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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
A63F5/04 601C
A63F5/04 601B
A63F5/04 611B
A63F5/04 699
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018145534
(22)【出願日】2018-08-02
(65)【公開番号】P2020018660
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】390031783
【氏名又は名称】サミー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113228
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 正
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 基
【審査官】安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-005544(JP,A)
【文献】特開2014-161372(JP,A)
【文献】特開2009-136408(JP,A)
【文献】特開2017-176597(JP,A)
【文献】特開2012-200426(JP,A)
【文献】特開2012-217511(JP,A)
【文献】特開2005-198841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段及び内部バスを含む1チップマイクロプロセッサを有する制御基板を備え、
前記制御基板は、基板ケースに収容されており、
前記記憶手段は、
前記1チップマイクロプロセッサの第1識別情報を記憶し、前記内部バスにつながる第1記憶領域と、
前記1チップマイクロプロセッサの第2識別情報(第1識別情報と異なる情報)を記憶し、前記内部バスにつながっていない第2記憶領域と、
遊技価値のベット数及び払出し(「払出し」は、クレジットへの加算を含む。)数に関する遊技価値情報を記憶可能とし、前記内部バスにつながる第3記憶領域と
を有し、
第1記憶領域の第1識別情報を、前記内部バスを通じて外部に出力するための処理を実行可能とし、
第3記憶領域の遊技価値情報を、前記内部バスを通じて外部に出力するための処理を実行可能とし、
前記制御基板は、第2記憶領域と通信可能に構成された所定のコネクタを備え、
前記制御基板は、前記所定のコネクタとは異なる他のコネクタを備え、
前記基板ケースは、所定の開口部を有し、
前記基板ケースに前記制御基板が収容されている状況において、前記所定のコネクタは、前記所定の開口部によって前記基板ケースから露出しており、
前記基板ケースに前記制御基板が収容されている状況において、前記所定のコネクタの上面は、前記基板ケースの上面より低く、
前記制御基板の表面の色は、緑色であり、
前記所定のコネクタの色は、赤色であり、
前記他のコネクタの色は、赤色ではなく、
第2記憶領域の第2識別情報を前記所定のコネクタから出力可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、メダルベット信号やメダル払出し信号をホールコンピュータに出力可能とした遊技機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-083256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、メダルベット信号及びメダル払出し信号に基づいて、ホール側がイン枚数及びアウト枚数を把握することが可能である。しかし、異常な出玉が確認された場合に、不正改造等の問題がないか否かを確認できるようにするには、不十分であった。
本発明が解決しようとする課題は、遊技機の不正改造等の問題がないか否かを確認可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する(かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。)。
本発明は、
記憶手段(内蔵メモリ)及び内部バス(55a)を含む1チップマイクロプロセッサ(メインCPU55)を有する制御基板(メイン制御基板50)を備え、
前記制御基板は、基板ケース(58)に収容されており、
前記記憶手段は、
前記1チップマイクロプロセッサの第1識別情報(チップ個別ナンバー)を記憶し、前記内部バスにつながる第1記憶領域(チップ個別ナンバーレジスタ56a)と、
前記1チップマイクロプロセッサの第2識別情報(第1識別情報と異なる情報)(IDナンバー)を記憶し、前記内部バスにつながっていない第2記憶領域(IDナンバー記憶領域55b)と、
遊技価値のベット数及び払出し(「払出し」は、クレジットへの加算を含む。)数に関する遊技価値情報(ベット数データ、払出し数データ、メダルベット信号出力回数、メダル払出し信号出力回数)を記憶可能とし、前記内部バスにつながる第3記憶領域(RWM53の所定の記憶領域)と
を有し、
第1記憶領域の第1識別情報を、前記内部バスを通じて外部に出力するための処理(メイン処理)を実行可能とし、
第3記憶領域の遊技価値情報を、前記内部バスを通じて外部に出力するための処理を実行可能とし、
前記制御基板は、第2記憶領域と通信可能に構成された所定のコネクタ(照合機用端子50a)を備え、
前記制御基板は、前記所定のコネクタとは異なる他のコネクタを備え、
前記基板ケースは、所定の開口部(開口部58d)を有し、
前記基板ケースに前記制御基板が収容されている状況において、前記所定のコネクタは、前記所定の開口部によって前記基板ケースから露出しており、
前記基板ケースに前記制御基板が収容されている状況において、前記所定のコネクタの上面は、前記基板ケースの上面より低く、
前記制御基板の表面の色は、緑色であり、
前記所定のコネクタの色は、赤色であり、
前記他のコネクタの色は、赤色ではなく、
第2記憶領域の第2識別情報を前記所定のコネクタから出力可能に構成されている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第1識別情報及び遊技価値情報を出力可能である。さらに、内部バスを通じてアクセスできない第2記憶領域を設け、第2記憶領域の第2識別情報を所定の端子から出力可能である。これにより、第1識別情報及び第2識別情報に基づいて、遊技機の不正改造等の問題がないか否かを確認可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態において、遊技機の一例であるスロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。
図2】メイン制御基板、基板ケース、及び照合機用端子を示す外観(概略)図であり、(a)は平面図を示し、(b)はA-A断面を示す断面図である。
図3】メインCPUのハードウェア構成を示す図である。
図4】メイン処理、及び割込み処理を示すフローチャートである。
図5】スロットマシン、ホールコンピュータ、管理センタ間での情報の出力を説明する図である。
図6】ホールコンピュータのデータベース、管理センタの出玉監視サーバ及び機歴サーバに記憶される情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態では、遊技機の一例としてスロットマシン10を例示するが、本発明の遊技機は、スロットマシンに限らず、カジノマシンや封入式(ECO)遊技機(メダルレス遊技機)にも適用することができる。さらに、ぱちんこ遊技機においても適用することができる。
また、「遊技価値(「遊技媒体」ともいう。)」は、本実施形態ではメダルであるが、たとえば封入式遊技機のような場合には、メダルのような有形物を用いず、遊技価値として電子情報(電子メダル、電子データ)が用いられる。
ここで、「電子情報」とは、たとえば遊技価値貸出し機に金銭(紙幣)を投入すると、その金銭に対応する分の電子情報に変換されるとともに、その電子情報の一部又は全部を、遊技機で遊技を行うための遊技価値として遊技機にクレジット可能となるものである。
【0009】
また、遊技価値が電子情報である場合において、「メダルの払出し」とは、遊技機に備えられた遊技価値クレジット(記憶)装置にクレジット(加算)することを意味する。したがって、「メダルの払出し」とは、実際にメダル(又は遊技球等)をホッパー35(後述)から払い出すことのみを意味するものではなく、遊技価値クレジット装置に、入賞役に対応する配当分の電子情報をクレジット(加算)する処理も含まれる。
【0010】
本実施形態において、後述する役抽選手段61で抽選される役には、ストップスイッチ42の有利な操作態様を有する役が含まれる。
ここで、「ストップスイッチ42の有利な操作態様」とは、ストップスイッチ42の操作態様によって遊技結果(有効ラインに停止する図柄組合せ)に有利/不利が生じる遊技において、払出しを有する若しくは払出し数の多い図柄組合せが停止する操作態様、有利なRTに移行(昇格)する図柄組合せが停止する操作態様、又は不利なRTに移行(転落)しない図柄組合せが停止する操作態様をいう。「有利な操作態様」は、正解操作態様、正解押し順とも称される。
特に本実施形態では、「ストップスイッチ42の有利な操作態様を有する役」は、いわゆる押し順ベルに相当する。そして、「ストップスイッチ42の有利な操作態様」とは、押し順ベルに当選した遊技において、払出しを有する若しくは払出し数の多い図柄組合せが停止する(高目ベルが入賞する)操作態様を指す。
【0011】
「指示機能」とは、ストップスイッチ42の有利な操作態様を遊技者に指示する機能である。いいかえれば、「指示機能」は、入賞を容易にする装置を指す。
なお、「指示」内容を見えるように示すことが「表示」であり、指示内容を遊技者に知らせることが「報知」である。よって、「指示機能」は、「表示機能」でもあり、「報知機能」でもある。
本実施形態では、指示機能を作動させるときは、獲得数表示LED78に押し順指示情報(有利な操作態様を示す情報)を表示する。
【0012】
「遊技区間」には、「通常区間(非有利区間)」と「有利区間」とを備える。なお、5.9号機では「待機区間」(有利区間抽選に当選したが、未だ有利区間に移行していない遊技区間)を設けていたが、現時点での6号機規則では、「待機区間」等は設けられていない。ただし、これに限らず、通常区間及び有利区間以外の遊技区間を設けてもよい。
「通常区間」とは、指示機能に係る信号、具体的には押し順指示番号や入賞及びリプレイ条件装置番号(正解押し順を判別可能な情報)を周辺基板(たとえば、サブ制御基板80)に送信することを禁止する遊技区間であり、かつ、指示機能に係る性能に一切影響を及ぼさない(指示機能に係る処理を実行しない)遊技区間を指す。換言すれば、通常区間は、操作態様を報知できない遊技区間である。ただし、役の抽選に加え、有利区間に移行するか否かの決定(抽選等)を行うことができる。
【0013】
通常区間では、指示機能を作動させてはならないため、メイン制御基板50と電気的に接続された所定の表示装置(LED等)での押し順指示情報の表示を行うことができないし、指示機能に係る信号を周辺基板に送信しないので、サブ制御基板80に電気的に接続された画像表示装置23による有利な操作態様の表示(報知)を行うこともできない。
【0014】
一方、「有利区間」とは、指示機能に係る性能を有する(指示機能を作動させてよい)遊技区間である。指示機能を作動させる場合には、メイン制御基板50において指示内容(ストップスイッチ42の操作態様)が識別できるように押し順指示情報を表示する場合に限り、指示機能に係る信号をサブ制御基板80に送信することができる遊技区間を指す。換言すれば、有利区間は、指示機能の作動ができる(指示機能を作動させてもよい)遊技区間、すなわちストップスイッチ42の操作態様の表示ができる(表示してもよい)遊技区間である。
ただし、サブ制御基板80は、メイン制御基板60が行う指示内容や、受信した指示機能に係る信号に反する演出を出力することはできない。
また、有利区間は、ストップスイッチ42の操作態様によって遊技結果に有利/不利が生じる遊技であっても、指示機能を作動させなくても差し支えない。
一方、有利区間中は、ストップスイッチ42の操作態様によって遊技結果に有利/不利が生じる遊技では、常に指示機能を作動させてストップスイッチ42の操作態様を表示してもよい。
【0015】
「AT(報知遊技状態)」とは、ストップスイッチ42の操作態様によって遊技結果に有利/不利が生じる遊技において、ストップスイッチ42の操作態様を報知する遊技状態である。したがって、ATは、常に有利区間中であり、非有利区間中にATが実行されることはない。
ここで、有利区間とATとの関係については、種々設定することができる。たとえば第1に、「有利区間=AT」に設定することが挙げられる。この場合、有利区間に当選したことと、ATに当選したこととは、等価である。そして、有利区間の1遊技目からATが開始される。また、有利区間の終了とともにATが終了する。
【0016】
また第2に、「AT≠有利区間」に設定することが挙げられる。
この場合、有利区間に移行しただけでは、ATの開始(実行)条件を満たさないようにし、有利区間中であることを条件に、ATを実行するか否かを抽選等で決定し、ATを実行することに決定したときは、当該ATの所定の終了条件を満たすまでATを実行することが挙げられる。なお、有利区間に移行したときに非ATであるときは、たとえば、メイン遊技状態として、通常区間、前兆、CZ(チャンスゾーン(ATに当選しやすい期間))等に設定することが挙げられる。
【0017】
また、有利区間を開始するときに有利区間の遊技回数を決定し、その有利区間中は、有利区間に関する抽選等を実行しない(有利区間の遊技回数を固定する)ことが挙げられる。
さらにまた、有利区間を開始するときに有利区間の初期遊技回数を決定し、有利区間中は、有利区間の(残り)遊技回数を上乗せ(加算)するか否かの決定(抽選等)を行うことが挙げられる。
【0018】
有利区間は、所定の終了条件を満たしたときに終了する。有利区間の所定の終了条件を満たしたときは、ATの残り遊技回数を有する場合であっても、その時点で有利区間を終了する。
ここで、有利区間の「所定の終了条件」とは、差数カウンタ値が「2400(D)」を超えたこと、又は有利区間クリアカウンタが「1500」遊技に到達したことが挙げられる。これらのいずれかの条件を満たしたときは、有利区間の終了条件を満たすと判断し、次回遊技から通常区間(非有利区間)に移行する。この場合、有利区間の終了と同時にATも終了する。
【0019】
また、「差数カウンタ」とは、有利区間に移行した後、差枚数の最小値を「0」としたときの差枚数を指す。たとえば、遊技終了時ごとに、差枚数の累積値を算出し、差枚数の累積値がマイナスになるときは、差数カウンタ値を「0」に補正する。
さらにまた、「有利区間クリアカウンタ」とは、有利区間の遊技回数をカウントするカウンタであり、有利区間を開始するときに、初期値「1500(D)」がセットされ、その後の有利区間中は、毎遊技、「1」が減算される。そして、有利区間クリアカウンタが「0」になったときは、有利区間を終了する。
なお、有利区間クリアカウンタが「0」になる前に、予め定めた有利区間の特定の終了条件を満たす場合がある。たとえばATの終了に伴って有利区間を終了するような場合である。このような場合には、有利区間クリアカウンタに(それまでの値にかかわらず)「1」を記憶する。これにより、遊技終了時等に有利区間クリアカウンタから「1」が減算されることによって、有利区間クリアカウンタが「0」となり、有利区間の終了条件を満たすこととなる。
【0020】
図1は、本実施形態における遊技機の一例であるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。
スロットマシン10に設けられた代表的な制御基板として、メイン制御基板50とサブ制御基板80とを備える。
メイン制御基板(「主制御基板」又は単に「制御基板」という。)50は、入力ポート51、出力ポート52、及びメインCPU55等を備える(図1で図示したもののみを備える意味ではない)。
メイン制御基板50と、ベットスイッチ40等の操作スイッチを含む遊技進行用の周辺機器とは、入力ポート51又は出力ポート52を介して電気的に接続されている。入力ポート51は、操作スイッチ等の信号が入力される接続部であり、出力ポート52は、モータ32等の周辺機器に対して信号を送信する接続部である。
【0021】
図1中、入力用の周辺機器は、その周辺機器からの信号がメイン制御基板50に向かう矢印で表示しており、出力用の周辺機器は、メイン制御基板50からその周辺機器に向かう矢印で示している(サブ制御基板80も同様である)。
また、メイン制御基板50(後述する制御コマンド送信手段71)は、出力ポート52の一部から、サブ制御基板80に対し、サブ制御基板80を制御するためのコマンド(制御コマンド)を出力する。さらに、メイン制御基板50(後述する外部信号送信手段70)は、出力ポート52の他の一部から、外部集中端子板100に対し、外部信号(外端信号)を出力する。外部信号の種類は種々挙げられるが、たとえばエラーが発生したことを示す信号や、メダルベット信号、メダル払出し信号等が挙げられる。さらに本実施形態では、外部信号の1つとして比率に関する情報(後述)を出力する場合がある。
【0022】
メインCPU55は、本実施形態では、1チップマイクロプロセッサ(MPU)(以下、必要に応じて、単に「チップ」ともいう。)から構成されている。メインCPU55のハードウェア構成は、図3に示しており、ROM54(以下、必要に応じて「ユーザROM54」とも称する。)、RWM53(以下、必要に応じて「ユーザRWM53」とも称する。)等を備える。メインCPU55のハードウェア構成については、後述する。
また、メイン制御基板50上には、設定値表示LED73、及び管理情報表示LED74が設けられている。
設定値表示LED73(1桁を表示するLED)は、設定変更中又は設定確認中に、現設定値を表示するためのLEDである。
さらにまた、管理情報表示LED74(4桁を表示するLED)は、「役比モニタ」又は「比率表示器」とも称される。管理情報表示LED74は、2桁の識別セグ(後述する5項目のうちのいずれの項目であるかを所定の記号等によって表示するLED)と、2桁の比率セグ(当該項目に対応する、算出された比率を表示するためのLED)とから構成されている。
【0023】
なお、上記のように、管理情報表示LED74により所定の比率を表示するのは、以下の理由による。
スロットマシン10(遊技機)では、風営法が定める型式試験にて適合したものがホールの設置を認められる。ここで、型式試験の中には、「6000」遊技実行したときに、後述する有利区間比率又は指示込み役物比率、及び役物比率については70%、連続役物比率については60%を超えないことと定めた規定がある。
また、型式試験時には、申請した遊技機の各比率の平均値を記載した書面を添付することとなっている。
【0024】
この場合において、ホールに設置された遊技機(スロットマシン10)が適合したものと同じ仕様の遊技機であるか否か(不正されていないかどうか)等を、ホール店員や第三者が容易に確認できるようにすることが望ましい。
たとえば、適合した遊技機と乖離した数値が出ている遊技機については、適合した遊技機とは異なる可能性があり、この場合には、製造メーカーに対して遊技機の確認依頼等を行うことにより、不正等を早期に確認することができる。
そこで、本実施形態の管理情報表示LED74のように、所定の比率を算出し、それを表示する機能を設け、型式試験に適合したものに合致しているか否かを容易かつ確実に確認できるようにしている。
【0025】
管理情報表示LED74は、具体的には、以下の1)~5)の5項目の比率を、所定時間ごとに繰り返して表示する。
1)有利区間比率(累計)(7U.)、又は指示込役物比率(累計)(7P.)のいずれか
2)連続役物比率(6000遊技)(6y.)
