(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】遊技機および遊技システム
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
A63F5/04 650
A63F5/04 672
(21)【出願番号】P 2020216481
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】503106797
【氏名又は名称】株式会社エンターライズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】末岡 直也
【審査官】馬渕 貴洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-123498(JP,A)
【文献】特開2006-116245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部と、
前記設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、前記設定示唆演出の実行を解放するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部と、
前記遊技者が前記鍵情報を入力可能な情報入力部と、
を備え、
前記演出制御部は、前記鍵報知演出を報知し、前記情報入力部へ前記鍵情報の入力がなされたことを契機として前記設定示唆演出を報知可能に構成されており、
遊技者にとって前記設定値の推測が有利となる推測有利度が異なる複数種の設定示唆演出が報知可能であり、
前記鍵報知演出では、前記複数の推測有利度それぞれに対応する前記鍵情報が報知可能に構成されており、
前記情報入力部に入力した前記鍵情報の前記推測有利度に応じた前記設定示唆演出が報知可能に構成されている、遊技機。
【請求項2】
遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部と、
前記設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、前記設定示唆演出の実行を解放するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部と、
前記遊技者が前記鍵情報を入力可能な情報入力部と、
を備え、
前記演出制御部は、前記鍵報知演出を報知し、前記情報入力部へ前記鍵情報の入力がなされたことを契機として前記設定示唆演出を報知可能に構成されており、
前記情報入力部は、情報の入力を複数回受け付け、
前記入力された情報の個数、前記入力された情報が報知済の鍵情報と一致する数、または、前記入力された情報の組み合わせ、の少なくとも1つに応じた前記設定示唆演出が報知可能に構成されている、遊技機。
【請求項3】
遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部と、
前記設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、前記設定示唆演出の実行を解放するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部と、
前記遊技者が前記鍵情報を入力可能な情報入力部と、
を備え、
前記演出制御部は、前記鍵報知演出を報知し、前記情報入力部へ前記鍵情報の入力がなされたことを契機として前記設定示唆演出を報知可能に構成されており、
前記遊技機は、スロットマシンであり、
指示機能にかかる処理を行うことができる有利区間と、前記指示機能にかかる処理を行うことができない通常区間と、を含む遊技区間のうちのいずれかの遊技区間に設定する区間制御部を備え、
報知された前記鍵情報は前記有利区間において有効であり、前記有利区間が終了すると無効になる、遊技機。
【請求項4】
遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部と、
前記設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、前記設定示唆演出の実行を解放するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部と、
前記遊技者が前記鍵情報を入力可能な情報入力部と、
を備え、
前記演出制御部は、前記鍵報知演出を報知し、前記情報入力部へ前記鍵情報の入力がなされたことを契機として前記設定示唆演出を報知可能に構成されており、
前記遊技機は、スロットマシンであり、
指示機能にかかる処理を行うことができる有利区間と、前記指示機能にかかる処理を行うことができない通常区間と、を含む遊技区間のうちのいずれかの遊技区間に設定する区間制御部を備え、
前記有利区間から前記通常区間に移行したことを契機として、前記情報入力部への前記鍵情報の入力を促す演出が報知可能に構成されている、遊技機。
【請求項5】
遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部と、
前記設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、前記設定示唆演出の実行を解放するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部と、
前記遊技者が前記鍵情報を入力可能な情報入力部と、
を備え、
前記演出制御部は、前記鍵報知演出を報知し、前記情報入力部へ前記鍵情報の入力がなされたことを契機として前記設定示唆演出を報知可能に構成されており、
前記遊技機は、スロットマシンであり、
一般遊技状態と、前記一般遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な遊技状態である有利遊技状態と、を含む遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に設定する遊技状態制御部を備え、
前記鍵報知演出は、前記有利遊技状態で報知され、
前記設定示唆演出は、前記有利遊技状態から前記一般遊技状態に移行することを契機として報知可能に構成されている、遊技機。
【請求項6】
遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部と、
前記設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、前記設定示唆演出の実行を解放するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部と、
前記遊技者が前記鍵情報を入力可能な情報入力部と、
を備え、
前記鍵情報が前記設定示唆演出に対応付けられており、
前記演出制御部は、前記鍵報知演出を報知し、前記情報入力部へ前記鍵情報の入力がなされたことを契機として、入力された前記鍵情報に対応する前記設定示唆演出を報知可能に構成されている、遊技機。
【請求項7】
遊技機と、前記遊技機と通信可能な装置と、を有する遊技システムであって、
遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部と、
前記設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、前記設定示唆演出の実行を解放するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部と、
前記遊技者が前記鍵情報を入力可能な情報入力部と、
を備え、
前記鍵情報が前記設定示唆演出に対応付けられており、
前記演出制御部は、前記鍵報知演出を報知し、前記情報入力部へ前記鍵情報の入力がなされたことを契機として、入力された前記鍵情報に対応する前記設定示唆演出を報知可能に構成されており、
前記設定示唆演出は、前記遊技機または前記装置の少なくともいずれかが報知可能であり、
前記鍵報知演出は、前記遊技機または前記装置の少なくともいずれかが報知可能であり、
前記情報入力部は、前記遊技機または前記装置の少なくともいずれかに設けられている、遊技システム。
【請求項8】
遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部と、
前記設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、前記設定示唆演出を実行するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部と、
前記遊技者が前記鍵情報を入力可能な情報入力部と、
を備え、
前記演出制御部は、
遊技進行中に前記鍵報知演出を報知し、
遊技進行中に前記鍵情報の前記情報入力部への入力が許可され前記情報入力部へ前記鍵情報の入力がなされたことを契機として前記設定示唆演出を報知可能に構成されている、遊技機。
【請求項9】
遊技機と、前記遊技機と通信可能な装置と、を有する遊技システムであって、
遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部と、
前記設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、前記設定示唆演出を実行するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部と、
前記遊技者が前記鍵情報を入力可能な情報入力部と、
を備え、
前記演出制御部は、
遊技進行中に前記鍵報知演出を報知し、
遊技進行中に前記鍵情報の前記情報入力部への入力が許可され前記情報入力部へ前記鍵情報の入力がなされたことを契機として前記設定示唆演出を報知可能に構成されており、
前記設定示唆演出は、前記遊技機または前記装置の少なくともいずれかが報知可能であり、
前記鍵報知演出は、前記遊技機または前記装置の少なくともいずれかが報知可能であり、
前記情報入力部は、前記遊技機または前記装置の少なくともいずれかに設けられている、遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機および遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機は、遊技者の有利度となる出玉率の異なる複数の設定値のうちから、予め1つの設定値が店舗スタッフにより選択され設定される。遊技者は、設定された設定値が何かわからない状態で遊技を行う。遊技者は、遊技中の遊技機の設定値を知りたいと思う。例えば、特許文献1には、選択された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能に構成された遊技機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技機において設定示唆演出を報知することが内部抽せんにより決定していれば、遊技者が特殊な操作をしなくても自動で報知されたり、演出ボタンなどの操作部の操作を指示する演出に従って操作部が操作されたタイミングで報知されたりする。このように、設定示唆演出の報知処理フローは、比較的単純であり、面白みに欠ける。
