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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】冷却装置、半導体モジュールおよび車両
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20220803BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20220803BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20220803BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20220803BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220803BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H01L23/36 A
H01L25/04 C
H05K7/20 N
B60R16/02 610D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018070708
(22)【出願日】2018-04-02
(65)【公開番号】P2019186237
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000222484
【氏名又は名称】株式会社ティラド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】新井 伸英
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-092468(JP,A)
【文献】国際公開第2007/105580(WO,A1)
【文献】特開2011-210822(JP,A)
【文献】特開2010-093020(JP,A)
【文献】特開2011-253886(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0002397(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101443904(CN,A)
【文献】特開2010-182831(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0193941(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101794754(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0235279(US,A1)
【文献】特開2014-056853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/473
H01L 23/29
H01L 25/07
H05K 7/20
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップを含む半導体モジュール用の冷却装置であって、
天板と、
冷媒流通部、前記冷媒流通部を囲む外縁部、および前記天板と対向して配置された底板を含み、前記底板は前記天板と対向する上面と、前記上面とは逆側の下面とを有し、前記冷媒流通部は前記天板の下面と前記底板の上面との間に配置され、且つ、前記外縁部において前記天板の下面に直接または間接に密着して配置されたケース部と、
前記冷媒流通部に配置された冷却フィンと、
前記底板の下面に固定された補強板と
を備え、
前記ケース部は、前記底板と一体に設けられ、前記天板と前記底板の間に前記冷媒流通部を画定する側壁を更に有し、
前記補強板は、前記側壁の少なくとも一部を覆っており、
前記底板の前記下面の総面積に対して前記補強板が前記底板の前記下面を覆っている面積の割合が、前記側壁の側面の総面積に対して前記補強板が前記側壁の前記側面を覆っている面積の割合よりも大きい冷却装置。
【請求項2】
前記補強板は、前記底板の前記下面の90%以上の領域を覆っている
請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記補強板は、前記底板の前記下面と平行な面において、前記底板の前記下面より大きい
請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
半導体チップを含む半導体モジュール用の冷却装置であって、
天板と、
冷媒流通部、前記冷媒流通部を囲む外縁部、および前記天板と対向して配置された底板を含み、前記底板は前記天板と対向する上面と、前記上面とは逆側の下面とを有し、前記冷媒流通部は前記天板の下面と前記底板の上面との間に配置され、且つ、前記外縁部において前記天板の下面に直接または間接に密着して配置されたケース部と、
前記冷媒流通部に配置された冷却フィンと、
前記底板の下面に固定された補強板と
