(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】配管用樹脂カバー及び外カバー
(51)【国際特許分類】
F16L 59/20 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
F16L59/20
(21)【出願番号】P 2018143168
(22)【出願日】2018-07-31
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】508321823
【氏名又は名称】株式会社イノアック住環境
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】内藤 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】進 一寛
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-238677(JP,A)
【文献】特開昭58-039895(JP,A)
【文献】特開平04-228509(JP,A)
【文献】特開平11-315995(JP,A)
【文献】実開平04-001798(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 59/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インナー管とアウター管の間に断熱層が形成されてなる保温配管の末端部において管長方向に飛び出した前記インナー管同士の接続部分を覆う配管用保温カバーであって、
断熱材で構成されて、前記インナー管同士の接続部分を収容する保温ケースと、
前記保温ケースを外側から取り巻く筒状に形成され、両端部が前記アウター管に嵌着される外カバーと、を有し、
前記保温ケースは、前記インナー管同士が挿通されるスリーブ部と、前記スリーブ部から径方向外側に膨出した膨出部と、を有し、
前記外カバーには、外側に膨らみ、かつ内側を向く部分に形成された凹部にて前記膨出部を受容する位置決め突部が設けられていて、
前記外カバーの少なくとも両端部に蛇腹部が形成されている、配管用保温カバー。
【請求項2】
前記インナー管は、樹脂製であって、
前記インナー管同士の接続部分には、通電によって前記インナー管同士を融着する電気融着継手が備えられ、
前記電気融着継手は、互いに接続される2つの前記インナー管が内側に挿通される筒形ボディと、前記筒形ボディの周方向の1箇所から外側に突出した1対の電極部と、を有し、
前記スリーブ部は、前記筒形ボディを収容すると共に、前記膨出部は、前記1対の電極部を収容する、請求項1に記載の配管用保温カバー。
【請求項3】
前記保温ケースには、前記管長方向の両端部を段付き状に縮径する段差部が形成されている、請求項1又は2に記載の配管用保温カバー。
【請求項4】
前記保温ケースは、前記インナー管の中心線を通る断面で2つの半割体に分割され、
前記半割体の結合面には、係合突部と係合凹部が形成され、
前記係合凹部は、前記結合面における前記管長方向の中央線を中心にして前記半割体を180度回転させたときに、回転前の前記半割体の前記係合突部と係合するように配置されている、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の配管用保温カバー。
【請求項5】
請求項1に記載の配管用保温カバーに用いられる外カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インナー管とアウター管の間に断熱層が形成されてなる保温配管同士の接続部分を覆うための配管用保温カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の配管用保温カバーは、保温配管の末端部で管長方向に飛び出したインナー管同士の接続部分を外側から覆う保温ケースと、その保温ケースの全体を外側から覆う直筒状をなして両端部にて保温配管のアウター管を内嵌する外カバーと、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-75081号公報(段落[0024]~[0029]、