【0005】
本開示は、遊技の興趣性を向上可能な遊技機および遊技システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部と、前記設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、前記設定示唆演出の実行を解放するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部と、前記遊技者が前記鍵情報を入力可能な情報入力部と、を備え、前記演出制御部は、前記鍵報知演出を報知し、前記情報入力部へ前記鍵情報の入力がなされたことを契機として前記設定示唆演出を報知可能に構成されている、遊技機である。
【0007】
また、第1の側面において、前記情報入力部は、前記鍵情報の入力を遊技中に受け付けることが好ましい。
【0008】
また、第1の側面において、前記鍵情報を生成する鍵情報生成部を備えることが好ましい。
【0009】
また、第1の側面において、前記情報入力部へ情報の入力がなされなかった場合、または、前記情報入力部へ入力された情報が報知済の鍵情報と一致しない場合は、前記設定示唆演出を報知しないことが好ましい。
【0010】
また、第1の側面において、遊技者にとって前記設定値の推測が有利となる推測有利度が異なる複数種の設定示唆演出が報知可能であり、前記鍵報知演出では、前記複数の推測有利度それぞれに対応する前記鍵情報が報知可能に構成されており、前記情報入力部に入力した前記鍵情報の前記推測有利度に応じた前記設定示唆演出が報知可能に構成されていることが好ましい。
【0011】
また、第1の側面において、前記情報入力部は、情報の入力を複数回受け付け、前記入力された情報の個数、前記入力された情報が報知済の鍵情報と一致する数、または、前記入力された情報の組み合わせ、の少なくとも1つに応じた前記設定示唆演出が報知可能に構成されていることが好ましい。
【0012】
また、第1の側面において、遊技者にとって前記設定値の推測が有利となる推測有利度が異なる複数種の設定示唆演出が報知可能であり、前記情報入力部は、情報の入力を複数回受け付け、前記入力された情報が報知済の前記鍵情報と一致する数に応じた前記推測有利度の前記設定示唆演出を報知可能に構成されていることが好ましい。
【0013】
また、第1の側面において、前記遊技機は、スロットマシンであり、指示機能にかかる処理を行うことができる有利区間と、前記指示機能にかかる処理を行うことができない通常区間と、を含む遊技区間のうちのいずれかの遊技区間に設定する区間制御部を備え、報知された前記鍵情報は前記有利区間において有効であり、前記有利区間が終了すると無効になることが好ましい。
【0014】
また、第1の側面において、前記遊技機は、スロットマシンであり、指示機能にかかる処理を行うことができる有利区間と、前記指示機能にかかる処理を行うことができない通常区間と、を含む遊技区間のうちのいずれかの遊技区間に設定する区間制御部を備え、前記有利区間から前記通常区間に移行したことを契機として、前記情報入力部への前記鍵情報の入力を促す演出が報知可能に構成されていることが好ましい。
【0015】
また、第1の側面において、前記遊技機は、スロットマシンであり、一般遊技状態と、前記一般遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な遊技状態である有利遊技状態と、を含む遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に設定する遊技状態制御部を備え、前記鍵報知演出は、前記有利遊技状態で報知され、前記設定示唆演出は、前記有利遊技状態から前記一般遊技状態に移行することを契機として報知可能に構成されていることが好ましい。
【0016】
第2の側面は、遊技機と、前記遊技機と通信可能な装置と、を有する遊技システムであって、遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部と、前記設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、前記設定示唆演出の実行を解放するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部と、前記遊技者が前記鍵情報を入力可能な情報入力部と、を備え、前記演出制御部は、前記鍵報知演出を報知し、前記情報入力部へ前記鍵情報の入力がなされたことを契機として前記設定示唆演出を報知可能に構成されており、前記設定示唆演出は、前記遊技機または前記装置の少なくともいずれかが報知可能であり、前記鍵報知演出は、前記遊技機または前記装置の少なくともいずれかが報知可能であり、前記情報入力部は、前記遊技機または前記装置の少なくともいずれかに設けられている、遊技システムである。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、遊技の興趣性を向上可能な遊技機および遊技システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】スロットマシンの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】回転リールの図柄の配列の一例を示す図である。
【
図4】第1遊技状態における状態遷移を説明する図である。
【
図5】第2遊技状態における状態遷移を説明する図である。
【
図7】設定示唆演出テーブルの一例を示す図である。
【
図9】演出制御部が実行する演出制御処理ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【
図10】鍵報知演出、鍵情報の入力、および設定示唆演出の報知までの一連の流れの一例を示す図である。
【
図11】他の実施形態に係る鍵報知演出テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態]
本開示の遊技機の実施形態にかかるスロットマシン1について、図面を参照して説明する。
【0020】
<スロットマシンの構成>
図1に示すように、スロットマシン1は筐体10を有する。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
【0021】
前面扉100の中央部分には、透明性のリール窓200が設けられている。遊技者は、このリール窓200から、後述する複数の回転リール20それぞれの表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
【0022】
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、スピーカ102、および電飾部(図示略)が設けられている。液晶画面3、スピーカ102および電飾部は、報知部に相当する。
【0023】
リール窓200の側方には、遊技に関する各種の演出を表示可能であり且つ操作可能なタッチパネル30が設けられている。タッチパネル30は、ディスプレイである報知部に相当すると共に、情報を入力可能な情報入力部に相当する。タッチパネル30は、画像を表示すると共に、遊技者がタッチすることで、タッチ位置に表示している画像に応じた情報が入力可能である。タッチパネル30に入力可能な情報は、画像として表示されている文字、数字、記号または図柄などの情報である。タッチパネル30が1回以上操作されることで、文字、数字、記号または図柄等の複数の符号が入力される。
【0024】
液晶画面3は、遊技者の遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
【0025】
スピーカ102は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)および音声を出力する。
【0026】
電飾部は、例えば期待度の高い演出画面が表示されたり、役が入賞したりした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
【0027】
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、複数のストップスイッチ40、投入口が設けられたメダル投入部41、ベットスイッチ42、レバー43、媒体表示部44、精算スイッチ45および演出ボタン46などを含む。
【0028】
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられている。各ストップスイッチ40は、回転リール20が回転している間に、各回転リール20の回転を停止させるための操作を受け付ける。
【0029】
メダル投入部41の投入口には、遊技媒体に相当するメダルが投入される。投入口付近には、メダルセンサが設けられている。メダルセンサは、投入口へのメダルの投入を検出し、検出信号を制御部6に出力する。
【0030】
ベットスイッチ42は、メダルをベットする際に用いられる。
【0031】
レバー43は、各回転リール20を回転させるための操作を受け付けるスタートスイッチとして機能する。
【0032】
媒体表示部44は、メダルのクレジット数、メダルの払い出し枚数、メダルのベット数などを表示するものであって、例えば複数の7セグメントで構成される。また、媒体表示部44は、遊技区間が有利区間であって特定の条件が満たされている場合に、遊技区間が有利区間であることを表示する。具体的に、媒体表示部44における7セグメントの一部が点灯することにより、遊技区間が有利区間であることが告知される。
【0033】
精算スイッチ45は、遊技者による遊技が終了して、払出口51からメダルが払い出される際に用いられる。
【0034】
演出ボタン46は、遊技者が遊技を行う際に、音量設定、遊技データの確認などを行うために用いられるボタンである。また、演出ボタン46は、遊技中、演出に応じて遊技者により押下されることがある。遊技中に演出ボタン46が押下された場合、演出に変化が生じる。
【0035】
これらの操作部4の各スイッチ付近には、遊技者の操作を検知して制御部6に操作信号を出力するセンサが設けられている。
