(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】火災感知器
(51)【国際特許分類】
G08B 17/10 20060101AFI20220803BHJP
G08B 17/00 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
G08B17/10 H
G08B17/00 G
(21)【出願番号】P 2018139116
(22)【出願日】2018-07-25
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127845
【氏名又は名称】石川 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達彦
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-014570(JP,A)
【文献】特開2013-054455(JP,A)
【文献】特開2020-004066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00-17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面に取り付けられ
て、煙や熱気流を導入して火災を感知する火災感知器であって、
検煙部が設けられた本体部と、該本体部の下方に支柱を介して設けられた天面板と、前記本体部と前記天面板に挟まれた位置に設けられて煙や熱気流を導入する開口部と、該開口部に位置して、該開口部から外方に向けて張り出すように設けられ、前記天面板より大径で
、外周端面が確認灯として機能するライトガイド
とを備え、
前記ライトガイドは板状体からなり、前記天面板を該ライトガイドの下方に外方に張り出すと共に前記ライトガイドに対向して設け、該天面板と前記ライトガイドで挟まれる空間を、煙又は熱気流等の気流を前記本体部の内部に導くための導気空間としたことを特徴とする火災感知器。
【請求項2】
前記ライトガイドにおける前記天面板に対向する面及び/又は前記天面板における前記ライトガイドに対向する面に、気流の流れをガイドする凹凸部を設けたことを特徴とする請求
項1に記載の火災感知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災による煙や熱を感知する火災感知器に関する。
【背景技術】
【0002】
火災感知器には、発報時に点灯する確認灯が筐体の外周面部に設けられている。従来、特許文献1に開示されたような砲弾型の確認灯を1個設け、火災感知器の下方から見上げたときに点灯を確認できるようにするのが一般的であった。
しかしながら、火災感知器の中央には煙導入部やサーミスタ等からなる熱感知部が下方に突出して設けられるため、確認灯が火災感知器の外周面の一カ所に設けられていたのでは、下方から見上げたときにも煙導入部や熱感知部によって確認灯が隠れ、視認性が悪いという問題を有していた。
【0003】
このような問題を解決するものとして、特許文献2に開示されたように、発光素子の光を光ガイドでガイドして火災感知器の筐体の3箇所から視認できるようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭55-61798号公報
【文献】特開平9-128666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
確認灯が点灯するのは火災感知器が発報したときであるが、この火災感知器が発報する場合としては、実際に火災が発生したとき、火災感知器の点検時、さらには火災ではない原因、例えば湯気等によって火災感知器が発報するいわゆる非火災報の場合である。
【0006】
火災感知器が発報すると、火災受信機が設置されている管理室に通知されるので、管理人が発報した火災感知器のある部屋に確認に行く。このとき、非火災報の場合、火炎や煙は生じていないため、部屋に到着した管理人は火災ではないとすぐに判るが、どの火災感知器が発報したのかについては、確認灯の点灯によって確認する必要がある。
【0007】
特許文献2に開示のものでは、火災感知器の筐体の3箇所から視認できるようにしているが、これは煙導入部や熱感知部があっても、下方から見たときに点灯を確認できるようにすることに主眼を置いているため、部屋の入口近くや火災感知器の真下から離れた位置から天井を見上げたような場合には必ずしも視認性に優れるとは言えない。
