(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】送信電力制御
(51)【国際特許分類】
H04W 28/18 20090101AFI20220802BHJP
H04W 72/08 20090101ALI20220802BHJP
H04W 52/24 20090101ALI20220802BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20220802BHJP
H04L 27/00 20060101ALI20220802BHJP
H04B 1/04 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H04W28/18 110
H04W72/08 110
H04W52/24
H04W48/16 110
H04L27/00 Z
H04B1/04 E
(21)【出願番号】P 2020545707
(86)(22)【出願日】2018-03-06
(86)【国際出願番号】 EP2018055444
(87)【国際公開番号】W WO2019170221
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-10-09
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100166660
【氏名又は名称】吉田 晴人
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルヘルムソン, レイフ
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/119839(WO,A1)
【文献】特開2017-212551(JP,A)
【文献】国際公開第2015/170417(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04L 27/00
H04B 1/04
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リッスン・ビフォア・トーク(LBT)手順に従って動作するように構成された無線通信ノードのための方法であって、前記方法は、次の送信のために、
前記無線通信ノードが受けた干渉レベルを判定するためにチャネルセンシングを実行すること(220)と、
前記判定された干渉レベルに応じて、前記次の送信のための最大送信電力レベルを判定すること(230)と、
前記判定された最大送信電力レベルに応じて、前記次の送信に使用される符号化率及び変調のうちの少なくとも1つを選択すること(240)と、
を含み、前記方法は更に、前記チャネルセンシングを実行する前に、複数の送信パケットバリアント(310, 320, 330, 340)を準備すること(210)を更に含み、各送信パケットバリアントは、個別の送信電力レベルに関連付けられており、前記符号化率及び前記変調のうちの少なくとも1つを選択すること(240)は、前記判定された最大送信電力レベル及び前記複数の送信パケットバリアントの前記個別の送信電力レベルに応じて、前記複数の送信パケットバリアントのうちの1つの送信パケットバリアントを選択すること(245)を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記選択された符号化率及び/又は前記選択された変調を使用して送信パケットを送信すること(250)によって、前記次の送信を実行することを更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、前記チャネルセンシングは、
‐受信信号電力、
‐受信信号エネルギー、及び
‐所定のシグニチャ系列の受信電力、
のうちの1つ以上を測定することを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記選択された送信パケットバリアントは、前記複数の送信パケットバリアントのサブセットに属しており、前記サブセットに含まれる各送信パケットバリアントは、前記判定された最大送信電力レベル以下である個別の送信電力レベルを有する、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記選択された送信パケットバリアントの前記個別の送信電力レベルは、前記サブセットの前記個別の送信電力レベルのうちで最大の送信電力レベルである、方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の方法であって、各送信パケットバリアントは、個別のデータレートを提供するように構成されており、前記選択された送信パケットバリアントの前記個別のデータレートは、前記サブセットの前記個別のデータレートのうちで最大のデータレートである、方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法であって、前記複数の送信パケットバリアントの各送信パケットバリアントは、個別の符号化率及び個別の変調に関連付けられている、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記複数の送信パケットバリアントを準備することは、各送信パケットバリアント(310, 320)を、複数の所定の変調及び符号化方式(MCS)のうちのそれぞれ1つを使用して準備することを含む、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、前記複数の送信パケットバリアントを準備することは、組織符号を使用して単一の送信パケット(330)を準備することを含み、前記1つの送信パケットバリアントを選択することは、前記組織符号の、ある個数のパリティビットを選択すること(334, 335, 336)を含む、方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法であって、前記複数の送信パケットバリアントを準備することは、単一の送信パケット(340)を準備することを含み、前記1つの送信パケットバリアントを選択することは、ある次数の変調を選択することを含む、方法。
【請求項11】
プログラム命令を含むコンピュータプログラ
ムであって、前記コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロード可能であり、前記データ処理ユニットによって前記コンピュータプログラムが実行されると、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法の実行を生じさせるように構成されている、コンピュータプログラ
ム。
【請求項12】
リッスン・ビフォア・トーク(LBT)手順に従って動作するように構成された無線通信ノードのための装置であって、前記装置は制御回路(400)を備え、当該制御回路は、次の送信のために、
前記無線通信ノードが受けた干渉レベルを判定するためにチャネルセンシングを実行することと、
前記判定された干渉レベルに応じて、前記次の送信のための最大送信電力レベルを判定することと、
前記判定された最大送信電力レベルに応じて、前記次の送信に使用される符号化率及び変調のうちの少なくとも1つを選択することと、
を生じさせるように構成され、前記制御回路は更に、前記チャネルセンシングの実行前に、複数の送信パケットバリアントを準備することを生じさせるように構成されており、各送信パケットバリアントは、個別の送信電力レベルに関連付けられており、前記符号化率及び前記変調のうちの少なくとも1つを選択することは、前記判定された最大送信電力レベル及び前記複数の送信パケットバリアントの前記個別の送信電力レベルに応じて、前記複数の送信パケットバリアントのうちの1つの送信パケットバリアントを選択することを含む、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、前記複数の送信パケットバリアントの各送信パケットバリアントは、個別の符号化率及び個別の変調に関連付けられている、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、前記制御回路は、各送信パケットバリアントを、複数の所定の変調及び符号化方式(MCS)のうちのそれぞれ1つを使用して準備することを生じさせることによって、前記複数の送信パケットバリアントの前記準備を生じさせるように構成されている、装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置であって、前記制御回路は、組織符号を使用して単一の送信パケットを準備することを生じさせることによって、前記複数の送信パケットバリアントの前記準備を生じさせるように構成されており、前記制御回路は、前記組織符号の、ある個数のパリティビットの選択を生じさせることによって、前記1つの送信パケットバリアントの前記選択を生じさせるように構成されている、装置。
【請求項16】
請求項13に記載の装置であって、前記制御回路は、単一の送信パケットを準備することを生じさせることによって、前記複数の送信パケットバリアントの前記準備を生じさせるように構成されており、前記制御回路は、ある次数の変調の選択を生じさせることによって、前記1つの送信パケットバリアントの前記選択を生じさせるように構成されている、装置。
【請求項17】
請求項12乃至16のいずれか1項に記載の装置を備える無線通信ノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は全体として無線通信の分野に関する。より具体的には無線通信における送信電力の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
異なるデバイスが無線通信チャネルを共有する場合、共存アプローチが必要でありうるか、又は少なくとも有益でありうる。これは、デバイスが異なる通信標準規格に従って動作する場合と同様に、デバイスが同じ通信標準規格(例えば、IEEE 802.11)に従って動作するが、全体的なネットワーク調整が無い場合にも当てはまることがある。特に関連する例は、通信チャネルがアンライセンス(unlicensed)周波数帯(例えば、2.45GHzのISM帯、又は5GH帯のうちの1つ)に含まれる場合である。
【0003】