【0036】
筐体10のうち、操作部4の下方には、メダルの払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。また、筐体10の内部には、メダルの受け入れおよび払い出しを行うホッパーユニット50が設けられている(
図2参照)。
【0037】
図2に示すように、スロットマシン1は、回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72を備える。回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72は、スロットマシン1の主電源をオンおよびオフする電源装置(図示略)などとともに、筐体10の内部に配置されている。
【0038】
回転リールユニット2は、
図1および
図2に示すように、3つの回転リール20と、3つのステッピングモータ21とを備える。回転リールユニット2は、筐体10の内部において、リール窓200の位置に対応して配置されている。回転リール20それぞれには、
図3に示すように、複数の図柄が、当該リール20の周方向に沿って間隔を開けて配置されている。ステッピングモータ21は、各回転リール20に対応して設けられており、対応する回転リール20を駆動させる。
【0039】
ステッピングモータ21は、回転リール20の回転中にストップスイッチ40が操作されてから190m秒以内に、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20は、80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
【0040】
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、制御部6における回転リール制御部611(後述)によって、その回転および停止が制御される。
【0041】
RAMクリアボタン71は、制御部6を構成するRAMを初期化するための操作を受け付けるためのボタンである。設定変更ボタン72は、複数段階の設定値のうちのいずれか1つをスロットマシン1に設定する際に、店舗スタッフによって押下されるボタンである。
【0042】
設定値とは、スロットマシン1に投入されたメダルの投入総数に対する、ホッパーユニット50から払い出されたメダルの払出総数の割合を示す出玉率、を表した値である。設定された設定値は、内部抽せんに影響を与える。設定値に応じて、リプレイやベルなどの、各種役の当せん確率が異なるからである。設定値は、店舗開店前に、店舗スタッフによって設定される。すなわち、設定値は、遊技者にとっての有利度、具体的には遊技者への出玉に関する恩恵、を規定するともいえる。
【0043】
<遊技者による遊技の流れ>
遊技者は、必要に応じて、演出ボタン46を押下してスピーカ102から出力される音量調整、液晶画面3の光度調整を行う。
【0044】
遊技者は、メダル投入部41の投入口からメダルを投入しまたはベットスイッチ42を操作することにより貯留(クレジット)されているメダルを使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー43の操作、すなわち遊技開始が可能となる。
【0045】
図1では、有効ラインLが、右下がりライン、右上がりライン、中段ラインの3本で構成されている場合を例示する。有効ラインLとは、役の入賞を決定するための仮想ラインである。本実施形態では、MAX BET(マックスベット)となる3枚ベット(3枚掛け)をした場合に、3本のラインLが有効化される。
【0046】
以下では、ベルやスイカなどのメダルの払い出しのある役が有効ラインL上に揃うことのみならず、特殊リプレイ、チャンス目、ボーナスなどの特定の役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも、「入賞」と表現する。
【0047】
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40を操作して、メダルの払い出し処理を含む遊技の結果を得る一連の動作を云う。
【0048】
具体的には、遊技開始可能な状態でレバー43が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインLに揃った(入賞した)図柄の組み合わせ(役)に応じて、所定枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
【0049】
遊技者は、上記ゲームを繰り返し行う。ゲームが繰り返されることに応じて遊技が進行していき、液晶画面3の表示やスピーカ102からの音の出力は、遊技進行に応じて変化していく。
【0050】
<遊技状態について>
遊技中は、遊技区間および遊技状態の各種類が設定され、設定された遊技区間および遊技状態の各種類に基づいて内部抽せんが行われる。遊技状態には、
図4および
図5に示すように、第1遊技状態および第2遊技状態が含まれる。なお、第1遊技状態および第2遊技状態は、排他的に成立する遊技状態ではなく、説明の便宜上区別するために分類した状態にすぎない。
【0051】
第1遊技状態は、
図4に示すように、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態を含む。特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態は、排他的に成立する関係にある。
【0052】
特別役非持ち越し状態とは、内部抽せんにより当せんした特別役(一種BBおよび二種BB)の入賞が持ち越されていない状態をいう。特別役非持ち越し状態は、RAMクリアボタン71を用いてRAMが初期化された場合、特別役実施状態に移行してから払い出しメダルの枚数が所定枚数(例えば180枚)を超えた場合などの、所定条件を満たした場合に設定される。特別役持ち越し状態にて特別役が入賞した場合(すなわち所定条件を満たした場合)、第1遊技状態は、一時的ではあるが特別役非持ち越し状態に設定される。
【0053】
特別役持ち越し状態は、内部抽せんにより特別役が当せんしてはいるものの、当該特別役の入賞が持ち越されている状態をいう。つまり、特別役持ち越し状態とは、内部抽せんによって、特別役のフラグが当せんしたが、当該特別役を示す図柄が有効ラインL上に揃っておらず、よって特別役が未だ入賞していない状態をいう。
【0054】
ここで、一種BBは、一種特別役物に係る役物連続作動装置であって、ビッグボーナスなどが該当する。二種BBは、3枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。二種BBは、二種特別役物に係る役物連続作動装置であって、例えば2枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。特別役では、任意の特別役(例えば一種BB)の入賞が持ち越された状態にある場合、他の特別役(例えば二種BB)の抽せんは行われない。
【0055】
第1遊技状態が特別役非持ち越し状態である場合に特別役が当せんすると、第1遊技状態は、特別役非持ち越し状態から、当せんした当該特別役の入賞が持ち越された状態(特別役持ち越し状態)に移行する。
【0056】
当せんした特別役が入賞すると、第1遊技状態は、特別役持ち越し状態から、特別役非持ち越し状態を一時的に介して特別役実施状態に移行する。一種BBまたは二種BBが入賞したことによって第1遊技状態が特別役実施状態に移行すると、一種BBまたは二種BBによるメダルの払い出し枚数が所定枚数を超えるまで、特別役実施状態が維持される。
【0057】
更に詳細に、特別役実施状態には、一種BB実施状態、二種BB実施状態、およびRB実施状態が含まれる。一種BBが実施されている一種BB実施状態の間に、内部抽せんによってRBが当せんし入賞した場合、特別役実施状態は、一種BB実施状態からRB実施状態に移行する。RB実施状態において12ゲーム消化または特定役が8回入賞することで、特別役実施状態は、一種BB実施状態に移行する。
【0058】
第2遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための状態であり、
図5に示すように、一般遊技状態およびAT状態を含む。一般遊技状態とAT状態とは、排他的に成立する関係にある。
【0059】
一般遊技状態とは、AT状態および特別役実施状態などの有利遊技状態でない状態、つまりアシスト機能が発生しない状態である。例えば、RAMクリア後やAT終了後などからAT抽せんに当せんするまでの間、第2遊技状態は一般遊技状態に設定される。一例として、遊技区間が有利区間である場合に、AT抽せんは、内部抽せんにより当せんした役(レア役など)に応じて行われる。
【0060】
AT状態とは、内部抽せんにより当せんした特別役以外の役のストップスイッチ40の正解押し順(正解操作順)を、液晶画面3やスピーカ102を介して知らせるアシスト機能(AT機能)、が働いている状態である。遊技区間が有利区間である間に、AT抽せんにてATが当せんした場合や、有利区間でのゲーム数が所定ゲーム数(天井ゲーム数)に到達したり遊技の過程で蓄積してきたポイントが所定数(天井ポイント)に到達したりしたことでAT実施が決定した場合、第2遊技状態は、一般遊技状態からAT状態へと移行する。AT状態にて遊技が開始されてから有利区間のゲーム数が所定ゲーム数に到達した場合、または、AT状態にて遊技が開始されてからのメダルの払い出し総枚数が有利区間における定められた所定枚数に達した場合に(いずれも有利区間の強制終了条件)、第2遊技状態は、AT状態から一般遊技状態へと移行する。また、有利区間の強制終了条件が満たされずとも、決められたATでの遊技期間が経過したものの当該ATの遊技期間の延長が決定されなかった場合にも、第2遊技状態は、AT状態から一般遊技状態へと移行する。これにより、AT状態は終了する。AT状態は、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である有利遊技状態の1つである。
【0061】
<遊技区間について>
上述した遊技区間とは、アシスト機能に関する処理が行われるか否かを決定するための区間である。アシスト機能に関する処理には、アシスト機能を発揮する処理(即ち、押し順をアシストする処理)の他、ATの実施可否を高確率で決定するCZのように、アシスト機能を発揮させるか否かを決定する処理、が含まれる。
図6に示すように、遊技区間は、通常区間と有利区間とを有する。通常区間と有利区間とは排他的な関係にあり、遊技区間は、通常区間または有利区間のいずれかを採り得る。
