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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】プログラム、装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220803BHJP
【FI】
G06Q30/06 350
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022008144
(22)【出願日】2022-01-21
【審査請求日】2022-01-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年8月5日ウェブサイト(https://li-ker.com)において公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520508077
【氏名又は名称】Free Standard株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張本 貴雄
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-220350(JP,A)
【文献】特許第6991535(JP,B1)
【文献】特開2021-105880(JP,A)
【文献】特開2021-092991(JP,A)
【文献】特開2002-216056(JP,A)
【文献】特開2002-189959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザからの商品に対する所定期間の一時的使用の申込に関する入力情報を受け入れる第1ステップと、
前記入力情報の受け入れに基づいて、前記商品の配送を依頼する配送依頼情報を配送業者に送出する第2ステップと、
前記ユーザによる前記商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った前記ユーザ及び他のユーザによる一時的使用を含む当該商品の一時的使用の状況の実績に基づいて定められる使用済購入価格を算出し、この使用済購入価格を前記商品の前記ユーザによる一時的使用の開始後にこのユーザに提示する第3ステップと、
配送された前記商品の前記ユーザによる一時的使用の開始後に、前記ユーザから、配送された前記商品の購入に関する購入申込情報を受け入れる第4ステップと
を実行させ
前記メモリには、前記ユーザによる前記商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った前記ユーザ及び他のユーザの一時的使用期間の履歴が前記商品毎に格納され、
前記第3ステップにおいて、前記履歴に基づいて前記一時的使用の状況の実績を求める
プログラム。
【請求項2】
前記第1ステップにおいて、所定の使用許可価格の支払を前提とした、ユーザからの前記商品に対する所定期間の一時的使用の申込に関する前記入力情報を受け入れ、
前記第3ステップにおいて、前記使用許可価格と、前記一時的使用の状況の実績とに基づいて使用済購入価格を算出する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第3ステップにおいて提示される前記使用済購入価格は、前記商品の正規販売価格から、前記使用許可価格と、前記ユーザによる前記商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った他のユーザの一時的使用期間とを乗じた価格を差し引いた価格である
請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第3ステップにおいて提示される前記使用済購入価格は、前記商品の製造及び/または販売業者が設定した最低価格を下回らない価格である
請求項1~のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記プログラムは、さらに、前記プロセッサに、
以前に前記商品の一時的使用を行った前記ユーザに対して、現時点での前記使用済購入価格を算出し、算出した前記使用済購入価格を提示する第5ステップを実行させる
請求項1~のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記第5ステップにおける前記使用済購入価格の提示は、前記ユーザが以前に前記一時的使用を行った商品について他のユーザが一時的使用を終了した後である
請求項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記プログラムは、さらに、前記プロセッサに、
以前に前記商品の一時的使用を行った前記ユーザから、前記商品の購入に関する前記購入申込情報を受け入れる第6ステップを実行させ、
このとき、前記商品について現在一時的使用を行っている他のユーザがいる場合、前記第6ステップにおける前記購入申込情報の受け入れよりも前記第4ステップにおける前記購入申込情報の受け入れを優先する
請求項またはに記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1ステップにおいて、所定の使用許可価格の支払を前提とした、ユーザからの商品に対する所定期間の一時的使用の申込に関する前記入力情報を受け入れ、
前記プログラムは、さらに、前記プロセッサに、
前記入力情報の受け入れに基づいて、前記ユーザから前記使用許可価格の支払情報を受け入れる第7ステップと、
前記支払情報の受け入れに基づいて、前記商品の製造及び/または販売業者に、前記使用許可価格に基づいて定められる使用対価の支払情報を送出する第8ステップと
を実行させる請求項1~のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
プロセッサと、メモリとを備える装置であって、
前記プロセッサが、
ユーザからの商品に対する所定期間の一時的使用の申込に関する入力情報を受け入れる第1ステップと、
前記入力情報の受け入れに基づいて、前記商品の配送を依頼する配送依頼情報を配送業者に送出する第2ステップと、
前記ユーザによる前記商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った前記ユーザ及び他のユーザによる一時的使用を含む当該商品の一時的使用の状況の実績に基づいて定められる使用済購入価格を算出し、この使用済購入価格を前記商品の前記ユーザによる一時的使用の開始後にこのユーザに提示する第3ステップと、
配送された前記商品の前記ユーザによる一時的使用の開始後に、前記ユーザから、配送された前記商品の購入に関する購入申込情報を受け入れる第4ステップと
を実行し、
前記メモリには、前記ユーザによる前記商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った前記ユーザ及び他のユーザの一時的使用期間の履歴が前記商品毎に格納され、
前記第3ステップにおいて、前記履歴に基づいて前記一時的使用の状況の実績を求める
装置。
【請求項10】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータの前記プロセッサが、
ユーザからの商品に対する所定期間の一時的使用の申込に関する入力情報を受け入れる第1ステップと、
前記入力情報の受け入れに基づいて、前記商品の配送を依頼する配送依頼情報を配送業者に送出する第2ステップと、
前記ユーザによる前記商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った前記ユーザ及び他のユーザの一時的使用による一時的使用を含む当該商品の状況の実績に基づいて定められる使用済購入価格を算出し、この使用済購入価格を前記商品の前記ユーザによる一時的使用の開始後にこのユーザに提示する第3ステップと、
配送された前記商品の前記ユーザによる一時的使用の開始後に、前記ユーザから、配送された前記商品の購入に関する購入申込情報を受け入れる第4ステップと
を実行し、
前記メモリには、前記ユーザによる前記商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った前記ユーザ及び他のユーザの一時的使用期間の履歴が前記商品毎に格納され、
前記第3ステップにおいて、前記履歴に基づいて前記一時的使用の状況の実績を求める
方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるブランド商品は高価であるために、そのブランド商品を認知した消費者が直ちに購買行動を行うとは限らない。このような事情のため、ブランド商品を試用してその試用経験に鑑みて購買行動を行うか否かを検討するニーズが存在する。
【0003】