3)役物比率(6000遊技)(7y.)
4)連続役物比率(累計)(6A.)
5)役物比率(累計)(7A.)
【0026】
たとえば、役物比率(累計)を表示する場合において、その比率が「50」%であるときは、役物比率(累計)を示す記号「7A.」を識別セグに表示し、「50」を比率セグに表示する。
ここで、「累計」とは、それまでにカウントし続けた数値の総和を指し、本実施形態では、少なくとも「175000」遊技回数以上になるまではカウントする。そして、累計が「175000」遊技回数に満たないものであるときは、たとえば点滅表示によって比率を表示し、「175000」遊技回数以上であるときは、たとえば点灯表示によって比率を表示する。累計は、「175000」遊技回数以上となった後も、RWM53の所定アドレスに記憶可能な値(上限値)に到達するまで加算し続ける。
また、「6000」遊技とは、1セットを「400」遊技回数とし、その15セットを合計した遊技回数である。
【0027】
「有利区間比率」とは、全遊技区間(非有利区間+有利区間)に対して、有利区間に滞在していた比率(割合)を指す。具体的には、たとえば全遊技区間の遊技回数が「1000」で、その間の有利区間の遊技回数が「700」であるときは、有利区間比率は、「70%」となる。
また、「指示込役物比率」とは、役物作動時の払出し数と、指示機能を作動させた遊技での払出し数との合計を、総払出し数で割った値である。なお、役物を搭載していないスロットマシンでは、「指示込役物比率」は、指示機能を作動させた遊技での払出し数を総払出し数で割った値となる。
【0028】
「連続役物比率」とは、総払出し数に対する、第一種特別役物(RB)の作動時における払出し数の比率を指す。したがって、「総払い出し数に対する、1BB作動中の払出し数」を指す。なお、本実施形態では、後述する役抽選手段61で1BBに当選し、1BBに対応する図柄組合せが有効ラインに停止表示したときは、次回遊技から1BB遊技(1BB作動)に移行する。そして、この1BB遊技では、第一種特別役物(RB)が連続作動する。
たとえば、「6000」遊技回数における総払出し数が「2000」枚であり、そのうち、第一種特別役物(RB)作動時の払出し数が「500」枚であったとき、連続役物比率(6000遊技)は、「25」%となる。
【0029】
また、「役物比率」とは、総払出し数に対する、役物作動時における払出し数の比率を指す。ここで、「役物」とは、上記の第一種特別役物に加えて、第二種特別役物(CB)、SB(シングルボーナス)が含まれる。
なお、上記5項目において、その項目に該当する機能を備えていない遊技機では、比率セグを「--」と点灯表示する。
たとえば、第一種特別役物(RB)を備えていない場合には、連続役物比率は存在しないので、比率表示番号「2」及び「4」の表示時には、比率セグを「--」と点灯表示する。
以上のように、管理情報表示LED74には、5種類の比率を表示する。ただし、所定の条件を満たした場合の所定のタイミング(電源投入時からの所定時間以内や、復帰不可能エラーの発生中)では、所定のテストパターンを表示する場合がある。
【0030】
そして、上述したように、有利区間比率又は指示込役物比率、及び役物比率は、規則上、70%以下にすべきことが定められており、連続役物比率は60%以下にすべきことが定められている。
このため、管理情報表示LED74に表示された比率を見ることで、規則上の範囲内に収まっているか否かを確認することができる。
【0031】
なお、有利区間比率を70%以下とする仕様の遊技機を「7U」タイプと称し、指示込役物比率を70%以下とする仕様の遊技機を「7P」タイプと称する。有利区間を備える遊技機では、「7U」タイプ又は「7P」タイプのいずれかとなる。「7U」タイプの場合には、有利区間比率(累計)を管理情報表示LED74に表示し、「7P」タイプの場合には、指示込役物比率(累計)を表示する。
「7U」タイプでは、全遊技区間に対する有利区間の比率が「70」%以下にする必要がある。これに対し、「7P」タイプでは、指示機能の作動及び役物作動によって払い出された払出し数が総払出し数の70%以下にすればよく、たとえば遊技区間のうちの全期間、あるいはほとんどが有利区間であってもよい。
【0032】
したがって、たとえば、非有利区間に移行したときは、100%の確率で有利区間抽選に当選するように設定すること、ほぼ100%(たとえば98%程度)の確率で有利区間抽選に当選するように設定すること、あるいは、高確率(たとえば、70%)で有利区間抽選に当選するように設定することが挙げられる。
「7U」タイプは、設定値自体を参照して指示機能に係る処理(たとえばAT抽選)を行うことはできないが、「7P」タイプは、設定値自体を参照して指示機能に係る処理を行うことが可能である。
【0033】
図1において、メイン制御基板50上には、照合機用端子50aが設けられている。照合機用端子50aに専用の照合機400(後述する図4)が接続されると、メインCPU55に記憶されたIDナンバーを照合機400に出力することが可能となる。
図2は、メイン制御基板50上に設けられた照合機用端子50aと、基板ケース58との関係を示す外観(概略)図であり、図中(a)は平面図を示し、図中(b)は、(a)におけるA-A断面を示す断面図である。なお、図(b)の断面図では、図面の見やすさの観点から、ハッチングを省略している。
基板ケース58は、上ケースと下ケースとから構成され、いずれも、透明樹脂から形成されている。基板ケース58の内部にメイン制御基板50を収容したときは、基板ケース58の外側から、メイン制御基板50を目視で確認することができる。
【0034】
メイン制御基板50上には、上述したメインCPU55、設定値表示LED73、管理情報表示LED74等の電子部品が搭載されている。なお、実際には、これらに限らず、数多くの電子部品がメイン制御基板50上に搭載されているが、図2では、図示を省略している。
メイン制御基板50は、基板ケース58の下ケースにたとえばねじ等で固定されるとともに、その上側から基板ケース58の上ケースが取り付けられている。基板ケース58の上ケースを下ケースに重ねると、基板ケース58の上ケースと下ケースとが嵌合する形状に形成されている(図2は、嵌合部分の具体的形状については図示を省略している。)さらに、図中(a)において、基板ケース58の上カバー及び下カバーの左右両側には、かしめ部58aが設けられている。
【0035】
そして、かしめ部58aによって、基板ケース58の上ケースと下ケースとは、固定されている。基板ケース58の上ケースと下ケースとを嵌合させ、かしめ部58aを用いて両者のかしめを行うと、その後は、かしめ部58aの少なくとも一部を破壊しないと(塑性変形させないと)上ケースと下ケースとをとを開放できないようになる。これにより、メイン制御基板50のセキュリティ性を担保することができる。
【0036】
基板ケース58のうち、上ケースの表面には、型番シール58bが貼付されている。型番シール58bは、メイン制御基板50の製造番号等を表示したものである。なお、不正な改ざん防止の観点から、メイン制御基板50上に搭載されたメインCPU55は、遮られることなく目視可能にしておく必要がある。このため、型番シール58bは、メインCPU55その他の重要な電子部品を遮らない位置に貼付されている。
型番シール58bの一部の領域には、二次元コード58c(シール)が貼付されている。この二次元コードは、たとえばスロットマシン10(遊技機)を許認可する事業者等から交付されるものである。二次元コード58cは、読み取り装置で読み取ることにより、数字及び英字の組合せによる文字列に変換される(文字列が生成される)。以下、二次元コード58cが変換された文字列を、「二次元コードデータ」と称する。
【0037】
照合機用端子50aは、メイン制御基板50に直接(はんだ付け等で)取り付けられており、上面が接続端子面となっている。本実施形態では、メイン制御基板50の(表面の)色は緑色であり、照合機用端子50aは赤色に形成されている。緑色と赤色とは色相環において補色の組合せとなる。両者を補色の組合せにすることよって、メイン制御基板50(緑色)に対し、照合機用端子50a(赤色)をより際立たせる(目立たせる)ことができる。
なお、図2では図示していないが、メイン制御基板50には、種々のコネクタ(端子)が取り付けられているが、一般にはこれらのコネクタの色には白色が用いられる。なお、コネクタの機能を識別させるために、コネクタの色には黄色や青色が採用される場合もある。ただし、本実施形態では、赤色は、照合機用端子50aにのみ用いている。これにより、メイン制御基板50上において、一見して照合機用端子50aを見つけることができる。
【0038】
また、図2(a)に示すように、基板ケース58の上ケースには、照合機用端子50aの周囲を開口するように、平面図で見て四角状に開口された開口部58dが形成されている。そして、照合機用端子50aの上面は、基板ケース45の上ケース表面と面一であるか、又は照合機用端子50aの上面が若干低くなるように形成されている。
このように、照合機用端子50aは、基板ケース58の上ケースから露出している。また、後述する照合機400本体又は接続ケーブルが照合機用端子50aに接続された場合であっても、照合機400本体又は接続ケーブルの接続端子と開口部56aとが干渉しない大きさとなるように形成されている。これにより、照合機400を照合機用端子50aに接続するときは、何らかの部材(たとえば、基板ケース58)を開放等せずに接続することができる。換言すると、かしめ部58aを破壊することなく、接続することができる。
【0039】
なお、基板ケース58上に、さらに別のケース(基板ケースカバーとも称する。)が取り付けられる場合がある。この場合には、少なくとも開口部58dの大きさが確保された開口部が、当該別のケースにも形成される。これにより、当該別のケースがさらに基板ケース58に取り付けられた場合であっても、照合機400と照合機用端子50aとを、何らかの部材(たとえば、基板ケースカバー)を開放等せずに接続することができる。
【0040】
また、照合機用端子50aは、基板ケース58から露出しているため、常時、アクセス可能な状態となっている。したがって、照合機用端子50aに、不正な部品が取り付けられ、メインCPU55の後述するROM54、RWM53、内蔵レジスタエリア56等にアクセスしようと試みる者がいるかもしれない。しかし、後述するように、照合機用端子50aと、ROM54、RWM53、及び内蔵レジスタエリア56等の記憶領域は、内部バス55a(後述)でつながっていない。そのため、上記のように不正行為を行う者がいたとしても、照合機用端子50aを介して外部からROM54、RWM53、及び内蔵レジスタエリア56等にアクセスすることができないように構成されている。これにより、照合機用端子50aを利用してRWM53にデータを書き加えたり、RWM53に記憶されたデータを改ざん等できないように構成されている。
【0041】
説明を図1に戻す。
メダル投入口47から投入されたメダルは、メダルセレクタ内部に送られる。
メダルセレクタ内には、図1に示すように、通路センサ46、ブロッカ45、投入センサ44(44a及び44b)が設けられており(ただし、これらに限定されるものではない)、これらは、メイン制御基板50と電気的に接続されている。
メダル投入口47から投入されたメダルは、最初に、通路センサ46に検知されるように構成されている。
【0042】
さらに、通路センサ46の下流側には、ブロッカ45が設けられている。ブロッカ45は、メダルの投入を許可/不許可にするためのものであり、メダルの投入が不許可状態のときは、メダル投入口47から投入されたメダルを払出し口から返却するメダル通路を形成する。これに対し、メダルの投入が許可状態のときは、メダル投入口47から投入されたメダルをホッパー35に案内するメダル通路を形成する。
【0043】
ここで、ブロッカ45は、遊技中(リール31の回転開始時から、全リール31が停止し、役の入賞時には入賞役に対応する払出しの終了時まで)は、メダルの投入を不許可状態とする。すなわち、ブロッカ45がメダルの投入を許可するのは、少なくとも遊技が行われていないときである。
【0044】
メダルセレクタ内において、ブロッカ45のさらに下流側には、投入センサ(光学センサ)44が設けられている。投入センサ44は、本実施形態では所定距離を隔てて配置された一対の投入センサ44a及び44bからなり、メダルが一方の投入センサ44aにより検知されてから所定時間を経過した後に他方の投入センサ44bにより検知されるように構成されている。そして、一対の投入センサ44がそれぞれオン/オフとなるタイミングに基づいて、正しいメダルが投入されたか否かを判断する。
【0045】
また、メイン制御基板50には、遊技者が操作する操作スイッチとして、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、(左、中、右)ストップスイッチ42、及び精算スイッチ43が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、クレジット(貯留)されたメダルを今回遊技のためにベットするときに遊技者に操作される操作スイッチである。
また、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者に操作される操作スイッチである。
【0046】
さらにまた、ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者に操作される操作スイッチである。
さらに、精算スイッチ43は、スロットマシン10内部にベット及び/又はクレジット(貯留)されたメダルを払い戻す(ペイアウトする)ときに遊技者に操作される操作スイッチである。
【0047】
また、図1に示すように、メイン制御基板50には、表示基板75が電気的に接続されている。なお、実際には、メイン制御基板50と表示基板75との間には、中継基板が設けられ、メイン制御基板50と中継基板、及び中継基板と表示基板75とが接続されているが、図1では中継基板の図示を省略している。このように、メイン制御基板50と表示基板75とは、直接ハーネス等で接続されていてもよいが、両者間に別の基板が介在してもよい。
さらに、制御基板同士が直接ハーネス等で接続されていることに限らず、他の別基板(中継基板等)を介して接続されていてもよい。たとえば、メイン制御基板50とサブ制御基板80との間に1つ以上の他の別基板(中継基板等)が介在してもよい。
【0048】
表示基板75には、クレジット数表示LED76、及び獲得数表示LED78が搭載されている。
クレジット数表示LED76は、スロットマシン10にクレジット(貯留)されたメダル枚数を表示するLEDであり、上位桁及び下位桁の2桁から構成されている。
また、獲得数表示LED78は、役の入賞時に、払出し数(遊技者の獲得数)を表示するLEDであり、クレジット数表示LED76と同様に、上位桁及び下位桁の2桁から構成されている。
【0049】
また、獲得数表示LED78は、通常は獲得数を表示するが、エラー発生時にはエラーの内容(種類)を表示するLEDとして機能する。
さらにまた、獲得数表示LED78は、AT中に押し順を報知する遊技では、押し順指示情報を表示する(有利な押し順を報知する)LEDとして機能する。よって、本実施形態における獲得数表示LED78は、獲得数、エラー内容、及び押し順指示情報の表示を兼ねるLEDである。
