(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】物体の回転並進移動用装置
(51)【国際特許分類】
A47B 96/02 20060101AFI20220803BHJP
F16C 31/04 20060101ALI20220803BHJP
A47B 46/00 20060101ALI20220803BHJP
B65G 1/14 20060101ALN20220803BHJP
【FI】
A47B96/02 K
F16C31/04
A47B46/00 501B
A47B46/00 501F
A47B96/02 G
B65G1/14 K
(21)【出願番号】P 2019551282
(86)(22)【出願日】2018-03-21
(86)【国際出願番号】 EP2018057148
(87)【国際公開番号】W WO2018172404
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】102017106170.3
(32)【優先日】2017-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504467554
【氏名又は名称】ポール ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レハーゲ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】マッテス, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ジーゲルト, ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】レーマン, ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンクラー, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】フィードラー, ゴットフリート
(72)【発明者】
【氏名】エンダーライン, ハルトムート
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02647812(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0101461(US,A1)
【文献】特開平10-318669(JP,A)
【文献】独国実用新案第000009300364(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 46/00
A47B 63/04
A47B 96/02
F25D 25/00
F16C 31/04
B65G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面的なベアリング領域(4)を含む物体(2)の回転及び並進移動用装置であって、
ベアリング領域(5)を有し、物体(2)の平面的なベアリング領域(4)は前記ベアリング領域(5)に平面的に平行に配置された運搬プレート(3)を備え、
物体(2)は運搬プレート(3)に対して2つの互いに反対の回転方向(R
1、R
2)の1つの方向に回転可能で、且つ所定の方向(A)に変位可能であり、
互いに対向する各ベアリング領域(4,5)のベアリング表面は、
少なくとも1つの閉じた周辺走行溝(44、45、51)を備え、
前記周辺走行溝(44、45、51)の中においてローラー体(6)が案内され、
前記周辺走行溝(44、45、51)は、物体(2)に物体(2)の平面的なベアリング領域(4)の面にて定義された方向(A)に力が作用した場合に、物体(2)が、スタート位置から中間位置へ少なくとも部分的に積極的に案内され、同時に回転及び並進移動で移動可能であるように形成され、
前記同時の回転及び並進移動中に、前記物体(2)は運搬プレート(3)に対して2つの互いに反対の回転方向(R
1、R
2)の1つの方向に回転するとともに所定の方向(A)に変位し、
前記物体(2)は、中間位置に移動した後、2つの互いに反対の回転方向(R
1、R
2)の1つの方向に運搬プレート(3)に対してさらに回転可能で、所定の方向(A)と反対に移動可能であり、且つ180°の回転時に再び基本位置を占める、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
2つの閉じた周辺走行溝(44,45)が一方の前記ベアリング領域(4)に導入され、
1つの正確に閉じた周辺走行溝(51)が他方の前記ベアリング領域(5)に導入されている、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ローラー体(6)がボールとして形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
