(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】取引管理システム及び取引管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20120101AFI20220803BHJP
G07F 19/00 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
G06Q40/02
G07F19/00
(21)【出願番号】P 2018129649
(22)【出願日】2018-07-09
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 啓文
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-325643(JP,A)
【文献】特開2016-173768(JP,A)
【文献】特開2008-311990(JP,A)
【文献】特開平10-063917(JP,A)
【文献】特開2013-161431(JP,A)
【文献】特開2017-004319(JP,A)
【文献】特開2015-046118(JP,A)
【文献】特開2015-095208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理コンピュータと、
店舗の来店者が行う取引の情報を取得
し、該取引の情報を前記管理コンピュータに送信する情報取得部と、
前記管理コンピュータからの信号により前記来店者の取引場面を撮像
し、画像データを該管理コンピュータに送信する撮像部と、
前記管理コンピュータに接続され、前記来店者が行った取引の情報と前記取引場面を撮像した画像データとを対応付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記撮像部は、前記情報取得部が取得した前記取引の情報に基づいて、予め定めたルールに従い前記撮像部の撮像態様を変更する記録制御部を備え、
前記記録制御部は、前記管理コンピュータにより決定された前記撮像部の、撮像方向、撮像範囲、撮像画角、解像度及びフレームレートの少なくとも1つの撮像態様を変更することで、前記記憶部が記憶する画像データは、前記取引に応じて態様が相違して
おり、
前記撮像部により、店舗の窓口の状況を監視するために、窓口カウンタにおいて係員が操作する窓口処理の様子が撮像され、
前記取引の情報に基づいて撮像すべき対象が前記来店者の顔及び手続き書類の少なくとも1つに変更される取引管理システム。
【請求項2】
前記撮像部が複数設けられていて、前記記録制御部は、前記取引の情報に基づいて撮像を行う撮像部を切り替える請求項
1に記載の取引管理システム。
【請求項3】
前記情報取得部が取得した前記取引の情報に基づいて、予め定めたルールに従い前記撮像部が撮像した画像データの態様を変更して前記記憶部に記憶させる保存制御部を備え、
前記保存制御部は、前記画像データの、画像範囲、解像度及びフレームレートの少なくとも一つを変更する請求項1
又は2に記載の取引管理システム。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記来店者又は係員の操作により前記来店者の来店目的が入力される受付装置である請求項1~
3のいずれか1項に記載の取引管理システム。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記来店者又は係員の操作により前記取引の情報が入力される取引受付装置である請求項1~
3のいずれか1項に記載の取引管理システム。
【請求項6】
前記情報取得部は、係員の操作により前記取引に係る処理を実行する窓口装置である請求項1~
3のいずれか1項に記載の取引管理システム。
【請求項7】
前記来店者の取引場面における音声を録音する録音部を備え、
前記取引に応じて、前記記憶部に音声データが記憶されることと、記憶されないこととが切り替わる請求項1~
6のいずれか1項に記載の取引管理システム。
【請求項8】
前記取引の情報に基づいて貨幣を処理する貨幣処理装置を備えた請求項1~
7のいずれか1項に記載の取引管理システム。
【請求項9】
店舗において行われる取引を
管理コンピュータで管理する方法であって、
情報取得部が、来店者が行う取引の情報を取得し、
該取引の情報を前記管理コンピュータに送信し、
撮像部が、
前記管理コンピュータからの信号により前記来店者の取引場面を撮像し、
画像データを該管理コンピュータに送信し、
前記管理コンピュータに接続された記憶部が、前記来店者が行った取引の情報と前記取引場面を撮像した画像データとを対応付けて記憶し、
前記撮像部の記録制御部は、前記情報取得部が取得した前記取引の情報に基づいて、予め定めたルールに従い前記管理コンピュータにより決定された該撮像部の、撮像方向、撮像範囲、撮像画角、解像度及びフレームレートの少なくとも1つの撮像態様を変更することで、前記記憶部が記憶する画像データは、前記取引に応じて態様が相違して
おり、
前記撮像部は、店舗の窓口の状況を監視するために、窓口カウンタにおいて係員が操作する窓口処理の様子を撮像し、
前記取引の情報に基づいて撮像すべき対象を前記来店者の顔及び手続き書類の少なくとも1つに異ならせる取引管理方法。
【請求項10】
保存制御部が、前記情報取得部が取得した前記取引の情報に基づいて、予め定めたルールに従い前記撮像部が撮像した画像データの、画像範囲、解像度及びフレームレートの少なくとも1つを変更する請求項
9に記載の取引管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示する技術は、取引管理システム及び取引管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、顧客により受付操作が入力される受付操作部と、整理券を発券する発券部と、窓口に設けられた、窓口係員により切替操作が入力される切替操作部及び受付番号を表示する受付番号表示装置と、を有する窓口受付システムが記載されている。このシステムは、受付番号表示装置に撮像手段が組み込まれており、撮像手段が撮像した撮像データを記憶するデータ記憶手段と撮像データを再生表示する再生表示手段とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の窓口受付システム等は、窓口及びその周辺の監視をするものであり、例えば手続等でトラブルが生じた場合に原因究明等に利用するために、顧客の取引場面を撮像して、その撮像データを記憶する。
