(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20220802BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G06F1/16 312V
G06F1/16 312F
G06F1/16 312U
G06F1/16 312T
H05K5/02 G
(21)【出願番号】P 2021038809
(22)【出願日】2021-03-11
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】土橋 守幸
(72)【発明者】
【氏名】森野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】藤井 一男
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-084246(JP,A)
【文献】特開2017-068736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
G06F 1/00;1/16-5/06
H05K 5/00-5/06
G06F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に表示部が設けられた表示部本体と、
前記表示部本体の背面に重ね合わされた収納状態と、立て起こされた前記表示部本体の下辺に沿って設置面上に配置される使用状態との間で位置変更可能とされたキーボード部と、
前記表示部本体と前記キーボード部とを接続し、前記収納状態と前記使用状態との間の前記キーボード部の動作を規定する支持部と、
を備え、
前記支持部は、前記収納状態から前記使用状態に至る過程で、前記表示部本体の前記背面側から進出し、当接端部が前記設置面に当接して立て起こされた前記表示部本体の前記背面を支持するスタンドを備え
、
前記支持部は、前記収納状態にて、前記表示部本体の前記背面と前記キーボード部との間に重ね合わせされた状態で収納され、
前記支持部は、折り曲げ可能な折曲部を介して接続された複数の板部で構成され、前記収納状態にて面一状態とされ、
前記支持部は、前記キーボード部に対してキーボード折曲部を介して折り曲げ可能に接続されたキーボード接続板部と、前記キーボード接続板部を前記表示部本体の前記背面側に対して折り曲げ可能に接続する第1折曲部と、前記キーボード接続板部を板状体とされた前記スタンドに対して折り曲げ可能に接続する第2折曲部と、を備え、
前記スタンドは、前記表示部本体の前記背面側に対してスタンド折曲部を介して折り曲げ可能に接続されている電子機器。
【請求項2】
前記表示部本体は、長方形とされた展開状態における長手方向の中央位置で第1半部と第2半部とを前記表示部を内面にして折り畳む折り畳み状態に変形可能とされ、
前記支持部及び前記キーボード部は、前記収納状態にて、前記第1半部及び前記第2半部のいずれか一方の前記背面に配置される請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記キーボード部は、前記使用状態にて、前記表示部本体の下方でかつ前記表面側に配置され、
前記表示部本体は、前記使用状態にて、前記キーボード折曲部上に設置される請求項
1又は2に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部本体とキーボード部とを備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タブレットPC(電子機器)の一形態として、表示部を備えたタブレット部と、外部入力装置としのキーボード部とを備えたものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
タブレットPCを容易に持ち運ぶことができるように、キーボード部をコンパクトに収納することが要望される。また、タブレットPCが、有機EL(Electro Luminescence)等のフレキシブルディスプレイを用いた折り曲げ可能なディスプレイを備えている場合にも、二つ折りにしたフレキシブルディスプレイとともにキーボード部をコンパクトに収納することが要望される。
【0004】