互いに間隔を置いて位置させられた4つのローラー体(6)が前記走行溝(44,45,51)の中において案内される、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記ローラー体(6)がローラー
体ケージにキャッチ可能に保持される、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記ベアリング領域(4,5)が、前記運搬プレート(3)又は前記物体(2)
と一体に形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの前記ベアリング領域(4,5)が、別個の要素として形成されており、当該別個の要素が、それぞれ、
前記運搬プレート(3)又は前記物体(2)における対応する形状に形成されたレセプタクルに挿入可能であるか、又は
前記運搬プレート(3)又は前記物体(2)に接続手段によって取り付け可能である、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
ガイド(8)が、前記ベアリング領域(4,5)の一方に配置され、案内保持要素(9)が前記ベアリング領域(4,5)の他方に配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記閉じた周辺走行溝(44,45,51)が、それぞれ、前記物体(2)の前記ベアリング領域(4)及び前記運搬プレート(3)の前記ベアリング領域(5)の中心点の周りに、前記物体(2)の並進移動の方向(A)における前記運搬プレート(3)の前端にまで導入されている、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記閉じた周辺走行溝(44,45,51)が、前記物体(2)が180度回転した後に到達する前記基本位置において前記ローラー体(6)のための複数のキャッチポイント(43,53)を有する、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記物体(2)が、
移動全体を通じて、前記物体(2)の並進移動の方向(A)の反対に前記運搬プレート(3)の後端を超えて突出しない、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記物体(2)
が、2つのベアリング領域を有し、且つ1以上の運搬プレート(3)と相互に作用する、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記運搬プレート(3)が、横臥して、又はぶら下がって、又は鉛直に起立して設置可能である、ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前置文による運搬プレートのベアリング領域に関して当該ベアリング領域に平面平行に配置された平面的ベアリング領域を有する物体の回転及び並進移動用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような装置は、例えば、保管空間又は保管表面に到達することが困難なエリアをアクセス可能にするのに用いられる。保管空間又は保管表面に保管された特定の物体に到達する能力は、しばしば非常に限られた範囲においてのみ可能である。例えば、人の頭の高さより上あるいは膝の高さより下のように特定のユーザに不親切に配置された保管空間は困難を伴ってのみ到達できる。
【0003】
この保管空間又は保管表面に設置されたターンテーブルを回転(turning out)又は旋回(pivoting out)させることは、これらの上記不利点を解消するのに合理的なように見える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術から知られている装置においては、主に、順次の回転及び並進の移動が互いに結合される。これらの2つのタイプの移動は、一般的に互いに別個に平行して及び又は連続して行われる。そのような解決手段は技術的に複雑である。この場合、回転移動は、しばしば、特に90度までのみの限られた範囲においてのみ可能である。さらに、多くの解決手段が、支持力の吸収並びに安定性及さらには大きな構造物高さにおいて弱点を有している。
【0005】
本発明の目的は、運搬プレートに関連する物体の回転及び並進移動用の改良された装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、クレーム1の特徴を有する運搬プレートのベアリング領域に関して平面的なベアリング領域を有していて、前記運搬プレートのベアリング領域が前記平面的なベアリング領域に平面平行である、物体の回転及び並進移動のための装置によって達成される。
【0007】