【0062】
通常区間とは、アシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行できないが、有利区間への区間移行抽せんが行われる区間である。通常区間にて遊技が行われた結果、内部当せんした役に応じて、遊技区間は通常区間から有利区間へと移行する。なお、第2遊技状態が一般遊技状態である間に、遊技区間は通常区間を採ることができる。
【0063】
有利区間は、アシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行可能な区間である。有利区間には、第2遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、AT状態などの有利遊技状態で進行する有利区間とが含まれる。遊技区間が有利区間に移行してから所定の終了条件を満たすまでの間、遊技区間が有利区間である状態は維持される。有利区間にてATが継続されていた状態で、当該有利区間の強制終了条件が満たされると、遊技区間は有利区間から通常区間に移行される。この際、ATは終了し、第2遊技状態は、AT状態から一般遊技状態に移行する。
【0064】
<制御部の構成>
図2に示すように、制御部6は、主に、メイン制御部61およびサブ制御部63を有する。メイン制御部61は、内部抽せんや回転リール20の制御など、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部63は、メイン制御部61から送信された信号や演出ボタン46が押下されたことに基づいて、演出に関する制御を行う。
【0065】
メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれは、CPU、RAMおよびROMで構成される。メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれのROMには、遊技進行に必要なプログラムが記憶されている。メイン制御部61のRAMには、遊技進行に必要な遊技データが記憶される。遊技データには、現在ゲーム数の他、各遊技状態および遊技区間がどの状態または区間であるかを示すデータなどが含まれる。サブ制御部63のRAMには、演出制御に関する各種データなどが記憶される。
【0066】
CPUがROM内のプログラムを読み出して実行することにより、メイン制御部61は、内部抽せん部610、回転リール制御部611、遊技結果判定部612、媒体管理部613、遊技進行制御部614、区間制御部615、遊技状態制御部616、として機能する。サブ制御部63は、演出制御部630として機能する。
【0067】
―内部抽せん部―
内部抽せん部610は、レバー43の操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のフラグのうち1つのフラグを当せんフラグとして当せんさせる。具体的に、内部抽せん部610は、レバー43が操作された時の第1および第2遊技状態と遊技区間とに基づいて、内部抽せんテーブル(図示せず)およびレバー43が操作された時に取得される乱数に従って内部抽せんを行う。内部抽せん部610は、内部抽せんの結果に基づいて、内部抽せん結果信号を生成する。内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から回転リール制御部611および遊技進行制御部614などに送信される。
【0068】
内部抽せんテーブルは、内部抽せんにより当せんする可能性のある役の情報を示したものである。内部抽せん部610は、内部抽せんテーブルを基に、レバー43操作時のRT状態、特定役(ボーナス)中か否か、設定値、の組み合わせに応じて内部抽せんを行う。なお、内部抽せんテーブルに示された役の情報には、図柄の組み合わせと、その組み合わせに対応する役とが、関連付けて1以上設定されている。当該役には、メダルの払い出しが行われないはずれ役の他、メダルの払い出しのある押し順役などが含まれる。
【0069】
AT状態で遊技が行われる場合には、押し順役が内部抽せんにより当せんする場合がある。押し順役が当せんし、その押し順通りにストップスイッチ40が押下された場合には、当該押し順役が入賞し、その役に応じた複数枚(例えば8枚)のメダルが払い出される。押し順役が当せんしたにも関わらず、押し順通りにストップスイッチ40が押下されなかった場合には、当該押し順役は入賞しないか、またはその他の役(1枚役など)が入賞する。
【0070】
なお、押し順役は、一般遊技状態中にも当せんしている。一般遊技状態中に押し順役が成立した場合、正解押し順の報知はされないため、押し順役は取りこぼされたり払い出しが1枚となったりする。AT状態中は、正解押し順が報知されるため、複数枚(例えば8枚)のメダルが払い出される。
【0071】
―回転リール制御部―
回転リール制御部611は、レバー43または各ストップスイッチ40の操作に基づいて、ステッピングモータ21の駆動を制御し、各回転リール20の回転を開始させる回転開始制御または回転を停止させる回転停止制御を行う。
【0072】
具体的には、回転リール20全ての回転が停止している状態にて、レバー43が操作された場合、回転リール制御部611は、回転リール20全ての回転を開始させる。少なくとも1つの回転リール20の回転中に、回転中の回転リール20に対応するストップスイッチ40が操作された場合、回転リール制御部611は、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。
【0073】
回転停止制御では、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40の操作に基づいて、当せんフラグが示す役に対応する図柄の組み合わせが、回転リール20の有効ラインL上に配置されることでその役が入賞するように、回転リール20の回転を停止させることができる。
【0074】
また、回転停止制御では、回転リール制御部611は、当せんした役と、各ストップスイッチ40操作時の回転リール20の位置とに応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御とは、当せんした役に対応する図柄を有効ラインL上に引き込むようにして、回転リール20の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御とは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように、回転リール20の回転を停止させる制御である。
【0075】
―遊技結果判定部―
遊技結果判定部612は、内部抽せんおよび回転リール20の回転停止制御の各結果に基づいて遊技結果を判定する。遊技結果とは、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かが判定された結果を意味する。具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、予め定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、遊技結果判定部612は、当せん役が入賞したと判定する。
【0076】
―媒体管理部―
媒体管理部613は、クレジット数の増減制御、およびホッパーユニット50によるメダルの払い出し動作の制御を行う。
【0077】
具体的に、媒体管理部613は、メダルがベットされた場合には、メダルのベット数に応じてクレジット数を減少させ、メダルがクレジットされた場合には、クレジット数を増加させる。
【0078】
内部抽せんによって当せんした役が遊技者の操作に基づいて入賞した場合、媒体管理部613は、入賞した役の種類に基づくメダルの払い出し枚数に基づいて、クレジット数を増加させる。
【0079】
また、媒体管理部613は、遊技結果判定部612が判定した遊技結果の他、精算スイッチ45の操作により出力された操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御する。
【0080】
具体的に、当せんした役の入賞により得られたメダルは、先ずはクレジットとして貯留される。メダルを貯留した結果、クレジット数がその上限(例えば50枚)を超えた場合には、上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、貯留中のメダルが一枚以上ある状態で精算スイッチ45が操作された場合、貯留中のメダルの少なくとも一部がホッパーユニット50から払い出される。
【0081】
更に、媒体管理部613は、有利区間において、メダルの払い出し枚数からメダルのベット数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数、および差枚数の最大値と最小値との差であるレンジ(MY)を算出する。メダルの差枚数およびレンジ(MY)は、区間制御部615に送信される。なお、媒体管理部613は、有利区間終了後に、メダルの差枚数およびレンジ(MY)をリセットする。
【0082】
―遊技進行制御部―
遊技進行制御部614は、遊技者の操作に基づいて遊技進行を制御する。その際、遊技進行制御部614は、店舗スタッフにより設定された設定値に基づいて、当該遊技者による遊技進行を制御する。
【0083】
また、遊技進行制御部614は、RAMクリアボタン71が押下された場合、メイン制御部61のRAMを初期化することで、遊技データをリセットする。遊技進行制御部614は、設定変更ボタン72が押下された場合、現在の設定値を他の設定値に変更する。
【0084】
―区間制御部―
区間制御部615は、遊技者による遊技の際、複数の遊技区間(通常区間および有利区間)のうちいずれかを設定する。
【0085】
具体的には、区間制御部615は、遊技区間が通常区間である場合に、通常区間の状態を維持するか、それとも有利区間に移行するかの区間移行抽せんを行う。所定の抽せん対象役が当せんした際に、区間移行抽せんを行うか否かの抽せんが行われ、その結果当せんした場合に、区間移行抽せんが行われる。区間移行抽せんに当せんした場合、区間制御部615は、遊技区間を有利区間に設定(移行)する。
【0086】
なお、区間移行抽せんの当せん確率は、設定度に応じて異なっている。一例としては、設定値に応じて、前記所定の抽せん対象役の当せん確率が異なっているか、または、前記所定の当せん対象役の当せん時に行われる、区間移行抽せんの当せん確率が異なっている。
【0087】