一般に使用される共存アプローチは、リッスン・ビフォア・トーク(listen before talk)の原理に基づいており、これは、キャリアセンス多元接続/衝突回避(CSMA/CA:carrier sense multiple access with collision avoidance)としても知られている。このアプローチによれば、送信のために無線通信チャネルを使用することを意図するデバイスは、チャネルをセンシングし、通信チャネルがビジー(使用中、又はそうでなければ占有されている)であるか、又はアイドル(占有されていない)であるかを判定する。通信チャネルがビジーであると判定された場合、送信は延期される。通信チャネルがアイドルであると判定された場合、送信が開始される。このアプローチは、通信チャネルが未だ使用されていないときにのみ送信を開始することによって衝突を回避することを目的とする。
【0004】
センシングプロセスは、典型的には、(例えば、受信信号電力の観点から定められた)閾値に基づいている。通信チャネルは、センシングメトリック(例えば、受信信号電力)が閾値を下回る場合にアイドルと判定され、そうではない場合にはビジーと判定されうる。
【0005】
閾値を選択するための典型的な考慮事項は、予定されている送信の開始が衝突をもたらす可能性がある場合に、他のデバイスからの継続中の送信が検出されるのに十分に低くなければならないことである。しかしながら、閾値を選択するための他の典型的な考慮事項は、衝突に関して悪影響がない場合、予定されている送信を延期しないために十分に高くなければならないことである。閾値を下げると、チャネルアクセスを延期する確率が高くなる。閾値を大きくすると、衝突が発生する確率が高くなる。
【0006】
例示的な例として、IEEE 802.11では、チャネルがアイドルであることを宣言するための電力閾値は、IEEE 802.11プリアンブルが検出された場合には-82dBmであり、プリアンブルが検出されずエネルギーのみが検出された場合には-62dBmである。これは、事実上、IEEE 802.11デバイスがチャネルをセンシングしている場合に、IEEE 802.11プリアンブルを使用しない送信デバイスに対して20dBアグレッシブであることを意味する。IEEE 802.11で選択された値は、チャネルアクセスを不必要に延期する確率と衝突を引き起こす確率との間の妥協と理解されうる。
【0007】
閾値が慎重に選択される場合であっても、適切な閾値は、典型的には非常に状況に依存しうる。したがって、(例えば、IEEE 802.11axに適用されるような)いくつかのアプローチでは、選択された最大送信電力に応じて変化する適応的な閾値が存在する。このようなアプローチでは、最大送信電力が低下すると衝突を引き起こす確率が低下するため、低下した最大送信電力によって、より高い閾値が可能が可能になりうる。
【0008】
米国特許出願公開第2013/0203458号明細書は、共有帯域内の通信のための送信電力設定の選択を開示しており、当該選択は、リッスン・ビフォア・トークのアプローチを伴わずに所定の電力閾値を下回る送信電力を適用する、低送信電力設定と、少なくとも所定の電力閾値の送信電力を適用する、高送信電力設定との間で行われる。
【0009】
米国特許出願公開第2016/0309420号明細書は、干渉情報に基づいて送信電力を調整し、測定された誤り率が目標誤り率と異なる場合にパケットサイズを調整し、送信電力に従ってパケットを送信することを開示している。
【0010】
しかしながら、先行技術によるアプローチには依然として欠点がある。
【0011】
例えば、最大送信電力が判定され、かつ、対応する閾値を使用するセンシングによってチャネルがビジーであると判定される場合、更に低い送信電力の使用により、それに対応してより高い閾値を使用するセンシングのためにチャネルがアイドルであることが判明した可能性がある。送信の成功のために更に低い送信電力で十分であった場合、このシナリオではチャネルの容量が浪費されている。
【0012】
更に、最大送信電力が判定され、対応する閾値を使用するセンシングによって、チャネルがアイドルであると判定される場合、更に高い送信電力の使用により、それに対応するより低い閾値を使用するセンシングのためにチャネルがアイドルであることが判明した可能性もある。更に高い送信電力を使用することは、典型的には、より高いデータレートを可能にする。このため、このシナリオにおいてもチャネルの容量が浪費されている。
【0013】
したがって、リッスン・ビフォア・トーク(LBT)手順に関連付けられた送信電力制御に対する、代替の、好ましくは改善されたアプローチが必要とされている。好ましくは、代替のアプローチはチャネル容量の利用の観点から効率的である。そのような効率は、予定されている送信の不必要な延期の回数、及び衝突の回数のうちの1つ以上の観点から測定されうる。
【発明の概要】
【0014】
本明細書で使用される場合、「備える(comprises/comprising)」との用語は、記載された、整数、ステップ、又はコンポーネントの存在を特定するために採用されるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、コンポーネント、又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことが強調されるべきである。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそれ以外を明確に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。
【0015】
いくつかの実施形態の目的は、上記の又は他の欠点のうちの少なくともいくつかを解決又は軽減、緩和、又は除去することである。
【0016】
第1の態様によれば、これは、リッスン・ビフォア・トーク(LBT)手順に従って動作するように構成された無線通信ノードのための方法によって達成される。本方法は、次の送信のために、無線通信ノードが受ける干渉レベルを判定するためにチャネルセンシングを実行することと、判定された干渉レベルに応じて、次の送信のための最大送信電力レベルを判定することと、判定された最大送信電力レベルに応じて、次の送信に使用される符号化率及び変調のうちの少なくとも1つを選択することと、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、本方法は更に、選択された符号化率及び/又は選択された変調を使用して送信パケットを送信することによって、次の送信を実行することを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、チャネルセンシングは、受信信号電力、受信信号エネルギー、及び所定のシグニチャ系列の受信電力、のうちの1つ以上を測定することを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、本方法は更に、チャネルセンシングを実行する前に、複数の送信パケットバリアントを準備することを含み、各送信パケットバリアントは、個別の送信電力レベルに関連付けられている。このため、符号化率及び変調のうちの少なくとも1つを選択することは、判定された最大送信電力レベルと、複数の送信パケットバリアントの個別の送信電力レベルとに応じて、複数の送信パケットバリアントのうちの1つの送信パケットバリアントを選択することを含みうる。
【0020】
いくつかの実施形態において、選択された送信パケットバリアントは、複数の送信パケットバリアントのサブセットに属しており、サブセットに含まれる各送信パケットバリアントは、判定された最大送信電力レベル以下である個別の送信電力レベルを有する。
【0021】
いくつかの実施形態において、選択された送信パケットバリアントの個別の送信電力レベルは、サブセットの個別の送信電力レベルのうちで最大の送信電力レベルである。
【0022】
いくつかの実施形態において、各送信パケットバリアントは、個別のデータレートを提供するように構成されており、選択された送信パケットバリアントの個別のデータレートは、サブセットの個別のデータレートのうちで最大のデータレートである。
【0023】
いくつかの実施形態において、複数の送信パケットバリアントの各送信パケットバリアントは、個別の符号化率及び個別の変調に関連付けられている。
【0024】
いくつかの実施形態において、複数の送信パケットバリアントを準備することは、各送信パケットバリアントを、複数の所定の変調及び符号化方式(MCS)のうちのそれぞれ1つを使用して準備することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、複数の送信パケットバリアントを準備することは、組織符号を使用して単一の送信パケットを準備することを含む。このため、1つの送信パケットバリアントを選択することは、組織符号の、ある数のパリティビットを選択することを含みうる。
【0026】
いくつかの実施形態において、複数の送信パケットバリアントを準備することは、単一の送信パケットを準備することを含む。このため、1つの送信パケットバリアントを選択することは、ある次数の変調を選択することを含みうる。
【0027】
第2の態様は、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを有する非一時的なコンピュータ読取可能媒体を含むコンピュータプログラム製品である。コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロード可能であり、当該データ処理ユニットによって当該コンピュータプログラムが実行されると、第1の態様による方法の実行を生じさせるように構成されている。
【0028】
第3の態様は、リッスン・ビフォア・トーク(LBT)手順に従って動作するように構成された無線通信ノードのための装置である。本装置は、次の送信のために、無線通信ノードが受ける干渉レベルを判定するためにチャネルセンシングを実行することと、判定された干渉レベルに応じて、次の送信のための最大送信電力レベルを判定することと、判定された最大送信電力レベルに応じて、次の送信に使用される符号化率及び変調のうちの少なくとも1つを選択することと、を生じさせるように構成された制御回路を備える。
【0029】
第4の態様は、第3の態様の装置を備える無線通信ノードである。
【0030】
いくつかの実施形態では、上記の態様のいずれかは、他の態様のいずれかについて上記で説明した種々の特徴のいずれかと同一又は対応する特徴を更に有してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態の利点は、リッスン・ビフォア・トーク(LBT)手順に関連して、送信電力制御に対して代替的なアプローチが提供されることである。
【0032】
いくつかの実施形態の他の利点は、チャネル容量のより効率的な利用が可能になることである。