【0005】
ここで、本願発明者は、取引場面において記憶することが好ましい撮像対象は、窓口カウンタ及びその周辺の様子で、常に変わらないのではなく、例えば、顧客の顔、手続き書類等、顧客が行う取引によって異ならせることが好ましいと考えた。
【0006】
しかし、従来の窓口受付システムでは、一定の撮像態様で撮像し、その撮像データを一定の態様で記憶するため、そもそも記憶することが好ましい対象が撮像データに撮像されていないことがある。また、撮像データの解像度が低く、確認すべき部分を拡大したときに当該部分を十分に確認できないこともある。この場合、トラブルの原因究明等のために記憶したデータを有効に活用できないおそれがある。
【0007】
一方、撮像データを拡大したときに拡大した部分を十分に確認できるようにするために、例えば全ての取引において高解像度で撮像することが考えられるが、この場合、記憶するデータ量が膨大になるおそれがある。
【0008】
また、係員が取引に応じて撮像手段の撮像態様を手動等で切り替える方法も考えられるが、この場合、係員の負担が増える他、係員による撮像態様の切り替え忘れ等の操作ミスが生じて撮像データを有効に活用できないおそれもある。
【0009】
ここに開示する技術はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、撮像した画像データを有効活用できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ここに開示する技術は、来店者が行う取引に応じて、撮像部の撮像態様、及び/又は記憶する画像データの態様を変更するようにした。
【0011】
具体的に、ここに開示する取引管理システムは、管理コンピュータと、店舗の来店者が行う取引の情報を取得し、該取引の情報を前記管理コンピュータに送信する情報取得部と、前記管理コンピュータからの信号により前記来店者の取引場面を撮像し、画像データを該管理コンピュータに送信する撮像部と、前記管理コンピュータに接続され、前記来店者が行った取引の情報と前記取引場面を撮像した画像データとを対応付けて記憶する記憶部と、を備える。前記撮像部は、前記情報取得部が取得した前記取引の情報に基づいて、予め定めたルールに従い前記撮像部の撮像態様を変更する記録制御部を備える。そして、前記記録制御部は、前記管理コンピュータにより決定された前記撮像部の、撮像方向、撮像範囲、撮像画角、解像度及びフレームレートの少なくとも1つの撮像態様を変更することで、前記記憶部が記憶する画像データは、前記取引に応じて態様が相違しており、前記撮像部により、店舗の窓口の状況を監視するために、窓口カウンタにおいて係員が操作する窓口処理の様子が撮像され、前記取引の情報に基づいて撮像すべき対象が前記来店者の顔及び手続き書類の少なくとも1つに変更される。
【0012】
前記の構成によると、来店者が行う取引に応じて、撮像部の撮像態様、及び/又は画像データの態様が変更され、記憶部が記憶する画像データの態様が相違しているため、撮像した画像データを有効活用できる。また、画像データの大きさを変更すれば、記憶部に記憶する画像データ量を削減することができる。また、記憶部が記憶する画像データは、取引に適した態様になる。さらに、撮像部の撮像態様は、情報取得部が取得した取引の情報に基づいて、予め定めたルールに従い、記録制御部により変更されるため、係員の負担が増えることがなく、係員による撮像態様の切り替え忘れ等の操作ミスを防ぐこともできる。
【0013】
取引管理システムは、前記撮像部が複数設けられていて、前記記録制御部は、前記取引の情報に基づいて撮像を行う撮像部を切り替える、としてもよい。
【0014】
これにより、撮像部の撮像態様として、撮像方向、撮像範囲及び撮像画角をより一層適切に変更することが可能となる。
【0015】
取引管理システムは、前記情報取得部が取得した前記取引の情報に基づいて、予め定めたルールに従い前記撮像部が撮像した画像データの態様を変更して前記記憶部に記憶させる保存制御部を備える。そして、前記保存制御部は、前記画像データの、画像範囲、解像度及びフレームレートの少なくとも一つを変更する、としてもよい。
【0016】
これにより、記憶部が記憶する画像データは、取引に応じて態様が相違したものとなる。また、画像データの態様は、情報取得部が取得した取引の情報に基づいて、予め定めたルールに従い、保存制御部により変更されるため、係員の負担が増えることがない。
【0017】
前記情報取得部は、前記来店者又は係員の操作により前記来店者の来店目的が入力される受付装置、としてもよい。
【0018】
受付装置は来店者の来店目的の情報、即ち来店者が行う取引の情報を容易に取得することができる。
【0019】
前記情報取得部は、前記来店者又は係員の操作により前記取引の情報が入力される取引受付装置、としてもよい。
【0020】
取引受付装置は、来店者が行う取引の情報を容易、かつ詳細に取得することができる。
【0021】
前記情報取得部は、係員の操作により前記取引に係る処理を実行する窓口装置、としてもよい。
【0022】
窓口装置は、例えば窓口係員等の操作により、来店者が行う取引に係る処理を実行する。これにより、窓口装置は、来店者が行う取引の情報を正確に、かつ詳細に取得することができる。また、来店者が行う取引が複数ある場合、次に行う取引の情報を正確に、かつ詳細に取得することができる。
【0023】
取引管理システムは、前記来店者の取引場面における音声を録音する録音部を備え、前記取引に応じて、前記記憶部に音声データが記憶されることと、記憶されないこととが切り替わる、としてもよい。
【0024】
録音部は、必要なときには、取引場面における係員と来店者との会話内容等の音声を録音でき、かつ取引に応じて記憶すべき音声データのみを記憶することにより記憶する音声データ量を削減することができる。
【0025】
取引管理システムは、前記取引の情報に基づいて貨幣を処理する貨幣処理装置を備える、としてもよい。
【0026】
これにより、貨幣処理装置を備える店舗において、貨幣を処理する取引場面を撮像した画像データを有効活用できる。
【0027】