かかるニーズを満足しうる手段として、ブランド商品をレンタルするレンタルサイトが知られている(例えば非特許文献1)。非特許文献1に開示されたレンタルサイトでは、ブランド商品を一定期間レンタルして試用できるとともに、レンタルしたユーザがそのブランド商品に対して好印象を抱き、ブランド商品のレンタル期間中にこのブランド商品を購入することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「レンティオの「そのまま購入」-Rentio[レンティオ]」、[online]、令和4年1月20日検索、インターネット<URL:https://www.rentio.jp/content/how_to_buy>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レンタルサイトを運営するレンタル業者は、レンタルに供用する商品を製造/販売業者から買い取ってレンタルサイトのユーザに提供している。従って、レンタル料はこの買い取り価格と、どの程度の回数/期間だけレンタルされるかの予想値を基準に設定する。従って、全般的にレンタル料が高価になる可能性があるとともに、レンタル回数によらずこのレンタル料は一定の価格になる。
【0006】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、商品の一時的使用に対する対価を弾力的に決定できるプログラム、装置、方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によると、プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムが提供される、このプログラムは、プロセッサに、ユーザからの商品に対する所定期間の一時的使用の申込に関する入力情報を受け入れる第1ステップと、入力情報の受け入れに基づいて、商品の配送を依頼する配送依頼情報を配送業者に送出する第2ステップと、ユーザによる商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った他のユーザによる一時的使用を含む当該商品の一時的使用の状況の実績に基づいて定められる使用済購入価格を算出し、この使用済購入価格を商品のユーザによる一時的使用の開始後にこのユーザに提示する第3ステップと、配送された商品のユーザによる一時的使用の開始後に、ユーザから、配送された商品の購入に関する購入申込情報を受け入れる第4ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、商品の一時的使用に対する対価を弾力的に決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るシステムの概要を示す図である。
図2】実施形態に係るシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】実施形態に係るサーバの機能的な構成を示す図である。
図6】実施形態に係るユーザ端末の機能的な構成を示す図である。
図7】実施形態に係るサーバに格納された商品DBのデータ構造を示す図である。
図8】実施形態に係るサーバに格納された業者DBのデータ構造を示す図である。
図9】実施形態に係るサーバに格納されたユーザ情報DBのデータ構造を示す図である。
図10】実施形態に係るサーバに格納された商品管理DBのデータ構造を示す図である。
図11】実施形態に係るサーバに格納された料金テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図12】実施形態に係るサーバの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図13】実施形態に係るサーバの動作の一例を説明するためのフローチャートであって、図12に示す動作の続きを示す図である。
図14】実施形態に係るサーバの動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
図15】実施形態に係るシステムにおけるユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
図16】実施形態に係るシステムにおけるユーザ端末に表示される画面の他の例を示す図である。
図17】実施形態に係るシステムにおけるユーザ端末に表示される画面のまた他の例を示す図である。
図18】実施形態に係るシステムにおけるユーザ端末に表示される画面のさらに他の例を示す図である。
図19】実施形態に係るシステムにおけるユーザ端末に表示される画面のさらにまた他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0011】
また、以下の説明において、「プロセッサ」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。
【0012】
また、少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
【0013】
また、以下の説明において、「xxxテーブル」といった表現により、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、この情報は、どのような構造のデータでもよいし、入力に対する出力を発生するニューラルネットワークのような学習モデルでもよい。従って、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。
【0014】
また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
【0015】
また、以下の説明において、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサによって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶部及び/又はインタフェース部などを用いながら行うため、処理の主語が、プロセッサ(或いは、そのプロセッサを有するコントローラのようなデバイス)とされてもよい。
【0016】
プログラムは、計算機のような装置にインストールされてもよいし、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な(例えば非一時的な)記録媒体にあってもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0017】
また、以下の説明において、種々の対象の識別情報として、識別番号が使用されるが、識別番号以外の種類の識別情報(例えば、英字や符号を含んだ識別子)が採用されてもよい。
【0018】
また、以下の説明において、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号(又は、参照符号のうちの共通符号)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、要素の識別番号(又は参照符号)を使用することがある。
【0019】
また、以下の説明において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
【0020】
<実施形態>
<実施形態の概要>
実施形態に係るシステムは、ユーザに対して商品の一時的使用をさせる環境を提供するシステムである。
【0021】
図1を参照して、実施形態である情報処理装置であるサーバが適用されたシステムの概要について説明する。
【0022】
実施形態に係るシステムでは、オファーサイト/業者(以下、単に「オファーサイト2」と称する)2からの依頼、または商品製造/販売業者3からの依頼に基づき、オファーサイト2に商品が掲載される(1)。ユーザ端末を所有するユーザ4は、このユーザ端末を用いてオファーサイト2を閲覧し、一時的使用を希望する商品がある場合は、オファーサイト2に対して一時的使用(以下、「オファー」とも称する)の注文を行う(2)。
【0023】
オファーサイト2は、一時的使用の期間に応じてこの一時的使用の対価としての費用(使用許可価格、以下、「オファー価格」とも称する)の支払いをユーザ4に求める。オファー価格は、一時的使用の期間や、オファーに係る商品が、ユーザ4によるオファーの注文以前にどれだけ他のユーザからオファーの注文があったか、などの条件に基づいて定められる。詳細については後述する。
【0024】
オファーサイト2は、ユーザ4からオファー注文があり、好ましくはユーザ4からオファー価格の支払いがあると、商品製造/販売業者3に対して、オファーに係る商品を、オファーサイト2へ配送する依頼を行う。商品製造/販売業者3は、この依頼に応じてオファーに係る商品をオファーサイト2へ配送する(3)。なお、本明細書において商品製造/販売業者と記した場合、商品を製造するのみの業者、商品を他の業者から仕入れて販売のみする業者、さらには商品を製造して自ら販売する業者のいずれも含む。
【0025】
オファーに係る商品がオファーサイト2に到着したら、オファーサイト2は、オファー注文を行ったユーザ4にこの商品を配送する依頼を行い、図示しない配送業者はこの商品を倉庫5からユーザ4に配送する(4)。
【0026】
この後、ユーザ4は商品の一時的使用(試用)を行う(5)。そして、ユーザ4は、配送された商品のユーザ4による一時的使用がされている間に、この商品を試用した結果として、一時的使用を行った商品を購入するか、商品に係る新品を購入するか(6)、あるいは、オファー業者に返却するか(7)を決定し、決定結果をオファーサイト2に通知する。
【0027】
なお、追加料金の支払を条件として、商品の一時的使用期間の延長をオファー業者に依頼することも可能である。オファーサイト2は、追加料金の支払いがあったら、商品の一時的使用期間の延長を行う。
