(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器、及びそのシステムと使用方法
(51)【国際特許分類】
A01M 23/38 20060101AFI20220803BHJP
【FI】
A01M23/38
(21)【出願番号】P 2019547422
(86)(22)【出願日】2018-03-01
(86)【国際出願番号】 US2018020449
(87)【国際公開番号】W WO2018160831
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2020-12-15
(32)【優先日】2017-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501416405
【氏名又は名称】ウッドストリーム、コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】WOODSTREAM CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ジェイ・ダリー・ジュニア
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0192635(US,A1)
【文献】特開2001-231429(JP,A)
【文献】特開2015-047122(JP,A)
【文献】特表2006-524990(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0231227(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 23/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器であって、
複数の殺傷プレートに接続された高電圧出力回路と、
前記高電圧出力回路を制御するための中央演算処理装置と、
前記中央演算処理装置が遠隔の使用者と無線で通信可能にする通信チップと、
活動センサと、を含み、
前記中央演算処理装置は前記捕獲器の状態を捕獲器展開の後に起こる少なくとも1つの武装イベントに応答して非武装状態から武装状態に変えるように構成され、
前記捕獲器は前記非武装状態において前記高電圧回路が停止中に前記活動センサを使って前記捕獲器内の又は前記捕獲器に隣接した活動を監視し、
前記武装イベントは、前記捕獲器内の又は前記捕獲器に隣接したげっ歯類動物の閾値レベルの活動を前記活動センサにより検出すること、又はげっ歯類動物の前記閾値レベルの活動検出の前に前記遠隔の使用者から前記無線信号を受信することを含み、
前
記武装イベントは
さらに、
前記捕獲器を前記武装状態に起動するよう前記中央演算処理装置に命令する前記遠隔の使用者からの無線信号を受信することを含む、
自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器。
【請求項2】
前記捕獲器がさらにタイマーを含み、
前記武装イベントは前記タイマーによって設定された時間の満了、又は前記時間の満了の前に前記遠隔の使用者から無線信号を受信することを含む、
請求項1に記載の自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器。
【請求項3】
前記活動センサが、動作検出装置、温度検出装置、能動的赤外線検出装置、受動的赤外線検出装置、近接検出装置、及びインピーダンス検出装置から成るグループから選択される少なくとも1つのセンサを含む、
請求項
1に記載の自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器。
【請求項4】
前記閾値レベルが、前記活動センサによって検出される前記捕獲器とのげっ歯類動物のインタラクション回数が閾値に到達することを含む、
請求項
1に記載の自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器。
【請求項5】
前記捕獲器が、前記捕獲器で発生しているインタラクションを報告する活動警報を前記使用者に提供する無線信号を送信するように構成された、
請求項
1に記載の自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器。
【請求項6】
自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器システムであって、前記システムは、
複数の殺傷プレートに接続された高電圧出力回路
