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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】ドア構造及び枠部材
(51)【国際特許分類】
   F21V 33/00 20060101AFI20220803BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220803BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20220803BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20220803BHJP
   E06B 1/04 20060101ALI20220803BHJP
   F21Y 105/16 20160101ALN20220803BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220803BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20220803BHJP
【FI】
F21V33/00 200
H05B33/14 A
F21V3/00 320
E06B7/28 C
E06B1/04 A
F21Y105:16
F21Y115:15
F21Y115:20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018092739
(22)【出願日】2018-05-14
(65)【公開番号】P2019200838
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391028694
【氏名又は名称】株式会社ハウテック
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】長濱 寿一
(72)【発明者】
【氏名】大野 範之
(72)【発明者】
【氏名】野田 康一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 浩一
(72)【発明者】
【氏名】足立 奈穂
(72)【発明者】
【氏名】興津 美那
(72)【発明者】
【氏名】中川 正之
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋一
(72)【発明者】
【氏名】松田 国治
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-074562(JP,A)
【文献】特開2009-209531(JP,A)
【文献】特開2019-100034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
H01L 51/50
F21V 3/00
E06B 7/28
E06B 1/04
F21Y 105/16
F21Y 115/15
F21Y 115/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側空間と外側空間に区切るドア構造であって、
枠部材と、ドア本体を有し、
前記枠部材は、前記内側空間と前記外側空間を連通させる開口部を備えており、
前記ドア本体は、前記開口部の一部又は全部を開閉する板状体であり、
前記ドア本体は、前記枠部材に対して相対的に移動し、端面が前記枠部材と近接又は接触した閉状態となるものであり、
前記ドア本体は、開閉操作する操作部を有し、
前記枠部材は、前記ドア本体を閉状態にしたときに、前記ドア本体の前記端面と平行となる平行面を有し、
前記平行面は、点灯時に前記ドア本体側に光を放射する光放射領域を含んでおり、
前記枠部材は、枠構成部と、面発光部と、化粧部材を有し、
前記面発光部は、点灯時に発光する発光領域を有するものであって、前記枠構成部に対して固定されるものであり、
前記化粧部材は、前記面発光部の発光領域を覆うものであって、前記光放射領域を構成するものであり、
前記化粧部材は、前記枠構成部及び前記面発光部に跨って設けられており、
前記面発光部は、点灯時に前記化粧部材を透過して前記ドア本体側に光を照射するものであり、
前記枠部材は、前記閉状態において前記操作部の近傍となる位置に前記光放射領域があって、点灯時に前記光放射領域から前記操作部側を照らすことを特徴とするドア構造。
【請求項2】
前記化粧部材は、光散乱性を有することを特徴とする請求項に記載のドア構造。
【請求項3】
前記光放射領域は、前記内側空間から前記外側空間に跨っていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドア構造。