物体の回転及び並進移動のための本発明に係る装置は、互いに向き合ったベアリング領域のベアリング表面が、ボール体が案内される閉じた周辺走行溝を備える点において区別される。前記物体は、運搬プレートのベアリング領域に関して平面的なベアリング領域を有していて、前記運搬プレートのベアリング領域が前記平面的なベアリング領域に平面平行である。前記物体は、前記運搬プレートに関して第1の回転方向に回転可能であり、且つ、所定の方向に変位可能である。
【0008】
前記周辺走行溝は、前記物体に前記ベアリング領域の平面において定義された方向に力が作用した場合に、前記物体が少なくとも部分的に積極的に案内される、基本位置から中間位置への同時の回転及び並進移動において移動可能であるように形成され、前記同時の回転及び並進移動において、前記物体が前記ベアリング領域に関して2つの可能な反対の回転方向のうちの1つの方向に回転されるとともに前記所定の方向に変位され、前記物体が、前記中間位置への移動後に、さらに前記2つの可能な反対の回転方向のうちの1つの方向に前記運搬プレートに関して旋回可能であり、前記所定の移動方向と反対に変位可能であり、且つ180度の旋回時に再び前記基本位置を占める。1つの有利な中間位置が、約90度に位置する。前記物体は、前記運搬プレートに関して任意の角度で回転可能である。
【0009】
前記積極的に案内される、物体と運搬プレートとの間の同時の回転及び並進移動は、前記基本位置と、前記2つの可能な回転方向のそれぞれにおける前記中間位置(有利には90度)に届くすぐ手前と、の間の範囲に存在する。また、前記運搬プレートに関する前記物体の90度位置の範囲における1つのみの回転移動があり得る。
【0010】
前記周辺走行溝が設けられていて、少なくとも部分的に同時の回転及び並進移動が可能である、前記ベアリング領域の前記ベアリング表面によれば、前記物体が前記運搬プレート上を単純な方法で移動可能である。
【0011】
前記物体の下側及び前記運搬プレートの上側への前記周辺走行溝の導入によるこの装置の単純な構造は、製造コストを低減し、装置の堅牢性を向上させ、且つ、ユーザに操作しやすくする。
【0012】
本発明の1つの有利な実施形態の変形によれば、2つの閉じた周辺走行溝が一方の前記ベアリング領域に導入され、はっきりと1つである閉じた周辺走行溝が他方の前記ベアリング領域に導入されている。
【0013】
この場合、3つの走行溝のそれぞれは、好ましくは、少なくとも同様のプロファイル、すなわち、同様の基本要素を有する断面形状を有する。1つのベアリング領域の2つの走行溝の一方は、他方のベアリング領域の走行溝を写し取った(mirrored)ものとされ、2つの走行溝の他方は、2つの溝の一方に関して180度回転されるとともに所定量変位されて形成される。
【0014】
そのような走行溝の輪郭を採用すると、操作するのが単純である、前記運搬プレートに関する前記物体の同時の回転及び並進移動が可能になる。
【0015】
1つの好ましい実施形態の変形によれば、前記ローラー体はボールとして形成される。この構成は、前記物体の前記運搬プレートに関する相対的な低摩擦移動を可能にする。
【0016】
単純な走行溝設計を維持しながら個々の前記ローラー体への支持負荷を可能にするために、好ましくは、4つの走行体が前記走行溝の中において案内される。
【0017】
さらなる好ましい実施形態の変形によれば、前記ローラー体がローラー体ケージに、好ましくはキャッチ可能に、保持される。走行溝における移動の間の前記ローラー体の積極的な案内は、このようにして一層改善される。
【0018】
本発明の1つの実施形態の変形によれば、前記物体又は前記運搬プレートの前記ベアリング領域が、それぞれ、前記運搬プレート又は前記物体と1つの物品に形成されている。
【0019】
もう1つの実施形態の変形によれば、少なくとも1つの前記ベアリング領域が、別個の要素として形成されており、当該別個の要素が、それぞれ、前記前記運搬プレート又は前記物体における対応する形状に形成されたレセプタクルに挿入可能であるか、又は前記前記運搬プレート又は前記物体に接続手段によって取り付け可能である。
【0020】
さらなる好ましい実施形態の変形によれば、ガイド(例えば、前記並進移動方向に延在するスロット)が、前記ベアリング領域の一方に配置され、案内保持要素が前記ベアリング領域の他方に配置されている。例えば、削孔が、1つのベアリング領域に導入されている。削孔には、案内保持するピン又はボルトが収容される。この構成は、また、積極的な案内をさらに改善するのに貢献する。さらに、前記物体及び前記運搬プレートが、このようにして、単純な方法で互いに軸方向に保持されることが可能になる。
【0021】
さらなる好ましい実施形態の変形によれば、前記閉じた周辺走行溝が、それぞれ、前記物体のベアリング領域及び前記運搬プレートのベアリング領域の中心の周りに、前記物体の並進移動方向における前記運搬プレートの前端にまで導入されている。
【0022】
