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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220803BHJP
【FI】
F21S2/00 463
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018227524
(22)【出願日】2018-12-04
(65)【公開番号】P2020091976
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 祥平
(72)【発明者】
【氏名】藤森 加奈子
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-027722(JP,U)
【文献】特開2008-083584(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068715(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/084750(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の底部と該第1の底部の周囲に設けられた第1の側壁部とを有する第1のフレームと、
第2の底部と該第2の底部の周囲に設けられた第2の側壁部とを有し、前記第1の側壁部の開口側と前記第2の側壁部の開口側とが向かい合った状態で、前記第1の側壁部の外側に前記第2の側壁部が所定の隙間を介して重なって筐体を構成する第1のフレームと、
前記第2の側壁部または前記第1の側壁部に設けられた、前記隙間を弾性変形により埋めるバネ部と、
を備え
前記バネ部は、前記第2の側壁部の開口側の端部に沿って形成される両持ち片を備えた、
面状照明装置。
【請求項2】
前記バネ部は、前記第2の側壁部が延在する面内で前記筐体の厚さ方向と直交する方向の中央部が短手方向の全幅にわたって前記筐体の内側に変位している、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
第1の底部と該第1の底部の周囲に設けられた第1の側壁部とを有する第1のフレームと、
第2の底部と該第2の底部の周囲に設けられた第2の側壁部とを有し、前記第1の側壁部の開口側と前記第2の側壁部の開口側とが向かい合った状態で、前記第1の側壁部の外側に前記第2の側壁部が所定の隙間を介して重なって筐体を構成する第2のフレームと、
前記第2の側壁部または前記第1の側壁部に設けられた、前記隙間を弾性変形により埋めるバネ部と、
を備え、
前記バネ部は、前記第2の側壁部の開口側において前記筐体の厚さ方向と直交する方向に前記第2の側壁部に沿って延伸し、先端が前記筐体の内側に変位した片持ち片を備えた、
面状照明装置。
【請求項4】
前記第1の側壁部の開口側の端部の外側の少なくとも前記バネ部に対応する位置には面取部が設けられる、
請求項のいずれか一つに記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記バネ部の前記筐体の内側に変位した部分には突起が設けられる、
請求項1または3に記載の面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のバックライト等として用いられる面状照明装置として、第1のフレームと第2のフレームとにより筐体が構成されるものがある。すなわち、第1のフレームは、第1の底部とこの第1の底部の周囲に設けられた第1の側壁部とを有する。第2のフレームは、第2の底部とこの第2の底部の周囲に設けられた第2の側壁部とを有する。そして、第1のフレームの第1の側壁部の開口側と第2のフレームの第2の側壁部の開口側とが向かい合った状態で、第1のフレームの第1の側壁部の外側に第2のフレームの第2の側壁部が重なって筐体が構成される。
【0003】
このような面状照明装置の筐体において、フレームの寸法には製造上の公差があるため、2つのフレームを組み合わせた状態で両者の間には隙間が設けられる。
【0004】
このような隙間により、組み立てられた筐体においては、2つのフレームが動きやすい状態にあり、面状照明装置が自動車等に搭載された場合に、カタカタいうラトルノイズが発生して耳触りとなる不都合がある。また、隙間分の位置変動を考慮してフレームを設計する必要があることから、発光面の縁を構成する額縁の設計に不利となり、昨今において重要視されている狭額縁化の実現が困難となる。
【0005】
一方、外側に配置される上フレームの側壁の内面に突起を設け、内側に配置される下フレームの側壁の外面に上記の突起が接するようにしたものがある(例えば、特許文献1の図16等を参照。)。しかし、突起の大きさによっては、上フレームに内側に傾くような回転が生じ、上フレームに設けられた開口の端部が内部の光学シート等に押し付けられ、その後の環境の変化によって光学シートに皺が発生するおそれがある。