【0028】
オファーサイト2は、一時的使用を開始したユーザ4に対して、使用済購入価格(オファー品購入価格)を提示し、このオファー品購入価格の支払いを条件として、一時的使用をした商品の購入手続を行う。このオファー品購入価格は、ユーザ4による商品の一時的使用以前にこの商品の一時的使用を行った他のユーザの一時的使用の状況の実績に基づいて定められる。好ましくは、オファー品購入価格は、商品の正規販売価格から、オファー価格と、ユーザ4による商品の一時的使用以前にこの商品の一時的使用を行った他のユーザの一時的使用期間とを乗じた価格を差し引いた価格である。さらに好ましくは、オファー品購入価格は商品の製造/販売業者3が設定した最低価格を下回らない価格である。この時点で商品は既にユーザ4の手元にあるので、新たな配送手続等は行われない。
【0029】
ユーザ4へのオファー品購入価格の提示は、商品の一時的使用期間の満了時にされてもよいし、商品の一時的使用期間中に提示してもよい。但し、ユーザ4がオファーサイト2を閲覧してオファー注文を行い、オファー価格についての決済処理がされるまでは、オファー品購入価格のユーザ4への提示は行わない。これは、オファー品購入価格は、過去どれだけのユーザに一時的使用がされたかを示す価格であるので、実際に一時的使用をするまではユーザに開示しないことが好ましいからである。
【0030】
一方、新品購入の決定を受けたオファーサイト2は、商品製造/販売業者3に対して新品の配送を依頼する(6-1)。
【0031】
一時的使用を行った商品の購入代金(つまりオファー品購入価格)及び新品購入価格は一旦オファー業者に支払われ、その後、所定の手数料を引いて商品製造/販売業者3に支払われる(9)。
【0032】
また、商品返却決定を受けたオファーサイト2は、ユーザ4からオファーサイト2への商品返却配送を配送業者に依頼する。そして、商品がオファーサイト2に返却されたら、オファー業者はこの商品のメンテナンスを行い(8)、他のユーザからのオファー注文を待つ。
【0033】
ここで、上述したように、オファー品購入価格は、その商品の一時的使用期間(これは現在一時的使用をしているユーザによる期間のみならず以前一時的使用をしているユーザによる期間も含む)により変動する。好ましくは、オファー品購入価格は、その商品の一時的使用期間が長くなると低下する。そこで、オファーサイト2は、あるユーザ4が一時的使用を行い、結果的に商品を返却する決定を行った後、さらにその商品の一時的使用を他のユーザがして返却した場合、現時点でのオファー品購入価格を計算し、このオファー品購入価格をユーザ4に提示してもよい。但し、オファー品購入の優先権は、現時点で一時的使用を行っているユーザにあることにする。このため、既に一時的使用を行ったユーザ4がオファー品購入価格に基づいて商品の購入を行えるのは、その時点でどのユーザも商品の一時的使用を行っていない場合に限られる。
【0034】
<システム1の基本構成>
図2を参照して、実施形態である情報処理装置であるサーバが適用されたシステムの基本構成について説明する。
【0035】
本実施形態のシステム1は、ネットワークNを介して接続されたサーバ10及びユーザ端末20を有する。サーバ10のハードウェア構成を図3に、ユーザ端末20のハードウェア構成を図4に示す。これらサーバ10及びユーザ端末20は、情報処理装置により構成されている。
【0036】
情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。なお、サーバ10、ユーザ端末20のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は繰り返さない。
【0037】
サーバ10は、オファーサイト2を提供する情報処理装置であり、オファーサイト2の運営業者により運営される。従って、サーバ10は、いわゆるWebサーバとしての機能と、データ(ベース)サーバとしての機能を有する。
【0038】
ユーザ端末20はネットワークNを介してサーバ10にアクセス可能な情報処理装置であり、ネットワークNを介した通信機能を有する端末である。
【0039】
ネットワークNは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0040】
サーバ10は、商品製造/販売業者30及び配送業者40との間で連絡を行い、また、指示の授受を行う。サーバ10と商品製造/販売業者30及び配送業者40との間での連絡/指示はネットワークNによってもよいし、電話/FAX/口頭などのネットワークNではない手段によってもよい。商品製造/販売業者30は、配送業者40等を用いて、サーバ10(オファーサイト2)の運営業者が所有/管理する倉庫50に商品を配送する。また、ユーザ端末20を所有するユーザ4は、配送業者40から商品を受け取り、また、配送業者40を介して商品を倉庫50に返送する。
【0041】
以下、各装置の構成およびその動作を説明する。
【0042】
<サーバ10のハードウェア構成>
図3は、サーバ10の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ10は、プロセッサ101、主記憶装置102、補助記憶装置103、通信IF(Interface)104、入力IF105、出力IF106を少なくとも有する。これらは通信バス107により相互に電気的に接続される。また、サーバ10には、入力IF105を介して入力装置110が、出力IF106を介して出力装置111がそれぞれ接続されている。
【0043】
プロセッサ101とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ101は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0044】
主記憶装置102とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0045】
補助記憶装置103とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0046】
通信IF104とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
【0047】
入力IF105は、サーバ10の操作者(オペレータ)からの入力操作を受け付けるための入力装置110とのインタフェースとして機能する。出力IF106は、オペレータに対し情報を提示するための出力装置111とのインタフェースとして機能する。入力装置110は、オペレータからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置111は、オペレータに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。
【0048】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータに分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりサーバ10を仮想的に実現することができる。このように、サーバ10は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータだけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
<ユーザ端末20のハードウェア構成>
【0049】
図4は、ユーザ端末20の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末20は、各ユーザが操作する装置である。ユーザ端末20は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。この他に、ユーザ端末20は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。ユーザ端末20は、プロセッサ201、主記憶装置202、補助記憶装置203、通信IF(Interface)204、入力装置205、出力装置206を少なくとも有する。
【0050】
ユーザ端末20は、図2に示すネットワークNを介してサーバ10等と通信可能に接続される。ユーザ端末20は、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ等の通信機器と通信することによりネットワークNに接続される。
【0051】
入力装置205は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置206は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。
【0052】
<サーバ10の機能構成>
サーバ10のハードウェア構成が実現する機能構成を図5に示す。サーバ10は、記憶部120、制御部130、通信部140を備える。通信部140は通信IF104により構成され、記憶部120はサーバ10の主記憶装置102及び補助記憶装置103により構成され、制御部130は主にサーバ10のプロセッサ101により構成される。
【0053】
通信部140は、ネットワークNを介してユーザ端末20等との間での通信を行う。
【0054】
<サーバ10の記憶部120の構成>