【0033】
いくつかの実施形態の更なる利点は、送信電力制御のために瞬間的なチャネル変動を考慮に入れることが可能であることである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
添付の図面を参照して、以下の実施形態の詳細な説明から更なる目的、特徴、及び利点が明らかになる。図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、実施形態の例を示すことに重点が置かれている。
【0035】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態が適用可能でありうるシナリオの例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態による方法の例のステップを示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態による送信パケットバリアントの例を示す概略図である。
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態による構成の例を示す概略的なブロック図である。
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態によるコンピュータ読み取り可能媒体の例を示す概略図である。
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信ネットワークを示す。
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態による、基地局を介して部分的に無線コネクション上でユーザ装置と通信するホストコンピュータを示す。
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、及びユーザ装置を含む通信システムにおいて実行される方法の例のステップを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、いくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、及びユーザ装置を含む通信システムにおいて実行される方法の例のステップを示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、いくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、及びユーザ装置を含む通信システムにおいて実行される方法の例のステップを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、及びユーザ装置を含む通信システムにおいて実行される方法の例のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
既に上述したように、本明細書で使用される場合、「備える(comprises/comprising)」との用語は、記載された、整数、ステップ、又はコンポーネントの存在を特定するために採用されるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、コンポーネント、又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことが強調されるべきである。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそれ以外を明確に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。
【0037】
以下では、添付図面を参照して、本開示の実施形態をより詳細に説明及び例示する。しかしながら、本明細書に開示されたソリューションは、多くの異なる形態で実現されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0038】
LBT(別名、CSMA/CA)の原理を使用する典型的なアプローチでは、パケットは、最大送信電力が設定されると、実際のセンシングが実行される前に、送信のために‐少なくとも部分的に‐準備される。これは、パケットの準備は、典型的にはチャネルがアイドルであると判定された後に全体が行われるのでは長すぎる時間を要するためである。典型的な例では、チャネルセンシング前のパケットの準備は、最大送信電力に基づいて選択された変調及び符号化方式(MCS)を使用して符号化パケットを生成することと、受信機がパケットを復号するために必要な制御情報を生成及び符号化することとを含みうる。
【0039】
チャネルがアイドルであると判定された場合、パケットの準備がファイナライズされうるとともにパケットが送信されうる。典型的な例では、チャネルセンシング後にパケットの準備をファイナライズすることには、変調及び無線周波数へのアップコンバージョンが含まれうる。チャネルがビジーであると判定された場合、パケットの準備は典型的にはファイナライズされず、パケットの送信が延期されうる。
【0040】
最大送信電力に基づくセンシング閾値の適応的な選択が有益であっても、最大送信電力がセンシングの瞬間に目の前の状況に適しているという保証はなく、それによって、上述したようにチャネル容量を浪費するリスクが生じる。例えば、MCSが、瞬時的なチャネル状態に対して最適化されない可能性がある。
【0041】
以下では、リッスン・ビフォア・トーク(LBT)手順に従って動作するように構成された無線通信ノードについて実施形態を説明する。無線通信ノードは、無線通信デバイス(例えば、ステーション(STA)、又はユーザ装置(UE))又はネットワークノード(例えば、アクセスポイント(AP)、又は基地局(BS))でありうる。本明細書に記載の実施形態において、チャネルセンシングは、最大電力レベルの判定の前に行われ、最大電力レベルは、チャネルセンシングの結果に基づいて判定される。それにより、実際のチャネル状態に基づいて最大電力レベルが適応され、チャネル容量の上述の浪費が少なくとも部分的に軽減されうる。
【0042】
図1は、いくつかの実施形態が適用可能でありうるシナリオの例を概略的に示す。無線通信デバイス(STA1)100は、ネットワークノード(AP1)110への予定されている(次の)送信102を準備している。他の無線通信デバイス(STA2)120は、他のネットワークノード130へ送信122を行っている。STA1は、予定されている送信102に備えてチャネルのセンシングを行うと、STA2の送信122によって引き起こされる、121で示される干渉のレベルを判定しうる。代替的又は追加的には、同様の検討が、他の干渉源(例えば、STA2及び/又はAP以外のSTA)に適用されてもよい。
【0043】
図2は、いくつかの実施形態による方法200を示す。方法200は、典型的には無線通信ノードによって実行されうる。例えば、無線通信ノードは、無線通信装置(例えば、
図1のSTA1)又はネットワークノード(例えば、
図1のAP1)であってもよい。
【0044】
ステップ220では、無線通信ノードが受けた干渉レベルを判定するために、次の送信(upcoming transmission)用のチャネルセンシングが実行される。チャネルセンシングは、任意の適切な方法で実行されてもよく、干渉レベルを定量化するために任意の適切なメトリックを使用してもよい。例えば、チャネルセンシングは、受信信号電力、受信信号エネルギー、又は所定のシグニチャ系列(例えば、プリアンブル検知)の受信電力の観点で、受信信号強度を測定することを含みうる。
【0045】
先行技術のアプローチとは対照的に、当該チャネルセンシングは、典型的には、判定された干渉レベルを閾値と比較して、チャネルがアイドル又はビジーであると判定することを含まないことに留意されたい。その代わりに、本方法は、ステップ230に進み、そこで、判定された干渉レベルに応じて、次の送信のための最大の(許容可能な/許可される)送信電力レベルが判定される。
【0046】
典型的には、最大送信電力レベルが、センシング用の対応する閾値レベルをもたらすことになった場合に、判定された干渉レベルにより、先行技術によるセンシングアプローチにおいてチャネルがアイドルであると判定されることがもたらされるように、最大送信電力レベルが判定される。加えて、最大送信電力レベルは、この条件を満たす最も高い送信電力レベルとして判定されうる。
【0047】
いくつかの実施形態において、最大送信電力レベルは、限定された複数の最大送信電力レベルのうちから1つの最大送信電力レベルを選択することによって、ステップ230で判定される。
【0048】
ステップ240において、次の送信に使用される符号化率及び変調のうちの少なくとも1つが、判定された最大送信電力レベルに応じて選択される。
【0049】
いくつかのシナリオでは、判定された干渉レベルは、アイドルチャネル判定を可能にするための上記の条件(又は任意の他の適切な条件)を満たす最大送信電力レベルを見つけることが可能(又は実現可能)ではないほど、高くなりうる。一例は、制限された複数の最大送信電力レベルが、条件を満たすいかなる最大送信電力レベルも含まない場合である。そのようなシナリオでは、ステップ230は、最大送信電力レベルをゼロに判定することと、次の送信を延期又は控えることとを含みうる。
【0050】
しかしながら、多くのシナリオでは、アイドルチャネル判定を可能にするための上記の条件(又は任意の他の適切な条件)を満たす最大送信電力レベルを見つけることが可能(かつ実現可能)である。次に、本方法は、ステップ250に進み、そこで、選択された符号化率及び/又は選択された変調を使用して、判定された最大送信電力レベルよりも高くない送信電力で送信パケットを送信することによって、次の送信が実行される。
【0051】
いくつかの実施形態において、方法200は、オプションのステップ210で示されるように、チャネルセンシングを実行する前に、複数の(例えば、2つ以上の)送信パケットバリアントを準備することを含んでもよい。その場合、各送信パケットバリアントは、個別の送信電力レベルに関連付けられており、それによって、制限された複数の最大送信電力レベルが形成される。個別の送信電力レベルは、複数の送信パケットバリアントの全てについて異なっていてもよいし、又は送信パケットバリアントの一部について一致していてもよい。
【0052】
