側カバーは、外部カバーを覆う形態に代わって、外部カバーの遠位
端に当接するようになっていてもよい。
【0084】
図9を参照すると、光学プローブ800は、光学プローブ800がエンドキャップ87
5をさらに備えることを除けば、光学プローブ700と実質的に同じである。このような
構成では、エンドキャップ875は、光学プローブ700の遠位端に取り付けられるとよ
い。図示されるように、エンドキャップ875は、外側カバー770の遠位部分及び遠位
端を周方向に包囲する透明な薄肉シースの形態で設けられるとよい。この例におけるよう
に、エンドキャップ875は、制限されるものではないが、(必要に応じて、ヒト又は他
の生物の血流に生じる最高圧における耐液性、場合によっては、耐湿性のある)ポリエチ
レンテレフタレート(PET)又は他のプラスチックから作製されるとよい。光学プロー
ブ700の製造中、光学プローブ800は、PET樹脂を外側カバー770の遠位部分及
び遠位端の周りに施すことによって形成されるとよい。次いで、PET樹脂は,光学プロ
ーブ700への加熱中に硬化される。これによって、PET樹脂が硬化され、かつ収縮さ
れることになる。図示されるように、収縮中、硬化されたPET樹脂は、樹脂が孔又は開
口、例えば、外側カバー770の遠位端に画定された遠位開口777又は外側カバー77
0の側開口776を覆って施された領域に平坦な区域を形成する。エンドキャップ875
の厚みは、好ましくは、略5μmから略50μmの範囲内にあり、さらに好ましくは、略
10μmである。これによって、液体材料、、場合によっては、湿気が遠位開口777又
は側開口776を通って外側カバー770内に入るのが阻止され、同時にエンドキャップ
875を通る光放射への干渉が最小限に抑えられる。
【0085】
図10に示されるように、光学プローブ900は、光学プローブ900がエンドキャッ
プ875に代わってエンドキャップ975を備えることを除けば、光学プローブ800と
実質的に同じである。エンドキャップ975は、エンドキャップ975の遠位部分がチュ
ーブの形態にあることを除けば、エンドキャップ875と実質的に同じである。図示され
るように、エンドキャップ975のチューブ部分は、遠位方向にくびれている。このよう
な構成では、制限されるものではないが、エポキシ接着剤、ウレタン接着剤、又はアクリ
ル接着剤であるとよい接着剤976は、該接着剤がエンドキャップに侵入する液体に対し
て完全なバリアをもたらすように、エンドキャップ975内に施されるとよい。これによ
って、エンドキャップ975は、光学プローブ800のエンドキャップ875に対して光
学プローブ900の遠位端においてより大きな圧縮力に耐えるように構成された強力なバ
リアをもたらすことができる。
【0086】
図11Aおよび図11Bを参照すると、第2の光学構成要素650は、図示されるよう
に、第1の光学構成要素220に取り付けられるとよく、第2の光学構成要素250に代
わって用いられるとよい。第2の光学構成要素650は、第2の光学構成要素650が光
学構成要素150の平面状表面29、平面状表面27、及び凹状表面155に代わって、
台形の平面状表面629、台形の平面状(傾斜)表面627、及び台形の凹状表面155
を有することを除けば、光学構成要素150と実質的に同じであり、台形の平面状表面6
29と直交して台形の平面状表面627を通る方向に延在する軸を中心とする(光学構成
要素150よりも大きい)周囲をさらに備えることができる。台形の平面状表面629は
、4つの主縁681~684と、主縁の各々の対間に延在する4つの副縁686~689
とを備えている。図示される構成では、4つの主縁681~684は、等しい寸法を有し
ており、4つの副縁686~689も、等しい寸法を有している。しかし、代替的構成で
は、これらの縁は、それらの対応する縁の少なくともいくつかと異なる寸法を有していて
もよい。4つの副縁686~689の各々の端は、第2の光学構成要素650が第1の光
学構成要素と適切に真っ直ぐに並んだ時に第1の光学構成要素220の外径上の点と交わ
り、これによって、第2の光学構成要素650の輪郭の全体が第1の光学構成要素の光イ
ンターフェイス面215内に位置することになる。これによって、光学構成要素150の
平面状表面29によって与えられるよりも大きい(内接円690によって示される)開口
が、第2の光学構成要素650の台形の平面状表面629によって形成される。その結果
、第1の光学構成要素220から光学構成要素150の表面29に入射するよりも多くの
光が平面状表面629において第2の光学構成要素650に入射することになる。望まし