サーバ10の記憶部120は、商品DB(DataBase)122、商品データ123、業者DB124、業者紹介ページ125、ユーザ情報DB126、商品管理DB127、及び料金テーブル128を有する。
【0055】
これら商品DB122等のうち、商品データ123、業者紹介ページ125、及び料金テーブル128を除くものはデータベースである。ここに言うデータベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
【0056】
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。制御部130は、各種プログラムに従ってプロセッサ101に、記憶部120に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0057】
図7は、商品DB122のデータ構造を示す図である。商品DB122は、サーバ10が運営・管理する、より詳細にはオファーに係る商品を管理するデータベースである。
【0058】
商品DB122は、個々の商品を特定するための商品IDを主キーとして、製造/販売業者ID、商品名、商品カテゴリー、商品写真、定価、最低価格及びオファー価格のカラムを有するテーブルである。
【0059】
「商品ID」は、個々の商品を特定するための情報である。より詳細には、同一種類の商品があった場合でも、個別の商品毎に異なる「商品ID」が付与される。「製造/販売業者ID」は、製造/販売業者を特定するための情報である。「商品名」は、商品IDにより特定される商品の名称である。「商品カテゴリー」は、商品IDにより特定される商品が属するカテゴリーに関する情報である。「商品写真」は、商品IDにより特定される商品を示す写真に関する情報であり、好ましくは、写真のファイル名に関する情報である。「定価」は、商品IDにより特定される商品の定価に関する情報である。「最低価格」は、商品IDにより特定される商品の最低価格に関する情報である。「オファー価格」は、商品IDにより特定される商品のオファー価格に関する情報である。「最低価格」及び「オファー価格」の詳細については後述する。
商品DB122において、「オファー価格」を除くカラムは、オファーサイト2への商品登録時にサイトの運営業者(つまりサーバ10の運営業者)が登録を行う。「オファー価格」については、価格算出部136が算出を行い、商品DB122に格納する。
【0060】
図8は、業者DB124のデータ構造を示す図である。業者DB124は、サーバ10が運営・管理する商品を製造/販売する業者の情報を管理するデータベースである。
【0061】
業者DB124は、個々の商品製造/販売業者を特定するための商品製造/販売業者IDを主キーとして、製造/販売業者名、カテゴリー及び紹介ページのカラムを有するテーブルである。
【0062】
「製造/販売業者ID」は、製造/販売業者を特定するための情報であり、商品DB122の「製造/販売業者ID」と共通である。「製造/販売業者名」は、製造/販売業者IDにより特定される製造/販売業者の名称に関する情報である。「カテゴリー」は、製造/販売業者IDにより特定される製造/販売業者が属するカテゴリーに関する情報である。「紹介ページ」は、製造/販売業者IDにより特定される製造/販売業者を紹介するページに関する情報であり、好ましくは、ページのデータが格納されている場所(例えばURL:Uniform Resource Locator)に関する情報である。
業者DB124における各々のカラムは、オファーサイト2への業者登録時にサイトの運営業者(つまりサーバ10の運営業者)が登録を行う。
【0063】
図9は、ユーザ情報DB126のデータ構造を示す図である。ユーザ情報DB126は、サーバ10が提供するオファーサイト2(図1参照)に登録しているユーザの情報を管理するデータベースである。
【0064】
ユーザ情報DB126は、個々のユーザを特定するためのユーザIDを主キーとして、ユーザ氏名、ユーザ住所、連絡先、オファー商品ID、試用中商品ID、試用済商品ID及び購入済商品IDのカラムを有するテーブルである。
【0065】
「ユーザID」は、ユーザを特定するための情報である。「ユーザ氏名」は、ユーザIDにより特定されるユーザの氏名に関する情報である。「ユーザ住所」は、ユーザIDにより特定されるユーザの住所に関する情報である。「連絡先」は、ユーザIDにより特定されるユーザの連絡先に関する情報であり、好ましくは、ユーザのメールアドレスである。「オファー商品ID」は、ユーザIDにより特定されるユーザがオファーサイト2を介して一時的使用の申込を行っている(オファー中の)商品のIDであり、商品DB122の商品IDと共通である。「試用中商品ID」は、ユーザIDにより特定されるユーザがオファーサイト2を介して一時的使用を行っている(試用中の)商品のIDであり、商品DB122の商品IDと共通である。「試用済商品ID」は、ユーザIDにより特定されるユーザがオファーサイト2を介して一時的使用を行ったことがある(試用済の)商品のIDであり、商品DB122の商品IDと共通である。「購入済商品ID」は、ユーザIDにより特定されるユーザがオファーサイト2を介して一時的使用を行った結果、購入した(購入済の)商品のIDであり、商品DB122の商品IDと共通である。
オファーサイト2(サーバ10)を利用するユーザは、最初にオファーを行うまでに初回登録を行う。初回登録時に、サーバ10はユーザ(ユーザ端末20)に対して個人情報の登録を行うフォームを送信し、ユーザはこのフォームに必要事項を記入することで初回登録を行う。サーバ10はこの初回登録に対応してユーザIDを新規発行し、ユーザからの入力内容に基づいてユーザ氏名、ユーザ住所及び連絡先のカラムに情報を登録する。
【0066】
図10は、商品管理DB127のデータ構造を示す図である。商品管理DB127は、サーバ10が運営・管理する商品、より詳細にはオファーに係る商品のオファー状態を管理するデータベースである。
【0067】
商品管理DB127は、商品を特定するための商品IDを主キーとして、在庫状態、回数、試用開始日、試用終了日、ユーザID、オファー価格、オファー品購入価格及び新品購入価格のカラムを有するテーブルである。
【0068】
「商品ID」は、商品を特定するための情報であり、商品DB122の商品IDと共通である。「在庫状態」は、商品IDにより特定される商品が現在どの状態にあるかを示す情報である。「回数」は、商品IDにより特定される商品がオファーされたことがある場合、そのオファー回数の情報である。試用開始日、試用終了日、ユーザID、オファー価格、オファー品購入価格及び新品購入価格のカラムは、この「オファー回数」を副キーとして、この「オファー回数」毎に管理される。「試用開始日」は、商品IDにより特定される商品がユーザIDにより特定されるユーザにより一時的使用(試用)がされ始めた日(開始日)に関する情報である。「試用終了日」は、商品IDにより特定される商品がユーザIDにより特定されるユーザにより一時的使用(試用)がされ終わった日(終了日)に関する情報である。なお、商品がユーザにより現在一時的使用中である場合、「試用終了日」には試用終了予定日に関する情報が格納される。「ユーザID」は、オファーを行ったユーザを特定するためのIDであり、ユーザ情報DB126の「ユーザID」と共通である。「オファー価格」は、オファー回数により特定されるオファーにおけるオファー価格に関する情報である。「オファー品購入価格」は、オファー回数により特定されるオファーにおけるオファー品購入価格に関する情報である。「新品購入価格」は、商品IDにより特定される商品の新品購入価格に関する情報である。
【0069】
商品管理DB127の各カラムは、商品IDにより特定される商品の一時的使用状態が変化する毎に書き換えられる。特に、「オファー価格」及び「オファー品購入価格」は、価格算出部136が最新のデータを格納する。「オファー品購入価格」は、この商品管理DB127に格納されている、商品の一時的使用の状況の実績である、「回数」、「試用開始日」、「試用終了日」に基づいて、価格算出部136が算出する。これら「回数」、「試用開始日」、「試用終了日」は、あるユーザの一時的使用以前に、このユーザ以外の他のユーザが当該商品の一時的使用を行った状況の実績(履歴)に相当する。
【0070】
商品データ123は、商品DB122の「商品写真」に記載された、商品を示す写真に関する情報により特定された写真データを含む、オファーサイト2において取り扱われる商品に関するデータである。
【0071】
業者紹介ページ125は、業者DB124の「紹介ページ」に記載された、製造/販売業者を紹介するページに関する情報により特定された、紹介ページに関するデータである。
【0072】
料金テーブル128は、商品DB122の「定価」及び「最低価格」に記載された、商品の定価及び最低価格に基づいて、オファー価格、オファー品購入価格を制御部130の価格算出部136が算出する際の根拠となるテーブルである。
【0073】
価格算出部136によるオファー価格、オファー品購入価格の算出手順については後に詳述するが、料金テーブル128の一例を図11を参照して説明する。
【0074】
図11に示す料金テーブル128では、前提として、商品の正規販売価格を30,000円、商品の一時的使用期間(オファー期間)を所定期間(例えば4週間)に固定した場合のオファー価格はオファー回数によらず一律に5,000円、商品の最低価格(図11では原価に相当)を9,000円としている。