なお、AT中において、有利な押し順の報知は、サブ制御基板80に接続された画像表示装置23によっても実行される。
【0050】
また、メイン制御基板50には、図柄表示装置のモータ(本実施形態ではステッピングモータ)32等が電気的に接続されている。
図柄表示装置は、図柄を表示する(本実施形態では3つの)リール31と、各リール31をそれぞれ駆動するモータ32と、リール31の位置を検出するためのリールセンサ33とを含む。
【0051】
モータ32は、リール31を回転させるための駆動手段となるものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段65によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
【0052】
リール31は、リング状に形成されており、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。
また、各リール31には、1個(2個以上であってもよい)のインデックスが設けられている。インデックスは、リール31のたとえば周側面に凸状に設けられており、リール31が所定位置を通過したか否かや、1回転したか否か等を検出するときに用いられる。そして、各インデックスは、リールセンサ33により検知される。リールセンサ33の信号は、メイン制御基板50に電気的に接続されている。そして、インデックスがリールセンサ33を検知する(切る)と、その入力信号がメイン制御基板50に入力され、そのリール31が所定位置を通過したことが検知される。
【0053】
また、リールセンサ33がリール31のインデックスを検知した瞬間の基準位置上の図柄は、予めROM54(後述)に記憶されている。これにより、インデックスを検知した瞬間の基準位置上の図柄を検知することができる。さらに、リールセンサ33がリール31のインデックスを検知した瞬間から、(ステッピング)モータ32を何パルス駆動すれば、前記基準位置上の図柄から数えて何図柄先の図柄を有効ライン上に停止させることができるかを識別可能となる。
【0054】
また、メイン制御基板50には、メダル払出し装置が電気的に接続されている。メダル払出し装置は、メダルを溜めておくためのホッパー35と、ホッパー35のメダルを払出し口から払い出すときに駆動するホッパーモータ36と、ホッパーモータ36から払い出されたメダルを検出するための払出しセンサ37を備える。
【0055】
メダル投入口47から手入れされ、受け付けられた(正常であると判断された)メダルは、ホッパー35内に収容されるように形成されている。
一方、メダルが払い出されるときは、ホッパーモータ36が駆動制御され、メダルが払い出されるとともに、ホッパーモータ36の駆動制御によりメダルが正しく払い出されたかを払出しセンサ(光学センサ)37によって監視する。
払出しセンサ37は、本実施形態では、所定距離を隔てて配置された一対の払出しセンサ37a及び37bからなる。そして、所定時間の範囲内で払出しセンサ37a及び37bがそれぞれオン/オフされたか否かに基づいて、メダルが正しく払い出されたか否かを判断する。
【0056】
たとえば、ホッパーモータ36が駆動しているにもかかわらず、一対の払出しセンサ37のオンを検知しないときは、メダルが払い出されていないと判断し、ホッパーエラー(メダルなし)と検知される。
一方、払出しセンサ37の少なくとも1つがオン信号を出力し続けたままとなったときは、メダル詰まりが生じたと検知する。
【0057】
また、電源スイッチ11は、スロットマシン10の電源のオン/オフを行うスイッチである。
設定キースイッチ12は、設定キー挿入口から設定キーが挿入され、右90度(時計回り)に回転しているときにオンとなるスイッチであり、設定確認モードや設定変更モードに移行するときにオンとされる。
【0058】
設定スイッチ13は、設定変更モードにおいて設定値を変更するときに操作されるスイッチである。たとえば設定変更モード中に1回操作されるごとに、設定値が「1」ずつ加算される。設定値は本実施形態では設定1から設定6まで有し、設定変更モード中は、設定スイッチ13を操作するごとに、設定値が順次切り替わる。スタートスイッチ41を操作すると、表示されている設定値が確定する。
また、リセットスイッチ14は、エラーが発生している状況下において、発生したエラーに対応する要因を除去した後に操作されると、発生したエラーを解除可能とすることができる。なお、設定スイッチ13とリセットスイッチ14を兼用し、1つのスイッチで状況に応じて両方の機能を発揮できるようにしてもよい。
【0059】
遊技者は、遊技を開始するときは、ベットスイッチ40の操作により予めクレジットされたメダルを投入するか、又はメダル投入口47からメダルを手入れ投入する。当該遊技の規定数のメダルがベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力される。メイン制御基板50(具体的には、後述するリール制御手段65)は、この信号を受信すると、役抽選手段61による抽選を行うとともに、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓内で上下方向に移動表示される。
【0060】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力される。メイン制御基板50(具体的には、後述するリール制御手段65)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、役抽選手段61の抽選結果(内部抽せん手段により決定した結果)に対応するように、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
【0061】
そして、すべてのリール31の停止時における図柄組合せにより、今回遊技の遊技結果を表示する。さらに、いずれかの役に対応する図柄組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0062】
図1に示すように、メイン制御基板50のメインCPU55は、以下の役抽選手段61等を備える。本実施形態における以下の各手段は例示であり、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
役抽選手段61は、当選番号の抽選(決定、選択)を行う。ここで、「役抽選手段61による当選番号の抽選」は、風営法規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則。以下、単に「規則」という。)における「内部抽せん」と同じであり、役抽選手段61による抽選結果は、規則における「内部抽せんにより決定した結果」と同じである。したがって、役抽選手段61を、規則に合わせた表現で、「内部抽せん手段61」とも称する。
【0063】
役抽選手段61により当選番号が決定されると、その当選番号に基づいて、入賞及びリプレイ条件装置番号、並びに役物条件装置番号が決定され、当該遊技で作動可能となる入賞及びリプレイ条件装置、並びに役物条件装置が定まることとなる。このため、役抽選手段61は、条件装置番号の決定(抽選又は選択)手段、当選役決定(抽選又は選択)手段等とも称される。
【0064】
役抽選手段61は、たとえば、抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、当選番号を決定する当選番号決定手段とを備えている。
乱数発生手段は、所定の領域(たとえば10進数で「0」~「65535」)の乱数を発生させる。乱数は、たとえば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが「0」~「65535」の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0065】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する抽選テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する当選番号を決定する。
【0066】
当選フラグ制御手段62は、役抽選手段61による抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、すべての役について、役ごとに当選フラグを備える。そして、役抽選手段61による抽選においていずれかの役の当選となったときは、その役の当選フラグをオンにする(当選フラグを立てる)。なお、役の当選には、当選役が1つである場合(単独当選)と、当選役が複数ある場合(重複当選)とが挙げられる。
【0067】
演出グループ番号選択手段64は、当選番号に対応する演出グループ番号であって、サブ制御基板80に送信するための番号を選択するものである。
ここで、当選番号に対応する演出グループ番号が予め定められている。そして、演出グループ番号選択手段64は、スタートスイッチ41が操作されることにより当選番号が決定すると、当該遊技の当選番号に対応する演出グループ番号を選択し、メイン制御基板50は、選択した演出グループ番号をサブ制御基板80に送信する。サブ制御基板80は、受信した演出グループ番号に基づいて、当選役に関する演出を出力する。演出グループ番号は、毎遊技選択され、メイン制御基板50からサブ制御基板80に送信される。
【0068】
リール制御手段65は、リール31の回転開始命令を受けたとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41の操作を検知したときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御する。
さらに、リール制御手段65は、役抽選手段61により当選番号の決定が行われた後、今回遊技における当選フラグのオン/オフを参照して、当選フラグのオン/オフに対応する停止位置決定テーブルを選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42の操作を検知したときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御する。
【0069】
たとえば、リール制御手段65は、少なくとも1つの当選フラグがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグがオンになっている役)に対応する図柄組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグがオフになっている役)に対応する図柄組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選番号に対応する役の図柄が所定の有効ラインに停止しないときには、リール31を停止させるまでの間に、リール31の停止制御の範囲内(原則として、ストップスイッチ42が操作されてから190ms以内。具体的には、移動図柄数が「4」図柄以内。以下同じ。)においてリール31を回転移動制御することで、当選番号に対応する役の図柄をできる限り所定の有効ラインに停止させるように制御する(引込み停止制御)。
【0070】
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選番号に対応しない役の図柄組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選番号に対応しない役の図柄組合せを有効ラインに停止させないように制御する(蹴飛ばし停止制御)。
さらに、複数の役に当選している遊技(たとえば、押し順ベル当選時)では、ストップスイッチ42の押し順や、ストップスイッチ42の操作タイミングに応じて、入賞させる役の優先順位が予め定められており、所定の優先順位によって、最も優先する役に係る図柄の引込み停止制御を行う。
【0071】
入賞判定手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄組合せが、いずれかの役に対応する図柄組合せであるか否かを判断するものである。
ここで、入賞判定手段66は、実際に、役に対応する図柄組合せが有効ラインに停止したか否かを検知することはない。具体的には、当該遊技で作動した条件装置と、ストップスイッチ42の押し順及び/又はストップスイッチ42の操作タイミングとから、リール31が実際に停止する前に有効ラインに停止する図柄組合せを予め判断するか、又はリール31の停止後に有効ラインに停止した図柄組合せを予め判断する。
【0072】
払出し手段67は、入賞判定手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。また、リプレイの入賞時には、メダルを払い出すことなく、今回遊技で投入されたメダル枚数を自動投入するように制御する。
【0073】
外部信号送信手段70は、外部集中端子板100に外部信号を送信するものである。ここで、「外部信号」とは、外部集中端子板100を介してスロットマシン10の外部(ホールの管理・監視室に設置されたホールコンピュータ200や、ホールに設置されているデータカウンタ)に出力するための信号である。本実施形態の外部信号は、役物に係る信号(1BB信号、RB信号)、有利区間信号、スロットマシン10で生じたエラーや電源断が発生したこと等を示すエラー信号、スロットマシン10のフロントドアの開放を示す信号、メダルベット(投入)信号、メダル払出し信号等を設けている。さらには、外部信号として、比率に関する情報を出力する。外部信号は、出力ポート52のうち、外部信号の出力に割り当てられたポートから出力される。
外部信号送信手段70による外部信号の(外部集中端子板100への)送信方法としては、パラレル通信又はシリアル通信のいずれでもよく、あるいは、パラレル通信とシリアル通信との併用でもよい。
【0074】
制御コマンド送信手段71は、サブ制御基板80に対し、サブ制御基板80で出力する演出に必要な情報(制御コマンド)を送信する。制御コマンドは、出力ポート52のうち、制御コマンドの出力に割り当てられたポートから出力される。
制御コマンドとしては、たとえばベットスイッチ40が操作されたときの情報、スタートスイッチ41が操作されたときの情報、押し順指示番号(AT中に正解押し順を有する当選番号に当選したとき)、演出グループ番号、RT(遊技状態)情報、ストップスイッチ42が操作されたときの情報、入賞した役の情報等が挙げられる。
メイン制御基板50とサブ制御基板80とは、電気的に接続されることに限らず、光通信手段を用いた接続であってもよい。また、制御コマンド送信手段71による制御コマンドの(サブ制御基板80への)送信方法としては、パラレル通信又はシリアル通信のいずれでもよく、あるいは、パラレル通信とシリアル通信との併用でもよい。
【0075】
サブ制御基板80は、遊技中及び遊技待機中における演出(情報)の選択や出力等を制御するものである。
サブ制御基板80は、メイン制御基板50と同様に、入力ポート81及び出力ポート82を備える。また、RWM83、ROM84、及びサブCPU85等を備える。
【0076】
サブ制御基板80には、入力ポート81又は出力ポート82を介して、図1に示すような以下の演出ランプ21等の演出用周辺機器が電気的に接続されている。ただし、演出用の周辺機器は、これらに限られるものではない。