くは、台形の出射表面655は、光学構成要素150の凹状表面155に対して所定の台
形形態を有しているとよく、台形の傾斜表面627は、傾斜表面27に対して所定の台形
形態を有しているとよく、出射表面655は、所定の凹状形態を有してるとよい。従って
、平面状表面629に入射する光の全て又は実質的に全てが出射表面655において第2
の光学構成要素650から出射し、これによって、平面状表面629において第2の光学
構成要素に入射して第2の光学構成要素から出射する光の量を最大化させることができる
【0087】
使用中、光学プローブ200,300,400,500,700,800,900又は
第2の光学構成要素250に代わって第2の光学構成要素650を用いる任意のこのよう
な光学プローブは、対象物又は組織を照明するために用いられるとよい。いくつかの構成
では、光学プローブ200は、いくつかの医療処置、例えば、最小侵襲性外科処置中の光
干渉撮像(OCT)技術又は他の医療撮像技術にとって必要な体内組織の照明に用いられ
るとよい。このような処置中、光学プローブ200,300,400,500,700,
800,900は、カテーテル(カテーテルチューブ)を通って、好ましくは、カテーテ
ルとの摩擦を生じることなく、体内組織、例えば、血管に沿って移動され、ロータリージ
ョイント又は他の機械接続具によって回転されるとよい。光学プローブ200,300,
400,500,700,800,900は、該プローブから放射される光ビームのスポ
ット径が照明されることが望まれる組織に対応するように、構成されているとよい。一構
成では、プローブ200,300,400,500,700,800,900から放射さ
れる光ビームは、楕円形であるとよく、略5μmから100μmの間のスポット径を有し
ているとよい。一実施形態では、プローブ200,300,400,500,700,8
00,900は、放射される光ビームのスポット径が特定の細胞、例えば、ガン細胞の照
明及び同定を容易にするように、構成されているとよい。
【0088】
図12を参照すると、一例では、光学プローブ200,800,900は、それぞれの
光学システム1000A,1000B,1000Cの一部であるとよい。光学システム1
000A,1000B,1000C内において、それぞれの光学プローブは、カテーテル
1010のチューブ内に挿入され、コネクタ/モータアセンブリ1020に取り付けられ
るとよい。コネクタ/モータアセンブリ1020は、光ビームをそれぞれの光学プローブ
200,800,900に伝達するための光学コネクタ1025を備えているとよい。さ
らに、コネクタ/モータアセンブリ1020は、取り付けられた光学構成要素250,6
50を回転させるために、回転力を外部カバー765に供給するとよい。これによって、
この例では、光学プローブ200,800,900は、前述したように、動脈99の異常
を識別するための動脈99の照明を促進することになる。光学プローブ200は、外側カ
バー270を備えており、光学プローブ800,900は、それぞれ、エンドキャップ8
75,975を備えており、これによって、該光学プローブは、洗浄液がカテーテルの側
チューブ1012を通ってカテーテル1010内に添加される図示の例におけるように、
液環境又は湿気環境において作動することができる。
【0089】
図13を参照すると、他の例では、光学プローブ200,300,400、500,7
00,800,900は、カテーテル1010に代わってカテーテル1110を備えるこ
とを除けば光学システム1000A,1000B,1000Cと実質的に同様の他の光学
システムの一部であるとよい。カテーテル1110は、カテーテル1110がチップ11
11を備えることを除けば、カテーテル1010と実質的に同じである。チップ1111
は、図示されるように、カテーテルの外部の動脈99の液状環境又は湿気環境から光学シ
ステムを分離し、概して、カテーテル1010の側チューブ1012のような側チューブ
を備えていない点に特徴がある。
【0090】
本明細書に記載される開示内容は、本明細書に具体的に開示されているか否かに関わら
ず、前述した特定の特徴部のどのような可能な組合せをも含むことをさらに理解されたい
。例えば、特定の特徴部が特定の態様、配置、構成、又は実施形態に関連して開示される
場合、該特徴部は、可能な限り、本技術の他の特定の態様、配置、構成、及び実施形態と
組合せて及び/又は関連させて、及び一般的に該技術において用いられてもよい。
【0091】