【0075】
1人目のユーザからのオファーがサーバ10(オファーサイト2)にあった場合、このユーザに提示するオファー価格は5,000円であり、オファー品購入価格は、正規販売価格からオファー価格を差し引いた25,000円であり、新品購入価格も、正規販売価格からオファー価格を差し引いた25,000円である。
【0076】
次に、同じユーザから再度のオファーがあった、つまり、現在一時的使用を行っている商品の一時的使用期間の延長申込があった場合、オファー価格は5,000円で変更はないが、オファー品購入価格は、都合2回のオファーがあったので、正規販売価格からオファー回数×オファー価格を差し引いた20,000円になる。一方、新品購入価格は25,000円で変更がない。
【0077】
以降、オファー回数が増える度にオファー品購入価格は減算されるが、オファー品購入価格は商品の最低価格を下回らない価格とされる。一例として、図11の「3人目継続」の時点でオファー品購入価格は9,000円に固定され、以降のオファーにおいても同額になる。
【0078】
価格算出部136によるオファー価格、オファー品購入価格の具体的な算出手順についての詳細は後述するが、オファー価格は当該商品の一時的使用期間に基づいて定められ、オファー品購入価格は、当該商品がそれまでにどれだけのユーザにより一時的使用がされたかの期間に基づいて定められる。より詳細には、オファー品購入価格は、当該商品に対して支払われたオファー価格の累積により定められ、このオファー価格は当該商品の一時的使用期間に基づいて定められることから、オファー品購入価格は当該商品の一時的使用の状況の実績に基づいて定められることになる。なお、一時的使用期間を固定期間とする場合等においては、当該商品の一時的使用の状況の実績としてオファー回数に基づいてオファー品購入価格を定めることとしてもよい。
<サーバ10の制御部130の構成>
【0079】
サーバ10の制御部130は、受信制御部131、送信制御部132、商品提示部133、商品発注/配送指示部134、商品管理部135、価格算出部136及び提示部137を備える。制御部130は、記憶部120に記憶されたアプリケーションプログラム121を実行することにより、これら受信制御部131等の機能ユニットが実現される。
【0080】
受信制御部131は、サーバ10が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0081】
送信制御部132は、サーバ10が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0082】
商品提示部133は、いわゆるWebサーバとしての機能をサーバ10に提供する。具体的には、商品提示部133は、ネットワークNを介してアクセスしたユーザ端末20に対して、商品データ123及び業者紹介ページ125に格納されたデータ等に基づいて、オファーサイト2を構成する(通常はトップ画面と言われる)画面のデータを生成し、この画面データを、アクセスをしたユーザ端末20に送出する。さらに、商品提示部133は、ユーザ端末20からの操作入力に基づいて、オファーサイト2を構成する画面を動的に(つまりインタラクティブに)変化させ、さらに、必要に応じて、オファーサイト2を構成する他の画面に遷移させ、この画面データをユーザ端末20に送出する。
【0083】
商品発注/配送指示部134は、ユーザ端末20からのオファー申込、商品返却、商品購入に関する操作入力があったら、商品製造/販売業者30や配送業者40に対して商品の配送の指示を行う。
【0084】
商品管理部135は、オファーサイト2で扱う商品に関する全般的管理を行う。具体的には、商品管理部135は、ユーザ端末20からの商品に対する一時的使用の申込入力から一時的使用の決定入力を受け入れ、これら入力に基づいてユーザ情報DB126及び商品管理DB127に必要な情報を書き込む。加えて、ユーザ端末20から商品に対する一時的使用の決定入力を受け入れたら、商品発注/配送指示部134に対して商品配送指示を行わせる。この際、商品管理部135は、価格算出部136にオファー品購入価格の算出を指示し、価格算出部136から算出結果を受け取って、提示部137にこのオファー品購入価格をユーザ端末20を介してユーザに提示させる。
【0085】
また、商品管理部135は、ユーザによる一時的使用期間の経過を監視し、一時的使用期間の満了が近付いたら、あるいは一時的使用期間が満了したら、一時的使用を行っているユーザが所有するユーザ端末20に、期間満了の通知及びその後の対応を尋ねる情報を送出する。そして、商品管理部135は、ユーザ端末20から一時的使用の終了入力を受け入れたら、商品発注/配送指示部134に商品の返却配送を指示させる。一方、ユーザ端末20から一時的使用期間の延長入力を受け入れたら、商品管理部135は、一時的使用期間の変更に係る情報をユーザ情報DB126及び商品管理DB127に書き込む。
【0086】
また、商品管理部135は、商品がユーザにより一時的使用がされている間に、ユーザ端末20からのオファー品の購入、または新品の購入申込入力を受け入れ、オファー品の購入入力があったら、ユーザ情報DB126に必要な情報を書き込む。一方、新品購入の申込入力があったら、商品発注/配送指示部134に対して商品製造/販売業者30に新品の発送を指示させる。ここに、「商品がユーザにより一時的使用がされている間」とは、ユーザにより商品の一時的使用の申込があってから、この商品を返却するまで(より詳細には商品の返却をするために配送業者に商品を手渡すまで)を意味する。
【0087】
さらに、商品管理部135は、あるユーザによる商品の一時的使用が終了したら、この商品について以前に一時的使用をしていたユーザが所有するユーザ端末20に対して、現時点でのオファー品購入価格を提示する情報を送出する。そして、ユーザからオファー品の購入入力があったら、商品発注/配送指示部134に対して、倉庫50にある商品を購入申込したユーザに対して配送させる指示を行い、ユーザ情報DB126に必要な情報を書き込む。
【0088】
そして、商品管理部135は、ユーザが一時的使用、オファー品購入、新品購入の対価として対応する金額の決済を完了した旨の入力を、システム1外の決済サーバ(図示しない)から受け入れたら、商品製造/販売業者30に対して、オファーサイト2運営に必要とされる手数料を差し引いて、同様に決済サーバを用いて送金処理を行う。
【0089】
価格算出部136は、商品管理部135からの指示に基づき、料金テーブル128を参照して、少なくともオファー品購入価格の算出を行い、算出結果を提示部137に送出する。
【0090】
価格算出部136による算出の具体的内容について以下に詳述する。
【0091】
価格算出部136により算出が行われるオファー品購入価格は、ユーザが一時的使用を行った商品を購入することの対価である。一般的なレンタルサイトの場合、レンタル業者はレンタル品を自ら購入し、この購入価格と、このレンタル品がどれだけ利用されるかの見込みとに基づいてレンタル価格を算出している。従って、レンタル価格は商品の購入価格と連動せざるを得ない。一方、本実施形態のオファーサイト2においては、オファー品購入価格やオファー価格は正規販売価格と連動して決定する必要はない。とは言え、本実施形態のオファーサイト2においては、後述するように、オファー品購入価格及びオファー価格は正規販売価格に対して一定の割合を乗じた価格にしている。これは、価格算出部136による価格算出の手順の簡略化のためである。従って、価格算出部136は、正規販売価格とは無関係にオファー品購入価格及びオファー価格を算出してもよい。
【0092】
価格算出部136によるオファー品購入価格の算出は、基本的に、その商品についてユーザによるオファーがある前にどれだけの他のユーザから一時的使用がされたか(つまり一時的使用の状況の実績)に基づいて行われる。一例として、オファー品購入価格は、商品に正規販売価格から、オファー価格にそれまで一時的使用を行ったユーザの一時的使用期間を乗じた額を差し引いた額として算出される。但し、このオファー品購入価格は、商品製造/販売業者が設定した最低価格、一例として上述した商品の原価を下回らない価格とされる。この際、後述するように、オファー価格は配送費+メンテナンス費を加算した額であることがあり、この場合、オファー品購入価格は、配送費+メンテナンス費を除いたオファー価格に基づいて算出されることが好ましい。
【0093】
オファー品購入価格を正規販売価格から一定額安くしているのは次のような考え方に基づく。本実施形態のオファーサイト2においては、オファーサイト2を利用するユーザが安心して商品を体験(一時的使用)し、自分に合うものを購入してもらうことを念頭に置いている。従って、一時的使用を行った商品をユーザが購入する場合は、体験(一時的使用)に投資した金額を定価から引いて購入できれば、体験に払ったお金が無駄になるリスクを減らせる。一方で、オファー品購入価格とオファー価格(除く配送費+メンテナンス費)とを加算すると正規販売価格になるので、商品製造/販売業者側からしても、値引きを1円もする必要なく、体験面で価格メリットを訴求した上で販売することができる、というメリットがある。
【0094】