、および活動センサを有する電子げっ歯類動物捕獲器と、
前記高電圧出力回路を制御するための中央演算処理装置と、
通信チップを含み、
前記中央演算処理装置は前記捕獲器の状態を捕獲器展開の後に起こる武装イベントに応答して非武装状態から武装状態に状態の変更をするように構成され、
前記状態の変更は使用者による手動の介入なしで実行され、
遠隔の装置は遠隔の使用者が前記通信チップをとおして前記捕獲器の中央演算処理装置と無線通信できるようにし、
前記遠隔の使用者による捕獲器の中央演算処理装置への通信は、前記非武装状態から前記武装状態に変更する前記武装イベントの役割を果たす無線の起動信号送信を含
み、
前記捕獲器は前記非武装状態において高電圧回路が停止中に前記活動センサを使って前記捕獲器内の又は前記捕獲器に隣接した活動を監視し、
前記武装イベントは、前記捕獲器内の又は前記捕獲器に隣接したげっ歯類動物の閾値レベルの活動を前記活動センサにより検出すること、又はげっ歯類動物の前記閾値レベルの活動検出の前に前記遠隔の装置により発信された前記捕獲器を武装状態に変える前記無線の起動信号を受信することを含む、
電子げっ歯類動物捕獲器システム。
【請求項7】
前記遠隔の装置が、専用遠隔コントローラ、スマートフォンアプリ、インターネット接続を備えた計算装置、及びクラウド通信を使う計算装置、のうちの少なくとも1つを含む、
請求項
6に記載の自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器システム。
【請求項8】
前記捕獲器が内蔵又はクラウドベースタイマーを含み、
前記武装イベントは前記タイマーによって設定された期間の満了、又は前記時間の満了の前に前記遠隔の使用者から前記捕獲器を前記非武装状態から前記武装状態に変更する無線信号を受信することを含む、
請求項
6に記載の自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器システム。
【請求項9】
前記システムが、前記装置を備えた前記遠隔の使用者が前記捕獲器から捕獲器活動のアップデートを受信できるように構成される、
請求項
6に記載の自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器システム。
【請求項10】
前記活動センサが、動作検出装置、温度検出装置、能動的赤外線検出装置、受動的赤外線検出装置、近接検出装置、及びインピーダンス検出装置から成るグループから選択される少なくとも1つのセンサを含む、
請求項
6に記載の自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器システム。
【請求項11】
げっ歯類動物を捕獲器に慣れさせることができるように電子げっ歯類動物捕獲器を操作する方法であって、
前記方法は、
複数の殺傷プレートに接続された高電圧出力回路、及び高電圧回路を制御するための中央演算処理装置を有する前記電子げっ歯類動物捕獲器を非武装状態で望ましい場所に配置するステップと、
前記捕獲器が、前記非武装状態において、げっ歯類動物の前記捕獲器とのインタラクションにより前記高電圧回路が起動する結果とならない監視モードで前記望ましい場所で動作するステップと、
前記捕獲器が、武装イベントが発生するまで監視モードに留まるステップと、
前記中央演算処理装置が、前記武装イベントに応答して前記捕獲器の状態を前記非武装状態から武装状態に変更するステップと、を含み、
前記捕獲器は,活動センサを含み、
前記監視モードで前記望ましい場所で動作するステップは、前記活動センサを使って前記捕獲器の近傍の、及び/又は前記捕獲器とのインタラクションを前記捕獲器が監視するステップを含み、
前記捕獲器は、閾値回数のインタラクションの検出がされるまで前記監視モードに留まり、
前記閾値回数のインタラクションの検出を検出すること、又は前記閾値レベルの活動検出の前に前記無線の起動信号を受信することが前記武装イベントとして働き、
前記武装イベントは前記捕獲器を武装するよう前記中央演算処理装置に命令する前記遠隔の使用者から送信された無線信号を前記捕獲器が受信することを含む、
方法。
【請求項12】
前記電子げっ歯類動物捕獲器を配置する前記ステップの一部として、前記捕獲器の内蔵タイマーをある期間に設定するステップをさらに含み、
前記期間が満了するまで前記捕獲器は前記監視モードで動作し、
前記期間が満了すること、又は前記時間の満了の前に前記無線の起動信号を受信することが前記武装イベントとして働く、
