(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具
(51)【国際特許分類】
E02D 29/12 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
E02D29/12 B
(21)【出願番号】P 2021042218
(22)【出願日】2021-03-16
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000146814
【氏名又は名称】株式会社新来島どっく
(74)【代理人】
【識別番号】100090044
【氏名又は名称】大滝 均
(72)【発明者】
【氏名】和田 拓也
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-089050(JP,U)
【文献】実開平02-042949(JP,U)
【文献】実開昭58-149454(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者の両手又は片手に握られる丸鋼グリップ部と、
丸鋼グリップ部の両端下方に接合され
、当該丸鋼グリップとで正三角形状の同径丸鋼シャフト部と、
丸鋼シャフト部の正三角形状先端に
600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の四方
端に
対角状に配置される吊り下げ用ループ
横位置で横に直接挿通する径を有
し、フック
の先端方向が
丸鋼グリップ部と三次元的に同方向である丸鋼フックと、
を有することを特徴とする船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具。
【請求項2】
請求項1に記載の丸鋼グリップ部の両端下方に接合され
、当該丸鋼グリップと共に形成される正三角形状の同径丸鋼シャフト部に替え、
丸鋼グリップ部中央に直交し
て接合されるT字形状シャフトであることを特徴とする請求項1に記載の船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具。
【請求項3】
丸鋼フック部の最下端位置のフック中央が、丸鋼シャフト部先端下方位置で、かつ、
丸鋼フック部4が全体としてR100mmでフック先端4bの反対側に屈曲し、フック先端の高さがフック中央の最下端から15mm高さの半円形状の前後等しい幅の丸鋼フックであることを特徴とする請求項1に記載の船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶甲板上及び/又は貨物倉底に600mm×800mm長円型埋込式マンホールが設置される船における当該マンホール蓋を取り外すマンホール蓋取り外し冶具に関する。
【背景技術】
【0002】
マンホール蓋の開閉に関しては、例えば、実用新案登録第3133294号に開示のものや特開2002ー138504号公報に開示のものが知られている。
実用新案登録第3133294号の開示は、考案名称「マンホール蓋の蓋開け工具」に係り、「マンホール蓋を開けるときの補助具程度の構造とすることで、構造を大幅に簡素化して小型化、コストの低減を効果的に図り、しかも、保管・現場への持ち込みがコンパクトで、現場での設置も簡単に行うことができ、さらには、マンホール蓋の固着状況に応じて数種の使い分けが可能であるなどの有利な特徴を有するマンホール蓋の蓋開き工具を提供する」考案の解決課題において(同公報明細書段落番号0005参照)、「マンホール蓋を跨ぐ程度の長さを有し、両側に脚部をそれぞれ備えている工具本体と、この工具本体に開口されている貫通孔に、上下に移動可能に挿通されて前記工具本体に装着されるとともに、前記マンホール蓋の鍵孔に挿し込み掛止させるための掛止部を下端側に備え、前記掛止部を引き上げるための引上げ操作部を上端側に備えている蓋引上げ部材と、この蓋引上げ部材の前記引上げ操作部に係合され、該引上げ操作部を回転または引き上げるための長尺な操作杆部材」との構成とすることにより(同公報実用新案登録請求の範囲請求項1の記載等参照)、「点検者などがマンホール蓋を開けるときに重労働となっているマンホール蓋のマンホール枠に対する固着解除を機械的に手助けして、作業労力を軽減することができる。また、工具本体、蓋引上げ部材、操作杆部とからなる構成であり、従来の蓋開け工具に比べて構造が大幅に簡素化され、小型化されている。これにより、コストの低減を効果的に図ることができ、しかも、使用しないときの保管時や現場への持ち込み時にコンパクトな収納性を得ることができる。また、現場でのセットも簡単に行うことができる。更には、マンホール蓋の固着状況に応じて数種の使い分けが可能になる。」等の効果を奏するものである(同公報明細書段落番号0013参照)。
【0003】
また、上記特開2002ー138504号公報の開示は、発明名称「マンホール蓋開閉治具」に係り、「従来人力(手)で中蓋を開閉していた作業を新規な治具を提供することによって、安全性を向上させることを目的とする」発明解決課題において(同公報明細書段落番号0008参照)、「真直パイプの一端に把手を取付けて、他端に略コ字形状とした丸鋼の両側をフック状に形成した部材を固着されてなる」構成とすることにより(同方向特許請求の範囲請求項1の記載等参照)、「(1)マンホール中蓋を取外し移動時、二人が両手で持ち上げることが可能となり荷重を均等化できるので腰に負担を掛けることがない。(2)治具の軸が所定の長さを有しフック面の背面側に角度20°傾いているので、腰を屈める動作が小さく、また、持ち上げるときの姿勢に無理が生じない。(3)治具を使用することによって中蓋と体(足)を一定の距離離すことができ安全である。(4)構成も簡単であって、安価に構成することができ、重量が軽く取扱いが簡単であるので、運搬性や作業性にも優れている。」等の効果を奏するものである(同公報明細書段落番号0022-0025参照)。
【0004】