価格算出部136は、オファー品購入価格だけでなく、オファー価格も算出することが好ましい。この時、オファー価格は、オファー期間(一時的使用期間)に応じて定められることが好ましい。
【0095】
オファー価格の基本は、オファー期間を1ヶ月(4週間)としたものであり、この時のオファー価格は、正規販売価格(つまり定価)に対して一定の割合を乗じた価格である。この、1ヶ月単位のオファー価格に対して、オファー期間が短くなれば1ヶ月単位のオファー価格に対して一定の割合を乗じた価格にする。この際、正規販売価格に対する割合から定められる額に、配送費+メンテナンス費を加算した額をオファー価格としてもよい。
【0096】
1ヶ月単位のオファー価格に対してどれだけの割合を乗じるかを定めるに当たって、次の観点に基づくことが好ましい。つまり、商品を長く一時的使用して体験してもらった方が、その商品の価値を深く理解することができ、ユーザがその商品が自分に本当に合うかどうかを判断することができると考えられる。そこで、短期間(例えば1週間)の一時的使用よりも1ヶ月(4週間)の一時的使用の方が価格的メリットが生じるように、上述した割合を定めることが好ましい。
【0097】
この際、ユーザが商品の一時的使用を行っている一時的使用期間中においてその商品に愛着を生じ、さらに一時的使用をしたい(つまり一時的使用期間の延長を希望)と考えることがある。一方、ユーザが一時的使用期間の満了を失念し、結果的に延滞することも考えられる。一時的使用期間が当初の契約期間より長くなるという観点では両者は同じように見えるが、一時的使用期間の延長を希望するユーザはそれだけ商品に対して愛着を抱いていると考えられるので、延滞をするユーザと同等に扱わないという考え方もできる。そこで、価格算出部136は、延滞した場合のオファー価格は通常のオファー価格と同等する一方、一時的使用期間の延長をした場合のオファー価格を通常のオファー価格より割り引く計算を行う。さらに、価格算出部136は、一時的使用期間の延長がされた場合、延長に係るオファー価格(つまり割引後のオファー価格)を差し引いたオファー品購入価格を算出する。なお、延滞した場合のオファー品購入価格については、通常のオファー価格(この場合は延滞分を含む)に基づいて算出する。
【0098】
提示部137は、価格算出部136が算出したオファー品購入価格、好ましくはさらにオファー価格を、オファー申込があったユーザに提示する。好ましくは、提示部137は、商品提示部133と協働して、ユーザにオファー品購入価格及びオファー価格を提示する。
【0099】
ここで、提示部137は、ユーザが一時的使用を開始するまで、このユーザにオファー品購入価格を提示しない。詳細には、提示部137は、ユーザによる一時的使用の開始後、より詳細には、ユーザがオファー申込をしてオファー価格に対する支払手続が完了するまで(好ましくは決済完了後、さらにはオファー品のユーザへの配送完了後)、このユーザにオファー品購入価格を提示しない。つまり、ユーザが一時的使用を開始するまで、提示部137はオファー品購入価格を提示しない。これは、不要品交換サイト及びフリーマーケットサイトの普及に伴い、安価で仕入れてこれらサイトで転売することが頻繁に行われていることが背景にある。オファーサイト2は、ユーザが商品の一時的使用を体験し、この体験に基づいて購買行動を起こすことを念頭に置いているので、オファーサイト2の運営者としては、かかる転売をできるだけ避けたい。しかも、転売は商品製造/販売業者にも利益をもたらさない。そこで、提示部137は、ユーザが一時的使用を開始した時点でオファー品購入価格を提示することで、一時的使用を前提とした価格体系を維持している。しかも、オファー品購入価格は、その商品をそれまで一時的使用をした期間(オファー期間)の履歴に依存するので、一時的使用を開始する前にオファー品購入価格をユーザに提示してしまうと、この期間をユーザが推測できてしまう可能性があり、このオファー品購入価格が安価である(つまりオファー期間が長い)ことが一時的使用の開始前に明らかになってしまうと、上述した転売の機会を増加させる可能性がある。
【0100】
また、オファー品購入価格は、その時点における一時的使用を行ったユーザの一時的使用の実績、好ましくは一時的使用期間により変動しうる。そこで、価格算出部136は、その時点におけるオファー品購入価格を随時算出し、提示部137は、当該商品について以前一時的使用を行ったユーザに対して、現時点でのオファー品購入価格を提示する。但し、いずれかのユーザにおいて商品が現在一時的使用を行っている限り、オファー品購入価格による商品の購入をする優先権は、一時的使用を現在行っているユーザにあると考えられる。そこで、提示部137は、いずれかのユーザにおいて商品の一時的使用が終了したら(一時的使用期間が満了したら)、過去、その商品の一時的使用を行ったユーザに対してオファー品購入価格による購入を推奨する。ここで、以前一時的使用を行ったユーザが複数存在する場合が考えられる。提示部137は、これら複数のユーザに対して一律に現時点でのオファー品購入価格を提示し、購入を推奨する。但し、実際に商品を購入できるのは、オファー品購入価格を提示されて一番先に商品の購入の申込をしたユーザのみである。
【0101】
<ユーザ端末20の機能構成>
ユーザ端末20のハードウェア構成が実現する機能構成を図6に示す。ユーザ端末20は、記憶部210、制御部220、マイク231、スピーカ232、位置情報センサ233、タッチパネル234、カメラ237、モーションセンサ238、無線通信部239及びアンテナ240を備える。また、ユーザ端末20は、図6では図示されていない機能、及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も備える。
【0102】
タッチパネル234はタッチセンシティブデバイス235及びディスプレイ236を備える。記憶部210はユーザ端末20の主記憶装置202及び補助記憶装置203により構成され、制御部220は主にユーザ端末20のプロセッサ201により構成され、無線通信部239及びアンテナ240は通信IF204により構成され、マイク231、位置情報センサ233、タッチセンシティブデバイス235、カメラ237、モーションセンサ238は入力装置205により構成され、スピーカ232、ディスプレイ236は出力装置206により構成される。
【0103】
<ユーザ端末20の記憶部の構成>
ユーザ端末20の記憶部210はアプリケーションプログラム211を記憶する。
【0104】
アプリケーションプログラム211は、記憶部210に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。アプリケーションプログラム211は、ユーザ端末20に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0105】
<ユーザ端末20の制御部の構成>
ユーザ端末20の制御部220は、入力制御部221、出力制御部222を備える。制御部220は、記憶部210に記憶されたアプリケーションプログラム211を実行することにより、入力制御部221及び出力制御部222の機能ユニットが実現される。
【0106】
入力制御部221は、ユーザによるタッチパネル234のタッチセンシティブデバイス235への操作内容、マイク231への音声入力、位置情報センサ233、カメラ237、モーションセンサ238などの入力装置205から出力される情報を取得し各種処理を実行する。
【0107】
出力制御部222は、入力装置205に対するユーザによる操作に基づいて、ディスプレイ236の表示内容、スピーカ232の音声出力内容の制御処理を実行する。
【0108】
<システム1の動作>
以下、図12図14のフローチャートを参照しながら、システム1の処理について説明する。
【0109】
図12において、サーバ10は、ユーザ端末20からのアクセスを待つ(S1200)。そして、ユーザ端末20からのアクセスがあると(S1200においてYES)、サーバ10の商品提示部133は、アクセスがあったユーザ端末20に対して、商品データ123を参照して、オファーサイト2を構成する商品ページデータを送出する(S1201)。
【0110】
S1201においてユーザ端末20に送出された商品ページデータに基づいて、ユーザ端末20に表示される画面の一例を図15に示す。
【0111】
図15に示す画面(オファーサイト2のトップ画面)1500には、オファーサイト2がその時点で推奨するバッグのサムネイル画像1501、シューズのサムネイル画像1502が表示されている。また、オファーサイト2がその時点で推奨するメーカー(商品製造/販売業者)のサムネイル画像1503が表示されている。ユーザがユーザ端末20のタッチパネル234をタッチすることでこのサムネイル画像1501~1502をクリックすると、この商品に関する一時的使用の申込を行うための画面に遷移する。つまり、サーバ10の商品提示部133は、ユーザ端末20からの操作入力に応じて、商品に関する一時的使用の申込を行うための画面を生成するための商品ページデータを送出する。この画面については図16を参照して次に説明する。また、ユーザがユーザ端末20のタッチパネル234をタッチすることでこのサムネイル画像1503をクリックすると、このサムネイル画像1503に係るメーカーの商品のサムネイル画像が表示される。そして、ユーザがこのサムネイル画像をクリックすると、同様に、この商品に関する一時的使用の申込を行うための画面に遷移する。