を備え、
前記ケース部は、前記底板と一体に設けられ、前記天板と前記底板の間に前記冷媒流通部を画定する側壁を更に有し、
前記底板は、上面視において、1組の対向する長辺と、1組の対向する短辺とを有しており、
前記底板の前記短辺に接続している前記側壁には、上面視において湾曲した形状を有する絞り部が、前記側壁の上端から下端まで設けられており、
前記底板の前記長辺に接続している前記側壁には、前記絞り部が設けられていない冷却装置。
【請求項5】
半導体チップを含む半導体モジュール用の冷却装置であって、
天板と、
冷媒流通部、前記冷媒流通部を囲む外縁部、および前記天板と対向して配置された底板を含み、前記底板は前記天板と対向する上面と、前記上面とは逆側の下面とを有し、前記冷媒流通部は前記天板の下面と前記底板の上面との間に配置され、且つ、前記外縁部において前記天板の下面に直接または間接に密着して配置されたケース部と、
前記冷媒流通部に配置された冷却フィンと、
前記底板の下面に固定された補強板と
を備え、
前記底板には、前記冷媒流通部に冷媒を導入または導出する2つの底板開口部が設けられており、
前記補強板には、前記底板開口部と重なる位置に、前記底板開口部より開口面積の小さい補強板開口部が設けられている冷却装置。
【請求項6】
半導体チップを含む半導体モジュール用の冷却装置であって、
天板と、
冷媒流通部、前記冷媒流通部を囲む外縁部、および前記天板と対向して配置された底板を含み、前記底板は前記天板と対向する上面と、前記上面とは逆側の下面とを有し、前記冷媒流通部は前記天板の下面と前記底板の上面との間に配置され、且つ、前記外縁部において前記天板の下面に直接または間接に密着して配置されたケース部と、
前記冷媒流通部に配置された冷却フィンと、
前記底板の下面に固定された補強板と
を備え、
前記ケース部は、前記底板と一体に設けられ、前記天板と前記底板の間に前記冷媒流通部を画定する側壁を更に有し、
前記補強板は、
前記底板の下面に固定されるベース部と、
前記ベース部から上方に突出して設けられ、前記側壁に固定される突出部と
を有する冷却装置。
【請求項7】
前記補強板は、上面視において、1組の対向する長辺と、1組の対向する短辺とを有しており、
前記突出部は、前記補強板のそれぞれの辺に少なくとも一つ設けられており、
少なくとも1つの前記長辺には2つ以上の前記突出部が設けられている
請求項6に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置、半導体モジュールおよび車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パワー半導体チップ等の半導体素子を含む半導体モジュールにおいて、冷却装置を設けた構成が知られている(例えば、特許文献1-3参照)。
特許文献1 特開2006-324647号公報
特許文献2 特開2010-93020号公報
特許文献3 特開2010-251443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
半導体素子が配置される絶縁基板等と、冷却装置との線膨張係数の違いにより、冷却器が山なりに反る場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、半導体チップを含む半導体モジュール用の冷却装置を提供する。冷却装置は、天板を備えてよい。冷却装置は、ケース部を備えてよい。ケース部は、冷媒流通部を有してよい。ケース部は、冷媒流通部を囲む外縁部を有してよい。ケース部は、天板と対向して配置された底板を有してよい。底板は天板と対向する上面と、上面とは逆側の下面とを有してよい。冷媒流通部は天板の下面と底板の上面との間に配置されてよい。ケース部は、外縁部において天板の下面に直接または間接に密着して配置されてよい。冷却装置は、冷媒流通部に配置された冷却フィンを備えてよい。冷却装置は、底板の下面に固定された補強板を備えてよい。
【0005】
補強板は、底板の下面の90%以上の領域を覆ってよい。
【0006】
補強板は、底板の下面と平行な面において、底板の下面より大きくてよい。
【0007】
ケース部は、底板と一体に設けられ、天板と底板の間に冷媒流通部を画定する側壁を有してよい。底板の下面の総面積に対して補強板が底板の下面を覆っている面積の割合が、側壁の側面の総面積に対して補強板が側壁の側面を覆っている面積の割合よりも大きくてよい。
【0008】
底板は、上面視において、1組の対向する長辺と、1組の対向する短辺とを有してよい。底板の短辺に接続している側壁には、上面視において湾曲した形状を有する絞り部が、側壁の上端から下端まで設けられてよい。底板の長辺に接続している側壁には、絞り部が設けられていなくてよい。
【0009】
底板には、冷媒流通部に冷媒を導入または導出する2つの底板開口部が設けられてよい。補強板には、底板開口部と重なる位置に、底板開口部より開口面積の小さい補強板開口部が設けられていてよい。
【0010】
補強板は、底板の下面に固定されるベース部を有してよい。補強板は、ベース部から上方に突出して設けられ、側壁に固定される突出部を有してよい。
【0011】