ここに開示する技術は、店舗において行われる取引を管理コンピュータで管理する取引管理方法に係る。前記取引管理方法は、情報取得部が、来店者が行う取引の情報を取得し、該取引の情報を前記管理コンピュータに送信し、撮像部が、前記管理コンピュータからの信号により前記来店者の取引場面を撮像し、画像データを該管理コンピュータに送信し、前記管理コンピュータに接続された記憶部が、前記来店者が行った取引の情報と前記取引場面を撮像した画像データとを対応付けて記憶する。そして、前記撮像部の記録制御部は、前記情報取得部が取得した前記取引の情報に基づいて、予め定めたルールに従い前記管理コンピュータにより決定された該撮像部の、撮像方向、撮像範囲、撮像画角、解像度及びフレームレートの少なくとも1つの撮像態様を変更することで、前記記憶部が記憶する画像データは、前記取引に応じて態様が相違しており、前記撮像部は、店舗の窓口の状況を監視するために、窓口カウンタにおいて係員が操作する窓口処理の様子を撮像し、前記取引の情報に基づいて撮像すべき対象を前記来店者の顔及び手続き書類の少なくとも1つに異ならせる。
【0028】
前記の構成によると、来店者の取引場面を撮像した画像データを有効活用できる。また、係員の負担を増やすことなく、撮像した画像データをより一層有効活用できる。
【0029】
取引管理方法は、保存制御部が、前記情報取得部が取得した前記取引の情報に基づいて、予め定めたルールに従い前記撮像部が撮像した画像データの、画像範囲、解像度及びフレームレートの少なくとも1つを変更する、としてもよい。
【0030】
これにより、係員の負担を増やすことなく、撮像した画像データをより一層有効活用できる。
【発明の効果】
【0031】
以上に説明したように、本開示の取引管理システム及び取引管理方法によれば、来店者の取引場面を撮像した画像データを有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、取引管理システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、受付装置の受付画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、取引受付装置の入力画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、撮像部の撮像態様管理テーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、受付装置の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、取引受付装置の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、窓口装置の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、管理コンピュータの制御フローの一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、監視カメラの制御フローの一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、録音装置の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、
図1とは構成が異なる取引管理システムの構成例を示す図である。
【
図12】
図12は、
図4とは異なる、撮像部の撮像態様管理テーブルの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、画像データの態様管理テーブルの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、
図8とは異なる、管理コンピュータの制御フローの一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、
図9とは異なる、監視カメラの制御フローの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本開示の取引管理システム及び取引管理方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明は、本開示の取引管理システム及び取引管理方法の一例である。
【0034】
(取引管理システムの構成例)
図1は、取引管理システム1の構成例を示している。取引管理システム1は、例えば、銀行といった金融機関の店舗10等に設けられる。金融機関の店舗10では、通常、店舗10の来店者が行き来可能な来店者エリア11と、店舗の係員のみが行き来可能な係員エリア12とが、窓口カウンタ13を介して区画されている。窓口カウンタ13には、複数の窓口14,14,…が横並びに配置されている。以下において、取引管理システム1が金融機関の店舗10に設けられていると仮定して、取引管理システム1の構成について説明をする。
【0035】
取引管理システム1は、情報取得部としての受付装置2、取引受付装置3、及び窓口装置4と、撮像部としての監視カメラ5、録音部としての録音装置6、貨幣処理装置としてのオートキャッシャー7と、管理コンピュータ8とを備えている。受付装置2、取引受付装置3、窓口装置4、監視カメラ5、録音装置6、オートキャッシャー7、及び管理コンピュータ8は、ネットワーク9を介して各々接続されている。尚、図示は省略するが、取引管理システム1において、来店者を窓口14に呼び出すための、呼出装置(番号表示装置)を、窓口14毎に設置してもよい。
【0036】
受付装置2は、店舗10の来店者エリア11(例えば店舗の出入口15近傍)に設置されている。なお、受付装置2は、複数台設置されていてもよい。
【0037】
受付装置2は、来店者又は係員(例えば受付係員)の操作により、来店者の来店目的が入力される。具体的には、
図2に示すように、受付装置2の受付画面に来店者の来店目的に応じた選択ボタンが各々表示されている。この選択ボタンのいずれか1つが来店者又は受付係員により押されると、受付装置2は、その来店目的に応じた受付番号カードを発券する。また、受付装置2は、入力された来店者の来店目的の情報、即ち来店者が行う取引の情報を、管理コンピュータ8に送信する。
【0038】
なお、
図2に示す選択ボタンが押されたときに受付装置2から管理コンピュータ8に送信される取引の情報は、例えば、「お預け入れ・お引き出し」ボタンは、現金の預け入れ、引き出し、両替等である。「お振込み・税金・公共料金」ボタンは、別口座への振込み、税金、公共料金の払込み等である。「各種お手続き」ボタンは、住所・名義変更、通帳・カードの紛失等の手続きである。「口座開設」ボタンは、普通預金等の口座開設である。「ご融資・ローンのご相談」ボタンは、住宅ローン、自動車ローン等の融資の相談等である。その他、例えば、投資信託等の金融商品購入、保険加入の相談等の取引を行う「資産運用・保険のご相談」ボタン等を設けてもよい。