図6,7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
保温配管では、インナー管とアウター管の中心軸がずれる場合がある。このような場合、特許文献1の配管用保温ケースでは、外カバーが覆う保温ケースの中心軸がインナー管の中心軸に一致するため、外カバーをアウター管に嵌合させることが困難となる。このため、保温配管への装着性の改善が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた発明の第1態様は、インナー管とアウター管の間に断熱層が形成されてなる保温配管の末端部において管長方向に飛び出した前記インナー管同士の接続部分を覆う配管用保温カバーであって、断熱材で構成されて、前記インナー管同士の接続部分を収容する保温ケースと、前記保温ケースを外側から取り巻く筒状に形成され、両端部が前記アウター管に嵌着される外カバーと、を有し、前記外カバーの少なくとも両端部に蛇腹部が形成されている、配管用保温カバーである。
【0006】
発明の第2態様は、前記保温ケースは、前記インナー管同士が内側に挿通されるスリーブ部と、前記スリーブ部から径方向外側に膨出した膨出部と、を有し、前記外カバーには、外側に膨らみ、かつ内側を向く部分に形成された凹部にて前記膨出部を受容する位置決め突部が設けられている、第1態様に記載の配管用保温カバーである。
【0007】
発明の第3態様は、前記インナー管は、樹脂製であって、前記インナー管同士の接続部分には、通電によって前記インナー管同士を融着する電気融着継手が備えられ、前記電気融着継手は、互いに接続される2つの前記インナー管が内側に挿通される筒形ボディと、前記筒形ボディの周方向の1箇所から外側に突出した1対の電極部と、を有し、前記スリーブ部は、前記筒形ボディを収容すると共に、前記膨出部は、前記1対の電極部を収容する、第2態様に記載の配管用保温カバーである。
【0008】
発明の第4態様は、前記保温ケースには、前記管長方向の両端部を段付き状に縮径する段差部が形成されている、第1態様から第3態様のうち何れか1の態様に記載の配管用保温カバーである。
【0009】
発明の第5態様は、前記保温ケースは、前記インナー管の中心線を通る断面で2つの半割体に分割され、前記半割体の結合面には、係合突部と係合凹部が形成され、前記係合凹部は、前記結合面における前記管長方向の中央線を中心にして前記半割体を180度回転させたときに、回転前の前記半割体の前記係合突部と係合するように配置されている、第1態様から第4態様のうち何れか1の態様に記載の配管用保温カバーである。
【発明の効果】
【0010】
発明の第1態様では、外カバーのうちアウター管に嵌着される両端部に蛇腹部が形成されているので、インナー管とアウター管の中心軸がずれている場合であっても、その中心軸のずれを蛇腹部によって吸収することが可能となる。これにより、外カバーをアウター管に嵌合させることが容易となり、保温配管への装着性の向上が図られる。
【0011】
発明の第2態様では、外カバーの位置決め突部が保温ケースの膨出部を受容することにより、外カバーを保温ケースに位置決めすることが可能となる。
【0012】
なお、インナー管同士の接続部分に、通電によってインナー管同士を融着する電気融着継手を備え、その電気融着継手が、互いに接続される2つのインナー管が内側に挿通される筒形ボディと、筒形ボディの周方向の1箇所から外側に突出した1対の電極部と、を有する場合、保温ケースの筒体に、筒形ボディを収容する構成として、該筒体の膨出部に、1対の電極部を収容する構成(発明の第3態様)とすれば、保温ケースにおいて電気融着継手の電極部を収容する部位を、外カバーとの位置決めに利用することができる。
【0013】
発明の第4態様では、保温ケースの管長方向における両端部が段付き状に縮径されるので、外カバーの蛇腹部が管長方向に対して斜めになっても、蛇腹部と保温ケースの干渉が抑制される。
【0014】
発明の第5態様では、2つの半割体を同一の構造にすることができるので、保温ケースの構成部品の種類を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の一実施形態に係る配管用保温カバーが取り付けられた保温配管の側断面図
【
図5】保温ケースの(A)A-A断面図、(B)B-B断面図
【
