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  • 特許-回路基板 図1
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  • 特許-回路基板 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/11 20060101AFI20220802BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20220802BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H05K1/11 Z
H05K3/00 T
G01R31/28 U
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020162036
(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公開番号】P2021136430
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2020-12-01
(31)【優先権主張番号】109106342
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】特許業務法人服部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】范 嘉恩
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 惠▲愈▼
(72)【発明者】
【氏名】彭 智明
(72)【発明者】
【氏名】李 俊▲徳▼
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0203840(US,A1)
【文献】特開2000-165006(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0153791(US,A1)
【文献】台湾特許出願公開第201044525(TW,A)
【文献】特開2001-251030(JP,A)
【文献】特開2006-228761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R31/28
H01L21/60
H05K1/00―3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する基板と、
前記基板の表面に形成された回路層であって、第一端及び第二端を有するメインセグメント、及び、前記メインセグメントに接続すると共に前記第一端と前記第二端との間に位置し、テスト装置が接触して電気的テストを行うために用いられるブランチセグメントを含む少なくとも1つのテスト回路線、並びに、第一導電性回路線及び第二導電性回路線を有する回路層と、
を備えており、
前記テスト回路線は前記第一導電性回路線と前記第二導電性回路線との間に位置し、
前記第一導電性回路線は第一延長セグメント及び第一回避セグメントを有し、
前記第二導電性回路線は第二延長セグメント及び第二回避セグメントを有し、
前記第一回避セグメントと前記第二回避セグメントとの間の間隔は前記第一延長セグメントと前記第二延長セグメントとの間の間隔より大さく、前記テスト回路線の前記ブランチセグメントは前記第一回避セグメントと前記第二回避セグメントとの間に位置することを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記回路層は複数の前記テスト回路線を有し、
前記第一導電性回路線または前記第二導電性回路線の少なくとも1つは隣接する2つの前記テスト回路線の間に位置することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記ブランチセグメントはテスト部を有し、前記テスト部は前記ブランチセグメントの自由端に位置すると共に前記テスト装置が接触するために用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記ブランチセグメントは接続部を更に有し、前記接続部の両端は前記メインセグメント及び前記テスト部にそれぞれ接続し、前記テスト部の線幅は前記接続部の線幅より広いことを特徴とする請求項に記載の回路基板。
【請求項5】
前記テスト部は前記メインセグメントと前記接続部との間に位置することを特徴とする請求項に記載の回路基板。
【請求項6】
記テスト部は前記メインセグメントと前記第一導電性回路線または前記第二導電性回路線との間に位置することを特徴とする請求項に記載の回路基板。
【請求項7】
前記テスト部の線幅は前記メインセグメントの線幅より広いことを特徴とする請求項に記載の回路基板。
【請求項8】
前記ブランチセグメントは非直線回路線であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項9】
前記基板の前記表面に外側接合領域が定義され、前記メインセグメントの前記第一端は前記外側接合領域に位置し、電子装置を接合するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項10】
前記基板の前記表面に内側接合領域が定義され、前記メインセグメントの前記第二端は前記内側接合領域に位置し、チップの接合に用いられることを特徴とする請求項1または9に記載の回路基板。
【請求項11】
前記テスト回路線を被覆するためのソルダーレジスト層を更に有し、