さらに、本明細書における技術を特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は、本技術の原理及び用途の単なる例示にすぎないことを理解されたい。それ故、多くの修正が例示されている実施形態に対してなされもよいこと、及び他の構成が本技術の精神及び範囲から逸脱することなく考案されてもよいことを理解されたい。これに関して、本技術は、以下の請求項に述べる特別の特徴に加えて多くの付加的な特徴を含んでいる。さらに、前述の開示は、制限のためというよりもむしろ例証のためになされたものと見なされるべきである。何故なら、本技術は、添付の請求項によって規定されるからである。
[請求項1]
レンズ組合せであって、
楕円縁を画定する略平面状の第1のレンズ端面を有する第1のレンズと、
前記第1のレンズ端面に動作可能に連結された略平面状の第2のレンズ端面を有する第2のレンズであって、前記第2のレンズは、4つの主縁と前記主縁の対を接続する少なくとも2つの副縁とを有しており、前記主縁の各々は、前記第1のレンズの前記楕円縁において、2つの互いに離間した点間に実質的に直線状に延在している、第2のレンズと、
を備えている、レンズ組合せ。
[請求項2]
前記第2のレンズ端面の全体が、前記第1のレンズ端面の方を向いて配置されている、請求項1に記載のレンズ組合せ。
[請求項3]
前記第2のレンズ端面の前記副縁の少なくとも1つは、湾曲している、請求項1に記載のレンズ組合せ。
[請求項4]
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズは、前記第1のレンズ端面において前記第1のレンズから出射する光ビームが前記第2のレンズ端面において前記第2のレンズに入射するように構成されており、前記第2のレンズは、
略平面状の第2のレンズ傾斜表面であって、前記第2のレンズ端面は、前記第2のレンズ端面において前記第2のレンズに入射する光ビームが前記第2のレンズ傾斜表面において反射するように、前記第2のレンズ傾斜表面に対して所定の角度で配置されている、略平面状の第2のレンズ傾斜表面と、
第2のレンズ出射表面であって、前記第2のレンズ傾斜表面によって反射した光が前記第2のレンズ出射表面に向かって導かれるように配置されている、第2のレンズ出射表面と、
をさらに備えている、レンズ組合せ。
[請求項5]
前記第2のレンズ出射表面は、前記第2のレンズの内部に向かって内方に湾曲する凹面である、請求項4に記載のレンズ組合せ。
[請求項6]
前記第2のレンズの前記凹面は、略互いに向き合った第1及び第2の縁を備えており、
前記略互いに向き合った第1及び第2の縁は、それぞれ、第1及び第2の軸に沿って延在しており、前記第1の軸は、前記第2のレンズ端面に接しているか又は同一面内にある、請求項5に記載のレンズ組合せ。
[請求項7]
前記第1のレンズ端面の前記楕円縁は、円状であり、前記第2のレンズの前記主縁は、それぞれの主縁軸に沿って延在しており、前記主縁軸は、正方形を画定するように互いに交差している、請求項1に記載のレンズ組合せ。
[請求項8]
光学プローブであって、
請求項1に記載のレンズ組合せと
光ファイバを備える光ファイバアセンブリであって、前記光ファイバアセンブリ及び前記レンズ組合せは、前記光ファイバから出射する光ビームが前記第1のレンズの入射面において前記レンズ組合せに入射し、前記第1のレンズを通過し、前記第1のレンズ端面において前記第1のレンズから出射するように構成されている、光ファイバアセンブリと、
前記光ファイバアセンブリを周方向に包囲するカバーと、
を備えている、光学プローブ。
[請求項9]
光学プローブであって、
請求項4に記載のレンズ組合せと、
光ファイバを備える光ファイナアセンブリであって、前記光ファイバアセンブリ及び前記レンズ組合せは、前記光ファイバから出射する光ビームが前記第1のレンズの入射面において前記レンズ組合せに入射し、前記第1のレンズを通過し、前記第1のレンズ端面において前記第1のレンズから出射するように構成されている、光ファイバアセンブリと、
前記光ファイバアセンブリを周方向に包囲する第1のカバーと、
を備えている、光学プローブ。
[請求項10]
前記第1のカバーは、前記レンズ組合せを実質的に包囲している、請求項9に記載の光学プローブ。
[請求項11]
前記第1のカバーを覆う第2のカバーをさらに備えている、請求項9に記載の光学プローブ。
[請求項12]
前記第2のカバーは、前記第2のレンズが前記光ファイバによって画定された長軸を中心として回転するように前記光学プローブにトルクを加えるように構成されたトルクコイルである、請求項11に記載の光学プローブ。
[請求項13]
光学プローブであって、
光ファイバを備える光ファイバアセンブリと、