図8】係止突部と係止孔の(A)係合前の側断面図、(B)係合後の側断面図
【
図9】(A)インナー管とアウター管の中心軸が一致した保温配管の断面図、(B)インナー管とアウター管の中心軸がずれた保温配管の断面図
【
図10】(A)インナー管とアウター管の中心軸が一致しているときの外カバーとアウター管の嵌合状態を示す側断面図、(B)インナー管とアウター管の中心軸がずれているときの外カバーとアウター管の嵌合状態を示す側断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示されるように、本実施形態の配管用保温カバー10(以下、単に、保温カバー10と称す。)は、2つの保温配管70の接続部分を覆う。保温配管70は、インナー管71とアウター管72との間に断熱層73を有する3層構造をなしている。インナー管71及びアウター管72は、例えば、ポリエチレン樹脂で構成されている。断熱層73は、例えば、ポリウレタンフォーム等で構成されている。
【0017】
2つの保温配管70の接続部分では、各保温配管70の末端部において管長方向に飛び出したインナー管71同士が電気融着継手80を介して接合されている。
図2に示されるように、電気融着継手80は、互いに接続される2つのインナー管71が挿通される筒形ボディ81と、筒形ボディ81から外側に突出した1対の電極部82,82と、を有する。そして、筒形ボディ81に埋設されたコイル状の発熱線に1対の電極部82,82を介して通電がなされると、筒形ボディ81の内側に挿通された2つのインナー管71が融着される。なお、1対の電極部82,82は、筒形ボディ81の周方向で同じ周位置に配置され、筒形ボディ81の軸方向に並べて配置されている。また、筒形ボディ81の両端部のそれぞれには、外側に張り出した突出部83が設けられている。
【0018】
図3に示されるように、保温カバー10は、断熱材で構成された保温ケース11と、保温ケース11を外側から取り巻く外カバー30と、を有している。なお、保温ケース11を構成する断熱材は、例えば、硬質ポリウレタンフォームである。
【0019】
図4に示されるように、保温ケース11は、筒体の一部を外側に膨出させた構造を有し、スリーブ部12と、スリーブ部12から外側に突出した膨出部15とからなる。膨出部15は、スリーブ部12の周方向の1箇所に配置され、スリーブ部12の軸方向に沿って延びる直線状に形成されている。
【0020】
スリーブ部12の両末端部には、スリーブ部12の末端側を段付き状に縮径する段差部12Dが設けられている。そして、スリーブ部12は、2つの小径部13の間に大径部14が挟まれた構造となっている。なお、膨出部15は、大径部14の全体から突出している。
【0021】
保温ケース11の内側の空間は、電気融着継手80を収容するための継手収容部16と、電気融着継手80により接続される2つのインナー管71と嵌合する嵌合孔19と、からなる。継手収容部16は、電気融着継手80の筒形ボディ81を収容するボディ収容部17と、1対の電極部82,82を収容する電極収容部18と、からなる。
【0022】
図5(A)及び
図5(B)に示されるように、ボディ収容部17は、スリーブ部12の大径部14に形成され、スリーブ部12と同軸の円柱状をなしている。電極収容部18は、ボディ収容部17の周方向の1箇所から径方向外側へ延びている(
図5(B)参照)。電極収容部18は、スリーブ部12の周方向で膨出部15と同じ周位置に配置され、スリーブ部12(詳細には、大径部14)と膨出部15の両方に跨って形成されている。なお、ボディ収容部17には、突出部83を受容するための凹部17Aが備えられている。
【0023】
嵌合孔19は、スリーブ部12の中心軸方向における両端部からスリーブ部12の中心軸に沿って延びている。嵌合孔19は、ボディ収容部17と同様に、スリーブ部12と同軸に配置されている。
【0024】
図6に示されるように、保温ケース11は、2つの半割体21を結合してなる。半割体21は、半円筒状をなし、周方向の2つの端面が結合面21Mとなっている。また、半割体21の周方向の一端部には、径方向外側に張り出す張出部25が設けられている。張出部25は、保温ケース11の膨出部15の一部を構成する(