一方で、キーボード部を使用する使用状態とする際には、キーボード部をタブレット部の表示面側に位置させるとともに、立て起こされた表示部を背面側から支持する必要がある。
【0005】
キーボード部を表示部本体から取り外して使用位置に位置させ、表示部本体の背面に設けたスタンドを進出させることによって表示部本体を支持させることは可能である。しかし、キーボード部の使用位置への移動と、スタンドの進出という2つの作業が要求され、ユーザに対して面倒な作業を強いることになる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、キーボード部を表示部本体とともにコンパクトに収納できるとともに、使用時にはキーボードを表示面側に位置させるとともに立て起こされた表示部本体を背面側から支持する動作を簡便に行うことができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る電子機器は、表面に表示部が設けられた表示部本体と、前記表示部本体の背面に重ね合わされた収納状態と、立て起こされた前記表示部本体の下辺に沿って設置面上に配置される使用状態との間で位置変更可能とされたキーボード部と、前記表示部本体と前記キーボード部とを接続し、前記収納状態と前記使用状態との間の前記キーボード部の動作を規定する支持部と、を備え、前記支持部は、前記収納状態から前記使用状態に至る過程で、前記表示部本体の前記背面側から進出し、当接端部が前記設置面に当接して立て起こされた前記表示部本体の前記背面を支持するスタンドを備え、前記支持部は、前記収納状態にて、前記表示部本体の前記背面と前記キーボード部との間に重ね合わせされた状態で収納され、前記支持部は、折り曲げ可能な折曲部を介して接続された複数の板部で構成され、前記収納状態にて面一状態とされ、前記支持部は、前記キーボード部に対してキーボード折曲部を介して折り曲げ可能に接続されたキーボード接続板部と、前記キーボード接続板部を前記表示部本体の前記背面側に対して折り曲げ可能に接続する第1折曲部と、前記キーボード接続板部を板状体とされた前記スタンドに対して折り曲げ可能に接続する第2折曲部と、を備え、前記スタンドは、前記表示部本体の前記背面側に対してスタンド折曲部を介して折り曲げ可能に接続されている。
【発明の効果】
【0008】
キーボード部を表示部本体とともにコンパクトに収納できるとともに、使用時にはキーボードを表示面側に位置させるとともに立て起こされた表示部本体を背面側から支持する動作をワンアクションで簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本発明の一実施形態に係るタブレットPCを示し、折り畳み状態とされたキャリーモードを示した平面図である。
【
図1C】
図1のタブレットPCをタブレット折曲線回りに所定角度展開した状態を示した斜視図である。
【
図1D】
図1AのタブレットPCを展開した状態を示した正面図である。
【
図1E】
図1AのタブレットPCを展開した状態を示した背面図である。
【
図1F】タブレットPCの使用状態であり、タブレット部の表示面側から見た斜視図である。
【
図1G】タブレットPCの使用状態であり、タブレット部の背面側から見た斜視図である。
【
図1H】タブレットPCの使用状態であり、タブレット部の斜め背面側から見た斜視図である。
【
図2A】キーボード折曲線回りにキーボード部を展開した状態を示した背面図である。
【
図2B】
図2Aの支持部周りの要部を拡大して示した背面図である。
【
図3A】支持部の展開時の初期状態を示した斜視図である。
【
図3B】
図3Aからキーボード部をさらに回動させた状態を示した斜視図である。
【
図3C】
図3Bからキーボード部をさらに回動させた状態を示した斜視図である。
【
図3D】
図3Cからキーボード部をさらに回動させた状態を示した斜視図である。
【
図3E】
図3Dからキーボード部をさらに回動し、キーボード部をタブレット部3の下方に位置させた状態を示した斜視図である。
【
図4A】ワンアクションの初期状態を示した斜視図である。
【
図4B】
図4Aからスタンドをさらに立て起こした状態を示した斜視図である。
【
図4C】
図4Bからスタンドをさらに立て起こした状態を示した斜視図である。
【
図4D】キーボード折曲部とタブレット部の下辺とを一致させた状態を示した斜視図である。
【