【0008】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、火災感知器の下方のみならず、部屋の入口近くや火災感知器の真下から離れた位置からでも点灯していることが容易に判るような確認灯を有する火災感知器を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る火災感知器は、取付面に取り付けられて、本体部に設けられた開口部から煙や熱気流を導入して火災を感知するものであって、
前記本体部の天面板より大径で、かつ前記開口部の全周に亘ると共に前記開口部から外方に向けて張り出すように設けられ、外周端面が確認灯として機能するライトガイドを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記ライトガイドは板状体からなり、該ライトガイドの下方に外方に張り出す天面板を前記ライトガイドに対向して設け、該天面板と前記ライトガイドで挟まれる空間を、煙又は熱気流等の気流を前記本体部の内部に導くための導気空間としたことを特徴とするものである。
【0011】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記ライトガイドにおける前記天面板に対向する面及び/又は前記天面板における前記ライトガイドに対向する面に、気流の流れをガイドする凹凸部を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る火災感知器は、取付面に取り付けられて、本体部に設けられた開口部から煙や熱気流を導入して火災を感知するものであって、前記開口部の全周に亘ると共に前記開口部から外方に向けて張り出すように設けられ、外周端面が確認灯として機能するライトガイドを備えたことにより、外周端面の全周が確認灯として機能するので、火災感知器の下方のみならず、部屋の入口近くや火災感知器の真下から離れた位置からでも点灯していることが容易に確認することができる。また、ライトガイドの下面側は、開口部の内部に位置し、開口部の内部は天面板と本体部とに挟まれてうす暗いことから、ライトガイドを確認灯として機能させることで、外光に邪魔されずに確認灯としての光を確認しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態に係る火災感知器の斜視図である。
【
図3】
図1に示した火災感知器の分解斜視図である。
【
図4】
図1に示した火災感知器における天面板の張り出し長さの設定方法の説明図である。
【
図5】
図1に示した火災感知器の天面板の内面に設ける凹凸部の説明図である(その1)。
【
図6】
図1に示した火災感知器の天面板の内面に設ける凹凸部の説明図である(その2)。
【
図7】
図1に示した火災感知器をベースから取り外す際に用いる着脱器の説明図である。
【
図8】
図1に示した火災感知器のベースからの取り外し方法の説明図である(その1)。
【
図9】
図1に示した火災感知器のベースからの取り外し方法の説明図である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施の形態を図面に基づいて説明するが、各図面は本発明の特徴を説明するためのものであり、発明の説明に必要でない部分は簡略化して示している。
また、以下の説明において、方向を表す「上」「下」は火災感知器を天井面に取り付けた状態における方向であり、「上」とは天井面側であり、「下」とは床側である。例えば、
図2において、図の上側が「上」であり、図の下側が「下」となる。
【0015】
本実施の形態の火災感知器1は、
図1~
図3に示すように、天井面等の取付面に取り付けられて、例えば煙を検知して火災を感知する煙感知器であり、取付面に固定されたベース3(
図4参照)に着脱可能に取り付けられる本体部5と、本体部5における煙を導入するための開口部7に設けられたライトガイド9と、ライトガイド9の下方に支柱11を介して設けられた天面板13を有している。
以下、各構成を詳細に説明する。
【0016】
<本体部>
本体部5は、天井面等の取付面に固定されるベース3に着脱可能に取り付けられるものである。本体部5は、
図3に示すように、下面に円形の開口15を有しており、本体部5の開口部7の内側には、ラビリンス等によって構成される検煙部17が設けられている。検煙部17の上端面には基板19が設けられ、基板19の下面外周縁部には、確認灯の光源となるLED21が2個設置されている。