また、区間制御部615は、遊技区間が有利区間である場合には、有利区間の状態を維持するか、通常区間に移行するかを決定する。例えば、区間制御部615は、遊技区間が有利区間の時に、第2遊技状態がAT状態から一般遊技状態に移行させることを決定したか否かを判定する。一般遊技状態に移行させると決定された場合、区間制御部615は、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させる。
【0088】
また、区間制御部615は、有利区間の状態での消化ゲーム数が1500ゲームに達した場合、または、有利区間の間にメダルの差枚数が2400枚に達した場合(即ち、有利区間の強制終了条件が満たされた場合)、遊技区間を、有利区間から通常区間に強制的に移行させる。
【0089】
また、区間制御部615は、遊技データがリセットされた場合、リセット直前の遊技区間いかんにかかわらず、遊技区間を通常区間に設定する。
【0090】
なお、区間制御部615は、設定(移行)した区間の種類を表す信号を、媒体表示部44に送信する。これにより、媒体表示部44には、有利区間か否かが表示される。
【0091】
―遊技状態制御部―
遊技状態制御部616は、第1遊技状態および第2遊技状態それぞれの設定を行う。
【0092】
具体的には、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態のいずれかに設定し、第2遊技状態を、一般遊技状態または有利遊技状態(例えばAT状態)に設定する。
【0093】
一例として、
図4に示すように、遊技状態制御部616は、メイン制御部61のRAMクリアなどの所定条件が満たされた場合は、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態に設定する。内部抽せんにより特別役が当せんした直後、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役持ち越し状態に設定する。その特別役が入賞した場合、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役実施状態(有利遊技状態)に設定する。
【0094】
また、
図5に示すように、遊技状態制御部616は、AT抽せんの結果に基づいて、第2遊技状態をAT状態に設定するか否か(すなわち、ATに当せんしたか否か)を判定する。有利区間の間にAT抽せんに当せんした場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態に設定する。逆に、AT抽せんに当せんしなかった場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を一般遊技状態に設定することができる。また、ATが終了した場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態から一般遊技状態に移行させる。すなわち、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を、一般遊技状態および有利遊技状態のいずれにするかを決定する。
【0095】
―演出制御部―
演出制御部630は、遊技進行に基づいて、複数種類の演出映像の中から選択された演出映像を液晶画面3またはタッチパネル30に表示させるとともに、その演出映像に応じた効果音やBGMなどをスピーカ102から出力させる。例えば、演出制御部630は、ATやボーナスが当せんした場合、その旨を液晶画面3またはタッチパネル30に表示させるための演出パターンを選択し、当該演出パターンに従って液晶画面3またはタッチパネル30の表示制御およびスピーカ102の音声出力制御を行う。
【0096】
演出制御部630は、AT中、逐次当せんする押し順役の正解押し順の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる(アシスト機能)。
【0097】
<設定示唆演出>
また、遊技中に、設定値を示唆する演出(以下、設定示唆演出ともいう)の報知条件が満たされた場合、演出制御部630は、当該演出の報知を、液晶画面3、タッチパネル30(情報入力部)およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる。この演出を、遊技者は、現在遊技中のスロットマシン1がどのような設定値なのかを、把握する材料の1つとすることができる。報知条件としては、通常区間か有利区間かを問わず一般遊技状態や有利遊技状態でのレア役当せん時、ボーナスゲームの終了時、AT終了時、などが挙げられる。
【0098】
設定示唆演出の報知条件は、鍵情報がタッチパネル30(情報入力部)に入力されたことを含む。この鍵情報の入力場面には、遊技者がスロットマシン1で遊技をしている場面であれば幅広く含まれる。従って、鍵情報の入力場面は、遊技区間が通常区間か有利区間かを問わず、一般遊技状態中または有利遊技状態中であれば、どのような場面であっても良い。本実施形態では、設定示唆演出を報知することが抽せんにより決定され、決定された設定示唆演出に対応する鍵情報が鍵報知演出により報知され、報知された鍵情報が情報入力部に入力されたことを設定示唆演出の報知条件としているが、これに限定されない。
【0099】
図7は、設定示唆演出テーブルを示す図である。設定示唆演出テーブルは、設定示唆演出に関するデータを有する。
図7に示すように、設定示唆演出は複数種類存在する。
図7では、5種類の設定示唆演出(A~E)があり、各々の設定示唆演出が示唆する内容は互いに異なっている。各々の設定示唆演出(A~E)は、その示唆内容に応じて定まる推測有利度が異なる。推測有利度は、遊技者にとって設定値の推測が有利となる度合を意味する。遊技者にとって設定値推測のし易さが異なるとも換言でき、推測有利度は推測容易度ともいえる。また、遊技者にとって設定値の絞りやすさが異なるとも換言でき、推測有利度は設定値の絞りやすさともいえる。
【0100】
具体的に、設定値は1~6のいずれかに設定され、設定値ごとに異なった出玉率が予め設定されている。設定値の番号が大きくなるにつれて、徐々に出玉率が高くなるように設定されている。従って、1が最も出玉率が小さく、6が最も出玉率が高い。
図7に示すように、設定示唆演出Aは、設定値が5または6のいずれかであることを示唆し、設定値の候補数が2個となる。設定示唆演出Bは、設定値が2または4のいずれかであることを示唆し、設定値の候補数が2個となる。設定示唆演出Cは、設定値が4,5または6のいずれかであることを示唆し、設定値の候補数が3個となる。設定示唆演出Dは、設定値が2,4または6のいずれかであることを示唆し、設定値の候補数が3個となる。設定示唆演出Eは、設定値が3以外、すなわち1,2,4,5または6のいずれかであることを示唆し、設定値の候補数が5個となる。推測有利度は、設定値の候補数が少ないほど、遊技者にとって設定値の推測が有利となるので(換言すれば、設定値1~6のうち現に設定されている設定値が何かを絞りやすくなるので)、高くなる。例えば、設定示唆演出Aと、設定示唆演出C~Eを比較した場合、設定示唆演出Aの設定値の候補数が最も小さいので、設定示唆演出Aは、設定示唆演出C~Eよりも推測有利度が高い。また、設定値の候補数が同じ場合、示唆する設定値の合計値が大きい方が、出玉的な恩恵を受けられる可能性の高い設定値が設定されているとの推測に役立つ場合がある。このような推測に対する利便性は、遊技を継続しようとするモチベーションに繋がるため、遊技者にとって有利と言える。例えば、設定示唆演出AとBは、共に設定値の候補数が2個であるが、設定示唆演出Aが示唆する設定値の合計値が11であり、設定示唆演出Bが示唆する設定値の合計値は6である。よって、設定示唆演出Aは、設定示唆演出Bよりも推測有利度が高い。
【0101】
すなわち、複数種の設定示唆演出は、示唆される設定値の候補数が異なる第1種設定示唆演出および第2種設定示唆演出を含む。第1種設定示唆演出が示唆する設定値の候補数は、第2種設定示唆演出が示唆する設定値の候補数よりも小さい。第2種設定示唆演出よりも第1種設定示唆演出が報知される方が遊技者にとって有利となる。
図7の例では、第1種設定示唆演出と第2種設定示唆演出の組み合わせは、{第1種:第2種}と表記するとして、{A,B:C,D,E}、{C,D:E}、等と列挙できる。
【0102】
また、複数種の設定示唆演出は、示唆される設定値の候補数が同じである第3種設定示唆演出および第4種設定示唆演出を含む。第3種設定示唆演出が示唆する設定値の合計値は、第4種設定示唆演出が示唆する設定値の合計値よりも大きい。第3種設定示唆演出が報知される方が、第4種設定示唆演出が報知されるよりも遊技者にとって有利となる。
図7の例では、第3種設定示唆演出と第4種設定示唆演出の組み合わせは、{第3種:第4種}と表記するとして、{A:B}、{C:D}、等と列挙できる。
【0103】
上記ルールの通り、
図7に示す5つの設定示唆演出A~Eの推測有利度は、演出Aが最も高く、演出Eが最も低い。設定された設定値自体の推測し易さおよび遊技者にとって有利な設定値であるか否かの推測し易さを「推測有利度」として総合的に鑑みた上で、各々の設定示唆演出A~Eの推測有利度を順にNo1、No2、No3、No4、No5と表記している。なお、
図7に示す設定示唆演出テーブルは、設定示唆演出の説明のために示した一例であり、設定示唆演出テーブルにおける「内容」および「推測有利度」をデータとして保持することは必須ではなく、省略可能である。
【0104】
<鍵報知演出>
鍵情報を報知する演出(以下、鍵報知演出ともいう)の報知条件が満たされた場合、演出制御部630は、鍵報知演出の報知を、液晶画面3、タッチパネル30およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる。鍵情報は、タッチパネル30(情報入力部)に入力可能である。鍵情報は、設定示唆演出の実行を解放するための情報であり、コンピュータである遊技機の利用の際に遊技機またはその他の機器に入力される符号(情報)である。鍵情報の具体例は、例えば、文字、数字および記号の少なくとも1つで構成される文字列パスワード、文字、数字、記号および図柄の少なくとも1つで構成される図形パスワード、合言葉などが挙げられる。
【0105】
情報入力部であるタッチパネル30は、情報を入力可能に構成されている。情報入力部に入力可能な情報は、鍵情報と、鍵情報ではない情報とが含まれる。鍵情報は、鍵報知演出で報知され且つ鍵報知演出テーブルにて鍵情報として記録されている情報(パスワード等)である。鍵情報ではない情報は、鍵報知演出テーブルにて鍵情報として記録されている情報以外の情報であり、例えば、遊技者が鍵情報の入力を試みたが、間違った場合には、入力された情報は鍵情報ではない情報である。