典型的には、複数の送信パケットバリアントうちの送信パケットバリアントの全ては、同じペイロードを有し、かつ、個別の送信電力レベルをもたらす個別の符号化率及び/又は個別の変調に関連付けられる。個別の符号化率及び/又は個別の変調は、複数の送信パケットバリアントの全ての送信パケットバリアントについて異なっていてもよいし、又は複数の送信パケットバリアントのうちの一部の送信パケットバリアントについて同じであってもよい。
【0053】
このため、ステップ240における符号化率及び変調のうちの少なくとも1つを選択することは、判定された最大送信電力レベルと、複数の送信パケットバリアントの個別の送信電力レベルとに応じて、オプションのサブステップ245に示されるように、複数の送信パケットバリアントのうちの1つの送信パケットバリアントを選択することを含みうる。
【0054】
選択された送信パケットバリアントは、複数の送信パケットバリアントのサブセットに属してもよく、サブセットに含まれる各送信パケットバリアントは、判定された最大送信電力レベル以下である個別の送信電力レベルを有する。
【0055】
典型的には、選択条件は、選択された送信パケットバリアントの個別の送信電力レベルが、サブセットの個別の送信電力レベルのうちで最大の送信電力レベルであることでありうる。
【0056】
代替的又は追加的には、各送信パケットバリアントが、個別のデータレートを提供するように構成されている場合、選択条件は、選択された送信パケットバリアントの個別のデータレートが、サブセットの個別のデータレートのうちで最大のデータレートであることでありうる。個別のデータレートは、複数の送信パケットバリアントのうちの全ての送信パケットバリアントについて異なるデータレートであってもよいし、又は複数の送信パケットバリアントのうちの一部の送信パケットバリアントについて同じレートであってもよい。
【0057】
典型的な例では、ステップ210において、複数の送信パケットバリアントが準備され、各送信パケットバリアントは、送信パケットバリアントの個別の送信電力レベルをもたらす個別の符号化率及び/又は変調に従っている。次に、ステップ220において判定された干渉レベルを使用して、送信パケットバリアントのうちの1つを選択する(それによって、ステップ240に従って符号化率及び/又は変調を選択する)。この選択は、ステップ230を介して行われ、送信パケットバリアントのうちの選択された1つが、最大送信電力レベルよりも低い個別の送信電力レベルを有しなければならないという条件の下で行われ、ここで、最大送信電力レベルは、判定された干渉レベルを有するチャネルのアイドル判定に関連付けられる。典型的には、送信パケットバリアントのうちの選択された1つは、当該条件を満たす送信パケットバリアントのうちで、最も高い個別の送信電力レベルを有していなければならない。
【0058】
複数の送信パケットバリアントを準備することは、例えば、順方向誤り訂正(FEC)符号化、インタリービング、及びプリアンブルの付加を実行することを含みうる。ステップ250は、選択された送信パケットバリアントから送信パケットを得ることを含みうる。送信パケットを得ることは、例えば、変調を実行すること、及び制御情報を付加することを含みうる。
【0059】
図3は、いくつかの実施形態による複数の送信パケットバリアントの3つの例(a,b,c)を示す概略図である。
【0060】
図3(a)は、複数の送信パケットバリアントを準備することが、複数の所定の変調及び符号化方式(MCS)の個別の1つを使用して、各送信パケットバリアントを準備することを含むアプローチを示す。このアプローチでは、
図2のステップ240は、準備された送信パケットバリアントのうちの1つを選択することを含みうる。典型的には、複数の送信パケットバリアントにおける少なくとも一部の送信パケットバリアントが、
図3(a)に示されるように、時間的に異なる長さを有しうる。
【0061】
図3(a)の例において、複数の送信パケットバリアントには、2つの送信パケットバリアント310,320が含まれる。送信パケットバリアント310は、プリアンブル(PA)311、制御部分(CNTR)312、及びペイロード部分313を有し、ペイロード部分は、第1の変調及び符号化方式(MCS1)を使用して符号化されたデータ(ENC DATA)を含む。送信パケットバリアント320は、プリアンブル(PA)321、制御部分(CNTR)322、及びペイロード部分323を有し、ペイロード部分は、第2の変調及び符号化方式(MCS2)を使用して符号化されたデータ(ENC DATA)を含む。
【0062】
別の例では、MCS0、MCS4、及びMCS7を使用して、3つの異なるパケットが準備されうる。次に、チャネルがセンシングされ、最大送信電力レベル(最大TX電力)に基づいて、いずれのパケットが送信されるべきかを選択するために、以下の規則が適用される:
‐最大TX電力15dB以上 => MCS7でパケットを送信
‐最大TX電力15dBm未満だが 6dBm以上 => MCS4でパケットを送信
‐最大TX電力 6dBm未満だが-6dBm以上 => MCS0でパケットを送信
‐最大TX電力-6dBm未満 => 送信を延期
【0063】
図3(a)に例示されるように、完全なパケットは、典型的には符号化データ313,323のみではなくそれ以上のものを含みうる。
【0064】
典型的には、何らかの種類のプリアンブル311,321がデータに対して予め付加される。プリアンブルは、例えば、時間同期、周波数推定、及びチャネル推定のために必要とされうる。そのようなプリアンブルは、生成するのが非常に簡単であり、その場合、生成はオンザフライで行われてもよいし、又は前もって生成されてもよい。
【0065】
更に、パケットは、典型的には、パケットの適切な受信のために必要な何らかの種類の制御情報312,322も含む。このような制御情報は、典型的には、どのMCSが使用されるか、及びパケットのサイズに関する情報を含みうる。
【0066】
一般に、チャネルがセンシングされる前に準備されるパケットの数は、性能と複雑さとの間のトレードオフでありうる。性能の測度の例と見なされうるチャネルの使用率を最適化するために、更に、使用可能なMCSの1つごとにパケットが準備されうる。他方で、準備されるパケットの数は、複雑さを理由に制限されうる。
【0067】
図3(b)は、複数の送信パケットバリアントを準備することが、組織符号を使用して単一の送信パケットを準備することを含むアプローチを示す。このアプローチでは、
図2のステップ240は、組織符号の、ある数のパリティビットを選択することを含みうる。このため、複数の送信パケットバリアントは、単一の送信パケットの異なる数のパリティビットを使用して形成される。それにより、複数の送信パケットバリアントにおける送信パケットバリアントは、本質的に時間的に異なる長さを有する。
【0068】
図3(b)の例では、単一の送信パケット330は、プリアンブル(PA)331、制御部分(CNTR)332、及びペイロード部分333を有し、ペイロード部分は、組織符号を使用して符号化されたデータ(ENC DATA)を含む。それにより、符号化データは、情報ビットから成る第1の部分337と、パリティビットから成る第2の部分338とを含む。ステップ240の選択は、単一の送信パケット330全体を使用すること含んでもよいし、又は、単一の送信パケット330の一部を使用することを含んでもよく、その場合、パリティビットの一部が除去される(335又は336においてトランケートされる)若しくはパリティビットの全てが除去される(334においてトランケートされる)。このように、
図3(b)の例では、複数の送信パケットバリアントには、4つの送信パケットバリアントが含まれている。この例における複数の送信パケットバリアントは、必ずしもそうである必要はないが、典型的には同じ変調を使用しうる。
【0069】
図3(c)は、複数の送信パケットバリアントを準備することが、単一の送信パケットを準備することを含むアプローチを示す。このアプローチでは、
図2のステップ240は、変調次数を選択することを含みうる。このため、複数の送信パケットバリアントは、単一の送信パケットを変調するために異なる次数の変調を使用することによって形成される。それにより、複数の送信パケットバリアントにおける送信パケットバリアントは、典型的には同じ時間的長さを有するが、異なる帯域幅を有する。このため、このアプローチは、(例えば、直交周波数分割多重(OFDM)を使用するシステムにおいて)周波数におけるユーザの多重化に特に適している。
【0070】
図3(c)の例では、単一の送信パケット340は、プリアンブル(PA)341、制御部分(CNTR)34、及びペイロード部分343を有し、ペイロード部分は、符号化されたデータ(ENC DATA)を含む。ステップ240の選択は、異なる次数の変調を使用して変調された単一の送信パケット340全体を使用することを含みうる。異なる次数の変調は、典型的には異なる帯域幅344,345,346,347(例えば、256QAM(直交振幅変調)、16QAM、QPSK(直交位相シフトキーイング)、及びBPSK(2相位相シフトキーイング)にそれぞれ対応する)をもたらす。このように、
図3(c)の例では、複数の送信パケットバリアントには、4つの送信パケットバリアントが含まれている。
【0071】
特定の例では、データパケットは、同じ符号を使用して符号化され、変調は、どの最大送信電力レベルが使用可能であるかに基づいて選択される。チャネルがセンシングされ、最大送信電力レベル(最大TX電力)に基づいて、送信前に、どのようにパケットを変調すべきかを選択するために、以下の規則が適用される:
‐最大TX電力15dBm以上 => 256QAM
‐最大TX電力15dBm未満だが10dBm以上 => 16QAM
‐最大TX電力10dBm未満だが5dBm以上 => QPSK
‐最大TX電力 5dBm未満 => BPSK
【0072】
256QAMは、1つのシンボルで8ビットの情報を運び、16QAMは、1つのシンボルで4ビットの情報を運び、QPSKは、1つのシンボルで2ビットの情報を運び、BPSKは、1つのシンボルで1ビットの情報を運ぶため、帯域幅は、それに合わせて選択されることが望ましい。
【0073】
直交周波数分割多元接続(OFDMA)が使用され、かつ、リソースユニット(RU)の最小帯域幅が2MHzである場合、パケットの送信用に割り当てられるRUの数は、チャネルセンシングから判定された干渉レベルに従って使用可能な最大送信電力レベルに基づきうる。上記の数値例を続けると、これは以下のように表されうる:
‐最大TX電力15dBm以上 => 1RU
‐最大TX電力15dBm未満だが10dBm以上 => 2RU
‐最大TX電力10dBm未満だが5dBm以上 => 4RU
‐最大TX電力 5dBm未満 => 8RU
【0074】