前記ブランチセグメントを被覆する前記ソルダーレジスト層は除去可能であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に関し、より詳しくは、テスト回路線を有する回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板は回路線のテストパッドにより電気的テストを行い、作業員が目視でテストパッドの位置を判断しやすくするために、テストパッドの線幅が回路線の線幅よりも明確に広くなっている。テストパッドの位置を確認した後、作業員はテスト装置を操作してプローブをテストパッド上方に移動し、プローブをテストパッドに接触させて電気的テストを行う。なお、当該技術分野に関する文献として例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-238891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の技術では、テストパッドと回路線との間の線幅の差異が断線を引き起こしやすく、回路線の失効に繋がった。そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は、以上の従来技術の課題を解決する為になされたものである。即ち、本発明の目的は、テスト回路線を有する回路基板を提供することである。そこで、本発明の回路基板によれば、テスト回路線はブランチセグメントがテスト装置に接触し、テスト回路線のメインセグメントの断線を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、表面を有する基板と、前記基板の表面に形成され、少なくとも1つのテスト回路線、並びに、第一導電性回路線及び第二導電性回路線を有する回路層と、を備えている回路基板である。テスト回路線は、第一端及び第二端を有するメインセグメント、及び、前記メインセグメントに接続すると共に前記第一端と前記第二端との間に位置し、テスト装置が接触して電気的テストを行うために用いられるブランチセグメントを含む。
前記テスト回路線は前記第一導電性回路線と前記第二導電性回路線との間に位置する。
前記第一導電性回路線は第一延長セグメント及び第一回避セグメントを有する。
前記第二導電性回路線は第二延長セグメント及び第二回避セグメントを有する。
前記第一回避セグメントと前記第二回避セグメントとの間の間隔は前記第一延長セグメントと前記第二延長セグメントとの間の間隔より大さく、前記テスト回路線の前記ブランチセグメントは前記第一回避セグメントと前記第二回避セグメントとの間に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、次のような効果がある。
本発明のブランチセグメントはテスト装置に接触させるために用いられ、テスト装置はメインセグメントに接触しない。よって、メインセグメントがテスト中に断線する事態を効果的に回避する。ブランチセグメントが製造、運送、或いはテスト中に断線した場合でも、メインセグメントが他の電子装置に電気的に接続しているため、ブランチセグメントが断線しても失効しない。
【0008】
なお、本発明の他の特徴については、本明細書及び図面の記載により明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る回路基板の一実施例を示す平面図である。
図2】本発明に係るテスト回路線の一部を説明する平面図の部分拡大図である。
図3】本発明に係るテスト回路線の一部を説明する平面図の部分拡大図である。
図4】本発明に係るテスト回路線の一部を説明する平面図の部分拡大図である。
図5】本発明に係るテスト回路線の一部を説明する平面図の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0011】
以下、本発明に係る回路基板を図1~5に基づいて説明する。まず、図1に示すように、本発明の回路基板Aは、基板100及び回路層200を備えている。基板100は表面110を有し、回路層200は表面110に形成される。基板100はポリイミド(polyimide、PI)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ガラス、セラミック、金属、または他の材料で製造される。回路層200の材質は銅、ニッケル、金、または他の金属や合金である。本実施例において、回路基板Aは精細なパターンを有するフレキシブル銅張積層板(flexible copper clad laminate、FCCL)である。
【0012】
図1を参照すれば、基板100の表面110には外側接合領域111及び内側接合領域112を定義する。好ましくは、表面110には2つの外側接合領域111を定義し、表面110の両側にそれぞれ位置し、内側接合領域112はこれら外側接合領域111の間に位置する。
【0013】
また、図1図2を参照する。回路層200は少なくとも1つのテスト回路線210を有し、テスト回路線210はメインセグメント211及びブランチセグメント212を含む。メインセグメント211の第一端211a及び第二端211bは外側接合領域111及び内側接合領域112にそれぞれ位置する。第一端211aは電子装置の接合に用いられ(図示省略)、第二端211bはチップの接合に用いられる(図示省略)。ブランチセグメント212はメインセグメント211に接続すると共に第一端211aと第二端211bとの間に位置する。ブランチセグメント212は第一端211aまたは第二端211bに接続せず、テスト装置(図示省略)を接触させて電気的テストを行うために用いられる。テスト装置はプローブ装置または他の電気的テスト装置である。
【0014】