図4E】キーボード部をタブレット部の表示面側に配置した状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の電子機器の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1Aには、二つ折りに折り畳まれた状態とされたタブレットPC(電子機器)1の平面図が示されている。
図1Bには、
図1Aに示したタブレットPC1の底面図が示されている。
【0011】
タブレットPC1は、折り畳み可能(foldable)とされたタブレット部(表示部本体)3と、外部入力装置であるキーボード部5と、タブレット部3とキーボード部5とを接続する支持部7とを備えている。タブレット部3と支持部7、及び/又は、キーボード部5と支持部7とは、固定されている。ただし、タブレット部3と支持部7、及び/又は、キーボード部5と支持部7とは、取り外し可能とされていても良い。
図1Aに示したタブレットPC1の状態は、キーボード部5がタブレット部3に対してコンパクトに収納され
た収納状態とされ、容易に持ち運びできるキャリーモードとされている。
【0012】
タブレットPC1の
図1Aにおける右側の第1端部1a(
図1Bにおける左側の第1端部1a)が二つ折りにしたタブレットPC1を展開するときの開放側の端部となっており、
図1AのタブレットPC1の左側の第2端部1b(
図1Bの右側の第2端部1b)が二つ折りにしたタブレットPC1を展開するときの回動中心となる。すなわち、タブレットPC1は、タブレット折曲線L0回りに回動する。
【0013】
図1Cには、タブレット折曲線L0回りに回動させてタブレットPC1を所定角度だけ展開した状態が示されている。
図1Cに示した状態は。タブレットPC1を使用する前の状態である。
【0014】
図1Cからさらにタブレット折曲線L0回りに回動させてタブレット部3を展開した状態が
図1Dに示されている。
図1Dに示したタブレットPC1の展開状態にて、タブレット部3が平面状に水平展開させる。すなわち、
図1Dにおいて中央にタブレット折曲線L0が上下方向に延在して位置し、左右の端部のそれぞれがタブレットPC1の第1端部1aとなる。
図1Dに示したようにタブレット部3は、平面状に展開された状態で使用される。
【0015】
タブレット部3は、有機EL(Electro Luminescence)等のフレキシブルディスプレイが表示面3aとして用いられている。タブレット部3は、タブレット部3の長手方向における中央位置に設けられたタブレット折曲線L0回りに折り曲げ可能とされている。タブレット部3は、タブレット折曲線L0回りに回動可能なように図示しないヒンジ機構を備えている。
図1Aに示した折り畳み状態とされたキャリーモードでは、表示面3aが内側になるようにタブレット部3が半分に折り畳まれている。表示面3aはタッチパネルとされている。
【0016】
タブレット部3はタブレット折曲線L0を挟んで一方が第1半部31とされ、他方が第2半部32とされる。第1半部31と第2半部32とが重ね合わされることによって、
図1Aに示したキャリーモードとなる。
【0017】
タブレット部3は、その筐体内部に、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、グラフィクスアダプタ、入力コントローラ、フラッシュメモリ、通信デバイス等を備えており、各部はバスを介して直接または間接的に接続されている。
【0018】
図1Dに示すように、タブレット部3の長手方向(
図1Dにおいて水平方向)の上辺3bが使用時に上方となり、下辺3cが使用時に下方となる。すなわち、タブレットPC1は、タブレット部3の長手方向が水平を向いた横長状態となるランドスケープモード(landscape mode)にて使用される。
【0019】
図1Eには、
図1Dのように平面状に水平展開したタブレットPC1の背面図が示されている。
図1Eに示されているように、支持部7は、水平展開されたタブレット部3の背面3dの全面にわたって設けられている。ただし、支持部7は、タブレット部3の第2半部32に対応する部位はカバー部7aとされており、タブレット部3の背面3dに固定されていない(例えば
図1C参照)。後述するが、支持部7の一部がタブレット部3の第1半部31に対して固定される。
【0020】