【請求項4】
記操作部は、前記ドア本体の主面であって前記ドア本体の前記端面の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のドア構造。
【請求項5】
前記光放射領域は、有機ELパネルを光源とすることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のドア構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を区切るドア構造及び枠部材に関する。特に本発明は、有機ELパネルや、無機ELパネル、LEDを面状に敷き詰めたLEDパネル等の面発光パネルを備えたドア構造及び枠部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から建屋の寝室は、ドアで仕切られていることが多く、使用者はドアを開閉して寝室に出入りする(例えば、特許文献1)。夜間の寝室では、天井に設けられた照明装置で寝室全体を明るくし、寝室から出る際には、ドアを目視してドアの開閉を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-226953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の使用者が睡眠する寝室では、照明装置を消灯し、睡眠することが多い。深夜にトイレ等の目的で寝室から出る際には、寝室の照明装置を点灯させると、寝室全体が明るくなり、他の使用者の睡眠を妨げてしまう。そのため、寝室の照明を消灯したままドアを開け、寝室を出てトイレ等の他の部屋に移動することがある。このような場合、使用者は、暗がりに眼が慣れるまでドアの位置やドアハンドルの位置が目視で確認できず、使用者によっては闇雲に歩き、転倒等の危険があった。
【0005】
そこで、本発明は、夜間において部屋のドア本体の位置を認識できるドア構造及び枠部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、内側空間と外側空間に区切るドア構造であって、枠部材と、ドア本体を有し、前記枠部材は、前記内側空間と前記外側空間を連通させる開口部を備えており、前記ドア本体は、前記開口部の一部又は全部を開閉する板状体であり、前記ドア本体は、前記枠部材に対して相対的に移動し、端面が前記枠部材と近接又は接触した閉状態となるものであり、前記ドア本体は、開閉操作する操作部を有し、前記枠部材は、前記ドア本体を閉状態にしたときに、前記ドア本体の前記端面と平行となる平行面を有し、前記平行面は、点灯時に前記ドア本体側に光を放射する光放射領域を含んでおり、前記枠部材は、枠構成部と、面発光部と、化粧部材を有し、前記面発光部は、点灯時に発光する発光領域を有するものであって、前記枠構成部に対して固定されるものであり、前記化粧部材は、前記面発光部の発光領域を覆うものであって、前記光放射領域を構成するものであり、前記化粧部材は、前記枠構成部及び前記面発光部に跨って設けられており、前記面発光部は、点灯時に前記化粧部材を透過して前記ドア本体側に光を照射するものであり、前記枠部材は、前記閉状態において前記操作部の近傍となる位置に前記光放射領域があって、点灯時に前記光放射領域から前記操作部側を照らすことを特徴とするドア構造である。
すなわち、本発明は、内側空間と外側空間に区切るドア構造であって、枠部材と、ドア本体を有し、前記枠部材は、前記内側空間と前記外側空間を連通させる開口部を備えており、前記ドア本体は、前記開口部の一部又は全部を開閉する板状体であり、前記ドア本体は、前記枠部材に対して相対的に移動し、端面が前記枠部材と近接又は接触した閉状態となるものであり、前記枠部材は、前記ドア本体を閉状態にしたときに、前記ドア本体の前記端面と平行となる平行面を有し、前記平行面は、点灯時に前記ドア本体側に光を放射する光放射領域を含んでいることに関連する。
【0007】
本発明の構成によれば、ドア本体の端面と平行となる平行面が点灯時にドア本体側に光を放射する光放射領域を備えているため、夜間に点灯させても主にドア本体が光って明るくなりすぎない。そのため、例えば、夜間において常に面発光部を点灯させることによって常夜灯として機能でき、使用者は、天井等に設けられた他の照明装置を点灯せずともドア本体の位置を認識できる。
【0008】
請求項に記載の発明は、前記枠部材は、枠構成部と、面発光部と、化粧部材を有し、前記面発光部は、点灯時に発光する発光領域を有するものであって、前記枠構成部に対して固定されるものであり、前記化粧部材は、前記面発光部の発光領域を覆うものであって、前記光放射領域を構成するものであり、前記面発光部は、点灯時に前記化粧部材を透過して前記ドア本体側に光を照射することに関連する。