また、検煙部17の外周部には図示しない防虫網が設けられている。
【0017】
また、本体部5は支柱11よりも外方に張り出す張出面23を有し、この外面は、インクジェットプリンタ等のプリンタで模様等を印刷できるようにするため、できるだけ傾斜が緩い形状にしておくのが好ましい。
【0018】
<ライトガイド>
ライトガイド9は、天面板13よりも大径のドーナツ状の板状体からなり、本体部5の開口部7に支持部25を介して取り付けられている。ライトガイド9は、透明又は半透明のアクリル板によって形成されており、LED21の光を導入及びガイドして周端面が光る確認灯としての機能を有している。このため、ライトガイド9は、LED21が設けられている位置に対応してLED21の光を導光するための光ガイド脚部27が設けられている。
【0019】
ここでいう確認灯とは、火災感知器1の発報時に点灯または点滅して発報している火災感知器1を視覚的に知らせるものである。
また、ライトガイド9は、開口部7の高さ方向のほぼ中間位置に空中に浮いた状態で、かつ天面板13の張り出し面に対向配置されており、天面板13と協働して開口部7に煙を導く機能も有している。即ち、天面板13とライトガイド9で挟まれる空間を、煙又は熱気流等の気流を本体部5の内部に導くための導気空間としている。
なお、ライトガイド9は、本体部5から離れている必要はなく、本体部5に当接していてもよい。また、ライトガイド9が空中に浮いた状態で配置する場合には、ライトガイド9に開口孔を設けて、ライトガイド9の上方から気流が上記導気空間に流入するようにしてもよい。
【0020】
ライトガイド9の下面側は、開口部7の内部に位置し、開口部7の内部は天面板13と本体部5とに挟まれてうす暗いことから、ライトガイド9を確認灯として機能させることで、外光に邪魔されずに確認灯としての光を確認しやすくなる。
その一方で、ライトガイド9を透明にすれば、形状が大きくても目立たず、本体部5と天面板13によって構成される全体意匠を阻害することもない。また、透明であれば、本体部5や天面板13の色を統一したり、模様を付したりした場合にも、これらを視覚的に遮ることがなく、全体意匠の障害になることもない。
【0021】
さらに、ライトガイド9は、天面板13よりも肉厚に形成して、所定の剛性を有するものにすることで、本体部5をベース3から着脱器29によって取り外す際の係止部材として機能する。
本実施の形態の火災感知器1の本体部5の取り外しに用いる着脱器29は、
図7に示すように、棒体31の先端部にゴム等の弾性部材によって形成された係合部33を有するものが考えられる。係合部33は、先端が開口した筒状をしており、端部の周縁に所定間隔でスリット35が設けられており、径方向の内外に撓むことができるようになっている。
【0022】
本体部5の取り外しの際には、係合部33を火災感知器1の真下から近づけて(
図8(a)、
図9(a)参照)、係合部33の内周面をライトガイド9の外周面に合わせて、係合部33を上方に押し上げる。これにより、係合部33の先端部が撓んで、ライトガイド9が着脱器29内に挿入されると共に、係合部33の弾性によって保持される(
図8(b)、
図9(b)参照)。この状態で、係合部33を取り外し方向に回動することで、本体部5のベース3に対する係止が外れて、取り外すことができる(
図8(c)参照)。
【0023】
上記のように、本実施の形態の火災感知器1では、開口部7の全周に亘ると共に開口部7から外方に向けて張り出すように設けられ、外周端面が確認灯として機能するライトガイド9を備えたことにより、火災感知器1の下方のみならず、部屋の入口近くや火災感知器の真下から離れた位置からでも点灯していることが容易に確認することができる。
また、ライトガイド9を天面板13よりも大径の板材によって形成したことで、ライトガイド9に対して着脱器29の係合部33を係合させることができる。
【0024】
この、ライトガイド9を着脱器29の係合部33に係合可能にしたことの意義について、さらに詳細に説明する。
火災感知器は、天井に設置されたベースに本体部が着脱可能に取り付けられる構造になっており、ベースが高所に位置するため、点検等の際には操作棒の先端に係合部が取り付けられた着脱器を用いて火災感知器の着脱が行われる。
ベースと本体は回転嵌合するものが一般的であり、そのため、着脱器の係合部は、本体部を回転させることができるように係合する必要がある。
【0025】