このように、これらの実施形態によれば、より高い最大送信電力レベルを使用できる場合、より小さい帯域幅を使用することができ、OFDMAにおける周波数多重化によって他のユーザへのより多くの同時送信が可能になる。
【0075】
図4は、いくつかの実施形態による例示的な装置420を概略的に示す。例示的な装置は、例えば、リッスン・ビフォア・トーク(LBT)手順に従って動作するように構成された無線通信ノード410に含まれうる。例示的な装置は、
図2に関連して説明されるような方法の実行を生じさせるように構成されうる。例えば、例示的な装置は、
図2に関連して説明されるような方法を実行するように構成されうる。
【0076】
当該装置は、次の送信のために、無線通信ノードが受ける干渉レベルの判定のためにチャネルセンシングを実行することと(
図2のステップ220と比較されたい)、判定された干渉レベルに応じて、次の送信のための最大送信電力レベルを判定することと(
図2のステップ230と比較されたい)、判定された最大送信電力レベルに応じて、次の送信に使用される符号化率及び変調のうちの少なくとも1つを選択することと(
図2のステップ240と比較されたい)、を生じさせるように構成された制御回路400を備える。
【0077】
この目的のために、制御回路400は、チャネルセンシング回路(CS)401、判定回路(DET)402、及び選択回路(SEL)403のうちの1つ以上を備えうるか、又はさもなければそれらと関連付けられうる。チャネルセンシング回路401は、無線通信ノードが受けた干渉レベルを判定するためのチャネルセンシングを実行するように構成されうる。判定回路402は、判定された干渉レベルに応じて、次の送信のための最大送信電力レベルを判定するように構成されうる。選択回路403は、判定された最大送信電力レベルに応じて、次の送信に使用される符号化率及び変調のうちの少なくとも1つを選択するように構成されうる。
【0078】
制御回路は、チャネルセンシングの実行の前に複数の送信パケットバリアントの準備を生じさせるように更に構成されうる(
図2のステップ210と比較されたい)。この目的のために、制御回路400は、複数の送信パケットバリアントを準備するように構成された準備回路(PREP)404を備えうるか、又は又はさもなければそれに関連付けられうる。
【0079】
制御回路は更に、送信パケットの送信を生じさせるように構成されうる(
図2のステップ250と比較されたい)。この目的のために、制御回路400は、送信パケットを送信するように構成された送信回路(例えば、送信機、トランシーバ(TX/RX)として
図4に図示されている)430に関連付けられうる。
【0080】
いくつかの実施形態は、LBTシステムにおいて最適な送信電力を使用するための方法及び装置を提供する。当該方法及び装置は、パケットの形式が設定される際に、どの送信電力を使用できるかが未知である状況におけるパケットの送信に適しうる。適切な送信電力レベルが分かる前に(即ち、チャネルセンシングの前に)ベースバンド処理の大部分又は全部を実行する必要がある場合であっても、送信パケットを適切な送信電力レベルに効率的にオンザフライで調整することを可能にするアプローチが提供される。実施形態は、どの送信電力レベルを使用できるか分かった後まで、いずれのパケット形式を送信するかの選択を延期することを可能にする。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、高い送信電力でチャネルにアクセスする低い確率と、低い送信電力でチャネルにアクセスする高い確率との間の従来のトレードオフが回避される場合、リッスン・ビフォア・トーク方式が適用されうる。瞬時のチャネル状態に適応するアプローチを用いることにより、比較的大きな送信電力を用いてチャネルにアクセスする確率が増加し、それにより、システム性能が向上する。
【0082】
無線チャネルを介してデータを送信する場合、送信されたデータを受信機が正しく復号できる高い確率を保証しながら、可能な限り高いレートで送信することが典型的には望ましい。不必要に低いデータレートが使用されと、チャネルの容量が浪費され、これは例えば、チャネル占有が不必要に大きい(それによって容量が浪費される)ことにつながりうる。データレートが高すぎると、パケットは正しく復号されることができずに再送される必要がある(それによって容量が浪費される)。
【0083】
アンライセンス帯域で動作するシステムであって、そのチャネルアクセスがリッスン・ビフォア・トーク(LBT、CSMA/CAとしても知られている)の原理に基づいているシステムでは、典型的には情報の送信が困難である。この理由には、チャネルアクセスを得るために比較的長い時間がかかる可能性があること、及び干渉状態が大きく変化する可能性があることが含まれる。
【0084】
LBTでチャネルにアクセスするために、チャネルは最初にアイドルであると判定されなければならない。チャネルがアイドルであることが判定されると、送信用のパケットを有するデバイスは、チャネルに対して競合し始めうる。チャネルについての競合は、典型的には、ランダムバックオフを含むメカニズムに基づいており、ランダムバックオフは、送信するデータを有する2つ以上のデバイスが、同時に送信を開始して衝突をもたらす確率を低減することが意図されている。チャネルがビジーであると判定されると、デバイスは、上述の手順を実行するために、チャネルがアイドルになるまで待機する。いくつかのオーバーラップするネットワークからの多くの継続中の送信が存在する状況では、チャネルがビジーであると非常に頻繁に判定される確率が高く、これは、デバイスが、チャネルの競合を始めるためだけに長い時間待たなければならないことを意味する。
【0085】
多くの実際の状況では、チャネルがアイドルであると判定されるのを待つ必要がない場合がある。具体的には、多くの状況において、適切な送信電力レベルが使用される場合、既に継続中の検出された送信を損なうことなく、チャネルにアクセスしてパケットの送信に成功することが可能でありうる。いくつかのセルが重なり合って互いに干渉している場合に高い総スループットを得るために、1つのアプローチは、必要以上に高い電力レベルで送信しないことでありうる。これにより全体的な干渉が低減されて同時送信が可能になる。
【0086】
発明者は、まずチャネルをセンシングして受信信号電力を所定の閾値と比較することが、干渉信号電力が変化している場合に有効な方法でチャネルにアクセスするための良好なアプローチではない場合があることを認識した。それよりむしろ、逆の順序が使用されてもよい。具体的には、判定された送信電力レベルに基づいてセンシング閾値を選択する代わりに、許容される最大送信電力レベルが、受けた干渉電力レベルに基づきうる。これにより、チャネルアクセスは、(原理上)十分に低い送信電力レベルの適用によって常に保証されることが可能である。しかしながら、実際には、送信電力の下限値になる可能性が最も高く、それより下ではチャネルアクセスは意味をなさない。干渉レベルが非常に高く、その結果、許容される最大送信電力レベルがこの下限値を下回る場合、いくつかの実施形態に従って、チャネルに単純にアクセスできない場合がある。
【0087】
記載された実施形態及びそれらの均等物は、ソフトウェア若しくはハードウェア、又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。実施形態は、汎用回路によって実行されてもよい。汎用回路の例には、デジタル信号プロセッサ(DSP)、中央演算処理装置(CPU)、コプロセッサ(co-processor)ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)及び他のプログラマブルハードウェアが含まれる。代替的又は追加的には、実施形態は、特定用途向け集積回路(ASIC)のような専用の回路によって実行されてもよい。汎用回路及び/又は専用回路は、例えば、無線通信デバイス又はネットワークノード(例えば、アクセスポイント、基地局)等の装置に関連付けられうる又は備えられうる。
【0088】
実施形態は、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる装置、回路、及び/又はロジックを備える電子装置(無線通信デバイス又はネットワークノード等)内に現れうる。代替的又は追加的には、(無線通信装置又はネットワークノード等の)電子装置は、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる方法を実行するように構成されうる。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)メモリ、プラグインカード、組み込みドライブ又は読み取り専用メモリ等のコンピュータ読み取り可能媒体を含む。
図5は、コンパクトディスク(CD)ROM500の形態のコンピュータ読み取り可能媒体の例を示す。コンピュータ読み取り可能媒体には、プログラム命令を含むコンピュータプログラムが格納されている。コンピュータプログラムは、データプロセッサ(PROC)520にロード可能であり、データプロセッサは、例えば、無線通信デバイス又はネットワークノード510に備えられうる。コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロードされると、当該データ処理ユニットに関連付けられている又は含まれているメモリ(MEM)530に格納されうる。いくつかの実施形態によれば、コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロードされてデータ処理ユニットによって実行されると、例えば、
図2に示される方法又はさもなければ本明細書に記載の方法に従って、方法のステップの実行を生じさせうる。
【0090】
図6を参照すると、実施形態に従って、通信システムは、3GPPタイプのセルラネットワーク等の通信ネットワークQQ410を含み、当該通信ネットワークは、無線アクセスネットワーク等のアクセスネットワークQQ411と、コアネットワークQQ414とを含む。アクセスネットワークQQ411は、それぞれ対応するカバレッジエリアQQ413a,QQ413b,QQ413cを規定する、NB、eNB、gNB、又はその他のタイプの無線アクセスポイント等の複数の基地局QQ412a,QQ412b,QQ412cを備える。各基地局QQ412a,QQ412b,QQ412cは、有線又は無線コネクションQQ415を介してコアネットワークQQ414に接続可能である。カバレッジエリアQQ413cに位置する第1のUE QQ491は、対応する基地局QQ412cに無線で接続する、又は当該基地局によってページングされるように構成される。カバレッジエリアQQ413a内の第2のUE QQ492は、対応する基地局QQ412aに無線で接続可能である。この例では、複数のUE QQ491,QQ492が示されているが、開示された実施形態は、単一のUEがカバレッジエリア内にある状況、又は単一のUEが対応する基地局QQ412に接続している状況にも同様に適用可能である。