ところが、これらのマンホール蓋の開閉は、船舶の甲板上や貨物倉の底に配置されるマンホールに関するものではない。また、船舶甲板上や貨物倉の底に配置される600mm×800mm長円型埋込式マンホールのマンホール蓋は、約100kgの重さがあり、その開閉・運搬が非常に困難であるにも拘わらず、その蓋構造は、上述するようなマンホール蓋と異なり、蓋に吊り下げ用の取っ手が設けられてはいない。これは、この種の船舶甲板上や貨物倉の底に配置されるマンホール蓋に吊り下げ用の取っ手が設けられる場合には、当該取っ手部に水が溜まり、積載する貨物を浸漬する恐れや、通行の際に躓いたり、荷役のためのブルドーザー等がマンホール上を通った際に邪魔となり、爪を引っ掛けるなどの懸念があるからである。
【0005】
図5(A)(B)は、本発明に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具が前提とするマンホール蓋の概略を示す図であり、
図5(A)は、当該マンホール蓋の平面図、
図5(B)は、四方端に配置されるループのうちの1つの断面概略図である。
図5(A)において、符号101は、マンホール蓋、102a~102dは、当該マンホール蓋101の四方に配置される吊り下げ用ループ、103は、マンホール蓋上面、104は、マンホール蓋ベース、105は、マンホール枠、106は、コーミング、109は、船舶甲板又は貨物倉底、110は、マンホールパッキンである。なお、
図5(B)においては、ループ102a~102dのうちの1つのループを符号102として示し、その余の符号は
図5(A)と同じ部材は同じ符号で示している。
【0006】
なお、上述するマンホール蓋101の四方端に配置されるループ102a~102dは、
図5(B)に示すように、幅30mm、内高9mmの方形の孔からなる。
そこで、上述するような吊り下げ用の取っ手を有しないマンホール蓋を開閉する際には、マンホール蓋を種の船舶甲板や貨物倉底から取り外す度に、マンホール蓋101の四方端に配置される102a~102dのループ間に所定径の番線(針金)を通して当該番線を作業者が持ち上げてマンホール蓋を取り外すことが行われている。
【0007】
図6は、マンホール蓋101を持ち上げるために、四方端に配置されるループ102aとループ102bの間、及びループ102cとループ102dの間に所定径の番線を通す状況を示す概略図であり、
図7は、この番線を掴んでマンホール蓋101を作業者が持ち上げる状況を示す概略図である。
図6及び
図7において、符号101は、
図5(A)(B)に示すのと同じマンホール蓋、107a、107bは、四方端に配置されるループ102aとループ102bの間、ループ102cとループ102dの間に通される所定径の番線、108a、108bは、番線107a、107bを掴んでマンホール蓋101を持ち上げる作業者である(なお、
図5~
図7において、符号は、先行技術であることを明らかにするために、本願出願人において、3桁で示した。)
【0008】
しかしながら、
図5(A)(B)、
図6,
図7に示すように、船舶甲板上の通行、貨物倉への荷役の支障となるため船舶甲板上や貨物倉底の長円型埋込式マンホールのマンホール蓋101に番線107a、107bを恒久的に取り付けることはできない。このため、
図6及び
図7に示すように、マンホール蓋101の取り外しに際し、その都度、四方端のループ102a~102dに番線107a、107bを取り付ける必要がある。そして、その番線107a、107bの取り付けの際には、番線107a、107bを切断し、固定をするための工具(図示外)が必要であり、径の太い番線107a、107bの扱いはそれなりの技術を要するため、取り付け作業には技術をもった作業者108a、108bが必要であり、加えて、番線107a、107bの取り付けには1か所当たり最低10分程度の作業時間を要する。さらには、マンホール蓋101の取り外しの作業の終了後には、取りつけた番線107a、107bを切除して、甲板交通や貨物倉荷役に支障をきたさないようにするなど、船舶の甲板上や貨物倉底に配置される600mm×800mm長円型埋込式マンホールのマンホール蓋101の取り外しに付随する作業時間を要し、作業効率の悪化の原因ともなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】実用新案登録第3133294号
【文献】特開2002ー138504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本願発明者は、船舶の甲板上や貨物倉の底に配置される600mm×800mm長円型埋込式マンホールの取っ手を有しないマンホール蓋101に対し、四方端に配置される幅30mm、内高9mmの方形の孔からなる吊り下げ用ループ102a~102dに直接挿通するフックを有する船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本願請求項1に係る発明は、船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具において、作業者の両手又は片手に握られる丸鋼グリップ部と、丸鋼グリップ部の両端下方に接合され、当該丸鋼グリップとで正三角形状の同径丸鋼シャフト部と、丸鋼シャフト部の正三角形状先端に600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の四方端に対角状に配置される吊り下げ用ループ横位置で横に直接挿通する径を有し、フックの先端方向が丸鋼グリップ部と三次元的に同方向である丸鋼フックと、を有することを特徴とする。
また、本願請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具において、請求項1に記載の丸鋼グリップ部の両端下方に接合され、当該丸鋼グリップと共に形成される正三角形状の同径丸鋼シャフト部に替え、丸鋼グリップ部中央に直交して接合されるT字形状シャフトであることを特徴とする。