補強板は、上面視において、1組の対向する長辺と、1組の対向する短辺とを有してよい。突出部は、補強板のそれぞれの辺に少なくとも一つ設けられてよい。少なくとも1つの長辺には2つ以上の突出部が設けられていてよい。
【0012】
補強板が複数枚積層されていてよい。補強板は、ケース部と同一の材料で形成されていてよい。補強板は、ケース部の底板と同一の厚みを有してよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、第1の態様に係る冷却装置と、天板の上方に配置された半導体装置とを備える半導体モジュールを提供する。
【0014】
本発明の第3の態様においては、第2の態様に係る半導体モジュールを備える車両を提供する。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュール100の一例を示す模式的な断面図である。
図1B】パイプ90を接続した状態の半導体モジュール100を示す図である。
図2】上面視(xy面)における天板20の形状の一例を示す図である。
図3】上面視(xy面)におけるケース部40の形状の一例を示す図である。
図4】上面視(xy面)における補強板30の形状の一例を示す図である。
図5】天板20、ケース部40および補強板30を分離して示した斜視図である。
図6図5とはz軸方向の向きを反転させた、補強板30およびケース部40の斜視図である。
図7】補強板30の他の例を示す上面図である。
図8図7に示した補強板30の斜視図である。
図9】ケース部40の他の例を示す下面図である。
図10】絞り部44の近傍の斜視図である。
図11】補強板開口部43と、底板開口部42の一例を示す図である。
図12図11に示した補強板開口部43および底板開口部42の近傍における、底板64および補強板30の断面図である。
図13】冷却装置10の他の例を示す断面図である。
図14】補強板30の他の例を示す図である。
図15】本発明の一つの実施形態に係る車両200の概要を示す図である。
図16】本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュール100の主回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1Aは、本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュール100の一例を示す模式的な断面図である。半導体モジュール100は、半導体装置70および冷却装置10を備える。本例の半導体装置70は、冷却装置10に配置されている。本明細書では、半導体装置70が配置されている冷却装置10の面をxy面とし、xy面と垂直な面をz軸とする。本明細書では、z軸方向において冷却装置10から半導体装置70に向かう方向を上、逆の方向を下と称するが、上および下の方向は、重力方向に限定されない。また本明細書では、各部材の面のうち、上側の面を上面、下側の面を下面、上面および下面の間の面を側面と称する。
【0019】
半導体装置70は、パワー半導体チップ等の半導体チップ78を1つ以上含む。一例として半導体チップ78には、シリコン等の半導体基板に形成された絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)が設けられている。
【0020】
半導体装置70は、回路基板76と、収容部72とを有する。回路基板76は、一例として絶縁基板に回路パターンが設けられた基板である。回路基板76には、はんだ等を介して半導体チップ78が固定されている。収容部72は、樹脂等の絶縁材料で形成されている。収容部72は、半導体チップ78、回路基板76および配線等を収容する内部空間を有する。収容部72の内部空間には、半導体チップ78、回路基板76および配線等を封止する封止部74が充填されていてよい。封止部74は、例えばシリコーンゲルまたはエポキシ樹脂等の絶縁部材である。
【0021】
冷却装置10は、天板20およびケース部40を有する。天板20は、xy面と平行な上面22および下面24を有する板状の金属板であってよい。一例として天板20は、アルミニウムを含む金属で形成されている。天板20の上面22には、半導体装置70が配置される。天板20には、半導体チップ78が発生した熱が伝達される。例えば天板20および半導体チップ78の間は、回路基板76、金属板およびはんだ等の熱伝導性の部材が配置されている。回路基板76は、はんだ等により天板20の上面22に直接的に固定されていてよい。この場合、収容部72は、天板20の上面22において回路基板76等が配置された領域を囲んで設けられる。他の例では、半導体装置70は収容部72の下面に露出する金属板を有しており、当該金属板の上面に回路基板76が固定され、当該金属板が天板20の上面22に固定されていてもよい。
【0022】