この構成は、大きな接触表面を可能にする。さらに、この方法において、特に有利な負荷吸収が得られる。
【0023】
走行溝は、物体が、前記全体移動の間において、前記物体の並進方向における前記運搬プレートの後端を超えて突出しないように、特に好適に設計される。
【0024】
この構成は、本発明の装置の多くの用途において有利であり得る。さらに、この実施形態においては、前記物体が中間位置に傾くのを防止するために、傾き安全装置が、好ましくは前記運搬プレートの後端に設置され得る。
【0025】
前記基本位置における前記物体の位置取りを改善するために、前記周辺走行溝は、好ましくは、前記物体の180度回転後に到達する前記基本位置において前記ローラー体のための複数のキャッチポイントを有する。
【0026】
さらなる前記装置の操作性の単純化が、前記物体が前記運搬プレートに関して第1の回転方向及びそれと反対の第2の回転方向に回転可能であるという点において、達成される。
【0027】
1つの好ましい実施形態の変形によれば、前記運搬プレートが横臥して設置される。しかしながら、また、前記運搬プレートが、ぶら下がって、又は鉛直に起立して、設置されることも考えられる。
【0028】
また、用途に依存して、物体は1以上のベアリング領域を有する。物体は、好ましくは、2つのベアリング領域を有する。例えば、1つのベアリング領域が前記物体の上側に設置され、1つのベアリング領域が前記物体の下側に設置される。このようにして、前記物体は、1以上の運搬プレートの対応するベアリング領域と相互に作用することができる。この場合、1つのベアリング領域が固定ベアリングとして具現化され、すくなくとも1つのベアリングがフローティングベアリングとして具現化される。対応する実施形態は、特に、安定性を高める背の高い物体の場合に有利である。
【0029】
本発明の例示的な実施形態が、添付の図面に基づいて、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明に係る装置の実施形態の変形(variant)の上面図を示す。
【
図5】
図5は、ベアリング領域が別個の要素として形成された他の実施形態の変形の斜視分解図を示す。
【
図6】
図6は、別個の要素として形成されたベアリング領域の斜視図を示す。
【
図7】
図7は、中間位置に物体を有する運搬プレートの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(実施形態)
以下の図の記載において、左、右、前、後等の用語は、運搬プレート、物体、ベアリング領域、ローラー体、及び走行溝等の斜視図における一例として選択された説明及び位置を排他的に指す。これらの用語は制限的に理解されるべきではない。すなわち、これらの参照は、異なった動作位置、鏡面対称設計等によって変わり得る。
【0032】
図1において、物体(ここでは棚の形状)が参照符号2で示される。物体2は、回転的且つ並進的に移動可能に運搬プレート3上に装着されている。この場合において、物体2又は運搬プレート3の各ベアリング領域4,5は、それぞれ、ベアリングのために設けられている。
【0033】
互いに向き合ったこれらのベアリング領域4,5のベアリング表面は、それぞれ、閉じた周辺走行溝44,45,51を有している。それらの中をローラー体6が案内される。ローラー体6は、この場合、好ましくはボールとして形成される。
【0034】
走行溝44,45,51は、ベアリング領域の平面内に定義された方向Aにおいて物体2に力が作用すると、物体2が、積極的に案内される、スタート位置から中間位置への同時の回転及び並進移動において移動可能である形状を有する。この同時の回転及び並進移動では、物体2が、回転方向R1又は回転方向R2において運搬プレート3に関して回転されるとともに所定の方向にAに変位する。
【0035】
1つの好ましい中間位置において、物体2は、基本位置(base-position)に関して約90度旋回(pivot)され、変位は所定の方向において最大値に達する。
【0036】
物体2は、さらに方向R1に回転されることによって基本位置に戻り得る。このために、物体2は、運搬プレート3に関して全部で180度旋回されるとともに所定の方向Aと反対方向に基本位置に変位される。
【0037】
もう1つの方法として、物体2は、回転方向R1と反対に回転方向R2に回転し直すことによって基本位置に戻り得る。
【0038】
図4乃至6に示されるように、2つの閉じた周辺走行溝44,45が物体2のベアリング領域4に導入されている。はっきりと1つに閉じた周辺走行溝51が運搬プレート3のベアリング領域5に導入されている。
【0039】
また、2つの上記走行溝が運搬プレート3のベアリング領域5に導入され、1つの上記走行溝が物体2のベアリング領域4に導入されるという逆配置が考えられる。
【0040】
3つの走行溝44,45,51は、断面及び同様の形状で一致していることが好ましく、且つ、非常によく似た基本要素を有している。この場合、