【0106】
図8は、鍵情報テーブルを示す図である。鍵情報テーブルは、鍵情報に関するデータを有する。
図8に示すように、鍵情報は複数種類存在する。
図8に示すように、5種類の鍵報知演出に関するデータが記憶されている。5種類の鍵報知演出(A~E)はそれぞれ、設定示唆演出(A~E)に対応している。鍵報知演出テーブルは、鍵報知演出の鍵情報、対応する設定示唆演出、鍵報知演出の有効性を示すデータを有する。各々の鍵報知演出の鍵情報は、鍵情報生成部630aによって生成され、鍵報知演出テーブルに記録され、管理される。鍵情報生成部630aは、
図2に示すように、演出制御部630に設けられているが、これは一例であり、限定されない。
図7の例では、鍵報知演出Aの鍵情報(パスワード)が「777」であり、鍵報知演出Bの鍵情報が「029」であることを示す。その他の鍵報知演出C~Eは、鍵情報生成部630aにより鍵情報が未だ生成されていない状態であることを示す。有効性は、その鍵情報を利用可能であるかを示す。本実施形態では、鍵報知演出が実行されて報知された鍵情報を「有効(報知済)」として処理し、報知されていない鍵情報または無効条件に該当する鍵情報を「無効」として処理している。なお、
図8に示す鍵報知演出テーブルは、説明のために示した一例であり、鍵報知演出テーブルにおける「対応示唆演出」は必須ではなく、省略可能である。
【0107】
図8に示す例では、各々の鍵報知演出(A~E)がいずれかの設定示唆演出に関連付けてある。それにより、
図7に示す複数の推測有利度それぞれに対応する鍵情報を、対応する鍵報知演出を用いて報知可能である。例えば、
図7に示す推測有利度が「No1」に対応する鍵情報は、
図8に示す鍵情報「777」である。
図7に示す推測有利度が「No2」に対応する鍵情報は、
図8に示す「029」である。すなわち、
図7および
図8に示す例では、鍵情報が設定示唆演出を介して推測有利度に関連付けられている。勿論、鍵情報と推測有利度の関連付け方法は、これに限定されない。
【0108】
本実施形態では、鍵報知演出の報知条件は、鍵報知演出に対応する設定示唆演出を報知することが抽せんにより決定されたことを含むが、これに限定されない。例えば、鍵報知演出の報知条件は、抽せんにより報知する鍵報知演出が決定されたことを含むとしてもよい。
【0109】
<スロットマシン1の動作処理の流れ>
図9を用いて、本実施形態にかかるスロットマシン1の動作処理の流れを説明する。
図9は、演出制御部630が実行する演出制御処理ルーチンの一部を示す。
図9のルーチンは、1遊技が開始される度に実行される。
【0110】
ステップST1において、演出制御部630は、遊技状態が有利遊技状態(AT状態)であるか否かを判定する。ステップST1において、有利遊技状態ではないと判定された場合(ステップST1:NO)、ステップST1の処理を再度実行する。ステップST1において、遊技状態が有利遊技状態であると判定された場合(ステップST1:YES)、次にステップST2において、演出制御部630は、設定示唆演出を抽せんする処理を実行する。ここで、
図7に示す5つのいずれかの設定示唆演出を報知するか、もしくは、いずれの設定示唆演出も報知しないかを決定する。次のステップST3において、演出制御部630は、ステップST2の処理で設定示唆演出に当せんしたか否かを判定する。
図10および
図7に示す例では、設定示唆演出Aに当せんしたとして説明する。ステップST2の処理で設定示唆演出に当せんしたと判定した場合(ステップST3:YES)、ステップST4において、鍵情報生成部630aは、当せんした設定示唆演出の実行を解放するための鍵情報を生成する。
図10および
図8の例では鍵報知演出Aの鍵情報は「777」である。次のステップST5において、演出制御部630は、生成した鍵情報を報知する鍵報知演出を報知する。
図10の例では、鍵情報が「777」であることを表す鍵報知演出Aが報知される。演出制御部630は、鍵報知演出を報知すると、次のステップST6の処理へ移行する。なお、ステップST3において、ステップST2の処理で設定示唆演出に当せんしていないと判定した場合(ステップST3:NO)、鍵情報の生成および鍵報知演出の報知がなされずに、ステップST6の処理に移行する。
【0111】
ステップST6において、演出制御部630は、鍵情報を入力させるか否かを抽せんする。次のステップST7において、演出制御部630は、鍵情報を入力させることに当せんしたか否かを判定する。鍵情報を入力することに当せんしていないと判定した場合(ステップST7:NO)、演出制御部630は、ステップST10の処理へ移行する。鍵情報を入力することに当せんしたと判定した場合(ステップST7:YES)、ステップST8において、演出制御部630は、鍵情報を入力させることを促す演出を表示させ、情報入力部への情報の入力を受け付ける。この入力を促す演出は所定時間の間報知され、その間は鍵情報の入力が受付可能となっている。
図10の例では、タッチパネル30に鍵情報の入力を促す演出を表示させ、タッチパネル30への情報の入力を受け付けている。ここでは、「パスワード(鍵情報)を入力してね」というメッセージと共に、鍵情報を構成する要素(文字、数字または記号)をタッチパネル30に表示して、情報の入力を受け付ける。
【0112】
次にステップST9において、演出制御部630は、タッチパネル30への情報の入力の有無および入力内容に応じた演出を設定する。具体的には、入力された情報が報知済の鍵情報(パスワード「777」)と一致する場合には、対応する設定示唆演出を設定する。
図10の例では、パスワード「777」に対応する設定示唆演出Aが設定される。入力された情報が報知済の鍵情報(パスワード「777」)と一致しない場合には、予め定められている設定示唆演出以外の演出(通常演出)を設定する。所定時間の間にタッチパネル30に入力がなされなかった場合には、入力されなかったことに起因する演出(入力無し演出)を設定する。入力無し演出としては、設定示唆を行わない通常の演出(基本演出)が挙げられる。
【0113】
次のステップST10において、演出制御部630は、このゲームで有利遊技状態が終了し、次のゲームから一般遊技状態に移行するか否かを判定する。このゲームで有利遊技状態が終了しないと判定された場合(ステップST10:NO)、演出制御部630は、ステップST1の処理へ戻る。このゲームで有利遊技状態が終了すると判定された場合(ステップST10:YES)、演出制御部630は、次のステップST11において、ステップST9で設定した演出を報知する。
図10の例では、タッチパネル30に入力された情報が鍵情報(パスワード「777」)と一致する場合には、鍵情報に対応する設定示唆演出Aが報知される。これにより、遊技者は設定値を推測可能となる。タッチパネル30に入力された情報が鍵情報(パスワード「777」)と一致しない場合には、設定示唆演出が報知されず、設定示唆演出以外の演出(通常演出)が報知される。タッチパネル30に入力がなされなかった場合には、「次は入力してね!」という入力しないことに起因する演出(入力無し演出)が報知される。
【0114】
以上をまとめると、本実施形態のように、スロットマシン1(遊技機)は、遊技者にとっての有利度を規定する複数の設定値のうち設定された設定値に基づいて、遊技進行を実行する遊技進行制御部614と、設定された設定値を示唆する設定示唆演出、および、設定示唆演出の実行を解放するための鍵情報を報知する鍵報知演出を実行可能に構成された演出制御部630と、遊技者が鍵情報を入力可能なタッチパネル30(情報入力部)と、を備え、演出制御部630は、鍵報知演出を報知し、タッチパネル30(情報入力部)へ鍵情報の入力がなされたことを契機として設定示唆演出を報知可能に構成されている、としてもよい。
【0115】
<発明の効果>
本実施形態によれば、鍵報知演出が実行され、遊技者が鍵情報を知る。遊技者が、鍵報知演出で知った鍵情報を情報入力部に入力するという介入操作を経ることで、設定示唆演出が報知される。よって、設定示唆演出が報知されるまでのフローに、遊技者による鍵情報の把握と、把握した鍵情報の入力という、2つの遊技者による自発的な介入が含まれることになる。遊技者による鍵情報の把握および鍵情報の入力が必要になるため、遊技者の遊技への興趣性を向上させることが可能となる。
【0116】
また、本実施形態のように、タッチパネル30(情報入力部)は、鍵情報の入力を遊技中に受け付ける、としてもよい。このように、鍵情報の入力を遊技中に受け付けることで、遊技の継続への意欲を高めることが可能となる。
【0117】
また、本実施形態のように、鍵情報を生成する鍵情報生成部630aを備える、としてもよい。これにより、鍵情報が生成され、異なる鍵情報が報知可能になるので、予め設定された固定の鍵情報を報知する場合に比べて、攻略されにくく、遊技者の遊技への興趣性の低下を回避可能となる。
【0118】
また、本実施形態のように、タッチパネル30(情報入力部)へ情報の入力がなされなかった場合、または、タッチパネル30(情報入力部)へ入力された情報が報知済の鍵情報と一致しない場合は、設定示唆演出を報知しない、としてもよい。
この構成によれば、鍵情報を正確に把握して、鍵情報を正確に入力する必要があるので、遊技者により、遊技者の遊技への興趣性を向上させることが可能となる。
【0119】
また、本実施形態のように、遊技者にとって設定値の推測が有利となる推測有利度が異なる複数種の設定示唆演出(A~E)が報知可能であり、鍵報知演出では、複数の推測有利度(No1~No5)それぞれに対応する鍵情報が報知可能に構成されており、タッチパネル30(情報入力部)に入力した鍵情報の推測有利度に応じた設定示唆演出が報知可能に構成されている、としてもよい。
このように、鍵情報が、遊技者にとって設定値の推測が有利となる推測有利度に対応している。入力された鍵情報の推測有利度に応じた設定示唆演出が報知可能であるので、より推測有利度が高い鍵情報を知りたいと遊技者に思わせることができ、遊技者の遊技への興趣性を向上させることが可能となる。
【0120】
また、本実施形態の
図10に示す例のように、遊技機は、スロットマシン1であり、一般遊技状態と、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である有利遊技状態と、を含む遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に設定する遊技状態制御部616を備え、鍵報知演出は、有利遊技状態で報知され、設定示唆演出は、有利遊技状態から一般遊技状態に移行することを契機として報知可能に構成されている、としてもよい。