サブCPU55は、演出の出力を制御するために、サブ制御基板80に独立して設けられたCPUである。
RWM83は、サブCPU85が演出を制御するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶可能な記憶手段である。
【0077】
また、ROM84は、演出用データとして、演出に係る抽選を行うとき等のプログラムや各種データ等を記憶しておくための記憶手段である。
なお、上述したメインCPU55は、内蔵メモリ(ROM54及びRWM53を含む)を有する1チップマイクロプロセッサであるが、サブCPU85については、メインCPU55と同様に1チップマイクロプロセッサとしてもよく、あるいは、サブCPU85の外部にROM84及びRWM83を設けたものであってもよい。
【0078】
演出ランプ21は、たとえばLED等からなり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、演出ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ、リール31の上部からリール31上の図柄を照光する蛍光灯、スロットマシン10のフロントドア前面に配置され、役の入賞時等に点滅する枠ランプ等が含まれる。
【0079】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像(正解押し順、当該遊技で作動する条件装置に対応する演出等)や、遊技情報(役物作動時や有利区間(AT)中の遊技回数や獲得枚数等)等を表示するものである。
【0080】
図3は、メインCPU55のハードウェア構成を示す図である。図3で示す内蔵メモリのアドレス(4桁)の語尾に付している「h」は、16進数を示す「hexadecimal 」の頭文字である。
メインCPU55は、1チップマイクロプロセッサ(MPU)からなり、その内部には、ALU(演算装置)55dと、内蔵メモリとを備える(これらに限定されるものではない)。なお、内蔵メモリというときは、特記しない限り、ユーザメモリを指すものとする。
メインCPU55は、遊技の進行に必要なプログラムの実行、演算等を行う。具体的には、投入されたメダルの制御処理、役の抽選処理、リール31の駆動制御処理、及び入賞時の払出し処理等を実行する。
【0081】
ALU55dは、メインCPU55のうち、論理演算や四則演算等を実行する演算装置である。また、図3に示すように、メインCPU55内の内部バス(アドレスバス、データバス、及びコントロールバスを含む。)55aとALU55dがつながり、かつ内部バス55aと内蔵メモリ内の所定の記憶領域とがつながっている。ここで、「つながる(繋がる)」とは、情報の通信が可能な経路を形成していることを指す(以下同じ)。内蔵メモリの全記憶領域と内部バス55aとがつながっていてもよく、あるいは、内蔵メモリの一部の記憶領域(たとえば、秘匿性を持たせた記憶領域を除く。)と内部バス55aとがつながっていてもよい。特に、内蔵メモリ内に後述するIDナンバー記憶領域55b(8バイトの記憶領域)を設けたときは、このIDナンバー記憶領域55bと内部バス55aとは、つながらないようにする。
【0082】
内蔵メモリ内の所定の記憶領域が、内部バス55a及びALU55dとつながっているときは、前記所定の記憶領域に記憶されている情報は、メインCPU55で実行されるプログラムによって外部集中端子板100に出力(送信)することが可能である。
なお、上記の「メインCPU55で実行されるプログラム」は、メインCPU55内の内蔵メモリ(たとえばROM54)に記憶されたプログラム、又はメインCPU55(スロットマシン10)外に記憶されているが、メインCPU55によりそのプログラムを実行させることが可能に構成されている場合の双方を含む。
【0083】
図3では図示していないが、メインCPU55のメモリエリアは、ブートエリアとユーザエリアとに分けられている。ブートエリアは、チップの製造者が使用する記憶領域であり、ブートROM、及びブートRWM等を備えてもよい。
たとえば、ブートROMには、セキュリティをチェックするためのプログラム、故障を診断するためのプログラム、及び認証や照合を実行するためのプログラム等が格納されていてもよい。また、ブートRWMは、ブートプログラムのワークエリア(データエリア、スタックエリア等)として使用されてもよい。
【0084】
ユーザエリアは、スロットマシン10の製造者が使用する記憶領域(ただし、ユーザエリアのすべてを、スロットマシン10の製造者が使用するとは限らない。)であり、(内蔵)ROM54、(内蔵)RWM53、内蔵レジスタエリア56、及びデコードエリア57等を備える。なお、ROM及びRWMその他の記憶手段は、1チップマイクロプロセッサ内部に設けられるもの以外に、1チップマイクロプロセッサの外部(メイン制御基板50上)に設けられていてもよい。
【0085】
内蔵メモリのユーザエリアは、図3に示すように、アドレス「0000h」~「FFFFh」の記憶領域から構成される。ここで、ユーザエリアの「1」アドレスは、「1」バイトの記憶容量を有している。したがって、ユーザエリア全体で、「65536」バイトである。
ユーザエリアのROM54及びその後に続く未使用領域、RWM53及びその後に続く未使用領域、内蔵レジスタエリア56及びその後に続く未使用領域、デコードエリア57及びその後に続く未使用領域のアドレスは、ユーザエリア内で連続している。
【0086】
ROM54は、ユーザ、すなわちスロットマシン10の製造者が作成したプログラム(ユーザプログラム)を記憶する記憶領域である。ROM54は、予め定めた指定エリアを有する。この指定エリアは、ユーザプログラムコード/データエリアと、プログラム管理エリアとを備える。ユーザプログラムコード/データエリアは、ユーザプログラム(後述するメイン処理のプログラムや、割込み処理のプログラム等)を格納するエリアである。また、プログラム管理エリアは、メインCPU55がユーザプログラムを実行するのに必要な情報を格納するエリアである。プログラム管理エリアには、ヘッダ、メーカーコード(図3中、メーカーコード記憶領域54aに記憶されている。)、製品コード(図3中、製品コード記憶領域54bに記憶されている。)、プログラムコードエンドアドレス等が格納される。
【0087】
ROM54の記憶容量は、本実施形態では約「12K」バイトに設定されており、アドレス「0000h」~「2FFFh」の記憶領域を有する。
また、ROM54の記憶領域のうち、アドレス「2FC8h」は、メーカーコードを記憶するメーカーコード記憶領域54a(上述したプログラム管理エリアのうちの1つ)である。メーカーコードとは、製造メーカーに対応する(製造メーカー特定可能な)データを1バイトで表したデータである。
さらにまた、ROM54の記憶領域のうち、アドレス「2FCBh」は、製品コードを記憶する製品コード記憶領域54b(上述したプログラム管理エリアのうちの1つ)である。製品コードとは、遊技機(スロットマシン10)の機種名に対応する(機種名を特定可能な)データを1バイトで表したデータである。
これらのメーカーコードや製品コードは、スロットマシン10の製造者が記憶する。
【0088】
ここで、ROM54のメーカーコード記憶領域54aに記憶されたメーカーコード、及び製品コード記憶領域54bに記憶された製品コードを、照合機用端子50aを介して照合機400に出力することが可能に構成されている。
なお、図3では、メーカーコード記憶領域54aと内部バス55a、及び製品コード記憶領域54bと内部バス55aをそれぞれつなぎ、内部バス55aが照合機用端子50aにつながるようにしているが、これに限らず、メーカーコード記憶領域54a及び製品コード記憶領域54bと照合機用端子50aとを、(内部バス55aを用いずに)直接、専用の通信線で接続してもよい。
【0089】
また、メーカーコード記憶領域54aと照合回路55c、及び製品コード記憶領域54bと照合回路55cとを、それぞれ内部バス55a又は専用の通信線で接続してもよい。
そして、メーカーコード記憶領域54a及び製品コード記憶領域54bと内蔵バス55aとがつながっていれば、メーカーコード記憶領域54a及び製品コード記憶領域54bにそれぞれ記憶されたメーカーコード及び製品コードを、ROM54に記憶されているプログラム、又は外部のプログラム(たとえば後述する出荷管理装置500)によって出力することが可能となっている。
【0090】
ROM54の記憶領域は、使用領域内と使用領域外とに分けられている。そして、ROM54の使用領域内の一部には、クレジット表示LED76、獲得数表示LED78、及び設定値表示LED73を点灯制御するためのプログラムが記憶されている。これに対し、ROM54の使用領域外の一部には、管理情報表示LED74を点灯制御するためのプログラムが記憶されている。
【0091】
RWM53は、ユーザプログラムのワークエリア(データエリア、スタックエリア等)として使用される。RWM53は、バックアップ機能を有しており、チップ(スロットマシン10)の電源切断後も、RWM53に記憶されている情報を保持可能となっている。
RWM53の記憶領域は、ROM54と同様に、使用領域内と使用領域外とに分けられている。そして、RWM53の使用領域内の一部には、クレジット表示LED76、獲得数表示LED78、及び設定値表示LED73に情報を表示するためのデータ(クレジット数、獲得数、設定値に対応する値)等の記憶領域を有する。これに対し、RWM53の使用領域外の一部には、管理情報表示LED74に比率を表示するためのデータ(後述するリングバッファや、算出した比率)の記憶領域を有する。
【0092】
RWM53の記憶容量は、本実施形態では「1K」バイトに設定されており、アドレス「F000h」~「F3FFh」の記憶領域を有する。
RWM53の記憶領域の種類は多数挙げられるが、特に本実施形態の説明において必要な記憶領域としては、以下の記憶領域が挙げられる。なお、以下の例では、「7P」タイプであるものとし、管理情報表示LED74には指示込役物比率(累計)を表示するものとする。
第1に、RWM53のうち、使用領域内の一部には、以下の記憶領域が設けられている。
(1)ベット数データ記憶領域
(2)払出し数データ記憶領域
(3)メダルベット信号出力回数記憶領域
(4)メダル払出し信号出力回数記憶領域
【0093】
「ベット数データ記憶領域」とは、今回遊技のベット数を記憶しておくための記憶領域である。メダル投入口47からメダルが投入されて正常にベットされたとき、又はベットスイッチ40が操作されることによりクレジットされているメダルが正常にベットされたときは、ベット数データ記憶領域にベット数が記憶される。ベット数データ記憶領域へのベット数の記憶は、メイン処理により実行される。
ベット数データが「0」の場合において、たとえば1枚のメダルがメダル投入口47が投入されてベットされたときは、ベット数データは「0」から「1」に更新される。
また、ベット数データが「0」の場合において、ベットスイッチ40が操作されたことにより規定数(「3」)のメダルがベットされたときは、ベット数データは「0」から「3」に更新される。
【0094】
また、リプレイに対応する図柄組合せが停止表示(有効ラインに停止したことを意味する。)し、自動ベットされたときは、ベット数データ記憶領域には、前回遊技でのベット数が記憶される。この処理についても、メイン処理により実行される。なお、リプレイに対応する図柄組合せが停止表示したときのベット数を記憶する記憶領域として、ベット数データ記憶領域とは別に、自動ベット数データ記憶領域を設けてもよい。
【0095】
「払出し数データ記憶領域」とは、配当を有する役の図柄組合せが停止表示したときに、その役に対応する配当のメダル数を記憶する記憶領域である。たとえば払出し数データが「0」である場合において、8枚役に対応する図柄組合せが停止表示したときは、払出し数データは、「0」から「8」に更新される。払出し数データは、最初に配当数が記憶された後、メダルが1枚払い出されるごとに「1」減算され、すべてのメダルが払い出されたときは「0」になる。これらの処理は、メイン処理により実行される。
【0096】
スタートスイッチ41が操作され、今回遊技のベット数が確定すると、ベット数データに記憶されているベット数に対応するメダルベット信号を、外部集中端子板100(さらにはホールコンピュータ200)に出力する。
ここで、メダルベット信号及びメダル払出し信号は、いずれも、オン信号1回(後述する約100ms間のオン信号)をメダル1枚に相当する信号として出力する。たとえばベット数が「3」であるときは、「オン→オフ→オン→オフ→オン→オフ」からなるメダルベット信号を出力する。また、メダルベット信号及びメダル払出し信号の出力回数は、いずれも、オンを1回、オフを1回としてカウントする。したがって、たとえばベット数が「3」であるときは、メダルベット信号出力回数は「6」となる。メダル払出し信号についても同様に、払出し数がたとえば「8」であるときは、メダル払出し信号出力回数は「16」となる。
【0097】
スタートスイッチ41が操作され、今回遊技のベット数が確定すると、ベット数データ記憶領域に記憶されている値(ベット数)を2倍にした値を、メダルベット信号出力回数に記憶する。
そして、割込み処理では、外部信号出力処理(後述する図4のステップS205)において、メダルベット信号出力回数が「0」でないときは、メダルベット信号出力回数に対応するメダルベット信号(オン信号又はオフ信号)を、出力ポート52の外部信号用のポートから外部集中端子板100に出力する。このメダルベット信号は、ホールコンピュータ200に送信される。
本実施形態では、メダルベット信号及びメダル払出し信号のいずれも、メダル1枚あたり、オン信号を「46」割込み(約100ms)出力し、オフ信号を「46」割込み(約100ms)出力するように、割込み処理のプログラムが設定されている。
【0098】
たとえば、メダルベット信号出力回数記憶領域に「6(D)」が記憶されている場合において、メダルベット信号として、オン信号を「46」割込み間、出力し続けたときは、メダルベット信号出力回数記憶領域の値を「5(D)」に更新(「1」減算)する。次に、オフ信号を「46」割込み間、出力し続けたときは、メダルベット信号出力回数記憶領域の値を「4(D)」に更新(「1」減算)する。
このようにして、メダルベット信号出力回数記憶領域に記憶された値が「0」になるまで、メダルベット信号のオン信号又はオフ信号を出力する。メダルベット信号出力回数記憶領域に記憶された値が「0」になったときは、メダルベット信号を出力し終えたことになる。
そして、ホールコンピュータ200は、メダルベット信号のオン信号(100ms)を1回受信するごとに、イン枚数に「1」を加算する。
【0099】
メダル払出し信号についても上記と同様である。
全リール31が停止し、役に対応する図柄組合せが停止表示したときは、その役に対応する払出し数が払出し数データ記憶領域に記憶される。たとえば、払出し数が「8」であるとすると、払出し数データ記憶領域には「8(D)」が記憶される。さらに、メダル払出し信号出力回数記憶領域には、「8(D)」を2倍にした「16(D)」が記憶される。
その後の割込み処理においては、上記と同様に、メダル払出し信号として、メダル1枚あたり、オン信号を「46」割込み(約100ms)出力し、オフ信号を「46」割込み(約100ms)出力する。