【0039】
取引受付装置3(電子記帳台)は、店舗10の来店者エリア11(例えば店舗の出入口15近傍)に設置されている。なお、取引受付装置3は、複数台設置されていてもよい。
【0040】
取引受付装置3は、来店者又は係員(例えば受付係員)の操作により、来店者が行う取引の情報が入力されるものであり、例えば電子記帳台である。具体的には、
図3に示すように、取引受付装置3の入力画面に受付装置2の受付画面と同様の来店者の来店目的に応じた選択ボタンが各々表示されている。この選択ボタンのいずれか1つが来店者又は受付係員により押されると、伝票作成画面(図示省略)に切り替わる。
【0041】
伝票作成画面には、来店者又は受付係員の操作により、例えばタッチペン等を用いて、来店者が行う取引の種類、来店者情報、取引金額等の具体的な取引の情報が入力される。この入力が完了すると、取引受付装置3は、入力された取引の情報に応じた受付番号カードを発券する。また、取引受付装置3は、入力された取引の情報を、管理コンピュータ8に送信する。
【0042】
窓口装置4は、店舗10の係員エリア12(例えば窓口カウンタ13近傍)に設置されている。なお、窓口装置4は、窓口14毎に一台設置されている。
【0043】
窓口装置4は、店舗10の窓口カウンタ13において、係員(例えば窓口係員)の操作により、来店者が行う取引に係る処理(以下、窓口処理ともいう)を実行する。具体的には、窓口装置4は、予め管理コンピュータ8から来店者が行う取引の種類、来店者情報、取引金額等の具体的な取引の情報を受信し、その情報に基づいて窓口処理を実行する。このとき、窓口装置4は、処理の開始及び/又は終了した情報を、管理コンピュータ8に送信する。また、予め管理コンピュータ8から受信した取引の情報と、来店者が実際に行う取引の情報とが異なる場合には、窓口装置4は、来店者が実際に行う取引の情報を、管理コンピュータ8に送信する。
【0044】
監視カメラ5は、例えば店舗10の天井、壁等に設置され、1つの窓口14につき、1つ又は複数配置されている。監視カメラ5は、例えば汎用のカメラ等によって構成してもよい。なお、監視カメラ5は、店舗10内において移動可能に設置し、複数の窓口14のそれぞれにおいて、窓口処理の様子を撮像することができるように構成してもよい。
【0045】
また、監視カメラ5は、来店者が行う取引の情報に基づいて予め定めたルールに従い、撮像態様(撮像方向、撮像範囲、撮像画角、解像度及びフレームレートの少なくとも1つ)を変更するための記録制御部51を有している。監視カメラ5の作動及び撮像態様は、管理コンピュータ8からの信号により切り替え可能になっている。監視カメラ5の作動は、例えば、店舗10の窓口営業を開始した時点から撮像を開始し、営業時間中は窓口処理中であるか否かを問わず、窓口14の状況を監視するために撮像し、営業時間が終了した時点で撮像を終了すればよい。監視カメラ5が撮像した画像データは、管理コンピュータ8に送信される。
【0046】
録音装置6は、例えば店舗10の窓口カウンタ13近傍に設置され、1つの窓口14につき、1つ又は複数配置されている。録音装置6は、マイクロホンを含んで構成されている。
【0047】
録音装置6の作動は、管理コンピュータ8からの信号により切り替え可能になっており、例えば、窓口装置4で来店者の受付番号カードに記載の受付番号が呼び出された時点、又は、窓口装置4が処理を開始した時点から録音を開始し、来店者の窓口処理が終了した時点で録音を終了すればよい。録音装置6が録音した音声データは、管理コンピュータ8に送信される。
【0048】
オートキャッシャー7は、店舗10の係員エリア12(例えば窓口カウンタ13近傍)に設置されている。オートキャッシャー7は、窓口装置4と連動して、紙幣及び硬貨の入金処理や出金処理等の各種貨幣を処理する。
【0049】
管理コンピュータ8は、金融機関の店舗10の係員エリア12内に設置される場合、及び当該店舗10とは異なる場所、例えば金融機関の本店や本部に設置される場合がある。管理コンピュータ8は、取引管理システム1を管理するためのコンピュータであり、例えば汎用のコンピュータ等によって構成してもよい。
【0050】
管理コンピュータ8には、記憶部としての管理データベース81が接続されている。管理データベース81は、例えばハードディスクドライブ等の記録媒体によって構成されている。
【0051】
管理データベース81は、来店者が行った取引の情報と、監視カメラ5が撮像した画像データ(動画、及び/又は、静止画)、及び取引に応じて録音装置6が録音した音声データとを対応付けて記憶している。来店者が行った取引の情報としては、例えば、取引番号、取引日時、顧客情報、担当の窓口係員名、取引種別、金額情報、口座情報等が挙げられる。なお、窓口処理中以外に窓口14の状況を監視するために監視カメラ5が撮像した画像データは、例えば時刻情報や窓口番号等と対応付けて、管理データベース81に記憶される。
【0052】
また、管理データベース81は、監視カメラ5の記録制御部51が監視カメラ5の撮像態様を変更するために予め定めたルールとして、監視カメラ5の撮像態様管理テーブルを記憶している。
図4に示すように、撮像態様管理テーブルは、来店者が行う取引の情報と、監視カメラ5の撮像態様(例えば、撮像方向、撮像範囲、撮像画角、解像度、フレームレート等)との対応関係を示している。このルールは、取引の情報に基づいて撮像すべき対象(例えば、来店者の顔、手続き書類、取引場面における係員と来店者との会話内容等)を決定し、撮像した対象が十分に確認でき、かつ画像データの大きさが適切なものとなる撮像態様として、決定すればよい。
【0053】