図1Eにおいて、第1半部31の背面側に支持部7を挟んでキーボード部5が重ねられた状態で配置されている。すなわち、タブレット部3、支持部7、キーボード部5の順に重ねられている。
【0021】
図1Eに示されたキーボード部5をタブレット部3からキーボード折曲線L1回りに展開することによって、
図1F乃至
図1Hに示された状態となる。
図1F乃至
図Hに示された状態が、タブレットPC1を使用するときの使用状態となる。使用状態にて、タブレット部3は水平展開された状態とされ、キーボード部5は、
図1Fに示されるように、設置面PL上に配置されるとともにキーボード面5aが上方を向いている。キーボード部5は、例えば金属板によって構成したベース部材の上面にメンブレンスイッチシート及び複数のキーを配置して構成した入力装置である。
【0022】
図1G及び
図1Hに示されているように、タブレット部3は支持部7のスタンド7bによって立て起こされた状態で指示されている。スタンド7bは、剛性を有する矩形状とされた板部とされている。スタンド7bは、スタンド折曲部7b2回りに回動させられ、スタンド7bの自由端となる当接端部7b1が下端となる。スタンド7bの当接端部7b1が設置面PLに対して当接した状態でタブレット部3が支持される。タブレット部3は、下辺3cが設置面PL側(下側)に位置するように配置されている。
【0023】
<支持部7の構成>
次に、支持部7について説明する。支持部7は、剛性を有する複数の板部7b,7d,7f,7hによって構成されている。各板部7b,7d,7f,7h間は折り曲げ可能に接続されている。
【0024】
図2Aは、
図1Eに示したキーボード部5をキーボード折曲線L1回りに180°回動させた状態が示されている。
図2Bは、
図2Aの支持部7周りの要部を拡大した図である。
【0025】
図2Aに示すように、キーボード部5は、キーボード部5の長手方向端部5bに沿って設けられたキーボード折曲部7cを介してキーボード接続板部7dと接続されている。キーボード折曲部7cは、可撓性を有する部材とされ、キーボード折曲線L1に沿って直線状に一定の幅で設けられている。
【0026】
キーボード接続板部7dは、
図2Aにおいて上部から下方に向かって一定幅で延在する縦長の長方形部分7d1と、長方形部分7d1の下部に接続されて下方に凸とされた略三角形状の三角形部分7d2とを有している。長方形部分7d1の右側辺7d6は、上端がタブレット部3の上辺3bに位置し、下端が支持部7のキーボード折曲線L1方向における中間位置とされている。三角形部分7d2は、下方の頂点7d3がキーボード折曲部7cの下端に一致しており、この頂点7d3から
図2Aにおいて右斜め上方に(タブレット部3の上辺3bに向かって)下辺3cに対して45°の角度を有して延在する斜辺7d4を有している。三角形部分7d2は、斜辺7d4の上方(タブレット部3の上辺3b側)に上辺7d5を有している。上辺7d5は、斜辺7d4と同様に
図2Aにおいて右斜め上方に傾斜しているが、斜辺7d4よりも水平に近い角度(下辺3cに対して45°よりも小さい角度)で延在している。上辺7d5の一端(
図2Aにおいて左端)は、長方形部分7d1の右側辺7d6の下端に接続されている。
【0027】
キーボード接続板部7dの下方の斜辺7d4側には、第1折曲部7eを介して固定板部7fが接続されている。固定板部7fは三角形状とされており、タブレット部3の背面3d側に固定されている。第1折曲部7eは、可撓性を有する部材とされ、斜辺7d4に沿って直線状に一定幅で設けられている。第1折曲部7e回りにキーボード接続板部7dが回動する。なお、固定板部7fの形状は三角形に限定されるものではなく、第1折曲部7eをタブレット部3の背面3d側に固定できる形状であれば他の形状であっても良い。
【0028】
キーボード接続板部7dの三角形部分7d2の上辺7d5側には、第2折曲部7gを介してスタンド接続板部7hが接続されている。スタンド接続板部7hは三角形状とされており、スタンド7bとキーボード接続板部7dとを接続する。第2折曲部7gは、可撓性を有する部材とされ、上辺7d5に沿って直線状に一定幅で設けられている。スタンド接続板部7hの左辺である第1辺7h1は、キーボード接続板部7dの長方形部分7d1とは分離されている。したがって、スタンド接続板部7hは、キーボード接続板部7dの長方形部分7d1とは接続されておらず、三角形部分7d2に対してのみ接続されている。第1辺7h1と第2折曲部7gとがなす角は、90°よりも小さい鋭角とされている。