【0100】
上記のようにメダル払出し信号出力回数記憶領域に「16(D)」が記憶されている場合において、メダル払出し信号として、オン信号を「46」割込み間、出力し続けたときは、メダル払出し信号出力回数記憶領域の値を「15(D)」に更新(「1」減算)する。次に、オフ信号を「46」割込み間、出力し続けたときは、メダル払出し信号出力回数記憶領域の値を「14(D)」に更新(「1」減算)する。
このようにして、メダル払出し信号出力回数記憶領域に記憶された値が「0」になるまで、メダル払出し信号のオン信号又はオフ信号を出力すると、払出し数「8」に対応するメダル払出し信号が出力し終えることになる。
【0101】
また、RWM53のうち、使用領域外の一部には、以下の記憶領域が設けられている。
(1)総払出しリングバッファ(「0」~「14」)
(2)連続役物払出しリングバッファ(「0」~「14」)
(3)役物払出しリングバッファ(「0」~「14」)
(4)総遊技回数カウンタ(記憶領域)
(5)総払出し(6000回)カウンタ(記憶領域)
(6)連続役物払出し(6000回)カウンタ(記憶領域)
(7)役物払出し(6000回)カウンタ(記憶領域)
(8)総払出し(累計)カウンタ(記憶領域)
(9)指示込役物払出し(累計)カウンタ(記憶領域)
(10)連続役物払出し(累計)カウンタ(記憶領域)
(11)役物払出し(累計)カウンタ(記憶領域)
(12)連続役物比率(6000回)データ(記憶領域)
(13)役物比率(6000回)データ(記憶領域)
(14)指示込役物比率(累計)データ(記憶領域)
(15)連続役物比率(累計)データ(記憶領域)
(16)役物比率(累計)データ(記憶領域)
なお、上記(1)~(16)の記憶領域を総称するときは、「比率に関する記憶領域」と称する。
【0102】
総払出しリングバッファ、連続役物払出しリングバッファ、及び役物払出しリングバッファは、いずれも、それぞれ「0」~「14」までの15個の記憶領域からなるリングバッファである。各リングバッファは、2バイトから構成されている。1つのリングバッファには、400ゲーム間の払出し数が記憶される。たとえば、1遊技目~400遊技目までの払出し数は、払出しリングバッファ「0」に記憶され、次の401遊技目~800遊技目までの払出し数は、払出しリングバッファ「1」に記憶される。
また、6000遊技目の終了時に、払出しリングバッファ「0」に記憶されているデータがクリアされ、6001遊技目~6400遊技目の出し枚数は、払出しリングバッファ「0」に記憶される。
【0103】
総払出しリングバッファは、すべての払出し数を記憶する記憶領域である。また、連続役物払出しリングバッファは、連続役物(RB)作動時における払出し数を記憶する記憶領域である。さらにまた、役物払出しリングバッファは、役物(CB、MB、SB)作動時における払出し数を記憶する記憶領域である。
【0104】
総遊技回数カウンタの記憶領域は、遊技回数(累計)を記憶するカウンタの記憶領域であり、3バイトから構成される。累計の遊技回数として、「175000」遊技をカウントする必要があるため、3バイトから構成している。総遊技回数カウンタは、遊技が行われるごとに「1」加算するカウンタであるので、毎遊技、更新される。
なお、遊技回数が「175000」遊技を超えてもカウントを継続し、3バイトフル(「FFFFFF(H)」)となったときは、カウントを中止する。
【0105】
総払出し(6000回)カウンタの記憶領域は、6000遊技間におけるメダルの総払い出し数をカウントするカウンタの記憶領域である。
同様に、連続役物払出し(6000回)カウンタの記憶領域は、6000遊技間における連続役物作動時における払出し数をカウントするカウンタの記憶領域である。
さらに同様に、役物払出し(6000回)カウンタの記憶領域は、6000遊技間における役物作動時における払出し数をカウントするカウンタの記憶領域である。
【0106】
以上の総払出し(6000回)カウンタ、連続役物払出し(6000回)カウンタ、及び役物払出し(6000回)カウンタにおいて、連続役物非作動時かつ役物非作動時における払出しがあったときは、総払出し(6000回)カウンタのみが更新(加算)される。また、連続役物非作動時かつ役物作動時における払出しがあったときは、総払出し(6000回)カウンタ及び役物払出し(6000回)カウンタが更新され、連続役物払出し(6000回)カウンタは更新されない。
さらにまた、連続役物作動時における払出しがあったときは、総払出し(6000回)カウンタ、役物払出し(6000回)カウンタ、及び連続役物払出し(6000回)カウンタのすべてが更新される。
【0107】
総払出し(6000回)カウンタ、連続役物払出し(6000回)カウンタ、及び役物払出し(6000回)カウンタの値は、400遊技ごとに更新される。
まず、最初の1遊技目から6000遊技目までにメダルの払出しがあったときは、それぞれ、連続役物作動時/非作動時、役物作動時/非作動時に応じて、総払出し(6000回)カウンタ、連続役物払出し(6000回)カウンタ、及び役物払出し(6000回)カウンタに記憶(加算)される。
6000遊技目の終了時には、後述する連続役物比率(6000回)、及び役物比率(6000回)が算出される。この算出後、当該遊技から数えて「400×15-1」遊技(5999遊技)前から「400×15-400」遊技(5600遊技)前までの400遊技回数間における各払出し数が、総払出し(6000回)カウンタ値、連続役物払出し(6000回)カウンタ値、及び役物払出し(6000回)カウンタ値からそれぞれ減算される。
【0108】
総払出し(累計)カウンタの記憶領域は、払出し数の累計をカウントするカウンタの記憶領域である。総払出し(累計)カウンタは、少なくとも「175000」遊技間における総払出し数をカウントする。したがって、払出しがあったときは、総払出し(累計)カウンタに加算される。
同様に、指示込役物払出し(累計)カウンタの記憶領域は、指示機能の作動時の遊技における払出し数、及び役物作動時における払出し数との合計の累計をカウントするカウンタの記憶領域である。指示込役物払出し(累計)カウンタは、上記と同様に、少なくとも「175000」遊技間における連続役物作動時の払出し数をカウントする。
【0109】
なお、「指示機能の作動時の遊技における払出し数」は、指示機能の作動により表示された押し順に従ってストップスイッチ42を操作したことに基づいて、たとえば10枚又は1枚の払出しが可能な押し順ベルに当選し、10枚役(高目ベル)が入賞したときは、指示込役物払出し(累計)カウンタに「10」が加算される。
これに対し、指示機能を作動させた遊技において、表示された押し順と異なる押し順でストップスイッチ42を操作したために、10枚役が入賞せず、たとえば1枚役(低目ベル)が入賞したときは、指示込役物払出し(累計)カウンタに「1」が加算される。
同様に、指示機能を作動させた遊技において、表示された押し順と異なる押し順でストップスイッチ42を操作したために、当選役を取りこぼしたとき(役の非入賞時)は、指示込役物払出し(累計)カウンタには加算されない。換言すれば、前回遊技でのカウント値のままとなる。
【0110】
なお、AT中に共通ベル(どの押し順でストップスイッチ42を操作しても、同一の払出し数を有する役が入賞するベル)に当選したときは、押し順ベルに当選したときと同様に指示機能を作動させ、獲得数表示LED78に押し順指示情報(ダミー)を表示する場合と、指示機能を作動させない場合とが挙げられる。そして、共通ベルの当選時に指示機能を作動させた場合には、当該遊技での払出し数は、指示込役物払出し(累計)カウンタに加算される。
一方、共通ベルに当選した場合において、指示機能を作動させないときは、当該遊技の払出し数は、指示込役物払出し(累計)カウンタに加算されない。ただし、総払出数しカウンタには加算される。この場合、サブ制御基板80により、画像又は音声により正解押し順を報知する場合も含まれる。
【0111】
連続役物払出し(累計)カウンタの記憶領域は、連続役物作動時における払出し数の累計をカウントするカウンタの記憶領域である。連続役物払出し(累計)カウンタは、上記と同様に、少なくとも「175000」遊技間における連続役物作動時の払出し数をカウントする。連続役物作動時における払出しがあったときは、その払出し数が連続役物払出し(累計)カウンタに加算される。
さらに同様に、役物払出し(累計)カウンタの記憶領域は、役物作動時における払出し数の累計をカウントするカウンタの記憶領域である。役物払出し(累計)カウンタは、上記と同様に、少なくとも「175000」遊技間における役物作動時の払出し数をカウントする。役物作動時における払出しがあったときは、その払出し数が役物払出し(累計)カウンタに加算される。
なお、払出し(6000回)カウンタは、400遊技ごとに、5999遊技前から5600遊技前までの払出し数を減算するが、上記4つの(累計)カウンタは、値を減算することはない。
【0112】
連続役物比率(6000回)データの記憶領域は、6000遊技回数間における総払出し数に対する連続役物作動時の払出し数の比率を記憶する記憶領域である。「400」遊技ごとに、総払出し(6000回)カウンタと、連続役物払出し(6000回)カウンタとに基づいて、連続役物比率(6000回)が算出され、連続役物比率(6000回)データの記憶領域に記憶される。
また、役物比率(6000回)データの記憶領域は、6000遊技回数間における総払出し数に対する役物作動時の払出し数の比率を記憶する記憶領域である。「400」遊技ごとに、総払出し(6000回)カウンタと、役物払出し(6000回)カウンタとに基づいて、役物比率(6000回)が算出され、役物比率(6000回)データの記憶領域に記憶される。
【0113】
さらにまた、指示込役物比率(累計)データの記憶領域は、総遊技回数での総払出し数に対する指示込役物(累計)払出し数の比率を記憶する記憶領域である。総払出し(累計)カウンタと、指示込役物払出し(累計)カウンタとは、毎遊技更新されるため、指示込役物比率(累計)データは、毎遊技算出可能であるが、本実施形態では、「400」遊技ごとに算出するものとする。他の比率(累計)データについても同様である。
総払出し(累計)カウンタと、指示込役物払出し(累計)カウンタとに基づいて、指示込役物比率(累計)が算出されると、指示込役物比率(累計)データの記憶領域に記憶される。
【0114】
同様に、連続役物比率(累計)データの記憶領域は、総遊技回数での総払出し数に対する連続役物作動時の払出し数比率を記憶する記憶領域である。「400」遊技ごとに、総払出し(累計)カウンタと、連続役物払出し(累計)カウンタとに基づいて、連続役物比率(累計)が算出され、連続役物比率(累計)データに記憶される。
さらに同様に、役物比率(累計)データの記憶領域は、総遊技回数での総払出し数に対する役物作動時の払出し数比率を記憶する記憶領域である。「400」遊技ごとに、総払出し(累計)カウンタと、役物払出し(累計)カウンタとに基づいて、役物比率(累計)が算出され、役物比率(累計)データの記憶領域に記憶される。
【0115】
内蔵レジスタエリア56は、本実施形態ではアドレス「FE00h」~「FEBFh」の記憶領域を有し、「192」バイトの記憶容量を有している。この「192」バイトの記憶領域のうち、アドレス「FE48h」~「FE4Bh」の4バイト記憶領域は、チップ個別ナンバーレジスタ56aに設定されている。ここで、「チップ個別ナンバー(「固有番号」とも称される。)」とは、メインCPU55ごとに割り当てられた個別番号(ID)である。チップ個別ナンバーは、チップ製造者により付され、記憶された個別番号(ID)であり、スロットマシン10の製造者が書き換えたりすることができないように構成されている。ただし、チップ個別ナンバーは、スロットマシン10の製造者によって、所定のプログラム(たとえば、メインCPU55に記憶されたプログラム)によって読み込むことが可能となっている。したがって、読み込んだチップ個別ナンバーを、出力ポート52を介して、外部集中端子板100や後述する出荷管理装置500に出力することが可能である。
さらに、デコードエリア57は、アドレス「FED0h」~「FEFDh」の「46」バイトからなる記憶領域である。
【0116】
また、メインCPU55には、汎用レジスタエリア(記憶領域の一部)が設けられている。汎用レジスタエリアは、内蔵メモリ外に設けてもよく、内蔵メモリ内、たとえば内蔵レジスタエリア56内に設けてもよい。
汎用レジスタエリアに設けられているレジスタは、Aレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Fレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタ、Qレジスタ(各1バイト)、及びSPレジスタ(2バイト)から構成される。
本実施形態のメインCPU55では、演算時に、A、B、C、D、E、H、Lレジスタ(7個のレジスタ)が使用可能である。また、Fレジスタは、キャリーフラグ及びゼロフラグを構成するフラグレジスタである。
【0117】
さらにまた、メインCPU55内には、IDナンバー記憶領域55bが設けられている。図3では、内蔵メモリのユーザエリア外にIDナンバー記憶領域55bを示しているが、内蔵メモリのユーザエリア内に、内部バス55aと通じないように(内部バス55aを通じてアクセスできないように)IDナンバー記憶領域55bを設けてもよい。
本実施形態において、「IDナンバー(「CPU-ID」とも称される。)」は、メインCPU55ごとに割り当てられた個別番号(ID)である。IDナンバーは、チップ個別ナンバーとは異なるIDである。したがって、メインCPU55ごとに、そのメインCPU55を識別可能な情報(識別情報)として、チップ個別ナンバーとIDナンバーとの少なくとも2種類を持つことになる。
【0118】
また、IDナンバーは、「8」バイトから構成される。このため、IDナンバー記憶領域55bも「8」バイトである。IDナンバーは、スロットマシン10の製造者が書き換えたりすることができないように構成されている。特に、このIDナンバー記憶領域55bは、チップ製造者のみが知り得る場所に設けられており、スロットマシン10の製造者等にも公開されていない。よって、IDナンバーは、チップ個別ナンバーよりも秘匿性の高い情報である。
【0119】
上述したROM54、RWM53、内蔵レジスタエリア56(チップ個別ナンバーレジスタ56aを含む)は、内部バス55aにつながっており、メインCPU55によって実行されるプログラム(メインプログラム)によって、アクセス可能となっている。このため、メインプログラムによって、ROM54の情報の読み込みが可能である。また、メインプログラムによって、RWM53の情報の読み込み及び書き込みが可能である。さらにまた、メインプログラムによって、内蔵レジスタエリア56内の情報の読み込み及び書き込みが可能である(ただし、一部の領域に限る)。さらに、メインプログラムによって、少なくともチップ個別ナンバーレジスタ56aを除く内蔵レジスタエリア56への情報の書き込みが可能である。なお、ROM54及び内蔵レジスタエリア56のチップ個別ナンバーレジスタ56aは、メインプログラムによってデータを書き込んだり、書き換えたりすることはできない。したがって、チップ個別ナンバーレジスタ56aに記憶されたチップ個別ナンバーが、チップ製造者によって最初に記憶された後、書き換えられることはない。換言すると、メインプログラムによって読み込むことしかできない。