ケース部40は、冷媒流通部92、冷媒流通部92を囲む外縁部41、および天板20と対向して配置された底板64を含む。底板64は天板20と対向する上面65と、上面65とは逆側の下面66とを有する。冷媒流通部92は、天板20の下面24と底板64の上面65との間に配置されている。ケース部40は、天板20と一体に形成されていてよく、別部材として形成されていてもよい。冷媒流通部92は、水等の冷媒が流通する領域である。冷媒流通部92は、天板20の下面24に接する密閉空間であってよい。また、ケース部40は、xy面において冷媒流通部92を囲む外縁部41において、天板20の下面24に直接または間接に密着して配置されている。これにより、冷媒流通部92を密閉している。なお、間接に密着とは、天板20の下面24とケース部40との間に設けられた、シール材、接着剤、または、その他の部材を介して、天板20の下面24とケース部40とが密着している状態を指す。密着は、冷媒流通部92の内部の冷媒が、当該密着部分から漏れ出ない状態を指す。
【0023】
冷媒流通部92の内部には冷却フィン94が配置されている。冷却フィン94は、天板20の下面24と接続されていてよい。冷却フィン94の近傍に冷媒を通過させることで、半導体チップ78が発生した熱を冷媒に受け渡す。これにより、半導体装置70を冷却できる。本例のケース部40は、枠部62、底板64および側壁63を有する。外縁部41は少なくとも枠部62を含んでよい。
【0024】
枠部62は、xy面において冷媒流通部92を囲んで配置されている。枠部62は、天板20の下面24に直接または間接に密着して配置されている。つまり、枠部62と、天板20の下面24とは、冷媒流通部92を密閉するように設けられている。枠部62と、天板20の下面24との間には、シール材または他の部材が設けられていてよい。
【0025】
本例では、天板20およびケース部40の間はロウ付けされている。一例として、天板20およびケース部40は、同一組成の材料(本例では金属)で形成されており、ロウ材は、天板20等よりも融点の低い金属で形成されている。
【0026】
底板64は、天板20とz軸方向において対向して、且つ、天板20の下面24との間に冷媒流通部92を有して配置されている。底板64は、ケース部40において天板20と離れて配置された部分のうち、天板20と平行な部分を指してよい。側壁63は、枠部62と、底板64とを接続することで、冷媒流通部92を画定する。底板64は、天板20と対向する上面65と、上面65とは逆側の下面66とを有する。側壁63は、底板64から天板20に向かって延伸している。本例の底板64には、冷媒流通部92に冷媒を導入し、または、導出する2つ以上の底板開口部42が設けられている。他の例では、底板開口部42は側壁63に設けられていてもよい。
【0027】
天板20とケース部40は、互いを締結するためのネジ等が挿入される貫通孔が設けられてよい。貫通孔は、半導体モジュール100を外部の装置に固定するために用いられてもよい。貫通孔は、天板20および枠部62が、直接または間接に密着してz軸方向において重なって配置された領域に設けられている。
【0028】
冷却フィン94は、2つの底板開口部42の間に設けられている。冷却フィン94を挟んで設けられた一方の底板開口部42は、冷媒を冷媒流通部92に導入する導入口として機能して、他方の底板開口部42は、冷媒を冷媒流通部92から導出する導出口として機能する。いずれの底板開口部42を、導入口および導出口のいずれとして機能させるかは、ユーザーが適宜選択できる。
【0029】
冷却装置10は、底板64の下面66に固定された補強板30を更に備える。補強板30は、底板64の下面66の少なくとも一部を覆って設けられた板状の部材である。補強板30は、底板64の下面66の面積の90%以上を覆ってよく、全体を覆ってもよい。補強板30は、底板64の下面66と同一形状であってよい。補強板30は、底板64の下面66より大きくてもよい。
【0030】
補強板30は、ケース部40と同一組成の金属で形成されていてよい。一例として補強板30は、アルミニウムを含む金属で形成されている。アルミニウムを含む金属として、Al-Mn系合金(3000系アルミニウム合金)、Al-Mg-Si系合金(6000系アルミニウム合金)などのアルミニウム合金が用いられてよい。ロウ材としてAl-Si系合金(4000系アルミニウム合金)などのアルミニウム合金が用いられてよい。天板20も、ケース部40と同一組成の金属で形成されていてよい。補強板30は、天板20およびケース部40より引張強さが高い材料で形成されていてもよい。引張強さは、断面積が一様な棒状材料に引張荷重を加えて破断させたときの最大荷重を、当該断面積で除算した値を用いてよい。
【0031】
底板64に補強板30を設けることで、冷却装置10が、z軸方向に反ることを抑制できる。また、補強板30を設けることで、ケース部40全体の厚み(特に側壁63の厚み)を大きくせずに、冷却装置10の強度を向上できる。このため、側壁63等を鍛造加工する場合に、加工が容易になる。
【0032】
本例の補強板30は、底板64の下面66と平行に配置され、下面66に固定されるベース部32と、ベース部32から上方(z軸方向)に突出して設けられ、側壁63に固定される突出部34とを有する。突出部34は、ベース部32のxy面における周縁部分に離散的に配置されている。ベース部32および突出部34は、一体に形成されていてよい。つまりベース部32および突出部34は、一枚の板状部材を折り曲げ加工したものであってよい。