請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記使用者がクラウドベースタイマーをある期間に設定するステップをさらに含み、
前記期間が満了するまで前記捕獲器は前記監視モードで動作し、
前記期間が満了すること、又は前記時間の満了の前に前記無線の起動信号を受信することが前記武装イベントとして働く、
請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
前記無線の起動信号が、専用遠隔コントローラ、スマートフォンアプリ、インターネット接続を備えた計算装置、及びクラウドコミュニケーションを使う計算装置から成るグループから選択される装置を使って前記遠隔の使用者から送られる、
請求項
11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2017年3月2日付けで出願された米国特許仮出願第62/466114号公報、及び2018年2月27日付けで出願された米国特許非仮出願第15/906691号公報に基づき優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本願発明はげっ歯動物制御の分野に関し、より詳細には、げっ歯類動物(rodent)を捕獲器の存在に慣れさせるために捕獲器を非武装状態(unarmed state)で配置する装置及び方法に関し、捕獲器は監視モードで作動したのち、使用者による手動介入なしで独自に武装するように構成される。
【背景技術】
【0003】
げっ歯類動物、及び特にネズミは新しいもの嫌い(neophobic)である、すなわちそれらの環境に現れた新しい物体を警戒する。げっ歯類動物が、たとえ餌又は食物が新しい物体に関連して置かれていても新しい物体を数時間、数日、又は数週間の間避けることの記録が多く存在する。
【0004】
この新しいもの嫌いの傾向への対策として有害動物(pest)制御の専門家やげっ歯類動物の捕獲に詳しいその他の人々により使われる技術の1つは、餌を備えたげっ歯類動物捕獲器を環境に置くが、捕獲できるようにセットしないでおくことである。一定の期間が経ちげっ歯類動物が捕獲器に慣れたところで技術者が捕獲器に戻ってセットする。この技術は少なくとも2つの目的を達成する。第一に、餌があるが無害な状態の捕獲器とは待機期間の間は殺されることなくげっ歯類動物が近寄ることができる。第二に、げっ歯類動物が痛い思いをすることなく餌にありつくことに成功するにつれて小便や匂い/フェロモンを残し、それにより他のげっ歯類動物は新しいものが近寄っても安全なものであると安心する。
【0005】
前述の技術の短所は、餌をつけて捕獲器をセットしないで配置し、捕獲器を待機期間中放置し、そして後に戻って各捕獲器を実際に設定することに要する時間と労力である。
【0006】
したがって、げっ歯類動物捕獲器を餌付き又は餌無し構成でセットしないで配置し、待機期間後に手動以外の方法で起動又はセットし、技術者が捕獲器まで再び戻ることを不必要とする装置と方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
上記を考慮して、本願発明は手動以外の又は自動武装機能、および非武装状態でげっ歯類動物捕獲器を展開し、使用者が物理的に捕獲器にアクセスすることなく待機期間後にセットをする方法を有するげっ歯類動物捕獲器を目標とする。好ましくは電子げっ歯類動物捕獲器として具現化される捕獲器は、無線遠隔武装機能、時間で武装する機能、活動に基づく武装、その他類似の方法を備えて構成されてもよい。
【0008】
したがって、本願発明の目的は、捕獲器がセットされていない非武装構成で餌付きで配置可能であり、一定の待機期間後に、無線通信信号で遠隔的に武装可能である、又は使用者が物理的に捕獲器にアクセスする必要なく自動的に殺傷可能な構成(kill configuration)に武装できる電子げっ歯類動物捕獲器を提供することである。
【0009】
本願発明の別の目的は、遠隔コントローラ、又はスマートフォン、ウェブ、又はPCアプリによって捕獲器が殺傷可能な構成にセット又は武装する上述の目的に従う電子げっ歯類動物捕獲器を提供することである。
【0010】
本願発明のさらなる目的は、特定の時間に、又はファームウェアベースのタイマー、メカニカルタイマー、クラウドベースタイマーなどのタイマーに基づく機構を使って特定の期間が過ぎた後に捕獲器が殺傷可能な構成にセット又は武装する当初の目的に従う電子げっ歯類動物捕獲器を提供することである。
【0011】