第1の端面を有する第1の光学構成要素と、前記第1の光学構成要素の前記第1の端面に対向する第2の端面を有する第2の光学構成要素と、を備える光学構成要素アセンブリであって、前記第2の光学構成要素の前記第2の端面は、前記第2の光学構成要素の前記第2の端面を少なくとも部分的に包囲する第1の接着剤によって、前記第1の光学構成要素の前記第1の端面に固着されている、光学構成要素アセンブリと、
前記光ファイバアセンブリに固着され、前記光ファイバアセンブリを周方向に包囲する第1のカバーであって、第2の接着剤が前記第2の光学構成要素を前記第1のカバーに固着している、第1のカバーと、
を備えている、光学プローブ。
[請求項14]
前記第1の接着剤は、前記第1のカバーに接合されている、請求項13に記載の光学プローブ。
[請求項15]
前記第1の光学構成要素及び前記第2の光学構成要素は、前記第1の端面において前記第1の光学構成要素から出射する光ビームが前記第2の端面において前記第2の光学構成要素に入射するように構成されており、前記第2の光学構成要素は、
略平面状の傾斜表面であって、前記第2の端面は、前記第2の端面において前記第2の光学構成要素に入射する光ビームが前記傾斜表面において反射するように、前記傾斜表面に対して所定の角度で配置されている、略平面状の傾斜表面と、
出射表面であって、前記傾斜表面によって反射した光が前記出射表面に向かって導かれるように配置されている、出射表面と、
をさらに備えている、請求項13に記載の光学プローブ。
[請求項16]
前記第2の光学構成要素の前記出射表面は、前記第2の光学構成要素の内部に向かって内方に湾曲する凹面である、請求項15に記載の光学プローブ。
[請求項17]
前記第1の光学構成要素は、GRINレンズであり、前記光学プローブは、前記GRINレンズと前記光ファイバとの間において前記第1のカバー内に配置されたガラス製のスペーサロッドをさらに備えている、請求項15に記載の光学プローブ。
[請求項18]
シースをさらに備え、前記光ファイバは、長軸を画定しており、前記第1のカバーは、前記長軸から半径方向にずれて前記第2の光学構成要素の前記出射表面の上方に位置する開口を画定しており、前記シースは、前記開口を覆っている、請求項15に記載の光学プローブ。
[請求項19]
前記開口を覆う前記シースの少なくとも一部は、平坦である、請求項18に記載の光学プローブ。
[請求項20]
前記第1のカバーを上方から覆うか又は下方から覆う第2のカバーをさらに備えている、請求項13に記載の光学プローブ。
[請求項21]
前記第2のカバーは、前記第2の光学構成要素が前記光ファイバによって画定された長軸を中心として回転するように前記光学プローブにトルクを加えるように構成されたトルクコイルである、請求項20に記載の光学プローブ。
[請求項22]
前記光ファイバは、長軸を画定しており、前記第2のカバーは、前記光学プローブの終端における前記第2の光学構成要素の露出を防ぐために、前記終端を覆うように構成されており、前記光ファイバの前記長軸は、前記第2のカバーを貫通している、請求項20に記載の光学プローブ。
[請求項23]
前記第1のカバーは、内側スリーブと、前記内側スリーブに固着され、前記内側スリーブを周方向に包囲する外側スリーブとを備えている、請求項13に記載の光学プローブ。
[請求項24]
前記第1のカバーは、前記外側スリーブに取り付けられたトルクコイルをさらに備えており、前記トルクコイルは、前記光学プローブにトルクを加えるように構成されている、請求項23に記載の光学プローブ。
[請求項25]
前記光ファイバは、前記第1のカバーが前記光ファイバの露出面から離間し、それの間に間隙を形成するように、前記第1の光学構成要素に取り付けられており、前記間隙は、少なくとも前記光ファイバの前記露出面、前記第1のカバー、及び前記第1の光学構成要素によって画定されている、請求項13に記載の光学プローブ。
[請求項26]
前記第1のカバーは、内側スリーブと、第3の接着剤によって前記内側スリーブに固着されて前記内側スリーブを周方向に包囲する外側スリーブと、を備えており、前記内側スリーブは、前記第3の接着剤によって前記第1の光学構成要素に固着されており、前記間隙は、前記第3の接着剤によって充填されている、請求項25に記載の光学プローブ。
[請求項27]
前記第1の接着剤及び前記第3の接着剤は、同一の接着剤であり、前記第2の接着剤は、前記第1の接着剤及び前記第3の接着剤と異なっている、請求項26に記載の光学プローブ。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13