図4に示す撮像態様管理テーブルの例において、通常(標準)の監視カメラ5の撮像態様(来店者が行う取引が、例えば、「預け入れ・引き出し」、「振込み・税金・公共料金」等の場合)として、例えば、撮像方向は「来店者及び係員」、撮像範囲は「窓口全体」、撮像画角は「広い」、解像度は「低い」、フレームレートは「低い」、音声データは「記憶しない」等に予め定める。この場合、通常の監視カメラ5の撮像態様に対して、取引が「各種手続き」のときは、重要書類を取り扱うため、当該書類の記載内容が明確に確認できるように、例えば、撮像方向は「窓口カウンタ」、撮像範囲は「窓口カウンタ上」、撮像画角は「狭い」、解像度は「高い」、フレームレートは「低い」、音声データは「記憶しない」等に変更する。また、取引が「口座開設」のときは、来店者の本人確認が重要であるため、来店者の顔を判別できるように、例えば、撮像方向は「来店者」、撮像範囲は「来店者の顔」、撮像画角は「狭い」、解像度は「高い」、フレームレートは「低い」、音声データは「記憶しない」等に変更する。また、取引が「融資・ローンの相談」のときは、説明義務があるため、取引場面における来店者及び窓口係員の会話内容を記憶するために、撮像方向は「係員」、撮像範囲は「窓口全体」、撮像画角は「広い」、解像度は「低い」、フレームレートは「高い」、音声データは「記憶する」等に変更する。なお、窓口処理中以外に窓口14の状況を監視するために撮像する場合は、例えば通常(標準)の監視カメラ5の撮像態様等に変更する。
【0054】
このように、管理コンピュータ8は、管理データベース81に記憶された撮像態様管理テーブルに基づいて監視カメラ5の撮像態様を決定し、決定された撮像態様を監視カメラ5に送信する。また、管理コンピュータ8は、窓口装置4からの取引開始又は取引終了の情報を受信すると、当該情報(信号)を監視カメラ5及び録音装置6に送信する。
【0055】
ネットワーク9は、店舗に設けられているLAN(Local Area Network)、及び/又はインターネットを含んで構成されている。ネットワーク9は、受付装置2、取引受付装置3、窓口装置4、監視カメラ5、録音装置6、オートキャッシャー7、及び管理コンピュータ8各々の間において、各装置2,3,4,5,6,7,8から出力された信号を伝送する。
【0056】
(取引管理方法)
次に、
図5乃至
図10に示すフローチャートを参照しながら、取引管理システム1により取引を管理する方法を説明する。
【0057】
(受付装置2の制御フロー200)
図5に示すフローチャートは、受付装置2が実行する制御フロー200である。最初のステップS201において、受付装置2は、
図2に示す受付画面を表示する。
【0058】
ステップS202において、受付装置2は、来店受付があるか否かを判定する。具体的には、受付装置2の受付画面において、来店者の来店目的に応じた選択ボタンが来店者又は受付係員により押されると、受付装置2は来店受付あり(YES)と判定して、制御プロセスがステップS203に進む。
【0059】
ステップS203において、受付装置2は、ステップS202で押された選択ボタンに応じた来店目的の情報を、管理コンピュータ8に送信する。制御プロセスは、ステップS204に進む。
【0060】
ステップS204において、受付装置2は、来店目的に応じた受付番号カードを発券する。なお、ステップS204は、ステップS203の前であってもよい。
【0061】
上記の制御プロセスにより、受付装置2は、その制御フロー200が終了し(エンド)、最初のステップS201に戻る。
【0062】
(取引受付装置3の制御フロー300)
図6に示すフローチャートは、取引受付装置3が実行する制御フロー300である。最初のステップS301において、取引受付装置3は、
図3に示す入力画面を表示する。
【0063】
ステップS302において、取引受付装置3は、来店受付があるか否かを判定する。具体的には、取引受付装置3の入力画面において、来店者の来店目的に応じた選択ボタンが来店者又は受付係員により押されると、取引受付装置3は来店受付あり(YES)と判定して、制御プロセスがステップS303に進む。
【0064】
ステップS303において、取引受付装置3は、伝票作成画面を表示する。制御プロセスは、ステップS304に進む。
【0065】
ステップS304において、取引受付装置3は、伝票作成画面に、来店者が行う取引の情報が来店者又は受付係員により入力されたか否かを判定する。取引の情報が伝票作成画面に入力されると、取引受付装置3は取引の情報の入力あり(YES)と判定して、制御プロセスがステップS305に進む。なお、所定時間、ステップS304の判定がYESにならない場合(NO)、制御プロセスは最初のステップS301に戻る。
【0066】
ステップS305において、取引受付装置3は、ステップS304で入力された取引の情報を、管理コンピュータ8に送信する。制御プロセスは、ステップS306に進む。
【0067】
ステップS306において、取引受付装置3は、取引の情報に応じた受付番号カードを発券する。なお、ステップS306は、ステップS305の前であってもよい。
【0068】
上記の制御プロセスにより、取引受付装置3は、その制御フロー300が終了し(エンド)、最初のステップS301に戻る。
【0069】
(窓口装置4の制御フロー400)
図7に示すフローチャートは、窓口装置4が実行する制御フロー400である。最初のステップS401において、窓口装置4は、処理受付があるか否かを判定する。具体的には、窓口係員が窓口装置4を操作しかつ、後述するステップS803における管理コンピュータ8からの来店目的の情報又は取引の情報を受信すると、窓口装置4は処理受付あり(YES)と判定して、制御プロセスがステップS402に進む。
【0070】
ステップS402において、窓口装置4は、取引開始の情報及び窓口処理の情報を、管理コンピュータ8に送信する。制御プロセスは、ステップS403に進む。
【0071】
ステップS403において、窓口装置4は、窓口係員の操作により窓口処理を実行する。制御プロセスは、ステップS404に進む。
【0072】
ステップS404において、窓口装置4は、窓口処理が終了したか否かを判定する。窓口処理が終了すると、窓口装置4は取引終了(YES)と判定して、制御プロセスがステップS405に進む。
【0073】
ステップS405において、窓口装置4は、取引終了の情報を、管理コンピュータ8に送信する。制御プロセスは、ステップS406に進む。
【0074】
ステップS406において、窓口装置4は、来店者が行う他の窓口処理がないか否かを判定する。他の窓口処理がある場合、ステップS406の判定がNOになり、制御プロセスはステップS402に戻る。一方、他の窓口処理がない場合、ステップS406の判定がYESになり、窓口装置4は、上記の制御プロセスにより、その制御フロー400が終了し(エンド)、最初のステップS401に戻る。
【0075】
(管理コンピュータ8の制御フロー800)