【0006】
また、表示パネル支持枠に表示パネル押え板が被せられる場合において、表示パネル支持枠に設けられた係合爪と、表示パネル押え板に設けられた、内方に弾発力が付与された押圧片とが係合する構造がある(例えば、特許文献2等を参照。)。しかし、押圧片は係合爪と係合するのみであって、表示パネル支持枠と表示パネル押え板との間の隙間を埋めるものではなく、隙間に起因する問題を解決できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-14893号公報
【文献】実開平5-27722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、2つのフレームによって構成される筐体におけるフレーム間の隙間によるフレームの位置変動を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、第1のフレームと、第2のフレームと、バネ部とを備える。前記第1のフレームは、第1の底部と該第1の底部の周囲に設けられた第1の側壁部とを有する。前記第2のフレームは、第2の底部と該第2の底部の周囲に設けられた第2の側壁部とを有し、前記第1の側壁部の開口部と前記第2の側壁部の開口部とが向かい合った状態で、前記第1の側壁部の外側に前記第2の側壁部が所定の隙間を介して重なって筐体を構成する。前記バネ部は、前記第2の側壁部または前記第1の側壁部に設けられ、前記隙間を弾性変形により埋める。前記バネ部は、前記第2の側壁部の開口側の端部に沿って形成される両持ち片を備える。
【0010】
本発明の一態様に係る面状照明装置は、2つのフレームによって構成される筐体におけるフレーム間の隙間によるフレームの位置変動を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1の実施形態に係るバックライトの外観斜視図である。
図2図2は、バックライトの分解斜視図である。
図3図3は、バックライトの他の例を示す分解斜視図である。
図4図4は、バックライトの断面図である。
図5図5は、バネ部の部分的な拡大図である。
図6図6は、バネ部の他の例を示す部分的な拡大図(1)である。
図7図7は、バネ部の他の例を示す部分的な拡大図(2)である。
図8図8は、バネ部の他の例を示す部分的な拡大図(3)である。
図9図9は、面取部の例を示すバックライトの断面図である。
図10A図10Aは、片持ち片の内側の面に設けられた突起の例を示す斜視図である。
図10B図10Bは、片持ち片の長さ方向に沿った部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係る面状照明装置について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0013】
図1は、第1の実施形態に係るバックライト1の外観斜視図である。なお、バックライト1は、面状照明装置の一例であり、ナビゲーション装置やインジケータ等における液晶表示装置の背面に設けられる。
【0014】
図1において、バックライト1は略長方形で板状の外形をしており、一方の面(図における上面)は第2フレーム12で形成されている。第2フレーム12は、開口12bが設けられた底部12aと、この底部12aの周囲に設けられた側壁部12cとを有している。開口12bからは、内部から外部に向かって光が照射される。バックライト1がナビゲーション装置やインジケータ等に用いられる場合、ナビゲーション装置やインジケータ等の液晶表示装置は開口12bが設けられた面に装着される。
【0015】
第2フレーム12の側壁部12cの適所(図示の例では、短辺の略中央に1箇所、長辺にほぼ均等に2箇所)には、バネ部12dが設けられている。バネ部12dの構造の詳細については後述する。なお、バネ部12dが設けられる位置や数は、図示の例に限られず、第2フレーム12と後述する第1フレーム11とが組み合わせられた際に両者の隙間を適切に埋めるものであればよい。なお、第2フレーム12側にバネ部12dが設けられる場合について説明するが、第1フレーム11側にバネ部が設けられるようにしてもよい。
【0016】
図2は、図1に示されたバックライト1の分解斜視図であり、導光板の側面から光が入射されるタイプのバックライト1の例である。図2において、バックライト1は、第1フレーム11と、第2フレーム12と、反射シート13と、光源基板14と、導光板15と、光学シート16とを備えている。
【0017】
第1フレーム11は、底があり蓋がない箱型の形状をしており、板金やダイカスト等により形成される。第1フレーム11は、底部11aと、この底部11aの周囲に設けられた側壁部11bとを備えている。第1フレーム11は、第1のフレームの一例である。底部11aは、第1の底部の一例である。側壁部11bは、第1の側壁部の一例である。