さらに、本願請求項3に係る発明は、前記請求項1に記載の船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具において、丸鋼フック部の最下端位置のフック中央が、丸鋼シャフト部先端下方位置で、かつ、丸鋼フック部4が全体としてR100mmでフック先端4bの反対側に屈曲し、フック先端の高さがフック中央の最下端から15mm高さの半円形状の前後等しい幅の丸鋼フックであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
船舶の甲板上や貨物倉の底に配置される600mm×800mm長円型埋込式マンホールの取っ手を有しないマンホール蓋101の取り外しに、上記のような構成の船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具としたので、次のようなメリットがある。
(1)マンホール蓋取り外しを行うすべてのマンホール蓋への番線の取り付けが不要となるので、作業時間が大幅に削減される。
(2)番線の取り付けには、工具、時間、技術が必要であったが、冶具のフックをマンホール蓋のループに引っ掛けるだけの作業で、誰でも容易に数秒で行えるため、マンホール蓋の取り外し作業が誰でも、容易に、短時間で行える。
(3)グリップの長さは両手でも片手でも持ちやすい長さとしているので、冶具2本作業者2人(冶具を両手で持つ)、冶具4本作業者2人(冶具を片手で持つ)、冶具4本作業者4人(冶具を両手で持つ)というように、場所や状況に応じて、作業者がもっとも作業しやすい方法を選択することができる。
(4)冶具は簡単に持ち運びができるので、1セットあれば取り外しを行うすべての600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋に対応できる。
(5)約100kg重量の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の開閉・運搬が容易となり、その結果、人手・時間の削減によるコストダウンも向上することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具の一実施例である船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具の実施例1の概略を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施例1に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具1のフック先端4bをマンホール蓋101の各ループ102a~102dに直接挿通して作業者2人で取り外す状態を示した図である
【
図3】
図3は、本実施例1に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具1のフック先端4bをマンホール蓋101の各ループ102a~102dに直接挿通して作業者4人で取り外す状態を示した図である
【
図4】
図4は、本実施例2に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具の概略を示す図である。
【
図5】
図5(A)(B)は、本発明に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具が前提とするマンホール蓋の概略を示す図であり、
図5(A)は、当該マンホール蓋の平面図、
図5(B)は、四方端に配置されるループのうちの1つの断面概略図である。
【
図6】
図6は、マンホール蓋101を持ち上げるために、四方端に配置されるループ102aとループ102bの間、及びループ102cとループ102dの間に所定径の番線を通す状況を示す概略図である。
【
図7】
図7は、マンホール蓋101を持ち上げルために、四方端に配置されるループ102aとループ102bの間、及びループ102cとループ102dの間に所定径の番線を通し、この番線を掴んでマンホール蓋101を作業者が持ち上げる状況を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具を実施するための一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具の一実施例である船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具の実施例1の概略を示す図である。
図1において、符号1は、本実施例1に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具であり、2は、そのグリップ部、3a、3bは、シャフト部、3cは、シャフト部2a、2bの先端部、4は、フック部、4aは、フック中央、4bは、フック先端、5a、5b、5cは、溶接接合部である。
【0016】
図1から明らかなように、本実施例1に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具1は、12mmφの丸鋼の250mm長のグリップ部2の両端下方に略正三角形状で、全長155mm長となるように同12mmφの丸鋼を各溶接接合部5a、5bに溶接接合し、かつ、当該シャフト部3a、3bの先端部3cに6mmφの丸鋼からなる略100mm長で先端にフック中央4a及びフック先端4bを有するフック部4を溶接接合部5cで溶接接合したものである。
【0017】
そして、本実施例1に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具1のフック部4のフック先端4bは、6mmφであるので、600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋101の吊り下げ用ループ102a~102dに直接挿通することができるサイズ、形状、すなわち、フック中央が、フック部最下端で前後15mm幅でR15mmの屈曲を有してシャフト部2a、2bの中央位置となるようにフック部4が全体としてR100mmでフック先端4bの反対側に屈曲し、フック先端4bの高さがフック中央4aの最下端から15mm高さの半円形状を有するフック(鍵)を呈する。
なお、フック先端4bのフックの方向がグリップ部2と三次元的にも同方向である。