【0091】
通信ネットワークQQ410自体は、ホストコンピュータQQ430に接続され、当該ホストコンピュータは、独立型サーバ、クラウド実装型サーバ、分散型サーバのハードウェア及び/又はソフトウェアで、又はサーバファーム内の処理リソースとして実施されうる。ホストコンピュータQQ430は、サービスプロバイダの所有であっても制御下にあってもよく、又は、サービスプロバイダによって又はサービスプロバイダの代わりに操作されてもよい。通信ネットワークQQ420とホストコンピュータQQ430との間のコネクションQQ421,QQ422は、コアネットワークQQ414からホストコンピュータQQ430に直接延びていてもよいし、オプションの中間ネットワークQQ420を介して延びていてもよい。中間ネットワークQQ420は、パブリックネットワーク、プライベートネットワーク、又はホストネットワークのうちの1つ以上の組合せであってもよく、中間ネットワークQQ420は、もしあれば、バックボーンネットワーク又はインターネットであってもよく、特に、中間ネットワークQQ420は、2つ以上のサブネットワーク(図示せず)を含んでもよい。
【0092】
図6の通信システムは、全体として、接続されたUE QQ491,QQ492のうちの1つとホストコンピュータQQ430との間の接続性を与える。当該接続性は、オーバー・ザ・トップ(OTT:over-the-top)コネクションQQ450として説明されうる。ホストコンピュータQQ430及び接続されたUE QQ491,QQ492は、アクセスネットワークQQ411、コアネットワークQQ414、任意の中間ネットワークQQ420、及び可能性のある更なるインフラストラクチャ(図示せず)を媒介として使用して、OTTコネクションQQ450を介してデータ及び/又はシグナリングを通信するように構成される。OTTコネクションQQ450は、OTTコネクションQQ450が通過する参加通信デバイスが、アップリンク通信及びダウンリンク通信のルーティングに気付かないという意味で、トランスペアレントでありうる。例えば、基地局QQ412は、接続されたUE QQ491に転送される(例えば、ハンドオーバされる)ホストコンピュータQQ430から発信されたデータを有する、到着するダウンリンク通信の過去のルーティングについて通知されてなくてもよく、又は通知される必要がなくてもよい。同様に、基地局QQ412は、UE QQ491からホストコンピュータQQ430へ向かう、発信されるアップリンク通信の将来のルーティングを知っている必要はない。
【0093】
図7を参照して、前の段落で説明したUE、基地局及びホストコンピュータの実施形態による実装例を以下で説明する。通信システムQQ500において、ホストコンピュータQQ510は、通信システムQQ500の、異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又は無線接続をセットアップ及び維持するように構成された通信インタフェースQQ516を含むハードウェアQQ515を備える。ホストコンピュータQQ510は、ストレージ能力及び/又は処理能力を有しうる処理回路QQ518を更に備える。具体的には、処理回路QQ518は、命令を実行するように適合された1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらの組み合わせ(図示せず)を備えうる。ホストコンピュータQQ510は、ホストコンピュータQQ510内に格納された又はホストコンピュータQQ510がアクセス可能である、かつ、処理回路QQ518によって実行可能であるソフトウェアQQ511を更に備える。ソフトウェアQQ511は、ホストアプリケーションQQ512を含む。ホストアプリケーションQQ512は、UE QQ530及びホストコンピュータQQ510で終端するOTTコネクションQQ550を介して接続するUE QQ530等のリモートユーザにサービスを提供するように動作可能でありうる。サービスをリモートユーザに提供する際に、ホストアプリケーションQQ512は、OTTコネクションQQ550を使用して送信されるユーザデータを提供しうる。
【0094】
通信システムQQ500は更に、通信システム内に設けられ、かつ、ホストコンピュータQQ510及びUE QQ530と通信することを可能にするハードウェアQQ525を備える基地局QQ520を含む。ハードウェアQQ525は、通信システムQQ500の、異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又は無線コネクションをセットアップ及び維持するための通信インタフェースQQ526と、基地局QQ520によってサービスが行われるカバレッジエリア(
図7には図示せず)内に位置するUE QQ530との少なくとも無線コネクションQQ570をセットアップ及び維持するための無線インタフェースQQ527とを含みうる。通信インタフェースQQ526は、ホストコンピュータQQ510へのコネクションQQ560を容易にするように構成されうる。コネクションQQ560は、直接的であってもよいし、通信システムのコアネットワーク(
図7には図示せず)及び/又は通信システムの外部の1つ以上の中間ネットワークを通過してもよい。図示された実施形態では、基地局QQ520のハードウェアQQ525は、命令を実行するように適合された1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらの組み合わせ(図示せず)を備えうる処理回路QQ528を更に含む。基地局QQ520は、内部に格納されるか又は外部接続を介してアクセス可能なソフトウェアQQ521を更に有する。
【0095】
通信システムQQ500は、既に言及したUE QQ530を更に含む。そのハードウェアQQ535は、UE QQ530が現在位置しているカバレッジエリアにサービスを行う基地局との無線コネクションQQ570をセットアップ及び維持するように構成された無線インタフェースQQ537を含みうる。UE QQ530のハードウェアQQ535は、命令を実行するように適合された1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらの組み合わせ(図示せず)を含みうる処理回路QQ538を更に含む。UE QQ530は、UE QQ530内に格納された又はUE QQ530がアクセス可能である、かつ、処理回路QQ538によって実行可能であるソフトウェアQQ531を更に備える。ソフトウェアQQ531は、クライアントアプリケーションQQ532を含む。クライアントアプリケーションQQ532は、ホストコンピュータQQ510のサポートにより、UE QQ530を介して人間の又は人間以外のユーザにサービスを提供するように動作可能でありうる。ホストコンピュータQQ510において、実行中のホストアプリケーションQQ512は、UE QQ530及びホストコンピュータQQ510で終端するOTTコネクションQQ550を介して、実行中のクライアントアプリケーションQQ532と通信しうる。ユーザにサービスを提供する際、クライアントアプリケーションQQ532は、ホストアプリケーションQQ512から要求データを受信し、当該要求データに応じてユーザデータを提供しうる。OTTコネクションQQ550は、要求データ及びユーザデータの両方を転送しうる。クライアントアプリケーションQQ532は、それが提供するユーザデータを生成するためにユーザとインタラクションしうる。
【0096】
図7に示されるホストコンピュータQQ510、基地局QQ520、及びUE QQ530は、それぞれ、
図6のホストコンピュータQQ430、基地局QQ412a,QQ412b,QQ412cのうちの1つ、及びUE QQ491,Q492のうちの1つと、類似又は同一でありうることに留意されたい。即ち、これらのエンティティの内部動作は、
図7に示されるようなものであってもよく、独立して、周囲のネットワークトポロジは
図6のものであってもよい。
【0097】
図7では、あらゆる中間デバイス及びそれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングに明示的に言及することなく、OTTコネクションQQ550が、基地局QQ520を介したホストコンピュータQQ510とUE QQ530との間の通信を示すために抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャは、UE QQ530から若しくはホストコンピュータQQ510を操作するサービスプロバイダから、又はその両方から隠すように構成されうるルーティングを決定しうる。OTTコネクションQQ550がアクティブである間に、ネットワークインフラストラクチャは、(例えば、負荷の考慮又はネットワークの再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する決定を更に行いうる。
【0098】
UE QQ530と基地局QQ520との間の無線コネクションQQ570は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つ以上は、無線コネクションQQ570が最後のセグメントを形成するOTTコネクションQQ550を使用してUE QQ530に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、これらの実施形態の教示が、チャネル容量の利用を改善することができ、それによって、改善されたシステム性能等の利点を提供できる。
【0099】