【0112】
図15のサムネイル画像1501~1502をユーザがクリックしたことによりユーザ端末20に送出される商品ページデータに基づいて、ユーザ端末20に表示される画面の一例を図16に示す。
【0113】
図16に示す画面1600には、ユーザがクリックしたサムネイル画像1501~1502をやや拡大したサムネイル画像1601と、このサムネイル画像1601に係る商品についての現時点でのオファー価格1602と、同様に、このサムネイル画像1601に係る商品についてのブランド公式価格(つまり正規販売価格)1603とが表示されている。さらに、一時的使用期間に応じたオファー価格が表示されたボタン1604、1605が2種類(図示例ではAA日及びBB日)表示されている。ユーザが、この商品について一時的使用を申し込むには、いずれかの一時的使用期間についてのボタンをクリックした後、さらに、「オファー申込」ボタン1606をクリックする。ユーザのクリック動作に基づいて、ユーザ端末20は操作入力をサーバ10に送出する。
【0114】
図12に戻って、サーバ10は、ユーザ端末20からのオファー申込に係る操作入力を待つ(S1202)。そして、ユーザ端末20からオファー申込に係る操作入力がされると(S1202においてYES)、サーバ10は、図17に一例を示すような、オファー申込を受け付けたことを示す画面をユーザ端末20に表示させるような画面データを送出し、そして、ユーザからのオファー価格の支払いがあったことを確認してから、商品製造/販売業者に対して一時的使用の申込があった商品を倉庫に発送する依頼を行う発注手続を行う(S1203)。
【0115】
そして、発注した商品が倉庫に入庫したら(S1204においてYES)、この商品を、一時的使用の申込をしたユーザに配送する指示を配送業者に対して行う(S1205)。
【0116】
次いで、サーバ10の価格算出部136は、ユーザが商品の一時的使用の申込をしたことに伴い、この商品のオファー品購入価格を算出する(S1206)。S1206において算出したオファー品購入価格は、ユーザがサーバ10に設けられたユーザ専用のページ(マイページ)を閲覧すると、提示部137により提示される(S1207)。ユーザは、このマイページを閲覧し、一時的使用の申込後であれば、一時的使用期間中であっても、このマイページから指示を行うことで、現在一時的使用を行っている商品をオファー品購入価格で購入することができ、また、新品の購入を希望する場合は、正規販売価格で購入することができる。
【0117】
サーバ10は、このマイページを介した購入指示入力がユーザ端末20からされたか否かを判定し(S1208)、購入指示入力があったと判定したら(S1208においてYES)、図13のS1300に進み、購入指示入力がまだないと判定したら(S1208においてNO)図13のS1304に進む。
【0118】
図13において、サーバ10は、図12のS1208における購入指示入力が新品購入指示入力であるか否かを判定する(S1300)。そして、新品購入指示であると判定したら(S1300においてYES)、サーバ10は、ユーザからの新品購入価格(正規販売価格)の支払いがあったことを確認してから、商品製造/販売業者に対して購入申込があった商品を倉庫に発送する依頼を行う発注手続を行う(S1301)。そして、発注した商品が倉庫に入庫したら(S1302においてYES)、この商品を、購入申込をしたユーザに配送する指示を配送業者に対して行う(S1303)。この後、図13に示すプログラムを終了する。
【0119】
一方、サーバ10は、図12のS1208における購入指示入力が新品購入指示ではない、つまり、現在ユーザが一時的使用を行っている商品の購入指示入力であると判定したら(S1300においてNO)、サーバ10は、ユーザからのオファー品購入価格の支払いがあったことを確認して、図13に示すプログラムを終了する。
【0120】
S1304において、サーバ10は、ユーザが一時的使用の申込をする際に決定した一時的使用期間(オファー期間)が終了間近であるか否かを判定する。S1304において、終了間近であるとの判定基準は任意であり、期間終了日到来をもって終了間近であるとの判定をしてもよいし、期間終了日1日~数日前をもって終了間近であるとの判定をしてもよい。さらには、期間終了後(例えば期間終了1日後)をもって終了間近であるとの判定をしてもよい。
【0121】
そして、一時的使用期間が終了間近であると判定したら(S1304においてYES)S1305に進み、一時的使用期間がまだ終了していないと判定したら(S1304においてNO)、図12のS1208に戻ってS1208以降の動作を継続する。
【0122】
S1305では、サーバ10は、一時的使用期間の終了に伴い、現在一時的使用を行っている商品についてユーザが一時的使用期間の延長を希望するか、商品の返却を希望するか、一時的使用を行っている商品または新品の購入を希望するかを問い合わせる画面をユーザ端末20に表示させるためのデータを送出する。
【0123】
S1305においてユーザ端末20に表示される画面の一例を図18に示す。
【0124】
図18に示す画面1800には、ユーザが一時的使用を行っている商品のサムネイル画像1801と、一時的使用期間の延長を申し込むボタン1802と、一時的使用を行っている商品のオファー品購入価格が表示されるとともに一時的使用を行っている商品の購入を申し込むボタン1803と、新品購入価格が表示されるとともに新品の購入を申し込むボタン1804と、一時的使用を行っている商品の返却を申し込むボタン1805とが表示されている。ユーザは、現在一時的使用を行っている商品についてどのような行動をとるかを決めたら、この行動に合致したボタン1802~1805をクリックした後、さらに、「決定する」ボタン1806をクリックする。ユーザのクリック動作に基づいて、ユーザ端末20は操作入力をサーバ10に送出する。なお、まだ決定できない場合は、ユーザは「キャンセル」ボタン1807を押すこともでき、ユーザのクリック動作に基づいて、ユーザ端末20は操作入力をサーバ10に送出する。
【0125】
サーバ10は、ユーザ端末20からの返信を待ち(S1306においてYES)、返信内容に応じた処理を行う(S1307)。一時的使用期間の延長手続、一時的使用を行っている商品の購入手続、及び新品購入手続の詳細については、既に説明した内容と重複するところが多いので、ここでの説明は行わない。返却申込があった場合、サーバ10は、配送業者に対してユーザから商品の受け取りを行い、受け取った商品を倉庫に配送する指示を行う。この後、サーバ10の運営業者は、倉庫において商品のメンテナンス作業を行う。
【0126】
次に、図14のフローチャートに示す処理は、所定の時間間隔、または、いずれかのユーザにおいて商品の一時的使用が開始されたことをトリガにして開始される。
【0127】
まず、サーバ10は、いずれかのユーザが商品を返却したら(S1400においてYES)、価格算出部136により、返却された商品のオファー品購入価格を算出する(S1401)。そして、サーバ10の提示部137は、商品について以前一時的使用を行ったユーザに対して、現時点でのオファー品購入価格を提示する(S1402)。
【0128】
提示部137によるオファー品購入価格の提示手法は任意であるが、一例として、提示部137は、商品について以前一時的使用を行ったユーザのユーザ端末20に対して、図19に示すような画面を表示させるための画面データを送出する。
【0129】
図19に示す画面1900には、ユーザが以前一時的使用を行ったことがある商品のサムネイル画像1901と、一時的使用を行ったことがある商品のオファー品購入価格が表示されるとともに一時的使用を行った商品の購入を申し込むボタン1902と、新品購入価格が表示されるとともに新品の購入を申し込むボタン1903とが表示されている。ユーザは、一時的使用を行った商品についてどのような行動をとるかを決めたら、この行動に合致したボタン1902~1903をクリックした後、さらに、「決定する」ボタン1904をクリックする。ユーザのクリック動作に基づいて、ユーザ端末20は操作入力をサーバ10に送出する。なお、一時的使用を行った商品の購入、または新品購入のいずれも行わない場合は、ユーザは「キャンセル」ボタン1905を押すこともでき、ユーザのクリック動作に基づいて、ユーザ端末20は操作入力をサーバ10に送出する。
【0130】
図14に戻り、サーバ10は、ユーザ端末20から購入指示入力があったか否かを判定する(S1403)。そして、購入指示入力があったと判定したら(S1403においてYES)、ユーザから支払いがあったことを確認してから、一時的使用を行った商品、または新品の発送手続きを行い(S1404)、図14に示すプログラムを終了する。一方、購入指示入力がないと判定したら(S1403においてNO)、図14に示すプログラムを終了する。
【0131】
<実施形態の効果>
以上詳細に説明したように、本実施形態のシステム1によれば、ユーザの一時的使用の実績に応じて価格算出部136がオファー品購入価格を算出し、提示部137がこのオファー品購入価格をユーザに提示している。従って、一時的使用を行っている商品の対価であるオファー価格を、新品購入価格と連動させることなく、商品を一時的に使用することの対価という観点から決定することができる。これにより、本実施形態のシステム1によれば、商品の一時的使用に対する対価を弾力的に決定できる。