本願発明のさらなる別の目的は、捕獲器が非武装時は捕獲器が捕獲器とのインタラクション(interaction)を監視するがそれにより自動的に武装することがない待機又は監視モードで動作する頭書の目的に従う電子げっ歯類動物捕獲器を提供することであり、監視モードにある捕獲器は、捕獲器内又は捕獲器近傍におけるげっ歯類動物の活動の閾値レベルの検出などの特定の判断基準に基づいて独自に殺傷可能な構成にセット又は武装するように構成される。
【0012】
本願発明のさらなる別の目的は、捕獲器が捕獲器の近傍の活動や捕獲器とのインタラクションを、動き、温度、インピーダンス、赤外線および近接感知を非限定的に含む1つ以上のパラメータに基づいて検出する少なくとも1つのセンサを含む前述の目的に従う電子げっ歯類動物捕獲器を提供することであり、監視モードにあるとき捕獲器は近傍の活動やインタラクションを追跡する。
【0013】
本願発明のさらなる目的は、捕獲器コントローラ又は中央演算処理装置(CPU)が少なくとも1つのセンサからのデータを継続的に受け、データを評価して検出された活動がげっ歯類動物のものかげっ歯類動物以外のものかを判定する前出2つの目的に従う電子げっ歯類動物捕獲器を提供することである。
【0014】
本願発明のさらなる目的は、捕獲器が殺傷可能な構成に自分自身を武装するまでのげっ歯類動物のインタラクション回数の閾値を使用者が設定できる前出3つの目的に従う電子げっ歯類動物捕獲器を提供することである。
【0015】
本願発明の別の目的は、捕獲器が監視モードにあるとき、げっ歯類動物に関係すると考えられる捕獲器とのインタラクションの通知を、発生の毎回又は選択された回数ごとに受けるオプションを使用者が有し、インタラクション回数の閾値を超える以前に捕獲器を遠隔的に武装する選択ができる前出4つの目的に従う電子げっ歯類動物捕獲器を提供することである。
【0016】
本願発明のさらなる別の目的は、配置してから非武装状態で放置可能であり、使用者が捕獲器と物理的に一回関わるだけで後から武装可能であるから、捕獲器の展開と操作に関連して必要な時間と労力を低減できる前述の目的に従う電子げっ歯類動物捕獲器を提供することである。
【0017】
本願発明のさらなる別の目的は、複数の殺傷プレート(killing plate)に接続された高電圧出力回路、及び高電圧出力回路を制御するための中央演算処理装置を含む自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器を提供することであり、中央演算処理装置は捕獲器の状態を捕獲器の展開後に起こる武装イベント(arming event)に応答して非武装状態から武装状態に変えるように構成され、状態の変更は使用者による手動の介入なしで実行される。
【0018】
本願発明のさらなる別の目的は、捕獲器がさらにタイマーを含む前述の目的に従う自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器を提供することであり、武装イベントはタイマーによって設定された時間の満了を含む。
【0019】
本願発明のさらなる目的は、捕獲器がさらに活動センサを含む前出2つの目的に従う自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器を提供することであり、捕獲器は非武装状態において高電圧回路が停止中に活動センサを使って捕獲器内の又は捕獲器に隣接した活動を監視し、武装イベントは、捕獲器内の又は捕獲器に隣接したげっ歯類動物の閾値レベルの活動を活動センサにより検出することを含む。
【0020】
本願発明のさらなる目的は、中央演算処理装置が遠隔の使用者と無線通信できるようにする通信チップを捕獲器がさらに含む前出3つの目的に従う自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器を提供することであり、武装イベントは中央演算処理装置に捕獲器を武装状態に起動するよう指示する遠隔の使用者からの無線信号の受信を含む。
【0021】
本願発明の別の目的は、電子げっ歯類動物捕獲器および捕獲器と無線通信するための遠隔装置を含む自己武装する電子げっ歯類動物捕獲器システムを提供することであり、捕獲器は、複数の殺傷プレート、高電圧出力回路を制御するための中央演算処理装置、及び通信チップを有し、中央演算処理装置は捕獲器の状態を捕獲器の展開後に起こる武装イベントに応答して非武装状態から武装状態に変えるように構成され、状態の変更は使用者による手動の介入なしで実施され、装置により遠隔の使用者が捕獲器の中央演算処理装置と通信チップをとおして無線通信できる。
【0022】