【0018】
第2フレーム12は、底があり蓋がない箱型の形状をしており、板金やダイカスト等により形成される。第2フレーム12は、図1で示されたように、底部12aと、この底部12aの周囲に設けられ、開口12bを有する開口12bとを備えている。第2フレーム12の底部12aにおける開口12bの外周は、いわゆる額縁を形成する。第2フレーム12は、第2のフレームの一例である。底部12aは、第2の底部の一例である。側壁部12cは、第2の側壁部の一例である。
【0019】
第1フレーム11の内部には、反射シート13、光源基板14、導光板15および光学シート16が収納され、第1フレーム11を第2フレーム12が覆うように第2フレーム12により蓋がされてバックライト1が構成される。すなわち、第1フレーム11の側壁部11bの開口側と第2フレーム12の側壁部12cの開口側とが向かい合った状態で、第1フレーム11の側壁部11bの外側に第2フレーム12の側壁部12cが製造上の公差に対応する所定の隙間を介して重なってバックライト1の筐体を構成する。
【0020】
反射シート13は、光源基板14におけるLED等の光源から導光板15に入射された光のうち、導光する過程で出射面(図における上側の面)とは反対側の面に漏れた光を反射して導光板15に戻す部材である。なお、反射シート13は省略される場合もある。
【0021】
光源基板14は、細長い薄板状の基板の上に一方向に複数のLED等の光源が配列されており、第1フレーム11の一の側壁(図における手前側の側壁)の内面に固定され、導光板15の入光面15aに光を照射する。
【0022】
導光板15は、光源基板14の光源から入光面15aに入射された光を導光し、出射面(図における上側の面)から光を出射する。
【0023】
光学シート16は、導光板15から出射される光の光学特性を調整するための部材であり、1枚の場合や複数枚の場合がある。光学シート16としては、拡散シート、プリズムシート、DBEF(Dual Brightness Enhancement Film)等がある。
【0024】
図3は、バックライト1の他の例を示す分解斜視図であり、出射面の下方から光が入射されるタイプのバックライト1の例である。図3において、バックライト1は、第1フレーム11と、第2フレーム12と、光源基板17と、レンズ18と、光学シート19とを備えている。
【0025】
第1フレーム11は、底があり蓋がない箱型の形状をしており、板金やダイカスト等により形成される。第1フレーム11は、底部11aと、この底部11aの周囲に設けられた側壁部11bとを備えている。
【0026】
第2フレーム12は、底があり蓋がない箱型の形状をしており、板金やダイカスト等により形成される。第2フレーム12は、図1で示されたように、底部12aと、この底部12aの周囲に設けられ、開口12bを有する開口12bとを備えている。第2フレーム12の底部12aにおける開口12bの外周は、いわゆる額縁を形成する。
【0027】
第1フレーム11の内部には、光源基板17、レンズ18および光学シート19が収納され、第1フレーム11を第2フレーム12が覆うように第2フレーム12により蓋がされてバックライト1が構成される。すなわち、第1フレーム11の側壁部11bの開口側と第2フレーム12の側壁部12cの開口側とが向かい合った状態で、第1フレーム11の側壁部11bの外側に第2フレーム12の側壁部12cが製造上の公差に対応する所定の隙間を介して重なってバックライト1の筐体を構成する。
【0028】
光源基板17は、長方形で薄板状の基板の上に2次元にLED等の光源が複数配列されている。
【0029】
レンズ18は、シート上に微小なプリズムが配列されており、光源基板17側から入射した光の配光を制御して反対側に出射する。レンズ18は、たとえば、透明な樹脂等により形成される。
【0030】
光学シート19は、レンズ18側から出射される光の光学特性を調整するための部材であり、1枚の場合や複数枚の場合もある。光学シート19としては、拡散シート、プリズムシート、DBEF(Dual Brightness Enhancement Film)等がある。
【0031】
なお、光源基板17とレンズ18との間には、格子リフレクタが設けられる場合がある。格子リフレクタは、光源基板17上の光源の側方に向かう光を反射して照明対象の方向(開口12bの開口面に垂直な方向)に光を揃え、照明装置としての光学特性を向上させるものである。格子リフレクタは、例えば、複数の長方形または正方形のセルに分れ、各セルには、LED等の光源が収まる開口を囲む4個の反射面が設けられている。反射面は、光源の側方に照射された光をレンズ18側に反射するように、開口のエッジからセルのエッジに向かって傾斜する面となっている。格子リフレクタは、反射の効果を高めるため、たとえば、白色の樹脂等により形成される。
【0032】