【0009】
本発明の構成によれば、化粧部材が閉状態においてドア本体の端面と平行となる平行面を構成しており、面発光部は、化粧部材を透過してドア本体側に光を照射する。そのため、消灯時には、面発光パネルが化粧部材に隠され、化粧部材が露出するので、外観が優れている。
【0010】
請求項に記載の発明は、前記化粧部材は、光散乱性を有することを特徴とする請求項1に記載のドア構造である。
すなわち、本発明は、前記化粧部材は、光散乱性を有するものであって、前記枠構成部及び前記面発光部に跨って設けられていることに関連する。
【0011】
本発明の構成によれば、光散乱性を有する化粧部材が枠構成部と面発光部に跨って設けられているため、消灯時に面発光部と枠構成部の境界部分を不鮮明にすることができる。
【0012】
請求項に記載の発明は、前記光放射領域は、前記内側空間から前記外側空間に跨っていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドア構造である。
【0013】
本発明の構成によれば、内側空間及び外側空間の双方で光放射領域からドア本体に光を放射することが可能となり、例えば、内側空間と外側空間の両方でドア本体を照らす常夜灯として機能させることができる。
【0014】
請求項に記載の発明は、前記操作部は、前記ドア本体の主面であって前記ドア本体の前記端面の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のドア構造である。
すなわち、本発明は、前記ドア本体は、開閉操作する操作部を有し、前記操作部は、前記ドア本体の主面であって前記ドア本体の前記端面の近傍に設けられていることに関連する。
【0015】
本発明の構成によれば、閉状態において枠部材と近接又は接触するドア本体の端面の近傍の操作部が設けられているため、点灯時に操作部を照らすことができ、操作部の位置を確認しやすい。
【0016】
請求項に記載の発明は、前記光放射領域は、有機ELパネルを光源とすることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のドア構造である。
【0017】
本発明の構成によれば、軽くて、局所的に高温になりにくい有機ELパネル光源として使用しているため、より安全性が高い。
【0018】
上記した発明は、ドア本体を取り付けて内側空間と外側空間に区切る枠部材であって、前記内側空間と前記外側空間を連通させる開口部を備えており、前記ドア本体は、前記開口部の一部又は全部を開閉する板状体であり、前記ドア本体は、前記枠部材に対して相対的に移動し、端面が前記枠部材と近接又は接触した閉状態となるものであり、前記ドア本体を閉状態にしたときに、前記ドア本体の前記端面と平行となる平行面を有し、前記平行面は、点灯時に前記ドア本体側に光を放射する光放射領域を含んでいる枠部材に関連する。
【0019】
の構成によれば、例えば、夜間において常に面発光部を点灯させることで常夜灯として機能でき、使用者は、天井等に設けられた他の照明装置を点灯せずともドアの位置を認識できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のドア構造及び枠部材によれば、夜間において部屋のドア本体の位置を認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態におけるドア構造を模式的に示した斜視図であり、閉状態を表している。
図2図1のドア構造の斜視図であり、開状態を表している。
図3図1のドア構造の分解斜視図である。
図4図1のドア構造を図3とは別の方向からみた分解斜視図である。
図5図1のドア構造の要部の断面斜視図である。
図6図5のドア構造の要部の分解斜視図である。
図7図5のドア構造の要部の断面図である。
図8図5のドア構造の説明図であり、(a)は点灯時の状態を示す斜視図であり、(b)は消灯時の状態を示す斜視図である。
図9】本発明の第2実施形態におけるドア構造を模式的に示した斜視図であり、閉状態を表している。
図10図9のドア構造の斜視図であり、開状態を表している。
図11図10のドア構造を図10とは別の方向からみた斜視図である。
図12図9のドア構造の分解斜視図である。
図13図9のドア構造を図12とは別の方向からみた斜視図である。
図14図9のドア構造の要部の断面斜視図である。
図15図14のドア構造の要部の分解斜視図である。
図16図9のドア構造の要部の断面図である。
図17】本発明の他の実施形態のドア構造の要部の断面斜視図である。
図18】本発明の他の実施形態のドア構造の要部の断面斜視図である。