【0033】
ベース部32は、底板64の下面66に沿った形状を有してよい。下面66が平面の場合、ベース部32は平板形状であることが好ましい。下面66に凹凸が設けられている場合、ベース部32は、下面66に沿った凹凸を有してもよい。本例のベース部32は、下面66に重なる部分の全体が、下面66に密着して固定されている。
【0034】
側壁63の少なくとも一部には、補強板30が設けられていない。本例の側壁63は、突出部34を除き、補強板30が固定されていない。側壁63のほとんどの部分に補強板30を設けていないので、側壁63は、底板64に比べて変形しやすくなる。このため、仮に底板64が微小に反ってしまった場合であっても、当該反りを側壁63で吸収して、枠部62に伝わる応力を低減できる。このため、枠部62と天板20との密着性を維持できる。また、底板64に底板開口部42が設けられている場合には、補強板30を設けることで、図1Bにおいて後述するパイプ90の接続時等に力が加わる箇所を補強できる。
【0035】
底板64に底板開口部42が設けられている場合、補強板30には、底板開口部42と重なる位置に補強板開口部43が設けられている。冷媒は、底板開口部42および補強板開口部43の両方を通過して、冷媒流通部92に導入または導出される。
【0036】
本例では、天板20、ケース部40および補強板30の各部材の間はロウ付けされている。一例として、天板20、ケース部40および補強板30は、同一組成の金属で形成されており、ロウ材は、天板20等よりも融点の低い金属で形成されている。
【0037】
図1Bは、パイプ90が接続された状態の半導体モジュール100を示す図である。パイプ90は、Oリング等のシール材を介して補強板30に固定される。パイプ90は、冷媒を冷媒流通部92に導入または導出する。なお、冷媒流通部92に冷媒を導入または導出する手段は、パイプ90に限定されない。
【0038】
図2は、上面視(xy面)における天板20の形状の一例を示す図である。天板20は、上面視において2組の対向する辺26、28を有する。本例の天板20は、短辺26と、長辺28とを有する略矩形形状である。本明細書では、短辺26が伸びる方向をx軸とし、長辺28が伸びる方向をy軸とする。
【0039】
天板20には、図1Aにおいて説明した、天板20とケース部40を互いに締結し、または、半導体モジュール100を外部装置に固定するために用いられる貫通孔の一部である貫通孔82が設けられている。本例の貫通孔82は、天板20の4つの角に設けられているが、貫通孔82の位置および個数はこれに限定されない。また、天板20の形状は、図2に示したような矩形に限定されない。天板20は、xy面において各辺から突出した部分を有してよい。貫通孔82は、当該突出部分に設けられてもよい。
【0040】
図3は、上面視(xy面)におけるケース部40の形状の一例を示す図である。本例のケース部40のxy面における外形は、天板20の外形と同一である。本例では、枠部62の外形が、ケース部40の外形に相当する。なお図1Aに示した冷却装置10の断面は、図3におけるA-A断面に対応する。
【0041】
ケース部40のそれぞれの角にも、貫通孔82と対応する位置に貫通孔86が設けられている。本例では、枠部62に貫通孔86が設けられている。
【0042】
xy面において枠部62の内側には、底板64が設けられている。本例の底板64には、2つの底板開口部42が設けられている。本例の底板開口部42は、底板64の2つの対角に配置されているが、底板開口部42の位置はこれに限定されない。
【0043】
図4は、上面視(xy面)における補強板30の形状の一例を示す図である。本例の補強板30は、ベース部32が底板64と同一の外形を有している。ベース部32の周縁に沿って、複数の突出部34が離散的に配置されている。
【0044】
本例の補強板30は、xy面において平行な2つの対向する短辺36と、xy面において平行な2つの対向する長辺38を有する。本例の短辺36および長辺38は直角に配置されている。突出部34は、2つの短辺36、および、2つの長辺38の各辺に少なくとも一つずつ配置されている。また、少なくとも一つの長辺38には、2つ以上の突出部34が配置されていることが好ましい。
【0045】
このように突出部34を少なくとも5つ配置することで、補強板30をケース部40の底板64に固定する場合に、補強板30がケース部40に対して位置ずれし、または、回転することを防ぐことができる。一例として、補強板30は、ケース部40の底板64にロウ付けされる。突出部34を設けることで、ロウ材を溶融したときに補強板30が移動することを防げる。なおロウ材は、ベース部32と底板64との間、および、突出部34と側壁63との間に設けられてよい。
【0046】
なお、長辺38に設けられた突出部34は、対向する長辺38に設けられた突出部34とは、x軸方向に対向しない位置に設けられてよい。つまり、長辺38に設けられた突出部34は、対向する長辺38に設けられた突出部34とは、y軸における位置が異なっていてよい。これにより、ロウ材を溶融したときに補強板30が回転することを抑制できる。また、短辺36に設けられた突出部34は、対向する短辺36に設けられた突出部34とは、y軸方向に対向しない位置に設けられてよく、対向する位置に設けられてもよい。