【0120】
また、IDナンバー記憶領域55bは、内部バス55aにつながっていない。このため、内部バス55aを通じてメインプログラムでIDナンバーを読み込むことはできない。
なお、上述したように、IDナンバー記憶領域55bを、ユーザエリア内に設けた場合であっても、IDナンバー記憶領域55bは、内部バス55aにつながらないように構成する。したがって、IDナンバー記憶領域55bをユーザエリア内に設けた場合であっても、内部バス55aを通じてIDナンバーを読み込むことはできない。したがって、上述したように、IDナンバーが、チップ製造者によって最初に記憶された後、書き換えられることはない。
【0121】
メインCPU55には、IDナンバー記憶領域55bと専用の通信線(内部バス55aとは異なる)で電気的に接続された照合回路55cが設けられている。さらに、照合回路55cは、照合機用端子50aと電気的に接続されている。これらの照合回路55c及び照合機用端子50aは、IDナンバー記憶領域55aに記憶されたIDナンバーを読み込むときに用いられるものである。IDナンバーを読み込むときは、専用の照合機400が用いられるが、照合機400を用いた場合であっても、IDナンバー記憶領域55aに記憶されたIDナンバーを読み込むことに限られ、IDナンバーを消去したり書き換えたりすることはできない。
【0122】
電源スイッチ11がオフにされた場合であっても、ROM54のデータがクリアされることはない(電源断前のデータが保持される)。したがって、電源のオン/オフにより、メーカーコード記憶領域54a及び製品コード記憶領域54bにそれぞれ記憶されたメーカーコード及び製品コードが消去されたり、書き換えられたりすることはない。
同様に、電源スイッチ11がオフにされた場合であっても、チップ個別ナンバーレジスタ56a及びIDナンバー記憶領域55aは、初期化されることはなく、それぞれチップ個別ナンバー及びIDナンバーの電源断前のデータが保持される。したがって、電源のオン/オフにより、チップ個別ナンバー及びIDナンバーが消去されたり、書き換えられたりすることはない。
【0123】
一方、電源スイッチ11がオフにされたときに、A、B、C、D、E、F、H、L等のレジスタやSPレジスタ(スタックポインタ)にデータが記憶されていたとしても、電源スイッチ11のオン時にこれらのレジスタ値は「0」に初期化される。また、Qレジスタの初期値は「F0h」である。このため、電源切断後、電源スイッチ11がオンにされたときは、Qレジスタ値は「F0h」になる。
また、電源断後、電源スイッチ11がオンにされたときは、ユーザエリアの未使用領域が初期化される。ここで、未使用領域であってもノイズ等によりデータが記憶されてしまうことが考えられる。万が一、未使用領域に値が記憶されると、不正等のゴトにつながる可能性がある。これらのことから、電源の投入時に(通常であれば1日に1回)に未使用領域を初期化するようにしている。
【0124】
さらにまた、設定変更モードは、電源断状態において設定キースイッチ12をオン(右に90度回転)にしつつ、電源スイッチ11をオンにすることに基づいて移行可能となる。そして、設定変更モードに移行するときには、RWM53の使用領域内の所定の記憶領域が初期化される。そして、その初期化の終了後、設定変更モードとなる。換言すると、設定変更モードの終了条件を満たして設定変更モードが終了した後の遊技モードでは、RWM53の使用領域内の所定の記憶領域が初期化された状態となる。なお、初期化のタイミングは、設定変更モードに移行する前でなくてもよく、設定変更モードを終了するときに実行してもよい。また、設定変更モードに移行するときの初期化、または、設定変更モードを終了するときの初期化を、設定変更に基づく初期化とも称する。
一方、設定変更に基づく初期化では、ROM54に記憶されたデータは初期化されないので、メーカーコード記憶領域54aや製品コード記憶領域54bは初期化されない。
【0125】
また、内蔵レジスタエリア56のうち、スタックポインタ等は、設定変更に基づく初期化により、チップ個別ナンバーレジスタ56aは、初期化されない。よって、設定変更モードに移行したときであっても、チップ個別ナンバーは保持される。
同様に、設定変更モードに移行した場合であっても、IDナンバー記憶領域55bは、初期化されない。よって、設定変更モードに移行したときであっても、IDナンバーは保持される。
【0126】
また、復帰不可能エラーが発生したときは、そのエラーの復帰時に、RWM53のデータの一部は初期化される。
ここで、「復帰不可能エラー」とは、電源スイッチ11をオフにし、設定変更モードに移行するための操作をしなければ復帰できない重大なエラーを指す。たとえば、
1)読み込んだ設定値が設定「1」~「6」の範囲内でない場合(設定値異常)、
2)停止図柄を判定した結果、本来表示されてはいけない図柄(蹴飛ばし図柄)が表示された場合(図柄組合せ異常エラー)、
3)割込み処理ごとに判定される乱数の更新異常、
4)電源断復帰データが正常値でないとき(RWMエラーとも称する)
等が挙げられる。
【0127】
復帰不可能エラーの発生時には、電源スイッチ11をオフにし、設定キーを差し込んで90度時計回りに回転させて設定キースイッチ12をオンにした後、電源スイッチ11をオンにする。換言すると、設定変更に基づく処理化により、RWM53の特定の記憶領域(所定の記憶領域を含み、かつ、所定の記憶領域よりも広範囲の記憶領域)が初期化される。
【0128】
したがって、復帰不可能エラーが発生したときは、たとえば、RWM53のアドレス「F000h」~「F3FFh」の範囲が初期化される。これに対し、ROM54(メーカーコード記憶領域54a、及び製品コード記憶領域54bを含む)、内蔵レジスタエリア56のチップ個別ナンバーレジスタ56a、IDナンバー記憶領域55bは、初期化されない。よって、メーカーコード、製品コード、チップ個別ナンバー、IDナンバーは、復帰不可能エラーが発生しても保持される。
【0129】
また、設定変更に基づく初期化では、RWM53の記憶領域のうち、使用領域外の比率に関する情報の記憶領域は初期化されない。しかし、復帰不可能エラーのうち、RWM異常エラー(たとえば、電源復帰時に、RWM53に記憶されている情報が異常であるか否かを判断し、異常と判断された場合のエラー)が発生したときは、比率に関する情報の記憶領域も含めて初期化される。
ただし、RWM異常エラーが発生しても、ROM54(メーカーコード記憶領域54a、及び製品コード記憶領域54bを含む)、内蔵レジスタエリア56のチップ個別ナンバーレジスタ56a、IDナンバー記憶領域55bは、初期化されない。よって、メーカーコード、製品コード、チップ個別ナンバー、IDナンバーは、RWM異常エラーが発生しても保持される。
【0130】
さらにまた、有利区間を終了するときは、RWM53の記憶領域のうち、有利区間に関する記憶領域が初期化される。有利区間の終了時に初期化されるRWM53の記憶領域としては、有利区間クリアカウンタ、有利区間種別フラグ(有利区間であるか否かを識別するためのフラグ)、差数カウンタ、有利区間LED表示フラグ(有利区間を示すLEDを点灯させるか否かを定めたフラグ)、ATカウンタ(AT中の遊技回数や差枚数を記憶するカウンタ)、メイン遊技状態情報の各記憶領域が挙げられる。
これに対し、ROM54(メーカーコード記憶領域54a、及び製品コード記憶領域54bを含む)、RWM53の上記記憶領域以外、内蔵レジスタエリア56のチップ個別ナンバーレジスタ56a、IDナンバー記憶領域55bは、初期化されない。よって、有利区間の終了時にRWM53の所定の記憶領域の初期化処理が実行されても、メーカーコード、製品コード、チップ個別ナンバー、及びIDナンバーは保持される。
【0131】
以上の通り、遊技機のプログラムによって実行される各初期化処理によって、メーカーコード、製品コード、チップ個別ナンバー、及びIDナンバーが初期化されることはないため、後述するとおり、管理サーバ300によって出玉情報とホール情報等を紐づけることが可能となる。
【0132】
図4は、本実施形態におけるメイン処理(図中(a))及び割込み処理(図中(b))を示すフローチャートである。
図4では、主要な処理のみを図示しており、メイン処理及び割込み処理は、図4で図示しない他の処理についても実行しているのはもちろんである。
メイン処理及び割込み処理は、メインCPU55で実行されるメインプログラムの1つである。
メイン処理は、1遊技あたり1回実行される、遊技の進行を制御するプログラムである。また、割込み処理は、メイン処理と並行して「2.235」msごとに実行されるプログラムである。
図4(a)のメイン処理において、ステップS101では、遊技開始時処理を実行する。この処理は、前回遊技で停止表示した図柄組合せに基づく作動状態フラグ(特別役やリプレイが作動しているか否かを示すフラグ)の生成や、前回遊技でリプレイに対応する図柄組合せが停止表示したときの自動ベット処理等を行う処理である。
【0133】
次のステップS102では、メダル受付け開始時処理を実行する。この処理は、メダル投入待ち処理や、メダルが投入された場合のメダル管理処理等を実行する。たとえば、メダル投入口47からメダルが投入されたときは、メダル受付け処理(正常なメダルであるか否かの判断等)を実行し、正常にメダルを受け付けたときは、ベット処理又はクレジット処理を実行する。また、ベットスイッチ40が操作されたときは、その時点でのベット数及びクレジット数に基づいて、ベット処理を実行する。また、メダルがベットされたときは、上述のベット数データ記憶領域のベット数を更新する。
【0134】
次のステップS103では、スタートスイッチ受付け時処理を実行する。この処理は、スタートスイッチ41が操作されたときに実行するLEDの点灯制御や、乱数値の取得(役の抽選)等を実行する。また、AT中であるときは、押し順指示番号の表示処理等を実行する。また、スタートスイッチ41が操作されると今回遊技のベット数が確定するので、スタートスイッチ受付け時処理では、ベット数データ記憶領域に記憶されたベット数に基づいて、メダルベット信号出力回数記憶領域にメダルベット信号出力回数をセットする。これにより、その後の割込み処理の外部信号出力処理(ステップS205)において、メダルベット信号が出力される。
【0135】
次のステップS104では、リール31の回転を開始する処理を実行する。また、次のステップS105では、ストップスイッチ42が操作されたときに、リール31の停止制御処理を実行し、役抽選結果に対応する位置でリール31を停止制御する。
次にステップS106に進み、比率セット処理を実行する。この処理は、管理情報表示LED74に表示する比率を算出するためのカウンタ(上述した、総遊技回数カウンタや総払出し数カウンタ等)の更新、及び比率を算出して更新する処理を行う。
次にステップS107に進み、遊技終了時処理を実行する。この処理は、払出し処理や、作動状態フラグの更新処理等を実行する。たとえば払出し処理では、役に対応する図柄組合せが有効ラインに停止表示したときは、メダルの払出し処理(クレジットへの加算処理、又はホッパーモータ36を駆動することにより実際にメダルを払い出す処理)を実行する。
【0136】
また、メダルの払出し処理が実行されたときは、メダル払出し数データ記憶領域に、今回遊技の払出し数を記憶する。さらに、メダル払出し数データ記憶領域に払出し数が記憶されると、その値に基づいて、メダル払出し信号出力回数記憶領域に、メダル払出し信号出力回数が記憶される。これにより、その後の割込み処理の外部信号出力処理(ステップS205)において、メダル払出し信号が出力される。
【0137】
また、図4(b)の割込み処理において、ステップS201では、電源断処理を実行する。電源断処理は、電源断検知信号がオンであるか否かを判断等する処理である。
次のステップS202では、タイマ計測を実行する。この処理は、各種タイマ値(カウンタ値)を「1」減算する処理である。
次のステップS203では、LED表示を行う。この処理は、LED表示カウンタ(今回の割込み処理では、どのLEDをダイナミック点灯させるかを定めるカウンタ)に応じて、クレジット数表示LED76、獲得数表示LED78、その他の各種LEDの点灯制御処理を実行する。さらに、ステップS203には、管理情報表示LED74の点灯制御処理(比率表示処理)が含まれる。なお、比率表示処理を、ステップS203とは別にし、たとえば後述するステップS205の後に実行することも可能である。
【0138】
次のステップS204では、制御コマンド送信処理を実行する。この処理は、たとえばスタートスイッチ41の操作時や、全リール31の停止時等に、必要な制御コマンドをサブ制御手段80に送信する処理である。たとえばスタートスイッチ41が操作され、役抽選が実行されると、決定された演出グループ番号を制御コマンドとしてサブ制御基板80に出力する。
次のステップS205では、外部信号出力処理を実行する。この処理は、メダルベット信号、及びメダル払出し信号を含む外部信号を、外部集中端子板100に出力する処理である。
【0139】
なお、本実施形態では、メイン制御基板50から外部集中端子板100に対し、チップ個別ナンバーを出力する。チップ個別ナンバーの出力は、外部信号出力処理の1つであるので、割込み処理で実行する。また、たとえば第1に、メダルベット信号及びメダル払出し信号の出力ごとに、チップ個別ナンバーを併せて出力することが挙げられる。これにより、チップ個別ナンバーとメダルベット信号及びメダル払出し信号とを関連付けて出力することができる。
【0140】
また、ホールコンピュータ200側では、メダルベット信号及びメダル払出し信号を受信したときは、どの台(スロットマシン10)から送信されたメダルベット信号及びメダル払出し信号であるかを把握できるように構成されている。
そこで、たとえばスロットマシン10の電源投入時の最初の割込み処理で、チップ個別ナンバーの出力処理を実行し、ホールコンピュータ200側で、台(スロットマシン10)と関連付けてそのチップ個別ナンバーを記憶することが挙げられる。その後は、次に電源がオン/オフされるまで、チップ個別ナンバーを出力しなくてもよい。
このように構成すれば、チップ個別ナンバーを、たとえば1日1回(電源投入時)、出力すれば済み、メダルベット信号及びメダル払出し信号の出力時ごとにチップ個別ナンバーを出力することが不要となる。
【0141】
さらにまた、メイン制御基板50から外部集中端子板100に対し、外部信号として、比率に関する情報を出力することも可能である。比率に関する情報としては、たとえば、
(1)総遊技回数カウンタ値
(2)総払出し(6000回)カウンタ値
(3)連続役物払出し(6000回)カウンタ値
(4)役物払出し(6000回)カウンタ値
(5)総払出し(累計)カウンタ値
(6)指示込役物払出し(累計)カウンタ値
(7)連続役物払出し(累計)カウンタ値
(8)役物払出し(累計)カウンタ値
(9)連続役物比率(6000回)
(10)役物比率(6000回)
(11)指示込役物比率(累計)
(12)連続役物比率(累計)
(13)役物比率(累計)
が挙げられる。これらのうちの少なくとも1つを、出玉情報の一部としてホールコンピュータ200に出力することが可能である。