図19】本発明の他の実施形態のドア構造の要部の断面図であり、(a)は第1実施形態の化粧部材の変形例を表し、(b)は第2実施形態の化粧部材の変形例を表す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0023】
本発明の第1実施形態のドア構造1は、図1のように、部屋を区切る壁面100の開口部101に取り付けられるものである。
本実施形態のドア構造1は、図1図2のように、開き戸であり、ドア本体2がヒンジ部3(図3参照)を介して枠部材5に取り付けられ、枠部材5に対してドア本体2が回動することで枠部材5のドア開口部6を開閉するものである。すなわち、ドア構造1は、図1に示されるドア開口部6をドア本体2で閉鎖した閉状態と、図2に示されるドア開口部6を開放した開状態とに変更可能となっている。そしてドア構造1は、図1のように、閉状態とすることで、空間をドア本体2で室内空間7(内側空間)と室外空間8(外側空間)に区切り、開状態とすることで室内空間7と室外空間8を連通させることが可能となっている。
【0024】
ドア本体2は、図3のように、枠部材5のドア開口部6の一部又は全部を開閉する板状の移動開閉体であり、内面部20と、外面部21と、側面部22,23と、天面部24と、底面部25で構成された開閉部材である。
【0025】
内面部20は、ドア本体2の一方の主面をなし、閉状態において室内空間7側に露出する面である。内面部20は、図3のように天面部24と側面部23とでなす角部近傍にマグネット部26を備えている。
外面部21は、ドア本体2の他方の主面をなし、閉状態において室外空間8側に露出する面である。
【0026】
側面部22,23は、共に縦方向Y(天地方向)に延びる端面であって横方向端面である。一方の側面部22は、ヒンジ部3を介して回動可能に枠部材5に固定されて固定端となる端面であり、他方の側面部23は、側面部22とは反対側の端面であって、開状態において自由端となる端面である。
側面部23には、図3図4のように、ラッチ錠30が設けられており、ラッチ錠30を介してドア本体2の厚み方向に対向する一対のハンドル31,32が取り付けられている。
【0027】
ハンドル31,32は、ドア本体2を開閉する際に使用者が把持し、開閉操作する操作部であり、ハンドル31,32を回すことで側面部23からラッチ錠30のラッチボルトが連動して出没可能となっている。
ハンドル31,32は、ドア本体2の内面部20及び外面部21に設けられており、ドア本体2の自由端となる側面部23の近傍に位置している。
【0028】
天面部24は、横方向Xに延びる縦方向端面であって、ドア本体2の天面を構成する面である。
底面部25は、天面部24と反対側の横方向Xに延びる縦方向端面であって、ドア本体2の底面を構成する面である。
【0029】
ヒンジ部3は、枠部材5とドア本体2を相対的に回動可能に連結する連結部材である。
【0030】
枠部材5は、壁面100の開口部101に沿って取り付けられ、ドア本体2を取り囲むドア枠である。
枠部材5は、図3のように、四角環状の枠体であり、側面側枠部40,41と、天面側枠部42と、底面側枠部43を備えており、これらの枠部40~43に囲繞されてドア開口部6が形成されている。
【0031】
側面側枠部40は、縦方向Y(天地方向)に延びる縦枠部であり、ヒンジ部3を介してドア本体2が固定される固定枠部である。
側面側枠部41は、図3のように、側面側枠部40とドア開口部6を挟んで対向し、縦方向Yに延びる縦枠部である。側面側枠部41は、図5図6のように、枠構成部44と、面発光部48と、化粧部材49を備えている。
枠構成部44は、図6のように、室外空間8側から室内空間7側に向けて順に、第1壁部45と、第2壁部46と、第3壁部47で構成されている。
第1壁部45は、閉状態においてドア本体2の側面部23と対面する壁部であり、外側面52と、対向面53を備えている。
外側面52は、閉状態において室外空間8側を向いた面である。
対向面53は、閉状態においてドア本体2の側面部23と対向し、ドア本体2の側面部23と平行となる平行面であり、ラッチ受部59が設けられている。
ラッチ受部59は、閉状態においてラッチ錠30のラッチボルトと係合する係合穴である。
【0032】
第2壁部46は、ドア本体2と係合することでドア本体2の室内空間7側への移動を規制する規制壁部であり、第1壁部45の対向面53に対して横方向Xに突出し、縦方向Yの延びた凸条部である。
第2壁部46は、図6のように、平行面54と、係止面55と、内側面56を備えている。
平行面54は、閉状態のときにドア本体2の側面部23と平行となる面である。