いくつかの実施形態では、1つ又は以上の実施形態が改善するデータレート、レイテンシ及びその他の要因をモニタリングする目的で、測定手順が提供されうる。更に、測定結果の変動に応じて、ホストコンピュータQQ510とUE QQ530との間のOTTコネクションQQ550を再設定するためのオプションのネットワーク機能があってもよい。OTTコネクションQQ550を再設定するための測定手順及び/又はネットワーク機能は、ホストコンピュータQQ510のソフトウェアQQ511及びハードウェアQQ515、又はUE QQ530のソフトウェアQQ531及びハードウェアQQ535、又はその両方で実装されうる。実施形態では、センサ(図示せず)が、OTTコネクションQQ550が通過する通信デバイスに配置されうるか又はそれに関連して配置されうる。当該センサは、上記で例示された、モニタリングされた量の値を供給することによって、又はソフトウェアQQ511,QQ531が当該モニタリングされた量を他の物理量の値から計算又は推定しうる、当該他の物理量の値を供給することによって、測定手順に関与しうる。OTTコネクションQQ550の再設定は、メッセージフォーマット、再送設定、好ましいルーティング等を含んでもよく、当該再設定は、基地局QQ520に影響を与える必要はなく、基地局QQ520には未知であるか又は感知できなくてもよい。そのような手順及び機能は、当該分野では既知でありうるとともに実践されうる。特定の実施形態では、測定は、ホストコンピュータQQ510の、スループット、伝搬時間、レイテンシ等の測定を容易にする、独自のUEシグナリングを含みうる。測定は、ソフトウェアQQ511及びQQ531が、伝搬時間、エラー等をモニタリングしながら、OTTコネクションQQ550を使用して、メッセージ(特に、空のメッセージ又は「ダミー」メッセージ)を送信させることで実行されうる。
【0100】
図8は、一実施形態による、通信システムにおいて実行される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図6及び
図7を参照して説明されうるホストコンピュータ、基地局、及びUEを含む。本開示を簡単にするために、
図8に対する図面の言及のみがこのセクションに含まれる。ステップQQ610で、ホストコンピュータがユーザデータを提供する。ステップQQ610の(オプションでありうる)サブステップQQ611では、ホストコンピュータが、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。ステップQQ620で、ホストコンピュータが、UEへのユーザデータを搬送する送信を開始する。(オプションでありうる)ステップQQ630で、基地局が、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが開始した送信で搬送されたユーザデータをUEへ送信する。(オプションでありうる)ステップQQ640で、UEが、ホストコンピュータによって実行されるホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行する。
【0101】
図9は、一実施形態による、通信システムにおいて実行される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図6及び
図7を参照して説明されうるホストコンピュータ、基地局、及びUEを含む。本開示を簡単にするために、
図9に対する図面の言及のみがこのセクションに含まれる。本方法のステップQQ710で、ホストコンピュータがユーザデータを提供する。オプションのサブステップ(図示せず)で、ホストコンピュータが、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。ステップQQ720で、ホストコンピュータが、UEへのユーザデータを搬送する送信を開始する。当該送信は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局を通過しうる。(オプションでありうる)ステップQQ730で、UEは、当該送信で搬送されたユーザデータを受信する。
【0102】
図10は、一実施形態による、通信システムにおいて実行される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図6及び
図7を参照して説明されうるホストコンピュータ、基地局、及びUEを含む。本開示を簡単にするために、
図10に対する図面の言及のみがこのセクションに含まれる。(オプションでありうる)ステップQQ810で、UEは、ホストコンピュータによって提供された入力データを受信する。追加的に又は代替的に、ステップQQ820で、UEは、ユーザデータを提供する。ステップQQ820の(オプションでありうる)サブステップQQ821では、ホストコンピュータが、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。ステップQQ810の(オプションでありうる)サブステップQQ811で、UEが、ホストコンピュータによって提供された受信入力データに応答してユーザデータを提供するクライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータを提供する際に、実行されるクライアントアプリケーションは、ユーザから受け付けたユーザ入力を更に考慮してもよい。ユーザデータが提供された特定の方法にかかわらず、UEは、(オプションでありうる)サブステップQQ830で、ユーザデータのホストコンピュータへの送信を開始する。本方法のステップQQ840で、ホストコンピュータが、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザデータを受信する。
【0103】
図11は、一実施形態による、通信システムにおいて実行される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図6及び
図7を参照して説明されうるホストコンピュータ、基地局、及びUEを含む。本開示を簡単にするために、
図11に対する図面の言及のみがこのセクションに含まれる。(オプションでありうる)ステップQQ910で、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局が、UEからユーザデータを受信する。(オプションでありうる)ステップQQ920で、基地局が、受信したユーザデータのホストコンピュータへの送信を開始する。(オプションでありうる)ステップQQ930で、ホストコンピュータは、基地局によって開始された送信で搬送されたユーザデータを受信する。
【0104】
一般に、本明細書で使用される全ての用語は、異なる意味が明確に与えられ、及び/又は、それが使用される文脈から暗示されない限り、関連する技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。
【0105】
本明細書では、種々の実施形態が参照されている。しかしながら、当業者であれば、依然として請求項群の範囲内にある、記載された実施形態に対する多数の変形を認識するであろう。
【0106】
例えば、本明細書に記載の方法の実施形態は、特定の順序で実行されるステップを通じた例示的な方法を開示している。しかしながら、これらのイベントのシーケンスは、請求項群の範囲から逸脱することなく別の順序で起こってもよいことが認識される。更に、方法のいくつかのステップは、それらが順番に実行されるものとして説明されていても、並列に実行されてもよい。このように、本明細書に開示される任意の方法のステップは、ステップが別のステップの後又は前として明示的に説明されている場合、及び/又はステップが別のステップの後又は前になければならないことが黙示的でる場合を除き、開示される正確な順序で実行される必要はない。
【0107】
同様に、実施形態の記載において、特定のユニットへの機能ブロックの分割は、限定を意図したものではないことに留意されたい。逆に、これらの分割は単なる例である。1つのユニットとして本明細書に記載の機能ブロックは、2つ以上のユニットに分割されてもよい。更に、2つ以上のユニットとして実装されるものとして本明細書に記載の機能ブロックは、より少ない数の(例えば、単一の)ユニットにマージされてもよい。
【0108】
本明細書に開示される実施形態のいずれかの任意の特徴は、適切な場合には、任意の他の実施形態に適用されてもよい。同様に、任意の実施形態の任意の利点は、任意の他の実施形態に適用されることができ、その逆も同様である。
【0109】
したがって、記載された実施形態の詳細は、単に説明の目的のために提示された例であること、及び請求項群の範囲内に入るあらゆる変形は、請求項群に包含されることが意図されていることを理解されたい。
【0110】
実施形態の例
グループAの実施形態
A1.リッスン・ビフォア・トーク(LBT)手順に従って動作するように構成された無線デバイスによって実行される送信電力制御のための方法であって、前記方法は、次の送信のために、
無線通信ノードが受けた干渉レベルを判定するためにチャネルセンシングを実行すること(220)と、
前記判定された干渉レベルに応じて、前記次の送信のための最大送信電力レベルを判定すること(230)と、
前記判定された最大送信電力レベルに応じて、前記次の送信に使用される符号化率及び変調のうちの少なくとも1つを選択すること(240)と、を含む、方法。
【0111】
A2.グループAの上記実施形態のいずれかの方法であって、更に、
ユーザデータを提供することと、
前記ユーザデータを、基地局への送信を介してホストコンピュータへ転送することと、を含む、方法。
【0112】
グループBの実施形態
B1.基地局によって実行される送信電力制御のための方法であって、前記方法は、次の送信のために、
前記無線通信ノードが受けた干渉レベルを判定するためにチャネルセンシングを実行すること(220)と、
前記判定された干渉レベルに応じて、前記次の送信のための最大送信電力レベルを判定すること(230)と、
前記判定された最大送信電力レベルに応じて、前記次の送信に使用される符号化率及び変調のうちの少なくとも1つを選択すること(240)と、を含む、方法。
【0113】
B2.グループBの上記実施形態のいずれかの方法であって、更に、
ユーザデータを取得することと、
前記ユーザデータをホストコンピュータ又は無線デバイスへ転送することと、を含む、方法。
【0114】
グループCの実施形態
C1.送信電力制御のための無線デバイスであって、前記無線デバイスは、
グループAの実施形態のいずれかに含まれるステップを実行するように構成された処理回路と、
前記無線デバイスに電力を供給するように構成された電源回路と、を備える、無線デバイス。
【0115】
C2.送信電力制御のための基地局であって、前記基地局は、
グループBの実施形態のいずれかに含まれるステップを実行するように構成された処理回路と、
前記基地局に電力を供給するように構成された電源回路と、を備える、基地局。
【0116】
C3.送信電力制御のためのユーザ装置(UE)であって、前記UEは、
無線信号を送信及び受信するように構成されたアンテナと、
前記アンテナ及び処理回路に接続され、前記アンテナと前記処理回路との間で通信される信号を調整するように構成された無線フロントエンド回路と、
グループAの実施形態のいずれかに含まれるステップを実行するように構成された前記処理回路と、