また、レンズ18と光学シート19との間にはディフューザ(拡散板)が設けられる場合がある。ディフューザは、レンズ18側から入射した光を拡散し、光の分布を均一化する。ディフューザは、たとえば、樹脂等により形成される。
【0033】
図4は、バックライト1の断面図であり、図1におけるA-A断面図またはB-B断面図を示している。図4において、第1フレーム11を第2フレーム12が覆うように装着された状態で、第1フレーム11の側壁部11bの外面と第2フレーム12の側壁部12cの内面との間には、製造上の公差を吸収するための隙間が設けられている。この隙間は、図1に示されたバネ部12dにより埋められ、第1フレーム11と第2フレーム12とが相対的に移動して衝突する際のラトルノイズが低減されるとともに、第1フレーム11と第2フレーム12との相対的な移動の減少による狭額縁化の実現が容易になる。
【0034】
(バネ部の具体例1)
図5は、バネ部12dの部分的な拡大図(図1における部分Xの拡大図)である。図5において、第2フレーム12の側壁部12cから底部12aにかけて切込12e、12f、12gが設けられ、これらの切込12e、12f、12gにより片持ち片12hの輪郭が形成されている。片持ち片12hは、側壁部12cの開口側(底部12aとは反対側)から、第1フレーム11と第2フレーム12とにより構成される筐体の厚さ方向(図の上下方向)に延伸し、先端が筐体の内側に変位することでバネ部12dを構成している。片持ち片12hの先端は、第1フレーム11の側壁部11bに圧力がかかった状態で接するか、圧力がほとんどかからずに第1フレーム11と第2フレーム12との隙間を埋める場合がある。なお、底部12aに入り込んだ切込12gを設けずに、切込12e、12fを側壁部12cの面内で留めるようにしてもよい。ただし、第2フレーム12の加工限界の関係で、切込12gを設けないで済ますことが困難な場合もある。
【0035】
(バネ部の具体例2)
図6は、バネ部12dの他の例を示す部分的な拡大図である。図6において、第2フレーム12の側壁部12cの開口側(図の下側)から切込12i、12jが設けられ、これらの切込12i、12jと側壁部12cの開口端とにより片持ち片12kの輪郭が形成されている。片持ち片12kは、側壁部12cの底部12a側から、第1フレーム11と第2フレーム12とにより構成される筐体の厚さ方向(図の上下方向)に延伸し、先端が筐体の内側に変位することでバネ部12dを構成している。片持ち片12kの先端は、第1フレーム11の側壁部11bに圧力がかかった状態で接するか、圧力がほとんどかからずに第1フレーム11と第2フレーム12との隙間を埋める場合がある。
【0036】
図6の具体例2が図5の具体例1と異なる点は、片持ち片12kの先端側が第2フレーム12の開口側となり、片持ち片12kの根元側の切込が浅くなるため、底部12a側からの光の漏れを抑制できる点にある。
【0037】
(バネ部の具体例3)
図7は、バネ部12dの他の例を示す部分的な拡大図である。図7において、第2フレーム12の側壁部12cの開口側(図の下側)から切込12mが設けられ、この切込12mと側壁部12cの開口端とにより片持ち片12nの輪郭が形成されている。片持ち片12nは、側壁部12cの開口側(底部12aとは反対側)において、第1フレーム11と第2フレーム12とにより構成される筐体の厚さ方向と直交する方向(図の左右方向)に延伸し、先端が筐体の内側に変位することでバネ部12dを構成している。片持ち片12nの先端は、第1フレーム11の側壁部11bに圧力がかかった状態で接するか、圧力がほとんどかからずに第1フレーム11と第2フレーム12との隙間を埋める場合がある。
【0038】
図7の具体例3が図5の具体例1や図6の具体例2と異なる点は、片持ち片12nが筐体の長手方向に延びるように形成されていることである。これにより、片持ち片12nの長さの制約が小さくなり、片持ち片12nの長さを適切に設定することでバネの強さを調整することが可能となる。また、後述する図8の具体例4と比較して、同じバネ強度を得るのに要する長さを半分にできるので、バネ部12dを配置する領域の長さが十分に確保できない場合に有効である。
【0039】
(バネ部の具体例4)
図8は、バネ部12dの他の例を示す部分的な拡大図である。図8において、第2フレーム12の側壁部12cには長い孔12pが設けられ、この孔12pの一端(図の下側の端部)と側壁部12cの開口端とにより両持ち片12qの輪郭が形成されている。両持ち片12qは、側壁部12cの開口側(底部12aとは反対側)において、第1フレーム11と第2フレーム12とにより構成される筐体の厚さ方向と直交する方向(図の左右方向)に側壁部12cに沿って設けられ、中央部が筐体の内側に変位することでバネ部12dを構成している。両持ち片12qの中央部は、第1フレーム11の側壁部11bに圧力がかかった状態で接するか、圧力がほとんどかからずに第1フレーム11と第2フレーム12との隙間を埋める場合がある。
【0040】