係止面55は、ドア本体2と係合しドア本体2を係止する壁面であって、第1壁部45の対向面53から平行面54に向かって立ち上がった壁面である。すなわち、係止面55は、第2壁部46の室外空間8側の側面である。
内側面56は、係止面55とは反対側の面の側面であり、第3壁部47の平行面57から平行面54に向かって立ち上がった壁面である。すなわち、内側面56は、第2壁部46の室内空間7側の側面であり、室内空間7側を向いた面である。
【0033】
第3壁部47は、図6のように、第2壁部46から室内空間7側に延びた壁部であり、平行面57と、内側面58を備えている。
平行面57は、閉状態のときにドア本体2の側面部23と平行となる面であり、格納穴50が設けられている。
格納穴50は、面発光部48と嵌合して固定する嵌合穴であり、壁面100に向かって深さをもった有底穴である。
内側面58は、閉状態において室内空間7側を向いた面である。
【0034】
面発光部48は、室内空間7及び/又は室外空間8に設けられた図示しないスイッチによって消点灯の切り替えが可能な部位であり、光源として機能する面発光パネル61を備えている。
面発光パネル61は、面状光を放射可能な板状パネルであり、一方の主面が点灯時に発光する発光領域を含む発光面71を構成する発光パネルである。本実施形態の面発光パネル61は、有機ELパネルであり、発光領域から拡散光を照射可能となっている。
【0035】
化粧部材49は、側面側枠部41の外郭を形成し、透光性を有したシート状の透光性部材である。本実施形態の化粧部材49は、光散乱性を有した光散乱シートであり、光を散乱しながら光を透過することが可能となっている。
化粧部材49は、他の枠部40,42,43と同様の模様が施されていることが好ましい。
【0036】
側面側枠部41は、点灯時に面発光パネル61の発光領域に対応する位置に光放射領域51を備えている。
光放射領域51は、面発光パネル61の発光領域に対応し、発光領域を光源とする領域であり、発光領域から化粧部材49を透過して化粧部材49の表面に形成される領域である。
【0037】
天面側枠部42は、図3のように、側面側枠部40の上端部と、側面側枠部41の上端部を接続する接続枠部であり、スイッチ部80を備えている。
スイッチ部80は、ドア本体2のマグネット部26とともにマグネットセンサーを構成する部位であり、マグネット部26が近接・離反することによってドア本体2の開閉状態を検知する部位である。すなわち、スイッチ部80は、ドア本体2が閉められ、マグネット部26が近接して磁力を受けるとドア構造1が閉状態であることを検出する。一方、スイッチ部80は、ドア本体2が開けられ、マグネット部26が離反して磁力を受けなくなると、ドア構造1が開状態であることを検出する。
スイッチ部80は、面発光パネル61と電気的に接続されており、開閉状態に連動して面発光パネル61の消灯及び点灯を切り替え可能となっている。
スイッチ部80は、消点灯動作として、開状態を検知したときに点灯し、閉状態を検知したときに消灯してもよい。また、スイッチ部80は、消点灯動作として、閉状態を検知したときに点灯し、開状態を検知したときに消灯してもよい。スイッチ部80は、室内空間7及び/又は室外空間8に設けられた図示しないスイッチによって、これらの開状態を検知したときの消点灯動作と、閉状態を検知したときの消点灯動作を選択できることが好ましい。
【0038】
底面側枠部43は、図3のように、側面側枠部40の下端部と、側面側枠部41の下端部を接続する接続枠部である。
【0039】
壁面100の開口部101は、図1から読み取れるように、開口形状が四角形状の貫通孔であり、内壁が縦方向に延びる縦内壁部と、横方向に延び、縦内壁部の端部間を繋ぐ横内壁部で構成されている。
【0040】
続いて、第1実施形態のドア構造1の各部材の位置関係について説明する。
【0041】
まず、閉状態の各部材の位置関係について説明する。
ドア構造1は、図1のように、壁面100の開口部101に枠部材5が図示しない締結要素によって固定されている。
ドア本体2の側面部22は、図1図3から読み取れるように、枠部材5の側面側枠部40と対向しており、その間にヒンジ部3が介在して側面側枠部40に固定されている。
ドア本体2の側面部23は、枠部材5の側面側枠部41の第1壁部45と対向しており、ラッチ錠30のラッチボルトは、第1壁部45に設けられたラッチ受部59と係合している。
ドア本体2の内面部20は、図7のように、側面側枠部41の第2壁部46に接触又は近接しており、ドア本体2は、第2壁部46によって第2壁部46よりも室内空間7側への移動が規制されている。
ドア本体2のマグネット部26は、天面側枠部42に設けられたスイッチ部80に近接又は接触し、磁力によって閉状態を検知している。
【0042】