図4及び
図5から良く判るように、物体2のベアリング領域4の2つの走行溝の一方44は、走行溝51に関して鏡面対象である。2つの走行溝の他方45は、走行溝44に関して180回転されて形成されており、且つ、並進移動の量だけ変位されている(ずらされている)。
【0041】
図2、3、4、及び5にさらに示されているように、ローラー体6(ここではボールとして形成されている)は、ローラー体ケージ(籠)7に保持されている。この場合、ローラー体6は、ローラー体ケージ7の中に係留されていることが好ましい。ローラー体6を、このために設けられたローラー体ケージ7の開口中に単独で案内することが考えられる。
【0042】
運搬プレート3の物体2との軸方向の固定のために、並進移動方向Aに延在するスロットの形をしたガイド8が、運搬プレート3のベアリング領域5に導入されている。削孔46が、物体2のベアリング領域4の中心に導入されている。もし、運搬プレート3及びその上に置かれている物体2が水平に設置される場合、当該軸方向の安全手段を省略してもよい。また、1以上の軸方向の安全手段又は異なるように具現化された安全手段が設けられ得る。
【0043】
図4に示される実施形態の変形ではベアリング領域4,5が物体2又は運搬プレート3と1つの物品にそれぞれ形成されていて、そこでは、走行溝44,45,51は、それぞれ、物体2の下側又は運搬プレート3の上側に直接導入されているが、その一方で、ベアリング領域4,5は、物体2の下側又は運搬プレート3の上側にそれぞれ締結可能なベアリングプレート42,52の形の別個の要素として形成される。
【0044】
この目的のために、それぞれの締結レセプタクル54,47が、ベアリングプレート42,52の側端に形成されている。締結レセプタクル54,47には、ねじが挿入可能であり、それらを用いてベアリングプレート42,52が、それぞれ、物体2又は運搬プレート3に締結可能である。
【0045】
ローラー体6への負荷をできる限り低く維持するとともに簡素な走行溝を可能にするために、ここに示された実施形態の変形では、4つのボールに形成されたローラー体6が走行溝44,45,51中を案内される。あるいは、2つ又は8つのローラー体が設けられ得る。
【0046】
図4、5、及び6に示されるように、閉じた周辺走行溝44,44、51は、物体2のベアリング領域4及び運搬プレート3のベアリング領域5の中心点を介して運搬プレート3の物体2の並進移動方向Aにおける前端にまで導入されている。
【0047】
スタート位置において物体2を容易にラッチ(掴む:latch)できるように、閉じた周辺走行溝44,45,51は、スタート位置に複数のローラー体6のキャッチポイント(catch point)を備えている。スタート位置においては、物体2は運搬プレート3の前端を超えて突出しない。このスタート位置には、物体2が180度だけ回転する毎に到達する。
【0048】
さらなる実施形態において、選択された中間位置もまた、例えば、物体2の運搬プレート3に関する90度の旋回時にキャッチポイントを有し得る。
【0049】
キャッチポイント43,53は、これらの位置からの移動に高い力の印加が必要とされる点において区別される。この高い力の印加は、例えば、対応する、窪み、高い隆起、等を有する走行溝44,45,51を形成することによって達成され得る。この力に影響を及ぼす他の要素として、例えば、磁石が考えられる。
【0050】
ここに示される走行溝44,45,51の形成では、物体2は、運搬プレート3に関して回転方向R1及び反対の回転方向R2に回転可能にされる。
【0051】
さらに、物体2は、この走行溝44,45,51の形成によって任意の角度だけ回転され得る。このようにして、第1の回転移動の間に、物体2を運搬プレート3に関して回転方向R1に180度回転させることができ、且つ、その後の作動の間に、もう一度物体2を同じ回転方向R1に回転させること又はこれに代えて物体2を反対の回転方向R2に回転させることができる。
【0052】
物体2は、約90度の中間位置において、運搬プレート3の後端を超えて方向Aの反対に突出しないことが
図7から明らかである。
【0053】
運搬プレート3及びこの上に保持された物体2は、横臥して、又はぶら下がって、又は鉛直に起立して設置され得る。横臥して設置された位置では、この装置は、この場合、棚として設計された物体2の並進及び回転移動用に好適に使用される。
【符号の説明】
【0054】
2 物体
3 運搬プレート
4 ベアリング領域
41 ベアリングプレート
43 キャッチポイント
44 走行溝
45 走行溝
46 削孔
47 締結レセプタクル
5 ベアリング領域
51 走行溝
52 ベアリングプレート
53 キャッチポイント
54 締結レセプタクル
6 ローラー体
7 ローラー体ケージ
8 ガイド
9 案内保持ピン
A 方向
R1 回転方向
R2 回転方向