この構成によれば、一般遊技状態に移行するとしても、設定示唆演出を見るために遊技を継続する意欲を遊技者に与えることができる可能性がある。特に、一般遊技状態に移行した直後の1番目の遊技または2番目以降の遊技で設定示唆演出が報知される、としてもよい。
【0121】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0122】
(1)前記実施形態において、設定示唆演出は複数種類存在するが、これに限定されず、1つの設定示唆演出のみが存在する、としてもよい。
また、前記実施形態において、鍵情報は複数種類存在するが、これに限定されず、1つの鍵情報のみが存在する、としてもよい。
また、前記実施形態において、鍵報知演出(鍵情報)は設定示唆演出に予め対応付けてあるが、これに限定されない。鍵報知演出(鍵情報)は設定示唆演出に予め対応付けられていなくてもよい。その代わりに、鍵報知演出(鍵情報)および設定示唆演出がそれぞれ推測有利度に関するデータを有しており、この推測有利度に関するデータが、鍵報知演出(鍵情報)と設定示唆演出との対応付けに用いられる、としてもよい。
【0123】
(2)前記実施形態の
図10に示す例では、タッチパネル30(情報入力部)への鍵情報の入力がなされたことを契機として有利遊技状態の最後の遊技(ゲーム)が終了した時点(遊技の結果が得られた時点)で、鍵情報に応じた設定示唆演出を報知しているが、設定示唆演出の報知のタイミングは任意のタイミングに変更可能である。例えば、鍵報知演出は、有利遊技状態から一般遊技状態に移行したときになされる出玉に関する表示演出とは別の演出(別画像又は別タイミング)として報知する、としてもよい。もちろん、鍵報知演出を、有利遊技状態から一般遊技状態に移行したときになされる出玉に関する表示演出と同時(同画面又は同タイミング)に報知してもよい。
【0124】
(3)前記実施形態では、情報入力部は、鍵情報の入力を遊技中に受け付けているが、これに限定されない。例えば、鍵情報の入力を、鍵報知演出が報知された遊技(ゲーム)と同じ遊技中に受け付けてもよい。また、鍵情報の入力を、鍵報知演出が報知された遊技(ゲーム)よりもあとの遊技中に受け付けてもよい。
【0125】
(4)前記実施形態の
図9に示す例では、設定示唆演出を報知することが決定され、対応する鍵報知演出を報知することが決定される度に鍵情報を生成しているが、鍵情報は任意のタイミングで生成可能である。また、例えば、一度生成された鍵情報が複数の遊技(ゲーム)において繰り返し報知され、遊技者が鍵情報を覚えやすいようにしてもよい。
【0126】
(5)前記実施形態において、鍵情報を生成しているが、鍵情報を生成せず、予め設定された1以上の鍵情報から任意の鍵情報を用いて鍵報知演出を報知してもよい。また、鍵情報を生成せずに、設定示唆演出と鍵情報(鍵報知演出)とが対になるように予め関連付けておいてもよい。
【0127】
(6)前記実施形態において、タッチパネル30(情報入力部)へ情報の入力がなされなかった場合、または、タッチパネル30(情報入力部)へ入力された情報が報知済の鍵情報と一致しない場合は、設定示唆演出を報知しない。しかし、これに限定されず、タッチパネル30(情報入力部)へ情報の入力がなされなかった場合、または、タッチパネル30(情報入力部)へ入力された情報が報知済の鍵情報と一致しない場合に、設定示唆演出を報知してもよい。
【0128】
(7)前記実施形態において、鍵情報が設定示唆演出を介して推測有利度に関連付けられているが、これに限定されない。例えば、
図11に示すように鍵報知演出テーブルを構成してもよい。
図11に示す例では、各々の鍵報知演出および各々の鍵情報それぞれに推測有利度が直接対応付けられている。これにより、鍵報知演出では、複数の推測有利度それぞれに対応する鍵情報が報知可能となる。この場合、鍵報知演出にて報知された鍵情報がタッチパネル30へ入力されると、その鍵情報が示す推測有利度と同じ有利度の設定示唆演出の中から、任意の設定示唆演出が報知対象として選択され、報知される。推測有利度が同じ複数の設定示唆演出が存在する場合、報知対象の決定方法としては、抽選による選択、予め決定した報知順番に準じた選択などが挙げられる。なお、予め決定した報知順番に従って設定示唆演出が選択される際には、推測有利度が同じ複数の設定示唆演出それぞれに順番が付与されており、同じ推測有利度の鍵情報が入力されるごとに、報知される対象となる設定示唆演出が、順番に即して選択されることが好ましい。また、抽選による選択の場合、前回当選(報知)した設定示唆演出以外の設定示唆演出が選択されることが好ましい。順番に即して選択されたり、前回報知された設定示唆演出以外の演出が選択されたりすることで、推測有利度が同じ鍵情報が前回と今回とで立て続けに入力されたとしても、同じ設定示唆演出が報知されることがないため、遊技者は飽きにくくなる。
【0129】
(8)前記実施形態において、一度の鍵報知演出で1つの鍵情報(パスワード)を報知しているが、これに限定されない。例えば、一度の鍵報知演出で複数の鍵情報を報知する、としてもよい。また、鍵情報の生成は、一度に複数の鍵情報を生成する、としてもよい。複数の鍵情報が有効状態で存在し且つ各々の鍵情報に直接的または間接的に設定示唆演出が対応していれば、一度に報知された複数の鍵情報のうち遊技者が入力した鍵情報に対応する設定示唆演出を報知することが可能となる。
また、一度の鍵報知演出で複数の鍵情報を報知する場合には、対応する推測有利度に応じて鍵情報の表示態様(大きさ、色および移動速度など)を異ならせてもよい。例えば、推測有利度が最も高い鍵情報(777)が小さく表示され、推測有利度が相対的に低い鍵情報(832)が大きく表示するなどが挙げられる。
【0130】
(9)前記実施形態において、鍵報知演出において報知される鍵情報は真正なもののみであるが、鍵情報に似ている偽情報を報知するようにしてもよい。この場合、真正な鍵情報が情報入力部に入力されれば設定示唆演出が報知されるが、偽情報が情報入力部に入力されても設定示唆演出が報知されない、としてもよい。偽情報は、鍵報知演出テーブルにおいて「鍵情報」として管理されていない情報である。
【0131】
(10)前記実施形態の
図9に示す例では、先に設定示唆演出を抽せんしているが、設定示唆演出の抽せんを、鍵情報の生成以降、または、鍵情報が情報入力部に入力された以降に実行してもよい。また、鍵情報を生成する構成の場合、鍵情報および鍵報知演出の少なくとも一方に設定示唆演出を対応付けるのであれば、設定示唆演出の抽せん処理または鍵情報の生成(鍵報知演出の決定)の一方を省略可能である。鍵情報を生成しない構成の場合、鍵報知演出に設定示唆演出を対応付けるのであれば、設定示唆演出の抽せん処理または鍵報知演出の抽せん処理の一方を省略可能である。また、設定示唆演出の抽せん処理、鍵情報の生成処理および鍵報知演出の抽せん処理の3処理をそれぞれ実行するようにしてもよい。
【0132】
(11)鍵情報(パスワード)は、意味をなさないものでもよいが、何らかの法則があるものでもよい。何らかの法則があるものとして、例えば、「777」などの同じ数字が連続するもの、「029(お肉)」などの語呂合わせなどが挙げられる。何らかの法則があると予めリストアップされている鍵情報は、リストアップされていない鍵情報(何らかの法則がない情報)よりも、推測有利度が相対的に高い設定示唆演出が報知されるようにしてもよい。
【0133】
(12)前記実施形態において、タッチパネル30(情報入力部)は、情報の入力を一回受け付け、受け付けた情報が報知済の鍵情報に一致する場合に、対応する設定示唆演出を報知可能にしているが、これに限定されず、例えば、次のようにしてもよい。すなわち、タッチパネル30(情報入力部)は、情報の入力を複数回受け付け、入力された情報の個数、入力された情報が報知済の鍵情報と一致する数、または、前記入力された情報の組み合わせ、の少なくとも1つに応じた設定示唆演出が報知可能に構成されている、としてもよい。
このように、情報の入力を複数回受け付け、入力された情報の個数、入力された情報が報知済の鍵情報と一致する数、または、入力された情報の組み合わせに応じた設定示唆演出が報知可能であるので、複数回情報を入力することで設定示唆演出の変化を得ることができ、遊技者の遊技への興趣性を向上させることが可能となる。
具体的には、鍵情報として「777」、「029」および「123」が報知されており、タッチパネル30の受付が3回なされたとする。この例の場合、次の<例1>~<例3>が挙げられる。
<例1> 鍵情報ではない情報が2回入力された場合の設定示唆演出と、鍵情報ではない情報が3回入力された場合の設定示唆演出と、を異ならせてもよい。
<例2> 情報が3回入力されたが報知済の鍵情報と一致する数が3の場合の設定示唆演出と、情報が3回入力されたが報知済の鍵情報と一致する数が1の場合の設定示唆演出と、を異ならせてもよい。
<例3> 正しい鍵情報「777」と「029」が入力された場合の設定示唆演出と、正しい鍵情報「029」と「123」が入力された場合の設定示唆演出と、を異ならせてもよい。
【0134】
(13)
図7に示すように、遊技者にとって設定値の推測が有利となる推測有利度が異なる複数種の設定示唆演出が報知可能であり、タッチパネル30(情報入力部)は、情報の入力を複数回受け付け、入力された情報が報知済の鍵情報と一致する数に応じた推測有利度の設定示唆演出を報知可能に構成されている、としてもよい。具体的には、鍵情報として「777」、「029」、「832」、「123」および「ab5」が報知されており、タッチパネル30の受付が5回なされたとする。5回の情報入力のうち報知済の鍵情報と一致した数が1であれば、推測有利度が「No5」の設定示唆演出Eが報知される。5回の情報入力のうち報知済の鍵情報と一致した数が5であれば、推測有利度が「No1」の設定示唆演出Aが報知される。報知済の鍵情報と一致する数が大きければ、高い推測有利度の設定示唆演出が報知される。
この構成によれば、報知済の正しい鍵情報と一致する数に応じた推測有利度の設定示唆演出が報知可能となる。推測有利度は、遊技者にとって設定値の推測が有利となる度合である。よって、より多くの鍵情報を正しく入力しようという動機づけを遊技者に与えることが可能な場合があり、遊技者の遊技への興趣性を向上させることが可能となる。
例えば、上記第1種設定示唆演出および第2種設定示唆演出を含む場合、入力された情報が報知済の鍵情報と一致する数に応じて第1種設定示唆演出および第2種設定示唆演出のいずれかが報知可能になる、としてもよい。また、入力された情報が報知済の鍵情報と一致する数が所定値に至る場合に、第1種設定示唆演出が報知可能となり、入力された情報が報知済の鍵情報と一致する数が前記所定値に至らない場合に、第2種設定示唆演出が報知可能になる、としてもよい。この構成によれば、複数の鍵情報を正しく入力した数が増えるほど、遊技者にとって好ましい推測有利度が高い設定示唆演出が報知される可能性が増大するので、遊技者の遊技への興趣性を向上させることが可能となる。