面発光部48は、図7のように、側面側枠部41の第3壁部47の格納穴50と嵌合し、枠構成部44と実質的に面一となっている。
ここでいう「実質的に面一」とは、指等が入らない程度の面一であり、例えば段差が1mm以下のものをいう。
【0043】
化粧部材49は、面発光部48の発光領域を覆っている。本実施形態の化粧部材49は、枠構成部44及び面発光部48に跨っている。すなわち、化粧部材49は、面発光部48だけではなく、各壁部45~47に跨っている。
【0044】
続いて、第1実施形態のドア構造1を閉状態から開状態に変更する際の各部材の位置関係について説明する。
【0045】
使用者がハンドル31,32を開操作して、ラッチ錠30のラッチボルトとラッチ受部59の係合を解除し、ヒンジ部3によりドア本体2を枠部材5の側面側枠部40に対して回動させて図2のように開状態とすると、側面部23は自由端となり、側面側枠部41から離反してドア開口部6が開放される。
このとき、枠部材5のスイッチ部80からドア本体2のマグネット部26が離反し、スイッチ部80がマグネット部26からの磁力を検知できなくなると、開状態を検知する。
【0046】
本実施形態のドア構造1によれば、閉状態においてドア本体2の側面部23に近接する近接面たる第3壁部47に光放射領域51が設けられており、閉状態において、第3壁部47が自由端たる側面部23を通る面と平行となって近接し、側面部23に向かう方向に光を放射する。そのため、例えば、夜間に面発光部48を常時点灯させることによって、柔らかく広がりをもち、ドア本体2の内面部20に沿って広範囲を照らす、安心感ある常夜灯として機能できる。
【0047】
本実施形態のドア構造1によれば、面発光部48と枠構成部44が化粧部材49に覆われており、面発光部48と枠構成部44の境界部分間で実質的に段差がない。そのため、面発光部48と側面部23の間に埃が溜まりにくく、使用者にすっきりとした印象を与えることができる。
【0048】
本実施形態のドア構造1によれば、マグネット部26及びスイッチ部80で構成されドア本体2の開閉を検知するマグネットセンサーを備えており、ドア本体2の開閉に伴って面発光部48の点灯及び消灯を制御できる。そのため、例えば、ドア本体2が開状態となるときに点灯状態とし、閉状態となるときに消灯状態とすることで電気使用量を低減できる。また、例えば、ドア本体2が開状態となるときに消灯状態とし、閉状態となるときに点灯状態とすることによって、閉状態では常時ドア本体2が照らされているので、常夜灯として機能できる。
【0049】
本実施形態のドア構造1によれば、面発光部48の光源であり光放射領域51に対応する面発光パネル61として、有機ELパネルを使用しているので、重量が軽く、面状に光るため局所的に発熱しない。そのため安全性が高い。
【0050】
本実施形態のドア構造1によれば、枠部材5は、閉状態において、ハンドル31の近傍となる位置に面発光部48の光放射領域51があり、点灯時に光放射領域51からハンドル31側を照らすため、使用者がハンドル31を操作しやすい。
【0051】
本実施形態のドア構造1によれば、光源となる面発光パネル61の発光面と重なり、第3壁部47の室内空間7側に露出する部分に透光性の化粧部材49が設けられている。そのため、図8(a)のように点灯時には化粧部材49を透過して光放射領域51から光が放射され、消灯時には、化粧部材49によって面発光パネル61が隠されているので、図8(b)のように面発光パネル61が消失したように見え、面発光パネル61を実質的に認識できない状態となる。それ故に、消灯時には面発光パネル61が設けられていない従来の枠部材と同様の外観を呈することができる。
【0052】
本実施形態のドア構造1によれば、枠構成部44及び面発光部48の露出面全面を化粧部材49が覆うため、消灯時に統一感のとれた外観となる。
【0053】
続いて、本発明の第2実施形態のドア構造200について説明する。なお、第1実施形態のドア構造1と同様の構成は、同様の付番をして説明を省略する。以下、同様とする。
【0054】
第2実施形態のドア構造200は、図9図10のように、引き戸であり、壁面110の開口部101に取り付けられ、枠部材205に対してドア本体202が相対的に横方向Xにスライド移動することで枠部材205のドア開口部206を開閉するものである。
【0055】
ドア本体202は、図12のように、第1実施形態のドア本体202と同様、内面部20と、外面部21と、側面部22,23と、天面部24と、底面部25で構成されている。
ドア本体202は、天面部24及び底面部25に戸車部216,217がそれぞれ設けられており、戸車部216,217が走行することで、姿勢を維持したまま枠部材205内を平行に移動可能となっている。
【0056】