図7の具体例3と異なる点は、両持ち片12qの両端が固定されていることである。これにより、筐体の厚さ方向の剛性を高めることができる。
【0041】
(追加例)
図5の具体例1は第2フレーム12の片持ち片12hの先端が底部12a側を向いているため、第2フレーム12を第1フレーム11と組み合わせる際に特に問題は生じない。しかし、図6図8の具体例2~4では片持ち片12kの先端、または、片持ち片12n、両持ち片12qの側面が第1フレーム11の側壁部11bと“ひっかかり”が生じ、第1フレーム11と第2フレーム12との組み合わせがスムーズに行えない場合が懸念される。そこで、第1フレーム11と第2フレーム12との組み合わせ時の“ひっかかり”を防止する例について説明する。
【0042】
図9は、面取部11cの例を示すバックライト1の断面図であり、図1におけるA-A断面図またはB-B断面図を示している。図9において、第1フレーム11の側壁部11bの開口側(図の上側)の外側には面取部11cが設けられている。面取部11cは、いわゆる“さそい”を構成する。面取部11cは、側壁部11bの全周に設けられてもよいし、第2フレーム12のバネ部12dが設けられる位置に対応して、第1フレーム11と第2フレーム12とを組み合わせる際にバネ部12dの片持ち片12kの先端、または、片持ち片12n、両持ち片12qの側面と、こすれる可能性のある部分だけに設けられるようにしてもよい。
【0043】
次に、第1フレーム11と第2フレーム12との組み合わせ時の“ひっかかり”を防止する他の例について説明する。
【0044】
図10Aは、片持ち片12kの内側の面に設けられた突起12rの例を示す斜視図であり、図10Bは、片持ち片12kの長さ方向に沿った部分的な断面図である。図10Aは、図6における片持ち片12kを、第2フレーム12の内側から上下を逆にして見た図である。
【0045】
図10Aおよび図10Bにおいて、バネ部12dの片持ち片12kの筐体の内側に変位した先端の内側の面には略半球状の突起12rが設けられている。第1フレーム11と第2フレーム12との組み合わせ時に、突起12rが相手方の第1フレーム11と接触することとなり、小面積で接触することから、スムーズな組み合わせが可能になる。なお、図10Aおよび図10Bの突起12rは、図9の面取部11cと同時に設けられてもよい。また、図6の片持ち片12kに突起12rが設けられた例について説明したが、図7の片持ち片12nや図8の両持ち片12qの内側の面に突起が設けられるようにしてもよい。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0047】
以上のように、実施形態に係る面状照明装置は、第1の底部と第1の底部の周囲に設けられた第1の側壁部とを有する第1のフレームと、第2の底部と第2の底部の周囲に設けられた第2の側壁部とを有し、第1の側壁部の開口側と第2の側壁部の開口側とが向かい合った状態で、第1の側壁部の外側に第2の側壁部が所定の隙間を介して重なって筐体を構成する第2のフレームと、第2の側壁部または第1の側壁部に設けられた、隙間を弾性変形により埋めるバネ部と、を備える。これにより、2つのフレームによって構成される筐体におけるフレーム間の隙間によるフレームの位置変動を低減させることができる。
【0048】
また、バネ部は、第2の側壁部の開口側から筐体の厚さ方向に延伸し、先端が筐体の内側に変位した片持ち片を備える。これにより、バネ部を容易に実現することができる。
【0049】
また、バネ部は、第2の側壁部の第2の底部側から筐体の厚さ方向に延伸し、先端が筐体の内側に変位した片持ち片を備える。これにより、バネ部を容易に実現することができる。
【0050】
また、バネ部は、第2の側壁部の開口側において筐体の厚さ方向と直交する方向に第2の側壁部に沿って延伸し、先端が筐体の内側に変位した片持ち片を備える。これにより、バネ部を容易に実現することができる。
【0051】
また、バネ部は、第2の側壁部の開口側において筐体の厚さ方向と直交する方向に第2の側壁部に沿って設けられ、中央部が筐体の内側に変位した両持ち片を備える。これにより、バネ部を容易に実現することができる。
【0052】
また、第1の側壁部の開口側の端部の外側の少なくともバネ部に対応する位置には面取部が設けられる。これにより、第1のフレームと第2のフレームとの組み合わせがスムーズに行える。
【0053】
また、バネ部の筐体の内側に変位した部分には突起が設けられる。これにより、第1のフレームと第2のフレームとの組み合わせがスムーズに行える。
【0054】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 バックライト,11 第1フレーム,11c 面取部,12 第2フレーム,12d バネ部,12h、12k、12n 片持ち片,12q 両持ち片,12r 突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B