ここで、上記の比率に関する情報は、「400」遊技ごとに算出されるので、「400」遊技ごとに、ホールコンピュータ200に出力することが可能である。ただし、これに限らず、予め定めた所定遊技回数ごと、又は所定時間ごとに出力してもよい。あるいは、1日1回(たとえば、電源がオンとなったときや、(営業終了時に)所定のスイッチ(たとえば設定キースイッチ12)が操作されたことに基づいて)出力してもよい。
【0142】
図5は、スロットマシン10、ホールコンピュータ200、管理センタ(データセンター)300間の情報の出力を説明する図である。
図5において、管理センタ300は、スロットマシン10を含む遊技機を管理、監視等する事業者(事業者には、会社、組合等の団体など、個人又は組織体のすべてを含む。また、当該事業者から委託を受けて運営する会社、組合等の団体など、個人又は組織体のすべてを含む。)により運営されている。管理センタ300は、データサーバとして、出玉監視サーバ300aと、機歴サーバ300bとを備える。
出玉監視サーバ300aは、チップ個別ナンバーごとに、出玉の状況を記憶しておくためのサーバである。なお、出玉の状況は、たとえば1日に1回、受信するようにしてもよく、あるいは、所定時間ごとに(たとえば1時間に1回)受信したり、又はリアルタイムで受信する等、種々設定することができる。
【0143】
機歴サーバ300bは、機歴情報を記憶しておくためのサーバである。ここで、「機歴情報」とは、IDナンバーとホール情報とを含む情報である。IDナンバーは、上述したIDナンバー記憶領域55bに記憶されているデータである。また、ホール情報とは、どのホールに設置されたかを判別可能な情報である。ホール情報として、たとえば全国のホールの1店ごとに異なる番号を付与している。これにより、ホール情報がわかれば、どのホールに設置されているか(ホールの所在地、ホール名、連作先等)を知ることができる。なお、実際の全国のホール総数は、約「11000」店程度(本願出願時)であるので、2バイトデータを用いれば、すべてのホールに固有の識別番号を付与可能である。よって、本実施形態では、ホール情報は、2バイトデータであるとする。
【0144】
まず、スロットマシン10の製造工場では、工場出荷(ホールへの納品)の前に、照合機400を照合機用端子50aに差し込む。たとえば、照合機400と、照合機用端子50a(スロットマシン10)とをケーブルで接続する。照合機400は、スロットマシン10のIDナンバーを読み取るための専用の装置であり、照合機400を使用しなければIDナンバーを読み取ることができない。
【0145】
また、スロットマシン10の製造工場には、出荷管理装置(製造工場に設置されたパーソナルコンピュータ)500が設けられており、出荷管理装置500と照合装置400とをケーブル等で電気的に接続することで、出荷管理装置500と照合装置400との間でデータ通信可能に構成されている。
照合機400の所定の操作を実行すると、照合機400から、照合機用端子50aのBRC端子50bにリクエスト信号(認証信号)を送信する。メインCPU55は、このリクエスト信号の認証に成功すると、IDナンバー記憶領域55bに記憶されているIDナンバーの出力を許可する。IDナンバーは、照合回路55cを経由して、照合機用端子50aのSC端子50Cから照合機400に出力される。
【0146】
さらに、照合機400は、ROM54内のメーカーコード記憶領域54a及び製品コード記憶領域54bのデータ(メーカーコード及び製品コード)を読み込むことが可能に構成されている。これにより、照合機400内の一時記憶手段(RAM等)には、IDナンバー、メーカーコード、及び製品コードを含むデータが記憶され、かつ、照合機400のディスプレイ400aには、IDナンバー、メーカーコード、及び製品コードを含むデータが画像表示される。
【0147】
出荷管理装置500は、その内部の記憶手段に記憶されているプログラムにより、照合機400に読み込まれたIDナンバー、メーカーコード、及び製品コードを読み込むことが可能である。したがって、照合機400から、IDナンバー、メーカーコード、及び製品コードを、出荷管理装置500に出力(送信)可能である。
ただし、これに限らず、照合機400の内部にプログラムを記憶しておき、そのプログラムにより、照合機400によって読み取られたIDナンバー、メーカーコード、及び製品コードを含むデータを、外部のコンピュータ(出荷管理装置500)に出力可能となるように構成してもよい。
【0148】
また、工場出荷時までに、図2に示した型番シール58bを、基板ケース58に貼付する。さらに、型番シール58bに表示されている二次元コード58cを、(二次元コード)読み取り装置で読み取る。二次元コード58cを読み取ると、上述したように二次元コードデータに変換されるので、この二次元コードデータを出荷管理装置500に入力し、二次元コードデータ、IDナンバー、メーカーコード、及び製品コードに対応させて記憶する。なお、二次元コードデータを機械的に出荷管理装置500に入力する方法としては、読み取り装置と出荷管理装置500とを電気的に接続し、読み取り装置側又は出荷管理装置500側のいずれかに設けたプログラムにより、二次元コードデータを出荷管理装置500に転送する方法が挙げられる。
【0149】
スロットマシン10を納入するホールが決定すると、工場の作業者は、そのスロットマシン10のIDナンバーに対応するホール情報を出荷管理装置500に入力する。これにより、出荷管理装置500には、IDナンバー、二次元コードデータ、メーカーコード、及び製品コードとともに、ホール情報が関連付けられて記憶される。
なお、上述したように、「機歴情報」とは、IDナンバーとホール情報とを含む情報であるが、IDナンバー及びホール情報に加えて、メーカーコード、製品コード、及び二次元コードデータの一部又は全部を機歴情報に含めてもよい。
【0150】
そして、出荷管理装置500から、電気通信回線(専用回線、インターネット回線等のすべてを含む。また、通信方法にはSSL通信等の暗号化通信が用いられる。以下同じ。)を用いて、機歴情報を管理センタ300に出力する。管理センタ300は、機歴情報を受信すると、機歴サーバ300bに記憶する。
ここで、機歴情報は、8バイトのIDナンバーと、2バイトのホール情報とを含むので、最小で10バイトのデータとなる。また、上述したように、機歴情報(管理センタ300に出力(アップロード)可能な情報)として、それぞれ1バイトデータであるメーカーコード及び製品コードを含める場合には、機歴情報は合計で12バイトの情報となる。さらにまた、管理センタ300に出力可能な機歴情報に、二次元コードデータを含めることも可能である。たとえば、二次元コードデータを数バイトのデータに変換し、そのデータを機歴情報に含めることが可能である。
【0151】
さらにまた、出荷管理装置500と、スロットマシン10の外部集中端子板100とは、電気的に接続可能に構成されている。そして、出荷管理装置500とスロットマシン10とを電気的に接続し、かつ、出荷管理装置500内の記憶手段に記憶されたプログラム、又はスロットマシン10のROM54内に記憶された所定のプログラムにより、メインCPU55のチップ個別ナンバーレジスタ56aに記憶されているチップ個別ナンバーを、外部集中端子板100を介して出荷管理装置500に出力可能に構成されている。
【0152】
さらに、出荷管理装置500のプログラムは、照合機400を介して受信したIDナンバーと、外部集中端子板100を介して受信したチップ個別ナンバーとを紐付けて(関連付けて)記憶することが可能である。たとえば、照合機400からIDナンバーを受信した後、外部集中端子板100からチップ個別ナンバーを受信し、両者を結合して、出荷管理装置500の記憶手段に記憶することが挙げられる。
ここで、IDナンバーは8バイトデータであり、チップ個別ナンバーは4バイトデータであるので、両者を紐付けた情報は、12バイトとなる。たとえば12バイトデータ中、上位8バイトをIDナンバーとし、下位4バイトをチップ個別ナンバーにすることが挙げられる。
【0153】
そして、紐付けられたIDナンバー及びチップ個別ナンバー(12バイトデータ)を、出荷管理装置500から管理センタ300に出力することが可能である。管理センタ300は、IDナンバー及びチップ個別ナンバー(12バイトデータ)を受信したときは、その情報を機歴サーバ300bに記憶する。
【0154】
以上より、工場出荷時には、出荷管理装置500から機歴情報(IDナンバー及びホール情報を含む情報)を管理センタ300に出力し、機歴サーバ300bに記憶することが可能となる。
さらに、工場出荷時には、出荷管理装置500から、IDナンバーとチップ個別ナンバーとを紐付けた情報を管理センタ300に出力し、機歴サーバ300bに記憶することが可能となる。
なお、機歴情報は、最小でも10バイトを要し、IDナンバーとチップ個別ナンバーとを紐付けた情報は、12バイトであるので、本実施形態では、これらの情報をそれぞれ別個に出力している。しかし、これに限らず、機歴情報と、IDナンバー及びチップ個別ナンバーを紐付けた情報とを同時に管理センタ300に出力可能であれば、たとえば、「IDナンバー(8バイト)+チップ個別ナンバー(4バイト)+ホール情報(2バイト)+メーカーコード(1バイト)+製品コード(1バイト)」からなる16バイトデータを1つの機歴情報として、管理センタ300に出力することも可能である。
【0155】
スロットマシン10がホールに設置されると、すべてのスロットマシン10の外部集中端子板100とホールコンピュータ200とが電気的に接続される。これにより、スロットマシン10から、外部信号出力処理により外部信号をホールコンピュータ200に出力可能となる。さらに、メインCPU55内の情報のうち、内部バス55aを通じて出力可能な情報を、ホールコンピュータ200に出力可能となる。
【0156】
ホールの営業の開始時に(1日1回)、チップ個別ナンバーをホールコンピュータ200に出力する場合には、上述したように、スロットマシン10の電源投入後の最初の割込み処理において、チップ個別ナンバーの出力処理を実行する。ホールコンピュータ200は、外部集中端子板100を介してチップ個別ナンバーを受信したときは、そのチップ個別ナンバーを記憶する。
ホールコンピュータ200側では、予め、台番号ごとに、その出玉(イン枚数、アウト枚数、差枚数等)を累積的に記憶可能なデータベースを備えている。そして、スロットマシン10からチップ個別ナンバーを受信したときは、台番号とチップ個別ナンバーとを対応づけて記憶する。
【0157】
なお、ホールコンピュータ200は、チップ個別ナンバーを受信したときは、そのチップ個別ナンバーを記憶しておき、次に(たとえば翌日)に、同一の台に対応するポートからチップ個別ナンバーを受信したときは、その台に対して記憶されているチップ個別ナンバーと、今回受信したチップ個別ナンバーとを比較し、一致するときは正常とし、一致しないときはエラーとしてもよい。その台に対して記憶されているチップ個別ナンバーと、今回受信したチップ個別ナンバーとが一致すれば、チップ個別ナンバーを改めて記憶すること(更新すること)は不要である。
【0158】
スロットマシン10で遊技が行われると、遊技ごとに、メダルベット信号及びメダル払出し信号がホールコンピュータ200に出力される。
ホールコンピュータ200は、メダルベット信号のオン信号を受信するごとに、イン枚数に「1」を加算する。
また、ホールコンピュータ200は、メダル払出し信号のオン信号を受信するごとに、アウト枚数に「1」を加算する。
なお、メダルベット信号とメダル払出し信号とは、同一の出力ポート52のうち、異なるビットから出力される。したがって、メダルベット信号とメダル払出し信号とが混同することはない。
なお、上記に限らず、メダルベット信号及びメダル払出し信号の出力時に、チップ個別ナンバーを併せて出力してもよい。すなわち、メダルベット信号及びメダル払出し信号の出力に合わせて、リアルタイムでチップ個別ナンバーを出力してもよい。
【0159】
ホールコンピュータ200は、受信したメダルベット信号及びメダル払出し信号に基づいて、イン枚数(メダルベット数)及びアウト枚数(払出し数)を累積的に記憶し続ける。また、イン枚数とアウト枚数とから、差枚数を算出し、記憶する。さらにまた、ホールコンピュータ200は、電源スイッチ11がオンにされてからの差枚数の最大値(最も差枚数が多くなったとき。以下、「最大差枚数」という。)を記憶しておく。
ここで、「最大差枚数」の演算方法としては、たとえば差枚数の累積値がマイナスとなったときは「0」に補正することを繰返し、差枚数の最小値を「0」に設定する。そして、差枚数の最小値「0」から最も数値が高くなったときの値を最大差枚数とする。
具体的には、たとえば差枚数の累積値が「0」→「-300」→「+200」→「-400」→「0」と推移したとき、差枚数の累積値は「0」であるが、最大差枚数は「-300」から「+200」になったときの「+500」となる。
【0160】
また、ホールコンピュータ200は、チップ個別ナンバーとそのイン枚数及びアウト枚数、差枚数、最大差枚数を、管理センタ300に出力可能とする。管理センタ300は、チップ個別ナンバーとそのイン枚数及びアウト枚数、差枚数、最大差枚数を受信したときは、出玉監視サーバ300aに記憶する。
ここで、ホールコンピュータ200は、スロットマシン10で遊技が行われるごとに、リアルタイムで上記情報を出力してもよいが、1日の営業終了後に、上記情報を管理センタ300に出力してもよい。また、リアルタイムで上記情報を出力する場合において、差枚数及び最大差枚数については、イン枚数及びアウト枚数がわかれば、その情報を受信した管理センタ300側で算出可能であるので、差枚数については出力しなくてもよい。ただし、1日1回、上記情報を出力する場合には、最大差枚数については算出できないので、最大差枚数は、出力するようにする。
【0161】
なお、出玉監視サーバ300aに蓄積される情報は、当日の情報のみに限らず、少なくとも過去の所定期間の情報を記憶する。所定期間としては、たとえば1週間、1月、1年等の期間が挙げられる。また、たとえば過去の情報を蓄積する場合には、その蓄積された情報だけでなく、少なくとも当日の情報については記憶しておく。
そして、全国のすべてのホールから、管理センタ300に、チップ個別ナンバーと、そのイン枚数及びアウト枚数等が出力されるので、出玉監視サーバ300aは、これらのすべての情報を記憶しておく。
【0162】
また、出玉監視サーバ300aを制御するコンピュータのプログラムに、差枚数や最大差枚数が所定の閾値を超えたときには、そのチップ個別ナンバーを抽出できるようにすることが好ましい。このようにすれば、差枚数が通常の範囲を超えたスロットマシン10が存在したときに、それを容易に検知することができる。
【0163】
また、上記例では、スロットマシン10からホールコンピュータ200に対して、比率に関する情報を出力したが、さらに、この比率に関する情報を管理センタ300に出力し、出玉監視サーバ300aに記憶することが可能である。特に、上述したように、有利区間比率又は指示込役物比率、及び役物比率については70%、連続役物比率については60%を超えないように定められている。
ここで、遊技機を取り締まる者が、実際にスロットマシン10が設置されているホールに行き、管理情報表示LED74を見ることで、上記比率が適正値の範囲内に収まっているか否かを確認することができる。