火災感知器の外観は種々のものがあり、着脱器の係合部は火災感知器の外観に合わせて種々の態様のものが開発されている。その主な態様としては、例えば摩擦係数の高い接触部材を備え、これを感知器の外周面部に押圧しつつ回転するようなものや、円筒体の周端面に複数のスリットを備え、これを火災感知器における煙又は熱気流を導入する開口部に設けられているフィン等に係合させて回転するもの等がある。
【0026】
上記のように、火災感知器の外観に合わせて着脱器の係合部の態様が決まるものであり、係合部の態様に合わせて火災感知器の外観が決まるものではない。
しかし、着脱器の係合部を本体部に係合して回転させる必要から、本体部には着脱器が係合できる外観が要求される。
その一例が、開口部に設けられるフィン等である。
【0027】
ところで、近年は屋内に設置される防災機器にも意匠性が求められるようになっている。
防災機器の一種である火災感知器は、天井面等に設置されるものであるが、天井面等の意匠的な観点からは、火災感知器は、目立たない方が好まれる。そして、一般に天井面等が白色であることから、火災感知器を目立たないようにするために、火災感知器の筐体は天井面等と同一色である白色、あるいは白色に近い色になっている。
しかしながら、フィンに対して係合部を係止する従来の火災感知器では、フィンが見える状態にする必要がある。
【0028】
フィンの内側は開口部になっているが、開口部の内側は陰になるため、下から見上げたときには、黒く見える。そのため、本体部や天面板の色を白色に統一しても、開口部の部分が黒く見え、いわゆるツートンカラーに見えてしまう。
また、開口部の内側には防虫網が設けられる場合があるが、防虫網が銀色であり、この場合も、全体の統一感が失われ、意匠性が阻害されるという問題がある。
以上のように、着脱器の係合部がフィンに係止できる構造では、フィンの内側の開口部が外部から見えることになり、意匠性を害するという問題がある。
【0029】
他方、本体部に対して摩擦によって係止する場合には、本体部自体を係合部と摩擦を取れるような形状にする必要があり、これによって外観の制約が生じてしまう。
【0030】
この点、本実施の形態では、ライトガイド9を天面板13よりも大径の板材によって形成したことで、ライトガイド9に対して着脱器29の係合部33を係合させることができ、開口部やフィンの露出が必須とならず、また着脱器29の係合部33との係止が可能になるように本体部の形状を考慮する必要がない。
これにより、火災感知器の外観の自由度を高くでき、本実施の形態では、
図1~
図3に示すように、天面板13を外方に張り出すようにして、天面板13に種々の機能を持たせている。
以下、天面板13の具体的な形状、機能について詳細に説明する。
【0031】
<天面板>
天面板13は、本体部5の下方に支柱11を介して設けられた平坦な円形板からなるものである。もっとも、天面板13は平坦であることは必須ではく、湾曲した形状でもよいが、本体部5と同様に、インクジェットプリンタ等のプリンタで模様等を印刷できるようにするという観点からは、平坦面であることが好ましい。
【0032】
また、天面板13は、本体部5を構成する筐体と一体的に成形されたものでもよいし、別部品として本体部5に取り付けられたものであってもよい。もっとも、天面板13と本体部5が一体成形されている場合には、インクジェットプリンタ等のプリンタでの印刷が難しくなるので、両者は別部品として作成して、組み立て時に一体化するのが好ましい。
【0033】
天面板13は、天面板13を支持する支柱11よりも外方(取付状態で横方向)に張り出すように設けられ、支柱11からの張り出し長さLが開口部7の高さH以上に設定されている(
図2参照)。
張り出し長さLをこのように設定することで、火災感知器1を下方から見た際に、開口部7が天面板13によって隠れて見えにくくなり、開口部7が外観を阻害することがなくなり、火災感知器1の外観を意匠的に優れたものにすることが可能となる。
【0034】
また、本実施の形態の火災感知器1は、煙感知器であり、上述したように防虫網が設けられているが、防虫網は、通常銀色であるため、本体部5等を白色にした場合、防虫網が見えるとツートンカラーのようになり、意匠的に好ましくない。この場合、火災感知器1を下方から見たときに防虫網が見えにくくするには、天面板13を、防虫網よりも外方に張り出すように設け、防虫網からの張り出し長さLが開口部7の高さH以上になるように設定すればよい。
【0035】