【0132】
<付記>
なお、上記した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【0133】
一例として、商品製造/販売業者3が運営する、この商品製造/販売業者3が製造/販売する正規商品のEC(電子商取引)サイトにおいてこの正規商品を販売するページに、オファーサイト2において一時的使用の申込を行うための画面に遷移するリンクが埋め込まれたオファーボタン等のオブジェクトを設けてもよい。つまり、正規商品のECサイトに、オファーサイト2への遷移のためのオブジェクトを設けてもよい。
【0134】
より好ましくは、正規商品を販売するページにおけるオファーボタン等のオブジェクトの表示位置は、商品製造/販売業者3のサイト毎に設定がされる。より具体的には、オブジェクトの商品販売ページにおける表示位置の設定情報はオファーサイト2のサーバ10に事前登録されており、商品製造/販売業者3のサイトに埋め込まれたタグからこの情報を取得することで、各商品の販売ページの「カートに入れる」などの購入意思を示すボタン等のオブジェクトの下方など、販売ページの適切な場所にオファーサイト2へ遷移するためのオブジェクトが表示される。
【0135】
さらに好ましくは、商品販売ページにおける一時的使用の申込を行うための画面に遷移するオブジェクトは、オファーサイト2における同一商品の一時的使用の申込を行うためのページと対応付けられており、商品販売ページのオファーボタンをユーザがクリックする等の操作を行うと、オファーサイト2側の対応ページに遷移する。
【0136】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0137】
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0138】
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【0139】
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0140】
(付記1)
プロセッサ(101)と、メモリ(102、103)とを備えるコンピュータ(10)を動作させるためのプログラム(121)であって、プログラム(121)は、プロセッサ(101)に、ユーザからの商品に対する所定期間の一時的使用の申込に関する入力情報を受け入れる第1ステップ(S1202)と、入力情報の受け入れに基づいて、商品の配送を依頼する配送依頼情報を配送業者に送出する第2ステップ(S1203)と、ユーザによる商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った他のユーザの一時的使用の状況の実績に基づいて定められる使用済購入価格を算出し、この使用済購入価格を商品のユーザによる一時的使用の開始後にこのユーザに提示する第3ステップ(S1207、S1305)と、配送された商品のユーザによる一時的使用の開始後に、ユーザから、配送された商品の購入に関する購入申込情報を受け入れる第4ステップ(S1208)と、を実行させる、プログラム。
(付記2)
メモリ(102、103)には、ユーザによる商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った他のユーザの一時的使用期間の履歴(127)が商品毎に格納され、第3ステップ(S1207、S1305)において、履歴(127)に基づいて一時的使用の状況の実績を求める付記1に記載のプログラム。
(付記3)
第1ステップ(S1202)において、所定の使用許可価格の支払を前提とした、ユーザからの商品に対する所定期間の一時的使用の申込に関する入力情報を受け入れ、第3ステップ(S1207、S1305)において、使用許可価格と、一時的使用の状況の実績とに基づいて使用済購入価格を算出する、付記1または2に記載のプログラム。
(付記4)
第3ステップ(S1207、S1305)において提示される使用済購入価格は、商品の正規販売価格から、使用許可価格と、ユーザによる商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った他のユーザの一時的使用期間とを乗じた価格を差し引いた価格である付記3に記載のプログラム。
(付記5)
第3ステップ(S1207、S1305)において提示される使用済購入価格は、商品の製造及び/または販売業者が設定した最低価格を下回らない価格である付記1~4のいずれかに記載のプログラム。
(付記6)
プログラムは、さらに、プロセッサに、以前に商品の一時的使用を行ったユーザに対して、現時点での使用済購入価格を算出し、算出した使用済購入価格を提示する第5ステップ(S1402)を実行させる付記1~5のいずれかに記載のプログラム。
(付記7)
第5ステップにおける使用済購入価格の提示は、ユーザが以前に一時的使用を行った商品について他のユーザが一時的使用を終了した後である付記6に記載のプログラム。
(付記8)
プログラムは、さらに、プロセッサに、以前に商品の一時的使用を行ったユーザから、商品の購入に関する購入申込情報を受け入れる第6ステップ(S1403)を実行させ、このとき、商品について一時的使用を行っている他のユーザがいる場合、第6ステップ(S1403)における購入申込情報の受け入れよりも第3ステップ(S1208)における購入申込情報の受け入れを優先する付記6または7に記載のプログラム。
(付記9)
プログラムは、さらに、プロセッサに、入力情報の受け入れに基づいて、ユーザから使用許可価格の支払情報を受け入れる第7ステップと、支払情報の受け入れに基づいて、商品の製造及び/または販売業者に、使用許可価格に基づいて定められる使用対価の支払情報を送出する第8ステップとを実行させる付記1~8のいずれかに記載のプログラム。
(付記10)
プロセッサ(101)と、メモリ(102、103)とを備える装置(10)であって、プロセッサ(101)が、ユーザからの商品に対する所定期間の一時的使用の申込に関する入力情報を受け入れる第1ステップ(S1202)と、入力情報の受け入れに基づいて、商品の配送を依頼する配送依頼情報を配送業者に送出する第2ステップ(S1203)と、ユーザによる商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った他のユーザの一時的使用の状況の実績に基づいて定められる使用済購入価格を算出し、この使用済購入価格を商品のユーザによる一時的使用の開始後にこのユーザに提示する第3ステップと(S1207、S1305)、配送された商品のユーザによる一時的使用の開始後に、ユーザから、配送された商品の購入に関する購入申込情報を受け入れる第4ステップ(S1208)と、を実行する、装置。
(付記11)
プロセッサ(101)とメモリ(102、103)とを備えるコンピュータ(10)のプロセッサ(101)が、ユーザからの商品に対する所定期間の一時的使用の申込に関する入力情報を受け入れる第1ステップと(S1202)、入力情報の受け入れに基づいて、商品の配送を依頼する配送依頼情報を配送業者に送出する第2ステップ(S1203)と、ユーザによる商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った他のユーザの一時的使用の状況の実績に基づいて定められる使用済購入価格を算出し、この使用済購入価格をユーザに提示する第4ステップと(S1207、S1305)、配送された商品のユーザによる一時的使用がされている間に、ユーザから、配送された商品の購入に関する購入申込情報を受け入れる第3ステップと(S1208)、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0141】
N…ネットワーク 1…システム 2…オファーサイト 3…販売業者 4…ユーザ 5…倉庫 10…サーバ 20…ユーザ端末 30…販売業者 40…配送業者 50…倉庫 101…プロセッサ 102…主記憶装置 103…補助記憶装置 120…記憶部 121…アプリケーションプログラム 122…商品DB 124…業者DB 126…ユーザ情報DB 127…商品管理DB 123…商品データ 125…業者紹介ページ 128…料金テーブル 130…制御部 131…受信制御部 132…送信制御部 133…商品提示部 134…配送指示部 135…商品管理部 136…価格算出部 137…提示部 140…通信部
【要約】
【課題】商品の一時的使用に対する対価を弾力的に決定でき、さらに対価を安価にする。
【解決手段】プログラム121は、ユーザからの商品に対する所定期間の一時的使用の申込に関する入力情報を受け入れる第1ステップと、入力情報の受け入れに基づいて、商品の配送を依頼する配送依頼情報を配送業者に送出する第2ステップと、ユーザによる商品の一時的使用以前に当該商品の一時的使用を行った他のユーザによる一時的使用を含む当該商品の一時的使用の状況の実績に基づいて定められる使用済購入価格を算出し、この使用済購入価格を商品のユーザによる一時的使用の開始後にこのユーザに提示する第3ステップと、配送された商品のユーザによる一時的使用の開始後に、ユーザから、配送された商品の購入に関する購入申込情報を受け入れる第4ステップとを実行する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19