しかし、全国のホールに設置されているスロットマシン10(遊技機)の比率に関する情報が管理センタ300の出玉監視サーバ300aに集約されれば、各ホールに管理情報表示LED74の数値を見に行くことなく、適正値を超える比率となっているスロットマシン10を容易に特定することが可能となる。
【0164】
図6は、ホールコンピュータ200のデータベース200a、管理センタ300の出玉監視サーバ300a及び機歴サーバ300bに記憶される情報の例を示す図である。
ホールコンピュータ200のデータベース200aは、スロットマシン10から出力された情報に基づいて、図6に示すように、たとえば台番号ごとに、チップ個別ナンバー、日付、イン枚数、アウト枚数、差枚数、最大差枚数、比率に関する情報を記憶し、閲覧可能となっている。なお、図6に示す比率に関する情報のうち、カウンタ値Aやカウンタ値Bは、たとえば、総遊技回数カウンタ値、総払出し(6000回)カウンタ値、連続役物払出し(6000回)カウンタ値、役物払出し(6000回)カウンタ値、総払出し(累計)カウンタ値、指示込役物払出し(累計)カウンタ値、連続役物払出し(累計)カウンタ値、又は役物払出し(累計)カウンタ値のいずれかを示す。また、比率C及び比率Dは、連続役物比率(6000回)、役物比率(6000回)、指示込役物比率(累計)、連続役物比率(累計)、又は役物比率(累計)のうちのいずれかを示す。
【0165】
また、各ホールから管理センタ300に出力される情報は、上述したように、少なくとも、チップ個別ナンバーと、それに対応するイン枚数及びアウト枚数、さらには最大差枚数である。また、図6の例では、ホールコンピュータ200から管理センタ300に対し、ホールコンピュータ200がスロットマシン10から受信した比率に関する情報を出力し、出玉監視サーバ300aに記憶する例を示している。
チップ個別ナンバーは、上述したように4バイトデータである。また、管理センタ300では、イン枚数やアウト枚数等を受信したときは、受信日を記憶する。さらにまた、イン枚数、アウト枚数、差枚数、最大差枚数については、2バイトデータで記憶する。また、比率に関する情報を記憶するときは、カウンタ値については3バイト、比率については1バイトで記憶する。
【0166】
一方、スロットマシン10の工場出荷時には、出荷管理装置500から管理センタ300に対し、IDナンバー(8バイト)、ホール情報(2バイト)、メーカーコード(1バイト)、製品コード(1バイト)とともに、IDナンバーに対応するチップ個別ナンバー(4バイト)が出力され、これらの情報を機歴サーバ300aに記憶している。なお、出荷管理装置500から管理センタ300に対し、二次元コードデータを出力し、その二次元コードデータを機歴サーバ300aに記憶可能であるが、図6では、二次元コードデータを省略している。
以上において、出玉監視サーバ300aと機歴サーバ300bとを照合すれば、適正値の範囲を超える出玉となっている(たとえば差枚数が異常に多い)チップ個別ナンバーとホール情報、さらにはどのメーカーのどの機種であるかを特定することができる。
【0167】
また、スロットマシン10が市場に出た後、修理、リユースその他の理由で工場に回収されたときは、照合機400を照合機用端子50aに接続し、IDナンバー記憶領域55bのIDナンバーを読み込む。さらに、型番シール58bに表示された二次元コードを読み取り装置により読み取り、二次元コードデータに変換する。そして、IDナンバーと二次元コードデータとの対応関係が、工場出荷時のものと一致すれば、スロットマシン10が正規品であることを確認することができる。一方、IDナンバーと二次元コードデータとの対応関係が、工場出荷時のものと一致しないときは、不正行為が行われた可能性があると判断できる。
【0168】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)チップ個別ナンバーを記憶する領域として、内蔵レジスタエリア56にチップ個別ナンバーレジスタ56aを設けた。しかし、これに限らず、ブートROM、ブートRWM、ROM54、RWM53に設けることも可能である。なお、いずれの記憶領域に設ける場合であっても、内部バス55aとつなげて読み取り可能とし、かつ上書きや書換えが不可能に構成する。
【0169】
(2)メーカーコード記憶領域54a及び製品コード記憶領域54bは、ROM54に設けた。しかし、これに限らず、RWM53、内蔵レジスタエリア56に設けてもよい。なお、いずれの記憶領域に設ける場合であっても、内部バス55aとつなげて読み取り可能とし、かつ上書きや書換えが不可能に構成する。
【0170】
(3)チップ個別ナンバーは4バイトデータとし、IDナンバーは8バイトデータとし、メーカーコード及び製品コードは1バイトデータとした。しかし、これらのバイト数に限定されるものではなく、量産数や使用目的等に応じて変動可能である。また、チップ個別ナンバーとIDナンバーとを同一バイト数に設定してもよい。一方、上記実施形態のように、チップ個別ナンバーとIDナンバーとを異なるバイト数にすれば、両者が混同しないようにすることができる。また、メーカーコード及び製品コードについても、2バイトデータとしたり、4バイトデータとすることも可能である。
【0171】
(4)IDナンバー記憶領域55bは、ブートROM、ブートRWM、ROM54、RWM53、内蔵レジスタエリア56等、内蔵メモリ内のいかなる領域に設けてもよい。ただし、IDナンバー記憶領域55bの所在を、チップ製造者のみが知り得るようにするためには、ユーザエリア外に設けられることが好ましい。また、IDナンバー記憶領域55bは、いずれの記憶領域に設けられる場合であっても、内部バス55aとつながらないようにし、IDナンバーの秘匿性を担保する。
【0172】
(5)照合機用端子50aは、基板ケース58に開口部58dを形成し、開口部58dから照合用端子50aの上面が露出するようにしたが、これに限らず、開口部58dに蓋等を取り付けてもよい。
また、照合機用端子50aは、赤色に形成したが、これに限らず、緑色のメイン制御基板50に対して目立つような色であれば、必ずしも赤色に限られない。たとえば、緑色の補色に近い橙色、赤紫色等であってもよい。
また、照合機用端子50aの形状は、照合機400に応じて種々設定することができる。たとえば、照合機400と照合機用端子50aとをケーブル接続する場合には、照合機用端子50aは、そのケーブル端子と接続可能な形状に形成される。また、照合機400が照合機用端子50aに直付けされるような場合には、照合機400側の接続部分と連結可能な形状に形成される。
【0173】
(6)管理センタ300に出力する機歴情報は、IDナンバーとホール情報とが含まれていればよく、チップ個別ナンバーや二次元コードデータは、機歴情報に含めなくてもよい。たとえば工場出荷後に、IDナンバーとチップ個別ナンバーとの対応関係を示す情報や、IDナンバー(又はチップ個別ナンバー)と二次元コードデータとの対応関係を示す情報を管理センタ300に出力してもよい。
【0174】
(7)スロットマシン10からホールコンピュータ200に出力する情報としては、チップ個別ナンバー、メダルベット信号、メダル払出し信号、比率に関する情報が挙げられるが、チップ個別ナンバーについては、スロットマシン10を初めてホールに設置したときに送信し、その後は、チップ個別ナンバーをホールコンピュータ200に出力することを省略してもよい。
また、比率に関する情報を、スロットマシン10からホールコンピュータ200に出力しなくてもよい。さらにまた、比率に関する情報を、スロットマシン10からホールコンピュータ200に出力するが、ホールコンピュータ200から管理センタ300に出力しなくてもよい。
【0175】
あるいは、スロットマシン10からホールコンピュータ200に対しては、比率に関する情報のすべてを出力し、ホールコンピュータ200は、スロットマシン10から受信した比率に関する情報のうち、一部を管理センタ300に出力してもよい。
また、スロットマシン10からホールコンピュータ200に対しては、比率に関する情報の一部を出力し、ホールコンピュータ200は、スロットマシン10から受信した比率に関する情報のうち、全部又は一部を管理センタ300に出力してもよい。
【0176】
(8)管理センタ300側では、出玉監視サーバ300aと機歴サーバ300bとを設けていたが、これに限らず、1つのサーバですべての情報を管理してもよい。換言すると、1つのサーバによって、チップ個別ナンバー、IDナンバー、ホール情報、メーカコード、製品コード、受信日、イン枚数、アウト枚数、差枚数、最大差枚数等を管理するようにしてもよい。
【0177】
(9)本実施形態は、スロットマシン10に限らず、ぱちんこ遊技機においても適用可能である。ぱちんこ遊技機の場合であっても、メイン制御基板50のハードウェア構成は、本実施形態の構成に準ずるものとすることができる(1チップマイクロコンピュータを備える)。
また、ぱちんこ遊技機における管理情報表示LED74は、「性能表示モニタ」と称される。
ぱちんこ遊技機における管理情報表示LED74(性能表示モニタ)は、スロットマシン10の場合と同様に、2桁の識別セグと、2桁の比率セグとから構成される。
そして、アウト球「60000」個ごとのリアルタイム(計測中)のベース値(「ベース値」とは、100個のアウト球に対してセーフ球が何個であるかを示す。)と、「60000」個ごとの1回前、2回前、及び3回前のベース値を順次表示する。たとえばリアルタイムのベース値の識別セグを「bL.」と表示し、1回前のベース値の識別セグを「b1.」と表示し、2回前のべース値の識別セグを「b2.」と表示し、3回前のベース値の識別セグを「b3.」と表示する。
【0178】
また、RWM53の所定の記憶領域に、アウト球数、セーフ球数、アウト球「60000」個ごとのリアルタイム(計測中)のベース値、「60000」個ごとの1回前、2回前、及び3回前のベース値をそれぞれ記憶する。
そして、ぱちんこ遊技機から、外部集中端子板100を経由して、ホールコンピュータ200に対し、チップ個別ナンバー、セーフ球数及びアウト球数、上記各ベース値を出力することが可能である。さらに、これらの情報の全部又は一部を管理センタ300に出力し、出玉監視サーバ300aに記憶することが可能である。さらには、ぱちんこ遊技機の工場出荷時に、管理センター300に対し、IDナンバー、ホール情報、IDナンバーとチップ個別ナンバーとの関係情報、二次元コードデータ等を出力し、機歴サーバー300に記憶することが可能である。
【0179】
<付記>
本願の当初明細書等に記載した発明(当初発明)において、当初発明が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。ただし、本明細書に記載した発明は、下記当初発明に限ることを意味するものではない。
(a)当初発明が解決しようとする課題
従来技術において、メダルベット信号やメダル払出し信号をホールコンピュータに出力可能とした遊技機が知られている(たとえば、特開2016-083256号公報参照)。
従来技術では、メダルベット信号及びメダル払出し信号に基づいて、ホール側がイン枚数及びアウト枚数を把握することが可能である。しかし、異常な出玉が確認された場合に、不正改造等の問題がないか否かを確認できるようにするには、不十分であった。
当初発明が解決しようとする課題は、遊技機の不正改造等の問題がないか否かを確認可能にすることである。
【0180】
(b)当初発明の課題を解決するための手段(なお、かっこ書きで、対応する実施形態を記載する。)
当初発明は、
記憶手段(内蔵メモリ)及び内部バス(55a)を含むCPU(メインCPU55)を有する制御基板(メイン制御基板50)を備え、
前記記憶手段は、
前記CPUの第1識別情報(チップ個別ナンバー)を記憶し、前記内部バスにつながる第1記憶領域(チップ個別ナンバーレジスタ56a)と、
前記CPUの第2識別情報(第1識別情報と異なる情報)(IDナンバー)を記憶し、前記内部バスにつながっていない第2記憶領域(IDナンバー記憶領域55b)と、
遊技価値のベット数及び払出し(「払出し」は、クレジットへの加算を含む。)数に関する遊技価値情報(ベット数データ、払出し数データ、メダルベット信号出力回数、メダル払出し信号出力回数)を記憶可能とし、前記内部バスにつながる第3記憶領域(RWM53の所定の記憶領域)と
を有し、
第1記憶領域の第1識別情報及び第3記憶領域の所定の遊技価値情報に基づく情報(メダルベット信号、メダル払出し信号、比率に関する情報)を、前記内部バスを通じて外部に出力するための処理(メイン処理)を実行可能とし、
前記制御基板は、第2記憶領域と通信可能に接続された所定の端子(照合機用端子50a)を備え、
第2記憶領域の第2識別情報を前記所定の端子から出力可能に構成されている
ことを特徴とする。
【0181】
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、第1識別情報及び遊技価値情報を出力可能である。さらに、内部バスを通じてアクセスできない第2記憶領域を設け、第2記憶領域の第2識別情報を所定の端子から出力可能である。これにより、第1識別情報及び第2識別情報に基づいて、遊技機の不正改造等の問題がないか否かを確認可能にすることができる。
【符号の説明】
【0182】
10 スロットマシン(遊技機)
11 電源スイッチ
12 設定キースイッチ
13 設定スイッチ
14 リセットスイッチ
21 演出ランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置
31 リール
32 モータ
33 リールセンサ
35 ホッパー
36 ホッパーモータ
37a、37b 払出しセンサ
40 ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
43 精算スイッチ
44a、44b 投入センサ
45 ブロッカ
46 通路センサ
47 メダル投入口
50 メイン制御基板(メイン制御手段、主制御手段)
50a 照合機用端子
50b BRC端子
50c SC端子
51 入力ポート
52 出力ポート
53 RWM
54 ROM
55 メインCPU
55a 内部バス
55b IDナンバー記憶領域
55c 照合回路
55d ALU
56 内蔵レジスタエリア
56a チップ個別ナンバーレジスタ
57 デコードエリア
58 基板ケース(上ケース、下ケース)
58a かしめ部
58b 型番シール
58c 二次元コード
58d 開口部
61 役抽選手段
62 当選フラグ制御手段
64 演出グループ番号選択手段
65 リール制御手段
66 入賞判定手段
67 払出し手段
70 外部信号送信手段
71 制御コマンド送信手段
73 設定値表示LED
74 管理情報表示LED
75 表示基板
76 クレジット数表示LED
78 獲得数表示LED
80 サブ制御基板(サブ制御手段、副制御手段)
81 入力ポート
82 出力ポート
83 RWM
84 ROM
85 サブCPU
91 演出出力制御手段
100 外部集中端子板
200 ホールコンピュータ
300 管理センタ
300a 出玉監視サーバ
300b 機歴サーバ
400 照合機
400a ディスプレイ
500 出荷管理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6