【0018】
また、グリップ部2の長さは、作業者が両手でも片手でも持ちやすい長さであり、シャフト部3a、3b及びフック部4の形状、サイズはマンホール蓋101のループ102a~102dに引っ掛ける際にグリップ部2が他の場所に当たりにくく、作業の支障とならないような形状とした。
そして、
図1から明らかなように、フック先端4bの方向が、グリップ部2と並行に配置されるので、グリップ部2を握ったままフック先端4bをループ102の横位置で横に動かすことにより、直接そのまま挿通することができ、フック先端4bが容易にループ102内に挿通することができ、作業に不慣れな者であっても極めて容易にマンホール蓋101の取り外し作業ができることとなる。
【0019】
図2,
図3は、本実施例1に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具1のフック先端4bをマンホール蓋101の各ループ102a~102dに直接挿通して作業者2人又は4人で取り外す状態を示した図である。すなわち、
図2、
図3に示すように、本実施例1に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具1を2本または4本用意し、マンホール蓋101に4か所あるループ102a~102dの対角の2か所もしくはすべてにフック先端4bを直接挿通して引っ掛け、グリップ部2を両手もしくは片手で持ち、引き上げることでマンホール蓋101の取り外しを行うものである。
本実施例1に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具1を使用することで、これまで要していたマンホール蓋への番線の取り付けが不要となり、誰でも容易に数秒でマンホール蓋の取り外し作業が可能となり、その結果、人手・時間の削減によるコストダウン等がはかれることとなる。
【実施例2】
【0020】
作業者の手の大きさや持ちやすさを考慮し、変形的な実施例2に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具について説明する。
図4は、本実施例2に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具の概略を示す図である。
図4において、符号10は、実施例2に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具、12は、そのグリップ部、13は、シャフト部、14は、フック部、14aは、フック中央、14bはフック先端である。
【0021】
図4に示される本実施例2に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具10は、実施例1に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具1と同様、12mmφの丸鋼の150mm長のグリップ部12の中央に,これと直交してT字状形状となるような同12mmφの200mm長の丸鋼を溶接接合部15aに溶接接合し、かつ、当該シャフト部13先端に同6mmφの丸鋼からなる略100mm長で先端にフック中央14a及びフック先端14bを有するフック部14を溶接接合部15bで溶接接合したものである。
【0022】
すなわち、本実施例2に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具10は、実施例1に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具1が、グリップ部2とシャフト部3a、3bで正三角形状を呈し、全長155mm長であるのに対し、いわば、全体としてT字形状のマンホール蓋取り外し治具である点で異なるのみであり、フックの方向とグリップ部が閉口に配置されるなどは同じであるので、その使用の仕方、使用に際して作用する機能等についての詳しい説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、船舶甲板上及び/又は貨物倉底に600mm×800mm長円型埋込式マンホールが設置される船における当該マンホール蓋を取り外すマンホール蓋取り外し冶具に利用される。
【符号の説明】
【0024】
1 実施例1に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具
2 グリップ部
3a、3b シャフト部
3c 先端部
4 フック部
4a フック中央
4b フック先端
5a、5b、5c 、溶接接合部
10 実施例2に係る船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具
12 グリップ部
13 シャフト部
14 フック部
14a フック中央
14b フック先端
15a、15b 溶接接合部
101 マンホール蓋
102a~102d ループ
103 マンホール蓋上面
104 マンホール蓋ベース
105 マンホール枠
106 コーミング
107a、107b 番線(針金)
108a、108b、108c、108d 作業者
109 船舶甲板又は貨物倉底
110 マンホールパッキン
【要約】
【課題】
船舶の甲板上や貨物倉の底に配置される600mm×800mm長円型埋込式マンホールの取っ手を有しないマンホール蓋101に対し、四方端に配置される幅30mm、内高9mmの方形の孔からなる吊り下げ用ループ102a~102dに直接挿通するフックを有する船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具を提供する。
【解決手段】
船舶甲板上及び/又は貨物倉底の600mm×800mm長円型埋込式マンホール蓋の取り外し冶具において、作業者の両手又は片手に握られる丸鋼グリップ部と、丸鋼グリップ部の両端下方に接合される正三角形状の同径丸鋼シャフト部と、丸鋼シャフト部の正三角形状先端にマンホール蓋の四方に配置される吊り下げ用ループに直接挿通する径を有する丸鋼フックと、を有する。
【選択図】
図1