本願発明のさらなる別の目的は、げっ歯類動物を捕獲器に慣れさせることができるように電子げっ歯類動物捕獲器を操作する方法を提供することであり、方法は電子げっ歯類動物捕獲器を非武装状態で望ましい場所に配置することを含み、電子げっ歯類動物捕獲器は複数の殺傷プレートに接続された高電圧出力回路、および、高電圧出力回路を制御するための中央演算処理装置を有し、捕獲器は非武装状態において、げっ歯類動物の捕獲器とのインタラクションにより高電圧回路が起動する結果とならない監視モードで望ましい場所で動作し、捕獲器は武装イベントが発生するまで監視モードに留まり、中央演算処理装置は武装イベントに応答して捕獲器の状態を武装状態に変更し、状態の変更は使用者による手動介入なしで中央演算処理装置により実行される。
【0023】
本願発明のさらなる別の目的は、前述の目的に従ってげっ歯類動物を捕獲器に慣れさせることができるように電子げっ歯類動物捕獲器を操作する方法を提供することであり、電子げっ歯類動物捕獲器を配置するステップの一部として捕獲器内の内部タイマーで期間を設定するステップ、又は使用者がクラウトベースタイマーで期間を設定するステップを含み、捕獲器は期間が満了する監視モードで動作し、期間の満了が武装イベントとして働く。
【0024】
本願発明のさらなる別の目的は、前出2つの目的に従ってげっ歯類動物を捕獲器に慣れさせることができるように電子げっ歯類動物捕獲器を操作する方法を提供することであり、捕獲器はタイマーの有無にかかわらず、活動センサを含み、監視モードで望ましい場所で動作するステップは、捕獲器が捕獲器の近傍の、及び/又は捕獲器とのインタラクションを活動センサを使って監視し、捕獲器は閾値回数のインタラクションが検出されるまで監視モードに留まることを含み、閾値回数のインタラクションを検出することは武装イベントとして働く。
【0025】
本願発明のさらなる別の目的は、前出3つの目的に従ってげっ歯類動物を捕獲器に慣れさせることができるように電子げっ歯類動物捕獲器を操作する方法を提供することであり、捕獲器は捕獲器の中央演算処理装置に捕獲器を武装するように指示する遠隔の使用者から送られる無線の起動信号を受信できる。
【0026】
本願発明のさらなる別の目的は、前述の目的に従ってげっ歯類動物を捕獲器に慣れさせることができるように電子げっ歯類動物捕獲器を操作する方法を提供することであり、無線起動信号は、専用遠隔コントローラ、スマートフォンアプリ、インターネット接続を備えた計算装置、及びクラウドコミュニケーションを使う計算装置から成るグループから選択される装置を使って遠隔の使用者から送られる。
【0027】
これらの目的及び利点は、これから明らかになるその他の目的及び利点と共に、これからより完全に記述及びクレームされる構造及び動作の詳細の中に存在し、似た部品には似た符号が全般的に使用される添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、スマートフォンアプリ又はPC、及びクラウドコンピューティング又はインターネットを使って捕獲器を遠隔で武装するよう構成された、本願発明の第一の実施形態に係る電子げっ歯類動物捕獲器のブロック図である。
【
図2】
図2は、遠隔コントローラを使って捕獲器を遠隔で武装するよう構成された、本願発明の第二の実施形態に係る電子げっ歯類動物捕獲器のブロック図である。
【
図3】
図3は、捕獲器を特定された時刻で、又は特定の期間後に、遅れて武装するためのタイマーを備えて動作する、本願発明の第三の実施形態に係る電子げっ歯類動物捕獲器のブロック図である。
【
図4】
図4は、活動の検出又は捕獲器とのインタラクションの閾値回数の検出又は遠隔信号への応答が起こるとデータを評価して捕獲器を武装する中央演算処理装置にデータを提供する1つ以上のセンサとして具現化され得る活動検出装置を備えた、本願発明の第四の実施形態に係る電子げっ歯類動物捕獲器のブロック図である。
【
図5】
図5は、本願発明に係る電子げっ歯類動物捕獲器がセットされずに配置され、その後待機期間の満了後、及び/又は捕獲器近傍の活動及び/又は捕獲器とのインタラクションの回数の閾値の検出、又は遠隔から送られた信号の受信が起こった際に手動介入なしで武装する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで説明される実施形態は図示目的のみで提供されていることを理解されたい。下記の説明で開示される又は図面に図示される部品の構造及び構成の詳細によって発明が限定されることを意図しない。さらに、実施形態を説明するにあたり、明確性のために特別な用語を使用する結果になり得る。それぞれの特定の用語は同様の目的達成のために同様に動作する全ての技術的同等物を含むことを理解されたい。