前記処理回路に接続され、前記UEへの情報の入力が前記処理回路によって処理されることを可能にするように構成された入力インタフェースと、
前記処理回路に接続され、前記処理回路によって処理された情報を前記UEから出力するように構成された出力インタフェースと、
前記UEに電力を供給するように構成されたバッテリーと、を備える、UE。
【0117】
グループDの実施形態
D1.ホストコンピュータを含む通信システムであって、
ユーザデータを提供するように構成された処理回路と、
ユーザ装置(UE)に送信するために前記ユーザデータをセルラネットワークへ転送するように構成された通信インタフェースと、を備え、
前記セルラネットワークは、無線インタフェース及び処理回路を有する基地局を含み、前記基地局の処理回路は、グループBの実施形態のいずれかに含まれるステップを実行するように構成される、通信システム。
【0118】
D2.実施形態D1の通信システムは、基地局を更に含む、通信システム。
【0119】
D3.実施形態D1又はD2の通信システムであって、前記UEを更に含み、前記UEは前記基地局と通信するように構成される、通信システム。
【0120】
D4.実施形態D1乃至D3のいずれかの通信システムであって、
前記ホストコンピュータの前記処理回路は、ホストアプリケーションを実行し、それにより前記ユーザデータを提供するように構成されており、
前記UEは、前記ホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行するように構成された処理回路を備える、通信システム。
【0121】
D5.ホストコンピュータ、基地局、及びユーザ装置(UE)を含む通信システムにおいて実行される方法であって、前記方法は、
前記ホストコンピュータにおいて、ユーザデータを提供することと、
前記ホストコンピュータにおいて、前記基地局を備えるセルラネットワークを介して前記UEへ前記ユーザデータを搬送する送信を開始することと、を含み、前記基地局は、グループBの実施形態について記載されたステップを実行する、方法。
【0122】
D6.実施形態D5の方法であって、前記基地局において、前記ユーザデータを送信することを更に含む、方法。
【0123】
D7.実施形態D5又はD6の方法であって、前記ユーザデータは、ホストアプリケーションを実行することによって前記ホストコンピュータにおいて提供され、前記方法は更に、前記UEにおいて、前記ホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行することを含む、方法。
【0124】
D8.基地局と通信するように構成されたユーザ装置(UE)であって、前記UEは、無線インタフェースと、実施形態D5乃至D7のいずれかの方法を実行するように構成された処理回路とを備える、UE。
【0125】
D9.ホストコンピュータを含む通信システムであって、
ユーザデータを提供するように構成された処理回路と、
ユーザ装置(UE)に送信するためにユーザデータをセルラネットワークへ転送するように構成された通信インタフェースと、を備え、
前記UEは、無線インタフェース及び処理回路を備え、前記UEのコンポーネントは、グループAの実施形態について記載されたステップを実行するように構成される、通信システム。
【0126】
D10.実施形態D9の通信システムであって、前記セルラネットワークは、前記UEと通信するように構成された基地局を更に含む、通信システム。
【0127】
D11.実施形態D9又はD10の通信システムであって、
前記ホストコンピュータの前記処理回路は、ホストアプリケーションを実行し、それにより前記ユーザデータを提供するように構成されており、
前記UEの処理回路は、前記ホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行するように構成されている、通信システム。
【0128】
D12.ホストコンピュータ、基地局、及びユーザ装置(UE)を含む通信システムにおいて実行される方法であって、前記方法は、
前記ホストコンピュータにおいて、ユーザデータを提供することと、
前記ホストコンピュータにおいて、前記基地局を備えるセルラネットワークを介して前記UEへ前記ユーザデータを搬送する送信を開始することと、を含み、前記UEは、グループAの実施形態について記載されたステップを実行する、方法。
【0129】
D13.実施形態D12の方法であって、前記UEにおいて、前記基地局から前記ユーザデータを受信することを更に含む、方法。
【0130】
D14.ホストコンピュータを含む通信システムであって、
ユーザ装置(UE)から基地局への送信から生じるユーザデータを受信するように構成された通信インタフェースを備え、
前記UEは、無線インタフェース及び処理回路を備え、前記UEの処理回路は、グループAの実施形態について記載されたステップを実行するように構成される、通信システム。
【0131】
D15.実施形態D14の通信システムであって、UEを更に含む、通信システム。
【0132】
D16.実施形態D14又はD15の通信システムであって、前記基地局を更に含み、当該基地局は、前記UEと通信するように構成された無線インタフェースと、前記UEから前記基地局への送信によって搬送される前記ユーザデータを前記ホストコンピュータへ転送するように構成された通信インタフェースと、を備える、通信システム。
【0133】
D17.実施形態D14乃至D16のいずれかの通信システムであって、
前記ホストコンピュータの処理回路は、ホストアプリケーションを実行するように構成されており、
前記UEの処理回路は、前記ホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行し、それによって前記ユーザデータを提供するように構成されている、通信システム。
【0134】
D18.実施形態D14乃至D17のいずれかの通信システムであって、
前記ホストコンピュータの処理回路は、ホストアプリケーションを実行し、それにより要求データを提供するように構成され、
前記UEの処理回路は、前記ホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行し、それにより、前記要求データに応じて前記ユーザデータを提供するように構成される、通信システム。
【0135】
D19.ホストコンピュータ、基地局、及びユーザ装置(UE)を含む通信システムにおいて実行される方法であって、前記方法は、
前記ホストコンピュータにおいて、前記UEから前記基地局へ送信されたユーザデータを受信することを含み、前記UEは、グループAの実施形態について記載されたステップを実行する、方法。
【0136】
D20.実施形態D19の方法であって、前記UEにおいて、前記基地局へ前記ユーザデータを提供することを更に含む、方法。
【0137】
D21.実施形態D19又はD20の通信システムであって、更に、
前記UEにおいて、クライアントアプリケーションを実行し、それにより、送信対象の前記ユーザデータを提供することと、
前記ホストコンピュータにおいて、前記クライアントアプリケーションに関連付けられたホストアプリケーションを実行することと、を含む、方法。
【0138】
D22.実施形態D19乃至D21のいずれかの通信システムであって、更に、
前記UEにおいて、クライアントアプリケーションを実行することと、
前記UEにおいて、前記クライアントアプリケーションへの入力データであって、前記クライアントアプリケーションに関連付けられたホストアプリケーションを実行することによって前記ホストコンピュータにおいて提供される前記入力データを受信することと、を含み、
送信対象の前記ユーザデータは、前記入力データに応じて前記クライアントアプリケーションによって提供される、方法。
【0139】
D23.基地局と通信するように構成されたユーザ装置(UE)であって、前記UEは、無線インタフェースと、実施形態D19乃至D22のいずれかの方法を実行するように構成された処理回路とを備える、UE。
【0140】
D24.ユーザ装置(UE)から基地局への送信から生じるユーザデータを受信するように構成された通信インタフェースを備えるホストコンピュータを含む通信システムであって、前記基地局は、無線インタフェース及び処理回路を備え、前記基地局の処理回路は、グループBの実施形態について記載されたステップを実行するように構成される、通信システム。
【0141】
D25.実施形態D24の通信システムであって、前記基地局を更に含む、通信システム。
【0142】
D26.実施形態D24又はD25の通信システムであって、前記UEを更に含み、前記UEは前記基地局と通信するように構成される、通信システム。
【0143】
D27.実施形態D24又はD25の通信システムであって、
前記ホストコンピュータの処理回路は、ホストアプリケーションを実行するように構成されており、
前記UEは、前記ホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行し、それにより、前記ホストコンピュータによって受信される前記ユーザデータを提供するように構成されている、通信システム。
【0144】
D28.ホストコンピュータ、基地局、及びユーザ装置(UE)を含む通信システムにおいて実行される方法であって、前記方法は、
前記ホストコンピュータにおいて、前記基地局が前記UEから受信した送信から生じたユーザデータを、前記基地局から受信することを含み、前記UEは、グループAの実施形態について記載されたステップを実行する、方法。
【0145】
D29.実施形態D28の方法であって、前記基地局において、前記UEから前記ユーザデータを受信することを更に含む、方法。
【0146】
D30.実施形態D28又はD29の方法であって、前記基地局において、前記受信したユーザデータの前記ホストコンピュータへの送信を開始することを更に含む、方法。
【0147】
D31.ホストコンピュータ、基地局、及びユーザ装置(UE)を含む通信システムにおいて実行される方法であって、前記方法は、
前記ホストコンピュータにおいて、前記基地局が前記UEから受信した送信から生じたユーザデータを、前記基地局から受信することを含み、前記基地局は、グループBの実施形態について記載されたステップを実行する、方法。
【0148】
D32.実施形態D31の方法であって、前記基地局において、前記UEから前記ユーザデータを受信することを更に含む、方法。
【0149】
D33.実施形態D31又はD32の方法であって、前記基地局において、前記受信したユーザデータの前記ホストコンピュータへの送信を開始することを更に含む、方法。