【0047】
また、補強板30において、底板開口部42と重なる位置には、補強板開口部43が設けられている。補強板開口部43と底板開口部42の形状および大きさは同一であってよく、異なっていてもよい。
【0048】
長辺38に設けられた突出部34は、当該長辺38に最も近い補強板開口部43とは、x軸方向において対向しない位置に設けられてよい。つまり、長辺38に設けられた突出部34は、当該長辺38に最も近い補強板開口部43とは、y軸方向における位置が異なっていてよい。補強板開口部43が設けられたことにより補強板30の幅が細くなった領域を避けて、突出部34を設けることで、当該領域への応力を緩和できる。長辺38に設けられた突出部34は、当該長辺38に最も遠い補強板開口部43とは、x軸方向において対向して設けられてもよい。
【0049】
短辺36に設けられた突出部34は、いずれの補強板開口部43とも、y軸方向において対向しない位置に設けられてよい。短辺36に設けられた突出部34は、短辺36の中央に配置されてよい。
【0050】
図5は、天板20、ケース部40および補強板30を分離して示した斜視図である。上述したように、天板20およびケース部40は、xy面においてほぼ同一の外形を有してよい。補強板30およびケース部40の底板64は、xy面においてほぼ同一の外形を有してよい。図5においては、天板20、ケース部40および補強板30をロウ付け等で固定した場合に重なる位置を、破線で示している。なお図5においては、冷媒流通部92に配置される冷却フィン94は省略している。また、各部材間のロウ材も省略している。
【0051】
図5に示すように、枠部62は、冷媒流通部92を囲んで配置されており、天板20とともに冷媒流通部92を密閉している。ケース部40は、天板20から離れて配置された底板64と、底板64および枠部62を接続する側壁63を有する。天板20の下面24、およびケース部40により、冷媒流通部92が画定されている。
【0052】
また、天板20、補強板30およびケース部40の底板64は、同一の厚みを有してよい。また、ケース部40は、枠部62および側壁63が一体に設けられていてよい。枠部62および側壁63は、一枚の板状の金属を鍛造加工することで形成してよい。また、底板64は、側壁63と一体に設けられてよく、側壁63にロウ付けされていてもよい。底板64、枠部62および側壁63は、同一の厚みを有してよい。それぞれの部材が同一の厚みを有することで、共通の金属ロール材を用いて冷却装置10を製造できる。
【0053】
上述したように、補強板30には、上方(z軸方向において、天板20に向かう方向)に突出した突出部34が設けられている。突出部34のz軸方向における長さは、側壁63のz軸方向の高さより小さくてよく、同一であってもよい。
【0054】
図6は、図5とはz軸方向の向きを反転させた、補強板30およびケース部40の斜視図である。上述したように、補強板30は、ケース部40の底板64における下面66の全体を覆ってよい。下面66全体にロウ材を設けて補強板30を固定する場合に、補強板30で下面66全体を覆うことで、ロウ材が露出し、または、ロウ材が垂れることを抑制できる。
【0055】
下面66の一部にロウ材が設けられている場合、補強板30は、ロウ材が設けられた領域を覆い、ロウ材が設けられていない領域の少なくとも一部の領域を覆わなくてもよい。なおロウ材は、補強板30に設けられていてもよい。補強板30により覆われずに露出した下面66には、外部の被冷却部材を接触させてもよい。
【0056】
また、側壁63は、ほとんどの領域が補強板30に覆われていない。底板64の下面66の総面積に対して補強板30(本例ではベース部32)が底板64の下面66を覆っている面積の割合をR1とする。また、側壁63の側面67の総面積に対して補強板30(本例では突出部34)が側壁63の側面67を覆っている面積の割合をR2とする。割合R1は割合R2よりも大きい。一例として割合R1は90%以上であってよく、100%であってもよい。割合R2は、20%以下であってよく、10%以下であってよく、0%であってもよい。
【0057】
図7は、補強板30の他の例を示す上面図である。図6においては、底板64の下面66と重なる位置を点線で示している。本例の補強板30は、底板64の下面66よりも大きい。図4に示した例では、突出部34は、補強板30の長辺38および短辺36よりも外側に突出して設けられていたが、本例の突出部34は、補強板30の長辺38および短辺36よりも内側に設けられている。
【0058】
なお図7の例では、補強板30は、下面66の外周の全体にわたって、下面66よりも外側に突出しているが、他の例では、補強板30は、下面66の外周の一部において、下面66よりも外側に突出していてもよい。補強板30が下面66よりも外側に突出する部分を有することで、補強板30および底板64との間に設けられたロウ材を溶融した場合に、ロウ材が下方に垂れることを抑制できる。