【0030】
図1に示されるように、本願発明は中央演算処理装置(CPU)12によって制御される高電圧出力回路10を含み、第一のプレート14及び第二のプレート16と通信する電子げっ歯類動物捕獲器100に関する。第三のプレート18も
図2および3に示されるように含まれてもよい。全ての実施形態は2個又は3個のプレートで、又はさらに追加のプレートと共に構成されてもよく、ここで示される実施形態の間で2個で示されるもの対3個で示されるものそれぞれの図示は限定的ではなく例示のみを意図している。起動されると、回路10は高電圧のパルストレイン(pulse train)をプレート14、16に送る。高電圧殺傷プレートを備えた電子げっ歯類動物捕獲器は、それら全てが本願発明の譲受人により共同所有されその全体がここで開示されていることと同様に参照され援用される米国特許第6735899号(’899特許と呼ぶ)、米国特許第6836999号(’999特許と呼ぶ)、及び米国特許第7219466号(’466特許と呼ぶ)において開示されている。
【0031】
本願発明によれば、捕獲器100は、回路10を準備完了又は武装状態にさせる制御をするCPU12が遠隔の使用者48と無線通信できるようにする通信チップ20及びアンテナ22を含む。捕獲器100は、餌無しで、又は好ましくは餌付きで、新しい捕獲場所に、セットされることなく待機又は監視モード、すなわち非武装、の状態で配置されてもよい。監視モードにおいて、捕獲器は捕獲器内のげっ歯類動物の存在に直接応答して自動的に高電圧パルスをプレート14、16に送ることはなく、単に待機し、その後、以下に説明されるような1つ以上の特定の入力又は武装イベントが発生すると自己武装する又は遠隔操作で起動される。捕獲器はまた、ここで概説されるように監視モードにあるとき他の機能を実行するように構成されてもよい。いったん捕獲器が武装されると、先にここで参照され援用される’899特許、’999特許、および’466特許に説明される電子げっ歯類動物捕獲器の動作と似た方法で、プレートのうち少なくとも2つとのげっ歯類動物の接触により高電圧回路10が起動される。
【0032】
図1に示される第一の実施形態によれば、捕獲器は、使用者48からの無線信号の受信に応答してCPU12によってセットされる又は武装状態に置かれてもよい。使用者は、インターネット34を介してスマートフォンアプリ30又はPC32などの様々な種類の計算装置を使って、又はクラウド36を使って、アンテナ22および通信チップ20へ信号を送ってもよく、又は現在知られる又は未来の全ての無線ネットワーク通信方法を使ってもよい。したがって、
図1-4において使用者48は装置を特定せずに示されるが、使用者が無線通信を発信又は受信するように構成されたあらゆる装置及び/又は方法を利用可能であることは明らかである。
【0033】
図2に示される第二の実施形態において、CPU12は、捕獲器を操作するように特別に設計された専用の遠隔コントローラ24を使って使用者によって送られた無線信号に応答して捕獲器を武装状態に置いてもよい。
【0034】
図3に示される第三の実施形態において、捕獲器200は内蔵タイマー40又はクラウドベースタイマー42のいずれかを備えて動作可能である。使用者48によって設定されるとおり、タイマーは捕獲器が監視モードに留まる時間又は待機期間を定義する。時間又は待機期間が満了するとCPU12は捕獲器をセット又は武装状態に置く。使用者48は、
図1のように、捕獲器を早くセットするために武装又は起動信号44を捕獲器200にクラウド36から又はインターネットを介して送り、タイマー40、42を無視する選択ができる。
【0035】
第四の実施形態において、捕獲器300には活動検出装置25が備えられる。監視モードにあるとき、活動検出装置25は捕獲器近傍の活動及び/又は捕獲器とのインタラクションを検出する1つ以上のセンサとして具現化されてもよい。これらのセンサは、加速度計、げっ歯類動物の体温に反応する温度検出装置52、能動的又は受動的赤外線検出装置54、近接検出装置56、及び/又はプレート間で測定したときげっ歯類動物の値と一致するインピーダンス値を認識するように構成されたインピーダンス検出装置58として具現化され得る動作検出装置50、その他を含んでもよい。センサからのデータはCPU12に継続的に提供され、データはそこで解析され、報告されたデータがげっ歯類動物の活動と一致するか、又は虫の活動、環境要因、その他などの何か他の原因による可能性が高いかが決定される。監視モードに留まったまま、CPU12は内蔵カウンタ60、クラウドベースカウンタ160、又はその他の同等物を使ってインタラクションの数とタイプを記録する。