【0029】
スタンド接続板部7hは、スタンド接続折曲部7iを介してスタンド7bに接続されている。スタンド接続折曲部7iは、可撓性を有する部材とされ、下辺3cに対して45°の角度をなして直線状に一定幅で設けられている。スタンド接続折曲部7iによって、スタンド7bがタブレット部3側から持ち上げられるようになっている。
【0030】
スタンド7bは、
図2Aにおいて上辺が、
図1G及び
図1Hのようにスタンド7bを展開したときに下辺となる当接端部7b1となっている。すなわち、スタンド7bをスタンド折曲部7b2(
図1G及び
図1H参照)回りに回動した場合に、当接端部7b1が設置面PLに当接するようになっている。スタンド折曲部7b2は、可撓性を有する部材とされ、下辺3cと平行に所定幅で設けられている。スタンド折曲部7b2は、タブレット部3の背面3d側に固定されている。
【0031】
<支持部7の展開動作>
次に、
図3A乃至
図3Eを用いて、
図2A及び
図2Bに示した支持部7が面一とされた収納状態から支持部7を展開する過程について説明する。
【0032】
図3Aに示すように、支持部7の各板部7b,7d,7f,7hが面一状態とされた
図2A及び
図2Bの収納状態から、キーボード部5をタブレット部3に対して持ち上げる。これにより、キーボード接続板部7dが第1折曲部7e回りに回動するとともに、第2折曲部7gを介してスタンド接続板部7hがタブレット部3側から持ち上げられる。スタンド接続板部7hが持ち上げられることによって、スタンド接続折曲部7iを介してスタンド7bもタブレット部3から持ち上げられる。これにより、スタンド7bは、スタンド折曲部7b2(
図1G及び
図1H参照)回りに回動し、当接端部7b1がタブレット部3に対して持ち上げられる。
【0033】
さらにキーボード部5を持ち上げて第1折曲部7e回りに回動を続けると、
図3Bのようになり、スタンド7bの当接端部7b1がさらに持ち上がる。
【0034】
そして、
図3C及び
図3Dに示すように、さらにキーボード部5の第1折曲部7e回りの回動を続け、キーボード部5をキーボード折曲線L1回りに折り曲げてキーボード面5aをタブレット部3側に向ける。この状態で、スタンド7bを徐々に立て起こす。なお、
図3C及び
図3Dでは、
図3A及び
図3Bと異なりタブレット部3の上辺3bが図において左側に位置した状態で示されているので留意すべきである。
【0035】
そして、
図3Eに示すように、キーボード部5をタブレット部3の表示面3aに移動させ、スタンド7bの当接端部7b1が設置面PLに当接するように位置させる。
【0036】
<ワンアクション>
次に、
図4A乃至
図4Eを用いて、ワンアクションで支持部7及びキーボード部5を展開し、かつ、スタンド7bを立て起こす動作を説明する。
【0037】
図1Eに示したように、タブレット部3を平面状に水平展開した後に、
図4Aに示すように、キーボード部5をタブレット部3に対して持ち上げる。これに伴い、スタンド7bがスタンド折曲部7b2回りに回動してスタンド7bの当接端部7b1が下端となりタブレット部3に対して立て起こされる。
【0038】
そして、
図4B及び
図4Cに示すように、キーボード部5をさらに持ち上げてタブレット部3の下辺3cの下側にキーボード部5が入り込むようにする。この動作に伴い、スタンド7bはさらに立て起こされる。
【0039】
そして、
図4Dに示すように、キーボード折曲部7cとタブレット部3の下辺3cとが一致するまでキーボード部5を回動させる。キーボード接続板部7dは、タブレット部3の背面3d側で下辺3cに沿って配置される。この状態で、スタンド7bは使用状態まで立て起こされた状態となる。
【0040】
そして、
図4Eに示すように、キーボード部5をキーボード折曲部7c回りに折り曲げて、キーボード部5をタブレット部3の表示面3a側に位置させる。これにより、
図1F乃至
図1Hに示したような使用状態とされる。すなわち、支持部7及びキーボード部5が展開され、かつ、スタンド7bが設置面PLに対して立て起こされた状態となる。タブレット部3の下辺3cは、キーボード折曲部7c上に一致して載置されており、キーボード部5の長手方向端部5bに対して当接するようにして位置決めされている。