一般的に、防虫網は支柱11の内側に設けられるので、防虫網を基準に張り出し長さを設定すると、天面板13の径は、支柱11を基準に張り出し長さを設定した場合よりも短くなる。そのため、防虫網を基準に張り出し長さを設定した場合には、必ずしも支柱11が見えにくくなるとは限らないが、支柱11が見えるのを許容して少なくとも防虫網をみえにくくするという選択もあり得るので、その場合には、防虫網を基準に張り出し長さを設定すればよい。
【0036】
天面板13における支柱11からの張り出し長さLが開口部7の高さH以上になるように設定した理由を、火災感知器1を天井面に設置した状態を示す
図4に基づいて説明する。
火災感知器1を下方から見上げる場合の視線の位置と見え方について検討する。
【0037】
まず、真下から見上げる場合、すなわち
図4に示す火災感知器1の中心線に視線がある場合には、開口部7は天面板13に隠れて全く見えない。視線の位置が中心線からずれて、視線と中心線の成す角度αが大きくなるにしたがって、天面板13によって隠れている部分(本体部5の張出面23)の見える範囲が増えてくる。そして、
図4に示すように、αが45度になった状態では、支柱11又は防虫網の上端が見える状態となる。換言すれば、αが45度以下であれば、火災感知器1を下方から見上げると、支柱11は見えず、天面板13と本体部5の張出面23が見える状態となる。αが45度のとき、張り出し長さLと開口部7の高さHとの関係は、L=Hとなる。
そして、火災感知器1を見上げる場合、αが45度以下の状態が通常であると想定されることから、αが45度以下のときに、開口部7が見えにくくするには、張り出し長さLを開口部7の高さH以上に設定すればよい。
【0038】
天面板13が外方に張り出すように設けられることにより、天面板13の上面(開口部7側の面)が煙を開口部7に導くガイド壁として機能する。そのため、天面板13における張り出し部の上面に、煙の流れをより円滑にするため凹凸部37を設けてもよい。凹凸部37の例としては、
図5に示すような、周方向に複数のリブ39を所定の間隔を離して放射状に設けたものや、
図6に示すように、ゴルフボールの表面に形成されたディンプルと同様のディンプル41を周方向に所定間隔で設けたようなものでもよい。
【0039】
なお、上記の例は、煙の流入を円滑にするものであるが、必要に応じて煙の流入を規制する、すなわち煙が流入しにくくすることも可能である。つまり、凹凸部37は煙の流入性を調整する機能を有している。
また、凹凸部37を設けることで、表面積を増すことができ、湯気等の本来流入させたくないものを捕捉する機能を持たせることもできる。
なお、天面板13の上面に設ける凹凸部37は外部からは見えないので、意匠性を気にすることなく、機能面から形状、配置等を決めることができる。
【0040】
以上のように、本実施の形態の火災感知器1においては、開口部7の全周に亘ると共に開口部7から外方に向けて張り出すように設けられ、外周端面が確認灯として機能するライトガイド9を備えたことにより、ライトガイド9が本体部5をベース3から着脱するための着脱器29の係合部33が係合する部材として機能させることができる。このため、フィン等を露出させる必要がなくなり、また本体形状を係合部33が係止可能な形状にする必要もなくなり、意匠的な観点からの制約をなくすることができる。そして、本実施の形態では、天面板13を外方に張り出すようにして、天面板13に種々の機能を持たせることで、上述したように、開口部7を見えにくくして意匠性を向上させたり、煙の流入を調整したりすることができる。
【0041】
なお、上記の説明では天面板13にのみ凹凸部37を設ける例を示したが、天面板13に設けた凹凸部37と同様のものをライトガイド9における天面板13に対向する面に設けるようにしてもよく、さらに、凹凸部37は天面板13に設けることなくライトガイド9のみに設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態は煙感知器を例に挙げて説明したが、本発明の火災感知器1は煙感知器に限らず、熱気流を検知して火災を検知する熱感知器も含む。
熱感知器の場合には、防虫網は設けられないので、天面板13の張り出し長さは、支柱11を基準に決めればよい。
【符号の説明】
【0042】
1 火災感知器
3 ベース
5 本体部
7 開口部
9 ライトガイド
11 支柱
13 天面板
15 開口
17 検煙部
19 基板
21 LED
23 張出面
25 支持部
27 光ガイド脚部
29 着脱器
31 棒体
33 係合部
35 スリット
37 凹凸部
39 リブ
41 ディンプル