内面部20及び外面部21には、図9図11のように、一対のハンドル231,232が設けられている。
ハンドル231,232は、引手であり、ドア本体202の厚み方向の中央側に向かって窪んだ凹部である。すなわち、ドア本体202は、ハンドル231,232が設けられた部分の厚みは、他の部分に比べて薄くなっている。
【0057】
枠部材205は、図12図13のように、側面側枠部40,241と、天面側枠部42と、底面側枠部43を備えている。
側面側枠部241は、図14図15のように、枠構成部244と、面発光部48と、化粧部材49を備えている。
枠構成部244は、室外空間8側から室内空間7側に向けて順に、第1壁部245と、第2壁部246と、第3壁部247で構成されている。
第1壁部245は、外側面252と、平行面253を備えている。
外側面252は、閉状態において室外空間8を向いた面である。
平行面253は、閉状態において、側面部23と平行となる面である。
【0058】
第2壁部246は、戸当たりとして機能する部位であり、具体的には、第1壁部245の平行面253及び第3壁部247の平行面257に対して窪んだ凹部である。
第2壁部246は、対向面254と、規制面255,256を備えている。
対向面254は、閉状態においてドア本体202の側面部23と対向し、ドア本体2の側面部23と平行となる平行面であり、ドア本体202の側面部23と接触又は近接する壁面である。対向面254は、図15のように、格納穴50を備えている。
規制面255,256は、対向面254の両端部から壁部245,247の平行面253,257に向かって立ち上がった内壁面である。
規制面255,256は、ドア本体202を対向面254に近接するように導く壁面である。
第3壁部247は、平行面257と、内側面258を備えている。
平行面257は、閉状態において側面部23と平行となる面である。
内側面258は、閉状態において室内空間7側を向いた面である。
【0059】
枠部材205の枠部42,43には、図12図13のように、ドア本体202の戸車部216,217と対をなす走行レール227,228が設けられている。
走行レール227,228は、戸車部216,217が走行するレールであり、枠部42,43の長手方向(横方向X)に延びた凹溝である。
【0060】
壁面110は、図9図11のように、縦内壁部と横内壁部で囲まれる開口部101を有し、さらに開口部101の一部を塞ぐ戸袋構成部112を備えている。
戸袋構成部112は、開口部101内に戸袋を形成する板体であり、各内壁部の厚みよりも薄く、厚み方向に隣接する位置にドア本体202を収納可能な収納空間が形成されている。
【0061】
続いて、第2実施形態のドア構造200の各部材の位置関係について説明する。
【0062】
閉状態のドア構造200は、図16のようにドア本体202の閉方向の先端部が第2壁部246の規制面255,256の間に挿入されており、側面部23が第2壁部246の対向面254と近接又は接触している。
ハンドル231,232は、閉状態において面発光部48に対向する位置に配されている。ドア本体202は、図16のようにハンドル231,232が設けられた部分の厚みが面発光部48の幅よりも薄くなっており、ハンドル231,232から面発光部48の発光領域の一部が露出している。
【0063】
天面側枠部42に設けられたスイッチ部80は、図9のように、ドア本体202のマグネット部26が近接又は接触し、磁力によって閉状態を検知している。
使用者がハンドル231,232をもってドア本体202を走行レール227,228に沿ってスライド移動させて図10のように開状態とすると、ドア本体202が側面側枠部241から離反してドア開口部206が開放される。
このとき、枠部材205のスイッチ部80からドア本体202のマグネット部26が離反し、スイッチ部80がマグネット部26からの磁力を検知できなくなると、開状態を検知する。
【0064】
ドア構造200が全開となると、ドア本体202の側面部23が戸袋構成部112の端部と面一となり、ドア開口部206が全て開放される。
【0065】
第2実施形態のドア構造200によれば、開状態において点灯することでドア本体202を照らすことができるので、ドア開口部206への誘導灯として機能することができる。
【0066】
第2実施形態のドア構造200によれば、ドア本体202のハンドル231,232が設けられた部分の厚みが面発光部48の幅よりも狭く、ハンドル231,232から面発光部48の発光領域の一部が露出している。そのため、夜間に点灯し、常夜灯として機能させることで、深夜でも面発光部48のハンドル231,232からの露出部分からドア本体202に光が照射され、使用者がドア本体202を認識することができる。
【0067】