図8に示すフローチャートは、管理コンピュータ8が実行する制御フロー800である。最初のステップS801において、管理コンピュータ8は、来店者が行う取引の情報として、ステップS203における受付装置2からの来店目的の情報、又はステップS305における取引受付装置3からの取引の情報を受信したか否かを判定する。取引の情報を受信すると、ステップS801の判定がYESになり、制御プロセスはステップS802に進む。一方、ステップS801の判定がNOであれば、制御プロセスはステップS804に進む。
【0076】
ステップS802において、管理コンピュータ8は、管理データベース81に、待ち客情報としての来店者が行う取引の情報を登録する。制御プロセスは、ステップS803に進む。
【0077】
ステップS803において、管理コンピュータ8は、管理データベース81に登録された来店者が行う取引の情報を、その取引に対応する窓口装置4に送信する(前述したステップS401における窓口装置4の処理受付)。制御プロセスは、ステップS804に進む。
【0078】
ステップS804において、管理コンピュータ8は、ステップS402における窓口装置4からの取引開始の情報及び窓口処理の情報を受信したか否かを判定する。当該情報を受信すると、ステップS804の判定がYESになり、制御プロセスはステップS805に進む。一方、ステップS804の判定がNOであれば、制御プロセスは最初のステップS801に戻る。
【0079】
ステップS805において、管理コンピュータ8は、管理データベース81に登録された来店者が行う取引の情報を、受信した窓口処理の情報に基づいて更新する。このとき、窓口処理の情報と、ステップS802において登録された来店が行う取引の情報とを照合し、各々の情報が異なる場合に、当該来店が行う取引の情報を更新するようにしてもよい。制御プロセスは、ステップS806に進む。
【0080】
ステップS806において、管理コンピュータ8は、来店者が行う取引の情報に基づき、管理データベース81が記憶する、
図4に示す監視カメラ5の撮像態様管理テーブルを参照して、監視カメラ5の撮像態様を決定する。制御プロセスは、ステップS807に進む。
【0081】
ステップS807において、管理コンピュータ8は、決定された監視カメラ5の撮像態様と共に取引開始の情報を、監視カメラ5に送信すると共に、録音データの記憶が必要であれば録音装置6にも、取引開始の情報を送信する。制御プロセスは、ステップS808に進む。
【0082】
ステップS808において、管理コンピュータ8は、ステップS405における窓口装置4からの取引終了の情報を受信したか否かを判定する。取引終了の情報を受信すると、ステップS808の判定がYESになり、制御プロセスはステップS809に進む。
【0083】
ステップS809において、管理コンピュータ8は、取引終了の情報を、監視カメラ5(及び録音装置6)に送信する。制御プロセスは、ステップS810に進む。
【0084】
ステップS810において、管理コンピュータ8は、監視カメラ5が撮像した撮像データ及び録音装置6が録音した音声データを、受信したか否かを判定する。当該データを受信すると、ステップS810の判定がYESになり、制御プロセスはステップS811に進む。
【0085】
ステップS811において、管理コンピュータ8は、管理データベース81に、来店者が行った取引の情報と対応付けて、画像データ、必要に応じて音声データを記憶させる。
【0086】
上記の制御プロセスにより、管理コンピュータ8は、その制御フロー800が終了し(エンド)、最初のステップS801に戻る。
【0087】
(監視カメラ5の制御フロー500)
図9に示すフローチャートは、監視カメラ5が実行する制御フロー500である。監視カメラ5は、上述のごとく、店舗10の窓口営業を開始した時点から撮像を開始し、営業時間中は窓口処理中であるか否かを問わず、窓口14の状況を監視するために撮像する。そのため、最初のステップS501において、監視カメラ5は、窓口全体の撮像を開始する。なお、監視カメラ5の作動時(電源投入時)における撮像態様は、
図4に示す通常(標準)の撮像態様になっている。制御プロセスは、ステップS502に進む。
【0088】
ステップS502において、監視カメラ5は、監視カメラ5の撮像態様と共に取引開始の情報を受信したか否かを判定する。具体的には、ステップS807における管理コンピュータ8から当該情報を受信すると、ステップS502の判定がYESになり、制御プロセスはステップS503に進む。
【0089】
ステップS503において、監視カメラ5の記録制御部51は、受信した監視カメラ5の撮像態様に基づいて、監視カメラ5の撮像態様を変更する。これにより、監視カメラ5は、取引内容に対応した撮像態様で撮像し、来店者の具体的な取引場面の撮像が可能となる。制御プロセスは、ステップS504に進む。
【0090】
ステップS504において、監視カメラ5は、取引終了の情報を受信したか否かを判定する。具体的には、ステップS809における管理コンピュータ8からの取引終了の情報を受信すると、ステップS504の判定がYESになり、制御プロセスはステップS505に進む。
【0091】
ステップS505において、監視カメラ5は、管理コンピュータ8からの取引開始の情報を受信してから取引終了の情報を受信するまでの間に撮像した画像データを、管理コンピュータ8に送信する。制御プロセスは、ステップS506に進む。
【0092】
ステップS506において、監視カメラ5の記録制御部51は、監視カメラ5の撮像態様を、
図4に示す通常(標準)の撮像態様に変更する。
【0093】
上記の制御プロセスにより、監視カメラ5は、その制御フロー500が終了し(エンド)、最初のステップS501に戻る。なお、監視カメラ5は、窓口処理中以外に窓口14の状況を監視するために撮像した画像データを、例えば30分毎、1時間毎等の所定時間毎に管理コンピュータ8に送信するようにしてもよい。また、監視カメラ5は、上述のごとく、営業時間が終了した時点で撮像(作動)を終了する。
【0094】
(録音装置6の制御フロー600)
図10に示すフローチャートは、録音装置6が実行する制御フロー600である。最初のステップS601において、録音装置6は、取引開始の情報を受信したか否かを判定する。具体的には、ステップS807における管理コンピュータ8からの取引開始の情報を受信すると、ステップS601の判定がYESになり、制御プロセスはステップS602に進む。
【0095】
ステップS602において、録音装置6は、来店者の取引場面における音声の録音を開始する。制御プロセスは、ステップS603に進む。