例えば、上記第3種設定示唆演出および第4種設定示唆演出を含む場合、入力された情報が報知済の鍵情報と一致する数に応じて第3種設定示唆演出および第4種設定示唆演出のいずれかが報知可能になる、としてもよい。また、入力された情報が報知済の鍵情報と一致する数が所定値に至る場合に、第3種設定示唆演出が報知可能となり、入力された情報が報知済の鍵情報と一致する数が前記所定値に至らない場合に、第4種設定示唆演出が報知可能になる、としてもよい。この構成によれば、複数の鍵情報を正しく入力した数が増えるほど、遊技者にとって好ましい推測有利度が高い設定示唆演出が報知される可能性が増大するので、遊技者の遊技への興趣性を向上させることが可能となる。
【0135】
(14)遊技機は、スロットマシン1であり、指示機能にかかる処理を行うことができる有利区間と、前記指示機能にかかる処理を行うことができない通常区間と、を含む遊技区間のうちのいずれかの遊技区間に設定する区間制御部615を備え、報知された鍵情報は有利区間において有効であり、有利区間が終了すると無効になる、としてもよい。
この構成によれば、一度報知された鍵情報は有利区間で有効となり、有利区間が終了すると無効になるので、過去の古い鍵情報が使いまわされることを避けることができ、遊技者の遊技への興趣性を向上させることが可能となる。有効および無効とは、鍵情報が設定示唆演出を報知可能にする状態であるか、鍵情報が設定示唆演出を報知可能にできない状態であるかを意味する。例えば、有効な鍵情報が入力されることを契機として設定示唆演出が報知可能となり、無効な鍵情報が入力されても設定示唆演出が報知可能にならない。
【0136】
(15)鍵情報の有効期限については、種々設定および変更が可能である。例えば、有利区間で鍵情報が報知される場合に鍵情報が報知された有利区間において有効としてもよいし、通常区間で鍵情報が報知された場合に報知されたあとの1つ目の有利区間内において有効としてもよい。
例えば、設定示唆演出の報知が決定されたときに鍵情報を生成する場合、その鍵情報の有効期間は、対応する設定示唆演出が報知されるまでである、としてもよい。
例えば、鍵情報の有効期限は、その鍵情報が報知されたあと、有利区間から通常区間に移行するまでとしてもよい。一例として、通常区間から有利区間へ移行したときに鍵情報を生成して鍵報知演出を報知し、その鍵情報の有効期間は、有利区間が終了するまでとしてもよい。すなわち、有利区間から通常区間に移行したあとにこの鍵情報は無効となる。
【0137】
(16)遊技機は、スロットマシン1であり、指示機能にかかる処理を行うことができる有利区間と、前記指示機能にかかる処理を行うことができない通常区間と、を含む遊技区間のうちのいずれかの遊技区間に設定する区間制御部615を備え、有利区間から通常区間に移行したことを契機として、タッチパネル30(情報入力部)への鍵情報の入力を促す演出が報知可能に構成されている、としてもよい。
この構成によれば、有利区間が終わってしまうまたは終わってしまったことの喪失感を緩和可能となる。「有利区間から通常区間に移行したことを契機として」の例として、例えば、通常区間に移行した遊技(ゲーム)において鍵情報の入力を促す演出が報知されること、または、通常区間に移行した遊技の次の以降の遊技(好ましくは次の遊技)において鍵情報の入力を促す演出が報知されることが挙げられる。
有利区間から通常区間に移行したときに鍵情報の入力を促す演出が報知され、鍵情報が情報入力部に入力されたあとに設定示唆演出を報知可能にしてもよい。例えば、通常区間で鍵情報が入力され、その後、通常区間から有利区間に再び移行した以降に、レア役等の特定役に当せんしたタイミングで設定示唆演出を報知してもよい。また、通常区間で鍵情報が入力され、その後、通常区間から有利区間に再び移行したタイミングで設定示唆演出を報知してもよい。
【0138】
(17)有利区間から通常区間に移行することを契機として鍵報知演出を報知する、としてもよい。この構成によれば、有利区間が終わってしまうまたは終わってしまったことの喪失感を緩和可能となる。「有利区間から通常区間に移行したことを契機として」の例として、例えば、通常区間に移行した遊技(ゲーム)において鍵報知演出が報知されること、または、通常区間に移行した遊技の次の以降の遊技(好ましくは次の遊技)において鍵報知演出が報知されることが挙げられる。
【0139】
(18)有利遊技状態(例えばAT状態)が開始することを契機として(一例、開始するときに)鍵報知演出を報知し、有利遊技状態が終了することを契機として(一例、終了するときに)鍵情報の入力を受け付ける、としてもよい。この構成によれば、有利区間が終わってしまうまたは終わってしまったことの喪失感を緩和可能となる。
【0140】
(19)前記実施形態では、1つの遊技機で1つのシステムを構成しているが、
図12に示す例のように、遊技システム1000を構成してもよい。
図12に示す遊技システム1000は、遊技機1と、遊技機1と通信可能な装置500とを有する。装置500は、双方向または一方向に遊技機1と通信可能であればよい。装置500は、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの情報処理装置が挙げられる。装置500が遊技機1と双方向に通信可能である場合、
図12に示すように装置500と遊技機1はネットワークNWを介して双方向に通信する。装置500は、報知部および情報入力部としてのタッチパネル501を有する。
図12に示すように、設定示唆演出は、遊技機1または装置500の少なくともいずれかが報知可能としてもよい。鍵報知演出は、遊技機1または装置500の少なくともいずれかが報知可能としてもよい。情報入力部(タッチパネル30,タッチパネル501)は、遊技機1または装置500の少なくともいずれかに設けられている、としてもよい。
この構成によれば、遊技機1だけでなく、遊技機1と通信可能な装置500を含めて、遊技者の遊技への興趣性を向上させることが可能となる。
一方、
図12に示す例とは異なる例であるが、装置500が遊技機1と一方向に通信可能であってもよい。一方向に通信可能は、例えば、装置500から遊技機1に向かってデータを届けることが可能であるが、遊技機1から装置500に向けてデータを届けることができない構成が挙げられる。また、遊技機1から装置500へ向けてデータを届けることが可能であるが、装置500から遊技機1へデータを届けることができない構成が挙げられる。ここで、通信とは、有線を用いた通信や、無線による通信でもよいが、例えば、QRコード(登録商標)やURL等の符号または画像を介したデータのやり取りも含む。
より具体的な一例として、遊技機1から装置500へQRコード(登録商標)等の符号または画像を用いたデータのやり取りのみが許容されている構成において、遊技機1が鍵情報報知演出を報知可能であり、鍵報知演出には、QRコードまたはパスワードが鍵情報として表示され、報知された鍵情報を情報入力部としての装置500に入力すること(例えば、QRコードはカメラで撮影し、パスワードは入力)で、装置500が鍵情報に対応する設定示唆演出を報知可能にしてもよい。
【0141】
(20)鍵報知演出の報知タイミングは、有利遊技状態の遊技延長を報知する演出(例えば、AT上乗せやAT延長を示す画面)と同じタイミングでもよいが、別タイミングでもよい。また、鍵報知演出および設定示唆演出の報知タイミングの少なくとも1つは、CZ中であってもよい。
【0142】
(21)鍵報知演出は、一般遊技状態やCZ時において遊技したゲーム数が所定回数に至った場合、または、ポイント等の遊技媒体が所定値に至った場合に報知されてもよい。
【0143】
(22)設定示唆演出は、一般遊技状態やCZ時において遊技したゲーム数が所定回数に至った場合、または、ポイント等の遊技媒体が所定値に至った場合に報知されてもよい。
【0144】
(23)前記実施形態では、遊技に関する演出を報知する液晶画面3と、情報入力部であるタッチパネル30とが別々であるが、遊技に関する演出を報知する報知部と情報入力部が共に同じでもよい。情報入力部は、タッチパネルに限定されない。例えば、マイクを設定して音声入力でもよい。また、カメラを介した情報入力でもよい。
【0145】
前記実施形態では、RT状態の遷移の説明を省略した。AT機では、所定役が当せんしたが入賞していない状態の下でATでの遊技が行われるものであり、その状態の下では、RT状態が遷移しないためである。しかし、所定役が持ち越されていない状態の下では、RT状態は遷移することができることは、言うまでもない。
【0146】
前記実施形態では、ベットスイッチ42が設けられている場合を例示したが、ベットスイッチ42はなくてもよい。
【0147】
前記実施形態の一般遊技状態には、CZが含まれてもよい。また、前記実施形態では、有利遊技状態として、ATやボーナスを例示したが、有利遊技状態には、ARTが含まれてもよい。CZとは、ATへの突入確率やリプレイ確率がCZでない場合よりも高い遊技状態である。ARTは、リプレイ確率が一般遊技状態時よりも高く、かつ、押し順役の正解押し順を報知する遊技状態である。そして、設定値に応じて、AT、CZおよびARTの少なくとも1つへの突入確率が変化してもよい。設定値に応じて、AT、CZおよびARTの性能が変化してもよい。
【0148】
スロットマシン1の機種の仕様によっては、有利区間が最大1500ゲームに至る前や、遊技者の出玉の獲得枚数が2400枚に至るよりも前に、ATなどである有利遊技状態や有利区間が任意のタイミングにて終了することがあってもよい。
【0149】
設定値を示唆する演出には、画像によるものの他、回転リール20の回転を停止した際に、リール窓200を介して視認できる図柄が特殊な図柄となることなどが、更に含まれてもよい。
【0150】
前記実施形態では、遊技機がATタイプのスロットマシンである場合を例示した。しかし、遊技機は、ARTタイプのスロットマシン、ボーナスのみを搭載したノーマルタイプのスロットマシン、有利区間および通常区間を有さないタイプのスロットマシンなど、AT機以外であっても実現できる。また、遊技機は、スロットマシンに限定されることはなく、パチンコであっても実現可能である。
【0151】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0152】
30…タッチパネル(情報入力部、報知部)
614…遊技進行制御部
630…演出制御部