【0041】
以上の通り、本実施形態に係る作用効果は以下の通りである。
キーボード部5は、タブレット部3の背面3dに重ね合わされた収納状態とされることによって、タブレット部3と一体とされてコンパクトに収納される。キーボード部5の使用時には、立て起こされたタブレット部3の下辺3cに沿って設置面PL上に配置される。これにより、ユーザは、キーボード部を5外部入力装置として使用して、タブレット部3の表示部を見ながら作業を行うことができる。
【0042】
タブレット部3とキーボード部5とは支持部7によって接続されている。支持部7は、収納状態と使用状態との間のキーボード部5の動作を規定するように設けられている。これにより、キーボード部5を収納状態と使用状態との間で安定的に動作させることができる。
【0043】
支持部7は、当接端部7b1が設置面PLに当接することによって、立て起こされたタブレット部3を背面3dから支持するスタンド7bを備えている。スタンド7bは、キーボード部5の収納状態から使用状態に至る過程で、タブレット部3の背面3dから進出するようになっている。これにより、キーボード部5を収納状態から使用状態に動作させるワンアクションに伴いスタンド7bを進出させることができるので、タブレットPC1の使用を開始する際の作業が簡便となる。
【0044】
タブレット部3は、第1半部31と第2半部32とを折り畳んで折り畳み状態に変形可能とされている。一方の第1半部31の背面3d側にキーボード部5及び支持部7を配置することしたので、タブレット部3を折り畳み状態としたときにキーボード部5及び支持部7をコンパクトに収納することができる。
【0045】
収納状態にて、支持部7をタブレット部3の背面3dとキーボード部5との間に重ね合わせた状態で収納することとした。これにより、支持部7をコンパクトに収納することができる。
【0046】
支持部7を、折曲部7c,7e,7gを介して接続された複数の板部7b,7d,7f,7hで構成し、収納状態でこれら板部7b,7d,7f,7hが面一状態とすることとした。これにより、コンパクトに支持部7を収納することができる。
【0047】
使用状態において、キーボード部5がタブレット部3の下方でかつ表示面3a側に配置されるとともに、キーボード折曲部7c上にタブレット部3の下辺3cを載置するようにした。これにより、タブレット部3を安定的に位置決めすることができる。
【0048】
なお、上述した実施形態では、本発明の表示部本体の一例としてタブレット部3を用いて説明したが、本発明はこれに限定されず、表示部本体としては、例えば表示機能のみを有するディスプレイであっても良い。
【符号の説明】
【0049】
1 タブレットPC(電子機器)
1a 第1端部
1b 第2端部
3 タブレット部(表示部本体)
3a 表示面
3b 上辺
3c 下辺
3d 背面
5 キーボード部
5a キーボード面
5b 長手方向端部
7 支持部
7a カバー部
7b スタンド
7b1 当接端部
7b2 スタンド折曲部
7c キーボード折曲部
7d キーボード接続板部
7d1 長方形部分
7d2 三角形部分
7d3 頂点
7d4 斜辺
7d5 上辺
7d6 右側辺
7e 第1折曲部
7f 固定板部
7g 第2折曲部
7h スタンド接続板部
7h1 第1辺
7i スタンド接続折曲部
31 第1半部
32 第2半部
L0 タブレット折曲線
L1 キーボード折曲線
PL 設置面
【要約】
【課題】キーボード部を表示部本体とともにコンパクトに収納できるとともに、使用時にはキーボードを表示面側に位置させるとともに立て起こされた表示部本体を背面側から支持する動作を簡便に行うことができる電子機器を提供する。
【解決手段】表面に表示部が設けられたタブレット部3と、タブレット部3の背面3dに重ね合わされた収納状態と、立て起こされたタブレット部3の下辺3cに沿って設置面PL上に配置される使用状態との間で位置変更可能とされたキーボード部5と、タブレット部3とキーボード部5とを接続し、収納状態と使用状態との間のキーボード部5の動作を規定する支持部7と、を備え、支持部7は、収納状態から使用状態に至る過程で、タブレット部3の背面3d側から進出し、当接端部が設置面に当接して立て起こされたタブレット部3の背面3dを支持するスタンド7bを備えている。
【選択図】
図1H