【0059】
図8は、図7に示した補強板30の斜視図である。それぞれの突出部34は、補強板30の長辺38および短辺36と側面が面一となるように設けられてよい。
【0060】
図9は、ケース部40の他の例を示す下面図である。本例のケース部40は、図1Aから図8において説明したいずれの形態に適用してもよい。本例のケース部40の底板64は、xy面において1組の対向する長辺48と、1組の対向する短辺46とを有する。底板64の短辺46に接続している少なくとも一つの側壁63には、xy面において湾曲した形状を有する絞り部44が設けられている。
【0061】
本例においては、絞り部44は、両方の短辺46に対して設けられている。それぞれの短辺46において絞り部44は複数設けられてよい。本例においては、2つの絞り部44が、補強板30の突出部34をx軸方向において挟むように配置されている。図9においては、突出部34が配置される位置を破線で示している。
【0062】
図10は、絞り部44の近傍の斜視図である。絞り部44は、xy面における湾曲した形状が、側壁63の上端52から下端54まで連続して設けられている。側壁63の上端52とは、枠部62と側壁63との境界であり、下端54とは、底板64と側壁63との境界である。側壁63の上端52および下端54は、側壁63の傾きが一定(例えば、天板20に対して垂直)である範囲の上端および下端であってよい。
【0063】
絞り部44を設けることで、側壁63の強度を向上させることができる。また、突出部34を挟むように絞り部44を設けることで、応力がかかりやすい領域を絞り部44で挟むことができ、側壁63の強度を更に向上させることができる。
【0064】
また、底板64の長辺48に接続している側壁63には、絞り部44が設けられていない。他の例では、長辺48に接続している側壁63には、xy面において絞り部44よりも曲率半径の大きい湾曲部が設けられていてもよい。長辺48に絞り部44を設けないことで、底板64のz軸方向の反りの一部を、長辺48で吸収できる。
【0065】
図11は、補強板開口部43と、底板開口部42の一例を示す図である。本例の補強板開口部43と、底板開口部42は、図1Aから図10において説明したいずれの態様に適用してもよい。
【0066】
上述したように、補強板開口部43と、底板開口部42は、xy面において重なる位置に設けられている。本例では、補強板開口部43の開口面積は、底板開口部42の開口面積よりも小さい。つまり、補強板開口部43の開口の縁は、底板開口部42の開口の縁の内側に配置されている。
【0067】
図12は、図11に示した補強板開口部43および底板開口部42の近傍における、底板64および補強板30の断面図である。本例では、底板64および補強板30の間には、ロウ材56が設けられている。
【0068】
上述したように、補強板開口部43の縁部49は、xy面において、底板開口部42の縁部50の内側に配置されている。補強板開口部43を打ち抜き加工等で形成すると、補強板開口部43の縁部49には、z軸方向に突出したバリ等が形成される場合がある。
【0069】
本例によれば、補強板開口部43の縁部49にバリ等が形成されても、当該バリを底板開口部42の内側に収容できる。このため、当該バリによる底板64と補強板30との密着性の低下を抑制できる。また、補強板30が、底板開口部42の内側まで突出しているので、ロウ材56が垂れるのを抑制できる。また本例によれば、補強板30のxy面における位置がずれた場合であっても、補強板開口部43を、底板開口部42と重なる位置に配置しやすくなる。底板開口部42および補強板開口部43のxy面における形状は、円、卵形、角丸四角形や楕円等のオーバル形であってよい。底板開口部42および補強板開口部43の形状は互いに相似であってよい。
【0070】
図13は、冷却装置10の他の例を示す断面図である。本例の冷却装置10は、補強板30がz軸方向に複数枚積層されている。補強板30が複数積層(図13では、補強板30-1および補強板30-2)された構造は、図1Aから図12において説明したいずれの態様に適用してもよい。それぞれの補強板30は、同一の厚みを有してよい。このような構造により、底板64の強度を更に向上できる。
【0071】
なお、それぞれの補強板30には、補強板開口部43が設けられる。底板64から離れた補強板30ほど、補強板開口部43の開口面積は小さくてよい。それぞれの補強板開口部43は、z軸方向において上方に形成された、それぞれの開口部の内側に配置されてよい。
【0072】
また、それぞれの補強板30には、突出部34が設けられてよい。この場合、それぞれの補強板30における突出部34は、他の補強板30の突出部34と接触しない位置に設けられる。他の例では、底板64に隣接する補強板30だけに突出部34が設けられてもよい。
【0073】
図14は、補強板30の他の例を示す図である。本例の補強板30は、xy面において天板20と同一の形状を有している。本例の補強板30は、図1Aから図13において説明したいずれの態様に適用してもよい。また図14においては、天板20とケース部40を互いに締結し、または、半導体モジュール100を外部装置に固定するために用いられる貫通孔79を模式的に示している。貫通孔79の位置は、図14に示した位置に限定されない。