テスト装置はテスト中にメインセグメント211に接触せず、作業員がテスト装置を操作していないときにメインセグメント211が断線する事態が回避される。また、ブランチセグメント212が外力によるものではない断線が発生しても、メインセグメント211は第一端211a及び第二端211bが電子装置及びチップに電気的に接続しているため、ブランチセグメント212が断線してもメインセグメント211が失効しない。
【0015】
続いて、図3から図5に示すように、ブランチセグメント212は接続部212a及びテスト部212bを有し、接続部212aの両端はメインセグメント211及びテスト部212bにそれぞれ接続する。テスト部212bはブランチセグメント212の自由端に位置し、テスト装置を接触させるために用いられる。好ましくは、テスト部212bの線幅は接続部212aの線幅及びメインセグメント211の線幅より広く、作業員が目視でテスト部212bの位置を判断しやすくする。線幅が変化する箇所は断線しやすいため、接続部212a及びテスト部212bの間の接続箇所を湾曲状に設計することで、ブランチセグメント212の展延性を強化し、断線の発生率を低下させる。よって、ブランチセグメント212は非直線回路線である。
【0016】
テスト回路線210は需要の違いに応じて設計される。図1図3を参照する。回路層200は少なくとも1つの導電性回路線220を更に有し、導電性回路線220の両端は外側接合領域111及び内側接合領域112にそれぞれ延伸する。導電性回路線220及びテスト回路線210のメインセグメント211は同じであり、電子装置及びチップの接合に用いるが、導電性回路線220はブランチセグメントを有しない。図3に示すように、ブランチセグメント212のテスト部212bはメインセグメント211と導電性回路線220との間に位置する。図3と異なり、図4に示すテスト部212bはメインセグメント211と他のテスト回路線210との間に位置する。図5に示すテスト部212bはメインセグメント211と接続部212aとの間に位置する。本発明はテスト回路線210及び導電性回路線220の配置を制限せず、ブランチセグメント212の長さ、パターン、及びメインセグメント211に対する位置も制限しない。
【0017】
図5に示すように、好ましくは、回路層200は複数のテスト回路線210及び複数の導電性回路線220を有し、これら導電性回路線220は第一導電性回路線221及び第二導電性回路線222を少なくとも含む。第一導電性回路線221は隣接する2つのテスト回路線210の間に位置し、そのうちの1つのテスト回路線210は第一導電性回路線221と第二導電性回路線222との間に位置する。
本実施例では、第一導電性回路線221は第一延長セグメント221a及び第一回避セグメント221bを有する。第一延長セグメント221aは第一回避セグメント221bに接続し、且つ第一回避セグメント221bの一端から外に向けて延伸する。第二導電性回路線222は第二延長セグメント222a及び第二回避セグメント222bを有する。第二延長セグメント222aは第二回避セグメント222bに接続し、且つ第二回避セグメント222bの一端から外に向けて延伸する。
第一延長セグメント221aは第二延長セグメント222aに対応し、第一回避セグメント221bは第二回避セグメント222bに対応し、第一回避セグメント221bと第二回避セグメント222bとの間の間隔D2は第一延長セグメント221aと第二延長セグメント222aとの間の間隔D1より大さい。テスト回路線210のブランチセグメント212は第一回避セグメント221bと第二回避セグメント222bとの間の空間に位置する。
【0018】
好ましくは、第一導電性回路線221は2つの第一延長セグメント221aを有し、第一回避セグメント221bの両端はこれら第一延長セグメント221aにそれぞれ接続する。第二導電性回路線222は2つの第二延長セグメント222aを有し、第二回避セグメント222bの両端はこれら第二延長セグメント222aにそれぞれ接続する。
【0019】
図1を参照する。好ましくは、回路基板Aはソルダーレジスト層300を更に有し、ソルダーレジスト層300はこれらテスト回路線210及びこれら導電性回路線220を被覆するが、外側接合領域111及び内側接合領域112に位置する回路線は被覆しない。ブランチセグメント212を被覆するソルダーレジスト層300は除去可能である。本実施例において、テスト部212aを被覆するソルダーレジスト層300は除去可能であり、露出するテスト部212aはテスト装置を接触させて電気的テストを行うために用いられる。
【0020】
テスト中に、テスト装置はメインセグメント211に接触せず、ブランチセグメント212にのみ接触する。これにより、作業員がテスト装置を操作していないときにメインセグメント211が断線する事態を回避する。また、ブランチセグメント212が製造、運送、或いはテスト中に断線しても、メインセグメント211が電子装置及びチップに電気的に接続しているため、ブランチセグメント212が断線しても失効しない。
【0021】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0022】
100 基板
110 表面
111 外側接合領域
112 内側接合領域
200 回路層
210 テスト回路線
211 メインセグメント
211a 第一端
211b 第二端
212 ブランチセグメント
212a 接続部
212b テスト部
220 導電性回路線
221 第一導電性回路線
221a 第一延長セグメント
221b 第一回避セグメント
222 第二導電性回路線
222a 第二延長セグメント
222b 第二回避セグメント
300 ソルダーレジスト層
A 回路基板
D1 間隔
D2 間隔
図1
図2
図3
図4
図5