【0096】
ステップS603において、録音装置6は、取引終了の情報を受信したか否かを判定する。具体的には、ステップS809における管理コンピュータ8からの取引終了の情報を受信すると、ステップS603の判定がYESになり、制御プロセスはステップS604に進む。
【0097】
ステップS604において、録音装置6は、来店者の取引場面における音声の録音を終了する。制御プロセスは、ステップS605に進む。
【0098】
ステップS605において、録音装置6は、録音した音声データを、管理コンピュータ8に送信する。
【0099】
上記の制御プロセスにより、録音装置6は、その制御フロー600が終了し(エンド)、最初のステップS601に戻る。
【0100】
以上のようにして構成される取引管理システム1によれば、来店者が行う取引に応じて監視カメラ5の撮像態様を変更する。その結果、管理コンピュータ8の管理データベース81が記憶する画像データは、撮像すべき対象(例えば、撮像方向、撮像範囲、撮像画角等)や画像データの大きさ(例えば、解像度、フレームレート等)が変更されて態様が相違している。これにより、画像データに撮像すべき対象が撮像され、さらに確認すべき部分を拡大したときにも当該部分を十分に確認できるため、画像データを有効に活用できる。また、管理データベース81に記憶する画像データ量を削減することができる。
【0101】
監視カメラ5の撮像態様は、受付装置2、取引受付装置3又は窓口装置4により入力された取引の情報に基づき、管理データベース81が記憶する監視カメラ5の撮像態様管理テーブルを参照して決定する。そして、決定された撮像態様になるように、監視カメラ5の記録制御部51が監視カメラ5の撮像態様を変更する。これにより、係員の負担が大きくなることがなく、また撮像態様の切り替え忘れ等の操作ミスを防ぐこともできる。
【0102】
管理データベース81が記憶する画像データは、来店者が行った取引の情報と対応付けて記憶されているため、取引の情報と紐付けて、その取引場面を撮像した画像データを引き出すことができる。
【0103】
(取引管理システムに係る変形例)
図11は、
図1とは構成が異なる取引管理システム100の構成例を示している。この取引管理システム100では、管理コンピュータ8が、保存制御部としての画像処理部82を有している。なお、
図11において、
図1の取引管理システム1と同じ構成については、同じ符号を付している。
【0104】
画像処理部82は、監視カメラ5が撮像した画像データを、管理コンピュータ8の管理データベース81に記憶させるときに、来店者が行った取引の情報に基づいて予め定めたルールに従い、画像データの態様(画像範囲、解像度及びフレームレートの少なくとも1つ)を変更する。
【0105】
画像処理部82が画像データの態様を変更するために予め定めたルールとして、画像データの態様管理テーブルを管理データベース81に記憶している。
図13に示すように、画像データの態様管理テーブルは、来店者が行う取引の情報と、記憶する画像データの態様(例えば、撮像範囲、解像度、フレームレート等)との対応関係を示している。
【0106】
取引管理システム100では、監視カメラ5の撮像態様として、来店者が行う取引に関わらず、
図12に示すように、1種類の撮像態様管理テーブル(通常(標準))を管理データベース81に記憶している。通常の撮像態様としては、例えば、撮像方向は「窓口」、撮像範囲は「窓口全体」、撮像画角は「広い」、解像度は「高い」、フレームレートは「高い」、音声データは「記憶する」等に予め定める。なお、撮像態様管理テーブルが1種類であるため、監視カメラ5の撮像態様を固定しておき、撮像態様管理テーブルは省略してもよい。
【0107】
そして、監視カメラ5が撮像した画像データを管理データベース81に記憶させるときに、画像処理部82により、来店者が行った取引の情報に応じて、画像データの態様を、
図13に示す画像データの態様管理テーブルに基づいて変更する。
【0108】
このように、取引管理システム100は、予め広い範囲を高解像度で撮像し、撮像した画像データを管理データベース81に記憶させるときに、来店者が行った取引の情報に応じて画像データの態様を変更するように構成されている。
【0109】
(取引管理方法)
次に、
図14及び15に示すフローチャートを参照しながら、取引管理システム100により取引を管理する方法を説明する。
図14に示すフローチャートは、管理コンピュータ8が実行する制御フロー820である。
図15に示すフローチャートは、監視カメラ5が実行する制御フロー520である。この取引管理システム100では、制御フロー820及び制御フロー520が、取引管理システム1における制御フロー800及び制御フロー500と各々異なっている。なお、
図14及び15において、
図8及び9と同じ制御フローについては、同じ符号を付している。
【0110】
(管理コンピュータ8の制御フロー820)
取引管理システム100では、前述のごとく、監視カメラ5の撮像態様は、
図12に示す通常(標準)の撮像態様管理テーブルに基づいて予め決定されているため、来店者が行う取引に応じて変更する必要がない(
図8におけるステップS806が不要)。ステップS805の後、制御プロセスは、ステップS821に進む。
【0111】
ステップS821において、管理コンピュータ8は、取引開始の情報を、監視カメラ5(及び録音装置6)に送信する。制御プロセスは、ステップS808に進む。
【0112】
ステップS810において、ステップS810の判定がYESになると、制御プロセスはステップS822に進む。
【0113】
ステップS822において、管理コンピュータ8は、来店者が行った取引の情報に基づき、管理データベース81が記憶する、
図13に示す画像データの態様管理テーブルを参照して、画像データの態様、及び音声データの処理を決定する。制御プロセスは、ステップS823に進む。なお、ステップS822で決定する画像データの態様が、
図12に示す監視カメラ5の撮像態様と同じ場合、ステップS822を省略してもよい。
【0114】
ステップS823において、管理コンピュータ8の画像処理部82は、決定した画像データの態様に基づき、画像データの態様を変更する。制御プロセスは、ステップS811に進む。なお、ステップS822を省略したときは、ステップS823を省略してもよい。
【0115】
(監視カメラ5の制御フロー520)