図5(B)参照)。詳細には、半割体21には、軸方向の末端側を段付き状に縮径する段差部21Dが設けられている。そして、半割体21は、2つの小径半円筒部23の間に大径半円筒部24が挟まれた構造となっている。なお、張出部25は、大径半円筒部24の全体から突出している。
【0025】
半割体21の内側に形成される丸溝部分は、保温ケース11の継手収容部16を構成する大径溝26と、嵌合孔19を構成する小径溝29と、からなる。大径溝26は、ボディ収容部17を構成するメイン溝27と、電極収容部18を構成するサブ溝28と、からなる。
【0026】
半割体21の結合面21Mには、係合突部21Tと係合凹部21Aが形成されている。係合突部21Tと係合凹部21Aは、結合面21Mを半割体21の中心軸方向で2等分する中央線L1に関して線対称に配置されている。従って、半割体21を中央線L1の回りに180度回転させると、回転後の半割体21の係合突部21Tが回転前の半割体21の係合凹部21Aと係合し、回転後の半割体の係合凹部21Aが回転前の半割体21の係合突部21Tと係合する。本実施形態では、2つの半割体21を同一の構造にすることができるので、保温ケース11の構成部品の種類を少なくすることができる。
【0027】
図7に示されるように、外カバー30は、円筒部31と、円筒部31から外側に突出した位置決め突部35と、を備えている。円筒部31は、
図8(A)に示される樹脂シート30Sを丸めて形成されている。具体的には、樹脂シート30Sの丸め方向の両端部には、係止突部32と係止孔33が形成されていている。そして、
図8(B)に示されるように、係止孔33に係止突部32が挿通されて、樹脂シート30Sが筒状に保持されることで、外カバー30が形成されている。
【0028】
なお、
図7に示されるように、係止突部32には、円筒部31の両端部に配置される第1係止突部32Aと、円筒部31の中間部において円筒部31の軸方向に延在する第2係止突部32Bと、が設けられている。また、係止孔33には、円筒部31の両端部に配置されて第1係止突部32Aが挿通される第1係止孔(図示略)と、円筒部31の中間部に配置されて第2係止突部32Bが挿通される第2係止孔(図示略)と、が設けられている。
【0029】
図1及び
図3に示されるように、位置決め突部35は、樹脂シート30Sの一部を円筒部31の径方向外側に膨出させることで形成されている。そして、位置決め突部35のうち円筒部31の内側を向く部分に、凹部36が形成されている。
【0030】
外カバー30の両端部には、蛇腹部37が形成されている。蛇腹部37は、外カバー30を構成する樹脂シート30Sの山折りと谷折りが外カバー30の軸方向に繰り返されることで形成されている。詳細には、蛇腹部37は、位置決め突部35よりも外カバー30の末端側に配置され、外カバー30の末端から所定の間隔をあけて配置されている。外カバー30のうち蛇腹部37より末端側に配置される部分は、直筒状の嵌合筒部38となっている。
【0031】
図1に示されるように、本実施形態の保温カバー10は、2つの保温配管71の接続部分を電気融着継手80ごと覆う。具体的には、電気融着継手80に外側から保温ケース11を装着して保温ケース11の継手収容部16に電気融着継手80を収容すると共に、保温ケース11の嵌合孔19の内側にインナー管71を収容する。なお、保温ケース11の電気融着継手80への装着にあたっては、保温ケース11を構成する2つの半割体21のうち一方の半割体21の内側の丸溝部分に電気融着継手80を受容させた状態で、その電気融着継手80を他方の半割体21の内側の丸溝部分に受容させて、2つの半割体21を結合させる。
【0032】
図1及び
図3に示されるように、外カバー30は、保温ケース11を外側から取り巻くように保温ケース11に装着される。このとき、保温ケース11の膨出部15は、外カバー30の位置決め突部35の内側に形成された凹部36に受容される。これにより、外カバー30は、保温ケース11に対してその周方向と軸方向の両方で位置決めされる。
【0033】
外カバー30が保温ケース11に装着された状態で、外カバー30の蛇腹部37は、スリーブ部12の中心軸方向で大径部14よりもスリーブ部12の末端側に配置される。本実施形態では、蛇腹部37は、保温ケース11におけるスリーブ部12の小径部13を外側から囲むように配置され、蛇腹部37のうち外カバー30の軸方向中央に臨む端縁は、スリーブ部12の段差部12Dの外側に配置される。