【0074】
本例の補強板30には、貫通孔79と対向する位置に、貫通孔81が設けられている。貫通孔79および貫通孔81には、ネジ等の共通の締結材が挿入される。これにより、補強板30を底板64に対して押圧することができる。冷媒が漏れるのを防ぐべく、補強板30と底板64との間にシール部材が設けられている場合、本例の構造により、シール部材をより強く押さえることができる。
【0075】
図15は、本発明の一つの実施形態に係る車両200の概要を示す図である。車両200は、少なくとも一部の推進力を、電力を用いて発生する車両である。一例として車両200は、全ての推進力をモーター等の電力駆動機器で発生させる電気自動車、または、モーター等の電力駆動機器と、ガソリン等の燃料で駆動する内燃機関とを併用するハイブリッド車である。
【0076】
車両200は、モーター等の電力駆動機器を制御する制御装置210(外部装置)を備える。制御装置210には、半導体モジュール100が設けられている。半導体モジュール100は、電力駆動機器に供給する電力を制御してよい。
【0077】
図16は、本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュール100の主回路図である。半導体モジュール100は、車両のモーターを駆動する車載用ユニットの一部であってよい。半導体モジュール100は、出力端子U、VおよびWを有する三相交流インバータ回路として機能してよい。
【0078】
半導体チップ78‐1、78‐2および78‐3は半導体モジュール100における下アームを、複数の半導体チップ78‐4、78‐5および78‐6は半導体モジュール100における上アームを構成してよい。一組の半導体チップ78‐1、78-4はレグを構成してよい。一組の半導体チップ78‐2、78-5、一組の半導体チップ78‐3、78-6も同様にレグを構成してよい。半導体チップ78‐1においては、エミッタ電極が入力端子N1に、コレクタ電極が出力端子Uに、それぞれ電気的に接続してよい。半導体チップ78‐4においては、エミッタ電極が出力端子Uに、コレクタ電極が入力端子P1に、それぞれ電気的に接続してよい。同様に、半導体チップ78‐2、78-3においては、エミッタ電極がそれぞれ入力端子N2、N3に、コレクタ電極がそれぞれ出力端子V、Wに、電気的に接続してよい。さらに、半導体チップ78‐5、78‐6においては、エミッタ電極がそれぞれ出力端子V、Wに、コレクタ電極がそれぞれ入力端子P2、P3に、電気的に接続してよい。
【0079】
各半導体チップ78‐1から78‐6は、半導体チップ78の制御電極パッドに入力される信号により交互にスイッチングされてよい。本例において、各半導体チップ78はスイッチング時に発熱してよい。入力端子P1、P2およびP3は外部電源の正極に、入力端子N1、N2およびN3は負極に、出力端子U、V,およびWは負荷にそれぞれ接続してよい。入力端子P1、P2およびP3は互いに電気的に接続されてよく、また、他の入力端子N1、N2およびN3も互いに電気的に接続されてよい。
【0080】
半導体モジュール100において、複数の半導体チップ78‐1から78‐6は、それぞれRC‐IGBT(逆導通IGBT)半導体チップであってよい。RC‐IGBT半導体チップにおいて、IGBTおよび還流ダイオード(FWD)は一体形成され、且つ、IGBTおよびFWDは逆並列に接続されてよい。複数の半導体チップ78‐1から78‐6は、それぞれMOSFETやIGBTなどのトランジスタとダイオードとの組み合わせを含んでよい。トランジスタおよびダイオードのチップ基板は、シリコン基板、炭化けい素基板や窒化ガリウム基板であってよい。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0082】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0083】
10・・・冷却装置、20・・・天板、22・・・上面、24・・・下面、26・・・短辺、28・・・長辺、30・・・補強板、32・・・ベース部、34・・・突出部、36・・・短辺、38・・・長辺、40・・・ケース部、41・・・外縁部、42・・・底板開口部、43・・・補強板開口部、44・・・絞り部、46・・・短辺、48・・・長辺、49・・・縁部、50・・・縁部、52・・・上端、54・・・下端、56・・・ロウ材、62・・・枠部、63・・・側壁、64・・・底板、65・・・上面、66・・・下面、67・・・側面、70・・・半導体装置、72・・・収容部、74・・・封止部、76・・・回路基板、78・・・半導体チップ、79・・・貫通孔、81・・・貫通孔、82・・・貫通孔、86・・・貫通孔、90・・・パイプ、92・・・冷媒流通部、94・・・冷却フィン、100・・・半導体モジュール、200・・・車両、210・・・制御装置
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16