取引管理システム100では、前述のごとく、監視カメラ5の撮像態様を、来店者が行う取引に応じて変更する必要がない(
図9におけるステップS503及びステップS506が不要)。最初のステップS501の後、ステップS521において、ステップS821における管理コンピュータ8から取引開始の情報を受信すると、ステップS521の判定がYESになり、制御プロセスはステップS504に進む。
【0116】
以上のようにして構成される取引管理システム100によれば、取引管理システム1と同様の効果が得られる。即ち、取引管理システム100によれば、来店者の取引場面を撮像するときは、広い範囲を高解像度で撮像しておく。そして、管理データベース81に画像データを記憶するときに、来店者が行った取引の情報に応じて画像データの態様を変更する。その結果、管理データベース81が記憶する画像データは、撮像すべき対象(例えば撮像範囲)や画像データの大きさ(例えば、解像度、フレームレート等)が変更されて態様が相違している。
【0117】
(変形例)
なお、前述した取引管理システム1、100は、情報取得部として、受付装置2及び取引受付装置3が設置されているが、いずれか一方のみが設置されていてもよい。
【0118】
また、前述した取引管理システム1、100は、監視カメラ5及び録音装置6が窓口14毎に複数配置されているが、例えば、パーティション等で区画された各種相談コーナー、応接室等にさらに設置されていてもよい。
【0119】
また、前述した取引管理システム1、100は、録音装置6が窓口14毎に複数配置されているが、来店者の取引場面における音声を録音する必要がある、例えば「融資・ローンの相談」等の取引を行う窓口を限定し、その窓口のみに配置されていてもよい。
【0120】
また、前述した取引管理システム1、100は、窓口係員が窓口装置4により取引に係る処理を実行しているときに、取引の進行や、取引の変更に応じて監視カメラ5の撮像態様を自動又は手動で切り替え可能に構成されていてもよい。例えば窓口装置4は、実行している窓口処理の進捗情報を管理コンピュータ8へ随時送信し、管理コンピュータ8は、窓口装置4からの進捗情報に基づいて、撮像態様の切り替えが必要であるときには、監視カメラ5へ撮像態様の切替信号を送信してもよい。例えば、
図7の制御フロー400のステップS406において、他の窓口処理を行うべく、制御プロセスがステップS402に戻る際に、監視カメラ5の撮像態様が切り替わるようにしてもよい。これにより、窓口係員による取引に係る処理の進行状況に合わせて、監視カメラ5の撮像態様が詳細に切り替え可能になる。また、窓口係員が窓口装置4において、撮像態様の切り替え信号の送信を操作することにより、管理コンピュータ8から監視カメラ5へ撮像態様の切り替え信号が送信されてもよい。
【0121】
さらに、窓口係員が窓口装置4において入力する内容は、受付装置2や取引受付装置3において来店者等が入力をする内容よりも細かい情報になるため、窓口処理を行っている最中に窓口係員が窓口装置4に入力する内容に基づいて、管理コンピュータ8から監視カメラ5へ撮像態様の切替信号を送信してもよい。
【0122】
また、前述した取引管理システム1は、撮像態様が互いに異なる複数の撮像カメラを設置しておき、管理コンピュータ8が、撮像態様管理テーブルに基づいて監視カメラ5の撮像態様を決定したときに、複数の監視カメラのうち、決定された撮像態様に対応する監視カメラが、撮像するようにしてもよい。
【0123】
また、前述した取引管理システム100において、管理コンピュータ8は、ステップS810において受信した画像データの態様を変更しないで、管理データベース81に記憶(つまり、仮保存)させた後、所定のタイミング(例えば店舗10の営業終了時に行う締め処理時や、予め設定をした時刻、又は、仮保存から一定時間が経過した時等)で、仮保存した画像データの態様を変更して、管理データベース81に記憶(つまり、本保存)させてもよい。
【0124】
また、前述した取引管理システム1、100は、管理データベース81に記憶する画像データを、画像処理部82により、例えば撮像すべき対象のみに切り取って加工してもよい。これにより、記憶する画像データ量をより一層削減することができる。
【0125】
また、前述した取引管理システム1、100は、管理データベース81に記憶された画像データ及び音声データを、管理データベース81に記憶された来店者が行った取引の情報を呼び出したうえで、再生できるように構成されていてもよい。この場合、例えば、店舗における管理者が管理コンピュータ8で画像データ等を操作/再生してもよく、窓口係員が窓口装置4で画像データ等を操作/再生してもよい。また、来店者が行った取引の情報及び画像データ等を本店の管理コンピュータに送信して、本店側(例えば監査部門)が当該本店の管理コンピュータで画像データ等を操作/再生してもよい。なお、窓口処理中以外に窓口14の状況を監視するために監視カメラ5が撮像して管理データベース81に記憶された画像データは、管理データベース81に記憶された時刻情報や窓口番号を呼び出したうえで、再生できるようにしてもよい。これらにより、管理データベース81に記憶された画像データ及び音声データを、例えば防犯監視や係員の操作チェック等に利用することができる。
【0126】
また、前述した取引管理システム1、100は、取引が「口座開設」のときには、画像データが来店者の顔を判別できる態様になっているため、例えば、来店者が別名義で複数の口座を所持していないか、犯罪口座として凍結された口座を所持していないか等、顧客データベースと顔画像情報の突合を行い、不正の可能性が疑われる場合には、本店等へ通知を行うように構成することもできる。
【0127】
また、前述した取引管理システム1、100は、監視カメラ5が来店者の取引場面(取引中)のみを撮像するようにしてもよい。具体的には、管理コンピュータ8からの取引開始の情報を受信すると当該取引内容に対応した態様による撮像を開始し、取引終了の情報を受信したときに撮像を終了する。これにより、管理データベース81に記憶する画像データ量を削減することができる。
【符号の説明】
【0128】
1 取引管理システム
100 取引管理システム
2 受付装置(情報取得部)
3 取引受付装置(情報取得部)
4 窓口装置(情報取得部)
5 監視カメラ(撮像部)
51 記録制御部
6 録音装置(録音部)
7 オートキャッシャー(貨幣処理装置)
8 管理コンピュータ
81 管理データベース(記憶部)
82 画像処理部(保存制御部)
9 ネットワーク