【0034】
図1に示されるように、外カバー30の両端部(詳細には、嵌合筒部38)は、アウター管72に嵌合してアウター管72に接着される。保温配管70の断熱層73と保温ケース11との間に隙間が形成される場合には、その隙間に露出するインナー管71に図示しない保温テープが巻き付けられる。
【0035】
ここで、保温配管70は、インナー管71とアウター管72の中心軸が一致するように設計されているが(
図9(A)参照)、インナー管71とアウター管72の中心軸がずれる場合がある(
図9(B)参照)。このような場合、外カバー30が覆う保温ケース11の中心軸(詳細には、スリーブ部12の中心軸)は、インナー管71の中心軸にほぼ一致するため、外カバー30をアウター管72に嵌合させることができなくなるという問題が生じ得る。しかしながら、本実施形態の保温カバー10では、外カバー30の両端部に形成された蛇腹部37によって、インナー管71とアウター管72の中心軸のずれを吸収することができる。
【0036】
即ち、
図10(B)に示されるように、外カバー30のうち保温ケース11に巻き付けられた部分の中心軸は、インナー管71の中心軸に一致する一方で、外カバー30の嵌合筒部38の中心軸は、蛇腹部37が曲がることによって、インナー管71の中心軸からずれることを許容される。これにより、嵌合筒部38の中心軸をアウター管72の中心軸に一致させることが可能となり、嵌合筒部38をアウター管72に嵌合させることが可能となる。
【0037】
しかも、スリーブ部12に段差部12Dが形成されることによって、蛇腹部37は、その内側に配置されたスリーブ部12(小径部13)との間に隙間を有する。これにより、蛇腹部37が曲がるときにスリーブ部12と干渉することが抑制される。
【0038】
なお、インナー管71とアウター管72の中心軸がずれている場合に外カバー30をアウター管72に嵌合させる別の手段として、外カバー30の少なくとも両端部を熱収縮チューブで構成することが考えられる。具体的には、熱収縮チューブの外径をアウター管72の外径よりも大きくしておき、熱収縮チューブにアウター管72を挿通させた状態で熱収縮チューブを加熱する。これにより、インナー管71とアウター管72の中心軸がずれていても、外カバー30の両端部をアウター管72に嵌合させることが可能となる。
【0039】
[他の実施形態]
(1)位置決め突部35は、外カバー30の周方向に複数箇所存在してもよいし、軸方向に複数箇所存在してもよい。後者の例としては、位置決め突部35は、突起で構成されればよい。
【0040】
(2)保温ケース11のスリーブ部12を直筒状にして、段差部12Dを備えない構成としてもよい。このような構成であっても、外カバー30の軸方向に蛇腹部37を長くすることで、蛇腹部37とスリーブ部12との干渉を避けることができる。なお、上記実施形態では、スリーブ部12に段差部12Dを備えることによって、蛇腹部37を短くすることが可能となり、外カバー30のコンパクト化が図られている。
【0041】
(3)保温ケース11が膨出部15を備えず、外カバー30が位置決め突部35を備えない構成であってもよい。この場合、外カバー30に係止突部32及び係止孔33を備えずに、外カバー30を開閉しない構成としてもよい。
【0042】
(4)蛇腹部37は、外カバー30の少なくとも両端部に形成されていればよく、例えば、外カバー30の軸方向の全体に形成されていてもよい。
【0043】
(5)上記実施形態では、2つのインナー管71同士が電気融着継手80によって接続されていたが、例えば、インナー管71の末端部にフランジが形成されている場合には、そのフランジによって接続されてもよい。なお、この場合、インナー管71は、樹脂製に限らず、例えば、金属製であってもよい。
【0044】
(6)上記実施形態では、保温配管70をソケット接続したが、エルボ接続やチーズ接続であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 配管用保温カバー
11 保温ケース
12 スリーブ部
12D 段差部
15 膨出部
21 半割体
30 外カバー
33 位置決め突部
35 蛇腹部
70 保温配管
71 インナー管
72 アウター管
73 断熱層
80 電気融着継手