【0036】
1つ以上のセンサを有する活動検出装置25を備えるとき、捕獲器とのインタラクションの回数が閾値に達したことを検出すると捕獲器300が殺傷可能な構成に自己武装するように使用者は設定することができる。使用者48はまた、クラウド36を介して、又は
図1に示すようなその他の方法を使って通信信号の発信をすることで独立して、捕獲器300を武装する選択もできる。
【0037】
今説明したような活動及び/又は捕獲器とのインタラクションの検出および追跡に加えて、捕獲器はまた使用者48に活動警報を提供する無線信号を送るように構成されてもよい。活動警報によれば、捕獲器が監視モードにある間、捕獲器で発生しているインタラクションを使用者が逃さないようにできる。これらの警報に応答して、使用者はげっ歯類動物のインタラクションの回数が閾値に達するまえに、通信チップ20を介したCPU12への無線信号の発信によって捕獲器を起動させる、又は遠隔で武装させる選択ができる。
【0038】
本願発明はまた、
図5のフローチャートで要約されるように、行動領域に捕獲器を非武装状態で配置することによりげっ歯類動物を捕獲器の存在に慣れさせ、その後遠隔信号に応じて、待機期間の満了、捕獲器近傍の行動の検出、及び/又はその他により、手動の介入なしで捕獲器をセット又は武装させる方法に関する。
【0039】
この方法によれば、ステップ400で捕獲器は新しい場所に非武装状態で置かれる。置かれるとき捕獲器は餌付きでも餌無しでもよい。ステップ402で捕獲器がタイマーを内蔵する場合、ステップ404でタイマーがセットされる。その後捕獲器は監視モードで作動し、ステップ406でタイマーが満了したか否かを追跡する。ステップ406でタイマーが切れていない場合、ステップ408で捕獲器は非武装を維持し、監視モード下でげっ歯類動物はインタラクションを続けられる。
【0040】
捕獲器がステップ410で活動センサを有する場合、捕獲器はステップ412で捕獲器近傍の活動及び/又は捕獲器とのインタラクションを監視する。ステップ414で活動が検出されない限り、捕獲器はステップ412で活動を監視続ける。ステップ414で活動が検出されたとき、捕獲器はステップ416で、カウンタ又はその他の類似機構を1つ進め、ステップ418で活動又はインタラクションが閾値回数だけ検出されたか否かを判断する。ステップ418で活動又はインタラクションが閾値回数に未だ到達していない場合、且つステップ419で遠隔信号が無い場合、ステップ408で捕獲器は非武装を維持し、監視モード下でげっ歯類動物はインタラクションを続けられる。ステップ418で活動又はインタラクションが閾値回数に一旦到達すると、又はステップ419で使用者からの遠隔信号が受信された場合、捕獲器はステップ420で手動介入なしで自己武装する。
【0041】
捕獲器がステップ410で活動センサを有さない場合、且つステップ402でタイマーを有さない、又はステップ406でタイマーを有するが時間切れしていない場合、ステップ422で遠隔信号を受信するまで、又はタイマーが満了するまで、ステップ408で捕獲器は非武装を維持し、監視モード下でげっ歯類動物はインタラクションを続けられる。ステップ422で遠隔コントローラ又はスマートフォンアプリ又はインターネットもしくはクラウドを介したPCのいずれかからの遠隔信号を受信すると、又はステップ424でタイマーが切れると、捕獲器はステップ420で手動介入なしで自己武装する。
【0042】
本願発明はまた、通信チップなしで構成されてもよく、捕獲器の中央演算処理装置が捕獲器の配置後に発生する武装イベントに応答して捕獲器の状態を非武装状態から武装状態に使用者による手動介入なしで変えるように構成されてもよい。武装イベントは例えば捕獲器の独立のタイマーによって設定される期間の満了である。加えて、又は代わりに、捕獲器は活動センサを含んでもよく、武装イベントは捕獲器内又は捕獲器に隣接したげっ歯類動物の活動を活動センサによって閾値回数検出することでもよい。捕獲器はまた、外部からの入力なしで作動できて捕獲器を初期の配置以降に、又は配置のときに起動させる他の独立式センサを備えてもよい。
【0043】
前述の説明及び図面は発明の原理の例示のみであると考えられるべきである。本願発明は様々な形、及びサイズで構成されてもよく、実施形態の寸法に限定されない。当業者には本願発明の多数の用途が容易に思い浮かぶ。したがって、発明を、開示された特定の例や、図示され説明された構造及び動作そのままに限定することは望んでいない。むしろ、発明のスコープ内で全ての適切な変更及び同等物に到達し得る。