上記した実施形態では、ドア構造が開き戸又は引き戸の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ドア構造は折れ戸や吊り戸などの他のドアでもよい。
【0068】
上記した実施形態では、室内空間7側に面発光部48が取り付けられ、光放射領域51が室内空間7側に形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。室外空間8側にも面発光部48を設けてもよいし、面発光部48を室内空間7側から室外空間8側に跨って設けてもよい。こうすることで、光放射領域51が室内空間7と室外空間8の双方で光を放射することが可能となり、室内空間7と室外空間8の両方で常夜灯として機能させることができ、使用者により安心感を与えることができる。
【0069】
上記した実施形態では、室内空間7側及び室外空間8側の双方にハンドル31,32を設けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。室内空間7側又は室外空間8側の一方にのみハンドルを設けてもよい。
【0070】
上記した実施形態は、室内空間7側に面発光部48が設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。図17のように室外空間8側にも面発光部48が設けられていてもよい。また、図18のように室内空間7側から室外空間8側に跨るように面発光部48を設けてもよい。この場合、両側の空間7,8の常夜灯として機能でき、使用者により安心感を与えることができる。
【0071】
上記した実施形態は、化粧部材49は、シート状であったが、本発明はこれに限定されるものではない。化粧部材は、板状であってもよい。
また、化粧部材は、図19(a),図19(b)のように、板状の化粧板300とシート状の化粧シート301の多層構造となっていてもよい。この場合、面発光パネル61の発光領域を覆うように面発光パネル61と同程度の大きさの化粧板300を設け、化粧板300と枠構成部44に跨って化粧シート301を設けることが好ましい。また、化粧板300として光を透過するアクリルパネルを使用し、化粧シート301として光を散乱しつつ透過する光散乱シートを使用することが好ましい。
上記した実施形態は、化粧部材49は、シート状であって枠構成部44,244の各壁部の形状が反映されるものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。化粧部材を各壁部と同様の形状とし、枠構成部の一部として機能させてもよい。
【0072】
上記した実施形態では、面発光部48を格納穴50に格納し、化粧部材49で覆っていたが、本発明はこれに限定されるものではない。格納切り欠きを設け、格納切り欠きに面発光部を格納し、化粧部材で覆ってもよい。
【0073】
上記した実施形態では、ドア本体2は長方形状の板体であったが、本発明はこれに限定されるものではない。ドア本体2は正方形等の四角形状の板体であってもよいし、円形状等の曲面をもった板体であってもよい。
【0074】
上記した実施形態の応用例として、面発光部は、タイマーによって所定の時間帯に合わせて点灯するようにしてもよい。例えば、夜間の時間帯に点灯する設定にすることによって日差しのある昼間は消灯状態となり、夜間の時間帯になると自動で点灯状態とすることができる。
【0075】
上記した実施形態の応用例として、面発光部は、所定の設定光量以下になると、光センサーによって自動的に点灯するようにしてもよい。例えば、設定光量を下回ることによって夜間を検知し点灯するようにしてもよい。
【0076】
上記した実施形態の応用例として、面発光部は、赤外線センサーによって人等の熱源が近づくと、点灯するようにしてもよい。
【0077】
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
【符号の説明】
【0078】
1,200 ドア構造
2,202 ドア本体
5,205 枠部材
6,206 ドア開口部
7 室内空間(内側空間)
8 室外空間(外側空間)
20 内面部
21 外面部
22,23 側面部
31,32,231,322 ハンドル
40,41,241 側面側枠部
48 面発光部
49 化粧部材
51 光放射領域
53 対向面
54 平行面
55 係止面
57 平行面
71 発光面
80 スイッチ部
253 平行面
254 対向面
255 規制面
256 規制面
257 平行面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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